説明

音価変更装置、方法及びプログラム

【課題】音符データ及び/又は休符データの音価を変更した際に音楽的に正しい楽譜に変更することができる音価変更装置、方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】複数の音符データ及び/又は休符データを含む楽譜データを記憶する記憶手段と、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定手段と、前記倍率指定手段により指定された倍率で、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更手段と、前記音価変更手段により音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更手段とを有することを特徴とする音価変更装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音価変更装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図3(A)は音価変更前の楽譜を示す図であり、図3(B)は音価変更後の楽譜を示す図である。図3(B)の楽譜は、図3(A)の音符及び休符の音価(長さ)を半分に変更したものである。しかし、音符及び休符の音価が半分になるだけであり、拍子記号及び小節線の位置は変更されない。図3(B)の楽譜では、拍子記号が4/4拍子であるのに、各小節の音符及び/又は休符は4/4拍子になっておらず、音楽的に誤った楽譜になってしまう。
【0003】
また、特開平9−62258号公報には、複数の発音情報で構成される演奏情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の発音情報から任意且つ複数の発音情報を指定する指定手段と、前記発音情報を変更するための変更情報を入力する入力手段と、前記指定手段により指定された全ての発音情報を、前記入力手段により入力された変更情報に基づいて書き換える書換手段と、を有することを特徴とする演奏情報編集装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−62258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、音符データ及び/又は休符データの音価を変更した際に音楽的に正しい楽譜に変更することができる音価変更装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の音価変更装置は、複数の音符データ及び/又は休符データを含む楽譜データを記憶する記憶手段と、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定手段と、前記倍率指定手段により指定された倍率で、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更手段と、前記音価変更手段により音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の音価変更方法は、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定ステップと、前記倍率指定ステップにより指定された倍率で、記憶手段に記憶されている楽譜データ内の複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更ステップと、前記音価変更ステップにより音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定ステップと、前記倍率指定ステップにより指定された倍率で、記憶手段に記憶されている楽譜データ内の複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更ステップと、前記音価変更ステップにより音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
音価を変更する場合には、それに応じて小節線の位置又は拍子記号を変更することにより、音楽的に正しい楽譜に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図2は、本発明の実施形態による音価変更装置(コンピュータ)のハードウエア構成例を示すブロック図である。音価変更装置は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。バス201には、中央処理装置(CPU)202、ROM203、RAM204、ネットワークインタフェース205、入力装置206、出力装置207及び外部記憶装置208が接続されている。
【0011】
CPU202は、データの処理又は演算を行うと共に、バス201を介して接続された各種構成要素を制御するものである。ROM203には、予めCPU202の制御手順(コンピュータプログラム)を記憶させておき、このコンピュータプログラムをCPU202が実行することにより、起動する。外部記憶装置208にコンピュータプログラムが記憶されており、そのコンピュータプログラムがRAM204にコピーされて実行される。RAM204は、データの入出力、送受信のためのワークメモリ、各構成要素の制御のための一時記憶として用いられる。外部記憶装置208は、例えばハードディスク記憶装置やCD−ROM等であり、電源を切っても記憶内容が消えない。CPU202は、RAM204内のコンピュータプログラムを実行することにより、音価変更装置の処理を行う。
【0012】
ネットワークインタフェース205は、インターネット等のネットワークに接続するためのインタフェースである。入力装置206は、例えばキーボード及びマウス等であり、各種指定又は入力等を行うことができる。出力装置207は、ディスプレイ及びプリンタ等である。出力装置207内のディスプレイには、図4(A)〜(C)の楽譜及び図5〜図7の画面が表示される。
【0013】
図1は、上記のコンピュータプログラムの機能を説明するためのブロック図である。コンピュータがコンピュータプログラムを実行することにより、音価変更装置(方法)が実現される。音価変更装置(方法)100は、記憶手段(ステップ)101、倍率指定手段(ステップ)102、変更方法指定手段(ステップ)103、音価変更手段(ステップ)104、楽譜変更手段(ステップ)105、表示手段(ステップ)106、変更前試聴手段(ステップ)107及び変更後試聴手段(ステップ)108を有する。
【0014】
図4(A)〜(C)は、出力装置207内のディスプレイに表示される楽譜の例を示す図である。図4(A)は音符及び/又は休符の音価(長さ)変更前の楽譜、図4(B)及び(C)は音符及び/休符の音価変更後の楽譜を示す。
【0015】
記憶手段101は、複数の音符データ及び/又は休符データを含む楽譜データを記憶する。表示手段106は、図4(A)に示すように、記憶手段101に記憶されている変更前の楽譜データを表示する。
【0016】
図4(B)は、音符及び/又は休符の音価変更に応じて拍子記号を変更する例を示す。倍率指定手段102は、ユーザの指示により、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を例えば1/2倍に指定する。また、変更方法指定手段103は、ユーザの指示により、拍子記号の変更を指定する。ユーザが音価変更の実行を指示すると、音価変更手段104は、倍率指定手段102により指定された1/2倍の倍率で、記憶手段101に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する。例えば、4分音符は8分音符に変更され、4分休符は8分休符に変更される。楽譜変更手段105は、音価変更手段104により音価が変更されると、記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する。例えば、拍子記号は4/4拍子から4/8拍子に変更される。これにより、拍子記号と各小節の拍子とが一致し、正しい楽譜に変更することができる。
【0017】
例えば、倍率指定手段102は、1/4倍、1/2倍、2倍及び4倍の4個の倍率を指定することができる。この場合、音価変更手段104は、音符データ及び/又は休符データの種類を変更するだけでよい。
【0018】
楽譜変更手段105は、拍子記号を変更する場合、まず拍子記号の分母を変え、目標の拍子記号になれば、その拍子記号に決定する。例えば、3/4拍子の楽譜の音価を1/2倍にする場合には、拍子記号を3/(4×2)=3/8拍子にする。目標の拍子記号にならない場合には、続いて拍子記号の分子を変え、目標の拍子記号に合わせる。例えば、2/2拍子の楽譜の音価を4倍にする場合には、拍子記号を4×2/2=2×2/1=4/1拍子にする。
【0019】
図4(C)は、音符及び/又は休符の音価変更に応じて小節線の位置を変更する例を示す。倍率指定手段102は、ユーザの指示により、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を例えば1/2倍に指定する。また、変更方法指定手段103は、ユーザの指示により、小節線の位置の変更を指定する。ユーザが音価変更の実行を指示すると、音価変更手段104は、倍率指定手段102により指定された1/2倍の倍率で、記憶手段101に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する。例えば、4分音符は8分音符に変更され、4分休符は8分休符に変更される。楽譜変更手段105は、音価変更手段104により音価が変更されると、記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更する。例えば、各小節の拍子が拍子記号の4/4拍子と一致するように小節線の位置を変更する。図4(C)の1小節は、図4(A)の2小節分に対応する。これにより、拍子記号と各小節の拍子とが一致し、正しい楽譜に変更することができる。
【0020】
小節線の位置を変更する場合、音価を1/4倍に変更する場合には元の楽譜の4つの小節線毎に3つの小節線を削除する。また、音価を1/2倍に変更する場合には、元の楽譜の2つの小節線毎に1つの小節線を削除する。また、音価を2倍に変更する場合には、各小節の1/2の箇所に小節線を追加する。また、音価を4倍に変更する場合には、各小節の1/4、1/2、3/4の3箇所に小節線を追加する。
【0021】
図5は、音価変更画面の例を示す図である。ユーザが入力装置206内のマウスを用いて音価の変更を指示すると、表示手段106は、出力装置207内のディスプレイに図5の音価変更画面を表示する。
【0022】
記憶手段101は、複数の音符データ及び/又は休符データを含む楽譜データを記憶する。表示手段106は、記憶手段101に記憶されている変更前の楽譜データ501を表示する。ユーザがマウスで倍率503を入力すると、倍率指定手段102は、音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率503を指定する。例えば、2倍の倍率が指定される。ユーザは、マウスを用いて小節線の位置の変更504又は拍子記号の変更505を選択する。その選択に応じて、変更方法指定手段103は、小節線の位置の変更(図4(C))504又は拍子記号の変更(図4(B))505を指定する。音価変更手段104は、倍率指定手段102により指定された倍率で、記憶手段101に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する。楽譜変更手段105は、音価変更手段104により音価が変更されると、変更方法指定手段103の指定に応じて、記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する。
【0023】
表示手段106は、記憶手段101に記憶されている変更前の楽譜データ501、及び音価変更手段104及び楽譜変更手段105により変更された変更後の楽譜データ502をならべて表示する。変更後の楽譜データ502は、変更前の楽譜データ501の音符の音価が例えば2倍に変更されている。例えば、4分音符は2分音符に変更され、2分音符は全音符に変更される。ユーザがマウスで変更前試聴ボタン506をクリックすると、変更前試聴手段107は、変更前の楽譜データ501を演奏し、ユーザはそれを試聴することができる。また、ユーザがマウスで変更後試聴ボタン507をクリックすると、変更後試聴手段108は、変更後の楽譜データ502を演奏し、ユーザはそれを試聴することができる。これにより、ユーザは、変更前の楽譜データ501及び変更後の楽譜データ502を、表示により比較することができ、さらに試聴により比較することができる。ユーザがマウスで「OK」ボタン508をクリックすると、変更後の楽譜データ502が確定し、記憶手段101に記憶される。
【0024】
ユーザが倍率503を指定すると、「OK」ボタン508をクリックしなくても、その直後にリアルタイムで、表示手段106は、変更後の楽譜データ502を表示する。また、ユーザが小節線の位置の変更504又は拍子記号の変更505を指定すると、「OK」ボタン508をクリックしなくても、その直後にリアルタイムで、表示手段106は、変更後の楽譜データ502を表示する。
【0025】
図6は、小節線の位置を変更する画面の例を示す図である。ユーザが図5の画面において、小節線の位置の変更504を選択すると、表示手段106は、図6の画面を表示する。小節線の位置の変更504のチェックボックスには、チェックが表示される。音価変更手段104は、倍率指定手段102により指定された倍率(例えば2倍)で、記憶手段101に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する。楽譜変更手段105は、音価変更手段104により音価が変更されると、変更方法指定手段103の指定に応じて、記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更する。表示手段106は、記憶手段101に記憶されている変更前の楽譜データ501、及び音価変更手段104及び楽譜変更手段105により変更された変更後の楽譜データ502をならべて表示する。変更後の楽譜データ502は、変更前の楽譜データ501の音符の音価が例えば2倍に変更されている。なお、変更後の音符が小節線をまたぐ場合には、その音符を分割してタイでつなぐ。その詳細は、後に図8及び図9を参照しながら説明する。また、変更後の楽譜データ502は、拍子記号の4/4拍子に合うように、小節線が追加されている。
【0026】
図7は、拍子記号を変更する画面の例を示す図である。ユーザが図5の画面において、拍子記号の変更505を選択すると、表示手段106は、図7の画面を表示する。拍子記号の変更505のチェックボックスには、チェックが表示される。音価変更手段104は、倍率指定手段102により指定された倍率(例えば2倍)で、記憶手段101に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する。楽譜変更手段105は、音価変更手段104により音価が変更されると、変更方法指定手段103の指定に応じて、記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する。表示手段106は、記憶手段101に記憶されている変更前の楽譜データ501、及び音価変更手段104及び楽譜変更手段105により変更された変更後の楽譜データ502をならべて表示する。変更後の楽譜データ502は、変更前の楽譜データ501の音符の音価が例えば2倍に変更されている。また、変更後の楽譜データ502は、拍子記号が4/4拍子から4/2拍子に変更されている。
【0027】
図8(A)〜(D)は、音価の倍率を2倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。図8(A)は、元の楽譜データを示す図である。倍率指定手段102が2倍の倍率を指定し、変更方法指定手段103が小節線の位置の変更を指定する場合を例に説明する。音価変更手段104は、図8(B)に示すように、音符データの音価を2倍にする。具体的には、音価変更手段104は、音符データの種類を変更する。次に、拍子記号の4/4拍子に合う小節線を追加する場合に、その追加する小節線の時間位置をまたぐ全音符データ801が存在する場合には、その全音符データ801を、図8(C)に示すように、2個の2分音符データ802及び803に分割し、タイ804でつなぐ。最後に、図8(D)に示すように、2個の2分音符データ802及び803間に小節線805を追加する。
【0028】
図9(A)〜(D)は、音価の倍率を4倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。図9(A)は、元の楽譜データを示す図である。倍率指定手段102が4倍の倍率を指定し、変更方法指定手段103が小節線の位置の変更を指定する場合を例に説明する。音価変更手段104は、図9(B)に示すように、音符データの音価を4倍にする。具体的には、音価変更手段104は、音符データの種類を変更する。次に、拍子記号の4/4拍子に合う小節線を追加する場合に、その追加する小節線の時間位置をまたぐ倍全音符データ901が存在する場合には、その倍全音符データ901を、図9(C)に示すように、2個の全音符データ902及び903に分割し、タイ904でつなぐ。最後に、図9(D)に示すように、2個の全音符データ902及び903間に小節線905等を追加する。
【0029】
以上のように、楽譜変更手段105は、音価変更手段104により変更された音価に応じて記憶手段101に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更すると、小節線をまたぐ音符データ801,901が存在する場合には、小節線をまたぐ音符データ801,901を2つに分割し、分割した音符データ802,803,902,903をタイ804,904でつなぎ、分割した音符データ802,803,902,903間に小節線805,905を追加するように楽譜データを変更する。
【0030】
図10(A)〜(D)は、音価の倍率を1/2倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。図10(A)は、元の楽譜データを示す図である。倍率指定手段102が1/2倍の倍率を指定し、変更方法指定手段103が小節線の位置の変更を指定する場合を例に説明する。音価変更手段104は、図10(B)に示すように、音符データの音価を1/2倍にする。具体的には、音価変更手段104は、音符データの種類を変更する。音符データ1001及び1002は、小節線1004をまたいでタイ1003でつながれている。次に、拍子記号の4/4拍子に合うように小節線1004を削除し、図10(C)の楽譜データを生成する。その後、タイ1003を削除し、2個の4分音符データ1001及び1002を、図10(D)に示すように、1個の2分音符データ1005に統合する。
【0031】
図11(A)〜(D)は、音価の倍率を1/4倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。図11(A)は、元の楽譜データを示す図である。倍率指定手段102が1/4倍の倍率を指定し、変更方法指定手段103が小節線の位置の変更を指定する場合を例に説明する。音価変更手段104は、図11(B)に示すように、音符データの音価を1/4倍にする。具体的には、音価変更手段104は、音符データの種類を変更する。音符データ1101及び1102は、小節線1104をまたいでタイ1103でつながれている。次に、拍子記号の4/4拍子に合うように小節線1104等を削除し、図11(C)の楽譜データを生成する。その後、タイ1103を削除し、2個の4分音符データ1101及び1102を、図10(D)に示すように、1個の2分音符データ1105に統合する。
【0032】
以上のように、楽譜変更手段105は、音価変更手段104により変更された音価に応じて小節線1004,1104をまたいでタイ1003,1103でつながる2個の音符データ1001,1002,1101,1102間の小節線1004,1104を削除する場合には、小節線1004,1104をまたいでタイ1003,1103でつながる2個の音符データ1001,1002,1101,1102を1個の音符データ1005,1105に統合し、小節線1004,1104をまたぐタイ1003,1103を削除するように楽譜データを変更する。
【0033】
本実施形態によれば、音価の変更を指示すると、自動的に小節線の位置の変更又は拍子記号の変更が行われる。そのため、音価の変更を行った後、ユーザが手動で個別に小節線の位置の変更又は拍子記号を変更する必要がない。また、ユーザは、状況に応じて、小節線の位置の変更又は拍子記号の変更を選択することができる。また、音価の変更を指示すると、その音価の変更に応じて小節線の位置又は拍子記号を変更するので、音楽的に正しい楽譜に変更することができる。
【0034】
本実施形態は、図2のコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0035】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態によるコンピュータプログラムの機能を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による音価変更装置(コンピュータ)のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は音価変更前の楽譜を示す図であり、図3(B)は音価変更後の楽譜を示す図である。
【図4】図4(A)〜(C)は出力装置内のディスプレイに表示される楽譜の例を示す図である。
【図5】音価変更画面の例を示す図である。
【図6】小節線の位置を変更する画面の例を示す図である。
【図7】拍子記号を変更する画面の例を示す図である。
【図8】図8(A)〜(D)は音価の倍率を2倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。
【図9】図9(A)〜(D)は音価の倍率を4倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。
【図10】図10(A)〜(D)は音価の倍率を1/2倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。
【図11】図11(A)〜(D)は音価の倍率を1/4倍にして小節線の位置を変更する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0037】
100 音価変更装置
101 記憶手段
102 倍率指定手段
103 変更方法指定手段
104 音価変更手段
105 楽譜変更手段
106 表示手段
107 変更前試聴手段
108 変更後試聴手段
201 バス
202 CPU
203 ROM
204 RAM
205 ネットワークインタフェース
206 入力装置
207 出力装置
208 外部記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の音符データ及び/又は休符データを含む楽譜データを記憶する記憶手段と、
音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定手段と、
前記倍率指定手段により指定された倍率で、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更手段と、
前記音価変更手段により音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更手段と
を有することを特徴とする音価変更装置。
【請求項2】
さらに、小節線の位置の変更又は拍子記号の変更を指定する変更方法指定手段を有し、
前記楽譜変更手段は、前記変更方法指定手段の指定に応じて、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更することを特徴とする請求項1記載の音価変更装置。
【請求項3】
前記楽譜変更手段は、前記変更された音価に応じて前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更すると、前記小節線をまたぐ音符データが存在する場合には、前記小節線をまたぐ音符データを2つに分割し、前記分割した音符データをタイでつなぎ、前記分割した音符データ間に小節線を追加するように前記楽譜データを変更することを特徴とする請求項1又は2記載の音価変更装置。
【請求項4】
前記楽譜変更手段は、前記変更された音価に応じて小節線をまたいでタイでつながる2個の音符データ間の小節線を削除する場合には、前記小節線をまたいでタイでつながる2個の音符データを1個の音符データに統合し、前記小節線をまたぐタイを削除するように前記楽譜データを変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音価変更装置。
【請求項5】
さらに、前記記憶手段に記憶されている変更前の楽譜データ、及び前記音価変更手段及び前記楽譜変更手段により変更された変更後の楽譜データをならべて表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の音価変更装置。
【請求項6】
さらに、前記変更前の楽譜データの演奏により試聴するための変更前試聴手段と、
前記変更後の楽譜データの演奏により試聴するための変更後試聴手段とを有することを特徴とする請求項5記載の音価変更装置。
【請求項7】
音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定ステップと、
前記倍率指定ステップにより指定された倍率で、記憶手段に記憶されている楽譜データ内の複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更ステップと、
前記音価変更ステップにより音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更ステップと
を有することを特徴とする音価変更方法。
【請求項8】
音符データ及び/又は休符データの音価を変更する倍率を指定する倍率指定ステップと、
前記倍率指定ステップにより指定された倍率で、記憶手段に記憶されている楽譜データ内の複数の音符データ及び/又は休符データの音価を変更する音価変更ステップと、
前記音価変更ステップにより音価が変更されると、前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の小節線の位置を変更、又は前記記憶手段に記憶されている楽譜データ内の拍子記号を変更する楽譜変更ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−186063(P2010−186063A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30273(P2009−30273)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】