説明

音声および画像自動記録システム

本発明は特に、テレビ会議用の録音および録画自動システムに関し、このシステムは録画装置および録音装置(10)の制御手段(20)、制御手段(20)を操作して撮影されている場面を自動フレーミングする場面分析手段(40)を有する。本発明では、参加者の指示によって撮影されている場面にいる人々から1人または1グループを選択(30)し、選択された人またはグループに関して場面を分析する場面分析(40)によって提供される情報を基に自動フレーミング(30)するためにインテリジェントインターフェースが提供される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にテレビ会議の録音および録画の自動システムに関する。
このようなシステムの必要性は、とりわけテレビ会議の分野において顕著になってきているが、例えば複数の人の画像を記録する他の状況にも関係がある。
本発明は、これを用いて音声および画像が単数または複数の人々(テレビ分野のカメラマンおよび音響技師)によってではなく、自動装置によって制御されるシステムである。
【0002】
【従来の技術】
いずれにせよテレビ会議の場合、参加者はカメラによる録画を制御するリモートコントローラを備える、あるシステムを利用することがあるであろうが、これらのシステムは以下に見られるような欠点を有する。
特に、テレビ会議システムは録音および録画手段を備え、この記録手段は、方向を変えられない、またはリモートコントローラを用いて方向を制御できない機器(カメラおよびマイク)を有する。
【0003】
従来のテレビ会議システムでは、遠隔制御可能で、且つシリアル通信リンクを介して遠隔的に調整可能な種々のカメラが用いられる。
リモートコントローラによって、カメラの姿勢および方位を連続的に走査し、且つカメラのズームを連続的に変化させることが可能になった。1人の人または1グループの人々が占める方向にカメラを方向付けるのは可能であるが、簡単ではない。
空間の方向(2台のカメラでは6方向)はカメラで記憶できる。リモートコントローラのボタンを作動して、またはシリアルポートを操作して、カメラをこれらの方向のいずれかに向けることができる。この機能の利点は、連続するボタン(姿勢、方位)を組み合わせて作業せずに、空間の一方向に直接到達できることにある。こうして空間の予め記録された位置がテーブルの周りの座席に対応する場合、リモートコントローラのユーザはある人から次の人へ順番に移動するだけでよい。
【0004】
音による位置設定(acoustic location)を基にしたシステムもあり、これによってカメラの方向付けは、場面の音声分析を基に制御される。
場面の音声分析は複数のマイクによって実施され、これらのマイクによって音源または音声源の方向を決定することが可能になる。音声源の方向を識別して、音声源を一つ一つ選択し、これを動的に追跡できる。テレビ会議システムを製造販売するPicture Tel社のLime Light機能は、音による位置設定を基にしたものであり、これによって音源を検出して追跡し、カメラを動的に方向付けることが可能になる。
【0005】
また、人々の視覚的位置設定(visual location)を基にしたシステムもある。この視覚的位置設定は、カメラの画像出力の処理による分析を基にするものである。
カメラの視野が十分に広く、システムが十分に精巧であれば、そこにいる全員を検出できるであろう。音による位置設定と違って、視覚的位置設定は画像中の顔の一貫性と、反射の無いこと(テレビ会議室および通常の録画室に鏡が無いこと)が有益である。以下の複数の技術を別々にまたは一緒に用いて、人々を検出することができる:動きの検出、皮膚の色の検出、楕円形状の検出、顔全体の検出(例えばニューラルネットワークを用いて)、例えば目、鼻等顔付きの検出。
【0006】
多数の顔検出システムがあり、自動録画装置能を組み合わせているものもある。例えば、下記文献に記載されるシステムが挙げられる: P1−M. Collobert, R. Reraud, G. Le Tourneur, O. Bernier, J. E. Viallet, Y. Mahieux, D. Collobert, LISTEN: a System for Locating and Tracking Individual Speakers, 2nd Int. Conf. On Automatic Face and Gesture Recognition, Killington, USA, October 1996, pp 283-288、 P2−Hunke, Locating and Tracking human faces with neural network, Technical Report CMU-CS-94-155, 1994、 P3−Yang, Wu, Waibel, Focus of attention in video conferencing, Technical Report CMU-CS-96-150, 1996。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ここに記載された全てのシステムのうち大多数が欠点を有するか、いずれにせよ下記に明らかにされる必要性には不十分である。
特に、リモートコントローラを用いて姿勢、方位および焦点距離を走査する機能を有するシステムは以下の欠点を有する: 適切なフレームを得るために、ユーザはリモートコントローラの複数のボタン(姿勢、方位および焦点距離)を続けて押して、望ましい結果を得なければならない。この機能性は、非実用的で、遅く、操作エラーが起こりやすく、よってほとんど用いられない。このため、位置を変えている人または自然に動いている参加者のグループに、カメラのフレームを周期的にまたは連続して合わせたい場合、非実用的である。同様に、定期的に人を変えたい場合にも非実用的である。
【0008】
リモートコントローラを用いて空間の予め記録された方向にアクセスする機能は、下記欠点を有する: 第1の欠点は、位置を予め記録しなくてはいけないことにある。このため、位置を速やかに連続して変更することができない。
第2の欠点は、人々が実際に予め記録された位置を占め、動かないと仮定することにある。実際には、例え椅子が床に固定されていたとしても、人々は動き、フレームの中心にはほとんどいないか、フレームがある人に固定されていたら、フレームの外に出てしまうことが分かる。この欠点は、人々が無意識に、空間の予め記録された方向によって規定されたフレーム外に出てしまう、テレビ会議システムの場合に当てはまる。
【0009】
次の欠点は、この空間の方向にカメラを方向付ける機能が、必ずしも特定の焦点距離と組み合わされているわけではないことにある。リモートコントローラのユーザは、リモートコントローラの調整ボタンを操作して、実際にある人が占める位置にフレームの大きさを合わせなければならない。これは、もしその人がフレームの外に出る傾向にあれば、カメラが指し示す空間の方向を変えずに、焦点距離を短くしてこの人物をフレームの中に戻すことができるためである。しかし、もはやフレームはその人物に固定されてはおらず、複数の人々がフレーム内にいることもあり得る。
記憶された空間の方向のそれぞれと焦点距離を組み合わせ、記憶することは可能であるが、これは一方では、ユーザが予め適当と思われる焦点距離を決めて、もう一方でこれを記憶しなければならないことになる。さらに、この記憶された焦点距離は固定され、このため非適応性であり、方向に関して多少変更可能なだけである。
【0010】
空間の予め決められた方向にアクセスするという機能は、一定の安定した状況(遠隔監視)には適しているかもしれないが、特別な状況に合わせるようにすることはできない。カメラは空間の決められた方向を向くが、空間内の内容、つまりその空間に人がいるのか、空なのか全く分からない。
他の、2番目の欠点は、カメラで記憶でき、リモートコントローラを利用しやすい空間の方向数が6つに限られていることである。この欠点は一般に、これらの方向をコンピュータに記憶し、ボタン数の多いリモートコントローラを用いて克服できる。
【0011】
音による位置設定は下記の欠点を有する: 人々の話す言葉に重なって、偽の音源(椅子、ドア、電気器具等の雑音)があるため、および壁から音源が多重反射するために、音による位置設定は不正確なことが多い。
さらに、言葉の音響活性度は本来断続的である(人が話すのを止めて聞く場合)。
最後に、音による位置設定は音源の振幅(大きさ)に影響を受けやすい。
【0012】
視覚的位置設定は下記欠点を有する: 視覚的位置設定の主な欠点は、アルゴリズムの複雑さと速度および強さ(robustness)に関する。それにも関わらず、本出願人が開発したシステムまたは本出願人が上記に挙げた文献などの複数のシステムが、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ(PC)のいずれかで操作可能である。
グループの人々の画像を自動的に記録する機能は、本出願人が実現したものであり、複雑ではあるが、実際に極めて有用なものである。フレームはテレビ会議の参加者の数と位置に常に適合する。
しかし、実際には、他の全てのものより精巧で満足のいくものであっても、上記に説明したように、参加者の誰かを自動的にフレーミングするように要求し、全く簡単に全体フレームに戻ることができるようにすることが明らかに必要になったため、十分ではない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的のため、本発明は、参加者に命令された時に、撮影されている場面の人々から1人(または1グループの人々)を選択し、選択された人(またはグループの人々)についての、場面の分析によって提供される情報を基に自動フレーミングを実施する、インテリジェントインターフェースを提案する。
本発明は、従って、特にテレビ会議用の録音および録画の自動システムに関し、このシステムは録画装置および録音装置の制御手段、およびこの制御手段を操作して撮影中の場面を自動的にフレーミングさせる場面分析手段を有する。
本発明のシステムは、撮影中の場面内の人々から1人の人または1グループの人々を選択する手段、および選択された人またはグループの人々についての、場面の分析手段によってもたらされた情報を基に自動フレーミングする手段を有する。
【0014】
本発明は特に、テレビ会議用の録音および録画自動システムに関し、このシステムは録画装置および録音装置の制御手段、制御手段に位置信号を与える場面分析手段、および撮影中の場面にいる人々から1人または1グループを選択する手段を有し、選択手段がリモートコントロールを備える物理的インターフェースを有し、このリモートコントロールが場面にいる人々の任意の1人または1グループを選択して、この人またはグループの周りに自動的にフレーミングするか、又は全ての人々を選択して場面の全体的なフレーミングすることができるようにすること、およびこのフレーミング手段が論理的インターフェースを有し、論理的インターフェースがリモートコントロールで選択された人と場面分析からもたらされた位置情報との通信を確立し、撮影されている場面に関するこの人物またはグループの位置情報を制御手段に与えることができることを主に特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例では、リモートコントロールは、制御信号を論理的インターフェースに伝送できる装置を作動する汎用リモートコントローラである。
リモートコントローラで伝送される信号は赤外線信号でも電磁気信号でもよい。
前記リモートコントローラからの制御信号は送受信器で受信および再伝送されてもよい。前記リモートコントローラからの制御信号は、音声認識装置または身体動作認識装置で受信および再伝送されてもよい。
リモートコントロールは、画像分析カメラのリモートコントローラで構成されていてもよく、前記リモートコントローラからの制御信号は、この分析カメラで受信され、論理的インターフェースに再伝送される。
【0016】
他の実施例では、リモートコントロールは汎用リモートコントローラであり、前記リモートコントローラからの制御信号は分析カメラによって受信され、再伝送される。
他の実施例では、リモートコントロールはグラフィックインターフェースを有する。
この場合、リモートコントロールはさらにスクリーンを含み、ここに場面および種々の選択可能な領域が表示される。
リモートコントロールは、識別された領域を選択するコンピュータ入出力周辺機器を有する。
【0017】
動作の一態様では、場面分析手段が局所分析信号(A)を受信し、選択手段によって局所的に撮影されている場面にいる1人の人または1グループの人々を選択することが可能になり、且つ自動フレーミング手段が局所的に撮影されている場面についての情報を用いるようにする。
動作の別の態様では、分析手段が遠隔システムから場面分析用の又は場面分析に対応する信号(A’)を受信し、選択手段によって遠くから撮影されている場面にいる1人の人または1グループの人々を選択することが可能になり、自動フレーミング手段によって遠くから撮影されている場面のフレーミングを制御することが可能になり、制御信号が遠隔システムへ送信されるようになっている。
【0018】
【実施例】
本発明の他の利点は、指標として下記添付図面と共に与えられた説明を読めば明らかになるであろうが、これに限定されるものではない。
図1は録音および録画の自動システムを概略図で示し、この図では場面50の音を撮影および記録するためにオーディオビジュアルリソース10が備えられている。
【0019】
テレビ会議システムの場合、システムは、遠隔地にいる人々と通信したい単数または複数の人々で構成されており、これらの人々を現場における参加者P1〜Pnと呼ぶ。
オーディオビジュアルリソース10は、録音装置および録画装置から構成される。
録音装置は、例えば参加者の近くに配置された一連のマイクである。録画装置は場面を撮影する一台またはそれ以上のカメラから構成される。
【0020】
オーディオビジュアルリソース10は通常の制御装置20で制御され、制御装置20はインターフェース30で入力として受信される情報に従って、録音装置・録画装置(レコーダ)10に制御信号を出力することができる。これを以下に詳細に示す。
本発明では、入力として受信される情報は、場面分析装置40および参加者による選択を基にインターフェース30によって与えられる。
場面分析装置は、録画装置または録音録画装置と組み合わされた音声分析装置または画面分析装置または音声画面分析装置でよい。
【0021】
図示されている実施例では、この装置は既存の画面分析装置である。この目的のために、固定された分析カメラ60(カメラは可動のものでもよい)が用いられ、このため観察される視覚的場面の分析をするのに用いられる必要な信号を与えることが可能になる。
この結果場面分析装置は、この目的のため、カメラ60およびこのカメラによって供給される信号Aを処理する手段40を備える。これらの手段は、例えば、既存の特殊な場面分析プログラムを備えるマイクロコンピュータまたはワークステーションで構成される。
より正確には、実用化される図の実施例では、視野に存在する人々の顔がニューラルネットワークによって検出され、前記プログラムが検出された顔を追跡するアルゴリズムを実施する。他の知られている方法を用いてもよい。
他の実施例では、場面を分析する装置40を可動式カメラと共に用いてもよい。
【0022】
第3の実施例では、場面を分析する装置を複数の固定されたまたは可動式のカメラと共に用いても、これらで構成されていてもよい。
種々のレコーダ10が、本発明のインターフェース30から制御信号を受信する制御装置20によって制御される。
実際に実施された、図2の概略図に図示されている実施例は、画像を記録する電動式カメラ11および音声を記録する音響アンテナ12を制御する装置20を有する。
1組の人々および1人の人の録画および録音について下記に詳細に示す。これは本出願人の実際の実施例に一致する。
【0023】
1グループの人々を録画および録音するのに同じ方法を用いることができる。グループとは、全体の人々を小分けにした集団である。
実際に実施された好ましい実施例では、場面の分析は視覚的である。つまり人々の位置は規定されるが、人々が話しているかどうかは無視される。
視聴覚的分析を必要とする他の実施例(従って音を含む)では、録音装置は視聴覚情報を基に選択される。
【0024】
システムのユーザが、インターフェース30を介して参加者全員P1〜Pnを録画しようとする場合、制御装置20は、カメラ11の制約が許す限り録画するという技術的規則に従い、カメラ11を制御して分析範囲にいる人々全員がフレームに入れられるようにする。システムのユーザが、インターフェース30を介して特定の1人を録画しようとする場合、制御装置20は、録画の規則に従い、例えばその人が横方向の中心になり、例えば彼または彼女の目が画像の上からほぼ3分の1のところにあるようにする。
一実施例では、選択された人のいずれかの側に単数または複数の人々が見える場合、録画は、カメラと録画の規則に関する制約が許す限り、画像の中でこの人を他の人から離すようにする。
【0025】
ユーザがインターフェース30を介して参加者全員から録音しようとする場合、装置20が録音を制御し、複数の参加者から音場を記録する。この音場は下記種々の方法で得られる: 1)音響アンテナ12で形成される広い場から;
2)場面の分析を基に選択される、種々の録音装置(マイクまたは音響アンテナ)により出力される音場を累積することによって。
【0026】
ユーザがインターフェース30を介して1人の人から録音しようとする場合、装置20が録音を制御し、いろいろな人々から音場を記録する。この音場は下記種々の方法で得られる: 1)音響アンテナ12の狭く、方向付け可能な場から。これは前記の実施例である;
2)視覚情報または視聴覚情報から選択される、1つまたはそれ以上の録音装置から。
【0027】
インターフェース30によって、システムのユーザはその要求(参加者全員に対する広角撮影、特定の人に対する狭い範囲の撮影)に従って録画および録音できるようになる。インターフェースによって出力される命令を送ることによって、場面分析装置によって分析された視聴覚場面の関数として、録音装置および録画装置の方向付けができる。
この目的のため、インターフェースは論理的インターフェース31および物理的インターフェース32を有する。
【0028】
物理的インターフェース32は、図3〜7を参照して下記に説明される種々の実施例によって構成できる。
論理的インターフェース31は、好ましい実施例に従って、場面分析信号40を処理するためシステムにロードされたプログラムから構成される。この論理的インターフェース31は、場面分析処理による出力である、場面にいる人々に関する位置情報を回収し、この位置情報と物理的インターフェースを介して参加者によって与えられる選択情報との通信を確立する。
この論理的インターフェース31はユニット40から受信した情報を解釈(つまりデコード)して位置制御信号を供給し、この制御信号を制御装置20で解釈して、選択された人またはグループの望ましいフレーミングができる。
物理的インターフェース32の複数の実施例が下記に示される。
【0029】
第1の実施例は、図3に示されるようにマイクロプロセッサまたはワークステーションPに取付けられたグラフィックインターフェース32Aを備える。
マウス320を用い、Eで表される「All」と名付けられたウィンドウをクリックして、ユーザは場面にいる人々全員を録画および録音するように選択することができる。マウスを用い、望ましい人P1〜pnまたはグループの人々の数字を有するウィンドウをクリックして、ユーザは場面にいる1人を録画および録音するように選択することができる。
【0030】
このグラフィックインターフェース32Aでは、人々への数字の割当が分析システムによって得られた人々の画像321と置き換えられる。この画像は、システムのユーザによって確定された瞬間に得られるか、或いは会の最中に自動的に更新される。
人々の画像321を有するグラフィックインターフェース32Aは、インターフェースが、ユーザが選択する画像を表示できるため、ユーザにとってより人間工学的である。
テレビ会議のスクリーンに、縮小したフォーマットでテレビ会議に出席する人々の画像のオーバレイを用いた表示を提供することも可能である。
【0031】
他の実施例では、マウス320をタッチスクリーンおよび/または音声認識装置Rと置き換えてもよい。
論理的インターフェース32について実施された他の実施例が図4で表される。本実施例では、視覚的場面を分析するカメラ60のリモートコントローラ32Bを使用して、システムのユーザが制御信号をカメラ60に送れるようにする。このリモートコントローラは、使い易さおよび速度のため、適合され、使用された。
赤外線リモートコントローラ32Bは分析カメラ60と交信している(命令INST)。この分析カメラのリモートコントローラは、特に位置メモリに対応するボタンおよびカメラの待機位置に対応する「ホーム」ボタンHを含む複数のボタンを有する。
【0032】
位置メモリは空間の方向を選択するために用いられるのではなく、ボタンが作動されるという事実のみが用いられる。
位置メモリ内の位置は、カメラが待機位置にある時、システムによって予め初期化される。実施例の1つでは、分析カメラが固定されるため、位置1〜6または「ホーム」ボタンHの作動はこの分析カメラ60の位置に全く影響しない。
このため、ユーザは例えば「ホーム」ボタンHを押すことによって、装置60、40、30および20を介し、その場面にいる人々全員の録画および録音を作動する。さらに、ユーザは位置を収容するメモリに対応するボタン1〜6の1つを押すことによって、装置60、40、30および20を介し、対応する人(このバージョンでは最大で6人)の録画を作動する。
【0033】
リモートコントローラが伝送中継器として分析カメラを用いても用いなくても、他のリモートコントローラを使用してもよい。
例えば、分析カメラのリモートコントローラの代わりに汎用プログラミングを有するリモートコントローラを用いて、ユーザが録画および録音を選択できるようにすることも可能である。この実施例は、リモートコントローラ32Bがこの場合、汎用リモートコントローラであること以外、図4の概略図に一致するため図示されていない。
【0034】
本発明のアプリケーションを実施するためハードウエアを製造する段階で、分析カメラのいくつかのコード(位置メモリ、「ホーム」等)を汎用リモートコントローラに予め記録しなければならない。リモートコントローラ32Bが実際に用いられる時、リモートコントローラによって送信される赤外線信号は、論理的インターフェース31でデコードされ、分析される。
汎用リモートコントローラを用いて、一方では、利用不可能な分析カメラ60の多少の制御が可能になり(汎用リモートコントロールは対応するコードを学習しない)、他方では、ユーザの要求によりよく対応するように割り当てられたボタン、「+」および「−」ボタンを有し、彼または彼女がテレビのチャンネルで慣れているように、ある人から次の人へと順番に移動することが可能になる。
【0035】
ここで、本発明の他の実施例に対応する図5を参照することができる。
リモートコントローラとインターフェース31との間の中継器として分析カメラに依存しないため、且つユーザに幅広い制御パレットを供給するために、市販の送受信装置70を使用してもよい。
この送受信装置70は、リモートコントローラ32Bが出力した赤外線信号INSTを取り込み、例えばインターフェース30に接続されたRS232通信ポートを介して、論理的インターフェース31にコードを返す。
【0036】
図6は、論理的インターフェース32が既存の音声認識装置80と組み合わされた音声リモートコントロール32Bを有する実施例を示す。
図7は、論理的インターフェース32が既存の身体動作認識装置90と組み合わされた身体動作リモートコントロール32Bを有する実施例を示す。
インターフェースの前記実施例によって、ユーザは、ユーザがいる部屋の中に物理的に存在するレコーダで得られる録画および録音を選択できるようになる。これは、図1の場面分析に用いられた信号A(局所、その場)によって表される。
【0037】
他の実施例では、前記のインターフェース31、32によって離れた部屋(ユーザがいない)、例えば彼または彼女がテレビ会議によって参加している部屋に物理的に存在する録画装置および録音装置を制御することが可能になる。
こうしてテレビ会議に参加しているユーザは、望ましい録画および録音を選択し、得るであろう。この目的のため、場面分析用の信号A’(遠隔)または分析に対応する信号(映像信号が与えられない遠隔システムによってすでに分析された信号)は、分析装置40の入力に印加される。
本実施例で、遠赤外線リモートコントローラまたはグラフィックインターフェースで伝送される信号C’(およびグラフィックインターフェースを構成するのに必要な信号)は、画像、音声およびテレビ会議の他の信号と共に伝送される。
本実施例では、局所(その場)の部屋と遠隔の部屋との間にレコーダ制御の矛盾が起こり得るが、これはうまく処理しなくてはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の概略図を表す。
【図2】
本発明のより詳細な図を表す。
【図3】
物理的インターフェースの特定の実施例を表す。
【図4】
物理的インターフェースの他の実施例を表す。
【図5】
物理的インターフェースの他の実施例を表す。
【図6】
物理的インターフェースの他の実施例を表す。
【図7】
物理的インターフェースの他の実施例を表す。
【符号の説明】
10 録画装置および録音装置 20 制御手段 30 選択手段 40 場面分析手段 31 論理的インターフェース 32 物理的インターフェース 32A、32B リモートコントローラ 60 画像分析カメラ 70 送受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】 音声および画像自動記録システムで、録画装置および録音装置(10)の制御手段(20)と、制御手段(20)に位置信号を供給する場面分析手段(40)と、撮影中の場面にいる人々から1人または1グループを選択する手段(30)とを有し、 前記選択手段がリモートコントロール(32A、32B)を備える物理的インターフェース(32)を有し、このリモートコントロールにより場面にいる人々の任意の1人または1グループを選択して、この人またはグループの周りに自動的にフレーミングするか、又は全ての人々を選択して場面の全体的なフレーミングすることができ、 このフレーミング手段が論理的インターフェース(31)を有し、この論理的インターフェースがリモートコントロール(32Aまたは32B)で選択された人と場面分析からもたらされた位置情報との通信を確立し、撮影されている場面に関するこの人物またはグループの位置情報を制御手段(20)に与えることができることを特徴とするシステム。
【請求項2】 前記リモートコントロール(32B)が、制御信号を論理的インターフェース(31)に伝送できる装置を作動する汎用リモートコントローラであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】 前記リモートコントローラ(32B)からの制御信号が、送受信器(70)で受信および再伝送されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】 前記リモートコントローラ(32B)からの制御信号が音声認識装置(80)または身体動作認識装置(90)で受信および再伝送されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】 リモートコントロール(32B)が画像分析カメラ(60)のリモートコントローラで構成され、前記リモートコントローラ(32)からの制御信号が分析カメラ(60)で受信され、論理的インターフェース(31)に再伝送されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】 リモートコントロール(32B)が汎用リモートコントローラであり、前記リモートコントローラ(32B)からの制御信号が分析カメラ(60)によって受信され、再伝送されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】 リモートコントロールがグラフィックインターフェース(32A)を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】 リモートコントロールがさらにスクリーン(321)を含み、ここに場面および種々の選択可能な領域が表示されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】 リモートコントロールが識別された領域を選択するコンピュータ入出力周辺機器(320)を有することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】 前記場面分析手段が局所分析信号(A)を受信し、選択手段によって局所的に撮影されている場面にいる1人の人または1グループの人々を選択することが可能になり、自動フレーミング手段が局所的に撮影されている場面についての情報を用いることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】 前記分析手段が遠隔手段から場面分析用の或いは場面分析に対応する信号(A’)を受信し、選択手段によって遠隔で撮影されている場面にいる1人の人または1グループの人々を選択することが可能になり、自動フレーミング手段によって遠隔で撮影されている場面のフレーミングを制御することが可能になり、制御信号が遠隔システムへ伝送されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2002−524936(P2002−524936A)
【公表日】平成14年8月6日(2002.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−568257(P2000−568257)
【出願日】平成11年8月26日(1999.8.26)
【国際出願番号】PCT/FR99/02047
【国際公開番号】WO00/13417
【国際公開日】平成12年3月9日(2000.3.9)
【出願人】
【氏名又は名称】フランス テレコム
【氏名又は名称原語表記】FRANCE TELECOM
【Fターム(参考)】