説明

音声起動型プッシュ・ツー・トーク式接続の確立

【課題】携帯電話からプッシュツートーク(PTT)式接続を確立する音声起動方法を提供する。
【解決手段】携帯電話ユーザは、携帯電話上のPTTキーを押し続ける(220)。ユーザは、次に通話相手の名前を話す(230)。携帯電話は、話された通話相手の名前を認識し(240)、認識された名前を携帯電話のメモリ内のエントリと関連付ける(245)。携帯電話は、次にディスプレイに通話相手の名前を表示する(250)。ユーザは、ほかの通話相手の名前を話すことができるし(260)、PTTキーを解放することもできる。PTTキーが解放されたとき(270)、携帯電話は、携帯電話から表示された通話相手にPTT接続を開始する(280)。携帯電話は、PTT接続をするため通話相手の名前に関連付けられた携帯電話のメモリ内のPTT通話相手のデータを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯電話のユーザは、通信ならびに組織上の必要から各自の携帯電話に頼る傾向が強まってきている。最近では、セルラ通信網、セッション起動プロトコル(SIP)などのボイスオーバIP(VoIP)通信網、あるいは無線LAN(WLAN)などにおけるプッシュ・ツー・トーク(PTT)技術によって、ユーザ・グループ間の個人的通信の選択肢がこれまでよりも増加している。PTTによりユーザは、従来の携帯電話における通話に関する極めて厳しい通話設定手続きのいくつかを迂回する即時接続が可能になった。この即時二方向接続の利便性がPTTの魅力となっている。これらの接続を確立のために使われてきた基幹施設、諸システム、ハードウェアが有効に機能しているが、PTTを起動させるために携帯電話ユーザに課せられるステップは、複雑で面倒に見える。PTTセッションに複数の当事者が参加する場合に、特にこのことが言える。ユーザのフロント・エンドにおけるPTT開始動作が複雑であるため、PTTで達成できる即時接続のメリットを相当減少させた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
そこで必要なことは、特にPTTセッションに複数の当事者が参加する場合に、PTT始動に関連するフロント・エンドの複雑さを減少させる手続きを用意することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
携帯電話からプッシュ・ツー・トーク(PTT)式接続を確立する音声起動(Voice−activated)型接続方法が開示される。本発明の開示内で使用される携帯電話という用語は、セルラ通信網、セッション起動プロトコル(SIP)などのボイスオーバIP(VoIP)通信網、あるいは802.11xプロトコルを用いる無線LAN、あるいはこれらの組み合わせの上で動作する電話送受器を指す。携帯電話ユーザは、携帯電話のPTTキーを押し続ける。ユーザは、通話相手の名前を話す。携帯電話は、話された通話相手の名前を認識し、認識された名前を携帯電話のメモリのエントリとを関連付ける。携帯電話は、次にそのディスプレイに通話相手の名前を表示する。ユーザは、このほかの通話相手の名前を伝えるか、あるいはPTTキーを解放することができる。PTTキーが解放されると、携帯電話は、携帯電話から表示された通話相手にPTT接続を開始する。携帯電話は、PTT接続を行うため通話相手の名前に関連付けられた携帯電話のメモリ内のPTT通話相手データを使用する。通話相手の名前は、複数の通話相手に関連付けられたグループの名前からなってもよい。
【0004】
当該方法は、コンピュータプログラム製品として、あるいは携帯電話内のシステムとしてのソフトウェアによって実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】プッシュ・ツー・トーク・ボタンと通話相手の名前のサンプル表示とを示す代表的な携帯電話を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の別の実施例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、代表的な携帯電話100を示す。データを携帯電話に入力するキーパッドとディスプレイとを備えている携帯電話100が、描かれている。図示されたキーの一つがPTTキー110である。PTTキーが押されると、セルラ、SIP、もしくは無線LAN等の通信網用の通常の全二重通話の確立モードと異なって、携帯電話100は、プッシュ・ツー・トーク・モードになる。PTTキー110は、ここでは携帯電話の表面左下のコーナーにハード・ワイヤード・キーとして図示されている。この例は単に図解のためだけに描かれたものである。当該技術分野における通常の技術を有する人であれば、PTTキーをほかの場所に設けるか、あるいは“ソフトキー”として設けるかを容易に選択できよう。
【0007】
図1は、ディスプレイ120に、いくつかの名前を表示している。これらの名前は、図2と図3について説明するステップにしたがって携帯電話ユーザがPTT接続を確立したいと思う通話相手もしくはそのグループを表している。
【0008】
図2は、本発明の第一の実施例を示すフローチャートである。本発明が有効に機能する前に満たされるべき二つの前提条件がある。第一の前提条件は、通信網と通話が確立できるように携帯電話に電源を投入し、十分な信号強度にすることである210。第二の前提条件は、音声起動モードをアクティブにすることである215。音声起動モードは、携帯電話が、携帯電話ユーザからの音声指示を受けて、それを認識できることを指す。これらの二つステップを前提条件と特徴づけるが、これらは本発明の範囲に影響を与えない。本発明を構成するステップは、これらの条件を満たすことを想定しているが、これらの条件を積極的に満たさせようとするものではない。
【0009】
第一の実施例においては、携帯電話ユーザがPTT接続を行おうとするとき、PTTキーを押して、そのまま押し続ける220。PTTキーを押しながら、PTT接続を確立しようとする通話相手の名前、あるいはグループの名前を伝える230。携帯電話は、通話相手、もしくはグループの名前を認識する音声認識処理を使用する240。上記認識が行われると、携帯電話は、認識された通話相手あるいはグループの名前を携帯電話のメモリ(あるいはSIMカード)内のエントリと関連付けることになる245。携帯電話は、携帯電話のメモリ(あるいはSIMカード)の配列通りに通話相手の名前あるいはグループを表示する250。ユーザは、さらに別の通話相手の名前あるいはグループを話すかどうかを判断する260。ユーザが、別の通話相手をPTT接続に追加すると決めた場合、携帯電話は、ユーザーが止めるまでステップ240と250を繰り返すことになる。ユーザは、PTTキーを解放して終了することを信号で知らせる270。その結果、携帯電話のディスプレイ上で確認されたすべての人に対してPTT接続の確立280を開始する。
【0010】
図3において述べた第二の実施例では、携帯電話のユーザは、PTTキーを押す前に、PTT接続を確立したい通話相手あるいはグループのリストを生成する。
【0011】
ここでもう一度、ブロック210と215で説明した前提条件が満たされていると仮定する。今度は、ユーザは、まず通話相手あるいはグループの名前を伝える230。携帯電話は、認識を行い240、認識された通話相手あるいはグループの名前と携帯電話のメモリ(もしくはSIMカード)内のエントリを関連付ける245。次に、携帯電話は、携帯電話のディスプレイに上記の名前を表示する250。PTT接続のためのすべての通話相手もしくはグループが表示されるまで名前を伝え続けることができる260。この時点で、ユーザは、PTTキーを押してから、解放し300、上記表示された通話相手およびグループに対してPTT接続の確立を開始する280ことを携帯電話に知らせる。
【0012】
本発明のコンピュータ・プログラム要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、その他を含む)の中に組み込まれてもよい。本発明は、命令実行システムが利用する、あるいはそのシステムと関連して働く媒体に設けられたコンピュータが利用でき、理解できるプログラム命令、“コード”あるいは“コンピュータ・プログラム”を有するコンピュータが利用でき、もしくは理解できる記憶媒体に組み込むことができるコンピュータ・プログラム製品の形をなしていてもよい。本文書の趣旨に徴して、コンピュータが利用できる、あるいはコンピュータが理解できる媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスが使用できる、あるいはこれらと関連して働くプログラムを含み、保存し、通信し、伝播し、あるいは運搬する何らかの媒体であってもよい。コンピュータが利用できる、あるいはコンピュータが理解できる媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、あるいは半導体のシステム、装置、デバイス、あるいはインターネットのような伝播媒体などであってもよく、しかしこれらに限定されない。ここで留意すべき点をあげると、コンピュータが利用でき、あるいは理解できる媒体は、プログラムが例えば紙その他を光学的に走査して電子的に捕捉されるなどにより、プログラムが印刷され、編集され、コンパイルされ、翻訳され、さもなければ適切な方法で処理される紙、あるいは他の適切な媒体であってもよい。前述したコンピュータ・プログラム製品、および何らかのソフトウェアやハードウェアは、例示的実施例における本発明の機能を実施するための様々な手段を構成する。
【0013】
一発明の具体的な実施例が本文書に開示されている。当該技術分野における通常の技術を有する人は、本発明が他の環境において別の使用例が可能であることを容易に認識できよう。実際に、実施例、適用例が可能である。以下の請求項は、本発明の範囲を前述の具体的実施例に限定することを意図したものではない。さらに、“means for”のいかなる記述も、一つの要素や一つの請求項の“手段+機能”という読み方をさせることを意図してはおらず、これに反して、“means for”という記述を特にしていない要素は、たとい請求項が“means for”という用語を含んでいても、手段+機能の要素と解釈をされることを意図してはいない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話からプッシュツートーク(PTT)式接続を確立する音声起動型接続方法であって、
該接続方法は、前記携帯電話上のPTTキーを押し続け(240)、ここで、前記PTTキーは、無線ベースの通信において、プッシュツートーク機能を実現するために使用されており、
前記PTTキーが押され続けている間、
伝えられた第1の通話相手の名前を認識し(240)、
認識された前記伝えられた第1の通話相手の名前を前記携帯電話のメモリの第1のエントリと関連付け(245)、
前記携帯電話のディスプレイに前記第1の通話相手の名前を表示し(250)、
伝えられた第2の通話相手の名前を認識し(240)、
認識された前記伝えられた第2の通話相手の名前を前記携帯電話のメモリの第2のエントリと関連付け(245)、
前記携帯電話のディスプレイに前記第2の通話相手の名前を表示し(250)、
前記携帯電話上の前記PTTキーを解放し(270)、
前記PTTキーが解放されたとき、PTT接続を開始して(280)、前記携帯電話がプッシュツートーク(PTT)モードになり、前記PTT接続は、前記携帯電話から前記携帯電話のディスプレイに表示された前記第1の通話相手および前記第2の通話相手までの接続であり、前記PTT接続を行うため前記第1の通話相手および前記第2の通話相手の名前に関連付けられた携帯電話のメモリ内のPTT通話相手データが使用される、音声起動型接続方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記携帯電話は、セルラ通信網上で動作する前記方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記携帯電話は、ボイスオーバIP(VoIP)通信網上で動作する前記方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記携帯電話は、無線LAN(WLAN)上で動作する前記方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記通話相手の名前は、複数の通話相手に関連するグループ名からなる前記方法。
【請求項6】
携帯電話からプッシュツートーク(PTT)式接続を確立する音声起動接続方法であって、
伝えられた第1の通話相手の名前を認識し(240)、
認識された前記伝えられた第1の通話相手の名前を携帯電話のメモリの第1のエントリと関連付け(245)、
前記携帯電話のディスプレイに前記第1の通話相手の名前を表示し(250)、
伝えられた第2の通話相手の名前を認識し(240)、
認識された前記伝えられた第2の通話相手の名前を携帯電話のメモリの第2のエントリと関連付け(245)、
前記携帯電話のディスプレイに前記第2の通話相手の名前を表示し(250)、
前記携帯電話のディスプレイ(250)に前記通話相手の名前を表示した後に、前記携帯電話(300)上の前記PTTキーを押して解放し、ここで、前記PTTキーは、無線ベースの通信において、プッシュツートーク機能を実現するために使用されており、
前記PTTキーが解放されたとき、PTT接続を開始して(280)、前記携帯電話がプッシュツートーク(PTT)モードになり、前記PTT接続は、前記携帯電話から携帯電話のディスプレイに表示された前記第1の通話相手および前記第2の通話相手までの接続であり、前記PTT接続を行うため前記第1の通話相手および前記第2の通話相手の名前に関連付けられた携帯電話のメモリ内のPTT通話相手データが使用される、音声起動型接続方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、前記携帯電話は、セルラ通信網上で動作する前記方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法であって、前記携帯電話は、ボイスオーバIP(VoIP)上で動作する前記方法。
【請求項9】
請求項6記載の方法であって、前記携帯電話は、無線LAN上で動作する前記方法。
【請求項10】
請求項3または6記載の方法であって、前記第1の通話相手および前記第2の通話相手の名前は、複数の通話相手に関連するグループ名からなる前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−16040(P2012−16040A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180503(P2011−180503)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2007−522480(P2007−522480)の分割
【原出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】