説明

頭皮頭髪化粧料

【課題】炎症による頭皮の赤み、頭皮の乾燥を改善することができ、更に頭皮を柔軟化することで、抜け毛を改善することができ、かつ、べたつきがなく使用感に優れる頭皮頭髪化粧料の提供。
【解決手段】(A)ローヤルゼリー及び該ローヤルゼリーのエキスの少なくともいずれかと、(B)海藻エキスと、(C)ビワ葉エキスと、(D)ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及び乳酸オクチルドデシルから選択される少なくとも1種の経皮吸収促進剤と、を含有し、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分との質量比が、(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=0.001〜1,000である頭皮頭髪化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮頭髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から育毛に関する研究が盛んに行われており、様々な脱毛や薄毛の原因が挙げられている。その原因のひとつとして、加齢が挙げられる。加齢によって生じる脱毛や薄毛などの症状は、男性のみならず女性においても大きな悩みの一因となっている。
また、最近の調査で、加齢に伴い頭皮が硬くなることを訴える人が増えていることがわかってきた。頭皮が硬くなると血流が悪くなるため、毛根部の細胞への栄養が行きわたりにくくなり、細毛化や薄毛化を加速することが知られている。
【0003】
一般に、頭皮を健康に保つことにより健やかな毛髪を育成することができることは広く知られている。頭皮を健常な状態に保つために、保湿剤や抗炎症剤を含む頭皮頭髪化粧料を使用することは、従来から行われてきた。また、保湿効果を有するが、べたつきがないことが、使用感の上で好まれている。
【0004】
例えば、ビワ葉の抽出物を配合した養毛化粧料が、育毛効果を発揮し、使用時のべたつき、きしみ感、パサつきがないことが開示されている(特許文献1参照)。
また、ユーカリエキスと、多価アルコールと、保湿剤及び抗炎症剤から選ばれる1種以上とを含有する頭皮頭髪化粧料が、頭皮の水分を保ち、また炎症を抑えて頭皮を健康な状態に保つことが開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、これらの技術では、頭皮の乾燥を改善する効果や、頭皮を柔軟化させる効果が不十分であり、また抜け毛を改善する効果も不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−105932号公報
【特許文献2】特開2005−206539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、炎症による頭皮の赤み、頭皮の乾燥を改善することができ、更に頭皮を柔軟化することで、抜け毛を改善することができ、かつ、べたつきがなく使用感に優れる頭皮頭髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これまで加齢に伴う頭皮の状態変化については、ほとんど研究されてこなかった。本発明者らは、男女ともに加齢により頭皮の赤みや乾燥が進むこと、この頭皮の赤みや乾燥は、毛根部の細胞のアポトーシスを引き起こし、更には抜け毛に繋がるという新たな課題を見出した。
【0009】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、(A)ローヤルゼリー及び該ローヤルゼリーのエキスの少なくともいずれかと、(B)海藻エキスと、(C)ビワ葉エキスと、(D)ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及び乳酸オクチルドデシルから選択される少なくとも1種の経皮吸収促進剤と、を含有し、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分との質量比が、(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=0.001〜1,000である頭皮頭髪化粧料は、炎症による頭皮の赤み、頭皮の乾燥を改善することができ、更に頭皮を柔軟化することで抜け毛を改善することができ、かつ、べたつきがなく使用感に優れることを知見し、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)ローヤルゼリー及び該ローヤルゼリーのエキスの少なくともいずれかと、(B)海藻エキスと、(C)ビワ葉エキスと、(D)ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及び乳酸オクチルドデシルから選択される少なくとも1種の経皮吸収促進剤と、を含有し、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分との質量比が、(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=0.001〜1,000であることを特徴とする頭皮頭髪化粧料である。
<2> (B)海藻エキスが褐藻類のエキスである前記<1>に記載の頭皮頭髪化粧料である。
<3> (E)6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、及びt−フラバノンから選択される少なくとも1種の育毛成分を更に含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<4> 養毛剤及び育毛剤の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<5> 頭皮の赤みを改善する赤み改善剤、頭皮の乾燥を改善する乾燥改善剤、頭皮を柔軟化する柔軟化剤、及び抜け毛を改善する抜け毛改善剤の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、炎症による頭皮の赤み、頭皮の乾燥を改善することができ、更に頭皮を柔軟化することで、抜け毛を改善することができ、かつ、べたつきがなく使用感に優れる頭皮頭髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(頭皮頭髪化粧料)
本発明の頭皮頭髪化粧料は、ローヤルゼリー及び該ローヤルゼリーのエキスの少なくともいずれかと、海藻エキスと、ビワ葉エキスと、経皮吸収促進剤と、を少なくとも含有し、好ましくは、育毛成分を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
【0013】
<(A)ローヤルゼリー及び/又はそのエキス>
前記ローヤルゼリー(royal jelly)は、王乳、蜂乳ともいわれ、ミツバチの咽頭部から分泌される。また、本発明において、前記ローヤルゼリーのエキスとは、該ローヤルゼリーを溶媒などで抽出した抽出物をいう。
前記ローヤルゼリー及び該ローヤルゼリーのエキスの少なくともいずれかを、以下、(A)成分と称することがある。
【0014】
前記(A)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ミツバチから採取する方法、該ミツバチから採取したローヤルゼリーから抽出する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
また、前記(A)成分の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、粉末状であってもよく、液状であってもよい。
【0015】
前記ローヤルゼリーのエキスの抽出方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、スクワラン、又はこれらの混合液などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記溶媒は、水及びエタノールの混合液、水及び1,3−ブチレングリコールの混合液が好ましく、水及びエタノールの混合液が特に好ましい。
【0016】
前記(A)成分の市販品の具体例としては、ローヤルゼリー(粉末状、一丸ファルコス株式会社製)、ローヤルゼリーエキス(組成:82.34質量%水、16.14質量%エタノール、1.52質量%抽出エキス、一丸ファルコス株式会社製)、ローヤルゼリーエキスB(組成:48.75質量%水、50.00質量% 1,3−ブチレングリコール、1.25質量%抽出エキス、一丸ファルコス株式会社製)、ローヤルゼリー抽出液−J(組成:49.30質量%水、49.30質量%エタノール、1.40質量%抽出エキス、丸善製薬株式会社製)、ローヤルゼリー抽出液BG(組成:49.50質量%水、49.50質量% 1,3−ブチレングリコール、1.00質量%抽出エキス、丸善製薬株式会社製)、ローヤルゼリー抽出液SQ(98.60質量%スクワラン、1.40質量%ローヤルゼリーエキス、丸善製薬株式会社製)などが挙げられる。
【0017】
前記頭皮頭髪化粧料における前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ローヤルゼリーの純分換算、若しくは、エキスの場合は、ローヤルゼリーエキスの純分換算で、頭皮の赤み、頭皮の乾燥の改善の点から、0.000001質量%〜0.15質量%が好ましく、頭皮の赤みや乾燥の改善、抜け毛の改善の点で、0.00001質量%〜0.01質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、0.000001質量%未満であると、頭皮の乾燥を改善できないこと、頭皮の赤みを改善できないこと、抜け毛を改善できないことなどがあり、0.15質量%を超えると、頭皮がべたつくことがある。
【0018】
<(B)海藻エキス>
前記海藻エキス(以下、「(B)成分」と称することがある。)とは、海藻から抽出した抽出物をいう。
前記(B)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、自然界から採取した海藻を抽出する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
また、前記(B)成分の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粉末状であってもよく、液状であってもよい。
【0019】
前記海藻エキスの抽出方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、海藻から溶媒で抽出する方法などが挙げられる。
前記海藻は、抽出前に裁断することが好ましく、また、抽出前に洗浄することが好ましい。
【0020】
前記抽出に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、スクワラン、又はこれらの混合液などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記溶媒は、水及びエタノールの混合液、水及び1,3−ブチレングリコールの混合液が好ましい。
【0021】
前記海藻エキスの原料としてガゴメ昆布を用いた場合の、前記海藻エキスの抽出方法の具体例としては以下のものが挙げられる。
ガゴメ昆布を裁断し、洗浄後、20質量% 1,3−ブチレングリコール溶液で抽出し、ろ過する。ここに30質量%となるように1,3−ブチレングリコールを添加して該海藻エキスを調製することができる。
【0022】
前記(B)成分に用いる海藻の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑藻類、褐藻類、紅藻類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記緑藻類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロレラ・ブルガリス、クロレラ・ピレノイドサ、クロレラ・エリプソイデイア、アオノリ、アオサ又はアナアオサなどが挙げられる。
前記アオノリとしては、例えば、ウスバアオノリ、スジアオノリ、ヒラアオノリ、ボウアオノリ、ホソエダアオノリなどが挙げられる。
【0024】
前記褐藻類としては、例えば、コンブ、ジャイアントケルプ、ワカメ又はアオワカメ、モズク、ヒロメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、ウスバウミウチワ、キレバノウミウチワ、アカバウミウチワ、コナウミウチワ、オキナウチワ、ウスユキウチワ、エツキウミウチワなどが挙げられる。
前記コンブとしては、例えば、ガゴメコンブ、マコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブ、ミツイシコンブなどが挙げられる。
前記ジャイアントケルプとしては、例えば、マクロシスティス・ピリフェラ、マクロシスティス・インテグリフォリア、ネオシティス・ルエトケアーナなどが挙げられる。
【0025】
前記紅藻類としては、例えば、ヒジリメン、マクサ又はテングサ、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、カタオバクサ、ヤタベグサ、ユイキリ、シマテングサ、トサカノリ、トゲキリンサイ、アマクサキリンサイ、キリンサイ、ビャクシンキリンサイ、ツノマタ、オオバツノマタ、トチャカ又はヤハズツノマタ、エゾツノマタ、トゲツノマタ、ヒラコトジ、コトジツノマタ、イボツノマタ、マルバツノマタ、ヒラコトジ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ヤレウスバノリ、カギウスバノリ、スジウスバノリ、ハイウスバノリ、アカモミジノリなどが挙げられる。
【0026】
これらの中でも、前記海藻は、褐藻類が好ましく、ガゴメコンブ、ヒバマタ、モズクが特に好ましい。
【0027】
前記(B)成分の市販品の具体例としては、ファルコレックス ケルプ(組成:98.2質量%水、1.0質量%フェノキシエタノール、0.8質量%褐藻エキス、一丸ファルコス株式会社製)、ファルコレックス ヒバマタ(組成:54.4質量%水、45.0質量% 1,3−ブチレングリコール、0.6質量%褐藻エキス、一丸ファルコス株式会社製)、IPF−100K(組成:99.0質量% 1,3−ブチレングリコール、1.0質量% アルゲエキス、紅藻エキス、又はスサビノリエキス、一丸ファルコス株式会社製)、カイソウ抽出液(組成:48.8質量%水、48.8質量%エタノール、2.4質量%ヒバマタエキス、丸善製薬株式会社製)、カイソウ抽出液BG−J(組成:48.47質量%水、48.47質量% 1,3−ブチレングリコール、3.06質量%ヒバマタエキス、丸善製薬株式会社製)、カイソウ抽出液LA−J(組成:68.88質量%水、29.52質量%エタノール、1.60質量%ヒバマタエキス、丸善製薬株式会社製)、TaKaRa海藻エキス(組成:69.91質量%水、30.00質量% 1,3−ブチレングリコール、0.09質量%ガゴメコンブエキス、タカラバイオ株式会社製)などが挙げられる。
これらの中でも、頭皮の赤みの改善、頭皮の乾燥の改善の点から、ガゴメコンブエキスが好ましい。
【0028】
前記頭皮頭髪化粧料における前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、海藻エキスの純分換算で、0.0000001質量%〜0.5質量%が好ましく、頭皮の赤みや乾燥の改善、抜け毛の改善の点で、0.0000005質量%〜0.001質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.0000001質量%未満であると、頭皮の乾燥を改善できないこと、頭皮の赤みを改善できないこと、抜け毛を改善できないことなどがあり、0.5質量%を超えると、頭皮がべたつくことがある。
【0029】
<(C)ビワ葉エキス>
前記ビワ葉エキス(以下、「(C)成分」と称することがある。)とは、ビワ葉から抽出した抽出物をいう。
【0030】
前記(C)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、自然界から採取したビワ葉を抽出する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
また、前記(C)成分の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、粉末状であってもよく、液状であってもよい。
【0031】
前記ビワ葉エキスの抽出方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビワ葉から溶媒で抽出する方法などが挙げられる。前記ビワ葉は、裁断することが好ましい。
【0032】
前記抽出に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、スクワラン、又はこれらの混合液などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記溶媒は、1,3−ブチレングリコール、水及び1,3−ブチレングリコールの混合液が好ましい。
【0033】
前記(C)成分の市販品の具体例としては、ファルコレックス ビワリーフB(組成:49.25質量% 1,3−ブチレングリコール、49.25質量%水、1.50質量%ビワ葉エキス、一丸ファルコス株式会社製)、ファルコレックス ビワリーフE(組成:66.65質量%水、31.77質量%エタノール、1.58質量%ビワ葉エキス、一丸ファルコス株式会社製)、ビワ抽出液−J(組成:49.3質量%水、49.3質量%エタノール、1.4質量%ビワ葉エキス、丸善製薬株式会社製)、ビワ抽出液BG−J(組成:49.25質量% 1,3−ブチレングリコール、49.25質量%水、1.50質量%ビワ葉エキス、丸善製薬株式会社製)、ビワ抽出液LA(組成:69.33質量%水、29.71質量%エタノール、0.96質量%ビワ葉エキス、丸善製薬株式会社製)、ビワ抽出液SQ(組成:98.6質量%スクワラン、1.4質量%ビワ葉エキス、丸善製薬株式会社製)、ビワ抽出液CA(組成:99.00質量% 1,3−ブチレングリコール、1.00質量%ビワ葉エキス、丸善製薬株式会社製)などが挙げられる。
【0034】
前記頭皮頭髪化粧料における前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ビワ葉エキスの純分換算で、0.00001質量%〜0.05質量%が好ましく、頭皮の柔軟化、抜け毛の改善の点で、0.00003質量%〜0.01質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、0.00001質量%未満であると、頭皮を柔軟化できないことがあり、0.05質量%を超えると、頭皮がべたつくことがある。
【0035】
<(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕>
前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分との質量比としては、(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕が、0.001〜1,000であるが、頭皮の赤みの改善、べたつきのなさ、及び抜け毛の改善の点から、0.01〜600が好ましく、0.5〜381が特に好ましい。前記質量比が、0.001未満であると、頭皮を柔軟化できないことがあり、1,000を超えると、頭皮の乾燥を改善できないこと、頭皮の赤みを改善できないこと、抜け毛を改善できないことなどがある。
なお、前記質量比の計算において、前記(A)成分は、ローヤルゼリーの純分、若しくは、エキスの場合は、ローヤルゼリーエキスの純分の値を用いて算出する。また、前記(B)成分及び前記(C)成分は、エキスの純分の値を用いて算出する。
【0036】
<(D)経皮吸収促進剤>
前記経皮吸収促進剤(以下、「(D)成分」と称することがある。)は、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及び乳酸オクチルドデシルから選択される少なくとも1種の経皮吸収促進剤である。前記頭皮頭髪化粧料に前記経皮吸収促進剤を配合すると、前記頭皮頭髪化粧料の浸透を向上させ、頭皮の赤みや乾燥の改善、頭皮の柔軟化、特に、抜け毛の改善を図ることができる点で好ましい。
【0037】
前記ポリエチレングリコールの平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、250〜600が好ましい。
なお、前記平均分子量は、医薬部外品原料規格2006に記載の平均分子量を示す。
前記ポリエチレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール200(平均分子量190〜210)、ポリエチレングリコール300(平均分子量280〜320)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380〜420)、ポリエチレングリコール600(平均分子量570〜630)などが挙げられる。
なお、商品によっては、例えば、ポリエチレングリコール200は、ポリエチレングリコール#200などのように、ポリエチレングリコールと数値との間に#がつく場合がある。
【0038】
前記ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテルの酸化エチレン(EO)の平均付加モル数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1モル〜10モルが好ましい。
【0039】
これらの中でも、前記(D)成分は、ポリエチレングリコール300、乳酸オクチルドデシル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルが好ましく、べたつきが生じにくく、頭皮の赤み、頭皮の乾燥の改善、頭皮の柔軟化、抜け毛の改善の点で、ポリエチレングリコール300、乳酸オクチルドデシルが特に好ましい。
【0040】
前記頭皮頭髪化粧料における前記(D)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜8質量%が好ましく、頭皮の赤み、抜け毛の改善の点で、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。前記(D)成分の含有量が、0.01質量%未満であると、頭皮への浸透性が悪く、頭皮の赤みや抜け毛を改善できないことがあり、8質量%を超えると、頭皮がべたつくことがある。
【0041】
<(E)育毛成分>
前記頭皮頭髪化粧料は、更に育毛成分(以下、「(E)成分」と称することがある。)を含有することが、育毛を促進できる点で好ましい。
前記育毛成分としては、特に制限はなく、公知の育毛成分の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、t−フラバノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記(E)成分は、育毛効果の点で、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリンが好ましい。
【0042】
前記頭皮頭髪化粧料における前記(E)成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜8質量%が好ましく、0.01質量%〜6質量%がより好ましい。前記(E)成分の含有量が、0.01質量%未満であると、十分に育毛を促進することができないことがあり、8質量%を超えると、頭皮がべたつくことがある。
【0043】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、化粧料で使用される原料の中から、本発明の効果を損なわない範囲で目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、前記(D)成分以外の界面活性剤、セルロース類、エステル類、植物油、前記(D)成分以外のエステル油や多価アルコール、角質溶解剤、高分子樹脂、紫外線吸収剤、ビタミン類、前記(E)成分以外の血管拡張剤や細胞賦活剤、アミノ酸類、抗炎症剤、皮膚機能亢進剤、抗菌剤、前記(C)成分以外の植物抽出エキス、pH調整剤、清涼剤、ポリマー、防腐剤、色剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
前記水としては、例えば、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水などが挙げられる。
【0045】
前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノ又はイソステアレート;グリセリン脂肪酸エステル;モノミリスチン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0046】
前記セルロース類としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
【0047】
前記エステル類としては、例えば、トリ−2エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン酸等の多価アルコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0048】
前記植物油としては、例えば、ユーカリ油、サフラワー油、月見草油、ホホバ油などが挙げられる。
【0049】
前記エステル油としては、例えば、オレイン酸エチル、リノール酸イソプロピル等の不飽和脂肪酸アルキルエステル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステルなどが挙げられる。
【0050】
前記角質溶解剤としては、例えば、サリチル酸、レゾルシンなどが挙げられる。
【0051】
前記高分子樹脂としては、例えば、両性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマーなどが挙げられる。
【0052】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイ皮酸オクチル(ネオヘリオパンAV)、オキシベンゾン、ウロカニン酸などが挙げられる。
【0053】
前記ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、酢酸トコフェロールなどが挙げられる。
【0054】
前記血管拡張剤としては、例えば、セファランチンなどが挙げられる。
【0055】
前記細胞賦活剤としては、例えば、コレウスエキス、ジンセンエキス、アデノシン、ヒノキチオール、ピロクトンオラミンなどが挙げられる。
【0056】
前記アミノ酸類としては、例えば、グルタミン酸、メチオニン、セリン、グリシン、シスチン、スレオニンなどが挙げられる。
【0057】
前記抗炎症剤としては、例えば、β−グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、ローズマリーエキス、シソエキスなどが挙げられる。
【0058】
前記皮膚機能亢進剤としては、例えば、D−パンテノール、パントテニルエチルエーテルなどが挙げられる。
【0059】
<pH>
前記頭皮頭髪化粧料のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃におけるpHが、3.0〜8.0であることが頭皮に対する刺激が少ない点で好ましい。
pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ、塩酸、クエン酸、クエン酸塩等の酸などが挙げられる。
【0060】
<粘度>
前記粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃における粘度が、1mPa・s〜5,000mPa・sであることが頭皮に塗布しやすく、頭皮に浸透しやすい点で好ましい。
前記粘度は公知の粘度調整剤により調整することができる。前記粘度調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0061】
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)により下記条件で測定することができる。
粘度が、1mPa・s以上20mPa・s以下の場合は、BLアダプタ、回転数30rpm、1分間後の粘度を測定する。
粘度が、20mPa・sを超え40mPa・s以下の場合は、ローターNo.2、回転数30rpm、1分間後の粘度を測定する。
粘度が、40mPa・sを超え4,000mPa・s以下の場合は、ローターNo.3、回転数30rpm、1分間後の粘度を測定する。
粘度が、4,000mPa・sを超え5,000mPa・s以下の場合は、ローターNo.4、回転数30rpm、1分間後の粘度を測定する。
【0062】
<用途>
本発明の頭皮頭髪化粧料は、炎症による頭皮の赤み、頭皮の乾燥を改善することができ、更に頭皮を柔軟化することで、抜け毛を改善することができ、かつ、べたつきがなく使用感に優れるため、頭皮の状態を改善することで育毛を促進することができ、育毛ローション、育毛スプレー、育毛トニック、育毛ジェル、育毛液、育毛クリーム等の養毛剤や育毛剤として好適に利用できる。また、本発明の頭皮頭髪化粧料は、頭皮の赤みを改善する赤み改善剤、頭皮の乾燥を改善する乾燥改善剤、頭皮を柔軟化する柔軟化剤、抜け毛を改善する抜け毛改善剤としても好適に利用できる。
【0063】
なお、本発明において、抜け毛を改善するとは、前記頭皮頭髪化粧料を使用する前の洗髪時の抜け毛の本数と、前記頭皮頭髪化粧料を使用した後の洗髪時の抜け毛の本数とを比較したとき、前記頭皮頭髪化粧料を使用する前の洗髪時の抜け毛の本数に比べて、前記頭皮頭髪化粧料を使用した後の洗髪時の抜け毛の本数が減少することをいう。
【実施例】
【0064】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例において、特に明記しない限り、「%」は質量%を表し、比率は質量比を表し、表中の各成分の量は純分換算した量を、エキスの場合は、エキス分の純分換算した量を表す。
【0065】
(実施例1〜32、比較例5及び6)
下記表1〜8に示す組成及び配合量となるように(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分と、その他の成分とを均一に混合した。pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いてpHを測定し、クエン酸又はクエン酸ナトリウムを用いて目的のpHとし、表1〜8に示す組成の、実施例1〜32、並びに、比較例5及び6の頭皮頭髪化粧料を調製した。
実施例1〜32、並びに、比較例5及び6の頭皮頭髪化粧料は、全て25℃で液体であった。得られた頭皮頭髪化粧料について、下記に示す方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。結果を表1〜8に併せて示す。
【0066】
<頭皮の赤み改善の評価>
頭皮に赤みが生じているパネラーの男女各10名(平均年齢48歳)が、実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を3ヶ月間、1日2回連続使用し、使用開始から3ヶ月後に頭皮の赤みが改善したか否かを、頭皮頭髪化粧料の専門家が目視にて判定し、下記評価基準に基づき頭皮の赤み改善の評価を行った。
[評価基準]
5点:20名中18名以上に、頭皮の赤みの改善を認めた
4点:20名中14名〜17名に、頭皮の赤みの改善を認めた
3点:20名中10名〜13名に、頭皮の赤みの改善を認めた
2点:20名中5名〜9名に、頭皮の赤みの改善を認めた
1点:20名中4名以下に、頭皮の赤みの改善を認めた
【0067】
<頭皮の乾燥の改善の評価>
頭皮に乾燥を感じるパネラーの男女各10名(平均年齢48歳)が、実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を3ヶ月間、1日2回連続使用し、使用開始から3ヶ月後に頭皮の乾燥が改善したか否かを、頭皮頭髪化粧料の専門家が目視にて判定し、下記評価基準に基づき頭皮の乾燥の改善の評価を行った。
[評価基準]
5点:20名中18名以上に、頭皮の乾燥の改善を認めた
4点:20名中14名〜17名に、頭皮の乾燥の改善を認めた
3点:20名中10名〜13名に、頭皮の乾燥の改善を認めた
2点:20名中5名〜9名に、頭皮の乾燥の改善を認めた
1点:20名中4名以下に、頭皮の乾燥の改善を認めた
【0068】
<頭皮の柔軟化の評価>
頭皮が硬いと感じる頭皮頭髪化粧料の専門パネラーの男女各10名(平均年齢48歳)が、実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を3ヶ月間、1日2回連続使用し、使用開始から3ヶ月後に頭皮を手で触って頭皮が柔軟化したか否かについて官能評価を行い、下記評価基準に基づき頭皮の柔軟化の評価を行った。
[評価基準]
5点:20名中18名以上に、頭皮の柔軟化を認めた
4点:20名中14名〜17名に、頭皮の柔軟化を認めた
3点:20名中10名〜13名に、頭皮の柔軟化を認めた
2点:20名中5名〜9名に、頭皮の柔軟化を認めた
1点:20名中4名以下に、頭皮の柔軟化を認めた
【0069】
<べたつきの評価>
頭皮頭髪化粧料の専門パネラーの男女各10名が、実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を3ヶ月間、1日2回連続使用し、使用開始から3ヶ月後に頭皮がべたつくか否かについて、下記評価基準に基づき官能評価を行った。
[評価基準]
5点:20名中18名以上が、べたつかないと回答した
4点:20名中14名〜17名が、べたつかないと回答した
3点:20名中10名〜13名が、べたつかないと回答した
2点:20名中5名〜9名が、べたつかないと回答した
1点:20名中4名以下が、べたつかないと回答した
【0070】
<抜け毛の改善の評価>
頭皮頭髪化粧料の専門パネラーの男女各10名(平均年齢48歳)が、実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を使用前に洗髪時の抜け毛の本数を数えた。次に、実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を3ヶ月間、1日2回連続使用し、使用開始から3ヶ月後に洗髪時の抜け毛の本数を数えた。実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を使用前と、使用後との抜け毛の本数を比較し、使用前に比べて、使用後の抜け毛の本数が減ったか否かについて、下記評価基準に基づき抜け毛の改善の評価を行った。
[評価基準]
5点:20名中18名以上が、抜け毛が減ったと回答した
4点:20名中14名〜17名が、抜け毛が減ったと回答した
3点:20名中10名〜13名が、抜け毛が減ったと回答した
2点:20名中5名〜9名が、抜け毛が減ったと回答した
1点:20名中4名以下が、抜け毛が減ったと回答した
【0071】
(比較例1)
表8に示すように、実施例1において、(A)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例1の頭皮頭髪化粧料を調製した。
比較例1の頭皮頭髪化粧料は、25℃で液体であった。得られた頭皮頭髪化粧料について、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。結果を表8に併せて示す。
【0072】
(比較例2)
表8に示すように、実施例1において、(B)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例2の頭皮頭髪化粧料を調製した。
比較例2の頭皮頭髪化粧料は、25℃で液体であった。得られた頭皮頭髪化粧料について、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。結果を表8に併せて示す。
【0073】
(比較例3)
表8に示すように、実施例1において、(C)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例3の頭皮頭髪化粧料を調製した。
比較例3の頭皮頭髪化粧料は、25℃で液体であった。得られた頭皮頭髪化粧料について、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。結果を表8に併せて示す。
【0074】
(比較例4)
表8に示すように、実施例1において、(D)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例4の頭皮頭髪化粧料を調製した。
比較例4の頭皮頭髪化粧料は、25℃で液体であった。得られた頭皮頭髪化粧料について、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。結果を表8に併せて示す。
【0075】
(比較例7)
表8に示すように、実施例1において、(A)成分及び(B)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例7の頭皮頭髪化粧料を調製した。
比較例7の頭皮頭髪化粧料は、25℃で液体であった。得られた頭皮頭髪化粧料について、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。結果を表8に併せて示す。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
【表5】

【0081】
【表6】

【0082】
【表7】

【0083】
【表8】

【0084】
(実施例33:育毛剤)
実施例1において、表1に示す組成及び配合量に変えて、下記に示す組成及び配合量としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例33の育毛剤としての頭皮頭髪化粧料を調製した。実施例33の育毛剤は、25℃で液体であった。
[組成及び配合量]
ローヤルゼリーエキス1((A)成分) 0.00002%
海藻エキス3((B)成分) 0.000001%
ビワ葉エキス1((C)成分) 0.008%
ポリエチレングリコール300((D)成分) 3.0%
ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル((D)成分) 0.5%
6−ベンジルアミノプリン((E)成分) 0.5%
ピロクトンオラミン 0.05%
β−グリチルレチン酸 0.02%
ニコチン酸アミド 0.1%
D−パントテニル 0.3%
コレウス・フォルスコリィ根抽出精製エキス 1.0%
濃グリセリン 0.8%
ミリスチン酸デカグリセリン 0.3%
香料 0.07%
クエン酸 0.05%
95%エタノール 50%
精製水 残部
合計 100%
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=381.0
【0085】
得られた育毛剤について、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行った。また、下記に示す方法で育毛効果の評価を行った。
<育毛効果の評価>
試験開始前に、軽度から中程度の脱毛症のパネラーの男女各10名の頭頂部頭皮の外観写真を撮影した。その後、前記パネラーに実施例及び比較例の頭皮頭髪化粧料を3ケ月間、1日2回(毎日朝夜)連続使用してもらい、3ヶ月間使用後に再び頭頂部頭皮の写真を撮影した。頭皮頭髪化粧料の使用前後の写真を比較し、毛髪の量や太さにより成される毛髪外観密度の変化により、下記3段階の評価を行い、この評価結果に基づき、下記評価基準で育毛効果を評価した。
[評価]
有効:毛髪外観密度が増加した
無効:毛髪外観密度に変化がなかった
悪化:毛髪外観密度が減少した
[評価基準]
5点:20名中18名以上が、有効
4点:20名中14名〜17名が、有効
3点:20名中10名〜13名が、有効
2点:20名中5名〜9名が、有効
1点:20名中4名以下が、有効
【0086】
実施例33の育毛剤の評価結果は以下のとおりである。
[評価結果]
頭皮の赤み改善 :5点
頭皮の乾燥の改善 :5点
頭皮の柔軟化 :5点
べたつきのなさ :5点
抜け毛の改善 :5点
育毛効果 :5点
【0087】
(実施例34:育毛ローション)
実施例33において、組成及び配合量を、下記に示す組成及び配合量に変えたこと以外は、実施例33と同様の方法で、実施例34の育毛ローションとしての頭皮頭髪化粧料を調製した。
実施例34の育毛ローションは、25℃で液体であった。得られた育毛ローションについて、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行い、実施例33と同様の方法で育毛効果の評価を行った。結果を下記に示す。
[組成及び配合量]
ローヤルゼリーエキス1((A)成分) 0.001%
海藻エキス2((B)成分) 0.00001%
ビワ葉エキス1((C)成分) 0.008%
ポリエチレングリコール300((D)成分) 2.0%
ミノキシジル((E)成分) 1.0%
天然ビタミンE 0.5%
ショ糖ミリスチン酸エステル 0.5%
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5%
プロピレングリコール 0.5%
クエン酸 0.1%
L−メントール 0.1%
香料 適量
95%エタノール 50%
精製水 残部
合計 100%
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=7.9
[評価結果]
頭皮の赤み改善 :5点
頭皮の乾燥の改善 :5点
頭皮の柔軟化 :5点
べたつきのなさ :5点
抜け毛の改善 :5点
育毛効果 :4点
【0088】
(実施例35:育毛スプレー)
実施例33において、組成及び配合量を、下記に示す組成及び配合量に変えたこと以外は、実施例33と同様の方法で、実施例35の育毛スプレーの原液を調製した。実施例35の育毛スプレーの原液は、25℃で液体であった。この原液80%と、液化石油ガス(LPG)20%とを混合し、実施例35の育毛スプレーとしての頭皮頭髪化粧料を調製した。
得られた育毛スプレーについて、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行い、実施例33と同様の方法で育毛効果の評価を行った。結果を下記に示す。
[原液の組成及び配合量]
ローヤルゼリーエキス1((A)成分) 0.005%
海藻エキス1((B)成分) 0.00001%
ビワ葉エキス1((C)成分) 0.008%
ポリエチレングリコール300((D)成分) 2.0%
塩化カルプロニウム((E)成分) 1.0%
コレウス・フォルスコリィ根抽出精製エキス 1.0%
両性ポリマー 0.2%
(N−メタクロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体)
オレイン酸エチル 1.0%
コハク酸 0.3%
ショ糖ラウリン酸エステル 0.5%
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5%
濃グリセリン 0.8%
モノミリスチン酸デカグリセリン 0.3%
L−メントール 0.1%
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1%
香料 0.5%
95%エタノール 50%
精製水 残部
合計 100%
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=1.6
[評価結果]
頭皮の赤み改善 :5点
頭皮の乾燥の改善 :5点
頭皮の柔軟化 :5点
べたつきのなさ :5点
抜け毛の改善 :5点
育毛効果 :4点
【0089】
(実施例36:育毛トニック)
実施例33において、組成及び配合量を、下記に示す組成及び配合量に変えたこと以外は、実施例33と同様の方法で、実施例36の育毛トニックとしての頭皮頭髪化粧料を調製した。
実施例36の育毛トニックは、25℃で液体であった。得られた育毛トニックについて、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行い、実施例33と同様の方法で育毛効果の評価を行った。結果を下記に示す。
[組成及び配合量]
ローヤルゼリーエキス1((A)成分) 0.001%
海藻エキス2((B)成分) 0.00001%
ビワ葉エキス1((C)成分) 0.01%
ポリオキシエチレン(8)オレイルエーテル((D)成分) 1.5%
t−フラバノン((E)成分) 1.0%
グリセリン 3.0%
L−メントール 0.1%
ヒノキチオール 0.3%
メチルパラべン 0.1%
香料 0.3%
95%エタノール 50%
精製水 残部
合計 100%
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=9.9
[評価結果]
頭皮の赤み改善 :5点
頭皮の乾燥の改善 :5点
頭皮の柔軟化 :5点
べたつきのなさ :5点
抜け毛の改善 :4点
育毛効果 :4点
【0090】
(実施例37:育毛ローション)
実施例33において、組成及び配合量を、下記に示す組成及び配合量に変えたこと以外は、実施例33と同様の方法で、実施例37の育毛ローションとしての頭皮頭髪化粧料を調製した。
実施例37の育毛ローションは、25℃で液体であった。得られた育毛ローションについて、実施例1と同様の方法で、頭皮の赤み改善の評価、頭皮の乾燥の改善の評価、頭皮の柔軟化の評価、べたつきの評価、及び抜け毛の改善の評価を行い、実施例33と同様の方法で育毛効果の評価を行った。結果を下記に示す。
[組成及び配合量]
ローヤルゼリーエキス1((A)成分) 0.001%
海藻エキス2((B)成分) 0.00001%
ビワ葉エキス1((C)成分) 0.008%
ポリエチレングリコール300((D)成分) 2.0%
ペンタデカン酸グリセリド((E)成分) 1.0%
ショ糖ミリスチン酸エステル 0.5%
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5%
プロピレングリコール 0.5%
クエン酸 0.1%
L−メントール 0.1%
香料 適量
95%エタノール 残部
合計 100%
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=7.9
[評価結果]
頭皮の赤み改善 :5点
頭皮の乾燥の改善 :5点
頭皮の柔軟化 :5点
べたつきのなさ :5点
抜け毛の改善 :5点
育毛効果 :5点
【0091】
実施例1〜37及び比較例1〜7で使用した原料について下記表9〜10に示す。
なお、表1〜8におけるその他の成分には示さないが、実施例及び比較例の組成には、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分として使用した下記表9に示す商品中の成分(1,3−ブチレングリコールなど)も含む。
【0092】
【表9】

なお、表9において、1,3−BGは、1,3−ブチレングリコールを表す。
【表10】

なお、表10において、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル及びポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油における括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を表す。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の頭皮頭髪化粧料は、炎症による頭皮の赤み、頭皮の乾燥を改善することができ、更に頭皮を柔軟化することで、抜け毛を改善することができ、かつ、べたつきがなく使用感に優れるため、頭皮の状態を改善することで育毛を促進することでき、育毛ローション、育毛スプレー、育毛トニック、育毛ジェル、育毛液、育毛クリーム等の養毛剤や育毛剤として好適に利用できる。また、本発明の頭皮頭髪化粧料は、頭皮の赤みを改善する赤み改善剤、頭皮の乾燥を改善する乾燥改善剤、頭皮を柔軟化する柔軟化剤、抜け毛を改善する抜け毛改善剤としても好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ローヤルゼリー及び該ローヤルゼリーのエキスの少なくともいずれかと、
(B)海藻エキスと、
(C)ビワ葉エキスと、
(D)ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及び乳酸オクチルドデシルから選択される少なくとも1種の経皮吸収促進剤と、
を含有し、
前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分との質量比が、(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕=0.001〜1,000であることを特徴とする頭皮頭髪化粧料。
【請求項2】
(B)海藻エキスが褐藻類のエキスである請求項1に記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項3】
(E)6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、及びt−フラバノンから選択される少なくとも1種の育毛成分を更に含有する請求項1から2のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項4】
養毛剤及び育毛剤の少なくともいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項5】
頭皮の赤みを改善する赤み改善剤、頭皮の乾燥を改善する乾燥改善剤、頭皮を柔軟化する柔軟化剤、及び抜け毛を改善する抜け毛改善剤の少なくともいずれかである請求項1から請求項3のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料。

【公開番号】特開2012−184220(P2012−184220A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22171(P2012−22171)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】