説明

顔料分散剤及び容易に分散可能な固形顔料調合物

本発明は、アミンと、ジカルボン酸無水物基含有ポリマーとの反応生成物、それの製造方法、及び顔料の分散添加剤としてのそれの使用に関する。更に、本発明は、前記の反応生成物を含む固形の顔料調合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、アミンと、ジカルボン酸無水物基含有ポリマーとの反応生成物、それの製造方法、及び顔料の分散添加剤としてのそれの使用である。更に本発明は、上記の反応生成物を含む固形の顔料調合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
顔料着色されたコーティング材の製造においては、コーティング材系中への固形粒子の微細で均一な分布がその品質にとって重大である。顔料粒子が応用媒体中に最適に分散及び安定化されていないと、集塊現象及び沈降物の形成が発生する恐れがあり、これは、応用系の望ましくない粘度の変化、色相の変化、並びに色強度、隠蔽力、光沢、均一性、明度の損失、及び再現性の悪い色相、及びコーティングの際のより高いタレの発生傾向を招き得る。
【0003】
ペイント系、印刷インキ及び塗料中での顔料の微細分散及び安定化を容易にし、それによって最適な応用技術的な性質を達成するためには、多くの場合に湿潤剤もしくは分散剤が使用される。
【0004】
独国特許出願公開第10348825号明細書(特許文献1)からは、スチレンオキシド含有アルキレンエーテル及び不飽和カルボン酸誘導体に基づくコポリマーが知られており、これは水性顔料調合物の製造に使用される。欧州特許出願公開第1026178号明細書(特許文献2)には、アミンオキシド基含有マレイン酸無水物コポリマーが、水性顔料ペーストに配合される顔料用の分散剤として記載されている。
【0005】
応用系中に顔料を分散させることは、重大で煩雑なプロセスである。一般的に、顔料は、分散剤もしくは湿潤剤と組み合わせて、エネルギー集約的なボールミル、攪拌ボールミルまたは高性能ビーズミルを用いて、液体相中に配合される。比較では、容易に分散可能な固形の顔料調合物は、応用系中に、かなりより小さいエネルギー投入量及びより速い色の発現をもって配合することができ、このことは経済的に非常に重要である。
【0006】
異なる極性の応用媒体中への相溶性に関しての向上は、国際公開第2007/039603号パンフレット(特許文献3)に記載の固形の顔料調合物によりもたらされる。このような顔料調合物の製造に使用される分散添加剤は、親水性ポリエーテルに基づく側鎖を有する、連鎖反応によって合成されたポリマー性骨格からなる。このような分散添加剤の例としては、スチレン−マレイン酸無水物コポリマーとポリエーテルアミンとの反応生成物が挙げられる。記載の顔料調合物は、水性塗料中にもまたは溶剤含有塗料中にも簡単に分散できるが、非常に疎水性の高い塗料系、例えば長油−アルキド樹脂に基づく溶剤含有工業用塗料中への分散は十分ではない。
【0007】
欧州特許出願公開第0688796A1号明細書(特許文献4)は、石油蒸留物中の流動性向上剤として使用される、ポリエーテルアミンとポリマー性アルファ,ベータ−不飽和ジカルボン酸との反応生成物を開示している。
【0008】
米国特許第5,369,198号明細書(特許文献5)は、ポリアルキレングリコールエステル含有マレイン酸−ビニルコポリマーを開示している。
【0009】
国際公開第97/47566号パンフレット(特許文献6)は、セメントスラリー用のマレイン酸イミドコポリマーを開示している。
【0010】
米国特許第6,406,143B1号明細書(特許文献7)は、インクジェットインキ用のアミド基含有スチレンマレエートグラフトポリマーを開示している。
【0011】
汎用に簡単に分散可能な固形の顔料調合物の調整を可能にする分散添加剤に対する要望がある。汎用のとは、親水性の応用媒体にも、親油性の応用媒体にも簡単な分散可能性を示す固形の顔料調合物のことを意味する。このような易分散性顔料は、幅広い相溶性を持つべきであり、そしてそれらの配合は、応用媒体には関係なく、全く同じように簡単にかつ追加の段階無く行われるべきである。易分散性とは、顔料が、少ないエネルギー投入量でかつ速い色の発現を持って応用系中に配合できることを意味する。顔料の最適な分散を達成するためには、穏やかな剪断力、例えばディスソルバ(鋸歯攪拌機)の作用で十分であり、そうして応用系において更なるコスト集約的な分散段階(例えばビーズ粉砕)は無しで済ませることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許出願公開第10348825号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1026178号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/039603号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第0688796A1号明細書
【特許文献5】米国特許第5,369,198号明細書
【特許文献6】国際公開第97/47566号パンフレット
【特許文献7】米国特許第6,406,143B1号明細書
【0013】
驚くべきことに、所定のアミンを、コポリマー性アルファ,ベータ−不飽和ジカルボン酸と反応させることによって得ることことができる以下に定義されるポリマー性分散添加剤が、親水性応用媒体にも、親油性応用媒体にも簡単に分散できる固形の顔料調合物の調整を可能にすることが見出された。
【0014】
本発明の対象は、以下の構造単位、すなわち
0〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%の構造単位A
【0015】
【化1】

【0016】
0〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%の構造単位B
【0017】
【化2】

【0018】
1〜79モル%、好ましくは2〜46モル%の構造単位C
【0019】
【化3】

【0020】
1〜79モル%、好ましくは2〜46モル%の構造単位D
【0021】
【化4】

【0022】
及び
20〜80モル%、好ましくは50〜75モル%の構造単位E
【0023】
【化5】

【0024】
からなり、ここで、
及びRは、互いに独立して、水素、メチルまたはメチレンであり、
a、bは、0または1であり、そしてa+bは1であり、
は、C−C40−アルキル、C−C30−シクロアルキル、C−C30アリール、C−C−アルキレン−C−C30−アリール、C−C30−ヘテロアリール、C−C−アルキレン−C−C30−ヘテロアリールまたはC−C40−アルケニルであり、
X及びYは、互いに独立して、−OH、−O−C−C30−アルキル、NR、−Oであり、
及びRは、互いに独立して、水素、RまたはRであり;
Rは、次を意味し、
【0025】
【化6】

【0026】
Zは、C−C−アルキレンであり、
nは、1〜1000の数であり、
は、水素、C−C30−アルキル、C−C12−シクロアルキルまたはC−C30アリールであり、
は、水素、C−C−アルキルであり、
は、水素またはC−C−アルキルであり、そして
は、C−C60−アルキルまたはC−C10−アリールを意味する、
コポリマーである。
【0027】
上記のアルキル−、アルケニル−、シクロアルキル−、アリール−及びヘテロアリール基は置換されていてもよい。適当な置換基は、例えば(C−C)−アルキル、ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素、好ましくは塩素、及び(C−C)−アルコキシである。
【0028】
好ましい実施形態の一つでは、Rは、C−C30−アルキル、特にC12−C30−アルキル、C−C30−アルケニル、特にC12−C30−アルケニル、ベンジルまたはN−プロピレンイミダゾールを意味する。就中好ましくは、Rは、オレイル、ステアリルまたはN−プロピレンイミダゾールである。
【0029】
詳しくは、構造単位A、B、C及びDは、以下の一般式H及び/またはGのアルファ,ベータ−不飽和ジカルボン酸無水物から誘導される。
【0030】
【化7】

【0031】
【化8】

【0032】
例は、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、好ましくはマレイン酸無水物である。
【0033】
構造単位Eは、以下の一般式(I)のオレフィンから誘導される。
【0034】
【化9】

【0035】
例としては次のオレフィン、すなわちスチレン、アルファ−メチルスチレン、ジメチルスチレン、アルファ−エチルスチレン、ジエチルスチレン、i−プロピルスチレン、tert.−ブチルスチレン、ジイソブチレン及びアルファ−オレフィン、例えばデセン、ドデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、C20−アルファ−オレフィン、C24−アルファ−オレフィン、C30−アルファ−オレフィン、トリプロペニル、テトラプロペニル、ペンタプロペニル並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましいものは、炭素原子数10〜24のアルファ−オレフィン、及びスチレン、特に好ましいものはスチレンである。
【0036】
本発明のジカルボン酸無水物基含有ポリマーの製造は、好ましくは、オレフィン性不飽和ジカルボン酸無水物(G及び/またはH)とビニル化合物(E)とのラジカル共重合によって行われる。
【0037】
構造単位G及び/またはH並びにEを既に含む適当な商業的に入手可能なジカルボン酸無水物基含有ポリマーの例は、例えば、SartomerもしくはCray Valley社がSartomer(登録商標)SMA 2000として販売しているスチレンマレイン酸無水物樹脂、またはアルファ−オレフィン−マレイン酸無水物コポリマー、例えばPhilips−Chevron社がPA(登録商標)−18として販売しているものや、対応するアルファ−オレフィンを無水マレイン酸と反応させることよって得られるものなどである。
【0038】
構造単位Aを既に有する商業的に入手可能なポリマー、例えばHercules社がScripset(登録商標)550として販売しているスチレン−マレイン酸無水物−モノブチルマレエート−モノメチルマレエートコポリマーなども使用できる。
【0039】
好ましくは、本発明の分散添加剤の製造のためのジカルボン酸無水物基含有ポリマーとしてはスチレンマレイン酸無水物樹脂が使用され、この際、マレイン酸無水物とスチレンとのモル比は1:1〜1:3である。
【0040】
構造単位D中のNR基は、ジカルボン酸無水物基と以下の一般式D1のポリエーテルアミンとの反応生成物から誘導される。
【0041】
【化10】

【0042】
式中、Z、R、R基及びnは上記の意味を有する。このようなポリエーテルモノアミンは既知であり、例えばHuntsman社からJeffamine(登録商標)及びSurfonamine(登録商標)の名称で入手できる。
【0043】
構造単位C中のNR基は、ジカルボン酸無水物基と第一アミンとの反応生成物から誘導される。適当なアミンは、例えば飽和もしくは不飽和で脂肪族もしくは環状脂肪族のアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタデセニルアミン、ヤシ脂肪アミン、デヒドロアビエチルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン及び獣脂肪アミン、並びに芳香族基を有する脂肪族もしくは環状脂肪族アミン、例えばベンジルアミン、1−フェニルエチルアミン、2−フェニルエチルアミン及び3−フェニルプロピルアミン、特にN含有ヘテロ芳香族基を有する脂肪族もしくは環状脂肪族アミン、例えば2−(アミノメチル)−ピリジン、3−(アミノメチル)−ピリジン、1−アミノインダン及びN−(3−アミノプロピル)−イミダゾール、並びに芳香族アミン、例えばアニリン、アミノナフタレン、アミノナフトール、アミノフルオレン、アミノアントラセン、アミノピレン及び特にヘテロ環状アミン化合物、例えばアミノピリジン、アミノカルバゾール、アミノキノリン、アミノピリミジン、アミノプリン、アデニン、アミノトリアゾ−ル、アミノベンズイミダゾール、アミノベンズイミダゾロン、アミノチアゾール、アミノベンズチアゾール、アミノピラゾール、アミノピラゾロン及びアミノチアジアゾールである。
【0044】
X及びY基は、ジカルボン酸無水物基と、水とのまたは式HO−(C−C30)−アルキルのアルコール及び/または式HNRのアミンとの反応生成物から誘導される。第一アミンとしては、例えば上記のものが挙げられる。
【0045】
第二アミンとしては、例えば、次のもの、すなわちジデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジステアリルアミン、ジヤシ脂肪アミン、ジ獣脂肪アミン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
アルコールとしては、例えば、次のもの、すなわちメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−、sec.−、tert−ブタノール、オクタノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、獣脂肪アルコール、ベヘニルアルコール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
本発明の分散添加剤の製造方法には様々な実施の可能性がある。好ましくは、上記のジカルボン酸無水物基含有ポリマーを、一つの反応段階で、上記のアミノ化合物及び場合によってはヒドロキシ化合物の混合物と反応させる。
この際、
a) アミノ化合物及び場合によってはヒドロキシ化合物の混合物を仕込み、そしてジカルボン酸無水物基含有ポリマーを添加するか、または好ましくは
b) ジカルボン酸無水物基含有ポリマーを仕込み、そしてアミノ化合物及び場合によってはヒドロキシ化合物の混合物を添加する、
ことができる。
【0048】
使用されるアミンの量は、ジカルボン酸無水物に対して0.01〜1のモル比であり、好ましくはジカルボン酸無水物1モルあたり0.1〜0.99のモル比、特に好ましくは0.5〜0.95モルのアミンが使用される。
【0049】
構造単位C及びDのモル比は、構造単位D1モル当たり0.01〜10、好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.15〜3.5モルの構造単位Cである。
【0050】
本発明の反応生成物の製造は溶剤無しで(in Substanz)または有機溶剤中で行われ、この有機溶剤は、反応体に対して不活性であるかまたは反応体に対する反応性が無視し得る程度でありかつ反応体並びに反応生成物が少なくとも部分的に可溶性、しかし好ましくは完全に可溶性であるものである。例えば、炭化水素、特に芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン類、エチルベンゼン類、塩素化炭化水素、例えば1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン及び特にクロロベンゼン類、ケトン、好ましくはプロパノン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン及びアルコール、好ましくはブタノール、イソブタノール、ペンタノール及びヘキサノール、エチレングリコールエーテル及びプロピレングリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン−グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アルコールとエチレンオキシドとの反応生成物、例えば脂肪酸アルコールエトキシレート、例えばオクチルアルコール−、デシルアルコール−、ドデシルアルコール−、テトラデシルアルコール−、ヘキサデシルアルコール−、オクタデシルアルコール−、オクタデセニルアルコール−、ヤシ脂肪アルコール−、オレイルアルコール−及びステアリルアルコール−エトキシレート、エステル、例えばN−ブチルアセテート、メチルグリコールアセテート及びエチルグリコールアセテート、並びにアミド、例えばジメチルホルムアミド及びN−メチル−ピロリドン−(2)を挙げることができる。溶剤は、使用分野によっては反応混合物中に残ることができ、この際、溶液の固形物含有率は、好ましくは40重量%まで、特に15〜30重量%であるか、または溶剤は蒸留によって除去される。
【0051】
本発明の分散添加剤の製造のための反応は、場合によっては、触媒、例えば第三アミンを添加して行うことができる。
【0052】
本発明の分散添加剤の構造単位A、C及びDに表されるアミド及びイミドの形成は、ジカルボン酸無水物基含有ポリマーを上記の第一(構造単位C及びD、場合によってはAの場合)または第二(構造単位Aの場合)アミンと100〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で反応させることによって行われる。好ましくは、反応体は最初は40℃〜120℃の高められた温度下に接触させ、後で、温度を140℃〜180℃、好ましくは160℃〜170℃に高める。本発明の分散添加剤中の構造単位C及びDの存在は、IR分光分析によって明確に確認することができる。なぜならば、イミドは、IRスペクトルにおいて1700cm−1において特徴的な吸収を示すからである。
【0053】
本発明の更に別の対象は、顔料及び本発明の反応生成物を含むことを特徴とする、易分散性の固形顔料調合物である。
【0054】
好ましい顔料調合物は、それぞれ顔料調合物の総重量を基準にして、
5〜99重量%、特に40〜95重量%の少なくとも一種の顔料、
1〜95重量%、特に5〜60重量%の上述した本発明のコポリマー、及び
0〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の、フィラー、難燃剤、防腐剤、光保護剤、顔料系もしくは非顔料系分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、消泡剤、樹脂及び帯電防止剤からなる群から選択される助剤、
を含む。
【0055】
顔料としては有機顔料が好ましい。これには、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、アゾ−金属錯体顔料、及び多環式顔料、例えばフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインディゴ顔料、アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソビオラントロン顔料、ピラントロン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料及びジケトピロロピロール顔料、またはファーネスブラック及びガスブラックの群からの酸性乃至アルカリ性のカーボンブラックが挙げられる。
【0056】
上記の有機顔料の中では、調合物の製造のためにできるだけ微細であり、この際、好ましくは顔料粒子の95%、特に好ましくは99%が≦500nmの粒度を有するものが特に適している。
【0057】
この際、特に好ましい有機顔料の例示的な選択肢としては、カーボンブラック顔料、例えばガスブラックまたはファーネスブラック、モノアゾ顔料及びジスアゾ顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー1、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー81、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー87、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー126、ピグメントイエロー127、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー174、ピグメントイエロー176、ピグメントイエロー191、ピグメントイエロー213、ピグメントイエロー214、ピグメントレッド38、ピグメントレッド144、ピグメントレッド214、ピグメントレッド242、ピグメントレッド262、ピグメントレッド266、ピグメントレッド269、ピグメントレッド274、ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ34またはピグメントブラウン41; β−ナフトール顔料及びナフトールAS顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド2、ピグメントレッド3、ピグメントレッド4、ピグメントレッド5、ピグメントレッド9、ピグメントレッド12、ピグメントレッド14、ピグメントレッド53:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド146、ピグメントレッド147、ピグメントレッド170、ピグメントレッド184、ピグメントレッド187、ピグメントレッド188、ピグメントレッド210、ピグメントレッド247、ピグメントレッド253、ピグメントレッド256、ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ38またはピグメントブラウン1; レーキ化アゾ顔料及び金属錯体顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:3、ピグメントレッド48:4、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド257、ピグメントオレンジ68またはピグメントオレンジ70; ベンズイミダゾリン顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー120、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー175、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー194、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208、ピグメントバイオレット32、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ62、ピグメントオレンジ72またはピグメントブラウン25; イソインドリノン−及びイソインドリン顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー139またはピグメントイエロー173; フタロシアニン顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントブルー15、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16、ピグメントグリーン7またはピグメントグリーン36; アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料及びチオインディゴ顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー196、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド168、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド181、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントレッド263、ピグメントブルー60、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23またはピグメントオレンジ43; トリアリールカルボニウム顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド169、ピグメントブルー56またはピグメントブルー61; ジケトピロロピロール顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド254、ピグメントレッド255、ピグメントレッド264、ピグメントレッド270、ピグメントレッド272、ピグメントオレンジ71、ピグメントオレンジ73、ピグメントオレンジ81を挙げることができる。
【0058】
本発明の顔料調合物は、フィラー、難燃剤、防腐剤、光保護剤、顔料系もしくは非顔料系分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、樹脂、消泡剤及び帯電防止剤の群からの慣用の助剤を、顔料調合物の総重量を基準にして好ましくは0.1〜20重量%の通常の量で、含むことができる。
【0059】
本発明の顔料調合物に含まれ得る通常の界面活性剤の例は、アルキルスルフェート類、例えばラウリルスルフェート、ステアリルスルフェートまたはオクタデシルスルフェート、第一アルキルスルホネート、例えばドデシルスルホネート、及び第二アルキルスルホネート、特にC13−C17−アルカンスルホネートナトリウム塩、アルキルホスフェート、アルキルベンゼンスルホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、また同様にこれらの化合物の塩である。更に、大豆レシチンや、脂肪酸とタウリンもしくはヒドロキシエタンスルホン酸からなる縮合生成物、また同様にアルキルフェノール、ヒマシ油ロジンエステル、脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪酸及び脂肪酸アミドのアルコキシル化生成物(これらのアルコキシル化生成物は、同様に、例えばスルホコハク酸半エステルまたはスルホン酸エステル、硫酸エステル及びリン酸エステルとして、並びにそれらの塩、すなわちスルホン酸塩、硫酸塩またはリン酸塩として、イオン性末端基を備えることができる)が適している。ポリエポキシドとアミンとをまたはビスフェノールAもしくはビスフェノールA誘導体とアミンとを反応させることによって得られるオキシアルキル化付加化合物、並びに尿素誘導体も適している。
【0060】
本発明の更なる対象は、粉末、顆粒物またはプレスケーキの形の顔料を、水または有機溶剤または水と有機溶剤からなる混合物の存在下に、本発明のコポリマー、場合によっては及び上記の助剤と混合することを特徴とする、本発明の顔料調合物の製造方法である。
【0061】
特に有利な混合は、粉砕または分散装置を用いて達成することができる。これには、攪拌装置、ディスソルバ(鋸歯型攪拌機)、ローター−ステーターミル、ボールミル、攪拌ボールミル、例えばサンド及びビーズミル、高速混合機、混練装置、ロールミル(Walzenstuhl)または高性能ビーズミルを使用できる。この際、顔料の微分散または粉砕は、所望の粒度分布が得られるまで行われ、そして0〜100℃、有利には10〜70℃、好ましくは20〜60℃の範囲の温度で行うことができる。
【0062】
顔料の種類によっては、得られた顔料懸濁物を仕上げ処理に付すことができる。この仕上げ処理は、有利には、存在する有機溶剤、水または水−有機溶剤混合物中で、50〜250℃、特に70〜200℃、就中100〜190℃の温度で、及び有利には5分間〜24時間、特に5分間〜18時間、就中5分間〜6時間の期間行われる。好ましくは、仕上げ処理は、圧力下に、沸騰温度で、特に溶剤系の沸点よりも高い温度で行われる。純粋な水性顔料分散物が好ましい場合には、場合により使用された溶剤は、水蒸気蒸留によって除去することができる。
【0063】
本発明方法に従い製造された顔料調合物は、必要ならば固体の形態で単離することができる。これは、例えば、濾過、デカンテーション、遠心分離、噴霧乾燥、流動床乾燥、ベルト乾燥、噴霧造粒化、またはパドル乾燥器(Schaufeltrockner)中での乾燥によって行われる。本発明の顔料調合物の単離は、好ましくは、濾過及び最後の乾燥によって行われる。得られた顔料混合物の粒が粗い場合には、有利には、これを更に乾式粉砕に付す。
【0064】
本発明の顔料調合物は、全ての種類の天然もしくは合成材料の顔料着色及び着床に適しており、例えば、水及び/または溶剤を含むペイント、被覆材系、例えば壁紙用塗料、印刷インキ、エマルションペイント及び着色ニスの顔料着色及び染色に適している。
【0065】
更に、本発明の顔料調合物は、全ての種類の高分子量材料、例えば天然及び合成繊維材料、好ましくはセルロース繊維の着色に、並びに紙パルプの着色及び積層材の着色に適している。更に別の用途は、印刷インキ、例えばテクスタイル材料の印刷インキ(Textildruckfarbe)、フレキソ印刷インキ、装飾用印刷インキまたは凹版印刷用インキ、壁紙用着色料、水で希釈可能な塗料、木材保護系、ビスコース原液用着色剤(Viskose-Spinnfaerbung)、ラッカー、ソーセージケーシング、種、肥料、ガラス、特にガラスボトルの製造、並びに屋根瓦の内部着色、電子写真用トナー及び現像剤中の着色剤として、漆喰、コンクリート、木材着色用媒染剤、色鉛筆の芯、フェルトペン、ワックス、パラフィン、製図用インキ、ボールペン用ペースト、チョーク、洗剤及び洗浄剤、靴の手入れ剤、ラテックス製品、研磨剤の着色、並びに全ての種類のプラスチックもしくは高分子材料の着色である。高分子有機材料は、例えばセルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートまたはセルロースブチレート、天然樹脂もしくは合成樹脂、例えば重合樹脂または縮合樹脂、例えばアミノプラスト、特に尿素−及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノプラスト、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリウレタン、またはポリエステル、ゴム、カゼイン、ラテックス、シリコーン、シリコーン樹脂の個々のものまたは混合物である。
【0066】
更に、本発明の顔料調合物は、インクジェット用インキ、例えば水性もしくは非水性(“溶剤系”)のインクジェット用インキ、マイクロエマルションインキ、UV硬化性インキ、並びにホットメルト法に従い機能するインキの製造に、及び全ての慣用のインクジェットプリンター、特にバブルジェット法もしくはピエゾ法に基づくインクジェットプリンターに使用する印刷インキの製造に適している。これらのインキを用いて、紙、天然もしくは合成繊維材料、フィルム及びプラスチックに印刷することができる。
【0067】
加えて、本発明の顔料調合物は、様々な種類の被覆されたもしくは被覆されていない基材、すなわち例えば、厚紙、ボール紙、木材、及び木材加工製作材料、金属製材料、半導体材料、セラミック材料、ガラス、ガラス繊維及びセラミック繊維、無機材料、コンクリレート、皮革、食品、化粧料、皮膚及び毛髪の印刷、プリント、着色に使用することができる。この際、この基材は、二次的に平面に広がるか、または立体的に広がる、すなわち三次元の形であることができ、全体がもしくは一部のみ印刷もしくは被覆されていることができる。
【0068】
更に、本発明の顔料調合物は、加法混色及び減法混色のための“フラットパネルディスプレー”用のカラーフィルターのための着色剤、更に“フォトレジスト”のための着色剤、並びに電子インキ(“エレクトロニックインキ”または“e−インキ”)のための着色剤として、または電子ペーパー(“エレクトロニックペーパー”または“e−ペーパー”)のための着色剤としても適している。
【0069】
本発明の更なる対象は、高分子量有機材料の着色方法であって、顔料調合物を、有機材料の懸濁液または溶液中に混ぜ入れることによって、本発明の顔料調合物の顔料着色有効量を有機材料中に均一に分散することを含む方法である。混ぜ入れるとは、小さな剪断力の使用下での如何なるタイプの混合、例えば振盪をも含む混合を意味する。顔料着色有効量は、顔料着色すべき有機材料の重量を基準にして大概は0.01〜40重量%の顔料調合物である。
【実施例】
【0070】
本発明の分散添加剤を製造するための一般手順
ジカルボン酸無水物基含有ポリマー(31mmol無水物)を、25℃で、式D1のポリエーテルアミン(構造単位Dを生じさせるための18mmolの第一アミン)及び式HN−Rのアミン(構造単位Cを生じさせるための10mmolの第一アミン)と混合する。次いで、この反応混合物を、3時間175℃で減圧下に攪拌する。次いで、この混合物を室温に冷却する。黄褐色帯びた中粘度の液体が得られる。
【0071】
【表1】

【0072】
本発明の顔料調合物を製造するための一般手順
50gのHostaperm(登録商標)Rosa E(C.I. No. 73915)を、400gの水及び250gのイソブタノールからなる混合物中に均一に懸濁させる。次いで、例1〜6のいずれかからの11gの分散剤を加え、そしてこの混合物を、T25Ultra−Turrax(登録商標)を用いて15分間6500rpmで分散する。次に、イソブタノールを留去し、そしてコートされた顔料を濾別し、水で洗浄し、そして80℃で乾燥キャビネット中で乾燥する。乾式粉砕(M20ユニバーサルミル、IKA)の後、56gの粉末状の顔料調合物が得られる。
【0073】
様々な極性の塗料系中での易分散性の評価のために、例1〜6の顔料調合物を、
石油ベンジンを含む空気乾燥長油−アルキド樹脂焼き付け塗料(LA−塗料)中で及び外装塗装用の水性エマルションペイント(W−エマルションペイント)中で、ディスソルバ−分散によって試験する。
【0074】
溶剤含有LA塗料の顔料着色の一般手順:
4cm歯付きディスクを備えたディスソルバ中で、14.4gの易分散性顔料調合物を45.6gの長油アルキド樹脂グラインド用ワニス(Anreibelack)中に40℃及び10000rpmで30分間分散させた。15gのこの顔料着色されたグラインド用ワニスを、ゆっくりと攪拌しながら、ガラス棒を用いて室温で、15gのレットダウン用混合物及び60gの透明塗料混合物と混合した。
【0075】
ホワイトリダクション(Aufhellung)の調製のために、6.75gの上記のマストーンワニスを、20gの長油アルキド樹脂白色ワニス(27%TiO)と簡単に手作業でかき混ぜて均一化した。こうして調製されたペイントを、試験カード上にフィルムアプリケータフレームを用いて200μmに塗り、そして最初は室温で15分間、次いで乾燥キャビネット中で60℃で60分間乾燥した。
【0076】
水性エマルションインキの顔料着色のための一般手順
4cm歯付きディスクを備えたディスソルバ中で、36.0gの易分散性顔料調合物を、42.0gのグラインド用混合物中に30分間、20℃及び8000rpmで分散した。ホワイトリダクションの調製のために、2gの上記の顔料着色されたグラインド用混合物を、100gの水性白色分散物(20%TiO)と、簡単に手作業でかき混ぜながら均一化した。こうして得られたペイントを、試験カード上にフィルムアプリケータフレームを用いて200μmに塗り、そして60分間室温で乾燥した。
【0077】
色強度及び純度についての以下の値は、参照例に対する値である。
【0078】
【表2】

【0079】
dC>0は、より純粋な色の印象を意味する。
【0080】
W−エマルションペイントでのdC値は、参照例の規格の範囲内にある(絶対dC値<0.40)。
【0081】
構造単位Cを顔料分散剤中に導入することによって、疎水性溶剤含有長油アルキド樹脂中での顔料調合物の分散性が、水性エマルションインキ中での良好な分散性を損なうこと無く向上する。それ故、本発明の顔料調合物は、真に汎用性のある使用可能性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造単位、すなわち
0〜20モル%の構造単位A
【化1】

0〜20モル%の構造単位B
【化2】

1〜79モル%の構造単位C
【化3】

1〜79モル%の構造単位D
【化4】

及び
20〜80モル%の構造単位E
【化5】

[前記式中、
及びRは、互いに独立して、水素、メチルまたはメチレンであり;
a、bは、0または1であり、a+bは1であり;
は、C−C40−アルキル、C−C30−シクロアルキル、C−C30 −アリール、C−C−アルキレン−C−C30−アリール、C−C30ヘテロアリール、C−C−アルキレン−C−C30−ヘテロアリールまたはC−C40−アルケニルであり;
X及びYは、互いに独立して、−OH、−O−C−C30−アルキル、NR;−Oであり;
及びRは、互いに独立して、水素、RまたはRであり、
Rは、次の意味を有し、
【化6】

Zは、C−C−アルキレンであり;
nは、1〜1000の数であり;
は、水素、C−C30−アルキル、C−C12−シクロアルキルまたはC−C30−アリールであり;
は、水素、C−C−アルキルであり:
8は、水素またはC−C−アルキルであり、そして
は、C−C60−アルキルまたはC−C10−アリールを意味する]
からなるコポリマー。
【請求項2】
スチレンマレイン酸無水物樹脂であり、この際、無水マレイン酸とスチレンとのモル比が1:1〜1:3であることを特徴とする、請求項1のコポリマー。
【請求項3】
が、C−C30−アルキル、C−C30−アルケニル、ベンジルまたはN−プロピレンイミダゾールを意味することを特徴とする、請求項1または2のコポリマー。
【請求項4】
がオレイル、ステアリルまたはN−プロピレンイミダゾールであることを特徴とする、請求項1〜3の一つまたはそれ以上のコポリマー。
【請求項5】
請求項1〜4の一つまたはそれ以上のコポリマーの製造方法であって、ジカルボン酸無水物基及び構造単位Eを含むポリマーを、構造単位A、C及びDが基づくアミン及び場合によってはアルコールを含む混合物と、好ましくは一つの反応段階で、反応させることを特徴とする上記方法。
【請求項6】
それぞれ顔料調合物の全重量を基準にして、
(a) 5〜99重量%の少なくとも一種の顔料、
(b) 1〜95重量%の、請求項1、2、3または4のコポリマー、
(c) 0〜10重量%の、フィラー、難燃剤、防腐剤、光保護剤、顔料系もしくは非顔料系分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、消泡剤、樹脂及び帯電防止剤の群からの助剤、
を含む固形の顔料調合物。
【請求項7】
顔料が、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、アゾ金属錯体顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインディゴ顔料、アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソビオラントロン顔料、ピラントロン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、またはファーネスブラックまたはガスブラックの群からの酸性乃至アルカリ性カーボンブラックの部類からのものであることを特徴とする、請求項6の顔料調合物。
【請求項8】
粉末、顆粒物またはプレスケーキの形の顔料を、水または有機溶剤あるいは水と有機溶剤からなる混合物の存在下に、コポリマーと混合することを特徴とする、請求項6または7の顔料調合物の製造方法。
【請求項9】
顔料調合物を、濾過及び最後の乾燥によって固形の形態で単離することを特徴とする、請求項8の方法。
【請求項10】
天然もしくは合成材料の顔料着色のための、請求項6または7の顔料調合物の使用。
【請求項11】
水性のペイント、エマルションペイント及び着色ニス、水で希釈可能な塗料、壁紙用塗料及び印刷インキの顔料着色のための、請求項10の使用。
【請求項12】
溶剤含有のペイント、エマルションペイント及び着色ニス、壁紙用塗料及び印刷インキの顔料着色のための、請求項10の使用。
【請求項13】
アルキド樹脂ワニスに基づく溶剤含有着色料の顔料着色のための、請求項12の使用。
【請求項14】
天然もしくは合成繊維材料の顔料着色及び染色、紙パルプの着色及び積層材の着色、並びにインクジェットインキ、電子写真用トナー、粉末塗料、カラーフィルター、電子インキ及び“エレクトロニックペーパー”、木材保護系、ビスコース原液用着色剤、ソーセージケーシング、種、肥料、ガラスフラスコの製造、並びに屋根瓦の内部着色、漆喰、コンクリート、木材着色用媒染剤、色鉛筆の芯、フェルトペン、ワックス、パラフィン、製図用インキ、ボールペン用ペースト、チョーク、洗剤及び洗浄剤、靴の手入れ剤、ラテックス製品、研磨剤の着色、並びにプラスチックの着色のための、請求項10の使用。
【請求項15】
高分子量有機材料の着色方法であって、顔料調合物を有機材料の懸濁液または溶液中に混ぜ入れることによって、請求項6または7の顔料調合物の顔料着色有効量を有機材料中に均一に分散することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2011−521019(P2011−521019A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506583(P2011−506583)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002324
【国際公開番号】WO2009/132738
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】