説明

風力及電気モーター併用型揚水装置

【課題】商業電力、石油、ガスを必要とすることなく、自然エネルギーのみで、独立型、移設可能な風力及電気モーター併用型揚水装置を提供する。
【解決手段】風力ブレード式で同風力の回転軸をクランク型にして筒状の中にピストンリングが上下する事で、吸入、排気の作動で揚水、更に同じ揚水クランクの回転軸の先に、この回転軸の回転を増す増速機と発電機を設け発電、これに、太陽光発電3の電力の両方を併設するバッテリー5に充電、この電力を利用して電力型揚水ポンプを稼動して水を揚水する事で、商業電力や石油、ガスを利用する事なく、自然エネルギーのみで風力と太陽光の利用で、揚水効率を飛躍的に向上できる構造を特徴とする、風力及電気モーター併用型揚水装置を製作できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力ブレード式で同風力の回転軸をクランク型にして、筒状の中にピストンリングが上下する事で、吸入、排気の作動で揚水、同筒状の下部に取り付けてあるパイプを通じ、併設する貯水タンクに揚水する方法〔1〕と、更に同じ揚水クランクの回転軸の回転を増す増速機と発電機を設け発電、これに太陽光発電の電力の両方を併設するバッテリーに充電、この電力を利用して電力型揚水ポンプを稼動して、水を湯水し、併設する貯水タンクに揚水する方法〔2〕とを合算併用する事で、商業電力や、石油、ガスを利用する事なく、自然エネルギーのみで風力と太陽光の利用で、揚水効率を飛躍的に向上できる構造を特徴とする、風力及電気モーター併用型揚水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、風車の揚水では、アメリカ式は多翼式風車の利用でG.L(グランドライン)より10m以上へと、高所への揚水向けに、水量は少量でも、高所への揚水が可能で、主に家庭用水の為に使用され、クリーンなエネルギーの利用の代表と位置づけられている。
【0003】
これに対し、ヨーロッパでは、オランダが主な利用先で、4枚大型風車の揚水方式で、主に水位から3mから4m上への揚水で水量はアメリカ式より多いが高所への揚水型ではなく、主に農業用水として低位置への揚水として利用されている。
【0004】
アメリカ式でもヨーロッパ式でも風力による利用のみで、風がない時には稼動せず、太陽光や風力で発電使用する電力ポンプが併設されておらず、揚水効率は低い。特にヨーロッパ式は大型風車だけにブレードの羽根の面への布張りや、撤去が手間となり、更に、風向への方向変換も自動化されたものは少なく、大型風車の利用は減少しつつあり、自動化が必要である。
【0005】
特に近時は、石油の異常な値上がりと、地球温暖化による、風雨、少雨などの災害の多発が全世界の地域に拡大しており、この異変の解決策として、自然エネルギーの利用向上や、全く別の方法による、大量の揚水の方法開発が望まれる。
【0006】
自然エネルギーの利用による大量の揚水方法が確立できれば、商業電力、石油、ガスなどを利用する事なく、揚水でき、別の利用としては、海水を淡水化し、又、淡水でも汚れた水を浄化して、農業用水として、ハウス野菜工場用水として使用できる独立した装置で応用もでき、全世界の地域での利用が可能である。
【0007】
特に、農業用飲料水として特に農業での麦、トウモロコシ、豆類、野菜などの不足は、今後激化するとみられ、これを解決する為には海水の淡水化が必要である。
【0008】
その為には、風車による揚水と、自然エネルギー用電力モーターによる揚水の併用による高効率の揚水装置の開発が望まれる。
【0009】
この様な背景の中、理論的にも全く未開発の独立した風力及電気モーター併用型揚水機を利用した蒸留装置の開発は不可欠で、いろいろな農業用水や飲料水に利用できる大量の水を作る方法として自然エネルギーを利用したクリーンな装置が求められ、その中でも、南半球などの地域によるが、風は少なく、太陽光は当る確率は高い為、できれば本願発明の様に風力と太陽光を併用した、高効率の揚水装置の開発が急務である。
【0010】
参考文献は次の通りである。
【特許文献1】特許3716334
【特許文献2】特許出願 特開2010−194500
【特許文献3】特許出願 特開2010−133398
【特許文献4】特許出願 特開2002−364517などが出願してあるが、大量の揚水ができる装置として、まだ技術が確立した装置は未開発である。
【0011】
本発明はこの様な従来の方式や構成が有していた問題点を解決しようとするものであり、クリーンで独立的で、場所を限定する事なく利用できる揚水装置を提供する事を目的とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
解決しようとする問題点
(1)石油、ガス、商業電力を使用する事なく大量の揚水装置を作るにはどうすれば良いか。
(2)風車1基で、揚水と発電が出来る方法はないか。
(3)揚水と電力を風車ブレード部は、風の方向で回転する為、どうしたら下の固定主柱の方へ送ることが出来るか。
(4)揚水した水を発電した電力をどうしたら貯める事ができるか。
以上の様な課題や問題を解決する為に今回の発明はなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、独立揚水装置に関するもので、装置は風力ブレード式で同風力の回転軸をクランク型にして、筒状の中にピストンリングが上下する事で、吸入、排気の作動で揚水、同筒状の下部に取り付けてあるパイプを通じ、併設する貯水タンクに揚水する方法〔1〕と、更に同じ揚水クランクの回転軸の先に、この回転軸の回転を増す増速機と発電機を設け発電、これに太陽光発電の電力の両方を併設するバッテリーに充電、この電力を利用して、電力型揚水ポンプを稼動して水を揚水し、併設する、貯水タンクに揚水する方法〔2〕とを合算併用する事で、商業電力や石油、ガスを利用する事なく、自然エネルギーのみで、風力と太陽光の利用で、揚水効率を飛躍的に向上できる構造を特徴とする、風力及電気モーター併用型揚水装置を提供するものである。
【0014】
請求項2の発明は、風車はダウンウインドー式で、風向により、ブレード軸と上部は回転しており、クランクで揚水した水と電気を下部G.Lからの主柱に固定して、併設する貯水タンクや、バッテリーに送る為、同主柱パイプより大きい円形固定部材を置き送水を可能としたその外周に前述の上部回転部との間に大型のベアリング、又は回転ローラーを固定、横揺れを防止、更に貯水タンクも複数置き、バッテリーを設けて、揚水ポンプ稼動効率をあげた作りで、複雑な装置を必要とせず、長期に及んで、部品の点検と交換がしやすく更に上部から下部に送水や送電が可能な構造を特徴とする、請求項1に記載の風力及電気モーター併用型揚水装置を提供するものである。
【0015】
上記第一の課題解決手段による作用は次の通りである。上部の風車ブレードの軸は、凸形となったクランク式で筒内のピストンリングを上下させ水を揚水、そのブレード軸と同じ軸をクランクの先に取り付け直軸増速機を介して、発電機を併設して揚水と発電ができる作用が働き、又、ピストンリングの上下と縦長の筒との接点は、ピストンリングの上下と回転運動にも合う作りで、若干のスキ間は、揚水能力に支障なく、上部と下部主柱の回転作用をスムーズにできる。
【0016】
上記第2の課題解決効果は、上部風車ブレード回転部とクランクを通じて、ピストンリングを筒内で上下させ、吸入、排気の作動で揚水した水と、更に上部で発電した電力は共に風向きで動く部分で作られ、これらを使用する為には、この水と電力を下部主柱部分に送る必要が生じるが、これら上部と下部固定主柱部にはベアリングがあり回転に支障が生じるが、この固定主柱部分に水と電力を送るパイプより大きい円形輪状の固定部材を置くことで、スムーズに送水、送電ができ、長期において部品の交換や点検もできる作用ができ、更に主柱部分の太陽光の電力もバッテリーに充電して電力ポンプにより揚水できる効果で揚水能力を大幅に改善できる作用が働く。
【発明の効果】
【0017】
前述した風力及電気モーター併用型揚水装置は、次のような効果を発揮する。
【0018】
(1)石油、ガス、商業電力を使用することなく、若干ブレードの直径を長くすることで風力の高度利用技術の確立ができ、揚水と発電を生み、更に太陽光発電を併用して、自然エネルギーのみの利用で高効率の揚水装置が可能。
(2)従来は、風力ブレード利用は、風力のみの利用で揚水の効果が風がある時のみの稼動に限定されていたが、電力モーター利用により揚水能力を大幅に改善できる。
(3)この揚水装置は、水面やG.Lより10m以上への高所に揚水が可能で、高所への農業用水、家庭用、野菜工場用に送水でき、この装置で、送水ポンプやそれらへの送水用電力が不要。
(4)この揚水装置と海水淡水化の蒸留装置をセットとして、利用が可能で、電力のない地域での農業、飲料などの水が、従来より多く提供できる。
【0019】
以上の様ないろいろな効果を出す事ができ、特に、前述の通り海水の淡水化や淡水汚水の浄化に蒸留装置を併用することで、電力のない地区や、送電線の困難な地区での揚水や淡水化の為に大きな効果が発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態を示す風力及電気モーター併用型揚水装置を正面から見た外観図
【図2】左から見た内部展開斜視図(以下、本発明の実施形態を示す文言を省略する)
【図3】右側面図
【図4】背面図
【図5】平面図
【図6】左部分断面詳細図
【図7】揚水ピストン状態断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明は、風力及電気モーター併用型揚水装置でダウンウインド型の多翼ブレードを使用し説明、これは強力な力を必要とする為で、ブレード部の軸受け部は回転し、下部の固定主柱部は火の見ヤグラ式でも大型パイプ式でも設置場所に応じて使用するが、今回の説明では大型パイプ式で説明する。
【0022】
以下、本発明の実施を図1〜図7に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本願発明の風力及電気モーター併用型揚水装置を正面から見た外観図で1は、多翼ブレードで2は、ブレードの回転軸を支える回転ケースで3は、太陽光発電器(以下、ソーラーパネルという)を2の回転ケースの壁面と下部の固定主柱パイプにも複数取り付け、電力は5のバッテリーに充電、6は、上部の回転ケース部からの送電パイプである。
【0024】
図2は、左側から見た内部展開斜視図で、8は、風向矢印を示し、2の回転ケースは、8の風向により向きを変えることができ、9は、電力で動く電動ポンプで、10は、海中や淡水池から吸水パイプ(又は、揚水パイプともいう)で、11は4の貯水タンクから水を取り出す排水口(又はノズルともいう)で、ここから、いろいろな所へ水を送水する。図の1、2、3、4、5、7は図1の通りである。
【0025】
図3は、右側面図で、図2の左側面図とほとんどかわりないが、12は方向従属板で風の方向に向くようにする板で、上部回転ケース全体を吊る金具が13である。
【0026】
図4は、背面図で4の貯水タンクは2ケを置き、水量は相互自由送水パイプで連結し、5のバッテリーも2ヶ設け、14はポンプ吸水パイプで、風車用揚水の吸水パイプとは別々になっている。
【0027】
図5は、平面図で上から見た図であるが、2の回転ケースは、中心軸からズレている位置にあり、ブレードは必ず風の方向に向く。
【0028】
図6は、左部分断面詳細図で、16はブレード回転軸で、この軸はクランク17に連結し、その先に18の直軸型増速機があり、クランクの上下よりこの増速機で、増速され、19の発電機が発電するもので、21のピストンリングが上下し、22のピストンリング筒の中に下部より水が揚水される。
【0029】
図7は、揚水ピストン状態断面拡大図で、図に従って説明すればクランクと連結された28のピストンリングシャフトが上にあがれば、21のピストンリングの上のピストン弁29がふさがり、揚水された水は23の揚水排水パイプへ水は流れ、その時24の筒底の弁は開き、水が10の揚水パイプから水が22のピストン筒にみちびかれるシステムで、23の揚水排水パイプを通じ4の貯水タンクに水は貯まり、電力ポンプからの送水パイプ(小)15からも貯水タンク4にも送水される。
【0030】
図7の上部より、20のスラスト、ラジアル兼用ベアリングで上からの重量と横ゆれのラジアルをこのベアリングでまかない安定し、上のブレード軸から発電した電力を下部へ送電する為、電力受電スリップリングで6の送電パイプで、この6の送電パイプと23の揚水排水パイプを7の下部固定主柱パイプに取り付けてある26の大型円形固定部材の中を通す事で、大形ベアリング27の回転をスムーズにできる作りで6の送電パイプからの電力は下部の5のバッテリーに充電され、25の揚水吸水弁は、同パイプの揚水が下へ逆戻りをふせぐ効果がある。図の2、7は図1の通りである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
(1)大型の河川が、農業用耕作可能な平地より、かなり低い場所にある所からの揚水、山間地での利用。
(2)送電線のない海岸地区、離島への送水。
中近東、アフリカ地区の海水淡水化装置との併用利用による水提供。
(3)以上の地区への送水、給水する事で農業面積の飛躍的な拡大が可能で、又、レタス工場の新設も可能。
【0032】
自然エネルギー利用の揚水、又は、飲料水の産業は地球温暖化防止からも必要で、その上、人口増加と生活変化で淡水湖や淡水河川が近くにあっても工場排水や生活排水、農薬などで汚染がひどく、農業用水、工場用水、飲料水として利用できない水も全世界に相当量あり、これらを再生する必要がある。
【0033】
そのような状況下にあって自然エネルギーのみで農業用水やレタス工場及飲料水用への水の提供が可能となり大幅に耕作面積の拡大ができる、本発明の風力及電気モーター併用型揚水装置の開発は不可欠である。
【0034】
本願発明品は独立でき、設置場所に限定されない為、河川があり揚水可能なアジア、アフリカ地区での利用で、農業用水やレタス工場等、野菜ハウス工場、魚の陸上による養魚場の整備への水利用で農業や漁業にも大きく貢献でき、海水や淡水の蒸留水は飲料水には、そのままでは向かない点もあるが、飲料水には深海水を少量混ぜたり、無菌海水を少量加えることで飲料水にも十分利用でき、産業上、経済発展と地球環境上からも利用効果が大きく期待できる最も必要な装置である。
【0035】
1.多翼ブレード
2.回転ケース
3.太陽光発電器(又はソーラーパネル)
4.貯水タンク
5.バッテリー
6.送電パイプ
7.固定主柱パイプ
8.風向矢印
9.電動ポンプ
10.揚水パイプ(吸水パイプともいう)
11.排水口(又はノズル)
12.方向従属板
13.つり金具
14.ポンプ吸水パイプ
15.送水パイプ(小)
16.ブレード回転軸
17.クランク
18. 増速機(直軸型)
19.発電機
20.スラスト、ラジアル兼用ベアリング
21.ピストンリング
22.ピストン筒
23.揚水排水パイプ
24.筒底
25.揚水吸水弁
26.大型円形固定部材
27.大型ベアリング
28.ピストンリングシャフト
29.ピストン弁
30.電力受電スリップリング














【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、独立揚水装置に関するもので、装置は風力ブレード式で同風力の回転軸をクランク型にして、筒状の中にピストンリングが上下する事で、吸入、排気の作動で揚水、同筒状の下部に取り付けてあるパイプを通じ、併設する貯水タンクに揚水する方法〔1〕と、更に同じ揚水クランクの回転軸の先に、この回転軸の回転を増す増速機と発電機を設け発電、これに、太陽光発電の電力の両方を併設するバッテリーに充電、この電力を利用して電力型揚水ポンプを稼動して、水を揚水し、併設する貯水タンクに揚水する方法〔2〕とを合算併用する事で商業電力や石油、ガスを利用する事なく、自然エネルギーのみで、風力と太陽光の利用で、揚水効率を飛躍的に向上できる構造を特徴とする風力及電気モーター併用型揚水装置。
【請求項2】
風車は、ダウンウインドー式で、風向によりブレード軸と上部は回転しており、クランクで揚水した水と電気を下部G.Lからの主柱に固定して併設する貯水タンクやバッテリーに送る為、同主柱パイプより大きい円形固定部材を置き、送水を可能とし、その外周に前述の上部回転部との間に大型のベアリング又は、回転ローラーを固定、横揺れを防止、更に貯水タンクも複数置き、バッテリーを設けて揚水ポンプ稼動効率をあげた作りで、複雑な装置を必要とせず、長期に及んで部品の点検と交換がしやすく、更に上部から下部に送水や送電が可能な構造を特徴とする、請求項1に記載の風力及電気モーター併用型揚水装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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