説明

食品用抗菌組成物

【課題】食品の保存性の向上および食中毒の予防に効果のある食品用抗菌組成物を提供すること。
【解決手段】牛などの哺乳動物由来の抗体を含有することを特徴とする食品用抗菌組成物およびその抗菌組成物を含有する生鮮もしくは冷凍された魚介類、生野菜・果物およびそれらのカット品並びに卵サラダ等の加工食品。抗菌組成物は好ましくはアミノ酸およびその塩類、乳化剤類、ビタミンB1類、有機酸およびその塩類、アルコール類、塩基性たんぱく質およびそのペプチド類、植物由来の抗菌性抽出成分、バクテリオシン、キトサン、細菌DNA並びにオキシダーゼ等から選ばれる1種または2種以上を併用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の保存及び食中毒予防に用いられる食品用抗菌組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、グルメブームの伸展に伴い、居酒屋チェーン店などの鍋料理などにおいては見栄えをよくするため加熱を十分にする必要性のある二枚貝(牡蠣など)などを野菜の上においてあるものが多く、さらにそれを客が自ら調理する機会が増えてきており、必ずしも十分に加熱調理がなされないまま食されるようなことが多くなってきている。また、業務用で多く利用される冷凍食品の牡蠣フライなどは昼の多忙時に短時間調理と美味しさを求めるあまり十分に火が通っていない食品が食される機会も多くなってきている。このような食文化の変化の中では、病原性大腸菌(例えばO−157)のように少量(数個から数百個)の菌を摂取することで食中毒を起こす場合や同様にノロウイルスなどウイルス性の食中毒など、比較的熱に弱い食中毒菌や食中毒性のウイルスによる食中毒が増えてきている。そこで、このような状況の中で食中毒のリスクをできるだけ軽減できる抗菌剤が求められているが未だ満足できるものはまだ出てきていないのが現状である。
【0003】
例えば、抗体を含む食品などの提案がある(特許文献1)が、この方法は哺乳動物の乳中の熱に弱い抗体を残すものであり、その目的も体内に抗体を取り込むことを目的としている。また、産卵系のひよこにヘリコバクター・ピロリ抗原等、特定の病原性菌抗原を接種し、成長後も数回接種する抗体を持つ卵の生産方法及びこの卵から抽出分離した抗体を含有する乳加工食品、食品添加物などの提案がある(特許文献2)。しかし、この方法では病原菌抗原を定期的に数回に亘り接種することを必須とするなどの問題がある。
【0004】
また、前記と同様な方法で免疫した鶏の産出した卵黄中の抗体を食品に含有させる食品の保存方法が提案されている(特許文献3)。特許文献3においては、食品中のもともとその食品が持っている酵素により、その食品が劣化すること、例えば物性の変化、異臭の発生、食味の変化、変色など、その酵素による障害を、抗体を使用して抑制しようとするものであり、細菌またはウイルスなどによる食中毒対策については記載されていない。さらには、飼料や食品に抗体を含有させる提案が特許文献2のほかにもある(特許文献4〜5)が、これらの提案は抗体そのものを直接動物に摂取させることにより、動物の免疫力をアップすることで食中毒菌などを摂取した場合の影響を低減させることや治療を目的としており、その食品を毎日食べ続ける必要性があるなどの問題がある。
【特許文献1】特開2005−237238号公報
【特許文献2】特表2004−517115号公報
【特許文献3】特開平9−313148号公報
【特許文献4】特開2006−34173号公報
【特許文献5】特開2006−14654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、食品の保存性の向上および食中毒の予防に効果のある食品用抗菌剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、食中毒性のウイルスが比較的熱に弱い点と食品中では増殖しないことなどに着目し、熱に弱い抗体と熱などに強い抗菌剤を組み合わせることにより、食中毒性のウイルスを含む食中毒などのリスクを軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、抗体を含有することを特徴とする食品用抗菌組成物であり、非加熱処理・加熱処理後摂取または非加熱摂取を主に対象とした食品の抗菌組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の食品用抗菌組成物は消毒用アルコールや塩素系殺菌剤などに対して抵抗性のあるノロウイルスのような、食品系では増殖しないが少量でも体内に入れば食中毒を起こす食中毒系ウイルスに対して、その体内での増殖性を抑える働きのある抗体と食品の中では増殖する食中毒菌や腐敗菌の増殖を抑える働きのある抗菌性成分を組み合わせることにより、特に、非加熱処理・加熱処理後摂取または非加熱摂取を主体とする冷凍食品や、生鮮食品、フローズンチルド食品と称される食品などの食中毒からのリスクを低減させることのできる食品用抗菌組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明において、抗体は乳由来の抗体であればよく、その乳の起源及び形態には限定されない。例えば乳の起源として牛、山羊、羊、馬などの哺乳動物の乳をあげることができる。好ましくは大量に市場にある牛乳由来の抗体を利用することが好ましい。さらに好ましくは牛乳を原料とし遠心分離機やレンネットなどで牛乳中の抗体を含まない成分(カゼインや脂肪分)を除去したチーズホエーや、チーズホエーからさらに乳糖を除去し濃縮したホエーたん白濃縮物(WPC)、ホエーたん白単離物(WPI)などの乳清タンパクを挙げることができる。
【0010】
乳由来の抗体は、食中毒や食品の腐敗に関係する細菌のタンパク質抗原やウイルスと補体を介して結合してそれらの細菌やウイルスが腸管に付着することなく排泄されることを促進すると推定される。例えば、乳由来の抗体を含有するアサマWPC−80は、大腸菌O−111,大腸菌O−157,サルモネラ菌、リステリア菌、ブドウ状球菌、セレウス菌、腸炎ビブリオ菌、緑膿菌のほか、ノロウイルスの抗体を含む。
【0011】
本発明に用いる抗体を含む乳由来の原料中の抗体量は限定されるものではない。例えば未加熱の搾りたての牛乳中には0.03〜0.71mg/mlの抗体が含まれているという報告があり、さらに我々が提案した方法で採取された乳清タンパク粉末(アサマWPC−80)には50mg/gの抗体が含まれている。好ましくはより抗体を多く含む後者の乳清タンパクを抗体原料として使用することが好ましい。
【0012】
本発明においては、抗体を他の抗菌性成分と組み合わせることができる。他の抗菌性成分としては、下記成分から選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。アミノ酸類として、例えばグリシン、アラニン、ベタイン等、乳化剤として、例えば、低級脂肪酸のグリセリン脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸エステル類等を挙げることができ、有機酸およびその塩類として、例えば、醸造酢、乳酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、クエン酸、DL−リンゴ酸、氷酢酸、グルコノデルタラクトン、L−酒石酸、DL−酒石酸、フィチン酸及び前記酸類のカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム塩類等、例えばプロタミン、ポリリリジン、リゾチーム、ムラミダーゼ等の塩基性タンパク及びそのペプチド類、植物由来の抗菌性を有する抽出物として、例えば、甘草、ホップ、ユッカ、わさび、唐辛子、香辛料等の抽出物、そのほかに、バクテリオシンなどの乳酸発酵産物、アルコール類、ビタミンB1の脂肪酸エステル類、キトサン、ペクチン分解物、細菌DNA、グルコースオキシダーゼやラクトパーオキシダーゼなどの酵素類等が挙げられ、これらの物質の1種または2種以上を抗体と組み合わせることができる。
【0013】
本発明における抗体を含む食品用抗菌組成物の形態は限定されない。例えばと形態して粉末、ペースト、溶液などを挙げることができるが、好ましくは抗体及び組成物製造加工上の熱履歴の少ない粉末を挙げることができる。
【0014】
また、本発明における食品用抗菌組成物は抗体として0.01質量%を含んでいれば本発明の目的は達成できる。さらに好ましくは抗体として0.1質量%以上含有するものである。
【0015】
また、本発明における食品用抗菌組成物が前記抗菌性成分の1種または2種以上を含有する場合には、前記抗菌性成分が食品用抗菌組成物中に0.1質量%以上あればよい。
【0016】
本発明の抗体を含む食品用抗菌組成物の使用方法には限定されない。例えば、食品に対して0.1〜10質量%を添加することでその効果を発揮することができ、特にウイルス性食中毒の多発する二枚貝においては0.5〜2.0質量%の水溶液中に二枚貝を浸漬するとともに包装するなどの使用方法や、カキの冷凍フライのような未加熱冷凍後・加熱後摂取加工食品においては、剥き身のカキを本発明の抗菌組成物の溶液に浸漬した後加工する方法、またはバッター液に本発明の抗菌組成物を添加する方法などを挙げることができる。
【0017】
本発明の食品用抗菌組成物の使用対象食品としては、本発明の抗菌組成物が比較的熱に対して弱い抗体を含有しているため、加熱後に保存する食品にはあまり適さないが、その食品の特性上あまり加熱できない加工食品の場合は病原菌が生残する可能性があり、このような加工食品の食中毒のリスクを回避することができる。
【0018】
例えば、生牡蠣、刺身用二枚貝などのチルド包装生鮮魚介類、及び該魚介類の冷凍品及び該魚介類にバッターやパン粉をつけ冷凍した冷凍フライ食品、加熱をある程度抑えた魚介類を使用した冷凍グラタン、魚介類を対象とした酢味噌、ソースなどの調味料、野菜や果物などをカットしそのまま食するカット生野菜、カット果物、野菜サラダや卵サラダなど二次汚染により食中毒が懸念される加工食品、サラダに使用するドレッシング類などに好ましく用いることができる。
【実施例】
【0019】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中「%」は「質量%」、「部」は「質量部」である。
【0020】
(実施例1、2、比較例1、2)
アサマWPC−80(抗体を5%含有するホエーたん白粉末、アサマ化成(株)製)50%と抗菌組成物として、プロタミン、グリシン、酢酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなどを含むアサマ化成製「インパクトA」50%を混合し、本発明の食品用抗菌組成物1を得た。また、食品検体としてノロウイルスに汚染された生牡蠣を用意し、培養した腸炎ビブリオ菌で汚染させた(試験検体1)。試験検体1の生牡蠣のノロウイルスと腸炎ビブリオ汚染程度は下記のとおりであった。
なおノロウイルスの検査は平成15年食安監発第1105001号 (別添 「ノロウイルスの検出法について」によるRT-PCR(Reverse Transcription‐Polymerase Chain Reaction)法)逆転写-PCR法で検出を行った。また、腸炎ビブリオ菌数はTCBS寒天培地法により測定した。
ノロウイルスの検査: 陽性
腸炎ビブリオ菌数: 2.0×103/g
【0021】
さらに、汚染された生牡蠣の腸炎ビブリオ菌を15℃に2時間放置し、その後5℃で保存し、試料を調製したが、腸炎ビブリオ菌数は約1.0×104/gになっていた。
【0022】
調製した生牡蠣200gに同量の1%食塩水を加えたものを4袋用意し、2袋には食品用抗菌組成物1を全量に対し2%溶解し(実施例1、2)、残り2袋には添加を行わないものを用意した(比較例1、2)。これらの試料の各1袋を5℃に(実施例1、比較例1)、残りの各1袋ずつを10℃に(実施例2、比較例2)各24時間保存したのち、腸炎ビブリオ菌の菌数を測定するとともに8人の健常なボランティアを2人ずつ4組に分け、生牡蠣として試食を行ってもらい下痢の発生について観察した。
【0023】
その結果を表1に示す。結果よりわかるように、生牡蠣を5℃で保存した実施例1および比較例1では腸炎ビブリオ菌の増殖は低温のため抑制されており、実施例1は比較例1よりも食品用抗菌組成物の効果により抑制傾向にあった。また、腸炎ビブリオ菌の発病菌数(2.5×105/g以上)まで増殖していないにもかかわらず、比較例1を試食したものが下痢を発生したのはノロウイルスによる食中毒を発生したものと考えられる。これに対し、実施例1ではノロウイルスによる食中毒は発生しなかった。ノロウイルスは本発明の抗菌性組成物中の抗体と結合して排泄されたためと推定された。
【0024】
また、比較例2の10℃・24時間保存した生牡蠣を試食したものは試食後、12時間以内に下痢、腹痛などの食中毒症状起を起こしたのに対し、実施例2を食したものは下痢を起こすこともなく体調も壊すことはなかった。
【0025】
(表1)
腸炎ビブリオ菌数 ノロウイルス検査 下痢の発生
5℃・24時間保存品
比較例1 1.0×104/g 陽性 全員発生
実施例1 5.0×103/g 陽性 なし
10℃・24時間保存品
比較例2 1.5×105/g 陽性 全員発生
実施例2 2.7×103/g 陽性 なし
【0026】
(実施例3、比較例3)
実施例2及び比較例2で10℃で24時間保存し、調製した生牡蠣と同様の処理をした生牡蠣を用いて冷凍の牡蠣フライを試作し、冷凍庫で1週間保存した(実施例3、比較例3)。
【0027】
冷凍保存してあった牡蠣フライを170〜180℃の油で3分間フライをし、ジューシー感のある牡蠣フライとした(実施例3、比較例3)。フライを行った牡蠣フライを1時間室温に放置後、4人の健康なボランティアを2群に分け、各牡蠣フライを10個ずつ食べてもらった。また、フライ後の腸炎ビブリオ菌数とノロウイルスの測定を行った。その結果を表2に示す。
【0028】
(表2)
腸炎ビブリオ菌数 ノロウイルス検査 下痢の発生
比較例3 4.8×104/g 陰性 全員発生
実施例3 1.1×103/g 陰性 なし
【0029】
結果からわかるように実施例3の牡蠣フライを食べたものは何の異常も起こさなかったが、比較例3の牡蠣フライを食べたものは二人とも12時間以内に下痢と腹痛を起こした。
【0030】
(実施例4 比較例4)
実施例3と比較例3で用いたと同じ冷凍牡蠣フライを10℃の冷蔵庫に48時間放置し、フローズンチルド品の試験を行い、その時の腸炎ビブリオの菌数とノロウイルスの測定を行った。
【0031】
その結果を表3に示す。結果からわかるように実施例4は腸炎ビブリオの菌数が増加することはなかった。
【0032】
(表3)
腸炎ビブリオ菌数 ノロウイルス検査
比較例4 4.7×105/g 陽性
実施例4 1.2×103/g 陽性
【0033】
(実施例5、比較例5)
実施例1で用いたのと同じノロウイルスに汚染された生牡蠣を大人にとっては病原性の弱い大腸菌O−111で汚染させ、試験検体2を得た。また、抗体を2%含有するホエーたん白粉末70%と抗菌組成物としてグリシン30%、酢酸ナトリウム30%、フマル酸、クエン酸三ナトリウム4%、リンゴ酸ナトリウム4%、卵白リゾチーム0.5%、とうもろこし発酵粉末27.2%などを含むアサマ化成製「ランチガード」30%を粉末混合した食品用抗菌組成物2を試作した。
【0034】
試験検体2を各200gに分けよく水を切った後に、一つは食品用抗菌組成物2を試験検体2に対して1%を均一にまぶしもみこんだ。抗体含量はおよそ0.014%(計算値)であった(実施例5)。もう一方は「ランチガード」を試験検体2に対して0.5%を均一にまぶしもみこんだ(比較例5)。両試験検体2を三杯酢に漬け酢牡蛎を作り、10℃で10時間保存した後、大腸菌数とノロウイルスの測定を行うとともに健常なボランティア4名を2群に分けそれぞれを食べてもらった。その結果を表4に示す。大腸菌数はEC培地法により測定した。
【0035】
(表4)
大腸菌数 ノロウイルス検査 下痢の発生
比較例5 300/g以下 陽性 全員発生
実施例5 300/g以下 陽性 なし
【0036】
結果からわかるように、大腸菌による食中毒は、低温で食品を保存したため抗体を含まない抗菌性組成物で防止することができるが、ウイルス性食中毒は防止することができず、本発明の食品用抗菌組成物では両方の食中毒を防止することができた。
【0037】
(実施例6、比較例7,8)
本発明の食品用抗菌組成物を用いて、卵サラダの保存試験を行った。すなわち、茹でた卵80部、マヨネーズ20部の処方で常法により卵サラダを試作した。サラダにはサルモネラ・エンテリテイデイス菌をごく少量接種した。インパクトA0.5%およびアサマWPC−80を3%添加したもの(実施例6)、いずれも添加しないもの(比較例7)およびインパクトA0.5%のみ添加したもの(比較例8)をそれぞれ15℃で4日間保存した。保存前後(0日間、4日間保存後)の一般生菌数およびサルモネラ菌数を測定したところ表5のとおりであった。一般生菌数は標準寒天培地を用いて、サルモネラ菌数はSS寒天培地を用いて測定した。また官能試験はにおいと外観で判断した。
【0038】



(表5)
15℃保存日数
0 4
実施例6 一般生菌数 2.7×102 6.8×105
サルモネラ菌数 10> 2.4×104
pH 5.4 5.4
官能試験 異常なし 異常なし
比較例7 一般生菌数 3.3×102 7.9×107
サルモネラ菌数 10> 8.5×104
pH 5.1 5.8
官能試験 異常なし 腐敗臭
比較例8 一般生菌数 3.0×102 7.5×105
サルモネラ菌数 10> 3.7×104
pH 5.3 5.4
官能試験 異常なし 異常なし
【0039】
15℃、4日間保存後に、比較例7の卵サラダは腐敗しており、食べられない状態であったが、実施例6および比較例8は両方共官能的に異常はなく、可食状態にあるように観察された。
【0040】
3名のボランテイアを募って、4日間保存後の実施例6のサラダを100gずつ食べてもらったところ、3名とも下痢を含めて異常は発生しなかった。15℃、4日間保存後の前記サラダを冷凍し、1日冷凍保存した後に、冷凍してあった比較例8のサラダを、同じく3名のボランテイアに100gずつ食してもらったところ、3名とも、半日以内に下痢症状を発生した。
【0041】
以上の結果から、インパクトAの効果により、官能的に「異常なし」のサラダであっても(実施例6、比較例8)サルモネラ菌が増殖している場合があり、このようなときにもサルモネラ菌に対する抗体を含んでいるアサマWPC−80を用いることにより、食中毒を防止することができることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体を含有することを特徴とする食品用抗菌組成物。
【請求項2】
前記抗体が牛または牛以外の哺乳動物より得られる抗体である請求項1に記載の食品用抗菌組成物。
【請求項3】
アミノ酸及びその塩類、乳化剤類、ビタミンB1類、有機酸及びその塩類、アルコール類、塩基性たんぱく質及びそのペプチド類、植物由来の抗菌性を有する抽出成分、バクテリオシン、キトサン、ペクチン分解物、細菌DNA,、オキシダーゼからなる群から選ばれる1種または2種以上の抗菌組成物をさらに含有する請求項1または2に記載の食品用抗菌組成物。
【請求項4】
前記植物由来の抗菌性を有する抽出成分が、甘草、ホップ、ユッカ、わさび、唐辛子および香辛料からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品用抗菌組成物。
【請求項5】
前記抗体の含有量が0.01質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品用抗菌組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品用抗菌組成物を含むことを特徴とする生鮮及び冷凍魚介類、生野菜・果物及びそれらのカット品ならびに卵サラダおよび野菜サラダを含む加工食品。


【公開番号】特開2007−312740(P2007−312740A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148691(P2006−148691)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000101215)アサマ化成株式会社 (37)
【Fターム(参考)】