食材混合装置
【課題】 混合釜内に複数の食材を混合する装置において、複数の食材が解れて且つ良く混合されて品質の良い状態に仕上がる食材混合装置にすることを課題とする。
【解決手段】 釜支持軸(1)回りに往復揺動して収容する複数の食材を混合する混合釜(2)内に、食材撹拌用の撹拌棒(3)を設けたことを特徴とする食材混合装置の構成とする。
混合釜2を釜支持軸1周りに所定角度域にわたって往復揺動して、この混合釜2に収容する複数の食材を撹拌混合する。混合釜2内部の複数の食材は、撹拌棒3の抵抗を受けて捌き作用を受ける。このため、食材は、塊りになり難く、良好な捌き状態を維持して、均等に混合される。
【解決手段】 釜支持軸(1)回りに往復揺動して収容する複数の食材を混合する混合釜(2)内に、食材撹拌用の撹拌棒(3)を設けたことを特徴とする食材混合装置の構成とする。
混合釜2を釜支持軸1周りに所定角度域にわたって往復揺動して、この混合釜2に収容する複数の食材を撹拌混合する。混合釜2内部の複数の食材は、撹拌棒3の抵抗を受けて捌き作用を受ける。このため、食材は、塊りになり難く、良好な捌き状態を維持して、均等に混合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、混合釜に例えば米飯と酢といった複数の食材を収容して、撹拌混合する食材混合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動モータによって混合釜を回転させて食材を混合する技術が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002ー186561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
混合釜を回転する技術は、この混合釜内部に供給された食材が団子状の塊になり易いという欠点がある。本発明は複数の食材が解れて且つ良く混合されて品質の良い状態に仕上がる食材混合装置にすることを課題とする。また、混合作業及び排出作業を良好にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、釜支持軸(1)回りに往復揺動して収容する複数の食材を混合する混合釜(2)内に、食材撹拌用の撹拌棒(3)を設けたことを特徴とする食材混合装置の構成とする。
【0005】
混合釜2を釜支持軸1周りに所定角度域にわたって往復揺動して、この混合釜2に収容する複数の食材を撹拌混合する。混合釜2内部の複数の食材は、撹拌棒3の抵抗を受けて捌き作用を受ける。このため、食材は、塊りになり難く、良好な捌き状態を維持して、均等に混合される。
【0006】
請求項2に記載の発明は、混合釜(2)を設定した混合揺動角度(Qb)で揺動する混合工程(B)の前工程に、前記混合揺動角度(Qb)より小さい揺動角度(Qa)で揺動する解し工程(A)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の食材混合装置の構成とする。
【0007】
混合釜2に供給された食材はこの混合釜2の往復揺動によって撹拌混合されるが、この混合釜2に供給されたときの食材は、供給状態が不均一であり、既に大きい塊り形態になっていることや、供給位置の片寄り等がある場合がある。このとき、混合揺動角度(Qb)で揺動する混合工程(B)の前工程に、前記混合揺動角度(Qb)より小さい揺動角度(Qa)で揺動する解し工程(A)を設けることで、食材を供給の如何に拘らず混合釜2底部にこれら大きい塊を崩した状態にしてから、次工程の混合揺動角度Qbの大きい混合工程Bへ移行させる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、混合釜(2)の上部には釜口(4)を開口する形成とし、混合釜(2)内へ送風する送風ファン(11)を備え、該送風ファン(11)の送風力を、前記釜口(4)に対して食材を供給操作する供給位置(K)の手前の揺動位相域(Kf)より、反対側の奥側揺動域(Kr)を強くすることを特徴とする請求項1、又は2に記載の食材混合装置とする。
【0009】
混合釜2の往復揺動によって食材を撹拌混合するとき、この混合釜2内部に送風して食材を風冷するときは、送風が釜口4部から手前側の運転操作者の立つ手前である揺動位相域Kf側へ向けて吹き出される風圧が奥側揺動域(Kr)側より弱くする構成にする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、混合釜(2)を往復揺動しながら食材を混合する混合工程(B)の終了後、混合釜(2)内の食材を排出するために混合釜(2)を反転する排出工程(E)の際に、前記混合釜(2)の釜口(4)を直下位置(Ys)から適宜角度(Qs)手前乃至奥側へ偏位した傾斜下向きの排出位置(S)まで反転して一時停止した後に、真下位置(Ys)まで反転することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の食材混合装置とするものである。
【0011】
前記のように、混合工程Bにおける混合釜2の揺動によって混合した食材を、この混合釜2の釜口4から取出し排出するときは、この混合釜2の釜口4部を排出位置Sへ向けるように反転して、この排出位置Sにおいて一時停止して、釜2内部の混合済み食材をこの釜口4は落下排出させる。このとき、釜口4は直下位置Ysから適宜に傾斜した傾斜角度Qsの排出位置Sに向いているため、この釜口2の直下投影面積は狭くなると共に、この混合釜2内部を釜口4部へ向けて流下する食材は、この釜口4に対する排出圧力の集中、及び排出詰まりをなくし、この釜口4の直下位置Ysの釜口縁部側へ寄せるように落下させて、反射分散による捌きを良くして、均分状態にして連続して流下排出される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明は、混合釜2を往復揺動して内部の食材を撹拌棒3の抵抗によって撹拌混合するものであるから、食材の混合釜2内周面への着き周りを少なくして、食材が餅状、乃至団子状態になるのを防止して、食材の塊りを崩して、捌き作用を良くすることができる。又、食材の損傷がし難い良質な混合食材に維持すると共に、撹拌混合性を高めることが可能になる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、混合工程Bでの混合揺動角度Qbは大きくして食材の撹拌混合性を高く維持しながら、混合工程Bより前工程に混合工程Bでの混合揺動角度Qbより揺動角度Qaを小さい解し工程Aを備えることで、供給食材に塊があっても、この塊を崩して捌き作用を行い易くすることで、食材の撹拌混合性を高め、食材の仕上がりを良好にすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、混合釜2内側への食材の冷却送風において、この釜口4部が供給位置K側と反対側の奥側に向かった状態で揺動する奥側揺動位相域Krでは、強く送風して、風冷却を高く維持し、又、この釜口4がこの供給位置K側に向かう手前揺動位相域Kfでは弱く送風するものであるから、冷却効果を高く維持しながら、運転者への噴風を弱くして、作業環境、乃至操作性を良好に維持することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記混合釜2を往復回動揺動しながら食材を混合する混合工程Bから、この食材を排出する排出工程Eへの反転においては、釜口4は直下位置Ysから適宜に偏倚して傾斜した傾斜角度Qsの排出位置Sに向いているため、この釜口2の直下投影面積は狭くなると共に、この混合釜2内部を釜口4部へ向けて流下する食材は、この釜口4に対する排出圧力の集中をなくして、この釜口4の直下位置Ysの側へ寄せるようにして捌き効果を良くし、均分状態にして連続流下して排出される。このため、釜口部での食材排出圧力の集中、乃至ブリッジ現象をなくして、排出停滞や、排出詰まりをなくすることができる。しかも、取出容器への混合食材の取出を溢れ出すことなく、的確な収容を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明を実施するための最良の形態として食材として米飯と酢とを混合して寿司等に用いる酢飯を作る装置について説明する。
混合釜2は、機体5上部の釜支持軸1の回りに所定の角度Q域を往復回動して揺動させる形態としている。この混合釜2において、食材を混合するときは、この混合釜2の釜口4部を上側に向けた姿勢bにして、この揺動角度Qを混合揺動角度Qb(Qb=220度)として往復回動揺動し、混合釜2の内部に供給した食材を撹拌混合する。又、この食材混合作用の行われる混合工程Bの終了後は、混合釜2を反転して、釜口4を下方に向けた姿勢にして、この混合釜2を所定の排出揺動角度Qe(Qe=30度)を往復揺動して混合済み食材をこの釜口4から下方の取出容器7へ排出する排出工程Eに移行する形態である。
【0017】
このような混合釜2の往復揺動は、何れも機体5上に設ける電動モータ6回転によってチエン17伝動で駆動される。この電動モータ6は回転速度を制御可能な形態としており、インバータ電動のモータを用いることもできる。このモータ6の電動出力を調節することによって混合釜2の揺動速度を変更制御することができる。
【0018】
前記機体5は、横側のボックス8の上部に横方向の筒軸形態の釜支持軸1を横軸芯に回動自在に支持して、この釜支持軸1に混合釜2を取付ける。このボックス8の下方に上側の混合釜2から排出される混合仕上り食材の取出を受ける取出容器7を支持するテーブル9を有する。このボックス8の上部には各部操作の操作板10等を設け、内部には電動モータ16や、このモータ16によって駆動される送風フアン11、及び、この送風を案内する送風筒12等を配置する。この送風筒12は上端を前記釜支持軸1の中心部に形成の軸筒13内に連通して、この軸筒13を介して混合釜2内に送風案内するように構成している。このモータ16も前記モータ6と略同様に回転速度を制御可能で、この電動出力を調節することによって送風フアン11の送風力を強、弱に変更制御することができる。
【0019】
この混合釜2は、釜支持軸1に支持される下釜20と、釜口4を形成してこの下釜20に対して係止具14で着脱可能の上釜21とで構成する。この係止具14を外して、上釜21のハンドル15把持して下釜20から外して、この下釜20口部を開放し、この下釜20や、上釜21等を洗浄したり、又、この下釜20に混合する食材を所定量供給することができる。この下釜20に上釜21を嵌合するときは、内部に撹拌棒3を介入して、これら下釜20と上釜21との接合縁部間に撹拌棒3を挟持させて固定する。そして、混合釜2に食材を供給するときは、この上釜21を取外して下釜20口部を開放した状態、又は、この上釜21を取付けた状態のままの状態にして、この開放した下釜20口部、又はこの上釜21を取付けた状態の釜口4部から供給するが、混合処理するときや、この混合処理後の食材を排出するときは、この上釜21を取付けた状態で行い、このうち排出するときは、上釜21を有した状態のままで釜口4を直下位置Ys側に向けて排出する。前記下釜20内に嵌合する撹拌棒3は、円形状の取付リング40の内側に囲桁形態の取付桟41を形成し、この取付桟41に適宜長さの撹拌棒3を垂下して一体的に取付ける。各撹拌棒3の下端部は自由端として下釜20の内周面に接近させて、この混合釜2に供給する食材層の内部に介入するように設定する。また、本実施の形態の撹拌棒3は混合釜2の揺動方向と交差する方向に設定間隔で並列して取付桟41に取り付けて設け、取付桟41は混合釜2の揺動方向に複数並列して設け、隣接する取付桟41にそれぞれ取り付けている攪拌棒3は図2に示すとおり平面視で千鳥状に形成している。そのため、混合釜2を往復揺動すると、米飯の塊が千鳥状の撹拌棒3で切られて解され、酢が米飯全体に浸透する。
【0020】
前記混合釜2の揺動は、釜口4を真上位置Yhの正面側(前記操作板10面と対面する側で運転者が立つ位置側)部寄りの傾斜上方に向けた供給位置Kを原点基準位置にして、混合揺動や、排出揺動後の最終位置もこの供給位置Kに復帰する。混合釜2の混合揺動角度Qbは、この直上位置Yhを中心として、この位置から前後一定角度域にわたるもので、前記のように、例えば、Qb=220度に設定している。混合釜2の混合工程Bではこの混合揺動角度Qb域を複数回にわたり往復揺動するように設定するものである。この混合揺動角度Qbにおいては送風フアン11を駆動して混合釜2内へ送風し混合食材を冷却するが、このうち該直上位置Yhよりも供給位置K側寄りの手前揺動域Kfの揺動では、送風フアン11の駆動回転を低下して送風力を弱くする。これと反対の側における奥側揺動域Krにおいては、この送風フアン11の回転を高めて、送風力を強くするように制御構成している。あるいは奥側揺動域Krにおいては送風フアン11の回転を停止する構成としても良い。
【0021】
すなわち、混合釜2内側への食材の冷却送風において、この釜口4部が供給位置K側と反対側の奥側に向かった状態で揺動する奥側揺動位相域Krでは、強く送風して、風冷却を高く維持し、又、この釜口4がこの供給位置K側に向かう手前揺動位相域Kfでは弱く送風する又は停止するものであるから、冷却効果を高く維持しながら、正面側の運転者への釜口4部からの噴風を弱くして、混合工程B中における作業環境、乃至操作性を良好に維持することができる。
【0022】
又、この混合釜2の排出姿勢eの排出揺動角度Qeは、釜口4部を真下位置Ysに向けた状態にして、この直下位置Ysを中心として、この位置から前後一定の揺動角度Qe域にわたるもので、例えば、排出揺動角度Qe=30度に設定している。排出姿勢eでの排出工程Eでは、この揺動角度Qe域を数回往復揺動を繰り返して混合済食材の残留物を釜口4から振り出すようにして排出させる。
【0023】
又、これら排出工程Eの各往復揺動の終端折返位置では所定秒間にわたって揺動を停止する揺動停止時間teを設定して、この停止時間te中に前記送風フアン11を駆動して、排出姿勢eの混合釜2内へ送風して、食材の排出を促進するものである。
【0024】
このような混合釜2の揺動の各停止時tは、この混合釜2の停止と共に、送風フアン11を駆動している。前記混合姿勢bにおける送風停止域Lの送風フアン11の停止や、電動送風域Mを決めてフアン11を駆動制御することができ、又、この混合釜2の排出姿勢eにおける間歇揺動停止時間teを決めると共に、この各停止時間teにおける送風フアン11の駆動回転の変速や、回転停止等を設定するように構成している。
【0025】
前記操作板10には、この混合釜2を運転するための操作スイッチや、モニター等を配置している。電源スイッチ25や、運転開始スイッチ26、各混合工程B等を予め設定のプログラムに沿って自動的に連続して行わせる自動スイッチ27、混合釜2内の食材を排出する排出スイッチ28、運転作用工程の各モード時間を手動で設定して行う手動設定スイッチ29、同じ工程を繰返し行わせる繰返しスイッチ30、及び、運転進行時間や、設定時間、電源周波数等を7セグ、乃至デジタル表示する表示器(モニター)31等を設ける。又、食材混合条件を設定して登録しておくための設定スイッチ32や、混合釜2内に供給する食材量を設定して、揺動混合制御コースを設定するためのコース設定スイッチ33、作業者が特別に設定した運転モードで運転させるユーザスイッチ34、タイマーや各種量目、大きさ、速さ、或いは強さ等の調節設定のための増減スイッチ35、混合釜2の姿勢を基準の供給位置に復帰するための復帰スイッチ36、混合釜2を乾燥する乾燥位置に回動するための乾燥スイッチ37、及び、前記手動設定スイッチ29や、設定スイッチ32により混合条件を設定するために各「運転」、「解し(ほぐし)」、「混合(まぜ)」、「蒸し(むらし)」、「間歇(間欠)」、「送風」等の各作用モード毎の時間を設定するモード選択スイッチ38を設ける。39は風量調節レバーで、送風フアン11による風量を調節できる。
【0026】
コース設定スイッチ33で予め初期設定されているコース1、〜3を選択する。この初期設定のデータを変更するときは、選択スイッチ38で各コースや、工程、及び設定変更事項等を選択して、増減スイッチ35でこれらの作動時間や、停止時間、又は送風量等を増減して、このデータを7セグ形態の表示器31にモニター表示しながら、設定スイッチ32で設定して初期設定値を更新させる。このとき初期設定されている基本データは、変更設定されたデータの上書きによって更新登録される。又、この更新データを初期設定データに戻すには、設定スイッチ32と選択スイッチ38を同時に押すことによって行われる。このような設定操作は、各工程における作用事項、例えば、混合工程Bの混合揺動角度Qaや、この揺動速度、排出工程Eの排出工程時間Teや、混合釜2の排出揺動角度Qe、排出停止時間te等について、手動設定スイッチ29や、設定スイッチ32、モード選択スイッチ38、増減スイッチ35等の操作によって、前記同様にして変更設定することができる。
【0027】
前記混合釜2の回動揺動等の作用工程は、解し工程A、混合工程B、蒸し工程C、間歇工程D、及び排出工程E等を、これらの順序に設定している。このうち解し工程Aは、所定の解し工程時間Ta(Ta=20秒間)に設定して、直上位置Yhを中心にして手前側位置F1と奥側位置R1との間の揺動角度Qa(Qa=180度)域を略一往複揺動するように設定している。この解し工程時間Taにおいて、混合釜2は供給位置Kから奥側位置R1へ揺動(4〜6秒)し、この後に一旦解し停止時間ta(ta=5秒間)停止し、更に折返して手前側位置F1へ揺動(4〜6秒)し、この後ちに所定の解し停止時間ta停止する。このような往復揺動による途中で解し工程時間Taがオーバタイムになるときは供給位置Kに復帰する。
【0028】
又、混合工程Bは、この混合工程時間Tb(Tb=2分間)を設定して、前記解し揺動角度Qaよりも大きい混合揺動角度Qb(Qb=220度)域を往復揺動するように設定して、奥側位置R、及び手前側位置Fでの所定の混合停止時間tb(tb=2秒間)を設定している。この混合工程Bにおける途中でタイムオーバしても奥側位置Rまで揺動して、続く蒸し工程Cへの移行のために奥側位置Rにおいて停止するように設定している。又、送風フアン11の駆動においては、この混合工程Bに入ってから1分間を経過してから送風開始するように設定している。又、この送風フアン11の駆動は、この混合工程Bから後記間歇工程Dの終了まで行わせるが、供給位置Kの位置する手前揺動位相域Kfにおいては、回転を低くして送風力を弱くし、奥側揺動位相域Krにおいては、回転を高くして送風力を強くしている。このような送風力の強、弱の切替を、直上位置Yhを境界として行うようにしたが、供給位置Kを境界として行うことも可能で同様の効果を得る。
【0029】
又、蒸し工程Cは、前記混合工程Bの奥側位置Rで所定の蒸し工程時間Tc=tc(tc=30秒間)にわたって揺動停止して、送風フアン11を高速回転させて送風力を強くするものである。混合揺動角度Qbと同じ角度のもとに往復揺動するように設定することも可能である。
【0030】
又、間歇工程Dは、所定の間歇工程時間Td(Td=30秒間)に設定して、前記混合工程Bと同じ混合揺動角度Qb域を揺動し、この揺動の奥側位置Rと、手前側位置Fで、各々所定の間歇停止時間td(td=7秒間)毎停止するように設定している。この工程での送風力を、前記同様に手前揺動域Kfでは弱くし、奥側揺動域Krで強くしている。又、揺動途中出タイムアップしたときは供給位置Kまで復帰するように設定している。又、このとき、テーブル9上の容器センサー18が、このテーブル9上に取出容器9置かれていることを検出したときは、続く排出工程Eへ移行し、取出容器9を検出しないときはブザーを略8秒間発信して自動運転を終了して、待機モードに移行するように設定している。
【0031】
このようにして混合工程Bから間歇工程Dの運転時間T(コース1では、T1=3分間とし、コース2では、T2=4分間とし、コース3では、T3=5分間としている。)を経過すると、排出工程Eに入る。前記供給位置Kで停止した混合釜2は、図8のように直下位置Ys側へ回動して反転する。前記混合釜2を間歇工程Dから排出工程Eの排出位置Sへ回動揺動するときに、この混合釜2の回動方向を供給位置Kから手前側回りG、又は反対の奥側回りに回動して、直下位置Ysを過ぎて排出傾斜角度Qs位置の排出位置Sに至って停止するように設定している。この排出位置Sに所定排出位置停止時間ts(ts=10秒間)停止すると共に、前記送風フアン11による強い送風を行わせる。そして、この排出位置Sから奥側位置Srへ揺動して所定排出停止時間te(te=5秒間)停止し、続いて手前位置Sfへ揺動して排出停止時間te停止する。これら各停止時は強い送風を行う。これら排出揺動角度Qe(Qe=30度)域の往復揺動を数回繰り返した後ちに排出位置Sに戻って排出位置停止時間ts停止して強い送風を行う。これが終わると混合釜2は食材の排出を終わって供給位置Kに復帰して停止し、後続の食材供給を待機する。
【0032】
このような混合工程Bから間歇工程Dに至る運転時間T(T1=3分間)は、供給食材量の最も少ないコースとして説明したものであるが、供給量の多いコースでは運転時間を、コース2ではT2=4分間、コース3ではT3=5分間等として初期設定している。又、これら初期設定の運転時間や、各コース毎の揺動停止時間、送風パターン等を適宜に変更したり、設定することができる。
【0033】
電源スイッチ25をONすると、操作板10の各スイッチや、表示器31等は点灯し、乃至点灯表示することができる状態となる。そして、この電源スイッチ25により電源周波数(50Hz、60Hz、又は、その他の周波数)の電流が流れることによって、このときの電源周波数を表示器31にデジタル表示すると共に、この周波数によってコントローラにおけるパラメータ制御によって、混合釜2の揺動角度Qを維持するためのモータ6の電動揺動時間を算出設定(タイマー補正)する構成としている。この周波数、及び電動揺動時間に基づいてモータ6を電動して往復揺動駆動することになる。従って、本機のモータ6に設定されている電源周波数と異なる周波数の電源電流が流れるときは、このモータ6の電動にタイマー補正が行われる。電源周波数が少ないときは電動揺動時間を長くし、電源周波数が多いときは電動揺動時間を短くするようにタイマー補正する。このため、混合釜2の揺動角度Qは電源周波数の如何に拘らず設定目標基準の角度Qに維持される。このような混合釜2の揺動角Qの補正制御は、食材混合時の混合揺動角度Qbや、排出揺動角Qe、その他の解し揺動角度Qa、間歇揺動角度Qd等の揺動制御において、混合揺動時間や、又は排出揺動時間等を変更して同様にして揺動角度を維持することができる。又、混合釜2の解し揺動角度Qaや、混合揺動角度Qb、又は排出揺動角度Qe等を変更調節する場合は、前記電動揺動時間をタイマー制御調節することによっても簡単に行うことができる。
【0034】
この電源スイッチ25をONして、食材の混合作用を行わせる場合、混合釜2は既に供給位置Kに位置されているが、もし、この混合釜2が供給位置K以外の位置にある時は、釜復帰スイッチ36等を操作して供給位置Kに位置させて、この位置で作業者が所定量の食材を釜口4から供給する。例えば、寿司飯の酢合せの場合は、予め計量して用意した米飯と寿司酢とを供給すると共に、この場合、上釜21や、撹拌棒3が下釜20から取外されているときは、この下釜20に供給してから、これら撹拌棒3を装着すると共に、上釜21を取付けて混合姿勢bとする。又、各モードを指定するときはモード選択スイッチ38や、上下スイッチ35等を操作して各モード毎の時間を指定設定し、又、設定スイッチ32、及びコース設定スイッチ33をON操作する。このようにして混合条件を決めると、自動制御では自動スイッチ27と開始スイッチ26とをONすることにより混合作用を開始する。
【0035】
開始スイッチ26のONによって、モータ1を電動して、供給位置Kに位置する混合釜2が所定の回動位相位置における解し揺動角度Qa、混合揺動角度Qb、及び排出揺動角度Qe等域を往復回動揺動する。これらの揺動回数は、前記のようにして、手動設定スイッチ29や、設定スイッチ32、モード選択スイッチ38等により設定された各コース毎の運転時間T1、T2、T3や、揺動停止時間t(ta、〜te)等によって決められる。この各揺動角度Qa、Qb、Qd、Qe域の揺動時間は、電動モータ6の回転速度や、伝動比等によって決められるもので、例えば、4秒、〜6秒の範囲で設定されてる。そして、これら混合作業の1サイクルに要する作業工程時間Tが、解し工程時間Taと、コース毎の運転時間T1、T2、又はT3と、排出工程時間Teとによって決まるため、これらの作業工程時間Tや、各部工程の工程時間Ta、〜Teを長、短に変更したり、これらの揺動角度Q(Qa、Qb、Qd、Qe)、更には揺動速度等を変更することによって、各工程A、B、D、Eの揺動回数を変更することができる。そして、少なくとも前記混合工程Bと、排出工程Eの往復揺動は複数回にわたるように設定している。この混合時間等は、ユーザスイッチ34によって使用者の好みに応じた状態に設定して、登録しておくことができる。又、この混合揺動角度Qbについて、米飯供給量が多いときに混合揺動角度Qbが大き過ぎると、特に混合釜2内に米飯が塊状で供給されているとこの混合釜2の揺動によって釜口4部から米飯塊が飛び出し易くなる。そのため、この混合工程Bの前に解し工程Aを設けて、解し揺動角度Qaを小さく(Qa<Qb、Qa=180度、Qb=220度)して米飯塊を解すことにより、米飯が釜口4から飛び出し難くするように設定している。
【0036】
混合釜2を混合揺動角度Qbを往復揺動することによって、この混合釜2内での食材が、撹拌棒3の抵抗を受けて撹拌混合される。この混合揺動作用中は、送風フアン11の回転による送風が送風筒12や軸筒13部等を経て混合釜2内に吹き込まれて、食材の冷却作用を行う。又、この送風フアン11は混合釜2の運転時間の各混合工程Bや、蒸し工程C、及び間歇工程Dにおいて行われるが、前記のように直上位置Yh(乃至供給位置K)を基準にして手前側揺動位相域Kfを回動揺動、又は停止するときは送風圧を低くし、運転者側への吹付け少なくし、奥側揺動位相域Krを回動揺動、又は停止するときは送風圧を高くして風冷効果を高める。
【0037】
このようにして混合工程Bや、間歇工程D等の混合作用が終わると、混合運転時間の終了によって、混合姿勢bの混合釜2を、釜口4部が下方の下死点位置Ysに向うように排出位置Sへ回動して所定時間ts停止する。このとき、釜口4は直下位置Ysから適宜に傾斜した傾斜角度Qsの排出位置Sに向いているため、この釜口2の直下投影面積は狭くなると共に、この混合釜2内部を釜口4部へ向けて流下する食材は、この釜口4に対する排出圧力の集中をなくし、この釜口4の直下位置Ysの側へ寄せるようにして、捌き易く、均分状態にして連続して流下排出される。このとき釜口4がテーブル9上に置かれている取出容器7に対向しており混合釜2の食材の排出を受けることができる。これによっては混合食材の排出が完全に行われないことが多いが、続いて混合釜2を排出姿勢eに維持した状態で排出揺動角度Qe域の往復揺動する。このとき、この混合釜2の所定の揺動速度が維持されて、この揺動によって内部の残留食材が釜口4部から振り出されるようにして残留物のないように排出される。このような排出揺動時間が終了すると排出位置Sで所定時間tsにわたって停止する。この停止時間が終了すると、空の混合釜2は、排出位置Sから供給位置Kへ回動復帰して停止する。続く食材の供給を待機する。
【0038】
このような食材混合作業の完了によって、混合釜2の内部を乾燥する。このとき水洗浄等を行うこともできる。乾燥スイッチ37をONすると、混合釜2は直下位置Ysに回動して、10秒間停止すると共に、送風フアン11が駆動されて送風し、混合釜2内周面を乾燥する。この停止時間が経過すると、続いて混合釜を下向きにしたままの状態で、乾燥風を送風しながら、前記混合食材の排出工程と同様にして一定の揺動角Qe域を往復揺動させて揺動乾燥制御を行うことができ、水切り作用を十分に行う。このとき、混合釜2の上釜21を取外した状態で、洗浄乾燥するときは、この下釜20を下向きに反転させた状態にして、釜乾燥スイッチ37をONして同様にして往復揺動しながら送風乾燥することができる。又、この乾燥を終わると、釜乾燥スイッチ36をONして下釜20を上向きの供給位置Kに戻すことができる。
【0039】
次に、主として図9に基づいて、前記混合釜2の解し工程Aにおける揺動角Qaを、数段階に順次大きくするようにして、混合揺動角度Qbへ移行するもので、釜口4からの食材の飛び出しを防止し、塊食材の解し効果を高めるものである。供給位置Kから奥側のK1位置へ小角度θ1揺動し、このK1位置から手前側のK2位置へ角度θ2(θ2>θ1)揺動し、更に、このK2位置から奥側のK3位置へ角度θ3(θ3>θ2)揺動する。このK3位置から前記解し揺動角度Qaの手前位置F1へ揺動する形態に設定することも可能である。この場合、供給位置Kや、手前側位置F、奥側位置R、及び排出位置S等を検出する位置センサ50、51、52、53等を配置して、混合釜2の揺動回動位置を、これら各センサによって検出して往復回動の切替制御を行わせる。又、前記の各位置K1、K2、K3や、手前側位置F、奥側位置R等は、前記開始スイッチ26を押すことによって、電動回転のタイマー制御設定によって行うように構成している。
【0040】
次に、主として図10、図11に基づいて、前記排出工程Eにおける混合釜2の排出揺動の停止時間tと送風フアン(ブロワ)11の送風状態との関係の設定操作例を示す。このうち図10の形態は、排出位置Sの奥側位置Srで揺動停止tsすると共に、送風フアン11の電動スイッチをONして送風し、その後数回往復揺動してから直下位置Ysに至って揺動停止して、この送風フアン11の電動スイッチをOFFにして送風停止するものである。又、図11の形態は、排出位置Sの手前側位置Sfでは、揺動停止teと共に、送風フアン11の電動スイッチをOFFして送風を停止し、奥側位置Srでは、揺動停止ts、te共に、送風フアン11の電動スイッチをONして送風するように設定したものである。又、この場合の排出揺動の最終停止位置を、直下位置Ysとして所定時間(10〜20秒間)停止しすると共に、送風フアン11を停止して、この位置から供給位置Kへ復帰するように設定している。
【0041】
次に、主として図12に基づいて、前記混合釜2の軸筒13の先端部に着脱自在のノズル55を設けて、下側等へ曲げたノズル55によって混合釜2の下部に集中し易い混合食材を集中的に噴風冷却するものである。このノズル55は樹脂製として、軸筒13の外周部に形成のクリップ溝部56にノズル55内周面に形成のクリップリブ57を嵌合させて簡単に取付けて使用することができる。
【0042】
次に、主として図13に基づいて、前記送風フアン11から混合釜2へ送風案内する送風筒12に、ペルチェ素子使用のヒータ58を設け、前記釜乾燥スイッチ37を押すと、同時にヒータ58がONされる。その後に釜口4が下向きになり、送風フアン11をONすると熱風を送込むことができる。この熱風を送風することにより混合釜2の乾燥を早くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】食材混合釜の正面図。
【図2】その撹拌部の平面図と、斜視図。
【図3】その全体の正面図。
【図4】その右側面図。
【図5】その混合釜の揺動角を示す左側面図。
【図6】その操作板図。
【図7】混合釜の作用工程を示す工程図
【図8】混合釜の排出作動状態を示す側面図。
【図9】混合釜の解し揺動角を示す左側面図。
【図10】その混合釜の排出揺動例を示す側面図。
【図11】その混合釜の排出揺動例を示す側面図。
【図12】一部別例を示す送風軸筒部の正断面図。
【図13】一部別例を示す送風筒部の斜視図。
【符号の説明】
【0044】
1 釜支持軸
2 混合釜
3 撹拌棒
4 釜口
6 モータ
A 解し工程
B 混合工程
C 蒸し工程
D 間歇工程
E 排出工程
F 手前側位置
R 奥側位置
K 供給位置
Kf 手前揺動域
Kr 奥側揺動域
Qa 解し揺動角度
Qb 混合揺動角度
Qe 排出揺動角度
Qs 排出傾斜角度
Yh 頂上位置
Ys 直下位置
S 排出位置
Sf 手前位置
Sr 奥側位置
【技術分野】
【0001】
この発明は、混合釜に例えば米飯と酢といった複数の食材を収容して、撹拌混合する食材混合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動モータによって混合釜を回転させて食材を混合する技術が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002ー186561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
混合釜を回転する技術は、この混合釜内部に供給された食材が団子状の塊になり易いという欠点がある。本発明は複数の食材が解れて且つ良く混合されて品質の良い状態に仕上がる食材混合装置にすることを課題とする。また、混合作業及び排出作業を良好にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、釜支持軸(1)回りに往復揺動して収容する複数の食材を混合する混合釜(2)内に、食材撹拌用の撹拌棒(3)を設けたことを特徴とする食材混合装置の構成とする。
【0005】
混合釜2を釜支持軸1周りに所定角度域にわたって往復揺動して、この混合釜2に収容する複数の食材を撹拌混合する。混合釜2内部の複数の食材は、撹拌棒3の抵抗を受けて捌き作用を受ける。このため、食材は、塊りになり難く、良好な捌き状態を維持して、均等に混合される。
【0006】
請求項2に記載の発明は、混合釜(2)を設定した混合揺動角度(Qb)で揺動する混合工程(B)の前工程に、前記混合揺動角度(Qb)より小さい揺動角度(Qa)で揺動する解し工程(A)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の食材混合装置の構成とする。
【0007】
混合釜2に供給された食材はこの混合釜2の往復揺動によって撹拌混合されるが、この混合釜2に供給されたときの食材は、供給状態が不均一であり、既に大きい塊り形態になっていることや、供給位置の片寄り等がある場合がある。このとき、混合揺動角度(Qb)で揺動する混合工程(B)の前工程に、前記混合揺動角度(Qb)より小さい揺動角度(Qa)で揺動する解し工程(A)を設けることで、食材を供給の如何に拘らず混合釜2底部にこれら大きい塊を崩した状態にしてから、次工程の混合揺動角度Qbの大きい混合工程Bへ移行させる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、混合釜(2)の上部には釜口(4)を開口する形成とし、混合釜(2)内へ送風する送風ファン(11)を備え、該送風ファン(11)の送風力を、前記釜口(4)に対して食材を供給操作する供給位置(K)の手前の揺動位相域(Kf)より、反対側の奥側揺動域(Kr)を強くすることを特徴とする請求項1、又は2に記載の食材混合装置とする。
【0009】
混合釜2の往復揺動によって食材を撹拌混合するとき、この混合釜2内部に送風して食材を風冷するときは、送風が釜口4部から手前側の運転操作者の立つ手前である揺動位相域Kf側へ向けて吹き出される風圧が奥側揺動域(Kr)側より弱くする構成にする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、混合釜(2)を往復揺動しながら食材を混合する混合工程(B)の終了後、混合釜(2)内の食材を排出するために混合釜(2)を反転する排出工程(E)の際に、前記混合釜(2)の釜口(4)を直下位置(Ys)から適宜角度(Qs)手前乃至奥側へ偏位した傾斜下向きの排出位置(S)まで反転して一時停止した後に、真下位置(Ys)まで反転することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の食材混合装置とするものである。
【0011】
前記のように、混合工程Bにおける混合釜2の揺動によって混合した食材を、この混合釜2の釜口4から取出し排出するときは、この混合釜2の釜口4部を排出位置Sへ向けるように反転して、この排出位置Sにおいて一時停止して、釜2内部の混合済み食材をこの釜口4は落下排出させる。このとき、釜口4は直下位置Ysから適宜に傾斜した傾斜角度Qsの排出位置Sに向いているため、この釜口2の直下投影面積は狭くなると共に、この混合釜2内部を釜口4部へ向けて流下する食材は、この釜口4に対する排出圧力の集中、及び排出詰まりをなくし、この釜口4の直下位置Ysの釜口縁部側へ寄せるように落下させて、反射分散による捌きを良くして、均分状態にして連続して流下排出される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明は、混合釜2を往復揺動して内部の食材を撹拌棒3の抵抗によって撹拌混合するものであるから、食材の混合釜2内周面への着き周りを少なくして、食材が餅状、乃至団子状態になるのを防止して、食材の塊りを崩して、捌き作用を良くすることができる。又、食材の損傷がし難い良質な混合食材に維持すると共に、撹拌混合性を高めることが可能になる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、混合工程Bでの混合揺動角度Qbは大きくして食材の撹拌混合性を高く維持しながら、混合工程Bより前工程に混合工程Bでの混合揺動角度Qbより揺動角度Qaを小さい解し工程Aを備えることで、供給食材に塊があっても、この塊を崩して捌き作用を行い易くすることで、食材の撹拌混合性を高め、食材の仕上がりを良好にすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、混合釜2内側への食材の冷却送風において、この釜口4部が供給位置K側と反対側の奥側に向かった状態で揺動する奥側揺動位相域Krでは、強く送風して、風冷却を高く維持し、又、この釜口4がこの供給位置K側に向かう手前揺動位相域Kfでは弱く送風するものであるから、冷却効果を高く維持しながら、運転者への噴風を弱くして、作業環境、乃至操作性を良好に維持することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記混合釜2を往復回動揺動しながら食材を混合する混合工程Bから、この食材を排出する排出工程Eへの反転においては、釜口4は直下位置Ysから適宜に偏倚して傾斜した傾斜角度Qsの排出位置Sに向いているため、この釜口2の直下投影面積は狭くなると共に、この混合釜2内部を釜口4部へ向けて流下する食材は、この釜口4に対する排出圧力の集中をなくして、この釜口4の直下位置Ysの側へ寄せるようにして捌き効果を良くし、均分状態にして連続流下して排出される。このため、釜口部での食材排出圧力の集中、乃至ブリッジ現象をなくして、排出停滞や、排出詰まりをなくすることができる。しかも、取出容器への混合食材の取出を溢れ出すことなく、的確な収容を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明を実施するための最良の形態として食材として米飯と酢とを混合して寿司等に用いる酢飯を作る装置について説明する。
混合釜2は、機体5上部の釜支持軸1の回りに所定の角度Q域を往復回動して揺動させる形態としている。この混合釜2において、食材を混合するときは、この混合釜2の釜口4部を上側に向けた姿勢bにして、この揺動角度Qを混合揺動角度Qb(Qb=220度)として往復回動揺動し、混合釜2の内部に供給した食材を撹拌混合する。又、この食材混合作用の行われる混合工程Bの終了後は、混合釜2を反転して、釜口4を下方に向けた姿勢にして、この混合釜2を所定の排出揺動角度Qe(Qe=30度)を往復揺動して混合済み食材をこの釜口4から下方の取出容器7へ排出する排出工程Eに移行する形態である。
【0017】
このような混合釜2の往復揺動は、何れも機体5上に設ける電動モータ6回転によってチエン17伝動で駆動される。この電動モータ6は回転速度を制御可能な形態としており、インバータ電動のモータを用いることもできる。このモータ6の電動出力を調節することによって混合釜2の揺動速度を変更制御することができる。
【0018】
前記機体5は、横側のボックス8の上部に横方向の筒軸形態の釜支持軸1を横軸芯に回動自在に支持して、この釜支持軸1に混合釜2を取付ける。このボックス8の下方に上側の混合釜2から排出される混合仕上り食材の取出を受ける取出容器7を支持するテーブル9を有する。このボックス8の上部には各部操作の操作板10等を設け、内部には電動モータ16や、このモータ16によって駆動される送風フアン11、及び、この送風を案内する送風筒12等を配置する。この送風筒12は上端を前記釜支持軸1の中心部に形成の軸筒13内に連通して、この軸筒13を介して混合釜2内に送風案内するように構成している。このモータ16も前記モータ6と略同様に回転速度を制御可能で、この電動出力を調節することによって送風フアン11の送風力を強、弱に変更制御することができる。
【0019】
この混合釜2は、釜支持軸1に支持される下釜20と、釜口4を形成してこの下釜20に対して係止具14で着脱可能の上釜21とで構成する。この係止具14を外して、上釜21のハンドル15把持して下釜20から外して、この下釜20口部を開放し、この下釜20や、上釜21等を洗浄したり、又、この下釜20に混合する食材を所定量供給することができる。この下釜20に上釜21を嵌合するときは、内部に撹拌棒3を介入して、これら下釜20と上釜21との接合縁部間に撹拌棒3を挟持させて固定する。そして、混合釜2に食材を供給するときは、この上釜21を取外して下釜20口部を開放した状態、又は、この上釜21を取付けた状態のままの状態にして、この開放した下釜20口部、又はこの上釜21を取付けた状態の釜口4部から供給するが、混合処理するときや、この混合処理後の食材を排出するときは、この上釜21を取付けた状態で行い、このうち排出するときは、上釜21を有した状態のままで釜口4を直下位置Ys側に向けて排出する。前記下釜20内に嵌合する撹拌棒3は、円形状の取付リング40の内側に囲桁形態の取付桟41を形成し、この取付桟41に適宜長さの撹拌棒3を垂下して一体的に取付ける。各撹拌棒3の下端部は自由端として下釜20の内周面に接近させて、この混合釜2に供給する食材層の内部に介入するように設定する。また、本実施の形態の撹拌棒3は混合釜2の揺動方向と交差する方向に設定間隔で並列して取付桟41に取り付けて設け、取付桟41は混合釜2の揺動方向に複数並列して設け、隣接する取付桟41にそれぞれ取り付けている攪拌棒3は図2に示すとおり平面視で千鳥状に形成している。そのため、混合釜2を往復揺動すると、米飯の塊が千鳥状の撹拌棒3で切られて解され、酢が米飯全体に浸透する。
【0020】
前記混合釜2の揺動は、釜口4を真上位置Yhの正面側(前記操作板10面と対面する側で運転者が立つ位置側)部寄りの傾斜上方に向けた供給位置Kを原点基準位置にして、混合揺動や、排出揺動後の最終位置もこの供給位置Kに復帰する。混合釜2の混合揺動角度Qbは、この直上位置Yhを中心として、この位置から前後一定角度域にわたるもので、前記のように、例えば、Qb=220度に設定している。混合釜2の混合工程Bではこの混合揺動角度Qb域を複数回にわたり往復揺動するように設定するものである。この混合揺動角度Qbにおいては送風フアン11を駆動して混合釜2内へ送風し混合食材を冷却するが、このうち該直上位置Yhよりも供給位置K側寄りの手前揺動域Kfの揺動では、送風フアン11の駆動回転を低下して送風力を弱くする。これと反対の側における奥側揺動域Krにおいては、この送風フアン11の回転を高めて、送風力を強くするように制御構成している。あるいは奥側揺動域Krにおいては送風フアン11の回転を停止する構成としても良い。
【0021】
すなわち、混合釜2内側への食材の冷却送風において、この釜口4部が供給位置K側と反対側の奥側に向かった状態で揺動する奥側揺動位相域Krでは、強く送風して、風冷却を高く維持し、又、この釜口4がこの供給位置K側に向かう手前揺動位相域Kfでは弱く送風する又は停止するものであるから、冷却効果を高く維持しながら、正面側の運転者への釜口4部からの噴風を弱くして、混合工程B中における作業環境、乃至操作性を良好に維持することができる。
【0022】
又、この混合釜2の排出姿勢eの排出揺動角度Qeは、釜口4部を真下位置Ysに向けた状態にして、この直下位置Ysを中心として、この位置から前後一定の揺動角度Qe域にわたるもので、例えば、排出揺動角度Qe=30度に設定している。排出姿勢eでの排出工程Eでは、この揺動角度Qe域を数回往復揺動を繰り返して混合済食材の残留物を釜口4から振り出すようにして排出させる。
【0023】
又、これら排出工程Eの各往復揺動の終端折返位置では所定秒間にわたって揺動を停止する揺動停止時間teを設定して、この停止時間te中に前記送風フアン11を駆動して、排出姿勢eの混合釜2内へ送風して、食材の排出を促進するものである。
【0024】
このような混合釜2の揺動の各停止時tは、この混合釜2の停止と共に、送風フアン11を駆動している。前記混合姿勢bにおける送風停止域Lの送風フアン11の停止や、電動送風域Mを決めてフアン11を駆動制御することができ、又、この混合釜2の排出姿勢eにおける間歇揺動停止時間teを決めると共に、この各停止時間teにおける送風フアン11の駆動回転の変速や、回転停止等を設定するように構成している。
【0025】
前記操作板10には、この混合釜2を運転するための操作スイッチや、モニター等を配置している。電源スイッチ25や、運転開始スイッチ26、各混合工程B等を予め設定のプログラムに沿って自動的に連続して行わせる自動スイッチ27、混合釜2内の食材を排出する排出スイッチ28、運転作用工程の各モード時間を手動で設定して行う手動設定スイッチ29、同じ工程を繰返し行わせる繰返しスイッチ30、及び、運転進行時間や、設定時間、電源周波数等を7セグ、乃至デジタル表示する表示器(モニター)31等を設ける。又、食材混合条件を設定して登録しておくための設定スイッチ32や、混合釜2内に供給する食材量を設定して、揺動混合制御コースを設定するためのコース設定スイッチ33、作業者が特別に設定した運転モードで運転させるユーザスイッチ34、タイマーや各種量目、大きさ、速さ、或いは強さ等の調節設定のための増減スイッチ35、混合釜2の姿勢を基準の供給位置に復帰するための復帰スイッチ36、混合釜2を乾燥する乾燥位置に回動するための乾燥スイッチ37、及び、前記手動設定スイッチ29や、設定スイッチ32により混合条件を設定するために各「運転」、「解し(ほぐし)」、「混合(まぜ)」、「蒸し(むらし)」、「間歇(間欠)」、「送風」等の各作用モード毎の時間を設定するモード選択スイッチ38を設ける。39は風量調節レバーで、送風フアン11による風量を調節できる。
【0026】
コース設定スイッチ33で予め初期設定されているコース1、〜3を選択する。この初期設定のデータを変更するときは、選択スイッチ38で各コースや、工程、及び設定変更事項等を選択して、増減スイッチ35でこれらの作動時間や、停止時間、又は送風量等を増減して、このデータを7セグ形態の表示器31にモニター表示しながら、設定スイッチ32で設定して初期設定値を更新させる。このとき初期設定されている基本データは、変更設定されたデータの上書きによって更新登録される。又、この更新データを初期設定データに戻すには、設定スイッチ32と選択スイッチ38を同時に押すことによって行われる。このような設定操作は、各工程における作用事項、例えば、混合工程Bの混合揺動角度Qaや、この揺動速度、排出工程Eの排出工程時間Teや、混合釜2の排出揺動角度Qe、排出停止時間te等について、手動設定スイッチ29や、設定スイッチ32、モード選択スイッチ38、増減スイッチ35等の操作によって、前記同様にして変更設定することができる。
【0027】
前記混合釜2の回動揺動等の作用工程は、解し工程A、混合工程B、蒸し工程C、間歇工程D、及び排出工程E等を、これらの順序に設定している。このうち解し工程Aは、所定の解し工程時間Ta(Ta=20秒間)に設定して、直上位置Yhを中心にして手前側位置F1と奥側位置R1との間の揺動角度Qa(Qa=180度)域を略一往複揺動するように設定している。この解し工程時間Taにおいて、混合釜2は供給位置Kから奥側位置R1へ揺動(4〜6秒)し、この後に一旦解し停止時間ta(ta=5秒間)停止し、更に折返して手前側位置F1へ揺動(4〜6秒)し、この後ちに所定の解し停止時間ta停止する。このような往復揺動による途中で解し工程時間Taがオーバタイムになるときは供給位置Kに復帰する。
【0028】
又、混合工程Bは、この混合工程時間Tb(Tb=2分間)を設定して、前記解し揺動角度Qaよりも大きい混合揺動角度Qb(Qb=220度)域を往復揺動するように設定して、奥側位置R、及び手前側位置Fでの所定の混合停止時間tb(tb=2秒間)を設定している。この混合工程Bにおける途中でタイムオーバしても奥側位置Rまで揺動して、続く蒸し工程Cへの移行のために奥側位置Rにおいて停止するように設定している。又、送風フアン11の駆動においては、この混合工程Bに入ってから1分間を経過してから送風開始するように設定している。又、この送風フアン11の駆動は、この混合工程Bから後記間歇工程Dの終了まで行わせるが、供給位置Kの位置する手前揺動位相域Kfにおいては、回転を低くして送風力を弱くし、奥側揺動位相域Krにおいては、回転を高くして送風力を強くしている。このような送風力の強、弱の切替を、直上位置Yhを境界として行うようにしたが、供給位置Kを境界として行うことも可能で同様の効果を得る。
【0029】
又、蒸し工程Cは、前記混合工程Bの奥側位置Rで所定の蒸し工程時間Tc=tc(tc=30秒間)にわたって揺動停止して、送風フアン11を高速回転させて送風力を強くするものである。混合揺動角度Qbと同じ角度のもとに往復揺動するように設定することも可能である。
【0030】
又、間歇工程Dは、所定の間歇工程時間Td(Td=30秒間)に設定して、前記混合工程Bと同じ混合揺動角度Qb域を揺動し、この揺動の奥側位置Rと、手前側位置Fで、各々所定の間歇停止時間td(td=7秒間)毎停止するように設定している。この工程での送風力を、前記同様に手前揺動域Kfでは弱くし、奥側揺動域Krで強くしている。又、揺動途中出タイムアップしたときは供給位置Kまで復帰するように設定している。又、このとき、テーブル9上の容器センサー18が、このテーブル9上に取出容器9置かれていることを検出したときは、続く排出工程Eへ移行し、取出容器9を検出しないときはブザーを略8秒間発信して自動運転を終了して、待機モードに移行するように設定している。
【0031】
このようにして混合工程Bから間歇工程Dの運転時間T(コース1では、T1=3分間とし、コース2では、T2=4分間とし、コース3では、T3=5分間としている。)を経過すると、排出工程Eに入る。前記供給位置Kで停止した混合釜2は、図8のように直下位置Ys側へ回動して反転する。前記混合釜2を間歇工程Dから排出工程Eの排出位置Sへ回動揺動するときに、この混合釜2の回動方向を供給位置Kから手前側回りG、又は反対の奥側回りに回動して、直下位置Ysを過ぎて排出傾斜角度Qs位置の排出位置Sに至って停止するように設定している。この排出位置Sに所定排出位置停止時間ts(ts=10秒間)停止すると共に、前記送風フアン11による強い送風を行わせる。そして、この排出位置Sから奥側位置Srへ揺動して所定排出停止時間te(te=5秒間)停止し、続いて手前位置Sfへ揺動して排出停止時間te停止する。これら各停止時は強い送風を行う。これら排出揺動角度Qe(Qe=30度)域の往復揺動を数回繰り返した後ちに排出位置Sに戻って排出位置停止時間ts停止して強い送風を行う。これが終わると混合釜2は食材の排出を終わって供給位置Kに復帰して停止し、後続の食材供給を待機する。
【0032】
このような混合工程Bから間歇工程Dに至る運転時間T(T1=3分間)は、供給食材量の最も少ないコースとして説明したものであるが、供給量の多いコースでは運転時間を、コース2ではT2=4分間、コース3ではT3=5分間等として初期設定している。又、これら初期設定の運転時間や、各コース毎の揺動停止時間、送風パターン等を適宜に変更したり、設定することができる。
【0033】
電源スイッチ25をONすると、操作板10の各スイッチや、表示器31等は点灯し、乃至点灯表示することができる状態となる。そして、この電源スイッチ25により電源周波数(50Hz、60Hz、又は、その他の周波数)の電流が流れることによって、このときの電源周波数を表示器31にデジタル表示すると共に、この周波数によってコントローラにおけるパラメータ制御によって、混合釜2の揺動角度Qを維持するためのモータ6の電動揺動時間を算出設定(タイマー補正)する構成としている。この周波数、及び電動揺動時間に基づいてモータ6を電動して往復揺動駆動することになる。従って、本機のモータ6に設定されている電源周波数と異なる周波数の電源電流が流れるときは、このモータ6の電動にタイマー補正が行われる。電源周波数が少ないときは電動揺動時間を長くし、電源周波数が多いときは電動揺動時間を短くするようにタイマー補正する。このため、混合釜2の揺動角度Qは電源周波数の如何に拘らず設定目標基準の角度Qに維持される。このような混合釜2の揺動角Qの補正制御は、食材混合時の混合揺動角度Qbや、排出揺動角Qe、その他の解し揺動角度Qa、間歇揺動角度Qd等の揺動制御において、混合揺動時間や、又は排出揺動時間等を変更して同様にして揺動角度を維持することができる。又、混合釜2の解し揺動角度Qaや、混合揺動角度Qb、又は排出揺動角度Qe等を変更調節する場合は、前記電動揺動時間をタイマー制御調節することによっても簡単に行うことができる。
【0034】
この電源スイッチ25をONして、食材の混合作用を行わせる場合、混合釜2は既に供給位置Kに位置されているが、もし、この混合釜2が供給位置K以外の位置にある時は、釜復帰スイッチ36等を操作して供給位置Kに位置させて、この位置で作業者が所定量の食材を釜口4から供給する。例えば、寿司飯の酢合せの場合は、予め計量して用意した米飯と寿司酢とを供給すると共に、この場合、上釜21や、撹拌棒3が下釜20から取外されているときは、この下釜20に供給してから、これら撹拌棒3を装着すると共に、上釜21を取付けて混合姿勢bとする。又、各モードを指定するときはモード選択スイッチ38や、上下スイッチ35等を操作して各モード毎の時間を指定設定し、又、設定スイッチ32、及びコース設定スイッチ33をON操作する。このようにして混合条件を決めると、自動制御では自動スイッチ27と開始スイッチ26とをONすることにより混合作用を開始する。
【0035】
開始スイッチ26のONによって、モータ1を電動して、供給位置Kに位置する混合釜2が所定の回動位相位置における解し揺動角度Qa、混合揺動角度Qb、及び排出揺動角度Qe等域を往復回動揺動する。これらの揺動回数は、前記のようにして、手動設定スイッチ29や、設定スイッチ32、モード選択スイッチ38等により設定された各コース毎の運転時間T1、T2、T3や、揺動停止時間t(ta、〜te)等によって決められる。この各揺動角度Qa、Qb、Qd、Qe域の揺動時間は、電動モータ6の回転速度や、伝動比等によって決められるもので、例えば、4秒、〜6秒の範囲で設定されてる。そして、これら混合作業の1サイクルに要する作業工程時間Tが、解し工程時間Taと、コース毎の運転時間T1、T2、又はT3と、排出工程時間Teとによって決まるため、これらの作業工程時間Tや、各部工程の工程時間Ta、〜Teを長、短に変更したり、これらの揺動角度Q(Qa、Qb、Qd、Qe)、更には揺動速度等を変更することによって、各工程A、B、D、Eの揺動回数を変更することができる。そして、少なくとも前記混合工程Bと、排出工程Eの往復揺動は複数回にわたるように設定している。この混合時間等は、ユーザスイッチ34によって使用者の好みに応じた状態に設定して、登録しておくことができる。又、この混合揺動角度Qbについて、米飯供給量が多いときに混合揺動角度Qbが大き過ぎると、特に混合釜2内に米飯が塊状で供給されているとこの混合釜2の揺動によって釜口4部から米飯塊が飛び出し易くなる。そのため、この混合工程Bの前に解し工程Aを設けて、解し揺動角度Qaを小さく(Qa<Qb、Qa=180度、Qb=220度)して米飯塊を解すことにより、米飯が釜口4から飛び出し難くするように設定している。
【0036】
混合釜2を混合揺動角度Qbを往復揺動することによって、この混合釜2内での食材が、撹拌棒3の抵抗を受けて撹拌混合される。この混合揺動作用中は、送風フアン11の回転による送風が送風筒12や軸筒13部等を経て混合釜2内に吹き込まれて、食材の冷却作用を行う。又、この送風フアン11は混合釜2の運転時間の各混合工程Bや、蒸し工程C、及び間歇工程Dにおいて行われるが、前記のように直上位置Yh(乃至供給位置K)を基準にして手前側揺動位相域Kfを回動揺動、又は停止するときは送風圧を低くし、運転者側への吹付け少なくし、奥側揺動位相域Krを回動揺動、又は停止するときは送風圧を高くして風冷効果を高める。
【0037】
このようにして混合工程Bや、間歇工程D等の混合作用が終わると、混合運転時間の終了によって、混合姿勢bの混合釜2を、釜口4部が下方の下死点位置Ysに向うように排出位置Sへ回動して所定時間ts停止する。このとき、釜口4は直下位置Ysから適宜に傾斜した傾斜角度Qsの排出位置Sに向いているため、この釜口2の直下投影面積は狭くなると共に、この混合釜2内部を釜口4部へ向けて流下する食材は、この釜口4に対する排出圧力の集中をなくし、この釜口4の直下位置Ysの側へ寄せるようにして、捌き易く、均分状態にして連続して流下排出される。このとき釜口4がテーブル9上に置かれている取出容器7に対向しており混合釜2の食材の排出を受けることができる。これによっては混合食材の排出が完全に行われないことが多いが、続いて混合釜2を排出姿勢eに維持した状態で排出揺動角度Qe域の往復揺動する。このとき、この混合釜2の所定の揺動速度が維持されて、この揺動によって内部の残留食材が釜口4部から振り出されるようにして残留物のないように排出される。このような排出揺動時間が終了すると排出位置Sで所定時間tsにわたって停止する。この停止時間が終了すると、空の混合釜2は、排出位置Sから供給位置Kへ回動復帰して停止する。続く食材の供給を待機する。
【0038】
このような食材混合作業の完了によって、混合釜2の内部を乾燥する。このとき水洗浄等を行うこともできる。乾燥スイッチ37をONすると、混合釜2は直下位置Ysに回動して、10秒間停止すると共に、送風フアン11が駆動されて送風し、混合釜2内周面を乾燥する。この停止時間が経過すると、続いて混合釜を下向きにしたままの状態で、乾燥風を送風しながら、前記混合食材の排出工程と同様にして一定の揺動角Qe域を往復揺動させて揺動乾燥制御を行うことができ、水切り作用を十分に行う。このとき、混合釜2の上釜21を取外した状態で、洗浄乾燥するときは、この下釜20を下向きに反転させた状態にして、釜乾燥スイッチ37をONして同様にして往復揺動しながら送風乾燥することができる。又、この乾燥を終わると、釜乾燥スイッチ36をONして下釜20を上向きの供給位置Kに戻すことができる。
【0039】
次に、主として図9に基づいて、前記混合釜2の解し工程Aにおける揺動角Qaを、数段階に順次大きくするようにして、混合揺動角度Qbへ移行するもので、釜口4からの食材の飛び出しを防止し、塊食材の解し効果を高めるものである。供給位置Kから奥側のK1位置へ小角度θ1揺動し、このK1位置から手前側のK2位置へ角度θ2(θ2>θ1)揺動し、更に、このK2位置から奥側のK3位置へ角度θ3(θ3>θ2)揺動する。このK3位置から前記解し揺動角度Qaの手前位置F1へ揺動する形態に設定することも可能である。この場合、供給位置Kや、手前側位置F、奥側位置R、及び排出位置S等を検出する位置センサ50、51、52、53等を配置して、混合釜2の揺動回動位置を、これら各センサによって検出して往復回動の切替制御を行わせる。又、前記の各位置K1、K2、K3や、手前側位置F、奥側位置R等は、前記開始スイッチ26を押すことによって、電動回転のタイマー制御設定によって行うように構成している。
【0040】
次に、主として図10、図11に基づいて、前記排出工程Eにおける混合釜2の排出揺動の停止時間tと送風フアン(ブロワ)11の送風状態との関係の設定操作例を示す。このうち図10の形態は、排出位置Sの奥側位置Srで揺動停止tsすると共に、送風フアン11の電動スイッチをONして送風し、その後数回往復揺動してから直下位置Ysに至って揺動停止して、この送風フアン11の電動スイッチをOFFにして送風停止するものである。又、図11の形態は、排出位置Sの手前側位置Sfでは、揺動停止teと共に、送風フアン11の電動スイッチをOFFして送風を停止し、奥側位置Srでは、揺動停止ts、te共に、送風フアン11の電動スイッチをONして送風するように設定したものである。又、この場合の排出揺動の最終停止位置を、直下位置Ysとして所定時間(10〜20秒間)停止しすると共に、送風フアン11を停止して、この位置から供給位置Kへ復帰するように設定している。
【0041】
次に、主として図12に基づいて、前記混合釜2の軸筒13の先端部に着脱自在のノズル55を設けて、下側等へ曲げたノズル55によって混合釜2の下部に集中し易い混合食材を集中的に噴風冷却するものである。このノズル55は樹脂製として、軸筒13の外周部に形成のクリップ溝部56にノズル55内周面に形成のクリップリブ57を嵌合させて簡単に取付けて使用することができる。
【0042】
次に、主として図13に基づいて、前記送風フアン11から混合釜2へ送風案内する送風筒12に、ペルチェ素子使用のヒータ58を設け、前記釜乾燥スイッチ37を押すと、同時にヒータ58がONされる。その後に釜口4が下向きになり、送風フアン11をONすると熱風を送込むことができる。この熱風を送風することにより混合釜2の乾燥を早くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】食材混合釜の正面図。
【図2】その撹拌部の平面図と、斜視図。
【図3】その全体の正面図。
【図4】その右側面図。
【図5】その混合釜の揺動角を示す左側面図。
【図6】その操作板図。
【図7】混合釜の作用工程を示す工程図
【図8】混合釜の排出作動状態を示す側面図。
【図9】混合釜の解し揺動角を示す左側面図。
【図10】その混合釜の排出揺動例を示す側面図。
【図11】その混合釜の排出揺動例を示す側面図。
【図12】一部別例を示す送風軸筒部の正断面図。
【図13】一部別例を示す送風筒部の斜視図。
【符号の説明】
【0044】
1 釜支持軸
2 混合釜
3 撹拌棒
4 釜口
6 モータ
A 解し工程
B 混合工程
C 蒸し工程
D 間歇工程
E 排出工程
F 手前側位置
R 奥側位置
K 供給位置
Kf 手前揺動域
Kr 奥側揺動域
Qa 解し揺動角度
Qb 混合揺動角度
Qe 排出揺動角度
Qs 排出傾斜角度
Yh 頂上位置
Ys 直下位置
S 排出位置
Sf 手前位置
Sr 奥側位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釜支持軸(1)回りに往復揺動して収容する複数の食材を混合する混合釜(2)内に、食材撹拌用の撹拌棒(3)を設けたことを特徴とする食材混合装置。
【請求項2】
混合釜(2)を設定した混合揺動角度(Qb)で揺動する混合工程(B)の前工程に、前記混合揺動角度(Qb)より小さい揺動角度(Qa)で揺動する解し工程(A)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の食材混合装置。
【請求項3】
混合釜(2)の上部には釜口(4)を開口する形成とし、混合釜(2)内へ送風する送風ファン(11)を備え、該送風ファン(11)の送風力を、前記釜口(4)に対して食材を供給操作する供給位置(K)の手前の揺動位相域(Kf)より、反対側の奥側揺動域(Kr)を強くすることを特徴とする請求項1、又は2に記載の食材混合装置。
【請求項4】
混合釜(2)を往復揺動しながら食材を混合する混合工程(B)の終了後、混合釜(2)内の食材を排出するために混合釜(2)を反転する排出工程(E)の際に、前記混合釜(2)の釜口(4)を直下位置(Ys)から適宜角度(Qs)手前乃至奥側へ偏位した傾斜下向きの排出位置(S)まで反転して一時停止した後に、真下位置(Ys)まで反転することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の食材混合装置。
【請求項1】
釜支持軸(1)回りに往復揺動して収容する複数の食材を混合する混合釜(2)内に、食材撹拌用の撹拌棒(3)を設けたことを特徴とする食材混合装置。
【請求項2】
混合釜(2)を設定した混合揺動角度(Qb)で揺動する混合工程(B)の前工程に、前記混合揺動角度(Qb)より小さい揺動角度(Qa)で揺動する解し工程(A)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の食材混合装置。
【請求項3】
混合釜(2)の上部には釜口(4)を開口する形成とし、混合釜(2)内へ送風する送風ファン(11)を備え、該送風ファン(11)の送風力を、前記釜口(4)に対して食材を供給操作する供給位置(K)の手前の揺動位相域(Kf)より、反対側の奥側揺動域(Kr)を強くすることを特徴とする請求項1、又は2に記載の食材混合装置。
【請求項4】
混合釜(2)を往復揺動しながら食材を混合する混合工程(B)の終了後、混合釜(2)内の食材を排出するために混合釜(2)を反転する排出工程(E)の際に、前記混合釜(2)の釜口(4)を直下位置(Ys)から適宜角度(Qs)手前乃至奥側へ偏位した傾斜下向きの排出位置(S)まで反転して一時停止した後に、真下位置(Ys)まで反転することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の食材混合装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−61823(P2008−61823A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242995(P2006−242995)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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