説明

飲料供給装置

【課題】仕様の異なる飲料供給装置との間で水供給経路の部品をできる限り共通化し、製造コストを低減すること。
【解決手段】水供給源40から貯水部21へ水を移送する水供給経路4を備えた飲料供給装置において、水供給経路4は、上流端41bが水供給源40と連結され、下流端41aが開口した第一配管41と、下流端42bが貯水部21と連結され、上流端42aが開口した第二配管42と、第一配管41の下流端41aおよび第二配管42の上流端42aを連結する配管部材50と、を備え、第一配管41の下流端41aおよび第二配管42の上流端42aは、互いに同一方向に向けて配設し、配管部材50は、互いに同一方向を向く二つの開口端521a,521bを有し、それぞれの開口端521a,521bを介して第一配管41の下流端41aおよび第二配管42の上流端42aに着脱可能に連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料等をカップに投入された状態で提供する飲料供給装置として、様々な仕様の飲料供給装置が製造されており、例えば、カセットタンク内の飲料水供給源から貯水部である水リザーバに至るまでの水供給経路の間に飲料水をろ過する水フィルタ装置を設置した飲料供給装置が製造されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−228085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような水フィルタ装置を設置した飲料供給装置と、水フィルタ装置を設置しない飲料供給装置とでは、水供給経路の配管構造が異なっている。そのため、各仕様に合わせて異なる二種類の配管部品を用意し、別個に飲料供給装置の製造を行っている。
【0005】
しかしながら、水供給経路の配管部品が異なると、取り扱う部品が増加し、製造コストが上がるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、仕様の異なる飲料供給装置との間で水供給経路の部品をできる限り共通化し、製造コストを低減することができる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料供給装置は、水供給源から貯水部へ水を移送する水供給経路を備えた飲料供給装置において、前記水供給経路は、上流端が前記水供給源と連結され、下流端が開口した第一配管と、下流端が前記貯水部と連結され、上流端が開口した第二配管と、前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端を連結する配管部材と、を備え、前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端は、互いに同一方向に向けて配設し、前記配管部材は、互いに同一方向を向く二つの開口端を有し、それぞれの開口端を介して前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端の間に着脱可能に連結したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述の飲料供給装置において、前記配管部材を合成樹脂材によって成形したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の飲料供給装置において、前記配管部材は、前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端に接続する開口端を形成した筒状を成す一対のジョイント部と、前記一対のジョイント部の基端部を互いに連結する連結部と、を有し、一方のジョイント部から前記連結部を介して他方のジョイント部に至る流路を構成するものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述の飲料供給装置において、前記連結部は、前記一対のジョイント部の間を湾曲した形態で連結するものであり、前記一対のジョイント部と一体に成形したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述の飲料供給装置において、前記連結部は、両端が開口した並行する二つの直線状管と、開口した端部と閉塞した端部とを有し、かつそれぞれの直線状管の一方の端部を接続する直線状の連結管と、を有し、前記連結管の開口した端部に蓋部を接着して閉塞することで一方の直線状管から前記連結管を介して他方の直線状管に至る流路を形成したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述の飲料供給装置において、前記連結部は、両端が開口した並行する二つの直線状管と、開口した端部と閉塞した端部とを有し、かつそれぞれの直線状管の一方の端部を接続する直線状の連結管と、を有し、前記連結管の開口した端部に袋ナットを締結して閉塞することで一方の直線状管から前記連結管を介して他方の直線状管に至る流路を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の飲料供給装置によれば、水供給経路が第一配管、配管部材および第二配管からなる構成であるため、配管部材の配設位置に他の部品を配設することにより、第一配管および第二配管を共通化した状態で仕様の異なる飲料供給装置を製造することができる。従って、仕様の異なる飲料供給装置との間で部品の共通化を図り、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の回路構成を示す概念図である。
【図2】図2は、図1に示した飲料供給装置における配管構造を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1における配管部材の正面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1における配管部材の断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2における配管部材の正面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2における配管部材の製造工程を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態3における配管部材の正面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3における配管部材の製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
まず、本発明の飲料供給装置の一例であるカップ式飲料自動販売機1について説明する。図1に示すように、カップ式飲料自動販売機1は、所定の搬送機構(図示せず)によって搬送されてベンドステージSに載置した飲料容器であるカップCに対して、コールド飲料を投入するためのコールド飲料供給部2と、ホット飲料を投入するホット飲料供給部3とを備えている。
【0017】
コールド飲料供給部2は、水リザーバ(貯水部)21、製氷機22および冷却水槽23を備えて構成してある。
【0018】
水リザーバ21は、水供給経路4を構成する第一水供給配管(第一配管)41、配管部材50および第二水供給配管(第二配管)42を介してカセットタンク等の水供給源40から供給された水を貯留するものである。
【0019】
製氷機22は、水リザーバ21に製氷用水導入配管21aを介して接続してある。製氷機22は、製氷用水導入配管21aを通じて水リザーバ21から移送された水を用いて氷を製造し、当該氷を貯留する。図には明示していないが製氷機22は、製氷部としての円筒状のパイプの内部にスクリュ形状のオーガが配設してあり、モータによって回転駆動したオーガでパイプの筒内に生じた氷を切削しつつ上方に押し上げる。パイプの上部には、固定刃が設けてあり、この固定刃によってオーガで押し上げられた氷を圧縮してチップ状の氷にする。また、パイプの上方には、製造したチップ状の氷を貯留するストッカが設けてある。そして、製氷機22によって製造された氷は、ストッカから排出されて氷供給配管22aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
【0020】
冷却水槽23は、主に冷却水を生成するためのものであって、冷却用水23aを貯留した水槽である。冷却水槽23には、水冷却コイル24と、カーボネータ25と、シロップコンテナ26に接続されたシロップ供給配管26aの一部とがそれぞれ冷却用水23aに浸漬させた形態で配設してある。
【0021】
水冷却コイル24は、水ポンプ21bを有した飲料用水供給配管21cを介して水リザーバ21に接続してある。水冷却コイル24は、飲料用水供給配管21cを通じて水リザーバ21から移送された水を冷却して冷却水を生成するものである。水冷却コイル24で生成された冷却水は、冷却水バルブ24aを有した冷却水供給配管24bを通じてカップCの内部に必要量が投入される。
【0022】
カーボネータ25は、炭酸ガスボンベ27に炭酸ガス導入配管27aを介して接続してあり、かつ、冷却水供給配管24bの途中に電磁弁25aを介して接続してある。カーボネータ25は、炭酸ガスボンベ27から移送された炭酸ガスと、冷却水供給配管24bを介して水冷却コイル24から移送された冷却水とを混合して炭酸水を生成するものである。カーボネータ25で生成された炭酸水は、炭酸水バルブ25bを有した炭酸水供給配管25cを通じてカップCの内部に必要量が投入される。
【0023】
シロップコンテナ26は、各種のシロップ原料を貯留するものである。シロップコンテナ26は、炭酸ガスボンベ27に炭酸ガス導入配管27aを介して接続してある。そして、シロップコンテナ26に貯留されたシロップ原料は、炭酸ガスの圧力によってシロップバルブ26bを有したシロップ供給配管26aを通じてカップCの内部に必要量が投入される。また、シロップ供給配管26aの途中には、シロップ売切検出器26cが設けてある。なお、本実施の形態では、炭酸ガスの圧力によってシロップコンテナ26に貯留されたシロップ原料をカップCに投入するプレッシャ式を説明したが、プレッシャ式以外に、炭酸ガスボンベ27をシロップコンテナ26に接続せず、シロップ供給配管26aに設けたポンプ(図示せず)によってシロップコンテナ26に貯留されたシロップ原料をカップCに投入するポンプ式もある。図には明示しないがポンプ式の場合には、シロップコンテナ26およびシロップ供給配管26aの一部が冷却水槽23に貯留した冷却用水23aに浸漬される。
【0024】
ホット飲料供給部3は、貯湯タンク31、インスタント飲料調理部32およびレギュラーコーヒー飲料調理部33を備えて構成してある。
【0025】
貯湯タンク31は、飲料用水供給配管21cの途中から分岐して電磁弁31aを有した添加湯用水導入配管31bを介して水リザーバ21に接続してある。貯湯タンク31は、加熱源としてのヒータ(図示せず)を有しており、水リザーバ21から移送された水を加熱して貯留するものである。
【0026】
インスタント飲料調理部32は、原料キャニスタ321と、ミキシングボール322とを備えて構成してある。原料キャニスタ321は、例えばインスタントコーヒー、ココア、紅茶、砂糖、ミルクなどの各種粉末原料を収容したものである。ミキシングボール322は、シュータ321aを介して原料キャニスタ321に連設してあり、かつ、添加湯バルブ31cを有した添加湯供給配管31dを介して貯湯タンク31に接続してある。ミキシングボール322は、シュータ321aを通じて原料キャニスタ321から投入された各種粉末原料と、添加湯供給配管31dを通じて貯湯タンク31から移送された添加湯とを混合攪拌するものである。ミキシングボール322で攪拌混合されたインスタント飲料は、ミキシングボール322に接続されたホット飲料供給配管322aを通じてカップCの内部に必要量が投入される。
【0027】
レギュラーコーヒー飲料調理部33は、レギュラーコーヒー抽出部331と、原料キャニスタ332と、ミキシングボール333とを備えて構成してある。
【0028】
レギュラーコーヒー抽出部331は、コーヒー豆キャニスタ331a、ミル331bおよびコーヒー飲料抽出器331cを有してなる。コーヒー豆キャニスタ331aは、コーヒー豆を収容したものである。ミル331bは、コーヒー豆キャニスタ331aの下方に配設してあり、コーヒー豆キャニスタ331aから投入されたコーヒー豆を挽くものである。コーヒー飲料抽出器331cは、ミル331bの下方に配設してあり、かつ、添加湯供給配管31dを介して貯湯タンク31に接続してある。コーヒー飲料抽出器331cは、ミル331bから投入された挽き豆と、添加湯供給配管31dを通じて貯湯タンク31から移送された添加湯とからレギュラーコーヒー飲料を抽出するものである。
【0029】
原料キャニスタ332は、例えば砂糖、ミルクなどの各種粉末原料を収容したものである。ミキシングボール333は、シュータ332aを介して原料キャニスタ332に連設してあり、かつ、コーヒー飲料供給配管331dを介してコーヒー飲料抽出器331cに接続してあり、さらに、添加湯供給配管31dを介して貯湯タンク31に接続してある。ミキシングボール333は、シュータ332aを通じて原料キャニスタ332から投入された各種粉末原料と、コーヒー飲料供給配管331dを通じてコーヒー飲料抽出器331cから移送されたレギュラーコーヒー飲料とを混合攪拌するものである。ミキシングボール333で攪拌混合されたレギュラーコーヒー飲料は、ミキシングボール333に接続されたホット飲料供給配管333aを通じてカップCの内部に必要量が投入される。
【0030】
なお、コーヒー飲料抽出器331cにおいてレギュラーコーヒー飲料を抽出した後の挽き豆の滓は、滓バケツBに投入される。
【0031】
上述したカップ式飲料自動販売機1において、水供給源40から水リザーバ21へ水を移送する水供給経路4は、第一水供給配管41、配管部材50および第二水供給配管42を備えている。
【0032】
図1に示すように、第一水供給配管41は、水ポンプ40aを介して上流端41bが水供給源40に接続してあり、下流端41aが開口している。第二水供給配管42は、上流端42aが開口しており、給水バルブ40bを介して下流端42bが水リザーバ21に接続してある。図2に示すように、第一水供給配管41の下流端41aと第二水供給配管42の上流端42aとは、互いに同一面上で同一方向下向きに配設してあり、かつ互いに近接して設けてある。第一水供給配管41の下流端41aおよび第二水供給配管42の上流端42aには、それぞれ雌螺子を形成する接続ナット43,44が回転可能に保持してある。第一水供給配管41および第二水供給配管42の延長上には取付台60の突出板62が配設してある。
【0033】
取付台60は、図2に示すように、突出板62と、突出板62から90度屈曲した取付部61とを有する板材である。突出板62には2つの挿通孔64,65が形成してある。取付部61には螺子挿通孔63が設けてあり、図には明示していないが、カップ式飲料自動販売機1内の所定の位置に螺子で固定してある。
【0034】
配管部材50は、図3および図4に示すように、連結部51を有している。連結部51は、U字型に湾曲して形成された中空管であり、外径および内径が一様の寸法に形成されている。連結部51の両端にはジョイント部52a,52bが一体に形成してある。
【0035】
ジョイント部52a,52bは、太径に形成した外周に螺子溝が形成された雄螺子を構成する部分であり、取付台60の挿通孔64,65より細い筒状に形成してある。ジョイント部52a,52bの基端部522a,522bにはフランジ部53a,53bが一体に形成してある。フランジ部53a,53bは取付台60の挿通孔64,65より太く形成してある。ジョイント部52a,52bの開口端521a,521bは、互いに同一面上で同一方向を向いている。開口端521a,521bの軸心間の距離は、第一水供給配管41の下流端41aおよび第二水供給配管42の上流端42aの軸心間の距離と同じく形成してある。
【0036】
この配管部材50は、ジョイント部52a,52bを取付台60の挿通孔64,65に挿通し、ジョイント部52a,52bの雄螺子に通した固定ナット66,67で締結する。フランジ部53a,53bおよび固定ナット66,67で突出板62を挟持することで配管部材50を取付台60に固定してある。ジョイント部52aには接続ナット43が締結されており、配管部材50の開口端521aと第一水供給配管41の下流端41aとが連結されている。ジョイント部52bには接続ナット44が締結されており、配管部材50の開口端521bと第二水供給配管42の上流端42aとが連結されている。
【0037】
上述の配管部材50はいわゆる中空射出成形法により製造する。すなわち、配管部材50の外形が形成された金型に合成樹脂材を注入し、その後、内側の合成樹脂材が凝固していない状態で、図4に示すようにU字の一端からガスを注入して他端から排出する。このような成形法を適用することで、内部にU字型の空洞54が形成された合成樹脂製の配管部材50を一体成形することができる。
【0038】
上述したカップ式飲料自動販売機1において、水ポンプ40aを駆動し、給水バルブ40bを開放すると、水が水供給源40から水供給経路4を構成する第一水供給配管41、配管部材50および第二水供給配管42を経て水リザーバ21へと供給される。
【0039】
上述したカップ式飲料自動販売機1では、水供給経路4が、第一水供給配管41、配管部材50および第二水供給配管42からなる。そのため、配管部材50の配設位置に水フィルタ装置500等の他の部品を配設することにより、第一水供給配管41および第二水供給配管42を共通化した状態で仕様の異なるカップ式飲料自動販売機を製造することができる。従って、仕様の異なる飲料供給装置との間で部品を共通化し、製造コストを低減することができる。
【0040】
また、上述した配管部材50は、一つの金型を作成することで合成樹脂製の配管部材50を量産することができる。そのため、配管部材50を安価に製造することができ、量産を行う飲料供給装置の使用に適している。また、配管部材50を一体成形しているため、配管部材50流路内の水漏れを確実に防止することができる。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2に示す飲料供給装置では、実施の形態1の配管部材50に替えて配管部材70を用いている。配管部材70以外のカップ式飲料自動販売機の構成は実施の形態1と同一のものであり、ここではその説明を省略する。
【0042】
配管部材70は、図5および図6に示すように、連結部71を有している。連結部71は、並行する二つの直線状管711,712と、直線状管711,712を連結する直線状の連結管713とを有する中空管である。直線状管711,712は両端が開口してあり、連結管713は直線状管711,712の一方の端部を連結している。連結管713は、連結する直線状管711,712から突出した突出部713aを有する。連結管713の突出部713a側の端部は開口してあり、他方の端部は閉塞してある。突出部713a側の端部に形成された開口孔714は蓋部74で閉塞してある。蓋部74は合成樹脂製であって、超音波溶着によって突出部713aに接着してある。連結部71の両端にはジョイント部72a,72bが一体に形成してある。
【0043】
ジョイント部72a,72bは、外周に螺子溝が形成された雄螺子を構成する部分であり、取付台60の挿通孔64,65より細い筒状に形成してある。ジョイント部72a,72bの連結部71側の基端部722a,722bにはフランジ部73a,73bが一体に形成してある。フランジ部73a,73bは取付台60の挿通孔64,65より太く形成してある。ジョイント部72a,72bの一方の開口端721a,721bは、互いに同一面上で同一方向を向いている。開口端721a,721bの軸心間の距離は、第一水供給配管41の下流端41aおよび第二水供給配管42の上流端42aの軸心間の距離と同じく形成してある。
【0044】
この配管部材70は、ジョイント部72a,72bを取付台60の挿通孔64,65に挿通し、ジョイント部72a,72bの雄螺子を通した固定ナット66,67を締結する。フランジ部73a,73bおよび固定ナット66,67で突出板62を挟持することで配管部材70を取付台60に固定してある。ジョイント部72aには接続ナット43が締結されており、配管部材70の開口端721aと第一水供給配管41の下流端41aとが連結されている。ジョイント部72bには接続ナット44が締結されており、配管部材70の開口端721bと第二水供給配管42の上流端42aとが連結されている。
【0045】
配管部材70は射出成形によって製造する。すなわち、蓋部74を除く配管部材70の外形が形成された金型に合成樹脂材を注入する。その後、配管部材70の内径を形成する中子を引き抜く(図6(a))。その後、中子を引き抜くことで形成された突出部713aの開口孔714に合成樹脂製の蓋部74を超音波溶着によって接着することにより閉塞する(図6(b))。このような成形法を適用することで、蓋部74を除く配管部材70を一体成形することができる。
【0046】
配管部材70を配設した実施の形態2のカップ式飲料自動販売機において、水ポンプ40aを駆動し、給水バルブ40bを開放すると、水が水供給源40から水供給経路を構成する第一水供給配管41、配管部材70および第二水供給配管42を経て水リザーバ21へと供給される。
【0047】
実施の形態2におけるカップ式飲料自動販売機では、水供給経路が、第一水供給配管41、配管部材70および第二水供給配管42からなる。そのため、配管部材70の配設位置に水フィルタ装置500等の他の部品を配設することにより、第一水供給配管41および第二水供給配管42を共通化した状態で仕様の異なるカップ式飲料自動販売機を製造することができる。従って、仕様の異なる飲料供給装置との間で部品を共通化し、製造コストを低減することができる。
【0048】
また、上述した配管部材70は、合成樹脂材による射出成形を用いて製造することができるため安価に製造することができる。また、蓋部74を超音波溶着で接着することにより、射出成形の型抜きで形成された開口孔714を確実に密封することができるので、配管部材70流路内の水漏れを確実に防止することができる。
【0049】
(実施の形態3)
実施の形態3に示す飲料供給装置では、実施の形態1の配管部材50に替えて配管部材80を用いている。配管部材80以外のカップ式飲料自動販売機の構成は実施の形態1と同一のものであり、ここではその説明を省略する。
【0050】
配管部材80は、図7および図8に示すように、連結部81を有している。連結部81は、並行する二つの直線状管811,812と、直線状管811,812を連結する直線状の連結管813とを有する中空管である。直線状管811,812は両端が開口してあり、連結管813は直線状管811,812の一方の端部を連結している。連結管813は、連結する直線状管811,812から突出した突出部813aを有する。連結管813の突出部813a側の端部は開口してあり、他方の端部は閉塞してある。突出部813a側の端部に形成された開口孔814は蓋体84で閉塞してある。蓋体84は一端が閉じた合成樹脂製の螺子孔(袋ナット)からなり、突出部813aの端部を被覆している。連結部81の両端にはジョイント部82a,82bが一体に形成してある。
【0051】
ジョイント部82a,82bは、外周に螺子溝が形成された雄螺子を構成する部分であり、取付台60の挿通孔64,65より細い筒状に形成してある。ジョイント部82a,82bの連結部81側の基端部822a,822bにはフランジ部83a,83bが一体に形成してある。フランジ部83a,83bは取付台60の挿通孔64,65より太く形成してある。ジョイント部82a,82bの開口端821a,821bは、互いに同一面上で同一方向を向いている。開口端821a,821bの軸心間の距離は、第一水供給配管41の下流端41aおよび第二水供給配管42の上流端42aの軸心間の距離と同じく形成してある。
【0052】
この配管部材80は、ジョイント部82a,82bを取付台60の挿通孔64,65に挿通し、ジョイント部82a,82bの雄螺子を通した固定ナット66,67を締結する。フランジ部83a,83bおよび固定ナット66,67で突出板62を挟持することで配管部材80を取付台60に固定してある。ジョイント部82aには接続ナット43が締結されており、配管部材80の開口端821aと第一水供給配管41の下流端41aとが連結されている。ジョイント部82bには接続ナット44が締結されており、配管部材80の開口端821bと第二水供給配管42の上流端42aとが連結されている。
【0053】
配管部材80は射出成形によって製造する。すなわち、蓋体84を除く配管部材80の外形が形成された金型に合成樹脂を注入する。その後、配管部材80の内径を形成する中子を引き抜く(図8(a))。その後、中子を引き抜くことで形成された突出部813aの開口孔814に袋ナット構造の蓋体84を締め込むことで、突出部813aに形成された開口孔814を閉塞する(図8(b))。このような成形法を適用することで、蓋体84を除く配管部材80を一体成形することができる。
【0054】
配管部材80を配設した実施の形態3のカップ式飲料自動販売機において、水ポンプ40aを駆動し、給水バルブ40bを開放すると、水が水供給源40から水供給経路を構成する第一水供給配管41、配管部材80および第二水供給配管42を経て水リザーバ21へと供給される。
【0055】
実施の形態3におけるカップ式飲料自動販売機では、水供給経路が、第一水供給配管41、配管部材80および第二水供給配管42からなる。そのため、配管部材80の配設位置に水フィルタ装置500等の他の部品を配設することにより、第一水供給配管41および第二水供給配管42を共通化した状態で仕様の異なるカップ式飲料自動販売機を製造することができる。従って、仕様の異なる飲料供給装置との間で部品を共通化し、製造コストを低減することができる。
【0056】
また、上述した配管部材80は、合成樹脂材による射出成形を用いて製造することができるため安価に製造することができる。また、開口孔814を蓋体84で締め込む構造であるため、配管部材80の組み立てが容易である。
【0057】
なお、実施の形態1〜3では、流路を合成樹脂材で形成した配管部材を用いているが、素材は合成樹脂に限られるものではなく、同一方向を向くジョイント部材と、U字型のステンレス管からなる連結部とを接続して形成した配管部材とすることも可能である。また、本発明の好適な実施の形態としてカップ式飲料自動販売機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、自動給茶機等、他の飲料供給装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 カップ式飲料自動販売機
21 水リザーバ
40 水供給源
41 第一水供給配管
41a 下流端
41b 上流端
42 第二水供給配管
42a 上流端
42b 下流端
50,70,80 配管部材
51,71,81 連結部
52a,52b,72a,72b,82a,82b ジョイント部
53a,53b,73a,73b,83a,83b フランジ部
74 蓋部
84 蓋体(袋ナット)
521a,521b,721a,721b,821a,821b 開口端
522a,522b,722a,722b,822a,822b 基端部
711,712,811,812 直線状管
713,813 連結管
714,814 開口孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水供給源から貯水部へ水を移送する水供給経路を備えた飲料供給装置において、
前記水供給経路は、
上流端が前記水供給源と連結され、下流端が開口した第一配管と、
下流端が前記貯水部と連結され、上流端が開口した第二配管と、
前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端を連結する配管部材と、
を備え、
前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端は、互いに同一方向に向けて配設し、
前記配管部材は、互いに同一方向を向く二つの開口端を有し、それぞれの開口端を介して前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端の間に着脱可能に連結したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記配管部材を合成樹脂材によって成形したことを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
前記配管部材は、
前記第一配管の下流端および前記第二配管の上流端に接続する開口端を形成した筒状を成す一対のジョイント部と、
前記一対のジョイント部の基端部を互いに連結する連結部と、を有し、
一方のジョイント部から前記連結部を介して他方のジョイント部に至る流路を構成するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記一対のジョイント部の間を湾曲した形態で連結するものであり、前記一対のジョイント部と一体に成形したことを特徴とする請求項3に記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記連結部は、
両端が開口した並行する二つの直線状管と、
開口した端部と閉塞した端部とを有し、かつそれぞれの直線状管の一方の端部を接続する直線状の連結管と、を有し、
前記連結管の開口した端部に蓋部を接着して閉塞することで一方の直線状管から前記連結管を介して他方の直線状管に至る流路を形成したことを特徴とする請求項3に記載の飲料供給装置。
【請求項6】
前記連結部は、
両端が開口した並行する二つの直線状管と、
開口した端部と閉塞した端部とを有し、かつそれぞれの直線状管の一方の端部を接続する直線状の連結管と、を有し、
前記連結管の開口した端部に袋ナットを締結して閉塞することで一方の直線状管から前記連結管を介して他方の直線状管に至る流路を形成したことを特徴とする請求項3に記載の飲料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−116517(P2012−116517A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267281(P2010−267281)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】