説明

飲料製造装置

【課題】内壁等に付着した飲料をも効果的に払い出し、一回の飲料提供量を確保することができる飲料製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の飲料製造装置1は、飲料原料及び削氷を受容する撹拌容器6と、この撹拌容器の底部に形成された払出口21とを備え、撹拌部5は、モータ50Mと、撹拌容器内に降下する駆動軸50に固定されたブレード51と、駆動軸の下端部に回転自在に取り付けられ、撹拌容器の払出口を開閉可能に封止する底栓54と、撹拌容器を昇降させて、払出口を底栓により開閉させる昇降装置40を有し、飲料を排出する際、昇降装置40による昇降動作を複数回実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷が含有された清涼飲料等の飲料を製造する飲料製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の飲料製造装置として、シロップを生成した容器内に削氷を投入し、撹拌することで、所定硬度のシャーベット状のフローズン飲料を製造する飲料製造装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。係る飲料製造装置では、販売容器内に直接、原料粉末や溶解用水、削氷を供給して飲料の製造を行うため、常に衛生な販売容器を用いることが前提とされる。しかし、飲料製造装置を顧客等が任意に注出可能な状態で設置した場合、衛生状態が保証されていない容器が飲料の製造に用いられることも想定される。
【0003】
そこで、任意に設置される容器に係る所定硬度のシャーベット状のフローズン飲料を供給すべく、本体内に配設された撹拌容器内に原料粉末、当該原料粉末の溶解用の水、削氷を供給して当該撹拌容器内において撹拌混合を行うことにより、飲料を製造する飲料製造装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−187978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の飲料製造装置では、販売容器は、容器移動部によって筐体部内の所定の位置に移動可能に設けられており、飲料原料供給位置において、原料粉末が販売容器内に供給されると共に、当該位置から離間した撹拌位置において、撹拌部により販売容器内の受容物の撹拌混合が実行されていた。
【0006】
これに対し、本体内に設けられた撹拌容器内において、原料粉末と溶解用水の撹拌及びこれに削氷を加えた撹拌混合が行われる。そして、生成された氷を含む所定硬度のシャーベット状のフローズン飲料は、撹拌容器の底部に形成された払出口より任意の容器に排出される。
【0007】
この際、従来の飲料製造装置では、飲料の自重によって払出口から任意の容器に排出されていた。しかし、当該飲料は、上述したように氷を含むことで所定の硬度を有するシャーベット状のフローズン飲料であるため、撹拌容器の内壁やブレード等の撹拌部に付着してしまう。自重による排出には相当の時間が必要とされ、場合によっては、全ての飲料を排出することなく、内壁等に付着した飲料が残留した状態で、飲料の排出を終了しなければならない。そのため、一回の飲料提供量が減少する問題があった。
【0008】
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するものであり、内壁等に付着した飲料をも効果的に払い出し、一回の飲料提供量を確保することができる飲料製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の飲料製造装置は、撹拌容器に飲料原料を供給する飲料原料供給部と、所定の粗さで氷を削ることにより形成された削氷を撹拌容器に供給する削氷供給部と、撹拌容器の内部に受容されている受容物を混合する撹拌部と、飲料原料供給部と、削氷供給部と、撹拌部を制御する制御部とを備え、撹拌容器に受容された飲料原料及び削氷を撹拌して飲料を製造するものであって、撹拌部は、モータと、このモータから撹拌容器内に降下する駆動軸に固定されるブレードとを有すると共に、撹拌容器の底部に形成された払出口と、撹拌部の駆動軸下端部に回転自在に取り付けられ、撹拌容器の払出口を開閉可能に封止する底栓と、撹拌容器を降下させ、及び/又は、撹拌部を上昇させて払出口を開放し、撹拌容器を上昇させ、及び/又は、撹拌部を降下させて底栓により払出口を封止する昇降動作を実行する昇降装置を備え、制御部は、撹拌容器内で製造された飲料を排出する際、昇降装置による昇降動作を複数回実行することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、上記発明において、飲料原料供給部は、撹拌容器に湯又は水を供給する水供給手段を備え、制御部は、飲料を排出する際、昇降装置による昇降動作を実行した後、水供給手段により洗浄用の湯又は水を供給し、再度昇降装置による昇降動作を実行することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、上記各発明において、制御部は、飲料を一度排出した後、昇降装置を駆動して底栓により払出口を封止し、その状態でモータを駆動してブレードを回転し、その後、再び昇降装置による昇降動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撹拌容器に飲料原料を供給する飲料原料供給部と、所定の粗さで氷を削ることにより形成された削氷を撹拌容器に供給する削氷供給部と、撹拌容器の内部に受容されている受容物を混合する撹拌部と、飲料原料供給部と、削氷供給部と、撹拌部を制御する制御部とを備え、撹拌容器に受容された飲料原料及び削氷を撹拌して飲料を製造する飲料製造装置において、撹拌部は、モータと、このモータから撹拌容器内に降下する駆動軸に固定されるブレードとを有すると共に、撹拌容器の底部に形成された払出口と、撹拌部の駆動軸下端部に回転自在に取り付けられ、撹拌容器の払出口を開閉可能に封止する底栓と、撹拌容器を降下させ、及び/又は、撹拌部を上昇させて払出口を開放し、撹拌容器を上昇させ、及び/又は、撹拌部を降下させて底栓により払出口を封止する昇降動作を実行する昇降装置を備え、制御部は、撹拌容器内で製造された飲料を排出する際、昇降装置による昇降動作を複数回実行するので、係る昇降動作による振動によって撹拌容器内に生成された飲料の排出促進を図ることができる。
【0013】
特に、本発明において生成される飲料は、氷を含むことにより、所定の硬度を有するシャーベット状のフローズン飲料であるため、撹拌容器の内壁面に付着し自重による排出効率が悪い。しかし、本発明の如く、昇降装置による撹拌容器又は撹拌部の昇降動作を複数回実行することにより、当該昇降動作によって生じる振動を撹拌容器やその内部に降下する駆動軸に伝えることができ、これによって、飲料の排出を促すことが可能となる。
【0014】
従って、飲料の払い出しに要する時間を短縮することができると共に、撹拌容器内に残留する飲料の量を最小限に留めることが可能となる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、上記において、飲料原料供給部は、撹拌容器に湯又は水を供給する水供給手段を備え、制御部は、飲料を排出する際、昇降装置による昇降動作を実行した後、水供給手段により洗浄用の湯又は水を供給し、再度昇降装置による昇降動作を実行するので、一旦昇降装置による昇降動作を実行して、大部分の飲料を排出した後、洗浄用の湯又は水を撹拌容器内に供給することで、その内壁面に付着した飲料を洗い流すことができ、飲料の排出効率の向上を実現できる。
【0016】
特に、本発明では、飲料には氷が含まれていることから、撹拌容器の内壁面との温度差によって、氷が撹拌容器の内壁面に固着する場合があるが、このように洗浄用の湯又は水を供給することで、容易に当該氷を剥離させることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、上記各発明において、制御部は、飲料を一度排出した後、昇降装置を駆動して底栓により払出口を封止し、その状態でモータを駆動してブレードを回転し、その後、再び昇降装置による昇降動作を行うので、撹拌装置の駆動による振動や、ブレードの撹拌によって撹拌容器内に飛散される洗浄用の湯又は水によって、当該撹拌容器内壁に付着した飲料を効率的に洗浄することができる。
【0018】
これにより、内壁面に付着した飲料を効果的に排出口に導くことができ、飲料の排出効率の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態にかかる飲料製造装置の外装パネルを取り外した状態の斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2の飲料製造装置を向かって右側から見た側面図である。
【図4】図2の飲料製造装置の平面図である。
【図5】撹拌容器、撹拌部及びカップの斜視図(払出口開放時)である。
【図6】図5の縦断側面図である。
【図7】撹拌容器、撹拌部及びカップの斜視図(払出口閉鎖時)である。
【図8】図7の縦断側面図である。
【図9】飲料原料供給部の斜視図である。
【図10】飲料原料供給部の正面図である。
【図11】飲料原料供給部の側面図である。
【図12】原料シュート下部の拡大図(シャッター閉塞時)である。
【図13】図12の断面図である。
【図14】原料シュート下部の拡大図(シャッター開放時)である。
【図15】図14の断面図である。
【図16】削氷供給部及び各撹拌容器の正面図(第1の氷払出位置)である。
【図17】図16の上面図である。
【図18】図16の右側面図である。
【図19】図16の底面図である。
【図20】図16の後方斜視図である。
【図21】各撹拌容器とカバー開閉機構の上面図(第1の氷払出位置)である。
【図22】削氷供給部及び各撹拌容器の正面図(第2の氷払出位置)である。
【図23】図22の上面図である。
【図24】図22の右側面図である。
【図25】図22の底面図である。
【図26】図22の後方斜視図である。
【図27】各撹拌容器とカバー開閉機構の上面図(第2の氷払出位置)である。
【図28】カバー開閉機構及び各氷投入口カバーの上面図である。
【図29】カバー開閉機構及び各氷投入口カバーの後方斜視図である。
【図30】図29の側面図である。
【図31】制御部の制御回路を示す回路ブロック図である。
【図32】飲料原料供給部の斜視図(シャッター閉塞時)である。(他の実施例)
【図33】図32の側面図である。(他の実施例)
【図34】飲料原料供給部の斜視図(シャッター開放時)である。(他の実施例)
【図35】図34の側面図である。(他の実施例)
【図36】撹拌容器の削氷投入口開放時の斜視図である。(他の実施例)
【図37】図36の平面図である。(他の実施例)
【図38】図36の側面図である。(他の実施例)
【図39】図36の背面図である。(他の実施例)
【図40】撹拌容器の削氷投入口閉鎖時の斜視図である。(他の実施例)
【図41】図40の平面図である。(他の実施例)
【図42】図40の側面図である。(他の実施例)
【図43】図40の背面図である。(他の実施例)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態としての飲料製造装置1について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態にかかる飲料製造装置1の外装パネルを取り外した状態の斜視図、図2は図1の正面図、図3は図2の飲料製造装置1を向かって右側から見た側面図、図4は図2の飲料製造装置1の平面図をそれぞれ示している。
【0021】
本実施例における飲料製造装置1は、例えば飲食店などに設置されて原料粉末(飲料原料の粉末)を湯又は水によって溶解し生成されたシロップと削氷とを混合撹拌して所定の硬度を有するシャーベット状の飲料を提供するものである。
【0022】
この飲料製造装置1の本体を構成する筐体部2内に、飲料原料供給部3と、削氷供給部4と、撹拌部5と、撹拌容器6と、湯供給ノズル19(溶解用水供給部及び洗浄手段を兼ねる)と、これら各機器を制御する制御部(制御手段)Cと、削氷供給部4や湯供給ノズル19、撹拌容器6から滴下する水やカップ9からこぼれた飲料等の液体を受容するドリップトレイ37とを備える。本実施例では、1台の飲料製造装置1によって複数種類この場合、2種類のフレーバーの飲料を製造可能とする。
【0023】
そのため、飲料原料供給部3、撹拌部5、撹拌容器6はそれぞれのフレーバー毎に1組ずつ設けられているものとする。本実施例では、飲料製造装置1の正面に向かって右側に設けられる撹拌容器6を第1の撹拌容器6Aとし、当該撹拌容器6Aの向かって左側に並設される撹拌容器6を第2の撹拌容器6Bとする。尚、第1の撹拌容器6Aと、第2の撹拌容器6Bとは、同一の構成であるため、以下、撹拌容器6として詳細な構成について説明する。また、詳細は後述するが、本実施例における飲料製造装置1では、削氷供給部4は両撹拌容器6A、6Bに削氷を供給可能とする単一の削氷供給部4が設けられる。
【0024】
本実施例では、更に筐体部2内に、削氷供給部4に氷を自動供給するための製氷部10と、湯タンク11を備えている。湯タンク11は、原料粉末を溶解するための湯、洗浄用の湯を各湯供給ノズル19を介して各撹拌容器6に供給するものであり、外部から水道水などの飲料水が供給される。この内部には貯水された飲料水を所定温度、例えば+80℃に加熱保温する図示しないヒータ等が設けられている。また、湯タンク11には、詳細は後述するように撹拌容器6の上方に設けられて、飲料原料としての湯を供給する湯供給ノズル19が接続されている。本実施例では、上述したように2種類のフレーバーの飲料を製造可能とするため、それぞれの撹拌容器6に湯を供給するための湯供給ノズル19が設けられており、各湯供給ノズル19には、湯供給を制御する湯供給電磁弁15がそれぞれ設けられている。
【0025】
筐体部2は、前面に開閉可能な図示しない前面扉、後面、両側面及び天面を図示しない外装パネルにて囲繞されることにより構成されており、前面扉下方には、前方からカップ9を前述したドリップトレイ37上に納出可能とする販売部60が形成されている。
【0026】
筐体部2の前部には撹拌容器6A、6Bにそれぞれ対応する飲料原料供給部3が配設されている。本実施例における飲料製造装置1では、飲料原料として原料粉末と、当該原料粉末を溶解するための湯又は/及び水と、氷を使用する。上記飲料原料供給部3は、上記飲料原料のうち、所定量の原料粉末を撹拌容器6に供給するものである。
【0027】
尚、筐体部2の前面に臨んで図示しない複数の操作ボタンや液晶表示器、電源などが設けられたコントロールパネル83(図31のみ図示する)が配設されている。
【0028】
本実施例では、筐体部2の正面から向かって左側の後部には、製氷部10が配設されている。この製氷部10は、オーガ式製氷部であって、飲料原料としての氷を生成する装置である。生成された氷は、一旦貯氷部32に貯氷された後、前記制御部Cからの出力に応じて削氷供給部4に送られる。
【0029】
削氷供給部4は、製氷部10にて生成された氷を所定の粗さで削ることにより削氷を形成するものであり、製氷部10の近傍に設けられる。この削氷供給部4の下方には、撹拌容器6の削氷投入口28、具体的には、前記各撹拌容器6A、6Bの詳細は後述する削氷投入口28A、28Bが配置される。
【0030】
また、各撹拌容器6の上方には、駆動軸50が当該撹拌容器6内に降下した状態で配設される撹拌部5が設けられる。この撹拌部5は、撹拌容器6内に受容された受容物、即ち、飲料の原料となる原料粉末と、当該原料粉末を溶解するための湯又は/及び水の混合、撹拌、更には、これら原料粉末と、湯等によって生成されたシロップと削氷の粉砕、混合及び撹拌を行うものである。
【0031】
次に、筐体部2内に配置される各機器の詳細の構成についてそれぞれ説明する。先ずはじめに、図5乃至図8を参照して撹拌容器6及び撹拌部5の詳細な構成について説明する。図5は撹拌容器6、撹拌部5及びカップ9の斜視図(払出口開放時)、図6は図5の縦断側面図、図7は撹拌容器6、撹拌部5及びカップ9の斜視図(払出口閉鎖時)、図8は図7の縦断側面図をそれぞれ示している。
【0032】
撹拌容器6は、筐体部2の前部に配置される容器であり、全体としては下部に行くに従って先細りとされた略円錐形状とされている。この容器6の上面は大きく上方に開口した上面開口20が形成されていると共に、当該略円錐形状の下端部に相当する底部には、払出口21が形成されている。
【0033】
そして、容器6の後部(後壁部)は、上部が下部よりも大きく後退した傾斜面(削氷滑落面)22とされている。そのため、図6に示すように、上面開口20は、略円錐形状に沿って形成される払出口21に対して後方に大きく開口した形状とされている。なお、係る後方に大きく開口した開口後部は、後述する削氷供給部4の氷バッファ36の下端開口真下に対応して形成されており、氷バッファ36から削氷が投入される。
【0034】
撹拌容器6の上面開口20は、開閉可能な蓋部材23によって閉塞される。この蓋部材23の前記円錐形状の略中央部分、即ち、底部に形成された払出口21に対応する部分には、撹拌部5を構成する駆動軸50を移動自在に挿通するための軸孔25が形成されている。
【0035】
また、蓋部材23の前部には、飲料原料供給部3を構成する原料シュート14の下端の原料排出口14A真下に対応して原料粉末投入口24が形成されている。この原料粉末投入口24の周囲には、上方に起立したフランジ24Aが形成されている。これにより、原料シュート14から供給された原料粉末が周囲に飛散し難く、円滑に撹拌容器6内に案内しやすい構成とされている。
【0036】
そして、この蓋部材23には、前記軸孔25の近傍に位置して湯投入口26が形成されている。この湯投入口26の上方には、上述した如き湯タンク11からの湯を供給する前記湯供給ノズル19が配設されている。この湯供給ノズル19の下端開口よりも少許上方には、鍔19Aが形成されている。そのため、後述する昇降装置40により、撹拌容器6が上昇位置とされている状態で、湯供給ノズル19が湯投入口26より撹拌容器6内に進入し、当該鍔19Aにて湯投入口26開口縁と湯供給ノズル19の外面との間を閉塞する構成とされている。これにより、湯供給ノズル19から吐出された湯は、撹拌容器6内に円滑に供給される。
【0037】
蓋部材23の後部には、削氷を投入するための削氷投入口28が形成されており、当該削氷投入口28は、詳細は後述するカバー開閉機構68により開閉される氷投入口カバー27にて閉塞される。尚、本実施例では、当該削氷投入口28は、上記軸孔25と連続して形成されている。
【0038】
この撹拌容器6は、昇降装置40に着脱自在に取り付けられると共に、当該昇降装置40によって昇降移動する。この昇降装置40は、筐体部2内に固定される固定部材41と、この固定部材41に回動軸45を中心として回動自在に取り付けられる操作片42と、当該操作片42を回動制御する図示しないモータ、カム及びマイクロスイッチとから構成されている。
【0039】
撹拌容器6は固定部材41内に位置して操作片42の回動操作によって上下に移動自在に支持されている。即ち、制御部Cの出力によって駆動制御されるモータとマイクロスイッチによってカムが回動されて、操作片42の後端部が持ち上げられると、操作片42の前端部に取り付けられる撹拌容器6は降下され(図5、図6)、操作片42の後端部が降下されると、撹拌容器6は上昇される(図7、図8)。
【0040】
一方、撹拌部5は、上部に配設されるモータ50Mの回転軸に接続されて回転する駆動軸50と、金属刃により構成される粉溶解用ブレード51と、氷撹拌用ブレード52と、氷崩し用ブレード53と、底栓54とを有する。
【0041】
モータ50Mは、撹拌容器6の上方に位置して筐体部2側の取付梁46に固定されており、このモータ50Mには、駆動軸50の上端に設けられる連結部材50Aを介して該モータ50Mから撹拌容器6内に降下して当該駆動軸50が着脱自在に固定される。
【0042】
駆動軸50の下端部には、底栓54が回転自在に取り付けられている。この底栓54は、撹拌容器6の底部に形成された払出口21を開閉可能に封止するものであって、例えばゴムや軟質合成樹脂等により構成されている。
【0043】
本実施例では、上述したように昇降装置40によって撹拌容器6が上昇することで底栓54と撹拌容器6の底部とが近接していき、底栓54が払出口21と密着して当該払出口21を封止する。そして、昇降装置40によって撹拌容器6が降下することで底栓54と撹拌容器6の底部とが離間して、底栓54と払出口21との間に空間が形成されることで、払出口21を開放する。
【0044】
そして、この底栓54の上面は、内側から外側に向けて低く、即ち、駆動軸50側が高く、外周部に行くに従って低く傾斜した傾斜面54Aとされている。また、この底栓54の下面は、外側から内側に向けて低く、即ち、下側に行くに従って、外周部から留め具57(駆動軸50)側に向けて低く傾斜した傾斜面54Bとされている。当該底栓54の下面から取り付けられる上記留め具57の下面も同様に外側から内側に向けて低く傾斜した傾斜面が形成されている。
【0045】
この底栓54にて封止される撹拌容器6の払出口21の周囲には、下方に突出して係る底栓54や留め具57の周囲を囲繞するための飛散防止壁21Aが形成されている。
【0046】
一方、駆動軸50の下部には、この底栓54の上側に位置して粉溶解用ブレード51が設けられている。この粉溶解用ブレード51は、飲料原料供給部3から撹拌容器6内に供給された原料粉末と湯供給ノズル19から撹拌容器6内に供給された湯とを撹拌してシロップを生成するためのブレードである。
【0047】
そして、この粉溶解用ブレード51は、駆動軸50から所定寸法だけ外周部に向けて平坦面51Aが形成されていると共に、当該平坦面51Aの端部から外周部に渡って低く傾斜した円盤形状とされている。
【0048】
駆動軸50には、この粉溶解用ブレード51の上側に位置して氷撹拌用ブレード52が設けられている。この氷撹拌用ブレード52は、シロップと、削氷供給部4(氷バッファ36)から供給された所定量の削氷とを撹拌するためのブレードである。
【0049】
駆動軸50には、この氷撹拌用ブレード52の上側に位置して氷崩し用ブレード53が設けられている。この氷崩し用ブレード53は、削氷供給部4(氷バッファ36)から供給された削氷を崩すためのブレードである。氷崩し用ブレード53は、上記氷撹拌用ブレード52と同方向に延在して、上下方向に対応して形成される板材から構成されている。
【0050】
図中駆動軸50の上部に設けられている58は、駆動軸50の底栓54が撹拌容器6の払出口21を封止した状態で、撹拌容器6の蓋部材23に形成される軸孔25を上方から覆う鍔部材である。これにより、撹拌容器6内にて飲料製造のため駆動軸50を回転駆動させることにより、当該軸孔25から飲料等が飛び散る不都合を抑制する。同様に、上述した湯供給ノズル19外面には鍔19Aが形成されているので、湯投入口26から飲料等が飛び散る不都合を抑制される。
【0051】
次に、図9乃至図15を参照して、飲料原料供給部3の構成について説明する。図9は飲料原料供給部3の斜視図、図10は飲料原料供給部3の正面図、図11は飲料原料供給部3の側面図、図12は原料シュート14下部の拡大図(シャッター閉塞時)、図13は図12の断面図、図14は原料シュート14下部の拡大図(シャッター開放時)、図15は図14の断面図をそれぞれ示している。尚、本実施例における飲料製造装置1は、飲料原料供給部3が撹拌容器6A、6Bのそれぞれに対応して設けられるものであるため、図9及び図10では、撹拌容器6Aに対応する飲料原料供給部3と、撹拌容器6Bに対応する飲料原料供給部3が並設されている状態を示している。また、各図において撹拌容器6は、上面開口20を閉塞する蓋部材23のみ図示する。
【0052】
飲料原料供給部3は、飲料原料となる原料粉末を充填保管しておくためのキャニスタ13と、当該キャニスタ13に対応して設けられて該キャニスタ13から排出される原料粉末を撹拌容器6の原料粉末投入口24に適切に案内するための原料シュート14とから構成される原料粉末供給部8と、前記湯タンク11から粉溶解用の湯を撹拌容器6に供給する湯供給ノズル19(溶解用水供給部)とから構成される。
【0053】
原料粉末供給部を構成するキャニスタ13は、図11に示すように、上方に開口する粉末充填口13Aと、下部側面に形成される排出口13Bとを備えており、粉末充填口13Aは、蓋13Cにより開閉自在に閉塞される(各図において蓋13Cは開放されている)。そして、キャニスタ13の底面近傍には、奥方から排出口13Bに(本実施例では、排出口13Bがキャニスタ13の前面下部に形成されているため、キャニスタ13の前後に)、図示しない粉排出機構が延在している。
【0054】
粉排出機構は、前端が排出口13Bに面して配設される回動軸の周囲に螺旋状に回転羽根が設けられており、キャニスタ13外に設けられたキャニスタモータ13Mによって回転駆動される。従って、キャニスタモータ13Mが駆動させることにより、粉排出機構は、回動軸を中心に回転駆動し、回転羽根間に充填された原料粉末は、順次排出口13Bに送出される。なお、当該キャニスタモータ13Mは、制御部Cにより駆動制御が行われる。
【0055】
原料シュート14は、上端にキャニスタ13の排出口13Bが接続される開口を有すると共に、下端が開放された原料排出口14Aとされ、上端から下端にいくに従って先細り形状とされている。そして、この原料シュート14の後面には、係止片14Bが形成されており、当該係止片14Bは、筐体部2側に固定された原料シュート取付部65に所定角度にて着脱自在に係止される。原料シュート取付部65に取り付けられた状態で、この原料シュート14の原料排出口14Aは、撹拌容器6の原料粉末投入口24内に一部挿入された状態とされる。
【0056】
本実施例における原料シュート14の下部には、当該原料排出口14Aを開閉するためのシャッター61が設けられており、当該シャッター61は、シャッター駆動部62により駆動される。
【0057】
ここで、シャッター61は、断面略コ字状に折曲形成されており、少なくとも原料シュート14の原料排出口14Aよりも大きい底面61Aが設けられている。そして、このシャッター61は、原料シュート14の下部後方から宛がわれ、その上端が、原料シュート14の後面に回動軸63を中心として回動自在に取り付けられている。また、このシャッター61の前端には外方に向けてフランジが形成され、操作片61Bとされる。
【0058】
本実施例において、シャッター駆動部62は、制御部Cにより通電制御されるソレノイド62Aと、当該ソレノイド62Aによって駆動されるアーム62Bとから構成される。このアーム62Bは、ソレノイド62Aの作用によってシャッター61の操作片61Bを前方に押圧して、回動軸63を中心としてシャッター61を後方に回動させることにより、底面61Aを原料排出口14Aから退避させる開放位置(図14、図15の状態)と、それ自体が退避して回動軸63を中心としてシャッター61を自重により前方に回動させることにより、底面61Aにより原料排出口14Aを閉塞する閉塞位置(図12、図13の状態)とに駆動制御される。
【0059】
次に、上記製氷部10及び削氷供給部4の構成について説明する。製氷部10は、製氷用水から氷を生成するための図示しない冷却器を備えており、当該冷却器と共に冷凍サイクルを構成するコンプレッサ16、コンデンサ17、膨張弁、デハイドレータ等を冷媒配管にて順次接続して冷却装置を構成している。なお、これら冷却装置も製氷部10と同様に筐体部2内に配設されている。
【0060】
本実施例における製氷部10は、オーガ式製氷機であり、冷却円筒内において圧縮された氷片は、上部に形成された吐出口及び当該吐出口に設けられる貯氷部32に導出される。この貯氷部32は、所定容積を有しており、側面に形成される排出口には、ソレノイド34にて駆動制御される氷払出シャッタが介設された氷シュート33が接続されている。
【0061】
そして、この氷シュート33の下端には、削氷供給部4を構成するスライサ35が設けられている。削氷供給部4は、上記オーガ式製氷部10にて生成され、氷シュート33を介して供給された氷を所定の粗さで削る、或いは砕くことにより削氷を排出する削氷装置を構成するスライサ35と、当該スライサ35にて形成された削氷を一旦保持すると共に、上記各撹拌容器6A、6Bに削氷を案内する氷バッファ36とから構成される。
【0062】
本実施例においてスライサ35は、内部に回転自在に収容されるプロペラと、このプロペラの駆動用モータと、スライサ35の本体内側に突出して氷を削氷する削氷刃とを備えている。氷バッファ36は、スライサ35の下方に配置されて内部に受容された削氷の重量を計測する削氷重量計測部59を備えており、これによって、所定量の削氷を氷バッファ36内に貯めて、当該氷バッファ36に設けられる氷払出シャッタ36Aを開閉制御することにより、撹拌容器6内に削氷を供給可能とする。
【0063】
ここで、氷バッファ36の構成及び各撹拌容器6A、6Bの氷投入口カバー27A、27Bの構成について図16乃至図30を参照して詳述する。図16は削氷供給部4及び各撹拌容器6A、6Bの正面図(第1の氷払出位置)、図17は図16の上面図、図18は図16の右側面図、図19は図16の底面図、図20は図16の後方斜視図、図21は各撹拌容器6A、6Bとカバー開閉機構68の上面図(第1の氷払出位置)、図22は削氷供給部4及び各撹拌容器6A、6Bの正面図(第2の氷払出位置)、図23は図22の上面図、図24は図22の右側面図、図25は図22の底面図、図26は図22の後方斜視図、図27は各撹拌容器6A、6Bとカバー開閉機構68の上面図(第2の氷払出位置)、図28はカバー開閉機構68及び各氷投入口カバー27A、28Bの上面図、図29はカバー開閉機構68及び各氷投入口カバー27A、28Bの後方斜視図、図30は図29の側面図をそれぞれ示している。
【0064】
尚、本実施例において第1の撹拌容器6Aと第2の撹拌容器6Bとは左右対称となるように構成されており、第1の撹拌容器6Aが向かって右側、第2の撹拌容器6Bが向かって左側となるように並設されている。
【0065】
上記氷バッファ36は、上下に連通して構成される筒状部材であり、その上端は、スライサ35の下方に配置され、所定の角度にて傾斜した状態で氷バッファ駆動部70を介して筐体部2内の前記固定部材41に立設される。
【0066】
即ち、氷バッファ駆動部70は、回動部材76と、駆動モータ70Mと、駆動モータ70Mにより回動制御されるカム71と、当該カム71に設けられて前記回動部材76を操作する操作部72とから構成される。
【0067】
回動部材76は、略コ字状に折曲形成された板状部材であり、開口側の上端及び下端にはそれぞれ筐体部2に固定される前記固定部材41後端に氷バッファ回動軸75を中心として回動自在に設けられる。この回動部材76の一側には、支柱77が固定され、この支柱77の上端に形成された載置面77Aには、前記削氷重量計測部59が固定される。尚、当該削氷重量計測部59は、氷バッファ36のシャッタ36Aの開閉機構を備えている。
【0068】
そして、この削氷重量計測部59に前記氷バッファ36が所定の角度にて傾斜した状態で立設される。このとき、氷バッファ36の上面開口36Bは、前記回動部材76の氷バッファ回動軸75の投影面上に位置して設けられ、後述する第1の氷払出位置とされている状態では、氷バッファ36の削氷払出口36Cは、内部の削氷を第1の撹拌容器6Aに形成された削氷投入口28Aより撹拌容器6A内に案内可能とする位置とされる。
【0069】
そのため、氷バッファ駆動部70の駆動モータ70Mが制御部Cの出力によって駆動されると、カム71により操作部72が操作され、氷バッファ回動軸75を中心として回動部材76が所定の範囲で回動される。回動部材76が回動されることで、これに設けられる支柱77、削氷重量計測部59、氷バッファ36も回動される。これによって、上部を中心として回動される氷バッファ36の下部、即ち、下端に形成された削氷払出口36Cが第1の撹拌容器6Aに形成された削氷投入口28Aに対応する第1の氷払出位置と、第2の撹拌容器6Bに形成された削氷投入口28Bに対応する第2の氷払出位置とに移動制御される。
【0070】
一方、各撹拌容器6A、6Bの削氷投入口28A、28Bを開閉する氷投入口カバー27A、27Bは、それぞれ蓋部材23の前記氷バッファ回動軸75側に位置して設けられるカバー回動軸29A、29Bを中心として回動自在に設けられる。そして、各氷投入口カバー27A、27Bの上面には、当該カバー回動軸29A、29Bと所定寸法離間した位置に上方に所定寸法だけ突出した操作軸30A、30Bがそれぞれ設けられる。
【0071】
他方、前記氷バッファ駆動部70を構成する回動部材76には、氷バッファ回動軸75上に位置してカバー開閉機構68が設けられている。このカバー開閉機構68は、図28に示すように、氷バッファ回動軸75を中心として所定角度を成す第1のアーム78と第2のアーム79とから構成される。
【0072】
第1のアーム78は、第1の氷投入口カバー27Aを水平方向で移動自在に保持するものであり、第2のアーム79は、第2の氷投入口カバー27Bを水平方向で移動自在に保持するものである。これらアーム78、79は、ヒンジ部材80によって、非枢支側が上下に移動自在に回動部材76に取り付けられる。図29及び図30では、第1のアーム78の非枢支側が上下それぞれに移動されている状態を分かりやすく示している。
【0073】
第1のアーム78には、前記第1の氷投入口カバー27Aに設けられた操作軸30Aを水平方向で移動自在に保持する案内穴78Aが形成されている。そして、第2のアーム79には、前記第2の氷投入口カバー27Bに設けられた操作軸30Bを水平方向で移動自在に保持する案内穴79Aが形成されている。
【0074】
そして、これら第1のアーム78及び第2のアーム79は、案内穴78A、79Aにそれぞれ対応する位置の両側面には、当該案内穴78A、79Aから離間する方向に高く傾斜した傾斜辺(傾斜フランジ)78B、79Bがそれぞれ形成されている。尚、当該傾斜辺78A、79Bの端部は、操作軸30A、30Bが案内穴78A、79Bに係合した状態で、少なくとも操作軸30A、30Bの上端の高さよりも高い位置とされているものとする。
【0075】
以上の構成により、氷投入口カバー27Aの操作軸30Aは、案内穴78A内に係合されて水平方向で移動自在に保持されるため、回動部材76により氷バッファ36が上記第1の氷払出位置への移動されると、操作軸30Aは、同時に氷バッファ回動軸75を中心として回動される第1のアーム78により案内穴78A内を移動して氷投入口カバー27Aが削氷投入口28Aを開放する側に移動させる。これにより、氷投入口カバー27Aは、氷バッファ回動軸75の回動によってカバー回動軸29Aを中心として回動し、円滑に削氷投入口28Aを開放する。
【0076】
このとき、第1のアーム78と所定角度を成して第2のアーム79が設けられていることから、氷バッファ36の第1の氷払出位置への移動によって、操作軸30Bは、同時に氷バッファ回動軸75を中心として回動される第2のアーム79により案内穴79A内を移動して氷投入口カバー27Bが削氷投入口28Bを閉塞する側に移動させる。これにより、氷投入口カバー27Bは氷バッファ回動軸75の回動によって、カバー回動軸29Bを中心として回動し、円滑に削氷投入口28Bを閉鎖する。
【0077】
他方、回動部材76により氷バッファ36が上記第2の氷払出位置への移動されると、操作軸30Aは、同時に氷バッファ回動軸75を中心として回動される第1のアーム78により案内穴78A内を移動して氷投入口カバー27Aが削氷投入口28Aを閉塞する側に移動させる。これにより、氷投入口カバー27Aは、氷バッファ回動軸75の回動によってカバー回動軸29Aを中心として回動し、円滑に削氷投入口28Aを閉塞する。
【0078】
同様に、氷バッファ36の第2の氷払出位置への移動によって、操作軸30Bは、第2のアーム79により案内穴79A内を移動して氷投入口カバー27Bが削氷投入口28Bを開放する側に移動させる。これにより、氷投入口カバー27Bは、氷バッファ回動軸75の回動によりカバー回動軸29Bを中心として回動し、円滑に削氷投入口28Bを開放する。
【0079】
尚、本実施例では、各操作軸30A、30Bの案内穴79A、79Bは、氷投入口カバー27A又は27Bにより削氷投入口28A又は28Bを開放状態から閉塞状態にまで移動可能とする範囲の矩形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、当該開放状態から閉塞状態に至る操作軸30A、30Bの軌跡を含むものであれば案内溝であっても良い。
【0080】
洗浄等の目的のため撹拌容器6A、6Bを筐体部2(固定部材41)から取り外した際には、これと一体に取り付けられている氷投入口カバー27A、27Bも筐体部2から取り外される。洗浄等の後、再度筐体部2の固定部材41に取り付けた場合には、制御部Cにより氷バッファ駆動部70を駆動させ、氷バッファ回動軸75を中心として回動部材76を回動させることにより、当該回動部材76に取り付けられたカバー開閉機構68は、氷バッファ回動軸75を中心として水平方向に回動される。
【0081】
これにより、撹拌容器6Aの氷投入口カバー27Aに設けられた操作軸30Aに、カバー開閉機構68を構成する第1のアーム78の傾斜辺78Bが当接し、その状態で、更に回動されることで、上下移動自在に設けられた第1のアーム78は、操作軸30Aを乗り上げて、操作軸30Aが円滑に第1のアーム78の案内穴78A内に係合される。以後、当該操作軸30Aは、撹拌容器6Aが筐体部2から取り外されるまで案内穴78A内に係合される。
【0082】
また、撹拌容器6Bの氷投入口カバー27Bに設けられた操作軸30Bに、カバー開閉機構68を構成する第2のアーム79の傾斜辺79Bが当接し、その状態で、更に回動されることで、同様に、操作軸30Aが第2のアーム79の案内穴79A内に係合される。以後、当該操作軸30Bは、撹拌容器6Bが筐体部2から取り外されるまで案内穴79A内に係合される。
【0083】
これにより、各氷投入口カバー27A、27Bを容易にカバー開閉機構68に装着でき、氷バッファ36の回動に伴った円滑なカバーの開閉を実現することが可能となる。
【0084】
尚、本実施例では、氷バッファ駆動部70を構成する駆動モータ70Mの駆動によって氷バッファ36の回動やカバー開閉機構68の回動を行っているが、これに限定されるものではなく、例えば、電磁弁をON/OFF制御することにより、バネ等により一側に付勢された氷バッファ36を第1の氷払出位置と第2の払出位置とに移動可能としても良い。かかる場合、当該氷バッファ36の移動に伴ってカバー開閉機構68を動作させるものとする。
【0085】
また、本実施例では、カバー開閉機構68を氷バッファ駆動部70の回動部材76によって回動させることで、氷バッファ36の第1の氷払出位置と第2の払出位置に応じた削氷投入口の開閉を実現しているが、例えば、氷バッファ駆動部70により回動される氷バッファ36によって各氷投入口カバー27A、27Bをカバー回動軸29A、29Bを中心として回動させ、各撹拌部6A、6Bの削氷投入口28A、28Bの開閉を行っても良い。
【0086】
次に、図31の制御部Cの制御回路を示す回路ブロック図を参照して、制御部Cを備えた制御回路について説明する。制御回路は、上記各機器を動作させるモータや弁装置、当該動作を検出するセンサ、スイッチ等、販売動作における初期値や任意の設定値の入力、動作指示の入力、更には表示を行うコントロールパネルが接続されていると共に、各機器の動作に必要なデータ、販売動作等の実行用のプログラム、オペレータによって任意に設定される販売用データ等の種々のデータを格納するためのメモリ81や各機器の動作を制御すると共に掲示動作を行う制御部Cがバス82を介して接続して構成されている。
【0087】
具体的に、制御部Cは、メモリ81に格納されたデータやプログラム、更には、各種センサやマイクロスイッチ、削氷重量計測部59等の出力に従って、飲料原料供給部3の湯供給ノズル19への湯供給を制御する湯供給電磁弁15と、原料粉末供給部を構成するキャニスタモータ13Mと、原料シュート14の原料排出口14Aを開閉制御するシャッター駆動部62と、製氷部10と、削氷供給部4のスライサ35と、氷払出シャッタ36Aと、氷バッファ36やカバー開閉機構68を移動させる氷バッファ駆動部70の駆動モータ70M等を制御する。
【0088】
以下、本実施の形態の飲料製造装置1によってフローズン飲料を製造する動作について説明する。なお、本実施例における飲料製造装置1は、二種類の原料粉末を備えており、操作者による選択操作により、当該実施例では、第1の撹拌容器6Aにて飲料を製造する場合について説明する。
【0089】
選択された飲料を撹拌混合して製造する撹拌容器6の下方に、予めカップ9を設置する。この状態で、販売待機状態となる。
【0090】
また、製氷部10は、予め所定量の氷片を製造しており、貯氷部32に貯氷を行っているものとする。また、湯タンク11は、温度センサの出力に基づきヒータの通電制御がなされ、所定量の湯が所定温度、例えば+80℃に維持されている。なお、係る製氷部10の貯氷部32に所定量の氷が貯氷されていること、及び湯タンク11内の湯が所定温度に達していることを条件として、制御部Cは、飲料の販売が可能な状態にあるものとし、係る条件を満たしていない状態では、コントロールパネル83のディスプレイ等に販売停止状態であることを表示し、飲料製造を指示する図示しない選択ボタンの操作を無効なものとする。上記販売停止状態が解除され、販売待機状態とされた後、飲料製造を指示ずる選択ボタンの操作を有効なものとする。
【0091】
(シロップ生成工程)
次に、飲料製造工程について説明する。先ず、制御部Cによる昇降装置40のモータの駆動制御及びマイクロスイッチによって、カムが回動されて操作片42の後端部は降下される。これにより、回動軸45を中心として操作片42の前端部が上昇され、この前端部に回動自在に取り付けられる撹拌容器6は上昇されて、撹拌部5の底栓54と撹拌容器6の底部の払出口21とが密着して、払出口21が封止される。そして、飲料製造工程におけるシロップ生成工程では、制御部Cは、湯供給電磁弁15を所定時間だけ開放し、湯供給ノズル19から湯投入口26を介して撹拌容器6内に所定量の湯が供給される。このとき、上述したように、撹拌容器6の底部に形成された払出口21は、撹拌容器6が上昇位置とされていることで、撹拌部5の底栓54により封止されており、この状態で、湯供給ノズル19は、湯投入口26より撹拌容器6内に進入された状態とされている。これにより、湯供給ノズル19から供給された湯は、適切に撹拌容器6内に供給される。
【0092】
また、制御部Cは、選択された種類に応じた原料粉末を充填するキャニスタ13に対応した原料シュート14のシャッター61を閉塞位置(図12、図13の状態)とするシャッター駆動部62のソレノイド62Aを通電制御し、シャッター61により原料排出口14Aを開放する開放位置(図14、図15の状態)とする。
【0093】
これと同時、若しくは、所定時間だけ遅延させて制御部Cは、選択された種類の原料粉末が充填されるキャニスタ13のキャニスタモータ13Mを所定時間だけ駆動し、キャニスタ13内の原料粉末を排出口13Bより飲料1杯分に相当する量(所定量)だけ排出する。キャニスタ13から排出された原料粉末は、排出口13Bより原料シュート14を介して当該原料シュート14の下端に形成される原料排出口14Aより撹拌容器6側の原料粉末投入口24を介して当該撹拌容器6内に排出される。これにより、上述した如く底部の払出口21が底栓54により封止された撹拌容器6内に所定量の原料粉末が投入される。
【0094】
そして、制御部Cは、キャニスタモータ13Mを駆動した後、所定量の原料粉末が原料排出口14Aを通過するのに要する時間を経過した後、当該開放位置(図14、図15の状態)とされているシャッター61をシャッター駆動部62のソレノイド62Aを通電制御し、原料排出口14Aを閉塞する閉塞位置(図12、図13の状態)とする。また、制御部Cは氷バッファ駆動部70を駆動させ、これにより氷投入口カバー27によって削氷投入口28を閉塞する。
【0095】
払出口21が封止された状態の撹拌容器6に所定量の原料粉末と所定量の溶解用の湯が受容された状態で、制御部Cは、撹拌部5のモータ50Mを駆動させる。モータ50Mは駆動軸50を介して粉溶解用ブレード51を所定時間、回転駆動する。これにより、撹拌容器6の底部に受容された高温の湯と原料粉末は、粉溶解用ブレード51の回転によって効果的に撹拌され、シロップ(飲料原料)を生成される。以上でシロップ生成工程を終了し、制御部Cは、削氷供給工程に移行する。
【0096】
(削氷供給工程)
制御部Cは、削氷供給工程に入る以前に、削氷を実行しているものとする。本実施例では、所定量の削氷に要する時間を考慮して、上記飲料原料供給工程の開始と共に、製氷部10の貯氷部32から所定量の氷片をスライサ35に供給する。その後、制御部Cは、モータを駆動してプロペラを回動させ、スライサ35に受容された氷片をプロペラによって削氷刃に押し付け、削氷を行う。スライサ35により生成された削氷は、スライサ35の下部に設けられる氷バッファ36に受容される。削氷開始時において、氷バッファ36の削氷排出口36Cは氷払出シャッタ36Cにより閉塞されている。
【0097】
そのため、削氷が氷バッファ36内に所定量の削氷が貯められる。その後、制御部Cは、モータを停止し、削氷供給待機とする。係る削氷供給待機状態とされている際に、制御部Cによって、蓋部材23の氷投入口カバー27を開放する。本実施例では、筐体部2内に単一の氷バッファ36が設けられているのに対し、2つの撹拌容器6A、6Bが設けられている。今、第1の撹拌容器6Aにて飲料の製造を行っているため、制御部Cは、氷バッファ駆動部70を駆動させ、氷バッファ回動軸75を中心として回動部材76を回動させることにより、氷バッファ36は上部を中心として回動され、下端に形成された削氷払出口36Cが、第1の撹拌容器6Aに形成された削氷投入口28Aに対応する第1の氷払出位置とされる(図16)。
【0098】
これに伴って、回動部材76には、カバー開閉機構68が取り付けられていることから、第1のアーム78は、第1の撹拌容器6Aの氷投入口カバー27Aに設けられた操作軸30Aを案内穴78A内を移動させて氷投入口カバー27Aをカバー回動軸29A中心として削氷投入口28Aを開放する側に回動させる。これにより、氷バッファ36の削氷払出口36Cが第1の氷払出位置とされると共に、氷投入口カバー27Aにより削氷投入口28Aが開放される(図17)。
【0099】
尚、本実施例では、氷バッファ36は、所定の角度にて傾斜した状態で立設されていると共に、氷バッファ駆動部70によって氷バッファ36の上部の上面開口36Bを中心に回動させ、その下部を第1の氷払出位置と第2の氷払出位置とに移動可能とされているため、氷バッファ36を第1の氷払出位置と第2の氷払出位置とに相互に移動している際にも、スライサ35によって同位置に排出される削氷を氷バッファ36の上面開口36Bを介して氷バッファ36内に受容することができる。
【0100】
そのため、削氷生成と共に、氷バッファ36の氷払出位置の変更及び氷投入口カバー27の開放動作を実行できるため、削氷供給動作に要する時間を短縮させることができる。
【0101】
そして、氷バッファ36が第1の氷払出位置とされた状態で、氷払出シャッタ36Aが開放されると、氷バッファ36内に受容された削氷は、自重により氷バッファ36下方に配置された第1の撹拌容器6Aの削氷投入口28Aより当該第1の撹拌容器6A内に落下する。これにより、撹拌容器6A内に受容された削氷Iは、当該撹拌容器後部の傾斜面22上を滑り落ち(図8)、撹拌容器6A内には、所定量の削氷が供給される。
【0102】
そして、制御部Cは、氷払出シャッタ36Aを開放した後、所定量の削氷が氷バッファ36から第1の撹拌容器6A内に落下するのに要する時間を経過した後、氷バッファ駆動部70を駆動させ、当該第1の氷払出位置(図17)とされている氷バッファ36を氷バッファ回動軸75を中心として回動部材76を回動させることにより、削氷払出口36Cが、第2の撹拌容器6Bに形成された削氷投入口28Bに対応する第2の氷払出位置とする(図22)。
【0103】
これに伴って、回動部材76に取り付けられた第1のアーム78は、第1の撹拌容器6Aの氷投入口カバー27Aに設けられた操作軸30Aを案内穴78A内を移動させて氷投入口カバー27Aをカバー回動軸29Aを中心として削氷投入口28Aを閉塞する側に回動させる。これにより、氷バッファ36の削氷払出口36Cが第2の氷払出位置とされると共に、氷投入口カバー27Aにより削氷投入口28Aが閉塞される(図23)。以上で、削氷供給工程を終了し、制御部Cは、飲料撹拌工程に移行する。
【0104】
(飲料撹拌工程)
飲料撹拌工程では、まず、制御部Cは、撹拌部5のモータ50Mを駆動させる。モータ50Mは駆動軸50を介して各ブレード51、52、53を所定時間、回転駆動する。係る駆動軸50の回転駆動によって、各ブレード51、52、53は、撹拌容器6内に受容された削氷Iを粉砕しながら撹拌容器6内のシロップ等と混合・撹拌する。これにより、撹拌容器6内には、シロップ(飲料原料)と削氷とを撹拌混合することにより得られる所定の硬度を有するシャーベット状のフローズン飲料が製造される。
【0105】
駆動軸50の回転駆動によって、撹拌容器6内に受容されたシロップや削氷、更には、これらにより生成される飲料は、撹拌容器6内壁や蓋部材23に飛び散ることとなるが、蓋部材23に形成された削氷投入口28は、上述したように削氷投入後、カバー開閉機構68によって氷投入口カバー27によって閉塞されているため、当該削氷投入口28から筐体部2内に飲料が飛散する不都合を効果的に防止できる。
【0106】
尚、氷投入口カバー27の内面に付着した飲料は、撹拌容器6を筐体部2から取り外すことにより、撹拌容器6自体の洗浄と共に、氷投入口カバー27を洗浄することにより除去することができる。これにより、氷投入口カバー27を衛生的に維持することができ、円滑な飲料提供を実現することができる。
【0107】
また、上述したように、蓋部材23の原料粉末投入口24に対応して配設される原料シュート14の原料排出口14Aは、シャッター駆動部62により駆動制御されるシャッター61によって閉塞されているため、撹拌部5により撹拌容器6内において飲料原料や溶解用の水等を撹拌混合して飲料を製造する際に、原料シュート14の原料排出口14Aに、当該飲料等が飛散する不都合を解消することができる。
【0108】
これにより、原料シュート14の原料排出口14A付近の内壁面や、原料排出口14A縁部に飲料等の液体が付着し、放置されることで菌が繁殖する不都合を回避することができる。
【0109】
また、原料シュート14の原料排出口14A付近に液体が付着することで、以後、原料粉末を撹拌容器6に供給した際、当該液体に排出された原料粉末が付着し、適正な量の原料粉末が撹拌容器6内に排出されなくなる不都合を解消することができる。
【0110】
特に、当該液体への原料粉末の付着が放置されると、その後、当該原料粉末の付着が次第に成長していき塊を形成すると、原料シュート14の原料排出口14Aの詰まりの原因となる。係る構成とすることで、原料シュート14の原料排出口14A自体に液体が付着することを未然に防止できることから当該原料シュート14を乾燥した状態に維持でき、適正な量の原料粉末の排出を円滑とすることが可能となる。
【0111】
尚、本実施例では、制御部Cによってシャッター駆動部62により原料粉末供給時のみシャッター61を開放し、それ以外の工程では、シャッター61により原料排出口14Aを閉塞するものとしているが、これに限定されるものではなく、少なくとも撹拌部5を駆動している間、シャッター61により原料排出口14Aを閉塞するものとしても良い。
【0112】
また、シャッター61に付着した飲料は、原料シュート14を筐体部2から取り外すことにより、原料シュート14自体の洗浄と共に、シャッター61の洗浄することにより除去することができる。これにより、シャッター61を衛生的に維持することができ、円滑な飲料提供を実現することができる。
【0113】
(飲料払出工程)
次に、制御部Cは、上述した如く撹拌容器6内にて生成された飲料の払出工程を実行する。この飲料払出工程では、制御部Cは、撹拌部5のモータ50Mが停止されている状態で、昇降装置40により撹拌容器6を降下させる。回動軸45を中心として操作片42の前端部が降下され、この前端部に回動自在に取り付けられる撹拌容器6は降下されて、撹拌部5の底栓54と撹拌容器6の底部の払出口21と離間していき、底栓54と払出口21との間に空間が形成されることで払出口21が開放される。
【0114】
払出口21が開放されると、撹拌容器6内の飲料は、撹拌容器6の内壁面等に沿ってその自重により払出口21から下方に配置されるカップ9内に払い出される。
【0115】
ここで、制御部Cは、大部分の飲料を払出口21から排出するのに要する時間を経過した後、再度、昇降装置40により撹拌容器6を上昇させ、払出口21を底栓54により封止する。そして、再度、制御部Cは、昇降装置40により撹拌容器6を降下させ払出口21を開放する。
【0116】
このように、本実施例では、飲料払出工程において、2回、昇降装置40による撹拌容器6の昇降動作を実行する。これにより、撹拌容器6の昇降動作による振動によって撹拌容器6内に生成された飲料の排出促進を図ることができる。
【0117】
特に、本実施例における飲料製造装置1において生成される飲料は、氷を含むことにより、所定の硬度を有するシャーベット状のフローズン飲料であるため、撹拌容器6の内壁面に付着し自重による排出効率が悪い。しかし、このように、昇降装置40による撹拌容器6の昇降動作を2回実行することにより、当該昇降動作によって生じる振動を撹拌容器6やその内部に降下する駆動軸50等に伝えることができ、これによって、飲料の排出を促すことが可能となる。
【0118】
従って、飲料の払い出しに要する時間を短縮することができると共に、撹拌容器6内に残留する飲料の量を最小限に留めることが可能となる。尚、本実施例では、当該飲料払出工程における昇降動作を2回実行しているが、これに限定されるものではなく3回以上(複数回)、実行しても良い。
【0119】
また、更に、撹拌容器6内に残留する飲料を効率的に払い出すべく、制御部Cは、撹拌部5のモータ50Mが停止されている状態で、昇降装置40により撹拌容器6を降下させて、払出口21を開放し、大部分の飲料を払出口21から排出するのに要する時間を経過した後、再度、昇降装置40により撹拌容器6を上昇させ、払出口21を底栓54により封止する。この状態で、制御部Cは、湯供給電磁弁15を所定時間(所定の短時間)開放し、湯供給ノズル19より少量の湯を撹拌容器6内に供給する。
【0120】
そして、制御部Cは、撹拌部5のモータ50Mを所定時間(所定の短時間)駆動させ、撹拌容器6内に受容された少量の湯を撹拌容器6内に飛散させる。これによって、撹拌部5のブレード51、52、53及び駆動軸50に付着した飲料は遠心力により振り落とされると共に、撹拌容器6の内壁や撹拌部5のブレード51、52、53、駆動軸50に付着した飲料は、当該湯により洗い流され、撹拌容器6の底部の払出口21付近に貯留される。
【0121】
この状態で、再度、制御部Cは、昇降装置40により撹拌容器6を降下させ払出口21を開放し、当該撹拌容器6内の残りの飲料を払い出す。これにより撹拌容器6の内壁面に付着した飲料を少量の湯等によって洗い流すことができ、飲料の排出効率の向上を実現できる。
【0122】
特に、本実施例では、飲料には氷が含まれていることから、撹拌容器6の内壁面との温度差によって、氷が撹拌容器6の内壁面に固着する場合があるが、このように洗浄用の湯又は水を供給することで、容易に当該氷を剥離させることができる。
【0123】
尚、昇降装置40により撹拌容器6を降下させ払出口21を開放して、一度飲料を排出した後、昇降装置40により撹拌容器6を上昇させて払出口21を閉塞し、上述したように湯を供給せずに、撹拌部5の駆動軸50を回動させても良い。これによっても、駆動軸50やブレード51等に付着した飲料を振り落とすことができ、また、当該撹拌部5の駆動による振動によって撹拌容器6の内壁面に付着した飲料を落とすことができる。これによっても、効率的な飲料排出を実現できる。
【0124】
係る構成とすることで、払出口21の下方に飲料を提供するためのカップ9を設置しておくことで、撹拌容器6内に飲料を殆ど残留させることなく、衛生的にシャーベット状の飲料を提供することが可能となる。
【0125】
尚、本実施例では、撹拌容器6の底部に形成された払出口21の開閉機構として、昇降装置40による撹拌容器6の昇降を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、払出口21を閉鎖する際に、昇降装置40により撹拌容器6を上昇させると共に、撹拌部5の底栓54を下降させても良い。
【0126】
また、撹拌容器6を昇降させるのではなく、撹拌部5の底栓54を昇降させることによって、払出口21の開閉制御を行っても良い。これにより、撹拌部5を昇降させることによりブレード51、52、53等に効率的に振動を与えることができ、当該ブレード51、52、53上に付着した飲料を落とし、払い出すことが可能となる。
【0127】
(洗浄工程)
制御部Cは、洗浄工程に移行すると、昇降装置40のモータの駆動して、撹拌容器6を上昇させ、払出口21を底栓54により封止する。
【0128】
洗浄工程では、払出口21が底栓54により封止されている状態で、制御部Cは、湯供給電磁弁15を所定時間だけ開放し、湯供給ノズル19から湯投入口26を介して撹拌容器6内に所定量の湯を供給する。本実施例では、撹拌容器6内の洗浄用の湯として、駆動軸50の駆動による各ブレード51、52、53の回転により内部の洗浄用の湯が撹拌容器6内全体に回る程度の湯量を供給する。
【0129】
そして、制御部Cは、所定時間だけ撹拌部5のモータ50Mを駆動させ、駆動軸50を介して各ブレード51、52、53を回転させる。これにより、撹拌容器6内に受容された洗浄用の湯が撹拌容器6内全体に撹拌され、当該内壁面が洗浄される。
【0130】
制御部Cは、モータ50Mを停止した後、昇降装置40により撹拌容器6を降下させて払出口21を開放して、洗浄水を下方のドリップトレイ37に排出する。
【0131】
尚、当該実施例では、原料粉末の溶解性や洗浄能力を考慮して、原料粉末を溶解する手段として、更には、撹拌容器6内を洗浄する手段として湯供給ノズル19から供給される湯を採用しているが、これに限定されるものではなく、いずれも水や、湯及び水を適宜採用しても良い。
【0132】
上記実施例では、第1の撹拌容器6Aにおいて飲料を製造する場合について説明しているが、第2の撹拌容器6Bにおいて飲料を製造する場合には、削氷供給工程において、制御部Cは、氷バッファ駆動部70を駆動させ、氷バッファ36の削氷払出口36Cを第2の撹拌容器6Bに形成された削氷投入口28Bに対応する第2の氷払出位置とする(図23)。これに伴って、回動部材76に取り付けられたカバー開閉機構68を構成する第2のアーム79は、第2の撹拌容器6Bの氷投入口カバー27Bに設けられた操作軸30Bを案内穴79A内を移動させて氷投入口カバー27Bをカバー回動軸29B中心として削氷投入口28Bを開放する側に回動させる。これにより、氷バッファ36の削氷払出口36Cが第2の氷払出位置とされると共に、氷投入口カバー27Bにより削氷投入口28Bが開放される(図23)。
【0133】
そして、第2の氷払出位置とされた氷バッファ36の氷払出シャッタ36Aが開放されると、氷バッファ36内に受容された削氷は、自重により氷バッファ36下方に配置された第2の撹拌容器6Bの削氷投入口28Bより当該第2の撹拌容器6B内に落下する。
【0134】
削氷投入後は、制御部Cは、上記と同様に、氷バッファ駆動部70を駆動させ、当該第2の氷払出位置(図23)とされている氷バッファ36を削氷払出口36Cが、第1の撹拌容器6Aに形成された削氷投入口28Bに対応する第1の氷払出位置とする(図17)。
【0135】
これに伴って、回動部材76に取り付けられた第2のアーム79は、第2の撹拌容器6Bの氷投入口カバー27Bに設けられた操作軸30Bを案内穴79A内を移動させて氷投入口カバー27Bをカバー回動軸29Bを中心として削氷投入口28Bを閉塞する側に回動させる。これにより、氷バッファ36の削氷払出口36Cが第1の氷払出位置とされると共に、氷投入口カバー27Bにより削氷投入口28Bが閉塞される(図17)。
【0136】
このように、筐体部2内に2つの撹拌容器6A、6Bにより飲料の製造を行う装置において、単一の氷バッファ36によってそれぞれの撹拌容器6A、6Bに任意に削氷を供給することが可能となるため、それぞれの撹拌容器6A、6Bに対応させた氷バッファを設ける必要が無くなり、生産コストの低廉化を実現することができる。
【0137】
また、氷バッファ駆動部70は、氷バッファ回動軸75により、氷バッファ36の上面開口36Bの位置を変更することなく、その削氷払出口36Cを第1の氷払出位置と、第2の氷払出位置へと移動させることができるため、簡素な構成にて氷バッファ36からの氷払出位置を任意に変更でき、単一の氷バッファ36による2つの氷払出位置での氷払出を円滑に実現することができる。
【0138】
また、本実施例では、カバー開閉機構68を構成し、第1の撹拌容器6Aの氷投入口カバー27Aを開閉させる第1のアーム78と、同じくカバー開閉機構68を構成し、第2の撹拌容器6Bの氷投入口カバー27Bを開閉させる第2のアーム79とは、所定角度を維持して氷バッファ回動軸75を中心として回動自在となるように取り付けられているため、第1のアーム78に保持される第1の氷投入口カバー27Aを動作させて第1の撹拌容器6Aの削氷投入口28Aを開放した際、第2のアーム79に保持される第2の氷投入口カバー27Bを同時に動作させて第2の撹拌容器6Aの削氷投入口28Bを閉鎖できる。同様に第2のアーム79に保持される第2の氷投入口カバー27Bを動作させて第2の撹拌容器6Bの削氷投入口28Bを開放した際、第1のアーム78に保持される第1の氷投入口カバー27Aを同時に動作させて第1の撹拌容器6Aの削氷投入口28Aを閉鎖できる。
【0139】
これにより、同一の動作によって、各撹拌容器6A、6Bの開閉動作を実現することが可能となるため、装置の簡素化を実現することができる。
【0140】
次に、図32乃至図35を参照して、他の実施例としての原料シュートのシャッターの構成について説明する。図32は飲料原料供給部3の斜視図(シャッター閉塞時)、図33は図32の側面図、図34は飲料原料供給部3の斜視図(シャッター開放時)、図35は図34の側面図をそれぞれ示している。当該実施例では、上記実施例における原料シュートとそのシャッターの構成のみが異なり、他の構成は、上記実施例と同様であるため、説明を省略する。そのため、各図において、上記実施例と同様の効果を奏するものは同一の符号をしている。
【0141】
原料粉末供給部8を構成する原料シュート85は、上記実施例の原料シュート14と同様に、上端にキャニスタ13の排出口13Bが接続される開口を有すると共に、下端が開放された原料排出口85Aが形成され、上端から下端に行くに従って、先細り形状とされている。
【0142】
ここで、上記キャニスタ13は、図33に示す如き取付部材86を介して筐体部2の前部に取り付けられている。この取付部材86の前端部は、左右に渡って上方に開放した断面略コ字状の係合部86Aが形成されており、この係合部86Aの前面には、原料シュート85を係止させるための吊下部材87が取り付けられている。この吊下部材87は、下端が係合部86Aとの取付面に対し所定の鋭角を形成するように前方に向けて折曲形成された吊下面87Aを有している。
【0143】
他方、原料シュート85は、後壁上端が後方に延出して形成されると共に、この延出した面は下方に向けて所定角度をなすように傾斜して形成された係止面85Bとされる。これにより、原料シュート85は、係止面85Bを吊下部材87の吊下面87Aに係止されることにより取り付けられる。なお、この状態において、原料シュート85は、下端が前後に所定角度の範囲で移動自在となる。
【0144】
即ち、原料シュート85が取付部材86の水平面(キャニスタ13の載置面)に対し、略垂直とされた状態では、当該原料シュート85の原料排出口85Aが撹拌容器6の原料粉末投入口24よりも前方に退避した位置(退避位置。図32、図33)となり、当該位置よりも原料シュート85の原料排出口85Aが後方に傾斜した状態では、当該原料排出口85A撹拌容器6の原料粉末投入口24に原料粉末を案内する位置(原料投入位置。図34、図35)とされる。
【0145】
ここで、原料シュート85の下端に位置する原料排出口85Aの後縁には、後方に延在して構成されるシャッター88が取り付けられている。このシャッター88は、板状部材により構成されており、その後縁が下方に垂下して折曲されるシャッターフランジ88Aとされる。このシャッター88は、原料シュート85が前記退避位置とされた際に、当該原料粉末投入口24を上方から閉塞し、原料シュート85が原料投入位置とされた際に、当該原料粉末投入口24を開放する。
【0146】
そして、この原料シュート85の背面(係る実施例では背面としているが、これ以外の位置であっても良い)に対応する筐体部2前面には、当該原料シュート85を原料投入位置と、待機位置とに駆動制御するシャッター駆動部89が設けられている。
【0147】
係る実施例において、シャッター駆動部89は、制御部Cにより通電制御されるソレノイド89Aと、当該ソレノイド89Aによって駆動される操作片89Bとから構成される。この操作片89Bは、ソレノイド89Aの作用によって原料シュート85を前方に押圧して原料排出口85Aを前方に退避させて、シャッター88により撹拌容器6の原料粉末投入口24を閉塞する状態と、それ自体が退避して原料シュート85を自重によって原料排出口85Aを撹拌容器6の原料粉末投入口24に原料粉末を案内する状態とに駆動制御される。係る実施例では、シャッター駆動部89は筐体部2前面に取り付けられているが、これ以外にも、例えば、当該原料シュート85の背面に対応する位置となるように取付部材86に取り付けられていても良い。
【0148】
係る構成により、上記実施例と同様に飲料原料供給工程において、制御部Cは、シャッター駆動部89のソレノイド89Aを通電制御し、原料シュート85を上端に設けられた吊下部材87を中心として自重により後方に回動させ、シャッター88により撹拌容器6の原料粉末投入口24を開放し、当該原料シュート85の原料排出口85Aを原料粉末投入口24に原料粉末を案内する位置(開放位置)とする。
【0149】
そして、キャニスタモータ13Mの駆動によりキャニスタ13から排出された原料粉末を原料シュート85を介して当該原料シュート85の下端に形成される原料排出口85Aより撹拌容器6の原料粉末投入口24を介して当該撹拌容器6内に排出される。
【0150】
所定量の原料粉末が撹拌容器6内に供給された後、制御部Cは、シャッター駆動部89のソレノイド89Aを通電制御し、原料シュート85を上端に設けられた吊下部材87を中心として前方に回動させ、当該原料シュート85の原料排出口85Aを原料粉末投入口24から前方に退避させると共に、シャッター88により撹拌容器6の原料粉末投入口24を閉塞する位置(閉塞位置)とする。以後、上記実施例と同様に撹拌工程に移行し、撹拌容器6内において受容物の撹拌を実行する。
【0151】
これにより、蓋部材23の原料粉末投入口24は、シャッター駆動部89により駆動制御されるシャッター88によって閉塞されているため、撹拌部5により撹拌容器6内において飲料原料や溶解用の水等を撹拌混合して飲料を製造する際に、原料粉末投入口24から、撹拌容器6に向けて開口されている原料シュート85の原料排出口85Aや、他の機器が配設される筐体部2内部に向けて、当該飲料等が飛散する不都合を解消することができる。
【0152】
これにより、原料シュート85の原料排出口85A付近の内壁面や、原料排出口85A縁部に飲料等の液体が付着し、放置されることで菌が繁殖する不都合を回避することができる。特に、原料粉末投入口24から筐体部2内部に向けて飲料が飛び散る不都合を効果的に防止することができるため、掃除し難い筐体部2内部を衛生的に維持することが可能となる。
【0153】
また、係る実施例においても、原料シュート85の原料排出口85A付近に液体が付着することで、以後、原料粉末を撹拌容器6に供給した際、当該液体に排出された原料粉末が付着し、適正な量の原料粉末が撹拌容器6内に排出されなくなる不都合を解消することができる。
【0154】
特に、当該液体への原料粉末の付着が放置されると、その後、当該原料粉末の付着が次第に成長していき塊を形成すると、原料シュート85の原料排出口85Aの詰まりの原因となる。係る実施例によれば、原料シュート85の原料排出口85A自体に液体が付着することを未然に防止できることから当該原料シュート85を乾燥した状態に維持でき、適正な量の原料粉末の排出を円滑とすることが可能となる。
【0155】
特に、係る実施例では、シャッター駆動部89を構成するソレノイド89Aは、操作片89Bを前方に押圧して原料排出口85Aを前方に退避させ、シャッター88により撹拌容器6の原料粉末投入口24を閉塞する。この際、シャッター88の後縁に形成されるシャッターフランジ88Aが撹拌容器6の原料粉末投入口24に起立したフランジ24Aの後縁に当接して当該シャッター88により原料粉末投入口24の閉塞状態が維持されるため、シャッター88により原料粉末投入口24を隙間無く閉塞することができる。従って、容易に当該原料粉末投入口24から飲料等が漏れ出る不都合を防止することができる。
【0156】
また、係る実施例においても、上記実施例と同様に、制御部Cによってシャッター駆動部89により原料粉末供給時のみシャッター88を開放し、それ以外の工程では、シャッター88により原料粉末投入口24を閉塞するものとしているが、これに限定されるものではなく、少なくとも撹拌部5を駆動している間、シャッター88により原料粉末投入口24を閉塞するものとしても良い。
【0157】
シャッター88に付着した飲料は、原料シュート85を筐体部2から取り外すことにより、原料シュート85自体の洗浄と共に、シャッター88を洗浄することにより除去することができる。これにより、シャッター88を衛生的に維持することができ、円滑な飲料提供を実現することができる。
【0158】
また、係る実施例では、原料シュート85をシャッター駆動部89により駆動させて原料シュート85下部に設けられたシャッター88によって原料粉末投入口24の開閉制御を行っているが、これに限定されるものではなく、撹拌容器6の蓋部材23に原料粉末投入口24を開閉するシャッターを設けて、シャッター駆動部89により退避位置と、原料投入位置とに移動する原料シュート85によって当該シャッターを開閉制御しても良い。
【0159】
次に、図36乃至図43を参照して、もう一つの他の実施例としての撹拌容器6の削氷投入口28の氷投入口カバー27の構成について説明する。図36は撹拌容器6の削氷投入口28開放時の斜視図、図37は図36の平面図、図38は図36の側面図、図39は図36の背面図、図40は撹拌容器6の削氷投入口28閉鎖時の斜視図、図41は図40の平面図、図42は図40の側面図、図43は図40の背面図をそれぞれ示している。係る実施例において、氷バッファ駆動部70により駆動されるカバー開閉機構68は、上記実施例と同様の構成であるものとし、各図では、一方の撹拌容器、この場合第1の撹拌容器6Aのみを示している。
【0160】
係る実施例における撹拌容器6は、上記実施例と同様に削氷を投入するための削氷投入口28が形成されている。そして、この削氷投入口28は、氷投入口カバー93により開閉自在に閉塞される。
【0161】
ここで、氷投入口カバー93は、当該削氷投入口28の近傍であって、本実施例では、氷バッファ回動軸75側に位置して撹拌容器6の蓋部材23に設けられるカバー回動軸29Aにより回動自在とされることで、平面上で位置を変化させて削氷投入口28を開閉させる。
【0162】
そして、この氷投入口カバー93は、撹拌容器6の蓋部材23に対して略垂直に立設されるカバー回動軸29Aに対し、削氷投入口28を開放する際に移動する方向に向けて低く傾斜して設けられる。即ち、カバー回動軸29Aを中心として氷投入口カバー93を回動させて削氷投入口29を閉塞する際、最後に当接する削氷投入口28縁部側が高く、削氷投入口29を開放する際、最後に離間する削氷投入口28縁部側が低くなるように傾斜して設けられる。
【0163】
また、撹拌容器6の蓋部材23に形成される削氷投入口28の縁部には、上方に向けて立設される縦壁92が形成されており、当該縦壁92の高さ寸法は、氷投入口カバー93が削氷投入口28を開放する際に移動する方向の側が低く、その反対側が高く設定されている。
【0164】
即ち、当該削氷投入口28の縦壁92は、削氷投入口28が氷投入口カバー93にて閉塞された状態で、その傾斜に沿って形成され、これらが略きっちりと当接される形状とされている。
【0165】
また、この氷投入口カバー93は、削氷投入口28を閉塞した状態で、氷投入口カバー93の縁部は、縦壁92よりも所定寸法だけ外側に位置するように、外縁が削氷投入口28よりも大きく形成されている。
【0166】
そして、この氷投入口カバー93が削氷投入口28を開放する際に移動する側の氷投入口カバー93の縁部には、撹拌容器6側に延在するフランジ93Aが形成されている。
【0167】
係る構成により、上記実施例と同様に、当該氷投入口カバー93が氷バッファ駆動部70により駆動されるカバー開閉機構68によって削氷投入口28を開放する側にカバー回動軸29Aを中心として回動されると、当該氷投入口カバー93は、その傾斜状態を維持したまま、カバー回動軸29Aを中心として平面上で位置を変化させていくため、氷投入口カバー93を開放させはじめると直ぐに、当該氷投入口カバー93と削氷投入口28の縦壁92上端部とが離間する。
【0168】
そのため、氷投入口カバー93により削氷投入口28を開放する過程において、これら氷投入口カバー93の内面(下面)と削氷投入口28縁部、即ち、縦壁92の上端部とを非接触とすることができる。
【0169】
これにより、上記実施例における飲料撹拌工程において、撹拌部5による撹拌容器6内に受容されている受容物の撹拌過程において氷投入口カバー93の内面に飛散し付着した飲料は、縦壁92の上端部によって擦り切られることなく、氷投入口カバー93に付着したまま、当該氷投入口カバー93が開放される。
【0170】
そして、上述したように氷バッファ駆動部70により駆動されるカバー開閉機構68によって氷投入口カバー93が削氷投入口28を閉塞する側にカバー回動軸29Aを中心として回動されると、氷投入口カバー93の下面は、閉塞する過程で徐々に削氷投入口28の縦壁92上端部と非接触の状態を維持して近接していき、完全に閉塞される際に、これら縦壁92の上端部と氷投入口カバー93の下面とが当接して、きっちり当該削氷投入口28を封止する。
【0171】
そのため、氷投入口カバー93の削氷投入口28を被覆する部分に対応する面は、開閉操作によって、他の部分と接触しない構成とすることができる。これにより、撹拌容器6内において製造される飲料と接触する氷投入口カバー93の係る面を衛生的に維持することができ、安全な飲料の提供を実現することができる。
【0172】
また、この氷投入口カバー93の内面に付着した飲料は、一部がその傾斜に沿ってフランジ93A側に向かって流下していく。フランジ93Aに到達した飲料は、その下端より撹拌容器6の蓋部材23上面に導かれることとなる。このとき、氷投入口カバー93の最も低い位置に形成されるフランジ93Aと氷投入口カバー93の下面及び縦壁92との間には、所定の寸法の隙間が形成される。この隙間に当該滴下した飲料が滞留されると、撹拌容器6の蓋部材23上面に付着した埃等がかかる飲料に混入することとなる。
【0173】
しかし、当該埃等が混入した飲料は、氷投入口カバー93の最も低い位置(フランジ93A側)に付着しているため、氷投入口カバー93により削氷投入口28を開閉動作させても、その過程で係る部分は削氷投入口28上を通過しないため、当該削氷投入口28を介して撹拌容器6内に混入される不都合を回避することができる。
【0174】
このように、氷投入口カバー93の下面を、飲料が付着しても衛生を維持できる面と、埃等が混入し衛生が維持できない部分とに棲み分けさせて、当該氷投入口カバー93による削氷投入口28の開閉を行うことができるため、撹拌容器6内に埃等が付着した飲料が逆流する不都合を回避でき、安全な飲料提供を実現することができる。
【0175】
また、係る実施例では、氷投入口カバー93を平面上で位置を変化させて削氷投入口28を開閉する手段としてカバー回動軸29Aを中心とする回動操作が採用されているため、簡素な構成にて実現することができる。
【0176】
更に、係る実施例では、氷投入口カバー93が削氷投入口28を閉塞した際、氷投入口カバー93の縁部は縦壁92よりも所定寸法外側に位置するように構成されているため、氷投入口カバー93の縁部にまで流下した飲料が、削氷投入口28上にまで逆流し、埃が混入した状態で撹拌容器6内に侵入する不都合を回避できる。
【0177】
また、氷投入口カバー93が削氷投入口28を開放する際に移動する側の氷投入口カバー93の縁部には、撹拌容器6側に延在するフランジ93Aが形成されているので、氷投入口カバー93の縁部にまで流下した飲料を当該フランジ93Aにより撹拌容器6側に円滑に導くことができる。これによっても、氷投入口カバー93の縁部にまで流下し、埃が混入した状態の飲料が、削氷投入口28上にまで逆流し、撹拌容器6内に侵入する不都合を回避できる。
【0178】
尚、係る実施例では、撹拌容器6に対して垂直に立設されたカバー回動軸29Aを回動させることにより、所定の角度にて傾斜して設けられた氷投入口カバー93を回動させて削氷投入口28を開閉しているが、これに限定されるものではなく、例えば、撹拌容器6の上面に対して略水平に設けられた氷投入口カバーを撹拌容器6に対して所定の角度にて傾斜して立設されたカバー回動軸により回動させて、削氷投入口28を開閉させても良い。これによっても、閉塞状態から開放させて直ぐに当該氷投入口カバーと削氷投入口縁部とを離間させることが可能となる。
【符号の説明】
【0179】
C 制御部(制御手段)
1 飲料製造装置
2 筐体部(本体)
3 飲料原料供給部
4 削氷供給部
6、6A、6B 撹拌容器
8 原料粉末供給部
9 カップ
10 製氷部
13 キャニスタ
13A 粉末充填口
13B 排出口
13C 蓋
14 原料シュート
14A 原料排出口
14B 係止片
19 湯供給ノズル(溶解用水供給部)
20 上面開口
21 払出口
23 蓋部材
24 原料粉末投入口
24A フランジ
25 軸孔
26 湯投入口
27、27A、27B、93 氷投入口カバー
28、28A、28B 削氷投入口
29A、29B カバー回動軸
30A、30B 操作軸
36 氷バッファ
40 昇降装置
41 固定部材
50 駆動軸
50M モータ
51、52、53 ブレード
54 底栓
59 削氷重量計測部
61 シャッター
62 シャッター駆動部
65 原料シュート取付部
68 カバー開閉機構
70 氷バッファ駆動部
75 氷バッファ回動軸
76 回動部材
78 第1のアーム
79 第2のアーム
78A、79A 案内穴
78B、79B 傾斜辺(傾斜フランジ)
80 ヒンジ部材
83 コントロールパネル
85 原料シュート
88 シャッター
88A シャッターフランジ
89 シャッター駆動部
92 縦壁
93A フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撹拌容器に飲料原料を供給する飲料原料供給部と、所定の粗さで氷を削ることにより形成された削氷を前記撹拌容器に供給する削氷供給部と、前記撹拌容器の内部に受容されている受容物を混合する撹拌部と、前記飲料原料供給部と、前記削氷供給部と、前記撹拌部を制御する制御部とを備え、前記撹拌容器に受容された飲料原料及び削氷を撹拌して飲料を製造する飲料製造装置において、
前記撹拌部は、モータと、該モータから前記撹拌容器内に降下する駆動軸に固定されるブレードとを有すると共に、
前記撹拌容器の底部に形成された払出口と、
前記撹拌部の駆動軸下端部に回転自在に取り付けられ、前記撹拌容器の払出口を開閉可能に封止する底栓と、
前記撹拌容器を降下させ、及び/又は、前記撹拌部を上昇させて前記払出口を開放し、前記撹拌容器を上昇させ、及び/又は、前記撹拌部を降下させて前記底栓により前記払出口を封止する昇降動作を実行する昇降装置を備え、
前記制御部は、前記撹拌容器内で製造された飲料を排出する際、前記昇降装置による昇降動作を複数回実行することを特徴とする飲料製造装置。
【請求項2】
前記飲料原料供給部は、前記撹拌容器に湯又は水を供給する水供給手段を備え、
前記制御部は、前記飲料を排出する際、前記昇降装置による昇降動作を実行した後、前記水供給手段により洗浄用の湯又は水を供給し、再度前記昇降装置による昇降動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記飲料を一度排出した後、前記昇降装置を駆動して前記底栓により前記払出口を封止し、その状態で前記モータを駆動して前記ブレードを回転し、その後、再び前記昇降装置による昇降動作を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲料製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate


【公開番号】特開2010−273639(P2010−273639A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131141(P2009−131141)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】