説明

飲料調理用温水器、電気温水器、及び飲料調理用ワイヤレス電気温水器

【課題】蓋の開閉が容易な飲料調理用温水器、飲料調理用電気温水器、飲料調理用ワイヤレス電気温水器を提供する。
【解決手段】温水器は本体2の底面3に設けてある内容器4と、内容器4の上ポートに設けてある漏斗5と、漏斗5に設けてある上濾過層6及び下濾過層8と、内容器4に設けて本体ポートをカバーする蓋8と、蓋8に設けられ内容器4の腔から本体4と内容器4との間の腔へ通じているパイプ9とを備える。これにより、蓋8の操作が容易であり、使用者が高温になる漏斗5に接触し難いため、火傷を避けるとともに、本体2の内部との接触汚染による不衛生が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱技術に関するものであり、飲料調理用温水器、電気温水器、飲料調理用ワイヤレス電気温水器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1である「飲料調理用温水器、電気温水器、飲料調理用ワイヤレス電気温水器」には、飲料調理用温水器が開示されている。前記飲料調理用温水器は、本体内の底面に内容器を、内容器の上ポートに漏斗を、漏斗に下濾過層及び上濾過層を設け、上濾過層を内容器の上ポートをカバーする蓋面に設置している。使用する時、本体底部を加熱し、内容器中の水が沸騰した後、漏斗の下ポートから上向けて上濾過層及び下濾過層を通過して湧き出す。上濾過層と下濾過層との間に茶葉やコーヒー粉を入れると、熱いお湯に晒されて芳香のあるお茶やコーヒーが抽出される。
【0003】
しかしながら、その欠点として、内容器の上端に内容器のみをカバーする蓋があり、本体にも本体の上ポートをカバーする蓋があるので、内容器中の水が沸騰した場合、生じた蒸気が漏斗の上ポートから内容器上の蓋だけでなく本体の蓋にも飛び出す。このように、お茶やコーヒーを入れた時、本体の蓋底面に茶しぶやコーヒー汚れが一杯になるとともに、本体の蓋表面が高温になり、使用者が本体蓋や内容器蓋を開き難く、使用者の操作に不便である。また、内容器の蓋を開く時、使用者の手が蓋の外表面に触れるはずなので、内容器の蓋表面は汚染して不衛生になりやすい。
【0004】
【特許文献1】中国特許出願第031268358号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第一の目的は、蓋の開閉が容易な飲料調理用温水器を提供することにある。
本発明の第二の目的は、蓋の開閉が容易な飲料調理用電気温水器を提供することにある。
本発明の第三の目的は、蓋の開閉が容易な飲料調理用ワイヤレス電気温水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の目的を実現させるために、飲料調理用温水器は、本体と、本体内の本体底面に設けてある内容器と、前記内容器の上ポートに設けてある漏斗、前記漏斗に設けてある上濾過層及び下濾過層と、前記内容器に設けて本体ポートをカバーする蓋と、前記蓋に設けて内容器の腔から本体と容器との間の腔へ通じているパイプを備える。
【0007】
本発明の第二の目的を実現させるために、前記飲料調理用電気温水器は、電気加熱器と、電気加熱器のある本体内の本体底面に設けてある内容器と、前記内容器の上ポートに設けてある漏斗、前記漏斗上に設けてある上濾過層及び下濾過層と、前記内容器に設けて本体ポートをカバーする蓋と、前記蓋に設けて内容器の腔通から本体と容器との間の腔へ通じているパイプを有する。
【0008】
本発明の第三の目的を実現させるために、前記飲料調理用ワイヤレス電気温水器は、電気加熱器と、本体と、台座と、を有し、本体が台座に設置し、本体と台座との間に電気加熱器と電気接続している第一電気コネクターと、電源コードと電気接続している第二電気コネクターとを設け、本体の本体底面に設けてある内容器と、前記内容器の上ポートに設けてある漏斗と、前記漏斗に設けてある上濾過層及び下濾過層と、前記内容器に設けて本体ポートをカバーする蓋と、前記蓋に設けて内容器の腔から本体と容器との間の腔へ通じているパイプを有する。
【0009】
また、各発明では、内容器に本体ポートをカバーする蓋を、前記蓋に内容器の腔から本体と容器との間の腔へ通じているパイプを設けてあるため、内容器中の水が沸騰した後、漏斗の下ポートから上ポートを飛び出し、パイプにて内容器と本体との間の腔へ進入する。使用者が茶葉やコーヒー粉を漏斗に入れる時、漏斗のポート部に触れなく、蓋の縁を持つだけで簡単に開け、操作に方便で、高温になる漏斗に接触しない。そのため、火傷を避けるとともに、本体内部との接触による汚染・不衛生がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
図1、図4、図5、図5に示すように、本発明の前記飲料調理用温水器は、本体2と、本体底面3と、内容器4と、漏斗5と、上濾過層6と、下濾過層7と、蓋8と、パイプ9と、隔離腔11と、面10と、蓋取手12と、内容器底面13と、を備える。
【0011】
本体2は、金属材料(ステンレスなど)でもプラスチックでも製作できる。本体底面3はストーブなどの熱源で加熱できるように金属材料で製作する。本体をプラスチックで形成することにより、必要な外形が製作できる。前記蓋8は本体2の上ポートをカバーする面があり、この面に下へ伸びて内容器4の上ポートをカバーするリング18があり、蓋8が内容器4の上ポートに締め付けて脱落しないように前記内容器4とリング18との間に相互に結合できるねじがある。前記パイプ9はL管で、一端が蓋8の凹腔側壁に、もう一端が下へ向けて本体2の腔に通じている。前記蓋8にはパイプ9をカバーしてパイプ9との間に隔離腔11を形成させる面10があり、使用する時、パイプ9に蒸気が通過し、表面で一定の高温になるが、隔離腔11の隔離により、面10の温度が大幅に低減し、使用者が面10の如何なる部位に接触しても火傷にならない。前記面10には使用者が蓋8を持てるように蓋取手12を有する。前記内容器4は金属、または金属とプラスチックを組み合わせて製作するが、内容器底面13は熱源を受けるために必ず金属材料で製作しなければならない。内容器4はプラスチックでも金属でも製作できる。また、加熱される部分が熱源に集中できるように、前記内容器底面13と本体1の本体底面との重合部分では下へ伸びて凹面を形成させ、内容器底面13と本体1の本体底面3との重合しない部分ではできるだけ加熱の熱源から離れている。これにより、加熱効率を向上させるとともに、本体1の表面は熱を直接に受けないため温度が低下する。前記内容器底面13は誘磁金属板で、例えば薄鋼板を使用すると、飲料調理用温水器が電磁誘導加熱器で加熱できる以外に、ストーブで加熱でき、使用に便利である。
【0012】
図2、4、5、6のように、本実施例の前記飲料調理用電気温水器は、電気加熱器1と、本体2と、本体底面3と、内容器4と、漏斗5と、上濾過層6と、下濾過層7と、蓋8と、パイプ7と、面10と、隔離腔11と、蓋取手12と、内容器底面13と、断水検知器付温度制御器14と、を有する。
前記本体2、本体底面3、内容器4、漏斗5、上濾過層6、下濾過層7、蓋8、パイプ9は、その構造や相互の位置関係が飲料調理用温水器と同じである。
【0013】
前記電気加熱器1は、内容器4の内容器底面13に設置されている。電気加熱器1に電源を投入して発熱させると、熱エネルギーは内容器底面13に集中される。内容器4内の水が沸騰し水分がなくなった場合、内容器底面13は無水で温度が上がるが、本体底面3の外縁に水があるため、本体全体は過熱で損害にならない。また、内容器4も高温になるが、その周囲に水が覆うため損害にならない。
【0014】
前記内容器底面13には、断水検知器付温度制御器14が搭載されている。内容器14内の水が沸騰し水分がなくなった場合、内容器底面13は無水で温度が上がるが、この時、断水検知器付温度制御器14はその異常な温度を検知して動作し、電気加熱器14の電源を遮断する。一般的に、内容器4は、その中の水がなくなるまで温度が100℃以下であるが、その中の水がなくなった場合、温度が短時間で100℃以上になるため、適切な温度点で動作させる温度制御器を選定して断水検知器付温度制御器14とする。
【0015】
前記内容器底面13と本体1の本体底面3とが重なり合っている部分は、下へ伸びて凹面を形成させている。前記凹面には、断水検知器付温度制御器14が搭載されている。電気加熱器14に生じた熱は、内容器底面13に集中しているため、本体底面3の周辺へ伝導しにくく、本体1の低温度を維持する。また、万一、内容器底面13に水がなくなった場合、断水検知器付温度制御器14は直接に検知して短時間に動作する。
【0016】
図3、4、5、6に示すように、本実施形態の前記飲料調理用ワイヤレス電気温水器は、電気加熱器1と、本体2と、本体底面3と、内容器4と、漏斗5と、上濾過層6と、下濾過層7、蓋8と、パイプ9と、面10、隔離腔11と、蓋取手12と、内容器底面13と、断水検知器付温度制御器14と、台座15と、第一電気コネクター16と、第二電気コネクター17と、を備える。
【0017】
本実施形態の飲料調理用ワイヤレス電気温水器は、図2のような前記飲料調理用電気温水器に対して、台座15と、第一電気コネクター16と、第二電気コネクター17とが追加されている。使用する時、本体1を台座15の上に設置し、第一電気コネクター16と第二電気コネクター17とを接続させるだけで、電気加熱器1は電源が投入されて加熱を開始する。また、本体1を台座15から分離すると、電気加熱器1は加熱を実施しない。
【0018】
以上のように、本発明は蓋の構造設計や本体の本体底面及び内容器の内容器底面の構造の改善により、蓋の温度を低減させ、使用者による蓋の開放が容易である。また、蓋の内表面の汚れを減少させ、洗浄が容易になり、蒸気の本体ポートからの直接な噴出を避け、使用が便利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例による飲料調理用温水器の構造図。
【図2】本発明の実施例による飲料調理用電気温水器の構造図。
【図3】本発明の実施例による飲料調理用ワイヤレス電気温水器の構造図。
【図4】図1、図2、図3に示す蓋の構造図。
【図5】図4のA−A線における断面図。
【図6】図1、図2、図3に示す蓋の立体構造図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(2)と、
本体(2)内の本体底面(3)に設けてある内容器(4)と、
前記内容器(4)の上ポートに設けてある漏斗(5)と、
前記漏斗(5)に設けてある上濾過層(6)及び下濾過層(7)と、
前記内容器(4)に設けられ本体(2)のポートをカバーする蓋(8)と、
前記蓋(8)に設けられ内容器(4)の腔から本体(2)と容器(4)間の腔へ通じているパイプ(9)と、
を備えることを特徴とする飲料調理用温水器。
【請求項2】
前記蓋(8)に設けられて下方へ伸び、内容器(4)の上ポートにセットされるリング(18)を有し、リング(18)と内容器(4)との間に相互に結合するねじを有することを特徴とする請求項1記載の飲料調理用温水器。
【請求項3】
前記蓋(8)は、パイプ(9)をカバーしてパイプ(9)との間に隔離腔(11)を形成する面(10)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の飲料調理用温水器。
【請求項4】
前記面(10)に蓋取手(12)が設けられていることを特徴とする請求項3記載の飲料調理用温水器。
【請求項5】
前記内容器底面(13)と本体(1)の本体底面(3)とが重なり合う部分は、下へ伸びて凹面を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の飲料調理用温水器。
【請求項6】
前記内容器底面(13)は、誘磁性の金属板であることを特徴とする請求項1又は2記載の飲料調理用温水器。
【請求項7】
電気加熱器(1)と、
電気加熱器(1)を有する本体(2)内の本体の底面(3)に設けてある内容器(4)と、
前記内容器(4)の上ポートに設けてある漏斗(5)と、
前記漏斗(5)に設けてある上濾過層(6)及び下濾過層(7)と、
前記内容器(4)に設けられ本体(2)のポートをカバーするる蓋(8)と、
前記蓋(8)に設けられ内容器(4)の腔から本体(2)と容器(4)間の腔へ通じているパイプ(9)を有することを特徴とする飲料調理用電気温水器。
【請求項8】
前記蓋(8)に設けられ、下方へ伸びて内容器(4)の上ポートにセットするリング(18)と、リング(18)と内容器(4)との間に設けられ相互に結合するねじを有することを特徴とする請求項7記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項9】
前記蓋(8)は、パイプ(9)をカバーしてパイプ(9)との間に隔離腔(11)を形成する面(10)を有することを特徴とする請求項7又は8記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項10】
前記面(10)に蓋取手(12)が設けられていることを特徴とする請求項9記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項11】
前記電気加熱器(1)は、内容器(4)の内容器底面(13)に設置されていることを特徴とする請求項7又は8記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項12】
前記内容器底面(13)に、断水検知器付温度制御器(14)が設けられていることを特徴とする請求項11記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項13】
前記内容器底面(13)と本体(1)の本体底面(3)とが重なり合った部分が下方へ伸びて凹面を形成することを特徴とする請求項7又は8記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項14】
前記凹面に断水検知器付温度制御器(14)が設けられていることを特徴とする請求項13記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項15】
電気加熱器(1)と、本体(2)と、台座(15)とを備え、
本体(2)は台座(15)に設置され、本体(2)と台座(15)との間に、電気加熱器(1)と電気的に接続している第一電気コネクター(16)、及び電源コードと電気的に接続している第二電気コネクター(17)とが設けられ、
本体(2)の本体底面(3)に設けられている内容器(4)、前記内容器(4)の上ポートに設けられている漏斗(5)、前記漏斗(5)に設けられている上濾過層(6)及び下濾過層(7)を有し、
前記内容器(4)に設けられ本体(2)ポートをカバーする蓋(8)、及び前記蓋(8)に設けて内容器(4)の腔から本体(2)と容器(4)との間の腔へ通じているパイプ(9)を有することを特徴とする飲料調理用ワイヤレス電気温水器。
【請求項16】
前記蓋(8)は、下方へ伸びて内容器(4)の上ポートにセットするリング(18)と、リング(18)と内容器(4)との間に相互に結合するねじを有することを特徴とする請求項15記載の飲料調理用電気温水器。
【請求項17】
前記蓋(8)は、パイプ(9)をカバーしてパイプ(9)との間に隔離腔(11)を形成する面(10)を有することを特徴とする請求項15又は16記載の飲料調理用ワイヤレス電気温水器。
【請求項18】
前記面(10)に蓋取手(12)が設けられていることを特徴とする請求項17記載の飲料調理用ワイヤレス電気温水器。
【請求項19】
前記電気加熱器(1)は、内容器(4)の内容器底面(13)に設置されていることを特徴とする請求項15又は16記載の飲料調理用ワイヤレス電気温水器。
【請求項20】
前記内容器底面(13)には、断水検知器付温度制御器(14)が設けられていることを特徴とする請求項19記載の飲料調理用ワイヤレス電気温水器。
【請求項21】
前記内容器底面(13)と本体(1)の本体底面(3)とが重なり合った部分が下方へ伸びて凹面を形成することを特徴とする請求項15又は16記載の飲料調理用ワイヤレス電気温水器。
【請求項22】
前記凹面に断水検知器付温度制御器(14)が設けられていることを特徴とする請求項21記載の飲料調理用ワイヤレス電気温水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−532276(P2007−532276A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508713(P2007−508713)
【出願日】平成17年3月21日(2005.3.21)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000357
【国際公開番号】WO2005/102124
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(505436483)
【Fターム(参考)】