説明

飼料運搬方法及びその装置

【課題】本発明は、農場から飼料製造工場まで小分け用の飼料運搬車で往復する時間や手間が省け、小分け用の飼料運搬車の台数を増やさずに済むことに加え、飼料運搬車への飼料の積替えを容易にした飼料運搬装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、飼料製造工場で製造した飼料を飼料コンテナに積み込む飼料コンテナ積込みと、飼料コンテナをトレーラにより飼料製造工場から配送基地まで運搬する飼料コンテナ搬入と、飼料コンテナを斜めに傾けて配送基地に設置された飼料運搬装置に固定する飼料コンテナ持上げと、飼料コンテナからトレーラを分離するトレーラ分離と、飼料コンテナから飼料運搬車に飼料を小分けして積み替える飼料積替えと、飼料運搬車により農場に飼料を運搬する飼料配送と、飼料コンテナをトレーラにより配送基地から飼料製造工場まで運搬する飼料コンテナ搬出とからなる飼料運搬方法とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農場から飼料製造工場まで小分け用の飼料運搬車で往復する時間や手間が省け、小分け用の飼料運搬車の台数を増やさずに済むことに加え、飼料運搬車への飼料の積替えを容易にした飼料運搬方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、酪農家は、飼料運搬車のコンテナに飼料を入れて運搬しているが、飼料を製造し供給している工場においてコンテナに小分けして飼料を積み込み、農場に設置したサイロまで運搬する。
【0003】
特許文献1に記載されているように、農場から飼料製造工場まで小分け用の飼料運搬車で往復する時間や手間が省け、小分け用の飼料運搬車の台数を増やさずに済む飼料運搬装置の発明も公開されている。
【特許文献1】特開2003−54765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、飼料コンテナをチェーンで吊しており、チェーンが切れた場合には大きな事故に繋がる。また、飼料運搬車に飼料を積み替える際に、スクリューコンベアで飼料を上方に運んでから供給する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、農場から飼料製造工場まで小分け用の飼料運搬車で往復する時間や手間が省け、小分け用の飼料運搬車の台数を増やさずに済むことに加え、飼料運搬車への飼料の積替えを容易にした飼料運搬方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、飼料製造工場4で製造した飼料4aを飼料コンテナ5に積み込む飼料コンテナ積込み2と、前記飼料コンテナ5をトレーラ5aにより飼料製造工場4から配送基地6aまで運搬する飼料コンテナ搬入2aと、前記飼料コンテナ5を斜めに傾けて配送基地6aに設置された飼料運搬装置6に固定する飼料コンテナ持上げ2bと、前記飼料コンテナ5からトレーラ5aを分離するトレーラ分離2cと、前記飼料コンテナ5から飼料運搬車11に飼料4aを小分けして積み替える飼料積替え2dと、前記飼料運搬車11により農場に飼料4aを運搬する飼料配送2eと、前記飼料コンテナ5をトレーラ5aにより配送基地6aから飼料製造工場4まで運搬する飼料コンテナ搬出2fとからなることを特徴とする飼料運搬方法1の構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、飼料製造工場で一度に大量の飼料を積んだ飼料コンテナを、トレーラにより中継点である配送基地まで運び、配送基地において飼料運搬車に小分けして積み替えれば良いので、飼料の運搬に要する時間と手間を大幅に短縮することができる。
【0008】
第2に、飼料の運搬に要する時間と手間を短縮したことに伴い、運搬効率が向上することから、運搬量を多くするために飼料運搬車の台数を増やす必要がなくなり、運搬に掛かる費用も低く抑えることができる。
【0009】
第3に、配送基地における飼料コンテナから飼料運搬車への積替作業を、安全かつ容易にすることで、より作業効率を向上させることができる。また、作業形態により積替方法を選択することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、農場から飼料製造工場まで小分け用の飼料運搬車で往復する時間や手間が省け、小分け用の飼料運搬車の台数を増やさずに済むことに加え、飼料運搬車への飼料の積替えを容易にするという目的を、飼料製造工場で製造した飼料を飼料コンテナに積み込む飼料コンテナ積込みと、前記飼料コンテナをトレーラにより飼料製造工場から配送基地まで運搬する飼料コンテナ搬入と、前記飼料コンテナを斜めに傾けて配送基地に設置された飼料運搬装置に固定する飼料コンテナ持上げと、前記飼料コンテナからトレーラを分離するトレーラ分離と、前記飼料コンテナから飼料運搬車に飼料を小分けして積み替える飼料積替えと、前記飼料運搬車により農場に飼料を運搬する飼料配送と、前記飼料コンテナをトレーラにより配送基地から飼料製造工場まで運搬する飼料コンテナ搬出とからなることを特徴とする飼料運搬方法とすることで実現した。
【実施例1】
【0011】
以下に、添付図面に基づいて、本発明の実施例1である飼料運搬方法1について詳細に説明する。図1は、本発明である飼料運搬方法の流れを示す図である。
【0012】
飼料運搬方法1は、飼料製造工場4で製造した飼料4aを飼料コンテナ5に積み込む飼料コンテナ積込み2と、前記飼料コンテナ5をトレーラ5aにより飼料製造工場4から配送基地6aまで運搬する飼料コンテナ搬入2aと、前記飼料コンテナ5を斜めに傾けて配送基地6aに設置された飼料運搬装置6に固定する飼料コンテナ持上げ2bと、前記飼料コンテナ5からトレーラ5aを分離するトレーラ分離2cと、前記飼料コンテナ5から飼料運搬車11に飼料4aを小分けして積み替える飼料積替え2dと、前記飼料運搬車11により農場に飼料4aを運搬する飼料配送2eと、前記飼料コンテナ5をトレーラ5aにより配送基地6aから飼料製造工場4まで運搬する飼料コンテナ搬出2fとからなることを特徴とする。
【0013】
飼料運搬方法1は、飼料コンテナ積込み2、飼料コンテナ搬入2a、飼料コンテナ持上げ2b、トレーラ分離2c、飼料積替え2d、飼料配送2e及び飼料コンテナ搬出2fの各工程からなる。
【0014】
飼料コンテナ積込み2は、飼料製造工場4において、製造した飼料4aを飼料コンテナ5に供給する。飼料4aが積まれた飼料コンテナ5は、トレーラ5aに連結される。尚、飼料コンテナ積込み2については、図2において詳細に説明する。
【0015】
飼料コンテナ搬入2aは、飼料コンテナ5を載せたトレーラ5aを、飼料運搬装置6を設置した配送基地6aに搬入する。尚、飼料コンテナ搬入2aについては、図3から図5において詳細に説明する。
【0016】
飼料コンテナ持上げ2bは、配送基地6aにおいて、飼料コンテナ5の前部を持ち上げて斜めに傾け、飼料コンテナ5を飼料運搬装置6に固定する。尚、飼料コンテナ持上げ2bについては、図6から図8において詳細に説明する。
【0017】
トレーラ分離2cは、配送基地6aにおいて、飼料運搬装置6に固定した飼料コンテナ5からトレーラ5aを分離させる。尚、トレーラ分離2cについては、図9から図11において詳細に説明する。
【0018】
飼料積替え2dは、配送基地6aにおいて、飼料コンテナ5に入っている飼料4aを小分けして、飼料運搬車11に積み替える。尚、飼料積替え2dについては、図12において詳細に説明する。
【0019】
飼料配送2eは、飼料運搬車11により配送基地6aから農場まで飼料4aを運搬する。尚、飼料コンテナ5内の飼料4aが全て無くなるまで、飼料積替え2dから飼料配送2eまでを繰り返す。
【0020】
飼料コンテナ搬出2fは、配送基地6aにおいて、空になった飼料コンテナ5をトレーラ5aに連結し、配送基地6aから飼料製造工場4まで移動する。また最初に戻り、飼料コンテナ積込み2から飼料コンテナ搬出2fまでを繰り返す。
【0021】
図2は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ積込みを示す図である。飼料コンテナ5に飼料製造工場4で製造した飼料4aを積み込む。飼料コンテナ5は、トレーラ5aの荷台5gに連結する。
【0022】
飼料製造工場4は、飼料4aを製造する工場である。飼料4aは、一度に大量に製造されるので、一旦貯蔵庫に蓄えられ、飼料コンテナ5へ供給する際に、貯蔵庫の排出管から吐出される。尚、飼料4aは、家畜用の食料で、主として粉末状である。
【0023】
飼料コンテナ5は、トレーラ5aに着脱可能な約20フィートの長さの直方体状の箱型の容器で、約20トンの飼料4aを積載することができる。上面の供給口5eから飼料4aが供給され、背面の排出口5fから飼料4aを排出することができる。
【0024】
トレーラ5aは、油圧装置付きの荷台5gを有し、飼料コンテナ5を荷台5gの上に積載することができる。尚、荷台5gは、水平な状態から、油圧により前方を持ち上げて傾けることが可能である。
【0025】
図3は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ搬入を示す斜視図であり、図4は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ搬入の搬入前の状態を示す側面図であり、図5は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ搬入の搬入時の状態を示す側面図である。
【0026】
飼料コンテナ搬入2aでは、トレーラ5aにより飼料運搬装置6が設置された配送基地6aに飼料コンテナ5が搬入される。尚、飼料コンテナ5の背面下部の左右両側には、短い横向きの棒を後方に突出させた突起5bが取り付けられる。
【0027】
飼料運搬装置6は、背面に2つの突起5bが設けられ上面に飼料4aを入れる供給口5eと背面に飼料4aを出す排出口5fを有する箱型の飼料コンテナ5と、前記飼料コンテナ5を油圧により持ち上げることができる荷台5gに載せ飼料製造工場4から配送基地6aまで運搬するトレーラ5aと、前記飼料コンテナ5を持ち上げた際に突起5bを掛けるフック6dを有する支柱6c、及び前記飼料コンテナ5に取り付けた支軸5cを固定するための押さえ6eを有するガイド枠6bを設けた配送基地6aと、前記飼料コンテナ5内の飼料4aを小分けして積み配送基地6aから農場まで運搬する飼料運搬車11とからなることを特徴とする。
【0028】
配送基地6aは、飼料製造工場4と農場の間にある中継地点であり、ガイド枠6b及び支柱6c等が設置される。飼料コンテナ5は、飼料製造工場4と配送基地6aの間を往復し、飼料運搬車11は、配送基地6aと農場の間を往復すれば良い。
【0029】
ガイド枠6bは、配送基地6aにおいて、飼料コンテナ5を載せたトレーラ5aが入る領域の左側、右側及び後側を囲むように設置した枠である。ガイド枠6bの後部には支柱6c、左部及び右部には押さえ6eが設けられる。尚、ガイド枠6bの寸法例としては、左部及び右部が約650cmで、後部が約300cmである。
【0030】
支柱6cは、ガイド枠6b後部の左側及び右側にそれぞれ立てた柱状の部材であり、飼料コンテナ5を傾けた際に、背面の突起5bを受けて支えるためのJ字型のフック6dが設けられる。尚、支柱6cの取付例としては、飼料コンテナ5の後方から約500cmの位置に取り付け、取付位置の高さが約300cmとなるようにする。
【0031】
押さえ6eは、ガイド枠6bの左部及び右部にそれぞれ設けた部分であり、飼料コンテナ5を傾けた際に、飼料コンテナ5の左側及び右側にそれぞれ取り付けた支軸5cの先端を留めて支える部分である。
【0032】
防災安全枠6fは、安全性を高めるために設けた水平の枠である。一端が回転軸6gに接続されており、回転軸6gを回転させて開閉することができる。閉じた際は、他端を受軸6hにピン止めしておく。尚、防災安全枠6fの寸法例としては、幅が約30cmで、高さが約160cmである。
【0033】
図3又は図4に示すように、防災安全枠6fを開いた状態で、ガイド枠6bの空いた前側からトレーラ5aを後進させていき、図5に示すように、ガイド枠6bの奥まで進んだら、トレーラ5aを停止する。
【0034】
図6は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ持上げの持ち上げ始めた状態を示す側面図であり、図7は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ持上げの持ち上げた状態を示す側面図であり、図8は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ持上げの固定した状態を示す側面図である。
【0035】
飼料コンテナ持上げ2bでは、トレーラ5aに装備されているジャッキ5dを使用することにより、飼料コンテナ5を載せた荷台5gを斜めに持ち上げる。尚、飼料コンテナ5の左側及び右側には、支軸5cを取り付けておく。
【0036】
支軸5cは、一端を飼料コンテナ5の側面下部の前側寄りに回動可能に取り付ける棒状の部材である。他端を押さえ6eに留めることにより、持ち上げた飼料コンテナ5が落下しないように支えることができる。
【0037】
ジャッキ5dは、油圧により重量のある物を持ち上げることのできる機械であり、持上げにL字型の部材を使用する。一端をトレーラ5aに回動可能に取り付け、他端を荷台5gの前端の下側に引っ掛けることで、荷台5gの前側を持ち上げることができる。
【0038】
図6に示すように、ジャッキ5dを動作させて荷台5gを持ち上げ、図7に示すように、飼料コンテナ5の突起5bを支柱6cのフック6dに掛ける。また、図8に示すように、ぶら下がった支軸5cを前方に回動させて先端を押さえ6eに留め、飼料コンテナ5を傾けた状態で固定する。
【0039】
図9は、本発明である飼料運搬方法におけるトレーラ分離の分離中の状態を示す側面図であり、図10は、本発明である飼料運搬方法におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す側面図であり、図11は、本発明である飼料運搬方法におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す正面図である。
【0040】
トレーラ分離2cでは、トレーラ5aの荷台5gの上に載っていた飼料コンテナ5を、荷台5gから分離させ、トレーラ5aを前進させてガイド枠6bから出す。分離させたトレーラ5aは、別の飼料コンテナ5を連結させても良い。
【0041】
図9に示すように、飼料コンテナ5と荷台5gを分離させ、図10に示すように、トレーラ5aを出して飼料コンテナ5のみとする。尚、トレーラ5aを出したら、図11に示すように、防災安全枠6fを閉じておく。
【0042】
図12は、本発明である飼料運搬方法における飼料積替えを示す斜視図である。飼料積替え2dでは、斜めに傾けた飼料コンテナ5の背面にある排出口5fを開けて、中の飼料4aを放出し、飼料運搬車11に移し替える。
【0043】
飼料運搬車11は、コンテナやバケット11a等を有し、飼料4aを積んで運ぶことのできるトラックやホイールローダ等のような小型の車両である。配送基地6aから農場まで飼料4aを運搬する。
【0044】
図12に示すように、飼料運搬車11としてホイールローダを使用した場合、飼料コンテナ5からバケット11aに飼料4aを積み替える。飼料4aを必要な量だけ小分けして、農場等に運ぶことができる。
【0045】
飼料運搬方法1では、飼料4aを飼料コンテナ5から落下させて取り出せるので、飼料4aが分離又は粉砕されない。1人で作業可能であり、作業時間は短縮できるし、物流コストも削減することができる。
【0046】
飼料コンテナ5の移設が容易であり、飼料コンテナ5を農家に設置した場合には、飼料タンクに空け換える必要がなくなり、飼料コンテナ5をそのまま飼料タンクとして使用することもできる。また、自動給餌機に接続して、作業を効率化することも可能である。
【実施例2】
【0047】
以下に、添付図面に基づいて、本発明の実施例2である飼料運搬方法1aについて詳細に説明する。図13は、本発明である飼料運搬方法の流れを示す図である。
【0048】
飼料運搬方法1aは、飼料製造工場4で製造した飼料4aを飼料コンテナ7に積み込む飼料コンテナ積込み3と、前記飼料コンテナ7をトレーラ7aにより飼料製造工場4から配送基地8aまで運搬する飼料コンテナ搬入3aと、前記飼料コンテナ7を水平に持ち上げて配送基地8aに設置された飼料運搬装置8に固定する飼料コンテナ固定3bと、前記飼料コンテナ7からトレーラ7aを分離するトレーラ分離3cと、前記飼料コンテナ7から飼料運搬車12に飼料4aを小分けして積み替える飼料積替え3dと、前記飼料運搬車12により農場に飼料4aを運搬する飼料配送3eと、前記飼料コンテナ7をトレーラ7aにより配送基地8aから飼料製造工場4まで運搬する飼料コンテナ搬出3fとからなることを特徴とする。
【0049】
飼料運搬方法1aは、飼料コンテナ積込み3、飼料コンテナ搬入3a、飼料コンテナ固定3b、トレーラ分離3c、飼料積替え3d、飼料配送3e及び飼料コンテナ搬出3fの各工程からなる。
【0050】
飼料コンテナ積込み3は、実施例1の場合と同様に、飼料製造工場4において、製造した飼料4aを飼料コンテナ7に供給する。飼料4aが積まれた飼料コンテナ7は、トレーラ7aに連結される。
【0051】
飼料コンテナ搬入3aは、飼料コンテナ7を載せたトレーラ7aを、飼料運搬装置8を設置した配送基地8aに搬入する。トレーラ7aは、飼料コンテナ7を固定する位置に停車する。尚、飼料コンテナ搬入3aについては、図14及び図15において詳細に説明する。
【0052】
飼料コンテナ固定3bは、配送基地8aにおいて、飼料コンテナ7を水平に持ち上げて、飼料コンテナ7を飼料運搬装置6に固定する。尚、飼料コンテナ固定3bについては、図16において詳細に説明する。
【0053】
トレーラ分離3cは、配送基地8aにおいて、飼料運搬装置8に固定した飼料コンテナ7からトレーラ7aを分離させる。尚、トレーラ分離3cについては、図17から図19において詳細に説明する。
【0054】
飼料積替え3dは、配送基地8aにおいて、飼料コンテナ7に入っている飼料4aを小分けして、飼料運搬車12に積み替える。尚、飼料積替え3dについては、図20及び図21において詳細に説明する。
【0055】
飼料配送3eは、飼料運搬車12により配送基地8aから農場まで飼料4aを運搬する。尚、飼料コンテナ7内の飼料4aが全て無くなるまで、飼料積替え3dから飼料配送3eまでを繰り返す。
【0056】
飼料コンテナ搬出3fは、配送基地8aにおいて、空になった飼料コンテナ7をトレーラ7aに連結し、配送基地8aから飼料製造工場4まで移動する。また最初に戻り、飼料コンテナ積込み3から飼料コンテナ搬出3fまでを繰り返す。
【0057】
図14は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ搬入を示す斜視図であり、図15は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ搬入を示す背面図である。
【0058】
飼料コンテナ搬入3aでは、トレーラ7aの荷台7fに載置された飼料コンテナ7が、飼料運搬装置8が設置された配送基地8aに搬入される。トレーラ7aは、配送基地8aに立てられた4本の支軸8bの間に飼料コンテナ7が来るように停止する。
【0059】
飼料運搬装置8は、内部が仕切板7gにより複数の部屋7cに分けられ各部屋7cの上面に飼料4aを入れる供給口7dと下面に飼料4aを出す排出口7eを有する箱型の飼料コンテナ7と、前記飼料コンテナ7を油圧により持ち上げることができる荷台7fに載せ飼料製造工場4から配送基地8aまで運搬するトレーラ7aと、前記飼料コンテナ7から外側へ水平に延びた支軸7bを固定するために垂直に立てた固定軸8bを有する固定板8c、8dを設けた配送基地8aと、前記飼料コンテナ7内の飼料4aを小分けして積み配送基地8aから農場まで運搬する飼料運搬車12と、前記飼料コンテナ7から飼料運搬車12まで飼料4aを移送するベルトコンベア9又はスクリューコンベア10とからなることを特徴とする。
【0060】
飼料コンテナ7は、トレーラ7aに着脱可能な約40フィートの長さの直方体状の箱型の容器で、約30トンの飼料4aを積載することができる。上面の供給口7dから飼料4aが供給され、下面の排出口7eから飼料4aを排出することができる。
【0061】
飼料コンテナ7は、内部を仕切板7gにより複数の部屋7cに分けることもできる。部屋7cを複数設けた場合は、各部屋7cに対して供給口7dと排出口7eが存在し、飼料4aを積み分けることができる。
【0062】
トレーラ7aは、油圧装置付きの荷台7fを有し、飼料コンテナ7を荷台7fの上に積載することができる。尚、荷台7fは水平な状態であるが、油圧により荷台7fを昇降させることが可能である。
【0063】
配送基地8aは、飼料製造工場4と農場の間にある中継地点であり、固定板8c及び固定板8d等が設置される。飼料コンテナ7は、飼料製造工場4と配送基地8aの間を往復し、飼料運搬車12は、配送基地8aと農場の間を往復すれば良い。
【0064】
固定軸8bは、飼料コンテナ7の前部左方、前部右方、後部左方及び後部右方の四箇所に設置した固定板8c、8dから垂直に立てた棒である。飼料コンテナ7から延ばした支軸7bを連結することにより、飼料コンテナ7を空中に浮かせた状態で支えることができる。
【0065】
固定板8c及び固定板8dは、配送基地8aにおいて、固定軸8bを立てるために敷いた板である。尚、固定板8cは、飼料コンテナ7の前方2箇所を支える場所に設置し、固定板8dは、飼料コンテナ7の後方2箇所を支える場所に設置する。
【0066】
図14又は図15に示すように、4本の固定軸8bで飼料コンテナ7の四隅を支えることができる位置に、トレーラ7aを移動させる。尚、実施例1の場合とは異なり、搬入方向は問わず、飼料コンテナ7が4本の固定軸8bの間に来れば良い。
【0067】
図16は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ固定を示す背面図である。飼料コンテナ固定3bでは、飼料コンテナ7から支軸7bを延ばし、固定軸8bに連結させることにより、飼料コンテナ7を固定する。
【0068】
支軸7bは、飼料コンテナ7の側面下部の左前側、左後側、右前側及び右後側の4箇所に収納され、外側へ水平に出すことができる棒状の部材である。尚、支軸7bの先端は、固定軸8bに対し、連結させることができる構造である。
【0069】
例えば、固定軸8bに孔を空け、支軸7bの先端を嵌合できる構造にしたり、又は固定軸8bの上面に溝を設け、支軸7bの先端を載せることができる構造にしたりするなど、飼料コンテナ7を空中で支えることができれば良い。
【0070】
図16に示すように、トレーラ7aの荷台7fを油圧により上昇させ、支軸7bの高さと固定軸8bに空けた孔の高さを一致させる。飼料コンテナ7の中から支軸7bを外側へ延ばし、固定軸8bの孔に嵌め込む。
【0071】
飼料コンテナ7は、排出口7eが下側にあることから、空中に浮かせた状態で固定する必要がある。尚、設置例としては、飼料コンテナ7の下面の高さが約140cmとなるように保持する。
【0072】
図17は、本発明である飼料運搬方法におけるトレーラ分離を示す図であり、図18は、本発明である飼料運搬方法におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す平面図であり、図19は、本発明である飼料運搬方法におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す側面図である。
【0073】
トレーラ分離3cでは、トレーラ7aの荷台7fと飼料コンテナ7を分離する。図17に示すように、油圧により荷台7fを下降させ、飼料コンテナ7を浮かせた状態で、トレーラ7aのみを前進させて、飼料コンテナ7を固定軸8bのみで支える。
【0074】
飼料コンテナ7は、ある一定の高さで固定しているので、仕切板7gにより複数の部屋7cに分けられている場合でも、同じように下面の排出口7eから飼料4aを排出することができる。
【0075】
図18に示すように、飼料コンテナ7を保持する固定軸8bの設置例としては、左側の固定軸8bから右側の固定軸8bまでを約400cmとし、固定板8cの固定軸8bから固定板8dの固定軸8bまでを約1200cmとする。
【0076】
また、図19に示すように、固定軸8bを立てる固定板8c及び固定板8dの設置例としては、飼料コンテナ7の前方を保持する固定板8cを約350cmとし、飼料コンテナ7の後方を保持する固定板8dを約120cmとする。
【0077】
図20は、本発明である飼料運搬方法における飼料積込みを示す図であり、図21は、本発明である飼料運搬方法における飼料積込みの飼料を上方に移送する場合を示す図である。
【0078】
飼料積替え3dでは、飼料コンテナ7の排出口7eを開き、飼料コンテナ7から放出した飼料4aをベルトコンベア9等で飼料運搬車12を配置した位置まで運び、飼料運搬車12に積み替える。
【0079】
ベルトコンベア9は、ベルト9aを回転させて物を運ぶ運搬装置である。飼料コンテナ7の下側、即ち、4本の支軸7bで支えることで出来た空間に、土台9cを設けて水平に設置する。
【0080】
飼料コンテナ7の下面の排出口7eから落下した飼料4aは、ベルト9aの上に載り、後方へ運ばれる。部屋7cが複数ある場合は、どの排出口7eから排出されても同様である。ベルト9aの後端まで達した飼料4aは、排出部9bから放出される。
【0081】
図20に示すように、飼料運搬車12を低い位置に配置すれば、ベルトコンベア9の排出部9bから、そのまま飼料運搬車12のコンテナ12aの中に飼料4aを投入することが可能である。
【0082】
尚、飼料運搬車12のコンテナ12aが高い位置にあり、飼料4aを上方に移送しないと投入が困難な場合には、図21に示すように、スクリューコンベア10等を用いることもできる。
【0083】
スクリューコンベア10は、斜めに傾いた筒状の運搬装置である。ベルトコンベア9の排出部9bから落下した飼料4aをホッパ10aで受け取り、ホッパ10aから螺旋状に回転するスクリュー10bに載せることにより飼料4aを上方に運ぶことができる。
【0084】
スクリュー10b上端の排出部10cは、下方に屈曲しており、飼料運搬車12のコンテナ12aに飼料4aを投入することができる。尚、排出部10cには、飼料運搬車12への投入の際に、飼料4aが散乱しないように布製の袋も取り付けられる。
【0085】
また、スクリューコンベア10は、飼料コンテナ7の下側から出た位置に設置することになるので、スクリューコンベア10の上方に対し、飼料4aが雨で濡れないように、プレート状の雨避け10dを取り付けることもできる。
【0086】
飼料運搬車12は、飼料4aを入れることのできるコンテナ12aを有し、飼料コンテナ7から小分けした飼料4aを積んで、配送基地8aから農場まで運搬する。尚、コンテナ12aの積載量は、約2〜5トンである。
【0087】
飼料運搬方法1aでは、飼料コンテナ7の積み換えを行うのにフォークリフト等を使用する必要がない。また、トランスバック等に包装する必要がなく、トランスバック等を保管する倉庫も不要である。
【0088】
飼料コンテナ7は、仕切板7gで複数の部屋7cを設けることにより、10品目以上の飼料4aを保管することが可能である。飼料コンテナ7は、移設が容易であり、ストックヤードとして使用することも可能である。
【0089】
飼料4aを飼料コンテナ7から落下させて取り出せるので、飼料4aが分離又は粉砕されない。1人で作業可能であり、作業時間は短縮できるし、物流コストも削減することができる。また、自動給餌機に接続して、作業を効率化することも可能である。
【0090】
図22は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ固定の支軸を斜めに出して固定する場合を示す背面図である。固定軸8bがない場合でも、飼料コンテナ7を固定することができる。
【0091】
飼料コンテナ固定3bにおいて、飼料コンテナ7から支軸7bを斜め下方に出し、固定板8c又は固定板8dに直接固定することにより、飼料コンテナ7を支えるようにすることもできる。
【0092】
図23は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ固定の支軸の収納を回動式にした場合の平面図であり、図24は、本発明である飼料運搬方法における飼料コンテナ固定の支軸の収納を回動式にした場合の背面図である。
【0093】
支軸7bを延ばすように引き出す方式の場合、飼料コンテナ7の幅により支軸7bの長さが制限されることがあるので、支軸7bを回動させて引き出す方式にして、長い支軸7bを収納しておくようにすることもできる。
【0094】
支軸7bは、回転軸7hにより回動可能であり、後方に回して飼料コンテナ7内に収納させたり、前方に回して飼料コンテナ7に対して直角に引き出すことができる。尚、支軸7bが長くなるので、強度も向上する。
【0095】
支軸7bを収納した際は、先端をピン7jにより飼料コンテナ7内に固定する。また、支軸7bを開いた際は、先端を固定軸8bの上に載せ、固定軸8bの上面に空けた穴7iにピン7jを通すことにより固定する。
【0096】
図24に示すように、飼料コンテナ7の部屋7cは、飼料4aを排出しやすいように下部を狭くしているため、左端及び右端に空き7kが存在しており、回動する支軸7bを収納させることができる。
【実施例3】
【0097】
実施例1の飼料コンテナ5の耐震性を確認するため、3次元振動台により振動実験を行った。耐震性は、支軸5cの安全性と安定性を判断材料とする。振動実験は、震度レベルを変化させ、どこまで耐震性があるのか確認した。
【0098】
試験体は、飼料コンテナ5と支軸及びガイド枠6bからなり、振動台の上にガイド枠6bを固定する。尚、以下においては、X方向は正面図における左右方向であり、Y方向は、正面図における前後方向であり、Z方向は正面図における上下方向である。
【0099】
飼料コンテナ5は、長さが5m、幅が3m、高さが3mで、重量が5トン(空荷時)である。飼料コンテナ5に積載する飼料4aは、重量が10トン(満載時総重量は15トン)である。
【0100】
試験体の形状から、耐震安定性は飼料コンテナ5を支持する支軸5cの応力度を検討した。支軸5cには満載時の鉛直軸力2トン(満載時重量20トンのうち突起5b側に16トン、支軸5c側に4トンと仮定)と、地震時の曲げモーメント(P−δ効果)が掛かるものとする。
【0101】
Y方向は、ガイド枠6b、飼料コンテナ5及び支軸5cで三角形を形成しているため、X方向の曲げモーメントを考慮した。その時のコンテナの変位を100mmとして支軸5cの安全性を検討した。
【0102】
振動実験に先立ち、ホワイトノイズ加振を行い、飼料コンテナ5の空荷時と満載時の固定振動数を計測した。空荷時は、X方向が2.3Hz、Y方向が13.0Hz、Z方向が13.0Hzであり、満載時は、X方向が2.0Hz、Y方向が5.0Hz、Z方向が8.5Hzである。
【0103】
振動実験は、震度4、震度5弱、震度5強及び震度6弱の4ケースとし、それぞれ3方向(X方向、Y方向及びZ方向)に加振した。振動台と飼料コンテナ5に加速度計を設置し、飼料コンテナ5の変位は変位計で計測した。また、支軸5cには歪みゲージを設置した。
【0104】
図25は、本発明である飼料運搬方法における振動実験の試験結果を示す図である。試験結果13は、一段目が空荷時加速度13aで、二段目が満載時加速度13bで、三段目が振動台加速度及び飼料コンテナ変位13cで、四段目が振動台加速度及び支軸歪み13dである。
【0105】
飼料コンテナ5の応答加速度は、空荷時ではX方向(支軸5cのラーメン方向)の応答倍率が1.5〜1.6で、Y方向が1.8〜2.4と安定しているが、Z方向(鉛直)が2.0〜5.1と大きく増幅している。これは、Z方向の固有振動数が13.0Hzと高く、また地震動波形の高振動域と共振した可能性がある。
【0106】
満載時ではX方向の応答倍率が1.0〜1.4で、Y方向が1.5〜1.8で、Z方向が1.6〜2.0と安定している。応答加速度は、満載時で最大700cm/sである。飼料コンテナ5は、構造的に強硬な造りになっており、何ら問題は生じない。
【0107】
飼料コンテナ5の耐震性の懸念は、飼料コンテナ5を支持する支軸5cにあるが、支軸5cに設置した歪みゲージの最大値は約160μ(鋼材の降伏歪みは約2000μ)で、変動軸力や曲げによる歪みは生じていない。
【0108】
支軸5cの強度は、震度6弱(加速度で560cm/)に対しては十分な余力を有している。一方、支軸5cの変位(飼料コンテナ5の変位)は、空荷時と満載時で変化はなく、震度6弱で最大37mmである。
【0109】
尚、振動実験時に飼料コンテナ5の脱落防止用に安全架台を設置しており、安全架台と飼料コンテナ5の許容変位が50mmであるため、震度6弱までの加振としたが、支軸5cの許容変位は100mmとまだ余裕があり、震度6強及び震度7で加振しても十分に耐震性を有すると考えられる。
【実施例4】
【0110】
実施例2の飼料コンテナ7について強度試験を行った。強度試験は、支軸7bについて、固定軸8b間一本ものとした場合と、飼料コンテナ7側が固定とみなした場合との2ケースで行った。
【0111】
飼料コンテナ7の幅は2400mmで、荷重は40トンとする。飼料コンテナ7から固定軸8bの距離を400mmとすると、左右の固定軸8b間の距離は3200mmとなる。支軸7b及び固定軸8bで、飼料コンテナ7を1500mmの高さで支えた。
【0112】
まず、1つ目のケースである支軸7bが固定軸8b間一本ものとした場合は、支軸7bの長さは3.2mであり、前側の支軸7bに対して飼料コンテナ7の荷重が1m当たり8.330トン/mである。
【0113】
支軸7bとして、寸法が縦300mm、横300mm、管の厚さ9mm、単位質量が80.6kg/m、断面積が102.7cm、X軸の断面2次モーメントが14300cm、X軸の断面係数が956cmの角形鋼管を使用した。
【0114】
支軸7bの変形は、左端から1.600mで最大となり、0.379(=320÷844)cm、中央では0.379cmであった。また、支軸7bの曲げモーメントは、左端から1.600mで最大となり、1066.240トン・cmであった。
【0115】
支軸7bの剪断力は、左端から3.200mで最大となり、−13.328トンであった。また、支軸7bの左端から0.000mの鉛直反力は13.328トン、左端から3.200mの鉛直反力は13.328トンであった。
【0116】
曲げ応力度については、1.115÷(1.600×1.00)=0.697≦1.0、剪断応力度については、0.247÷(0.924×1.00)=0.267≦1.0、複合した場合は、1.194÷(1.6×1.00)=0.747≦1.0であり、強度として充分である。
【0117】
次に、2つ目のケースである支軸7bの飼料コンテナ7側が固定とみなした場合は、支軸7bの長さは400mmであり、左前側の支軸7bについて、左端から0.400mの地点に10.000トンの荷重が掛かる。
【0118】
支軸7bとして、寸法が縦200mm、横200mm、管の厚さ6mm、単位質量が35.8kg/m、断面積が45.63cm、X軸の断面2次モーメントが2830cm、X軸の断面係数が283cmの角形鋼管を使用した。
【0119】
支軸7bの変形は、左端から0.400mで最大となり、0.036(=40÷1114)cm、中央では0.011cmであった。また、支軸7bの曲げモーメントは、左端から0.000mで最大となり、−400.000トン・cmであった。
【0120】
支軸7bの剪断力は、左端から0.399mで最大となり、10.000トンであった。また、支軸7bの左端から0.000mの鉛直反力は10.000トン、左端から0.400mの鉛直反力は0.000トンであった。
【0121】
曲げ応力度については、1.413÷(1.600×1.00)=0.883≦1.0、剪断応力度については、0.417÷(0.924×1.00)=0.451≦1.0、複合した場合は、1.587÷(1.6×1.00)=0.992≦1.0であり、強度として充分である。
【実施例5】
【0122】
図26は、本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例4における飼料コンテナ内にベルトコンベアを設置した場合の平面図である。図27は、本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例4における飼料コンテナ内にベルトコンベアを設置した場合の背面図である。
【0123】
図26及び図27に示すように、飼料コンテナ7の底部にベルトコンベア14を設置する。ベルトコンベア14は前端のギアと後端のギアにベルトを掛けたもので、動力でギアを回転させることにより、ベルト上に載ったものを移動させる。
【0124】
飼料コンテナ7内は、下部が左端及び右端から中央に向かって傾斜して狭くなっており、供給口7dから投入された飼料4aがベルトコンベア14の上に載る。飼料4aは、ベルトコンベア14により、飼料コンテナ7の前部から後部まで又は後部から前部まで移送される。
【0125】
ベルトコンベア14を飼料コンテナ7内に設置することにより、直接飼料運搬車12に飼料4aを投入することができるようになり、図20のように別途用意したベルトコンベア9を飼料コンテナ7の下側に配置する必要はなくなる。
【0126】
以上のように、本発明である飼料運搬方法1、1aは、飼料製造工場4で一度に大量の飼料4aを積んだ飼料コンテナ5を、トレーラ5aにより中継点である配送基地6aまで運び、配送基地6aにおいて飼料運搬車11に小分けして積み替えれば良いので、飼料4aの運搬に要する時間と手間を大幅に短縮することができる。
【0127】
また、飼料4aの運搬に要する時間と手間を短縮したことに伴い、運搬効率が向上することから、運搬量を多くするために飼料運搬車11の台数を増やす必要がなくなり、運搬に掛かる費用も低く抑えることができる。
【0128】
更に、配送基地6aにおける飼料コンテナ5から飼料運搬車11への積替作業を、安全かつ容易にすることで、より作業効率を向上させることができる。また、作業形態により積替方法を選択することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1の流れを示す図である。
【図2】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ積込みを示す図である。
【図3】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ搬入を示す斜視図である。
【図4】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ搬入の搬入前の状態を示す側面図である。
【図5】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ搬入の搬入時の状態を示す側面図である。
【図6】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ持上げの持ち上げ始めた状態を示す側面図である。
【図7】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ持上げの持ち上げた状態を示す側面図である。
【図8】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料コンテナ持上げの固定した状態を示す側面図である。
【図9】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1におけるトレーラ分離の分離中の状態を示す側面図である。
【図10】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す側面図である。
【図11】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す正面図である。
【図12】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例1における飼料積替えを示す斜視図である。
【図13】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2の流れを示す図である。
【図14】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料コンテナ搬入を示す斜視図である。
【図15】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料コンテナ搬入を示す背面図である。
【図16】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料コンテナ固定を示す背面図である。
【図17】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2におけるトレーラ分離を示す図である。
【図18】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す平面図である。
【図19】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2におけるトレーラ分離の分離後の状態を示す側面図である。
【図20】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料積替えを示す図である。
【図21】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料積替えの飼料を上方に移送する場合を示す図である。
【図22】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料コンテナ固定の支軸を斜めに出して固定する場合を示す背面図である。
【図23】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料コンテナ固定の支軸の収納を回動式にした場合の平面図である。
【図24】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例2における飼料コンテナ固定の支軸の収納を回動式にした場合の背面図である。
【図25】本発明である飼料運搬方法及びその装置における実施例1の振動実験(実施例3)の試験結果を示す図である。
【図26】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例5における飼料コンテナ内にベルトコンベアを設置した場合の平面図である。
【図27】本発明である飼料運搬方法及びその装置の実施例5における飼料コンテナ内にベルトコンベアを設置した場合の背面図である。
【符号の説明】
【0130】
1 飼料運搬方法
1a 飼料運搬方法
2 飼料コンテナ積込み
2a 飼料コンテナ搬入
2b 飼料コンテナ持上げ
2c トレーラ分離
2d 飼料積替え
2e 飼料配送
2f 飼料コンテナ搬出
3 飼料コンテナ積込み
3a 飼料コンテナ搬入
3b 飼料コンテナ固定
3c トレーラ分離
3d 飼料積替え
3e 飼料配送
3f 飼料コンテナ搬出
4 飼料製造工場
4a 飼料
5 飼料コンテナ
5a トレーラ
5b 突起
5c 支軸
5d ジャッキ
5e 供給口
5f 排出口
5g 荷台
6 飼料運搬装置
6a 配送基地
6b ガイド枠
6c 支柱
6d フック
6e 押さえ
6f 防災安全枠
6g 回転軸
6h 受軸
7 飼料コンテナ
7a トレーラ
7b 支軸
7c 部屋
7d 供給口
7e 排出口
7f 荷台
7g 仕切板
7h 回転軸
7i 穴
7j ピン
7k 空き
8 飼料運搬装置
8a 配送基地
8b 固定軸
8c 固定板
8d 固定板
9 ベルトコンベア
9a ベルト
9b 排出部
9c 土台
10 スクリューコンベア
10a ホッパ
10b スクリュー
10c 排出部
10d 雨避け
11 飼料運搬車
11a バケット
12 飼料運搬車
12a コンテナ
13 試験結果
13a 空荷時加速度
13b 満載時加速度
13c 振動台加速度及び飼料コンテナ変位
13d 振動台加速度及び支軸歪み
14 ベルトコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料製造工場で製造した飼料を飼料コンテナに積み込む飼料コンテナ積込みと、前記飼料コンテナをトレーラにより飼料製造工場から配送基地まで運搬する飼料コンテナ搬入と、前記飼料コンテナを斜めに傾けて配送基地に設置された飼料運搬装置に固定する飼料コンテナ持上げと、前記飼料コンテナからトレーラを分離するトレーラ分離と、前記飼料コンテナから飼料運搬車に飼料を小分けして積み替える飼料積替えと、前記飼料運搬車により農場に飼料を運搬する飼料配送と、前記飼料コンテナをトレーラにより配送基地から飼料製造工場まで運搬する飼料コンテナ搬出とからなることを特徴とする飼料運搬方法。
【請求項2】
背面に2つの突起が設けられ上面に飼料を入れる供給口と背面に飼料を出す排出口を有する箱型の飼料コンテナと、前記飼料コンテナを油圧により持ち上げることができる荷台に載せ飼料製造工場から配送基地まで運搬するトレーラと、前記飼料コンテナを持ち上げた際に突起を掛けるフックを有する支柱、及び前記飼料コンテナに取り付けた支軸を固定するための押さえを有するガイド枠を設けた配送基地と、前記飼料コンテナ内の飼料を小分けして積み配送基地から農場まで運搬する飼料運搬車とからなることを特徴とする請求項1に記載の飼料運搬方法の装置。
【請求項3】
飼料製造工場で製造した飼料を飼料コンテナに積み込む飼料コンテナ積込みと、前記飼料コンテナをトレーラにより飼料製造工場から配送基地まで運搬する飼料コンテナ搬入と、前記飼料コンテナを水平に持ち上げて配送基地に設置された飼料運搬装置に固定する飼料コンテナ固定と、前記飼料コンテナからトレーラを分離するトレーラ分離と、前記飼料コンテナから飼料運搬車に飼料を小分けして積み替える飼料積替えと、前記飼料運搬車により農場に飼料を運搬する飼料配送と、前記飼料コンテナをトレーラにより配送基地から飼料製造工場まで運搬する飼料コンテナ搬出とからなることを特徴とする飼料運搬方法。
【請求項4】
内部が仕切板により複数の部屋に分けられ各部屋の上面に飼料を入れる供給口と下面に飼料を出す排出口を有する箱型の飼料コンテナと、前記飼料コンテナを油圧により持ち上げることができる荷台に載せ飼料製造工場から配送基地まで運搬するトレーラと、前記飼料コンテナから外側へ水平に延びた支軸を固定するために垂直に立てた固定軸を有する固定板を設けた配送基地と、前記飼料コンテナ内の飼料を小分けして積み配送基地から農場まで運搬する飼料運搬車と、前記飼料コンテナから飼料運搬車まで飼料を移送するベルトコンベア又はスクリューコンベアとからなることを特徴とする請求項3に記載の飼料運搬方法の装置。
【請求項5】
飼料コンテナ内にベルトコンベアを設置し、前記飼料コンテナ内の飼料を移送できるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の飼料運搬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−297211(P2007−297211A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101758(P2007−101758)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(301040741)
【Fターム(参考)】