説明

首掛けラベル連続体の製造方法

【課題】 本発明の課題は、第1基材と第2基材を接着してなる首掛けラベル連続体を製造する際、第2基材の変形又は断裂を防止し、且つ第1基材と第2基材を所定位置で接着できる首掛けラベル連続体の製造方法を提供する。
【課題手段】 本発明の首掛けラベル連続体の製造方法は、MD方向Yと平行な1本の切り線を有する長尺状の第1基材41を、長尺状の第2基材42に重ね合わせ、前記第1及び第2基材のTD方向両側端部を接着する工程と、前記接着した第2基材42のみに、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目を所定間隔を開けて形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の首部に装着される首掛けラベルが連続的に繋がった首掛けラベル連続体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宣伝広告効果を高める目的で、商品名、懸賞案内などの各種広告を表示した首掛けラベル(掛止ラベルなどとも呼ばれる)が、容器の首部に装着されている。
かかる首掛けラベルとして、広告をより多く且つ見やすく表示するため、4面の表示面が起立できるようにした首掛けラベルが知られている(特許文献1)。
該首掛けラベルは、第1基材と第2基材が縦方向に形成される2条の所定幅の接着部を介して接着され、第1基材は、中央部位に形成された切り線で2枚に切り離し可能に構成され、第2基材は、前記第1基材の切り線に平行に形成された2本の切込み線と該2本の切込み線の中央部に直行して形成された1本の切込み線とによって、H字状の切り目を有する。
【0003】
かかる首掛けラベルは、従来、次のようにして製造されている。
すなわち、長尺状の第1基材を、テンションローラー等を用いて一定の張力をかけながらMD方向に送り出し、該長尺状の第1基材をMD方向と平行に形成された1本の切り線で切り離し、第1基材を、左右に並んだ2枚の長尺体に分割する。
他方、長尺状の第2基材を、テンションローラー等を用いて一定の張力をかけながらMD方向に送り出し、長尺状の第2基材の面内に、上記H字状の切り目を所定間隔を開けて形成する。
次に、上記MD方向に平行な1本の切り線が形成された第1基材及び上記H字状の切り目が形成された第2基材を、一定の張力をかけながらMD方向に送り出し、第1基材の下方(又は上方)に第2基材を重ね合わせ、両基材のTD方向両側端部を接着する。
かかる工程を経て、首掛けラベルが連続的に繋がった首掛けラベル連続体が製造される。
【0004】
なお、得られた首掛けラベル連続体は、通常、ロール状に巻き取られる。このロールはラベラーに装填され、該ラベラーによって、首掛けラベル連続体から個々の首掛けラベルが順次切り出され、容器に装着される。
【特許文献1】特開2005−62702
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記長尺状の第2基材に形成されたH字状の切り目は、第2基材のMD方向に形成された2本の有端状の切込み線と、TD方向と平行に形成された1本の有端状の切込み線と、からなる。
このため、第1基材に重ね合わせるべく、H字状の切り目が形成された後の長尺状の第2基材を、張力をかけながらMD方向に送ると、上記TD方向と平行に形成された切込み線において第2基材が開口し、その結果、第2基材が変形したり、場合によっては、第2基材が断裂する虞がある。また、第2基材に形成される切込み線がTD方向と平行でなくても、MD方向と交差する方向に切込み線が形成される場合は、該MD方向と交差する方向の切込み線を起点として第2基材が開口し、その結果、第2基材が変形や断裂する虞がある。
第2基材が変形すると、その後の接着工程において、第2基材と第1基材の接着位置がずれてしまう。
前記接着位置のずれを防止する方策として、第2基材が変形しないように、第2基材に対する張力を適宜調整することが挙げられるが、このように長尺状の第2基材の張力を調整することは非常に困難である。
【0006】
本発明の課題は、第2基材の変形又は断裂を防止して、第1基材と第2基材を所定位置で接着できる首掛けラベル連続体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の首掛けラベル連続体の製造方法は、MD方向と平行な1本の切り線を有する長尺状の第1基材を長尺状の第2基材に重ね合わせ、前記第1及び第2基材のTD方向両側端部を接着する工程と、前記接着した第2基材のみに、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目を所定間隔を開けて形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の首掛けラベル連続体の製造方法によれば、第2基材は切り目を形成する前に第1基材と接着される。そのため、第2基材の張力調整や送り速度などのタイミング調整などを殆ど行う必要がなく、両基材を所定位置で確実に接着できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の首掛けラベル連続体の製造方法によれば、第2基材は、接着前に、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目が形成されていないので、MD方向に張力をかけて送られても変形する虞はない。そのため、第1及び第2基材を接着する際、両基材の位置ずれが起き難くなり、第2基材の張力調整や送り速度などのタイミング調整などを殆ど行う必要がなく、両基材を所定位置で確実に接着できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の首掛けラベル連続体の製造方法は、MD方向と平行な1本の切り線によって2枚の長尺体に分割された長尺状の第1基材を、1枚の長尺状の第2基材に重ね合わせ、前記第1及び第2基材のTD方向両側端部を接着する工程と、前記接着した第2基材のみに、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目を所定間隔を開けて形成する工程と、を有する。
ただし、本発明において、MD方向とは、長尺状の第1基材及び第2基材の長手方向をいう。TD方向とは、第1基材及び第2基材の面内において、前記MD方向と直交する方向(長尺状の第1基材及び第2基材の幅方向)をいう。
以下、首掛けラベル連続体の構成及びその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<首掛けラベル連続体の構成>
首掛けラベル連続体4は、図1〜図3に示すように、所定幅の長尺状の第1基材41と第2基材42が重ね合わされ、且つその第1基材41及び第2基材42のTD方向両側端部が所定幅接着されている。従って、第1基材41及び第2基材42の両側端部には、MD方向Yに帯状に伸びる接着部11,12が形成されている。該接着部11,12を除いて、第1基材41及び第2基材42は、重ねられているだけである(非接着である)。
第1基材41及び第2基材42は、通常、略同幅に形成されるが、何れか一方の基材の幅が、他方に比して長くてもよい。例えば、第1基材41の幅が、第2基材42の幅よりも長い場合、第1基材41を第2基材42に重ね合わせ、第2基材42の両側端部を第1基材41の対応面に接着することにより、第2基材42の一方の側端縁から第1基材41の一方の側端部が延出される。このような首掛けラベル連続体も、本発明の製造方法によって製造できる。
【0012】
上記第1基材41の上面(重ね合わせ面と反対の面)及び/又は第2基材42の上面(重ね合わせ面)には、広告が表示されている。該広告表示は、商品名、懸賞案内、商品説明などの任意の表示であり、該広告表示は、従来公知の印刷法で各基材に施すことができる。
【0013】
上記長尺状の第1及び第2基材41,42は特に限定されず、首掛けラベル連続体4を形成するのに十分な機械的強度及び可撓性を有するシート材が用いられる。該シート材としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、スチレン系などの合成樹脂シート、紙、合成紙などの単層シート、合成樹脂シートと紙の積層体などの積層シートなどを例示できる。該第1及び第2基材41,42は、同一又は同種のシート材でもよいし、又は異なる材質でもよい。
【0014】
本発明において、長尺とは、長さ寸法が幅寸法よりも十分に大きいことを意味する。その長さ寸法は、通常、幅寸法の10倍以上であり、好ましくは100倍以上である。
また、第1及び第2基材41,42の厚みは、特に限定はされないが、一般には、30〜200μmであり、好ましくは50〜200μmである。
【0015】
上記接着部11,12は、第1基材41及び/又は第2基材42の両側端部に接着剤を塗布し、第1及び第2基材41,42を接着することによって形成される。
該接着剤(該接着剤は、一般に粘着剤と呼ばれているものを含む意味である)は、特に限定されず、エマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤、無溶剤型接着剤などが挙げられる。また、紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤、感熱型接着剤などを用いてもよい。
また、第1基材41及び第2基材42が、溶剤接着可能なシート材で構成されている場合には、溶剤を用いて接着してもよいし、熱シール可能なシート材で構成されている場合には、熱シールで接着してもよい。
【0016】
上記接着部11,12の幅W1,W2は、特に限定されないが、余りに短いと第1基材41及び第2基材42が不用意に剥がれる虞があり、余りに長いと、第2基材42の切り目を形成する領域が狭くなる。この点、考慮すると、接着部11,12の幅W1,W2は、それぞれ、第1基材41のTD方向長さWに対して、1/12倍〜1/4倍の長さとなるように形成される。具体的には、接着部11,12の幅W1,W2は、5mm〜20mm程度である。
【0017】
上記第1基材41には、そのTD方向中途部において、MD方向Yと略平行に伸びて形成された切り線51が1本形成されている。該切り線51を介して、第1基材41は、左右の2枚の長尺体411,412に分割されている。好ましくは、前記切り線51は、第1基材41のTD方向中央部に形成される。
【0018】
また、第2基材42の面内には、MD方向Yと交差する方向に伸びる切込み線を含む切り目6が所定間隔を開けて形成されている。
該切り目6は、例えば、従来の首掛けラベルの第2基材に形成された切り線と同様に、平面視H字状に形成されている。
具体的には、切り目6は、第2基材42のTD方向Xと略平行に伸びる(即ちMD方向Yと略直交する方向に伸びる)有端直線状の第1切込み線61と、前記第1切込み線61の両端部に連設され且つ第2基材42のMD方向Yと略平行に伸びる有端直線状の一対の第2切込み線62と、からなる。なお、必要に応じて、第2基材42の面内には、上記第1切込み線61を挟んで、第1切込み線61よりも短い一対の第3切込み線63,63が対向形成されていてもよい。この第3切込み線63,63は、例えば、平面視円弧状に形成される。
切り目6及び第3切込み線63は、第2基材42の厚み方向全体に貫通しているが、第1基材41の厚み方向には貫通していない。
【0019】
上記切り目6は、首掛けラベルを容器の首部に装着するときの、該首部に挿入される孔部を第2基材42に生じさせる切込み線である。
また、上記第3切込み線63は、首掛けラベルを容器の首部に装着したときに、容器の段部に係合し得る係合部を第2基材42に生じさせる切込み線である。
従って、上記切り目6や第3切込み線63の形状やその長さは、首掛けラベルを装着する容器の首部の大きさ等に合わせて適宜設定される。
【0020】
上記首掛けラベル連続体4は、第1基材41の切り線51の下方(又は上方)に、第2基材42の第1切込み線61が直交して重なっている。かかる首掛けラベル連続体4から1個の首掛けラベルを切り出し、第2基材の下面から容器の首部に首掛けラベルを挿入することにより、首掛けラベルの4面が起立した首掛けラベル付き容器を提供できる。
【0021】
なお、切り目6は、上記のような平面視H字状に限られず、例えば、有端状の2本の切込み線が交差したX字状の切り目でもよい。第2基材42に設けられる切り目6は、MD方向Yと交差する方向に伸びる切込み線が含まれていれば、適宜設計変更できる。
本発明において、MD方向Yと交差する方向の切込み線とは、基材の面内において、該切込み線の伸びる方向とMD方向Yとが略直交する場合、及び該切込み線の伸びる方向とMD方向Yとの成す角が鋭角状である場合を含む。該切込み線が直線状である場合、該切込み線の伸びる方向とMD方向Yとの成す角は、10°〜90°であり、好ましくは、30°〜90°であり、より好ましくは、40°〜90°である。
更に、MD方向Yと交差する方向に伸びる切込み線は、直線状に限られず、曲線状であってもよい。この場合、該曲線状の切込み線の両端部を結んだ直線の伸びる方向が、上記のような角度を以て、MD方向Yと交差していればよい。
加えて、切り目6は、有端状の各切込み線から構成されている場合に限られず、無端状の切込み線から構成されていてもよく、又、無端状の切込み線と有端状の切込み線とから構成されていてもよい。このような切り目6としては、例えば、TD方向に長い楕円形の穴などが挙げられる。
【0022】
<首掛けラベル連続体の製造方法>
次に、上記で示した首掛けラベル連続体の製造方法の一実施形態を説明する。
なお、下記製造方法では、1列(1本)の長尺状の首掛けラベル連続体を製造する方法を例示しているが、一般的な機械的生産では、幅広の第1基材及び第2基材を用いて、TD方向(幅方向)に2列以上の首掛けラベル連続体を製造した後、これを1列毎に切断することが多い。このように複数列の首掛けラベル連続体を製造する場合、第1及び第2基材を切断する時点が両基材の接着前後の何れかであるという相違に過ぎない。このため、数列の首掛けラベル連続体を製造する場合も、下記1本の1本の長尺状の首掛けラベル連続体を製造する方法に準じて行うことができる。
【0023】
本発明の首掛けラベル連続体の製造方法は、(工程A)第1基材に切り線を形成する工程、(工程B)第2基材及び/又は第1基材に接着剤を塗布する工程、(工程C)第1及び第2基材を重ね合わせて接着する工程、(工程D)接着した第2基材のみに切り目を形成する工程、を有し、必要に応じて、他の工程を有していてもよい。
尚、工程A及び工程Bは、何れか一方の工程を先に実施してもよいし、或いは、同時進行的に実施してもよい。また、工程Bは、省略することもできる。
【0024】
(前工程)
前工程は、第1基材41及び第2基材42を準備する工程である。
第1基材41及び第2基材42は、通常、ロール状に巻かれたロール体で供給される。第1及び第2基材41,42のロール体の巻き長さは、特に限定されないが、好ましくは100m以上であり、さらに好ましくは300m〜5,000mである。
該ロール体から第1基材41が引き出され、第1基材41の上面及び/又は下面に、従来公知の印刷機を用いて、広告が印刷される。同様に、ロール体から第2基材42が引き出され、その上面及び/又は下面に、広告が印刷される。印刷方法としては、グラビア印刷 、フレキソ印刷 、インクジェット印刷、オフセット印刷等を例示できる。
【0025】
(工程A)
印刷済みの第1基材41は、図4に示すように、テンションローラー等を用いて、MD方向Yに一定の張力をかけられつつ、MD方向一方側(矢印Nの方向)へ送り出される。
本工程において、長尺状の第1基材41には、切り線形成装置91を用いて、MD方向Yと平行な1本の切り線が形成される。該切り線形成装置91としては、例えば、スリッターなどが挙げられる。
スリッターは、第1基材41の上面側(又は下面側)で回転しており、これに接するように第1基材41がMD方向一方側へ送られることによって、第1基材41に1本の切り線が形成される。
【0026】
該MD方向Yと平行な切り線が形成されることによって、第1基材41は、左右2枚の長尺体に分割される。分割された2つの長尺体は、恰も裁断される前の1枚の第1基材41であるが如く、TD方向に位置ずれしないようにして(切り線において離反しないように)、MD方向一方側へ送られる。
また、第1基材41に形成された切り線は、MD方向Yと平行であり、第1基材41にかけられる張力の方向と同じである。そのため、切り線形成前にかけられている張力と同じ張力が、切り線形成後の第1基材41にかけられていても、第1基材41は変形する虞がない。
【0027】
(工程B)
印刷済みの第2基材42は、図4に示すように、テンションローラー等を用いて、MD方向Yに一定の張力をかけられつつ、MD方向一方側(矢印Nの方向)へ送り出される。ただし、第2基材42は、第1基材41と別経路で送られる。
本工程において、長尺状の第2基材42の上面のTD方向両側端部に、接着剤塗布装置92を用いて、接着剤13が塗布される。第2基材42はMD方向一方側へ送られているので、接着剤塗布装置92の吐出口から接着剤13を出すだけで、第2基材42のTD方向帯状に接着剤13を塗布することができる。該接着剤塗布装置92は、特に限定されず、塗布する接着剤13の物性に合わせて適宜選択できる。
【0028】
なお、本工程は、第1基材41に対して行ってもよい。すなわち、接着剤13は、第1基材41の下面のTD方向両側端部に塗布してもよい。或いは、接着剤13は、第1基材41及び第2基材42のTD方向両側端部にそれぞれ塗布してもよい。
また、第1基材41及び第2基材42が溶剤接着される場合には、上記接着剤に代えて、溶剤が用いられる。
また、第1基材41及び第2基材42が、熱シールされる場合には、本工程は、省略され得る。
【0029】
(工程C)
本工程において、上記切り線が形成された第1基材41と、接着剤が塗布された第2基材42とが、ラミネーター装置93を用いて、接着される。
ラミネーター装置93は、一対の押圧ローラーを有し、該押圧ローラー間に重ね合わされた第1基材41及び第2基材42が通過することによって、両基材の両側端部が接着され、接着部が形成される。以下、接着された第1基材41及び第2基材42を「接着基材43」と記す。
また、ラミネーター装置93は、接着剤の物性によって適宜な装置を具備する。例えば、該接着剤が、紫外線硬化型接着剤である場合には、ラミネーター装置93は、紫外線照射装置を具備する。また、第1基材41及び第2基材42が、熱シールされる場合には、ラミネーター装置93は、加熱コテを具備する。
【0030】
上記第2基材42は、その面内に切り目が形成されていないので、MD方向Yに張力をかけられて送られても、第2基材42が変形する虞はない。
従って、本工程において第1及び第2基材を接着する際、両基材の位置ずれが起き難くなる。従って、第1基材41や第2基材42の張力調整や送り速度などのタイミング調整などを殆ど行う必要がなく、両基材を所定位置で確実に接着できる。
【0031】
(工程D)
本工程において、接着基材43のうち第2基材42のみに、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目が形成される。該切り目は、接着部を除いた第2基材42の面内であって、MD方向Yに所定間隔を開けて順次形成される。
切り目は、ダイカットロールなどの刻設装置94を用いて形成される。
ダイカットロール94は、第2基材42に切り目を形成する所定形状の刃部が凸設された円筒体であり、重ねられた基材のうちの一部の基材のみに切り目を形成できる。該ダイカットロール94と基材を挟んで対となる位置には、平滑平面を有するアンビルロールが配置される。
【0032】
回転駆動するダイカットロール94とアンビルロールの間に、接着基材43が通過すると、ダイカットロール94の刃部が、第2基材42の厚み方向に貫通することで切り目が形成される。アンビルロールは平滑平面を有し、また第1基材41は略平面状であるため、ダイカットロール94の刃部が、接着基材43の第2基材42のみに略均一な厚みで貫通し、切り目を形成することができる。
ダイカットロール94の刃部は、第2基材42のみに切り目を形成できるように設定されている。もっとも、ダイカットロール94を通過する際に加えられる接着基材43に対する圧力、及びダイカットロール94の刃高によっては、第2基材42を貫通した刃部の先端が、第1基材41を押圧し、第1基材41の表面に刃型が形成される場合がある。しかし、ダイカットロール94の刃部は、第1基材41を貫通するものではないため、前記刃型は、第1基材41の表面に微小な溝が形成されるに過ぎない。従って、該刃型が、第1基材41の反対面に表れず、首掛けラベルのデザインを損ねることはない。
なお、図4では、第2基材42は、接着基材43の下側基材となっているため、ダイカットロール94は、下側に配置されている。
【0033】
以上のような各工程を経て、首掛けラベル連続体4が得られる。
第2基材42に上記切り目が形成された後の首掛けラベル連続体4は、MD方向に張力をかけられて送られるが、第2基材42は第1基材41と接着されているため、第2基材42が変形する虞がない。
得られた首掛けラベル連続体4は、通常、ロール状に巻かれ、保管、搬送に供される。この首掛けラベル連続体のロールは、ラベラーに装填され、該ラベラーによって、首掛けラベル連続体から個々の首掛けラベルが順次切り出され、容器に装着される。
【0034】
本発明の首掛けラベル連続体4の製造方法は、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目を第2基材42に形成する前に、第1基材41と第2基材42を接着するので、第2基材42が変形する虞がない。そのため、第2基材42の張力調整や送り速度などのタイミング調整などを殆ど行わなくても、第1基材41及び第2基材42を所定位置で確実に接着できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る首掛けラベル連続体の一部省略平面図。ただし、薄墨塗り部分は、接着部を示す(図2も同様)。
【図2】同背面図。
【図3】図1のI−I線断面図。
【図4】首掛けラベル連続体の製造工程を模式化した参考側面図。
【符号の説明】
【0036】
11,12…接着部、4…首掛けラベル連続体、41…第1基材、42…第2基材、51…切り線、6…切り目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MD方向と平行な1本の切り線を有する長尺状の第1基材を長尺状の第2基材に重ね合わせ、前記第1及び第2基材のTD方向両側端部を接着する工程、
前記接着した第2基材のみに、MD方向と交差する方向の切込み線を含む切り目を所定間隔を開けて形成する工程、
を有することを特徴とする、首掛けラベル連続体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−220347(P2009−220347A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66049(P2008−66049)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】