香料香質保持剤およびそれを含有する香料組成物
【課題】エアケア製品を含むハウスホールド用品中に使用可能であり、一定期間にわたって、香質の変動が少ない芳香発散性を維持する香料香質保持剤を提供すること。
【解決手段】少なくとも１種類の式（Ｉ）のアルコキシベンゼン：
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、 −Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）をハウスホールド製品中に添加・配合する。
【解決手段】少なくとも１種類の式（Ｉ）のアルコキシベンゼン：
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、 −Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）をハウスホールド製品中に添加・配合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特定の化合物を有効成分とする香料香質保持剤およびそれを含有する香料組成物に関する。とくに、ハウスホールド製品やエアケア製品から揮散する香料組成物の香質が変質しにくく、長期間にわたって心地よい香りを維持できるハウスホールド製品用香料組成物やエアケア製品用香料組成物、およびそれら香料香質保持剤を含有するハウスホールド製品やエアケア製品に関する。
【背景技術】
【０００２】
家庭、事務所、店舗などでの特定の表面の掃除、つや出し、および消毒等に使用される製品であるハウスホールド製品には、通常香料が添加・配合されている。これにより、それら作業をより心地よくできるという効果がある。また、その作業者や、ハウスホールド製品にて処理された表面に近づく人に心地よい感じを与えるためでもある。
そのような役割を有する香料について、かなり前から現在まで長い間研究がなされてきた。とくに洗剤などのハウスホールド製品では洗浄された衣類、各種シーツ等に対して使用者が心地よい感じを得るために、ハウスホールド製品に添加・配合される香料について研究がなされている。
【０００３】
また、人が生活する空間を芳香で満たし、審美的な雰囲気や環境をもたらすためにも、例えば、ロウソク、ゲル、デオドラント、膜エアケア装置、場合によりファンが取り付けられている電動エアケア装置などのいわゆるエアケア製品が広く用いられており、それらエアケア製品に添加・配合される香料についてもいろいろと研究がなされている。
【０００４】
上記ハウスホールド製品においては、優れた洗浄性能だけでなく、使用時あるいは使用後にも快適感が得られ、覚醒および／または鎮静作用などの心理的効果を消費者に与える製品を消費者に提供する研究・開発が行われている。上記エアケア製品に添加・配合される香料についても、居住空間に住む人が快適感が得られ、覚醒および／または鎮静作用などの心理的効果を与える工夫がなされている。
鎮静作用を有する香料として、ラベンダーの精油、ベルガモットの精油、レモンの精油、マージョラムの精油、またはサンダルウッドの精油などの精油を使用することができる（非特許文献１）。
ハウスホールド製品は、製造直後には使用されず、製造から数か月後に消費されることが多いので、ハウスホールド製品用香料として、芳香発散（芳香付与）性が長時間安定であることが非常に重要であるが、上記精油は、ある期間を経過すると製品中で芳香性が失われるという問題点が分かり、したがってそれら精油をハウスホールド製品に使用しても、その技術的な意味がなくなるなどの問題がある。
さらに、ハウスホールド製品内に存在する精油は、場合により変質して、望ましくない臭気を発生する恐れもある。
【０００５】
また、エアケア製品、特に電動エアケア装置を使用すると、たとえば３０〜４５日間等長期間、人の居住空間内に香気が均一に拡散されるが、居住空間内に揮散される芳香は、上記長期間に亘って香気特性が変化せずに維持されることが望ましい。
精油、特にレモンの精油は、これらのエアケア製品には適合しておらず、経時による不規則な重量減および香気特性の変化が観察される。
さらに、香料が含有された芳香ロウソクの場合、その製造過程における精油のロウソク内への混入が困難である。実際、溶融ワックスの温度で、精油の揮発性成分は容易に蒸発されるので、このためせっかくバランスのとれた調合香料の香質が変化し、必要な香気特性が変化する恐れがある。さらに、精油含有ロウソクは多量のすすを発生させる欠点もあり、このことは消費者に受け入れられない。
【０００６】
【特許文献１】米国特許第６，７４３，７６８号明細書
【特許文献２】英国特許第２，３５５，０１５号明細書
【特許文献３】米国特許出願公開第２００３／０１３４７６９号
【特許文献４】国際公開第２００４／０４１９８３号パンフレット
【特許文献５】欧州特許出願公開第０ ９１８ ８３５号明細書
【特許文献６】国際公開第２００３／０２２９７２号パンフレット
【特許文献７】米国特許第６，２６８，３３３号明細書
【非特許文献１】香料、第１６８巻、４３頁〜（１９９０年）、印藤元一
【非特許文献２】Ｙａ−Ｆｅｉ Ｊｉら，Ｏｒｇａｎｉｃ Ｐｒｅｐａｒａｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｐｒｏｃｅｄｕｒｅｓ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ，Ｖｏｌ．３５（２００３），２２５
【非特許文献３】界面活性剤の科学シリーズ 第７１巻，粉末洗剤ＩＳＢＮ ０−８２４７−９９８８−７、
【非特許文献４】界面活性剤の科学シリーズ 第６７巻 液体洗剤ＩＳＢＮ ０−８２４７−９３９１−９
【非特許文献５】第１９回日本味と匂いシンポジウム予稿集，６５（１９８５）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
そこで、本発明の課題は、揮散する香料の香質を例えば数ヶ月間など、長期間に亘って持続され、保持される技術を提供することである。また、一定期間にわたって揮散する香料の香質が持続され、保持されるハウスホールド製品やエアケア製品を提供することである。さらに、すすの発生などが抑えられ、バランスのよい香質が長い時間保持され、需要者に満足感を与えることができるエアケア製品を提供することである。なお、本発明では、ハウスホールド製品はエアケア製品を含めたものとすることがある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、意外にもメトキシ基を有するベンゼン誘導体を香料組成物に共存させると上記課題を解決できるとの知見を得、その知見に基づきさらに研究を重ね、遂に本発明を完成させた。
【０００９】
すなわち、請求項１の発明は、下式(Ｉ)で表されるアルコキシベンゼンを有効成分とすることを特徴とする香料香質保持剤である。
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、 −Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）。
請求項２の発明は、請求項１の発明の化合物のＲ１およびＲ２がメチル基であり、Ｒ３がＣ１〜Ｃ２アルキル基または−ＯＲ４であり、Ｒ４はＣ１〜Ｃ２アルキル基である香料香質保持剤である。
請求項３の発明は、請求項１の発明の化合物が１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンおよび／または１，３，５−トリメトキシベンゼンである発明である。
請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性香料組成物の発明である。
請求項５の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品用香料組成物の発明である。
請求項６の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品用香料組成物の発明である。
請求項７の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品の発明である。
請求項８の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品の発明である。
さらに、 請求項１〜３のいずれか記載の化合物を香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性電動エアケア製品の発明でもある。
【００１０】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で香料香質保持剤としての化合物は、上記式（Ｉ）で表される。
式中の−Ｒ１および−Ｒ２のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。式中のＲ３および−Ｒ４としては、例示された上記−Ｒ１のアルキル基と同じである。
それらの中では、メチル基やエチル基が好ましい。
上記化合物としては、１，３−ジエトキシ−５−メチルベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン、１，３−ジエトキシ−５−エチルベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−エチルベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−エトキシベンゼン、１，３−ジエトキシ−５−メトキシベンゼン、１，３，５−トリエトキシベンゼンまたは１，３，５−トリメトキシベンゼンを例示でき、とくに１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンまたは１，３，５−トリメトキシベンゼンが好ましい。
【００１１】
本発明では、上記式（Ｉ）に属する化合物が２種類以上混合することが好ましい。例えば式（Ｉ）に属する化合物の１種類以上のメトキシル化化合物と、式（Ｉ）の１種類以上のヒドロキシル化化合物との混合物を香料香質保持剤とするとさらに好都合である。すなわち、式（Ｉ）で表される化合物であって、式中の−Ｒ１およびＲ２は、互いに独立に、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、またはＣ１〜Ｃ３アルコキシ基であり、−Ｒ３は、水素原子、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である化合物と、
式（Ｉ）で表される化合物であって、ヒドロキシ基の数が１個、2個、または３個である化合物との混合物は優れた香料香質保持剤となる。
特に、１，３，５−トリメトキシベンゼンおよび／または１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンと１，３，５−トリヒドロキシベンゼンとの混合物を香料香質保持剤とすると有利である。
上記式（Ｉ）で表される化合物は、既知の化合物であり、例えば非特許文献２記載の方法など既知の方法で容易に調製できるが、市販品を購入してもよい。
【００１２】
かくして調製された上記化合物は香料香質保持剤の有効成分として機能する。このことを見出した点が、本発明のひとつの特徴である。香料香質保持剤は、共存する香料の香質を長期間にわたって持続させ、保持することができる。共存する香料は1種でもよいが、2種以上でもよい。とくに、バランスをとった香りや香質を持ち、嗜好性の高い香料混合物である調合香料に対して有効である。
本発明では、上記香料香質保持剤をフレグランスの一種または二種以上と共存させて、香料組成物とすることにも特徴がある。この香料組成物は香料の香質を長期間にわたって持続させ、保持することができる。
上記化合物を有効成分とする香料香質保持剤を、各種製品に適用できるのであるが、ハウスホールド製品用香料組成物の一成分とすることが有効であり、とくに香料香質保持性ハウスホールド製品用香料組成物とすることが有効である。このハウスホールド製品用香料組成物を含有する製品を使用すると、該製品から揮散される香料はバランスのよい香気を有し、しかも長い時間にわたってバランスが取れた香質を保持できることになる。上記化合物を有効成分とする香料香質保持剤をエアケア製品用香料組成物の一成分とすることも有効である。
式（Ｉ）のアルコキシベンゼンは、液体または固体のあらゆる種類のハウスホールド製品中に使用することができるし、あらゆる種類のエアケア製品中に使用することができる。
ハウスホールド製品に関して、以下の文献に記載された内容を参照することができる。
非特許文献３、非特許文献４、特許文献３、特許文献４、特許文献５、および特許文献６など。
本発明では、ハウスホールド製品の中のひとつである家庭用製品中のアルコキシベンゼンおよび精油の安定性を、具体的な試験によって測定した。
【００１３】
上記ハウスホールド製品用香料組成物は鎮静作用も有する。本発明によるアルコキシベンゼンの鎮静作用は、鳥居の方法「非特許文献５」により「随伴性陰性変動」（ＣＮＶ）と呼ばれる負電位の変動を測定することによって決定した。
随伴性陰性変動は、注意、待機、期待などの心理作用、ならびに意識の状態の変化に関連する脳電位の小さな変動である。
この方法によると、音響信号の約２秒後に光信号が発せられ、被験者は、光信号を認識したらすぐにボタンを押すことによって光信号を停止させる必要がある。
これらの実験を行う場合、試験される試料（香料組成物）または参照試料（匂いなし）を、これらの実験に参加する被験者の鼻から約１０ｃｍ離して配置し、被験者の呼吸によって常に試料が認識されるようにする。
随伴性陰性変動測定用の電極を被験者の額に取り付ける。なお、参照電極は耳たぶに取り付ける。
音響信号の４００ｍｓｅｃ〜１０００ｍｓｅｃ後の早期に測定される随伴性陰性変動、およびこれらの変動の大きさは、１００％の値が得られる参照試料を基準にして表現する。
大きさが１００％を超える試験試料は覚醒組成物であり、大きさが１００％未満の試験試料は鎮静組成物である。
【００１４】
本発明が規定する香料組成物は少なくとも上記式（Ｉ）で表される化合物と、フレグランスの一種または二種以上のほかに、該香料香質保持剤や香料の担体がさらに共存してもよい。上記組成物中における上記式（Ｉ）の含有量はとくに限定されないが、通常、組成物１重量部を基準として約０．００１重量％から３０重量％の間とすることが好ましい。
上記フレグランスとしては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類および／またはアセタール類、ケトン類および／またはケタール類、エーテル類、合成ムスク類、酸類、ラクトン類、エステル類、含ハロゲン化合物などが挙げられる。なお、必要に応じ天然香料を使用してもよい。
また、特許文献１や特許文献２に記載された香料組成物にハウスホールド製品用香料を共存させてもよい。
上記担体としては、該化合物を溶解させる溶媒などが挙げられる。具体的には、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール（ＤＰＧ）等が挙げられ、好ましくはジプロピレングリコール（ＤＰＧ）等である。
【００１５】
このハウスホールド製品用香料組成物をハウスホールド製品に添加・配合する方法は、とくに制限されない。例えば、ハウスホールド製品用香料組成物をそのままハウスホールド製品に添加・配合してもよいし、ハウスホールド製品用香料組成物を、例えば溶媒などほかの物質と混合した後、ハウスホールド製品に添加・配合してもよいし、調合香料内に共存させた後、ハウスホールド製品に添加・配合してもよい。
【００１６】
本発明のハウスホールド製品とは、日常生活の中で、とくに衛生・清潔に関する点を目的として開発された製品を意味し、すでに公知のものである。具体的に例示すると、石けん、洗濯用洗剤、漂白剤、自動食器洗い器用洗剤、洗浄用粉末、繊維柔軟剤、脱臭剤、発汗防止剤及びクエン酸、塩酸、スルホン酸又はリン酸を含有するクリーナーなどが挙げられる。また、芳香剤、空気清浄剤、香料含有ろうそくなどのエアケア製品も挙げることができる。なお、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６に記載されたハウスホールド製品に適用してもよい。
【００１７】
本発明の実施に適切な上記式（Ｉ）で表されるアルコキシベンゼン量は、ハウスホールド製品によって変動するので、一概に規定することはできないが、たとえば、随伴性陰性変動の測定から、例えば１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンやトリメトキシベンゼン、とくに１，３，５−トリメトキシベンゼンは、ハウスホールド製品中に該ハウスホールド製品の全重量に対して０．０００１重量％〜０．１重量％の間で使用される場合、鎮静作用を有することが示された。
したがってハウスホールド製品の場合、上記アルコキシベンゼン量は一般に、ハウスホールド製品の全組成物を基準にして０．０００１〜０．１重量％の間とすることが好ましい。鎮静作用とは関係なく、香料香質保持性に重点をおいたときには、上記アルコキシベンゼンを多量にしてもよく、例えばハウスホールド製品の全組成物を基準にして０．０００１〜１５重量％の間としてもよい。
なお、エアケア製品の場合、アルコキシベンゼン量は一般に、全組成物を基準にして０．０１〜１５重量％の間とすることがより好ましい。
【００１８】
本発明での香料組成物、上記ハウスホールド製品用香料組成物、エアケア製品香料組成物に慣用の他の成分を添加・配合することができる。それら成分としては、油脂類、高級アルコール類、界面活性剤、シリコーンに代表される珪素原子含有化合物、抗菌剤、保湿剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子類、ビタミン類、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、各種粉末成分、キレート剤、美白剤、細胞賦活剤、ｐＨ調整剤、消炎剤、収斂剤、活性酸素除去制、抗アレルギー剤等が挙げられる。
【００１９】
前記エアケア製品はすでに広く知られているものであり、本発明ではそれらエアケア製品を採用することができる。とくに、ろうそく、ゲルの形態の芳香剤、電動エアケア装置、膜を介して香料を揮散する膜エアケア装置等を使用すると有効である。
【発明の効果】
【００２０】
本発明により、一定期間にわたって揮散する香料の香質が持続され、保持される香料組成物が提供される。また、一定期間にわたって揮散する香料の香質が持続され、保持されるハウスホールド製品用香料組成物が提供される。この香料組成物を含有するハウスホールド製品は嗜好性の高い香料を長期間にわたって揮散することができる。この揮散される香料はバランスが保持されており、香質の変質の恐れも極めて少なく、需要者に満足感をあたえることができ、きわめて実用的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。それらの中では以下の略語が使用される：
Ｎａ−ＬＡＳ＝（鎖状）アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
Ｎａ−ＰＡＳ＝（鎖状）アルキル硫酸ナトリウム
Ｎａ−ＡＥＳ＝アルキルエーテル硫酸
ＳＣＭＣ＝カルボキシメチルセルロースナトリウム
ＴＡＥＤ＝テトラアセチルエチルアミン
ＡＰＧ＝アルキルポリグルコシド
また、数字はとくに断らない限り、重量％あるいは重量部を意味する。
【００２２】
実施例１ 粉末洗剤用の香料組成物(香料No.1)の調製
本発明の香料香質保持剤を表１に記載した量を含む粉末洗剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表1のとおりである。
【００２３】
（表1）
【００２４】
実施例２ 粉末洗剤用の香料組成物(香料No.２)の調製
本発明の香料香質保持剤を表２に記載した量を含む粉末洗剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表２のとおりである。
【００２５】
（表２）
＊１ ノルリンバノール・デキストロ (NORRIMBANOL・DEXTRO)
【００２６】
実施例３ 液体洗剤組成物用の香料組成物(香料No.3および香料No.4)の調製
本発明の香料香質保持剤を表３に記載した量を含む液体洗剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表３のとおりである。
【００２７】
（表３）
【００２８】
実施例４:液体柔軟剤用の香料組成物(香料No.５、６および７)の調製
本発明の香料香質保持剤を表４に記載した量を含む液体柔軟剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表４のとおりである。
（表4）
【００２９】
実施例５：標準粉末洗剤(標準粉末洗剤No.1〜No.3)またはコンパクト粉末洗剤(コンパクト粉末洗剤No.1)の調製
実施例１で調製した香料No.1および実施例２で調製した香料No.２を表５に記載した量を含む標準粉末洗剤およびコンパクト粉末洗剤を常法により調製した。処方は表５のとおりである。
（表5）
＊１：(デクエスト(DEQUEST)(登録商標)2047および2016)
＊２：(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ)
＊３：布の手入れのためのポリマー(汚れの除去、染料転写など)
【００３０】
実施例６：標準液体洗剤(St.Liq.No.1〜No.4)またはコンパクト液体洗剤(Conc.Liq.No.1〜No.4) の調製
実施例３で調製した香料No.３および香料No.４を表６に記載した量を含む標準液体洗剤およびコンパクト液体洗剤を常法により調製した。処方は表６のとおりである。
（表６）
１：(デクエスト(登録商標)2040および2010)
２：(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ)
【００３１】
実施例７：標準柔軟剤(StFC1)またはコンパクト液体柔軟剤(ConcFC1〜2) の調製
実施例４で調製した香料No.５、香料No.６および香料No.７を表７に記載した量を含む標準柔軟剤およびコンパクト液体柔軟剤を常法により調製した。処方は表７のとおりである。
（表７）
テトラニルAHT-1(TETRANYL AHT-1);メソ硫酸トリエタノールアンモニウムの半硬質タローエステル、（花王）
ゲナポール(GENAPOL)C200；コプラエトキシル化物（クラリアント(Clariant)）
ローレックス(LAUREX)CS；長鎖アルコール（オルブライト・アンド・ウィルソン(Albright & Wilson)）
DEQA；軟質ジ(タローオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド
【００３２】
（試験例１：安定性の試験）
０．１５重量％の、１，３，５−トリメトキシベンゼン（ＴＭＢ）、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン（ＤＭＢ）、表８に記載した精油のそれぞれを、香料を全く含有しない洗剤（商品名「パーシル・センシティブ：ヘンケル社製）と混合した。
この洗剤の試料を、ダンボール包装材料（ガンドルフ・アンバラージュ・サール（Ｇａｎｄｏｌｐｈｅ Ｅｍｂａｌｌａｇｅｓ Ｓａｒｌ社））中で、４０℃および相対湿度７０％で５週間保管した。
その後、保管した洗剤の試料を、以下の値１〜５の等級に従って香料専門パネラーにより安定性（香質の変化）を評価した：
１−安定（香質の変化なし）
２−安定（リーディングノートの減少が見られたが、香質の変化はほとんどない）
３−許容できる（わずかな香質の変化あり）
４−ボーダーライン（多少の香質の変化あり）
５−不安定（香質の変化あり、不良）。
【００３３】
リラックス作用が知られている表８の精油を上述のように保管し、それらの芳香発散性を保管５週間後に評価し、同じ条件で保管したＴＭＢまたはＤＭＢと比較した。
その結果を以下の表８にまとめた。それらの結果から、精油は不安定であり、一方ＤＭＢおよびＴＭＢは安定であることが分かる。
【００３４】
（表８）
【００３５】
実施例８：電動エアケア装置に適した香料組成物の調製
下記表９の組成を有する香料組成物を常法により調製した。この香料組成物を空中揮散用香料組成物として使用した。すなわち、ダワノールＤＰＮＢまたはダワノールＤＰＭ（ダウ・ケミカル社）などのグリコールエーテル溶媒に溶解させ、空中揮散用器具内にセットし、該香料を必要な期間揮散させた。
このような香料組成物としては、たとえば「Ｇｌａｄｅ Ｐｌｕｇ−Ｉｎ（登録商標）」、「Ｇｌａｄｅ Ｗｉｓｐ（登録商標）」、「Ｒｅｃｋｉｔｔ−Ｂｅｎｃｋｉｓｅｒ Ａｉｒ−Ｗｉｃｋ Ｍｏｂｉｌ（登録商標）」、「Ａｉｒ−Ｗｉｃｋ（登録商標）」、「Ａｍｂｉ−Ｐｕｒ Ｃａｒ（登録商標）」、および「Ｓａｒａ Ｌｅｅ Ｉｎｓｐｉｒａ（登録商標）」なども利用できる。
【００３６】
(表９)
【００３７】
香料組成物は、下記実施例９に示されるように上記香料組成物をゲルの形態でこれらの装置に加えることもできる。
【００３８】
実施例９：膜エアケア装置または電動エアケア装置用のゲルの形態の香料組成物の調製
実施例８の香料組成物４０％を、ダワノールＤＰＭを５５．９７％、親水性シリカ（「Ｃａｂ−Ｏ−Ｓｉｌ」（登録商標）（Ｃａｂｏｔ 社）を４％およびＴｗｅｅｎ２０を０．０３％と共に混合し、ゲル状の香料組成物を調製した。
【００３９】
実施例１０：ロウソク用の芳香油
以下の表１０に示される成分を混合してロウソク用の香料組成物を調製した。
【００４０】
(表１０)
【００４１】
実施例１１：芳香ロウソク
８０℃の水浴中でワックスと他の成分を溶解させた後、実施例１０による香料組成物を加え、均一混合物が得られるまで混合し、これを、芯を入れた型に流し込むことで、芳香ロウソクを作製した。
こうして作製されたロウソクを、次に２４時間かけて冷却した。次に、このロウソクに火をつけた。香気香質が安定した香料組成物を２４〜３６時間以上拡散することができた。
【００４２】
（表１１）
【００４３】
本発明を次のように記載することもできる。
（１）式（Ｉ）のアルコキシベンゼン：
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、−Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）、または式（Ｉ）のアルコキシベンゼンの混合物のハウスホールド製品の芳香剤としての使用。
（２） アルコキシベンゼンの量が、エアケア製品以外のハウスホールド製品の０．０００１〜０．１重量％の間となることを特徴とする上記（１）記載の使用。
（３） アルコキシベンゼンの量がエアケア製品の０．０１〜１５重量％の間となることを特徴とする上記（１）記載の使用。
（４） 前記アルコキシベンゼンが１，３，５−ジメトキシベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載の使用。
（５） ０．０１〜１０％の少なくとも１種類の上記式（Ｉ）のアルコキシベンゼンを含有することを特徴とするハウスホールド製品用の香料組成物。
（６） 前記アルコキシベンゼンが１，３，５−ジメトキシベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする上記（５）記載の香料組成物。
【００４４】
（７） 下式(Ｉ)で表されるアルコキシベンゼンを有効成分とすることを特徴とする香料の香質保持剤。
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、−Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）。
（８） Ｒ１およびＲ２がメチル基であり、Ｒ３がＣ１〜Ｃ２アルキル基または−ＯＲ４であり、Ｒ４はＣ１〜Ｃ２アルキル基である上記（７）記載の香料の香質保持剤。
（９） 化合物が１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンおよび／または１，３，５−トリメトキシベンゼンである上記（７）または（８）記載の香料の香質保持剤。
（１０）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香料組成物。
（１１）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香質保持性香料組成物。
（１２）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするハウスホールド製品用香料組成物。
（１３）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするハウスホールド製品用香質保持性香料組成物。
（１４）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするエアケア製品用香料組成物。
（１５）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするエアケア製品用香質保持性香料組成物。
（１６） 上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香質保持性ハウスホールド製品。
（１７）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香質保持性エアケア製品。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特定の化合物を有効成分とする香料香質保持剤およびそれを含有する香料組成物に関する。とくに、ハウスホールド製品やエアケア製品から揮散する香料組成物の香質が変質しにくく、長期間にわたって心地よい香りを維持できるハウスホールド製品用香料組成物やエアケア製品用香料組成物、およびそれら香料香質保持剤を含有するハウスホールド製品やエアケア製品に関する。
【背景技術】
【０００２】
家庭、事務所、店舗などでの特定の表面の掃除、つや出し、および消毒等に使用される製品であるハウスホールド製品には、通常香料が添加・配合されている。これにより、それら作業をより心地よくできるという効果がある。また、その作業者や、ハウスホールド製品にて処理された表面に近づく人に心地よい感じを与えるためでもある。
そのような役割を有する香料について、かなり前から現在まで長い間研究がなされてきた。とくに洗剤などのハウスホールド製品では洗浄された衣類、各種シーツ等に対して使用者が心地よい感じを得るために、ハウスホールド製品に添加・配合される香料について研究がなされている。
【０００３】
また、人が生活する空間を芳香で満たし、審美的な雰囲気や環境をもたらすためにも、例えば、ロウソク、ゲル、デオドラント、膜エアケア装置、場合によりファンが取り付けられている電動エアケア装置などのいわゆるエアケア製品が広く用いられており、それらエアケア製品に添加・配合される香料についてもいろいろと研究がなされている。
【０００４】
上記ハウスホールド製品においては、優れた洗浄性能だけでなく、使用時あるいは使用後にも快適感が得られ、覚醒および／または鎮静作用などの心理的効果を消費者に与える製品を消費者に提供する研究・開発が行われている。上記エアケア製品に添加・配合される香料についても、居住空間に住む人が快適感が得られ、覚醒および／または鎮静作用などの心理的効果を与える工夫がなされている。
鎮静作用を有する香料として、ラベンダーの精油、ベルガモットの精油、レモンの精油、マージョラムの精油、またはサンダルウッドの精油などの精油を使用することができる（非特許文献１）。
ハウスホールド製品は、製造直後には使用されず、製造から数か月後に消費されることが多いので、ハウスホールド製品用香料として、芳香発散（芳香付与）性が長時間安定であることが非常に重要であるが、上記精油は、ある期間を経過すると製品中で芳香性が失われるという問題点が分かり、したがってそれら精油をハウスホールド製品に使用しても、その技術的な意味がなくなるなどの問題がある。
さらに、ハウスホールド製品内に存在する精油は、場合により変質して、望ましくない臭気を発生する恐れもある。
【０００５】
また、エアケア製品、特に電動エアケア装置を使用すると、たとえば３０〜４５日間等長期間、人の居住空間内に香気が均一に拡散されるが、居住空間内に揮散される芳香は、上記長期間に亘って香気特性が変化せずに維持されることが望ましい。
精油、特にレモンの精油は、これらのエアケア製品には適合しておらず、経時による不規則な重量減および香気特性の変化が観察される。
さらに、香料が含有された芳香ロウソクの場合、その製造過程における精油のロウソク内への混入が困難である。実際、溶融ワックスの温度で、精油の揮発性成分は容易に蒸発されるので、このためせっかくバランスのとれた調合香料の香質が変化し、必要な香気特性が変化する恐れがある。さらに、精油含有ロウソクは多量のすすを発生させる欠点もあり、このことは消費者に受け入れられない。
【０００６】
【特許文献１】米国特許第６，７４３，７６８号明細書
【特許文献２】英国特許第２，３５５，０１５号明細書
【特許文献３】米国特許出願公開第２００３／０１３４７６９号
【特許文献４】国際公開第２００４／０４１９８３号パンフレット
【特許文献５】欧州特許出願公開第０ ９１８ ８３５号明細書
【特許文献６】国際公開第２００３／０２２９７２号パンフレット
【特許文献７】米国特許第６，２６８，３３３号明細書
【非特許文献１】香料、第１６８巻、４３頁〜（１９９０年）、印藤元一
【非特許文献２】Ｙａ−Ｆｅｉ Ｊｉら，Ｏｒｇａｎｉｃ Ｐｒｅｐａｒａｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｐｒｏｃｅｄｕｒｅｓ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ，Ｖｏｌ．３５（２００３），２２５
【非特許文献３】界面活性剤の科学シリーズ 第７１巻，粉末洗剤ＩＳＢＮ ０−８２４７−９９８８−７、
【非特許文献４】界面活性剤の科学シリーズ 第６７巻 液体洗剤ＩＳＢＮ ０−８２４７−９３９１−９
【非特許文献５】第１９回日本味と匂いシンポジウム予稿集，６５（１９８５）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
そこで、本発明の課題は、揮散する香料の香質を例えば数ヶ月間など、長期間に亘って持続され、保持される技術を提供することである。また、一定期間にわたって揮散する香料の香質が持続され、保持されるハウスホールド製品やエアケア製品を提供することである。さらに、すすの発生などが抑えられ、バランスのよい香質が長い時間保持され、需要者に満足感を与えることができるエアケア製品を提供することである。なお、本発明では、ハウスホールド製品はエアケア製品を含めたものとすることがある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、意外にもメトキシ基を有するベンゼン誘導体を香料組成物に共存させると上記課題を解決できるとの知見を得、その知見に基づきさらに研究を重ね、遂に本発明を完成させた。
【０００９】
すなわち、請求項１の発明は、下式(Ｉ)で表されるアルコキシベンゼンを有効成分とすることを特徴とする香料香質保持剤である。
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、 −Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）。
請求項２の発明は、請求項１の発明の化合物のＲ１およびＲ２がメチル基であり、Ｒ３がＣ１〜Ｃ２アルキル基または−ＯＲ４であり、Ｒ４はＣ１〜Ｃ２アルキル基である香料香質保持剤である。
請求項３の発明は、請求項１の発明の化合物が１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンおよび／または１，３，５−トリメトキシベンゼンである発明である。
請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性香料組成物の発明である。
請求項５の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品用香料組成物の発明である。
請求項６の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品用香料組成物の発明である。
請求項７の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品の発明である。
請求項８の発明は、 請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品の発明である。
さらに、 請求項１〜３のいずれか記載の化合物を香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性電動エアケア製品の発明でもある。
【００１０】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で香料香質保持剤としての化合物は、上記式（Ｉ）で表される。
式中の−Ｒ１および−Ｒ２のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。式中のＲ３および−Ｒ４としては、例示された上記−Ｒ１のアルキル基と同じである。
それらの中では、メチル基やエチル基が好ましい。
上記化合物としては、１，３−ジエトキシ−５−メチルベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン、１，３−ジエトキシ−５−エチルベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−エチルベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−エトキシベンゼン、１，３−ジエトキシ−５−メトキシベンゼン、１，３，５−トリエトキシベンゼンまたは１，３，５−トリメトキシベンゼンを例示でき、とくに１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンまたは１，３，５−トリメトキシベンゼンが好ましい。
【００１１】
本発明では、上記式（Ｉ）に属する化合物が２種類以上混合することが好ましい。例えば式（Ｉ）に属する化合物の１種類以上のメトキシル化化合物と、式（Ｉ）の１種類以上のヒドロキシル化化合物との混合物を香料香質保持剤とするとさらに好都合である。すなわち、式（Ｉ）で表される化合物であって、式中の−Ｒ１およびＲ２は、互いに独立に、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、またはＣ１〜Ｃ３アルコキシ基であり、−Ｒ３は、水素原子、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である化合物と、
式（Ｉ）で表される化合物であって、ヒドロキシ基の数が１個、2個、または３個である化合物との混合物は優れた香料香質保持剤となる。
特に、１，３，５−トリメトキシベンゼンおよび／または１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンと１，３，５−トリヒドロキシベンゼンとの混合物を香料香質保持剤とすると有利である。
上記式（Ｉ）で表される化合物は、既知の化合物であり、例えば非特許文献２記載の方法など既知の方法で容易に調製できるが、市販品を購入してもよい。
【００１２】
かくして調製された上記化合物は香料香質保持剤の有効成分として機能する。このことを見出した点が、本発明のひとつの特徴である。香料香質保持剤は、共存する香料の香質を長期間にわたって持続させ、保持することができる。共存する香料は1種でもよいが、2種以上でもよい。とくに、バランスをとった香りや香質を持ち、嗜好性の高い香料混合物である調合香料に対して有効である。
本発明では、上記香料香質保持剤をフレグランスの一種または二種以上と共存させて、香料組成物とすることにも特徴がある。この香料組成物は香料の香質を長期間にわたって持続させ、保持することができる。
上記化合物を有効成分とする香料香質保持剤を、各種製品に適用できるのであるが、ハウスホールド製品用香料組成物の一成分とすることが有効であり、とくに香料香質保持性ハウスホールド製品用香料組成物とすることが有効である。このハウスホールド製品用香料組成物を含有する製品を使用すると、該製品から揮散される香料はバランスのよい香気を有し、しかも長い時間にわたってバランスが取れた香質を保持できることになる。上記化合物を有効成分とする香料香質保持剤をエアケア製品用香料組成物の一成分とすることも有効である。
式（Ｉ）のアルコキシベンゼンは、液体または固体のあらゆる種類のハウスホールド製品中に使用することができるし、あらゆる種類のエアケア製品中に使用することができる。
ハウスホールド製品に関して、以下の文献に記載された内容を参照することができる。
非特許文献３、非特許文献４、特許文献３、特許文献４、特許文献５、および特許文献６など。
本発明では、ハウスホールド製品の中のひとつである家庭用製品中のアルコキシベンゼンおよび精油の安定性を、具体的な試験によって測定した。
【００１３】
上記ハウスホールド製品用香料組成物は鎮静作用も有する。本発明によるアルコキシベンゼンの鎮静作用は、鳥居の方法「非特許文献５」により「随伴性陰性変動」（ＣＮＶ）と呼ばれる負電位の変動を測定することによって決定した。
随伴性陰性変動は、注意、待機、期待などの心理作用、ならびに意識の状態の変化に関連する脳電位の小さな変動である。
この方法によると、音響信号の約２秒後に光信号が発せられ、被験者は、光信号を認識したらすぐにボタンを押すことによって光信号を停止させる必要がある。
これらの実験を行う場合、試験される試料（香料組成物）または参照試料（匂いなし）を、これらの実験に参加する被験者の鼻から約１０ｃｍ離して配置し、被験者の呼吸によって常に試料が認識されるようにする。
随伴性陰性変動測定用の電極を被験者の額に取り付ける。なお、参照電極は耳たぶに取り付ける。
音響信号の４００ｍｓｅｃ〜１０００ｍｓｅｃ後の早期に測定される随伴性陰性変動、およびこれらの変動の大きさは、１００％の値が得られる参照試料を基準にして表現する。
大きさが１００％を超える試験試料は覚醒組成物であり、大きさが１００％未満の試験試料は鎮静組成物である。
【００１４】
本発明が規定する香料組成物は少なくとも上記式（Ｉ）で表される化合物と、フレグランスの一種または二種以上のほかに、該香料香質保持剤や香料の担体がさらに共存してもよい。上記組成物中における上記式（Ｉ）の含有量はとくに限定されないが、通常、組成物１重量部を基準として約０．００１重量％から３０重量％の間とすることが好ましい。
上記フレグランスとしては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類および／またはアセタール類、ケトン類および／またはケタール類、エーテル類、合成ムスク類、酸類、ラクトン類、エステル類、含ハロゲン化合物などが挙げられる。なお、必要に応じ天然香料を使用してもよい。
また、特許文献１や特許文献２に記載された香料組成物にハウスホールド製品用香料を共存させてもよい。
上記担体としては、該化合物を溶解させる溶媒などが挙げられる。具体的には、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール（ＤＰＧ）等が挙げられ、好ましくはジプロピレングリコール（ＤＰＧ）等である。
【００１５】
このハウスホールド製品用香料組成物をハウスホールド製品に添加・配合する方法は、とくに制限されない。例えば、ハウスホールド製品用香料組成物をそのままハウスホールド製品に添加・配合してもよいし、ハウスホールド製品用香料組成物を、例えば溶媒などほかの物質と混合した後、ハウスホールド製品に添加・配合してもよいし、調合香料内に共存させた後、ハウスホールド製品に添加・配合してもよい。
【００１６】
本発明のハウスホールド製品とは、日常生活の中で、とくに衛生・清潔に関する点を目的として開発された製品を意味し、すでに公知のものである。具体的に例示すると、石けん、洗濯用洗剤、漂白剤、自動食器洗い器用洗剤、洗浄用粉末、繊維柔軟剤、脱臭剤、発汗防止剤及びクエン酸、塩酸、スルホン酸又はリン酸を含有するクリーナーなどが挙げられる。また、芳香剤、空気清浄剤、香料含有ろうそくなどのエアケア製品も挙げることができる。なお、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６に記載されたハウスホールド製品に適用してもよい。
【００１７】
本発明の実施に適切な上記式（Ｉ）で表されるアルコキシベンゼン量は、ハウスホールド製品によって変動するので、一概に規定することはできないが、たとえば、随伴性陰性変動の測定から、例えば１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンやトリメトキシベンゼン、とくに１，３，５−トリメトキシベンゼンは、ハウスホールド製品中に該ハウスホールド製品の全重量に対して０．０００１重量％〜０．１重量％の間で使用される場合、鎮静作用を有することが示された。
したがってハウスホールド製品の場合、上記アルコキシベンゼン量は一般に、ハウスホールド製品の全組成物を基準にして０．０００１〜０．１重量％の間とすることが好ましい。鎮静作用とは関係なく、香料香質保持性に重点をおいたときには、上記アルコキシベンゼンを多量にしてもよく、例えばハウスホールド製品の全組成物を基準にして０．０００１〜１５重量％の間としてもよい。
なお、エアケア製品の場合、アルコキシベンゼン量は一般に、全組成物を基準にして０．０１〜１５重量％の間とすることがより好ましい。
【００１８】
本発明での香料組成物、上記ハウスホールド製品用香料組成物、エアケア製品香料組成物に慣用の他の成分を添加・配合することができる。それら成分としては、油脂類、高級アルコール類、界面活性剤、シリコーンに代表される珪素原子含有化合物、抗菌剤、保湿剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子類、ビタミン類、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、各種粉末成分、キレート剤、美白剤、細胞賦活剤、ｐＨ調整剤、消炎剤、収斂剤、活性酸素除去制、抗アレルギー剤等が挙げられる。
【００１９】
前記エアケア製品はすでに広く知られているものであり、本発明ではそれらエアケア製品を採用することができる。とくに、ろうそく、ゲルの形態の芳香剤、電動エアケア装置、膜を介して香料を揮散する膜エアケア装置等を使用すると有効である。
【発明の効果】
【００２０】
本発明により、一定期間にわたって揮散する香料の香質が持続され、保持される香料組成物が提供される。また、一定期間にわたって揮散する香料の香質が持続され、保持されるハウスホールド製品用香料組成物が提供される。この香料組成物を含有するハウスホールド製品は嗜好性の高い香料を長期間にわたって揮散することができる。この揮散される香料はバランスが保持されており、香質の変質の恐れも極めて少なく、需要者に満足感をあたえることができ、きわめて実用的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。それらの中では以下の略語が使用される：
Ｎａ−ＬＡＳ＝（鎖状）アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
Ｎａ−ＰＡＳ＝（鎖状）アルキル硫酸ナトリウム
Ｎａ−ＡＥＳ＝アルキルエーテル硫酸
ＳＣＭＣ＝カルボキシメチルセルロースナトリウム
ＴＡＥＤ＝テトラアセチルエチルアミン
ＡＰＧ＝アルキルポリグルコシド
また、数字はとくに断らない限り、重量％あるいは重量部を意味する。
【００２２】
実施例１ 粉末洗剤用の香料組成物(香料No.1)の調製
本発明の香料香質保持剤を表１に記載した量を含む粉末洗剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表1のとおりである。
【００２３】
（表1）
【００２４】
実施例２ 粉末洗剤用の香料組成物(香料No.２)の調製
本発明の香料香質保持剤を表２に記載した量を含む粉末洗剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表２のとおりである。
【００２５】
（表２）
＊１ ノルリンバノール・デキストロ (NORRIMBANOL・DEXTRO)
【００２６】
実施例３ 液体洗剤組成物用の香料組成物(香料No.3および香料No.4)の調製
本発明の香料香質保持剤を表３に記載した量を含む液体洗剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表３のとおりである。
【００２７】
（表３）
【００２８】
実施例４:液体柔軟剤用の香料組成物(香料No.５、６および７)の調製
本発明の香料香質保持剤を表４に記載した量を含む液体柔軟剤用の香料組成物を常法により調製した。香料組成物の処方は表４のとおりである。
（表4）
【００２９】
実施例５：標準粉末洗剤(標準粉末洗剤No.1〜No.3)またはコンパクト粉末洗剤(コンパクト粉末洗剤No.1)の調製
実施例１で調製した香料No.1および実施例２で調製した香料No.２を表５に記載した量を含む標準粉末洗剤およびコンパクト粉末洗剤を常法により調製した。処方は表５のとおりである。
（表5）
＊１：(デクエスト(DEQUEST)(登録商標)2047および2016)
＊２：(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ)
＊３：布の手入れのためのポリマー(汚れの除去、染料転写など)
【００３０】
実施例６：標準液体洗剤(St.Liq.No.1〜No.4)またはコンパクト液体洗剤(Conc.Liq.No.1〜No.4) の調製
実施例３で調製した香料No.３および香料No.４を表６に記載した量を含む標準液体洗剤およびコンパクト液体洗剤を常法により調製した。処方は表６のとおりである。
（表６）
１：(デクエスト(登録商標)2040および2010)
２：(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ)
【００３１】
実施例７：標準柔軟剤(StFC1)またはコンパクト液体柔軟剤(ConcFC1〜2) の調製
実施例４で調製した香料No.５、香料No.６および香料No.７を表７に記載した量を含む標準柔軟剤およびコンパクト液体柔軟剤を常法により調製した。処方は表７のとおりである。
（表７）
テトラニルAHT-1(TETRANYL AHT-1);メソ硫酸トリエタノールアンモニウムの半硬質タローエステル、（花王）
ゲナポール(GENAPOL)C200；コプラエトキシル化物（クラリアント(Clariant)）
ローレックス(LAUREX)CS；長鎖アルコール（オルブライト・アンド・ウィルソン(Albright & Wilson)）
DEQA；軟質ジ(タローオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド
【００３２】
（試験例１：安定性の試験）
０．１５重量％の、１，３，５−トリメトキシベンゼン（ＴＭＢ）、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン（ＤＭＢ）、表８に記載した精油のそれぞれを、香料を全く含有しない洗剤（商品名「パーシル・センシティブ：ヘンケル社製）と混合した。
この洗剤の試料を、ダンボール包装材料（ガンドルフ・アンバラージュ・サール（Ｇａｎｄｏｌｐｈｅ Ｅｍｂａｌｌａｇｅｓ Ｓａｒｌ社））中で、４０℃および相対湿度７０％で５週間保管した。
その後、保管した洗剤の試料を、以下の値１〜５の等級に従って香料専門パネラーにより安定性（香質の変化）を評価した：
１−安定（香質の変化なし）
２−安定（リーディングノートの減少が見られたが、香質の変化はほとんどない）
３−許容できる（わずかな香質の変化あり）
４−ボーダーライン（多少の香質の変化あり）
５−不安定（香質の変化あり、不良）。
【００３３】
リラックス作用が知られている表８の精油を上述のように保管し、それらの芳香発散性を保管５週間後に評価し、同じ条件で保管したＴＭＢまたはＤＭＢと比較した。
その結果を以下の表８にまとめた。それらの結果から、精油は不安定であり、一方ＤＭＢおよびＴＭＢは安定であることが分かる。
【００３４】
（表８）
【００３５】
実施例８：電動エアケア装置に適した香料組成物の調製
下記表９の組成を有する香料組成物を常法により調製した。この香料組成物を空中揮散用香料組成物として使用した。すなわち、ダワノールＤＰＮＢまたはダワノールＤＰＭ（ダウ・ケミカル社）などのグリコールエーテル溶媒に溶解させ、空中揮散用器具内にセットし、該香料を必要な期間揮散させた。
このような香料組成物としては、たとえば「Ｇｌａｄｅ Ｐｌｕｇ−Ｉｎ（登録商標）」、「Ｇｌａｄｅ Ｗｉｓｐ（登録商標）」、「Ｒｅｃｋｉｔｔ−Ｂｅｎｃｋｉｓｅｒ Ａｉｒ−Ｗｉｃｋ Ｍｏｂｉｌ（登録商標）」、「Ａｉｒ−Ｗｉｃｋ（登録商標）」、「Ａｍｂｉ−Ｐｕｒ Ｃａｒ（登録商標）」、および「Ｓａｒａ Ｌｅｅ Ｉｎｓｐｉｒａ（登録商標）」なども利用できる。
【００３６】
(表９)
【００３７】
香料組成物は、下記実施例９に示されるように上記香料組成物をゲルの形態でこれらの装置に加えることもできる。
【００３８】
実施例９：膜エアケア装置または電動エアケア装置用のゲルの形態の香料組成物の調製
実施例８の香料組成物４０％を、ダワノールＤＰＭを５５．９７％、親水性シリカ（「Ｃａｂ−Ｏ−Ｓｉｌ」（登録商標）（Ｃａｂｏｔ 社）を４％およびＴｗｅｅｎ２０を０．０３％と共に混合し、ゲル状の香料組成物を調製した。
【００３９】
実施例１０：ロウソク用の芳香油
以下の表１０に示される成分を混合してロウソク用の香料組成物を調製した。
【００４０】
(表１０)
【００４１】
実施例１１：芳香ロウソク
８０℃の水浴中でワックスと他の成分を溶解させた後、実施例１０による香料組成物を加え、均一混合物が得られるまで混合し、これを、芯を入れた型に流し込むことで、芳香ロウソクを作製した。
こうして作製されたロウソクを、次に２４時間かけて冷却した。次に、このロウソクに火をつけた。香気香質が安定した香料組成物を２４〜３６時間以上拡散することができた。
【００４２】
（表１１）
【００４３】
本発明を次のように記載することもできる。
（１）式（Ｉ）のアルコキシベンゼン：
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、−Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）、または式（Ｉ）のアルコキシベンゼンの混合物のハウスホールド製品の芳香剤としての使用。
（２） アルコキシベンゼンの量が、エアケア製品以外のハウスホールド製品の０．０００１〜０．１重量％の間となることを特徴とする上記（１）記載の使用。
（３） アルコキシベンゼンの量がエアケア製品の０．０１〜１５重量％の間となることを特徴とする上記（１）記載の使用。
（４） 前記アルコキシベンゼンが１，３，５−ジメトキシベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載の使用。
（５） ０．０１〜１０％の少なくとも１種類の上記式（Ｉ）のアルコキシベンゼンを含有することを特徴とするハウスホールド製品用の香料組成物。
（６） 前記アルコキシベンゼンが１，３，５−ジメトキシベンゼン、１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼン、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする上記（５）記載の香料組成物。
【００４４】
（７） 下式(Ｉ)で表されるアルコキシベンゼンを有効成分とすることを特徴とする香料の香質保持剤。
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、−Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）。
（８） Ｒ１およびＲ２がメチル基であり、Ｒ３がＣ１〜Ｃ２アルキル基または−ＯＲ４であり、Ｒ４はＣ１〜Ｃ２アルキル基である上記（７）記載の香料の香質保持剤。
（９） 化合物が１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンおよび／または１，３，５−トリメトキシベンゼンである上記（７）または（８）記載の香料の香質保持剤。
（１０）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香料組成物。
（１１）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香質保持性香料組成物。
（１２）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするハウスホールド製品用香料組成物。
（１３）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするハウスホールド製品用香質保持性香料組成物。
（１４）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするエアケア製品用香料組成物。
（１５）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とするエアケア製品用香質保持性香料組成物。
（１６） 上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香質保持性ハウスホールド製品。
（１７）上記（７）〜（９）のいずれか記載の化合物を香質保持の有効成分として含有することを特徴とする香質保持性エアケア製品。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
下式(Ｉ)で表されるアルコキシベンゼンを有効成分とすることを特徴とする香料香質保持剤。
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、−Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）。
【請求項２】
Ｒ１およびＲ２がメチル基であり、Ｒ３がＣ１〜Ｃ２アルキル基または−ＯＲ４であり、Ｒ４はＣ１〜Ｃ２アルキル基である請求項１記載の香料香質保持剤。
【請求項３】
化合物が１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンおよび／または１，３，５−トリメトキシベンゼンである請求項１または２記載の香料香質保持剤。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性香料組成物。
【請求項５】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品用香料組成物。
【請求項６】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品用香料組成物。
【請求項７】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品。
【請求項８】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品。
【請求項１】
下式(Ｉ)で表されるアルコキシベンゼンを有効成分とすることを特徴とする香料香質保持剤。
（式中、−Ｒ１および−Ｒ２は、同種の場合も異種の場合もあり、水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基であり、−Ｒ３は、水素原子、ヒドロキシ基、Ｃ１〜Ｃ４アルキル基、または式−ＯＲ４であり、Ｒ４は水素原子またはＣ１〜Ｃ４アルキル基である）。
【請求項２】
Ｒ１およびＲ２がメチル基であり、Ｒ３がＣ１〜Ｃ２アルキル基または−ＯＲ４であり、Ｒ４はＣ１〜Ｃ２アルキル基である請求項１記載の香料香質保持剤。
【請求項３】
化合物が１，３−ジメトキシ−５−メチルベンゼンおよび／または１，３，５−トリメトキシベンゼンである請求項１または２記載の香料香質保持剤。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性香料組成物。
【請求項５】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品用香料組成物。
【請求項６】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品用香料組成物。
【請求項７】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性ハウスホールド製品。
【請求項８】
請求項１〜３のいずれか記載の香料香質保持剤を含有することを特徴とする香料香質保持性エアケア製品。
【公開番号】特開２００６−４５５７１（Ｐ２００６−４５５７１Ａ）
【公開日】平成１８年２月１６日（２００６．２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２２８０５３（Ｐ２００５−２２８０５３）
【出願日】平成１７年８月５日（２００５．８．５）
【出願人】（０００１６９４６６）高砂香料工業株式会社 (194)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月１６日（２００６．２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年８月５日（２００５．８．５）
【出願人】（０００１６９４６６）高砂香料工業株式会社 (194)
【Ｆターム（参考）】
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