駆動装置
【課題】回転軸を有無に拘わらず所定の回転部材に対して慣性力を付与可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動ホルダ35に、回転部材52と所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材67を配設し、回転部材52および慣性部材67のうち、一方に第1磁石部65を設けるとともに、他方に第1磁石部65とは逆極性の第2磁石部77または第1磁石部65の磁力によって吸着する磁性部69を設け、回転部材52が回転されると、慣性部材67が磁力による吸着で略同期して回転する構成とする。
【解決手段】駆動ホルダ35に、回転部材52と所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材67を配設し、回転部材52および慣性部材67のうち、一方に第1磁石部65を設けるとともに、他方に第1磁石部65とは逆極性の第2磁石部77または第1磁石部65の磁力によって吸着する磁性部69を設け、回転部材52が回転されると、慣性部材67が磁力による吸着で略同期して回転する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、および、これらの複合機に採用可能な駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の機器に搭載する駆動装置は、駆動ホルダに円板状または円環状をなすギアやプーリが回転可能に配設され、これら回転部材により駆動モータの動力を伝達するものである。この駆動装置は、例えば画像形成装置に搭載され、像担持体である感光体ドラムやトナー補給ローラなどを回転駆動する。
【0003】
そして、この画像形成装置に搭載する駆動装置としては、感光体ドラムの回転を円滑にして転写ズレや露光ズレを防止するために、前記感光体ドラムの回転軸に慣性体を配設したものが提供されている。
【特許文献1】特開平5−19544号公報
【0004】
しかしながら、この特許文献1の駆動装置は、慣性体を回転軸に取り付けなければ効果を得ることができない。即ち、非回転式の固定軸を突設し、該固定軸に環状をなす回転部材を装着する構成では、慣性体を配設しても効果を得ることができない。したがって、駆動モータの駆動力を複数の伝達ギアを介して伝達する駆動装置では、振動を抑制可能な理想的な構成を得ることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、回転軸を有無に拘わらず所定の回転部材に対して慣性力を付与可能な駆動装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の駆動装置は、樹脂製の駆動ホルダに回転部材を回転可能に取り付け、駆動手段の駆動力を前記回転部材によって伝達して出力する駆動装置において、前記駆動ホルダに、前記回転部材と所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材を配設し、前記回転部材および慣性部材のうち、一方に第1磁石部を設けるとともに、他方に前記第1磁石部とは逆極性の第2磁石部または第1磁石部の磁力によって吸着する磁性部を設け、前記回転部材が回転されると、前記慣性部材が磁力による吸着で略同期して回転する構成としている。
【0007】
具体的には、前記第1磁石部を、前記回転部材または慣性部材に所定間隔をもって複数設けるとともに、第2磁石部または磁性部を、前記慣性部材または回転部材に所定間隔をもって複数設けることが好ましい。
【0008】
この駆動装置によれば、回転部材が駆動手段の駆動力で回転すると、第1磁石部と第2磁石部の磁力により、または、第1磁石部の磁力で磁性部が吸着することにより、慣性部材が従動して回転する。即ち、回転部材が一体的に突出する回転軸を有するか否かに限定されることなく、慣性部材が従動して回転させることができる。そのため、慣性部材の形状や材料を調整することにより、回転部材に対して所定の慣性力を付与し、安定した円滑な回転を実現できる。その結果、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を防止できる。
【0009】
この駆動装置では、前記慣性部材を、前記回転部材に対して駆動ホルダの隔壁を隔てて配設するとともに、該慣性部材を回転可能に支持する支持部を設けることが好ましい。このようにすれば、慣性部材と隔壁との間に生じる摩擦を軽減し、惰性回転が可能な慣性部材を実現できる。
【0010】
具体的には、前記駆動ホルダに、前記慣性部材を閉塞状態で収容する収容部を設け、該収容部に前記支持部を設けることが好ましい。
この場合、前記慣性部材は、前記回転部材に対して平行に位置する円板部と、該円板部の中心から突出する軸部とを備え、前記支持部は前記慣性部材の軸部を含むことが好ましい。
【0011】
または、前記慣性部材は、中心部に貫通部を有する円環状をなし、前記駆動ホルダの隔壁に、前記貫通部内を貫通する円形状のガイド突部を設けるとともに、前記支持部を前記ガイド突部の外周部に環状をなすように設けることが好ましい。
【0012】
また、駆動装置は、前記駆動ホルダの隔壁に、前記回転部材に対して逆向きに突出する第1ガイド突部と、該第1ガイド突部より大径の円環状をなす第2ガイド突部とを設けるとともに、これら第1および第2ガイド突部の間の収容空間を閉塞するカバーを配設し、前記慣性部材を、前記収容空間に配設する多数の粒状体で構成してもよい。
この場合、前記第1ガイド突部の少なくとも一部に、前記慣性部材を磁力で吸着可能な磁石部を設けることが好ましい。
【0013】
なお、この駆動装置は、前記駆動ホルダの隔壁に、非回転式の固定軸を突設し、該固定軸に前記回動部材を回転可能に取り付けたものである。
この場合、前記固定軸は、その軸方向に沿って延びる空間部を有する中空軸であり、前記慣性体に、前記空間部内に配設される軸部を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の駆動装置では、回転部材が一体的に突出する回転軸を有するか否かに限定されることなく、回転部材が駆動手段の駆動力で回転すると、慣性部材が磁力により従動して回転する。そして、慣性部材の形状や材料を調整することにより、回転部材に対して所定の慣性力を付与し、安定した円滑な回転を実現できる。その結果、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る実施形態の駆動装置34を適用したタンデム式のカラー画像形成装置を示す。
【0017】
まず、この画像形成装置10の概略構成を説明する。この画像形成装置10は、外装体11の内部の略中央に中間転写ベルト12を備えている。この中間転写ベルト12は、一対のローラ13A,13Bの外周部に支持され、図中反時計回りに回転駆動される。
【0018】
前記中間転写ベルト12の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの画像形成ユニット14Y,14M,14C,14Kが並んで配置されている。各画像形成ユニット14Y,14M,14C,14Kは、感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kをそれぞれ有している。また、各感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kの周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置16Y,16M,16C,16Kと、露光装置17Y,17M,17C,17Kと、現像装置18Y,18M,18C,18Kと、中間転写ベルト12を挟んで各感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kと対向する一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kと、クリーナ20Y,20M,20C,20Kとがそれぞれ配置されている。さらに、中間転写ベルト12の上部水平部の上には、各色のトナーを収容したホッパー21Y,21M,21C,21Kが配置されている。
【0019】
また、中間転写ベルト12のローラ13Bで支持された部分には、二次転写ローラ22が圧接されている。そして、この二次転写ローラ22と中間転写ベルト12とのニップ部は、各感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kから中間転写ベルト12に転写されたトナーを、用紙Sに転写する二次転写領域を構成する。さらに、中間転写ベルト12のローラ13Aで支持された部分には、ベルトクリーナ23が圧接されている。このベルトクリーナ23は、二次転写後に中間転写ベルト12上に残留するトナーを掻きとって回収するためのものである。
【0020】
この画像形成装置10に下部には、給紙カセット24が着脱可能に配置されている。給紙カセット内に積載収容された用紙Sは、給紙ローラ25の回転によって最上部のものから1枚ずつ送り出される。この用紙Sは、給紙カセット24から、一対のタイミングローラ26,26のニップ部、二次転写ローラ22のニップ部、定着ユニット27、および、排紙ローラ28A,28Bを通って排紙トレイ29に排出される。なお、定着ユニット27は、導電性材料からなり、図示しないモータによって回転駆動され、励磁コイルによって誘導加熱される定着ローラ30と、揺動装置によって定着ローラ30に対して所定圧力で圧接される加圧ローラ31とを備えている。
【0021】
そして、本発明の駆動装置34は、前記画像形成装置10において、ホッパー21Y,21M,21C,21Kの外側部に配設され、内部に装着されたホッパー21Y,21M,21C,21K内のトナーを、現像装置18Y,18M,18C,18Kに補充するものである。なお、ホッパー21Y,21M,21C,21Kには、内部に掻き出し用のスクリュー32Y,32M,32C,32Kが回転可能に配設され、その回転軸の端部が外部に露出されている。そして、この回転軸には、連結用歯車33Y,33M,33C,33Kが配設されている。
【0022】
前記駆動装置34は、4個のホッパー21Y,21M,21C,21Kにかけて外側に配設する樹脂製の駆動ホルダ35を備え、その内部に、被回転部材であるスクリュー32Y,32M,32C,32Kの連結用歯車33Y,33M,33C,33Kに対して駆動力を伝達して出力するための歯車52〜56を配設したものである。
【0023】
前記駆動ホルダ35は、図3に示すように、一端に閉鎖した外壁部36を備え、他端を開口したボックス形状のもので、長手方向の中央部に仕切壁37を設け、該仕切壁37により左右のギア配設部38A,38Bに区画したものである。そして、これらギア配設部38A,38Bには、それぞれ5個の歯車52〜56が配設されている。
【0024】
具体的には、各ギア配設部38A,38Bには、左側上部に第1歯車取付部39が設けられている。この第1歯車取付部39の中心には、非回転式の第1固定軸40が突設されている。この第1歯車取付部39の右側には、ギア配設部38A,38Bの略中央に位置するように、第1歯車取付部39より開口端の側に一段突出した第2歯車取付部41が設けられている。この第2歯車取付部41の中心には、非回転式の第2固定軸42が突設されている。この第2歯車取付部41の右側には、第2歯車取付部41より開口端の側に更に一段突出した第3歯車取付部43が設けられている。この第3歯車取付部43には、非回転式の第3固定軸44が突設されている。また、第2歯車取付部41の左下側には、第2歯車取付部より底側に一段窪んだ第4歯車取付部45が設けられている。この第4歯車取付部45の中心には、図示しない固定軸を配設する固定軸取付孔46が設けられている。さらに、第3歯車取付部43の右下側には、第3歯車取付部43と同一面上に位置するように第5歯車取付部47が設けられている。この第5歯車取付部47の中心には、第4歯車取付部45と同様の固定軸取付孔48が設けられている。
【0025】
この駆動ホルダ35には、第1歯車取付部39の外周部に位置するように歯車挿通孔49が設けられている。そして、図6に示すように、この歯車挿通孔49からギア配設部38A,38B内に位置するように、駆動モータ50の出力軸に配設した駆動歯車51が配設される。
【0026】
また、駆動ホルダ35には、図3および図4に示すように、第1歯車取付部39の第1固定軸40に、第1歯車52が回転可能に配設される。この第1歯車52は、駆動歯車51に噛み合う大径の第1歯部52aと、該第1歯部52aから突出した小径の第2歯部52bとを備えている。また、第2歯車取付部41の第2固定軸42には、第2歯車53が回転可能に配設される。この第2歯車53は、第1歯車52の第2歯部52bに噛み合う大径の第1歯部53aと、該第1歯部53aから突出した小径の第2歯部53bとを備えている。また、第3歯車取付部43の第3固定軸44には、第3歯車54が回転可能に配設される。この第3歯車54は、第2歯車53の第2歯部53bに噛み合う歯部54aと、該歯部54aから突出した凸部54bとを備えている。
【0027】
そして、第4歯車取付部45の図示しない固定軸には、ホッパー21Yのスクリュー32Yの連結用歯車33Yと連結して駆動力を出力するための第4歯車55が回転可能に配設される。この第4歯車55は、第2歯車53の第2歯部53bに噛み合う第1歯部55aと、該第1歯部55aより径方向外向きに突出して第2歯車53の第2歯部53bの端面に位置決めされるフランジ部55bとを備えている。また、第4歯車55の端面には、駆動歯車51が嵌入される円環状をなす凹部55cが設けられ、この凹部55cの外側の周面に連結用歯車33Yと噛み合う第2歯部55dが設けられている。
【0028】
同様に、第5歯車取付部47の図示しない固定軸には、ホッパー21Mのスクリュー32Mの連結用歯車33Mと連結して駆動力を出力するための第5歯車56が回転可能に配設される。この第5歯車56は、第4歯車55と同様に、第1歯部56aと、フランジ部56bと、凹部56cと、第2歯部56dとを備えている。
【0029】
このように構成した駆動装置34は、駆動モータ50が通電されることにより回転すると、その回転駆動力が駆動歯車51を介して第1歯車52に伝わり、該第1歯車52を回転させる。これにより、第2歯車53を介して第4歯車55が回転され、連結用歯車33Yを介してホッパー21Yのスクリュー32Yが回転される。また、第2歯車53および第3歯車54を介して第5歯車56が回転され、連結用歯車33Mを介してホッパー21Mのスクリュー32Mが回転される。その結果、ホッパー21Y,21M内のトナーが、図示しない通路を通って現像装置18Y,18Mに補充される。
【0030】
そして、本実施形態の駆動装置34には、図2および図5に示すように、一方のギア配設部38Aに慣性部材67を配設し、この慣性部材67により回転部材である第1歯車52に対して慣性力を付与できるように構成している。なお、この慣性部材67は、両方のギア配設部38A,38Bに配設する構成としてもよいことは言うまでもない。
【0031】
具体的には、駆動ホルダ35には、第1歯車52に対して隔壁である外壁部36を隔てて外側に位置するように、慣性部材67を配設するための収容部57が設けられている。この収容部57は、第1固定軸40を中心として円環状をなすように外向きに突出した壁を備え、その中央に、慣性部材67を規制する円環状の規制リブ58が突設されている。また、第1固定軸40は、その軸方向に沿って延び、収容部57に連通する空間部59を有する中空軸により構成されている。言い換えれば、この第1固定軸40は、肉厚が略均一であり、かつ、基部となる外壁部36の肉厚と略同等の肉ぬすみ形状のものである。そして、この第1固定軸40の底である突端内部には、慣性部材67を回転可能に支持するために、円錐形状をなすように内向きに突出する第1支持部60が設けられている。また、この収容部57の開口端は、別体のカバー61により閉塞されている。このカバー61には、第1支持部60との対向位置に、円錐形状をなすように突出する第2支持部62が設けられている。
【0032】
前記第1歯車52には、外壁部36と対向する面に、第2歯部52bの側に向けて窪む吸着部材配設部63が設けられている。この吸着部材配設部63には、円環状をなす吸着部材64が配設されている。この吸着部材64は、図7(A)に示すように、所定間隔をもって位置する第1磁石部65を備えたものである。本実施形態では、円の1/4の扇型形状をなすように一対の第1磁石部65,65を配設し、外壁部36の対向面が同一極性(S極)となるように構成されている。これら第1磁石部65,65は、非磁性体である樹脂部66により一体化されている。
【0033】
前記慣性部材67は、図2に示すように、駆動ホルダ35の収容部57に回転可能に配設され、第1歯車52が回転されると、この第1歯車52に略同期して回転するようにしたものである。この慣性部材67は、円板状をなす第1歯車52に対して平行に位置する円板部68と、該円板部68の中心から突出する軸部70とを備えている。円板部68は、図7(B)に示すように、吸着部材64の第1磁石部65,65の対向位置に、これら第1磁石部65,65が発する磁力により吸着される一対の磁性部69,69を備えている。これら磁性部69,69は金属(鉄)製であり、慣性部材67の形成材料である樹脂により一体化して設けられている。軸部70は、円板部68の一面から突出して第1固定軸40の空間部59内に配設される第1軸70aと、円板部68の他面から突出する第2軸70bとを備えている。そして、第1軸70aの端部には、第1支持部60によって回転可能に支持される第1支持受部71が設けられている。同様に、第2軸70bの端部には、第2支持部62によって回転可能に支持される第2支持受部72が設けられている。そして、第1軸70aの全長は、空間部59の全長より長く形成されている。これにより、円板部68を、駆動ホルダ35の外壁部36に対して非面接触状態に保持し、摩擦抵抗を低減することにより、惰性回転を可能に構成している。
【0034】
このように構成した駆動装置34は、第1歯車52の第1磁石部65が発する磁力により、樹脂製の外壁部36を通して慣性部材67の磁性部69,69が吸着される。これにより、慣性部材67は、支持部60,62の支持により回転力を加えると惰性回転が可能に構成されているが、第1歯車52が回転しない場合には回転しない状態を維持する。
【0035】
そして、駆動モータ50の駆動力で第1歯車52が回転されると、第1磁石部65の磁力で磁性部69が吸着されることにより、慣性部材67が従動して回転する。なお、この従動回転作用は、第1歯車52に不連続の第1磁石部65,65を設けるとともに、同様に慣性部材67に不連続の磁性部69,69を設けているため、磁力による吸着領域と非吸着領域に区分けされている構成によるものである。勿論、この状態であっても、慣性部材67と駆動ホルダ35との間に吸着力を上回る抵抗が存在する場合には、慣性部材67は回転しないが、本実施形態では支持部60,62を設けることにより、慣性部材67に加わる摩擦力を低減しているため、確実に第1歯車52の回転に従動させて慣性部材67を回転させることができる。
【0036】
このように、本実施形態の駆動装置34では、回転部材である第1歯車52は一体的に突出する回転軸が無い構成である。しかも、慣性部材67は、隔壁である外壁部36を隔てて配設した構成である。しかし、これらの条件に拘わらず、第1歯車52の回転に対して、磁力によって慣性部材67を従動させて回転させることができる。
【0037】
また、この磁力による従動回転作用は、第1歯車52により慣性部材67を回転させるだけではなく、従来と同様に、この慣性部材67の回転により第1歯車52に対して所定の慣性力を付与し、該第1歯車52の安定した円滑な回転を実現できるものである。そのため、慣性部材67の直径を含む形状や、形成材料を調整することにより、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を防止できるものである。
【0038】
具体的には、慣性部材67を適用しない場合の共振域は、図8の破線で示す状態である。これに対して、本実施形態のように、慣性部材67を配設することにより、図8の実線で示すように、共振域を移動させることができる。そのため、慣性部材67における円板部68の直径や重さなどを調整することにより、最も効率的な動作状態(環境)において、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を確実に防止できる。
【0039】
図9は第2実施形態の駆動装置34を示す。この第2実施形態の駆動装置34は、支持部60,62の構成を変更した点で、第1実施形態と相違している。具体的には、第2実施形態では、第1支持部60を、第1軸70aの先端外周部を回転可能に支持する凹部により構成するとともに、第2支持部62を、第2軸70bの先端外周部を回転可能に支持する貫通孔により構成している。また、この第2実施形態では、第1実施形態に示す規制リブ58は設けていない。そして、このようにしても、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0040】
図10は第3実施形態の駆動装置34を示す。この第3実施形態の駆動装置34は、慣性部材67の磁性部69を軸部70に設けるとともに、第1歯車52の吸着部材64を軸部70に近接する位置に配設した点で、第1実施形態と相違している。具体的には、第3実施形態の第1歯車52は、第1実施形態と同様に、第1磁石部65と樹脂部66とを周方向に交互に設けた吸着部材64を備え、この吸着部材64を第2歯車53と対向する面に配設するとともに、第1固定軸40の外周部に位置するように配設している。慣性部材67は、第1実施形態と同様に、円板部68と軸部70とを備えたものである。軸部70には、吸着部材64の中心部に位置するように周方向に所定間隔をもって切欠部が設けられ、この切欠部内に磁性部69が設けられている。そして、このように構成した第3実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0041】
図11は第4実施形態の駆動装置34を示す。この第4実施形態の駆動装置34は、慣性部材67を円環状をなす板形状とした点で、第1実施形態と大きく相違している。
【0042】
具体的には、第4実施形態の慣性部材67は、第1実施形態の吸着部材64と同様に円環状をなす。そして、この慣性部材67は、周方向へ4領域に区画され、磁性部69と樹脂部とが交互に位置するように設けられている。なお、この慣性部材67の内周縁および外周縁は、略円弧状をなすアール部とすることが好ましい。
【0043】
また、駆動ホルダ35の収容部57には、外壁部36から慣性部材67の内周部を規制する円環状の第1ガイド突部73が突設されるとともに、その外周部に更に円環状の第2ガイド突部74が突設されている。そして、これらガイド突部73,74の間には、慣性部材67の面中央に位置するように円環形状をなすようにリング状支持部75が突設されている。このリング状支持部75の突端は、慣性部材67との摩擦抵抗を低減するために、円弧状をなすアール部としている。
【0044】
このように構成した第4実施形態の駆動装置34は、リング状支持部75により慣性部材67が駆動ホルダ35に対して面接触することを防止しているため、収容部57内で抵抗なく回転させることができる。よって、第1実施形態と同様に、第1歯車52が駆動モータ50により回転されると、磁力による吸着作用により従動回転させることができる。その結果、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0045】
図12は第5実施形態の駆動装置34を示す。この第5実施形態の駆動装置34は、慣性部材67を粒(球)状をなす磁性部材により構成した点で、各実施形態と大きく相違している。
【0046】
具体的には、第5実施形態の駆動ホルダ35は、第4実施形態と同様に、収容部57の内部に第1ガイド突部73と第2ガイド突部74とを設け、これらの先端開口をカバー61により閉塞したものである。また、第1歯車52には、第1実施形態と同様に、外壁部36の側に吸着部材64が配設されている。そして、一対のガイド突部73,74で区画された収容空間の内部に、球状をなす多数の慣性部材67が配設されている。さらに、第1ガイド突部73には、外壁部36を通して作用する吸着部材64の第1磁石部65,65の磁力より大きい磁力で慣性部材67を吸着する磁石部76が円筒状をなすように設けられている。
【0047】
このように構成した第5実施形態の駆動装置34は、第1歯車52が回転していない状態では、球状をなす多数の慣性部材67が駆動ホルダ35の磁石部76に対して吸着した状態をなす。そして、第1歯車52が回転すると、第1磁石部65の磁力で磁石部76の周囲を回転する。そして、第1歯車52の回転と慣性部材67の回転とが略同期し、回転速度が速くなると、慣性部材67は、遠心力によって磁石部76から離脱し、第2ガイド突部74の内面側に位置する。これにより、第1実施形態と同様に、第1歯車52の回転に従動させて慣性部材67を回転させることができる。その結果、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。なお、駆動モータ50による駆動が停止されると、慣性部材67は、再び磁石部76の磁力によって第1ガイド突部73に吸着した状態をなす。
【0048】
なお、本発明の駆動装置34は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0049】
例えば、前記各実施形態では、第1磁石部65は、同一極性(S)のものを配設したが、図13(A),(B)に示すように、第1歯車52に配設する吸着部材64の一対の第1磁石部65A,65Bのうち、一方65Aの極性をS極とし、他方65Bの極性をN極としてもよい。
【0050】
また、前記各実施形態では、回転部材である第1歯車52の側に第1磁石部65を設け、慣性部材67の側に磁性部69を設けたが、第1歯車52の側に磁性部69を設け、慣性部材67の側に第1磁石部65を設けてもよい。
【0051】
さらに、各実施形態では、回転部材である第1歯車52に第1磁石部65を設け、慣性部材67に磁性部69を設ける構成としたが、図14(A),(B)に示すように、両方に磁石部65,77を設けてもよい。この場合、第1歯車52の第1磁石部65をS極性とした場合、慣性部材67に設ける第2磁石部77は、逆のN極性とする。
【0052】
さらにまた、前記各実施形態では、磁石部65,77を所定間隔をもって位置するように構成したが、図15(A),(B)に示すように、第1歯車52を、同一のS極性をなす一対の第1磁石部65A,65Aと、隣接した逆のN極性をなす一対の第1磁石部65B,65Bとで構成し、慣性部材67を同様に、S極性をなす一対の第2磁石部77A,77Aと、N極性をなす一対の第2磁石部77B,77Bとが、周方向に交互に位置するように設けてもよい。このように構成した場合、互いに異なる極性の磁石部65A,65B,77A,77Bが吸着し合い、対向した状態を維持する。これにより、強い磁力で互いに吸着し合わせることができる。
【0053】
そして、前記各実施形態では、駆動モータ50によって直接回転駆動させる第1歯車52に、第1磁石部65を設けるとともに、所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材67を配設する構成としたが、第2歯車53を介して回転される第4歯車55にも同様にして、慣性部材を配設する構成としてもよい。なお、このように、第1歯車52と第4歯車55に慣性力を付与するための慣性部材67,67を配設した場合には、図16に示すように、共振域を2つに分割し、かつ、個々の振動伝達率を低くすることができる。勿論、各歯車52〜56にそれぞれ慣性部材67を配設する構成としてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、磁力によって従動回転する慣性部材67を設けた本発明の駆動装置34により、画像形成装置10において、ホッパー21Y,21M,21C,21Kからトナーを補給するスクリュー32Y,32M,32C,32Kを回転駆動する構成を例に挙げて説明したが、感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kを回転駆動するための駆動装置34として搭載することもできる。
【0055】
即ち、感光体ドラム15に露光書き込みにより形成された静電潜像に基づいてトナー像を形成し、該トナー像を転写ベルトに1次転写し、該1次転写されたトナー像を、記録媒体(用紙S)に2次転写するようにした画像形成装置10において、感光体ドラム15や各ローラなどの被回転部材を、前記駆動装置34により回転させるように構成することが好ましい。
【0056】
勿論、本発明の駆動装置34は、画像形成装置10に限られず、回転駆動される被回転部材を有する装置であれば、いずれでも適用が可能であり、前記と同様の作用および効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る実施形態の駆動装置を適用する画像形成装置を示す概略図である。
【図2】第1実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図3】駆動ホルダおよび回転部材である歯車の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図3の組付状態を示す斜視図である。
【図5】駆動ホルダの背面側を示す斜視図である。
【図6】駆動ホルダにカバーを装着した状態を示す斜視図である。
【図7】(A)は第1歯車に配設する吸着部材を示す平面図、(B)は慣性部材を示す平面図である。
【図8】本発明の駆動装置による効果を示すグラフである。
【図9】第2実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図10】第3実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図11】第4実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図12】第5実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図13】(A),(B)は吸着部材および慣性部材の変形例を示す平面図である。
【図14】(A),(B)は吸着部材および慣性部材の他の変形例を示す平面図である。
【図15】(A),(B)は吸着部材および慣性部材の他の変形例を示す平面図である。
【図16】2個の歯車に慣性部材を配設した場合の効果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0058】
10…画像形成装置
32Y,32M,32C,32K…スクリュー(被回転部材)
33Y,33M,33C,33K…連結用歯車
34…駆動装置
35…駆動ホルダ
36…外壁部(隔壁)
50…駆動モータ(駆動手段)
51…駆動歯車
52…第1歯車(回転部材)
57…収容部
59…空間部
60…第1支持部
61…カバー
62…第2支持部
65,65A,65B…第1磁石部
66…樹脂部
67…慣性部材
69…磁性部
70…軸部
71…第1支持受部
72…第2支持受部
73…第1ガイド突部
74…第2ガイド突部
75…リング状支持部
76…磁石部
77,77A,77B…第2磁石部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、および、これらの複合機に採用可能な駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の機器に搭載する駆動装置は、駆動ホルダに円板状または円環状をなすギアやプーリが回転可能に配設され、これら回転部材により駆動モータの動力を伝達するものである。この駆動装置は、例えば画像形成装置に搭載され、像担持体である感光体ドラムやトナー補給ローラなどを回転駆動する。
【0003】
そして、この画像形成装置に搭載する駆動装置としては、感光体ドラムの回転を円滑にして転写ズレや露光ズレを防止するために、前記感光体ドラムの回転軸に慣性体を配設したものが提供されている。
【特許文献1】特開平5−19544号公報
【0004】
しかしながら、この特許文献1の駆動装置は、慣性体を回転軸に取り付けなければ効果を得ることができない。即ち、非回転式の固定軸を突設し、該固定軸に環状をなす回転部材を装着する構成では、慣性体を配設しても効果を得ることができない。したがって、駆動モータの駆動力を複数の伝達ギアを介して伝達する駆動装置では、振動を抑制可能な理想的な構成を得ることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、回転軸を有無に拘わらず所定の回転部材に対して慣性力を付与可能な駆動装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の駆動装置は、樹脂製の駆動ホルダに回転部材を回転可能に取り付け、駆動手段の駆動力を前記回転部材によって伝達して出力する駆動装置において、前記駆動ホルダに、前記回転部材と所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材を配設し、前記回転部材および慣性部材のうち、一方に第1磁石部を設けるとともに、他方に前記第1磁石部とは逆極性の第2磁石部または第1磁石部の磁力によって吸着する磁性部を設け、前記回転部材が回転されると、前記慣性部材が磁力による吸着で略同期して回転する構成としている。
【0007】
具体的には、前記第1磁石部を、前記回転部材または慣性部材に所定間隔をもって複数設けるとともに、第2磁石部または磁性部を、前記慣性部材または回転部材に所定間隔をもって複数設けることが好ましい。
【0008】
この駆動装置によれば、回転部材が駆動手段の駆動力で回転すると、第1磁石部と第2磁石部の磁力により、または、第1磁石部の磁力で磁性部が吸着することにより、慣性部材が従動して回転する。即ち、回転部材が一体的に突出する回転軸を有するか否かに限定されることなく、慣性部材が従動して回転させることができる。そのため、慣性部材の形状や材料を調整することにより、回転部材に対して所定の慣性力を付与し、安定した円滑な回転を実現できる。その結果、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を防止できる。
【0009】
この駆動装置では、前記慣性部材を、前記回転部材に対して駆動ホルダの隔壁を隔てて配設するとともに、該慣性部材を回転可能に支持する支持部を設けることが好ましい。このようにすれば、慣性部材と隔壁との間に生じる摩擦を軽減し、惰性回転が可能な慣性部材を実現できる。
【0010】
具体的には、前記駆動ホルダに、前記慣性部材を閉塞状態で収容する収容部を設け、該収容部に前記支持部を設けることが好ましい。
この場合、前記慣性部材は、前記回転部材に対して平行に位置する円板部と、該円板部の中心から突出する軸部とを備え、前記支持部は前記慣性部材の軸部を含むことが好ましい。
【0011】
または、前記慣性部材は、中心部に貫通部を有する円環状をなし、前記駆動ホルダの隔壁に、前記貫通部内を貫通する円形状のガイド突部を設けるとともに、前記支持部を前記ガイド突部の外周部に環状をなすように設けることが好ましい。
【0012】
また、駆動装置は、前記駆動ホルダの隔壁に、前記回転部材に対して逆向きに突出する第1ガイド突部と、該第1ガイド突部より大径の円環状をなす第2ガイド突部とを設けるとともに、これら第1および第2ガイド突部の間の収容空間を閉塞するカバーを配設し、前記慣性部材を、前記収容空間に配設する多数の粒状体で構成してもよい。
この場合、前記第1ガイド突部の少なくとも一部に、前記慣性部材を磁力で吸着可能な磁石部を設けることが好ましい。
【0013】
なお、この駆動装置は、前記駆動ホルダの隔壁に、非回転式の固定軸を突設し、該固定軸に前記回動部材を回転可能に取り付けたものである。
この場合、前記固定軸は、その軸方向に沿って延びる空間部を有する中空軸であり、前記慣性体に、前記空間部内に配設される軸部を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の駆動装置では、回転部材が一体的に突出する回転軸を有するか否かに限定されることなく、回転部材が駆動手段の駆動力で回転すると、慣性部材が磁力により従動して回転する。そして、慣性部材の形状や材料を調整することにより、回転部材に対して所定の慣性力を付与し、安定した円滑な回転を実現できる。その結果、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る実施形態の駆動装置34を適用したタンデム式のカラー画像形成装置を示す。
【0017】
まず、この画像形成装置10の概略構成を説明する。この画像形成装置10は、外装体11の内部の略中央に中間転写ベルト12を備えている。この中間転写ベルト12は、一対のローラ13A,13Bの外周部に支持され、図中反時計回りに回転駆動される。
【0018】
前記中間転写ベルト12の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの画像形成ユニット14Y,14M,14C,14Kが並んで配置されている。各画像形成ユニット14Y,14M,14C,14Kは、感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kをそれぞれ有している。また、各感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kの周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置16Y,16M,16C,16Kと、露光装置17Y,17M,17C,17Kと、現像装置18Y,18M,18C,18Kと、中間転写ベルト12を挟んで各感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kと対向する一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kと、クリーナ20Y,20M,20C,20Kとがそれぞれ配置されている。さらに、中間転写ベルト12の上部水平部の上には、各色のトナーを収容したホッパー21Y,21M,21C,21Kが配置されている。
【0019】
また、中間転写ベルト12のローラ13Bで支持された部分には、二次転写ローラ22が圧接されている。そして、この二次転写ローラ22と中間転写ベルト12とのニップ部は、各感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kから中間転写ベルト12に転写されたトナーを、用紙Sに転写する二次転写領域を構成する。さらに、中間転写ベルト12のローラ13Aで支持された部分には、ベルトクリーナ23が圧接されている。このベルトクリーナ23は、二次転写後に中間転写ベルト12上に残留するトナーを掻きとって回収するためのものである。
【0020】
この画像形成装置10に下部には、給紙カセット24が着脱可能に配置されている。給紙カセット内に積載収容された用紙Sは、給紙ローラ25の回転によって最上部のものから1枚ずつ送り出される。この用紙Sは、給紙カセット24から、一対のタイミングローラ26,26のニップ部、二次転写ローラ22のニップ部、定着ユニット27、および、排紙ローラ28A,28Bを通って排紙トレイ29に排出される。なお、定着ユニット27は、導電性材料からなり、図示しないモータによって回転駆動され、励磁コイルによって誘導加熱される定着ローラ30と、揺動装置によって定着ローラ30に対して所定圧力で圧接される加圧ローラ31とを備えている。
【0021】
そして、本発明の駆動装置34は、前記画像形成装置10において、ホッパー21Y,21M,21C,21Kの外側部に配設され、内部に装着されたホッパー21Y,21M,21C,21K内のトナーを、現像装置18Y,18M,18C,18Kに補充するものである。なお、ホッパー21Y,21M,21C,21Kには、内部に掻き出し用のスクリュー32Y,32M,32C,32Kが回転可能に配設され、その回転軸の端部が外部に露出されている。そして、この回転軸には、連結用歯車33Y,33M,33C,33Kが配設されている。
【0022】
前記駆動装置34は、4個のホッパー21Y,21M,21C,21Kにかけて外側に配設する樹脂製の駆動ホルダ35を備え、その内部に、被回転部材であるスクリュー32Y,32M,32C,32Kの連結用歯車33Y,33M,33C,33Kに対して駆動力を伝達して出力するための歯車52〜56を配設したものである。
【0023】
前記駆動ホルダ35は、図3に示すように、一端に閉鎖した外壁部36を備え、他端を開口したボックス形状のもので、長手方向の中央部に仕切壁37を設け、該仕切壁37により左右のギア配設部38A,38Bに区画したものである。そして、これらギア配設部38A,38Bには、それぞれ5個の歯車52〜56が配設されている。
【0024】
具体的には、各ギア配設部38A,38Bには、左側上部に第1歯車取付部39が設けられている。この第1歯車取付部39の中心には、非回転式の第1固定軸40が突設されている。この第1歯車取付部39の右側には、ギア配設部38A,38Bの略中央に位置するように、第1歯車取付部39より開口端の側に一段突出した第2歯車取付部41が設けられている。この第2歯車取付部41の中心には、非回転式の第2固定軸42が突設されている。この第2歯車取付部41の右側には、第2歯車取付部41より開口端の側に更に一段突出した第3歯車取付部43が設けられている。この第3歯車取付部43には、非回転式の第3固定軸44が突設されている。また、第2歯車取付部41の左下側には、第2歯車取付部より底側に一段窪んだ第4歯車取付部45が設けられている。この第4歯車取付部45の中心には、図示しない固定軸を配設する固定軸取付孔46が設けられている。さらに、第3歯車取付部43の右下側には、第3歯車取付部43と同一面上に位置するように第5歯車取付部47が設けられている。この第5歯車取付部47の中心には、第4歯車取付部45と同様の固定軸取付孔48が設けられている。
【0025】
この駆動ホルダ35には、第1歯車取付部39の外周部に位置するように歯車挿通孔49が設けられている。そして、図6に示すように、この歯車挿通孔49からギア配設部38A,38B内に位置するように、駆動モータ50の出力軸に配設した駆動歯車51が配設される。
【0026】
また、駆動ホルダ35には、図3および図4に示すように、第1歯車取付部39の第1固定軸40に、第1歯車52が回転可能に配設される。この第1歯車52は、駆動歯車51に噛み合う大径の第1歯部52aと、該第1歯部52aから突出した小径の第2歯部52bとを備えている。また、第2歯車取付部41の第2固定軸42には、第2歯車53が回転可能に配設される。この第2歯車53は、第1歯車52の第2歯部52bに噛み合う大径の第1歯部53aと、該第1歯部53aから突出した小径の第2歯部53bとを備えている。また、第3歯車取付部43の第3固定軸44には、第3歯車54が回転可能に配設される。この第3歯車54は、第2歯車53の第2歯部53bに噛み合う歯部54aと、該歯部54aから突出した凸部54bとを備えている。
【0027】
そして、第4歯車取付部45の図示しない固定軸には、ホッパー21Yのスクリュー32Yの連結用歯車33Yと連結して駆動力を出力するための第4歯車55が回転可能に配設される。この第4歯車55は、第2歯車53の第2歯部53bに噛み合う第1歯部55aと、該第1歯部55aより径方向外向きに突出して第2歯車53の第2歯部53bの端面に位置決めされるフランジ部55bとを備えている。また、第4歯車55の端面には、駆動歯車51が嵌入される円環状をなす凹部55cが設けられ、この凹部55cの外側の周面に連結用歯車33Yと噛み合う第2歯部55dが設けられている。
【0028】
同様に、第5歯車取付部47の図示しない固定軸には、ホッパー21Mのスクリュー32Mの連結用歯車33Mと連結して駆動力を出力するための第5歯車56が回転可能に配設される。この第5歯車56は、第4歯車55と同様に、第1歯部56aと、フランジ部56bと、凹部56cと、第2歯部56dとを備えている。
【0029】
このように構成した駆動装置34は、駆動モータ50が通電されることにより回転すると、その回転駆動力が駆動歯車51を介して第1歯車52に伝わり、該第1歯車52を回転させる。これにより、第2歯車53を介して第4歯車55が回転され、連結用歯車33Yを介してホッパー21Yのスクリュー32Yが回転される。また、第2歯車53および第3歯車54を介して第5歯車56が回転され、連結用歯車33Mを介してホッパー21Mのスクリュー32Mが回転される。その結果、ホッパー21Y,21M内のトナーが、図示しない通路を通って現像装置18Y,18Mに補充される。
【0030】
そして、本実施形態の駆動装置34には、図2および図5に示すように、一方のギア配設部38Aに慣性部材67を配設し、この慣性部材67により回転部材である第1歯車52に対して慣性力を付与できるように構成している。なお、この慣性部材67は、両方のギア配設部38A,38Bに配設する構成としてもよいことは言うまでもない。
【0031】
具体的には、駆動ホルダ35には、第1歯車52に対して隔壁である外壁部36を隔てて外側に位置するように、慣性部材67を配設するための収容部57が設けられている。この収容部57は、第1固定軸40を中心として円環状をなすように外向きに突出した壁を備え、その中央に、慣性部材67を規制する円環状の規制リブ58が突設されている。また、第1固定軸40は、その軸方向に沿って延び、収容部57に連通する空間部59を有する中空軸により構成されている。言い換えれば、この第1固定軸40は、肉厚が略均一であり、かつ、基部となる外壁部36の肉厚と略同等の肉ぬすみ形状のものである。そして、この第1固定軸40の底である突端内部には、慣性部材67を回転可能に支持するために、円錐形状をなすように内向きに突出する第1支持部60が設けられている。また、この収容部57の開口端は、別体のカバー61により閉塞されている。このカバー61には、第1支持部60との対向位置に、円錐形状をなすように突出する第2支持部62が設けられている。
【0032】
前記第1歯車52には、外壁部36と対向する面に、第2歯部52bの側に向けて窪む吸着部材配設部63が設けられている。この吸着部材配設部63には、円環状をなす吸着部材64が配設されている。この吸着部材64は、図7(A)に示すように、所定間隔をもって位置する第1磁石部65を備えたものである。本実施形態では、円の1/4の扇型形状をなすように一対の第1磁石部65,65を配設し、外壁部36の対向面が同一極性(S極)となるように構成されている。これら第1磁石部65,65は、非磁性体である樹脂部66により一体化されている。
【0033】
前記慣性部材67は、図2に示すように、駆動ホルダ35の収容部57に回転可能に配設され、第1歯車52が回転されると、この第1歯車52に略同期して回転するようにしたものである。この慣性部材67は、円板状をなす第1歯車52に対して平行に位置する円板部68と、該円板部68の中心から突出する軸部70とを備えている。円板部68は、図7(B)に示すように、吸着部材64の第1磁石部65,65の対向位置に、これら第1磁石部65,65が発する磁力により吸着される一対の磁性部69,69を備えている。これら磁性部69,69は金属(鉄)製であり、慣性部材67の形成材料である樹脂により一体化して設けられている。軸部70は、円板部68の一面から突出して第1固定軸40の空間部59内に配設される第1軸70aと、円板部68の他面から突出する第2軸70bとを備えている。そして、第1軸70aの端部には、第1支持部60によって回転可能に支持される第1支持受部71が設けられている。同様に、第2軸70bの端部には、第2支持部62によって回転可能に支持される第2支持受部72が設けられている。そして、第1軸70aの全長は、空間部59の全長より長く形成されている。これにより、円板部68を、駆動ホルダ35の外壁部36に対して非面接触状態に保持し、摩擦抵抗を低減することにより、惰性回転を可能に構成している。
【0034】
このように構成した駆動装置34は、第1歯車52の第1磁石部65が発する磁力により、樹脂製の外壁部36を通して慣性部材67の磁性部69,69が吸着される。これにより、慣性部材67は、支持部60,62の支持により回転力を加えると惰性回転が可能に構成されているが、第1歯車52が回転しない場合には回転しない状態を維持する。
【0035】
そして、駆動モータ50の駆動力で第1歯車52が回転されると、第1磁石部65の磁力で磁性部69が吸着されることにより、慣性部材67が従動して回転する。なお、この従動回転作用は、第1歯車52に不連続の第1磁石部65,65を設けるとともに、同様に慣性部材67に不連続の磁性部69,69を設けているため、磁力による吸着領域と非吸着領域に区分けされている構成によるものである。勿論、この状態であっても、慣性部材67と駆動ホルダ35との間に吸着力を上回る抵抗が存在する場合には、慣性部材67は回転しないが、本実施形態では支持部60,62を設けることにより、慣性部材67に加わる摩擦力を低減しているため、確実に第1歯車52の回転に従動させて慣性部材67を回転させることができる。
【0036】
このように、本実施形態の駆動装置34では、回転部材である第1歯車52は一体的に突出する回転軸が無い構成である。しかも、慣性部材67は、隔壁である外壁部36を隔てて配設した構成である。しかし、これらの条件に拘わらず、第1歯車52の回転に対して、磁力によって慣性部材67を従動させて回転させることができる。
【0037】
また、この磁力による従動回転作用は、第1歯車52により慣性部材67を回転させるだけではなく、従来と同様に、この慣性部材67の回転により第1歯車52に対して所定の慣性力を付与し、該第1歯車52の安定した円滑な回転を実現できるものである。そのため、慣性部材67の直径を含む形状や、形成材料を調整することにより、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を防止できるものである。
【0038】
具体的には、慣性部材67を適用しない場合の共振域は、図8の破線で示す状態である。これに対して、本実施形態のように、慣性部材67を配設することにより、図8の実線で示すように、共振域を移動させることができる。そのため、慣性部材67における円板部68の直径や重さなどを調整することにより、最も効率的な動作状態(環境)において、転写ズレや露光ズレが発生する要因である共振を確実に防止できる。
【0039】
図9は第2実施形態の駆動装置34を示す。この第2実施形態の駆動装置34は、支持部60,62の構成を変更した点で、第1実施形態と相違している。具体的には、第2実施形態では、第1支持部60を、第1軸70aの先端外周部を回転可能に支持する凹部により構成するとともに、第2支持部62を、第2軸70bの先端外周部を回転可能に支持する貫通孔により構成している。また、この第2実施形態では、第1実施形態に示す規制リブ58は設けていない。そして、このようにしても、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0040】
図10は第3実施形態の駆動装置34を示す。この第3実施形態の駆動装置34は、慣性部材67の磁性部69を軸部70に設けるとともに、第1歯車52の吸着部材64を軸部70に近接する位置に配設した点で、第1実施形態と相違している。具体的には、第3実施形態の第1歯車52は、第1実施形態と同様に、第1磁石部65と樹脂部66とを周方向に交互に設けた吸着部材64を備え、この吸着部材64を第2歯車53と対向する面に配設するとともに、第1固定軸40の外周部に位置するように配設している。慣性部材67は、第1実施形態と同様に、円板部68と軸部70とを備えたものである。軸部70には、吸着部材64の中心部に位置するように周方向に所定間隔をもって切欠部が設けられ、この切欠部内に磁性部69が設けられている。そして、このように構成した第3実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0041】
図11は第4実施形態の駆動装置34を示す。この第4実施形態の駆動装置34は、慣性部材67を円環状をなす板形状とした点で、第1実施形態と大きく相違している。
【0042】
具体的には、第4実施形態の慣性部材67は、第1実施形態の吸着部材64と同様に円環状をなす。そして、この慣性部材67は、周方向へ4領域に区画され、磁性部69と樹脂部とが交互に位置するように設けられている。なお、この慣性部材67の内周縁および外周縁は、略円弧状をなすアール部とすることが好ましい。
【0043】
また、駆動ホルダ35の収容部57には、外壁部36から慣性部材67の内周部を規制する円環状の第1ガイド突部73が突設されるとともに、その外周部に更に円環状の第2ガイド突部74が突設されている。そして、これらガイド突部73,74の間には、慣性部材67の面中央に位置するように円環形状をなすようにリング状支持部75が突設されている。このリング状支持部75の突端は、慣性部材67との摩擦抵抗を低減するために、円弧状をなすアール部としている。
【0044】
このように構成した第4実施形態の駆動装置34は、リング状支持部75により慣性部材67が駆動ホルダ35に対して面接触することを防止しているため、収容部57内で抵抗なく回転させることができる。よって、第1実施形態と同様に、第1歯車52が駆動モータ50により回転されると、磁力による吸着作用により従動回転させることができる。その結果、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0045】
図12は第5実施形態の駆動装置34を示す。この第5実施形態の駆動装置34は、慣性部材67を粒(球)状をなす磁性部材により構成した点で、各実施形態と大きく相違している。
【0046】
具体的には、第5実施形態の駆動ホルダ35は、第4実施形態と同様に、収容部57の内部に第1ガイド突部73と第2ガイド突部74とを設け、これらの先端開口をカバー61により閉塞したものである。また、第1歯車52には、第1実施形態と同様に、外壁部36の側に吸着部材64が配設されている。そして、一対のガイド突部73,74で区画された収容空間の内部に、球状をなす多数の慣性部材67が配設されている。さらに、第1ガイド突部73には、外壁部36を通して作用する吸着部材64の第1磁石部65,65の磁力より大きい磁力で慣性部材67を吸着する磁石部76が円筒状をなすように設けられている。
【0047】
このように構成した第5実施形態の駆動装置34は、第1歯車52が回転していない状態では、球状をなす多数の慣性部材67が駆動ホルダ35の磁石部76に対して吸着した状態をなす。そして、第1歯車52が回転すると、第1磁石部65の磁力で磁石部76の周囲を回転する。そして、第1歯車52の回転と慣性部材67の回転とが略同期し、回転速度が速くなると、慣性部材67は、遠心力によって磁石部76から離脱し、第2ガイド突部74の内面側に位置する。これにより、第1実施形態と同様に、第1歯車52の回転に従動させて慣性部材67を回転させることができる。その結果、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。なお、駆動モータ50による駆動が停止されると、慣性部材67は、再び磁石部76の磁力によって第1ガイド突部73に吸着した状態をなす。
【0048】
なお、本発明の駆動装置34は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0049】
例えば、前記各実施形態では、第1磁石部65は、同一極性(S)のものを配設したが、図13(A),(B)に示すように、第1歯車52に配設する吸着部材64の一対の第1磁石部65A,65Bのうち、一方65Aの極性をS極とし、他方65Bの極性をN極としてもよい。
【0050】
また、前記各実施形態では、回転部材である第1歯車52の側に第1磁石部65を設け、慣性部材67の側に磁性部69を設けたが、第1歯車52の側に磁性部69を設け、慣性部材67の側に第1磁石部65を設けてもよい。
【0051】
さらに、各実施形態では、回転部材である第1歯車52に第1磁石部65を設け、慣性部材67に磁性部69を設ける構成としたが、図14(A),(B)に示すように、両方に磁石部65,77を設けてもよい。この場合、第1歯車52の第1磁石部65をS極性とした場合、慣性部材67に設ける第2磁石部77は、逆のN極性とする。
【0052】
さらにまた、前記各実施形態では、磁石部65,77を所定間隔をもって位置するように構成したが、図15(A),(B)に示すように、第1歯車52を、同一のS極性をなす一対の第1磁石部65A,65Aと、隣接した逆のN極性をなす一対の第1磁石部65B,65Bとで構成し、慣性部材67を同様に、S極性をなす一対の第2磁石部77A,77Aと、N極性をなす一対の第2磁石部77B,77Bとが、周方向に交互に位置するように設けてもよい。このように構成した場合、互いに異なる極性の磁石部65A,65B,77A,77Bが吸着し合い、対向した状態を維持する。これにより、強い磁力で互いに吸着し合わせることができる。
【0053】
そして、前記各実施形態では、駆動モータ50によって直接回転駆動させる第1歯車52に、第1磁石部65を設けるとともに、所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材67を配設する構成としたが、第2歯車53を介して回転される第4歯車55にも同様にして、慣性部材を配設する構成としてもよい。なお、このように、第1歯車52と第4歯車55に慣性力を付与するための慣性部材67,67を配設した場合には、図16に示すように、共振域を2つに分割し、かつ、個々の振動伝達率を低くすることができる。勿論、各歯車52〜56にそれぞれ慣性部材67を配設する構成としてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、磁力によって従動回転する慣性部材67を設けた本発明の駆動装置34により、画像形成装置10において、ホッパー21Y,21M,21C,21Kからトナーを補給するスクリュー32Y,32M,32C,32Kを回転駆動する構成を例に挙げて説明したが、感光体ドラム15Y,15M,15C,15Kを回転駆動するための駆動装置34として搭載することもできる。
【0055】
即ち、感光体ドラム15に露光書き込みにより形成された静電潜像に基づいてトナー像を形成し、該トナー像を転写ベルトに1次転写し、該1次転写されたトナー像を、記録媒体(用紙S)に2次転写するようにした画像形成装置10において、感光体ドラム15や各ローラなどの被回転部材を、前記駆動装置34により回転させるように構成することが好ましい。
【0056】
勿論、本発明の駆動装置34は、画像形成装置10に限られず、回転駆動される被回転部材を有する装置であれば、いずれでも適用が可能であり、前記と同様の作用および効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る実施形態の駆動装置を適用する画像形成装置を示す概略図である。
【図2】第1実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図3】駆動ホルダおよび回転部材である歯車の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図3の組付状態を示す斜視図である。
【図5】駆動ホルダの背面側を示す斜視図である。
【図6】駆動ホルダにカバーを装着した状態を示す斜視図である。
【図7】(A)は第1歯車に配設する吸着部材を示す平面図、(B)は慣性部材を示す平面図である。
【図8】本発明の駆動装置による効果を示すグラフである。
【図9】第2実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図10】第3実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図11】第4実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図12】第5実施形態の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図13】(A),(B)は吸着部材および慣性部材の変形例を示す平面図である。
【図14】(A),(B)は吸着部材および慣性部材の他の変形例を示す平面図である。
【図15】(A),(B)は吸着部材および慣性部材の他の変形例を示す平面図である。
【図16】2個の歯車に慣性部材を配設した場合の効果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0058】
10…画像形成装置
32Y,32M,32C,32K…スクリュー(被回転部材)
33Y,33M,33C,33K…連結用歯車
34…駆動装置
35…駆動ホルダ
36…外壁部(隔壁)
50…駆動モータ(駆動手段)
51…駆動歯車
52…第1歯車(回転部材)
57…収容部
59…空間部
60…第1支持部
61…カバー
62…第2支持部
65,65A,65B…第1磁石部
66…樹脂部
67…慣性部材
69…磁性部
70…軸部
71…第1支持受部
72…第2支持受部
73…第1ガイド突部
74…第2ガイド突部
75…リング状支持部
76…磁石部
77,77A,77B…第2磁石部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の駆動ホルダに回転部材を回転可能に取り付け、駆動手段の駆動力を前記回転部材によって伝達して出力する駆動装置において、
前記駆動ホルダに、前記回転部材と所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材を配設し、
前記回転部材および慣性部材のうち、一方に第1磁石部を設けるとともに、他方に前記第1磁石部とは逆極性の第2磁石部または第1磁石部の磁力によって吸着する磁性部を設け、
前記回転部材が回転されると、前記慣性部材が磁力による吸着で略同期して回転するようにしたことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記第1磁石部を、前記回転部材または慣性部材に所定間隔をもって複数設けるとともに、第2磁石部または磁性部を、前記慣性部材または回転部材に所定間隔をもって複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記慣性部材を、前記回転部材に対して駆動ホルダの隔壁を隔てて配設するとともに、該慣性部材を回転可能に支持する支持部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記駆動ホルダに、前記慣性部材を閉塞状態で収容する収容部を設け、該収容部に前記支持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記慣性部材は、前記回転部材に対して平行に位置する円板部と、該円板部の中心から突出する軸部とを備え、前記支持部は前記慣性部材の軸部を含むことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記慣性部材は、中心部に貫通部を有する円環状をなし、
前記駆動ホルダの隔壁に、前記貫通部内を貫通する円形状のガイド突部を設けるとともに、前記支持部を前記ガイド突部の外周部に環状をなすように設けたことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動ホルダの隔壁に、前記回転部材に対して逆向きに突出する第1ガイド突部と、該第1ガイド突部より大径の円環状をなす第2ガイド突部とを設けるとともに、これら第1および第2ガイド突部の間の収容空間を閉塞するカバーを配設し、
前記慣性部材を、前記収容空間に配設する多数の粒状体で構成したことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記第1ガイド突部の少なくとも一部に、前記慣性部材を磁力で吸着可能な磁石部を設けたことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記駆動ホルダの隔壁に、非回転式の固定軸を突設し、該固定軸に前記回動部材を回転可能に取り付けたことを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記固定軸は、その軸方向に沿って延びる空間部を有する中空軸であり、前記慣性体に、前記空間部内に配設される軸部を設けたことを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項1】
樹脂製の駆動ホルダに回転部材を回転可能に取り付け、駆動手段の駆動力を前記回転部材によって伝達して出力する駆動装置において、
前記駆動ホルダに、前記回転部材と所定間隔をもって平行に位置するように慣性部材を配設し、
前記回転部材および慣性部材のうち、一方に第1磁石部を設けるとともに、他方に前記第1磁石部とは逆極性の第2磁石部または第1磁石部の磁力によって吸着する磁性部を設け、
前記回転部材が回転されると、前記慣性部材が磁力による吸着で略同期して回転するようにしたことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記第1磁石部を、前記回転部材または慣性部材に所定間隔をもって複数設けるとともに、第2磁石部または磁性部を、前記慣性部材または回転部材に所定間隔をもって複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記慣性部材を、前記回転部材に対して駆動ホルダの隔壁を隔てて配設するとともに、該慣性部材を回転可能に支持する支持部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記駆動ホルダに、前記慣性部材を閉塞状態で収容する収容部を設け、該収容部に前記支持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記慣性部材は、前記回転部材に対して平行に位置する円板部と、該円板部の中心から突出する軸部とを備え、前記支持部は前記慣性部材の軸部を含むことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記慣性部材は、中心部に貫通部を有する円環状をなし、
前記駆動ホルダの隔壁に、前記貫通部内を貫通する円形状のガイド突部を設けるとともに、前記支持部を前記ガイド突部の外周部に環状をなすように設けたことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動ホルダの隔壁に、前記回転部材に対して逆向きに突出する第1ガイド突部と、該第1ガイド突部より大径の円環状をなす第2ガイド突部とを設けるとともに、これら第1および第2ガイド突部の間の収容空間を閉塞するカバーを配設し、
前記慣性部材を、前記収容空間に配設する多数の粒状体で構成したことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記第1ガイド突部の少なくとも一部に、前記慣性部材を磁力で吸着可能な磁石部を設けたことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記駆動ホルダの隔壁に、非回転式の固定軸を突設し、該固定軸に前記回動部材を回転可能に取り付けたことを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記固定軸は、その軸方向に沿って延びる空間部を有する中空軸であり、前記慣性体に、前記空間部内に配設される軸部を設けたことを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−1935(P2010−1935A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160077(P2008−160077)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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