駆動装置
【課題】簡易な構成で安定的に動作し複数方向の操作が同時になされても短絡を生じることのない駆動装置を提供する。
【解決手段】スイッチ部2は、一対のモーター3、4を構成する各モーターの一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、各モーターの他端側の各端子に接続される第1端子11及び第2端子12を備えると共に、いずれも1つの共通接点及び2つの切替接点からなる三接点スイッチからなり、スイッチ部2は、上下方向のうち一方はスイッチが2つ設けられてスイッチ群を構成し、他方はスイッチが1つ以上設けられ、左右方向のうち一方はスイッチが2つ設けられてスイッチ群を構成し、他方はスイッチが1つ以上設けられ、各端子にスイッチが接続されてモーター3、4に対する電源線5または接地線6に対する接続状態を切り替える。
【解決手段】スイッチ部2は、一対のモーター3、4を構成する各モーターの一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、各モーターの他端側の各端子に接続される第1端子11及び第2端子12を備えると共に、いずれも1つの共通接点及び2つの切替接点からなる三接点スイッチからなり、スイッチ部2は、上下方向のうち一方はスイッチが2つ設けられてスイッチ群を構成し、他方はスイッチが1つ以上設けられ、左右方向のうち一方はスイッチが2つ設けられてスイッチ群を構成し、他方はスイッチが1つ以上設けられ、各端子にスイッチが接続されてモーター3、4に対する電源線5または接地線6に対する接続状態を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のミラー等を4方向に駆動する駆動装置に関し、特に操作部において複数方向が同時に操作された場合にも適切に動作可能な駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のミラーの面を運転席から上下左右に角度調節するため、4方向に駆動可能な駆動装置が用いられる。この駆動装置は、上下左右の4方向に操作可能な操作部と、操作部の操作に伴ってオン・オフ動作をなすスイッチ部と、スイッチ部に接続される一対のモーターと、同じくスイッチ部に接続される電源線及び接地線を有して構成される。
【0003】
従来の駆動装置の回路図を図20に示している。この図に示すように、駆動装置は一対のモーター50、51と、複数のスイッチからなるスイッチ部52と、電源線53及び接地線54を有している。一対のモーターを構成する一方のモーター50は、上下方向の駆動に用いられ、他方のモーター51は、左右方向の駆動に用いられる。
【0004】
スイッチ部52は、各モーター50、51の一端側の各端子に共通して接続される共通端子52aと、各モーター50、51の他端側の各端子に接続される第1端子52b及び第2端子52cを備えている。一方のモーター50は、共通端子52aと第1端子52bに接続されてスイッチ部52の動作により正転または逆転する。また、他方のモーター51は、共通端子52aと第2端子52cに接続されてスイッチ部52の動作により正転または逆転する。
【0005】
スイッチ部52を構成する各スイッチは、いずれもオン・オフが切替可能な二接点スイッチからなっている。図21には、スイッチの配置図を示している。この図に示すように、スイッチ部52を構成する各スイッチは、上下左右位置にそれぞれ2つずつ配置されている。
【0006】
駆動装置をこのように構成した場合における動作表を図22に示している。この表では、操作部により4方向のいずれか1つに対する傾倒操作が行われて該方向の2つのスイッチが同時に動作した場合と、隣り合う2方向の間の方向に大きな力で操作部の傾倒操作行われ、隣り合う2方向の4つのスイッチが同時に動作した場合における、スイッチ部52の各端子の状態及びモーター50、51の動作方向とを示している。スイッチ動作方向及びモーター動作方向においてUは上方向、Dは下方向、Rは右方向、Lは左方向をそれぞれ表し、端子出力においてHは電源線53に接続された状態、Lは接地線54に接続された状態、Zは開放状態をそれぞれ表している。この表記は以下同様である。
【0007】
図22に示すように、操作部によって4方向のいずれか1つに対する操作が行われた場合には、それぞれの傾倒方向に対応する2つのスイッチが動作してモーター50、51は所定の動作をなすことができる。一方、操作部が下方向と右方向の間(DR方向)に傾倒操作が行なわれた場合には、スイッチD1、D2、R1、R2がオンとなり、共通端子52aが電源線に接続され、第1端子52b及び第2端子52cが接地線に接続され、2つのモーター50、51が同時に動作する。また上方向と左方向の間(UL方向)に傾倒操作が行なわれた場合には、スイッチU1、U2、L1、L2がオンとなり、共通端子52aが接地線に接続され、第1端子52b及び第2端子52cが電源線に接続されるので、同様に2つのモーター50、51が同時に動作する。上方向と右方向の間(UR方向)に傾倒操作が行なわれた場合には、スイッチU1、U2、R1、R2が同時にオンとなり、スイッチU2、R1が同時にオンとなることから、回路が短絡してしまう。また、下方向と左方向の間(DL方向)に傾倒操作した場合には、スイッチL1、L2、D1、D2が同時にオンとなり、スイッチL1、D2が同時にオンとなることから、回路が短絡してしまう。
【0008】
また、このようにスイッチ部52を構成するスイッチに二接点スイッチを用いるものの他、共通接点と2つの切替接点からなる三接点スイッチを用いて構成したものが知られている。この場合には、複数の方向が同時に操作された場合における短絡は生じないようにすることができる。このような駆動装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭64−36538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の駆動装置は、操作部の操作に伴い3つのスイッチを4通りに切り替えるものであるが、具体的なスイッチの構成やどのようにスイッチングするものであるかは開示されていない。また、所定方向に操作した場合の挙動が不安定であるなど、このままでは安定的な動作を行わせることができない。
【0011】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で安定的に動作し複数方向の操作が同時になされても短絡を生じることのない駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明に係る駆動装置は、上下左右の4方向に操作自在な操作部1と、該操作部の各操作方向に対応した4か所のスイッチまたはスイッチ群からなるスイッチ部2と、該スイッチ部2が接続される一対のモーター3、4と、接地線6及び電源線5とを有した駆動装置において、
前記スイッチ部2は、前記一対のモーターを構成する各モーターの一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、各モーターの他端側の各端子に接続される第1端子11及び第2端子12を備えると共に、いずれも1つの共通接点及び2つの切替接点からなる三接点スイッチからなり、
前記スイッチ部2は、上下方向のうち一方の方向Dに対応してスイッチD1、D2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、上下方向のうち他方の方向Uに対応してスイッチU1が1つ以上設けられ、左右方向のうち一方の方向Rに対応してスイッチR1、R2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、左右方向のうち他方の方向Lに対応してスイッチL1が1つ以上設けられ、
前記共通端子10には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1が接続され、当該スイッチには前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR2が直列に接続され、
前記第1端子11には、前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1が接続され、当該スイッチR1には前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1が直列に接続され、
前記第2端子12には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2が接続され、当該スイッチD2には前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1が直列に接続され、
前記共通端子10に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1は、前記操作部1の非操作状態で前記直列に接続されるスイッチR2に接続し、前記操作部の操作状態で前記電源線5に接続し、
前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部の非操作状態で前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1と、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1にそれぞれ接続し、前記操作部の操作状態で開放状態となり、
前記スイッチ部2の共通端子10に接続されたスイッチD1、R2と、左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1と、上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1は、いずれも前記操作部1の非操作状態で前記接地線6に接続し、前記操作部1の操作状態で前記電源線5に接続することを特徴として構成されている。
【0013】
また、本発明に係る駆動装置は、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR1と並列になるように前記第1端子11に接続され、前記操作部1の非操作状態で前記第2端子12に接続された上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点に接続され、前記操作部1の操作状態で開放状態となることを特徴として構成されている。
【0014】
さらに、本発明に係る駆動装置は、前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1の開放側接点と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点とが接続されてなることを特徴として構成されている。
【0015】
さらにまた、本発明に係る駆動装置は、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴として構成されている。
【0016】
そして、本発明に係る駆動装置は、前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12の間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴として構成されている。
【0017】
また、本発明に係る駆動装置は、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部1の操作状態で開放状態に代えて前記電源線5に接続されることを特徴として構成されている。
【0018】
さらに、本発明に係る駆動装置は、前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1と前記共通接点10との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記上下方向のうち一方の方向Dに対応する3つめのスイッチD3が設けられ、該スイッチD3は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る駆動装置によれば、複数の方向が同時に操作された場合であっても、モーターの両端子間で短絡が生じることがなく、簡易な構成で安定的に動作させることができる。
【0020】
また、本発明に係る駆動装置によれば、特定の複数操作がなされた場合にモーターがいずれにも動作しない状態を解消し、必ずいずれかの方向に動作するように構成することができる。
【0021】
さらに、本発明に係る駆動装置によれば、特定の複数操作がなされた場合にモーターが二方向に動作する状態を解消し、必ずいずれか1つの方向に動作するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図2】操作部の平面図である。
【図3】第1の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図4】第1の実施形態における動作表である。
【図5】第2の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図6】第2の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図7】第2の実施形態における動作表である。
【図8】第3の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図9】第3の実施形態における動作表である。
【図10】第4の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図11】第4の実施形態における動作表である。
【図12】第5の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図13】第5の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図14】第5の実施形態における動作表である。
【図15】第6の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図16】第6の実施形態における動作表である。
【図17】第7の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図18】第7の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図19】第7の実施形態における動作表である。
【図20】従来の駆動装置の回路図である。
【図21】従来の駆動装置のスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図22】従来の駆動装置における動作表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、第1の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本実施形態の駆動装置は、車両のサイドミラーなどのミラーの面を上下左右に駆動するものとして用いられる。図1に示すように、駆動装置は第1モーター3と第2モーター4からなる一対のモーターと、一対のモーターに対する電源供給をスイッチングするスイッチ部2と、電源に接続された電源線5及び接地された接地線6を有している。
【0024】
スイッチ部2には、複数のスイッチが配置されており、これらは1つの操作部1によって押圧操作される。図2には、操作部1の平面図を示している。操作部1は、車両の運転席などに配置され、多方向に傾倒可能に保持され、上下左右の領域をそれぞれ押圧操作することで該方向に傾倒し、ミラーが当該方向に動作する。操作部1は、ミラーの面を上方向に傾斜させる上操作部1aと、ミラーの面を下方向に傾斜させる下操作部1bと、ミラーの面を右方向に傾斜させる右操作部1cと、ミラーの面を左方向に傾斜させる左操作部1dとを有している。これら各操作部は、通常は単独で押圧操作されるが、1つの部材を操作するため隣接する2つの境界部分を押すと隣接する操作部が同時に操作される。
【0025】
スイッチ部2を構成する各スイッチは、いずれも共通接点と2つの切替接点を有してなる三接点スイッチとして構成されていて、セルフリターンタイプのスライドのスイッチであって、操作部1の操作に伴って接点の切り替えが行われる。なお、それぞれの方向に対応するスイッチは共通の駆動軸を介し、操作部材によって駆動されるようにしてあり、よってスイッチR1とR2は同時に動作し、またスイッチD1とD2も同時に動作するよう構成されている。なお、該構成については周知の構成であることからこれ以上の詳細は省略する。また、後述の他の実施例においても同様である。スイッチ部2は、第1モーター3及び第2モーター4の一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、第1モーター3の他端側の端子に接続される第1端子11と、第2モーター4の他端側の端子に接続される第2端子12とを有している。
【0026】
第1モーター3は、スイッチ部2の共通端子10と第1端子11に接続されて、スイッチ部2の動作により正転または逆転することで、ミラーの面を上下いずれかの方向に駆動する。具体的には、第1端子11側から共通端子10側に電流が流れることで、ミラーの面を上方向に駆動し、共通端子10側から第1端子11側に電流が流れることで、ミラーの面を下方向に駆動する。また、第2モーター4は、スイッチ部2の共通端子10と第2端子12に接続されて、スイッチ部2の動作により正転または逆転することで、ミラーの面を左右いずれかの方向に駆動する。具体的には、共通端子10側から第2端子12側に電流が流れることで、ミラーの面を右方向に駆動し、第2端子12側から共通端子10側に電流が流れることで、ミラーの面を左方向に駆動する。なお、第1モーター3で車両のミラーの面を左右に駆動し第2モーター4で上下に駆動しても良い。
【0027】
図3には、スイッチ部2を構成する各スイッチの配置図を示している。この図に示すように、スイッチは操作部1の上下左右それぞれの傾倒操作方向に対応して、上位置と下位置、右位置及び左位置にそれぞれ配置されている。上下位置のうち、上位置についてはスイッチU1が1つ配置され、下位置についてはスイッチD1とスイッチD2が2つ配置されてスイッチ群を構成する。左右位置のうち、右位置についてはスイッチR1とスイッチR2が2つ配置されてスイッチ群を構成し、左位置についてはスイッチL1が配置される。
【0028】
図1に示すように、共通端子10には下位置のスイッチD1の共通接点が接続されている。スイッチD1の一方の切替接点の先には右位置のスイッチR2が直列に接続されている。また、スイッチD1の他方の切替接点は電源線5に接続されている。スイッチR2は、共通接点でスイッチD1と接続され、一方の切替接点は接地線6に、他方の切替接点は電源線5に、それぞれ接続されている。
【0029】
図1に示されているのは、いずれのスイッチも操作されていない状態であり、この状態でスイッチD1はスイッチR2と接続されており、またスイッチR2は接地線6に接続された状態となっている。
【0030】
第1端子11には右位置のスイッチR1の共通接点が接続されている。スイッチR1の一方の切替接点の先には上方向のスイッチU1が直列に接続されている。また、スイッチR1の他方の切替接点は開放状態となっている。スイッチU1は、共通接点でスイッチR1と接続され、一方の切替接点は接地線6に、他方の切替接点は電源線5に、それぞれ接続されている。
【0031】
図1に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチR1はスイッチU1と接続されており、またスイッチU1は接地線6に接続された状態となっている。
【0032】
第2端子12には下位置のスイッチD2の一方の切替接点が接続されている。スイッチD2の共通接点の先には左方向のスイッチL1が直列に接続されている。また、スイッチD2の他方の切替接点は開放状態となっている。スイッチL1は、共通接点でスイッチD2と接続され、一方の切替接点は接地線6に、他方の切替接点は電源線5に、それぞれ接続されている。
【0033】
図1に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチD2は第2端子12に接続されており、またスイッチL1は接地線6に接続された状態となっている。
【0034】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。図4には、第1の実施形態における動作表を示している。図4のスイッチ動作方向は傾倒の方向を示しており、Uは上側(UP側)、Rは右側(RIGHT側)、Dは下側(DOWN側)、Lは左側(LIGHT側)を示し、URは上側と右側の中間位置を押し、その方向に傾倒させた場合を示す。DR、DL、ULは同様に下と右の中間、下と左の中間、上と左の中間方向をそれぞれ示す。端子出力の第1、共通、第2は、それぞれ第1端子11、共通端子10、第2端子12の出力を示し、Hは電源電圧、Lは接地電圧、Zは開放(オープン)状態を示す。モーター動作方向は、2つのモーターによってどの方向にミラー面が傾倒するかを示すものであり、Uはモーター3によりミラー面を上に向けるよう駆動することを示し、Dはモーター3によりミラー面を下に向けるよう駆動すること、Rはモーター4によりミラー面を右に向けるよう駆動すること、Lはモーター4によりミラー面を左に向けるよう駆動することを示す。ULはUとLの駆動を同時に行うことを示す。また、“−”はいずれのモーターも駆動されないことを示す。なお、後述する他の実施例の説明においても表の見方は同様である。
【0035】
以下、具体的に説明すると、操作部1の上操作部1aが操作されると、図3に示すスイッチU1のみが切り替わる。これにより、第1モーター3に対しては第1端子11から共通端子10側に電流が流れて、ミラーの面を上方向に駆動する。一方、第2モーター4はいずれの端子も接地しているので動作しない。
【0036】
操作部1の下操作部1bが操作されると、図3に示すスイッチD1とスイッチD2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3に対しては共通端子10から第1端子11側に電流が流れて、ミラーの面を下方向に駆動する。一方、第2モーター4はスイッチD2が開放状態となっているため、動作しない。
【0037】
操作部1の右操作部1cが操作されると、図3に示すスイッチR1とスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3はスイッチR1が開放状態となるため動作せず、第2モーター4は共通端子10から第2端子12側に電流が流れて、ミラーの面を右方向に駆動する。
【0038】
操作部1の左操作部1dが操作されると、図3に示すスイッチL1が切り替わる。第1モーター3は、両端子が接地された状態であるため動作せず、第2モーター4に対しては、第2端子12から共通端子10側に電流が流れて、ミラーの面を左方向に駆動する。
【0039】
次に、操作部1が複数の方向に同時に操作された場合について説明する。操作部1の上操作部1aと右操作部1cが同時に操作される。すなわちその境界付近を押すと上位置、右位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチU1とスイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3についてはスイッチR1が開放状態となるため動作せず、第2モーター4については共通端子10から第2端子12側に電流が流れて、ミラーを右方向に駆動する。
【0040】
操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作される。すなわち、その境界付近を押すと下位置、右位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチD1とスイッチD2、スイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3についてはスイッチR1が開放状態となるため動作せず、第2モーター4についてもスイッチD2が開放状態となるため動作しない。すなわち、この場合にはいずれのモーターも動作しない。
【0041】
操作部1の下操作部1bと左操作部1dが同時に操作される。すなわち、その境界付近を押すと下位置、左位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチD1とスイッチD2及びスイッチL1が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3については共通端子10から第1端子11側に電流が流れて、ミラーを下方向に駆動し、第2モーター4についてはスイッチD2が開放状態となるため動作しない。
【0042】
操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作される。すなわち、その境界付近を押すと上位置、左位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチU1とスイッチL1が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3については第1端子11から共通端子10側に電流が流れて、ミラーを上方向に駆動し、第2モーター4については第2端子12側から共通端子10側に電流が流れて、ミラーを左方向に駆動する。すなわち、この場合にはミラーは2方向に同時に駆動される。
【0043】
スイッチ部2を図1に示すように構成することで、操作部1が一方向にのみ操作された場合はもちろんのこと、操作部1が二方向に同時に操作された場合であっても、電源線5と接地線6がモーターを介さないで接続されること、すなわち短絡を生じないようにすることができる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5には第2の実施形態における駆動装置の回路図を、図6にはスイッチ部2を構成する各スイッチの配置図を、それぞれ示している。図6に示すように、本形態の駆動装置では、第1の実施形態と比べて左位置にスイッチL2を追加している。その他の位置については第1の実施形態と同様である。
【0045】
図5に示すように、スイッチ部2における各スイッチの回路配置は、第1の実施形態と概ね共通している。一方で、第1の実施形態に対して追加された左位置のスイッチL2は、第1端子11に対しスイッチR1と並列に接続されている。スイッチL2は、共通接点が第1端子11側に接続され、一方の切替接点はスイッチD2の開放側接点に接続され、他方の切替接点は開放状態となっている。図5に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチL2はスイッチD2に接続された状態となっている。
【0046】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第1の実施形態に対して操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図7には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0047】
操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作されると、図5に示すスイッチD1とスイッチD2、スイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、スイッチD2はスイッチL1と接続された状態となり、第1モーター3に対しては共通端子10から第1端子11側に電流が流れ、ミラーの面を下方向に駆動する。一方、第2モーター4はスイッチD2で開放状態となるため動作しない。
【0048】
なお、操作部1の左操作部1dが単独あるいは複数同時に操作された場合には、スイッチL1は開放状態となるだけなので、他の動作に影響を与えることがない。また、操作部1の下操作部1bのみが操作された場合にも、スイッチD2がスイッチL1と接続されて第1端子11が接地線6に接続されることとなるが、その際にはスイッチR1とスイッチU1により第1端子11が接地線6に接続されているので、結局動作には影響を与えない。
【0049】
第1の実施形態では、操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合、図4のスイッチ動作方向のDR方向を参照すれば明らかなように、いずれのモーターも動作しない。すなわち動作しない方向があるが、本実施形態においては、第1端子11に接地線6をバイパスするようにしたことで、図7を参照すれば明らかなようにいずれの方向に操作部1が操作された場合にも、ミラーをいずれかの方向に駆動することができる。
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図8には第3の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本形態においては、スイッチ部2における各スイッチの配置態様は、第1の実施形態と同様である。図8に示すように、スイッチ部2における各スイッチの回路配置は、第1の実施形態と共通している。一方で、本形態ではスイッチR1の開放側接点とスイッチD2の開放側接点とを接続している。
【0051】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第1の実施形態に対して操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図9には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0052】
操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作されると、図5に示すスイッチD1とスイッチD2、スイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、スイッチD2はスイッチR1と接続され、またスイッチR1も共通接点とスイッチR1側とが接続されるように切り替わるので、第1端子11は接地線6に接続されることとなる。そして、共通端子10はスイッチD1により電源線5に接続されるので、第1モーター3には共通端子10から第1端子11側に電流が流れ、ミラーの面を下方向に駆動する。一方、第2モーター4はスイッチD2で開放状態となるため動作しない。
【0053】
なお、本形態では操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合にのみ、スイッチD2とスイッチR1が接続されるので、それ以外の操作の際において動作に影響を与えない。
【0054】
このように、スイッチD2の開放側接点とスイッチR1の開放側接点とを接続することで、第2の実施形態のようにスイッチを追加することなく、いずれの方向に操作部1が操作された場合であっても、ミラーの面をいずれかの方向に駆動することができる。
【0055】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図10には第4の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本形態においてスイッチ部2における各スイッチの配置態様は、第2の実施形態と同様である。
【0056】
本形態においては、第3の実施形態の駆動装置に対し、スイッチ部2においてスイッチR1の第1端子11側にスイッチL2を追加している。その他の構成は、第3の実施形態と同様である。スイッチL2は、共通接点側で第1端子11と接続され、一方の切替接点がスイッチR1に接続されると共に、他方の切替接点は接地線6に接続されている。図10に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチL2はスイッチR1に接続された状態となっている。
【0057】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第3の実施形態に対して操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図11には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0058】
操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作されると、図10に示すスイッチU1とスイッチL1及びスイッチL2が同時に切り替わる。これにより、スイッチL2は接地線6に接続された状態となり、共通端子10側も接地線6に接続されているから、第1モーター3の両端子間は同電位となり、第1モーター3は動作しない。一方、第2モーター4に対しては第2端子12側が電源線5に、共通端子10側が接地線6に、それぞれ接続されるから、第2モーター4はミラーの面を左方向に駆動する。
【0059】
なお、操作部1の左操作部1dのみを操作した場合、第1端子11側においてはスイッチL2が接地線6に接続されるが、共通端子10側も接地線6に接続されるので、結局動作に影響を与えない。
【0060】
第1から第3の実施形態においては、ミラーが複数方向に駆動される場合があったが、第4の実施形態においては、このように、左操作部1dが操作された際に第1端子11が接地線6にバイパスするスイッチL2を第1端子11側に設けたことで、複数の方向が同時に操作された場合に、ミラーが複数方向に駆動されることを防止することができる。
【0061】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本形態の駆動装置は、第3の実施形態に対してスイッチを1つ追加したものである。図12には第5の実施形態における駆動装置の回路図を、図13にはスイッチ部2における各スイッチの配置図を、それぞれ示している。図13に示すように、本形態の駆動装置では、第3の実施形態と比べて上位置にスイッチU2を追加している。その他の位置については第3の実施形態と同様である。
【0062】
図12に示すように、本形態においては、第3の実施形態の駆動装置に対し、スイッチ部2においてスイッチD2の第2端子12側にスイッチU2を追加している。これは、第4の実施形態と同様に、上操作部1aと左操作部1dが同時に操作された場合に、スイッチU2によって第2端子12が接地線6にバイパスするようにしたものであり、これによって第1モーター3と第2モーター4が同時に動作しないように構成したものである。
【0063】
スイッチU2は、共通接点側で第2端子12と接続され、一方の切替接点がスイッチD2に接続されると共に、他方の切替接点は接地線6に接続されている。図13に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチU2はスイッチD2に接続された状態となっている。
【0064】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第3の実施形態に対して操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図14には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0065】
操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作されると、図13に示すスイッチU1とスイッチU2及びスイッチL1が同時に切り替わる。これにより、スイッチU2は接地線6に接続された状態となり、共通端子10側も接地線6に接続されているから、第2モーター4の両端子間は同電位となり、第2モーター4は動作しない。一方、第1モーター3に対しては第1端子11側が電源線5に、共通端子10側が接地線6に、それぞれ接続されるから、第1モーター3はミラーの面を上方向に駆動する。
【0066】
なお、操作部1の上操作部1aのみを操作した場合、第2端子12側においてはスイッチU2が接地線6に接続されるが、共通端子10側も接地線6に接続されるので、結局動作に影響を与えない。
【0067】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図15には第6の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本形態の駆動装置では、スイッチ部2における各スイッチの配置態様は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
図15に示すように、本形態においてスイッチ部2の回路構成は、第1の実施形態と概ね共通するが、スイッチD2の接続態様のみが異なっている。スイッチD2は、共通接点側で第2端子12と接続され、一方の切替接点がスイッチL2に接続されると共に、他方の切替接点は電源線5に接続されている。図15に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチD2はスイッチL2に接続された状態となっている。
【0069】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。図16には、スイッチ部2の動作表を示している。本形態においては、操作部1の下操作部1bが操作された際に、スイッチD2が切り替わって第2端子12が電源線5に接続された状態となるが、共通端子10もスイッチD1において電源線5に接続されるので、第2モーター4の両端子間は同電位となり、いずれの動作についても結果的には第1の実施形態と同様となる。スイッチD2の接続態様を第1の実施形態と異なりこのように構成することによっても、同様の動作を駆動装置に行わせることができる。
【0070】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図17には第7の実施形態における駆動装置の回路図を、図18にはスイッチ部2における各スイッチの配置図を、それぞれ示している。本形態の駆動装置は、第6の実施形態の駆動装置に対してスイッチ部2にスイッチを追加したものであって、図18に示すように、第6の実施形態に対して上位置にスイッチU2を追加し、左位置にスイッチL2を追加し、下位置にスイッチD3を追加している。
【0071】
図17に示すように、スイッチ部2には図6の実施形態に対して、スイッチR1の第1端子11側にスイッチD3を追加し、スイッチD1の共通端子10側にスイッチL2を追加し、スイッチD2の第2端子12側にスイッチU2を追加している。
【0072】
スイッチD3は、共通接点側が第1端子11に接続され、一方の切替接点がスイッチR1に接続されると共に、他方の切替接点が接地線6に接続されている。スイッチL2は、共通接点側が共通端子10に接続され、一方の切替接点がスイッチD1に接続されると共に、他方の切替接点が接地線6に接続されている。スイッチU2は、共通接点側が第2端子12に接続され、一方の切替接点がスイッチD2に接続されると共に、他方の切替接点が接地線6に接続されている。
【0073】
このように構成した場合の動作表を図19に示している。第6の実施形態では、操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合に、第1端子11がスイッチR1において開放状態で、共通端子10が電源線5に接続され、第2端子12が電源線5に接続されるので、第1モーター3と第2モーター4はいずれも動作しない。一方で、本形態では操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合に、第1端子11がスイッチD3において接地線6に接続され、共通端子10がスイッチL2において接地線6に接続され、第2端子12がスイッチD2において電源線5に接続されるので、第1モーター3は動作せず、第2モーター4はミラーの面を左方向に駆動する。
【0074】
また、第6の実施形態では、操作部1の上操作部1aと左操作部1dを同時に操作した場合に、第1端子11はスイッチU1で電源線5に接続され、共通端子10は接地線6に接続され、第2端子12はスイッチL1で電源線5に接続されるので、第1モーター3と第2モーター4の両方が動作する。一方で、本形態では操作部1の上操作部1aと左操作部1dを同時に操作した場合に、第1端子11がスイッチU1で電源線5に接続され、共通端子10はスイッチL2で接地線6に接続され、第2端子12がスイッチU2で接地線6に接続されるので、第1モーター3がミラーの面を上方向に駆動し、第2モーター4は動作しない。
【0075】
このように、本形態では第6の実施形態の駆動装置に対してスイッチU2とスイッチD3及びスイッチL2を追加したことにより、所定の複数方向が操作された場合にいずれのモーターも動作しなかったり、あるいは両方のモーターが動作したりすることを防止し、複数方向が同時に操作された場合であっても必ずいずれか一方向に動作するようにできる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、各実施形態において左右のスイッチまたは上下のスイッチはそれぞれ入れ替えることも可能である。この場合には、端子間の電流の流れが逆になるので、それに応じて各モーターによるミラーの駆動方向を設定すればよい。
【符号の説明】
【0077】
1 操作部
2 スイッチ部
3 第1モーター
4 第2モーター
5 電源線
6 接地線
10 共通端子
11 第1端子
12 第2端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のミラー等を4方向に駆動する駆動装置に関し、特に操作部において複数方向が同時に操作された場合にも適切に動作可能な駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のミラーの面を運転席から上下左右に角度調節するため、4方向に駆動可能な駆動装置が用いられる。この駆動装置は、上下左右の4方向に操作可能な操作部と、操作部の操作に伴ってオン・オフ動作をなすスイッチ部と、スイッチ部に接続される一対のモーターと、同じくスイッチ部に接続される電源線及び接地線を有して構成される。
【0003】
従来の駆動装置の回路図を図20に示している。この図に示すように、駆動装置は一対のモーター50、51と、複数のスイッチからなるスイッチ部52と、電源線53及び接地線54を有している。一対のモーターを構成する一方のモーター50は、上下方向の駆動に用いられ、他方のモーター51は、左右方向の駆動に用いられる。
【0004】
スイッチ部52は、各モーター50、51の一端側の各端子に共通して接続される共通端子52aと、各モーター50、51の他端側の各端子に接続される第1端子52b及び第2端子52cを備えている。一方のモーター50は、共通端子52aと第1端子52bに接続されてスイッチ部52の動作により正転または逆転する。また、他方のモーター51は、共通端子52aと第2端子52cに接続されてスイッチ部52の動作により正転または逆転する。
【0005】
スイッチ部52を構成する各スイッチは、いずれもオン・オフが切替可能な二接点スイッチからなっている。図21には、スイッチの配置図を示している。この図に示すように、スイッチ部52を構成する各スイッチは、上下左右位置にそれぞれ2つずつ配置されている。
【0006】
駆動装置をこのように構成した場合における動作表を図22に示している。この表では、操作部により4方向のいずれか1つに対する傾倒操作が行われて該方向の2つのスイッチが同時に動作した場合と、隣り合う2方向の間の方向に大きな力で操作部の傾倒操作行われ、隣り合う2方向の4つのスイッチが同時に動作した場合における、スイッチ部52の各端子の状態及びモーター50、51の動作方向とを示している。スイッチ動作方向及びモーター動作方向においてUは上方向、Dは下方向、Rは右方向、Lは左方向をそれぞれ表し、端子出力においてHは電源線53に接続された状態、Lは接地線54に接続された状態、Zは開放状態をそれぞれ表している。この表記は以下同様である。
【0007】
図22に示すように、操作部によって4方向のいずれか1つに対する操作が行われた場合には、それぞれの傾倒方向に対応する2つのスイッチが動作してモーター50、51は所定の動作をなすことができる。一方、操作部が下方向と右方向の間(DR方向)に傾倒操作が行なわれた場合には、スイッチD1、D2、R1、R2がオンとなり、共通端子52aが電源線に接続され、第1端子52b及び第2端子52cが接地線に接続され、2つのモーター50、51が同時に動作する。また上方向と左方向の間(UL方向)に傾倒操作が行なわれた場合には、スイッチU1、U2、L1、L2がオンとなり、共通端子52aが接地線に接続され、第1端子52b及び第2端子52cが電源線に接続されるので、同様に2つのモーター50、51が同時に動作する。上方向と右方向の間(UR方向)に傾倒操作が行なわれた場合には、スイッチU1、U2、R1、R2が同時にオンとなり、スイッチU2、R1が同時にオンとなることから、回路が短絡してしまう。また、下方向と左方向の間(DL方向)に傾倒操作した場合には、スイッチL1、L2、D1、D2が同時にオンとなり、スイッチL1、D2が同時にオンとなることから、回路が短絡してしまう。
【0008】
また、このようにスイッチ部52を構成するスイッチに二接点スイッチを用いるものの他、共通接点と2つの切替接点からなる三接点スイッチを用いて構成したものが知られている。この場合には、複数の方向が同時に操作された場合における短絡は生じないようにすることができる。このような駆動装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭64−36538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の駆動装置は、操作部の操作に伴い3つのスイッチを4通りに切り替えるものであるが、具体的なスイッチの構成やどのようにスイッチングするものであるかは開示されていない。また、所定方向に操作した場合の挙動が不安定であるなど、このままでは安定的な動作を行わせることができない。
【0011】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で安定的に動作し複数方向の操作が同時になされても短絡を生じることのない駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明に係る駆動装置は、上下左右の4方向に操作自在な操作部1と、該操作部の各操作方向に対応した4か所のスイッチまたはスイッチ群からなるスイッチ部2と、該スイッチ部2が接続される一対のモーター3、4と、接地線6及び電源線5とを有した駆動装置において、
前記スイッチ部2は、前記一対のモーターを構成する各モーターの一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、各モーターの他端側の各端子に接続される第1端子11及び第2端子12を備えると共に、いずれも1つの共通接点及び2つの切替接点からなる三接点スイッチからなり、
前記スイッチ部2は、上下方向のうち一方の方向Dに対応してスイッチD1、D2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、上下方向のうち他方の方向Uに対応してスイッチU1が1つ以上設けられ、左右方向のうち一方の方向Rに対応してスイッチR1、R2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、左右方向のうち他方の方向Lに対応してスイッチL1が1つ以上設けられ、
前記共通端子10には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1が接続され、当該スイッチには前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR2が直列に接続され、
前記第1端子11には、前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1が接続され、当該スイッチR1には前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1が直列に接続され、
前記第2端子12には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2が接続され、当該スイッチD2には前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1が直列に接続され、
前記共通端子10に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1は、前記操作部1の非操作状態で前記直列に接続されるスイッチR2に接続し、前記操作部の操作状態で前記電源線5に接続し、
前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部の非操作状態で前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1と、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1にそれぞれ接続し、前記操作部の操作状態で開放状態となり、
前記スイッチ部2の共通端子10に接続されたスイッチD1、R2と、左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1と、上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1は、いずれも前記操作部1の非操作状態で前記接地線6に接続し、前記操作部1の操作状態で前記電源線5に接続することを特徴として構成されている。
【0013】
また、本発明に係る駆動装置は、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR1と並列になるように前記第1端子11に接続され、前記操作部1の非操作状態で前記第2端子12に接続された上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点に接続され、前記操作部1の操作状態で開放状態となることを特徴として構成されている。
【0014】
さらに、本発明に係る駆動装置は、前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1の開放側接点と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点とが接続されてなることを特徴として構成されている。
【0015】
さらにまた、本発明に係る駆動装置は、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴として構成されている。
【0016】
そして、本発明に係る駆動装置は、前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12の間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴として構成されている。
【0017】
また、本発明に係る駆動装置は、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部1の操作状態で開放状態に代えて前記電源線5に接続されることを特徴として構成されている。
【0018】
さらに、本発明に係る駆動装置は、前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1と前記共通接点10との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記上下方向のうち一方の方向Dに対応する3つめのスイッチD3が設けられ、該スイッチD3は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る駆動装置によれば、複数の方向が同時に操作された場合であっても、モーターの両端子間で短絡が生じることがなく、簡易な構成で安定的に動作させることができる。
【0020】
また、本発明に係る駆動装置によれば、特定の複数操作がなされた場合にモーターがいずれにも動作しない状態を解消し、必ずいずれかの方向に動作するように構成することができる。
【0021】
さらに、本発明に係る駆動装置によれば、特定の複数操作がなされた場合にモーターが二方向に動作する状態を解消し、必ずいずれか1つの方向に動作するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図2】操作部の平面図である。
【図3】第1の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図4】第1の実施形態における動作表である。
【図5】第2の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図6】第2の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図7】第2の実施形態における動作表である。
【図8】第3の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図9】第3の実施形態における動作表である。
【図10】第4の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図11】第4の実施形態における動作表である。
【図12】第5の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図13】第5の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図14】第5の実施形態における動作表である。
【図15】第6の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図16】第6の実施形態における動作表である。
【図17】第7の実施形態における駆動装置の回路図である。
【図18】第7の実施形態におけるスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図19】第7の実施形態における動作表である。
【図20】従来の駆動装置の回路図である。
【図21】従来の駆動装置のスイッチ部を構成する各スイッチの配置図である。
【図22】従来の駆動装置における動作表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、第1の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本実施形態の駆動装置は、車両のサイドミラーなどのミラーの面を上下左右に駆動するものとして用いられる。図1に示すように、駆動装置は第1モーター3と第2モーター4からなる一対のモーターと、一対のモーターに対する電源供給をスイッチングするスイッチ部2と、電源に接続された電源線5及び接地された接地線6を有している。
【0024】
スイッチ部2には、複数のスイッチが配置されており、これらは1つの操作部1によって押圧操作される。図2には、操作部1の平面図を示している。操作部1は、車両の運転席などに配置され、多方向に傾倒可能に保持され、上下左右の領域をそれぞれ押圧操作することで該方向に傾倒し、ミラーが当該方向に動作する。操作部1は、ミラーの面を上方向に傾斜させる上操作部1aと、ミラーの面を下方向に傾斜させる下操作部1bと、ミラーの面を右方向に傾斜させる右操作部1cと、ミラーの面を左方向に傾斜させる左操作部1dとを有している。これら各操作部は、通常は単独で押圧操作されるが、1つの部材を操作するため隣接する2つの境界部分を押すと隣接する操作部が同時に操作される。
【0025】
スイッチ部2を構成する各スイッチは、いずれも共通接点と2つの切替接点を有してなる三接点スイッチとして構成されていて、セルフリターンタイプのスライドのスイッチであって、操作部1の操作に伴って接点の切り替えが行われる。なお、それぞれの方向に対応するスイッチは共通の駆動軸を介し、操作部材によって駆動されるようにしてあり、よってスイッチR1とR2は同時に動作し、またスイッチD1とD2も同時に動作するよう構成されている。なお、該構成については周知の構成であることからこれ以上の詳細は省略する。また、後述の他の実施例においても同様である。スイッチ部2は、第1モーター3及び第2モーター4の一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、第1モーター3の他端側の端子に接続される第1端子11と、第2モーター4の他端側の端子に接続される第2端子12とを有している。
【0026】
第1モーター3は、スイッチ部2の共通端子10と第1端子11に接続されて、スイッチ部2の動作により正転または逆転することで、ミラーの面を上下いずれかの方向に駆動する。具体的には、第1端子11側から共通端子10側に電流が流れることで、ミラーの面を上方向に駆動し、共通端子10側から第1端子11側に電流が流れることで、ミラーの面を下方向に駆動する。また、第2モーター4は、スイッチ部2の共通端子10と第2端子12に接続されて、スイッチ部2の動作により正転または逆転することで、ミラーの面を左右いずれかの方向に駆動する。具体的には、共通端子10側から第2端子12側に電流が流れることで、ミラーの面を右方向に駆動し、第2端子12側から共通端子10側に電流が流れることで、ミラーの面を左方向に駆動する。なお、第1モーター3で車両のミラーの面を左右に駆動し第2モーター4で上下に駆動しても良い。
【0027】
図3には、スイッチ部2を構成する各スイッチの配置図を示している。この図に示すように、スイッチは操作部1の上下左右それぞれの傾倒操作方向に対応して、上位置と下位置、右位置及び左位置にそれぞれ配置されている。上下位置のうち、上位置についてはスイッチU1が1つ配置され、下位置についてはスイッチD1とスイッチD2が2つ配置されてスイッチ群を構成する。左右位置のうち、右位置についてはスイッチR1とスイッチR2が2つ配置されてスイッチ群を構成し、左位置についてはスイッチL1が配置される。
【0028】
図1に示すように、共通端子10には下位置のスイッチD1の共通接点が接続されている。スイッチD1の一方の切替接点の先には右位置のスイッチR2が直列に接続されている。また、スイッチD1の他方の切替接点は電源線5に接続されている。スイッチR2は、共通接点でスイッチD1と接続され、一方の切替接点は接地線6に、他方の切替接点は電源線5に、それぞれ接続されている。
【0029】
図1に示されているのは、いずれのスイッチも操作されていない状態であり、この状態でスイッチD1はスイッチR2と接続されており、またスイッチR2は接地線6に接続された状態となっている。
【0030】
第1端子11には右位置のスイッチR1の共通接点が接続されている。スイッチR1の一方の切替接点の先には上方向のスイッチU1が直列に接続されている。また、スイッチR1の他方の切替接点は開放状態となっている。スイッチU1は、共通接点でスイッチR1と接続され、一方の切替接点は接地線6に、他方の切替接点は電源線5に、それぞれ接続されている。
【0031】
図1に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチR1はスイッチU1と接続されており、またスイッチU1は接地線6に接続された状態となっている。
【0032】
第2端子12には下位置のスイッチD2の一方の切替接点が接続されている。スイッチD2の共通接点の先には左方向のスイッチL1が直列に接続されている。また、スイッチD2の他方の切替接点は開放状態となっている。スイッチL1は、共通接点でスイッチD2と接続され、一方の切替接点は接地線6に、他方の切替接点は電源線5に、それぞれ接続されている。
【0033】
図1に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチD2は第2端子12に接続されており、またスイッチL1は接地線6に接続された状態となっている。
【0034】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。図4には、第1の実施形態における動作表を示している。図4のスイッチ動作方向は傾倒の方向を示しており、Uは上側(UP側)、Rは右側(RIGHT側)、Dは下側(DOWN側)、Lは左側(LIGHT側)を示し、URは上側と右側の中間位置を押し、その方向に傾倒させた場合を示す。DR、DL、ULは同様に下と右の中間、下と左の中間、上と左の中間方向をそれぞれ示す。端子出力の第1、共通、第2は、それぞれ第1端子11、共通端子10、第2端子12の出力を示し、Hは電源電圧、Lは接地電圧、Zは開放(オープン)状態を示す。モーター動作方向は、2つのモーターによってどの方向にミラー面が傾倒するかを示すものであり、Uはモーター3によりミラー面を上に向けるよう駆動することを示し、Dはモーター3によりミラー面を下に向けるよう駆動すること、Rはモーター4によりミラー面を右に向けるよう駆動すること、Lはモーター4によりミラー面を左に向けるよう駆動することを示す。ULはUとLの駆動を同時に行うことを示す。また、“−”はいずれのモーターも駆動されないことを示す。なお、後述する他の実施例の説明においても表の見方は同様である。
【0035】
以下、具体的に説明すると、操作部1の上操作部1aが操作されると、図3に示すスイッチU1のみが切り替わる。これにより、第1モーター3に対しては第1端子11から共通端子10側に電流が流れて、ミラーの面を上方向に駆動する。一方、第2モーター4はいずれの端子も接地しているので動作しない。
【0036】
操作部1の下操作部1bが操作されると、図3に示すスイッチD1とスイッチD2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3に対しては共通端子10から第1端子11側に電流が流れて、ミラーの面を下方向に駆動する。一方、第2モーター4はスイッチD2が開放状態となっているため、動作しない。
【0037】
操作部1の右操作部1cが操作されると、図3に示すスイッチR1とスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3はスイッチR1が開放状態となるため動作せず、第2モーター4は共通端子10から第2端子12側に電流が流れて、ミラーの面を右方向に駆動する。
【0038】
操作部1の左操作部1dが操作されると、図3に示すスイッチL1が切り替わる。第1モーター3は、両端子が接地された状態であるため動作せず、第2モーター4に対しては、第2端子12から共通端子10側に電流が流れて、ミラーの面を左方向に駆動する。
【0039】
次に、操作部1が複数の方向に同時に操作された場合について説明する。操作部1の上操作部1aと右操作部1cが同時に操作される。すなわちその境界付近を押すと上位置、右位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチU1とスイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3についてはスイッチR1が開放状態となるため動作せず、第2モーター4については共通端子10から第2端子12側に電流が流れて、ミラーを右方向に駆動する。
【0040】
操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作される。すなわち、その境界付近を押すと下位置、右位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチD1とスイッチD2、スイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3についてはスイッチR1が開放状態となるため動作せず、第2モーター4についてもスイッチD2が開放状態となるため動作しない。すなわち、この場合にはいずれのモーターも動作しない。
【0041】
操作部1の下操作部1bと左操作部1dが同時に操作される。すなわち、その境界付近を押すと下位置、左位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチD1とスイッチD2及びスイッチL1が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3については共通端子10から第1端子11側に電流が流れて、ミラーを下方向に駆動し、第2モーター4についてはスイッチD2が開放状態となるため動作しない。
【0042】
操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作される。すなわち、その境界付近を押すと上位置、左位置に配置されているスイッチが全て切り替わり、図3に示すスイッチU1とスイッチL1が同時に切り替わる。これにより、第1モーター3については第1端子11から共通端子10側に電流が流れて、ミラーを上方向に駆動し、第2モーター4については第2端子12側から共通端子10側に電流が流れて、ミラーを左方向に駆動する。すなわち、この場合にはミラーは2方向に同時に駆動される。
【0043】
スイッチ部2を図1に示すように構成することで、操作部1が一方向にのみ操作された場合はもちろんのこと、操作部1が二方向に同時に操作された場合であっても、電源線5と接地線6がモーターを介さないで接続されること、すなわち短絡を生じないようにすることができる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5には第2の実施形態における駆動装置の回路図を、図6にはスイッチ部2を構成する各スイッチの配置図を、それぞれ示している。図6に示すように、本形態の駆動装置では、第1の実施形態と比べて左位置にスイッチL2を追加している。その他の位置については第1の実施形態と同様である。
【0045】
図5に示すように、スイッチ部2における各スイッチの回路配置は、第1の実施形態と概ね共通している。一方で、第1の実施形態に対して追加された左位置のスイッチL2は、第1端子11に対しスイッチR1と並列に接続されている。スイッチL2は、共通接点が第1端子11側に接続され、一方の切替接点はスイッチD2の開放側接点に接続され、他方の切替接点は開放状態となっている。図5に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチL2はスイッチD2に接続された状態となっている。
【0046】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第1の実施形態に対して操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図7には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0047】
操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作されると、図5に示すスイッチD1とスイッチD2、スイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、スイッチD2はスイッチL1と接続された状態となり、第1モーター3に対しては共通端子10から第1端子11側に電流が流れ、ミラーの面を下方向に駆動する。一方、第2モーター4はスイッチD2で開放状態となるため動作しない。
【0048】
なお、操作部1の左操作部1dが単独あるいは複数同時に操作された場合には、スイッチL1は開放状態となるだけなので、他の動作に影響を与えることがない。また、操作部1の下操作部1bのみが操作された場合にも、スイッチD2がスイッチL1と接続されて第1端子11が接地線6に接続されることとなるが、その際にはスイッチR1とスイッチU1により第1端子11が接地線6に接続されているので、結局動作には影響を与えない。
【0049】
第1の実施形態では、操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合、図4のスイッチ動作方向のDR方向を参照すれば明らかなように、いずれのモーターも動作しない。すなわち動作しない方向があるが、本実施形態においては、第1端子11に接地線6をバイパスするようにしたことで、図7を参照すれば明らかなようにいずれの方向に操作部1が操作された場合にも、ミラーをいずれかの方向に駆動することができる。
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図8には第3の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本形態においては、スイッチ部2における各スイッチの配置態様は、第1の実施形態と同様である。図8に示すように、スイッチ部2における各スイッチの回路配置は、第1の実施形態と共通している。一方で、本形態ではスイッチR1の開放側接点とスイッチD2の開放側接点とを接続している。
【0051】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第1の実施形態に対して操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図9には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0052】
操作部1の下操作部1bと右操作部1cが同時に操作されると、図5に示すスイッチD1とスイッチD2、スイッチR1及びスイッチR2が同時に切り替わる。これにより、スイッチD2はスイッチR1と接続され、またスイッチR1も共通接点とスイッチR1側とが接続されるように切り替わるので、第1端子11は接地線6に接続されることとなる。そして、共通端子10はスイッチD1により電源線5に接続されるので、第1モーター3には共通端子10から第1端子11側に電流が流れ、ミラーの面を下方向に駆動する。一方、第2モーター4はスイッチD2で開放状態となるため動作しない。
【0053】
なお、本形態では操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合にのみ、スイッチD2とスイッチR1が接続されるので、それ以外の操作の際において動作に影響を与えない。
【0054】
このように、スイッチD2の開放側接点とスイッチR1の開放側接点とを接続することで、第2の実施形態のようにスイッチを追加することなく、いずれの方向に操作部1が操作された場合であっても、ミラーの面をいずれかの方向に駆動することができる。
【0055】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図10には第4の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本形態においてスイッチ部2における各スイッチの配置態様は、第2の実施形態と同様である。
【0056】
本形態においては、第3の実施形態の駆動装置に対し、スイッチ部2においてスイッチR1の第1端子11側にスイッチL2を追加している。その他の構成は、第3の実施形態と同様である。スイッチL2は、共通接点側で第1端子11と接続され、一方の切替接点がスイッチR1に接続されると共に、他方の切替接点は接地線6に接続されている。図10に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチL2はスイッチR1に接続された状態となっている。
【0057】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第3の実施形態に対して操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図11には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0058】
操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作されると、図10に示すスイッチU1とスイッチL1及びスイッチL2が同時に切り替わる。これにより、スイッチL2は接地線6に接続された状態となり、共通端子10側も接地線6に接続されているから、第1モーター3の両端子間は同電位となり、第1モーター3は動作しない。一方、第2モーター4に対しては第2端子12側が電源線5に、共通端子10側が接地線6に、それぞれ接続されるから、第2モーター4はミラーの面を左方向に駆動する。
【0059】
なお、操作部1の左操作部1dのみを操作した場合、第1端子11側においてはスイッチL2が接地線6に接続されるが、共通端子10側も接地線6に接続されるので、結局動作に影響を与えない。
【0060】
第1から第3の実施形態においては、ミラーが複数方向に駆動される場合があったが、第4の実施形態においては、このように、左操作部1dが操作された際に第1端子11が接地線6にバイパスするスイッチL2を第1端子11側に設けたことで、複数の方向が同時に操作された場合に、ミラーが複数方向に駆動されることを防止することができる。
【0061】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本形態の駆動装置は、第3の実施形態に対してスイッチを1つ追加したものである。図12には第5の実施形態における駆動装置の回路図を、図13にはスイッチ部2における各スイッチの配置図を、それぞれ示している。図13に示すように、本形態の駆動装置では、第3の実施形態と比べて上位置にスイッチU2を追加している。その他の位置については第3の実施形態と同様である。
【0062】
図12に示すように、本形態においては、第3の実施形態の駆動装置に対し、スイッチ部2においてスイッチD2の第2端子12側にスイッチU2を追加している。これは、第4の実施形態と同様に、上操作部1aと左操作部1dが同時に操作された場合に、スイッチU2によって第2端子12が接地線6にバイパスするようにしたものであり、これによって第1モーター3と第2モーター4が同時に動作しないように構成したものである。
【0063】
スイッチU2は、共通接点側で第2端子12と接続され、一方の切替接点がスイッチD2に接続されると共に、他方の切替接点は接地線6に接続されている。図13に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチU2はスイッチD2に接続された状態となっている。
【0064】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。本形態では、第3の実施形態に対して操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作された場合のみ、動作が異なるので、それ以外については説明を省略する。図14には、スイッチ部2の動作表を示している。
【0065】
操作部1の上操作部1aと左操作部1dが同時に操作されると、図13に示すスイッチU1とスイッチU2及びスイッチL1が同時に切り替わる。これにより、スイッチU2は接地線6に接続された状態となり、共通端子10側も接地線6に接続されているから、第2モーター4の両端子間は同電位となり、第2モーター4は動作しない。一方、第1モーター3に対しては第1端子11側が電源線5に、共通端子10側が接地線6に、それぞれ接続されるから、第1モーター3はミラーの面を上方向に駆動する。
【0066】
なお、操作部1の上操作部1aのみを操作した場合、第2端子12側においてはスイッチU2が接地線6に接続されるが、共通端子10側も接地線6に接続されるので、結局動作に影響を与えない。
【0067】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図15には第6の実施形態における駆動装置の回路図を示している。本形態の駆動装置では、スイッチ部2における各スイッチの配置態様は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
図15に示すように、本形態においてスイッチ部2の回路構成は、第1の実施形態と概ね共通するが、スイッチD2の接続態様のみが異なっている。スイッチD2は、共通接点側で第2端子12と接続され、一方の切替接点がスイッチL2に接続されると共に、他方の切替接点は電源線5に接続されている。図15に示すいずれのスイッチも操作されていない状態において、スイッチD2はスイッチL2に接続された状態となっている。
【0069】
このように接続された回路において、操作部1が操作された際の動作について説明する。図16には、スイッチ部2の動作表を示している。本形態においては、操作部1の下操作部1bが操作された際に、スイッチD2が切り替わって第2端子12が電源線5に接続された状態となるが、共通端子10もスイッチD1において電源線5に接続されるので、第2モーター4の両端子間は同電位となり、いずれの動作についても結果的には第1の実施形態と同様となる。スイッチD2の接続態様を第1の実施形態と異なりこのように構成することによっても、同様の動作を駆動装置に行わせることができる。
【0070】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図17には第7の実施形態における駆動装置の回路図を、図18にはスイッチ部2における各スイッチの配置図を、それぞれ示している。本形態の駆動装置は、第6の実施形態の駆動装置に対してスイッチ部2にスイッチを追加したものであって、図18に示すように、第6の実施形態に対して上位置にスイッチU2を追加し、左位置にスイッチL2を追加し、下位置にスイッチD3を追加している。
【0071】
図17に示すように、スイッチ部2には図6の実施形態に対して、スイッチR1の第1端子11側にスイッチD3を追加し、スイッチD1の共通端子10側にスイッチL2を追加し、スイッチD2の第2端子12側にスイッチU2を追加している。
【0072】
スイッチD3は、共通接点側が第1端子11に接続され、一方の切替接点がスイッチR1に接続されると共に、他方の切替接点が接地線6に接続されている。スイッチL2は、共通接点側が共通端子10に接続され、一方の切替接点がスイッチD1に接続されると共に、他方の切替接点が接地線6に接続されている。スイッチU2は、共通接点側が第2端子12に接続され、一方の切替接点がスイッチD2に接続されると共に、他方の切替接点が接地線6に接続されている。
【0073】
このように構成した場合の動作表を図19に示している。第6の実施形態では、操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合に、第1端子11がスイッチR1において開放状態で、共通端子10が電源線5に接続され、第2端子12が電源線5に接続されるので、第1モーター3と第2モーター4はいずれも動作しない。一方で、本形態では操作部1の下操作部1bと右操作部1cを同時に操作した場合に、第1端子11がスイッチD3において接地線6に接続され、共通端子10がスイッチL2において接地線6に接続され、第2端子12がスイッチD2において電源線5に接続されるので、第1モーター3は動作せず、第2モーター4はミラーの面を左方向に駆動する。
【0074】
また、第6の実施形態では、操作部1の上操作部1aと左操作部1dを同時に操作した場合に、第1端子11はスイッチU1で電源線5に接続され、共通端子10は接地線6に接続され、第2端子12はスイッチL1で電源線5に接続されるので、第1モーター3と第2モーター4の両方が動作する。一方で、本形態では操作部1の上操作部1aと左操作部1dを同時に操作した場合に、第1端子11がスイッチU1で電源線5に接続され、共通端子10はスイッチL2で接地線6に接続され、第2端子12がスイッチU2で接地線6に接続されるので、第1モーター3がミラーの面を上方向に駆動し、第2モーター4は動作しない。
【0075】
このように、本形態では第6の実施形態の駆動装置に対してスイッチU2とスイッチD3及びスイッチL2を追加したことにより、所定の複数方向が操作された場合にいずれのモーターも動作しなかったり、あるいは両方のモーターが動作したりすることを防止し、複数方向が同時に操作された場合であっても必ずいずれか一方向に動作するようにできる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、各実施形態において左右のスイッチまたは上下のスイッチはそれぞれ入れ替えることも可能である。この場合には、端子間の電流の流れが逆になるので、それに応じて各モーターによるミラーの駆動方向を設定すればよい。
【符号の説明】
【0077】
1 操作部
2 スイッチ部
3 第1モーター
4 第2モーター
5 電源線
6 接地線
10 共通端子
11 第1端子
12 第2端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下左右の4方向に操作自在な操作部1と、該操作部の各操作方向に対応した4か所のスイッチまたはスイッチ群からなるスイッチ部2と、該スイッチ部2が接続される一対のモーター3、4と、接地線6及び電源線5とを有した駆動装置において、
前記スイッチ部2は、前記一対のモーターを構成する各モーターの一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、各モーターの他端側の各端子に接続される第1端子11及び第2端子12を備えると共に、いずれも1つの共通接点及び2つの切替接点からなる三接点スイッチからなり、
前記スイッチ部2は、上下方向のうち一方の方向Dに対応してスイッチD1、D2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、上下方向のうち他方の方向Uに対応してスイッチU1が1つ以上設けられ、左右方向のうち一方の方向Rに対応してスイッチR1、R2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、左右方向のうち他方の方向Lに対応してスイッチL1が1つ以上設けられ、
前記共通端子10には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1が接続され、当該スイッチD1には前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR2が直列に接続され、
前記第1端子11には、前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1が接続され、当該スイッチR1には前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1が直列に接続され、
前記第2端子12には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2が接続され、当該スイッチD2には前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1が直列に接続され、
前記共通端子10に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1は、前記操作部1の非操作状態で前記直列に接続されるスイッチR2に接続し、前記操作部の操作状態で前記電源線5に接続し、
前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部の非操作状態で前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1と、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1にそれぞれ接続し、前記操作部の操作状態で開放状態となり、
前記スイッチ部2の共通端子10に接続されたスイッチD1、R2と、左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1と、上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1は、いずれも前記操作部1の非操作状態で前記接地線6に接続し、前記操作部1の操作状態で前記電源線5に接続することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR1と並列になるように前記第1端子11に接続され、前記操作部1の非操作状態で前記第2端子12に接続された上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点に接続され、前記操作部1の操作状態で開放状態となることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1の開放側接点と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点とが接続されてなることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項4】
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴とする請求項3記載の駆動装置。
【請求項5】
前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12の間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴とする請求項3記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部1の操作状態で開放状態に代えて前記電源線5に接続されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項7】
前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1と前記共通接点10との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記上下方向のうち一方の方向Dに対応する3つめのスイッチD3が設けられ、該スイッチD3は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴とする請求項6記載の駆動装置。
【請求項1】
上下左右の4方向に操作自在な操作部1と、該操作部の各操作方向に対応した4か所のスイッチまたはスイッチ群からなるスイッチ部2と、該スイッチ部2が接続される一対のモーター3、4と、接地線6及び電源線5とを有した駆動装置において、
前記スイッチ部2は、前記一対のモーターを構成する各モーターの一端側の各端子に共通して接続される共通端子10と、各モーターの他端側の各端子に接続される第1端子11及び第2端子12を備えると共に、いずれも1つの共通接点及び2つの切替接点からなる三接点スイッチからなり、
前記スイッチ部2は、上下方向のうち一方の方向Dに対応してスイッチD1、D2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、上下方向のうち他方の方向Uに対応してスイッチU1が1つ以上設けられ、左右方向のうち一方の方向Rに対応してスイッチR1、R2が2つ設けられてスイッチ群を構成し、左右方向のうち他方の方向Lに対応してスイッチL1が1つ以上設けられ、
前記共通端子10には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1が接続され、当該スイッチD1には前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR2が直列に接続され、
前記第1端子11には、前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1が接続され、当該スイッチR1には前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1が直列に接続され、
前記第2端子12には、前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2が接続され、当該スイッチD2には前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1が直列に接続され、
前記共通端子10に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1は、前記操作部1の非操作状態で前記直列に接続されるスイッチR2に接続し、前記操作部の操作状態で前記電源線5に接続し、
前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部の非操作状態で前記上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1と、前記左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1にそれぞれ接続し、前記操作部の操作状態で開放状態となり、
前記スイッチ部2の共通端子10に接続されたスイッチD1、R2と、左右方向のうち他方の方向Lに対応するスイッチの1つL1と、上下方向のうち他方の方向Uに対応するスイッチの1つU1は、いずれも前記操作部1の非操作状態で前記接地線6に接続し、前記操作部1の操作状態で前記電源線5に接続することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの1つR1と並列になるように前記第1端子11に接続され、前記操作部1の非操作状態で前記第2端子12に接続された上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点に接続され、前記操作部1の操作状態で開放状態となることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1端子11に接続された前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1の開放側接点と、前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2の開放側接点とが接続されてなることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項4】
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応したスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴とする請求項3記載の駆動装置。
【請求項5】
前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12の間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴とする請求項3記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第2端子12に接続された前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2は、前記操作部1の操作状態で開放状態に代えて前記電源線5に接続されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項7】
前記上下方向のうち他方の方向Uに対応して2つめのスイッチU2が設けられ、該スイッチU2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2と前記第2端子12との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの他の1つD2に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記左右方向のうち他方の方向Lに対応して2つめのスイッチL2が設けられ、該スイッチL2は前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1と前記共通接点10との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記上下方向のうち一方の方向Dに対応するスイッチの1つD1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続し、
前記上下方向のうち一方の方向Dに対応する3つめのスイッチD3が設けられ、該スイッチD3は前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1と前記第1端子11との間に直列状に設けられ、前記操作部1の非操作状態で前記左右方向のうち一方の方向Rに対応するスイッチの他の1つR1に接続し、前記操作部1の操作状態で前記接地線6に接続することを特徴とする請求項6記載の駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−213483(P2010−213483A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57815(P2009−57815)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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