説明

骨リモデリングを調節する物質を同定するための方法および材料、ならびにそれによって同定された物質

本発明は、骨石灰化を研究し、骨石灰化を調整する物質を同定するための組成物、化合物、装置、およびそれらの使用方法を開示する。化合物のスクリーニングおよび調査を行うための骨石灰化遺伝子プロファイルおよび識別特性の使用方法も開示する。治療および調査の両方の用途のための、骨石灰化を調節する試薬も提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨負荷が与えられた骨細胞の遺伝子発現プロファイルであって、該骨負荷がWnt経路モジュレーターによって調節されている、遺伝子発現プロファイル。
【請求項2】
COX−2、Jun、Fos、SFRP1、コネキシン43、およびeNOSの遺伝子を含む、請求項1に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項3】
表1〜5、11、または12の2つ以上の遺伝子を含む、請求項1に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項4】
前記Wnt経路モジュレーターがアゴニストである、請求項1に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項5】
前記アゴニストがGSK−3阻害剤である、請求項4に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項6】
前記アゴニストが、Wnt3A、Wnt3A変異体、Wnt3Aミメティック、またはWnt3Aアゴニストである、請求項4に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項7】
前記GSK−3阻害剤が選択的GSK−3阻害剤である、請求項5に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項8】
前記GSK−3阻害剤が、塩化リチウムまたは薬学的に許容されるその塩、マレイミド、ムスカリン様アゴニスト、アロイシン(aloisine)、ヒメニニジシン(hymeninidisine)、あるいはイニジルビン(inidirubin)である、請求項5に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項9】
前記マレイミドが、3−(2,4−ジクロロフェニル)−4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、または3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルアミノ)−4−(2−ニトロフェニル)−1Hピロール−2,5−ジオンである、請求項8に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項10】
前記遺伝子発現プロファイルが、培養細胞、または動物組織から得た細胞に由来する、請求項4に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項11】
前記骨細胞が、前骨芽細胞、骨幹細胞、骨芽細胞、破骨細胞、骨細胞、または間葉系系幹細胞、あるいはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の遺伝子発現プロファイル。
【請求項12】
Wnt経路調節物質を同定し、それによって骨リモデリングを調節する方法であって、
(A)候補物質に曝露した骨細胞の遺伝子発現プロファイルを得るステップと、
(B)ステップ(A)の前記遺伝子発現プロファイルを、請求項1に記載の遺伝子発現プロファイルと比較し、それによって、Wnt経路が調節されたかどうかを決定するステップとを含む、方法。
【請求項13】
動物に機械的負荷が与えられて、前記骨細胞が前記動物から得られるか、または培養骨細胞に機械的負荷が与えられるかである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
機械的応力およびWnt経路モジュレーターが与えられたHBM細胞の遺伝子発現プロファイル。
【請求項15】
骨荷重遺伝子発現プロファイルを作成する方法であって、
(A)骨負荷に曝露していない骨細胞の第1の遺伝子発現プロファイルと、骨負荷に曝露した骨細胞の第2の遺伝子発現プロファイルと、骨負荷およびWnt経路モジュレーターに曝露した骨細胞の第3の遺伝子発現プロファイルとを得るステップと、
(B)前記第1、第2、および第3の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、Wnt経路モジュレーターによって調節される遺伝子の骨荷重遺伝子発現プロファイルを得るステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記骨細胞が、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、またはこれらの骨細胞の組み合わせである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記Wnt経路モジュレーターがWnt経路アゴニストである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記Wnt経路アゴニストが、GSK−3阻害剤、Wnt3A、Wnt3Aミメティック、Wnt3Aアゴニスト、LRP5アゴニスト、LRP6アゴニスト、βカテニンアゴニスト、またはDkk1アンタゴニストである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法によって得られた、Wnt経路モジュレーターによって制御される遺伝子を含む骨荷重遺伝子発現プロファイル。
【請求項20】
骨負荷の関連するリモデリングを増強する物質をスクリーニングする方法であって、
(A)前記物質を加えて培養され骨負荷に曝露された骨細胞の遺伝子発現プロファイルを得るステップと、
(B)ステップ(A)の前記遺伝子発現プロファイルを、請求項19に記載の骨荷重遺伝子発現プロファイルと比較するステップであって、前記Wnt経路モジュレーターが対照Wnt経路モジュレーターであるステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記参照Wnt経路モジュレーターが、GSK−3阻害剤またはWnt 3Aである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
候補物質を使用せずに評価される前記培養骨細胞がHBM骨細胞である請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記骨細胞が、骨芽細胞、前骨芽細胞、骨幹細胞、間葉系系幹細胞、またはそれらの組み合わせである請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記骨細胞が骨芽細胞であり、骨芽細胞数および/または増殖に対する前記物質の効果が、[3H]−チミジンの混入、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)の混入、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(MTS)アッセイ、またはアポトーシスアッセイによって測定される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項20に記載のステップ(A)および(B)で与えられる前記骨負荷が約50με〜約5,000μεの量の機械的負荷である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法によって同定された、低骨量状態を治療するための候補物質。
【請求項27】
治療有効量の請求項26に記載の候補物質を投与するステップを含む、骨石灰化疾患または障害の治療方法。
【請求項28】
前記骨疾患または障害が、骨粗鬆症、骨折、軟骨形成異常、薬物性骨障害、高骨代謝回転、高カルシウム血症、骨化過剰症、変形性関節症、骨髄炎、およびパジェット病である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記骨折が、股関節骨折、コーレス骨折、または椎骨粉砕骨折である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記薬物性障害が、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、ヘパリン誘発性骨粗鬆症、水酸化アルミニウム誘発性骨軟化症、抗痙攣薬誘発性骨軟化症、またはグルテチミド誘発性骨軟化症である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記候補物質が、GSK−3アンタゴニスト、Wnt3A、Wnt3Aミメティック、Wnt3Aアゴニスト、Dkk1アンタゴニスト、LRP5アゴニスト、βカテニンアゴニスト、またはLRP6アゴニストである、請求項25に記載の候補物質。
【請求項32】
複数のプローブを含む組成物であって、前記プローブが、請求項19に記載の骨荷重遺伝子発現プロファイルの核酸にアニールする核酸配列を含む、組成物。
【請求項33】
前記複数のプローブが固体基体に取り付けられている、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記固体基体が、ビーズ、プレート、またはスライドである、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記複数のプローブが、コネキシン43、COX−2、eNOS、SFRP1、Jun、およびFosタンパク質をコードする核酸配列にアニールする核酸配列を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項36】
前記複数のプローブが、表1〜5、11、または12の遺伝子または遺伝子転写物の核酸配列にアニールする核酸配列を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項37】
PDGFRA、MET、OSMR、ITGBL1、CTGF、WNT6、TIMP3、GJA1、GAS6、LOX、MYBL1、THBS1、ITGB5、CTSK、COL1A1、FBLN1、CCND1、TIMP2、COL6A3、GADD45A、WISP2、FZD2、SFRP4、IGFBP6、LRP5、LRP6、LSP1、CX3CR1、TRFBR2、VCAM1、IL6、FGF2、FGF7、STAT1、TNFRSF10B、IFG2R、IGF2、SPARC、MAPKAPK2、TNF、TNFRSF11b、TNFSF11、ACP5、FAP、MCC、DELTEX、EPHB2、CNK1、ERBB3、GRO1、MYC、およびWNT10Bの核酸配列にアニールするプローブをさらに含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
請求項1または14のいずれかの骨負荷発現プロファイルが得られる物質を投与するステップを含む、細胞中の骨石灰化を調節する方法。
【請求項39】
前記物質が、Wntアゴニスト、Wnt3A、Wnt3Aミメティック、Wnt3A変異体、Wnt3Aアゴニスト、Dkkアンタゴニスト、COX−2アンタゴニスト、LRP5アゴニスト、LRP6アゴニスト、GSK−3アンタゴニスト、またはβカテニンアゴニストである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記GSK−3アンタゴニストが、マレイミド、ムスカリン様アゴニスト、アロイシン、ヒメニニジシン、またはイニジルビンである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記マレイミドが、第2の骨リモデリング調節物質と組み合わせて投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2の骨リモデリング調節物質が、副甲状腺ホルモン、エストロゲン、ビタミンD、ビタミンD類似体、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、グルココルチコイド、カルシウム製剤、またはビスホスホネートである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
骨石灰化および/または骨リモデリングの調節を必要とする被験体の骨石灰化および/または骨リモデリングを調節する方法であって、請求項19に記載の骨負荷発現プロファイルが得られる化合物を投与するステップを含む、方法。
【請求項44】
基体と、該基体に付着させた複数の免疫グロブリンとを含む組成物であって、前記免疫グロブリンが、表1〜5、11、または12の2種類以上のタンパク質を認識してこれらと結合する、組成物。
【請求項45】
前記複数の免疫グロブリンが、表1〜5、11、または12の前記2種類以上のタンパク質を認識してこれらと結合する2種類以上の免疫グロブリンを含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記2種類以上のタンパク質が、eNOS、コネキシン43、SFRP1、サイクリンD1、Wnt10B、Jun、Fos、またはCOX−2である、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記基体が、マイクロチップ、ビーズ、プレート、スライド、またはチューブである、請求項44に記載の組成物。
【請求項48】
骨負荷の調節を研究するための組成物であって、
(A)基体と、
(B)前記基体に付着された、複数の細胞溶解物とを含み、前記溶解物が、(i)機械的応力を与えていない細胞、(ii)機械的応力に曝露した細胞、(iii)機械的応力を与えていないHBM細胞、(iv)機械的応力に曝露したHBM細胞、および(v)Wnt経路モジュレーターに曝露した前記細胞のいずれかに由来するものである、組成物。
【請求項49】
前記基体が、マイクロチップ、ビーズ、プレート、スライド、またはチューブである、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
骨リモデリングおよび/または骨石灰化を調節するタンパク質と結合する試薬をスクリーニングする方法であって、
(A)候補試薬を請求項48に記載の組成物に結合させるのに好適な条件下で、候補試薬を請求項48に記載の組成物に曝露するステップと、
(B)前記候補試薬が請求項48に記載の組成物に結合したかどうかを調べ、請求項48に記載の組成物のタンパク質が前記候補試薬と結合したかどうかをさらに調べるステップとを含む、方法。
【請求項51】
化合物または組成物が、骨細胞活性/機能、および/または石灰化に対する骨負荷の効果を増強するかどうかを決定する方法であって、
(A)前記化合物または前記組成物を細胞系に投与するステップと、
(B)その後、機械的刺激を前記細胞系に与えるステップと、
(C)前記細胞系から細胞溶解物を得るステップと、
(D)前記細胞溶解物中のタンパク質を請求項44に記載の組成物と結合させるのに好適な条件下で、前記細胞溶解物を請求項44に記載の組成物と接触させるステップと、
(E)ステップ(D)で得られたパターンを、機械的負荷刺激のみを与えた細胞の細胞溶解物から得られた発現パターンと比較することによって、前記化合物または前記組成物が、骨細胞活性/機能、および/または石灰化に対する骨負荷の効果を増強するかどうかを決定するステップとを含む、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−525953(P2007−525953A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515244(P2006−515244)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/017951
【国際公開番号】WO2005/028678
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(397012945)
【Fターム(参考)】