説明

高さ情報読取システムおよび高さ情報読取方法

【課題】簡単な処理にて高さの情報を得ること。
【解決手段】印刷媒体(地図帳50)上の2次元位置を示すX座標値およびY座標値に変換可能な情報を含む第一の画像が設けられた印刷媒体(地図帳50)と、第一の画像を読み取る読取手段を備えたペン型装置(10)と、を備え、印刷媒体(地図帳50)に、X座標値およびY座標値に対応する高さを示すZ座標値に変換可能な情報を含む第二の画像を第一の画像に重畳し、読取手段は、第一の画像および第二の画像をそれぞれ読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ情報読取システムおよび高さ情報読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
位置情報をドットパターンで記録した紙と、そのドットパターンを読み取ることで位置情報を取得し電子的に読み取り可能な位置情報に変換するペン型装置を備えた地図情報処理システムが研究されている。この地図情報処理システムは、ペン型装置により取得した紙の位置情報を電子地図上の座標値に変換できる。
【0003】
上述のような地図情報処理システムを用いることにより、ペン型装置を使用して、ナビゲーション装置の目的地の入力を行う案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、上述のような地図情報処理システムによれば、紙の位置情報を電子地図上の座標値に変換できる。しかし、この座標値は2次元の座標値(X、Y)であり、高さの座標値(Z)は含まれない。この問題を解決するために、特許文献2では、3次元の座標値(X、Y、Z)に変換可能なドットパターンを用いている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−294942号公報(特許請求の範囲など)
【特許文献2】特開2007−80241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2記載の3次元座標値に変換可能なドットパターンは、2次元座標値に変換可能なドットパターンに比べると複雑である。よって、印刷においては精密な印刷技術が要求される。また、ペン型装置においても高精細な読み取り能力が要求される。さらには、座標変換処理が複雑化する。また、2次元座標値に変換可能なドットパターンと3次元座標値に変換可能なドットパターンとでは全く種類の異なるドットパターンである。このため、既存の2次元座標値に変換可能なドットパターンが印刷されている印刷媒体の上に、3次元座標値に変換可能なドットパターンを追加して印刷することができない。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、簡単な処理によって高さの情報を得ることができる高さ情報読取システムおよび高さ情報読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、印刷媒体上の2次元位置を示すX座標値およびY座標値に変換可能な情報を含む第一の画像が設けられた印刷媒体と、第一の画像を読み取る読取手段を備えたペン型装置と、を備える情報読取システムにおいて、印刷媒体には、X座標値およびY座標値に対応する高さを示すZ座標値に変換可能な情報を含む第二の画像が第一の画像に重畳され、読取手段は、第一の画像および第二の画像をそれぞれ読み取る複数画像読取手段を備える、ことを特徴とする。
【0009】
例えば、第一の画像は、特定の波長を有する光の照射により撮影可能となる複数のドットの配列に基づくドットパターンであり、第二の画像は、このドットパターンが印刷された部分の背景の色または色の濃淡である。
【0010】
このときに、複数画像読取手段は、特定の波長を有する光を照射する光源と、白色光を照射する光源と、第一の画像および前記第二の画像を撮影する撮像装置と、を備えることができる。
【0011】
あるいは、複数画像読取手段は、特定の波長を有する光を照射する光源と、白色光を照射する光源と、第一の画像を撮影する撮像装置と、白色光を照射する光源の照射光により背景の色または色の濃淡を検出するセンサ装置と、を備えることもできる。
【0012】
あるいは、第一の画像は、第一の波長を有する光の照射により撮影可能となる画像であり、第二の画像は、第一の波長とは波長が異なる第二の波長を有する光の照射により撮影可能となる画像である、とすることもできる。
【0013】
このとき、複数画像読取手段は、第一の波長を有する光を照射する光源と、第二の波長を有する光を照射する光源と、第一の画像および第二の画像を撮影する撮像装置と、を備えることができる。
【0014】
また、印刷媒体には、地図が印刷され、X座標値およびY座標値は、この地図上の地点を示し、Z座標値は、この地点に対応する高さを示すものとすることができる。
【0015】
また、本発明を高さ情報読取方法としての観点から観ることもできる。すなわち、本発明の高さ情報読取方法は、印刷媒体上の2次元位置を示すX座標値およびY座標値に変換可能な情報を含む第一の画像をペン型装置が読み取る読取工程を有する高さ情報読取方法において、読取工程は、印刷媒体に設けられたX座標値およびY座標値に対応する高さを示すZ座標値に変換可能な情報を含む第二の画像を、第一の画像と共にそれぞれ読み取る複数画像読取工程を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な処理によって印刷媒体上に印刷された情報の高さに関する情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(本発明の第一の実施の形態に係るナビゲーションシステムの概要の説明)
図1は、第一の実施の形態に係る高さ情報読取システムとしてのナビゲーションシステム1全体の構成を示す図である。この例では、ナビゲーションシステム1は、ペン型装置10、ナビゲーション装置30および印刷媒体としての地図帳50を主要な構成要素としている。
【0018】
ペン型装置10は、地図帳50に書かれた特殊な配列のドットパターン(X、Y座標)および背景色(Z座標が埋め込まれている)を読み取る。ペン型装置10は、地図帳50の所定のページにおいて、地図帳50に印刷されているそれぞれの地点のドットパターンおよびその背景色を読み取る読取部として機能する。ペン型装置10は、ペン先12が当接する部分のドットパターンおよびその背景色を読み取り、そのドットパターンおよびその背景色を座標値に変換する。また、得られた座標値を、取得データとしてナビゲーション装置30に無線で送信する。
【0019】
また、ペン型装置10は、ナビゲーション装置30が送信する通知用データを無線で受信し、その通知用データに基づき、ユーザに通知する通知部を有する。ユーザに通知する方法としては、視覚、聴覚、嗅覚あるいは触覚等によりユーザが認識できるような各種の方法により出力されることでユーザに通知できる。また、通知用データは、段階的な値とされている。本実施の形態において、ペン型装置10の通知部は、光の色(赤、青および黄色などの表示色)により通知用データを段階的に出力できるものとしている。
【0020】
ナビゲーション装置30は、本実施の形態において、ペン型装置10と双方向で通信を行う。具体的には、ナビゲーション装置30は、読取部となるペン型装置10より受信した取得情報としての座標値を、1次情報としての緯度、経度、標高に変換し、その緯度、経度、標高を、2次情報としての通知用データに変換する変換部を有する。また、変換された通知用データをペン型装置10に送信する。さらに、ナビゲーション装置30は、自動車等に設置されて、目的地あるいは所望の経路等を入力することで、現在地から目的地までの経路を画像および音声等でナビゲーション(案内)する装置として機能してもよい。
【0021】
印刷媒体としての地図帳50には、赤外線を透過させる通常のインクで地図情報が印刷されると共に、赤外線を吸収するインクによりドットパターンが印刷されている。ドットパターンをペン型装置10が読み取ることにより、後述する方法で地図上における位置を座標値(X、Y)として得ることができる。また、地図帳50には、高さの座標値(Z)を表す背景色も印刷されている。
【0022】
(ペン型装置10について)
図2は、ペン型装置10の外観を示す図である。図3は、図2に示すペン型装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ペン型装置10は、略円柱形状を有するハウジング11を有している。なお、ペン型装置10の形状は角柱形状など他の形状としてもよい。ハウジング11の底部の一部には、ボールペン等の筆記部材によって構成されるペン先12が設けられている。なお、このペン先12としては、ボールペンの芯等の筆記部材ではなく、実際には筆記されることのない非筆記部材により構成されるペン先12等を採用してもよい。なお、ペン先12の一端はハウジング11の内部で、後述する筆圧センサに接触されている。ハウジング11の底部のペン先12の近傍には、図2および図3に示すように、地図帳50に印刷されたドットパターンおよびその背景色を読み取るための読取部の一部としての赤外線LED(Light Emitting Diode)13および白色LED18と、同じく読取部の一部としての撮像装置であるC−MOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラ14が設けられている。
【0023】
ハウジング11の側面部には、各色に発光できるものであって、文字情報または画像情報として各種情報を表示して確認できるLCD(Liquid Crystal Display)15が設けられている。LCD15のバックライトは、各色(赤、青および黄色など)に点灯できるものとしている。LCD15の上部には、例えば、種々の音声により出力等するためのスピーカ16が設けられている。また、ハウジング11の底部側の側面部は、操作ボタン17が配置されている。
【0024】
なお、ユーザは、ハウジング11を把持し、地図帳50中の読み取りたい位置にペン先12を接触させることで、その地図帳50の所望の位置を読み取ることができる。このとき、赤外線LED13とC−MOSカメラ14によって読み取られたドットパターンに基づいて、2次元の座標値(X、Y)が取得され、その座標値は、取得データとしてナビゲーション装置30に送信される。また、白色LED18とC−MOSカメラ14によって読み取られた背景色に基づいて、高さの座標値(Z)が取得され、その座標値は、取得データとしてナビゲーション装置30に送信される。
【0025】
図3に示すように、ペン型装置10は、赤外線LED13、C−MOSカメラ14、LCD15、スピーカ16、操作ボタン17、白色LED18、CPU(Central Processing Unit)21、筆圧センサ22、画像処理部23、メモリ24、通信部25、および、音源部26を主要な構成要素としている。
【0026】
ここで、赤外線LED13は、CPU21の制御に基づいて、印刷媒体としての地図帳50の所定のページに赤外線を照射する。C−MOSカメラ14は、地図帳50から反射されてきた赤外線を受光し、ドットパターンを読み取る。C−MOSカメラ14は、地図帳50から反射されてきた白色光を受光し、背景色を読み取る。
【0027】
LCD15は、ペン型装置10の通知部として機能すると共に、操作のための案内表示を行う。スピーカ16は、ペン型装置10の通知部として機能すると共に、音によって操作案内を可能としている。操作ボタン17は、ペン型装置10全体をオンオフさせるボタンである。白色LED18は、CPU21の制御に基づいて、印刷媒体としての地図帳50の所定のページに白色光を照射する。
【0028】
CPU21は、ペン型装置10の各部を制御する。筆圧センサ22は、印加される圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサによって構成され、ペン先12が地図帳50に接触されて所定の内容が書き込まれる際の筆圧を検出すると、ONになる。また、ペン先12に圧力が印加されないときには、OFFになる。なお、この筆圧センサ22のON、OFF動作は、操作ボタン17によって図示をしない電源がONされているときに行われる。
【0029】
画像処理部23は、C−MOSカメラ14に入射された赤外線によって形成されたドットパターンに対応する反射した赤外線画像データを入力して画像処理を施すことにより、ドットパターンに含まれている情報(2次元座標値(X、Y))を抽出し、CPU21に供給する。また、画像処理部23は、C−MOSカメラ14に入射された背景色に基づき情報(高さの座標値(Z))を抽出し、CPU21に供給する。
【0030】
メモリ24は、フラッシュメモリまたは他の記憶媒体によって構成されており、CPU21が実行する基本的なプログラムおよび定数を格納している。また、メモリ24は、CPU21が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に格納する、あるいは、CPU21からの制御指令に基づいて通信部25からの通信情報を一時的に記憶する。
【0031】
通信部25は、受信部および送信部の両方として機能する。通信部25は、無線通信、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の規格に基づいて、ナビゲーション装置30との間で、アンテナを介して情報を授受する。なお、無線通信の代わりに、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のケーブルを用いて、ナビゲーション装置30とペン型装置10とを有線接続し、情報を授受するようにしてもよい。しかし、無線で接続した場合には、よりペン型装置10を使用しやすいものとすることができる。
【0032】
音源部26は、CPU21にて処理された音響データ(例えば、圧縮処理が施されているデータ)を、再生可能な音響信号に変換する。つまり、音源部26は、デコーダとして機能する。音源部26にて変換された再生可能な音響信号(アナログ信号)は、アンプ(不図示)にて増幅され、スピーカ16から音響として出力される。
【0033】
(ナビゲーション装置30について)
図4は、ナビゲーション装置30の構成を示すブロック図である。本実施の形態において、ナビゲーション装置30は、入力部31、通信部32、記憶部33、画像処理部34、表示部35および情報処理部36等を主要な構成要素としている。
【0034】
入力部31は、ナビゲーション装置30に指示を与えるためのデバイスである。この入力部31は、ボタン、リモートコントローラおよびタッチパネル等のいずれかまたは複数の入力部材を用いて構成されることができる。
【0035】
通信部32は、ナビゲーション装置30とペン型装置10との間の通信を行う。そのため、ペン型装置10の通信部25と同じ規格に基づいて通信を行うことができるように構成されている。また、通信部32は、外部と通信することにより、例えば、地図情報や渋滞情報等の各種の情報を得ることができる。
【0036】
記憶部33は、各種情報、データまたはプログラム等のいずれか1つあるいは複数を記憶しておく部分であり、HDD、フラッシュメモリ、ROMおよびRAM等の中から1つあるいは複数を採用できる。記憶部33は、情報処理部36が各部を制御するための制御プログラムおよび各定数を記憶したり、各種デバイスとの通信情報を一時的に記憶したりできる。また、記憶部33は、各地点における通知用データを作成するための変換テーブル37を記憶できる。また、記憶部33が追加データの書き込みが可能な追加記憶領域を有する場合には、変換テーブル37等の情報を更新することができる。
【0037】
画像処理部34は、情報処理部36から入力された画像データを、出力可能な画像信号に変換する。つまり、画像処理部34は、デコーダとしての役割を有し、その画像信号は、表示部35にて画像として出力される。
【0038】
表示部35は、液晶ディスプレイ等から好適に構成される。また、画像処理部34にて変換された映像信号が表示部35に入力されると、表示部35にはその映像信号に基づく映像を表示出力できる。
【0039】
情報処理部36は、ナビゲーション装置30の制御を行う制御部である。情報処理部36は、記憶部33に記憶されている制御プログラムを読み出して、実行することにより動作する。また、情報処理部36は、通信部32にて受信した取得データを取得し、記憶部33にて記憶されている変換テーブル37に基づき、取得データを緯度、経度、標高に変換し、緯度、経度、標高を通知用データに変換する。
【0040】
変換テーブル37は、ペン型装置10から得られた、地図帳50に印刷されているドットパターンおよび背景色に基づき生成された座標値を、緯度、経度、標高の情報に変換するため、および、地図帳50に印刷されている所定の緯度、経度、標高の地点に対応する通知用データに変換するための変換テーブルである。変換テーブル37は、たとえば、複数の条件に関連づけられた通知用データを有し、ユーザが複数の条件の中から所望の条件を選択できるようにすることができる。すなわち、「渋滞」に関する情報の例で言えば、ユーザが条件として「渋滞」を選択すると、ペン型装置10のペン先12が接触する地図上の位置において、「渋滞」が生じているか否かについての段階的な通知用データがペン型装置10へ送信される。
【0041】
通知用データは、各条件および緯度、経度、標高に対応付けられたデータである。したがって、条件が複数ある場合には、1つの緯度、経度、標高に複数の通知用データが存在する。例えば、ある所定の緯度、経度、標高に対応付けられた条件として、渋滞、道幅、天気、温度、および店舗の営業可否等のいずれか2つまたは3つ以上の条件がある。また、各条件は、段階的な通知用データとされている。例えば、渋滞の場合には、渋滞が何kmあるかにより、「渋滞」、「混雑」および「通常」に分けられ、図5に示されるテーブルのように段階的な通知用データが記憶されている。
【0042】
(地図帳50について)
図6は、地図帳50の所定のページに印刷されたドットパターンの詳細を説明する図である。この図に示すように、地図帳50の各ページには、図6中の左に示す図6(A)の一部を中央に拡大して示す図6(B)のように、例えば、0.3mm間隔で赤外線を吸収する直交する格子状の縦横線の中心点の上下左右のいずれか1箇所に配置されるドットが、地図情報とともに印刷されている。これらのドットは、図6の中の右にさらに拡大して示す図6(C)のように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。6×6=36ドットが集まって、1つのドットパターンを構成し、そのパターンによって、パターン中央の座標値(X、Y)に変換できるようになっている。
【0043】
すなわち、図6の例で示せば、36ドットのドットパターンDP1は、その中心の4つのドットで囲まれる領域PC1を表すものとなる。領域PC1の1つの左の領域PC2を表すドットパターンは、ドットパターンDP1を1列分の格子を左にずらした36ドットのパターンとなる。1ドットは4通りとなることから、1.8mm×1.8mmサイズの1つのドットパターンには4の36乗通りの組み合わせが存在する。1つのドットパターンは、地図帳50の所定のページの所定の位置を示す座標値(X、Y)に変換できる。
【0044】
図7は、地図帳50の所定のページに印刷された高さを示すZ座標値に変換可能な情報を含む画像の詳細を説明する図である。図7は、等高線を境にして色分けされた地図帳50の一部分を示している。図7に示すように、地図帳50上の地図を等高線を境にして色分けする。図7の例では、等高線は500m間隔で描かれている。図7では、♯1色が0〜500m、♯2色が500〜1000m、♯3色が1000〜1500m、♯4色が1500〜2000m、♯5色が2000〜2500mを表す。この色をペン型装置10が読み取ることにより、後述する方法で地図上における高さの座標値(Z)を得ることができる。なお、この色の種類は、異なる複数の色を用いてもよいし、単色における濃淡を用いてもよい。特に、灰色の濃淡を用いれば、白黒印刷でも適用できる。好ましくは、地図帳50において数字、記号、表記に使用する色とは異なる色を用いることがよい。
【0045】
なお、複数のページのうち、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、ドットパターンにページに関する情報を格納する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の位置情報を格納する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。
【0046】
(地図帳50の断面構造と座標値の読取り)
図8および図9は、地図帳50の所定のページの一部の断面構造を示す図である。この図に示すように、地図帳50のベースとなる紙部51の上には、赤外線を吸収するドットインク52によって、図6に示すドットパターンが印刷されている。また、その上には、赤外線を透過する通常インク53によって、地図情報が印刷されている。なお、この地図情報には、高さの座標値(Z)を取得するための図7に示す背景色も含まれる。
【0047】
図8に示すように、赤外線LED13から射出された赤外線のうち、ドットインク52に照射された部分は吸収されてC−MOSカメラ14には入射されない。また、通常インク53に照射された部分は透過する。その後、ドットインク52以外の部分を通過する赤外線は、紙部51により反射され、C−MOSカメラ14に入射される。これにより、ドットパターンに応じた反転図形の赤外線画像がC−MOSカメラ14に入射される。また、図9に示すように、背景色に照射された白色光の反射光がC−MOSカメラ14に入射される。
【0048】
次に、本実施の形態の動作について図10から図13を参照しながら説明する。本実施の形態では、ユーザは、ペン型装置10で示す経路の道路状況等を調べる。例えば、本実施の形態では、ユーザが、図10の地点61から地点65までの渋滞状況を調べるために、ナビゲーションシステム1を用いる。そこで、ユーザは、まずナビゲーション装置30の入力部より、知りたい条件として、「渋滞」を選択する。
【0049】
ペン型装置10は、操作ボタン17により動作可能となっている状態とする。その場合に、ペン型装置10は、筆圧センサ22がONになっているか否かを判定する(図11のステップS1)。ユーザがペン型装置10のペン先12を地図帳50に接触させると、筆圧センサ22がONの状態になる(ステップS1のYES)。本実施の形態では、ユーザが地点61にペン先12を当接させると、CPU21は、ステップS1においてYESと判断する。
【0050】
ステップS1においてYESの場合には、CPU21は、赤外線LED13により紙面に赤外線を照射する(ステップS2)。これにより、ドットインク52によるドットパターンがC−MOSカメラ14によって撮影される。
【0051】
画像処理部23は、C―MOSカメラ14により撮影されたドットパターンに含まれる6×6のドットの像を特定し、その特定した6×6のドットの組合せに1対1に対応する座標値(X、Y)、すなわちペン先12が接触した接点の座標値(X、Y)(読み取った座標パターンに1対1に対応する座標値(X、Y))を演算して読み取る(ステップS3)。
【0052】
次に、CPU21は、白色LED18により紙面に白色光を照射する(ステップS4)。この白色光は、通常インク53に反射してC−MOSカメラ14は、背景色を撮影する。画像処理部23は、C−MOSカメラ14により撮影された背景色を特定し、その特定した背景色に1対1に対応するZ座標値、すなわちペン先12が接触した接点のZ座標値(読み取った背景色に1対1に対応するZ座標値)を演算して読み取る(ステップS5)。これにより、CPU21は、座標値(X、Y、Z)を通信部25を介してナビゲーション装置30に送信する(ステップS6)。このとき、ペン型装置10が継続して紙面と接触中であれば(ステップS7のYES)、ステップS2に戻る。
【0053】
次に、CPU21は、得られた座標値を通信部25に供給する。通信部25は、その座標値をナビゲーション装置30の通信部32へ送信する(ステップS6)。
【0054】
ナビゲーション装置30の情報処理部36は、ペン型装置10から座標値を受信したか否かを判定する(図12のステップS10)。通信部32で座標値を受信した場合には(ステップS12のYES)、その座標値を情報処理部36は、変換テーブル37中の変換テーブルに基づき、緯度、経度、標高の情報に変換し(ステップS11:変換ステップ)、その後または同時に、緯度、経度、標高の情報に関連づけられた通知用データに変換する(ステップS12:変換ステップ)。そして、情報処理部36は、その通知用データのうち、ユーザが選択した条件に適合する通知用データを、通信部32からペン型装置10へ送信する(ステップS13)。例えば、本実施の形態では、ユーザの知りたい情報が渋滞情報であり、地点61において渋滞が生じていないので、図5に示す変換テーブルに基づきペン型装置10のLCD15を青く表示させる、という通知用データを送信する。
【0055】
ペン型装置10のCPU21は、通信部25が通知用データを受信したか否かを判定する(図13のステップS20)。通信部25を介して通知用データを受信した場合には、CPU21は、その通知用データを受け取った後、その通知用データに基づき、通知部としてのLCD15を所望の色に点灯させる(ステップS21:通知ステップ)。例えば、本実施の形態では、ナビゲーション装置30から、LCD15を青く発光させるための通知用データを通信部25が受信したので、CPU21は、LCD15を青く表示させる。
【0056】
以上に説明したように、地図帳50の所望の位置にペン型装置10のペン先12を当接させることで、その位置におけるユーザが知りたい条件の情報を、ペン型装置10が受領することができる。そのため、ユーザは、画面のスクロールなどをすることなく、ペン先12が接触している位置の状況を把握できる。
【0057】
次に、第一の実施の形態に係る高さの座標値(Z)を読み取る方法について説明する。白色LED18の照射光は、通常インク53で反射する。C−MOSカメラ14は、通常インク53からの反射光を受けてその色を識別する。画像処理部23は、C−MOSカメラ14が識別した色の種類を高さの座標値(Z)に変換する。これにより、ナビゲーション装置30は、2次元座標値(X、Y)に加えて高さの座標値(Z)をペン型装置10から受け取ることができる。
【0058】
図14は、C−MOSカメラ14が撮影した画像の1例を示す図である。図14の例では、ドットパターンと共に、♯A色および♯B色が撮影されている。ドットパターンで示されるX座標、Y座標は、6×6=36のドットパターンの中心位置Tの位置を示す座標である。このため、高さであるZ座標は、位置Tの色を読み取ることで、高さの値を取得できる。しかし、図14に示すように、異なる複数の色が同時に撮影された場合には、最も面積の大きな色を採用してもよい。図14の例では、位置Tの色を読み取る方式、最も面積の大きな色によって決定する方式のいずれの場合も♯B色が採用され、高さが100m〜120mとして認識される。
【0059】
本実施の形態による高さ座標値の読み取り方法では、図7に示すように、等高線を境として色を塗り分けることが好ましい。これによれば、地図帳50を人が目で見た場合でも色分けにより高低が識別可能であり便利である。なお、地図上に建物や山などが表記されている場合には、それらの輪郭線を境として色を塗り分けてもよい。
【0060】
(高さの座標値(Z)を読み取る方法の第二の実施の形態)
次に、高さの座標値(Z)を読み取る第二の実施の形態について説明する。この第二の実施の形態で用いられるペン型装置10aと地図帳50aとは、第一の実施の形態で用いたペン型装置10と地図帳50とは僅かに異なる。一方、ナビゲーション装置30は全く同一である。以下では、第一の実施の形態と同一部分は同一符号を用いて説明し、その説明を省略または簡略化し、かつ異なる部分について主として説明する。図15は、座標値(X、Y)のドットパターン(A)と座標値(Z)のドットパターン(B)とを示す図である。第二の実施の形態では、図15(A)に示す座標値(X、Y)のドットパターンと、図15(B)に示す座標値(Z)のドットパターンとを用いる。図15(A)に示すドットパターンは、第一の実施の形態におけるドットパターンと同じものを採用している。
【0061】
図16および図17は、第二の実施の形態に係る高さの座標値の読み取り方法を説明する図である。図15(A)に示す座標値(X、Y)のドットパターンは、図8と同様に、赤外線を吸収するドットインク52により印刷されている。一方、図15(B)に示す座標値(Z)のドットパターンは、波長λ1の光を反射するドットインク54により印刷されている。波長λ1の光の例としては、通常インク53aの印刷で使用しない色の光が好ましい。座標値(Z)のドットパターンは、XY座標値のドットパターンと同じ考え方が採用されている。ただし「3×3=9」のドットパターンでZ座標値を示す。計9個のドットパターンの各ドットは、既に示したXY座標値の計36個のドットパターンの各4個のドットで囲まれる部分に配置される。9個のドットで形成されるドットパターンの数は、4の9乗となり、262144種類を示すことができ、地球上の全ての地域をm単位で表すことができる。
【0062】
波長λ1を照射するLED(以下では「波長λ1LED」という)18aの照射光は、通常インク53aを透過してドットインク54で反射する。C−MOSカメラ14は、ドットインク54からの反射光を受け取る。画像処理部23は、C−MOSカメラ14が受け取ったドットインク54の反射光から所定位置を示す9個のドットパターンを解析して所定位置の高さの座標値(Z)に変換する。これにより、ナビゲーション装置30は、2次元座標値(X、Y)に加えて高さの座標値(Z)をペン型装置10aから受け取ることができる。
【0063】
なお、座標値(X、Y)は、地図帳50aの紙面の全域において分布する値でありその情報量は膨大である。一方、座標値(Z)は、地球の最深部から最高部までを1m単位の分解能としても高々20000パターンほどでよい。よって、図15(B)に示すように、座標値(Z)を表すドット数は、図15(A)に示す座標値(X、Y)を表すドット数と比較して少なくてよい。すなわち、所定位置の高さを示すドットパターンを9個のドットで表すことができる。
【0064】
図18は、第二の実施の形態に係るCPU21および画像処理部23が行う座標値の読み取り手順を示すフローチャートである。CPU21は、筆圧センサ22の出力によって、ペン型装置10aが紙面と接触中であるか否かを監視する(ステップS30)。監視の結果、ペン型装置10aが紙面と接触中であるとする(ステップS30のYES)。このとき、図16に示すように、CPU21は、赤外線LED13により紙面に赤外線を照射する(ステップS31)。これにより、ドットインク52によるドットパターンがC−MOSカメラ14によって撮影される。
【0065】
画像処理部23は、C−MOSカメラ14により撮影されたドットパターンに含まれる6×6のドットの像を特定し、その特定した6×6のドットの組合せに1対1に対応する座標値(X、Y)、すなわちペン先12が接触した接点の座標値(X、Y)(読み取った座標パターンに1対1に対応する座標値(X、Y))を演算して読み取る(ステップS32)。
【0066】
次に、CPU21は、図17に示すように、波長λ1LED18aにより紙面に波長λ1の光を照射する(ステップS33)。この波長λ1の光は、ドットインク54に反射してC−MOSカメラ14は、座標(Z)のドットパターンを撮影する。画像処理部23は、C−MOSカメラ14が撮影した座標(Z)のドットパターンから特定の3×3のドットの像を特定し、Z座標値、すなわちペン先12が接触した接点の座標値(Z)(読み取ったZ座標の座標パターンに1対1に対応する座標値(Z))を演算して読み取る(ステップS34)。これにより、CPU21は、座標値(X、Y、Z)を通信部25を介してナビゲーション装置30に送信する(ステップS35)。このとき、ペン型装置10aが継続して紙面と接触中であれば(ステップS36のYES)、ステップS31に戻る。
【0067】
(高さの座標値(Z)を読み取る方法の第三の実施の形態)
次に、高さの座標値(Z)を読み取る方法の第三の実施の形態について説明する。この第三の実施の形態で用いられるペン型装置10bは、第一の実施の形態で用いたペン型装置10とは僅かに異なる。一方、ナビゲーション装置30、地図帳50は全く同一である。以下では、第一の実施の形態と同一部分は同一符号を用いて説明し、その説明を省略または簡略化し、かつ異なる部分について主として説明する。図19は、C−MOSカメラ14とカラーセンサ14aと白色LED18とを備えたペン型装置10bを示す図である。第三の実施の形態では、画像処理部23aには、C−MOSカメラ14の他に、カラーセンサ14aが接続される。図19に示すように、カラーセンサ14aを用い、白色LED18から通常インク53に照射され反射されてくる光を捕捉する。カラーセンサ14aは、捕捉した反射光から通常インク53の色を識別することができるものとする。これによれば、赤外線LED13と白色LED18とを交互に点灯させる必要がない。したがって、CPU21が行う座標値の読み取り手順を簡単化することができる。また、カラーセンサ14aを用い、通常インク53の色の濃淡を識別する場合には、白色LED18を用いず、赤外線LED13のみを用いて色を識別することができる。
【0068】
図20は、第三の実施の形態に係るCPU21が行う座標値の読み取り手順を示すフローチャートである。CPU21は、筆圧センサ22の出力によって、ペン型装置10bが紙面と接触中であるか否かを監視する(ステップS40)。監視の結果、ペン型装置10bが紙面と接触中であるとする(ステップS40のYES)。このとき、CPU21は、赤外線LED13と白色LED18とにより紙面に赤外線と白色光とを照射する(ステップS41)。これにより、ドットインク52によるドットパターンがC−MOSカメラ14によって撮影される。また、通常インク53により背景色がカラーセンサ14aによって検出される。
【0069】
画像処理部23は、C−MOSカメラ14により撮影されたドットパターンに含まれる6×6のドットの像を特定し、その特定した6×6のドットの組合せに1対1に対応する座標値(X、Y)、すなわちペン先12が接触した接点のX、Y座標値(読み取った座標パターンに1対1に対応する座標値(X、Y))を演算して読み取る(ステップS42)。
【0070】
また、画像処理部23は、カラーセンサ14aが検出した背景色に1対1に対応する座標値(Z)、すなわちペン先12が接触した接点の座標値(Z)(読み取った背景色に1対1に対応する座標値(Z))を演算して読み取る(ステップS45)。これにより、CPU21は、座標値(X、Y、Z)を通信部25を介してナビゲーション装置30に送信する(ステップS43)。このとき、ペン型装置10bが継続して紙面と接触中であれば(ステップS44のYES)、ステップS41に戻る。
【0071】
(各実施の形態の効果)
各実施の形態では簡単な処理により高さの情報を得ることができる。このためナビゲーションシステムに適用すると、高さ情報も入った地図情報を得られ、運転上、より望ましいものとなる。また、各実施の形態では、3次元情報を1つのドットパターンに関連付ける必要が無く、対応付ける情報量が膨大にならない。第一、第二、第三の実施の形態では、従来のXY座標が対応付けられたドットパターンに後から高さ情報を付加することができる。第一、第二、第三、また、第一、第三の実施の形態では、地形とドットパターンや背景の色・濃淡などを対応付けることができ、地図を見る人が視覚的にも地形を判別することができる。
【0072】
(各実施の形態の補足)
以上、本発明の第一の実施の形態、第二の実施の形態および第三の実施の形態について述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、第一、第三の実施の形態の場合は、色を塗り分けるのではなく単一色の濃淡によってZ座標と関連付けてもよい。また、高さ情報となるZ座標を建物が位置する場所の高さに加え、または代わりに建物の高さを示すものとしてもよい。
【0073】
また、各実施の形態において、ペン型装置10、10a、10bは、ドットパターンまたは/および背景色から座標値を得て、その得られた座標値を送信し、通知用データを受信して出力するものとしているが、このような形態に限らない。例えば、ドットパターンまたは/および背景色の情報をペン型装置10、10a、10bからナビゲーション装置30に送信するものでもよい。また、座標値を1次情報となる緯度、経度、標高の情報に変換してペン型装置10、10a、10bからナビゲーション装置30に送信するものでもよい。なお、ペン型装置10、10a、10bが座標値を送信するようにすると、送信するデータの容量が小さくなるため好ましい。
【0074】
また、各実施の形態に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置30がペン型装置10、10a、10bと通信するものとしている。しかしこのような形態に限らず、ペン型装置10、10a、10bの内部でドットパターンまたは/および背景色から通知用データに変換できる、すなわち、ペン型装置10、10a、10b内部で全ての処理が行われるナビゲーションシステム1としてもよい。
【0075】
また、変換テーブル37は、ナビゲーション装置30の記憶部33に記憶されているものとしたが、このようなものに限らない。例えば、通信部32が変換テーブル37のための情報をインターネットあるいはVICS等により外部から取得するようにしてもよい。あるいは、通知用データを自分で入力あるいは変更できるようにしてもよい。
【0076】
また、各実施の形態に係る地図帳50、50aは、図6のような赤外線を吸収する0.3mm間隔の格子上のドットが、赤外線を透過する情報とともに印刷されているものとしている。しかし、このようなものに限らず、座標値として得られるようなパターンであればよい。例えば、格子上の交点にもドットが位置するようなドットパターンとすることで、5の36乗のパターン種類ができる。また、例えば、6×6ドットで表示するのではなく、8×8ドットとして表示するような形態でもよい。また、直交格子ではなく、菱形の格子としたり、あるいは、ドットの形状を変えてもよい。また、ドットで構成されていないパターンを用いてもよい。
【0077】
また、各実施の形態では、通知する方法としてLCD15の表示色およびスピーカ16からの音響としているが、このような形態に限らない。たとえば、LCD15に文字および図等を表示するものとしてもよいし、ペン型装置10、10a、10bが振動などすることでユーザに通知するものでもよい。さらに、ペン型装置10、10a、10bのハウジング11部分の温度が変化するようなものでもよいし、あるいは、筆記できるペン先12でなぞる場合に、そのペン先12のインクの色が変化するようなものでもよい。また、LCD15の表示色、その表示色の点滅およびスピーカ16からの音響の他にも、ランプ等を別に搭載し、そのランプ等から通知してもよい。また、ペン型装置10、10a、10bによって通知するものではなく、ナビゲーション装置30からも通知するようなシステムとしてもよい。
【0078】
また、ペン型装置10、10a、10bが、赤、青および黄の光により所定の情報をユーザに段階的に通知するもの等としているが、色や通知方法を変化させるのではなく、その通知レベルを変化させるものとしてもよい。例えば、光で通知する場合に、光の強弱や点滅速度の違いにより段階的に通知してもよい。また別の例を挙げると、音で通知する場合には、音の音量あるいは、音の高さにより段階的に通知するものとしてもよい。このように、通知レベルを強弱および高さ等で変化させることで、より多くの段階について、わかりやすく通知できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、高さ情報が入手できると好ましい装置全てに適用できる。例えば、カーナビゲーションシステムなどのナビゲーションシステム、地図情報表示装置、建物の高さ確認装置などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るナビゲーションシステムの一例を示すシステム図である。
【図2】図1に示すナビゲーションシステムを構成するペン型装置の外観図である。
【図3】図2に示すペン型装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示すナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に示すナビゲーション装置が有する変換テーブルの中にあるひとつのテーブルの例を示す図である。
【図6】図1に示すナビゲーションシステムを構成する地図帳を説明するための説明図で、(A)は、ユーザが見る地図帳の外観で、(B)は、(A)の地図帳に付された光学パターンを説明する拡大図で、(C)は、(B)の一部を拡大して光学パターンをより詳細に説明する拡大図である。
【図7】図1に示すナビゲーションシステムを構成する地図帳を説明するための説明図で、地図帳の所定のページに印刷された高さを示す座標値(Z)に変換可能な情報を含む画像を説明するための図であり、第一の実施の形態に係る等高線を境にして色分けされた地図帳の一部分を示す図である。
【図8】図2に示すペン型装置の読取原理を説明するための説明図であり、赤外線LEDが赤外線を照射している様子を示す図である。
【図9】図2に示すペン型装置の読取原理を説明するための説明図であり、白色LEDが白色光を照射している様子を示す図である。
【図10】図1に示すナビゲーションシステムにおいて使用する地図帳の例で、ナビゲーション装置の動作を説明するための地図である。
【図11】図1に示すナビゲーションシステムにおいてペン型装置が座標値を送信するまでの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1に示すナビゲーションシステムにおいて、座標値を受信して通知用データを送信するまでの動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1に示すペン型装置が通知用データを受信してそのデータを出力するための動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図1に示すナビゲーションシステムにおける座標値の読み取り原理を説明するための図であり、ペン型装置が読み取った画像の一例を示す図である。
【図15】本発明の第二の実施の形態に係るナビゲーションシステムにおける座標値の読み取り原理を説明するための図であり、ペン型装置が読み取った画像の一例を示す図である。
【図16】本発明の第二の実施の形態に係るナビゲーションシステムにおけるペン型装置の読取原理を説明するための図であり、赤外線LEDが赤外線を照射している様子を示す図である。
【図17】本発明の第二の実施の形態に係るナビゲーションシステムにおけるペン型装置の読取原理を説明するための図であり、波長λ1LEDが波長λ1の光を照射している様子を示す図である。
【図18】本発明の第二の実施の形態に係るナビゲーションシステムにおける座標値の読み取り手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第三の実施の形態に係るナビゲーションシステムにおけるペン型装置の読取原理を説明するための図である。
【図20】本発明の第三の実施の形態に係るナビゲーションシステムにおける座標値の読み取り手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1 ナビゲーションシステム、10、10a、10b ペン型装置、12 ペン先、13 赤外線LED(光源)、14 C−MOSカメラ(読取手段、複数画像読取手段、撮像装置)、14a カラーセンサ(センサ装置)、15 LCD、16 スピーカ、17 操作ボタン、18 白色LED(光源)、18a 波長λ1LED(光源)、21 CPU、22 筆圧センサ、23、23a、34 画像処理部、24 メモリ、25 通信部、26 音源部、30 ナビゲーション装置、31 入力部、32 通信部、33 記憶部、36 情報処理部、37 変換テーブル、50、50a 地図帳(印刷媒体)、51 紙、52、54 ドットインク、53、53a 通常インク、61〜65 地点、DP1 ドットパターン、PC1、PC2 領域、T 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体上の2次元位置を示すX座標値およびY座標値に変換可能な情報を含む第一の画像が設けられた印刷媒体と、
上記第一の画像を読み取る読取手段を備えたペン型装置と、
を備える情報読取システムにおいて、
上記印刷媒体には、上記X座標値およびY座標値に対応する高さを示すZ座標値に変換可能な情報を含む第二の画像が上記第一の画像に重畳され、
上記読取手段は、上記第一の画像および上記第二の画像をそれぞれ読み取る複数画像読取手段を備える、
ことを特徴とする高さ情報読取システム。
【請求項2】
前記第一の画像は、特定の波長を有する光の照射により撮影可能となる複数のドットの配列に基づくドットパターンであり、前記第二の画像は、このドットパターンが印刷された部分の背景の色または色の濃淡である、
ことを特徴とする請求項1記載の高さ情報読取システム。
【請求項3】
前記複数画像読取手段は、
前記特定の波長を有する光を照射する光源と、
白色光を照射する光源と、
前記第一の画像および前記第二の画像を撮影する撮像装置と、
を備える、
ことを特徴とする請求項2記載の高さ情報読取システム。
【請求項4】
前記複数画像読取手段は、
前記特定の波長を有する光を照射する光源と、
白色光を照射する光源と、
前記第一の画像を撮影する撮像装置と、
上記白色光を照射する光源の照射光により前記背景の色または色の濃淡を検出するセンサ装置と、
を備える、
ことを特徴とする請求項2記載の高さ情報読取システム。
【請求項5】
前記第一の画像は、第一の波長を有する光の照射により撮影可能となる画像であり、前記第二の画像は、上記第一の波長とは波長が異なる第二の波長を有する光の照射により撮影可能となる画像である、
ことを特徴とする請求項1記載の高さ情報読取システム。
【請求項6】
前記複数画像読取手段は、
前記第一の波長を有する光を照射する光源と、
前記第二の波長を有する光を照射する光源と、
前記第一の画像および前記第二の画像を撮影する撮像装置と、
を備える、
ことを特徴とする請求項5記載の高さ情報読取システム。
【請求項7】
前記印刷媒体には、地図が印刷され、
前記X座標値およびY座標値は、この地図上の地点を示し、
前記Z座標値は、この地点に対応する高さを示す、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の高さ情報読取システム。
【請求項8】
印刷媒体上の2次元位置を示すX座標値およびY座標値に変換可能な情報を含む第一の画像をペン型装置が読み取る読取工程を有する高さ情報読取方法において、
上記読取工程は、上記印刷媒体に設けられた上記X座標値およびY座標値に対応する高さを示すZ座標値に変換可能な情報を含む第二の画像を、上記第一の画像と共にそれぞれ読み取る複数画像読取工程を有する、
ことを特徴とする高さ情報読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−277153(P2009−277153A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130056(P2008−130056)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】