高圧創被覆材及び方法
高圧創被覆材において、酸素等の第1流体が、第一流体が透過不能である流体透過不能層と、第1流体が透過可能である流体透過可能層との間で搬送可能であり、流体透過不能層及び流体透過可能層の縁部が共にシーリングされ、高圧創被覆材の縁部を患者の外傷を取り囲む皮膚に留めることができる。これにより、第1流体が搬送される時、第1流体が、流体透過可能層を通って高圧創被覆材と外傷の間の頭隙内に透過できる。外傷滲出液等の第2流体が通過するために、流体透過可能層及び流体透過不能層を通して穿孔が形成されている。この穿孔は、外傷と高圧創被覆材の間の頭隙内の圧力が既定の圧力を上回る際に開き、且つ、前記穿孔は、当該圧力が既定の圧力を下回る際に、閉じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧創被覆材及び高圧創被覆材を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外傷に対する、又は外傷を覆う皮膚を通じた、酸素の供給を使用して損傷組織の治癒を促進可能であり、且つ、その傷跡を低減可能であることが知られている。一般に、酸素は、組織流体によって吸収され、これにより、細胞間流体の酸素含有量を改善すると共に/又は、損傷組織の代謝及び修復を促進する。
【0003】
従って、例えば、骨髄炎、腱、靭帯、及び軟骨の損傷、骨折、火傷、熱傷、壊疽性膿皮症などの壊疽性筋膜炎、圧力によって生じた褥瘡(床擦れ)、静脈性及び糖尿病性の脚部及び足部潰瘍、並びに、切り傷、擦り傷、及び手術によって生じた外傷及び切開などの損傷組織に対する酸素の局所的適用の利益を享受可能な多数の疾患が存在している。
【0004】
非感染性の外傷の治癒プロセスにおいては、外傷を取り囲む皮膚を湿潤する低レベルの滲出液は、肯定的に捉えることが可能である。滲出液が過剰になるか又は外傷が「慢性」及び難治性となった際、或いは、感染が生じた際には、滲出液は、異なる様相を帯びることになり、成長因子を劣化させる能力を具備することから、当然のこととして、「真の創傷因子」と呼ばれている。難治性の外傷からの過剰な、且つ、特に感染性の、滲出液は、健全な皮膚に対して浸軟を引き起こし、これにより、治癒プロセスを妨げる可能性がある。軽度の浸軟は、「絆創膏」を取り外した際に、外傷を取り囲んでいる皮膚の白い膨らみにおいて観察可能である。
【0005】
滲出量の多い外傷(1〜50ml/24時間)の場合には、創被覆材が短時間で飽和状態となり、この結果、酸素に対するアクセスが妨げられると共に浸軟が発生可能である。滲出液の流れは、そのタイミング及び容積が予測不能であり、且つ、移動性の程度と(特に脚部潰瘍の場合に)その外傷の高さを含むいくつかの患者に関係した状態によって左右される。従来の吸収性の創被覆材は、滲出液によって飽和状態となり、酸素に対するアクセスを具備しておらず、且つ、例えば、滲出液が創被覆材から漏れ出して衣服などを汚す「染み出し」が発生可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、理想的な外傷治癒条件と滲出液の除去とを両立させるという必要性が存在している。これを実現するには、外傷を包み込んで外部の感染源からシーリングし、酸素及び湿気に対するアクセスを備え、且つ、過剰な滲出液を除去することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下において参照する、添付の独立請求項に定義されている高圧創被覆材及び高圧創被覆材の使用法に関する。有利な又は好適な特徴については、従属請求項に記述されている。
【0008】
本出願人の英国特許出願第2412589号は、外傷に対して酸素を局所的に供給する手段を提供する高圧創被覆材を開示しており、この内容は、本引用により、本明細書にそのすべてが包含される。この高圧創被覆材は、図1(創被覆材の平面図)及び図2(創被覆材の横断面図)に示されている。上部層12は、酸素が透過不能な曲がりやすいフィルム13と、気体が透過可能な下部層17と、を有する。上部及び下部層は、その周囲において1つにシーリングされ、袋状体を形成している。透過可能及び透過不能層の間には、多孔性材料23が存在しており、この多孔性材料は、ガスが透過可能であると共に、その厚さを貫通して延在する円形アパーチャ14の配列体を具備する。上部層12及び下部層17は、これらのアパーチャ14を通じて1つに接合されている。孔21がアパーチャ14の境界内において上部及び下部層の両方を貫通している。一体型のチューブ30をコネクタ33を通じて酸素供給源(図示されてはいない)に対して接続可能であり、このチューブにより、酸素を上部及び下部層の間において供給可能である。自己接着層(図示されてはいない)が創被覆材の下部層に対して装着される。
【0009】
使用の際には、下部層17が外傷に最も近接するように、自己接着層を使用して創被覆材を外傷又は損傷組織(図示されてはいない)の上部に配置する。酸素がチューブ30を通じて上部層12と下部層17の間に供給され、その結果、酸素は、外傷に向かって下部層を通過する。この結果、酸素は、外傷に向かって一方向において流れ、且つ、外傷によって生成される滲出液は、除去されるべく、孔21を通じて反対方向に流れることができる。
【0010】
本発明の創被覆材の構造の一部は、以下のように、この従来技術の創被覆材と類似している。本発明による高圧創被覆材は、第1流体(例えば、酸素)が透過不能な流体透過不能層と、損傷組織の上部に配置される、第1流体が透過可能な流体透過可能層と、流体透過不能層及び流体透過可能層の両方を通じた(例えば、滲出液などの)第2流体の通過を許容するべく創被覆材によって画定された穿孔と、を有する。
【0011】
第1流体は、流体透過不能層と流体透過可能層の間に供給可能であり、且つ、流体透過可能層を通過可能である。但し、本発明は、閉鎖状態においては、第2流体が穿孔を通じて流れることがなく、且つ、開放状態においては、第2流体が穿孔を通じて流れることができるように、穿孔が、閉鎖状態と、開放状態と、を具備することを特徴とする。穿孔は、損傷組織と創被覆材の間の圧力が既定の圧力を上回った際に、開き、且つ、圧力が既定の圧力を下回った際に、閉じる。従って、使用の際に、創被覆材は、損傷組織によって生成される過剰な流体の除去を許容しつつ、損傷組織にとって最適な治癒条件を提供可能である。損傷組織は、外部の感染源からシーリング可能であると共に酸素に対するアクセスを具備可能であり、且つ、有益な量の流体を創被覆材の下方に維持可能である。
【0012】
第1流体は、組織の治癒を支援するべく酸素を有することができる。或いは、この代わりに、又は、これに加えて、第1流体は、常に又は定期的に投与可能な化粧剤、殺菌薬、治癒剤、及び鎮痛薬などのその他の有益な試薬を有することもできる。
【0013】
有利には、創被覆材は、創被覆材を除去したり又は創底に対して影響を与えることなしに、例えば、数日又は一週間などの一定の期間にわたって同一の位置に留まることができる。
【0014】
第2流体は、外傷の滲出液であってよく、使用の際には、その有益な量を創被覆材の下方において自動的に維持可能である。
【0015】
好適な実施例においては、穿孔は、スリット、即ち、切り込みを有する。これにより、自己調節型の穿孔を実装するための単純且つ有効な手段を提供可能である。スリットを湿潤する滲出液は、スリットを制限又はシーリングするメニスカスを形成可能であり、この結果、スリットは、自己調節方式により、酸素及び滲出液の流入に応答して圧力が生成された際に、開くことができる。或いは、この代わりに、穿孔は、例えば、開口部を覆うフラップなどの任意の形態の圧力弁を有することも可能である。複数の穿孔を創被覆材内に画定可能であり、これらの穿孔は、好ましくは、例えば、滲出液の均等な流れを許容するべく、或いは、外傷の様々な部分からの様々な滲出液の流れに対応するべく、創被覆材の1つのエリアにわたって分布可能である。穿孔の数及び分布は、外傷の特性及びサイズに応じて予め決定可能である。
【0016】
スリットの長さは、1〜5mmであってよく、或いは、好ましくは、1.5〜3.5mmであってよく、或いは、特に好ましくは、約2mmであってよい。このような長さは、滲出液の除去の調節に特に有益であることが判明している。スリットは、有利には、大気圧と第1流体の供給圧力の間に既定の圧力が存在する際に、即ち、好ましくは、大気圧を15mmHg〜35mmHg(2kPa〜4.67kPa)だけ上回る際に、開くことができる。
【0017】
好ましくは、穿孔は、第2流体が透過可能層及び透過不能層を通じて流れるための経路に延在するメンブレイン内に画定される。流体透過可能層及び流体透過不能層は、メンブレインの周囲において1つにシーリング可能である。メンブレインは、流体透過可能層、流体透過不能層、別個のメンブレイン層により、或いは、互いに上下に重なる又は1つにシーリングされたこれらの層の任意の組合せにより、形成可能である。
【0018】
例えば、別個のメンブレイン層が、創被覆材の全体にわたって延在することも可能であり、或いは、第2流体の流路の領域内にのみ存在することも可能である。このような別個のメンブレイン層が使用される場合には、その厚さ及び材料特性は、流体透過可能層及び流体透過不能層の性能に影響を及ぼすことなしに穿孔の性能を改善するべく選択可能である。
【0019】
メンブレインの厚さ及び材料特性と穿孔の寸法及び形状は、創被覆材と損傷組織の間の圧力が既定の圧力を上回った際に穿孔が開いて第2流体の流れを許容するように、予め決定可能である。有利には、創被覆材のこのような特徴は、創被覆材が適用される損傷組織の特性に応じて操作可能である。いくつかの外傷は、大量の滲出液を滲出可能であり、或いは、滲出液の粘度において様々であろう。例えば、火傷は、多くの場合に、蛋白質の豊富な血漿であると共に通常は大量に生成される排出流体を具備することを特徴としている。
【0020】
好適な実施例においては、流体透過不能層及び/又は流体透過可能層は、プラスチック材料を有する。例えば、流体透過不能層は、ポリエチレンを有することが可能であり、或いは、この代わりに、ポリウレタンを有することもできる。
【0021】
好ましくは、流体透過不能層及び/又は流体透過可能層の厚さは、0.05mm〜1.00mmであり、或いは、特に好ましくは、0.1mm〜0.5mmである。
【0022】
創被覆材は、流体透過可能層と流体透過不能層の間の離隔の維持を支援するべく流体透過可能層と流体透過不能層の間に多孔性層を有することができる。多孔性層は、例えば、オープンセルフォームを有することができる。多孔性層を貫通してアパーチャを画定可能であり、これらのアパーチャを通じて流体透過不能層及び流体透過可能層が1つにシーリングされる。
【0023】
好適な実施例においては、創被覆材は、損傷組織の上部に創被覆材を適用するための接着層を更に有する。接着層は、好ましくは、損傷組織に適用される際に損傷組織と創被覆材の間の空間(即ち、頭隙)の加圧を可能にするシーリング材を形成するように、且つ、滲出液が穿孔を通じて排出可能となるように、構成されている。これを実現するべく、接着層は、創被覆材の周縁部上に、又はこの近傍に、配置可能である。
【0024】
流体透過可能層及び流体透過不能層の周縁部は、好ましくは、1つに固定されて袋状体を形成し、流体透過可能層を通じた損傷組織に対する第1流体の送付を支援すると共に、損傷組織にわたる第1流体の均一な分布を許容する。
【0025】
滲出液による飽和状態に留まる従来の吸収性創被覆材とは異なり、本発明を実施した創被覆材においては、加湿された酸素により、頭隙(創被覆材と損傷組織の間)を常にリフレッシュ可能である。感染した脚部潰瘍において一般に見出されるバクテリアは、嫌気性であり、酸素の豊富な雰囲気中においては生存不能である。感染の抑制は、特に、抗生物質に対する抵抗力を具備可能な長期にわたる患者の難治性の外傷において特に重要である。
【0026】
創被覆材は、第1又は第2創被覆材として使用可能である。医師及び患者は、好みを具備していることから、この事実は、特に適切である。これらの創被覆材が高度な透過性を有しており、且つ、酸素が容易に吸収されるため、臨床前評価は、別個の第1創被覆材が使用された際にも(例えば、本発明を実施した創被覆材の下方において従来の吸収性の創被覆材が使用された際にも)、酸素が豊富な頭隙(損傷組織と創被覆材の間)を実現する機能における顕著な低下を示していない。
【0027】
従って、本発明は、既知の酸素室、酸素バッグ、及び当技術分野において既知の類似のものと同一の機能を実現する高圧創被覆材を、但し、格段に低廉な費用において、提供可能である。又、この高圧創被覆材は、患者の上部に相対的に容易に配置可能であり、且つ、使用後に、容易に除去可能である。更には、この高圧創被覆材は、容易に廃棄可能であり、且つ、使用後に殺菌を必要としない。使用の際に、患者は、特に、小さな携帯型の酸素生成器又はシリンダが利用可能である場合には、穿孔を通じて流出する滲出液を吸収するべく高圧創被覆材の上部において任意の適切な既存のタイプの吸収性の創被覆材を利用しつつ、実質的に完全な移動性を享受可能である。
【0028】
本発明の別の態様によれば、損傷組織の治癒を支援するべく人間又は動物を治療する方法が提供される。前述の高圧創被覆材が損傷組織に対して適用され、且つ、創被覆材に第1流体が供給される。
【0029】
本発明の別の態様においては、傷跡組織の存在及び/又は視認性を低減するべく人間又は動物を美容的に治療する方法が提供される。前述の高圧創被覆材が傷跡組織に対して適用され、且つ、創被覆材に第1流体が供給される。
【0030】
以下、一例として、添付の図面を参照し、本発明の実施例について説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】使用中の高圧創被覆材の平面図である(従来技術)。
【図2】図1に示されている創被覆材の部分横断面図である(従来技術)。
【図3】本発明の第1実施例による高圧創被覆材の平面図である。
【図4】図3に示されている創被覆材のB−Bにおける部分横断面図である。
【図5】図3に示されている創被覆材のC−Cにおける部分横断面図である。
【図6】様々な長さ及び形状のスリットの形態における穿孔の4つの例を示す。
【図7】外傷モデルの上部に配置されると共に酸素が供給される本発明を実施した創被覆材を示す。
【図8】5mlのモデル滲出液が供給される図7の創被覆材を示す。
【図9】装置が通常の使用位置に回転された際の図7及び図8の創被覆材である。
【図10】30分における図7〜図9の創被覆材を示す。
【図11】5mlのモデル滲出液の追加後の45分における図7〜図10の創被覆材を示す。
【図12】5mlのモデル滲出液の追加後の60分における図7〜図11の創被覆材を示す。
【図13】90分における図7〜図12の創被覆材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図1〜図13を参照し、本発明を実施した高圧創被覆材について説明することとする。
【0033】
全体的な構造は、前述の図1〜図2を参照して説明した従来技術におけるものに類似している。
【0034】
図3及び図4に示されているように、創被覆材41は、流体透過不能な第1層42を有する。この層は、ポリエチレンフィルムなどのプラスチック材料から製造され、且つ、気相の酸素が透過不能である。流体透過可能な第2層47が、「CAPLA」という商標の下に販売されているものなどの気体透過性を有し、且つ、具体的には、酸素透過性を有する材料のシートにより、提供されている。それぞれの層は、通常、厚さが0.005mm〜1mmの範囲であり、且つ、最も好ましくは、厚さが0.1mm〜0.5mmの範囲である。これらの透過不能及び透過可能層の間には、オープンセルフォーム材料の相対的に厚いシート53が存在しており、このシートは、多孔性であり、且つ、その厚さを貫通して延在する円形アパーチャ44の実質的に規則正しい配列体を具備している。第1層42及び第2層47は、適切な工具(図示されてはいない)を使用して円形アパーチャ44を通じて1つに熱シーリングされており、それぞれのアパーチャ内において実質的に平面的なメンブレインを形成している。このような熱シーリングと同時に、或いは、その後に、結果的に得られたメンブレインを貫通して、図4に具体的に示されているように、スリット31の形態の穿孔が形成される。
【0035】
図3は、その内部にスリット51が位置するアパーチャ44の実質的に規則正しい配列体を示している。アパーチャ及びスリットの数は、外傷のサイズ、必要とされる滲出液の除去量、及びスリットの開放に必要とされる既定の圧力などの要因に応じて様々であってよい。既定の圧力は、大気圧を上回り、且つ、通常は、10mmHg(1.33kPa)だけを上回る。好ましくは、スリットが開いて滲出液の流出を許容する既定の圧力は、15mmHg〜35mmHg(2.00kPa〜4.67kPa)である。
【0036】
スリットの長さ及び形状は、創被覆材が適用される表面の特性、外傷のサイズ、生成される滲出液の量、及び流体の粘度などの様々な要因に応じて変化可能である。スリットの形状及び/又はサイズのいくつかのバリエーションが図6に示されており、この図は、円形メンブレイン102内に画定された4つのスリット構成100を示している。スリットのサイズ及び/又は形状を変更することにより、スリットが開く既定の圧力及び対応可能な滲出液の流れの容積を操作可能である。又、スリットのサイズ及び形状は、創被覆材に対して供給される流体のタイプ及び量に応じて予め決定することも可能である。
【0037】
図1及び図2を参照して前述した従来技術による創被覆材と同様に、自己接着層を利用して創被覆材を適用可能である。剥離層を除去して自己接着層を露出されることにより、創被覆材を適用可能である。接着層は、外傷と創被覆材の間の空間が加圧状態になることができるように、流体透過可能層の周囲に配置可能である。図1〜図6には、これらの特徴が示されていない。
【0038】
本発明のこの実施例においては、図5に詳細に示されているように、流体透過不能層42及び流体透過可能層47の隣接部分から(創被覆材内に)形成された一体型のチューブ又はカニューレ60を有する導管により、気体供給構成が提供されている。
【0039】
一体型のチューブ60は、流体透過不能層42と流体透過可能な下部層47の間に一対の離隔したシーリング溶接ライン61を提供することによって形成される。従って、一体型のチューブ60は、1つにシーリングされていない層の個別の部分43’及び47’の間に形成され、且つ、従来の外部チューブ70に対して固定される。
【0040】
使用の際には、創被覆材41から遠いチューブ70の端部62をコネクタ63を介して酸素供給源(図示されてはいない)に対して接続可能である。酸素は、大気圧よりも高い圧力において供給される。オープンセルフォームシート53内部の結果的に得られる酸素圧力により、酸素は、一方向において、ガス透過可能層を通じて、且つ、外傷の上部に、又はその上部にわたって、強制的に移動する。治癒剤及び鎮痛剤などのその他の流体も、同一の手段を通じて供給可能である。
【0041】
チューブは、創被覆材と一体化されていなくてもよく、且つ、供給も、創被覆材に対して接続及び切断可能な別個のチューブを通じたものであってよい。このような流体供給手段は、英国特許出願第2412589号(GB−A−2412589)の図7に示されているように、創被覆材のソケットに接続可能なものであってよい。
【0042】
又、本発明の実施例は、圧力が既定の圧力を上回った際に開き、且つ、圧力が既定の圧力を下回った際に閉じるスリットなどの穿孔によって孔が置換されるという有益な変更を伴って英国特許出願第2412589号(GB−A−2412589)に記述されているものにも及ぶことに留意されたい。
【0043】
すべての材料及び処理法は、好ましくは、関連する規制要件を遵守することを要する。本発明の実施例は、次のような材料を有することができる。
1.チューブ/カニューレ(60):部品番号800/100/280、供給者:スミス メディカル(Smiths medical)、長さ:1000mm±10mm
2.チューブコネクタ(63)(メスルア結合具):部品番号65206、供給者:クオシナ(Qosina)
3.上部層(流体透過不能シート(43)):部品番号L340、供給者:ブラウン ホスピケア(Braun Hospicare)
4.オープンセルフォーム(53):部品番号4200、供給者:カリガン フォーム(Calligan foarm)
5.下部層(流体透過可能層(47)):PEフィルム、部品番号BF−633 35gm/m2、供給者:トレデガー フィルム プロダクト(TREDEGAR film products)
6.8mmの自己接着ストリップ:部品番号1522 3M、供給者:スリーエム テープ部門(3M medical tape division)
【0044】
実験を実施し、使用の際における本発明の実施例をシミュレートした。
【0045】
以下のプロセスを使用し、酸素圧力の維持及び滲出液の除去速度などの有利な創被覆材性能のためのスリットの寸法を実験において調査した。
【0046】
静脈性潰瘍の外傷滲出液の75%は、8mPa/s以下の粘度を有することを理解されたい。試験において使用されている外傷滲出液の標準的なシミュレータは、キサンガムであり、これは、E番号145を具備し、且つ、食品のとろみを増大させるべく使用される多糖である。滲出液は、0.1%w/wの濃度の希釈水溶液によってモデル化可能である。この溶液は、不透明であり、且つ、わかりやすくするべく食品着色剤(青色)を添加した。
【0047】
創被覆材をPerspex装置モデル上に配置すると共に、水マノメータを使用して圧力が計測される酸素供給源に対して接続し、装置を構築した。通常の使用状態におけると同様に、滲出液が創被覆材の下部層との接触状態となるように、模擬滲出液が流れて創被覆材の下方において頭隙を充填している際に酸素供給源を創被覆材に対して接続した。
【0048】
酸素の流量は、約13ml/時間で一定であった。創被覆材の能動的面積(これを通じて酸素が供給される)は、98cm2であり、36個のメンブレインの合計面積(この内部にスリットが画定されている)は、2cm2であった。
【0049】
一連の異なるスリット構成及び長さを試した。後述するようにスリットを使用して評価を継続した。
1)創被覆材のそれぞれの直径が5mmのメンブレインの中央において2mmの長さの切り込みを入れた。
2)創被覆材を外傷モデル上に配置し、且つ、酸素が充填及び拡散してモデルの外傷表面から創被覆材を上昇させるのに伴って「クッション」のような外観を呈する時点まで、酸素を流した(図7)。
3)5mlの滲出液を創被覆材の裏面(外傷側)に適用し、この滲出液は、創被覆材下方の封入された頭隙にわたって広がった(図8)。
4)装置を通常の使用位置(これは、水平であり、装置は、滲出液が頭隙内に放出される際には、図8に示されているように傾斜していた)に回転させた。創被覆材は、頭隙内の圧力が作用する状態において、スリットを通じた滲出液の漏洩を許容することにより、この追加の(滲出液の)容積に耐えた(図9)。
【0050】
酸素供給源は、接続状態に留まり、且つ、図10、図11、図12、及び図13は、それぞれ、(5mlの滲出液が加えられた後の)30分、45分、(5mlの滲出液が加えられた後の)60分、及び90分における状況を示している。
【0051】
これらの図面において観察可能なように、酸素が継続的に流れ、且つ、更なる滲出液が加えられるのに伴って、対応する滲出液の流出が観察された。通常の状態においては、この流出は、創被覆材に対して影響を与えることなしに、取り替え可能な外側の吸収性創被覆材により、「毛管作用」を通じて吸い上げられることになろう。
【0052】
アパーチャ又はメンブレインのそれぞれのものの中央の2mmのスリットは、頭隙の酸素圧力を維持しつつ、一般的な外傷滲出液の流出を許容する。これらの評価は、外側の支持包帯又は吸収性保持パッドを有していない創被覆材において実行されたが、臨床前評価は、支持又は管状包帯の唯一の効果は、創被覆材を平坦化及び拘束し、これにより、頭隙の容積を低減するというものであることを示している。この低減された創被覆材の頭隙の容積は、頭隙内における酸素勾配を増大させるが、酸素の拡散レベルは、その影響を受けることがない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧創被覆材及び高圧創被覆材を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外傷に対する、又は外傷を覆う皮膚を通じた、酸素の供給を使用して損傷組織の治癒を促進可能であり、且つ、その傷跡を低減可能であることが知られている。一般に、酸素は、組織流体によって吸収され、これにより、細胞間流体の酸素含有量を改善すると共に/又は、損傷組織の代謝及び修復を促進する。
【0003】
従って、例えば、骨髄炎、腱、靭帯、及び軟骨の損傷、骨折、火傷、熱傷、壊疽性膿皮症などの壊疽性筋膜炎、圧力によって生じた褥瘡(床擦れ)、静脈性及び糖尿病性の脚部及び足部潰瘍、並びに、切り傷、擦り傷、及び手術によって生じた外傷及び切開などの損傷組織に対する酸素の局所的適用の利益を享受可能な多数の疾患が存在している。
【0004】
非感染性の外傷の治癒プロセスにおいては、外傷を取り囲む皮膚を湿潤する低レベルの滲出液は、肯定的に捉えることが可能である。滲出液が過剰になるか又は外傷が「慢性」及び難治性となった際、或いは、感染が生じた際には、滲出液は、異なる様相を帯びることになり、成長因子を劣化させる能力を具備することから、当然のこととして、「真の創傷因子」と呼ばれている。難治性の外傷からの過剰な、且つ、特に感染性の、滲出液は、健全な皮膚に対して浸軟を引き起こし、これにより、治癒プロセスを妨げる可能性がある。軽度の浸軟は、「絆創膏」を取り外した際に、外傷を取り囲んでいる皮膚の白い膨らみにおいて観察可能である。
【0005】
滲出量の多い外傷(1〜50ml/24時間)の場合には、創被覆材が短時間で飽和状態となり、この結果、酸素に対するアクセスが妨げられると共に浸軟が発生可能である。滲出液の流れは、そのタイミング及び容積が予測不能であり、且つ、移動性の程度と(特に脚部潰瘍の場合に)その外傷の高さを含むいくつかの患者に関係した状態によって左右される。従来の吸収性の創被覆材は、滲出液によって飽和状態となり、酸素に対するアクセスを具備しておらず、且つ、例えば、滲出液が創被覆材から漏れ出して衣服などを汚す「染み出し」が発生可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、理想的な外傷治癒条件と滲出液の除去とを両立させるという必要性が存在している。これを実現するには、外傷を包み込んで外部の感染源からシーリングし、酸素及び湿気に対するアクセスを備え、且つ、過剰な滲出液を除去することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下において参照する、添付の独立請求項に定義されている高圧創被覆材及び高圧創被覆材の使用法に関する。有利な又は好適な特徴については、従属請求項に記述されている。
【0008】
本出願人の英国特許出願第2412589号は、外傷に対して酸素を局所的に供給する手段を提供する高圧創被覆材を開示しており、この内容は、本引用により、本明細書にそのすべてが包含される。この高圧創被覆材は、図1(創被覆材の平面図)及び図2(創被覆材の横断面図)に示されている。上部層12は、酸素が透過不能な曲がりやすいフィルム13と、気体が透過可能な下部層17と、を有する。上部及び下部層は、その周囲において1つにシーリングされ、袋状体を形成している。透過可能及び透過不能層の間には、多孔性材料23が存在しており、この多孔性材料は、ガスが透過可能であると共に、その厚さを貫通して延在する円形アパーチャ14の配列体を具備する。上部層12及び下部層17は、これらのアパーチャ14を通じて1つに接合されている。孔21がアパーチャ14の境界内において上部及び下部層の両方を貫通している。一体型のチューブ30をコネクタ33を通じて酸素供給源(図示されてはいない)に対して接続可能であり、このチューブにより、酸素を上部及び下部層の間において供給可能である。自己接着層(図示されてはいない)が創被覆材の下部層に対して装着される。
【0009】
使用の際には、下部層17が外傷に最も近接するように、自己接着層を使用して創被覆材を外傷又は損傷組織(図示されてはいない)の上部に配置する。酸素がチューブ30を通じて上部層12と下部層17の間に供給され、その結果、酸素は、外傷に向かって下部層を通過する。この結果、酸素は、外傷に向かって一方向において流れ、且つ、外傷によって生成される滲出液は、除去されるべく、孔21を通じて反対方向に流れることができる。
【0010】
本発明の創被覆材の構造の一部は、以下のように、この従来技術の創被覆材と類似している。本発明による高圧創被覆材は、第1流体(例えば、酸素)が透過不能な流体透過不能層と、損傷組織の上部に配置される、第1流体が透過可能な流体透過可能層と、流体透過不能層及び流体透過可能層の両方を通じた(例えば、滲出液などの)第2流体の通過を許容するべく創被覆材によって画定された穿孔と、を有する。
【0011】
第1流体は、流体透過不能層と流体透過可能層の間に供給可能であり、且つ、流体透過可能層を通過可能である。但し、本発明は、閉鎖状態においては、第2流体が穿孔を通じて流れることがなく、且つ、開放状態においては、第2流体が穿孔を通じて流れることができるように、穿孔が、閉鎖状態と、開放状態と、を具備することを特徴とする。穿孔は、損傷組織と創被覆材の間の圧力が既定の圧力を上回った際に、開き、且つ、圧力が既定の圧力を下回った際に、閉じる。従って、使用の際に、創被覆材は、損傷組織によって生成される過剰な流体の除去を許容しつつ、損傷組織にとって最適な治癒条件を提供可能である。損傷組織は、外部の感染源からシーリング可能であると共に酸素に対するアクセスを具備可能であり、且つ、有益な量の流体を創被覆材の下方に維持可能である。
【0012】
第1流体は、組織の治癒を支援するべく酸素を有することができる。或いは、この代わりに、又は、これに加えて、第1流体は、常に又は定期的に投与可能な化粧剤、殺菌薬、治癒剤、及び鎮痛薬などのその他の有益な試薬を有することもできる。
【0013】
有利には、創被覆材は、創被覆材を除去したり又は創底に対して影響を与えることなしに、例えば、数日又は一週間などの一定の期間にわたって同一の位置に留まることができる。
【0014】
第2流体は、外傷の滲出液であってよく、使用の際には、その有益な量を創被覆材の下方において自動的に維持可能である。
【0015】
好適な実施例においては、穿孔は、スリット、即ち、切り込みを有する。これにより、自己調節型の穿孔を実装するための単純且つ有効な手段を提供可能である。スリットを湿潤する滲出液は、スリットを制限又はシーリングするメニスカスを形成可能であり、この結果、スリットは、自己調節方式により、酸素及び滲出液の流入に応答して圧力が生成された際に、開くことができる。或いは、この代わりに、穿孔は、例えば、開口部を覆うフラップなどの任意の形態の圧力弁を有することも可能である。複数の穿孔を創被覆材内に画定可能であり、これらの穿孔は、好ましくは、例えば、滲出液の均等な流れを許容するべく、或いは、外傷の様々な部分からの様々な滲出液の流れに対応するべく、創被覆材の1つのエリアにわたって分布可能である。穿孔の数及び分布は、外傷の特性及びサイズに応じて予め決定可能である。
【0016】
スリットの長さは、1〜5mmであってよく、或いは、好ましくは、1.5〜3.5mmであってよく、或いは、特に好ましくは、約2mmであってよい。このような長さは、滲出液の除去の調節に特に有益であることが判明している。スリットは、有利には、大気圧と第1流体の供給圧力の間に既定の圧力が存在する際に、即ち、好ましくは、大気圧を15mmHg〜35mmHg(2kPa〜4.67kPa)だけ上回る際に、開くことができる。
【0017】
好ましくは、穿孔は、第2流体が透過可能層及び透過不能層を通じて流れるための経路に延在するメンブレイン内に画定される。流体透過可能層及び流体透過不能層は、メンブレインの周囲において1つにシーリング可能である。メンブレインは、流体透過可能層、流体透過不能層、別個のメンブレイン層により、或いは、互いに上下に重なる又は1つにシーリングされたこれらの層の任意の組合せにより、形成可能である。
【0018】
例えば、別個のメンブレイン層が、創被覆材の全体にわたって延在することも可能であり、或いは、第2流体の流路の領域内にのみ存在することも可能である。このような別個のメンブレイン層が使用される場合には、その厚さ及び材料特性は、流体透過可能層及び流体透過不能層の性能に影響を及ぼすことなしに穿孔の性能を改善するべく選択可能である。
【0019】
メンブレインの厚さ及び材料特性と穿孔の寸法及び形状は、創被覆材と損傷組織の間の圧力が既定の圧力を上回った際に穿孔が開いて第2流体の流れを許容するように、予め決定可能である。有利には、創被覆材のこのような特徴は、創被覆材が適用される損傷組織の特性に応じて操作可能である。いくつかの外傷は、大量の滲出液を滲出可能であり、或いは、滲出液の粘度において様々であろう。例えば、火傷は、多くの場合に、蛋白質の豊富な血漿であると共に通常は大量に生成される排出流体を具備することを特徴としている。
【0020】
好適な実施例においては、流体透過不能層及び/又は流体透過可能層は、プラスチック材料を有する。例えば、流体透過不能層は、ポリエチレンを有することが可能であり、或いは、この代わりに、ポリウレタンを有することもできる。
【0021】
好ましくは、流体透過不能層及び/又は流体透過可能層の厚さは、0.05mm〜1.00mmであり、或いは、特に好ましくは、0.1mm〜0.5mmである。
【0022】
創被覆材は、流体透過可能層と流体透過不能層の間の離隔の維持を支援するべく流体透過可能層と流体透過不能層の間に多孔性層を有することができる。多孔性層は、例えば、オープンセルフォームを有することができる。多孔性層を貫通してアパーチャを画定可能であり、これらのアパーチャを通じて流体透過不能層及び流体透過可能層が1つにシーリングされる。
【0023】
好適な実施例においては、創被覆材は、損傷組織の上部に創被覆材を適用するための接着層を更に有する。接着層は、好ましくは、損傷組織に適用される際に損傷組織と創被覆材の間の空間(即ち、頭隙)の加圧を可能にするシーリング材を形成するように、且つ、滲出液が穿孔を通じて排出可能となるように、構成されている。これを実現するべく、接着層は、創被覆材の周縁部上に、又はこの近傍に、配置可能である。
【0024】
流体透過可能層及び流体透過不能層の周縁部は、好ましくは、1つに固定されて袋状体を形成し、流体透過可能層を通じた損傷組織に対する第1流体の送付を支援すると共に、損傷組織にわたる第1流体の均一な分布を許容する。
【0025】
滲出液による飽和状態に留まる従来の吸収性創被覆材とは異なり、本発明を実施した創被覆材においては、加湿された酸素により、頭隙(創被覆材と損傷組織の間)を常にリフレッシュ可能である。感染した脚部潰瘍において一般に見出されるバクテリアは、嫌気性であり、酸素の豊富な雰囲気中においては生存不能である。感染の抑制は、特に、抗生物質に対する抵抗力を具備可能な長期にわたる患者の難治性の外傷において特に重要である。
【0026】
創被覆材は、第1又は第2創被覆材として使用可能である。医師及び患者は、好みを具備していることから、この事実は、特に適切である。これらの創被覆材が高度な透過性を有しており、且つ、酸素が容易に吸収されるため、臨床前評価は、別個の第1創被覆材が使用された際にも(例えば、本発明を実施した創被覆材の下方において従来の吸収性の創被覆材が使用された際にも)、酸素が豊富な頭隙(損傷組織と創被覆材の間)を実現する機能における顕著な低下を示していない。
【0027】
従って、本発明は、既知の酸素室、酸素バッグ、及び当技術分野において既知の類似のものと同一の機能を実現する高圧創被覆材を、但し、格段に低廉な費用において、提供可能である。又、この高圧創被覆材は、患者の上部に相対的に容易に配置可能であり、且つ、使用後に、容易に除去可能である。更には、この高圧創被覆材は、容易に廃棄可能であり、且つ、使用後に殺菌を必要としない。使用の際に、患者は、特に、小さな携帯型の酸素生成器又はシリンダが利用可能である場合には、穿孔を通じて流出する滲出液を吸収するべく高圧創被覆材の上部において任意の適切な既存のタイプの吸収性の創被覆材を利用しつつ、実質的に完全な移動性を享受可能である。
【0028】
本発明の別の態様によれば、損傷組織の治癒を支援するべく人間又は動物を治療する方法が提供される。前述の高圧創被覆材が損傷組織に対して適用され、且つ、創被覆材に第1流体が供給される。
【0029】
本発明の別の態様においては、傷跡組織の存在及び/又は視認性を低減するべく人間又は動物を美容的に治療する方法が提供される。前述の高圧創被覆材が傷跡組織に対して適用され、且つ、創被覆材に第1流体が供給される。
【0030】
以下、一例として、添付の図面を参照し、本発明の実施例について説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】使用中の高圧創被覆材の平面図である(従来技術)。
【図2】図1に示されている創被覆材の部分横断面図である(従来技術)。
【図3】本発明の第1実施例による高圧創被覆材の平面図である。
【図4】図3に示されている創被覆材のB−Bにおける部分横断面図である。
【図5】図3に示されている創被覆材のC−Cにおける部分横断面図である。
【図6】様々な長さ及び形状のスリットの形態における穿孔の4つの例を示す。
【図7】外傷モデルの上部に配置されると共に酸素が供給される本発明を実施した創被覆材を示す。
【図8】5mlのモデル滲出液が供給される図7の創被覆材を示す。
【図9】装置が通常の使用位置に回転された際の図7及び図8の創被覆材である。
【図10】30分における図7〜図9の創被覆材を示す。
【図11】5mlのモデル滲出液の追加後の45分における図7〜図10の創被覆材を示す。
【図12】5mlのモデル滲出液の追加後の60分における図7〜図11の創被覆材を示す。
【図13】90分における図7〜図12の創被覆材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図1〜図13を参照し、本発明を実施した高圧創被覆材について説明することとする。
【0033】
全体的な構造は、前述の図1〜図2を参照して説明した従来技術におけるものに類似している。
【0034】
図3及び図4に示されているように、創被覆材41は、流体透過不能な第1層42を有する。この層は、ポリエチレンフィルムなどのプラスチック材料から製造され、且つ、気相の酸素が透過不能である。流体透過可能な第2層47が、「CAPLA」という商標の下に販売されているものなどの気体透過性を有し、且つ、具体的には、酸素透過性を有する材料のシートにより、提供されている。それぞれの層は、通常、厚さが0.005mm〜1mmの範囲であり、且つ、最も好ましくは、厚さが0.1mm〜0.5mmの範囲である。これらの透過不能及び透過可能層の間には、オープンセルフォーム材料の相対的に厚いシート53が存在しており、このシートは、多孔性であり、且つ、その厚さを貫通して延在する円形アパーチャ44の実質的に規則正しい配列体を具備している。第1層42及び第2層47は、適切な工具(図示されてはいない)を使用して円形アパーチャ44を通じて1つに熱シーリングされており、それぞれのアパーチャ内において実質的に平面的なメンブレインを形成している。このような熱シーリングと同時に、或いは、その後に、結果的に得られたメンブレインを貫通して、図4に具体的に示されているように、スリット31の形態の穿孔が形成される。
【0035】
図3は、その内部にスリット51が位置するアパーチャ44の実質的に規則正しい配列体を示している。アパーチャ及びスリットの数は、外傷のサイズ、必要とされる滲出液の除去量、及びスリットの開放に必要とされる既定の圧力などの要因に応じて様々であってよい。既定の圧力は、大気圧を上回り、且つ、通常は、10mmHg(1.33kPa)だけを上回る。好ましくは、スリットが開いて滲出液の流出を許容する既定の圧力は、15mmHg〜35mmHg(2.00kPa〜4.67kPa)である。
【0036】
スリットの長さ及び形状は、創被覆材が適用される表面の特性、外傷のサイズ、生成される滲出液の量、及び流体の粘度などの様々な要因に応じて変化可能である。スリットの形状及び/又はサイズのいくつかのバリエーションが図6に示されており、この図は、円形メンブレイン102内に画定された4つのスリット構成100を示している。スリットのサイズ及び/又は形状を変更することにより、スリットが開く既定の圧力及び対応可能な滲出液の流れの容積を操作可能である。又、スリットのサイズ及び形状は、創被覆材に対して供給される流体のタイプ及び量に応じて予め決定することも可能である。
【0037】
図1及び図2を参照して前述した従来技術による創被覆材と同様に、自己接着層を利用して創被覆材を適用可能である。剥離層を除去して自己接着層を露出されることにより、創被覆材を適用可能である。接着層は、外傷と創被覆材の間の空間が加圧状態になることができるように、流体透過可能層の周囲に配置可能である。図1〜図6には、これらの特徴が示されていない。
【0038】
本発明のこの実施例においては、図5に詳細に示されているように、流体透過不能層42及び流体透過可能層47の隣接部分から(創被覆材内に)形成された一体型のチューブ又はカニューレ60を有する導管により、気体供給構成が提供されている。
【0039】
一体型のチューブ60は、流体透過不能層42と流体透過可能な下部層47の間に一対の離隔したシーリング溶接ライン61を提供することによって形成される。従って、一体型のチューブ60は、1つにシーリングされていない層の個別の部分43’及び47’の間に形成され、且つ、従来の外部チューブ70に対して固定される。
【0040】
使用の際には、創被覆材41から遠いチューブ70の端部62をコネクタ63を介して酸素供給源(図示されてはいない)に対して接続可能である。酸素は、大気圧よりも高い圧力において供給される。オープンセルフォームシート53内部の結果的に得られる酸素圧力により、酸素は、一方向において、ガス透過可能層を通じて、且つ、外傷の上部に、又はその上部にわたって、強制的に移動する。治癒剤及び鎮痛剤などのその他の流体も、同一の手段を通じて供給可能である。
【0041】
チューブは、創被覆材と一体化されていなくてもよく、且つ、供給も、創被覆材に対して接続及び切断可能な別個のチューブを通じたものであってよい。このような流体供給手段は、英国特許出願第2412589号(GB−A−2412589)の図7に示されているように、創被覆材のソケットに接続可能なものであってよい。
【0042】
又、本発明の実施例は、圧力が既定の圧力を上回った際に開き、且つ、圧力が既定の圧力を下回った際に閉じるスリットなどの穿孔によって孔が置換されるという有益な変更を伴って英国特許出願第2412589号(GB−A−2412589)に記述されているものにも及ぶことに留意されたい。
【0043】
すべての材料及び処理法は、好ましくは、関連する規制要件を遵守することを要する。本発明の実施例は、次のような材料を有することができる。
1.チューブ/カニューレ(60):部品番号800/100/280、供給者:スミス メディカル(Smiths medical)、長さ:1000mm±10mm
2.チューブコネクタ(63)(メスルア結合具):部品番号65206、供給者:クオシナ(Qosina)
3.上部層(流体透過不能シート(43)):部品番号L340、供給者:ブラウン ホスピケア(Braun Hospicare)
4.オープンセルフォーム(53):部品番号4200、供給者:カリガン フォーム(Calligan foarm)
5.下部層(流体透過可能層(47)):PEフィルム、部品番号BF−633 35gm/m2、供給者:トレデガー フィルム プロダクト(TREDEGAR film products)
6.8mmの自己接着ストリップ:部品番号1522 3M、供給者:スリーエム テープ部門(3M medical tape division)
【0044】
実験を実施し、使用の際における本発明の実施例をシミュレートした。
【0045】
以下のプロセスを使用し、酸素圧力の維持及び滲出液の除去速度などの有利な創被覆材性能のためのスリットの寸法を実験において調査した。
【0046】
静脈性潰瘍の外傷滲出液の75%は、8mPa/s以下の粘度を有することを理解されたい。試験において使用されている外傷滲出液の標準的なシミュレータは、キサンガムであり、これは、E番号145を具備し、且つ、食品のとろみを増大させるべく使用される多糖である。滲出液は、0.1%w/wの濃度の希釈水溶液によってモデル化可能である。この溶液は、不透明であり、且つ、わかりやすくするべく食品着色剤(青色)を添加した。
【0047】
創被覆材をPerspex装置モデル上に配置すると共に、水マノメータを使用して圧力が計測される酸素供給源に対して接続し、装置を構築した。通常の使用状態におけると同様に、滲出液が創被覆材の下部層との接触状態となるように、模擬滲出液が流れて創被覆材の下方において頭隙を充填している際に酸素供給源を創被覆材に対して接続した。
【0048】
酸素の流量は、約13ml/時間で一定であった。創被覆材の能動的面積(これを通じて酸素が供給される)は、98cm2であり、36個のメンブレインの合計面積(この内部にスリットが画定されている)は、2cm2であった。
【0049】
一連の異なるスリット構成及び長さを試した。後述するようにスリットを使用して評価を継続した。
1)創被覆材のそれぞれの直径が5mmのメンブレインの中央において2mmの長さの切り込みを入れた。
2)創被覆材を外傷モデル上に配置し、且つ、酸素が充填及び拡散してモデルの外傷表面から創被覆材を上昇させるのに伴って「クッション」のような外観を呈する時点まで、酸素を流した(図7)。
3)5mlの滲出液を創被覆材の裏面(外傷側)に適用し、この滲出液は、創被覆材下方の封入された頭隙にわたって広がった(図8)。
4)装置を通常の使用位置(これは、水平であり、装置は、滲出液が頭隙内に放出される際には、図8に示されているように傾斜していた)に回転させた。創被覆材は、頭隙内の圧力が作用する状態において、スリットを通じた滲出液の漏洩を許容することにより、この追加の(滲出液の)容積に耐えた(図9)。
【0050】
酸素供給源は、接続状態に留まり、且つ、図10、図11、図12、及び図13は、それぞれ、(5mlの滲出液が加えられた後の)30分、45分、(5mlの滲出液が加えられた後の)60分、及び90分における状況を示している。
【0051】
これらの図面において観察可能なように、酸素が継続的に流れ、且つ、更なる滲出液が加えられるのに伴って、対応する滲出液の流出が観察された。通常の状態においては、この流出は、創被覆材に対して影響を与えることなしに、取り替え可能な外側の吸収性創被覆材により、「毛管作用」を通じて吸い上げられることになろう。
【0052】
アパーチャ又はメンブレインのそれぞれのものの中央の2mmのスリットは、頭隙の酸素圧力を維持しつつ、一般的な外傷滲出液の流出を許容する。これらの評価は、外側の支持包帯又は吸収性保持パッドを有していない創被覆材において実行されたが、臨床前評価は、支持又は管状包帯の唯一の効果は、創被覆材を平坦化及び拘束し、これにより、頭隙の容積を低減するというものであることを示している。この低減された創被覆材の頭隙の容積は、頭隙内における酸素勾配を増大させるが、酸素の拡散レベルは、その影響を受けることがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧創被覆材であって、
第1流体が透過不能である流体透過不能層と、
損傷組織の上部に配置される、前記第1流体が透過可能である流体透過可能層と、
前記流体透過可能層及び前記流体透過不能層を通じた第2流体の通過を許容するべく前記創被覆材によって画定された穿孔とを有する高圧創被覆材において、
前記第1流体は、使用の際に前記第1流体が前記流体透過可能層を通過するように、前記流体透過不能層と前記流体透過可能層の間において供給可能であり、且つ、前記穿孔は、閉じた状態においては、前記第2流体が前記穿孔を通じて流れることがなく、且つ、開いた状態においては、前記第2流体が前記穿孔を通じて流れるように、前記閉じた状態と、前記開いた状態と、を具備し、前記穿孔は、前記損傷組織と前記創被覆材の間の圧力が既定の圧力を上回る際に開き、且つ、前記穿孔は、前記圧力が既定の圧力を下回る際に、閉じる、創被覆材。
【請求項2】
前記穿孔は、スリットの形態である請求項1に記載の創被覆材。
【請求項3】
前記スリットの長さは、1〜5mmである請求項2に記載の創被覆材。
【請求項4】
前記スリットの前記長さは、約2mmである請求項3に記載の創被覆材。
【請求項5】
前記既定の圧力は、15mmHg〜35mmHgだけ大気圧を上回る請求項1〜4のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項6】
前記穿孔は、前記第2流体が前記流体透過可能層及び前記流体透過不能層を通じて流れるための経路に延在するメンブレイン内に画定される請求項1〜5に記載の創被覆材。
【請求項7】
前記流体透過不能層及び前記流体透過可能層は、前記メンブレインの周囲において1つにシーリングされる請求項6に記載の創被覆材。
【請求項8】
前記メンブレインは、前記流体透過可能層、前記流体透過不能層、及びメンブレイン層の中の1つ又は複数のものによって形成される請求項6又は7に記載の創被覆材。
【請求項9】
前記メンブレインは、1つにシーリングされた前記流体透過不能層及び前記流体透過可能層の見当の合った部分を有する請求項6に記載の創被覆材。
【請求項10】
前記メンブレインの厚さ及び材料特性と前記穿孔の寸法及び形状は、前記創被覆材と前記損傷組織の間の前記圧力が前記既定の圧力を上回る際に前記穿孔が開いて前記第2流体の流れを許容するように、予め決定される請求項6〜9に記載の創被覆材。
【請求項11】
前記流体透過不能層は、プラスチック材料を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項12】
前記プラスチック材料は、ポリエチレン又はポリウレタンなどの合成プラスチック材料である請求項11に記載の創被覆材。
【請求項13】
前記流体透過可能層は、プラスチック材料を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項14】
前記流体透過不能層及び/又は前記流体透過可能層は、厚さが0.05mm〜1.00mmである請求項1〜13のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項15】
前記流体透過不能層及び/又は前記流体透過可能層は、厚さが0.1mm〜0.5mmである請求項19に記載の創被覆材。
【請求項16】
前記流体透過可能層と前記流体透過不能層の間に多孔性層を更に有し、前記多孔性層は、前記第1流体が透過可能である請求項1〜15のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項17】
前記第2流体が前記流体透過可能層及び前記流体透過不能層を通じて流れるための前記経路がアパーチャを通過するように、前記アパーチャが前記多孔性層を通じて画定される請求項6〜10のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項18】
複数の穿孔が、前記創被覆材の1つのエリアにわたって分散した状態において画定される請求項1〜17のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項19】
前記損傷組織の上部に前記創被覆材を適用するための接着層を更に有する請求項1〜18のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項20】
前記接着層は、前記創被覆材の周囲部分を前記損傷組織に対して固定する請求項19に記載の創被覆材。
【請求項21】
前記流体透過不能層及び前記流体透過可能層の周縁部が1つに固定されて袋状体を形成する請求項1〜20のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項22】
前記第1流体は、酸素を有する請求項1〜21のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項23】
前記第2流体は、滲出液を有する請求項1〜22のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項24】
実質的に添付図面を参照して請求項1〜23のいずれか1項に記載された創被覆材。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の高圧創被覆材と、滲出液を吸収するための外側の吸収又は圧迫包帯又は創被覆材、或いは、滲出液を除去するための真空手段と、の組合せ。
【請求項26】
人間又は動物を治療して損傷組織の治癒を支援する方法であって、
請求項1〜24のいずれか一項に記載の高圧創被覆材を前記損傷組織に対して適用するステップと、
前記創被覆材に流体を供給するステップと、
を有する方法。
【請求項27】
人間又は動物を美容的に治療して傷跡組織の存在及び/又は視認性を低減する方法であって、
請求項1〜24のいずれか一項に記載の高圧創被覆材を前記傷跡組織に対して適用するステップと、
前記創被覆材に流体を供給するステップとを有する方法。
【請求項1】
高圧創被覆材であって、
第1流体が透過不能である流体透過不能層と、
損傷組織の上部に配置される、前記第1流体が透過可能である流体透過可能層と、
前記流体透過可能層及び前記流体透過不能層を通じた第2流体の通過を許容するべく前記創被覆材によって画定された穿孔とを有する高圧創被覆材において、
前記第1流体は、使用の際に前記第1流体が前記流体透過可能層を通過するように、前記流体透過不能層と前記流体透過可能層の間において供給可能であり、且つ、前記穿孔は、閉じた状態においては、前記第2流体が前記穿孔を通じて流れることがなく、且つ、開いた状態においては、前記第2流体が前記穿孔を通じて流れるように、前記閉じた状態と、前記開いた状態と、を具備し、前記穿孔は、前記損傷組織と前記創被覆材の間の圧力が既定の圧力を上回る際に開き、且つ、前記穿孔は、前記圧力が既定の圧力を下回る際に、閉じる、創被覆材。
【請求項2】
前記穿孔は、スリットの形態である請求項1に記載の創被覆材。
【請求項3】
前記スリットの長さは、1〜5mmである請求項2に記載の創被覆材。
【請求項4】
前記スリットの前記長さは、約2mmである請求項3に記載の創被覆材。
【請求項5】
前記既定の圧力は、15mmHg〜35mmHgだけ大気圧を上回る請求項1〜4のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項6】
前記穿孔は、前記第2流体が前記流体透過可能層及び前記流体透過不能層を通じて流れるための経路に延在するメンブレイン内に画定される請求項1〜5に記載の創被覆材。
【請求項7】
前記流体透過不能層及び前記流体透過可能層は、前記メンブレインの周囲において1つにシーリングされる請求項6に記載の創被覆材。
【請求項8】
前記メンブレインは、前記流体透過可能層、前記流体透過不能層、及びメンブレイン層の中の1つ又は複数のものによって形成される請求項6又は7に記載の創被覆材。
【請求項9】
前記メンブレインは、1つにシーリングされた前記流体透過不能層及び前記流体透過可能層の見当の合った部分を有する請求項6に記載の創被覆材。
【請求項10】
前記メンブレインの厚さ及び材料特性と前記穿孔の寸法及び形状は、前記創被覆材と前記損傷組織の間の前記圧力が前記既定の圧力を上回る際に前記穿孔が開いて前記第2流体の流れを許容するように、予め決定される請求項6〜9に記載の創被覆材。
【請求項11】
前記流体透過不能層は、プラスチック材料を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項12】
前記プラスチック材料は、ポリエチレン又はポリウレタンなどの合成プラスチック材料である請求項11に記載の創被覆材。
【請求項13】
前記流体透過可能層は、プラスチック材料を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項14】
前記流体透過不能層及び/又は前記流体透過可能層は、厚さが0.05mm〜1.00mmである請求項1〜13のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項15】
前記流体透過不能層及び/又は前記流体透過可能層は、厚さが0.1mm〜0.5mmである請求項19に記載の創被覆材。
【請求項16】
前記流体透過可能層と前記流体透過不能層の間に多孔性層を更に有し、前記多孔性層は、前記第1流体が透過可能である請求項1〜15のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項17】
前記第2流体が前記流体透過可能層及び前記流体透過不能層を通じて流れるための前記経路がアパーチャを通過するように、前記アパーチャが前記多孔性層を通じて画定される請求項6〜10のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項18】
複数の穿孔が、前記創被覆材の1つのエリアにわたって分散した状態において画定される請求項1〜17のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項19】
前記損傷組織の上部に前記創被覆材を適用するための接着層を更に有する請求項1〜18のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項20】
前記接着層は、前記創被覆材の周囲部分を前記損傷組織に対して固定する請求項19に記載の創被覆材。
【請求項21】
前記流体透過不能層及び前記流体透過可能層の周縁部が1つに固定されて袋状体を形成する請求項1〜20のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項22】
前記第1流体は、酸素を有する請求項1〜21のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項23】
前記第2流体は、滲出液を有する請求項1〜22のいずれか一項に記載の創被覆材。
【請求項24】
実質的に添付図面を参照して請求項1〜23のいずれか1項に記載された創被覆材。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の高圧創被覆材と、滲出液を吸収するための外側の吸収又は圧迫包帯又は創被覆材、或いは、滲出液を除去するための真空手段と、の組合せ。
【請求項26】
人間又は動物を治療して損傷組織の治癒を支援する方法であって、
請求項1〜24のいずれか一項に記載の高圧創被覆材を前記損傷組織に対して適用するステップと、
前記創被覆材に流体を供給するステップと、
を有する方法。
【請求項27】
人間又は動物を美容的に治療して傷跡組織の存在及び/又は視認性を低減する方法であって、
請求項1〜24のいずれか一項に記載の高圧創被覆材を前記傷跡組織に対して適用するステップと、
前記創被覆材に流体を供給するステップとを有する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−500077(P2012−500077A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523442(P2011−523442)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001987
【国際公開番号】WO2010/020759
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(511043390)イノテック エーエムディー リミティド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001987
【国際公開番号】WO2010/020759
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(511043390)イノテック エーエムディー リミティド (1)
【Fターム(参考)】
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