高圧空気パルスを制御するための弁
【課題】タンク内にパルス状の圧縮空気を送り、タンク内のゴミ、または付随のフィルタエレメントの捕集ゴミを空気の圧力波エネルギーで振るい落とす高圧空気パルスバルブにおいて、応答性の早いバルブ構造を提供する。
【解決手段】圧縮空気により駆動される弁閉止部材28は駆動空気圧を受圧するピストンディスク70と高圧空気の導通、遮断を制御する封止ディスク72をネック74で結合した構造を有し、且つ、ピストンディスク70の外周部76に溝78を形成し、溝78内に封止リングを保持すると共に、封止ディスク72の周縁部86をシリンダ支持アーム30内周に形成された案内面88にガイドさせる構造とした。
【解決手段】圧縮空気により駆動される弁閉止部材28は駆動空気圧を受圧するピストンディスク70と高圧空気の導通、遮断を制御する封止ディスク72をネック74で結合した構造を有し、且つ、ピストンディスク70の外周部76に溝78を形成し、溝78内に封止リングを保持すると共に、封止ディスク72の周縁部86をシリンダ支持アーム30内周に形成された案内面88にガイドさせる構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば反転パルスのフィルタ清掃システムに採り入れられることがある、高圧空気パルスを制御するための弁に関する。
【背景技術】
【0002】
反転パルスのフィルタ清掃システムがよく知られており、様々なシステムが、特定の用途に対する様々な程度の清掃効率を提供する、特定の属性を有する制御弁を有する。
一般的に、空気パルスを制御する弁が速く開くことができ、フィルタに衝突する高圧空気パルスが比較的シャープなピークを持つ圧力波を画成し、最も効果的な清掃または微粒子を除去する力をもたらすために、弁の中を通る妨げのない流路を有すべきであることが望ましい。
【0003】
弁の開閉が速いと、システムの効率が改善される。閉じるのが遅い弁は、例えば、高圧空気を浪費する傾向があり、清掃システムの運転コストを上昇させる。同様に、開くのが遅い弁は、いくらか消散したピーク時のパルスを生み出す傾向があり、フィルタを清掃する際の効果が低下する。
【0004】
フィルタ清掃動作に使用される弁は、時々修理またはメンテナンスを必要とする。また、典型的な用途では、嵌める必要がある多数の弁があり、したがって、弁を嵌め、かつメンテナンスのために取り外し交換することができる速度は、比較的重要である。したがって、どのような取付け配置(mounting arrangement)が使用されても、選択された特定の取付け配置によって弁の効率を損なうべきではないが、取付け配置は、好ましくは、採り入れるのに比較的直線的であるべきである。
【0005】
典型的には、反転パルスを提供するために使用される高圧空気は、個々の弁が取り付けられる導管またはタンクに運搬または供給される。タンクは、通常は、空気量が不十分なことによってパルスの効率を低下させることなしに、個々の弁が、必要とされるように連続して動作することが可能になるのに十分な容量のものである。したがって、ほとんどのシステムでは、容量が比較的大きいタンクが採り入れられ、個々の弁がタンクに取り付けられ、各弁が清掃するフィルタエレメントの上方に位置する。圧縮空気を安全に収容するためには、このようなタンクは、典型的には円筒形の構成であり、したがって、タンク上の個々の弁の取付け配置を難しくする湾曲した壁面に個々の弁を取り付ける必要がある。あるいは、弁を、フィルタの列全体を清掃することができるように提供することができ、フィルタは、典型的には一連の穴を有する形状の送風管の下方につるされ、各穴は清掃のための空気を各フィルタに分配するようにフィルタエレメントに対応する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の第1の態様によれば、圧力タンクからの圧縮空気の制御の際に使用するための弁であって、圧力タンクが、出口が形成される壁面を含み、壁面が、内面および外面を有し、使用時に圧力タンクの内部に配置される内側端部と、使用時にタンクの外部に配置される外側端部とを有する、全体的に円筒形の構成の弁体と、弁体中を延びる流路であって、本体の内側端部においてまたはその隣に入口を有し、本体の外側端部においてまたはその隣に出口を有する流路と、流路を囲む弁座と、弁を開き、また閉じるように、それぞ
れ弁座に向かって、またそこから離れるように移動可能である弁閉止部材(valve closure member)と、弁を作動させるために弁閉止部材を移動させるための作動手段とを備え、弁体が、その内側端部においてまたはその隣に少なくとも1つの横方向に延びる取付け構造(mounting formation)を有し、取付け構造が、内側端部および取付け構造が圧力タンクに出口を通って差し込まれることを可能にするように成形され寸法設定され、適位置にあるときには、取付け構造が、出口の隣のタンクの壁面の内面と係合することを特徴とし、開口部に隣接する壁面の外面と係合するように、取付け構造に向けて移動可能である取付けカラーを含み、それにより、取付け構造と取付けカラーの間でタンク壁面を締め付ける弁が提供される。
【0007】
横方向に延びる取付け構造が、好ましくは、弁体の両側に1対の横方向に延びるフランジを含む。好ましくは、フランジは、壁面の内面に載るように輪郭付けされた下面を有する。
【0008】
弁座は、弁体の内側端部に隣接して配置することができ、弁閉止部材は、弁がタンクに動作可能に取り付けられるときに圧力タンクの内部に配置される。
好ましくは、取付けカラーは、出口の周りに封止を形成するための封止手段を含む。取付けカラーは、壁面の外面に載る封止面を有することができる。封止面は、環状の封止リングが配置された環状の溝をその中に有することができる。カラーは、その径方向内側面に封止リングを有することができ、その封止リングは、弁体の径方向外面と共に封止を形成する。取付けカラーは、好ましくは、弁体に形成されるねじ山とねじ係合しているユニオンナットによって移動可能である。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、圧力タンクからの圧縮空気の制御の際に使用するための弁であって、圧力タンクが、出口が形成される壁面を含み、壁面が、内面および外面を有し、使用時に圧力タンクの内部に配置される内側端部と、使用時にタンクの外部に配置される外側端部とを画定する、全体的に円筒形の構成の弁体と、弁体中を延びる流路であって、本体の内側端部においてまたはその隣に入口を有し、本体の外側端部においてまたはその隣に出口を有する流路と、流路を囲む弁座と、弁を開き、また閉じるように、それぞれ弁座に向かって、またそこから離れるように移動可能である弁閉止部材と、弁を作動させるために弁閉止部材を移動させるための作動手段とを備え、弁体が、弁体の内側端部と同軸にそれに取り付けられるか、またはその上に形成されたシリンダを有し、弁閉止部材が、弁座に向けて、またそれから離れるようにシリンダ内で摺動式であるピストンの形態であり、ピストンが、弁を閉じるために弁座と係合するように適合されることを特徴とする弁が提供される。
【0010】
好ましくは、シリンダは、シリンダを弁座と同軸に整列して保持する、複数のシリンダ支持アームによって弁体に連結され、アームの間の隙間は、流路に入口を画定する。
作動手段は、好ましくは、シリンダを空気に通気するか、またはピストンが弁座に対して移動するように高圧流体源を提供するように適合されたパイロット弁を備える。シリンダは、好ましくは、前記シリンダ支持アームの1つに沿って通るパイロット弁通路を介してパイロット弁に連結される。
【0011】
本発明のさらなる特徴は、ピストンディスクおよび弁閉止ディスク備え、使用時に弁の弁座と共に封止するように適合された弁閉止部材であって、2枚のディスクが、スピンドルによって一緒に同軸に保持され、ピストンディスクが、周囲縁部の周りを延びる封止リングを有し、弁閉止ディスクが、その周囲縁部に、使用時に弁閉止ディスクを弁座と位置合わせして維持するのを助ける案内面を有する弁閉止部材を提供する。
【0012】
本発明のこれらのおよびさらなる特徴は、例示によって以下に与えられる本発明の実施
形態の説明から明らかにされるであろう。説明の際に、添付の図面を参照するが、図面に示された特定の特徴を、本発明に対する限定として解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
最初に図1から図5を参照すると、弁体10は、単体の注入成形品として形成され、内側端部12および外側端部14を有する全体的に円筒形の構成である。内側端部12は、図2に16で概略的に示された圧力タンク内に全体的に取り付けられ、内側端部12はタンクの内側、外側端部14はタンクの外側にある。流路18が弁体中を通って延び、流路18は、入口20および出口22を有する。弁座24が流路18を囲み、以下により詳細に説明するように、ピストンタイプの弁閉止部材によって開閉される。
【0014】
シリンダ26が、弁体の内側端部に位置し、以下に詳細に説明するピストンタイプの弁閉止部材28を摺動式に含む。シリンダ26は、図面の図7および図8に最も明確に示すように、着脱可能な端部壁面29を備える。シリンダ26は、1対のシリンダ支持アーム30によって弁体の受け台に連結される。支持アームの間の隙間32は、弁が開いているときに高圧空気がその中を通って流路18に入る、流路18への入口を提供する。
【0015】
弁は、パイロット弁口34に直接または間接的に連結されたパイロット弁(図示せず)によって開閉される。図面の図8に明確に示すように、パイロット弁口34は、パイロット弁の流路36に連結され、弁閉止部材を作動させるためにシリンダ26の内部に連結される。これらの態様を以下でより詳細に考察する。
【0016】
弁体は、取り付けのために、弁体の内側端部の近くに配置される外側に向けられた1対のフランジ40を備える。それらのフランジ40は、タンク16の壁面の出口42に嵌まるように成形され寸法設定される。図2に概略的に示すように、タンク16は、内面44および外面46を有し、弁が適切に出口42に取り付けられているときに、フランジ40は、弁体をタンクに堅固に保持するために内面44に載る。
【0017】
典型的には、タンク16は、円筒形の構成であり、したがって、弁体が取り付けられる壁面は湾曲している。したがって、フランジ40の下面48は、タンクの曲率に合うように湾曲する。
【0018】
最初に一方のフランジ40をタンクの内部に、次いでもう一方のフランジをタンクに差し込むように弁体を操作することによって、両方のフランジ40がタンクの内部に配置されタンクの内面44に載るように、出口42の直径が選択される。こうした配置を実現するには、フランジ40の周囲縁部の両側間の最大距離が、出口42の直径より大きくなる。すなわち、フランジ40はそれぞれ、出口42の両側に載り、弁が壁面に垂直であるときに弁を取り出すことは不可能になる。この点において、弁体は、図面の図6に示すような取付けカラー50を使用して適位置に締め付けられる。
【0019】
図面の図1に示すように、弁体10は、中心領域52を含み、その中心領域52は、下側のねじ切り部分54を有し、上側の平滑部分56を有する。カラー50の内面58は、その平滑な面56上で滑り嵌めであり、図面の図7および図8に示すユニオンナット60を使用して、取付けカラー50をタンク16の外面46に押し付ける。
【0020】
したがって、最初に弁体がタンクに差し込まれるときには、取付けカラー50は、後退した位置にあり、すなわち、ユニオンナット60が弁体の出口端部14に向かってねじ回しされている。一度フランジ40がタンクの内側に配置されると、ユニオンナット60は、反対方向にねじ回しされ、それにより、取付けカラー50をタンクの外面46に係合させる。
【0021】
出口42の周りに確実に封止を形成するために、取付けカラーは1対の封止材を有する。取付けカラー60の、タンクに接触する面、すなわち、図面の図6に示す封止面62は、タンクの円筒形の形状に沿うように鞍の形状をしている。封止面62に環状の溝64が形成され、その環状の溝64は、タンクの外面46と流体密封の封止材を形成するOリングなど(図示せず)を受ける。
【0022】
同様に、取付けカラーの径方向内側の面58は、その中に環状の溝66を有し、その環状の溝66も、その内面58が弁体の平滑面56と共に封止することができるように、Oリングなどの封止材を受ける。取付けカラー50がタンクの外面46と堅固に係合するときに、これら2つの封止材が出口42を封止することが理解されよう。
【0023】
ユニオンナット60は、レンチなどの適切な工具を使用して、適位置に全体的にねじ止めされる。できるだけ滑らかに取付けカラー50の押付けを行うように、取付けカラー50とユニオンナット60の間に座金68が提供される。ユニオンナット60を確実に滑らかに締め付けるように、座金68を摩擦係数が比較的低い高分子材料から形成することができる。あるいは、座金68をエラストマー材料から形成することができる。
【0024】
本明細書で説明したタイプの弁を圧力タンクに取り付けるために、必要とされるものは正確な直径だけであり、タンクの壁面に出口を開ける必要があり、その後、さらなる穴あけ、取付けねじ、固定クリップ、または他の取付け具を必要とせずに、弁体を適位置に嵌めることができることが理解されよう。一度フランジ40が出口を通して正確に差し込まれると、必要とされるものは、ユニオンナットが締め付けられ、それにより、取付けカラーを押し付けて、締め付けられ封止された構成にすることである。
【0025】
当然のことながら、本明細書で説明したユニオンナット60とは異なる押付け手段を使用することが可能である。例えば、複数の個々のねじ留め手段を採り入れることができる。しかし、圧力タンクに単一の出口を単に開けることによって、弁体を適位置に取り付けることができることが有利であると考えられる。
【0026】
弁閉止部材38およびシリンダ26が、タンクの内部、すなわち、流路18の上流に配置されることが理解されよう。弁閉止機構は、比較的移動が短いピストンである。ピストン38は、2つのディスク、すなわち、ピストンディスク70および弁閉止ディスク72から形成される。それら2つのディスクは、本実施形態では直径の小さいスピンドルまたはネック74によって、同軸に整列して保持される。ピストンディスク70は、周囲縁部76を有し、その周囲縁部76は、Oリングの封止材などがそこに配置される溝78を含む。ピストンディスク70は、弁座24に向かって、また離れるようにシリンダ26内を摺動する。図8から明らかであるように、封止ディスク72が弁座24と係合するときに、流路18が閉じられ、弁の中を通る流れが不可能になる。
【0027】
図8に示す実施形態では、弁閉止部材28は、端部キャップ29と弁閉止部材28との間で作用する圧縮ばね80によるばね補助式である。他のまたは代替の実施形態では、ばねによる補助を弁閉止部材28に提供する必要はない。さらに、端部キャップ29は、ブリード通路82を含み、そのブリード通路82は、圧力タンク内のそこからの圧縮空気が弁閉止部材28の下面に作用して、弁閉止部材28を弁座24に向けて、すなわち、閉位置に向けて押しやることを可能にする。弁を開くにためには、パイロット弁は空気に開放されており、シリンダ内の弁閉止部材28の背後の圧縮空気を、口34を通して排気することが可能になり、したがって、圧縮空気がピストンディスク70の下面84に作用し、それにより、弁閉止部材28を開位置に押しやる。下面84は比較的面積が大きいので、弁閉止部材の背後の圧縮空気が排出されるとすぐに、弁の速い開放が行われる。弁を閉じ
るためには、パイロット弁を使用して口34を閉じ、それにより圧縮空気がブリード通路82を通してシリンダ中に入ることが可能になり、それにより弁閉止部材28を弁座24に動かし、それにより弁を速く閉じる。
【0028】
当然のことながら、パイロット通路36を通ってシリンダ26に入る高圧空気を使用して弁を作動させることが可能である。弁は、上述のものとは異なる構成のものであることが必要になるが、基本的に、弁は、逆に作動することになり、すなわち、高圧空気を使用することが、弁を閉じたままにするために使用され、その高圧空気を放散することにより、弁を開くように作動させる。
【0029】
弁閉止ディスク72が、シリンダ支持アーム30の内部に形成された案内面88と摺動式に接触する外周部86を有することに留意されたい。これらの案内面88は、シリンダ26の内面と一緒に、弁閉止部材28を弁座24と位置合わせして保持するように働き、すなわち、弁閉止部材28が弁座24に向かって、またそこから離れるように動くときに、封止ディスク72の下面90は弁座24に平行である。
【0030】
弁閉止部材28を高品質のナイロン材料など、比較的計量のプラスチック材料から形成することができることが想定される。開閉運動の過酷さに耐え、しかも使用中に変形しない、適切なプラスチック材料を成形し、したがって比較的安価にすることができる。
【0031】
ピストンタイプの弁閉止部材の様々な異なる実施形態を、図面の図9から図11に示し、図9は、ブリード通路92を含む弁閉止部材を有する。図10は、圧縮ばねなしで使用される、ブリード通路のない弁閉止部材を示し、図11は、その上側表面に、図面の図8に示すタイプの圧縮ばねを配置する環状の溝94を有する弁閉止部材を示す。明らかに、図9から図11に示す弁閉止部材はそれぞれ、上記で説明したようにして適切なプラスチック材料から成形され、それぞれ溝78と、上記で参照される目的で案内面86を含む。
【0032】
本明細書で開示され定義された本発明は、文書または図面から言及されるかまたは明らかである2つ以上の個々の特徴を代替の組合せ全てに拡張することが理解されよう。これらの異なる組合せの全てが、本発明の様々な代替の態様を構成する。
【0033】
本明細書で使用される用語「comprises(備える、含む)」(またはその文法上の変形体)は、用語「includes(含む)」と等価であり、他の要素または特徴の存在を除外すると取るべきではないことも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による弁のための弁体の斜視図である。
【図2】図1に示す弁体の側面図である。
【図3】図1に示す弁体の平面図である。
【図4】図2に示す側面図に対して90度の、図1に示す弁体の側面図である。
【図5】図4に示す線V−Vに沿った断面図である。
【図6】弁体をタンクに取り付ける際に使用するためのカラーの斜視図である。
【図7】弁に装着されたカラーおよび固定ナットを備えた、図2と同様の図である。
【図8】図7に示す線VIII−VIIIに沿った断面側面図である。
【図9】図1に示す弁体に使用するための弁閉止部材の斜視図である。
【図10】図1に示す弁体に使用するための弁閉止部材の斜視図である。
【図11】図1に示す弁体に使用するための弁閉止部材の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば反転パルスのフィルタ清掃システムに採り入れられることがある、高圧空気パルスを制御するための弁に関する。
【背景技術】
【0002】
反転パルスのフィルタ清掃システムがよく知られており、様々なシステムが、特定の用途に対する様々な程度の清掃効率を提供する、特定の属性を有する制御弁を有する。
一般的に、空気パルスを制御する弁が速く開くことができ、フィルタに衝突する高圧空気パルスが比較的シャープなピークを持つ圧力波を画成し、最も効果的な清掃または微粒子を除去する力をもたらすために、弁の中を通る妨げのない流路を有すべきであることが望ましい。
【0003】
弁の開閉が速いと、システムの効率が改善される。閉じるのが遅い弁は、例えば、高圧空気を浪費する傾向があり、清掃システムの運転コストを上昇させる。同様に、開くのが遅い弁は、いくらか消散したピーク時のパルスを生み出す傾向があり、フィルタを清掃する際の効果が低下する。
【0004】
フィルタ清掃動作に使用される弁は、時々修理またはメンテナンスを必要とする。また、典型的な用途では、嵌める必要がある多数の弁があり、したがって、弁を嵌め、かつメンテナンスのために取り外し交換することができる速度は、比較的重要である。したがって、どのような取付け配置(mounting arrangement)が使用されても、選択された特定の取付け配置によって弁の効率を損なうべきではないが、取付け配置は、好ましくは、採り入れるのに比較的直線的であるべきである。
【0005】
典型的には、反転パルスを提供するために使用される高圧空気は、個々の弁が取り付けられる導管またはタンクに運搬または供給される。タンクは、通常は、空気量が不十分なことによってパルスの効率を低下させることなしに、個々の弁が、必要とされるように連続して動作することが可能になるのに十分な容量のものである。したがって、ほとんどのシステムでは、容量が比較的大きいタンクが採り入れられ、個々の弁がタンクに取り付けられ、各弁が清掃するフィルタエレメントの上方に位置する。圧縮空気を安全に収容するためには、このようなタンクは、典型的には円筒形の構成であり、したがって、タンク上の個々の弁の取付け配置を難しくする湾曲した壁面に個々の弁を取り付ける必要がある。あるいは、弁を、フィルタの列全体を清掃することができるように提供することができ、フィルタは、典型的には一連の穴を有する形状の送風管の下方につるされ、各穴は清掃のための空気を各フィルタに分配するようにフィルタエレメントに対応する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の第1の態様によれば、圧力タンクからの圧縮空気の制御の際に使用するための弁であって、圧力タンクが、出口が形成される壁面を含み、壁面が、内面および外面を有し、使用時に圧力タンクの内部に配置される内側端部と、使用時にタンクの外部に配置される外側端部とを有する、全体的に円筒形の構成の弁体と、弁体中を延びる流路であって、本体の内側端部においてまたはその隣に入口を有し、本体の外側端部においてまたはその隣に出口を有する流路と、流路を囲む弁座と、弁を開き、また閉じるように、それぞ
れ弁座に向かって、またそこから離れるように移動可能である弁閉止部材(valve closure member)と、弁を作動させるために弁閉止部材を移動させるための作動手段とを備え、弁体が、その内側端部においてまたはその隣に少なくとも1つの横方向に延びる取付け構造(mounting formation)を有し、取付け構造が、内側端部および取付け構造が圧力タンクに出口を通って差し込まれることを可能にするように成形され寸法設定され、適位置にあるときには、取付け構造が、出口の隣のタンクの壁面の内面と係合することを特徴とし、開口部に隣接する壁面の外面と係合するように、取付け構造に向けて移動可能である取付けカラーを含み、それにより、取付け構造と取付けカラーの間でタンク壁面を締め付ける弁が提供される。
【0007】
横方向に延びる取付け構造が、好ましくは、弁体の両側に1対の横方向に延びるフランジを含む。好ましくは、フランジは、壁面の内面に載るように輪郭付けされた下面を有する。
【0008】
弁座は、弁体の内側端部に隣接して配置することができ、弁閉止部材は、弁がタンクに動作可能に取り付けられるときに圧力タンクの内部に配置される。
好ましくは、取付けカラーは、出口の周りに封止を形成するための封止手段を含む。取付けカラーは、壁面の外面に載る封止面を有することができる。封止面は、環状の封止リングが配置された環状の溝をその中に有することができる。カラーは、その径方向内側面に封止リングを有することができ、その封止リングは、弁体の径方向外面と共に封止を形成する。取付けカラーは、好ましくは、弁体に形成されるねじ山とねじ係合しているユニオンナットによって移動可能である。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、圧力タンクからの圧縮空気の制御の際に使用するための弁であって、圧力タンクが、出口が形成される壁面を含み、壁面が、内面および外面を有し、使用時に圧力タンクの内部に配置される内側端部と、使用時にタンクの外部に配置される外側端部とを画定する、全体的に円筒形の構成の弁体と、弁体中を延びる流路であって、本体の内側端部においてまたはその隣に入口を有し、本体の外側端部においてまたはその隣に出口を有する流路と、流路を囲む弁座と、弁を開き、また閉じるように、それぞれ弁座に向かって、またそこから離れるように移動可能である弁閉止部材と、弁を作動させるために弁閉止部材を移動させるための作動手段とを備え、弁体が、弁体の内側端部と同軸にそれに取り付けられるか、またはその上に形成されたシリンダを有し、弁閉止部材が、弁座に向けて、またそれから離れるようにシリンダ内で摺動式であるピストンの形態であり、ピストンが、弁を閉じるために弁座と係合するように適合されることを特徴とする弁が提供される。
【0010】
好ましくは、シリンダは、シリンダを弁座と同軸に整列して保持する、複数のシリンダ支持アームによって弁体に連結され、アームの間の隙間は、流路に入口を画定する。
作動手段は、好ましくは、シリンダを空気に通気するか、またはピストンが弁座に対して移動するように高圧流体源を提供するように適合されたパイロット弁を備える。シリンダは、好ましくは、前記シリンダ支持アームの1つに沿って通るパイロット弁通路を介してパイロット弁に連結される。
【0011】
本発明のさらなる特徴は、ピストンディスクおよび弁閉止ディスク備え、使用時に弁の弁座と共に封止するように適合された弁閉止部材であって、2枚のディスクが、スピンドルによって一緒に同軸に保持され、ピストンディスクが、周囲縁部の周りを延びる封止リングを有し、弁閉止ディスクが、その周囲縁部に、使用時に弁閉止ディスクを弁座と位置合わせして維持するのを助ける案内面を有する弁閉止部材を提供する。
【0012】
本発明のこれらのおよびさらなる特徴は、例示によって以下に与えられる本発明の実施
形態の説明から明らかにされるであろう。説明の際に、添付の図面を参照するが、図面に示された特定の特徴を、本発明に対する限定として解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
最初に図1から図5を参照すると、弁体10は、単体の注入成形品として形成され、内側端部12および外側端部14を有する全体的に円筒形の構成である。内側端部12は、図2に16で概略的に示された圧力タンク内に全体的に取り付けられ、内側端部12はタンクの内側、外側端部14はタンクの外側にある。流路18が弁体中を通って延び、流路18は、入口20および出口22を有する。弁座24が流路18を囲み、以下により詳細に説明するように、ピストンタイプの弁閉止部材によって開閉される。
【0014】
シリンダ26が、弁体の内側端部に位置し、以下に詳細に説明するピストンタイプの弁閉止部材28を摺動式に含む。シリンダ26は、図面の図7および図8に最も明確に示すように、着脱可能な端部壁面29を備える。シリンダ26は、1対のシリンダ支持アーム30によって弁体の受け台に連結される。支持アームの間の隙間32は、弁が開いているときに高圧空気がその中を通って流路18に入る、流路18への入口を提供する。
【0015】
弁は、パイロット弁口34に直接または間接的に連結されたパイロット弁(図示せず)によって開閉される。図面の図8に明確に示すように、パイロット弁口34は、パイロット弁の流路36に連結され、弁閉止部材を作動させるためにシリンダ26の内部に連結される。これらの態様を以下でより詳細に考察する。
【0016】
弁体は、取り付けのために、弁体の内側端部の近くに配置される外側に向けられた1対のフランジ40を備える。それらのフランジ40は、タンク16の壁面の出口42に嵌まるように成形され寸法設定される。図2に概略的に示すように、タンク16は、内面44および外面46を有し、弁が適切に出口42に取り付けられているときに、フランジ40は、弁体をタンクに堅固に保持するために内面44に載る。
【0017】
典型的には、タンク16は、円筒形の構成であり、したがって、弁体が取り付けられる壁面は湾曲している。したがって、フランジ40の下面48は、タンクの曲率に合うように湾曲する。
【0018】
最初に一方のフランジ40をタンクの内部に、次いでもう一方のフランジをタンクに差し込むように弁体を操作することによって、両方のフランジ40がタンクの内部に配置されタンクの内面44に載るように、出口42の直径が選択される。こうした配置を実現するには、フランジ40の周囲縁部の両側間の最大距離が、出口42の直径より大きくなる。すなわち、フランジ40はそれぞれ、出口42の両側に載り、弁が壁面に垂直であるときに弁を取り出すことは不可能になる。この点において、弁体は、図面の図6に示すような取付けカラー50を使用して適位置に締め付けられる。
【0019】
図面の図1に示すように、弁体10は、中心領域52を含み、その中心領域52は、下側のねじ切り部分54を有し、上側の平滑部分56を有する。カラー50の内面58は、その平滑な面56上で滑り嵌めであり、図面の図7および図8に示すユニオンナット60を使用して、取付けカラー50をタンク16の外面46に押し付ける。
【0020】
したがって、最初に弁体がタンクに差し込まれるときには、取付けカラー50は、後退した位置にあり、すなわち、ユニオンナット60が弁体の出口端部14に向かってねじ回しされている。一度フランジ40がタンクの内側に配置されると、ユニオンナット60は、反対方向にねじ回しされ、それにより、取付けカラー50をタンクの外面46に係合させる。
【0021】
出口42の周りに確実に封止を形成するために、取付けカラーは1対の封止材を有する。取付けカラー60の、タンクに接触する面、すなわち、図面の図6に示す封止面62は、タンクの円筒形の形状に沿うように鞍の形状をしている。封止面62に環状の溝64が形成され、その環状の溝64は、タンクの外面46と流体密封の封止材を形成するOリングなど(図示せず)を受ける。
【0022】
同様に、取付けカラーの径方向内側の面58は、その中に環状の溝66を有し、その環状の溝66も、その内面58が弁体の平滑面56と共に封止することができるように、Oリングなどの封止材を受ける。取付けカラー50がタンクの外面46と堅固に係合するときに、これら2つの封止材が出口42を封止することが理解されよう。
【0023】
ユニオンナット60は、レンチなどの適切な工具を使用して、適位置に全体的にねじ止めされる。できるだけ滑らかに取付けカラー50の押付けを行うように、取付けカラー50とユニオンナット60の間に座金68が提供される。ユニオンナット60を確実に滑らかに締め付けるように、座金68を摩擦係数が比較的低い高分子材料から形成することができる。あるいは、座金68をエラストマー材料から形成することができる。
【0024】
本明細書で説明したタイプの弁を圧力タンクに取り付けるために、必要とされるものは正確な直径だけであり、タンクの壁面に出口を開ける必要があり、その後、さらなる穴あけ、取付けねじ、固定クリップ、または他の取付け具を必要とせずに、弁体を適位置に嵌めることができることが理解されよう。一度フランジ40が出口を通して正確に差し込まれると、必要とされるものは、ユニオンナットが締め付けられ、それにより、取付けカラーを押し付けて、締め付けられ封止された構成にすることである。
【0025】
当然のことながら、本明細書で説明したユニオンナット60とは異なる押付け手段を使用することが可能である。例えば、複数の個々のねじ留め手段を採り入れることができる。しかし、圧力タンクに単一の出口を単に開けることによって、弁体を適位置に取り付けることができることが有利であると考えられる。
【0026】
弁閉止部材38およびシリンダ26が、タンクの内部、すなわち、流路18の上流に配置されることが理解されよう。弁閉止機構は、比較的移動が短いピストンである。ピストン38は、2つのディスク、すなわち、ピストンディスク70および弁閉止ディスク72から形成される。それら2つのディスクは、本実施形態では直径の小さいスピンドルまたはネック74によって、同軸に整列して保持される。ピストンディスク70は、周囲縁部76を有し、その周囲縁部76は、Oリングの封止材などがそこに配置される溝78を含む。ピストンディスク70は、弁座24に向かって、また離れるようにシリンダ26内を摺動する。図8から明らかであるように、封止ディスク72が弁座24と係合するときに、流路18が閉じられ、弁の中を通る流れが不可能になる。
【0027】
図8に示す実施形態では、弁閉止部材28は、端部キャップ29と弁閉止部材28との間で作用する圧縮ばね80によるばね補助式である。他のまたは代替の実施形態では、ばねによる補助を弁閉止部材28に提供する必要はない。さらに、端部キャップ29は、ブリード通路82を含み、そのブリード通路82は、圧力タンク内のそこからの圧縮空気が弁閉止部材28の下面に作用して、弁閉止部材28を弁座24に向けて、すなわち、閉位置に向けて押しやることを可能にする。弁を開くにためには、パイロット弁は空気に開放されており、シリンダ内の弁閉止部材28の背後の圧縮空気を、口34を通して排気することが可能になり、したがって、圧縮空気がピストンディスク70の下面84に作用し、それにより、弁閉止部材28を開位置に押しやる。下面84は比較的面積が大きいので、弁閉止部材の背後の圧縮空気が排出されるとすぐに、弁の速い開放が行われる。弁を閉じ
るためには、パイロット弁を使用して口34を閉じ、それにより圧縮空気がブリード通路82を通してシリンダ中に入ることが可能になり、それにより弁閉止部材28を弁座24に動かし、それにより弁を速く閉じる。
【0028】
当然のことながら、パイロット通路36を通ってシリンダ26に入る高圧空気を使用して弁を作動させることが可能である。弁は、上述のものとは異なる構成のものであることが必要になるが、基本的に、弁は、逆に作動することになり、すなわち、高圧空気を使用することが、弁を閉じたままにするために使用され、その高圧空気を放散することにより、弁を開くように作動させる。
【0029】
弁閉止ディスク72が、シリンダ支持アーム30の内部に形成された案内面88と摺動式に接触する外周部86を有することに留意されたい。これらの案内面88は、シリンダ26の内面と一緒に、弁閉止部材28を弁座24と位置合わせして保持するように働き、すなわち、弁閉止部材28が弁座24に向かって、またそこから離れるように動くときに、封止ディスク72の下面90は弁座24に平行である。
【0030】
弁閉止部材28を高品質のナイロン材料など、比較的計量のプラスチック材料から形成することができることが想定される。開閉運動の過酷さに耐え、しかも使用中に変形しない、適切なプラスチック材料を成形し、したがって比較的安価にすることができる。
【0031】
ピストンタイプの弁閉止部材の様々な異なる実施形態を、図面の図9から図11に示し、図9は、ブリード通路92を含む弁閉止部材を有する。図10は、圧縮ばねなしで使用される、ブリード通路のない弁閉止部材を示し、図11は、その上側表面に、図面の図8に示すタイプの圧縮ばねを配置する環状の溝94を有する弁閉止部材を示す。明らかに、図9から図11に示す弁閉止部材はそれぞれ、上記で説明したようにして適切なプラスチック材料から成形され、それぞれ溝78と、上記で参照される目的で案内面86を含む。
【0032】
本明細書で開示され定義された本発明は、文書または図面から言及されるかまたは明らかである2つ以上の個々の特徴を代替の組合せ全てに拡張することが理解されよう。これらの異なる組合せの全てが、本発明の様々な代替の態様を構成する。
【0033】
本明細書で使用される用語「comprises(備える、含む)」(またはその文法上の変形体)は、用語「includes(含む)」と等価であり、他の要素または特徴の存在を除外すると取るべきではないことも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による弁のための弁体の斜視図である。
【図2】図1に示す弁体の側面図である。
【図3】図1に示す弁体の平面図である。
【図4】図2に示す側面図に対して90度の、図1に示す弁体の側面図である。
【図5】図4に示す線V−Vに沿った断面図である。
【図6】弁体をタンクに取り付ける際に使用するためのカラーの斜視図である。
【図7】弁に装着されたカラーおよび固定ナットを備えた、図2と同様の図である。
【図8】図7に示す線VIII−VIIIに沿った断面側面図である。
【図9】図1に示す弁体に使用するための弁閉止部材の斜視図である。
【図10】図1に示す弁体に使用するための弁閉止部材の斜視図である。
【図11】図1に示す弁体に使用するための弁閉止部材の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンディスクおよび弁閉止ディスクを備え、使用時に弁の弁座と共に封止するように適合された弁閉止部材であって、前記2枚のディスクが、スピンドルによって一緒に同軸に保持され、前記ピストンディスクが、周囲縁部の周りを延びる封止リングを有し、前記弁閉止ディスクが、その周囲縁部に、使用時に前記弁閉止ディスクを前記弁座と位置合わせして維持するのを助ける案内面を有する、弁閉止部材。
【請求項1】
ピストンディスクおよび弁閉止ディスクを備え、使用時に弁の弁座と共に封止するように適合された弁閉止部材であって、前記2枚のディスクが、スピンドルによって一緒に同軸に保持され、前記ピストンディスクが、周囲縁部の周りを延びる封止リングを有し、前記弁閉止ディスクが、その周囲縁部に、使用時に前記弁閉止ディスクを前記弁座と位置合わせして維持するのを助ける案内面を有する、弁閉止部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−87936(P2012−87936A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258595(P2011−258595)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2008−533818(P2008−533818)の分割
【原出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(508104167)ゴーエン・コントロールズ・カンパニー・プロプライエタリー・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2008−533818(P2008−533818)の分割
【原出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(508104167)ゴーエン・コントロールズ・カンパニー・プロプライエタリー・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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