説明

高度に効力を持つエポチロンの化学合成

活性が、癌細胞系統に対する細胞毒性薬剤としてアッセイした場合に、エポチロンEpoAまたはEpoBの何れかの活性を越える、高度に活性な合成エポチロン化合物を開示し、また同様に該合成エポチロンを含有する薬理組成物をも開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
政府による支援
本発明は、ナショナルインスティチューツオブヘルス(National Institutes of Health)からの、USPHS認可第CA088822号によって、政府の支援により行われた。該政府は、本発明における幾分かの権利を共有する。
【0002】
技術分野
本発明は、エポチロン(epothilone)と呼ばれる天然産物の合成類似体に関するものである。より詳しくは、本発明は、活性が、癌細胞系統に対する細胞毒性薬剤としてアッセイした場合に、エポチロンEpoAまたはEpoBの何れかの活性を越える、高度に活性なエポチロン化合物を意図するものである。
【0003】
背景技術
1996年に、該エポチロンが、公式に初めて登場(例えば、EpoA(化合物1)およびEpoB(化合物2)、[Hofle等, Angew. Chem., 1996, 108:1671-1673; Angew. Chem. Int. Ed., 1996, 35:1567-1569])して以来ずっと、合成化学者は、その合成並びに改良の観点から、その構造研究に精魂を注込んできた:
【0004】
【化1】

【0005】
[a) Altmann, Org. Biomol. Chem., 2004, 2:21372152; b) Watkins等, Curr. Pharm. Design, 2005, 11:1615-1653; c) Nicolaou等, Chem. Commun., 2001, 1523-1535; d) Nicolaou等, Pure Appl. Chem., 1999, 71:989-997; e) Harris等, J. Org. Chem., 1999, 64:8434-8456; f) Nicolaou等, Angew. Chem., 1998, 110:2120-2153; Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37:2014-2045]。このどちらかと言えば、強力かつ持続性ある興味は、驚くほどのことでも、また価値のないものでもない。というのは、これら天然産の物質は、それ自体が、合成の魅力的な目標となり、生物学における強力な手段となり、また臨床的な試み[a) Okuno等, J. Clin. Oncol., 2005, 23:3069-3073; b) Altmann, Curr. Pharm. Design, 2005, 11:1595-1613; c) Rivkin等, Angew. Chem., 2005, 117:2898-2910; Angew. Chem. Int. Ed., 2005, 44:2838-2850; d) Kolman, Curr. Opin. Invest. Drugs, 2004, 5:1292-1297; e) Kolman, Curr. Opin. Invest. Drugs, 2004, 5:657-667; f) Galmarini等, iDrugs, 2003, 6:1182-1187; g) Biswas等, J. Am. Chem. Soc., 2002, 124:9825-9832]において、制癌剤として、一般的に価値ある薬剤の候補となることが明らかにされているからである。
【0006】
本発明者等およびその共同研究者等の上記エポチロン群内の、構造-活性間の関連性に係る研究[Nicolaou等, Chem. Commun., 2001, 1523-1535; Nicolaou等, Pure Appl. Chem., 1999, 71:989-997; Nicolaou等, Angew. Chem., 1998, 110:2120-2153; Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37:2014-2045; a) Buey等, Chem. Biol., 2004, 11:225-236; Nicolaou等, Angew. Chem., 2003, 115:3639-3644; Angew. Chem., Int. Ed., 2003, 42:3515-3520; Nicolaou等, Tetrahedron, 2002, 58:6413-6432; Nicolaou等, J. Am. Chem. Soc., 2001, 123:9313-9323; Nicolaou等, Chem. Biol. 2000, 7:593-599]は、存在する場合に、上記エポチロン分子に生物学的な活性を付与する、構造上の作因の範囲を規定し、また幾つかの有力なエポチロン類、例えばメチルチオEpoB類似体化合物3[Nicolaou等, Tetrahedron, 2002, 58:6413-6432]および化合物4[Nicolaou等, Angew. Chem., 2003, 115:3639-3644; Angew. Chem., Int. Ed., 2003, 42:3515-3520]をもたらした:
【0007】
【化2】

【0008】
このモデルは、多かれ少なかれ、公開されたSARデータの殆どと調和するものと思われる、チューブリン-EpoA錯体の、最近の電子結晶学および核磁気共鳴を基本とする配座解析によって確認された[Nettles等, Science, 2004, 305:866-869; Heinz等, Angew. Chem., 2005, 117:1324-1327; Angew. Chem. Int. Ed., 2005, 44:1298-1301]。
以下において更に論じるように、上記モデルに基く新たな研究は、これまでに報告された、最も有力な、天然または設計されたエポチロン化合物の同定へと導いた。
【0009】
発明の開示
本発明は、エポチロン化合物を意図するものである。意図された一つの化合物は、その構造が、以下の一般式A-1、A-2、A-3またはA-4に相当するものである:
【0010】
【化3】

【0011】
これら一般式において、RAは以下の一般式で表される構造を持つ芳香族リングである:
【0012】
【化4】

【0013】
ここで、X1、X2およびX3各々は、夫々独立に、S、NR1、N、CH、またはCR2であって、該5-員環は、炭素以外の、少なくとも2つのリング構成原子を含み、あるいはX2およびX3は、炭素以外の、少なくとも2つのリング構成原子を含む、該5-員環と縮合した、6-員環構成の芳香族リングを形成し:
R1は、C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基からなる群から選択され;および
R2は、C1-C8-ヒドロカルビル基、O-C1-C8-ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、S-C1-C8-ヒドロカルビル基、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレンチオ-C1-C8-アシル基からなる群から選択される。
本発明の意図する他の化合物は、その構造が、以下の一般式B-1、B-2、B-3またはB-4に相当する化合物である:
【0014】
【化5】

【0015】
該一般式において、RBは以下の一般式で表される構造を持つ芳香族リングであり:
【0016】
【化6】

【0017】
ここで、R1は、C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基からなる群から選択され;またR2は、C1-C8-ヒドロカルビル基、O-C1-C8-ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、S-C1-C8-ヒドロカルビル基、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレンチオ-C1-C8-アシル基からなる群から選択される。
本発明の意図するエポチロン化合物は、薬理的に活性であり、また本発明では、製薬上許容される希釈剤に溶解または分散させた、式A-1/A-4または式B-1/B-4で表される化合物を、薬理的に有効な量で含有する組成物をも意図している。
【0018】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、エポチロン化合物を意図しており、そこでは、該化合物の2-メチル-4-チアジル置換基が、別の窒素原子-含有芳香族リング置換基によって置換されている。一態様において、意図されたエポチロン化合物は、構造において以下の一般式A-1、A-2、A-3またはA-4に相当するものである:
【0019】
【化7】

【0020】
これら一般式において、RAは以下の一般式で表される構造を持つ、芳香族リングである:
【0021】
【化8】

【0022】
ここで、該5-員環は、芳香族リングであり、また炭素以外の、少なくとも2つのリング構成原子を含み、X1、X2およびX3各々は、夫々独立に、S、NR1、N、CH、またはCR2であり;R1は、C1-C8-ヒドロカルビル基またはメチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基であり;R2は、C1-C8-ヒドロカルビル基、O-C1-C8-ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、S-C1-C8-ヒドロカルビル基、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレンチオ-C1-C8-アシル基からなる群から選択されるが、X2がSであり、かつX3がCR2である場合には、R2は、C1-C8-ヒドロカルビル基またはS-C1-C8-ヒドロカルビル基以外の基であることを条件とし;あるいはX2およびX3は、該5-員環構成の芳香族リングと縮合した、6-員環構成の芳香族リングを形成する。
特に好ましい置換基RAは、以下に列挙するものである:
【0023】
【化9】

【0024】
本発明の意図した他の化合物は、構造において以下の一般式B-1、B-2、B-3またはB-4に相当する化合物である:
【0025】
【化10】

【0026】
該一般式において、RBは以下の一般式で表される構造を持つ芳香族リングであり:
【0027】
【化11】

【0028】
ここで、R1は、C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基からなる群から選択され;またR2は、C1-C8-ヒドロカルビル基、O-C1-C8-ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、S-C1-C8-ヒドロカルビル基、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレンチオ-C1-C8-アシル基からなる群から選択される。
特に好ましい置換基RBは、以下に列挙するものを含む:
【0029】
【化12】

【0030】
従って、好ましい化合物は、構造において以下の式C-1、C-2、C-3またはC-4に対応するものとして、一緒に組分けすることができる:
【0031】
【化13】

【0032】
該一般式において、RCは、以下に列挙するものからなる群から選択される:
【0033】
【化14】

【0034】
該シアノエポチロン化合物21は、これらアッセイにおいて活性ではないが、テトラゾールエポチロン類、例えば化合物20の製造における有用な中間体化合物である。
上記「ヒドロカルビル」なる用語は、炭素原子および水素原子のみを含む、脂肪族並びに脂環式基またはラジカルを含む、短縮型の用語として、本明細書で使用する。従って、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基が意図されており、またアラルキル基、例えばベンジルおよびフェネチル基、および芳香族炭化水素基、例えばフェニルおよびナフチル基をも含む。特定のヒドロカルビル置換基を意図する場合、該基としては、C1-C4アルキル基、メチルまたはドデセニル基が挙げられる。ヒドロカルビル基の例は、1〜12個の炭素原子を含む連鎖、および好ましくは1〜約6個の炭素原子を含む連鎖を包含する。メチル基は、特に好ましいヒドロカルビル基である。注目すべきことは、当業者は、アルケニルまたはアルキニル置換基が、少なくとも2つの炭素原子を持つ必要があることを理解しているであろうことにある。
【0035】
C1-C8-ヒドロカルビル基またはO-C1-C8-ヒドロカルビル基は、酸素原子と結合した、ヒドロカルビル基を含有するエーテル基である。同様に、C1-C8-ヒドロカルビルチオまたはS-C1-C8-ヒドロカルビル基は、チオエーテル基である。メチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基は、記載された芳香族リングに結合したメチレン基(-CH2-)およびヒドロカルビルエーテルに結合したメチレン基(-CH2-O- C1-C8-ヒドロカルビル)基を含む。同様に、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基は、該記載されたリングと結合したメチレン基およびチオエーテルヒドロカルビル基(-CH2-S-C1-C8-ヒドロカルビル基)を含む。メチレンチオ-C1-C8-アシル基は、該記載されたリングと結合したメチレン基およびチオアシルヒドロカルビル基[-CH2-S-(CO)-C1-C7-ヒドロカルビル基]を含む。ハロゲン原子(ハロ基)は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される、ハライド置換基である。
【0036】
変更を行って、該分子の活性を改善し得る、該エポチロン構造の幾つかの領域から、そのヘテロ環-含有側鎖領域を選択した。特定の位置における該塩基性窒素原子の重要性が確立されているので[Nicolaou等, Chem. Biol., 2000, 7:593-599]、該当する状態は、何らかの新たな設計のための構造上の要件として設定され、またEpoBの構造の残りは、そのまま完全な状態に維持された。これらの制限により、該検討から導き出すことのできる、あらゆる可能な薬物(化合物I)候補が、原理的には、分解によって導かれる高等な中間体(化合物II)およびヘテロ環式スタナン(化合物III)からの、例えば以下にレトロ合成的(retro-synthetically)に示される、スチル(Stille)反応[Nicolaou等, Tetrahedron, 2002, 58:6413-6432]等の、パラジウム触媒を用いた交差カップリング反応による、全合成あるいは半-合成によって製造できるという利点が得られる:
【0037】
【化15】

【0038】
エポチロン化合物5-21(以下を参照)は、構造において式A-1に相当する一群の化合物の範囲内にあり、また幾分かの付随的な原理的説明と共に上記した、構造領域内で設計された。幾つかの親油性置換基、例えばメチルおよびメチルチオ基の、チューブリン結合および細胞毒性に及ぼす有益な効果は、我々の注目を、また結果としてのこのような部分の、幾つかのこのような設計(化合物5-21)への導入から、免れることはなかった。我々は、また付随的なリングの、該ヘテロ環式側鎖(化合物7、17-19、20)に及ぼす効果並びに該当する連鎖(化合物21)上にリングが存在しないことの効果を明らかにしようとした。最後に、我々は、該チューブリンレセプタポケットの、嵩高いハロゲン置換基(化合物10、12)を収容する能力を、喚起しようとした。
【0039】
【化16】

【0040】
該cis-オキシラン(上記)およびシクロプロパン化合物各々の、類似するシクロプロパン類似体およびtrans-縮合類似体に相当する化合物の合成を、以下の反応式AおよびBに示すが、該反応式においてRCは、本明細書の他の部分において定義されている。
【0041】
【化17】

【0042】
【化18】

【0043】
薬理組成物
本発明において有用なエポチロン化合物は、薬理組成物として処方できる。このような組成物は、製薬上許容される担体または希釈剤中に溶解または分散させた、有効量の該エポチロンを含有する。次いで、本発明の意図する組成物は、経口、腸管外、吸入スプレー、経直腸、または局所的に、所望により、公知の無害な製薬上許容される担体、佐剤、および賦形剤を含む、投薬単位処方物として投与することができる。また、局所投与は、経皮投与、例えば経皮貼付剤パッチ、またはイオン導入デバイスを利用することをも包含し得る。本明細書で使用する用語「腸管外」とは、皮下、注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、または輸注技術を含む。薬物の処方は、例えばHoover, John E., レミントンズファーマシューティカルサイエンスズ(Remington's Pharmaceutical Sciences), マック出版社(Mack Publishing Co.), ペンシルバーニア州イーストン(Easton, Pennsylvania); 1975およびLiberman, H.A. & Lachman, L.編, ファーマシューティカルドゼージフォームズ(Pharmaceutical Dosage Forms), マルセルデッカー(Marcel Decker), ニューヨーク, N.Y., 1980において論じられている。
【0044】
注射用製剤、例えば滅菌注射水性溶液または油性懸濁液を、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知の技術に従って処方することができる。該滅菌した注射可能な製剤は、また無害な腸管外投与可能な希釈剤または溶剤中に分散させた、滅菌注射溶液または懸濁液、例えば1,3-ブタンジオールに溶解させた溶液であってもよい。使用可能な、該許容される賦形剤および溶剤としては、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。更に、滅菌した固定油が、従来から、溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的に対して、任意の温和な固定油を使用することができ、その例は合成モノ-またはジ-グリセライドを含む。更に、オレイン酸等の脂肪酸も、注射液の調製における用途が見出されている。ジメチルアセタミド、イオン性またはノニオン性洗浄剤を含む界面活性剤、ポリエチレングリコールを使用することもできる。また、上において論じたもの等の、溶媒と湿潤剤との混合物も有用である。
【0045】
該薬物の経直腸投与用の坐剤は、該薬物および適当な非-刺激性の賦形剤、例えばココアバター、合成モノ-、ジ-またはトリグリセライド、脂肪酸およびポリエチレングリコールとを混合することによって製造できる。該例示の賦形剤は、常温において市販されているが、直腸温度において液体状態にあり、従って直腸において溶解し、該薬物を放出するであろう。
【0046】
経口投与用の固体投与剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含むことができる。このような固体投与剤形においては、該本発明の化合物を、通常、指定された投与経路にとって適した、1種またはそれ以上の佐剤と組み合わせる。経口経路で投与する場合、該化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合し、次いで有利に投与するために、打錠しまたはカプセル化することができる。このようなカプセルまたは錠剤は、活性化合物を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中に分散させた状態で提供することができるので、制御-放出処方物を含むことができる。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合において、該投与剤形は、また緩衝剤、例えばクエン酸ナトリウム、炭酸または重炭酸マグネシウムまたはカルシウム等を含むこともできる。錠剤および丸剤は、更に腸溶性の被覆を持つものとして製造することも可能である。
【0047】
該エポチロンは、抗体または他の薬剤をより選択性の高いものとする、これら抗体または他の薬剤に対する結合体として放出することも可能である。該薬剤が封入されもしくは共有結合によって結合している、エポチロンナノ粒子を、該薬剤の投与のために使用することも可能である。というのは、そのような手段が、使用する該エポチロンの効能および選択性を高めることができるからである。
治療の目的に対して、腸管外投与用の処方物は、水性または非水性の、等張性滅菌注射溶液または懸濁液の形状をとることができる。これら溶液および懸濁液は、経口投与用の処方物における用途に関して上記した、1種またはそれ以上の担体または希釈剤を含む、滅菌粉末または顆粒から製造することができる。本発明の化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、および/または様々なバッファー中に溶解することができる。他の佐剤および投与形式は、薬学技術分野において十分にまた広く知られている。
【0048】
経口投与用の液状投与剤形は、当分野において通常使用されている、水等の不活性希釈剤を含有する、製薬上許容されるエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルを含むことができる。このような組成物は、また佐剤、例えば湿潤剤、乳化並びに懸濁剤、および甘味料、香料および芳香剤をも含むことができる。
これらの担体物質と組合わせて、単一の投与剤形を製造することができる、活性成分の量は、治療すべき哺乳動物宿主および特定の投与形式に依存して変動する。
【0049】
特定化合物の合成
特定のエポチロンを、前に記載したレトロ合成解析に従って合成するために、対応するヘテロ環式スタナンが必要とされた。これら化合物は、反応式1に示す条件の何れかに従って製造した(化合物26a-b、28、30a-b、32、33、35a-c、37a-b)。
反応式1:スタナンカップリング相手の合成
試薬および条件:
【0050】
【化19】

【0051】
a) TsCl (1.5当量)、Et3N (3.0当量)、4-DMAP (0.1当量)、CH2Cl2、25℃、1時間、84%;b) チオ酢酸(1.1当量)、Et3N (1.1当量)、CH2Cl2、0→25℃、1時間、78%;c) NaSMe (3.0当量)、EtOH、25℃、10分間、97%;d) (Me3Sn)2 (7.0当量)、[Pd(PPh3)4] (0.1当量)、トルエン、110℃、1時間、25a(26a、95%)、25b(26b、63%)。
【0052】
【化20】

【0053】
e) nBuLi (1.0当量)、メチルシクロヘキサン、THF、-78℃、10時間;次いでnBu3SnCl (1.0当量)、-78℃、1時間、83%。
【0054】
【化21】

【0055】
f) EtMgBr (1.0当量)、THF、25℃、1.5時間;次いでnBu3SnCl (1.1当量)、25℃、1時間、29a(30a、74%)、29b(30b、79%)。
【0056】
【化22】

【0057】
g) nBuLi (1.0当量)、THF、-78℃、5分間;次いで(MeS)2 (1.0当量)、5分間;次いでnBuLi (1.0当量)、15分間;次いで(MeS)2 (1.0当量)、5分間;次いでnBuLi (1.0当量)、15分間;次いでnBu3SnCl (1.0当量)、-78℃、1時間、83%。
【0058】
【化23】

【0059】
h) nBu3SnCCH (1.5当量)、キシレン、138℃、6時間、34a(35a、41%)、34b(35b、76%)、34c(35c、30%)。
【0060】
【化24】

【0061】
i) NaOMeまたはNaSMe (3.0当量)、tBuOK (2.0当量)、iPrOH、25℃、15分間、(37a、10%)、(37b、89%)。
Ts = p-トルエンスルホニル;Et3N = トリエチルアミン;DMAP = 4-ジメチルアミノピリジン;Bn = ベンジル;THF = テトラヒドロフラン。
他の化合物は、公知の文献記載の手順によって製造した{化合物35b [Sakamoto等, Heterocycles, 1992, 33:813-818]; 36 [Kato等, J. Org. Chem., 1997, 62:6833-684]; 38-39 [Molloy等, J. Organomet. Chem., 1989, 365:61-73]; 40 [Bookser, Tetrahedron Lett., 2000, 41:2805-2809];および41 [市販品として入手可能]}。
【0062】
【化25】

【0063】
次いで、各ヘテロ環式部分の、該エポチロンの足場への結合は、以下の反応式2に示したような、目的とするエポチロン化合物5-21を与えるための、各スタナンの、ヨウ化ビニル化合物22[Nicolaou等, Chem. Eur. J., 2000, 6:2783-2800]とのスチルカップリング反応[Nicolaou等, Tetrahedron, 2002, 58:6413-6432]によって達成した。
反応式2:エポチロン5-21の合成
試薬および条件:
【0064】
【化26】

【0065】
a) [Pd2(dba)3CHCl3] (0.2当量)、CuI (2.0当量)、AsPh3 (0.8当量)、26a (5、74%)、26b (6、40%)、38 (7、55%)、30a (10、43%)、30b (11、68%)、32 (12、76%)、33 (13、79%)、35a (14、71%)、35b (15、66%)、35c (16、60%)、36 (17、52%)、37a (18、39%)、37b (19、53%)、40 (20、56%)、(各スタナン2.0当量)、DMF、25℃、3時間。
b) [Pd(PPh3)4] (0.2当量)、CuI (2.0当量)、39 (8、51%)、28 (9、47%)、41 (21、34%) (各スタナン2.0当量)、DMF、25℃、3時間。収率は、最適化されていない。dba = ジベンジリジン-アセトン;DMF = N,N-ジメチルホルムアミド。
これらの合成されたエポチロンを、その成長阻害特性に関する細胞毒性アッセイにおいてテストし、またタキソテール(TaxotereTM)またはタキソール(TaxolTM)の何れかおよびEpoAまたはEpoBの何れかと比較した。幾つかの薬物-感受性および薬物-耐性ヒト癌細胞系統に対して得られた結果を、以下の表1A-1Cにまとめた。
【0066】
【表1】

【0067】
[a] 化合物を、メチレンブルー(KB-31およびKB-8511)またはスルホローダミン-B(他の細胞系統)による染色法[Nicolaou等, Chem. Biol., 2000, 7:593-599; Skehan等, J. Natl. Cancer Inst., 1990, 82:1107-1112]を利用して、72時間に及ぶ成長阻害アッセイにおける、抗-増殖作用に付きテストした。各化合物に関するIC50値を、nMで与え、また3-5回の独立した実験の平均±該平均の標準誤差で表した。
[b] ヒト卵巣癌細胞系統。
[c] β270における単一の獲得点突然変異(Phe→Val)を発現する、タキソール(TaxolTM)-耐性1A9細胞系統。
[d] 母細胞系統の相対的耐性(RRp)は、該母細胞系統に関する値で割った、各耐性細胞系統に関するIC50値として算出。
【0068】
【表2】

【0069】
注[a]および[d]については、上記表1Aを参照のこと。
[e] β274における単一の獲得点突然変異(Thr→Ile)を発現する、EpoA-耐性1A9細胞系統。
[f] アドリアマイシンを用いた薬物選別のために、P-糖タンパク質(Pgp)を過剰発現する、ヒト卵巣癌A2780細胞系統の、薬物-耐性クローン。
【0070】
【表3】

注[a]および[d]については、上記表1Aを参照のこと。
[g] ヒト類表皮癌細胞系統。
[h] タキソール-耐性(Pgp-過剰発現) KB細胞系統。
【0071】
該細胞系統は、母性薬物-感受性卵巣癌細胞系統1A9、そのタキソール-耐性(1A9/PTX10) [Giannakakou等, J. Biol. Chem., 1997, 272:17118-17125]およびEpoA-耐性(1A9/A8) [Giannakakou等, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 2000, 97:2904-2909]亜系統並びに該Pgp-流出ポンプを過剰発現するその突然変異体の変異型を含む。明確な獲得β-チューブリン突然変異を含む、該タキソール-耐性およびEpoA-耐性細胞系統は、その薬物-チューブリン相互作用に影響を与え、また障害のあるタキサン-およびエポチロン-由来のチューブリン重合をもたらす。加えて、更なる細胞毒性に係る研究を、一対の薬物-感受性母性ヒト類表皮癌細胞(KB-31)およびそのタキソール-耐性Pgp-過剰発現亜系統(KB-5811)を用いて実施した。
【0072】
EpoB程には有力でないが、化合物5および6は、テストした細胞系統の幾つかに対して、高い効能を示し、このことは、該レセプタの、該分子内で実現される構造上の変化に対する、かなりの寛容性を反映している。ベンゾチアゾール類似体化合物7は、細胞系統の該範囲に渡り、優れた細胞毒性を示し、その効能はEpoBを越えるものである。イミダゾール類似体化合物8および10-13およびトリアゾールエポチロン化合物9の著しく低い活性は、該N-メチルイミダゾール部分の該チューブリンレセプタへの固定化および高い効能を持つものへの転換を困難にしていることを示しており、一方で化合物13の置換パターンおよび込合った特性が、該塩基性窒素原子の特定の位置および共役側鎖系の平面性に関する要件を強めている。[13](有力なイミダゾール-含有エポチロンB類似体については、Altmann等, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2000, 10:2765-2768を参照のこと)。
【0073】
該チアゾールリングのピラゾール部分による置換は、化合物14-16によって立証されるように、優れた生物学的な活性をもたらした。該3種の化合物(14-16)は、興味深いSARsを与える。従って、N-Me置換ピラゾールエポチロン化合物14は、上記範囲に渡りEpoBよりも有力な細胞毒性を示し、またそのN-Ph型の片割(化合物15)は、幾分活性が低く、一方で過度のSMe置換基を持つ化合物(化合物16)は、テストした全化合物の中で最も有力であることが立証された。
事実、後者のエポチロン(化合物16)は、該1A9母性および該1A9/A8 EpoA-耐性細胞系統両者に対して、注目すべき17-倍の、またより一層印象的なことに、天然産のEpoBと比較して、該タキソール-耐性1A9/PTX10細胞系統に対する効能において、78-倍にも及ぶ活性増加を示した。化合物16の該KB細胞系統に対する作用も印象的であって、EpoBと比較して、3-5倍の効能における増加を示す。しかし、興味深いことに、またEpoBを越える4-倍もの効能における増強にも拘らず、化合物16は、該Pgp-過剰発現細胞系統A2780/AD10に対する成長阻害剤としては、化合物14(20-倍の効力における増加)ほどには、有力ではなかった。
【0074】
プリンエポチロン化合物17-19は、テストした細胞系統の全範囲に渡って、EpoBの効能に匹敵する効能を示し、従ってこのことは、チューブリンレセプタによって寛容化され得る立体的な嵩および電子雲の境界の更なる拡張を意味する。最後に、ニトリルエポチロン化合物21は、テストした細胞系統の何れに対しても有意な細胞毒性をも示さないことが分かったが、このことは、該エポチロン構造の基本的なヘテロ環式部分の重要性を確証している。
4種の高度に有力なエポチロン(化合物3、4、7および16)の、以前に論じた細胞系統に対する相対的な活性を、以下の表2に示す:
【0075】
【表4】

[a] 細胞系統の定義に関する上記表1A-1Cを参照のこと。
[b] 相対的な活性(RA EpoB)は、通常の生物学的なアッセイにおける、EpoBのIC50値対テストした化合物のIC50値との比として定義される。この値は、同時に決定したEpoBの効能と比較した、該テストした化合物の効能の増加倍率を表す。
【0076】
全て当研究所において合成された、EpoBおよび有力な類似化合物3[Nicolaou等, Tetrahedron, 2002, 58:6413-6432]、4[Nicolaou等, Angew. Chem., 2003, 115:3639-3644; Angew. Chem., Int. Ed., 2003, 42:3515-3520]、7、および14(表3を参照)、の生物学的な側面に比して、該ピラゾールエポチロン化合物16の顕著な生物学的な側面は、我々の知る限りにおいて、この類似体を、これまでに知られている最も有力なエポチロンとしている。化合物16は、テストした5種全ての癌細胞系統において、EpoBよりも優れた性能を持ち、この化合物は、母性卵巣細胞系統1A9(16.5倍)、そのタキソール-耐性変異株1A9/PTX10(78.0倍)およびそのEpoA-耐性突然変異体1A9/A8(16.7倍)に対する該天然産の物質を凌駕する、特に顕著な効能における増加を示す。EpoB(化合物2)および類似体化合物3が、制癌剤としての、臨床的な試みが記録されているので(該エポチロン群からの他の注目すべき臨床的な候補は、Danishefsky[EpoD/KOS-862, Kolman等, Curr. Opin. Invest. Drugs, 2004, 5:657-667; Epo-490, Kolman等, Curr. Opin. Invest. Drugs, 2004, 5:657-667およびFludelone, Rivkin等, Angew. Chem., 2005, 117:2898-2910; Angew. Chem. Int. Ed., 2005, 44:2838-2850], ブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb)[BMS 247550/ラクタムEpoB, Okuno等, J. Clin. Oncol., 2005, 23:3069-3073およびBMS-310705/C-20アミノメチルEpoB, Kolman, Curr. Opin. Invest. Drugs, 2004, 5:1292-1297]およびシェリング(Schering) AG [ZK-EPO (シェリングAGプレスリリース(Press Release))])、化合物16は、有力な薬物候補として更なる検討を行う価値がある。
【0077】
化合物に関する実験データ
A. 一般的手順:
全ての反応は、特に述べない限り、無水条件下で、無水溶媒を用いたアルゴン雰囲気下で行った。無水テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル(Et2O)、および塩化メチレン(CH2Cl2)は、活性化アルミナカラムに、市販品として入手できる、予め乾燥させた、酸素を含まない処方物を通すことによって得た。収率は、特に述べない限り、クロマトグラフィー的におよび分光測光的(1H NMR)に均一な物質に関するものである。試薬は、特に述べない限り、最高の工業的性能のものを購入し、かつ更に精製することなしに使用した。
反応は、0.25mmのE.メルク(Merck)社製のシリカゲルプレート(60F-254)上で、可視化手段としてのUV光、およびp-アニスアルデヒドおよびリンモリブデン酸のエタノール性溶液、および現像手段としての熱を利用して行った、薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。E.メルク社製のシリカゲル(60、粒径0.040-0.063mm)およびシグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich)社製のフロリシル(FlorisilTM) (-200メッシュ)を、フラッシュカラムクロマトグラフィーのために使用した。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)分離は、0.25mmのE.メルク社製のシリカゲルプレート(60F-254)上で行った。
【0078】
NMRスペクトルは、ブルーカー(Bruker) DRX-600、DRX-500、AMX-500またはAMX-400装置で記録し、残留する重水素化されていない溶媒を内部標準として用いて、較正した。多重度を説明するために、以下のような略号を用いた:s = シングレット、d = ダブレット、t = トリプレット、q = カルテット、m = マルチプレット、br = ブロード。IRスペクトルは、パーキン-エルマー(Perkin-Elmer) 1600シリーズFT-IRスペクトロメータで記録した。エレクトロスプレイイオン化法(ESI)マススペクトロメトリー(MS)実験は、API 100パーキン-エルマー(Perkin-Elmer) SCIEX単一四極子マススペクトロメータで、4000Vエミッター電圧にて行った。高分解能マススペクトル(HRMS)は、MALDI(マトリックスアシストレーザー-脱着(matrix assisted laser-desorption)イオン化)およびまたはESI(エレクトロスプレイイオン化)を利用した、VG ZAB-ZSEマススペクトロメータで記録した。旋光は、パーキン-エルマー(Perkin-Elmer) 343旋光計で記録した。
【0079】
B. スチルカップリングのための一般的手順
方法A:
脱気したDMF(2mL)中に、ヨウ化ビニル化合物22(10.0mg、18.6μM、1.0当量)、CuI(7.1mg、37.2μM、2.0当量)、AsPh3 (4.6mg、14.9μM、0.8当量)を溶解して得た溶液に、Pd2(dba)3・CHCl3(3.9mg、3.7μM、0.2当量)を添加した。得られたこの溶液を、25℃にて5分間攪拌し、次いで脱気したDMF(1mL)中に、スタナン(37.2μM、2.0当量)を溶解して得た溶液を、注射器を介して滴添した。この反応混合物を、室温にて3時間攪拌し、H2O(30mL)で反応を停止させ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。併合した有機相を、ブライン(15mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)およびPTLCによる精製は、所定のエポチロン類似体を与えた。
【0080】
方法B:
脱気したDMF(2mL)中に、ヨウ化ビニル化合物22(10.0mg、18.6μM、1.0当量)およびCuI(7.1mg、37.2μM、2.0当量)を溶解して得た溶液に、Pd(PPh3)4(4.3mg、3.7μM、0.2当量)を添加した。得られたこの溶液を、25℃にて5分間攪拌し、次いで脱気したDMF(1mL)中に、スタナン(37.2μM、2.0当量)を溶解して得た溶液を、注射器を介して滴添した。この反応混合物を、室温にて3時間攪拌し、H2O(30mL)で反応を停止させ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。併合した有機相を、H2O(20mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)およびPTLCによる精製は、所定のエポチロン類似体を与えた。
エポチロン化合物5:
【0081】
【化27】

【0082】
方法A:白色泡状物;収率:74%; Rf = 0.38(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32= -18.0(MeOH、c = 1.0); IR (フィルム) νmax 3443 br, 2964, 1732, 1714, 1694, 1682, 1454, 1384, 1250, 1051, 980, 914, 732 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ = 7.13 (s, 1 H), 6.56 (s, 1 H), 5.39 (dd, J = 2.7, 8.0 Hz, 1 H), 4.19 (d, J = 9.7 Hz, 1 H), 3.96 (s, 2 H), 3.72 (s, 1 H), 3.69 (br s, 1 H), 3.27 (dq, J = 4.7, 6.8 Hz, 1 H), 2.79 (dd, J = 4.4, 8.0 Hz, 1 H), 2.50 (br s, 1 H), 2.49 (dd, J = 10.3, 14.2 Hz, 1 H), 2.36 (dd, J = 3.2, 14.3 Hz, 1 H), 2.16 (s, 3 H), 2.11 (s, 3 H), 2.10-2.05 (m, 1 H), 1.93 (td, J = 8.2, 15.3 Hz, 1 H), 1.73-1.65 (m, 1 H), 1.55-1.36 (m, 6 H), 1.35 (s, 3 H), 1.26 (s, 3 H), 1.15 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.05 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2) δ = 219.9, 170.1, 168.1, 152.0, 137.5, 119.2, 117.2, 76.6, 73.8, 72.6, 61.4, 60.9, 52.7, 42.7, 39.0, 36.1, 35.0, 32.1, 31.9, 30.3, 22.1, 22.1, 21.1, 19.1, 16.6, 15.3, 15.0, 13.3 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C28H43NO6S2+として計算)[M + H+] 554.2604;実測値:554.2613。
エポチロン化合物6:
【0083】
【化28】

【0084】
方法B:無色オイル;収率40%; Rf = 0.40 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32= -7.4 (DMSO、c = 0.40); IR (フィルム) νmax 3423 br, 2958, 2928, 1736, 1691, 1466, 1380, 1251, 1135, 1096, 1054, 1008, 980, 957, 884, 711 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ = 7.09 (s, 1 H), 6.54 (s, 1 H), 5.39 (dd, J = 2.5, 8.1 Hz, 1 H), 4.40 (s, 2 H), 4.19 (m, 1 H), 3.72 (t, J = 3.9 Hz, 1 H), 3.66-3.59 (m, 1 H), 3.27 (td, J = 6.8, 11.5 Hz, 1 H), 2.79 (dd, J = 4.4, 7.8 Hz, 1 H), 2.49 (dd, J = 10.3, 14.3 Hz, 1 H), 2.40 (br s, 1H), 2.39 (s, 3 H), 2.36 (dd, J = 3.2, 14.2 Hz, 1 H), 2.09 (s, 3 H), 2.09-2.04 (m, 1 H), 1.92 (td, J = 8.2, 15.2 Hz, 1 H), 1.73-1.65 (m, 1 H), 1.55-1.36 (m, 6 H), 1.35 (s, 3 H), 1.26 (s, 3 H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.05 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2) δ = 219.9, 193.5, 170.1, 165.5, 152.0, 137.7, 119.0, 117.3, 76.6, 73.9, 72.6, 61.3, 60.9, 52.7, 42.8, 39.0, 36.1, 32.0, 31.9, 30.3, 30. 1, 29.8, 22.1, 22.1, 21.0, 19.1, 16.6, 15.0, 13.3 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C29H43NO7S2+として計算)[M + H+]:582.2554;実測値:582.2557。
エポチロン化合物7:
【0085】
【化29】

【0086】
方法A:白色泡状物; 収率55%; Rf = 0.37 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32 = -10 (DMSO、c = 0.32); IR (フィルム) νmax 3441 br, 2959, 2919, 2356, 1738, 1725, 1714, 1682, 1650, 1454, 1379, 1248, 1143, 1056, 1002, 973, 882, 761, 730 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 8.01 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.89 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.51-7.47 (m, 1 H), 7.41-7.37 (m, 1 H), 6.93 (s, 1 H), 5.54 (dd, J = 3.7, 6.0 Hz, 1 H), 4.20 (d, J = 9.3 Hz, 1 H), 3.97 (br s, 1 H), 3.80 (t, J = 4.3 Hz, 1 H), 3.38-3.31 (m, 1 H), 2.83 (t, J = 6.2 Hz, 1 H), 2.61 (dd, J = 10.2, 14.0 Hz, 1 H), 2.50 (br s, 1H), 2.46 (dd, J = 3.5, 14.0 Hz, 1 H), 2.32 (s, 3 H), 2.13-2.06 (m, 1 H), 2.05-1.98 (m, 1 H), 1.77-1.66 (m, 1 H), 1.59-1.32 (m, 6 H), 1.40 (s, 3 H), 1.29 (s, 3 H), 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.09 (s, 3 H), 1.01 ppm (d, J = 6.9 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 220.7, 170.4, 164.6, 152.4, 144.8, 134.7, 126.5, 125.3, 122.8, 121.4, 119.4, 76.0, 74.5, 73.0, 61.3, 61.3, 53.0, 43.2, 38.9, 36.4, 31.7, 31.7, 30.5, 22.8, 21.2, 21.0, 20.1, 17.1, 17.0, 14.0 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C30H41NO6S+として計算) [M + H+]:544.2727;実測値:544.2743。
エポチロン化合物8:
【0087】
【化30】

【0088】
方法B; 無色フィルム; 収率51%; Rf = 0.32 (シリカゲル、EtOAc:アセトン=9:1); [α]D32 = -28 (DMSO、c = 0.25); IR (フィルム) νmax 3438 br, 2968, 2927, 1732, 1714, 1693, 1682, 1470, 1451, 1383, 1283, 1250, 1146, 1054, 980, 739 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ = 7.02 (s, 1 H), 6.87 (s, 1 H), 6.34 (s, 1 H), 5.51 (dd, J = 3.0, 7.9 Hz, 1 H), 4.16 (dd, J = 3.0, 10.4 Hz, 1 H), 3.70 (t, J = 4.5 Hz, 1 H), 3.63 (br s, 1H), 3.61 (s, 3 H), 3.29-3.23 (m, 1 H), 2.80 (dd, J = 4.6, 7.6 Hz, 1 H), 2.62 (br s, 1H), 2.47 (dd, J = 10.4, 14.4 Hz, 1 H), 2.35 (dd, J = 3.1, 14.4 Hz, 1 H), 2.17 (s, 3 H), 2.10-1.96 (m, 2 H), 1.71-1.65 (m, 1 H), 1.56-1.34 (m, 6 H), 1.32 (s, 3 H), 1.26 (s, 3 H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.03 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2) δ = 219.8, 170.1, 144.0, 140.6, 127.4, 120.4, 112.6, 76.7, 73.9, 72.4, 61.2, 60.9, 54.6, 42.7, 39.1, 36.0, 32.5, 32.1, 31.6, 30.3, 22.1, 22.0, 21.1, 18.8, 16.6, 14.6, 13.2 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C27H42N2O6+として計算) [M + H+]:491.3115;実測値:491.3120。
エポチロン化合物9:
【0089】
【化31】

【0090】
方法B; 無色フィルム; 収率47%; Rf = 0.35 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32 = -23 (DMSO、c = 0.043); IR (フィルム) νmax 3417 br, 2967, 2920, 1732, 1694, 1682, 1470, 1455, 1384, 1258, 1147, 1055, 1008, 979, 802, 656 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ = 7.81 (s, 1 H), 6.41 (s, 1 H), 5.49 (dd, J = 3.0, 6.8 Hz, 1 H), 4.15 (ddd, J = 3.3, 7.1, 10.3 Hz, 1 H), 3.84 (s, 3 H), 3.72 (dd, J = 4.0, 8.3 Hz, 1 H), 3.33-3.25 (m, 2 H), 2.79 (dd, J = 5.8, 6.7 Hz, 1 H), 2.51 (dd, J = 10.2, 14.6 Hz, 1 H), 2.43 (dd, J = 3.4, 14.6 Hz, 1 H), 2.39 (br d, J = 3.3 Hz, 1 H), 2.21 (s, 3 H), 2.10-1.97 (m, 2 H), 1.72-1.64 (m, 1 H), 1.56-1.35 (m, 6 H), 1.34 (s, 3 H), 1.27 (s, 3 H), 1.14 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.04 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2) δ = 219.6, 169.9, 150.8, 149.8, 144.8, 109.8, 76.1, 74.4, 72.8, 60.9, 60.8, 54.6, 43.2, 38.8, 36.0, 31.6, 31.4, 30.1, 28.9, 22.3, 22.2, 20.5, 19.6, 16.7, 15.0, 13.6 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C26H41N3O6+として計算) [M + H+]:492.3068;実測値:492.3069。
エポチロン化合物10:
【0091】
【化32】

【0092】
方法A; 白色泡状物; 収率43%; Rf = 0.26 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32 = -31.5 (DMSO、c = 0.20); IR (フィルム) νmax 3472 br, 3201, 2919, 2355, 1725, 1684, 1461, 1378, 1249, 1149, 1061, 985, 732, 667 cm-1; 1H NMR (500 MHz, C6D6) δ = 6.46 (s, 1 H), 6.13 (s, 1 H), 5.43 (br s, 1 H), 5.26 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 4.72 (d, J = 10.6 Hz, 1 H), 3.86 (s, 1 H), 3.43 (dq, J = 3.6, 6.8 Hz, 1 H), 2.78 (br s, 1 H), 2.74 (dd, J = 5.4, 6.8 Hz, 1 H), 2.67 (s, 3 H), 2.56 (dd, J = 11.1, 14.1 Hz, 1 H), 2.25 (dd, J = 2.7, 14.1 Hz, 1 H), 1.94 (ddd, J = 2.7, 4.6, 15.1 Hz, 1 H), 1.88-1.80 (m, 2 H), 1.68-1.55 (m, 2 H), 1.51 (s, 3 H), 1.50-1.40 (m, 4 H), 1.36 (s, 3 H), 1.17 (s, 3 H), 1.16 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.14 (s, 3 H), 1.00 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (125 MHz, C6D6) δ = 220.2, 170.1, 145.1, 128.3, 113.4, 112.3, 106.1, 75.9, 74.0, 71.6, 61.6, 60.9, 54.4, 42.7, 39.7, 36.7, 32.2, 31.9, 30.4, 30.2, 22.9, 22.8, 22.3, 17.9, 16.8, 13.4, 11.8 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C27H41IN2O6+として計算) [M + H+]:617.2082;実測値:617.2081。
エポチロン化合物11:
【0093】
【化33】

【0094】
方法A; 無色フィルム; 収率68%; Rf = 0.10 (シリカゲル、EtOAc:アセトン=9:1); [α]D32 = -15.4 (CH2Cl2、c = 0.13); IR (フィルム) νmax 3384 br, 2925, 2345, 1724, 1718, 1685, 1654, 1560, 1458, 1376, 1256, 1143, 1053, 979, 702, 620 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ = 7.42 (s, 1 H), 6.89 (s, 1 H), 6.42 (s, 1 H), 5.38 5.33 (m, 1 H), 4.26 (dd, J = 2.4, 10.5 Hz, 1 H), 3.70 (t, J = 4.5 Hz, 1 H), 3.68 (s, 3 H), 3.61 (br s, 1 H), 3.30 3.23 (m, 1 H), 2.76 (dd, J = 3.7, 8.3 Hz, 1 H), 2.65 (br s, 1 H), 2.46 (dd, J = 10.6, 14.1 Hz, 1 H), 2.29 (dd, J = 2.9, 14.3 Hz, 1 H), 2.20-2.05 (m, 1 H), 1.99 (s, 3 H), 1.91-1.83 (m, 1 H), 1.74-1.65 (m, 2 H), 1.52-1.45 (m, 1 H), 1.46-1.30 (m, 4 H), 1.35 (s, 3 H), 1.25 (s, 3 H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.03 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CD2Cl2) δ = 220.8, 170.6, 140.2, 137.4, 134.7, 119.3, 118.1, 77.0, 73.8, 72.0, 62.6, 61.6, 54.2, 42.6, 39.8, 36.7, 32.9, 31.1, 31.1, 30.0, 22.6, 22.4, 18.6, 17.9, 17.1, 15.9, 13.4 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C27H42N2O6+として計算) [M + H+]:491.3115;実測値:491.3113。
エポチロン化合物12:
【0095】
【化34】

【0096】
方法A; 白色泡状物; 収率76%; Rf = 0.61 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32= -20.6 (CH2Cl2、c = 0.32); IR (フィルム) νmax 3436 br, 2919, 2849, 2355, 1731, 1684, 1461, 1384, 1249, 1220, 1143, 1067, 732, 662 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 6.14 (s, 1 H), 5.44 (dd, J = 3.0, 6.5 Hz, 1 H), 4.26 (dd, J = 3.0, 10.0 Hz, 1 H), 3.75 (t, J = 4.5 Hz, 1 H), 3.44 (s, 3 H), 3.35 (dq, J = 4.5, 6.5 Hz, 1 H), 2.85 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 2.56 (d, J = 10.0 Hz, 1 H), 2.54 (d, J = 10.0 Hz, 1 H), 2.40 (dd, J = 2.5, 14.0 Hz, 1 H), 1.78 (s, 3 H), 1.75-1.63 (m, 1 H), 1.58-1.36 (m, 6 H), 1.37 (s, 3 H), 1.30 (s, 3 H), 1.26 (s, 3 H), 1.16 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 1.79 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD2Cl2) δ = 220.8, 170.4, 143.9, 129.8, 118.7, 113.7, 111.6, 75.8, 74.2, 72.4, 61.4, 61.4, 53.3, 42.9, 39.1, 36.3, 31.9, 31.5, 30.4, 22.7, 22.2, 21.7, 19.1, 16.8, 16.4, 13.6 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C27H40Br2N2O6+として計算) [M + H+]:647.1331;実測値:647.1309。
エポチロン化合物13:
【0097】
【化35】

【0098】
方法A; 無色フィルム; 収率79%; Rf = 0.38 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32 = +13.9 (DMSO、c = 0.36); IR (フィルム) νmax 3444, br, 2956, 2926, 2359, 1732, 1682, 1455, 1378, 1314, 1250, 1146, 1092, 1047, 976, 885, 821, 662 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 6.55 (s, 1 H), 5.45 (dd, J = 2.7, 8.6 Hz, 1 H), 4.25 (d, J = 9.5 Hz, 1 H), 3.77 (br s, 1 H), 3.56 (s, 3 H), 3.49 (br s, 1 H), 3.29 (dq, J = 4.1, 6.8 Hz, 1 H), 2.82 (dd, J = 3.8, 8.5 Hz, 1 H), 2.70 (br s, 1 H), 2.65 (s, 3 H), 2.53 (dd, J = 10.3, 14.4 Hz, 1 H), 2.37 (dd, J = 2.9, 14.4 Hz, 1 H), 2.28 (s, 3 H), 2.19 (s, 3 H), 2.29-2.14 (m, 1 H), 1.90 (td, J = 8.6, 15.2 Hz, 1 H), 1.79-1.70 (m, 1 H), 1.68-1.46 (m, 6 H), 1.34 (s, 3 H), 1.28 (s, 3 H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.09 (s, 3 H), 1.01 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 220.5, 170.5, 145.6, 143.7, 135.7, 123.8, 116.1, 77.7, 73.7, 72.8, 62.0, 61.6, 53.1, 42.7, 39.4, 36.2, 32.7, 32.4, 30.9, 30.6, 22.6, 22.2, 21.9, 20.5, 19.4, 17.5, 15.2, 15.1, 13.3 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C29H46N2O6S2+として計算) [M + H+]:583.2870;実測値:583.2853。
エポチロン化合物14
【0099】
【化36】

【0100】
方法A; 白色固体; 収率71%; Rf = 0.64 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32 = -14.0 (CH2Cl2、c = 0.50); IR (フィルム) νmax 3446 br, 2966, 2936, 1732, 1688, 1508, 1455, 1378, 1251, 1143, 1049, 979, 761, 732, 697 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ = 7.33 (s, 1 H), 6.53 (s, 1 H), 6.30 (s, 1 H), 5.44 (dd, J = 2.9, 7.2 Hz, 1 H), 4.19 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 3.90 (s, 3 H), 3.79 (t, J = 4.2 Hz, 1 H), 3.33-3.27 (m, 1 H), 2.81 (dd, J = 5.0, 7.2 Hz, 1 H ), 2.55 (dd, J = 10.2, 14.2 Hz, 1 H), 2.38 (dd, J = 2.7, 14.1 Hz, 1 H), 2.01 (td, J = 4.2, 15.0 Hz, 1 H ), 2.04 (s, 3 H), 1.92 (td, J = 7.5, 15.0 Hz, 1 H), 1.77-1.67 (m, 1 H), 1.58-1.38 (m, 6 H), 1.36 (s, 3 H), 1.27 (s, 3 H), 1.17 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.08 (s, 3 H), 1.00 ppm (d, J = 6.8 Hz, 3 H); 13C NMR (125 MHz, C6D6:CD3OD, 3:1) δ = 219.8, 171.0, 149.5, 137.2, 131.5, 118.3, 106.2, 77.2, 76.0, 72.1, 62.5, 62.0, 54.0, 44.7, 39.7, 38.1, 36.6, 33.0, 32.5, 30.3, 23.3, 22.4, 21.1, 19.4, 17.8, 15.3, 14.0 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C27H42N2O6+として計算) [M + H+]:491.3115;実測値:491.3109。
エポチロン化合物15
【0101】
【化37】

【0102】
方法A; 白色固体; 収率66%; Rf = 0.73 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32= -28.3 (CH2Cl2、c = 0.60); IR (フィルム) νmax 3460 br, 2955, 2919, 1731, 1684, 1596, 1513, 1455, 1373, 1255, 1143, 1049, 973, 756 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ = 7.90 (s, 1 H), 7.68 (d, J = 7.9 Hz, 2 H), 7.45 (t, J = 7.7 Hz, 2 H), 7.29 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 6.61 (s, 1 H), 6.52 (s, 1 H), 5.50-5.47 (m, 1 H), 4.19 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 3.91, (br s, 1 H), 3.80 (t, J = 3.9 Hz, 1 H), 3.36-3.30 (m, 1 H), 2.83 (t, J = 6.3 Hz, 1 H), 2.58 (dd, J = 10.1, 14.0 Hz, 1 H), 2.50 (br s, 1 H), 2.42 (dd, J = 2.6, 14.1 Hz, 1 H), 2.14 (s, 3 H), 2.12-2.06 (m, 1 H), 1.97 (dt, J = 7.2, 14.7 Hz, 1 H), 1.79-1.66 (m, 1 H), 1.58-1.40 (m, 6 H), 1.37 (s, 3 H), 1.27 (s, 3 H), 1.17 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.09 (s, 3 H), 1.01 ppm (d, J = 6.9 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 220.7, 170.6, 150.3, 139.9, 137.0, 129.4, 127.4, 126.5, 119.0, 118.2, 108.2, 74.4, 73.4, 61.4, 61.2, 52.7, 43.3, 39.0, 36.5, 32.0, 31.8, 30.7, 22.9, 22.7, 21.1, 20.6, 17.2, 15.8, 13.9 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C32H44N2O6+として計算) [M + H+]:553.3272;実測値:553.3263。
エポチロン化合物16
【0103】
【化38】

【0104】
方法A; 白色固体; 収率60%; Rf = 0.82 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32 = -28.3 (CH2Cl2、c = 0.53); IR (フィルム) νmax 3444 br, 2966, 2931, 1738, 1732, 1694, 1682, 1469, 1455, 1381, 1371, 1284, 1266, 1250, 1148, 1056, 978, 736 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD2Cl2) δ = 6.41 (s, 1 H), 6.33 (s, 1 H), 5.38 (dd, J = 2.3, 8.12 Hz, 1 H), 4.20-4.15 (m, 1 H), 3.84 (s, 3 H), 3.72 (dd, J = 4.0, 7.8 Hz, 1 H), 3.67 (d, J = 5.6 Hz, 1 H), 3.29-3.24 (m, 1 H), 2.77 (dd, J = 4.3, 7.9 Hz, 1 H), 2.51 (br s, 1 H), 2.48 (dd, J = 10.3, 14.3 Hz, 1 H), 2.41 (s, 3 H), 2.36-2.32 (m, 1 H), 2.09-2.03 (m, 1 H), 2.01 (s, 3 H), 1.94-1.86 (m, 1 H), 1.72-1.65 (m, 1 H), 1.53-1.35 (m, 6 H), 1.34 (s, 3 H), 1.25 (s, 3 H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.04 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (151 MHz, CD2Cl2) δ = 220.7, 170.5, 148.1, 137.2, 136.4, 118.1, 108.9, 76.7, 74.3, 73.2, 61.5, 61.2, 52.8, 43.1, 39.0, 36.5, 32.1, 31.9, 30.7, 22.8, 22.6, 21.2, 20.3, 18.8, 17.1, 15.7, 14.2, 13.9 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C28H44N2O6S+として計算) [M + H+]:537.2993;実測値:537.2992。
エポチロン化合物17
【0105】
【化39】

【0106】
方法A; 無色フィルム; 収率52%; Rf = 0.34 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32 = -33.9 (CH2Cl2、c = 0.12); IR (フィルム) νmax 3418 br, 2928, 1732, 1688, 1599, 1556, 1395, 1342, 1262, 1148, 1055, 981, 906, 736 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ = 8.07 (s, 1 H), 6.69 (s, 1 H), 6.23 (q, J = 5.7 Hz, 1 H), 5.42 (dd, J = 1.5, 8.5 Hz, 1 H), 4.36-4.30 (m, 1 H), 3.88 (s, 3 H), 3.73 (dd, J = 4.2, 4.6 Hz, 1 H), 2.81 (dd, J = 4.2, 8.0 Hz, 1 H), 2.53 (dd, J = 10.6, 13.9 Hz, 1 H), 2.38 (s, 3 H), 2.38-2.35 (m, 1 H), 2.21-2.12 (m, 1 H), 1.98-1.901 (m, 1 H), 1.75-1.67 (m, 1 H), 1.49-1.28 (m, 6 H), 1.41 (s, 3 H), 1.27 (s, 3 H), 1.17 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.06 (s, 3 H), 1.00 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (151 MHz, CD2Cl2) δ = 219.7, 170.0, 158.5, 152.3, 149.5, 146.7, 145.4, 128.7, 122.8, 76.3, 73.7, 72.3, 61.4, 61.0, 52.9, 42.4, 39.0, 36.0, 32.1, 31.7, 30.3, 29.8, 22.1, 21.9, 21.3, 18.4, 16.5, 15.6, 13.0 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C29H41ClN4O6+として計算) [M + H+]:577.2787;実測値:577.2789。
エポチロン化合物18
【0107】
【化40】

【0108】
方法A; 白色固体; 収率39%; Rf = 0.23 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32= -13.4 (CH2Cl2、c = 3.5); IR (フィルム) νmax 3401 br, 2943, 1731, 1684, 1590, 1572, 1461, 1390, 1243, 1073. 1055, 979, 726 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 7.78 (s, 1 H), 6.52 (s, 1 H), 5.34 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 4.26 (d, J = 9.5 Hz, 1 H), 4.20 (br s, 1 H), 4.09 (s, 3 H), 3.76 (s, 3 H), 3.68 (s, 1 H), 3.26-3.20 (m, 1 H), 2.73 (dd, J = 4.0, 7.6 Hz, 1 H), 2.67 (br s, 1 H), 2.49 (dd, J = 10.6, 13.5 Hz, 1 H), 2.31 (s, 3 H), 2.30-2.26 (m, 1 H), 2.09 (d, J = 15.3 Hz, 1 H), 1.88-1.81 (m, 1 H), 1.71-1.60 (m, 1 H), 1.49-1.39 (m, 2 H), 1.38-1.24 (m, 4 H), 1.32 (s, 3 H), 1.20 (s, 3 H), 1.09 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.00 (s, 3 H), 0.92 ppm (d, J = 6.9 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 220.5, 170.5, 160.2, 158.7, 152.4, 145.3, 142.8, 128.3, 124.1, 76.8, 73.8, 72.8, 61.9, 61.5, 54.4, 53.4, 42.6, 39.6, 36.2, 32.5, 31.9, 30.7, 30.0, 22.7, 22.1, 21.9, 19.1, 17.0, 16.3, 13.4 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C30H44N4O7+として計算) [M + H+]:573.3283;実測値:573.3278。
エポチロン化合物19
【0109】
【化41】

【0110】
方法A; 白色固体; 収率53%; Rf = 0.42 (シリカゲル、EtOAc); [α]D32= -29 (CH2Cl2、c = 0.059); IR (フィルム) νmax 3444 br, 2923, 1732, 1565, 1556, 1454, 1384, 1336, 1259, 1056, 797, 736 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD2Cl2) δ = 7.92 (s, 1 H), 6.64 (s, 1 H), 5.41 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 4.35 (dd, J = 2.3, 10.4 Hz, 1 H), 4.12 (br s, 1 H), 3.81 (s, 3 H), 3.73 (t, J = 4.5 Hz, 1 H), 3.33-3.27 (m, 1 H), 3.08 (br s, 1 H), 2.82 (dd, J = 3.8, 8.2 Hz, 1 H), 2.72 (s, 3H), 2.53 (dd, J = 10.6, 14.0 Hz, 1 H), 2.40 (s, 3 H), 2.44-2.33 (m, 1 H), 2.21-2.15 (m, 1 H), 1.98-1.90 (m, 1 H), 1.76-1.68 (m, 1 H), 1.54-1.47 (m, 2 H), 1.46-1.22 (m, 4 H), 1.40 (s, 3 H), 1.27 (s, 3 H), 1.16 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.06 (s, 3 H), 1.01 ppm (d, J = 7.0 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CD2Cl2) δ = 220.1, 170.1, 160.3, 158.6, 148.8, 145.3, 143.4, 128.7, 124.0, 76.9, 73.6, 72.2, 61.8, 61.5, 53.2, 42.3, 39.3, 36.0, 32.4, 32.3, 30.4, 29.4, 22.2, 21.9, 21.7, 18.1, 16.6, 15.9, 12.8, 11.7 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C30H44N4O6S+として計算) [M + H+]:589.3054;実測値:589.3056。
エポチロン化合物20
【0111】
【化42】

【0112】
方法A; 白色固体; 収率56%; Rf = 0.39 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32= -23.1 (CD2Cl2、c = 9.0); IR (フィルム) νmax 3446 br, 2933, 2366, 1734, 1684, 1458, 1381, 1251, 1100, 746, 699 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD2Cl2) δ = 7.38-7.30 (m, 5 H), 6.69 (s, 1 H), 5.92 (s, 2 H), 5.50 (dd, J = 3.0, 6.1 Hz, 1 H), 4.67 (s, 2 H), 4.16-4.11 (m, 1 H), 3.73 (s, 1 H), 3.47 (d, J = 5.9 Hz, 1 H), 3.34-3.27 (m, 1 H), 2.80 (t, J = 6.2 Hz, 1 H), 2.56 (dd, J = 10.1, 14.3 Hz, 1 H), 2.44 (dd, J = 3.4, 14.4 Hz, 1 H), 2.35 (br s, 1 H), 2.28 (s, 3 H), 2.10-1.97 (m, 2 H), 1.71-1.64 (m, 1 H), 1.71-1.64 (m, 6 H), 1.36 (s, 3 H), 1.27 (s, 3 H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.05 (s, 3 H), 0.99 ppm (d, J = 6.9 Hz, 3 H); 13C NMR (150 MHz, CD2Cl2) δ = 219.8, 170.0, 163.4, 144.7, 135.6, 128.2 (2C), 128.0, 127.8 (2C), 111.2, 79.4, 75.7, 74.5, 73.2, 71.7, 60.7, 60.6, 52.2, 43.4, 38.6, 36.0, 31.3 (2C), 30.0, 22.4, 22.3, 20.2, 16.7 (2C), 15.8, 13.8 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C32H46N4O7+として計算) [M + H+]:599.3439;実測値:599.3432。
エポチロン化合物21
【0113】
【化43】

【0114】
方法B; 無色フィルム; 収率34%; Rf = 0.24 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); [α]D32 = -15.4 (CH2Cl2、c = 0.14); IR (フィルム) νmax 3460 br, 2919, 2849, 1731, 1684, 1449, 1378, 1255, 1143, 1073, 726 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 5.55 (s, 1 H), 5.48 (t, J = 4.0 Hz, 1 H), 4.11 (dd, J = 3.1, 10.1 Hz, 1 H), 3.76 (dd, J = 3.4, 5.1 Hz, 1 H), 3.68 (br s, 1 H), 3.37-3.34 (m, 1 H), 2.68 (t, J = 6.2 Hz, 1 H), 2.55 (dd, J = 10.2, 14.1 Hz, 1 H), 2.47 (dd, J = 3.5, 14.2 Hz, 1 H), 2.12 (s, 3 H), 1.99-1.94 (m, 1 H), 1.70-1.20 (m, 9 H), 1.37 (s, 3 H), 1.30 (s, 3 H), 1.16 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.06 (s, 3 H), 0.98 ppm (d, J = 6.9 Hz, 3 H); 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ = 220.1, 170.0, 159.3, 97.3, 77.2, 73.8, 73.6, 60.7, 60.0, 52.4, 44.0, 38.3, 36.1, 31.0, 30.5, 29.9, 29.7, 23.1, 22.7, 21.4, 19.8, 18.2, 17.3, 14.6 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C24H37NO6+として計算) [M + Na+]:458.2513;実測値:458.2504。
エポチロン化合物24
【0115】
【化44】

【0116】
CH2Cl2(50mL)中に、アルコール化合物23 (1.23 g、6.34 mM)、p-トルエンスルホニルクロリド (1.81g、9.48mM、1.0当量)およびDMAP (10.0mg、82μM、0.0086当量)を溶解して得た溶液に、NEt3 (2.67mL、19.02mM、2.0当量)を、0℃にて添加した。この反応混合物を、0℃にて15分間攪拌し、飽和水性NH4Cl溶液(40mL)で反応を停止させ、CH2Cl2 (3×25 mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3)による精製は、トシレート化合物24(1.86g、収率:84%)を、白色粉末として与えた。
化合物24: Rf = 0.51 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3); IR (フィルム) νmax 3121, 1597, 1482, 1368, 1190, 1176, 1093, 951, 890, 814, 665, 552 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 7.83-7.79 (m, 2 H), 7.37-7.33 (m, 2 H), 7.26 (s, 1 H), 5.28 (s, 2 H), 2.46 ppm (s, 3 H); 13C NMR (100 MHz, CD2Cl2) δ = 163.5, 145.9, 132.2, 130.0, 128.1, 125.3, 119.0, 66.9, 21.7 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C11H10BrNO3S2+として計算) [M + Na+]:369.9178;実測値:369.9176。
チアゾール化合物25a:
【0117】
【化45】

【0118】
無水EtOH (20mL)にトシレート化合物24 (260mg、0.75mM、1.0当量)およびナトリウムチオメトキシド (205mg、2.24mM、3.0当量)を溶解して得た溶液を、25℃にて1時間攪拌した。この反応を、飽和水性NH4Cl溶液(10mL)およびH2O(20mL)により停止させ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。シリカ上に予め吸着させた、この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:4)による精製は、化合物25a(162mg、収率:97%)を、黄色オイルとして与えた。
化合物25a:Rf = 0.56 (シリカゲル、EtOAc: ヘキサン=1:4); IR (フィルム) νmax 3118, 2915, 1473, 1433, 1404, 1255, 1204, 1114, 1074, 982, 889, 834, 734 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 7.18 (s, 1 H), 3.93 (s, 2 H), 2.12 ppm (s, 3 H); 13C NMR (100 MHz, CD2Cl2) δ = 170.9, 124.1, 117.7, 35.3, 15.7 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C5H6BrNS2+として計算) [M + H+]:223.9198;実測値:223.9194。
チアゾール化合物25b:
【0119】
【化46】

【0120】
CH2Cl2 (40mL)に、トシレート化合物24 (513mg、1.47mM、1.0当量)を溶解して得た溶液に、0℃にて、NEt3 (163mg、1.62mM、1.1当量)およびチオ酢酸 (123mg、1.62mM、1.1当量)を添加した。この反応溶液を、25℃にて1時間の期間に渡り加温した。次いで、この反応を、飽和水性NH4Cl溶液(30mL)により停止させ、CH2Cl2(3×15mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:5)による精製は、チオアセテート化合物25b(283mg、収率:78%)を、黄色オイルとして与えた。
化合物25b: Rf = 0.48 (シリカゲル、EtOAc: ヘキサン:1:4); IR (フィルム) νmax 3443, 2919, 1694, 1472, 1256, 1130, 1072, 955, 893, 836 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 7.15 (s, 1 H), 4.41 (s, 2 H), 2.40 ppm (s, 3 H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 193.9, 167.9, 124.5, 117.9, 30.4, 30.2 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C6H6BrNOS2+として計算) [M + Na+]:273.8996;実測値:273.8968。
スタナン化合物26a:
【0121】
【化47】

【0122】
トルエン(5mL)に、ブロミド25a (26mg、0.12mM、1.0当量)、ヘキサメチル二錫(266mg、0.81mM、6.75当量)、Pd(PPh3)4 (13.4mg、11.6μM、0.1当量)を溶解して得た溶液を、110℃にて1時間加熱した。この溶液を25℃に冷却し、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:10)による精製は、スタナン化合物26a(34mg、収率:95%)を、無色オイルとして与えた。
化合物26a: Rf = 0.59 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:5); IR (フィルム) νmax 2916, 2359, 1456, 1384, 1072, 771, 531 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.33 (s, 1 H), 4.07 (s, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 0.35 ppm (s, 9 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 169.6, 159.4, 126.5, 34.9, 15.7, -8.9 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C8H15NS2Sn+として計算) [M + H+]:309.9741;実測値:309.9729。
スタナン化合物26b:
【0123】
【化48】

【0124】
トルエン(7mL)に、ブロミド化合物25a(245mg、0.97mM、1.0当量)、ヘキサメチル二錫(2.2g、6.81mM、7.0当量)、Pd(PPh3)4(225mg、0.19mM、0.2当量)を溶解して得た溶液を、110℃にて1時間加熱した。この溶液を25℃に冷却し、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:10)による精製は、スタナン化合物26b(212mg、収率:63%)を、黄色オイルとして与えた。
化合物26b: Rf = 0.70 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:5); IR (フィルム) νmax 2982, 2915, 1694, 1455, 1354, 1133, 1073, 958, 772, 622, 532 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.28 (s, 1 H), 4.51 (s, 2 H), 2.37 (s, 3 H), 0.33 ppm (s, 9 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 194.1, 166.9, 159.7, 126.7, 30.2, 30.1, -8.9 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C9H15NOS2Sn+として計算) [M + H+]:337.9690;実測値:337.9687。
スタナン化合物28:
【0125】
【化49】

【0126】
THF (5mL)に、-78℃にて、n-BuLi (THF中2.15M、230μL、0.50mM、1.0当量)を溶解して得た溶液に、メチルシクロヘキサン(5mL)を、次いでTHF(5mL)に、1-メチル-1,2,4-トリアゾール化合物27(420mg、0.50mM、1.0当量)を溶解して得た溶液を滴添した。この反応混合物を、-78℃にて10時間攪拌し、n-Bu3SnCl(135μL、0.50mM、1.0当量)で反応を停止させた。次いで、この生成した塩を、不活性雰囲気下で濾過し、該生成物を減圧下(140℃/1 mmHg)に蒸留した。スタナン化合物28(154mg、収率:83%)を、白色オイルとして得た。
化合物28: IR (フィルム) νmax 3425, 2954, 2919, 1632, 1537, 1462, 1376, 1303, 1270, 1157, 1074, 994, 960, 875, 698 cm-1; 1H NMR (400 MHz, C6D6) δ = 8.19 (s, 3H), 3.45 (s, 3 H), 1.65-1.45 (m, 6 H), 1.36-1.16 (m, 6 H), 1.15-1.05 (m, 6 H), 0.86 ppm (t, J = 7.6 Hz, 9 H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ = 158.0, 153.0, 36.7, 29.2, 27.7, 14.0, 10.7 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C15H31N3Sn+として計算) [M + H+]:374.1613;実測値:374.1611。
アイオダイド化合物29aおよび29b:
【0127】
【化50】

【0128】
アイオダイド化合物29aおよび29bは、文献記載の手順に従って製造した[Lovely等, Heterocycles, 2003, 60:1; Carver等, Tetrahedron, 1996, 44:1831]。
スタナン化合物30a:
【0129】
【化51】

【0130】
THF(10mL)中に、アイオダイド化合物29a (400mg、1.20mM、1.0当量)を溶解して得た溶液に、25℃にて、EtMgBr (THF中3.0 M、400μL、1.20mM、1.0当量)を添加した。25℃にて1.5時間攪拌した後、n-Bu3SnCl (325μL、1.20mM、1.0当量)を添加し、この反応混合物を、更に6時間攪拌した。次いで、この反応を、飽和水性NH4Cl溶液(20mL)により停止させ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=3:7)による精製は、スタナン化合物30a(441mg、収率:74%)を、無色オイルとして与えた。
化合物30a: Rf = 0.42 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=6:4); IR (フィルム) νmax 3448, 2953, 2920, 2850, 1636, 1459, 1420, 1375, 1226, 1158, 1074, 941, 664 cm-1; 1H NMR (600 MHz, C6D6) δ = 7.34 (s, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 1.85-1.51 (m, 6 H), 1.55-1.36 (m, 6 H), 1.35-1.15 (m, 6 H), 1.06 ppm (t, J = 7.5 Hz, 9 H); 13C NMR (125 MHz, C6D6) δ = 142.9, 135.0, 97.1, 34.8, 29.6, 27.8, 14.0, 11.5 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C16H31I1N2Sn+として計算) [M + H+]:499.0627;実測値:499.0633。
スタナン化合物30b:
【0131】
【化52】

【0132】
THF(5mL)に、アイオダイド化合物29b (219mg、1.05mM、1.0当量)を溶解して得た溶液に、25℃にて、EtMgBr (THF中1.1 M、0.96mL、1.05mM、1.0当量)を添加した。25℃にて1.5時間攪拌した後、n-Bu3SnCl (0.29mL、1.05mM、1.0当量)を添加し、更に18時間攪拌した。この反応を、飽和水性NH4Cl溶液(20mL)により停止させ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=2:1)による精製は、スタナン化合物30b(309mg、収率:79%)を、無色オイルとして与えた。
化合物30b: Rf = 0.30 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=2:1); IR (フィルム) νmax 2955, 2925, 2870, 2852, 1518, 1463, 1417, 1376, 1218, 1180, 1102, 680, 617 cm-1; 1H NMR (600 MHz, C6D6) δ = 7.24 (s, 1 H), 6.57 (s, 1 H), 2.68 (s, 3 H), 1.83-1.69 (m, 6 H), 1.47-1.39 (m, 6 H), 1.27-1.14 (m, 6 H), 0.93 ppm (t, J = 7.4 Hz, 9 H); 13C NMR (125 MHz, C6D6) δ = 140.6, 140.3, 127.9, 31.7, 29.7, 27.8, 14.0, 10.2 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C16H32N2Sn+として計算) [M + H+]:373.1660;実測値:373.1671。
スタナン化合物32:
【0133】
【化53】

【0134】
THF(10mL)中に、25℃にて、トリブロミド化合物31 (495mg、1.56mM、1.0当量)を溶解して得た溶液に、EtMgBr (THF中3 M、520μL、1.56mM、1.0当量)を添加した。5分後に、n-Bu3SnCl (420μL、1.56mM、1.0当量)を添加し、得られた反応混合物を、1時間攪拌した。次いで、この反応混合物を、飽和水性NH4Cl溶液(10mL)により停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=5:95)による精製は、スタナン化合物32(710mg、収率:86%)を、黄色オイルとして与えた。
化合物32: Rf = 0.6 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=2:8; IR (フィルム) νmax 3436, 2919, 2843, 2849, 1453, 1355, 1197, 1108, 1073, 867, 667 cm-1; 1H NMR (500 MHz, C6D6) δ = 2.87 (s, 3 H), 1.44-1.54 (m, 6 H), 1.36-1.24 (m, 6 H), 1.12-1.06 (m, 6 H), 0.88 ppm (t, J = 7.5 Hz, 9 H); 13C NMR (100 MHz, C6D6) δ = 133.6, 127.3, 121.1, 35.6, 29.2, 27.5, 13.8, 11.1 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C16H30Br2N2Sn+として計算) [M + H+]:528.9870;実測値:528.9853。
スタナン化合物33:
【0135】
【化54】

【0136】
THF(5mL)中に、トリブロミド化合物31 (165mg、0.52mM、1.0当量)を、-78℃にて溶解して得た溶液に、 n-BuLi (THF中2.15 M、0.24mL、0.52mM、1.0当量)を添加した。5分後に、(MeS)2 (47μL、0.52mM、1.0当量)を添加し、この反応混合物を、同温度にて5分間攪拌した。n-BuLi (THF中2.15 M、0.24mL、0.52mM、1.0当量)の第二のアリコートを添加した。15分後に、(MeS)2 (47μL、0.52mM、1.0当量)を添加し、この反応混合物を5分間攪拌した。次いで、n-BuLi (THF中2.15 M、0.24mL、0.52mM、1.0当量)の第三のアリコートを添加した。15分後に、n-Bu3SnCl (140μL、0.52mM、1.0当量)を添加し、得られた反応混合物を、1時間攪拌した。この反応を、飽和水性NH4Cl溶液(10mL)により停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。併合した有機相をブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:10)による精製は、スタナン化合物33(200mg、収率:83%)を、白色オイルとして与えた。
化合物33: Rf = 0.75 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:5); IR (フィルム) νmax 2954, 2923, 2859, 2851, 1456, 1396, 1374, 1312, 1180, 1079, 961, 728, 693, 666, 600, 518 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 3.59 (s, 3 H), 2.61 (s, 3 H), 2.17 (s, 3 H), 1.68-1.45 (m, 6 H), 1.39-1.27 (m, 6 H), 1.20-1.00 (m, 6 H), 0.88 ppm (t, J = 7.3 Hz, 9 H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ = 150.1, 147.0, 133.3, 30.6, 29.1, 27.4, 21.5, 15.8, 13.7, 10.2 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C18H36N2S2Sn+として計算) C18H36N2S2Sn+ [M + H+]:465.1415;実測値:465.1412。
シンドン(Syndone)化合物34a:
【0137】
【化55】

【0138】
シンドン化合物34a、34bおよび34cは、文献記載の手順に従って製造した[Thoman等, Org. Synth. Coll., Vol. V, 962]。
スタナン化合物35a:
【0139】
【化56】

【0140】
混合キシレン(5mL)中に、シンドン化合物34a (6.0g、6.0mM、1.0当量)およびエチニルトリ-n-ブチル錫(2.83g、9.0mM、1.5当量)を溶解して得た溶液を、138℃にて7時間加熱した。 この反応を、25℃に冷却し、トルエン(20mL)で希釈し、H2O (2×15mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、得られた有機相を、減圧下で濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:10)による精製は、スタナン化合物35a(924mg、収率:41%)を、無色オイルとして与えた。
化合物35a: Rf = 0.55 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:5); IR (フィルム) νmax 2956, 2926, 2871, 2852, 1491, 1463, 1416, 1376, 1338, 1292, 1145, 1071, 874, 751, 688 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ = 7.41 (d, J = 1.4 Hz, 1 H), 6.32 (d, J = 0.7 Hz, 1 H), 3.95 (s, 3 H), 1.64-1.49 (m, 6 H), 1.39-1.27 (m, 6 H), 1.15-1.03 (m, 6 H), 0.89 ppm (t, J = 7.3 Hz, 9 H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ = 151.9, 129.6, 113.9, 38.3, 29.0, 27.2, 13.6, 9.7 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C16H32N2Sn+として計算) [M + H+]:373.1660;実測値:373.1658。
スタナン化合物35c:
【0141】
【化57】

【0142】
キシレン混合物(30mL)中に、シンドン化合物34c (1.65g、11.3mM、1.0当量)およびエチニルトリ-n-ブチル錫(5.31g、16.9mM、1.5当量)を溶解して得た溶液を、138℃にて5時間加熱した。この反応を、25℃に冷却し、トルエン(50mL)で希釈し、H2O (2×15mL)およびブライン(35mL)で洗浄し、得られた有機相を、減圧下で濃縮した。この得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:5)による精製は、スタナン化合物35c(1.42g、収率:30%)を、無色オイルとして与えた。
化合物35c: Rf = 0.53 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:10); IR (フィルム) νmax 2955, 2924, 2870, 2852, 1454, 1378, 1330, 1286, 1072, 957, 874, 799 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.30 (s, 1 H), 3.90 (s, 3 H), 2.38 (s, 3 H), 1.66-1.44 (m, 6 H), 1.38-1.27 (m, 6 H), 1.16-0.96 (m, 6 H), 0.88 ppm (t, J = 7.3 Hz, 9 H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ = 151.8, 135.6, 116.8, 36.3, 29.0, 27.2, 18.7, 13.6, 9.8 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C17H34N2SSn+として計算) [M + H+]:419.1537;実測値:419.1532。
スタナン化合物37a:
【0143】
【化58】

【0144】
MeOH (20mL)に、クロロプリン化合物36 (1.12g、2.46mM、1.0当量)およびt-BuOK (303mg、2.70mM、1.1当量)を溶解して得た溶液を、25℃にて10分間攪拌した。この反応を、減圧下で濃縮し、EtOAc(30mL)で液体状態に再現した。生成する固体を濾別し、EtOAc(3×10mL)で洗浄した。併合した有機相を、減圧下で濃縮した。得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(NEt3で予め洗浄したシリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:3→1:1)による精製は、スタナン化合物37a(113mg、収率:10%)を、無色オイルとして与えた。
化合物37a: Rf = 0.55 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); IR (フィルム) νmax 2954, 2926, 2869, 2852, 1591, 1561, 1455, 1375, 1338, 1310, 1215, 1069, 668, 617 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.78 (s, 1 H), 4.13 (s, 3 H), 3.84 (s, 3 H), 1.74-1.50 (m, 6 H), 1.40-1.28 (m, 6 H), 1.24-1.05 (m, 6 H), 0.86 ppm (t, J = 7.3 Hz, 9 H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ = 180.2, 158.3, 151.8, 141.3, 120.1, 53.5, 29.7, 28.9, 27.2, 13.7, 10.5 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C19H34N4OSn+として計算) [M + H+]:455.1827;実測値:455.1826。
スタナン化合物37b:
【0145】
【化59】

【0146】
i-PrOH (1mL)に、クロロプリン化合物36 (84mg、0.18mM、1.0当量)、NaSMe (129mg、1.84mM、10.0当量)およびt-BuOK (21mg、0.18mM、1.0当量)を溶解して得た溶液を、25℃にて15分間攪拌した。この反応を、減圧下で濃縮し、EtOAc(30mL)で液体状態に再現した。生成する固体を濾別し、EtOAc(3×10mL)で洗浄した。併合した有機相を、減圧下で濃縮した。得られた残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(フロリシル(FlorisilTM)、EtOAc:ヘキサン=1:3 → 1:1)による精製は、スタナン化合物37b (77mg、収率:89%)を、黄色オイルとして与えた。
化合物37b: Rf = 0.55 (シリカゲル、EtOAc:ヘキサン=1:1); IR (フィルム) νmax 2955, 2927, 2852, 1548, 1463, 1396, 1326, 1261, 1187, 1146, 942, 861, 756, 636 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 7.83 (s, 1 H), 3.85 (s, 3 H), 2.70 (s, 3 H), 1.73-1.54 (m, 6 H), 1.41-1.31 (m, 6 H), 1.27-1.09 (m, 6 H), 0.89 ppm (t, J = 7.3 Hz, 9 H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 180.0, 158.1, 147.9, 141.7, 130.1, 29.6, 29.0, 27.3, 13.7, 11.4, 10.6 ppm; HRMS (ESI-TOF):計算値(C19H34N4SSn+として計算) [M + H+]:471.1599;実測値:471.1596。
【0147】
本明細書において引用した各特許および文献を、参考文献としてここに組入れる。「一つの(“a” or “an”)」文献なる表現は、1種またはそれ以上を含むものとする。
上記の説明および実施例は、例示のためのものであり、本発明を限定するものと理解すべきではない。本発明の精神並びに範囲内の更に別の変形が可能であり、また当業者には容易に明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造において以下の一般式A-1、A-2、A-3またはA-4に相当する化合物:
【化1】

該一般式において、RAは以下の一般式で表される構造を持つ芳香族リングであり:
【化2】

ここで、該5-員環は芳香族であり、かつ、炭素以外の、少なくとも2つのリング構成原子を含み、X1、X2およびX3各々は、夫々独立に、S、NR1、N、CH、またはCR2であり;R1は、C1-C8-ヒドロカルビル基またはメチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基であり;またR2は、C1-C8-ヒドロカルビル基、O-C1-C8-ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、S-C1-C8-ヒドロカルビル基、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレンチオ-C1-C8-アシル基からなる群から選択されるが、X2がSであり、かつX3がCR2である場合には、R2は、C1-C8-ヒドロカルビル基またはS-C1-C8-ヒドロカルビル基以外の基であることを条件とし;あるいはX2およびX3は、前記5-員環構成の芳香族リングと縮合した、6-員環構成の芳香族リングを形成する。
【請求項2】
X1がCHである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
X1がNである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
X1がNR1である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
X1がCR2である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
X1がSである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
X2およびX3が、一緒に前記5-員環構成のリングと縮合した、6-員環構成の芳香族リングを形成する、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
X2がSである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
X2がNR1である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
X2がNである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
X2がCR2である、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
X3がCR2である、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
X3がCHである、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
X3がNR1である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
R1が、C1-C8-ヒドロカルビル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
R2が、C1-C8-ヒドロカルビル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
R2が、ハロ基である、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
RAが、以下の式で表される基である、請求項1記載の化合物:
【化3】

【請求項19】
構造において前記式A-1に相当する、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
構造において以下の一般式B-1、B-2、B-3またはB-4に相当する化合物:
【化4】

該一般式において、RBは以下の一般式で表される構造を持つ芳香族リングであり:
【化5】

ここで、R1は、C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレン-C1-C8-ヒドロカルビルエーテル基からなる群から選択され;またR2は、C1-C8-ヒドロカルビル基、O-C1-C8-ヒドロカルビル基、ハロゲン原子、S-C1-C8-ヒドロカルビル基、メチレンチオ-C1-C8-ヒドロカルビル基およびメチレンチオ-C1-C8-アシル基からなる群から選択される。
【請求項21】
R1がC1-C8-ヒドロカルビル基である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
R2がS-C1-C8-ヒドロカルビル基である、請求項20記載の化合物。
【請求項23】
R1がO-C1-C8-ヒドロカルビル基である、請求項20記載の化合物。
【請求項24】
R1がハロゲン原子である、請求項20記載の化合物。
【請求項25】
構造において以下の一般式C-1、C-2、C-3またはC-4に相当する化合物:
【化6】

該一般式において、RCは、以下の式で表される基からなる群から選択される構造を持つ、芳香族リングである:
【化7】

【請求項26】
構造において以下の式に相当する化合物:
【化8】

【請求項27】
構造において以下の式に相当する化合物:
【化9】

【請求項28】
構造において以下の式に相当する化合物:
【化10】

【請求項29】
製薬上許容される希釈剤に溶解または分散させた、請求項1記載の化合物を、製薬的に有効量で含むことを特徴とする、組成物。
【請求項30】
RAが以下の式で表されるものである、請求項29記載の組成物:
【化11】

【請求項31】
製薬上許容される希釈剤に溶解または分散させた、有効量で存在する、請求項19記載の化合物を含有する、薬理組成物。
【請求項32】
RBが以下の式で表されるものである、請求項31記載の組成物:
【化12】


【公表番号】特表2009−516753(P2009−516753A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542493(P2008−542493)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/060710
【国際公開番号】WO2007/062288
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(593052785)ザ スクリップス リサーチ インスティテュート (91)
【Fターム(参考)】