説明

高温電気化学装置用のインタロッキング組織及びその製法と使用法

高温で作用する電気化学セルの準備のもととなる層構成及び関連製法であり、多孔性セラミック層と多孔性金属支持体又は電流収集部が層間の相互貫通及び/又は金属表面の粗さによる機械的インタロッキングで結合されている。多孔性層は作用的電気化学電極を生成するため触媒物資が浸透されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体相電気化学装置に関する。特に、本発明は固体酸化物燃料電池、電解剤、酸素発生剤のような高温電気化学システムに好適な組織及びそれに関連する製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固体相電気化学装置の実施に使用されるセラミック材料は製造費が高く、(その脆弱性により)維持に難点があり、必然的に電気抵抗が高くなるものであった。装置を典型的に900°Cを超える高温で運行させることにより、抵抗は減少可能であろうが、このような高温での運行では装置の維持、及び殊に酸素電極の酸化的雰囲気における装置に使用すべき材料に関してかなりの障害となる。
【0003】
固体相電気化学セルの製造及び運行は周知のことである。一例として典型的な固体相酸化物燃料セル(SOFC)はセラミック酸素イオン導体の高密度電解質膜、典型的にセラミック−金属合成物(セルメット)でありセルの燃料側の電解質膜に接触する多孔性陽極層、及びセルの酸化剤側のイオン的又は電子的に導通性(MIEC)混合金属酸化物の多孔性陰極層から成る。電気は燃料(典型的に再生された炭化水素より生成された水素)と酸化剤(典型的に空気中の酸素)の間の電気化学反応によって発生する。
【0004】
従来、固体相酸化物燃料セル(SOFC)組織のような固体相電気化学装置の多くはセラミック又はセルメット材料のみから製造されていた。かように構成された従来の固体相電気化学装置におけるセラミック及びセルメット材料は、燃料セルでの活性材料及び構造的支持材の両方の機能を果たすものであった。このような従来例のSOFCにおいて、構造体内での隣接層は化学的結合、焼結、又は拡散結合によって接着される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高温で作動する電気化学セルを準備するための基礎となる層状構成及びそれに関連する製法を供するものである。種々の実施例において、この構成はイオン導通体から成る多孔性セラミック層、及び多孔性金層の支持又は電流収集層から成るものである。これら特種の層は、層の相互貫通及び/又は金属面の粗さによる機械的組み合わせ(インタロッキング)によって結合されている。多孔性の層は、機能的電気化学的電極を生成するために触媒性材料によって浸透されていてもよい。触媒材料は、構成の製造に必要な高温焼成工程の済んだ後に構成の中へ導入することができる。これにより、広範囲の触媒材料、例えばセラミック層間材料,金属材料、又は電解質材料と高温で反応するもの、又は構成の中のその他の材料と熱膨張係数が合わないものなどが使用可能となる。
【0006】
構造的支持又は電流収集部として多孔性金属を使用することにより、セラミック/セルメットの使用を薄手の活性層に限定することができる。実質的な費用の削減とセルの丈夫さとがこれによって達成される。しかしながら、金属層と隣接するセラミック層との焼結又は化学的結合とかは一般的に期待されているものではない。本発明は強固なインタフェイスが達成できるような金属層と隣接層との間の機械的インタロッキングを提供する。
【0007】
種々の実施例において本発明の構成は数々の利点を有する。少なくとも一つの層は金属(好適にフェライト系ステンレススチール)であり、これにより強度、構成的丈夫さ、構成の廉価などが達成される。機械的インタロッキングにより金属層と隣接層の間の少なくとも一つのインタフェイスが結合し、これはこれらの層の結合の維持に重要である。層間の相互貫通と金属粒子の粗さは、これらの層の間に化学反応や圧力の存在しない状態にあって、結合の唯一の基礎となる機械的インタロッキングを供するものである。この構成は、平面状、又は筒状のセルに応用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の一面において、電気化学装置構成が供される。この構成は多孔性金属層とセラミック層とを有し、このセラミック層と多孔性金属層とは相互貫通により機械的にインタロックされている。
【0009】
一実施例において、多孔性金属層、隣接する電極中間層、及び電解質が共焼結される。これは廉価な製造方法であり、焼結の間に層は一緒に縮小するため、これらの層の間の良好なインタロッキングを得ることができる。電気化学装置の全部を製造する層の一部又は総てを共焼結することができる。これら三層のみを共焼結することが往々好ましいが、それはこれによってその他の電極層を付ける前に電解質層を検査する機会が与えられるからである。
【0010】
関連する一実施例において、多孔性金属層と電解質層とが中間の電極層なしで共焼結される。この場合、電解質層は多孔性金属層とインタロックすることになる。
別の実施例においては、多孔性金属層とそれに隣接する電極中間層とが共焼結及び関連する縮小なしのインタロッキングにより結合される。これが起こるのは、金属層と隣接する電極層とがそれ以前に焼結された構成の上に焼成される場合であり、これは制約焼結(constrained sintering)と呼ばれる。関連する製造技術も供されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A),(B)は機械的にインタロックされた層から成る本発明による構成を略示す図。
【図2】(A)〜(H)は、本発明の種々な実施例に従った機械的にインタロックされたセラミック及び多孔性金属層を有する電気化学装置の任意的追加的な層を含む種々な構成を略示する図。
【図3】機械的インタロッキングが多孔性金属支持体と多孔性電極層とを結合する多層構成を有する本発明の実施例を示す図。
【図4】本発明による電気化学装置構成を製造する特種実施例の工程フローの詳細を示す図。
【図5A】例1に記述されるように製造された焼結された筒状構成の光学マイクログラフの断面像を示す図。
【図5B】例1に記述されるように製造された焼結された平面状構成の電子マイクログラフの断面像を示す図。
【図6】異なる金属支持粒子を有する本発明による二個の構成の作用特性を比較する図。
【図7】(A)〜(D)は、1300°Cで焼結の後達成した種々の孔構成を示すものであり、種々の金属支持体の密度と室温空気透磁率を示す図。
【図8】本発明によるYSZ電解質/多孔性YSZ/多孔性水−微粒化金属共焼結構成を示す図。
【図9】多孔性YSZ層と多孔性金属層の間の良好な結合に導く本発明による制約焼結された構成の中の機械的インタロッキングの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のこれら及びその他の利点は以下の詳細な記述によって図を参照して例示される。次に発明の特種実施例を詳細に参照することにする。特種実施例の例は図に示されている。発明はこれら特種実施例によって記述されるものの、これらの特種実施例によって発明が限定されると言う意味ではない。これに反し、後述の請求項で定義されるように、本発明の精神に則った代案、変化案、均等案などを含むものとする。爾後の記述において、本発明の完璧な理解のために特定の詳細が説明される。これら特種な詳細例には、特種の実施に使用されないものも含まれる。別の例として、本発明の実際の内容を不明確にしない目的から、周知の工程作動などの記述は割愛することとする。
【0013】
先に指摘された如く、従来のSOFC及びその他の高温電気化学装置の構成における隣接したセラミック及びセルメット層は化学的結合、焼結、又は拡散結合によって接合される。構造的支持又は電流収集部として多孔性金属を使用することにより、セラミック/セルメットの使用を薄手の活性層に限定することができる。実質的な費用の削減とセルの丈夫さとがこれによって達成される。しかしながら、金属層と隣接するセラミック層との焼結又は化学的結合とかは一般的に期待されているものではない。本発明は強固なインタフェイスが達成できるような金属層と隣接層との間の機械的インタロッキングを提供する。
【0014】
発明の一面において、電気化学装置構成が供される。この構成は多孔性金属層とセラミック層とを有し、このセラミック層と多孔性金蔵層とは相互貫通により機械的にインタロックされている。
【0015】
一実施例において、多孔性金属層、隣接する電極間層、及び電解質が共焼結される。これは廉価な製造方法であり、焼結の間に層は一緒に縮小するため、これらの層の間の良好なインタロッキングを得ることができる。層の一部又は総てを共焼結することができる。これら三層のみを共焼結することが往々好ましいが、それはこれによってその他の電極層を付ける前に電解質層を検査する機会が与えられるからである。
【0016】
関連する一実施例において、多孔性金属層と電解質層とが中間の電極層なしで共焼結される。この場合、電解質層は多孔性金属層とインタロックすることになる。
別の実施例においては、多孔性金属層とそれに隣接する電極中間層とが共焼結及び関連する縮小なしのインタロッキングにより結合される。これが起こるのは、金属層と隣接する電極層とがそれ以前に焼結された構成の上に焼成される場合であり、これは制約焼結と呼ばれる。
【0017】
種々の実施例において本発明の構成は数々の利点を有する。少なくとも一つの層は金属(好適にフェライト系ステンレススチール)であり、これにより強度、構成的丈夫さ、構成の廉価などが達成される。機械的インタロッキングにより金属層と隣接層の間の少なくとも一つのインタフェイスが結合し、これはこれらの層の結合の維持に重要である。層間の相互貫通と金属粒子の粗さは、これらの層の間に化学反応や圧力の存在しない状態にあって、結合の唯一の基礎となる機械的インタロッキングを供するものである。この構成は平面状又は筒状のセルに応用可能である。
(機械的インタロッキング)
本発明は、多孔性金属層とセラミック層とから成り、このセラミック層と多孔性金属層と相互貫通により機械的にインタロックされた電気化学装置を提供するものである。これらの相互貫通された層は金属及びセラミック層が機械的に噛み合うように遷移的境界面において同一空間的に広がるものである。これは、グリーンセラミック層を多孔性金属層に付けて、これを金属層の表面孔に入らせることによって達成できる。その後の焼結により、相互貫通されたセラミック及び金属が機械的にインタロックされ強固な境界面が達成される。
【0018】
層の剥離が片方又は両方の層の中で失敗することなしに可能でないならば、良好な機械的インタロッキングが達成されたことになる。機械的にインタロックされた層は遷移的境界面を通じて十分相互に結合し、その結合は高温電気化学装置で通常起こり得る力や条件に耐え得るものである。インタロックされた相互貫通は各種の方法で達成可能である。或る場合においては、セラミックの金属への相互貫通は多孔性金属層の金属粒子の表面層の中央点を越すものである。別の場合においては、金属層の表面での金属粒子の表面粗さが機械的インタロッキングの達成に使用できる。この粗面とは例えばテクスチャ、窪み、突起、及び非球形形状の中の少なくとも一つから成るものであってよい。或る場合によっては、両方の機構が提携的に起これば向上された強度が達成される。特種の実施例において、多孔性金属層の密度は60%未満である。
【0019】
図1Aは機械的にインタロックされた層102から成る本発明による構成100を略示するものである。多孔性金属支持体104とセラミック電極106の層は、層間に機械的結合を付与し、一つの層から次の層へとの電子及び/又はイオンの移動を容易にすべく、遷移的境界面108においてインタロックする。この構成は更に多孔性セラミック層106に隣接した高密度のセラミック層107のようなその他の層が含まれてもよい。滑らかな金属粒子の場合、良好な機械的結合を付与しないまま最小限程度の相互貫通が起こる可能性がある。それ故、セラミック106の金属104への相互貫通は多孔性金属層の金属粒子105の表面層の中央点を越すもの(例えば球形の金属粒子の赤道を越すもの)であり、層の剥離を妨げるべく丈夫な機械的インタロッキングを形成する。
【0020】
相互貫通が十分に起こるためには、金属層からバインダ、孔形成材、可塑剤などを除去することが必要となるかもしれない。多孔性金属は典型的に抽出可能な重合体又はNaCl又はKClのような微小粒子物質である孔形成材が金属の孔の中に残留する工程によって形成されるものである。この場合、本発明で要求されるような相互貫通を達成するためには、孔形成物質をセラミックとの境界面となる金属の表面の孔の少なくとも一部から除去することが一般的に必要である。これらの添加物は、多少の孔がグリーン金属層に生じて隣接層との相互貫通を供する限り、完全に除去することは必要ない。相互貫通が有限範囲内で制御された範囲内で起こるように、金属層の表面のみから添加物を除去することが望ましいかも知れない。例えば、可溶性の孔形成材を金属層に亘って組み込ませておき、短時間の間溶剤の中に浸したりしてそれを金属層の表面のみから除去してもよい。
【0021】
図1Bに示される代行実施例においては、構成110を本発明に従って形成すべく、セラミック層116との機械的インタロッキングを達成するのに、金属層114の表面における金属粒子115の表面粗さを使用してもよい。この構成110は、多孔性セラミック層116に隣接した高密度セラミック層117のようなその他の層を更に含んでもよい。金属粒子115が粗面である場合、より少ない相互貫通によってでも適当な機械的結合を達成することが可能である。このことは、電極層が薄くてすむということを含め、多くの理由により望ましいことである。表面の多種の粗さが利用可能であるが、一般的に粗さの度合いは粒子の大きさ又は相互貫通層の特徴的サイズと同程度もしくはそれより大きいものがよい。望ましい表面粗さの特種の種類としては、金属表面をテクスチャリング又はディンプリングしたもの、金属表面の突起、非球形(例えば、長方楕円形、輪形、樹状突起、繊維質、薄片状、星型、など)の金属粒子がある。
【0022】
金属の表面に粗さを与える好適な方法にはエッチング;沈殿/結晶化;金属粒子が焼結中に基本金属粒子の表面に結合するように微小な金属又は金属酸化物粒子を基本金属粒子又は電極層と混ぜ又は微小な金属粒子を相互貫通境界面の近くにつけて突起を生成;その代わりとして、焼結中に金属酸化物粒子が還元性雰囲気において金属粒子に変化し、焼結中に基本金属粒子の表面に結合するように、相互貫通境界面の近くに金属酸化物粒子を位置して突起を生成することを含むが、これらに限定されるものではない。金属粒子の形態を選択することは金属層と隣接層との間の強固な境界面に必要な相互貫通の程度に非常に影響するものである。金属粉は市場においてガス微粒化により製造される球形及び水微粒化により製造される粗形で入手可能である。水微粒化で得られた粉末の粗面は本発明にかかる機械的インタロッキングを供するのに理想的に好適である。
【0023】
本発明にかかる機械的にインタロックされたセラミック及び多孔性金属層を有する電気化学装置は任意的にその他の層を含んだ構成でよい。種々の実施例が図2A−Hに示されている。その各図において、*印は機械的にインタロックされた金属とセラミック層の根本的相互貫通境界面を示すものである。図示された構成及びその他の構成にはその他の相互貫通境界面が存在するかもしれない。すべての場合において、装置構成は平面状でも筒状でもあり得る。
【0024】
図2Aは高密度セラミック電解質204用の多孔性金属支持体202を有する二層の装置構成201を示す。金属支持体が触媒として作用する電気化学装置又は触媒浸透後適度の三重相境界が許容可能の場合にこの構成は有用である。特種の実施例において、セラミックがYSZであり、金属がフェライト系ステンレススチールであり得る。
【0025】
電気化学セルの場合により一般的に適応可能なその他の実施例において、多孔性金属層とインタロックするセラミック層も多孔性であり得る。このような層構成は多層セル又はセル部品構成を形成するために有用的に追加的な層と結合することができる。図2Bは固体相酸化物燃料セル部品として好適な電気化学装置用の多層構成を示す。多孔性金属層212とインタロックするセラミック層216は多孔性である。追加的高密度セラミック層214は多孔性セラミック層216に隣接する。多孔性セラミック層216と高密度セラミック層214とは同じセラミック構成でよい。
【0026】
本発明のいずれの構成においても、多孔性セラミック層(例えば216,256など)イオン的に導通性であってよい。また、導電体であっても、混合イオン的電気的導通体(MIEC)であってもよい。特種実施例において、多孔性と高密度の両方の層のセラミックがYSZ及び金属フェライト系ステンレススチールであり得る。
【0027】
種々の実施例において、電気化学的機能の供給又は向上のために多孔性セラミック 及び/又は高密度セラミックの表面に触媒が添加される。焼結中に通常温度に高感度である触媒が有害的に影響されないよう、共願中であり本願に参照して合同編入される国際特許出願PCT/US2006/015196に開示された浸透の如く、浸透は通常高温焼結の後に起こる。触媒構成の選択は、例えば酸素発生剤、電解剤、燃料セルなどの装置の機能を決定することになるかも知れない。また、触媒は多孔性セラミック層の中で、種々の様相に配置されてよい。例えば筒状の装置の場合、陽極が内側で陰極が外側,又は陽極が外側で陰極が内側でもよい。同様に平面状の装置の場合、陽極が支持体側で陰極が電流収集部側、又は陽極が電流収集部側で陰極が支持体側であってもよい。
【0028】
広範囲に亘って種々の触媒が使用可能である。例えば燃料セルに使用される触媒は一般に遷移金属又はランタニド系列元素から成る。燃料セル用に好適な陽極触媒にはNi,Co,Ru,及びCeOが含まれる。好適な陰極触媒は一般にランタニド系列元素とCo,Fe,Ni及びMnから成るグループより選ばれる遷移金属を含む。有用な特定例には、La1−xSrMn3−δ(1>x>0.05)(0.95<y<1.15)(LSM),La1−xSrCoO3−δ(1>x>0.1)Sr Co1−xSFe3−δ(0.3>x>0.2),La1−xSrCo1−yFe3−δ(1>x>0)(1>y>0) (LSCF), La1−xSrCo1−yMn3−δ(1>x>0)(1>y>0) (LSCM), LaNi1−xFe3−δ(1>x>0) (LNF),Pr2−xNi1+x4−δ(1>x>0) (PNO),Sm0.5Sr0.5CoO3−δ,LaNiO3−δ,LaNi0.6Fe0.43−δ, La0.8Sr0.2MnO3−δ,La0.65Sr0.35MnO3−δ,La0.45Sr0.55MnO3−δ, La0.6Sr0.4Co0.6Fe0.43−δ, La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83−δ, 上記の結合物、及びこれより少々化学量の変化したもの又は追加的ドーパントを有する類似のものが含まれる。
【0029】
図2Bを参照して記述された層以外に高密度セラミック層214に隣接する第二多孔性セラミック層227を有する装置構成が図2Cに示されている。図2Dには第二多孔性セラミック層227に近接する第二多孔性金属層238を有する装置構成が示されている。
【0030】
図2Dの構成は固体相燃料セルに実施されてもよい。この実施は更に詳細に図3を参照して記述される。図3は機械的インタロッキングが多孔性金属支持体312と多孔性電極1層316とが連結された多層構成を有する本発明の実施例が示している。機械的インタロッキングは金属電流収集部338/電極2 327境界面においても可能である。各層の重要な特徴について以下記載する。
【0031】
1.金属支持体312は厚さ約50−1000μm、密度50−70%で、電子的に導体であってよい。この層はセルの構造的基礎を供給するものであり、電極1のための電流収集部の役を果たす。
【0032】
2.電極1 316は厚さ約10−100μm、密度40−60%でよく、イオン的に導通性であり、電子的に導電性でよく、好適に電解質と同じ基本セラミック材料から成るものである。この層は電極1の構造的基礎とイオン導通経路とを供するものである。電極1は、触媒粒子又は触媒前駆物質の浸透によって完遂又は改良することができる。この過程は構成全体の焼結の後に起こり、共願中の国際特許出願PCT/US2006/015196に記載されたように実施されてもよい。電極1の孔の構成は以下の競合的必要条件を満足しなくてはならない:(a)大きい反応率を支持する大きい表面の広さ;及び(b)触媒の浸透を容易にし,且つ運転中のセル内への急速なガス拡散を可能にするために十分に大きい孔。これは小さい基本孔サイズ(例えば1μm未満)を有し、大きい孔サイズを層に亘って散在させることで達成できる。より大きな孔は揮発性、瞬時性(fugitive)、又は抽出可能な孔形成材を使用することで導入されてもよい。
【0033】
3.電解質314は厚さ約5−50μm、密度95%以上でよく、イオン的に導通性であり、電子的に絶縁体である。この層は電極1 316と電極2 327と接触するガスを隔離するものである。これは電極間のイオン流の通路を供給するものでもある。
【0034】
4.電極2、327は電極1 326と同じ特徴と機能を有し、電解質又は電極1と同じ又は異なる材料から製造されてよい。
5.金属電流収集部338は厚さ約50−1000μm、密度50−70%でよく、電子的に導電性である。この層は電極2 327のための電流収集部として機能する。これはセルを支持する必要がないので金属支持体312より薄手であってよい。この層338は多孔体、穿孔板、金属線、メッシュなどであってよい。この電極2 327が電子的に十分導電性であるならば、金属電流収集部338は必要でなくてもよい。
【0035】
一般的に、電極316、327の両者と電解質314との間の境界面は高温焼成中の化学的、焼結又は拡散結合によって強固なものと期待されている。それと対照的に、金属/電極312/316、338/327境界面のなかの少なくとも一つは薄手の電極/電解質層と厚手で強固な金属層との間の強固な結合のために相互貫通が必要である。
【0036】
本発明はこれら上記の層の間の追加的な層についての可能性を提供するものである。例えば、相互拡散又は化学反応を防ぐためにこれらの層の間にバリヤ層を挿入してもよい。
本発明の電気化学装置構成の一特種例において上記の層を製造するのに使用される材料は以下のものである:(1)多孔性のFe−Crに基づくフェライト系ステンレススチール;(2)多孔性YSZ;(3)高密度YSZ;(4)多孔性YSZ;(5)多孔性のFe−Crに基づくフェライト系ステンレススチール。焼結の後、多孔性YSZ層は触媒(例えば陰極用にLSM、陽極用にNi)によって浸透される。
【0037】
本発明の電気化学装置構成の第二特種例において層の製造に使用される材料は以下のものである:1)多孔性のFe−Crに基づくフェライト系ステンレススチール;(2)多孔性YSZ;(3)高密度YSZ;(4)多孔性Ni−YSZ;(5)多孔性のFe−Crに基づくフェライト系ステンレススチール(任意的)。焼結の後、多孔性YSZ層は触媒(例えばLSM)によって浸透される。多孔性Ni−YSZ層も性能向上のため触媒(例えばNi,Ru,ドーピングされたセリアなど)によって浸透されてよい。層(5)の多孔性金属はNi,NiCr,などであってよく、もしNi−YSZ層の面内導電率が電流収集を効率よく達成可能な程度に十分高いものであれば不必要である。
【0038】
第三特種例が第二特種例と異なるのはNi−YSZ層が代行的陽極構成で置換されることのみである。
上記のような電気化学装置構成は以下の例で詳細に記述されるように平面状又は筒状に製造されてよい。
【0039】
本発明に従って、その他各種の電気化学装置構成が考慮されている。図2Eには多孔性金属(例えばFeCr)層242とインタロックする多孔性セラミック層246を有する装置構成が示されている。多孔性セルメット(例えばNi−YSZ)層245がこの多孔性セラミック層246に隣接し、高密度セラミック(例えばYSZ)層244がこの多孔性セルメット層245に隣接している。この構成において、この多孔性セラミック層246はセルメットの金属成分(例えばNi)と多孔性金属層242間の相互拡散を妨げるものである。
【0040】
図2F−Hは固体相燃料セル、電解剤、又は電気化学流動反応器に使用可能なセルメット陽極を組み込んだセル用の装置構成を示すものである。図2Fの構成は多孔性金属(例えばFeCr)層252とインタロックした多孔性セラミック(例えばYSZ)層256を有する。高密度セラミック(例えばYSZ)層254がこの多孔性セラミック層256に隣接し、多孔性セルメット(例えばNi−YSZ)層257がこの高密度セラミック層254に隣接している。この構成において、この高密度セラミック層254を電解質として、この多孔性セラミック層256は固体相燃料セル又は電解剤のための陰極とし、このセルメット層はその陽極として機能することができる。図2Gはセルメット層の面内導電率が効率よい電流収集には不十分の場合であり、例えばこの他の実施例について上記されたような多孔性金属層のような任意的な金属電流収集部258がセルメット層257に隣接されてもよい。この場合、図2Hに示される如く、セルメット電極257と電流収集部258の間の電子移動を容易にするため電子的に導電性のあるペースト259が任意的に使用されてもよい。
(製造法)
本発明は電気化学装置構成の製造法をも提供するものである。かような方法とは多孔性金属層を用意する工程と、上記多孔性金属層にグリーンセラミック層を付ける工程と、これらの層を共に焼結する工程とから成り、上記セラミック層と上記多孔性金属層が多孔性金属とセラミックの相互貫通により機械的にインタロックされることになるものである。このセラミック層は焼結の後高密度又は多孔性であってよい。焼結前において、焼結によって高密度となるセラミック層を多孔性セラミック層に隣接して更に付けることも可能である。用意される多孔性金属層はグリーンのものでも、素焼きのもので三層が共焼結されるものでもよい。代行的に、用意される多孔性金属層は付けられるセラミック層の焼結前に焼結されてもよい。
【0041】
本発明の電気化学装置構成の製造の実施例の詳細が図4に示され、以下において記述される。望まれる構成を製造するための一般工程を以下のプロトコルが示すものであるが、構成の製造性の向上のため、可能な限り工程を組み替えたり、省略したり結合したりすることが望ましい。
【0042】
構成を準備するための工程フローが図4において数字401−411によって略示される。各工程が以下において詳述される。
工程401においてグリーン金属支持体が一般的に金属粉をバインダと孔形成材と混合することによって準備される。低グリーン密度とするために孔形成材が使用されるのであるが、このことは焼結後に、工程408での電解質の焼結に匹敵する高縮小率を供しながら高多孔性を維持するのに重要なのである。グリーン体の形成は押し出し、テープキャスティング、スクリーン印刷、静圧法(isostatic presssing)、ロール圧縮、回転成型、ダイ圧縮、注入成型、及びその他の当業者に公知の従来の粉形成技術によるものでよい。
【0043】
工程402では還元性雰囲気において完全に揮発されないバインダ又は孔形成材が工程403前に除去される。除去は溶媒抽出、空中での燃料切れ、昇華などで達成される。もしバインダや孔形成材が還元性雰囲気(例えばアクリル、PMMAなど)内での加熱によって除去され得るものであるならば、工程402は不必要である。金属支持体と電極層との相互貫通を達成するために、少なくともバインダ及び/又は孔形成材の部分的除去が望ましい。
【0044】
工程403においては、操作強度を得るために金属支持体が還元性雰囲気内で素焼きされる。素焼きでの縮小が起これば、共焼結(工程408)での電解質の縮小の総量にマッチするための縮小の量が減少することになる。高温により高強度となり、素焼きでの縮小が減少する。素焼きの温度は上記の要素をバランスすることで決定される。
【0045】
工程404において、電極1中間層前駆物質が付加される。この電極1中間層前駆物質は、電極1の最終的多孔性を増加する必要があるならば、イオン導通性中間層物質、バインダ及び孔形成材とから成る。この前駆物質は電極1中間層に導電性、混合導通性、又は触媒を与える物質を更に含んでもよい。中間層前駆物質は浸潤コーティング、エアロソル噴霧、スクリーン印刷、ブラシ塗付、キャストテープのラミネイション、又はその他当業者に公知の技術で付加されてよい。中間層と金属支持体とは、共焼結の後本発明に従って層間の機械的インタロッキングを達成するために相互貫通しなくてはならない。この工程404は工程403の前であってもよい。その場合、金属支持体孔形成材は中間層前駆物質を付ける前に部分的又は完全に除去され、中間層と金属支持体とが相互貫通して結合を向上して居なくてはならない。
【0046】
工程405では素焼きが実施されて中間層からバインダと孔形成材とが除去され、操作強度が得られる。焼成工程で金属支持体が酸化しないように、還元性雰囲気が使用される。還元性雰囲気でバインダ又は孔形成材が除去出来ない場合には、素焼きの前に空気燃焼又は溶媒抽出などで除去しなくてはならない。焼成の温度は中間層内の操作強度向上する高さであり、しかも起こる金属支持体焼結の量を最小化する低さであるように選択される。 共焼結工程408での電解質層の縮小にマッチすべく、可能な限りの利用可能な縮小が保持されるべきものである。
【0047】
工程406においては、エアロソル噴霧、ブラシ塗付、浸潤コーティング、スクリーン印刷、キャストテープ層のラミネイション、図案転写、又はその他当業者に公知の技術で電解質が付加される。後続での操作によってグリーン電解質が剥離することを防止し、叉共焼結の最中での良好な結合を向上させるため、電解質と中間層1との間に或る程度の相互貫通のあることが望ましい。アエロソル噴霧による堆積の場合、構成の金属支持体側に真空を適応してグリーン電解質を或る程度中間層1へ引き込むことにより、相互貫通が大いに援助される。
【0048】
工程407においては、共願US2003/0021900A1に記載されている如く、電解質層は高密度としてグリーン強度を増加するように圧縮されてもよい。静圧法(金属支持体側と電解質側とに圧力)は便利な圧縮の方法である。他の方法(例えばカレンダリング)も可能である。圧力は金属支持体や中間層1構成を損傷せずにグリーン電解質の圧縮が達成できる程度に十分高い必要がある。電解質と金属支持体の縮小がよくマッチしている場合には、圧縮は不必要であるが、圧縮することにより、より広範囲の金属支持体焼結特徴が可能となり、支持体合金や粒子形態の選択の自由度が拡大する。図案転写やキャストテープに適応のような支持なしの電解質膜の場合、電解質膜は工程406の前に任意的に圧縮することが可能である。
【0049】
工程408においては、最初の三層が還元性雰囲気で共焼結される。工程402に関して上記された如く、グリーン電解質バインダが還元性雰囲気で揮発性でないならば、空気燃焼、溶媒抽出などによるバインダ除去は共焼結以前に行われることができる。構成は電解質の完全な高密度化を保証する温度まで共焼結されてよい。構成は下記の工程411で完全な高密度化な低温まで共焼結されてもよい。この筋書きの場合、工程411の間に或る程度の縮小が構成に起こり、電極2中間層の結合及び電子的及びイオン的運動特性が向上する。
【0050】
電解質を次々の層で覆うに先立って電解質層の品質管理が実行可能である。もし電解質層の目視による品質管理が不必要ならば、逐次的の層は任意的に焼結の前に付加されてよい。
【0051】
工程409においては、電極2中間層前駆物質が付けられる。この電極2中間層前駆物質はイオン導通性の中間層材料と必要な場合電極2の最終的多孔性を増加するために 孔形成材とから成る。前駆物質は更に導電性、混合導通性、又は電極2中間層への触媒を更に含んでもよい。中間層前駆物質は浸潤コーティング、エアロソル噴霧、スクリーン印刷、又はその他当業者に公知の技術で付加することができる。
【0052】
工程410においては、任意的な金属電流収集部がペースト、テープ、バインダや 孔形成材をも含んでよい金属粉の圧縮又は成形された材料として付加される。バインダ及び孔形成材(必要な場合)とは還元性の雰囲気で揮発性でないならば除去される。代行的に電線,メッシュ、フェルトなどの電流収集部の場合、この電流収集部は工程411の後に付加されてもよい。
【0053】
工程411では構成が還元性雰囲気で焼結される。
構成が完成した後、触媒材料の電極内への浸透、多孔性金属層の塗布など上記の追加工程が可能である。
(例)
本発明に従って相互貫通によって機械的にインタロックされたセラミック及び金属層を有する電気化学装置の実施及び利点に関する詳細が以下の実施例によって提供される。以下のものは例示のためのみであり、発明はこれらの実施例の詳細によって限定されるものではないと認識されるべきである。
【0054】
如何に上記の方法が使用されて機械的インタロッキングを有する層状構成が製造されるかの特種実施例が以下に記載される。各工程の詳細が提供される。

例1:多孔性金属/多孔性YSZ/高密度YSZ/多孔性YSZ/多孔性金属から成る筒状構成
1.水微粒化されたフェライト系スチール粉(15−75μm)をアクリル水性分散(固体15重量%)、ポリエチレングリコール(PEG)6000,及びメタアクリル酸ポリメチル(PMMA)孔形成用ビーズ(45−106μm)と10:2:0.5:1.5の比率(金属/アクリル溶液/PEG/PMMA)で混合する。混合物を加熱して水分を除去し、PEGを溶解し、アクリルを救治(cure)する。結果として得られる固体を粉砕し,篩いにかけて150μm以下にする。この粉末を低温静圧プレスにかけてグリーン金属支持体チューブを形成する。
【0055】
2.PEG(還元性雰囲気で揮発しない)はグリーン支持体を水に浸潤させて抽出する。アクリルとPMMAは残るが、後に素焼き工程で除去される。
代行的に、PEG、PMMA及びアクリルは空気中において約525°Cでの焼成工程で除去することができる。此の温度は金属を酸化せずにアクリルを完全に除去するように選ばれるものである。これによって得られる脆弱なグリーン体は素焼きまで丁寧に扱うことが必要である。
【0056】
3.金属支持体500は4%水素/アルゴン中約1000°Cで素焼きされる。
4.電極1中間層502の初期堆積は支持用チューブの外側に粘着性ペンキをブラシで塗布することで達成される。ペンキは金属支持チューブの孔を貫通し、金属粒子間の間隙をつなぎ、次の工程における電極1中間層の残りの堆積用に平滑な表面を与える。ペンキは水性アクリル(42重量%アクリル)、YSZ粉末(例えばTosoh 8YS),0.5−3.5μmアクリル孔形成ビード,及び7−11μmアクリル孔形成ビードを0.96:0.54:0.2:0.6の重量比で含むものである。チューブはその後アクリルバインダ及び孔形成材を除去するために空中において525°Cで解体される。
【0057】
5.電極1中間層堆積はチューブを[144g イソプロピルアルコール(IPA)、4.8g PEG300,48g YSZ粉(例えばTosoh 8YS),2.86g 0.5−3.5μmアクリル孔形成ビード,2.86g 7−11μmアクリル孔形成ビード]のスラリの中で浸潤塗布することで終了する。所望の厚さの平滑な膜を製造するのに必要な1−4回の塗布の間に構成は完全に乾燥する。PEG 300は適当な浸潤塗布のために粘性を増加するようにスラリに添加される。アクリル孔形成ビードは最終的に中間層構成の多孔性を増加させるために添加される。より大きな孔形成ビードにより、触媒材料の浸透及び構成内への急速なガス拡散を支持するために好適な孔のネットワークが供される。より小さい孔形成ビードを使用すれば、電気化学反応率を高く支持するために表面積を大きく保持しながら構成への触媒貫通を向上することもできる。
【0058】
代行的に、電極1中間層堆積は水性アクリル(15重量%アクリル),YSZ粉末(例えばTosoh 8YS),0.5−3.5μmアクリル孔形成ビード,及び7−11μmアクリル孔形成ビードを2.7:0.54:0.2:0.6の重量比で含むペンキをブラシで塗布して完成することができる。 所望の厚さの平滑な膜を製造するのに必要な5−50回の塗布の間にペンキは完全に乾燥する。
【0059】
6.電極1中間層は4%H2/アルゴン中約1050°Cで2時間金属支持体の上へ素焼きされる。
7.電解質504層がYSZ粉末(例えばTosoh 8YS),IPA,メンハデン魚油(MFO)、ヂブチルフタレート(DBT),ポリ(ブチラル−コ−ビニルアルコール−コ−ビニルアセテート)(PVB)の分散[重量比20:60:0.4:4:0.4]からエアロソルスプレイ工法で付着される。 MFOとDBTとは分散剤及び可塑剤として作用し、PVBはバインダとして作用し、次の工程における電解質層の圧縮の援助をする。スプレイ工程の際、金属支持体の内部に任意的に真空が適応される。
【0060】
8.電解質層は任意的に1−5kpsiで静圧法により圧縮される。電解質層を圧縮容器から保護するために縮小包装されたポリエステル膜が使用される。
9.構成はDBT,PVB及びMFOの除去のために空気中において525°Cで焼成される。その後4%H2/アルゴン中約1300°Cで4時間共焼結される。
【0061】
10.電極2中間層506は水性アクリル(15重量%アクリル),YSZ粉末(例えばTosoh 8YS),0.5−3.5μmアクリル孔形成ビード,及び7−11μmアクリル孔形成ビードを2.7:0.54:0.2:0.6の重量比で含むペンキをブラシで付加される。5−50回又は7−15回の塗布が行われ、毎回完全に乾燥させられる。
【0062】
11.金属電流収集部508が国際出願PCT/US2006/029580(その内容は本願に参照して合同編入される)に記載された如く付加されるが、ここにおいて 焼結中に起こる放射方向の圧縮圧力は各筒状部品を次の部品へと縮小させて行き、結合された同心筒体が形成される。この例における工程1−3に従って素焼きされた電流収集部が用意される。金属支持体とYSZを含む層とから成る筒の回りに電流収集部の袖部が位置される。次の焼結工程においてこの電流収集部の袖部が筒の上へと縮小する。
【0063】
12.層状構成の全体が4%H2/アルゴン中約1300°Cで4時間焼結される。一般的に、金属支持体、電極1中間層、及び電解質の共焼結はこれらの層の焼結曲線を細心に照合することで向上される。殊に電解質層は焼結の初期段階において相対的に脆弱であり、金属支持体と電解質の焼結曲線の間に照合エラーがあると電解質層のひび割れの原因となる。焼結工程の後段階にあっては、電解質は十分に強度があり、金属支持体との多少の照合エラーには耐えうる。しかし、電解質の強度が十分となるまで、金属は最初電解質を圧縮して保持し、電解質と同様又はよけいに縮小するものであるべきである。工程プロトコル、合金構成、金属粒子の形態、金属粒子のサイズ、及びグリーン金属の密度を好適に選択することにより、焼結の初期段階において電解質膜よりよけいに縮小する金属支持体を供することができる。
【0064】
この例で記述されたように製造された焼結構成の画像が断面図として図5Aに示される。
例2:多孔性金属/多孔性YSZ/高密度YSZ/多孔性YSZ/多孔性金属から成る平面状構成
工程は実質上上記例1で示されたものと同様であるが、金属支持体510がダイでプレスした平面状FeCr下地層である。電流収集部518はペースト[96重量%金属、2重量%YSZ,バインダとして2重量%ヒドロキシプロピルセルローズ(HPC)、ペーストとして広げるのに十分なIPA]として付加される。向上された接合のために、本願と共通して譲渡された共願で内容を本願に参照して合同編入される出願PCT/US2005/043109に記載された如く、金属粒子はYSZによって飾られる。電極1 512、電解質514、及び電極2 516成分は例1に記載されている。
【0065】
かような構成の画像は断面図として図5Bに示される。
例3: 多孔性金属/多孔性YSZ/高密度YSZ/多孔性Ni−YSZ/任意的多孔性金属から成る平面状又は筒状構成
工程は実質上上記例1及び2で示されたものと同様であるが、電極2中間層はNiとYSZとから成る。電極2中間層は水性アクリル(15重量%アクリル),YSZ粉末(例えばTosoh 8YS),Ni 粉末、0.5−3.5μmアクリル孔形成ビード,及び7−11μmアクリル孔形成ビードを2.7:0.27:0.27:0.2:0.6の重量比で含むペンキをブラシで付加される。5−50回又は7−15回の塗布が行われ、毎回完全に乾燥させられる。
【0066】
例4−焼結における膜の縮小
金属支持体/電極1中間層/電解質の三層構成が種々の金属合金及び粒子特性で用意された。図6は異なる金属支持体粒子の2個構成の作用特性を比較する図である。ダイヤモンドでのデータは支持なしで立っている厚さ20μmのYSZ膜の縮小を温度の関数としたものである。1000°C以上の温度でYSZは焼結を始め、1300°Cまでで完全に密となる。25−38μm 434合金粒子(三角形)と38−45μm 17−4−PH合金粒子(正方形)も種々の温度で焼結され、それらの焼結曲線が決定された。1300°Cにおいて、両方の金属ともYSZと同様な総縮小が経験された。1200°C以下では金属434支持体がYSZよりややよけいに縮小し、17−4−PH支持体がやや少なめであることが認められる。
【0067】
同様なYSZ膜が次にこれら2種類のフェライト系ステンレススチール粉から成る金属支持体に多孔性YSZ電極中間層を金属支持体と電解質の間にして付加された。次にこれらの三層構成は1300°Cまでで焼結された。434合金の場合、割れ目のない密な電解質膜が得られた。17−4−PH合金の場合には、YSZ電解質膜の中に多くのストレスによる割れ目が観察された。これらの割れ目は膜が金属支持体によって張力のもとに保持されて居たため、焼結の初期段階(1200°C以下)で起こった。適切な焼結行動性を有する金属支持体は割れ目のない電解質を維持することができる。
【0068】
電極中間層なしで、薄手のYSZ膜と金属支持体とを共焼結することが可能であるが、最小限度の結合が支持体と電解質の間に達成される。電極中間層が存在すると、これが金属支持体と相互貫通するために非常に向上した結合が起こる。
【0069】
例5−縮小のマッチング−金属粒子サイズ
焼結された金属支持体の多孔性を増加するために、できるだけ大きいサイズの金属粒子を使用するのが望ましいが、金属粒子サイズの増加につれて、与えられた温度での焼結の程度が減少する。それは兎に角、金属粒子サイズが増加すると、縮小がマッチしないことにより、割れ目が生じたり、多孔性の電解質層が生成されたりすることがある。篩いにかけられて25μm未満、25−38μm、38−45μm、及び45−53μmとされた434合金粒子で用意された金属支持体の場合そうであると発見されている。 金属支持体/電極中間層/YSZ電解質層の三層構成が1300°Cで4時間、加熱率3.33°C/分で共焼結された。最小の二つのサイズ区分でのみ密な電解質膜が得られた。より大きい二つの金属粒子サイズに支持されたYSZは共焼結の後割れ目があり、多孔性であった。加熱率を上昇させるとYSZとより大きい金属粒子の相対的焼結行動が調節され、マッチングされた共焼結が達成されることが発見された。加熱率が20°C/分であると、密で割れ目の無いYSZ電解質膜がより大きい二つの粒子サイズからなる金属支持体の上で好適に共焼結された。これは急速の加熱によりYSZの焼結曲線が金属のそれより遅れたからであると信じられる。
【0070】
例6−縮小のマッチング−瞬時的孔形成材
金属支持体と電極1中間層の縮小を電解質の縮小とマッチしたものとし、これらの層の高度の最終的多孔性を維持したまま達成するには孔構成の入念な制御が必要である。この金属支持体及び両方の電極中間層に瞬時的孔形成材を添加することが有用であると発見された。
【0071】
例1の工程1−3に従って金属支持体チューブが用意された。或る場合にはPMMAの孔形成ビーズが同重量のPEG6000によって置換された。種々の金属粒子サイズ(25μm未満、25−38μm、38−45μm、及び45−53μm)が使用された。1300°Cで焼結の後達成された種々の孔構成が図7A−Dに示される。図7A−Bは種々の金属支持体の密度と室温における空気浸透性を示し、夫々PEG6000:PMMAの孔形成材成分比100:0(孔形成材なし)と25:75(若干の孔形成材)の場合のPMMA孔形成材成分の効果を示す。図7C,Dは夫々PEG6000:PMMAの孔形成材成分比が25:75で一定の場合の金属粒子サイズの影響を示す。明らかに孔形成材のビーズを添加すると支持体の浸透性と多孔性が増加し、軽量の構成と支持体内の良好なガス運動が可能となる。金属粒子のサイズを増加すれば、一般に多孔性と浸透性が向上する。同様な金属支持体で用意されたセルの電気化学的テストの示すところによれば、セル限定電流即ち最大電力密度は支持体多孔性及び浸透性の増加に従って実質的に増加する。好適な支持体とは従って密度60%である。
【0072】
例7−相互貫通の利点
例1の工程4において粘着性のペンキが電極1中間層の初期層として使用された。このペンキは金属支持体と相互貫通し、金属粒子間の間隙を架けわたす。種々のYSZ:孔形成材の割合がこのペンキの形成に使用されて来た。すべての場合において架橋と相互貫通の機能は達成されたが、孔形成材が高成分である場合(例えばYSZ:孔形成材の比が1:9重量)、相互貫通する境界面の構成的完全性が危うくなった。金属支持体/多孔性YSZ/YSZ電解質構成の共焼結は成功であったが、金属支持体/多孔性YSZ境界面は構成の両端を臘付けで密封するとき不成功であった。電解質と多孔性YSZの大きな薄片が臘付けの後落ちて来た。この観察は相互貫通する境界面の機械的完全性は構成の頑丈さに有利であることを指摘するものである。金属支持体と電極1中間層の間の相互貫通なくしては、構成的完全性は殆ど得られないと信じられる。
【0073】
例8−機械的インタロッキング特性
図8はYSZ電解質/多孔性YSZ/多孔性水微粒化金属共焼結構成を示す。金属とYSZ層の間の相互貫通が金属粒子の焼結と粗化に影響することに留意される。画面の右側で相互貫通より離れた箇所において、金属粒子は丸みをおび、極めて良好に焼結されている。YSZが金属層と相互貫通する箇所で、金属は粗さと多孔性をよけいに保持している。これは金属とYSZとの機械的インタロッキングの面で有利である。
【0074】
例9−焼結技術
共焼結と制約焼結と両方の場合において機械的インタロッキングを達成するのは可能である。例2の金属電流収集部と電極2中間層とは制約焼結される。図9は多孔性YSZ層904と多孔性金属層902との間に良好な結合を齎す制約焼結された構成の中の機械的インタロッキングの別例を示す。この場合、YSZ電解質円板906が1400°Cにおいて最大密度にまで予め焼結された。多孔性YSZ層が次に23重量%PEG−300と77重量%YSZから成るペーストとして付加され、更に多孔性金属層が96重量%17−4PHステンレススチール、2重量%YSZ、バインダとして2重量%ヒドロプロピルセルローズ(HPC)、及び広げることができるようなペーストを作るのに十分な量のIPAから成るペーストとして付加された。この金属層が付加されることによって、多孔性YSZ層ペーストは金属粒子の間と周辺を流れ、これらの層の相互貫通を作成した。構成の全体が次に還元性雰囲気中1300°Cで焼結され、良好な結合が金属とYSZ層の間に達成された。この例において対向電極がないのは、このサンプルが金属−YSZ結合の試験のみを目的とし、電気化学的活動の為のものではなかったからである。多孔性YSZ及びNi−YSZを含み、広範囲に亘る多種の対向電極をつけた同様な構成が可能である。
【0075】
(結論)
上記の発明は明確に理解さるべく詳細に記述されたものであるが、或る程度の変更が発明の意図のもとで可能であることは明白であろう。殊に、本発明は固体相酸化物燃料セルにおける多孔性フェライト系スチール及びYSZ層を参照して記述されたものであるが、本開示によって当業者に明白であるようなその他の物質のコンビネイションならばSOFC又は酸素発生剤、電解剤、電気化学流動反応器などのようなその他の電気化学装置に使用可能である。本発明の構成及び工程にはその他の代行的実施法のあることは認めるべきことである。従って、上記の実施例は例示の為であり、限定的なものではなく、本発明は此処に呈示された詳細によって限定されるものではない。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図2F】

【図2G】

【図2H】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性金属層とセラミック層とより成り、上記セラミック層と上記多孔性金属層とが相互貫通により機械的に組み合ったものである、電気化学装置構成。
【請求項2】
上記セラミック層が高密度のものである、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
上記セラミック層が多孔性のものである、請求項1に記載の構成。
【請求項4】
更に、多孔性セラミック層に隣接した高密度セラミック層から成る、請求項3に記載の構成。
【請求項5】
上記多孔性セラミック層がイオン的に導通性である、請求項4に記載の構成。
【請求項6】
上記多孔性セラミック層と上記高密度セラミック層とが同じセラミック構成である、請求項5に記載の構成。
【請求項7】
上記セラミックがYSZである、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
金属がフェライト系ステンレススチールである、請求項7に記載の構成。
【請求項9】
多孔性YSZが遷移金属又はランタニド系列元素から選ばれる元素より成る陰極触媒によって浸透されたものである、請求項7に記載の構成。
【請求項10】
上記陰極触媒がLSM,LNF,LSCF,PNO,LSCM又はこれらの組み合わせから成るグループより選ばれるものである、請求項9に記載の構成。
【請求項11】
上記セラミックスがYSZである、請求項2に記載の構成。
【請求項12】
金属がフェライト系ステンレススチールである、請求項11に記載の構成。
【請求項13】
多孔性YSZがNi粒子によって浸透されたものである、請求項7に記載の構成。
【請求項14】
更に、上記高密度セラミック層に隣接した第二多孔性セラミック層を有する、請求項4に記載の構成。
【請求項15】
更に、上記第二多孔性セラミック層に隣接した第二多孔性金属層を有する、請求項14に記載の構成。
【請求項16】
更に、上記多孔性金属層に隣接した多孔性セルメット層を有する、請求項3に記載の構成。
【請求項17】
更に、上記多孔性セルメット層に隣接した高密度セラミック層を有する、請求項16に記載の構成。
【請求項18】
更に、上記高密度セラミック層に隣接した多孔性セルメットを有する、請求項4に記載の構成。
【請求項19】
更に、上記多孔性セルメット層に隣接した多孔性金属層を有する、請求項18に記載の構成。
【請求項20】
導電性ペーストが多孔性金属層と隣接した多孔性セルメット層との間の電子の移動を容易にするものである、請求項19に記載の構成。
【請求項21】
平面形である、請求項1に記載の構成。
【請求項22】
筒形である、請求項1に記載の構成。
【請求項23】
上記金属層の密度が60%未満である、請求項1に記載の構成。
【請求項24】
上記多孔性金属層が粗面を有する金属粒子から成るものである、請求項1に記載の構成。
【請求項25】
上記粗面がテクスチャ、窪み、突起、及び非球形形状の中の少なくとも一つから成るものである、請求項24に記載の構成。
【請求項26】
セラミックの金属への相互貫通は多孔性金属層の金属粒子の表面層の中央点を越すものである、請求項1に記載の構成。
【請求項27】
上記装置は固体酸化物燃料セル又はその部品であり、多孔性セラミックスは電極であり、高密度セラミックスは電解質であり、多孔性金属は構成的支持と電流収集の中の少なくとも一つを供給するものである、請求項1に記載の構成。
【請求項28】
多孔性金属層を用意する工程と、
上記多孔性金属層にグリーンセラミック層を付ける工程と、
これらの層を共に焼結する工程とから成り、
上記セラミック層と上記多孔性金属層が多孔性金属とセラミックの相互貫通により機械的にインタロックされることになる、電気化学装置構成を製造する方法。
【請求項29】
上記焼結の後の上記セラミック層が高密度である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記焼結の後の上記セラミック層が多孔性である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
焼結の前に上記多孔性セラミック層に近接して焼結中に高密度となるセラミック層を付ける工程を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
上記用意される多孔性金属層はグリーンである、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
上記用意される多孔性金属層は素焼又は焼結されたものである、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
上記三枚の層が共焼結されるものである、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
更に、上記高密度焼結セラミック層の上に第二グリーン多孔性セラミック層を付ける工程から成る、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
更に、上記高密度焼結セラミック層の上のグリーン多孔性セラミック層に第二多孔性金属層を付ける工程から成る、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
更に、上記第二セラミック及び第二金属層を焼結する工程から成る、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
上記多孔性セラミック層がイオン的に導通性である、請求項28に記載の方法。
【請求項39】
上記多孔性セラミック層と上記高密度セラミック層とが同じセラミック構成である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
上記セラミックがYSZである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
金属がフェライト的ステンレススチールである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
上記セラミックがYSZである、請求項28に記載の方法。
【請求項43】
金属がフェライト系ステンレススチールである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
多孔性YSZがNi粒子によって浸透されたものである、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
多孔性YSZが遷移金属又はランタニド系列元素から選ばれる元素より成る陰極触媒によって浸透されたものである、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
上記陰極触媒がLSM,LNF,LSCF,PNO,LSCM又はこれらの組み合わせから成るグループより選ばれるものである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
更に、上記多孔性セラミック層に隣接して多孔性セルメット層を付ける工程から成る、請求項28に記載の方法。
【請求項48】
更に、上記多孔性セルメット層に隣接して高密度セラミック層を付ける工程から成る、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
更に、上記高密度セラミック層に隣接して多孔性セルメット層を付ける工程から成る、請求項31に記載の方法。
【請求項50】
更に、上記高密度セルメット層に隣接して多孔性金属層を付ける工程から成る、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
導電性ペーストが多孔性金属層と隣接した多孔性セルメット層との間の電子の移動を容易にするものである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
上記構成が平面形である、請求項28に記載の方法。
【請求項53】
上記構成が筒形である、請求項28に記載の方法。
【請求項54】
上記金属層の密度が60%未満である、請求項28に記載の方法。
【請求項55】
上記多孔性金属層が粗面を有する金属粒子から成るものである、請求項28に記載の方法。
【請求項56】
上記粗面がテクスチャ、窪み、突起、及び非球形形状の中の少なくとも一つから成るものである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
上記粗面が水−微粒化金属粉から成る、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
上記多孔性金属の多孔性が一時的孔形成材を使用して得られるものである、請求項28に記載の方法。
【請求項59】
上記孔形成材及びバインダはセラミック層が付けられる以前に一部又は全部除去されるものである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
セラミックの金属への相互貫通は多孔性金属層の金属粒子の表面層の中央点を越すものである、請求項28に記載の方法。
【請求項61】
上記装置は固体酸化物燃料セル又はその部品であり、多孔性セラミックスは電極であり、高密度セラミックスは電解質であり、多孔性金属は構成的支持と電流収集の中の少なくとも一つを供給するものである、請求項28に記載の方法。

【図3】
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【図5A】
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【図5B】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公表番号】特表2010−534400(P2010−534400A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518246(P2010−518246)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/060362
【国際公開番号】WO2009/014775
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(500210903)ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、カリフォルニア (31)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】