説明

高速パケットアクセス(HSPA)ネットワークにおける電力制御のための方法および装置

ワイヤレス通信デバイスは、デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信し、デュアル送信チャネルでアウトバウンド信号を送信するためのアンテナと、アンテナに結合されて、アンテナからインバウンド信号を受信し、アウトバウンド信号を伝えるトランシーバと、トランシーバに結合されて、アウトバウンド信号の最大名目電力レベルが第1の電力レベルとなるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御する電力コントローラと、トランシーバおよびアンテナに結合されて、インバウンド信号のうちの受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、アウトバウンド信号の最大名目電力レベルが第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルとなるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御することを電力コントローラに行わせるプロセッサとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、いずれも本出願の譲受人に譲渡され、参照により明確に本明細書に組み込まれる、2010年2月11日に出願された「Additional Maximum Power Reduction with Dual Uplink Transmissions in HSPA」と題する仮出願第61/303,588号、および2010年2月12日に出願された「Additional Maximum Power Reduction with Dual Uplink Transmissions in HSPA」と題する仮出願第61/304,231号の優先権を主張する。
【0002】
本開示の態様は、一般にはワイヤレス通信システムに関し、より詳細には高速パケットアクセス(HSPA)ネットワークにおけるデュアルアップリンク送信の電力制御のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークは広範囲に配置されて、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャストなどの様々な通信サービスを提供している。そのようなネットワークは、たいていは多元接続ネットワークであり、利用可能なネットワークリソースを共有することによって、複数のユーザ向けの通信をサポートする。そのようなネットワークの一例は、UMTS Terrestrial Radio Access Network (UTRAN)である。UTRANは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によってサポートされる第3世代(3G)モバイルフォン技術である、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)の一部として定義される無線アクセスネットワーク(RAN)である。UMTSは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))技術の後継であり、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、時分割符号分割多元接続(TD-CDMA)、および時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの様々なエアインターフェース規格を現在サポートしている。UMTSは、対応するUMTSネットワークのデータ転送の速度および容量を向上させる高速パケットアクセス(HSPA)のようなEnhanced 3Gデータ通信プロトコルもサポートする。
【0004】
一般に、ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレス端末向けの通信を同時にサポートすることができる。各端末は、順方向リンクおよび逆方向リンクでの伝送によって1つまたは複数の基地局と通信する。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局から端末までの通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)は、端末から基地局までの通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力、多入力単出力または多入力多出力(MIMO)のシステムによって確立できる。
【0005】
MIMOシステムは、データ伝送用に複数(NT個)の送信アンテナおよび複数(NR個)の受信アンテナを用いる。NT個の送信アンテナおよびNR個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルは、NS≦min{NT, NR}であるNS個の独立チャネルに分解可能であり、これは空間チャネルとも呼ばれる。NS個の独立チャネルの各々は、1つの次元に対応する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって形成される追加の次元性が利用される場合、MIMOシステムはパフォーマンスの改善(たとえばスループットの向上および/または信頼性の向上)をもたらすことができる。
【0006】
UMTSは、パケット交換サービスをより効果的にサポートすべく絶えず向上している。固定ビットレートであることの多い伝統的な回路交換サービスからインターネットプロトコル(IP)パケット交換サービスへの大きな移行が近い将来に予想されるからである。しかしながら、UMTSリリース99は、ユーザごとの専用リソース配分に基づいており、IPパケットデータトラフィックにとって好適ではない。したがって、高速パケットアクセス(HSPA)と呼ばれる技術が、UMTSに新たな特徴をもたらすために導入されており、IPベースのサービスのためにエンドツーエンドのサービスプロビジョニングの向上をもたらしている。
【0007】
HSPAは2つのモバイルテレフォニープロトコル、すなわち、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)からなる。USDPAにより、UMTSに基づくネットワークはダウンリンクの転送の速度および容量を向上させることができる。HSUPAは、アップリンクの速度および容量を向上させるさらなる技術的改善である。デュアルセルHSUPA(DC-HSUPA)は、アップリンクにおけるキャリアアグリゲーションによるHSPAのさらなる改善である。このマルチキャリア特徴の基本概念は、共同リーソース配分およびアップリンクキャリア全体のロードバランシングによるリソース利用およびスペクトル効率の改善を実現することである。
【0008】
DC-HSUPAでは、アップリンクにおける帯域幅の拡大を背景に、(単一のアップリンク送信と比較して)送信周波数と受信周波数との間でより大きな周波数分離を使用して、DC-HSDPA受信の保護を支援している。送信周波数と受信周波数との間に十分な分離がない帯域では、UEから送信される信号による漏洩が、UEの受信チェーンにおける信号の受信に影響を及ぼし、受信の信号対雑音比(SNR)の劣化につながる。この問題に対処する1つの方法は、UE内でDC-HSUPAを使用した送信がDC-HSDPAを使用した受信を妨げる場合に、第2のアップリンク周波数を非アクティブ化することによって、単一のアップリンク周波数オペレーションに戻ることである。しかしながら、第2のアップリンク周波数の非アクティブ化は、ネットワーク動作であり、UEの制御範囲を越えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
説明する特徴は一般に、HSPAネットワークにおけるデュアルアップリンク送信の電力制御のための1つまたは複数の改善されたシステム、方法および/または装置に関する。
【0010】
本開示の一態様では、ワイヤレス通信のために構成されたデバイスが提供され、このデバイスは、デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信し、デュアル送信チャネルでアウトバウンド信号を送信するように構成されたアンテナと、アンテナに結合されており、アンテナからインバウンド信号を受信し、アウトバウンド信号をアンテナに伝えるように構成されたトランシーバと、トランシーバに結合されており、アウトバウンド信号の最大名目電力レベルが第1の電力レベルとなるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御するように構成された電力コントローラと、トランシーバおよびアンテナに結合されており、インバウンド信号のうちの受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、アウトバウンド信号の最大名目電力レベルが第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルとなるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御することを電力コントローラに行わせるように構成されたプロセッサとを含む。
【0011】
本開示の別の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体に存在するコンピュータプログラム製品が提供され、このコンピュータプログラム製品は、インバウンド信号を受信することと、アウトバウンド信号を送信することと、インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、アウトバウンド信号の名目最大電力レベルが第1の電力レベルとなるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御することと、インバウンド信号の電力レベルがしきい値を下回っている間に、アウトバウンド信号の名目最大電力レベルが第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルとなるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御することとをプロセッサに行わせるように構成されたコンピュータ可読命令を含む。
【0012】
本開示のさらに別の態様では、ワイヤレス通信のために構成されたデバイスが提供され、このデバイスは、デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信し、デュアル送信チャネルでアウトバウンド信号を送信するように構成されたアンテナと、アンテナに結合されており、アンテナからインバウンド信号を受信し、アウトバウンド信号をアンテナに伝えるように構成されたトランシーバと、トランシーバに結合されており、インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、アウトバウンド信号の名目電力レベルが第1の電力レベル以下となるように、またインバウンド信号の電力レベルがしきい値を下回っている間に、アウトバウンド信号の名目電力レベルが第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下となるように、アウトバウンド信号の電力レベルを制御するように構成された制御手段とを含む。
【0013】
本開示のさらに別の態様では、信号を送信する方法が提供され、この方法は、インバウンド信号を受信するステップと、インバウンド信号の電力レベルを測定するステップと、インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、第1の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンド信号が送信されるようにするステップと、インバウンド信号のうちの最近受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンド信号が送信されるようにするステップとを含む。
【0014】
本開示のさらに別の態様では、ワイヤレス通信のための装置が提供され、この装置は、デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信するための手段と、インバウンド信号の電力レベルを測定するための手段と、インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、第1の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンド信号が送信されるようにするための手段と、インバウンド信号のうちの最近受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンド信号が送信されるようにするための手段とを含む。
【0015】
説明する方法および装置の適用性のさらなる範囲は、以下の詳細な説明、請求項および図面から明らかとなろう。詳細な説明および具体的な例は、好ましい実施形態を示しているが、説明の趣旨および範囲の中にある様々な変更および修正が当業者に明らかになると思われるため、例示として与えられるものにすぎない。
【0016】
開示する方法および装置の特徴、目的および利点は、同じ参照符号が全体を通じて相応に識別する図面とともに行う下記の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】HSPAネットワークにおけるデュアルアップリンク送信の電力制御の様々な態様が実施され得るワイヤレス通信システムのブロック図である。
【図2】図1に示すUEのブロック図である。
【図3】送信機の構造全体の信号の機能ブロック流れ図である。
【図4】本明細書で開示する電力制御手法の一態様による、デュアルアップリンク送信の電力制御プロセスの流れ図である。
【図5】本明細書で開示する電力制御手法の一態様による、UEが電力制御プロセスを適用しているか否かを判断するための電力制御検出プロセスの流れ図である。
【図6】本明細書で開示する電力制御手法の一態様による、UEが電力制御プロセスを適用しているか否かを判断するための別の電力制御検出プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明するコンセプトが実行され得る唯一の構成を表すように意図されているわけではない。詳細な説明は、様々なコンセプトの完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかし、これらのコンセプトがこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのようなコンセプトを曖昧にするのを回避する目的で、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。
【0019】
図1は通信ネットワーク100を示しており、無線ネットワークコントローラ(RNC)141〜144がノードB110、111および114に結合されている。ノードB110、111、114はUE123〜127と、対応するワイヤレス接続155、167、182、192、193、194を介して通信する。通信チャネルは、ノードB110、111、114からUE123〜127への送信用のダウンリンクとしても知られる順方向リンク(FL)、およびUE123〜127からノードB110、111、114への送信用のアップリンクとしても知られる逆方向リンク(RL)を含む。無線ネットワークコントローラ141〜144は、1つまたは複数のノードBに制御機能を提供する。RNC141〜144は、それぞれモバイル交換センター(MSC)またはパケットデータサーバノード(PDSN)151、152を介して、公衆交換電話網(PSTN)またはパケット交換ネットワーク(PSN)148に結合される。PSTNおよびPSNは、単に用意すべき同じエンティティとして図1に全般的に示されており、RNC141〜144は、(不図示)によって148に結合される。無線ネットワークコントローラ141〜144およびパケットデータサーバノードのような様々なネットワーク要素間のデータ交換は、任意の数のプロトコル、たとえばインターネットプロトコル(IP)、非同期転送モード(ATM)プロトコル、T1、E1、フレームリレーまたは他のプロトコルを使用して実施できる。
【0020】
UEデバイス123〜127において、ダウンリンク信号がアンテナによって受信され、受信機にルーティングされる。受信機は、信号のフィルタ処理、増幅、直交復調および量子化を行う。デジタル化された信号が復調器(DEMOD)に提供され、デジタル化された信号は、短いPNIおよびPNQコードで逆拡散され、ウォルシュカバーでデカバーされる。復調データは復号器に提供され、復号器はノードB110、111、114で行われた信号処理機能の逆、具体的にはデインターリーブ、復号およびCRCチェック機能を実行する。復号データはデータシンクに提供される。
【0021】
図2は、UEデバイス123〜127のようなUEデバイスの一実施形態であるUEデバイス200を示している。UEデバイス200は、電力増幅器(PA)108を含む送信回路164、受信回路109、電力コントローラ107、復号プロセッサ158、信号を処理する際に使用するための処理ユニット103、およびメモリ116を含む。UEデバイス200の様々な構成要素は、バスシステム130によって互いに結合されており、バスシステム130には、データバスに加えて電力バス、制御信号バス、ステータス信号バスがある。明快にするために、様々なバスを図2ではバスシステム130として示している。
【0022】
送信回路164および受信回路109は、UEデバイス200と別のワイヤレスノード、たとえば別のUEデバイスまたはノードBとの間の音声またはデータの通信など、それぞれ情報の送信および受信を可能にする。送信回路164および受信回路109はアンテナ118に結合される。アンテナ118、受信回路109および処理ユニット103は、DC-HSDPA信号を受信して処理するように構成され、アンテナ118、送信回路164および処理ユニット103は、DC-HSUPA信号を処理して送信するように構成される。
【0023】
W-CDMAでは、パケットは別個に送信され、トランスポートフォーマット組合せ(TFC)が、パケットを送信する際のPA108の電力制御を定義する。PA108の出力電力レベルが、最大通信デバイス送信電力上限または最大送信電力上限(MTPL:Maximum Transmission Power Limit)、すなわち、特定のまたはターゲットとする隣接チャネル漏洩比(ACLR)要件を満たしつつ、基準送信機構成で生成された波形をPA108がサポートできる最大電力レベルを上回ることは許容されない。W-CDMAでは、MTPLはUEの電力クラスに基づいており、1つのそのようなクラスは、24dBmのMTPLを有する。MTPLはPMAXと呼ばれることもある。PA108に入る入力波形のスケーリング、または必要に応じてPA108自体のゲインレベルを変更することによって、PA108の出力電力レベルがMTPLを上回るのを回避することができる。また、電力増幅器のACLRのレベルを指定範囲内に維持するには、入力波形電力レベルの変化を実質的に電力増幅器の線形範囲内にとどめて、非線形歪みを回避する(たとえば、3次相互変調積を回避する)必要がある。異なる送信機構成から生成された異なる送信波形は、異なる規模のPA108の線形性または線形ヘッドルームを必要とし得る。
【0024】
処理ユニット103は、本明細書でさらに説明するように、電力制御を含め、UEデバイス200の様々な動作態様を管理する。処理ユニット103は、CPUと呼ばれることもある。メモリ116は、読取り専用メモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含むことができ、命令およびデータを処理ユニット103に提供する。また、メモリ116の一部分は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含むことができる。
【0025】
図3は、送信機構造および/またはプロセス300の一例を示しており、UEデバイス123〜127のようなUEデバイスで実施できる。図3に示す機能および構成要素は、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組合せで実施できる。図3に示す機能に加えて、または当該機能の代わりに、他の機能が提供されることもある。
【0026】
図3では、データソース302がデータd(t)すなわち302aをフレーム品質インジケータ(FQI)/符号器304に提供する。FQI/符号器304は、巡回冗長検査(CRC)などのFQIをデータd(t)に付加することができる。FQI/符号器304は、1つまたは複数の符号化方式を用いてデータおよびFQIをさらに符号化して、符号化されたシンボル304aを提供することができる。各符号化方式には、1つまたは複数の種類の符号化、たとえば畳み込み符号化、ターボ符号化、ブロック符号化、反復符号化、他の種類の符号化があり、まったく符号化しない場合もある。他の符号化方式には、自動再送要求(ARQ)、ハイブリッドARQ(H-ARQ)およびインクリメンタルリダンダンシ反復技法が含まれ得る。様々なタイプのデータを様々な符号化方式で符号化することができる。
【0027】
インターリーバ306は、符号化されたデータシンボル304aを時間的にインターリーブしてフェージングを除去し、シンボル306aを生成する。インターリーブされた信号シンボル306aは、フレームフォーマットブロック308によって所定のフレームフォーマットにマップされて、フレーム308aを生成することができる。フレームフォーマットは、複数のサブセグメントから構成されるものとしてフレームを指定することができる。サブセグメントは、所与の次元、たとえば時間、周波数、コードまたはその他の次元に沿ったフレームの任意の連続部分であり得る。フレームは固定の複数のそのようなサブセグメントから構成可能であり、各サブセグメントはフレームに割り当てられたシンボルの総数の部分を含む。たとえば、W-CDMA規格によれば、サブセグメントはスロットと定義できる。CDMA2000規格によれば、サブセグメントは電力制御グループ(PCG)と定義できる。一例では、インターリーブされたシンボル306aは、フレーム308aを構成する複数(S個)のサブセグメントにセグメント化される。
【0028】
フレームフォーマットは、インターリーブされたシンボル306aとともにたとえば制御シンボル(不図示)を含めることをさらに指定することができる。そのような制御シンボルには、たとえば電力制御シンボル、フレームフォーマット情報シンボルなどがある。
【0029】
変調器310はフレーム308aを変調して、変調データ310aを生成する。変調技法の例として、2位相シフトキーイング(BPSK)および4位相シフトキーイング(QPSK)がある。変調器310はまた、一連の変調データを反復することができる。
【0030】
ベースバンド-無線周波(RF)変換ブロック312は、1つまたは複数のノードB局受信機へワイヤレス通信リンクにより信号316としてアンテナ314を介して送信するために、変調信号310aをRF信号に変換することができる。
【0031】
多入力多出力(MIMO)は、マルチアンテナ技術、すなわち複数の送信アンテナ(チャネルへの複数の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を指す際に一般に使用される用語である。MIMOシステムは一般にデータ伝送品質を高め、ダイバーシティ利得がマルチパスフェージングを低減させて伝送品質を高めること、および空間多重化利得がデータスループットを向上させることを可能にする。簡単にするために図3にはただ1つのアンテナが示されているが、複数のアンテナを使用して送信ダイバーシティと受信ダイバーシティの両方を実施できる点に留意されたい。
【0032】
空間多重化を使用して、同じ周波数で同時に様々なデータストリームを送信することができる。データストリームを単一のUEに送信してデータレートを上げること、または複数のUEに送信して全体的なシステム容量を拡大することができる。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし、次いで空間的にプリコーディングされた各ストリームをダウンリンクで異なる送信アンテナを介して送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、様々な空間シグネチャを伴いUEに到着し、これによりUEの各々は、当該UEに向けられた1つまたは複数のデータストリームを回復することができる。アップリンク上では、各UEは、1つまたは複数の空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信することができ、これによりノードBは空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することができる。
【0033】
空間多重化は、チャネル状態が良好なときに使用できる。チャネル状態がさほど好ましくないときは、ビームフォーミングを使用して送信エネルギーを1つもしくは複数の方向に集中させること、またはチャネルの特性に基づいて送信を改善することができる。これは、複数のアンテナを介して送信するデータストリームを空間的にプリコーディングすることによって達成できる。セルの端において良好なカバレージを達成するために、シングルストリームビームフォーミング伝送を送信ダイバーシティと組み合わせて使用できる。
【0034】
図2および図3を参照すると、処理ユニット103は電力コントローラ107に対し、アンテナ118によって送信される信号、たとえばアンテナ314によって送信される信号316の電力レベルに影響を及ぼすよう命令することができる。電力制御手法の一態様では、処理ユニット103は、追加最大電力低減(A-MPR)を選択的に実施/強制実行することによって、UEデバイスの最大電力低減(MPR)に影響を及ぼすことができる。名目最大出力電力は、仕様3GPP TS 25.101においてUE電力クラスによって定められている。DC-HSUPAでは、名目送信電力は、UEデバイスにおける各キャリアのブロードバンド送信電力の合計によって定められる。チャネル化コードの電力に関係する波形に関して、UEデバイスは、対応するMPRによって名目最大電力を低減させることが許容される。たとえば、MPRを1.5dBとすると、受け入れ可能電力が23dB、MPRが1.5dBで、最大電力は21.5dBmとなる。A-MPRは、波形によって決定されるMPRに加えられる追加の許容されるMPRである。したがって、この例では、A-MPRが3dBの場合、A-MPRが引き起こす最大電力は18.5dBmとなる。信号を送信するためにUEデバイスによって使用される最大電力の低減は、MPR+A-MPRを下回ることがある。低減は、たとえば最近受信されたHSDPA信号の信号対雑音比(SNR)および/または信号対干渉雑音比(SINR)に依拠し得る。
【0035】
UE送信電力ヘッドルーム(UPH)は、UEデバイスの最大送信電力および対応する専用物理制御チャネル(DPCCH)コード電力の比率であり、
UPH=Pmax,tx/PDPCCH
によって得られ、ここでPmax,txは、UEデバイスの最大送信電力であり、PDPCCHは、DPCCHにおける送信コード電力である。電力制御の一態様では、Pmax,txは、
Pmax,tx=min{最大許容UL TX電力,Pmax}
によって得られ、ここで最大許容UL TX電力は、UTRANによって設定され、Pmaxは、UEデバイス電力クラスによるUEデバイスの名目最大出力電力である。
【0036】
処理ユニット103は、本明細書でさらに説明するように、DC-HSUPにおけるA-MPR(波形によって決定されるMPRに加えられる追加MPR)の適用性を判断し実施する。A-MPRに従い電力コントローラ107に命令することによって、Rx周波数へのTx漏洩の量を減らすか制限して、デュアルアップリンク送信の利用中におけるDC-HSDPA信号の受け入れ可能な受信を保証することに寄与できる。
【0037】
処理ユニット103は、A-MPRを適用する2つの選択肢を用いるように構成される。第一に、処理ユニット103は、受信信号の電力レベルが一定のしきい値を下回る場合に、電力コントローラ107がA-MPRを適用するのを許容することができる。第二に、処理ユニットは、受信信号の電力レベルにかかわらず、電力コントローラ107がA-MPRを適用するのを許容することができる。これらのケースのいずれにおいても、UEデバイスがRxダイバーシティをサポートする場合、UEデバイスがRxのダイバーシティなしで動作しているときに、電力コントローラ107がA-MPRを適用するのを処理ユニット103は許容することができる。UEデバイスにおけるA-MPRの適用は、Pmaxの計算に反映され、これはUPHおよび拡張アップリンクトランスポートフォーマット組合せ(E-TFC)に使用され、ノードBに対し、UEデバイスによってサポート可能なデータレートを判断するためにデータ伝送に利用できる電力を示す。UEの名目最大出力電力レベルPmaxは、A-MPRの量だけ下がる。
【0038】
図4〜図6は、デュアルアップリンク送信の電力制御手法の様々な態様による様々な方法を示している。説明を簡単にするために、方法は一連の動作として示され説明されているが、特許請求する主題は動作の順序に限定されず、いくつかの動作は、本明細書で示され説明されるものとは異なる順序で、かつ/または他の動作と同時に生じ得ることを理解され、諒解されたい。たとえば、当業者は、一方法が状態図におけるような一連の相互に関係する状態または事象として代替的に表され得ることを理解し諒解しよう。また、すべての示される動作が、特許請求する主題による方法を実施することを要求されるわけではない。加えて、以下および本明細書全体で開示する方法を、そのような方法をコンピュータに移送し転送するのを容易にするために製造品に記憶できることをさらに諒解されたい。本明細書で使用する製造品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリアまたはメディアからアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することが意図されている。
【0039】
ここで図4を参照すると、デュアルアップリンク送信の電力制御プロセス400が示されている。電力制御プロセス400は、受信信号の電力レベルが一定のしきい値を下回るときに、UEデバイスによるA-MPRの使用を許容する。すでに開示したように、A-MPRを適用することによって、Rx周波数へのTx漏洩の量を限定することができ、その結果、デュアルアップリンク送信の場合でもDC-HSDPAの受信を保証することができる。
【0040】
402では、UEデバイスがRxダイバーシティをサポートする場合、UEデバイスがRxダイバーシティを現在利用しているか否かが判断される。電力コントローラは、UEデバイスがRxダイバーシティなしで動作しているときに、A-MPRを適用することを許容される。
【0041】
404では、UEデバイスは、インバウンドDC-HSDPA信号を受信すると、受信信号の電力レベルが一定のしきい値を下回っているか否かを判断する。開示する手法の一態様では、しきい値は、受信信号のSNRまたはSINRに基づくこともある。
【0042】
406では、UEは、インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、第1の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンドDC-HSUPA信号が送信されるようにする。第1の電力レベルはMPRに基づいてよい。さらに、UEは、インバウンド信号のうちの最近受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンドDC-HSUPA信号が送信されるようにする。一態様では、第1の電力レベルおよび第2の電力レベルのような異なる電力レベルの間で変化するために、UEはA-MPRを適用する。上記で開示したように、UEデバイスにおけるA-MPRの適用は、Pmaxの計算に反映される。
【0043】
408では、UE名目最大出力電力レベルPmaxは、A-MPRの量だけ下がる。PmaxはUPHおよびE-TFCに使用され、ノードBに対し、UEデバイスによってサポート可能なデータレートを判断するためにデータ伝送に利用できる電力を示す。
【0044】
次に図5を参照すると、デュアルアップリンク送信の電力制御検出プロセス500が示されている。電力制御検出プロセス500は、受信信号の電力レベルが一定のしきい値を下回るときに、UEデバイスによるA-MPRの使用を検出するのに使用され得る。検出手法の一態様では、シミュレートされたノードBを使用して、A-MPRの適用をテストすることができる。
【0045】
502では、DC-HSUPAの基準測定チャネルの送信に関して、MPRの量が事前に決定される。したがって、UEデバイスの最大送信電力は、MPRの量が事前に決定されていることに基づいて決定できる。
【0046】
504では、UEデバイスは最大電力レベルで基準測定チャネルにおいて送信するように仕向けられる。開示する手法の一態様では、シミュレートされたノードBが電力制御アップコマンドをUEデバイスに継続的に送るので、UEデバイスは最大電力レベルで送信する。
【0047】
506では、UEデバイスにおける受信信号の電力を低減させることによって、最終的にUEデバイスは最大送信電力を減らす。A-MPRがUEデバイスによって適用されている場合、測定されるUEデバイスの最大送信電力レベルは、502で決定される最大送信電力より低くなければならない。
【0048】
したがって、UEデバイスにおける受信電力レベルがしきい値を下回る場合にA-MPRがUEデバイスによって適用されるとき、UEデバイスにおける受信信号の電力は低減し、受信信号の電力がしきい値を下回るので、UEデバイスが最大送信電力をA-MPR分だけ減らしていることを確認するために、送信電力が測定され得る。
【0049】
次に図6を参照すると、デュアルアップリンク送信の電力制御検出プロセス600が示されている。電力制御検出プロセス600は、受信信号の電力レベルが一定のしきい値を下回るときに、UEデバイスによるA-MPRの使用を検出するのに使用され得る。検出手法の一態様では、シミュレートされたノードBを使用して、A-MPRの適用をテストすることができる。
【0050】
602では、DC-HSUPAの基準測定チャネルの送信に関して、MPRの量が事前に決定される。したがって、UEデバイスの最大送信電力は、MPRの量が事前に決定されていることに基づいて決定できる。
【0051】
604では、UEデバイスは最大電力レベルで基準測定チャネルにおいて送信するように仕向けられる。開示する手法の一態様では、シミュレートされたノードBが電力制御アップコマンドをUEデバイスに継続的に送るので、UEデバイスは最大電力レベルで送信する。
【0052】
606では、受信信号の電力レベルにかかわりなくUEデバイスによってA-MPRが適用される場合、UEデバイスの送信電力レベルが、受信信号の電力にかかわりなく波形(基準測定チャネル)およびUEデバイスの電力クラスによって決定される最大送信電力を下回ることが確認される。
【0053】
本明細書で開示する電力制御検出プロセスの一態様では、UEデバイスにおいてRxダイバーシティなしで決定が行われる。電力制御検出の開示する手法の別の態様では、UEデバイスがRxダイバーシティをサポートする場合、前述のテストはRxダイバーシティを伴って実行される。しかしながら、Rxダイバーシティなしのテストとは異なり、MPRに加えて最大送信電力が低減してはいないことを確認するために送信電力が測定される。
【0054】
W-CDMAシステムを参照して通信システムのいくつかの態様を示してきた。当業者なら容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明する様々な態様は、他の通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡大適用できる。
【0055】
多種多様な技術および技法のうちのいずれかを使用して情報および信号を表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0056】
本開示の様々な態様によれば、要素または要素の一部分または要素の組合せを、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」で実施できる。プロセッサの例として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明した様々な機能を実施するように構成された他の適切なハードウェアがある。
【0057】
処理システム内の1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。ソフトウェアはコンピュータ可読媒体に存在し得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。非一時的コンピュータ可読媒体の例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、取り外し可能ディスク、ならびにコンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を保存するための任意の他の適切な媒体がある。また、コンピュータ可読媒体の例として、搬送波、伝送路、ならびにコンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の適切な媒体がある。コンピュータ可読媒体は、処理システムの中に存在する場合、処理システムの外に存在する場合、または処理システムを含む複数のエンティティに分散される場合がある。コンピュータ可読媒体はコンピュータプログラム製品に具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、実装材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の適用場面および全体的なシステムに課せられた全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって示した説明済み機能を最善の形で実施する方法を認識しよう。
【0058】
開示した方法におけるステップの特定の順序または階層は例示的なプロセスを示していることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は再構成可能であることを理解されたい。添付の方法クレームは、サンプル的順序で様々なステップの要素を提示しており、クレーム内で明記していない限り、提示した特定の順序または階層に限定されるように意図されているわけではない。
【0059】
本明細書で説明する様々な態様を当業者が実施できるよう説明してきた。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般的原理は他の態様に適用され得る。したがって、請求項は本明細書で示す態様に限定されるよう意図されているわけではなく、請求項の文言と整合するすべての範囲を許容するように意図されており、単数の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」ではなく、「1つまたは複数の」を意味するよう意図されている。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は「1つまたは複数の」を意味する。アイテムの一覧「のうちの少なくとも1つ」という語句は、単一の要素を含め、それらのアイテムの任意の組合せを意味する。たとえば、「a、bまたはcのうちの少なくとも1つ」は、「a」、「b」、「c」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、「a、bおよびc」をカバーするよう意図されている。当業者が知っているか、後に知ることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素と構造的かつ機能的に同等のものはすべて、参照により本明細書に明確に組み込まれ、請求項が包含するように意図されている。また、本明細書で開示する内容は、そのような開示が請求項で明記されているか否かにかかわりなく、公用のものとなるように意図されてはいない。請求項のいかなる要素も、「のための手段」という語句を使用して要素が明記されている場合、または方法クレームで「のためのステップ」という語句を使用して要素が記載されている場合を除き、米国特許法第112条第6項の規定に基づき解釈されることはない。
【符号の説明】
【0060】
100 通信ネットワーク
103 処理ユニット
107 電力コントローラ
108 電力増幅器(PA)
109 受信回路
110 ノードB
111 ノードB
114 ノードB
116 メモリ
118 アンテナ
123 UE、UEデバイス
124 UE、UEデバイス
125 UE、UEデバイス
126 UE、UEデバイス
127 UE、UEデバイス
130 バスシステム
141 無線ネットワークコントローラ(RNC)
142 無線ネットワークコントローラ(RNC)
143 無線ネットワークコントローラ(RNC)
144 無線ネットワークコントローラ(RNC)
148 公衆交換電話網(PSTN)またはパケット交換ネットワーク(PSN)
151 モバイル交換センター(MSC)またはパケットデータサーバノード(PDSN)
152 モバイル交換センター(MSC)またはパケットデータサーバノード(PDSN)
155 ワイヤレス接続
158 復号プロセッサ
164 送信回路
167 ワイヤレス接続
182 ワイヤレス接続
192 ワイヤレス接続
193 ワイヤレス接続
194 ワイヤレス接続
200 UEデバイス
300 送信機構造および/またはプロセス
302 データソース
304 フレーム品質インジケータ(FQI)/符号器
304a 符号化されたシンボル、符号化されたデータシンボル
306 インターリーバ
306a シンボル、インターリーブされた信号シンボル、インターリーブされたシンボル
308 フレームフォーマットブロック
308a フレーム
310 変調器
310a 変調データ、変調信号
312 ベースバンド-無線周波(RF)変調ブロック
314 アンテナ
316 信号
400 電力制御プロセス
500 電力制御検出プロセス
600 電力制御検出プロセス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信のために構成されたデバイスであって、
デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信し、デュアル送信チャネルでアウトバウンド信号を送信するように構成されたアンテナと、
前記アンテナに結合されており、前記アンテナから前記インバウンド信号を受信し、前記アンテナに前記アウトバウンド信号を伝えるように構成されたトランシーバと、
前記トランシーバに結合されており、前記アウトバウンド信号の最大名目電力レベルが第1の電力レベルとなるように、前記アウトバウンド信号の電力レベルを制御するように構成された電力コントローラと、
前記トランシーバおよび前記アンテナに結合されており、前記インバウンド信号のうちの受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、前記アウトバウンド信号の前記最大名目電力レベルが前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルとなるように、前記アウトバウンド信号の前記電力レベルを制御することを前記電力コントローラに行わせるように構成されたプロセッサと
を含むデバイス。
【請求項2】
前記トランシーバおよび前記プロセッサは、DC-HSDPA信号である前記インバウンド信号およびDC-HSUPA信号である前記アウトバウンド信号を処理するように構成され、前記第1の電力レベルは、最大電力低減(MPR)値の関数である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第2の電力レベルは、前記MPR値および追加最大電力低減(A-MPR)値の関数である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第2の電力レベルを調整することを前記電力コントローラに行わせるようにさらに構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の電力レベルを調整することは、前記インバウンド信号のうちの少なくとも最近受信された信号の信号対雑音比(SNR)または信号対干渉雑音比(SINR)のうちの少なくとも1つに従って達成される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プロセッサは、MPR値またはA-MPR値のうちの少なくとも1つを使用してUE送信電力ヘッドルーム(UPH)値を決定し、ノードBへの送信のために前記トランシーバに前記UPH値を提供するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信することと、
デュアル送信チャネルでアウトバウンド信号を送信することと、
前記インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、前記アウトバウンド信号の名目最大電力レベルが第1の電力レベルとなるように、前記アウトバウンド信号の電力レベルを制御することと、
前記インバウンド信号の電力レベルが前記しきい値を下回っている間に、前記アウトバウンド信号の前記名目最大電力レベルが前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルとなるように、前記アウトバウンド信号の前記電力レベルを制御することと
をプロセッサに行わせるように構成されたコンピュータ可読命令を記録したコンピュータ可読記録媒体。
【請求項8】
前記インバウンド信号はDC-HSDPA信号であり、前記アウトバウンド信号はDC-HSUPA信号であり、前記第1の電力レベルは最大電力低減(MPR)値の関数である、請求項7に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項9】
前記第2の電力レベルは、前記MPR値および追加最大電力低減(A-MPR)値の関数である、請求項8に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項10】
前記コンピュータ可読命令は、前記第2の電力レベルを調整することを前記プロセッサに行わせるようにさらに構成される、請求項7に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項11】
前記第2の電力レベルを調整することは、前記インバウンド信号のうちの少なくとも最近受信された信号の信号対雑音比(SNR)または信号対干渉雑音比(SINR)のうちの少なくとも1つに従って達成される、請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項12】
前記コンピュータ可読命令は、
MPR値またはA-MPR値のうちの少なくとも1つを使用してUE送信電力ヘッドルーム(UPH)値を決定することと、
ノードBに前記UPH値の表示を送ることと
を前記プロセッサに行わせるようにさらに構成される、請求項9に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項13】
ワイヤレス通信のために構成されたデバイスであって、
デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信し、デュアル送信チャネルでアウトバウンド信号を送信するように構成されたアンテナと、
前記アンテナに結合されており、前記アンテナから前記インバウンド信号を受信し、前記アンテナに前記アウトバウンド信号を伝えるように構成されたトランシーバと、
前記トランシーバに結合されており、前記インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、前記アウトバウンド信号の名目電力レベルが第1の電力レベル以下になるように、また前記インバウンド信号の前記電力レベルがしきい値を下回っている間に、前記アウトバウンド信号の前記名目電力レベルが前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下になるように、前記アウトバウンド信号の電力レベルを制御するように構成された制御手段と
を含むデバイス。
【請求項14】
前記トランシーバおよび前記制御手段は、DC-HSDPA信号である前記インバウンド信号およびDC-HSUPA信号である前記アウトバウンド信号を処理するように構成され、前記第1の電力レベルは、最大電力低減(MPR)値の関数である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第2の電力レベルは、前記MPR値および追加最大電力低減(A-MPR)値の関数である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記制御手段は、前記第2の電力レベルを調整するようにさらに構成される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第2の電力レベルを調整することは、前記インバウンド信号のうちの少なくとも最近受信された信号の信号対雑音比(SNR)または信号対干渉雑音比(SINR)のうちの少なくとも1つに従って達成される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記制御手段は、
MPR値またはA-MPR値のうちの少なくとも1つを使用してUE送信電力ヘッドルーム(UPH)値を決定し、
ノードBに前記UPH値の表示を送る
ようにさらに構成される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項19】
ワイヤレス通信のための方法であって、
デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信するステップと、
前記インバウンド信号の電力レベルを測定するステップと、
前記インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、第1の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンド信号が送信されるようにするステップと、
前記インバウンド信号のうちの最近受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下の電力レベルで前記アウトバウンド信号が送信されるようにするステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記インバウンド信号はDC-HSDPA信号であり、前記アウトバウンド信号はDC-HSUPA信号であり、前記第1の電力レベルは最大電力低減(MPR)値の関数である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の電力レベルは、前記MPR値および追加最大電力低減(A-MPR)値の関数である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の電力レベルを調整するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の電力レベルを調整するステップは、前記インバウンド信号のうちの少なくとも最近受信された信号の信号対雑音比(SNR)または信号対干渉雑音比(SINR)のうちの少なくとも1つに従って達成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
MPR値またはA-MPR値のうちの少なくとも1つを使用してUE送信電力ヘッドルーム(UPH)値を決定するステップと、
ノードBに前記UPH値の表示を送るステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
デュアル受信チャネルでインバウンド信号を受信するための手段と、
前記インバウンド信号の電力レベルを測定するための手段と、
前記インバウンド信号の電力レベルがしきい値を上回っている間に、第1の電力レベル以下の電力レベルでアウトバウンド信号が送信されるようにするための手段と、
前記インバウンド信号のうちの最近受信された信号の電力レベルがしきい値を下回る場合に、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベル以下の電力レベルで前記アウトバウンド信号が送信されるようにするための手段と
を含む、ワイヤレス通信のための装置。
【請求項26】
前記インバウンド信号はDC-HSDPA信号であり、前記アウトバウンド信号はDC-HSUPA信号であり、前記第1の電力レベルは最大電力低減(MPR)値の関数である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第2の電力レベルは、前記MPR値および追加最大電力低減(A-MPR)値の関数である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第2の電力レベルを調整するための手段をさらに含む、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記第2の電力レベルを調整するための前記手段は、前記インバウンド信号のうちの少なくとも最近受信された信号の信号対雑音比(SNR)または信号対干渉雑音比(SINR)のうちの少なくとも1つに従って達成される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
MPR値またはA-MPR値のうちの少なくとも1つを使用してUE送信電力ヘッドルーム(UPH)値を決定するための手段と、
ノードBに前記UPH値の表示を送るための手段と
をさらに含む、請求項25に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−519338(P2013−519338A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553055(P2012−553055)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/024638
【国際公開番号】WO2011/100622
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】