説明

高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法

【課題】 金属板との密着性と引裂き性と加工ダイスとの滑り性に優れ、さらに高速(例えば、30m/分以上の高速)で溶融樹脂膜を冷却固化したシートに気泡状の欠点が発生しにくく、このシートを延伸して得たフィルムには大きさ50μmを超える凹みまたは気泡がなく、さらに金属板との密着性を向上させる樹脂層を有するため、高速製缶性(例えば、100缶/分を超える絞りしごき加工における内面樹脂と加工ポンチの離型性および外面樹脂のキズ付性)に優れたポリエステルフィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】 高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法であって、25μm以上の異物が1cm3当り10個以下に制御したポリエステル溶融樹脂膜を該溶融樹脂膜の冷却ロールへの接触点に沿って配置された電極からストリーマコロナ放電により固化させたシートを延伸する工程と水分散型樹脂組成物を塗布する工程を有することを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清涼飲料、ビール、缶詰等の金属容器の腐蝕防止等の目的で使用されるポリエステルフィルムの製造方法に関し、さらに詳細には、2ピース缶の内外面用として製缶性(特に、高速での絞りしごき加工性)に優れたポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属缶の缶内面は腐食防止を目的として、金属板に熱可塑性樹脂を溶融押出法で被覆する方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。また、金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートする方法が開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルフィルムを2ピース缶に適用すると、絞りしごき加工時の成形加工性および金属板に対するフィルムの密着性が不充分であり、剥離したり、破れたりする問題があった。
【0004】
かかる問題を回避するため、さまざまな形態の2軸配向フィルムが開示されている。(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
【0005】
しかしながら、これらに開示された方法は、加工変形率の小さい絞り缶、深絞り缶に用いる場合には確かに効果はあるが、加工変形率が大きい2ピース缶(例えば、絞りしごき缶)に用いる場合には成形性において十分な効果が得られていなかった。即ち、製缶時の加工変形率が大きい場合には、上記従来技術で得られたフィルムラミネート金属板では、フィルムの延展性、密着性が十分ではなく、缶内面のフィルムとポンチとの粘着(ストリップアウト不良)や缶外面フィルムの縦方向のキズ(カジリ)が発生するといった問題が依然として残っていた。
【0006】
また、Tダイス等から押し出された溶融樹脂膜をワイヤー状またはナイフエッジ状の電極を用いて冷却ロールで固化する方法が開示されている。(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、この方法では、30m/分以上の高速で溶融樹脂膜を冷却ロールで固化した場合、得られたシート表面に気泡状の欠点が発生しやすく、延伸後のフィルムではこの気泡状欠点が拡大して大きさ50μm以上の凹みとなり、このフィルムをラミネートした金属板には凹みや気泡が存在し、このラミネート金属板を成型加工した場合、凹みまたは気泡を基点として微細なフィルム破れを引き起こしやすいという問題があった。
【0007】
また、40m/分程度の高速で溶融樹脂膜を冷却ロールに効率よく密着させるため、針状、鋸刃状、ワイヤー状またはナイフエッジ状の電極からストリーマコロナ放電を用いる方法が開示されている。(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、この方法はポリアミド系組成物には有効な方法であるが、金属容器用フィルムラミネート板で要求されるフレーバー性が優れたポリエステル系組成物では内部に存在する異物によりストリーマコロナ放電を行うと過剰な電流が流れて火花放電が発生し、フィルム製膜が安定しないという問題があった。
【特許文献1】特開昭57−203545号公報
【特許文献2】特開平4−261826号公報
【特許文献3】特開昭64−22530号公報
【特許文献4】特公平8−19246号公報
【特許文献5】特開平3−93525号公報
【特許文献6】特公昭37−6142号公報
【特許文献7】特開昭56−105930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記従来技術の問題点を解消することを目的とするものである。即ち、金属板との密着性と引裂き性と加工ダイスとの滑り性に優れ、さらに高速(例えば、30m/分以上の高速)で溶融樹脂膜を冷却固化したシートに気泡状の欠点が発生しにくく、このシートを延伸して得たフィルムには大きさ50μmを超える凹みまたは気泡がなく、さらに金属板との密着性を向上させる樹脂層を有するため、高速製缶性(例えば、100缶/分を超える絞りしごき加工における内面樹脂と加工ポンチの離型性および外面樹脂のキズ付性)に優れたポリエステルフィルムの製造方法を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1の発明は、(I)層がエチレンテレフタレートおよびエチレンイソフタレートを主成分とするポリエステル組成物からなり、該ポリエステルが、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を、該ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位として、該ポリエステル組成物の全酸成分に対して2〜20モル%含有し、さらに、ワックスを0.01〜0.15重量%、酸化防止剤を0.01〜1.0重量%含有し、融点が220〜250℃であり、密度が1.385g/cm3未満であり、(II)層が水分散型樹脂組成物からなる樹脂層であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法であって、25μm以上の異物が1cm3当り10個以下に制御したポリエステル溶融樹脂膜を該溶融樹脂膜の冷却ロールへの接触点に沿って配置された電極からストリーマコロナ放電により固化させたシートを延伸する工程と水分散型樹脂組成物を塗布する工程を有することを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【0010】
本願の第2の発明は、請求項1に記載のポリエステルフィルムを構成するポリエステル組成物の溶融比抵抗が0.3×108Ω・cm以上であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【0011】
本願の第3の発明は、請求項1に記載のポリエステルフィルムを構成するポリエステル組成物がポリアルキレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体を含有することを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【0012】
本願の第4の発明は、請求項1に記載の電極がテープ状電極(厚みが5〜200μm、電極先端部に0.1mm以上の突出量を有する複数の突部を有する電極)であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、金属板との密着性、絞りしごき製缶性(特に、高速製缶時の缶内面フィルムと加工ポンチの離型性と外面フィルムの耐キズ付性)に優れたポリエステルフィルムが得られ、その結果、このフィルムをラミネートした金属板を製缶して得た金属缶は耐腐食性と外観に優れるため、極めて有用な金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、(I)層がエチレンテレフタレートおよびエチレンイソフタレートを主成分とするポリエステル組成物からなり、該ポリエステルが、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を、該ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位として、該ポリエステル組成物の全酸成分に対して2〜20モル%含有し、さらに、ワックスを0.01〜0.15重量%、酸化防止剤を0.01〜1.0重量%含有し、融点が220〜250℃であり、密度が1.385g/cm3未満であり、(II)層が水分散型樹脂組成物からなる樹脂層であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法であって、25μm以上の異物が1cm3当り10個以下に制御したポリエステル溶融樹脂膜を該溶融樹脂膜の冷却ロールへの接触点に沿って配置された電極からストリーマコロナ放電により固化させたシートを延伸する工程と水分散型樹脂組成物を塗布する工程を有することを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法である。
【0015】
本発明では、(I)層を構成するポリエステルに含有される共重合ポリエステルは、エチレンテレフタレート成分を主たる構成成分とし、エチレンイソフタレート成分を含む共重合ポリエステルである。該共重合ポリエステルの全酸成分に対するイソフタル酸成分の比率は3〜20モル%であることが好ましく、4〜12モル%であることがさらに好ましい。該共重合ポリエステルは、その目的を阻害しない範囲で他の共重合成分を含むことができる。使用できる他の共重合成分のうち、ジカルボン酸成分として、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸,マレイン酸,フマル酸,ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が使用できる。使用できる上記のジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の量は20モル%以下が好ましく、さらには10モル%以下が好ましい。他のジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の使用量が20モル%を超える場合、ポリエステルの熱安定性が悪くなることがある。また、グリコール成分として、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物,ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が使用できる。このほか少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有する化合物を含んでいてもよい。ここで、使用できる他のグリコール成分の量は20モル%以下が好ましく、さらには10モル%以下が好ましい。他のグリコール成分の使用量が20モル%を超えるとポリエステルの熱安定性が悪くなることがある。
【0016】
本発明では、(I)層を構成するポリエステルには、フィルムラミネート金属板の製缶時における密着性および引裂き性を改良するために、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を含有することが必要である。上記成分を含有することにより、ポリエステル組成物の常温、低温での弾性を付与し、特に、製缶時のフィルムの引裂き性不良による切り屑(ヒゲ)の蓄積による連続生産時の工程異常を防ぐことができる。また、他の樹脂層との密着性を向上させることができる。炭素数が2個上のアルキレンオキサイド単位からなるポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール(炭素数2)、ポリトリメチレングリコール(炭素数3)、ポリテトラメチレングリコール(炭素数4)、ポリヘキサメチレングリコール(炭素数6)などが挙げられ、これらの成分のうち1種を単独で用いても良いが、2種以上の成分を混合して用いても良い。ポリオキシアルキレングリコールの平均分子量は500〜3000の範囲のものが好ましく、平均分子量が800〜2000の範囲のものがさらに好ましい。
【0017】
本発明では、上記のポリオキシアルキレングリコール成分を含有させる方法を特に限定するものではない。即ち、フィルムを構成するポリエステル組成物を製造する段階でポリオキシアルキレングリコール成分を他の原料と同様に添加した後、ポリエステル合成反応を終了して得られたポリエステル組成物を用いてもよいし、ポリオキシアルキレングリコールを共重合した別の共重合ポリエステルを溶融混合してもよいが、絞りしごき加工におけるフィルムの引裂き性不良による切り屑(ヒゲ状樹脂片)低減させるには、後者の溶融混合する方法がより好ましく、特にポリアルキレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体を溶融混合する方法が最も好ましい。
【0018】
本発明では、(I)層を構成するポリエステルに含有されるポリオキシアルキレングリコール成分の量は、ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の量が、ポリエステル組成物の全酸成分に対して2〜20モル%であることが好ましい。ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位とは、アルキレン鎖の両端が酸素原子を挟んで隣りのアルキレン鎖とのエーテル結合を形成している構成単位で、上記の量が2モル%未満の場合、製缶性、引裂き性の改良効果が不十分である。逆に、20モル%を超える場合、フィルムの強度、熱特性が低下し、フィルム製造工程、ラミネート金属板の製造工程での取扱い性を悪化させることがある。
【0019】
本発明では、(I)層を構成するポリエステルにワックスを0.01〜0.15重量%、好ましくは0.02〜0.1重量%、酸化防止剤を0.01〜1.0重量%含有することが缶外面フィルムでのカジリ抑制に有効である。ワックスが0.01重量%未満および酸化防止剤が0.01重量%未満の場合、カジリ抑制効果が不十分である。逆に、ワックスが0.15重量%を超えるおよび酸化防止剤が1.0重量%を超える場合、カジリ抑制効果が飽和するばかりでなく、ポリエステルの熱安定性を損なう可能性があり、さらに経済的にも不利である。
【0020】
本発明では、ポリエステルへのワックスの配合性、ポリエステルの製膜性の点から、パラフィン系ワックス,カルナバワックス、ラノリンワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス,エステル系ワックス,グリセリン脂肪酸エステル,高級脂肪酸モノアミド等の合成ワックスから選ばれた1種または2種以上のワックスを使用することが好ましく、ポリエチレンワックスを使用することが特に好ましい。
【0021】
本発明における酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤(例えば、フェノールタイプ、ビスフェノールタイプ、チオビスフェノールタイプ、ポリフェノールタイプなど)、アミン系酸化防止剤(例えば、ジフェニルアミンタイプ、キノリンタイプなど)、リン系酸化防止剤(例えば、ホスファイトタイプ、ホスホナイトタイプなど)、イオウ系酸化防止剤(例えば、チオジプロピオン酸エステルタイプなど)が挙げられる。具体的には、n−オクタデシル−βー(4‘−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3‘,5’−ジ−t−ブチル−4‘−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](これは、「イルガノックス1010」(商品名)として市販されている)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(これは、「イルガノックス1330」(商品名)として市販されている)、トリス(ミックスドモノおよび/またはジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジ−ラウリル−チオジプロピオネート、ジ−ミリスチル−チオジプロピオネート、ジ−ステアリル−チオジプロピオネートなどが挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種類で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
本発明では、上記で説明したポリエステル組成物からなる(I)層の片面に他の樹脂層(II)を積層した、(I)層/(II)層の2層構成の積層フィルムを製造することが特徴であるが、ここで、(II)層を構成する樹脂は水分散型樹脂組成物であることが必要である。
また、(II)層を(I)層に積層する方法としては公知の方法、例えば、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。また、該水分散樹脂組成物からなる(II)層の厚みを0.01〜0.1μmに制御することが金属板との密着性を十分に向上させ、高速製缶性(得に、高速での絞りしごき製缶性)確保する点から好ましい。(II)層の厚みが0.01μm以下では金属板との十分な密着性が得られず、0.1μmを超えても密着性が飽和するばかりでなく、経済的に好ましくない。
【0023】
水分散型樹脂組成物とはそれ自身は水には不溶であるが、水系溶媒に分散または溶解することが出来る樹脂組成物である。具体的には分子内に親水性基を有するモノマー成分を共重合した樹脂組成物が挙げられる。このような樹脂組成物を用いることにより金属板との優れた密着性を実現することが可能となる。
【0024】
本発明では、水分散型樹脂組成物の例として、親水性基を有するモノマー成分を共重合したポリエステル組成物が挙げられる。親水性基とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基または、それらの誘導体や金属塩基、エーテル基等であり、これらの基を分子内に含むモノマーを共重合し、水に分散可能な状態で存在するものである。親水性基を含むモノマーとしては、具体例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等のスルホン酸含有モノマーのアルカリ金属塩およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらのモノマーをジカルボン酸成分およびグリコール成分とともに用いて通常のポリエステルの重合反応を経て得られた水分散型ポリエステル組成物が好ましく、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウムおよびカリウム塩がさらに好ましい。
【0025】
親水性基を有するモノマーが上記スルホン酸含有モノマーのアルカリ金属塩の場合、その添加量は水分散型ポリエステル組成物の全酸成分に対して3〜10モル%であることが、水分散性、耐熱水性を両立する点で好ましい。
【0026】
また、他の例としては、共重合ポリエステルに、親水性基を有するビニル系モノマーをグラフト重合させる方法がある。上記親水性基を有するビニル系モノマーとしては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミド基等を含むもの、親水性基に変化させることが出来る基としては酸無水物基、グリシジル基、クロル基などを含むものが挙げられる。なかでもカルボキシル基を有するものが好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びそれらの塩等のモノマーである。そのほかの親水性基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩等のスルホン酸基又はその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びそれらの塩等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモノマーが挙げられる。これらは他のビニル系モノマーと併用することができる。他のビニル系モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、Nーメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N、N−ジメチロールアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられ、これらの中から1種類または2種類以上を用いて共重合することができる。
【0027】
親水性基を含有するビニル系モノマーを樹脂組成物にグラフトさせる方法としては公知のグラフト重合法を用いることが出来る。その代表例として以下の方法があげられる。例えば、光、熱、放射線等によって主鎖の高分子物質にラジカルを発生させてからビニル系モノマーをグラフト重合させるラジカル重合法、或いはAlCl3、TiCl4 等の触媒を用いてカチオンを発生させるカチオン重合法、或いは金属Na、金属Li等を用いてアニオンを発生させるアニオン重合法等がある。また、あらかじめ主鎖の樹脂組成物に重合性不飽和二重結合を導入しこれにビニル系モノマーを反応させる方法が挙げられる。これに用いられる重合性不飽和二重結合を有するエステル結合可能な化合物としては、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。これらのうち、フマール酸、マレイン酸、および2,5−ノルボルネンジカルボン酸が好ましい。
【0028】
水分散型樹脂組成物の耐水密着性を向上させるために親水基とは異なる反応性基を含有することも可能である。反応性基とは樹脂組成物もしくは親水性物質中のヒドロキシ基、カルボキシル基、重合性不飽和二重結合基などと化学結合反応し得る官能基であって、具体的にはエポキシ基、イソシアネート基、ビニル基、アリル基などの重合性不飽和二重結合基、N,N−ビス(アルコキシメチル)アミノ基、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)アミノ基、N−アルコキシメチル−N−ヒドロキシメチルアミノ基、ヒドロキシメチルアミノ基などのアルキロール変性アミノ基またはそのアルキルエーテル化物の基が挙げられる。
【0029】
エポキシ基を樹脂組成物または親水性物質に結合させる方法としては、親水性物質を重合またはグラフトさせる際にグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニルモノマーを併用する方法、すでに合成された親水性物質またはホスホニウム塩基を含むポリエステル等に含有するカルボキシ基に、またはヒドロキシ基を無水フタル酸、無水トリメリット酸と反応させて得られたカルボキシ基に、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂やフェノール系化合物変性エポキシ樹脂等のエポキシ基を1分子内に2個以上含有するエポキシ化合物をエポキシ基がカルボキシ基に対して過剰量になるように反応させる方法等が挙げられる。
【0030】
イソシアネート基を樹脂組成物または親水性物質に結合させる方法としては、親水性物質を重合またはグラフト重合させる際にビニルイソシアネート、アリルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー併用する方法、すでに合成された親水性物質または樹脂組成物等にヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、などのイソシアネート基を1分子内に2個以上含有するイソシアネート化合物をイソシアネート基がイソシアネート基と反応する官能基に対して過剰量になるように反応させる方法等が挙げられる。
【0031】
重合性不飽和二重結合基を樹脂組成物または親水性物に結合させる方法としては前記の方法によってイソシアネート基を結合させた親水性物質または樹脂組成物等に2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート等のヒドロキシル基含有アクリレート類を反応させる方法等が挙げられる。
【0032】
樹脂組成物や親水性物質とは別に反応性基を含有した化合物を硬化剤として添加する方法は硬化剤の種類、添加量等により硬化後の塗膜物性を調製することができるので好ましい実施形態の一つである。硬化剤の好ましい配合量は樹脂組成物と親水性物質の合計に対して5〜35重量%、さらに好ましくは10〜25重量%である。アルキロール変性アミノ基またはそのアルキルエーテル化物の基を含む硬化剤としてはアルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、エポキシ基を含む硬化剤としては各種のエポキシ化合物、およびイソシアネート基を含む硬化剤としては各種のイソシアネート化合物等、および、重合性不飽和二重結合基を含む硬化剤としては各種のビニル基含有モノマー類が挙げられる。
【0033】
本発明では、(I)層の融点は220〜250℃であることが製缶性(絞り・しごき加工における缶内面側でのポンチの離型性)を確保する点から必要である。さらに、製缶時の加工変形率が大きい場合には、230〜245℃の範囲にあることが好ましい。上記融点の範囲に入るように共重合成分の種類および含有量を調整する必要がある。フィルムの融点が220℃未満の場合、缶内面フィルムと加工ポンチとの離型性が悪い。逆に、フィルムの融点が250℃を超える場合、缶内面フィルムの一部が金属板から剥離しやすい。
【0034】
本発明では、(I)層の密度が1.385g/cm3未満であることが密着力を確保する点から必要である。フィルムの密度が1.385g/cm3以上の場合、フィルムと金属板との密着力不良に起因した延展性不良(製缶時の変形にフィルムが追随できなくなり金属板からフィルムが剥離したり、局部的にフィルムが破れたりすること)が発生しやすい。
【0035】
本発明では、(I)層を構成するポリエステル組成物を公知の1軸または2軸押出機内で溶融させ、異物除去用濾過材(例えば、初期濾過効率の95%が20μm以下に設定されたステンレス製焼結濾過材)を通した後、Tダイから得られるポリエステル溶融樹脂膜の1cm3当りに含有される25μm以上の異物量を10個以下とすることがストリーマコロナ放電による静電密着を安定させるために必要である。
【0036】
本発明におけるストリーマコロナ放電とは、例えば、正電圧が印加される電極とアース体である溶融樹脂膜とが橋絡して安定したコロナ放電が行われる状態である。すなわち、該電極と冷却ロールとの間に印加される電圧を増加させていくと、最初に暗流状態(持続性のない放電現象)が生じた後、グロー放電状態となり、次いで電極からの放電により空気がイオン化されて安定した電流が持続的に流れる放電である。また、ストリーマコロナ放電状態では、電極に印加される電圧V(kV)と電極とアース体である溶融樹脂膜に流れる単位幅当りの電流値I(mA/cm)にI≧0.025×V−0.12の関係が成立する。
【0037】
本発明では、(I)層を構成するポリエステル組成物の溶融比抵抗が0.3×108Ω・cm以上であっても、ストリーマコロナにより溶融樹脂膜に多くの電荷を安定して連続的に付与できるため、溶融樹脂膜を高速(例えば、30m/分以上の高速)で冷却固化させた場合でも、気泡状の欠点が発生しにくい。
【0038】
本発明では、電極がテープ状電極(厚みが5〜200μm、電極先端部に0.1mm以上の突出量を有する複数の突部を有する電極)を用いることにより、電極と冷却ロールとの間に印加される電圧を過度に高い値に設定することなく、テープ状電極に設けた各突部から溶融樹脂膜に均一にストリーマコロナ放電を発生することができるため好ましい。テープ状電極の厚みが5μ未満の場合、電極が破断しやすく製膜が不安定になる。逆に、100μmを超える場合、電場の集中度が低下しやすくストリーマコロナ放電が不安定になる。また、突出量が0.1mm未満の場合、電場の集中度が低下しやすくストリーマコロナ放電が不安定になる。
【0039】
本発明では、(I)層を構成するポリエステル組成物は単一であってもよいし、組成比の異なる2種類以上のポリエステル組成物のブレンドであってもよい。さらに、ポリブチレンテレフタレートに代表される他のポリエステルを少量混合することもできる。
【0040】
本発明では、(I)層を構成するポリエステル組成物の製造方法については特に限定するものではない。即ち、エステル交換法または直接重合法のいずれの方法で製造されたものであっても使用できる。また、分子量を高めるために固相重合法で製造されたものであってもかまわない。さらに、缶に内容物を充填後に実施されるレトルト処理等でのポリエステルのフレ−バー性を確保し、さらに、製缶ラインの汚染を防止するため、減圧下または不活性ガス雰囲気下での固相重合法で製造されたオリゴマー含有量が低いポリエステルを使用することは好ましい。例えば、エチレンテレフタレート環状三量体をはじめとするオリゴマー環状三量体の含有量は0.7重量%以下であることが好ましい。
【0041】
本発明では、(I)層を構成するポリエステル組成物を製造する際、重合触媒として酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、チタン化合物等が用いるが、重合触媒以外に本発明のポリエステル樹脂組成物の溶融比抵抗を調整するために、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を各々の金属イオンの総量として300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エステル誘導体をリン原子として200ppm以下の範囲で添加することも可能である。この際、添加する総リン量と総金属イオン量とのモル比が0.4以上であることがポリエステル組成物の着色を抑制し、耐熱性と耐加水分解性を確保するうえで好ましい。
【0042】
本発明では、(I)層を構成するポリエステル組成物の極限粘度は0.6〜1.2dl/gであることが好ましい。極限粘度が0.6dl/g未満の場合、得られるフィルムの力学特性が低下することがある、逆に、1.2dl/gを越える場合、力学特性の向上効果が飽和するばかりでなく、ポリエステル組成物を製造する際、生産性が低下するので経済的ではない。
【0043】
本発明では、(I)層中の滑剤量は特に限定しないが、0.01〜1重量%の範囲であることが得られたフィルムをラミネートした金属板を絞りしごき加工で金属容器を製造する際、フィルムラミネート金属板の滑り性を付与するために好ましい。フィルム中の滑剤量が0.01重量%未満の場合、絞りしごき加工の際に、ポンチとの離型性が低下し、フィルムにキズが発生しやすい。逆に、フィルム中の滑剤量が1重量%を超える場合、キズ付き防止効果が飽和するばかりでなく、経済性が低下する。
【0044】
本発明では、滑剤として、不活性無機粒子や架橋高分子粒子等を用いることが好ましい。不活性無機粒子とは、シリカ、アルミナ、カオリンクレー、酸化チタン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、フッ化リチウム、硫酸バリウム、カーボンブラック等である。また、架橋高分子粒子とは、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコン含有系樹脂等である。このうち、無機粒子としては凝集シリカ粒子が好ましく、架橋高分子粒子としては架橋型ポリメタクリル酸メチル粒子が好ましい。
【0045】
本発明では、滑剤の平均粒径は1〜3μmが好ましい。1μm未満の場合、フィルムのキズ付き防止効果が十分に発現しにくい。逆に3μmを越える場合、キズ付き防止効果が飽和するばかりでなく、摩耗による滑剤の脱落が起こりやすくなり、フィルム破断がしやすくなる。
【0046】
本発明では、(I)層への滑剤粒子の添加は、ポリエステルの重合工程で添加してもよいし、ポリエステルと滑剤粒子とを溶融混練で添加してもよい。また、ポリエステルフィルムの製造時に高濃度の滑剤粒子を含むマスターバッチを希釈添加してもかまわない。
【0047】
本発明では、ポリエステルフィルムの製膜時や加工時の取扱いに十分な強度を得るという点から2軸延伸することが好ましい。2軸延伸法としては、遂次2軸延伸、同時2軸延伸等が例示できる。例えば、ポリエステルのガラス転移温度以上の温度で縦および横方向に各々2〜5倍延伸すればよい。また、延伸後に必要に応じて、緊張下で120〜200℃の温度で1〜20秒間熱処理してフィルムの延伸方向の熱収縮率をコントロールしてもよい。さらに、熱処理工程を実施する前に縦方向および/または横方向に再延伸を行なってもよい。さらに、延伸工程またはその前後において、フィルムの片面または両面にコロナ放電処理を実施してもよい。
【0048】
本発明では、得られるポリエステルフィルムの厚みは特に限定しないが、フィルムの金属板へのラミネート性、金属容器での耐腐食性および経済性の点から5〜50μmが好ましい。
【実施例】
【0049】
以下、実施例をもとに本発明を説明する。
【0050】
[評価方法]
(1)(I)層の融点
(II)層を積層する前のポリエステルフィルム((I)層)10mgを窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定し、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点(℃)とした。
(2)(I)層の密度
JIS K 7112に準じて密度勾配管を用いて25℃で(II)層を積層する前のポリエステルフィルム((I)層)の密度を測定した。
(3)粒子の平均粒径
超音波発信機(日本精機製作所製、US−300T)により250μAで1分間処理し、レーザー回折式粒度分布計(Leeds&Northrup社製、マイクロトラックHRA model l9320−X100)を用い、分散媒(水)の屈折率を1.33とし、50%体積粒径を測定した。
(4)25μm以上の異物の検出
溶融押出後に冷却固化した(I)層のポリエステルシート片(250mm×250mm)160枚をサンプルとし、光学欠点検出装置を用いて25μm以上の大きさと認識される光学的欠点を検出した。上記光学欠点検出装置には、投光器として20W×2灯の蛍光灯がXYテーブルの下方400mmに設置され、かつスリット幅10mmのマスクが設置されている。そして、上記投光器とこれに対向して設置された受光器とを結ぶ線と、測定するシート面の鉛直方向となす角度を12°に設定し、そこに光学的欠点が存在すると入射光に応じて光り輝くため、その光量をXYテーブルの上方500mmに設置されたCCDイメージセンサーカメラで電気信号に変換し、その電気信号を増幅するとともに、微分してスレッシュホールドレベルとコンパレーターで比較することにより、光学的欠点の検出信号を出力するように構成されている。また、上記CCDイメージセンサーカメラから入力されたビデオ信号に基づき、画像手順により光学的欠点の大きさを計測し、予め設定された大きさの光学的欠点の位置を表示するようになっている。このようにして求めた欠点を顕微鏡下で観察し、25μm以上のものの個数を数えた。
(5)(I)層を構成するポリエステル組成物の溶融比抵抗(ρi)
275℃で溶融したポリエステル組成物中に2本の電極(ステンレス製針金)を置き、120Vの電圧を印加した時の電流(i)を測定し、これを次式当てはめて求めた比抵抗値ρi(Ω・cm)である。
ρi=(A/L)×(V/i)
A:電極間面積(cm2)、L:電極間距離(cm)、V:電圧
(6)ポリエステル組成物の組成
ポリエステル樹脂試料を15重量%のトリフルオロ酢酸を含む重クロロホルムに溶解し、1H−NMRを測定した。積層フィルムの場合は、下層の樹脂層を溶剤等で取り除いて残った上層のみの試料を同様に溶解して1H−NMRを測定した。各成分由来のピークの積算強度から組成比を求めた。
(7)ポリエステル組成物のエチレンテレフタレート環状3量体の含有量
ポリエステルをヘキサフルオロイソプロピルアルコール/クロロホルム=2/3(V/V)に溶解し、メタノールでポリエステルを沈殿させ、沈殿物を濾別する。濾液を蒸発乾固し、この蒸発乾固物をジメチルホルムアミドに溶解する。得られた溶液を液体クロマトグラフィー法で展開し、エチレンテレフタレート環状3量体の含有量を定量した。
(8)ラミネート金属板の作製
ポリエステルフィルムを220℃に加熱したアルミニウム合金板(厚み:0.26mmの3004系合金板)の両面に(II)層が接するようにニップロール間で圧着し、さらに275℃に加熱した後水中急冷してラミネート金属板を作製した。
(9)ラミネート密着性
上記ラミネート金属板の端部におけるフィルム剥離による巾収縮を測定し、○を実用性ありと評価した。
○:収縮巾が2mm未満
△:収縮巾が2mm以上、5mm未満
×:収縮巾が5mm以上
(10)引裂き強度
実施例1〜4、比較例3〜9で得られたラミネート金属板より7cm角のサンプルを切り出した。このサンプルを希塩酸に浸漬し金属板の一部を溶解除去しフィルムを取り出した。このフィルムにノッチを入れその両端部を引張り試験機の上下のチャックに固定し、500mm/分の速度で上下方向に引っ張り、その際の引裂き応力を測定した。フィルムの厚みを測定し、25μm厚みに換算した引裂き応力の平均値(n=5)を引裂き強度とした。引裂き強度が0.7N以下の場合、連続製缶時のフィルムの切れ性は実質的に問題ないといえる。
(11)密着強度
実施例1〜4、比較例3〜9で得られたラミネート金属板から、希塩酸によって金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出す。これをきっかけとして、フィルム/金属板を剥離する。充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾に切断した。引張り試験機を用いて引張り速度50mm/分にて該サンプルの剥離強度を測定した。n=5の平均値を密着強度とした。
(12)缶内面樹脂と加工ポンチの離型性
実施例1〜4、比較例3〜9で得られたラミネート金属板を絞り加工によってカップに成形した後、180缶/分の速度で再絞り・しごき加工によって300缶連続製缶し、成形缶上部に起る座屈程度またはヒゲ状フィルムの発生程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:缶開口部の座屈未発生
△:缶開口部円周の約1/3に座屈発生またはヒゲ状フィルム発生
×:缶開口部円周の1/3以上に座屈発生
(13)缶外面樹脂の耐カジリ性(缶外面樹脂における縦方向のキズ付性)
実施例1〜4、比較例3〜9で得られたラミネート金属板を絞り加工によってカップに成形した後、180缶/分の速度で再絞り・しごき加工によって300缶連続製缶し、成形缶上部に起る座屈程度またはヒゲ状フィルムの発生程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:キズ未発生
△:外面の約1/3にキズ発生またはヒゲ状フィルム発生
×:外面の約1/3以上にキズ発生
【0051】
次に、実施例1〜4および比較例1〜9に用いたポリエステルの種類と内容について説明する。
(1)A−1:ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位10モル%、ρi:0.2×108Ω・cm、平均粒径:1.3μmの凝集シリカを1000ppm配合、エチレンテレフタレート環状3量体は0.5重量%)
(2)A−2:ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位10モル%、ρi:3.6×108Ω・cm、平均粒径:1.3μmの凝集シリカを1000ppm配合、エチレンテレフタレート環状3量体は0.5重量%)
(3)A−3:ポリエチレンテレフタレート(ρi:0.23×108Ω・cm、平均粒径:1.3μmの凝集シリカを2000ppm配合、エチレンテレフタレート環状3量体は0.5重量%)
(4)A−4:コポリエステル
テレフタル酸とエチレングリコール/ネオペンチルグリコールの共重合ポリエステル(ネオペンチルグリコールの共重合比率:30モル%、ρi:0.23×108Ω・cm、
平均粒径:1.3μmの凝集シリカを1000ppm配合)
(5)B:ポリテトラメチレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合ポリエステル(ポリテトラメチレンオキサイドの共重合比率:40重量%、ρi:8.7×108Ω・cm)
(6)C−1:ワックス1重量%含有ポリエステル
ポリエステルA−1を99重量%に対して、ポリエチレンワックス(三井化学株式会社製:ハイワックス)1重量%を2軸押出機にて溶融混練して、ワックスを1重量%含有したポリエステル(C−1)を得た。
(7)C−2:酸化防止剤5重量%含有ポリエステル
ポリエステルA−1を95重量%に対して、フェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス1010)5重量%を2軸押出機にて溶融混練して、酸化防止剤を5%含有したポリエステル(C−2)を得た。
(8)D:水分散型ポリエステル樹脂
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置に、テレフタル酸ジメチル485重量部、イソフタル酸ジメチル407重量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩118重量部、エチレングリコール409重量部、ネオペンチルグリコール354重量部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.52重量部を仕込み、160℃〜220℃で生成するメタノールを系外に留出しながらエステル交換反応を行った。ついで、反応系を徐々に減圧したのち、240℃、1.0hPa以下の減圧下で重縮合反応を行い共重合ポリエステルD(水分散型ポリエステル樹脂)を得た。得られた共重合ポリエステルDに溶媒としてブチルセロソルブを加え、加熱しながら溶解し、ついで、水を加えて得られた分散液から減圧下で溶媒を留去し、得られた共重合ポリエステルDの水分散液(樹脂濃度25重量%)を得た。
【0052】
テトラメチレンオキサイド量とワックス量と酸化防止剤量と(II)層の原料と(I)層の融点、密度、異物の個数を表1に示し、引裂強度、密着強度、製缶性(加工ポンチの離型性、耐カジリ性)を表2に示す。
【0053】
[実施例1]
(I)層の原料としてA−1/A−2/B/C−1/C−2=43/45/5/5/2(重量%)を、120℃で24時間減圧乾燥(1.3hPa)し、単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)を10μmに設定されたステンレス製焼結濾材からなる異物除去用フィルターを通し、次いで、45cm幅のTダイより冷却ロール(周速50m/分)上へ層状にキャストして(冷却ロール周面に対向するように設置した10mm幅×50μm厚のオーステナイト系SUS316からなり、2mmの突出量を有する突部が1.2mm間隔で配置されたテープ状電極から7.2kVの電圧を印加し、8.3mAの電流を流して静電密着させて)未延伸シートを得た。該未延伸シートを予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に3.3倍延伸し、バーコート法で乾燥後の(II)層の厚みが30nmとなるように水分酸性ポリエステルコート液(水分散型ポリエステル樹脂の水分散液:12.0重量部、イソプロピルアルコール:8.3重量部、ベンジルアルコール:1.5重量部、水:8.2重量部)を縦延伸シートの片面に塗布し、さらにテンターで予熱温度80℃、延伸温度100℃で横方向に3.7倍延伸した後、180℃で3秒間熱処理して2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、このフィルムを220℃に加熱した3004系アルミニウム合金板(厚み 0.26mm)の両面ニップロール間で圧着し、さらに275℃に加熱した後、水中急冷してラミネート金属板を得た。
次いで、このラミネート金属板に成形用潤滑剤を塗布した後、加熱して板温70℃で20μmのフィルムが缶内面側となるように絞り加工を実施した。次いで、得られたカップの温度を40℃にして金型温度80℃で再絞り・しごき加工を実施し、350mlサイズのシームレス缶を得た。
本実施例の方法は、表2からわかるように、製缶性(加工ポンチの離型性、耐カジリ性)に優れた金属板貼合せ用フィルムの製造方法であるといえる。
【0054】
[実施例2]
(I)層の原料としてA−1/B/C−1/C−2=88/5/5/2(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にラミネート金属板とシームレス缶を得た。
本実施例の方法は、表2からわかるように、製缶性(加工ポンチの離型性、耐カジリ性)に優れた金属板貼合せ用フィルムの製造方法であるといえる。
【0055】
[実施例3]
(I)層の原料としてA−1/A−3/B/C−1/C−2=43/45/5/5/2(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にラミネート金属板とシームレス缶を得た。
本実施例の方法は、表2からわかるように、製缶性(加工ポンチの離型性、耐カジリ性)に優れた金属板貼合せ用フィルムの製造方法であるといえる。
【0056】
[実施例4]
(I)層の原料としてA−1/A−2/B/C−1/C−2=46/45/2/5/2(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して2.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にラミネート金属板とシームレス缶を得た。
本実施例の方法は、表2からわかるように、製缶性(加工ポンチの離型性、耐カジリ性)に優れた金属板貼合せ用フィルムの製造方法であるといえる。
【0057】
[比較例1]
濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmに設定されたステンレス製焼結濾材からなる異物除去用フィルターを用いた以外は実施例1と同様にして製膜しようとしたが、火花放電が頻発して全面的な密着異常が発生し、ポリエステルフィルム((I)層)を安定して得られなかった。
この方法は、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0058】
[比較例2]
直径が30μmのタングステンワイヤー電極を用いた以外は実施例1と同様にして製膜しようとしたが、電極の位置、電圧、電流を調整しても気泡や筋状の斑が発生し、さらに電圧または電流を上げて密着させようとした場合、アーク放電によりワイヤーが切断したり、シートに冷却斑が生じて冷却ロールへの巻きつきが起こり、ポリエステルフィルム((I)層)を安定して得られなかった。
この方法は、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0059】
[比較例3]
(II)層を設けない以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得た。このラミネート板を実施例1と同様に製缶したが、缶内外面樹脂が剥離した。但し、製缶速度を60缶/分にした場合には、内外面樹脂は剥離せず、製缶性(加工ポンチの離型性、耐カジリ性)は問題なかった。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0060】
[比較例4]
(I)層の原料としてA−3/B/C−1/C−2=88/5/5/2(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得た。このラミネート板を実施例1と同様に製缶したが、缶内外面樹脂が剥離した。さらに、製缶速度を60缶/分にしても缶内外面樹脂が剥離を解消できなかった。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0061】
[比較例5]
(I)層の原料としてA−4/B/C−1/C−2=88/5/5/2(重量%)を用い、延伸後の熱処理温度を100℃にした以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.6モル%であった。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得た。このラミネート板を実施例1と同様に製缶したが、缶内面樹脂と加工ポンチとの離型性が悪く、缶底の一部も変形した。さらに、缶外面樹脂にはキズが多発した。さらに、製缶速度を60缶/分にしても缶内外面樹脂が剥離を解消できなかった。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0062】
[比較例6]
ポリエステルフィルムの横延伸後の熱処理を215℃で3秒間処理した以外は実施例3と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得た。このラミネート板を実施例1と同様に製缶したが、缶内外面樹脂が剥離した。さらに、製缶速度を60缶/分にしても缶内外面樹脂が剥離を解消できなかった。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0063】
[比較例7]
(I)層の原料としてA−1/A−2/C−1/C−2=48/45/5/2(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得た。このラミネート板を実施例1と同様に製缶したが、引裂き性が悪く缶内面上部にヒゲ状樹脂片が発生した。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0064】
[比較例8]
(I)層の原料としてA−1/A−2/B/C−1/C−2=28/45/20/5/2(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。
このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して23.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得ようとしたが、フィルムに皺が発生した。また、例1と同様に製缶したが、缶内面フィルムと加工ポンチとの離型性が悪く、缶底の一部が変形した。さらに、缶外面樹脂にはキズが発生した。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0065】
[比較例9]
(I)層の原料としてA−1/A−2/B=50/45/5(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、2種類のポリエステルフィルム(厚みが20μmと12μm)を得た。このフィルム中のポリテトラメチレングリコール成分由来のテトラメチレンオキサイドの量は酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸の総量)に対して5.2モル%であった。
次いで、実施例1と同様にして得たラミネート金属板を得た。このラミネート板を実施例1と同様に製缶したが、缶外面樹脂にはキズが発生した。
この方法は、表2からわかるように、金属板貼合せ用フィルムの製造方法として好ましくない。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明で得られるポリエステルフィルムは金属板とのラミネート密着性に優れ、さらに得られたフィルムラミネート金属板が高速製缶性(特に、100缶/分以上の高速で製缶時の缶内面樹脂と加工ポンチの離型性と缶外面樹脂の耐キズ付性)に優れるため、清涼飲料、ビール、缶詰等の金属容器の腐蝕防止等の目的で使用されるポリエステルフィルムの製造方法として、極めて有用であるといえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)層がエチレンテレフタレートおよびエチレンイソフタレートを主成分とするポリエステル組成物からなり、該ポリエステルが、炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位の繰り返しが3以上であるポリオキシアルキレングリコール成分を、該ポリオキシアルキレングリコール成分に由来する炭素数が2個以上のアルキレンオキサイド単位として、該ポリエステル組成物の全酸成分に対して2〜20モル%含有し、さらに、ワックスを0.01〜0.15重量%、酸化防止剤を0.01〜1.0重量%含有し、融点が220〜250℃であり、密度が1.385g/cm3未満であり、(II)層が水分散型樹脂組成物からなる樹脂層であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法であって、25μm以上の異物が1cm3当り10個以下に制御したポリエステル溶融樹脂膜を該溶融樹脂膜の冷却ロールへの接触点に沿って配置された電極からストリーマコロナ放電により固化させたシートを延伸する工程と水分散型樹脂組成物を塗布する工程を有することを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のポリエステルフィルムを構成するポリエステル組成物の溶融比抵抗が0.3×108Ω・cm以上であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のポリエステルフィルムを構成するポリエステル組成物がポリアルキレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体を含有することを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の電極がテープ状電極(厚みが5〜200μm、電極先端部に0.1mm以上の突出量を有する複数の突部を有する電極)であることを特徴とする高速製缶性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィルムの製造方法。

【公開番号】特開2006−347109(P2006−347109A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179205(P2005−179205)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】