説明

高速階層型断層撮影法および装置

選択された投影を逆投影する(100)ことにより投影(q1…qp)からピクセル画像fが形成され、それにより中間画像(l1,m)が生成されるとともに、選択された中間画像に関してデジタル画像座標変換(102)及び/又はリサンプリング(図31、186、192、196)が行われる。デジタル画像座標変換(102)は、中間画像の成分投影の視野角およびそれらのフーリエ特性を明らかにするように選択され、それにより、中間画像をまばらなサンプルによって正確に表すことができる。その結果として得られる中間画像が部分集合に集められ(104)、このプロセスは、十分な投影および中間画像が処理されて集められることによりピクセル画像fが形成されるまで再帰的形式で繰り返される。デジタル画像座標変換としては、回転(図18、102)、剪断(図10B、120、122)、伸張、縮小(109)等を挙げることができる。リサンプリングとしては、アップサンプリング(101、106)やダウンサンプリング(109)などを挙げることができる。デジタル画像座標変換(202)及び/又はリサンプリング(204)及び/又はデシメーション(図32、204;図33、212)、最終的な中間画像の再投影(208)を行うことにより、1つのピクセル画像(f)から投影(図32、pθ1…pθ18)を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参照することによりその全体が本願に組み込まれる2003年9月9日に提出された仮出願第60/501,350号の一部継続出願である。
【0002】
この発明は、断層撮影法(トモグラフィー)に関し、特に、投影からピクセル画像を形成するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
断層再構成は、X線コンピュータ断層撮影(CT)、ポジション放射断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴断層撮影(MRI)用の特定の取得方法を含むほぼ全ての画像診断様相の基礎にある良く知られた技術である。また、断層再構成は、製造における非破壊評価(NDE)用、セキュリティ走査用、合成開口レーダー(SAR)、電波天文学、地球物理学および他の分野においても用途を見出している。
【0004】
断層データには幾つかの主な形式が存在する。すなわち、(i)平行線の組(セット)に沿って線積分が行われる平行ビーム;(ii)ファン(扇)またはコーン(円錐)として発散する線の組に沿って線積分が行われる発散ビーム;(iii)円、楕円または他の閉じられた或いは開かれた曲線等の曲線の組に沿って積分が行われる曲線ビームがそれである。断層再構成の1つの問題点は、2D画像または3D画像をその線積分投影の組から再構成するという点である。断層再構成の他の問題点は、3D画像をその面積分投影の組すなわち一群の面上でのその積分から再構成するという点である。例えば、3Dラドン変換は、原点からの距離および方向が様々な一群の2D平面上で画像を積分することを含んでいる。断層再構成の問題の幾つか、および、再構成方法の幾つかは、例えばF.Natterer著「The Mathematics of Computerized Tomography」(チチェスター:John Wiley,1986);F.Netterer及びF.Wubbeling著「Mathematical Methods in Image Reconstruction」(フィラデルフィア、Society for Industrial and Applied Mathematics,2001);A.C.Kak及びM.Soaney著「Principles of Computerized Tomographic Imaging」(ニューヨーク:IEEEプレス、1998);S.R.Deans著「The Radon Transform and Some of Its Applications」(ニューヨーク、Wiley,1983)などの標準的な文献に記載されている。
【0005】
断層再構成における選択方法は、加重されない(平行ビームまたはラドン変換の場合)或いは加重される(他の殆どの場合)逆投影ステップを使用するフィルタ逆投影(FBP)または重畳逆投影(CBP)である。このステップは、2DのN×Nピクセル画像に関してはN3、3DのN×N×Nボクセル画像に関しては少なくともN4のような計算要件スケーリングを伴い、技術的には計算上の障害となる。したがって、画像の解像度をNから2Nへと2倍にすると、計算が約8倍(あるいは、3Dの場合には16倍)増える。かつてよりも多量のデータをリアルタイムで収集できる新たな技術(例えば、多列検出器を用いた心臓イメージング、インターベンショナルイメージング)の出現および3D取得ジオメトリの急増に伴ってコンピュータがかなり高速になってきている一方で、高速再構成の必要性は高まりを見せている。高速再構成は、画像形成プロセスをスピードアップすることができ、専用の画像再構成コンピュータのコストを低減することができ、あるいは、この両方を達成できる。
【0006】
逆投影の双対演算は、電子的に記憶された画像の投影を計算するプロセスである再投影である。このプロセスも、断層再構成においては基本的な役割を果たす。人間のオブジェクト(対象物)の実用的な3Dイメージングにとって重要な階層コーンビームジオメトリ(階層コーンビーム構成)におけるロングオブジェクト問題のための高速再構成アルゴリズムを構築するべく、逆投影と再投影とを組み合わせて使用することもできる。また、様々な用途では、単一の画像を再構成(復元)するために逆投影ステップおよび再投影ステップの両方が何回も行われる反復再構成アルゴリズムを使用することが有益であり或いは必要でさえある。逆投影ステップおよび再投影ステップのスピードアップは、そのような反復方法の経済的実現可能性を決定する。
【0007】
再構成をスピードアップするため、何年にもわたって幾つかの方法が提案されてきた。例えば、Brandtらによる米国特許第5,778,038号は、マルチレベル分解を使用して各段階で視野全体をカバーする解像度の高い画像を生成する2D平行ビーム断層撮影のための方法について記載している。Nillsonらによる米国特許第6,151,377号は他の階層型逆投影方法を開示している。これらのシステムはメリットがあるが、更に正確な画像を生成し且つ精度とスピードとの間に多くの自由度を与える方法および装置が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、この発明の1つの目的は、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンのための新規な改良された方法および装置を提供することである。
【0009】
他の目的は、更に正確な画像を生成し且つ精度とスピードとの間に多くの自由度を与えるCTスキャンのための方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[発明の要約]
これらの目的は、本発明によって達成または突破される。選択された投影を逆投影して、中間画像を生成し、中間画像に関してデジタル画像座標変換及び/又はリサンプリングを行うことにより、投影からピクセル画像が形成される。デジタル画像座標変換は、中間画像の成分投影の視野角およびそれらのフーリエ特性を明らかにするように選択され、それにより、中間画像をまばらなサンプルによって正確に表すことができる。その結果として得られる中間画像は部分集合(subset)に集められ、このプロセスは、十分な投影および中間画像が処理されて集められることによりピクセル画像が形成されるまで再帰的形式で繰り返される。
【0011】
デジタル画像座標変換としては、回転、剪断、伸張、縮小等を挙げることができる。リサンプリングとしては、アップサンプリンやダウンサンプリングなどを挙げることができる。
【0012】
デジタル画像座標変換及び/又はリサンプリング及び/又はデシメーションおよび最終的な中間画像の再投影を行うことにより、1つのピクセル画像から投影を形成することができる。
【0013】
添付図面と併せて本発明の実施態様の以下の説明を参照することにより、この発明の前述した特徴および他の特徴並びにこれらを得る形式が更に明らかになるとともに、本発明自体を最も良く理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[詳細な説明]
[記号およびフォント]
明瞭さを高めるために、数学的な記号およびフォントの以下の方式が使用される。
【0015】
空間域における関数は、小文字(例えばf(x))によって示され、一方、それらのフーリエ変換は、大文字(F(ω))によって示される。
【0016】
2つの可変関数の添字は、利便性に応じて様々に示される。関数fの以下の3つの表記、すなわち、
【数1】

は等価なものである。
【0017】
連続域関数および離散域関数はそれぞれ、それらの添字を用いて使用される括弧書きの形式によって区別される。すなわち、f(x1,x2)は、2つの連続変数(すなわち、
【数2】

)の関数であり、また、f[m1,m2]は
【数3】

のサンプル値バージョンであり、したがって、2D配列である。
【0018】
一次演算子およびその対応する行列は、フォント形式によって区別される。
【数4】

が行列であるとすると、
【数5】

はその関連する一次演算子である。例えば、Aが座標変換である場合には、
【数6】

である。
【0019】
同じ演算子は、時として、ブロック図の内側と外側とでは異なって示される。演算子は、ブロック図の外側では
【数7】

として示される場合があるが、ブロック図の内側では
【数8】

として示される。
【0020】
[ハードウェアの概要]
本発明は、CTスキャナを含む様々な画像装置において用途を有している。一般的な画像装置10(図11)は、頭部などの対象物からデータを取得し且つ例えば発散ビームの幾何学的構成(ジオメトリ)を成す線積分投影に対応する未加工データ14を投影プリプロセッサ16に対して送るスキャナ12を有している。投影プリプロセッサ16は、シフト変化する場合があるデータに対して様々な変換、正規化、訂正を適用するとともに、重み付けやフィルタリングも行う。投影プリプロセッサ16の出力は、前処理された投影の集合体であり、以下ではこれを単に投影と称し、また、シノグラム1とも呼ぶ。このシノグラム1 18はシノグラム更新プロセッサ20に対して供給される。シノグラム更新プロセッサ20は、シノグラム2 34からの情報を使用して入力シノグラム1 18を修正し、これにより、例えば、ビーム硬化を含む様々なアーチファクトを訂正し、または、これを多段階あるいは反復の再構成(復元)処理の一環として行う。
【0021】
シノグラム更新プロセッサ20の出力は、高速逆投影プロセッサ24に対して入力されるシノグラム3 22である。高速逆投影プロセッサ24は、一般に、ここで説明するアルゴリズムを実行するようにプログラムされ及び/又は配線された任意の適したタイプのコンピュータまたは特定目的のハードウェア或いはこれらの組み合わせである。
【0022】
高速逆投影プロセッサ24の出力は、画像調整プロセッサ28に対して入力される電子画像1 26である。画像調整プロセッサ28は、アーチファクト画像または多段階あるいは反復の再構成プロセスにおける更なる処理のための画像についての識別および抽出を含む、電子画像の必要な後処理を行う。
【0023】
必要に応じて、画像調整プロセッサ28は、高速再投影プロセッサ32に対して入力される電子画像2 30を生成することができる。高速再投影プロセッサ32は、一般に、ここで説明するアルゴリズムを実行するようにプログラムされ及び/又は配線された任意の適したタイプのコンピュータまたは特定目的のハードウェア或いはこれらの組み合わせである。必要に応じて、このプロセッサは、逆投影プロセッサ24によって用いられる同じコンピュータおよびハードウェアの使用を共有することができる。
【0024】
高速再投影プロセッサ32の出力は、シノグラム更新プロセッサ20にフィードバックされるシノグラム2 34である。逆投影/再投影プロセスは、適切な結果が得られるまで続けることができる。再投影が常に必要であるとは限らないが、多くの状況において再投影が役に立つ。
【0025】
電子画像1 26が適切な場合、画像調整プロセッサ28は、記憶/解析/表示装置38に対して供給される電子画像3 36を生成する。電子画像3 36をコンピュータメモリ内に記憶し、及び/又は例えば異常や危険な材料に関して電子的に解析し、及び/又は表示し、及び/又は特定の視認可能な形式で印刷することができると考えられる。
【0026】
[本発明の逆投影方法および再投影方法の概要]
本発明の逆投影方法は、様々な技術を使用することにより、ピクセル(画素)及び/又はボクセル(3D画素)から成る画像を形成する。ピクセル及び/又はボクセルは、以下では、総称してピクセルと称し、ここでは一般的な方法で導入される。
【0027】
この説明は、例えばD.Dudgeon及びR.Mersereau著「Multidimensional Digital Signal Processing」(Englewood Cliffs:Prentice-Hall,1983)に記載されているような多次元信号処理において一般に用いられる専門用語およびプロセスを使用する。本発明のこの明細書本文中の幾つかの用語は、以下の文脈において使用される。サンプリングパターンなる用語は、座標系に対してその位置が規定される空間内の複数の点から成る組のことを示している。サンプリングパターンの例が図2A〜2Cおよび図3A〜3Cに示されている。デカルトサンプリングパターンとは、2つの互いに垂直な平行線の組の交わりによって形成される複数の点から成る組のことである。連続画像という用語は、座標系上に規定される関数のことであり、例えばf(x,y)およびf(x,y,z)はそれぞれ2D関数および3D関数である。デジタル画像は、サンプリングパターンにおける連続画像の値の配列である。より広義には、連続画像は、スプライン関数等の特定の基準組に対する級数展開の係数として役立つ数の配列によって表すことができる。なお、スプライン関数のうち、ゼロ次スプライン関数のデカルト積は、連続画像としてデジタル画像を表示するための良く知られた平方ピクセル形式を生じる。以下、数のこの配列をデジタル画像とも称する。デジタル演算装置に記憶された全ての画像はデジタルでなければならない。簡単のため、以下では、しばしば、デジタル画像および連続画像の両方を単に画像と称する。この場合、意味は文脈から推測される。この専門用語を用いると、ピクセル画像は、格子すなわち均一に離間された周期的なパターンであるサンプリングパターンに対応するデジタル画像であり、通常、必ずしもデカルトとは限らない。
【0028】
1つのサンプリングパターンは、それがより少ない総数の連続画像サンプルを生じる場合には、他よりもまばらであると言われている。一般に、よりまばらなサンプリングパターンは、より低いサンプリング密度を有している。オーバーサンプリングとは、所望の精度で連続画像を表示するために必要以上に多くのサンプルを使用することである。対応するデジタル画像は、オーバーサンプリングされたと言われる。1つのサンプリングパターンに関して連続画像に対応するデジタル画像が与えられるとすると、異なるサンプリングパターンにおける同じ連続画像に対応する新たなデジタル画像を所望の精度で生成するプロセスは、デジタル画像リサンプリングと呼ばれる。アップサンプリングおよびダウンサンプリングはそれぞれ、密度が高い或いはまばらなサンプリングパターンに関するリサンプリングの特定の場合である。また、1ファクタ分のアップサンプリングまたはダウンサンプリングは、デジタル画像の変化を伴わず、アップサンプリングまたはダウンサンプリングの一形式と見なされる。デジタル画像付加は、同じサンプリングパターン対して規定される或いは基準に対する展開の場合には同じ基準に対して規定されるデジタル画像のポイント毎の付加のことである。低次元デジタルフィルタリングとは、その次元の一部のみに沿う多次元配列のデジタルフィルタリング、例えば2D矩形デジタル画像の各縦列の個々の1Dフィルタリングのことである。
【0029】
連続画像の座標変換とは、回転、剪断、伸張または縮小等の演算のことである。デジタル座標変換を規定するため、座標変換によって関連付けられる2つの連続画像、および、共通のサンプリングパターンに対して連続画像を表す対応するデジタル画像を考慮する。他のデジタル画像から1つのデジタル画像を生成するプロセスは、デジタル画像座標変換と呼ばれる。これは、デジタルフィルタリングによって、すなわち、デジタル画像上での離散的な指数演算によって行うことができる。具体例としては、デジタル画像回転、デジタル画像剪断、デジタル画像伸張、デジタル画像縮小、そのような演算の組み合わせを挙げることができる(しかしながら、これらに限定されない)。デジタル画像座標変換を行うための方法は、例えばM.Unser,P.Thevenaz及びL.Yaroslavsky著「Convolution-based interpolation for fast,high-quality rotation of images」(IEEE Transactions Image Processing,Vol.4,pp.1371-1381,1995)に記載されているように既知である。
【0030】
幾つかのデジタル画像座標変換が図2A〜2Cおよび図3A〜3Cに示されている。図2Aは、連続画像(長方形)の外形およびそれを表すデジタル画像におけるサンプリングパターンを示している。黒点による連続画像の値は、デジタル画像内に含まれている。図2Bおよび図2Cは、同じサンプリングパターンにおける回転された連続画像および剪断された連続画像をそれぞれ示している。この場合、黒点は、図2Aのデジタル画像をデジタル的に回転し/剪断した形態に含まれる値を示している。
【0031】
また、図3Aは、デジタル画像を規定するサンプリングパターンおよび連続画像を示している。図3Bは、x,yの寸法の幾つかの一定のファクタによって伸張された連続画像を示している。デジタル的に伸張された画像は、黒点による伸張された連続画像の値によって規定される。図3Cは、図3Aと同じ連続画像を示しているが、特定の伸張ファクタによってサンプリングパターンの密度が高くなっている。図3Cにおける対応するデジタル画像は、図3Bと同じである。より一般的に言うと、デジタル画像伸張または縮小は、幾つかの規則性をもったサンプリングパターンにおいては、デジタル画像アップサンプリングまたはダウンサンプリングに相当する。
【0032】
なお、0度分の回転、ゼロの剪断パラメータによる剪断、あるいは、1ファクタ分の伸張または縮小などの特定の座標変換の適用では、デジタル画像は不変のままであり、したがって、そのような特定の座標変換の適用は、結果を変えることなく、プロセスの説明において含まれても良く或いは省かれても良い。
【0033】
連続画像のフーリエ変換によれば、サンプリング理論により、サンプリングパターンの特性を決定することができ、それにより、例えばD.Dudgeon及びR.Mersereau著「Multidimensional Digital Signal Processing」(Englewood Cliffs:Prentice-Hall,1983)に記載されているように、対応するデジタル画像が所望の精度の連続画像を表示する。同様に、デジタル画像の離散時間フーリエ変換(DTFT)によれば、どのようなデジタル画像座標変換が、所望の精度レベルで変換連続画像を表すデジタル画像を生成するのかを決定することができる。連続画像のフーリエ変換およびデジタル画像のDTFTの関連する特性は、総称して、フーリエ特性と称される。
【0034】
加重逆投影演算は、逆投影により生成されるピクセルの位置によって決まる重みによる各投影の重み付けを必要とする。異なる重みは、A.C.Kak及びM.Slaney著「Principles of Computerized Tomographic Imaging」(ニューヨーク:IEEEプレス、1998年)に記載されているように、例えば投影が取得された放射線源の位置に応じて、異なる投影において使用することができる。特定のケースとして、重み係数は1と等しくなり得る。これは、重み付けが無いことに対応しているが、重み係数である。具体的に示されていなければ、加重逆投影および非加重投影を総称して逆投影と称する。
【0035】
このような基礎的な知識を用いて、本発明の幾つかの実施態様について説明する。
【0036】
逆投影プロセッサ28(図1)は、本発明を実施するために使用されるアルゴリズムを実行するようにプログラムされている。このアルゴリズムについて詳細に説明するが、最初に、より一般的な言葉で説明する。逆投影プロセスのステップが参照符号を用いてブロック図で示されている。
【0037】
図4は、ステップ50においてゼロ角度で個々の投影q1…qpを逆投影することにより形成された回転中間画像の総和として、回転に基づく逆投影を示している。逆投影は、ステップ52において座標変換に晒され且つステップ54において1つの画像
【数9】

を生成するために集められる複数の画像を生成する。この構造は、それ単独で従来の逆投影に相当しており、演算総数を何ら減らすものではない。しかしながら、この構造は、本発明の高速階層型逆投影方法の一部の導入への足掛かりとして役立つ。
【0038】
図5Aは、複数の投影q1…qpから1つのピクセル画像
【数10】

を形成するための階層型逆投影方法を示している。各投影qmがステップ100において逆投影されることにより、複数の中間画像I1,1…I1,Pが生成される。これは、階層型逆投影のゼロ番目の或いは予備のレベルである。ステップ102では、選択された中間画像に関してデジタル画像座標変換が行われる。変換された中間画像の一部(ここでは、対)はステップ104において集められ、これにより、集合中間画像I2,1,…I2,P/2が生成される。これは階層型逆投影の一番目のレベルである。一番目のレベルの集合中間画像は、階層型逆投影の次のレベルに対して入力される新たな中間画像としての機能を果たす。選択された中間画像に対してデジタル画像座標変換を適用するステップ106におけるプロセス、および、選択された中間画像を集めて新たな中間画像を生成するステップ108におけるプロセスは、ステップ116において全ての中間画像が処理されて集められることにより最終的な画像
【数11】

が生成されるまで続けられる。
【0039】
必要に応じて、幾つかのレベル内の又は幾つかのレベルにわたる演算を組み合わせることができる。例えば、投影の一部に関して、および、図5Bに示されるように2つ以上(図5Aの実施態様においては、正確に2つ)の選択された投影qpの選択された視野角での逆投影112によって代わりに生成された組I2,1,…I2,P/2からの対応する中間画像に関しては、ゼロ番目と一番目のレベルとを組み合わせることができる。あるいは、最初の中間画像の一部は、F.Natterer及びF.Wubbeling著「Mathematical Methods and Image Reconstruction」(フィラデルフィア:Society for Industrial and Applied Mathematics,2001)に記載されるような直接フーリエ再構成方法等の明示的でない逆投影を含む等価プロセスによって生成することができる。
【0040】
中間画像の成分投影の視野角および中間画像のフーリエ特性を明らかにし、それにより、後述するようにまばらなサンプルによって中間画像の集合体を正確に表すことができるようにするため、様々なデジタル画像座標変換のパラメータが選択される。これらのフーリエ特性は、中間画像の本質的なスペクトルサポート、すなわち、中間画像のフーリエ変換がゼロとは大きく異なっているフーリエ(周波数)領域の範囲に焦点を合わせている。サンプリング理論の教示内容によれば、連続画像のスペクトルサポートは、基礎を成す連続画像を表すデジタル画像を生成するサンプリングパターンの性質を決定し、それにより、連続画像を確実に再構成することができる。特に、図6は、階層アルゴリズムにおける中間画像
【数12】

の典型的なV字形(くさび形)スペクトルサポートを示している。
【0041】
図7(A)および図7(B)は、座標変換がデジタル画像回転となるように選択される際の、図5(A)に示される二成分階層逆投影アルゴリズムにおける中間画像のフーリエサポートを示している。図7(A)は、仮想中間画像
【数13】

のフーリエ領域サポートを示している。仮想画像
【数14】

は、対応する画像Il,m中に含まれる投影の逆投影から成る。図7(B)は、中間画像の成分投影の視野角および中間画像のフーリエ特性を明らかにするように座標変換のパラメータを選択することにより、中間画像の垂直帯域幅(破線の長方形の高さ)を最小限に抑えることができ、それにより、まばらなサンプリングが可能になるとともに、計算要件を減らすことができることを示している。図7(C)は、Il,m,Il-1,2mおよびIl-1,2m-1の空間領域サンプリング方式を示している。サンプリング点は空間領域内の点線の交点にある。
【0042】
図8は、中間画像の三成分集合を行う本発明の他の実施態様を示している。この場合、P=2×3L個の投影である。具体的に示すため、P=18個の投影の場合が示されている。図5(A)の場合と同様に、ステップ100においては、投影qθ1,qθ2,…,qθ18が逆投影されることにより、複数の中間画像Id1,1…Id1,18が生成される。これは階層型逆投影のゼロレベルである。
【0043】
投影が3つにグループ分けされるとともに、各グループの選択された投影(図8の場合には、3つのうちの2つ)がステップ102においてデジタル画像座標変換を受ける。変換された中間画像の一部Id1がステップ104において集められ、これにより、集合中間画像Id2,1,…,Id2,6が生成される。これは階層型逆投影の一番目のレベル(l=1)である。
【0044】
階層型逆投影の二番目のレベル(l=2)では、選択された集合中間画像Id2,mがステップ106においてy座標に沿う伸張またはアップサンプリングから成る座標変換を受け、また、ステップ108において、選択された集合中間画像に関して他の座標変換
【数15】

が行われる。ここでも、変換された中間画像がステップ110において3つのグループで集められ、それにより、中間画像Id3,1,Id3,2が生成される。レベル2からの選択された中間画像は、ステップ112においてデジタル画像座標変換を受けるとともに、ステップ114において集められ、それにより、次のレベルの中間画像Id4,1が生成される。このプロセスは、投影の数に応じて、ステップ116で画像
【数16】

を生成するために必要な程度まで繰り返される。最後のレベル112において
【数17】

により示されるデジタル画像座標変換はデジタル画像回転であり、その前のレベル102及び108におけるデジタル画像座標変換もデジタル画像回転となるように選択することができる。ここでも、中間画像の成分投影の視野角および中間画像のフーリエ特性を明らかにし、それにより、後述するようにまばらなサンプルによって中間画像の集合体を正確に表すことができるように、様々なデジタル画像座標変換のパラメータが選択される。
【0045】
図9は、図8の三成分逆投影アルゴリズムにおけるスペクトルサポートの進展を示している。番号(1),…,(9)は、図8中のアルゴリズムのブロック図における対応する点と一致している。図示のスペクトルは、デジタル画像Il,mの離散時間フーリエ変換(DTFT)である。
【0046】
図10(A)は、三成分二剪断型の階層型逆投影を使用する本発明の他の実施態様におけるアルゴリズムを示している。図10(a)の実施態様は図8の実施態様と類似しており、そのため、適切な場合には図8の参照番号が使用されている。図8の場合と同様に、P=2×3L個の投影であり、L=2の場合が示されている。図10(a)の実施態様は、2つの点で図8に示された実施態様とは異なる。第1に、x座標に沿う更なるアップサンプリングステップが一番目のレベルの座標変換のステップ101に含まれている。第2に、ステップ102及び108において
【数18】

により示されるデジタル画像座標変換の少なくとも一部が、図10(b)に示されるように、一連の2つのデジタル画像剪断演算、すなわち、y座標に沿う第1の演算(120)と、x座標に沿う第2の演算(122)とから成る。
【0047】
図11Aは剪断スケール逆投影を示しており、図11Bは等価な階層型剪断スケール逆投影を示している。図11Aにおいて、複数の投影q1,…,q4は、ステップ140で逆投影されるとともに、ステップ142で剪断スケール座標変換を受ける。その結果として得られる中間画像は、ステップ144において集められる。
【0048】
図11Bにおいて、投影q1,…,q4は、ステップ146で逆投影されるとともに、ステップ148で剪断スケール座標変換を受け、ステップ150で一部(サブセット)に集められる。この集合によって生成された中間画像は、ステップ152において再び剪断スケール変換を受け、その結果として得られる中間画像はステップ154において集められる。このプロセスは、全ての投影および中間画像が処理されて集められることにより1つの画像
【数19】

が形成されるまで再帰的な形式で続けられる。ここでも、視野角およびフーリエ特性を明らかにし、それにより、サンプリング要件および必要な計算を減らすことができるようにデジタル剪断変換および中間画像のサンプリングのパラメータが選択される。
【0049】
図12は、中間画像のスペクトルサポートに対する画像剪断の影響を示している。図12Aは、投影の特定の一部が最終的な画像中に現れる際の当該特定の一部のスペクトルサポートを示している。図12(B)は、同じ投影から成る中間画像のスペクトルサポートを示している。この場合、座標変換パラメータは、垂直方向で最も高いラジアン周波数を最小にするように選択されている。
【0050】
図13は、本発明の他の実施態様におけるアルゴリズム、すなわち、三成分階層型剪断スケール逆投影を示している。投影qθ1,…,qθ1は、ステップ160において逆投影されるとともに、ステップ162において剪断スケールデジタル画像座標変換を受ける。その結果として得られる画像の一部(サブセット)はステップ164において集められ、それにより生じる中間画像は、ステップ166および168においてアップサンプリングを受けるとともに、ステップ168においてデジタル剪断座標変換を受ける。これらの画像の一部はステップ170において集められ、また、それにより生じる選択された画像はステップ172において更なる座標変換を受ける。このプロセスは、全ての投影および中間画像が処理されてステップ174で集められることにより画像
【数20】

が生成されるまで続けられる。ここでステップ172において示される最終的な座標変換
【数21】

は、ピクセル画像
【数22】

におけるサンプリングパターンがデカルトである場合、ピクセルの再配置のみを含んでいる。
【0051】
図14は、図12に示される中間画像のフーリエ特性の性質を使用して前述した実施態様における座標変換のパラメータを見つけるためのアルゴリズムである。
【0052】
図15は、本発明の他の実施態様におけるアルゴリズム、すなわち、オーバーサンプリング三成分二剪断階層型逆投影を示している。図15の実施態様は図10Aの実施態様に類似しているため、適切な場合には図10Aの参照符号が使用されている。しかしながら、図15の実施態様は、図10Aのステップに加えて、最後の1つ前にダウンサンプリングステップ109を含んでおり、これは図15においては二番目のレベルである。ここでも、中間画像の成分投影の視野角および中間画像のフーリエ特性を明らかにし、それにより、まばらなサンプルによって中間画像の集合体を正確に表すことができるように、様々なデジタル画像座標変換のパラメータが選択される。しかしながら、後述するようにその後の処理の精度を高めるために特定の度合いのオーバーサンプリングが使用される。必要に応じて計算効率を高めるため、二剪断デジタル画像座標変換108(図10Bに示される)を含む第2のx座標剪断とダウンサンプリングステップ109とを組み合わせて、剪断スケール変換を生成し、それにより、プロセス108及び109を共に図15(B)に示されるプロセスに取って代えるようにすることもできる。
【0053】
図16は、本発明の他の実施態様におけるアルゴリズム、すなわち、オーバーサンプリング三成分階層型剪断スケール逆投影を示している。図16の実施態様は図13の実施態様と類似しているため、適切な場合には図13の参照符号が使用されている。しかしながら、図16は、中間のレベルにアップサンプリングの更なるステップ161を含んでいるとともに、最後のレベルの前のレベルにダウンスプリング169を含んでおり、これにより、中間画像がアップサンプリングされダウンサンプリングされる。図15の実施態様と同様に、x座標に沿うダウンサプリングステップ169 ↓xl,mがx剪断ステップ168
【数23】

の後に続く図16の実施態様においても、計算効率のため、2つを組み合わせて1つのデジタル画像剪断スケールにすることができる。
【0054】
[高速階層逆投影アルゴリズムにおける非デカルトサンプリング方式]
図8、10および13に示される階層型逆投影の異なる実施態様における中間画像は、効率的な非デカルトサンプリングに従う特定のスペクトルサポートを有している。特に、l番目のレベルにおいて基礎を成す連続領域画像Il,mは、例えば図6、7、9および12から分かるように、フーリエ空間内にV字形を占めている。多次元サンプリング理論から分かるように、このようなスペクトルサポートを伴う画像においては、デカルトグリッドにおけるサンプリングが、適当な非デカルトグリッドにおけるサンプリングよりも効率性が低い。非デカルトサンプリングは、ベースバンドスペクトルのコピーをフーリエ平面内にしっかりと詰め込むことによりサンプリング効率を高めることができる。2Dサンプリングの説明のため[?]を参照されたい。特に、5点形(quincunx)サンプリング方式は、中間画像のサイズを減少させ、したがって、ほぼ2のファクタ分だけアルゴリズムの計算コストを減少させる。周期的な非デカルトサンプリングパターンにおけるデジタル画像座標変換は、一次元シフト不変フィルタを使用して効率的に実行できる。同様に、デジタル画像変換のパラメータの選択のための前述した全ての方法は、そのようなサンプリングパターンの場合にも同様に適用される。したがって、前述した全ての実施態様は、周期的な非デカルトサンプリングパターンを使用する実施態様にまで及ぶ。
【0055】
既に説明した本発明の実施態様の変形例は、例えば陽電子放出断層撮影において起こるX線変換および磁気共鳴映像法において起こる3Dラドン変換を含む様々な形式の3D投影の3D逆投影に適用することができる。
【0056】
三次元(3D)X線変換は、3Dの様々な方向での平行線の組に沿う積分の集まりである。各3D X線投影は、線が方向付けられる3D角度により特徴付けることができる二次元関数である。3D X線データのための階層型逆投影におけるブロック図は、前述したブロック図、例えば図8、10、13、15および16と同様である。この場合の中間画像は、三次元であり、前述した例の場合のような二次元ではない。各中間画像は、成分投影の3D角度の平均となる方向でまばらな3Dサンプリングパターンでサンプリングされる。アルゴリズムが進むと、3D X線投影のフーリエ解析により説明されるように、このまばらなサンプリング(遅い)方向に沿うサンプルの密度は、その方向で増大する帯域幅に対応するように増大する。その結果、アルゴリズムの全ての段階で、画像が集められる前に、各画像は、この遅い方向に沿ってアップサンプリングされなければならない。また、3Dの実施態様で利用可能な余分な次元は、アルゴリズムの様々なステップでの使用に利用できる更に多くの座標変換、例えば3D回転を与える。2Dの場合と同様に、これらのデジタル画像座標変換のパラメータは、中間画像の成分視野角およびフーリエ特性を明らかにするように選択することができる。これらのデジタル画像座標変換は、前述した剪断や剪断スケール等の一連の一次元演算に分解することができる。2Dの場合と同様に、画質を向上させるため、三次元の任意の一部においてオーバーサンプリングが実施されてもよい。
【0057】
3Dラドン変換投影は、一次元関数(原点からの平面の変位によってパラメータ化される平行な2D平面の組に沿う積分の集まり)である。投影の視野角は、平面の組に対して垂直なベクトルの3D方位角である。3Dラドン投影の階層型逆投影のブロック図は、図8、10、13、15または16の場合と同様である。一番目のレベルにおいて、投影は3D画像領域上にラドン逆投影される。これらの画像は、二次元に沿って一定であり、したがって、2つの一定の方向に対して垂直な方向でのみサンプリングすれば済む。3Dラドン投影のグループが組み合わされると、集合画像の帯域幅は、これらの成分投影の視野角に応じて、1つ又は2つの次元で増大する場合がある。したがって、中間画像を座標変換し且つ他の中間画像に加える前に、2つの次元で中間画像をアップサンプリングすることが必要である。2Dの場合と同様に、座標変換は、別個に行われてもよく、アップサンプリング演算と組み合わされてもよく、また、中間画像に関してオーバーサンプリングが実施されてもよい。
【0058】
本発明の様々な実施態様において、デジタル画像座標変換およびダウンサンプリング演算またはアップサンプリング演算は、一連の低次元(一次元)線形デジタルフィルタリング演算によって実行されてもよい。また、使用されるサンプリングパターンが特定の周期性を有している場合には、後述するように、これらのデジタルフィルタがシフト不変フィルタであってもよい。計算効率のため、デジタルフィルタは、既知のように再帰フィルタ構造を使用して或いはFFTを使用して実施することができる。デジタルフィルタにとって好ましい値を決定するための1つの方法は、M.Unser,A.Aldroubi及びM.Eden著「Fast B-spline transforms for continuous image representation and interpolation」(IEEE Transactions on Patern Analysis and Machine Intelligence,Vol.13,pp.277-285,1991);M.Unser,A.Aldroubi及びM.Eden著「B-spline signal processing:Part I - theory」(IEEE Transactions Signal Processing,Vol.41,pp.821-832,1993);M.Unser,A.Aldroubi及びM.Eden著「B-spline signal processing:Part II - efficient design and applications」(IEEE Transactions Signal Processing,Vol.41,pp.834-848,1993)において説明されているように、スプライン補間の理論を使用することである。
【0059】
本発明の階層型逆投影方法は、任意の線源軌道を持つファンビームおよびコーンビームを含む離散ビーム構成等の広範囲の断層イメージング構成に適用できる。円形の走査軌道を持つ一般的なファンビーム構成が図17に示されている。放射線源は、半径Rの画像の周りで、半径Dの円形の軌道上を移動する。線源角度βにおけるファンビーム投影は、ファン角度γによってパラメータ化される放射線の組に沿う線積分測定値に対応している。TSTは、画像ディスクの最も近い端までの放射線源の放射線に沿う距離であり、TENDは、画像ディスクの最も遠い端までの放射線源の距離である。
【0060】
図18は、本発明の一実施態様におけるアルゴリズム、すなわち、ファンビーム加重逆投影に適用できる階層三成分回転型投影を示している。図18の実施態様は図8の実施態様と類似しているため、適切な場合には図8の参照符号が使用される。図18の実施態様は、幾つかの点で図8に示される実施態様と異なっている。第1に、P=4×3L個の投影であり、L=2の場合が示されている。第2として、ゼロ番目のレベルでは、ステップ99において、ここでは
【数24】

で示される加重逆投影により、最初の中間画像Id1,mがファンビームから生成される。第3として、最後の段階では、2つの中間画像ではなく、4つの中間画像が集められる。第4としては、後述するように、階層の初期のレベルの殆どで使用されるサンプリングパターンは、好ましくは非デカルトとなるように選択される。ここでも、最後のレベルの1つ前で中間画像Id3,mに関してデカルトサンプリングパターンが使用される場合、最後のデジタル画像座標変換は、画像ピクセルの並べ換えだけを必要とする。また、図5(B)の場合と同様に、階層のゼロ番目および一番目のレベルにおける演算を組み合わせることにより、中間画像Id2,mがこれらの3つの成分投影の直接加重ファンビーム逆投影によって或いは他の手段によって生成されるようにすることもできる。
【0061】
選択された数のレベルにおいては、図19に示されるように、アップサンプリングステップおよびデジタル画像回転のカスケード(図18におけるステップ106及び108)の前後に更なる重み付け(加重)ステップを含ませることにより、図18の実施態様を修正することが有益である。中間画像I2,mは、ステップ106及び108の前後でそれぞれステップ180及び182において空間的に変化する重みにより加重される。後述するように、この重み付けは、中間画像のサンプリング要件を減らすため、したがって、計算を減らすために使用することができる。
【0062】
中間画像のサンプリング方式はアルゴリズムの性能に影響を与える。望ましいサンプリング方式は、画像情報を失うことなく最も少ないサンプルを使用する方式である。ここでも、中間画像の成分投影の視野角および中間画像のフーリエ特性を明らかにし、それにより、後述するようにまばらなサンプルによって中間画像の集合体を正確に表すことができるように、様々なデジタル画像座標変換及びリサンプリング演算のパラメータを選択することができる。これらのパラメータを選択するための他の方法は、後述するように、放射線または曲線の特定の組の交わりに基づいている。
【0063】
図20A〜図20Cは、線源角度が間隔Δβで均一に離間された場合における、図18に示された三成分階層アルゴリズムの複数のレベルにわたる中間画像の経過(進行)を示している。アルゴリズムにおいて中間画像を形成する投影のファン(扇)が示されている。ゼロ番目のレベルにおいて、各中間画像Idl,mは、図20(A)に示されるように、ファン(扇)がβ=0で方向付けられた1つの投影によって形成されている。再帰の一番目のレベルの後、各中間画像は、図20(B)に示されるようなファン(扇)を有する3つの投影から形成される。二番目のレベルの後、各画像は、図20(C)に示されるように9個の逆投影されたファン(扇)によって形成される。
【0064】
図21Aおよび図21Bには、図20(C)に示される成分ファンを有する中間画像I3,mに関して、座標変換を選択し且つアルゴリズムでパターンをサンプリング/リサンプリングするための交差に基づく方法が示されている。I3,mにおけるサンプリングパターンは、中心の成分ファン上に位置する複数の点によって形成されており、これは図20(A)に示されるパターンと一致している。図21(A)および図21(B)に示されるように、I3,mにおけるサンプリング点は、中心ファンのそれぞれの側に外側成分ファン(扇)を有する中心ファンの半分の交差によって決定される。
【0065】
逆投影の精度を高め且つ計算要件を減らすためには、2つの制約を適用することにより、結果として得られるサンプリングパターンを修正することが有益である。第1に、放射線に沿うサンプルの密度は、最終的な画像の所望のサンプリング密度を超えないように制限される。第2に、サンプリングパターンは、それぞれの側の画像ディスクの外側で各放射線上に少なくとも1つのサンプルが含められるようにされる。図22におけるプロットは、ファン角度γrにおける中心ファンの特定の放射線に沿うサンプリング点の位置を表示している。サンプリング点は一定の間隔γ’で位置している。ここで、γ’は、図21(a)、(b)及び(c)に示される外側ファン(扇)のうちの1つのファン角度である。図22の連続曲線上に位置する点は、図21Aおよび図21Bに示される方法を使用して得られた当初の交点である。破線の曲線上の点は、上記2つの制約を使用して修正された点である。?図23(D)?は、この修正された交差方法を使用して得られたサンプリングパターンの一例を示している。図示のファン(扇)は、このサンプリングパターンが生成された中間画像の中心ファンである。
【0066】
本発明の前述した実施態様の場合と同様に、リサンプリング演算およびデジタル画像回転演算を一連の一次元演算に分解することが有益である。図18において↑Uが記されたブロックは、中心ファン上でサンプリングされた中間画像を、同じファン上のサンプリング点の更に細かい組へとアップサンプリングすることを表している。これは、ファンの各放射線に沿う別個のアップサンプリングによって行うことができる。図18において↑Uおよび
【数25】

によって記されたアップサンプリングおよび回転のカスケードに関しては、図23(A)〜図23(D)に示されるように、1D演算への分解を一緒に行うことが便利である。4つのパネルのそれぞれにおいて、2つの点線の円は、半径Dの画像の境界および半径Rの(大きい)円上の線源軌道を表している。サンプリング点は、小さな円によって表されている。図23(A)に示されるサンプリングパターンおよび中心ファン(Fana)を有するデジタル中間画像は、リサンプリングされるとともに図23(D)に示される中心ファン(Fand)の角度まで回転されなければならない。この場合、最終的なサンプリングパターンが図23(d)に示されている。これは、以下の2つのステップで達成される。
【0067】
(i)Fanaの各放射線に沿って個別に、画像を、FanaとFandとの交差によって規定される図23(b)に示されるサンプリングパターンへとアップサンプリングする。したがって、これらの点は図23(c)に示されるようにFand上にある。
【0068】
(ii)Fandの各放射線に沿って個別に、画像を、図23(d)に示されるサンプリングパターンへとアップサンプリングする。
【0069】
これらのステップは、1Dアップサンプリング演算を使用して、リサンプリングと回転とを組み合わせた演算を行う。
【0070】
周期的なサンプリングパターンでサンプリングされた中間画像の場合において本発明の実施態様に関し説明したフーリエ解析技術は、離散ビームの場合における空間的に変化するサンプリング方式を考え出すことにまで及ぶ。これらの技術は、二次元および三次元の両方で任意の軌道上の投影および逆投影に適用されるのに一般に十分である。線または曲線の周期的でない系における逆投影の場合に関しては、局所スペクトルサポートの概念がスペクトルサポートの概念に取って代わる。これが図24に示されている。この場合、図24の左側に示される1つのファン(扇)の逆投影によって1つの中間画像が生成される。後述するように、rおよびθによってパラメータ化された図示の点におけるこの連続中間画像の局所スペクトルは、図24(b)の右側に示されるフーリエ領域における線分である。複数のファンビーム投影の逆投影から成る中間画像の1つの点における局所スペクトルサポートが図25に示されている。左側には、その点の位置が示されており、また、中間画像における成分投影の視野角の範囲も示されている。右側の蝶ネクタイ形状の領域は、対応する局所スペクトルサポートである。
【0071】
局所スペクトルサポートのこの解析は、中間画像における局所的なサンプリング要件を決定するために使用される。その結果として得られる空間的に不均一なサンプリングパターンが、2つの典型的な中間ファン逆投影画像に関して、図26Aおよび図26Bに点線の円弧で示されている。画像の境界が破線の円によって示されており、また、この境界の外側では、数少ない点がとられるだけで済む。この局所フーリエサンプリング方法は、任意の寸法にわたる線、曲線または面にわたった任意の投影形状のためのサンプリング方式を見出すために直接に適用されてもよい。
【0072】
階層型ファンビーム逆投影における座標変換およびリサンプリングのためのサンプリングパターンを決定するためのフーリエに基づく方法は、後述するように、中間画像の中心ファン以外の線や曲線上に位置するサンプリングパターンにまで更に及ぶことができる。そのような有利な組の例が図27(A)および図27(B)に示されている。
【0073】
[一般的な発散ビームアルゴリズム]
ファンビーム逆投影に関して前述した方法は、後述するように現代の診断放射線医学で最も重要なものの1つである3Dコーンビームを含む他の発散ビーム形状にまで直接に及ぶ。発散放射線の線源が画像化される対象物の周囲を所定の軌道(すなわち、円)に沿って移動するファンビームの幾何学的な形状と同様に、一般的な発散ビームの幾何学的形状においても、発散放射線の線源は、画像化される対象物の周囲を3D空間内の所定の軌道(必ずしも円形ではない)に沿って移動する。検出器面は、画像化される対象物を通して線積分を測定する。
【0074】
一般的な発散ビーム形状における階層逆投影アルゴリズムの1つの実施態様も同様に図18に類似したブロック図によって説明することができるが、以下の方法で修正が加えられる。第1に、ゼロレベルにおいては、ステップ99において発散ビーム投影がゼロ逆投影される。この場合、適切な発散ビームシングルビュー(single-view)逆投影
【数26】

は、基準「ゼロ」線源位置に対応している。そして、これにより、最初の中間画像が生成される。第2として、線源軌道は必ずしも円形ではないため、中間画像の成分発散ビームは、ファンビーム形状の場合と同様に単に回転されるだけではなく、互いに対して並進されてもよい。したがって、ステップ18における座標変換
【数27】

が選択される。第3としては、線源軌道および位置における対称性の存在に応じて、ファンビームアルゴリズムにおけるπ/2回転に取って代わるピクセル再配置などの「自由な」座標変換が存在しても良く或いは存在していなくてもよい。
【0075】
ファンビームの場合と同様に、最初の中間画像は、アルゴリズムによって階層的に処理される。ファンビームの場合と同様に、位置および方向が互いに近い中間画像が集められ、それにより、集められた集合中間画像がまばらにサンプリングされてもよい。中間画像における3Dサンプリングパターンは、互いに対して回転され且つ並進される成分加重逆投影発散ビームの構造を検討することにより決定される。図28に示される1つのサンプリングパターンは、中間画像の中心成分ビームに対応する発散ビームの放射線に沿ってサンプルが位置される場合のものである。各放射線に沿うサンプル間隔は、その中間画像の全ての成分発散ビームが放射線に沿って十分にサンプリングされるべく選択される。あるいは、より一般的な方法は、ファンビームの場合に関して前述したように、局所フーリエ方法を使用してサンプリングパターンを見つけることである。中間画像がどのようにしてその成分投影から成っているのかが分かれば、全ての中間画像の局所3Dフーリエ構造が決定される。ファンビームの場合において説明したように、局所フーリエサポートのためのサンプリング要件に適合する、中間画像の各点における3D局所サンプリング行列関数が見つけられる。この行列関数は、その後、サンプルの位置を決定するために画像領域にわたって積分される(可能であれば、数に関して)。
【0076】
回転および並進と組み合わせて新たなサンプリングビームへとアップサンプリングする別個の方法が、ファンビームの場合と同様に行われる。この方法は、3D座標変換演算およびリサンプリング演算を、一連の1Dリサンプリング演算まで減少させる。図29(a)に示されるように、各発散ビームは、方位角で分けられる垂直平面ファンビームの組の交わりとして見なされてもよい。この場合、傾斜平面ファンビームの組は異なる仰角を成している。分離できる座標変換のステップは以下の通りである(図29(b)に示されている)。
【0077】
1.最初の発散ビームは、最初の放射線と新たな発散ビームの垂直平面との交点の組へとリサンプリングされる。したがって、これらの点は、最終的なサンプリング点によって共有される平面上に位置される。
2.ファンビームの場合における分離可能なリサンプリングのステップ1,2は、点の最後の組へとリサンプリングするように平面ごとに別個に行われる。
【0078】
効果的なサンプリング方式を適切に用いると、発散ビームにおける高速階層逆投影アルゴリズムは、所望の精度で大きなスピードアップを達成することが期待できる。ファンビームの場合と同様に、連続的レベルで修正される(例えば、頂点の位置が原点から更に遠く離れるように移動する)擬似ビームを使用することもできる。
【0079】
当業者であれば分かるように、本発明の方法は、幾何学的形状を画像化する実施例またはここで説明した特定の実施態様に限定されない。本発明の方法は、他の幾何学的構成を伴う逆投影の一般的な問題にも同様に適用することができる。
【0080】
図30は、線源位置βpにおける個々の投影の一般化された逆投影によって形成されるアップサンプリングされた中間画像の総和として、リサンプリングに基づく逆投影を示している。この逆投影は、回転に基づく逆投影4に類似しているが、2つの点でそれと異なる。第1に、最初のステップでは、4の場合と同様に、ゼロ位置においてではなく線源位置または方向βpにおいて、p番目の(できれば処理された)投影が加重逆投影184を受ける。例えばファンビーム投影の場合では、各投影がその線源角度の方向で逆投影される。第2としては、ステップ188での加算(付加)による集合の前に、最初の中間画像のそれぞれがステップ186においてアップサンプリング演算を受ける。これは必要なことである。なぜなら、これらのP個の単一投影中間画像のそれぞれのサンプリングパターンは、効率的で且つまばらなパターンとなるように選択されるからであり、そのため、一般的には各投影毎に異なっており、しばしばデカルトではない。中間画像が集められる前に、これらの中間画像を共通の密度が高いグリッドへとリサンプリングする必要がある。この構造は、それ単独では、演算総数を何ら減らすものではない。しかしながら、この構造は、本発明の高速階層型逆投影方法の一部の導入への足掛かりとして役立つ。
【0081】
図31は、本発明の他の実施態様、すなわち、複数の投影q1…qpから1つのピクセル画像
【数28】

を形成するためのリサンプリングに基づく階層型逆投影である。図31は、図30の二成分階層版である。最初に、非階層型の場合と同様に、ステップ184において、各投影は、その個々の方向で、その方向に適したサンプリングパターンへと逆投影され、それにより1つの中間デジタル画像が生成される。これは階層のゼロ番目のレベルである。階層の一番目のレベルでは、これらの中間デジタル画像が、ステップ186において、選択された画像対に共通の高密度サンプリングパターンへとアップサンプリングされる。このアップサンプリングは、通常、非デカルトサンプリングパターンに対してのものであるが、図23または図29(b)に示されるように一連の一次元リサンプリング演算によって行うことができる。結果として得られた選択されたアップサンプリング画像は、ステップ190において対を成して集められ、これにより新たな中間画像が生成される。二番目のレベルにおいて、新たな中間画像は、ステップ192で再びアップサンプリングされるとともにステップ194で集められ、これにより新たな中間画像が生成される。このプロセスは、全ての中間画像および投影が処理されて最後の収集ステップ198の後に最終的な画像
【数29】

が生成されるまで続けられる。前述した実施態様の場合と同様に、レベル内およびレベルにわたって演算を組み合わせることができる。
【0082】
階層中の各段階でのサンプリングパターンおよび図31に示される実施態様におけるアップサンプリング演算のパラメータは、前述した任意の方法によって選択されてもよい。例えば、ファンビーム投影の場合、所定の中間画像における1つの可能なサンプリングパターンは2つのファンの交差部に位置している。すなわち、第1のファンは中心成分線源位置で方向付けられ、第2のファンは外側成分線源位置で方向付けられている。あるいは、アップサンプリングステップのパラメータおよびサンプリングパターンは、フーリエまたは局所フーリエ特性および中間画像中に含まれる投影の視野角に基づいて決定することができる。特に、周期的でないサンプリングパターンの場合には、サンプリングパターンを見つけるために、ファンビーム回転に基づくアルゴリズムに関して前述した局所フーリエ方法を使用することができる。すなわち、投影をどのように組み合わせて中間画像を形成できるかについての知識があれば、局所スペクトルサポートを決定することができ、また、この局所スペクトルサポートを使用して局所サンプリング行列関数を計算することができる。なお、この局所サンプリング行列関数は、画像領域にわたって積分されると、中間画像におけるサンプリングパターンを生成する。
【0083】
図32は高速階層型再投影のためのブロック図である。再投影は、所定の電子画像から断層投影を計算するプロセスである。再投影アルゴリズムは、フローグラフ転置(flow graph transposition)のプロセスを逆投影アルゴリズムの任意のブロック図に対して適用し、できれば重み付け演算の一部に変更を施すことにより見出される。プロセスにおいては、演算がそれらの随伴行列または双対形に取って代えられる。したがって、再投影のためのブロック図は、逆投影における対応するブロック図の逆バージョンに類似しているように見える。図32に示される再投影プロセスは、図8に示される逆投影アルゴリズムから得られる1つのそのような再投影の実施態様である。
【0084】
一番目のレベルにおいては、入力画像fのコピーが上側中間画像として線図の上側の枝に保たれ、また、下側の枝においては、ステップ200において画像fが−π/2だけ回転され、それにより下側中間画像が生成される。二番目のレベルでは、線図の上半分において、回転されなかった中間画像がステップ202において3つの別個のデジタル画像座標変換を受ける。その一部は画像が不変のままであっても良く、それにより3つの異なる上側中間画像が生成される。同様のプロセスが下側の枝にも適用され、それにより3つの下側中間画像が生成される。上側および下側中間画像(全部で6個)のそれぞれは、その後、ステップ204においてデシメーション(ローパスフィルタリングの後、ダウンサンプリングする)のプロセスを受け、それにより新たな中間画像が生成される。図32に示される実施態様の場合には、2・3L(L=2)個の視野角しか存在せず、そのため、三番目のレベルが再帰的階層における最後のレベルとなる。三番目の最後のレベルにおいて、中間画像は、その一部の画像が不変のままであってもよい別個の座標変換(206)を受け、それにより18個の中間画像が生成される。再帰の一部ではない最後のステップは異なっている。すなわち、各中間画像は、ステップ208においてゼロ度で再投影を受ける。ゼロ度での再投影は、ピクセルの垂直線を合計して一次元信号を生成することに相当している。これらの一次元信号(518)は、アルゴリズムによって生成される出力投影である。
【0085】
アルゴリズムにおけるデジタル画像座標変換のパラメータは、中間画像のフーリエ特性の知識によって選択される。これらのパラメータは、対応する逆投影アルゴリズムのパラメータに対して単に関連付けられている。容易に分かるように、再投影ブロック図は逆投影ブロック図のフロー転置であることから、再投影ブロック線図の全ての枝は、対応する枝を逆投影ブロック線図中に有しており、また、対応する枝における座標変換は互いの数学的な随伴行列である。図10の二剪断逆投影アルゴリズムに対応するこの再投影アルゴリズムの形態において、二番目のレベルにおける座標変換(202)ではx剪断後にy剪断が行われ、また、最後のレベルにおける座標変換(206)では、x剪断後にy剪断が行われた後、xにおいて部分デシメーションが行われる(これらの3つの演算は剪断スケールまで減らすことができる)。これらの剪断のパラメータは、逆投影アルゴリズムで使用される対応するパラメータのマイナスである。xにおけるデシメーションのパラメータは、逆投影アルゴリズムの一番目のレベルでのxにおけるアップサンプリングのパラメータと同じである。(図13に示される剪断スケール逆投影アルゴリズムに対応する)このアルゴリズムの剪断スケール版において、二番目のレベルにおける座標変換(202)はxにおける剪断である(各剪断のパラメータは図13における対応するパラメータのマイナスである)。最後のレベルにおける座標変換(206)は剪断スケールである。再投影アルゴリズムで使用される剪断スケールは、逆投影において使用される対応する剪断スケールの数学的な随伴行列である。また、デシメーションファクタ(係数)のパラメータも逆投影における対応するアップサンプリングファクタ(係数)と同じである。
【0086】
逆投影アルゴリズムの場合と同様に、アルゴリズムにおける中間画像のオーバーサンプリングは、まずアルゴリズムの最初に画像をアップサンプリングするとともにアルゴリズムの最後に同じファクタ分だけこれらの画像をダウンサプリングすることにより実施することができる。これらの演算は、レベル内およびレベルにわたって組み合わせることもできる。
【0087】
図33は、デシメーションに基づく加重再投影のブロック図である。図31のフローグラフ転置と同様に、図33は、18個の異なる線源角度の投影組への画像の再投影を示している。最初に、所定の画像が2つの平行な経路に沿って処理される。各経路において、画像は、3つの異なるまばらなサンプリングパターンへの3つの平行なリサンプリング(210)を受ける。このリサンプリングは、一次元デシメーション(ローパスフィルタリングの後、まばらなグリッドへのリサンプリングを行う)を使用して別個に行うことができる。フィルタのパラメータは、所望の投影および中間画像のフーリエ特性によって決定される。所望の投影の局所フーリエ解析は、投影が平行な直線上に位置していない場合に使用される。アルゴリズムの最後のレベルにおいて、各中間画像は、まばらなサンプリングパターンへの3つの平行なリサンプリング(212)を再び受ける。最後に、画像に関して加重投影が行われ、それにより投影pθが生成される。これは、一次元投影を生成するための画像ピクセルの加重合計を含んでいる。
【実施例】
【0088】
[実施および実験結果]
Cプログラミング言語において本発明の好ましい実施態様を実施し、また、384MB RAMを有するSun Ultra 5 ワークステーションによる数値実験で当該実施態様の試験を行った。試験画像はシェップローガンヘッドファントム(断層アルゴリズムの数値評価で使用される標準的な試験画像)であった。アルゴリズムのパラメータを変えることにより、精度と計算コストとの間でトレードオフを作ることができる。精度とは、再構成(復元)された画像の画質のことである。視覚の質は簡単に定量化できないが、本発明者らは、再構成された画像と、ラドン変換がそこから数値的に計算されたオリジナル画像との間の誤差を測定する。使用される誤差の指標は相対2乗平均平方根誤差(RRMSE)である。f[m2,m1]の断層投影からN×N画像
【数30】

を再構成する際のRRMSEは以下のように計算される。
【0089】
【数31】

【0090】
平行ビームデータの場合には、試験画像が256×256のサイズを有し、視野角の数が486個であるとともに、個々の投影をフィルタリングするためにシェップローガンフィルタ(正弦関数によって乗じられる理想的なランプフィルタ)が使用された。図30は、0.75〜1.0の範囲のオーバーサンプリングパラメータγの様々な値における、2つのアルゴリズムでのRRMSE誤差と実行時間との間の関係を示している。二剪断アルゴリズムが円によって表され、また、剪断スケールアルゴリズムが正方形によって表されている。各アルゴリズムは2種類のフィルタ(MOMS16と呼ばれる3次(破線)スプラインフィルタおよび5次(実線)スプラインフィルタ)を使用して実行される。アルゴリズムのそれぞれのタイプにおいては、γが減少するにつれて、アルゴリズムの誤差が減少するとともに、実行時間が増大する。他のものに何ら接続されないプロット点は、接続された点によって表されるアルゴリズムの非オーバーサンプリング版である。線形補間を使用する従来のアルゴリズムの実行時間と比べると、実行時間は14sであり、また、その出力画像のRRMSE誤差は0.0486である(ここに示された高速アルゴリズムよりも悪い)。
【0091】
平行ビームデータにおけるアルゴリズムの出力からの幾つかのサンプル画像が図35に示されている。これらのサンプル画像は、左から右に向かって縦列方向で、従来の逆投影アルゴリズム、二剪断アルゴリズム、剪断スケールアルゴリズムからの出力画像である。γ=0.82のオーバーサンプリングが2つの高速アルゴリズムに対して適用された。画像の下側の横列は、上側の横列における対応する画像の部分を詳細に示している。
【0092】
ファンビームの幾何学的形状における高速階層アルゴリズムは、512×512 2Dシェップローガンファントムにおいてうまく試験がなされた。考慮された取得形状は、D=1.06×N=544の線源半径、972個の線源角度、1025個の等角検出器を有していた。様々な補間方法を使用して、高速アルゴリズムの規則的なオーバーサンプリング版が実施された。その結果として再構成された画像が、線形補間を使用する従来のファンビームアルゴリズムと比較された。全ての実験においては、シェップローガンフィルタを使用して投影がフィルタリングされた。
【0093】
図36(A)および図36(B)は再構成された画像を示している。図36(A)は従来の再構成画像であり、図36(B)は高速アルゴリズムの再構成画像である。高速アルゴリズムの結果は、従来のアルゴリズムの結果に匹敵している。高速アルゴリズムの点像分布関数は、従来のアルゴリズムにおけるそれに匹敵している。図37(B)は従来のアルゴリズムのPSFを示しており、図37(C)は線形補間およびγ=0.4オーバーサンプリングを伴う高速アルゴリズムのPSFを示している。図37(C)は、従来のアルゴリズムのPSFのx軸を貫くスライスと、非オーバーサンプリングアルゴリズムと、γ=0.4オーバーサンプリング高速アルゴリズムとを比較している。PSFの類似性から、高速アルゴリズムにおいて匹敵する画質が確認される。
【0094】
使用されるサンプリング方式は、後に拡張が示唆されないファン交差に基づく方法であった。前述したこの方式の欠点とは別に、実施の容易さにより、実験で試験(検討)が行われた実施態様では、アルゴリズムの正しい演算のために必要のない多くのサンプル点が使用された。これらの非効率性にもかかわらず、N=512およびD=1.41Nにおいては、高速(線形)アルゴリズムに対する従来のアルゴリズムにおける(データ依存の)乗算の比率が6.4であり、加算演算の比率が3.0であった。なお、原点に非常に近い線源に関して(D=2.06R)この実験で使用された幾何学的構成は、線源の頂点に近いサンプルの密度が高いことから、この非拡張型の実施においては特にやりがいがある。殆どの実用的なシステムにおいて、線源は、遠く離れており、これらの効果を低減する。また、前述した他のサンプリング方式を使用すると、スピードアップファクタがかなり高くなる。
【0095】
[本発明で使用される逆投影アルゴリズムおよび再投影アルゴリズムの詳細な説明]
逆投影は、処理された投影から画像を形成するために使用されるプロセスである。再投影は、所定の画像から投影を計算するために使用される逆のプロセスである。両方の演算は、図1に示されるように投影からの画像再構成(画像復元)において使用される。最初に、従来の逆投影について説明し、その後、本発明の逆投影方法および再投影方法について説明する。また、2D画像の平行ビーム投影の場合に関して最初に説明を行い、その後、より一般的な2Dおよび3Dの幾何学的構成に関して説明する。
【0096】
1つの画像をその投影から評価するために使用される伝統的な好ましい方法は、フィルタ補正逆投影(FBP)アルゴリズムである。FBPは、いわゆるランプフィルタまたは修正されたランプフィルタを用いて投影を最初にフィルタリングした後、これらのフィルタリングされた投影を逆投影することを含んでいる。逆投影の前に更なる前処理ステップが投影に対して適用されてもよい。視野角θp(p=1,…Pは投影インデックスである)で取得された処理済みの投影は、変数tまたはθに対する依存がはっきりと示される必要があるかどうかに応じて、q(t,p)またはqpまたはqθpにより交互に示される。以下では、処理済の投影を略して投影と称する。
【0097】
P個の投影から成る組によるFBP再構成
【数32】

(長さPのベクトル
【数33】

の成分によって特定される角度において)は、以下のように表される。
【0098】
【数34】

ここで、
定義0.1 逆投影演算子は以下によって規定される。
【0099】
【数35】

【0100】
本発明のO(N2logP)座標変換に基づく階層逆投影アルゴリズムは、座標変換に関して逆投影の階層的分解に基づいている。座標変換の様々な選択とともに、結論的には最も一般的な座標変換の様々な選択とともに、幾つかの好ましい実施態様の詳細について説明する。
【0101】
特に、本発明のO(N2logP)回転に基づく階層逆投影アルゴリズムは、画像の回転に関して逆投影の分解に基づいている。
【0102】
画像
【数36】

をその回転バージョン
【数37】

に対してマッピングするθ回転演算子
【数38】

は、以下によって規定される。
定義0.2
【数39】

【0103】
ここで、
定義0.3 平面内での角度θ分の回転の行列は、
【数40】

である。
【0104】
単一角度θにおける1D関数q(t)の逆投影は、
【数41】

として規定される。特に、ゼロ角逆投影(θ=0の場合)は以下の通りである。
【0105】
【数42】

定義0.4 単一θp逆投影中間画像は、
【数43】

である。
【0106】
図4から分かるように、式(3)の逆投影は、以下のように書き換えられてもよい。ここで、qpは、その視野角がθpである投影を示している。
【0107】
【数44】

【0108】
階層型逆投影の1つの実施態様は、幾つかの連続回転の累積結果が依然として回転であるという事実から生じている。特に、
【数45】

である。
【0109】
式(6)から分かるように、ある整数Lに関してP=2Lである場合には、図4のブロック図を、図5に示されるような階層ツリー構造へと再構成することができる。l番目のレベルのm番目の枝における中間画像はIl,mとして示される。一番目のレベルにおいては、
【数46】

である。中間画像は、個々の投影を逆投影することにより生成される。また、その後のレベルにおいて、すなわち、l=1,2,3,…,log2Pに関しては、
【数47】

である。中間画像は、座標変換(この実施態様では、回転)を受けるとともに、加算によって集められる。投影角度θi,i=1,…,Pの任意の組においては、図4および5の構造が等価となり、それにより、図5に示される階層逆投影アルゴリズムが所望の画像
【数48】

を生成するように、中間回転角度δl,mを選択することができる。
【0110】
実際には、視野角(制約)よりも多くの中間回転角度(フリーパラメータ)が存在するため、δl,mの選択においては多くの自由度が存在する。また、実際に使用されるデジタル画像においては、その精度および計算コストが実施およびサンプリングパターンの選択によって決まるデジタル画像座標変換が使用される。これらの様々な自由度またはパラメータは、本発明においては、後述するように階層逆投影アルゴリズムの計算要件を減らすために使用される。
【0111】
定義0.5 1つの中間画像Il,mにおける成分投影のインデックスの組Nl,mは、図5における入力から中間画像Il,mまでの経路が存在する投影のインデックスの組である。
【0112】
例えば、図5から分かるように、N3,P/4={P−3,P−2,P−1,P}である。以下の式は、式(8)を使用して或いはブロック図を検討することよって簡単に分かる。
【数49】

【0113】
したがって、Nl,mは、中間画像Il,mを形成する投影をリストアップしている。組Nl,mによってインデックスが付けられるこれらの同じ投影が、図5に示される方法によって処理されずに、それぞれの対応する視野角で一緒に直接逆投影された場合には、これにより、以下のような仮想中間画像
【数50】

が生成される。
【0114】
定義0.6
【数51】

【0115】
図5のブロック図を検討して分かるように、中間画像中の投影同士の間の相対角度が最終的な再構成画像
【数52】

において保たれる。言い換えると、アルゴリズムにおける全ての中間画像において、すなわち、∀l,mにおいて、
【数53】

である。
【0116】
階層アルゴリズムの中間回転角度δl,mは、以下のようにαl,mによって完全に決定される。Nl,mの定義または式(9)から容易に分かるように、Nl+1,m=Nl,2m-1∪Nl,2mであり、その結果、定義
【数54】

により
【数55】

である。
【0117】
式(8)、(10)及び(11)により、以下のようになる。
【数56】

【0118】
中間回転角度δl,m及びそれに応じた相対角度αl,mは、中間画像の帯域幅を減少させるように選択される。小さな帯域幅の画像は、少ないサンプルによって表すことができ、その結果、アルゴリズム全体の計算コストを減少させる。これらの中間画像の帯域幅は、フーリエ領域においてアルゴリズムを理解し且つ階層にわたる中間画像のスペクトルサポートの進展を辿ることにより決定される。
【0119】
[フーリエ領域における断層投影]
デジタル画像座標変換のパラメータは、前述したように、選択された投影の視野角θPを明らかにするように選択される。また、パラメータは、中間画像のフーリエ特性に対するそれらの影響を狙って選択される。これらの考慮は、いずれの中間画像を選択して一緒に集めるのかを決定するためにも使用される。
【0120】
フーリエ領域で逆投影アルゴリズムを解釈する手がかりは、投影
【数57】

の一次元フーリエ変換
【数58】

を画像fの二次元フーリエ変換
【数59】

に関連付ける投影スライス定理である。投影スライス定理は以下の通りである。
【数60】

【0121】
図4の逆投影アルゴリズムはフーリエ領域内で解釈できる。ゼロ演算子における逆投影は、そのスペクトルサポートが以下のように水平周波数軸ω1に限定される1つの画像を生成する。
【数61】

【0122】
空間領域で画像を回転させると、以下のように、そのフーリエ変換も同じ角度分だけ回転することは良く知られている。
【数62】

【0123】
以上から分かるように、式(5)における逆投影演算子の機能は、各投影のスペクトル成分を再構成画像中で適切な角度まで回転させてそれらを全て一緒に加えることである。
【0124】
片側帯域幅(t変数)がπに等しい投影を想定すると、階層アルゴリズムにおける一般的な仮想連続中間画像
【数63】

は、図6に示されるように、成分投影によって決定される角度範囲にV字形のスペクトルサポートを有している。特に、Il,mを図5(A)に示されるアルゴリズムのブロック図において中間画像となるようにする。この場合、Nl,m={b,b+1,…,e}である。すなわち、この画像の成分投影の視野角は{θp:p=b,b+1,…,e}である。式(10)の関係により、Il,mのスペクトルサポートは、回転角αl,mでの
【数64】

のスペクトルサポートの回転バージョンである。図6においてV字形で占められる角度範囲は[γ−β,γ+β]=[θb−αl,m,θe−αl,m]であることが分かる。第1および第2の座標におけるIl,mの帯域幅Ωs,Ωfはそれぞれ、図6に破線で示されるV字形における境界(有境)長方形上に示されている。したがって、αl,mの選択は、Il,mの帯域幅を制御するための1つの方法を与える。
【0125】
サンプリング理論は、そのような連続中間画像Il,mをデカルトサンプリングパターン上の1つのサンプルによってどのように表すことができるのかを決定付ける。特に、第1および第2の座標におけるΩs,Ωfの帯域幅を有する連続画像は、座標軸に合わせられるデカルトパターン上でサンプリングされてもよい。この場合、第1および第2の座標におけるサンプル間隔Δs及びΔfは、Δs<π/Ωs及びΔf<π/Ωfのようになる。連続画像を表すために必要なサンプルの数を最小にするためには、境界長方形の面積に比例する量1/(ΔsΔf)>π2ΩsΩfを最小にしなければならない。この面積を最小にする回転角度、したがって、中間画像Il,mのためのサンプリング要件を最小にする回転角度は以下のようになる。
【数65】

【0126】
[座標変換のためのパラメータの選択]
式(15)は、図5に示される回転に基づく階層型逆投影の実施態様におけるデジタル画像座標回転に関して、最適な回転パラメータδl,mを決定するために式(12)において使用される。インデックスb及びeは、組Nl,mにおける最小のもの及び最大のものにそれぞれ対応するように決定される。この選択を用いると、中間画像
【数66】

となり、第1の座標(遅い帯域幅)および第2の座標(速い帯域幅)におけるその帯域幅はそれぞれ以下のようになる。
【数67】

【0127】
帯域幅を更に最小にするためには、差θe−θbを最小にしなければならない。これは、複数の投影からそれらの視野角間の最小最大角度分離をもって生成される中間画像を各ステップで集めることを選択することにより達成される。
【0128】
回転角度と、どの中間画像を集めるかの選択とに加え、アルゴリズムにおいては、様々な中間画像のデジタル画像座標変換に適したサンプルパターンを選択することが必要である。これらはサンプリング要件を使用して選択され、また、サンプリング要件は、中間画像の帯域幅およびスペクトルサポートを使用して決定される。
【0129】
特に、1つの投影の逆投影によって形成される最初の中間画像
【数68】

においては、図5の場合と同様に、遅い帯域幅Ωs(Il,m)=0であり、x2座標に沿う1つのサンプルで足りる。図3bの場合と同様に複数の投影を逆投影することにより形成される最初の中間画像においては、遅い帯域幅が更に大きく、x2座標に沿って更に多くのサンプルが必要とされる。
【0130】
図7(A)〜図7(C)には、2つの仮想中間画像
【数69】

及びそれらの対応する中間画像の総和が空間領域および周波数領域において示されている。図7(A)および図7(B)は
【数70】

およびIのフーリエ領域サポートを示している。図7(C)は、Il,m,Il-1,2m,Il-1,2m-1の空間領域サンプリング方式を示している。サンプリング点は、空間領域内の水平線と垂直線との交点にある。その各成分よりも大きな遅い帯域幅を有する集合中間画像Il,mは、更に密度が高いサンプリングパターンを必要とする。逆に、階層アルゴリズムのそれよりも前のレベルの中間画像は、更にまばらなサンプリングパターンを必要とし、そのため、計算を節約できる。
【0131】
[計算コストおよび節約]
計算コストは簡単に見積もられる。同様に、投影視野角が[0,π)の範囲でP個あり、角度間隔がΔθ=π/Pであり、Nl,mが式(9)で定められるとすると、式(16)(b=2l-1(m−1)+1およびe=2l-1(m−1)+2l-1を使用する)により、Ωs(Il,m)=πsin(π(2l-1−1)/(2P))及びΩf(Il,m)=πとなる。したがって、l番目のレベルにおけるデジタル画像Idl,mのサイズ(点の数)は以下のようになる。
【数71】

【0132】
S個のピクセルから成る1つのデジタル画像を回転させるコストがO(S)であり且つサイズ(Idl,m)=O(N2l/P)であるとすると、アルゴリズムの複雑度は以下のようになる。
【数72】

【0133】
一般的なP=O(N)において、これは、O(N2logN)であり、従来の逆投影のO(N3)よりも十分に有利な、画像のサイズを用いたコストのスケーリングである。
【0134】
[改良された三成分回転型階層逆投影]
サンプリングされた画像の一定の特定角度分(0,±π/2およびπ)の回転が計算上安価な演算であることは容易に分かる。なぜなら、これらの演算は、補間を伴っておらず、せいぜい既存のピクセルの再配置を含んでいるにすぎないからである。本発明のアルゴリズムの計算効率は、これらの自由演算をアルゴリズム中に組み入れることにより向上させることができる。二成分(バイナリ)アルゴリズム(図5)は、2つではなく3つの画像が段階毎に加えられるように修正することができる。そのようなトリプルのそれぞれの中心画像は、0ラジアンだけ回転される(自由演算)。−π/2の自由回転を使用するため、それは最後の段階で盛り込まれる。すなわち、成分画像のうちの1つは、−π/2分だけ回転されるとともに、他の回転されていない成分画像に対して加えられる。二成分段階と三成分段階とのこのような特定の組み合わせにより、ある整数Lにおいてサイズが2×3Lの視野角の組が得られる。投影の任意の組および数にアルゴリズムを合わせることができるが、アルゴリズムの記述および解析は、それらが正確に2×3Lを数えて以下のように均一に分配されると仮定すれば簡略化することができる。
【数73】

【0135】
したがって、視野角は、それぞれが3Lから成る2つの組に分けることができる。この場合、一方の組はθ=0を中心とし、他方の組はθ=π/2を中心とする。この三成分アルゴリズムのブロック図は、L=2の特定の場合に関して、すなわち、P=2×32=18個の投影に関して、図8に示されている。デジタル中間画像Idl,mは、基礎を成す連続中間画像Il,mのサンプリングされたバージョンである。ブロック図において、
【数74】

のマークが付されたブロックは、ゼロ角の逆投影演算子を表している。
【数75】

のマークが付されたブロックは、デジタル画像回転演算子を表している。後述するように、デジタル画像およびデジタル画像回転におけるサンプリング周期および回転角度は、計算コストを最小にするように選択される。
【0136】
選択された集合中間デジタル画像を伸張して新たな中間画像を生成することができる。図8において↑yl,mの標示が付されたブロックは、第2の(遅い)座標に沿ったアップサンプリングを表している。このアップサンプリングは、アルゴリズムの進行に伴う中間画像の帯域幅の増大に対応するために必要である。式(18)及び(22)における視野角の設定に関し、l番目のレベルの中間画像の帯域幅は、Ωs(Il,m)=πsin(Δθ(3l-1−1)/2)およびΩf(Il,m)=πである。(1),…,(9)の番号が付されたアルゴリズムの重要な点における正規化されたスペクトルサポートが図9に示されている。アルゴリズムが進行すると(lが増大すると)、遅い帯域幅が増大し、必要な遅いサンプリング周期Δs<π/Ωs(Il,m)=sin(3l-1−1)/2)-1が減少する。様々なアップサンプリングブロックにおけるアップサンプリングファクタUl,mは、これらの要件を満たすように選択される。
【0137】
セクション0.0.0.1は、2つの剪断を含む離散画像の分離可能な回転がどのようにして逆投影アルゴリズム中に組み入れられるかを示している。逆投影画像の画質を向上させるために、中間画像の系統的なオーバーサンプリングが導入される。セクション0.0.0.1は、このオーバーサンプリングを含むように修正されたアルゴリズムを示している。
【0138】
[座標変換における中間回転角度を以下のように選択できる。]
一般的なLにおいて、階層は(L+1)個のレベルから成る。ゼロレベルにおいては、各投影qθがゼロ
【数76】

で逆投影され、それにより対応する画像
【数77】

が生成される。この画像は、その後、3つにグループ分けされて組み合わされ、それにより第3の同数の画像が生成される。レベルlでのグループ分けは以下の関係によって規定される。その後のレベルl=1,…,Lにおいては、
【数78】

となる。
【0139】
式(18)における視野角の設定において、最適な中間回転角度は、δl,3m-1=0(l=1,2,…,L),δL+1,1=0,δL+1,2=−π/2である。図10の検討時には、その連続画像Il,mの投影のインデックスNl,mが以下のようになることは容易に分かる。
【数79】

【0140】
したがって、式(21)により、b=3l-1(m−1)+1およびe=3l-1(m−1)+3l-1であり、式(18)及び(15)を使用すると、α*l,m=−π/4(1−3-L)+Δθ(3l-1(m−1/2)−1/2)となる。二成分と同様に、l=1,…,Lにおいては以下のようになるのが分かる。
【数80】

【0141】
最後の段階において、本発明者らは、π/2ラジアンおよび0ラジアン分の自由回転を使用する。
【0142】
[0.0.0.1 座標変換は以下のように剪断に基づくことができる。]
中間画像のデジタル画像回転は、図10(B)に示されるように、一連の2つのデジタル画像剪断に置き換えることができる。この場合、x座標およびy座標の剪断は、以下のように規定される:
定義0.7 x−剪断およびy−剪断演算子は以下によって規定される。
【数81】

ここで、x−剪断行列およびy−剪断行列はそれぞれ
【数82】

である。
【0143】
この他の実施態様は、回転行列の2剪断因数分解から得られる。すなわち、
【数83】

となる。ここで、
【数84】

である。この分解により分かるように、デジタル画像の場合、完全な帯域制限された補間および十分に帯域制限されたデジタル画像を2剪断デジタル画像座標変換への入力として使用すると、2回剪断された画像は、単なるθ分だけ回転された画像であり、1/cosθのファクタ分だけ効率的にxにおいてダウンサンプリングされるとともにyにおいてアップサンプリングされる。サンプリングパターンにおけるこれらの変化を補正するには、2剪断演算が行われる度に非整数リサンプリングが必要となる。その代わり、中間画像を異なってサンプリングすることにより、最終的な画像に関しては累積効果を扱うだけで済む。
【0144】
都合のよい選択は、最初のデジタル中間画像をxにおいてアップサンプリングし且つyにおいてダウンサンプリングすることにより、階層の初めに1回リサンプリングを補正することである。図10に示される実施態様の場合と同様にシングルビュー(single-view)逆投影によって最初の中間画像が生成されると、yにおけるダウンサンプリングはフリー(自由)になる。なぜなら、このダウンサンプリングは、異なるy密度をもったサンプリングパターンへの最初の逆投影だけを含んでいるからである。したがって、それは図10のブロック図にははっきりと示されていない。最初の段階でのxにおけるアップサンプリングは、後の段階でエイリアシングの問題を回避する。最初の画像のそれぞれにおいて、最終的な画像に対する累積効果的なダウンサンプリング/アップサンプリングファクタ
【数85】

が、最終的な画像への経路上における全ての2剪断変換にわたって計算され、また、最初の画像においては上記のように逆の演算が適用される。最初の画像Id1,p,p=1,…,Pが異なるxサンプリング密度およびyサンプリング密度をもってリサンプリングされるのが分かる。
【0145】
そのため、結果として得られるアルゴリズムは、図10(A)に示されるように、(θpに応じた)適切なファクタによって全ての画像
【数86】

(p=1,…,P)を最初にリサンプリングし、その後、図10(B)に示されるように2剪断デジタル画像座標変換を行うことを含んでいる。2つの剪断は、各中間画像のサンプリングパターンの変化を考慮して行われる。
【0146】
[剪断スケールアルゴリズム]
剪断スケールに基づく階層逆投影アルゴリズムは、スケーリング(伸張/縮小)されて剪断される単一投影画像の総計として逆投影を規定することに基づいている。
【0147】
定義0.8 x−剪断スケール演算子
【数87】

は以下によって規定される。
【数88】

ここで、x−剪断スケール行列は
【数89】

である。
【0148】
そのため、式(3)は以下のように書き換えられてもよい。
【数90】

【0149】
以下は、容易に示すことができる剪断スケールおよび累積された剪断の効果を表す幾つかの結果である。
【0150】
【数91】

【0151】
式(24)と同様に、式(25)は、一連のn個の剪断スケールも1つの剪断スケールであることが分かるように誘導的に適用できる。この特性を使用して、式(23)を階層アルゴリズム構造に書き換えることができる。図11(A)は式(23)(P=4の場合)のブロック図表示であり、図11(B)はその階層的等価物である。
【0152】
2つの構造の等価の要件は、その解が常に存在する、所定の投影角度θpと未知の剪断スケールパラメータ
【数92】

との間の方程式の1つの系を定める。
【0153】
非整数のスケールファクタ(倍率)を使用せずに整数のスケールファクタを使用することは、計算的に(演算または記憶スペースの点で)有利である。例えば、まさしく純粋なx剪断
【数93】

である整数剪断パラメータσ1=1.0を有するx−剪断スケール
【数94】

を使用することが有利である。純粋なx剪断だけが使用されるように、また、レベルl=2,3,…,Lにおいてx剪断スケーリングが避けられるようにアルゴリズムを設計することができる。
【0154】
一連の剪断スケールをもって式(23)において各剪断スケールを置き換える代わりに、式(24)および(25)を使用して、各剪断スケールは、一連の剪断がその後に続く1つの剪断スケールに取って代えられる。すなわち、
【数95】

である。ここで、α1,α2,…,αnは自由パラメータである。
【0155】
その結果として得られる階層構造が図13Aに示されている。都合のよい選択は、レベルl=1においてx−剪断スケール
【数96】

を行い、その後のレベルl=2,3,…,Lにおいてx−剪断を行うことである。したがって、一番目のレベルにおいて基礎を成す連続領域画像における式は以下のようになる。
【数97】

【0156】
l=2,3,…,Lにおいて、中間画像Il+1,mは、前のレベルにおける3つの中間画像({Il,3m-i2i=0)のx剪断されたバージョンから成る。すなわち、
【数98】

である。
【0157】
また、0ラジアン分および−π/2ラジアン分の自由回転を使用するため、最後のレベルにおいては、
【数99】

である。
【0158】
図13に示されるアルゴリズムにおける座標変換のパラメータ(様々な剪断スケールおよび剪断において)は過少決定される。実際には、一番目のレベルでは、関連する投影の角度によって(非整数)スケールファクタσ1だけが完全に決定される。中間画像を最もまばらにサンプリングできるようにするため、中間剪断ファクタ({αl,ml=2,3,…,L)は、中間画像の帯域幅を最小にするように選択される。そのような任意の組{αl,m}が与えられると、図13の階層アルゴリズム全体によって生成された逆投影画像
【数100】

が逆投影式(23)と等しくなるように、レベルl=1においてσ2(剪断ファクタ)を常に選択することができる。特に、階層の最初のレベルにおける剪断スケールパラメータは、以下のように組{αl,m}によって決まる。
【数101】

ここで、μ(p,l)=[p/3l-1]は、レベル1のp番目の投影からルートへと至る階層中の経路を表している。
【0159】
最後のレベルから逆方向へ向かう一連の剪断にしたがった、図13のブロック図の上側半分p≦P/2)を検討することにより分かるように、階層のこの上側半分において、基礎を成す連続中間画像Il,mは、1つの剪断により、その対応する仮想中間画像
【数102】

に関連付けられる。すなわち、
【数103】

となる。
【0160】
式(12)の微分と同様、中間剪断ファクタが以下のように{βl,m}によって決まるのが分かる。
【数104】

【0161】
剪断係数αl,mの選択の自由は、βパラメータの選択の自由を与え、これにより、中間投影の帯域幅を最小にするようにβパラメータを使用できる。これにより、それらのサンプリング要件が減り、アルゴリズムの計算効率が向上する。
【0162】
中間画像Il,3m-1のスペクトルサポートをWl,3m-iで表し、また、そのy帯域幅(すなわち、遅い帯域幅)をΩy(Wl,3m-i)で表すとすると、Ωy(Wl,3m-i)を最小にする最適なβl,3m-i(i=0,1,2)は、以下のようになる。
【数105】

【0163】
視野角が均一に分けられる場合には、
【数106】

となるのが分かる。有利な選択は
【数107】

であり、これにより、α*l,3m-1=0となって、必要な剪断演算のほぼ1/3を削減できる。
【0164】
組{βl,m}は、階層の最後のレベルから最初のレベルに向かって逆方向にアルゴリズム中の中間画像のスペクトルサポートを辿ることにより決定される。スライス投影定理から分かるように、
【数108】

のスペクトルサポートが以下のようになることは明らかである。
【数109】

【0165】
サンプリング要件のため、スペクトルサポート
【数110】

は、図12にも示されるように、
【数111】

として示されるその終点によって特徴付けられる。
【数112】

【0166】
この組
【数113】

の上側および下側の帯域エッジはそれぞれ
【数114】

で表される。
【数115】

である場合には、
【数116】

となる。三成分組み合わせ規則により、これらのスペクトルサポート終点から成る上側、中間、下側の第3の組は、
【数117】

として示される。すなわち、
【数118】

となる。また、式(30)およびアフィン変換に関するフーリエ理論に従えば、
【数119】

となる。その結果、最適な剪断ファクタは以下のようになる。
【数120】

【0167】
図14に示されるアルゴリズムFINDALPHASは、剪断スケール逆投影アルゴリズム(図13)においてレベルLからレベル2へと階層を下側へ詳しく検討しながら、最適な剪断ファクタα*l,mを見つける。アルゴリズムへの入力は、(L+1)番目のレベルの開始における画像のスペクトルサポートの終点から成る組である。すなわち、EL+1,m(m=1,2)である。特に、角度が均一に分けられた場合には、
【数121】

となる。
【0168】
[アップサンプリングファクタの認定]
アルゴリズムにおけるy−アップサンプリングファクタ{Ul,m}および本発明の異なる実施態様は、遅い方向で中間画像のサンプリング密度を決定する。これらのアップサンプリングファクタは、整数値に制限されつつ、中間画像のサンプリング要件を満たすように選択することができる。この整数への制限は、計算上有利であり、同じ理由により分母の値が低い有理数の制限へと広げられてもよい。
【0169】
これらのファクタを選択するという問題は、剪断スケールアルゴリズムの場合には、2剪断の場合よりも若干簡単である。前者の場合、図13を検討すると、中間画像Il,mの遅いサンプリング間隔が
【数122】

であることが容易に分かる。ここで、μ(l’,l,m)=[m/3l'-l]は、Il,mからアルゴリズムの最後のノードへと至る経路を表している。サンプリング理論は、遅い方向のサンプリング間隔が以下のようになっていることを要件としている。
【数123】

ここで、Ωy(Wl,m)はIl,mのy帯域幅である。アップサンプリングファクタ
【数124】

の組が与えられたアルゴリズム全体の計算コストは、以下のようになるように表すことができる。
【数125】

ここで定数cl,mは、中間デジタル画像Idl,mに対して適用されたデジタル座標変換の相対計算コストを示している。これらの定数は、使用されるデジタルフィルタの次数によって決定されるとともに、座標変換の効果的な実施に関する記述で後述するように座標変換の特定の実施によって決定される。制約式(35)に制約される
【数126】

を最小にするための最良の組
【数127】

は、動的なプログラミングまたは包括的なサーチによって解くことができる。視野角の所定の組において、アップサンプリングファクタの最良の組は、予め計算してルックアップテーブルに記憶させることができる。
【0170】
2剪断回転アルゴリズムの場合には、2剪断回転の使用により中間画像の事実上の部分アップ・ダウンサンプリングが生じるという事実により、問題が若干複雑になる。特に、アルゴリズムの隣り合うレベルにおける遅いサンプリング周期Δl,mは以下のように関連付けられる。すなわち、
【数128】

となる。ここで、
【数129】

である。
【0171】
そのため、遅い方向のサンプリング間隔に対する制約は以下のようになる。
【数130】

ここで、Ωy(Wl,m)はIl,mのy−帯域幅である。ここで、式(36)によって与えられる計算コストを、式(37)に制約されて最小に抑えることができる。
【0172】
[アルゴリズムのオーバーサンプリングバージョン]
オーバーサンプリングをこのアルゴリズムに組み入れて、再構成の精度を高めることができる。そのようにする1つの方法は、アルゴリズムにおいて全ての中間画像を均一にオーバーサンプリングすることである。すなわち、アルゴリズムにおいて補間が行われるときにはいつでも、演算される画像が、ある所定の定数γによって少なくともオーバーサンプリングされる。特に、デジタル座標変換またはリサンプリングに制約される全ての中間画像のサンプリング周波数に対するナイキストレートの比率(遅い方向および速い方向の両方において)は、好ましくはγよりも小さくなければならない。このオーバーサンプリングは、本発明のアルゴリズムの修正を極力少なくしつつ組み入れられることが好ましい。
【0173】
[遅い方向でのオーバーサンプリング]
本発明の前述したアルゴリズムにおいて、遅い方向でのサンプリング周波数は、アップサンプリングファクタUl,mによって制御される。これは、アルゴリズムのオーバーサンプリングバージョンにおいてオーバーサンプリング条件を維持するための有用なツールであり、したがって、これにより、本発明のアルゴリズムの構造が変わらないことが分かる。1/γのファクタ分のアップサンプリングは、遅い方向のサンプリング間隔に対する制約をファクタγ分だけ単に修正することにより達成される。すなわち、
【数131】

であることを要する。
【0174】
[速い方向でのオーバーサンプリング]
速い方向においては、オーバーサンプリングを制御するために計算上安価な整数アップサンプリングが使用されず、そのため、アルゴリズムは、部分アップサンプリングを含むように修正される。2剪断階層逆投影アルゴリズムにおいて、遅い方向でのファクタ{Ul,m:m=1,2,…,2,3L}分のそのような部分アップサンプリングは、レベルl=1に既に含まれている。したがって、本発明者らは、アップサンプリングファクタUl,mを単に増大させることにより、このオーバーサンプリングを組み入れ、その後、最後のデジタル座標変換が行われた後に画像をダウンサンプリングして、画像を所望のサンプリング方式に戻す(この場合、Δf=Δs=1.0)。したがって、2剪断アルゴリズムに対するこの修正は、1つの更なるレベルの部分リサンプリングしか伴わない。このx座標リサンプリングは、計算効率を向上させるため、L番目のレベルのデジタルx−剪断と組み合わせられる。このアルゴリズムのブロック図が図15に示されている。
【0175】
剪断スケール階層逆投影アルゴリズムにおいては、x−アップサンプリング演算がx−剪断スケール(アルゴリズムの初めにおいては、
【数132】

)と組み合わされることにより、余分なレベルのリサンプリングが回避される。x−アップサンプリングが、単に、剪断ファクタを0に設定した状態におけるx−剪断スケーリングの特定の場合であることは容易に分かる。これらの2つの演算の組み合わせもx−剪断スケールである。すなわち、
【数133】

である。アルゴリズムの最後のダウンサンプリングをL番目のレベル
【数134】

でx−剪断と組み合わせることにより、それらを有効にデジタル画像の剪断スケールにすることができる。αによるx−剪断の後にUによるx−ダウンサンプリングを行うことは、有効なx−剪断スケールである。すなわち、
【数135】

である。
【0176】
これらのアップサンプリングファクタおよびダウンサンプリングファクタの正確な値は、パラメータγおよび中間画像のスペクトル構造の両方によって決定される。速い方向において、オーバーサンプリング条件は、速い方向(y座標)のサンプリング間隔がΔl,mf≦γπ/Ωf(Il,m)(l=2,3,…,L)を満たすことである。そのため、必要な更なるアップサンプリングは以下の通りである。
【数136】

【0177】
その結果、オーバーサンプリングされたアルゴリズムのアップサンプリングファクタ
【数137】

は、以下のように、オーバーサンプリングされない2剪断アルゴリズムのアップサンプリングファクタUl,mから修正される。
【数138】

【0178】
すなわち、一番目のレベルにおけるアップサンプリングファクタは、アルゴリズムにおける全ての中間画像がパラメータγにしたがってオーバーサンプリングされるように修正される。その結果、最後の回転後、画像は1/ηという速いサンプリング間隔を有するようになり、したがって、L番目のレベルにおいて、η分だけ画像をダウンサンプリングして、これらの画像を単位サンプリング方式に戻さなければならない。
【0179】
なお、ここでは、入力投影がナイキストレートで正確にサンプリングされるものと仮定しているため、速い方向でのオーバーサンプリング条件は一番目のレベルの画像
【数139】

(p=1,…,P)においては満たされない。
【0180】
この三成分オーバーサンプリング剪断スケ−ル型アルゴリズムのブロック図が図16に示されている。
【0181】
[類似演算の倒れ込みシーケンス]
同じ1つの座標に作用する一連の2つの演算が存在する場合にはいつでも、これらの演算は、計算コストおよびリサンプリング精度を向上させるために組み合わされてもよい。以下は、前述した実施例に加えてx−剪断とx−アップサンプリング/ダウンサンプリングとを組み合わせた或いはx−剪断スケールとx−アップサンプリング/ダウンサンプリングとを組み合わせた他の実施例である。
【0182】
図10の非オーバーサンプリング2剪断アルゴリズムは、L番目の段階において6つの中間画像のうちの4つをy−剪断した後にx−剪断することを含んでいる。本発明者らは、一連の2つの演算(x−ダウンサンプリングの後に、この段階のx−剪断を行う)を1つの演算に倒れ込ませることによって、図15のオーバーサンプリングバージョンにおいて画像の最後のダウンサウプリングを組み入れる。これにより、補間のカスケードの長さは、オーバーサンプリングされない場合と変わらない。
【0183】
[任意の基数ファクタ/分岐ファクタの階層]
視野角の組が2*3Lの形式を成していない場合においては、全てのアルゴリズムを簡単に修正することができる。好ましい実施態様は、階層の全ての分岐が中間画像のトリプレットの集合体を含んでいる場合或いは±π/2または0ラジアン分の回転を使用する場合であるが、任意の数の中間画像が各段階で組み合わされてもよい。
【0184】
任意の数(例えばM個)の中間画像がアルゴリズムの特定のレベルで与えられると、それらのうちの3×[M/3]個は、組み合わされて3個から成るグループに分けられる(ここで、[x]は、x以下の最も大きい整数である)。中間画像の残りの数が2つである場合、これらは、その後、集められて1つの対を成し、次のレベルで1つの画像を生成する。1つの中間画像しか残らない場合、その中間画像は、変更されることなく階層の次のレベルへ送られてもよい。
【0185】
階層の分岐ファクタ(階層の1つのノードで集まる枝の数)は、視野角の任意の数に適応させないが階層の深さを減らすように変更されても良く、それにより、画質が向上されてもよい。その場合、画像を2つ(対)或いは3つ(トリプレット)ずつ集めるのではなく、それよりも多い数でグループ化することが有益な場合もある。
【0186】
座標変換のパラメータに関する先の規定は、任意の分岐ファクタ(分岐因子)を有するノードへと簡単に拡張させることができる。例えば、
【数140】

となるような回転に基づくアルゴリズムにおいては、式(10)及び(15)に記載される関係が依然として保たれ、したがって、回転角度はδl,mi=αl+1,m−αl,miによって規定される。
【数141】

となるような剪断スケールに基づくアルゴリズムの場合には、式(29)が依然として保たれる。集められる複数の投影から成るM個の組のうちのi番目の組を表すように標記Eil,mを拡張させると、式(34)の右側と同一のα*l,miに関する式が得られる。
【0187】
[0.1 他の画像変換に基づく階層アルゴリズム]
逆投影式(3)は、以下の形式に書き換えられてもよい。
【数142】

この式は、任意の行列Aθに関するものであるが、Aθの第1の横列が[cosθsinθ]に限られる。Aθの残りの2つの入力(エントリ)に関しては任意の値を自由に選択できることにより、階層アルゴリズムで使用される座標変換の設計に自由度が得られる。行列Aθは、θに関連する幾つかのパラメータベクトルδlに関して、
【数143】

のように因数分解できるが、Aθの2つの下側の入力(エントリ)の自由度に起因して完全に決定されない。この因数分解は、図5などの対応するブロック図を伴う逆投影式(40)の階層的分解を得るために使用できる。この場合、
【数144】

によって示される座標変換ステップは、
【数145】

として規定される画像座標変換演算子を表している。
【0188】
ここで説明したこの発明の特定の実施態様は、行列Aθ、その因数分解、関連する座標変換のこのような更に一般的な選択の特定の場合であることは言うまでもない。中間画像のフーリエスペクトルに対するこれらの座標変換の影響は、前述したケースと同様に解析される。なぜなら、空間領域内の行列Aによるアフィン変換の結果は、周波数領域内の行列A-TすなわちAの逆転置によるアフィン変換だからである。したがって、同様の考え方を使用することにより、計算要件を減らす目的で、変換において自由パラメータを選択することができる。そのため、本発明の階層逆投影アルゴリズムで使用されるデジタル画像座標変換のクラスは、特定の実施態様に関して前述した変換に加えて、多くの他の変換を含んでいる。また、行列A(δl,m)を三角行列の積へと因数分解することができるため、必要に応じて、一軸座標変換のカスケードとして座標変換を行うことができる。
【0189】
[0.2 デジタル画像座標変換およびリサンプリングの効率的且つ正確な実施]
本発明の階層逆投影・再投影アルゴリズムの精度および速度は、様々なデジタル画像座標変換演算およびリサンプリング演算の実施の仕様によって決まる。精度の向上には、一般に、高次のフィルタまたは補間が必要であるが、これは一般に計算コストを増大させる。高次フィルタリングまたは補間のコストは、演算を更に低次の演算に分解することにより減少させることができる。使用されるフィルタがシフト不変フィルタである場合には、計算及び/又はメモリの要件を更に減らすことができる。低次再帰フィルタを使用して、あるいは、高速フーリエ変換(FFT)を使用することにより、高次有限インパルス応答フィルタを効果的に実施することができる。
【0190】
特に、連続画像に関して分離可能な表示基準がとられる場合には、デジタル画像配列中の個々の垂直線の部分遅延によってデジタル画像のデジタルy−剪断を達成できる。同様に、デジタルx−剪断を、1つの横列の同時の部分遅延として表すことができる。また、1D信号の部分遅延は、シフト不変フィルタを使用して達成することができる。同様の分解は、3D画像演算および剪断演算において知られている。
【0191】
デジタル画像のリサンプリングは、通常、更に低い次元の演算を使用して行うこともできる。この演算は、しばしば、シフト不変であり得る。例えば、整数ファクタUによる1つの座標に沿う画像アップサンプリングは、U個の異なる計算上効率的な部分遅延に分解されてもよい。これは、本質的に、デジタル信号処理において良く知られている、いわゆる多相分解である。1つの座標に沿う合理的であるが整数ではないリサンプリングは、整数ダウン・アップサンプリングの1つのカスケードに分解できる。これはそれぞれ効率的に行われる。
【0192】
より一般的なデジタル画像リサンプリングも、更に低い次元の演算に分解することができる。CF1で示される一群の曲線上に位置するサンプルS1を有するサンプリングパターンからのデジタル2D画像fを、異なる一群の曲線CF2上に位置する点S2を有する他のパターンへとリサンプリングして、デジタル画像hを生成することを考える。2つの一群の曲線が十分な密集度で交差する場合には、1つのファン(扇)から他の回転されたファンへのリサンプリングに関して図23を参照して前述した方法を一般的な曲線において使用できる。あるいは、CF1およびCF2の両方と所望の密集度で交差する第3の一群の曲線CF3を導入することができる。この場合、デジタル画像は、CF1から、そのCF3との交点へ、その後CF3とCF2との交点へ、最終的にはCF2上へと所望のサンプリングパターンにリサンプリングすることができる。
【0193】
このプロセスは、例えば曲線の代わりに面を考慮して、最初にプロセスを面上のリサンプリングのプロセスへと減らし、その後、2Dプロセスを使用して面上のリサンプリングを曲線上のリサンプリングへと減らすことにより、3Dへと一般化される。
【0194】
計算効率を向上させるため、デジタル座標変換およびリサンプリングは、しばしば組み合わせることができる。例えば、図13に示される剪断スケールアルゴリズムにおいて使用されるデジタルx−剪断スケール演算は、個々の水平線上におけるリサンプリング演算へと分解することができる。
【0195】
[1 発散ビーム高速階層逆投影アルゴリズム]
[1.1 ファンビーム投影および逆投影]
対象物を中心とする円の上に検出器が等角度間隔で位置する場合を考える。二次元画像f(x,y)の線源角度βでのファンビーム断層投影は、
【数146】

によって示されるとともに、γによってパラメータ化され且つ原点から半径Dの円上の線源位置に中心付けられるファンの放射線に沿う線積分の組として規定される。関数
【数147】

は、半径Rのディスクの外側でゼロの値をとると仮定する。
【0196】
図17に示されるファンビーム放射線V(β,γ,T)は、以下によって規定される。
【数148】

【0197】
線源角度βおよびファン角度γでのファンビーム投影は、
【数149】

となる。fは半径Rのディスクの外側ではゼロであるため、ディスク内で、すなわち、TSTとTENDとの間で積分を行うだけで済む。
【0198】
ファンビームの幾何学的構成を用いて計算された断層撮影においては、別個の線源角度の組{βp:p=1,2,…,P}で投影を利用でき、また、各ファン内で、放射線の角度には{γj:j=1,2,…,J}によってインデックスが付される。等角度のファンビーム構成の場合には、線源を中心とする円弧上で検出器が等しく分配され、そのため、ファン角度が均一に離間される。等間隔の検出器の場合、検出器は、線源位置から原点まで延びる線に対して垂直な線上で均等に分配される。ここで説明したファンビーム構成における高速逆投影アルゴリズムは、奇数Jおよびγj=Δγ・(j−(J+1)/2)をもった等角度間隔の分配を仮定している。しかしながら、アルゴリズムは、他のファン角度構成へと容易に拡張することができる。
【0199】
P個のファンビーム投影の組{Rβi(γ):i=1,2,…,P}からの再構成アルゴリズムは、その後に加重逆投影(5)を伴う各ファンビーム投影のスケーリングおよびフィルタリングとして表されてもよい。すなわち、
【数150】

となる。
ここで、W(T)は適当な加重関数であり、
【数151】

はそれぞれ、線源位置βにおける線源と画像点
【数152】

との間の放射線に沿う距離、および、その放射線のファン角度であり、また、qβ(γ)は加重され且つフィルタリングされた投影である。
【数153】

ここで、g(γ)は適当なフィルタである。
【0200】
定義1.1 1つの線源角度βにおける関数qの加重逆投影は、以下によって規定される。
【数154】

また、加重逆投影演算子
【数155】

は、以下によって規定される。
【0201】
【数156】

したがって、
【数157】

【0202】
また、以下のことが容易に分かる。
【数158】

ここで、
【数159】

はβ演算子による回転を示しており、その結果、以下のようになる。
【数160】

【0203】
したがって、平行ビームの場合と同様に、P個のファンビーム投影の加重逆投影は、
【数161】

を用いて、図4から分かるように、加重ゼロ逆投影画像の総和として表されてもよい。実際には、式(43)及び(44)に規定された逆投影演算子の近い相似形(アナログ)は、適当な関数定義
【数162】

を用いた一般的な形態の投影からの二次元以上での関数の再構成に対してより一般的に適用される。本発明の方法は、座標変換
【数163】

の適当な定義を用いて、これらの他の用途にまで及ぶ。
【0204】
[1.2 高速階層型逆変換]
ファンビーム構成における高速階層逆変換アルゴリズムは、平行ビームの場合におけるそれと類似している。このアルゴリズムは、投影角度βが互いに近い複数の投影によって形成される中間画像がまばらにサンプリングされるという事実を生かして、三成分階層構造でファンビーム投影を組み合わせる。そのブロック図が図18に示されている。二成分または他の(可能であれば、混合して)基数構造においても同様のアルゴリズムを得ることができる。
【0205】
図18において基礎を成す連続画像の組み合わせを規定する式は、以下の通りである。
【数164】

【0206】
次に説明する実施態様においては、以下のように線源角度が[0,2π)の範囲で均一に離間されているとする。
【数165】

【0207】
その後、平行ビームの場合と同様に、式(22)を使用して中間回転角度が選択される。この場合、ΔβがΔθに取って代わる。
【0208】
図18のブロック図に係るアルゴリズムの3つのレベルにおける中間画像の成分ファンが図20に示されている。
【0209】
[1.2.1 ファンビームサンプリング方式]
ファンビームアルゴリズムの1つの実施態様は、次に説明する平行ビームの場合の相似形(類似形)によって得られるアルゴリズムにおける中間画像のサンプリング方式を使用する。変形例および改良例については後述する。
【0210】
単一ファンビーム逆投影画像(1つのファンビームの加重逆投影によって生成される1つの画像
【数166】

)は、まばらなサンプリングに従う構造を有している。式(43)から分かるように、
【数167】

となる。したがって、β=0で方向付けられるファン中のγによってインデックスが付された放射線上の特定のT=T1における1つのサンプルは、放射線全体に沿う画像の値を特定するのに足りる。すなわち、このサンプルはW(T)に単に比例している。ここで、Tは、線源から放射線中の点までの距離である。
【0211】
アルゴリズムにおける中間画像は、それぞれが成分投影から生成されるそのような単一ファンビーム逆投影画像の幾つかの回転されたバージョンの総和である。本発明者らは、成分投影によってまたがる角度間隔の中心にある角度におけるファンを中心成分ファンと称する。これは、実際の投影(例えば三成分アルゴリズムの場合)に対応しており、あるいは仮想投影(例えば二成分アルゴリズムの場合)に対応している。例えば、図20(a)のファンは図20(b)および図20(c)の両方における中心成分ファンである。
【0212】
平行ビームアルゴリズムにおいては、中心成分に位置合わされたデカルトサンプリングパターンで中間画像がサンプリングされることを思い出されたい。回転に基づく平行ビームの場合、中間画像は、平行な垂直放射線に沿ってサンプリングされる。これらの平行な放射線のそれぞれに沿うサンプルの間隔は、画像の他の成分投影がその放射線に沿って十分に(ナイキストサンプリング基準により)サンプリングされるように選択される。必要な間隔は、垂直放射線の交点の間隔に全く等しい。この場合、回転された平行な放射線の組は、極値的成分投影すなわち中心投影から視野角が最も離れた成分投影に対応している。
【0213】
平行ビームの直接的な相似形の場合、ここでは、中間画像は、中心成分ファンの放射線に沿ってサンプリングされる。中心ファンの放射線に沿うサンプリング点は、極値的成分ファンと中心ファンとの交点である。これにより、各放射線に沿って均一に離間されないサンプルが得られる。2つのファン
【数168】

を考慮する。等角ファンビーム構成が奇数Jの検出器を有している、すなわち、
【数169】

であると仮定する。β’−ファンと交差するβ−ファン(ファン角度γγに対応している)のr番目の放射線上の点は、以下の解を有する方程式
【数170】

によって決定される。
【数171】

【0214】
関数
【数172】

は、ファンV(β’,・,・)が、ファンV(β,・,・)のr番目の放射線に沿ってどのように変化するのかを示している。これは、ファンの放射線に沿って変化するサンプリングレートに関する情報を持っている。傾斜がステップ状になればなるほど、サンプルがまばらになる。任意のγ’における局所的なサンプリングレートは、(dT/dγ’)-1に比例している。典型的なT(γ’)が図22に破線で示されている。
【0215】
新たなサンプリング関数
【数173】

を得るために、以下の2つの修正が
【数174】

に対して成される。
【0216】
1.中間画像は、半径Rのディスク内でサンプリングされなければならない。この場合、サンプリングは、ディスクの外側の各放射線上の少なくとも1サンプルの余裕をもって行われる(1つのサンプルにおいてはT<TSTであり、1つのサンプルにおいてはT>TENDである)。
【数175】

であると定義する。すなわち、γ’の値はTENDに一致する。隣り合う線源角度を有するファンは、T>TENDにおいて交点を欠いていてもよい。それを修正するため、T>TENDにおける
【数176】

の傾斜は、
【数177】

におけるそれにとどめられる。
【0217】
2.最後の画像は、単位サンプリング間隔をもってデカルトパターンでサンプリングされる。この単位サンプリング間隔は、中間画像のサンプリングに必要な最も小さいサンプリング間隔である。γ番目の放射線に沿う単位サンプリングレートが達成される点γ’*は、γに関する方程式
【数178】

を解くことにより決定される。単位サンプリング間隔制約を維持するために、γ’≧γ’*における
【数179】

の傾斜は1/Δγに設定される。
【0218】
図22は、典型的なβおよびγにおける
【数180】

を示している。また、この図は、組
【数181】

である放射線上の実際のサンプリング点のT−値を示している。整数jは、画像境界のそれぞれの側に少なくとも1サンプルの余裕が存在するように選択される。
【0219】
ここで概説した原理によって規定されるサンプル点の位置は、ファンの幾何学的構成、成分投影の組Nl,mに関する式(21)、中間画像に関して選択された回転角度δl,m(等間隔の視野角の場合においては式(22)で与えられる)、
【数182】

における選択形式から計算できることは言うまでもない。
【0220】
[ファンビームサンプリングにおける分離可能な回転およびアップ補間]
概要で説明したように、アップサンプリング演算および回転演算し組み合わされたアップサンプリングは、計算上効率のよい一次元リサンプリング演算へ分解できる。
【0221】
[1.2.2 局所フーリエ構造に基づくサンプリング方式]
画像
【数183】

が与えられると、本発明者らは、
【数184】

が小さな欠くことができない帯域幅を有し、そのため、点の組
【数185】

でサンプリングできるような、サンプリング関数
【数186】

を見つけたくなる。本発明者らは、このサンプリング関数を以下のようにして見つける。直ぐ後で説明するように、
【数187】

がその成分投影からどのようにして成っているかを知ることにより、本発明者らは行列関数
【数188】

を見つける。この行列関数は、関数fが点
【数189】

においてどのようにして局所的にサンプリングされるべきかを示している。その後、本発明者らは、この行列関数を画像領域にわたって積分することにより、サプリング関数
【数190】

を得る。
【0222】
本発明者らのアルゴリズムにおいて、本発明者らは、中間画像fが幾つかの角度δp∈[βmin,βmax]において
【数191】

の形式を有していることを知っている。W(T)による重み付けを無視し、投影qpがナイキストレートで正確にサンプリングされると仮定すると、本発明者らは、画像f内の各点におけるスペクトルサポートの局所構造が分かる。帯域制限された各投影qpのファン逆投影により、1つの投影からファン逆投影された1つの画像は、ファンのスポークの方向に極僅かな空間帯域幅を有している。一方、垂直方向における当該画像の帯域幅は、図24から分かるように、ファンの頂点からの距離に反比例する。これらのファンの組が回転されて一緒に加えられると、これにより得られる画像の局所的なスペクトルサポートは、個々のファンのスペクトルサポートの結合となる。
【0223】
例えば、図25に示されるように、成分ファンがβmin〜βmaxの範囲の角度を有している場合、画像領域中の点
【数192】

における局所的なスペクトルサポートは、θmin〜θmaxの範囲で方向付けられた半径を有し且つ角度θにおいてΩR/rθの径方向帯域幅を有するV字形にそらされる。ここで、Ωは、投影がナイキストレートでサンプリングされたと仮定した場合、画像面の中心にある逆投影された投影の空間帯域幅である。等角度の場合において、Ωは、投影のサンプル数を、逆投影された投影がカバーする画像面の原点を通る円弧の長さで割ったものである。数学的に、スペクトルサポートは以下のようになる。
【数193】

ここで、
【数194】

となる。
【0224】
画像内の1つの点
【数195】

において局所的な二次元フーリエ構造の知識が与えられると、その点における行列関数
【数196】

は、その点におけるスペクトルサポートが画像全体にわたって均一であった場合(例えば平行ビームの場合)に画像を効率的にサンプリングするサンプリング行列である。ここで対象となっている中間画像において、これは、2つの別個の小帯域幅サンプリング方向および大帯域幅サンプリング方向を生む。本発明者らは、最初の座標を前記小帯域幅方向となるように定める。
【0225】
本発明者らは、このサンプリング行列関数
【数197】


【数198】

によって概算する。ここで、
【数199】

【0226】
ここで、
【数200】

である。角度θmidは、線源角度(βmin+βmax)/2および
【数201】

に対応する投影の角度を示している。スペクトルサポートに関する幾何学的な論拠によって選択されるこれらのパラメータにより、サンプリング行列による変換時のスペクトルサポートは[−π,π]×[−π,π]に制限される。
【0227】
画像全体におけるサンプリング関数は、このサンプリング行列関数を画像全体にわたって積分することによって(微分方程式:
【数202】

(i,j=1,2)を解くことによって)見出される。これは数に関して解かれてもよい。この正確な所定のパターンが使用されない場合であっても、局所フーリエサポート解析は任意のサンプリングパターンの有効性を評価する。
【0228】
結果として得られるサンプリングパターンが幾つかの中間画像に関して図26(A)および図26(B)に示されている。ファンビームの場合において、この局所フーリエに基づく方法は、前述した交差に基づく方法によって得られるサンプリングパターンに類似するサンプリングパターンを生成する。1つのサンプリングパターンから他のサンプリングパターンへリサンプリングするための前述した分離可能な方法は、これらのパターンとともに使用することもできる。この局所フーリエサンプリング方法は、任意の寸法にわたる線、曲線または面にわたった任意の投影形状のためのサンプリング方式を見出すために直接に適用されてもよい。平行ビーム構成の場合、この方法は、前述した方法を軽減する。
【0229】
[1.2.3 他のサンプリング方式]
その頂点が線源軌道上にある1つのファン(「サンプリングファン」と呼ばれる)上にサンプルが配置されるサンプリング方式は、幾つかの欠点を有している。サンプリング点が各放射線毎に別個に選択されるため、二次元的には必ずしも最適とはならない方式になってしまう。アルゴリズムの最後の画像は均一な直角グリッド上に単位間隔をもってサンプリングされるが、前述した方式を使用する中間画像は、画像の特定の領域(例えばファンの頂点に近い領域)において必要な密度よりも高い密度でサンプリングされる。これを修正するため、前述した方式は、そのようなオーバーサンプリングされた領域でのサンプリングをまばらにするように修正されてもよい。そのような2つの可能性が図27に示されている。これらの可能性の両方は、一番目のレベルでは画像がファン上に効率的にサンプリングされるが最後のレベルでは長方形グリッド上に画像をサンプリングする必要があるという事実を組み入れている。これらの方式は、ファン上のサンプリングからグリッド上のサンプリングへの漸進的な移行を組み入れようとしている。
【0230】
図27(A)において、サンプルは、その頂点が線源半径からよりも原点から遠く離れて位置する擬似ファン上で選択される。連続的なレベルにおいて、中間画像は大きな範囲の線源角度からのファンから形成され、原点からの擬似ファンの頂点の距離は増大する。最後のレベルにおいて、頂点は無限にある。すなわち、放射線は、長方形グリッドの平行な線である。図27(B)において、サンプルは、ファン上ではなく、あまり発散しない線源位置に近いビーム上に位置されている。連続的なレベルにおいて、ビームは、更に平行になり、あまり発散しなくなる。二次元(または、3D画像の場合には3D)的な観点をとるこれらのサンプリング方式または他のサンプリング方式は、高速アルゴリズムに寄与する。
【0231】
[1.2.4 他の最適化]
・完全な軌道をもったファンビームの場合、線源角度は、[0,2π)の範囲で分けられる。これにより、補間を伴わずピクセルの再配置だけを伴う−π/2,−π,−3π/2分の回転をうまく利用できる。
【0232】
・アルゴリズムの全てのレベルにおけるサンプリングパターン中の点の位置は、予め計算してルックアップテーブルに記憶することができ、あるいは、データの処理とともにオンザフライ式で計算することができる。いずれの場合も、図23(A)および図23(A)において見られるような放射線指標(インデックス)に応じたサンプル位置の滑らかな変化をうまく利用することにより計算及び/又は記憶を減らすことができる。
【0233】
[1.2.5 オーバーサンプリング高速階層型逆投影]
平行ビームの場合と同様に、ファクタγ<1.0分のオーバーサンプリングを使用して、精度を高めることができる。これをファンビームの場合において達成するための1つの方法は、ファン角度Δ’β=Δβ・γを使用して密度の高いサンプリングパターンを決定することである。
【0234】
[1.2.6 ショートスキャンおよび他の角度分配のためのアルゴリズム]
この発明の方法は、いわゆるショートスキャンデータ取得フォーマットにも適用できる。この場合、線源角度の範囲は[0,2π)よりも狭い。違いは、逆投影において使用される重み付けにある。すなわち、ショートスキャンを担うために付加的な重み係数(例えばパーカー重み付け)が導入される。同様に、アルゴリズムは、線源角度の不均一な分配、あるいは、完全な画像の再構成を許容しないかもしれない線源角度の僅かな組の不均一な分配に一般化する。また、アルゴリズムにおける演算の順序は、当業者に知られた様々な方法(例えばパイプライン方式)で修正されてもよい。例えば、演算は、1つの投影が利用可能になると直ぐに処理を始めることができるように順序付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】本発明において使用される装置のブロック図である。
【図2】図2A、2B及び2Cは本発明の幾つかの実施態様で使用されるサンプリングパターンの図である。
【図3】図3A、3B及び3Cは本発明の幾つかの実施態様で使用される更なるサンプリングパターンの図である。
【図4】逆投影の既知の方法を示す図である。
【図5A】本発明の一実施態様におけるアルゴリズムを示す図である。
【図5B】図5Aの実施態様において中間画像が生成される形式を示す図である。
【図6】図5Aの中間画像を生成するために使用されるフーリエ特性を示す図である。
【図7】図7A、7B及び7Cは、座標変換がデジタル画像回転である場合における、図5Aに示される逆投影アルゴリズムでの中間画像のフーリエサポートを示す図である。
【図8】本発明の他の実施態様で使用されるアルゴリズムを示す図である。
【図9】図8のアルゴリズムにおけるスペクトルサポートの進展を示す図であり、ブロック(1…9)が図8中の対応する点と一致している図である。
【0236】
【図10A】本発明の実施態様におけるアルゴリズムを示す図である。
【図10B】図10Aの実施態様で使用される画像座標変換を示している。
【図11】図11Aは剪断スケール逆投影を示す図であり、図11Bは階層型剪断スケール逆投影を示す図である。
【図12】図12A及び図12Bは中間画像のスペクトルサポートに対する画像剪断の影響を示す図である。
【図13】本発明の他の実施態様におけるアルゴリズムを示す図である。
【図14】最適な剪断ファクタを見つけるためのアルゴリズムである。
【図15】本発明の他の実施態様におけるアルゴリズムを示す図である。
【図16】本発明の更に他の実施態様におけるアルゴリズムを示す図である。
【図17】円形の走査軌道を持つ一般的なファンビーム構成を示す図である。
【図18】本発明の他の実施態様におけるアルゴリズムを示す図である。
【0237】
【図19】図18に示されるアルゴリズムにおける中間画像の重み付けを示している。
【図20】図20A、20B及び20Cは図18の二番目の階層レベルにおけるサンプリング点を示している。
【図21】図21A及び図21Bは図18のアルゴリズムで使用されるサンプリングパターンの図である。
【図22】図20A〜20Cに示される方法を使用して得られる当初の交点を示す図である。
【図23】図23A、23B、23C及び23Dは図18で使用されるアップサンプリングにおける回転のためのサンプリング点を示している。
【図24】図18のアルゴリズムによって生成される中間画像の1つの点における局所スペクトルサポートを示している。
【図25】図18のアルゴリズムで使用される不均一なサンプリングパターンの図である。
【図26】図26A及び図26Bはリサンプリングおよび座標変換におけるサンプリングパターンを示している。
【図27】図27A及び図27Bは本発明において使用できる他のサンプリング方式を示している。
【図28】本発明で使用される発散ビームの2つの図を示している。
【0238】
【図29】図29Aはコーンビームを示す図であり、図29Bはリサンプリングを示す図である。
【図30】リサンプリング投影において使用されるアルゴリズムの図である。
【図31】本発明の実施態様におけるリサンプリングのために使用される他のアルゴリズムである。
【図32】高速階層型再投影において使用されるアルゴリズムの図である。
【図33】高速階層型再投影のための他のアルゴリズムの図である。
【図34】本発明を使用する実験の結果を示すグラフである。
【図35】本発明を用いて生成されるサンプル画像を含んでいる。
【図36】図36Aは従来のアルゴリズムを使用する再構成画像の表示であり、図36Bは本発明の高速アルゴリズムを用いて得られる結果を示している。
【図37】図37A及び図37Bは従来のアルゴリズムに匹敵するアルゴリズムの点像分布関数の図であり、図37Cは本発明の高速アルゴリズムの点像分布関数を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影(q1…qp)から1つのピクセル画像
【数1】

を形成する方法(図5)であって、
(a)選択された投影(q1…qp)から中間画像(I1,P)を生成するステップ(100)と、
(b)選択された中間画像(I1,P)に関してデジタル画像座標変換を行うステップ(102)であって、前記座標変換のパラメータが、前記中間画像を生成した投影の視野角および前記中間画像のフーリエ特性を明らかにするように選択されるステップと、
(c)ステップ(b)において生成された変換された中間画像の一部を集めて、集合中間画像(I2,P/2)を生成するステップ(104)と、
(d)全ての投影および中間画像が処理されて集められることによりピクセル画像
【数2】

が形成されるまで、ステップ(b)およびステップ(c)を再帰的な形式で繰り返すステップと
を含み、
前記座標変換パラメータが、前記中間画像の集合(104)をまばらなサンプルにより所望の精度で成し得るように選択される、前記方法。
【請求項2】
前記集合(104,108)が、デジタル画像を加えることによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)において、選択された投影(q1…qp)を逆投影することにより少なくとも幾つかの中間画像(In,m)を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)において、選択された2つ以上の投影(q1…qp)を逆投影することにより少なくとも幾つかの中間画像(In,m)をそれぞれ形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(d)において、選択された3つ以上の変換された中間画像を集めることにより少なくとも幾つかの集合中間画像(In,m)をそれぞれ形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル画像座標変換がデジタルフィルタリングを使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
選択された座標変換がデジタル画像回転を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
選択された座標変換が、デジタル画像剪断(図10B、120、122)または剪断スケーリングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
選択された座標変換が、前記デジタル画像のアップサンプリング(101,106)及び/又はダウンサンプリング(109)を含む、請求項1に記載の方法(図15)。
【請求項10】
前記デジタル画像剪断が一次元線形デジタルフィルタによって行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタル画像アップサンプリング及び/又はダウンサプリングが一次元線形デジタルフィルタによって行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部がシフト不変フィルタである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部がシフト不変フィルタである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部が再帰フィルタである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部が高速フーリエ変換(FFT)を使用して実施される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
選択された中間画像及び/又は変換された中間画像及び/又は集合中間画像に対して選択されたオーバーサンプリングが適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
非デカルトサンプリングパターンが使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
選択された座標変換が、階層の1つのレベル内または隣り合うレベルにわたって組み合わせることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
一群の線、曲線または面に沿う投影(q1…qp)から1つのピクセル画像
【数3】

を形成する方法(図31)であって、
(a)中間画像(Il,m)を生成するステップ(184)と、
(b)選択された中間画像に関してデジタル画像リサンプリングを行うステップ(186)であって、サンプルの位置が、選択された投影の視野角および前記中間画像のフーリエ特性を明らかにするように選択されるステップと、
(c)リサンプリングされた中間画像の選択された一部を集めて、集合中間画像(Iz,m)を生成するステップ(190)と、
(d)全ての投影および中間画像が処理されて集められることによりピクセル画像が形成されるまで、中間画像のサンプルの密度を高める反復の各レベルで、ステップ(b)およびステップ(c)を再帰的な形式で繰り返すステップと
を含み、
サンプリング方式が、リサンプリングされた中間画像の集合をまばらなサンプルにより所望の精度で成し得るように選択される、前記方法。
【請求項20】
ステップ(a)において、選択された投影の加重逆投影(図19、180、182)により少なくとも幾つかの中間画像を形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(a)において、選択された2つ以上の投影の加重逆投影(図19、180、182)により少なくとも幾つかの中間画像をそれぞれ形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(d)において、選択された3つ以上の変換された中間画像を集めることにより少なくとも幾つかの集合中間画像をそれぞれ形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記中間画像が、一群の線、曲線または面上に位置するサンプルを有している、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記デジタル画像リサンプリングが、一群の線、曲線または面の交差に伴う中間サンプリング方式を使用することによって、一連の低次元デジタルフィルタリング演算により行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
オーバーサンプリングの選択された度合いが、選択されリサンプリングされた中間画像および集合中間画像に対して適用される、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記集合が、デジタル画像を加えることにより行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記リサンプリングおよび集合が、連続するレベルにわたって組み合わせることができる、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
リサンプリングステップ(b)が含められる前および後に、少なくとも1つの中間画像が重み付けられる、請求項30に記載の方法。
【請求項29】
サンプリング密度の変更がデジタルフィルタリングによって行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
投影(q1…qp)から1つのピクセル画像
【数4】

を形成する方法(図8)であって、
(a)複数の中間画像(Il,m)を生成するステップ(99)であって、少なくとも1つの前記中間画像が非デカルト及び/又は周期的でないサンプリングパターンに対応しているステップと、
(b)選択された中間画像に関してデジタル画像アップサンプリングまたはダウンサンプリングを行うステップ(106)と、
(c)アップサンプリングされた/ダウンサンプリングされた中間画像に関してデジタル画像座標変換を行うステップと、
(d)ステップ(c)において生成された変換された中間画像の一部を集めて、集合中間画像を生成するステップ(110)と、
(e)全ての投影および中間画像が処理されて集められることによりピクセル画像が形成されるまで、ステップ(b)、(c)及び(d)を再帰的な形式で繰り返すステップと
を含み、
前記デジタル画像座標変換のうちの少なくとも1つが、非デカルト及び/又は周期的でないサンプリングパターンで行われ、前記座標変換パラメータが、前記中間画像の集合をまばらなサンプルにより所望の精度で成し得るように選択される、前記方法。
【請求項31】
前記集合が、デジタル画像を加えることによって行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ステップ(a)において、選択された投影を逆投影することにより少なくとも幾つかの中間画像を生成する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(a)において、選択された2つ以上の投影を逆投影することにより少なくとも幾つかの中間画像をそれぞれ形成する、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(c)において、選択された3つ以上の変換された中間画像を集めることにより少なくとも幾つかの集合中間画像をそれぞれ形成する、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記デジタル画像座標変換がデジタルフィルタリングを使用して行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
選択された座標変換がデジタル画像回転を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記デジタル画像リサンプリングアップサンプリング及び/又はダウンサプリングが一次元線形デジタルフィルタによって行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部がシフト不変フィルタである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部が再帰フィルタである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記デジタルフィルタの少なくとも一部が高速フーリエ変換(FFT)を使用して実施される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
選択された中間画像及び/又は変換された中間画像及び/又は集合中間画像に対して選択されたオーバーサンプリングが適用される、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公表番号】特表2007−504912(P2007−504912A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526371(P2006−526371)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/029857
【国際公開番号】WO2005/024722
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(506081817)ザ ボード オブ トラスティ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (1)
【Fターム(参考)】