説明

麺線の細径化装置

【課題】 対となっている加工ロールに形成されている加工溝の間隔を、所望のタイミングで簡単にしかも精度よく適切な間隔に調整できるようにすること。
【解決手段】 外周に加工溝が形成された2組の上下一対の第1及び第2加工ロール27、・・・を備え、対となっている加工溝の間に麺線を通して所定の断面形状に成形する麺線の細径化装置9において、対となっている上下の加工ロール27、・・・のそれぞれの周速が略同一となるように上下の加工ロール27、・・・を互いに連結する動力伝達機構と、対となっている上下の加工溝の間隔を調整するための溝間隔調整機構38とを備え、溝間隔調整機構38は、上側の加工ロール27を回動自在に支持する軸受部40と、軸受部40を下側の加工ロールに対して接近及び離隔する方向に案内する案内部50、50と、軸受部40を案内部50、50に沿って移動させる送り機構部51とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素麺、うどん、そば等の麺線を所定の形状及び断面積となるように細くする麺線の細径化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、素麺、うどん、そば等の麺は、主原料に加水しながら混練して塊状の麺生地を作り、その麺生地を所定の細さの麺線に成形することによって製造されている。例えば、素麺の場合、まず、主原料となる小麦粉に少量の食塩と水とを加えながら捏ね機によって均一に混練する。この混練作業(オデ作業)で塊状の麺生地を作り、その麺生地を数時間寝かして熟成させる。この熟成させた麺生地は、延し機によって押圧して延して、しかる後に所定幅に切って棒状に形成する。そして、この棒状に形成したものをイタギ機によって圧延して、その圧延したものを収容槽に渦巻き状に巻き入れる。この収容槽に巻き入れられた麺線は、この状態で、例えば、直径が40〜50mm程度の丸棒状に成形されている。そして、この状態で、数時間寝かして熟成し、小麦粉のグルテン構造を強固にして弾性と粘性を大きくする。
【0003】
そして、この収容槽に巻き入れられた比較的太い麺線は、麺線巻入機よって撚りを掛けながら丸紐状の細い麺線に成形される。麺線を細径化するのは、この麺線巻入機に設けられている麺線の細径化装置である。この細径化装置による麺線の細径化は、例えば2段階又は3段階で行われ、麺線を例えば20〜6mm程度の所定径に成形することができる。そして、この細径化された麺線は、収容槽に渦巻き状に巻き入れられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この段階的に行われる細径化の途中では、所定の熟成時間が確保されて熟成も行われる。また、この細径化作業の際には、麺線に撚りが掛けられ、この撚りによってもグルテン構造が強固となり、麺線はより緻密に引き締められる。
【0005】
この麺線の細径化装置を使用して麺線を細径化するときは、例えば図9(a)に示すように、成形後の麺線nの断面形状が円形となるようにしたい場合は、上下一対の加工ロール60、61の間に形成される通口部62の形状が円形となるように、この上下一対の加工ロール60、61を設定することが考えられる。
【特許文献1】実公平7−18298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図9(b)に示すように、通口部62の形状が円形となるように設定しても、麺線nの性状によっては、成形後の麺線nが上下方向に膨出して縦長の略楕円形となってしまうことがある。
【0007】
そこで、図9(c)に示すように、成形後の麺線nが上下方向に膨出して縦長の略楕円形となることを考慮して、通口部62の形状をその膨出する分だけ扁平となるように上下の各加工ロール60、61の取付け位置を設定することが考えられる。
【0008】
しかし、図9(a)、(b)、(c)に示す従来の上下一対の各加工ロール60、61の外周に形成されている加工溝60a、61aの断面形状は、半円形であるので、図9(c)に示す細径化後の麺線nの断面形状が円形にならず、上面部及び下面部が少し扁平である丸味を有する略四角形となってしまう。
【0009】
なお、図9(b)、(c)に示すように、成形後の麺線nが上下方向に膨出して縦長の略楕円形等となるのは、麺線nが一対の加工ロール60、61の間の通口部62を通った後では、上下の各加工ロール60、61の押圧力が解除され、このとき、麺線n内に存在する復元力によって上下方向に膨出するからである。
【0010】
この細径化後の麺線nに復元力が生じることとなる性状は、例えば細径化作業前や細径化作業の際の熟成時間の長さや、作業時の気温や湿度等によって麺線nごとに相違している。更に、この麺線nに復元力が生じることとなる性状は、麺線nの主成分や水分量、細径化前の太さ等の条件によっても麺線nごとに相違する。例えば、熟成が進んだり気温が高い場合や湿度が高い場合には麺線nは軟らかくなり、復元力は小さく、また、熟成が遅れたり気温が低い場合や湿度が低い場合には麺線nは硬くなり、復元力は大きい。
【0011】
更に、収容槽に収容されている麺線nにおいても、収容槽の底部に近い部分と、底部から離れた上側部分とでも復元力が相違している。なぜなら、例えば麺線nを加工ロールに2回通すとすると、1回目に加工ロールに通された麺線nのうち収容槽の底部に近い部分が、2回目に加工ロールに通されるまでの時間は、1回目に加工ロールに通された麺線nのうち収容槽の底部から離れた上側部分が、2回目に加工ロールに通されるまでの時間よりも比較的長くなり、この時間差によって麺線nの熟成度が相違することとなるからである。これによって、同一の収容槽に収容されている麺線nにおいても、収容槽の上側部分、中間部分及び下側部分では、麺線nの復元力が相違している。
【0012】
従って、麺線nを細径化装置に通すときは、麺線nが収容されている収容槽ごとに、及び同一の収容槽に収容されている麺線nのうち、収容槽の上側部分、中間部分及び下側部分に応じて、一対の加工溝60a、61aの間隔を適切な間隔に調整する必要があり、その調整を簡単にしかも精度よくできるようにすることが望まれている。
【0013】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、対となっている加工ロールに形成されている加工溝の間隔を、簡単にしかも精度よく適切な間隔に調整することができる麺線の細径化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る麺線の細径化装置は、それぞれの外周に加工溝が形成された対となっている加工ロールを備え、その対となっている加工溝の間に麺線を通して所定の断面形状に形成する麺線の細径化装置において、前記対となっている加工ロールのそれぞれの周速が互いに略同一となるように前記対となっている加工ロールを互いに連結する動力伝達機構と、前記対となっている加工溝の間隔を調整するための溝間隔調整機構とを備えることを特徴とするものである。
【0015】
この発明に係る麺線の細径化装置によると、一対の加工ロールの互いに対向する一対の加工溝の間に麺線を通すことによって、麺線を所定の断面形状及び太さに形成することができる。そして、溝間隔調整機構を操作又は作動させることによって、一対の加工溝の間隔を調整することができる。これによって、麺線を所望のタイミングで所望の断面形状及び太さに形成することができる。また、一対の加工ロールのそれぞれの周速が互いに略同一となるように、両者が動力伝達機構を介して互いに連結しているので、各加工ロールと麺線との間で滑りを生じることなく麺線を細径化加工することができる。よって、麺線の表面を滑らかに、しかも太さが均一となるように形成することができる。
【0016】
そして、この発明に係る麺線の細径化装置において、前記溝間隔調整機構は、前記対となっている加工ロールのうちの一方の加工ロールを回動自在に支持する軸受部と、この軸受部を他方の加工ロールに対して接近する方向及び離隔する方向に案内する案内部と、前記軸受部を前記案内部に沿って移動させる送り機構部とを備えるようにするとよい。この溝間隔調整機構によると、送り機構部を操作又は作動させることによって、軸受部を案内部に沿って移動させることができる構成となっている。これによって、一対の加工ロールの間隔、つまり一対の加工溝の間隔を、簡単な構成を使用して狭めたり拡げたりすることができる。
【0017】
また、この発明に係る麺線の細径化装置において、前記送り機構部は、枠体に揺動自在に設けた揺動部と、一端部が前記枠体に螺合し他端部が前記揺動部に回動自在に係合する送りねじ部と、前記軸受部を前記他方の加工ロールから離隔する方向に付勢する付勢手段と、前記揺動部に設けられ前記付勢手段によって付勢される前記軸受部の移動を所定位置に停止させるための係止部とを備えるようにするとよい。
【0018】
この送り機構部によると、例えば送りねじ部を一方の方向に回転させると、揺動部が枠体から離れる方向に揺動し、これによって、この揺動部に設けられている係止部が軸受部から離れる方向に移動する。このとき、軸受部が係止部に向かう方向に付勢手段によって付勢されているので、軸受部が係止部に追従して同方向に移動する。このようにして、例えば一方の加工ロールを他方の加工ロールから引き離す方向に移動させることができる。そして、上記とは逆に、送りねじ部を他方の方向に回転させると、上記と逆の動作が行われ、一方の加工ロールを付勢手段の付勢力に抗して、他方の加工ロールに接近する方向に移動させることができる。このようにして、一対の加工溝を所望の間隔となるように拡縮することができる。
【0019】
更に、この発明に係る麺線の細径化装置において、前記動力伝達機構は、前記対となっているそれぞれの加工ロールの中心軸に設けられ、互いに噛合う一対の歯車とするとよい。
【0020】
この動力伝達機構によると、対となっている加工ロールは、それぞれの中心軸に設けられている一対の歯車の噛合いによって互いに連結しているので、適切な歯数の歯車を選択することによって、2つの加工ロールの周速度を一致させることができる。これによって、各加工ロールの加工溝と麺線との間で滑りが生じないようにすることができる。また、対となっている歯車の噛合いによって一対の加工ロール間で回転力が伝達される構成となっているので、この歯車の噛合いによって回転力を伝達できる範囲内で、一対の加工溝の間隔を調整することができるし、加工溝の間隔が変化しても、2つの加工ロールの周速度を一致させることができる。
【0021】
そして、この発明に係る麺線の細径化装置において、前記対となっているそれぞれの加工溝の断面形状は、楕円形を長軸で切断して形成される半楕円形又は略半楕円形とするとよい。このように、対となっているそれぞれの加工溝の断面形状を、楕円形を長軸で切断して形成される半楕円形又は略半楕円形とすると、麺線をこの対となっている加工溝の間を通すことによって、麺線をその断面が楕円形又は略楕円形となるように形成することができる。麺線をこのように形成すると、麺線内に存在する復元力によって麺線が楕円形の短軸方向に膨出したときに、麺線の断面が円形又は円形に近い形状となるようにすることができる。これによって、麺線の見栄えや食感等を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係る麺線の細径化装置によると、溝間隔調整機構を操作又は作動させることによって、対となっている加工溝の間隔を調整することができる構成としたので、例えば麺線が収容されている収容槽ごとに、及び同一の収容槽に収容されている麺線のうち、収容槽の上側部分、中間部分及び下側部分に応じて、対となっている加工溝の間隔を、所望のタイミングで簡単にしかも精度よく適切な間隔に調整することができる。これによって、麺線の全長に亘って、例えば太さ及び密度を均一にすることができ、その結果、この麺線で作られた麺の食感や見栄えを良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る麺線の細径化装置(以下、単に「細径化装置」と言うこともある。)9を備える麺線巻入機1の一実施形態を、図1〜図8を参照して説明する。図1に示すように、麺線巻入機1は、例えば素麺、うどん、そば等の原料となる丸紐状の麺線nを、麺線の細径化装置9に通して予め定めた太さになるように成形するためのものである。例えば太さが17mm程度の麺線nを、まず、細径化装置9に設けられている上下一対の第1加工ロール27、28に通して約12mmの太さの麺線nに形成し、この麺線nを更に別に設けられている上下一対の第2加工ロール29、30に通して約6mmの太さの麺線nに形成することができる。この麺線巻入機1は、麺線nの移送方向sの上流側から順に、巻込部5、細径化装置9、巻入部16が設けられている。
【0024】
巻込部5は、図1に示すように、その下方に配置されている収容槽12内の麺線nを受け入れて、この受け入れた麺線nに撚りを掛けて後段の細径化装置9に送り込むためのものである。この巻込部5は、収容槽12内に収容された丸紐状の麺線nを受け入れて、麺線nに撚りを掛けるための麺線ガイド2と、麺線nの状態(性状)に応じて位置を変更することができる案内ロール3、4と、この案内ロール3、4に麺線nを巻き込ませるための巻込ロール6とを備えている。この麺線ガイド2及び巻込ロール6は、固定支持杵26を介して巻入機本体18に回動自在に設けられ、案内ロール3、4は、可動支持杵25を介して巻入機本体18に回動自在に設けられている。
【0025】
巻入部16は、図1に示すように、前段に設けられている細径化装置9で所定の直径に細径化され麺線nを受け入れて、この受け入れた麺線nを、麺線案内杆15によって収容槽12内に螺旋状に巻き入れることができるものである。この巻入部16は、ガイド棒11と、麺線nを移送方向sに案内する案内ロール13が回動自在に設けられている麺線案内杆15と、この麺線案内杆15の先端から収容槽12へ麺線nを規則的に整列させて巻き入れる巻入ロール14とを備えている。そして、この巻入部16には、設定回転数で回転する回転台17が設けられ、この回転台17上に収容槽12が載置されている。24は、収容槽12の置き台である。
【0026】
また、図1に示す回転台17は、巻入機本体18内に設けられている駆動部(例えば電動モータ)19によって所定方向及び設定回転速度で回転駆動される。
【0027】
この巻入部16によると、回転台17に伴って収容槽12を設定回転速度で回転駆動すると共に、麺線案内杆15を、揺動軸21を基準にして水平方向に所定角度範囲で揺動させることができる。これら回転台17の回転、及び麺線案内杆15の揺動は、巻入機本体18の内部に設けられた駆動機構部(図示せず)によって行われる。また、麺線案内杆15の揺動角度は、麺線案内杆15の先端部が収容槽12の中心とその周壁の内面との間を、半径方向に往復移動するように制御されており、麺線案内杆15の先端部が収容槽12の中心、及び周壁の内面に移動したことは、リミットスイッチ等の位置センサ(図示せず)が検出するようになっている。駆動部19は、制御盤22に設けられているスイッチ23によって運転及び停止させることができる。このようにして、細径化された麺線nは、収容槽12内に螺旋状に巻き入れられて、複数段にして貯留される。
【0028】
次に、本発明の特徴とする麺線の細径化装置9を説明する。図1に示すように、この細径化装置9は、上流側の巻込部5と、下流側の巻入部16との間に設けられており、巻込部5から送り出された麺線nを所定の細さに成形して、この細径化した麺線nを下流側の巻入部16に供給することができるものである。この細径化装置9は、一対の第1加工ロール27、28、一対の第2加工ロール29、30、動力伝達機構37、及び溝間隔調整機構38を備えている。
【0029】
一対の第1加工ロール27、28は、図2〜図4に示すように、上側第1加工ロール27と、下側第1加工ロール28とを備えている。上側第1加工ロール27は、上側軸39に固定して設けられ、この上側軸39は、両端部が軸受部40によって回動自在に支持されている。この両方の軸受部40、40は、摺動部41、41を介して枠体42の左右の各側壁42a、42aに、上下方向に移動自在に設けられている。
【0030】
下側第1加工ロール28は、下側軸43に固定して設けられ、この下側軸43は、両端部が軸受部(図示せず)によって回動自在に支持されている。この両方の軸受部は、枠体42の左右の各側壁42a、42aに直接に固定して取り付けられている。
【0031】
この一対の上側及び下側の第1加工ロール27、28は、図6の正面図、及び図7の側面図に示すように、それぞれの外周部に加工溝27a、28aが設けられており、上側第1加工ロール27の横幅Eは、下側第1加工ロール28の加工溝28aの横幅Fと同一又はそれよりも狭く形成されている。つまり、上側第1加工ロール27の加工溝27aを形成する左右の周縁部27b、27bが、下側第1加工ロール28の加工溝28aを形成する左右の周壁部28b、28bの内側に嵌め込まれており、この両者の嵌合部分に麺線nを通すための通口部44が形成されている。
【0032】
この通口部44は、図6に示すように、上側及び下側の第1加工ロール27、28の2つの加工溝27a、28aによって形成され、上側第1加工ロール27を上下方向に溝間隔調整機構38によって移動させることで、通口部44の上下方向の寸法を大きくしたり小さくすることができる。そして、この一対の加工溝27a、28aの断面形状は、楕円形を長軸で切断して形成される半楕円形(又は略半楕円形)である。従って、麺線nをこの通口部44に通して細径化することによって、麺線nの上下の各面を半楕円形(又は略半楕円形)に成形することができる。
【0033】
また、一対の第2加工ロール29、30は、図1に示すように、上側第2加工ロール29と、下側第2加工ロール30とを備えており、これら上下の各第2加工ロール29、30は、上側及び下側の各第1加工ロール27、28と同様に、上側軸39及び下側軸43に固定して設けられ、図6に示すものと同様に、両者は互いに嵌合している。この一対の第1加工ロール27、28と一対の第2加工ロール29、30とが相違するところは、加工溝の大きさである。つまり、図1の右側に配置されている一対の第1加工ロール27、28の加工溝27a、28aは、例えば太さが17mm程度の麺線nを、約12mmの太さに成形できる大きさであり、図1の左側に配置されている一対の第2加工ロール29、30の加工溝29a、30aは、この約12mmの太さに成形された麺線nを、約6mmの太さに成形できる大きさである。
【0034】
また、この細径化装置9は、図1に示すように、第1又は第2加工ロール(27、28)、(29、30)から送り出されて細径化された麺線nを下流側の巻入部16へ案内するガイドロール10を備えている。このガイドロール10は、回動自在に枠体42に設けられている。そして、第1又は第2加工ロール(27、28)、(29、30)を通る麺線nが略直線となって水平方向に延びるように、巻込ロール6、第1又は第2加工ロール(27、28)、(29、30)、及びガイドロール10が配置されている。更に、これら巻込ロール6、第1又は第2加工ロール(27、28)、(29、30)、及びガイドロール10は、同一の速度で麺線nを移送できるように駆動ベルト20等で連結されており、駆動部19によって駆動される。なお、図6及び図7に示す45は、麺線案内体である。この麺線案内体45は、麺線nを第1又は第2加工ロール(27、28)、(29、30)の対応するそれぞれの通口部44、44に案内するためのものである。
【0035】
動力伝達機構37は、図3及び図5に示すように、下側の第1及び第2加工ロール28、30が固定して設けられている下側軸43の回転を、上側の第1及び第2加工ロール27、29が固定して設けられている上側軸39に伝達するためのものであり、上側平歯車37aと下側平歯車37bとを備えている。この上側平歯車37aは、上側軸39に固定して取り付けられており、下側平歯車37bは、下側軸43に固定して取り付けられている。この下側及び上側の各平歯車37a、37bは、上側の第1及び第2加工ロール27、29、及びそれぞれと対応する下側の第1及び第2加工ロール28、30の周速が互いに略同一となるようにそれぞれの歯数が設定されている。
【0036】
また、上側及び下側の各平歯車37a、37bは、上側の平歯車37aを上下方向に2〜3mm程度移動できるように互いに噛み合っている。このように、上側の平歯車37aを上下方向に移動できるようにしたのは、上側の第1及び第2加工ロール27、29を上下方向に2〜3mm程度移動できるようにすると共に、このように移動させた状態で、下側軸43の回転を上側軸39に伝達できるようにするためである。
【0037】
この動力伝達機構37によると、上下の各加工ロール27、28、・・・の周速度を略一致させることができるので、各加工溝27a、28a、・・・と麺線nとの間で滑りが生じないようにすることができる。また、一対の平歯車37a、37bの噛合いによって一対の加工ロール間で回転力が伝達される構成となっているので、この平歯車37a、37bの噛合いによって回転力を伝達できる範囲内で、一対の加工溝27a、28a、・・・の間隔を調整することができるし、加工溝の間隔が変化しても、互いに対をなす上下の加工ロール(27、28)、(29、30)の周速度を一致させることができる。
【0038】
なお、図1に示すように、下側軸43の端部には小歯車46が固定して設けられ、この小歯車46に噛み合うように大歯車47が設けられている。この大歯車47は、軸48に固定して設けられ、この軸48は回動自在に巻入機本体18に設けられている。また、この軸48は、プーリ(図示せず)、動力伝達ベルト49、及びプーリを介して駆動部19によって所定方向に回転駆動される。
【0039】
溝間隔調整機構38は、図3及び図4に示すように、上側の第1及び第2加工ロール(上側軸39)27、29を上下方向に移動させて、上側及び下側の第1及び第2加工ロール(27、28)、(29、30)に設けられている加工溝(27a、28a)、(29a、30a)の上下の間隔(通口部44、44の上下方向の寸法)を調整するためのものであり、軸受部40が設けられている摺動部41、案内部50、50、及び送り機構部51を備えている。
【0040】
摺動部41は、図4に示すように、縦長の矩形の板状体であり、外面に軸受部40が取り付けられ、この軸受部40には、上側軸39が回動自在に支持されている。この上側軸39には、上側の第1及び第2加工ロール27、29が取り付けられている。そして、摺動部41の左右の各縁部には、溝41a、41aが形成されており、左右の各溝41a、41aには、案内部50、50が嵌め込まれている。この案内部50、50は、枠体42を構成する側壁42aに設けられた縦長の切欠き部52の左右の各縁部で形成されている。この一対の案内部50、50は、互いに平行しており、この案内部50、50に沿って摺動部41が上下方向に移動自在である。
【0041】
この一対の案内部50、50は、枠体42の左右の各側壁42a、42aにそれぞれ設けられ、この左右の各側壁42a、42aに設けられている案内部50、50、・・・に対してそれぞれ摺動部41、41が上下方向に移動自在に設けられている。従って、上側軸39は、略水平に保持された状態で、上下方向に移動できるようになっている。
【0042】
送り機構部51は、図3及び図4に示すように、左右一対の軸受部40、40を案内部50、50、・・・に沿って上下方向に移動させるためのものであり、揺動部53、送りねじ部54、圧縮ばね(付勢手段)55、及び係止部56を備えている。
【0043】
揺動部53は、図3に示すように、平面形状が略U字形状の部材であり、両端部が枢支部57、57を介して左右の各側壁42a、42aに揺動自在に設けられている。
【0044】
送りねじ部54は、図4に示すように、上端部に把手部54aが設けられ、この把手部54aに雄ねじ部54bが取り付けられている。この雄ねじ部54bの下部が、枠体42の連結部42bに形成されている雌ねじ部42cに螺合している。そして、雄ねじ部54bの上部が揺動部53に形成された係合溝58に回動自在に挿通しており、係合溝58の縁部の上面が把手部54aの下面と当接している。
【0045】
圧縮ばね55は、図4に示すように、左右の各側壁42aに形成されている各切欠き部52に配置されており、下端が切欠き部52の底面と当接し、上端が摺動部41の下面と当接している。このようにして、左右一対の圧縮ばね55、55は、左右一対の摺動部41、41及び軸受部40、40を上方に移動させるように付勢している。なお、図には示さないが、各圧縮ばね55が左右の各側壁42a、及び摺動部41から外れないようにするために、外れ止めが設けられている。
【0046】
係止部56、56は、図3及び図4に示すように、一対の圧縮ばね55、55によって上方に付勢されている一対の摺動部41、41を、所定位置に停止させるためのものである。一対の各係止部56、56は、例えば雄ねじで形成され、揺動部53の各腕部53a、53aに設けられている雌ねじ部(図示せず)に螺合している。この状態で、一対の各係止部56、56の下端部が一対の摺動部41、41の各上面と当接している。これによって、一対の圧縮ばね55、55によって上方に付勢されている一対の摺動部41、41を、所定の位置に停止させることができる。
【0047】
この図4に示す送り機構部51によると、例えば作業者が送りねじ部54を一方の方向に回転させると、揺動部53が枢支部57、57を中心にして揺動して、揺動部53が枠体42から離れる上方向に揺動する。これによって、揺動部53に設けられている一対の係止部56、56が対応する一対の各軸受部40、40から離れる上方向に移動する。このとき、一対の各軸受部40、40が係止部56、56に向かう上方向に圧縮ばね55、55によって付勢されているので、一対の軸受部40、40が一対の係止部56、56に追従して上方向に移動する。このようにして、上側の第1及び第2加工ロール27、29を下側の第1及び第2加工ロール28、30から引き離す方向に移動させることができる。
【0048】
そして、上記とは逆に、送りねじ部54を他方の方向に回転させると、上記と逆の動作が行われ、上側の第1及び第2加工ロール27、29を、圧縮ばね55、55の付勢力に抗して下側の第1及び第2加工ロール28、30に接近する下方向に移動させることができる。このようにして、2組の上下一対の加工溝(27a、28a)、(29a、30a)が所望の間隔となるように拡縮することができる。
【0049】
次に、上記のように構成された図1等に示す麺線巻入機1によって、麺線nに撚りを掛けて所定の太さに細径化して、この細径化した麺線nを下流側の収容槽12に巻き入れる手順を説明する。まず、図1に示すように、作業者は、細径化されていない麺線nが収容されている上流側の収容槽12から麺線nの端部を引き出して、その端部を図1に示すように各ロール3、4、上下一対の第1加工ロール27、28、及びガイド棒11等に掛けたり通したりする。そして、その麺線nの端部を麺線巻入機1の回転台17の上に載置されている空の収容槽12内に配置する。そして、駆動部19を駆動させて、各ロール27、28等を所定方向に回転させると共に、麺線案内杵15を作動させる。これによって、上流側の収容槽12内の細径化されていない麺線nに対して、自動的に麺線ガイド2で撚りを掛けることができ、細径化装置9の一対の第1加工ロール27、28で麺線nを所定の太さに細径化することができる。そして、この細径化した麺線nを下流側の収容槽12内に自動的に多段にして巻き入れることができる。
【0050】
次に、この第1加工ロール27、28を使用して細径化した麺線nを、例えば1時間程度の熟成時間が経過した後に、上記と同様にして、各ロール3、4、上下一対の第2加工ロール29、30、及びガイド棒11等に掛けたり通したりする。そして、駆動部19を駆動させることによって、上流側の収容槽12内の第1加工ロール27、28で細径化された麺線nに対して、撚りを掛けると共に、細径化装置9の一対の第2加工ロール29、30で麺線nを所定の太さに細径化することができる。そして、この細径化した麺線nを下流側の収容槽12内に自動的に多段にして巻き入れることができる。そして、このようにして成形されて細径化された麺線nは、更に別の処理や加工が行われて例えば素麺が製造される。
【0051】
次に、図1〜図3等を参照して麺線の細径化装置9の作用を説明する。この麺線の細径化装置9によると、図6及び図7に示すように、上下一対の第1加工ロール(又は上下一対の第2加工ロール29、30)27、28の互いに対向する上下一対の加工溝(27a、28a)、(29a、30a)の間の通口部44、44に麺線nを通すことによって、麺線nを所定の断面形状及び太さに成形することができる。
【0052】
そして、図4に示す溝間隔調整機構38によると、作業者が送りねじ部54を操作することによって、上下一対の加工ロール27、28、・・・に形成されている一対の加工溝27a、28a、・・・の上下の間隔を調整することができ、これによって、麺線nを所望のタイミングで、所望の断面形状及び太さに形成することができる。
【0053】
また、図4に示す溝間隔調整機構38によると、作業者が送りねじ部54を操作することによって、上側の第1及び第2加工ロール27、29が取り付けられている軸受部40、40を案内部50、・・・に沿って上下方向に所望の距離だけ移動させることができる構成となっている。これによって、上下一対の第1及び第2加工ロール27、28、・・・の間隔、つまり各対の加工溝27a、28a、・・・の上下の間隔を、簡単な構造を使用して簡単にしかも正確に狭めたり拡げたりすることができる。
【0054】
また、図5に示すように、上下一対の第1加工ロール(及び上下一対の第2加工ロール29、30)27、28のそれぞれの周速が互いに略同一となるように、上下の各加工ロール27、28、・・・が動力伝達機構37の上側及び下側の平歯車37a、37bを介して互いに連結しているので、上下の各加工ロール27、28、・・・と麺線nとの間で滑りを生じることなく麺線nを細径化加工することができる。よって、麺線nの表面を滑らかに、しかも太さが均一となるように成形することができる。
【0055】
次に、図8を参照して、上下一対の第2加工ロール(及び第1加工ロール27、28)29、30の間隔、つまり各対の加工溝(29a、30a)、(27a、28a)の間隔を調整する手順を説明する。図8は、例えば第1加工ロール27、28に通して細径化された麺線nを、所定の熟成時間が経過した後に第2加工ロール29、30に通して細径化する手順を示している。
【0056】
図8に示す収容槽12には、第1加工ロール27、28に通して細径化された麺線nが、収容槽12の底から順に渦巻状に巻き入れられて複数段に積み重ねられている。従って、この収容槽12に収容されている麺線nは、第1加工ロール27、28によって細径化された時からの時間の経過が、下部C、中間部B、及び上部Aの順で長くなっている。この下部Cの経過時間が最も長い。
【0057】
しかも、次に麺線nが第2加工ロール29、30によって細径化される順番は、上部A、中間部B、及び下部Cの順であるので、この収容槽12に収容されている麺線nが第2加工ロール29、30によって細径化されまでに要する時間は、下部C、中間部B、及び上部Aの順で長くなる。この場合も、下部Cの時間が最も長くなる。
【0058】
従って、第1加工ロール27、28によって細径化されて収容槽12に収容されている麺線nが、次に第2加工ロール29、30によって細径化されるまでに要する時間は、下部C、中間部B、及び上部Aの順で長くなり、よって、麺線nの下部Cの熟成時間が最も長くなる。
【0059】
その結果、図8に示すように、第2加工ロール29、30に通す直前の麺線nの断面積は、比較的上部Aは大きく、中間部Bは中程度であり、及び下部Cは小さくなっている。このように断面積が相違しているのは、この順番で熟成時間が短いからである。上部Aは、熟成時間が最も短く、第1加工ロール27、28の通口部44の形状に近い大きい断面形状となっている。そして、熟成時間が長いほど熟成度が高く麺線nが細くなる。下部Cは、熟成時間が最も長く、略円形の小さい断面形状となっている。
【0060】
また、上下一対の第1加工ロール27、28の加工溝27a、28aの上下の間隔(通口部44の形状)は、第1加工ロール27、28によって細径化された麺線nが熟成した状態で、例えば麺線nの断面形状が円形となるように設定されている。つまり、第1加工ロール27、28の通口部44は、横に長い略楕円形に設定されている。
【0061】
このように熟成後の形状が円形となるように加工溝27a、28aの上下の間隔(通口部44の形状)を設定しているのは、第1加工ロール27、28によって細径化された麺線nを第2加工ロール29、30によって細径化して、この麺線nが熟成したときに、断面形状が確実に円形となるようにするためである。
【0062】
次に、図8に示すように、収容槽12に収容されている麺線nのうち、上部Aの麺線nを第2加工ロール29、30に通すときは、上下の加工溝29a、30aの間隔を比較的狭いa1にする。そして、中間部Bの麺線nを第2加工ロール29、30に通すときは、上下の加工溝29a、30aの間隔を中程度のa2にし、下部Cの麺線nを第2加工ロール29、30に通すときは、上下の加工溝29a、30aの間隔を比較的広いa3にする。このようにして第2加工ロール29、30によって細径化された麺線nが熟成すると、図8に示すように、それぞれの断面が略同一の大きさの円形となる。
【0063】
このように、収容槽12に収容されている麺線nの上部A、中間部B、及び下部Cに応じて、上下の加工溝29a、30aの間隔を変更するのは、熟成度の低い上部Aの麺線nが第2加工ロール29、30を通った後での上下方向の復元力によって上下方向に膨出する程度が大きく、熟成度の高い下部Cの麺線nが第2加工ロール29、30を通った後での上下方向の復元力によって上下方向に膨出する程度が小さいからである。
【0064】
よって、熟成後の麺線nの断面が略同一の大きさの円形となるように、同一の収容槽12に収容されている麺線nの上部A、中間部B、及び下部Cに応じて、それぞれの部分が第2加工ロール29、30を通るときに、上下の加工溝29a、30aの間隔を変更している。
【0065】
なお、図8では、同一の収容槽12に収容されている麺線nのうち、上部A、中間部B、及び下部Cに応じて上下の加工溝29a、30aの間隔を変更する必要性を説明したが、麺線nが収容されている収容槽12ごとにも麺線nの熟成度や性状が相違しているので、各収容槽12ごとにも、麺線nが第2加工ロール29、30を通るときに、及び第1加工ロール27、28を通るときに、上下の加工溝(29a、30a)、(27a、28a)の間隔を調整する必要がある。
【0066】
そこで、本発明の麺線の細径化装置9よると、図4等に示すように、作業者が送りねじ部54を操作することによって、上下の加工溝27a、28a、・・・の間隔を、所定のタイミングで簡単にしかも精度よく調整することができるようにした。これによって、麺線nの全長に亘って、例えば太さ及び密度を均一にすることができ、その結果、この麺線nで作られた麺の食感や見栄えを良好にすることができる。
【0067】
また、図8等に示すように、対となっているそれぞれの加工溝27a、28a、・・・の断面形状は、楕円形を長軸で切断して形成される半楕円形(又は略半楕円形)としたので、麺線nをこの一対の加工溝27a、28a、・・・の間を通すことによって、麺線nをその断面が楕円形(又は略楕円形)となるように成形することができる。麺線nをこのように成形すると、麺線n内に存在する復元力によって麺線nが楕円形の短軸方向に膨出したときに、麺線nの断面が円形又は円形に近い形状となるようにすることができる。これによって、麺線nの見栄えや食感等を良好にすることができる。
【0068】
ただし、上記実施形態の麺線の細径化装置9では、図2に示すように、2組の第1及び第2加工ロール(27、28)、(29、30)を備える構成としたが、これに代えて、1組又は3組以上の加工ロールを備える構成としてもよい。
【0069】
そして、上記実施形態の麺線の細径化装置9では、素麺を例に挙げて説明したが、素麺以外のうどん、そば等の麺線nを細径化することができるように適用することができる。
【0070】
また、上記実施形態の溝間隔調整機構38は、図4に示すように、作業者が手で送りねじ部54を操作するようにしたが、これに代えて、例えば電動モータを使用して操作するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態の動力伝達機構は、図5に示すように、上側軸及び下側軸を上下の平歯車で連結する構成としたが、これ以外の構成としてもよい。例えば上側軸と下側軸とを回転力を伝達することができるフレキシブルケーブレを介して互いに連結してもよい。
【0072】
更に、上記実施形態の加工溝は、図6に示すように半楕円形としたが、これ以外の形状としてもよい。例えば麺線の断面形状を矩形や長円形とする場合は、それらの断面形状に対応する形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明に係る麺線の細径化装置は、対となっているそれぞれの加工ロールに形成されている加工溝の間隔を、所望のタイミングで簡単にしかも精度よく適切な間隔に調整することができる優れた効果を有し、このような麺線の細径化装置等に適用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態に係る麺線巻入機を示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る麺線巻入機に設けられている麺線の細径化装置を示す拡大正面斜視図である。
【図3】図2に示す麺線の細径化装置を示す拡大背面斜視図である。
【図4】図2に示す麺線の細径化装置に設けられている溝間隔調整機構を示す拡大側面図である。
【図5】図2に示す麺線の細径化装置に設けられている動力伝達機構を示す拡大側面図である。
【図6】図2に示す麺線の細径化装置に設けられている上下一対の第1加工ロールを示す拡大正面図である。
【図7】図6に示す上下一対の第1加工ロールを示す拡大側面図である。
【図8】図2に示す上下一対の第2加工ロールによる麺線の細径化を説明するための図である。
【図9】従来の上下一対の加工ロールによる麺線の細径化を説明するための図である。
【符号の説明】
【0075】
1 麺線巻入機
2 麺線ガイド
3、4 案内ロール
5 巻込部
6 巻込ロール
9 細径化装置
10 ガイドロール
11 ガイド棒
12 収容槽
13 案内ロール
14 巻入ロール
15 麺線案内杆
16 巻入部
17 回転台
18 巻入機本体
19 駆動部
20 駆動ベルト
21 揺動軸
22 制御盤
23 スイッチ
24 置き台
25 可動支持杵
26 固定支持杵
27 上側の第1加工ロール
27a、28a、29a、30a 加工溝
27b、28b 周縁部
28 下側の第1加工ロール
29 上側の第2加工ロール
29b、30b 周壁部
30 下側の第2加工ロール
37 動力伝達機構
37a、37b 平歯車
38 溝間隔調整機構
39 上側軸
40 軸受部
41 摺動部
41a 溝
42 枠体
42a 側壁
42b 連結部
42c 雌ねじ部
43 下側軸
44 通口部
45 麺線案内体
46、47 歯車
48 軸
49 動力伝達ベルト
50 案内部
51 送り機構部
52 切欠き部
53 揺動部
53a 腕部
54 送りねじ部
55 圧縮ばね(付勢手段)
56 係止部
57 枢支部
58 係合溝
n 麺線
s 移送方向
A 麺線の上部
B 麺線の中間部
C 麺線の下部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの外周に加工溝が形成された対となっている加工ロールを備え、その対となっている加工溝の間に麺線を通して所定の断面形状に形成する麺線の細径化装置において、
前記対となっている加工ロールのそれぞれの周速が互いに略同一となるように前記対となっている加工ロールを互いに連結する動力伝達機構と、前記対となっている加工溝の間隔を調整するための溝間隔調整機構とを備えることを特徴とする麺線の細径化装置。
【請求項2】
前記溝間隔調整機構は、前記対となっている加工ロールのうちの一方の加工ロールを回動自在に支持する軸受部と、この軸受部を他方の加工ロールに対して接近する方向及び離隔する方向に案内する案内部と、前記軸受部を前記案内部に沿って移動させる送り機構部とを備えることを特徴とする請求項1記載の麺線の細径化装置。
【請求項3】
前記送り機構部は、枠体に揺動自在に設けた揺動部と、一端部が前記枠体に螺合し他端部が前記揺動部に回動自在に係合する送りねじ部と、前記軸受部を前記他方の加工ロールから離隔する方向に付勢する付勢手段と、前記揺動部に設けられ前記付勢手段によって付勢される前記軸受部の移動を所定位置に停止させるための係止部とを備えることを特徴とする請求項2記載の麺線の細径化装置。
【請求項4】
前記動力伝達機構は、前記対となっているそれぞれの加工ロールの中心軸に設けられ、互いに噛合う一対の歯車であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の麺線の細径化装置。
【請求項5】
前記対となっているそれぞれの加工溝の断面形状は、楕円形を長軸で切断して形成される半楕円形又は略半楕円形であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の麺線の細径化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−43219(P2008−43219A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219538(P2006−219538)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(593050367)株式会社湯本製作所 (8)
【Fターム(参考)】