説明

麺類袋詰め装置

【課題】連続的に供給される帯状の麺の束を正確かつ容易に二つ折りの状態にして包装袋に投入できる安価な麺類袋詰め装置を提供する。
【解決手段】本実施例の麺類袋詰め装置は、搬入コンベア1と、架台2と、搬入コンベア1に併設されるガイドレール3aに沿って摺動自在に,かつ搬入コンベア1の側方に並列配置される受け皿4と、受け皿4をガイドレール3aに沿って摺動させるボールネジ4a及びモータ4bと、搬入コンベア1の前方に設置される袋棚6と、受け皿4及び袋棚6の下方において袋棚6の直下から受け皿4の直下まで敷設されるガイドレール3bに沿って摺動自在に設置される袋保持部7と、袋保持部7を駆動してガイドレール3bに沿って摺動させるスライドシリンダ5aと、麺8が投入された包装袋9を送出可能に,受け皿4の直下に移送された袋保持部7の下方に始端部が位置するように配置される搬出コンベア10とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うどんや蕎麦などの麺類を袋詰めする装置に係り、特に、所定の長さに切断された複数本の麺を二つ折りにして包装袋に投入する麺類袋詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状の麺の束を袋詰めする場合、嵩張らないように二つ折りの状態で袋に投入されることが多い。麺類の袋詰め作業は、通常、自動設備により行われるが、麺を二つ折りにして袋詰めする作業は、自動化が容易でないため、従来、ほとんど人手によって行われていた。このような実情に鑑み、近年、帯状の麺の束を二つ折りにして袋詰めする技術について研究や開発がなされている。そして、それに関して既にいくつかの発明や考案が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、帯状にまとめられ、所定の長さに切断された多数の麺線を二つ折りにして1食分の麺に形成する方法とその装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明である麺の二つ折り装置は、第1搬入コンベヤから第2搬入コンベヤに麺を移送する途中で、麺の長手方向中央を押し込み部材により下方に押し込んで麺を二つ折りにしつつ、その二つ折りにされた麺を第2搬入コンベヤの下方に配置された搬出コンベヤ上に供給する構造となっている。
このような構造によれば、第1搬入コンベヤから第2搬入コンベヤに移送される途中の麺は、搬送方向に対して引張力が作用していないため、二つ折りにする際に、部分的な伸び等により上半分の端部と下半分の端部が不揃いとなるという不具合が発生し難い。
【0004】
次に、特許文献2には、生麺を二つ折りや四つ折りなどに折り畳んで供給することができる「麺線の折り畳み供給装置」に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示された考案は、上部を支点として下部が揺動する揺動ホッパーと、この揺動ホッパーを揺動方向の先方に向けてバネによって付勢するとともに,外力によって後方への遊動を許容する駆動装置と、揺動ホッパーの下端に設けられる受刃及び切刃と、揺動ホッパーに接近させて配置され,揺動ホッパーの先方の終端部への揺動を規制するとともに,切刃が受刃よりも後方位置において停止するように規制する入切自在のストッパー装置とを備えるものである。
このような構造によれば、揺動ホッパーの上方に供給された連続的な麺線が、揺動ホッパーの動きによって一定ストロークで折り返されつつ揺動ホッパーの下方から排出された後、先方への揺動の終端において切刃と受刃によって切断されるという作用を有する。
【0005】
さらに、特許文献3には、「麺帯若しくは麺線を四つ折り以上の偶数折りする方法並びに折り機」という名称で、全く人手を介することなく麺帯等を自動的に四つ折り以上の偶数折りとすることが可能な方法とその装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、垂下されてくる麺帯若しくは麺線を、チェーンコンベアに片持ち取り付けされた麺掛棒に対して島田掛けに引っ掛け、二つ折りがなされる時点で麺掛棒を逆移動させて逆方向からの島田掛けを行うというサイクルを複数回繰り返した後、裁断することを特徴とする。
このような方法によれば、麺帯若しくは麺線を四つ折り以上の任意の偶数折りとすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−238439号公報
【特許文献2】実開平7−22680号公報
【特許文献3】特開平5−292867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明は、麺の長手方向中央を押し込み部材によって下方に押し込むことで強制的に二つ折りにする構成となっているため、麺が伸びたり、千切れたりするおそれがあった。また、使用できる麺の太さが第1搬入コンベヤと第2搬入コンベヤの間隔によって規定されてしまうため、汎用性に乏しいという課題があった。
【0008】
また、特許文献2に開示された考案は、麺線の長さに応じて揺動ホッパーの揺動長さや揺動速度を変更しなければならず、動作制御が複雑であり、装置が大掛かりで高価なものになってしまうという課題があった。
【0009】
特許文献3に開示された発明は、麺帯や麺線の長さに応じて麺掛棒を往復動させるタイミングを調整する必要がある。従って、装置の構造や制御が複雑なものとなり、低価格化が容易でないという課題があった。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、連続的に供給される帯状の麺の束を正確かつ容易に二つ折りの状態にして包装袋に投入できる安価な麺類袋詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である麺類袋詰め装置は、所定の長さに切り揃えられ、搬入コンベアによって供給される複数本の麺を二つ折りの状態で包装袋に投入する麺類袋詰め装置において、互いの先端部が当接するように対向配置されるとともに,回動自在に一部を軸支される一対の可動片からなり,搬入コンベアの送り方向に沿って摺動自在に設置される受け皿と、可動片を回動させて先端部を離合させる第1の駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような構造の麺類袋詰め装置においては、受け皿に供給された麺が回動する可動片に倣って二つ折りの状態となり、一対の可動片の先端部が離れることにより生じた隙間から落下するという作用を有する。また、搬入コンベアの送り方向に対する受け皿の位置を変更することにより、可動片の先端部に対する麺の位置が調節されるという作用を有する。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の麺類袋詰め装置において、受け皿の下方において、包装袋を開いた状態で保持する袋保持部と、水平に架設され,この袋保持部を支持するガイドレールと、袋保持部を駆動してガイドレールに沿って摺動させる第2の駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような構造の麺類袋詰め装置によれば、受け皿の下方において包装袋が開いた状態で保持されているため、受け皿から落下した麺が包装袋内へ確実に投入されるという作用を有する。また、受け皿の下方から他の場所への袋保持部の移動が容易である。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の麺類袋詰め装置において、袋保持部は、互いの間隔を可変に平行配置されるとともに,吸気孔が設けられた前板及び背板と、これら前板及び背板の下端に上面が当接されるとともに,下端のいずれか一方の縁部に枢着される底板と、この底板を駆動して縁部を中心として回動させる第3の駆動手段と、吸気孔に設置され,前板と背板の間に設置される包装袋の両面を個別に吸着する第1の吸着手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような構造の麺類袋詰め装置においては、開口部を上に向けて袋保持部に取り付けられた包装袋の両面を第1の吸着手段で個別に吸着し、前板と背板の間隔を拡げることにより、包装袋が上部を開口させた状態で保持されるという作用を有する。また、底板を回動させることにより袋保持部の底面が開口するという作用を有する。そして、この状態で前板と背板の間隔を狭めるとともに、第1の吸着手段による包装袋の吸着を解除すると、包装袋は上部を閉じた状態で袋保持部の底面に生じた開口部から下方へと排出される。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の麺類袋詰め装置において、内部に包装袋が設置されて,袋保持部の上方に配置される袋棚と、この袋棚の前面に設けられた取出口から露出する包装袋の一部を吸着可能に設置される第2の吸着手段と、この第2の吸着手段を取出口から袋棚の内部へ出没させる第4の駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような構造の麺類袋詰め装置においては、袋棚の取出口から露出する包装袋の一部を第2の吸着手段で吸着するとともに、この第2の吸着手段を袋棚の外方へ移動させることにより、袋棚から包装袋が取り出されるという作用を有する。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の麺類袋詰め装置において、搬入コンベアの搬送面に近接配置され、搬送中の麺を搬送面上から側方へ押出する押出手段を備え、受け皿は、搬入コンベアの側方に並列配置されることを特徴とするものである。
このような構造の麺類袋詰め装置においては、押出手段を用いて搬送面上の麺を押出するタイミングを変更することにより、可動片の先端部に対する麺の位置が調節されるという作用を有する。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の麺類袋詰め装置において、可動片の上面は、搬入コンベアの送り方向に見て下向きに凸状をなすように形成されることを特徴とするものである。
このような構造の麺類袋詰め装置においては、複数本の麺が受け皿に供給された場合に、自重により互いの間隔が狭まり、一つにまとまり易いという作用を有する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の請求項1記載の麺類袋詰め装置においては、麺を二つ折りする際に、麺に対して上下からの外力が加わらないため、麺が延びたり、千切れたりするおそれがない。また、可動片の先端部に麺の中央を容易に一致させることができる。従って、長さに関わりなく、麺を中央で正確に二つ折りにすることが可能である。そして、このような効果は、上述のとおり、簡単な構造によって実現される。従って、製造コストを安くすることができる。
【0018】
本発明の請求項2記載の麺類袋詰め装置によれば、包装袋に麺を投入する際の効率が良い。また、受け皿が邪魔にならない位置に袋保持部を移動できるため、包装袋の取り付けや取り外しを容易に行うことができる。
【0019】
本発明の請求項3記載の麺類袋詰め装置においては、包装袋の開閉を容易に行うことができる。また、麺が収納された包装袋を袋保持部から容易に取り出すことができる。
【0020】
本発明の請求項4記載の麺類袋詰め装置によれば、包装袋の片面のみを吸着するため、多数の包装袋が収納された袋棚から包装袋を一枚ずつ順番に取り出すことができる。また、袋棚の上部に開口部を設けることによれば、包装袋の取出し作業中であっても、この開口部を利用して包装袋の袋棚への補充作業を容易かつ安全に行うことが可能である。
【0021】
本発明の請求項5記載の麺類袋詰め装置によれば、麺の長さに関わりなく、麺の中央を可動片の先端部に一致させて、正確に麺を二つ折りにすることができる。
【0022】
本発明の請求項6記載の麺類袋詰め装置によれば、麺が一つにまとまり易いため、嵩張らない状態で麺を包装袋に投入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る麺類袋詰め装置の実施例の外観斜視図である。
【図2】本実施例の麺類袋詰め装置の正面図である。
【図3】本実施例の麺類袋詰め装置を構成する袋棚と袋保持部の側面図である。
【図4】本実施例の麺類袋詰め装置を構成する受け皿の側面図である。
【図5】(a)及び(b)はそれぞれ図4の受け皿の正面図及び背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施例の麺類袋詰め装置は、所定の長さに切り揃えられ、ベルトコンベアによって連続的に供給される複数本の麺を二つ折りの状態で包装袋に投入する装置である。以下、その具体的な構造について図1乃至図5を参照しながら説明する。
【実施例】
【0025】
図1は本発明の実施の形態に係る麺類袋詰め装置の実施例の外観斜視図であり、図2は本実施例の麺類袋詰め装置の正面図である。また、図3は本実施例の麺類袋詰め装置を構成する袋棚と袋保持部の側面図であり、図4は本実施例の麺類袋詰め装置を構成する受け皿の側面図である。そして、図5(a)及び(b)はそれぞれ図4の受け皿の正面図及び背面図である。
【0026】
図1乃至図4に示すように、本実施例の麺類袋詰め装置は、水平に架設され,無端ベルトによって駆動される搬入コンベア1と、架台2に固定され,搬入コンベア1に併設されるガイドレール3aと、このガイドレール3aに沿って摺動自在に,かつ,搬入コンベア1の側方に並列配置される受け皿4と、受け皿4をガイドレール3aに沿って摺動させるボールネジ4a及びモータ4bと、架台2に取り付けられ,搬入コンベア1の前方に設置される袋棚6と、同じく架台2に固定され,受け皿4及び袋棚6の下方において袋棚6の直下から受け皿4の直下まで敷設されるガイドレール3bと、このガイドレール3bに沿って摺動自在に設置される袋保持部7と、袋保持部7を駆動してガイドレール3bに沿って摺動させるスライドシリンダ5aと、麺8が投入された包装袋9を送出可能に,受け皿4の直下に移送された袋保持部7の下方に始端部が配置される搬出コンベア10とを備えている。なお、搬出コンベア10は搬送面10aが略V字状をなしており、搬送面10a上の包装袋9を矢印X2で示す方向に送出する構造となっている。
【0027】
袋棚6は、上面及び前面に包装袋9の供給口6aと取出口6bがそれぞれ設けられており、その内部には、複数の包装袋9が開口部を上に向けた状態で収納されている。袋棚6の側面6cには、袋吸着シリンダ17が固定具17aを用いて取り付けられており、袋吸着シリンダ17の可動端には、吸気管(図示せず)を介して吸引手段(図示せず)が接続される吸気パッド16aが取り付けられている。すなわち、吸気パッド16aは、取出口6bから露出する包装袋9に、袋吸着シリンダ17の伸長に伴って当接するとともに、袋吸着シリンダ17の収縮に伴って袋棚6の外方へ移動する構造となっている。
【0028】
このような構造によれば、袋棚6の取出口6bから露出する包装袋9の片面を吸気パッド16aで吸着し、袋吸着シリンダ17を収縮させることにより、多数の包装袋9が収納された袋棚6から包装袋9を一枚ずつ順番に取り出すことが可能である。また、供給口6aが袋棚6の上部に設けられているため、取出口6bから包装袋9を取り出す作業が行われている場合であっても、この作業を邪魔することなく、供給口6aから袋棚6へ包装袋9を容易かつ安全に補充することができる。なお、袋棚6から取り出された包装袋9は、吸着パッド16aによる吸着を解除することにより、落下して、袋保持部7に供給される。
【0029】
袋保持部7は、前板7a及び背板7bと、これら前板7a及び背板7bの下端に上面が当接するとともに,背板7bの下端の縁部7dに枢着される底板7cと、前板7a及び背板7bに設けられた吸気孔に設置される吸気パッド16b,16cと、背板7bの背面に立設される固定具20に基端部が枢着されるとともに,背板7bの後方へ延設される底板7cの端部に可動端が枢着される底板開閉シリンダ19とを備えている。また、前板7aには袋開閉シリンダ18の可動端が連結されており、吸気パッド16b,16cには吸気管(図示せず)を介して吸引手段(図示せず)が接続されている。
【0030】
上記構造の袋保持部7においては、袋開閉シリンダ18に駆動されて前板7aが矢印Bで示すように、前進又は後退する。従って、袋棚6から袋保持部7に供給された包装袋9の両面を吸気パッド16b,16cで個別に吸着し、袋開閉シリンダ18で前板7aを駆動して背板7bから後退させると、包装袋9は上部を開口させた状態で保持されることになる。このように、本実施例の麺類袋詰め装置においては、包装袋9の開閉が容易である。さらに、受け皿4から排出された麺8は包装袋9へ確実に投入されるため、麺8を包装袋9に投入する作業の効率が良い。また、受け皿4が邪魔にならない位置まで袋保持部7を移動することにより、包装袋9の取り付けや取り外し等の作業性を高めることができる。
【0031】
さらに、底板開閉シリンダ19が伸縮した場合には、底板7cが縁部7dを中心として矢印Aで示すように回動し、袋保持部7の底面が開閉する。そして、袋保持部7の底面が開口した状態で袋開閉シリンダ18を伸長させて前板7aと背板7bの間隔を狭めた後、吸気パッド16b,16cによる包装袋9の吸着を解除すると、包装袋9は上部を閉じた状態で底板7cと前板7aの隙間から袋保持部7の下方へ排出される。すなわち、本実施例の麺類袋詰め装置では、麺8が収納された状態の包装袋9を袋保持部7から容易に取り出すことができる。
【0032】
搬入コンベア1には、平面視略「く」の字状の一対のガイド板11,11及び押出板12が固定具(図示せず)を用いて架台2に固定された状態で搬送面1aに対して近接配置されている。ガイド板11,11は、前部が搬入コンベア1の送り方向X1に対して平行をなし、後部が送り方向X1に沿って徐々に幅狭するように設置されている。また、押出板12は、搬入コンベア1の送り方向X1と略平行をなすように、搬入コンベア1の幅方向Yに対して平行に敷設されるガイドレール(図示せず)上に設置されており、スライドシリンダ5bによって駆動されることにより、上記ガイドレールに沿って摺動する構造となっている。すなわち、押出板12とスライドシリンダ5bとガイドレール(図示せず)は、搬送面1a上の麺8を側方へ押出する押出手段を構成している。
このような構造によれば、受け皿4が搬入コンベア1の終端部近傍以外の場所に設置されていても搬送面1a上の麺8を受け皿4へ容易に移送することができる。また、受け皿4が固定されている場合であっても、押出手段によって搬送面1a上の麺8を押出するタイミングを変更することにより、受け皿4に対する麺8の位置合わせを行うことができる。これにより、麺8を中央で正確に二つ折りにすることが可能となる。
【0033】
受け皿4は、互いの先端部13a,13aが当接するように対向配置される略半円筒状の一対の可動片13,13からなり、可動片13の縁部13bはリンク部材14を介して開閉シリンダ15の可動端15aに連結されている。また、可動片13,13の縁部13c,13cは、上下方向への移動が拘束されるとともに、回動可能に軸支されている。すなわち、受け皿4は、開閉シリンダ15の伸縮に伴って可動片13,13が回動し、先端部13a,13aが離合する構造となっている。
【0034】
図5(a)に示すように、開閉シリンダ15が最も収縮した状態では、可動片13,13の先端部13a,13aが互いに当接し、受け皿4は閉じている。この状態から開閉シリンダ15が伸長して可動端15aが上昇すると、図5(b)に示すように可動片13,13が回動し、先端部13a,13aは離れる。なお、図5(b)の状態から、開閉シリンダ15の可動端15aが上昇すると、可動片13,13はさらに回動し、先端部13a,13aの開口が大きくなる。そして、搬入コンベア1から受け皿4へと供給された麺8は、可動片13,13に倣って二つ折りの状態となり、可動片13,13の先端部13a,13aが離れることにより生じた開口部(隙間)から下方へと排出される。
【0035】
このような構造の麺類袋詰め装置においては、受け皿4の可動片13,13が略半円筒状をなしているため、供給された複数本の麺8の互いの間隔が自重によって狭まり、麺8が一つにまとまり易いという作用を有する。これにより、麺8を嵩張らない状態で包装袋9に投入することができる。さらに、麺8を二つ折りする際に、麺8に対して上下からの外力が加わらないため、麺8が延びたり、千切れたりするおそれがない。さらに、搬入コンベア1の送り方向X1に対する受け皿4の位置を変更することにより、可動片13の先端部13aに対する麺8の位置を調節し、可動片13の先端部13aに麺8の中央を容易に一致させることができる。これにより、麺8をその長さに関わりなく、中央で正確に二つ折りにすることが可能となる。加えて、本実施例の麺類袋詰め装置は、構造が簡単であるため、製造コストを安くすることができる。
【0036】
なお、本願発明の麺類袋詰め装置は、本実施例に示した構造に限定されるものではない。例えば、受け皿4が搬入コンベア1の側方に並列配置される代わりに、搬入コンベア1に平行に、かつ、その終端部の下方前方に配置される構造としても良い。この場合、搬送麺1a上の麺8を押出して受け皿4に供給する押出手段が不要となるため、構造が簡素化されるというメリットがある。なお、このような構造においても、搬入コンベア1の送り方向X1に対する受け皿4の位置を変更して、可動片13の先端部13aに麺8の中央を容易に一致させることができるという前述した本実施例の効果は、同様に発揮される。
【0037】
また、本実施例では、受け皿4の可動片13,13が略半円筒状をなしているが、受け皿4の可動片13,13の上面は搬入コンベア1の送り方向X1に見て下向きに凸状をなすように形成されていれば良いことから、例えば、可動片13,13を略半円筒状ではなく、搬入コンベア1の送り方向X1に見て略V字状をなすように形成することもできる。さらに、袋保持部7において、袋開閉シリンダ18を前板7aではなく、背板7bに取り付けるとともに、前板7aの下端の縁部に底板7cが枢着された構造としても良い。また、本実施例で使用する各種シリンダは、油圧式、空気圧式、電動式のいずれであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
請求項1乃至請求項6に記載された発明は、麺類に限らず、紐状あるいは帯状の製品を二つ折りの状態で包装袋に投入する場合に適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…搬入コンベア 1a…搬送面 2…架台 3a〜3c…ガイドレール 4…受け皿 4a…ボールネジ 4b…モータ 5a,5b…スライドシリンダ 6…袋棚 6a…供給口 6b…取出口 6c…側面 7…袋保持部 7a…前板 7b…背板 7c…底板 7d…縁部 8…麺 9…包装袋 10…搬出コンベア 10a…搬送面 11…ガイド板 12…押出板 13…可動片 13a…先端部 13b,13c…縁部 14…リンク部材 15…開閉シリンダ 15a…可動端 16a〜16c…吸気パッド 17…袋吸着シリンダ 17a…固定具 18…袋開閉シリンダ 19…底板開閉シリンダ 20…固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さに切り揃えられ、搬入コンベアによって供給される複数本の麺を二つ折りの状態で包装袋に投入する麺類袋詰め装置において、
互いの先端部が当接するように対向配置されるとともに,回動自在に一部を軸支される一対の可動片からなり,前記搬入コンベアの送り方向に沿って摺動自在に設置される受け皿と、
前記可動片を回動させて前記先端部を離合させる第1の駆動手段とを備えたことを特徴とする麺類袋詰め装置。
【請求項2】
前記受け皿の下方において、前記包装袋を開いた状態で保持する袋保持部と、
水平に架設され,この袋保持部を支持するガイドレールと、
前記袋保持部を駆動して前記ガイドレールに沿って摺動させる第2の駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の麺類袋詰め装置。
【請求項3】
前記袋保持部は、互いの間隔を可変に平行配置されるとともに,吸気孔が設けられた前板及び背板と、
これら前板及び背板の下端に上面が当接されるとともに,前記下端のいずれか一方の縁部に枢着される底板と、
この底板を駆動して前記縁部を中心として回動させる第3の駆動手段と、
前記吸気孔に設置され,前記前板と前記背板の間に設置される前記包装袋の両面を個別に吸着する第1の吸着手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の麺類袋詰め装置。
【請求項4】
内部に前記包装袋が設置されて,前記袋保持部の上方に配置される袋棚と、
この袋棚の前面に設けられた取出口から露出する前記包装袋の一部を吸着可能に設置される第2の吸着手段と、
この第2の吸着手段を前記取出口から前記袋棚の内部へ出没させる第4の駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の麺類袋詰め装置。
【請求項5】
前記搬入コンベアの搬送面に近接配置され、搬送中の前記麺を前記搬送面上から側方へ押出する押出手段を備え、
前記受け皿は、前記搬入コンベアの側方に並列配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の麺類袋詰め装置。
【請求項6】
前記可動片の上面は、搬入コンベアの送り方向に見て下向きに凸状をなすように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の麺類袋詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−265006(P2010−265006A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117988(P2009−117988)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(505067494)コウチ鐵工株式会社 (3)
【出願人】(508009172)エムテックス有限会社 (3)
【出願人】(509136035)有限会社タイセイ電機 (1)
【Fターム(参考)】