説明

(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩の新規結晶多形

本発明は、(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩の新規結晶形態に係るものである。具体的には、本発明は、図1で示されたような粉末X線回折スペクトルおよび/または図2で示されたようなDSCプロファイルおよび/または図3で示されたようなTGAプロファイルおよび/または図4で示されたようなIRスペクトルを特徴とする(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩の結晶多形に係るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩は、ITF2357としても知られているとおり、Givinostat(登録商標)の国際一般名称(INN)を有する免疫抑制活性および抗炎症活性を備えた有機化合物で、そのヒストン脱アセチル化酵素阻害剤としての薬理活性に着目して、現在、いくつかの疾患で臨床試験が行われている。
【0002】
このような分子の構造は以下のとおりである。
【0003】
【化1】

【背景技術】
【0004】
特許文献1は、(A)の調製方法を報告しており、一方、特許文献2は、結晶多形形態Iと称される化合物(A)の1水和物結晶多形形態の特性および調製について述べられている。
【0005】
特許文献1の実施例12では、実際に、化合物(A)の調製が報告されており、生成物は融点162〜165℃(分解有り)の白色固形物として単離されている。特許文献2では、特許文献1に関して、特許文献1にしたがって得られた生成物は無水アモルファスで、吸湿性、潮解性のある生成物で、取り扱いが困難であることが記載されている。実際のところ、特許文献2では、以前に記載された無水生成物に対して安定で扱いが容易で、産業上の使用に特に有利な化合物(A)の新規1水和物結晶形態が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,034,096号明細書
【特許文献2】米国特許第7,329,689号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Pharmaceutical Research,Vol.12,n.3,1995,page413 "correlations between in vitro dissolution and in vivo bioavailability are extensive..."
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、化合物(A)の新規結晶多形形態、およびその調製方法にある。新規結晶形態に係る本発明の課題は、化合物(A)の結晶多形形態IIであり、以下に詳述されるが、特許文献2に記載された1水和物、すなわち化合物(A)の結晶多形形態Iよりも優れた水溶性を有する特性をその特徴とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
化合物(A)の新規固形形態を同定することを目的とした実験の最中に、公知の1水和物形態Iよりも水溶性特性が良好なこのような化合物の新規結晶形態IIが驚くべきことに発見され、新規形態IIは形態Iよりも優れた溶解性を備えていた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ITF2357の形態IIのPXRDプロファイルを示した図である。
【図2】ITF2357の形態IIのDSCプロファイルを示した図である。
【図3】ITF2357の形態IIのTGAプロファイルを示した図である。
【図4】ITF2357の形態IIのFTIRプロファイルを示した図である。
【図5】ITF2357の形態IIの40℃、相対湿度75%での様々な時間におけるディフラクトグラムによる安定性のプロファイルを示した図である。具体的には、下から1番目のディフラクトグラムは0時点に実施され、下から2番目のディフラクトグラムは2日後に実施され、下から3番目のディフラクトグラムは7日後に実施され、下から4番目のディフラクトグラムは15日後に実施される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
新規結晶多形の特性は、化合物の水溶性が、このような化合物の生物学的利用率に影響を及ぼすならば特に興味深く(非特許文献1参照)、したがって、生物がより利用可能な形態の化合物(A)の投与の可能性を有し、活性成分の使用の可能性を高め、それらの投与の多様化に貢献する。
【0012】
実際に、化合物(A)の形態I(特許文献2に記載されたように調製された1水和物)と本発明の成果物である化合物(A)の形態IIとの間の比較実験を実施した。
【0013】
結晶形態Iの化合物(A)10mgを、0.9%塩化ナトリウム溶液(等張液)10ml中において37℃で24時間撹拌した。液相中の生成物の濃度を最後に測定した。表1は得られた溶解データを示している。
【0014】
【表1】

【0015】
表示したデータは、新規形態IIの溶解性が公知の形態Iの1.47倍であることを示している。
【0016】
ITF2357の結晶形態IIは、図1で例示されたような粉末X線ディフラクトグラムプロファイル(PXRD)および/または図2で例示されたようなDSCプロファイルおよび/または図3で例示されたようなTGAプロファイル(熱重量分析)および/または図4で例示されたようなFTIR(フーリエ変換赤外分光法)プロファイルによって特徴付けられる。
【0017】
前述のPXRD、DSC、TGAおよびFTIR図を区別する特徴的なピークは以下に示したものである。
【0018】
したがって、本発明の成果物は、図1に示した粉末X線ディフラクトグラムプロファイル(PXRD)を特徴とし、特徴的ピークが以下の位置の2シータ:5.10;10.07;14.90;15.15;15.67;17.24;17.84;18.51;19.23;20.25;20.37;22.01;22.63;23.12;24.76;25.40;27.78;28.97;31.02度で、各ピークについて示された値の誤差の限度が±0.20度(2シータ)である結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩である。
【0019】
表2は、PSRDディフラクトグラムで認められたピークに関するデータを示している。結晶形態IIは、図2に示したDSCプロファイルが特徴である。このような図は、生成物の融解による吸熱ピークを示しており、ピーク開始は199.6℃、ピークは206.8℃、融解エンタルピーは33.7ジュール/gである。したがって、本発明の好ましい実施形態は、ピーク開始が199と201℃の間で、ピークが206と207℃の間で、融解エンタルピーが15と40ジュール/gの間である吸熱ピークを示すDSCプロファイルを有するITF2357の結晶形態IIによって表される。
【0020】
(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩の結晶形態IIは、図3に示したTFAプロファイルが特徴である。このような図は、おそらく試料の分解によって漸進的に質量損失が開始する200℃を超えるまでは、質量損失に顕著な変化を示さない。
【0021】
(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩の結晶形態IIは図4に示したFTIRスペクトル(ヌジョールに分散)が特徴で、特徴的なピークは以下の振動数:3265;3117;2578;1731;1640;1556;1504;1471;1406;1314;1272;1259;1212;1167;1151;1128;1055;1021;1010;999;894;859;816;762;740;714cm-1に認められ、各ピークについて示された値の誤差の限度は±2(cm-1)である。
【0022】
【表2】

【0023】
本発明の成果物、ITF2357の結晶形態IIは、様々な結晶化技術によって入手することができる。例えば、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ニトリルおよび/またはそれらの混合物などの溶媒から、特許文献1の実施例12で得られたようなアモルファス生成物を結晶化することによって入手することができる。具体的には、C1〜C6アルコール溶媒、C1〜C6カルボン酸のC1〜C6アルキルエステルが好ましい。さらに具体的には、形態IIは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メトキシエタノール、イソブタノール、ならびに、メタノールとギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、炭酸ジエチルおよび安息香酸エチルなどのエステルとの混合物、メタノールと1,4−ジオキサン、THF、1,2−ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテルおよびt−ブチル−メチルエーテルなどのエーテルとの混合物、アセトンとジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのアミドとの混合物、メタノールとベンゾニトリルとの混合物、ベンジルアルコールとメチルシクロヘキサンとの混合物、メタノールとトルエンとの混合物、からのITF2357を結晶化することによって得られる。
【0024】
安定性の試験は、ITF2357の形態IIについて実施し、このような結晶形態が安定であることが明らかになった。詳細には、ITF2357の形態IIの試料をペトリ皿上で厚さ約0.5cmの薄層中に沈着させ、75%の一定湿度、40℃の一定温度の環境で2週間静置した。試料を2、7および15日後に採取し、粉末X線回折(PSRD)で分析した。このような実験の結果を図5にまとめて示しており、様々な収集物の試料から得られたディフラクトグラムは重ねて示した。図5は、試験した試料のいずれにおいても結晶形態にいかなる変更も認められず、したがって、ITF2537の結晶形態IIは負荷の多い保存条件下であっても高い安定性を示すことを明らかに示している。
【0025】
結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩および薬学的に許容される添加剤および/またはアジュバントを含む医薬製剤も本発明の成果物であり、このような製剤は固形であることが好ましく、錠剤の形態であることがさらにより好ましい。
【0026】
以下の実施例は、ITF2357の形態IIを得るために使用した条件を詳細に明示しているが、本発明の保護の範囲に関して制限するものではない。
【0027】
実験の内容
ITF2357結晶形態IIの特徴確認は、以下の実験条件により、以下の分光技術によって実施した。
【0028】
PXRD(粉末X線回折)
実験条件
装置の種類: X’PertPRO PANalytical
測定の種類: 1スキャン
測定波長: CuKα1
電極構成物質: Cu
X線管電圧: 40
X線管電流(mA): 40
試料の動きの種類: 回転
試料(複数可)の回転時間: 1.0
フィルターの厚さ(mm): 0.020
フィルターの物質: Ni
検出器の名称: X’Celerator
検出器の種類: RTMS検出器
スキャン軸: Gonio
スキャン範囲(゜): 3.0000〜39.9987
測定範囲の大きさ(゜): 0.0167
N゜点: 2214
スキャンモード: 連続
カウント時間: 12.700
アプリケーションソフトウェア: X’Pert Data Collector vs.2.2d
装置制御ソフトウェア: XPERT−PRO vs.1.9B
温度: 周囲温度
【0029】
FTIR
実験条件
装置の種類: Nicolet FT−IR 6700
ThermoFischer
スペクトル範囲(標準): 7800〜350cm-1
スペクトル範囲(任意選択、CsI Optics):
6400〜200cm-1
スペクトル範囲(任意選択、Extended−Range Optics):
11000〜375cm-1
スペクトル範囲(任意選択、Multi−Range Optics):
27000〜15cm-1
光学的分解: 0.09cm-1
ピークからピークまでのバックグラウンドノイズ(1分スキャン):
<8.68×10-6AU*
RMSバックグラウンドノイズ(1分スキャン):
<1.95×10-6AU*
縦軸直線性: 0.07%T
波長精度: 0.01cm-1
最小直線スキャン速度: 0.158cm/秒
最大直線スキャン速度: 6.33cm/秒
スキャンスピード数: 15
迅速スキャン(スペクトル/秒@16cm-1、32cm-1):
65.95
試料スキャン数: 32
バックグラウンドスキャン数: 32
分解: 4.000cm-1
サンプルゲイン: 8.0
光学的速度: 0.6329
開始: 100.00
検出器: DTGSKBr
線バッフル(Ray baffle): KBr
光源: IR
【0030】
DSC/TGA
実験条件
装置の種類: STA 409 PC Luxx(登録商標) Netzsch
加熱および冷却速度: 0.01K/分…50K/分
TG分解: 0.00002%まで
DSC分解; <1μW(Kセンサー)
DSC感度: 8μV/mW(Kセンサー)
雰囲気: 不活性(窒素)
ガス流の制御: 2フラッシュガスおよび1プロテクションガス
フラッシュガス: 窒素
フラッシュガス速度: 60ml/分
プロテクションガス: 窒素
プロテクションガス速度: 20ml/分
るつぼ: DSC/TGpan Al
加熱速度: 10℃/分
DSC加熱ランプ: 30℃から280℃
TGA加熱ランプ: 40℃から500℃
【実施例】
【0031】
以下の実施例において開始物質として使用したITF2357の調製は、特許文献1または特許文献2で記載された方法によって実施することができる。
【実施例1】
【0032】
メタノールからの結晶化による結晶形態IIのITF2357の調製
ITF2357、4.0gを、250mlフラスコに導入し、その後メタノール80mlを導入する。混合物を攪拌し、固形物が完全に溶解するまで還流加熱する。還流は15分間維持し、その後混合物を25℃まで冷却し、このような条件下で1時間撹拌したままにする。その後、得られた固形物を漏斗で濾過し、メタノール10mlで洗浄する。これによって湿った固形物3.1gが得られ、回転式エバポレーターを用いて、真空下(45mmHg)において45℃で一晩乾燥させる。PXRD分析によって確認されたように、ITF2357、2.1gが結晶形態IIで得られる。
【実施例2】
【0033】
エタノール中での再懸濁による結晶形態IIのITF2357の調製
ITF2357の4.0gおよび無水エタノール180mlを、250mlフラスコに添加する。この混合物を撹拌しながら還流させ、まだ存在する不溶物をそのような温度で濾過し、エタノールで洗浄し、45℃で真空下(45mmHg)において10時間乾燥し、結晶形態IIのITF2357、2.8gを得る。
【実施例3】
【0034】
イソプロパノール中での再懸濁による結晶形態IIのITF2357の調製
ITF2357の4.0gおよびイソプロパノール40mlを、250mlフラスコに添加する。この混合物を攪拌しながら25℃で8時間維持し、次に得られた固形物を濾過し、イソプロパノール10mlで洗浄する。得られた生成物を40℃で真空下(50mmHg)において16時間乾燥させ、結晶形態IIのITF2357、3.7gを得る。
【実施例4】
【0035】
メタノール−アセトンからの結晶化による結晶形態IIのITF2357の調製
ITF2357、5.0gおよびメタノール70mlを、250mlフラスコに添加し、還流温度(65℃)にすると、このような温度で完全な溶解が認められる。こうしてアセトン44mlをこの溶液に約20分かけて添加する。いくらかの結晶の沈殿が認められる。温度を25℃にすると多くの沈殿が形成する。こうして5℃まで冷却し、このような条件下で撹拌しながら30分放置する。その後、固形物を漏斗で濾過し、固形物をアセトン10mlで洗浄する。湿った固形物5.4gが得られ、真空下(50mmHg)において45℃で12時間乾燥させる。こうして結晶形態IIのITF2357、4.2gが得られる。
【実施例5】
【0036】
メタノール−メチル−t−ブチルエーテルからの結晶化による結晶形態IIのITF2357の調製
ITF2357、5.0gおよびメタノール70mlを、250mlフラスコに添加し、還流温度(65℃)にすると、このような温度で完全な溶解が認められる。こうしてメチル−t−ブチルエーテル14mlをこの溶液に約10分で添加する。
【0037】
温度を25℃にすると多くの沈殿が形成し、このような条件下で撹拌しながら30分放置する。その後、固形物を漏斗で濾過し、固形物をメチル−t−ブチルエーテル10mlで洗浄する。湿った固形物4.9gが得られ、真空下(50mmHg)において45℃で12時間乾燥させる。こうして結晶形態IIのITF2357、4.5gが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のピーク±0.20°(2シータ):
5.10;10.07;14.90;15.15;15.67;17.24;17.84;18.51;19.23;20.25;20.37;22.01;22.63;23.12;24.76;25.40;27.78;28.97;31.02、
を有する粉末X線回折スペクトルを有することを特徴とする結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩。
【請求項2】
ピーク開始が199〜201℃、ピークが206〜207℃、及び融解エンタルピーが15〜40ジュール/gの吸熱ピークを示すDSCプロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載の結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩。
【請求項3】
ピーク開始が199.6℃、ピークが206.8℃および融解エンタルピーが33.7ジュール/gの吸熱ピークを示すDSCプロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載の結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩。
【請求項4】
約200℃まで質量損失に顕著な変化が認められないTGAプロファイルを特徴とする請求項1に記載の結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩。
【請求項5】
以下のピーク(±2cm-1):
3265;3117;2578;1731;1640;1556;1504;1471;1406;1314;1272;1259;1212;1167;1151;1128;1055;1021;1010;999;894;859;816;762;740;714cm-1
を示すFTIRスペクトルを有することを特徴とする請求項1に記載の結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩。
【請求項6】
(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩に、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、アミド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ニトリルおよび/またはそれらの混合物などの溶媒からの結晶化を行うことを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩を得るための方法。
【請求項7】
前記溶媒は、C1〜C6アルコールおよび/またはC1〜C6カルボン酸のC1〜C6アルキルエステルであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メトキシエタノール、イソブタノールであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒は、メタノールとエステル、好ましくはギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、炭酸ジエチル、安息香酸エチルとの混合物、メタノールとエーテル、好ましくは1,4−ジオキサン、THF、1,2−ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、t−ブチル−メチルエーテルとの混合物、アセトンとアミド、好ましくはジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドとの混合物、メタノールとベンゾニトリルとの混合物、ベンジルアルコールとメチルシクロヘキサンとの混合物、メタノールとトルエンとの混合物であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載の結晶形態IIの(4−ヒドロキシカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸(6−ジメチルアミノメチル−2−ナフタレニル)エステルの塩酸塩および少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤および/またはアジュバントを含むことを特徴とする固形の医薬製剤。
【請求項11】
錠剤の形態であることを特徴とする請求項10に記載の医薬製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−518091(P2013−518091A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550524(P2012−550524)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055560
【国際公開番号】WO2011/092556
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(503375175)ケミー ソシエタ ペル アチオニ (3)
【Fターム(参考)】