説明

17−ヒドロキシ−19−ノル−21−カルボン酸−ステロイドγ−ラクトン誘導体、それらの使用および前記誘導体を含有する医療製品

本発明は、化学式I (式中R4、R6a、R6b、R7、R15、R16a、R16b、R18およびZは請求項1に記載する意味を有する) の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体およびそれらの溶媒和物、水和物、立体異性体および塩に関する。さらに、本発明は、経口避妊および閉経期前、閉経期中および閉経期後の病訴の治療のための医療製品を製造するためのこれらの誘導体の使用、および前記誘導体を含有する医療製品に関する。本発明による誘導体はプロゲステロン作用を有し、好ましい場合において、抗ミネラルコルチコイド作用および中性〜わずかのアンドロゲン作用を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体、例えば、閉経期前、閉経期中および閉経期後および月経前の病訴を治療するための、それらの使用およびプロゲステロン作用を有する前記誘導体を含有する医療製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイド構造に基づくプロゲステロン、抗ミネラルコルチコイド、抗アンドロゲンまたは抗エストロゲン作用を有する化合物は文献から知られており、例えば、19-ノル-アンドロスト-4-エン-3-オンまたはその誘導体から誘導される (ステロイド構造のナンバリングは例えば下記の文献に記載されている: Fresenius/Goerlitzer 3rd Ed. 1991 “Organic-Chemical Nomenclature” p. 60 ff.) 。
【0003】
こうして、WO 2006072467 A1には、化合物6β,7β,15β,16β-ジメチレン-3-オン-17-プレグン-4-エン-21,17β-カルボラクトン (ドロスピレノン) が開示されており、これはプロゲステロン作用を有し、そして例えば、経口避妊薬に使用され、閉経期後の病訴の治療において使用されてきている。しかしながら、プロゲストゲンレセプターに対するアフィニティーが比較的低くかつ排卵阻害投与量が比較的高いために、ドロスピレノンは避妊薬中に3 mgという比較的高い1日量で含有されている。
【0004】
その上、ドロスピレノンは、プロゲステロン作用に加えて、また、アルデステロン-拮抗 (抗ミネラルコルチコイド) 作用および抗アンドロゲン作用を有することを特徴とする。これらの2つの特性はドロスピレノンをその薬理学的プロファイルにおいて天然のプロゲストゲン、プロゲステロンに非常に類似するものとし、しかしながら、これは、ドロスピレノンと異なり、経口的に十分に生物学的に利用されない。投与量を少なくするために、さらにWO 2006072467 A1には、18-メチル-19-ノル-17-プレグン-4-エン-21,17-カルボラクトンおよびこれを含有する製剤が提案されており、これはドロスピレノンよりも高いプロゲステロン効力を有する。
【0005】
さらに、例えば、US-A 3,705,179号には、抗アンドロゲン活性を有し、そしてアンドロゲンに関係する疾病の治療に有効なステロイドが開示されている。
【0006】
さらに、米国特許第2,918,463号には、17-カルボキシアルキル化17-ヒドロキシ-19-ノル-アンドロステン-3-オン、例えば7α-(2-カルボキシビニル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-アンドロスト-4-エン-3-オンが開示されている。記載されている化合物は、尿中のレベルのナトリウムおよびカリウムに対する酢酸デオキシコルチコステロンの作用をブロックし、同時により高い濃度において、塩結合作用を有すると言われている。その上、これらの化合物はまた高血圧に対して有効である言われている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、プロゲステロンレセプターに強く結合する化合物を入手可能することである。その上、化合物はまた好ましくは抗ミネラルコルチコイド作用を有し、そしてアンドロゲンレセプターに関して、中性〜わずかのアンドロゲン作用を有すべきである。本発明の他の必須の目的は、抗ミネラルコルチコイド作用に対するプロゲステロン作用に関してバランスのとれた作用プロファイルを達成し、こうしてプロゲスチン作用/抗ミネラルコルチコイド作用の比がドロソピレノンを使用するときより小さくなるようにすることから成る。
【0008】
この目的は、請求項1の本発明に従う17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体、請求項17の本発明に従う前記誘導体の使用および請求項19の本発明に従う少なくとも1種の前記誘導体を含有する医療製品により達成される。本発明の有利な態様はサブクレイムに記載されている。
【0009】
したがって、本発明は、下記の化学式Iを有する17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体およびそれらの溶媒和物、水和物、立体異性体および塩に関し、ただし17α-(2-カルボキシビニル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-アンドロスト-4-エン-3-オンγ-ラクトン (17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン) を除外する:
【0010】
【化1】

【0011】
式中、
Zは酸素、2つの水素原子、NOR’およびNNHSO2R’から成る群から選択され、式中R’は水素、C1-C10アルキル、アリールまたはC7-C20アラルキルであり、
R4は水素およびハロゲンから成る群から選択され、
【0012】
さらに、
R6aおよびR6bは各場合において互いに独立して水素、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニルおよびC2-C10アルキニルから成る群から選択されるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成し、そして
R7は水素、C1-C10アルキル、C3-C6シクロアルキル、C2-C10アルケニルおよびC2-C10アルキニルから成る群から選択されるか、あるいは
R6aおよびR7は一緒になって酸素原子またはメチレンを形成するか、あるいは省略されてC6-C7間に二重結合を形成し、そして
R6bは水素、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニルおよびC2-C10アルキニルから成る群から選択され、
【0013】
さらに、
R15は水素であり、そして
R16aおよびR16bは各場合において互いに独立して水素およびC1-C10アルキルから成る群から選択されるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成するか、あるいは
R15およびR16aは一緒になって酸素原子を形成するか、あるいは省略されてC15-C16間に二重結合を形成し、
R16bは水素またはC1-C10アルキルであり、そして
R18は水素またはC1-C3アルキルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般化学式Iを有する本発明に従う誘導体の炭素主鎖のナンバリングは、通常の方法におけるステロイド構造のナンバリングに従い、例えばFresenius、loc. cit. に記載されている。特許請求の範囲中に記載されている残基のナンバリングは、これがR4、R6、R7、R15、R16およびR18に関する場合、同様に誘導体の炭素主鎖上のそれらの結合位置に対応する。例えば、残基R4は本発明に従う誘導体のC4-位置に結合する。
【0015】
Zで規定される基に関すると、基NOR’およびNNHSO2R’の各々は = NOR’または = NNHSO2R’に従い誘導体の炭素主鎖にNを経て二重結合で結合する。NOR’ 中のOR’およびNNHSO2R’中のNHSO2R’はsyn-またはanti-位置に存在することができる。
【0016】
R、R6a、R6b、R7、R16aおよびR16b中のおよび後に記載するそれ以上の一般化学式中のR19、R20、R21a、R21bおよびR22中のアルキルは、1〜10の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘプチル、ヘキシル、デシルである。R18中のアルキルは特にメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルを意味する。アルキル基R、R6a、R6b、R7、R16a、R16bおよびR18はその上過フッ化されることができるか、あるいは1〜5のハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1-C4アルコキシ基、C6-C12アリール基 (これは引き続いて1〜3のハロゲン原子で置換することができる) で置換することができる。したがって、特に、アルキルはまたヒドロキシメチレン (HO-CH2) 、ヒドロキシエチレン (HO-C2H4) 、ヒドロキシプロピレン (HO-C3H6) およびヒドロキシブチレン (HO-C4H8) およびそれらの異性体を意味することができる。
【0017】
R6a、R6bおよびR7中のアルケニルは、2〜10の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルケニル基、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソブテニル、イソペンテニルを意味する。
【0018】
R6a、R6bおよびR7中のアルキニルは、2〜10の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルキニル基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、イソブチニル、イソペンチニルを意味する。
【0019】
R6a、R6bおよびR7中のアルケニルおよびアルキニル基は、1〜5のハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1-C4アルコキシ基、C6-C12アリール基 (これは引き続いて1〜3のハロゲン原子で置換することができる) で置換することができる。
【0020】
R7中のシクロアルキルは3〜6の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを意味する。シクロアルキル基R7はハロゲン、OH、O-アルキル、CO2H、CO2-アルキル、NH2、NO2、N3、CN、C1-C10アルキル、C1-C10アシル、C1-C10アシルオキシ基で置換されることができる。
【0021】
R7中のアリールは1または2以上の異種原子を有する置換および非置換の炭素環式または複素環式残基、例えば、フェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリル、チアゾリルを意味し、それらはハロゲン、OH、O-アルキル、CO2H、CO2-アルキル、NH2、NO2、N3、CN、C1-C10アルキル、C1-C10アシル、C1-C10アシルオキシ基の1または2以上で置換されることができる。アリールはアルキル、アルケニルまたはアルキニル上の置換基として記載しないかぎり、それは特に6〜12の環炭素原子をもつアリール基に関する。
【0022】
R’およびR7中のアラルキルは環中に14までの炭素原子、好ましくは6〜10の炭素原子を含有し、そしてアルキル鎖中に1〜8、好ましくは1〜4の炭素原子を含有することができるアラルキル基を意味する。アラルキル残基として、例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピリジルプロピルを考えることができる。環はハロゲン、OH、O-アルキル、CO2H、CO2-アルキル、NH2、NO2、N3、CN、C1-C20アルキル、C1-C20アシル、C1-C20アシルオキシ基の1または2以上で置換されることができる。
【0023】
アルコキシ (O-アルキル) をアルキル上の置換基として述べる場合、それは1〜4の炭素原子をもつアルコキシ基を意味し、そしてアルコキシをアルケニルおよびアルキニル上の置換基として述べる場合、それは1〜3の炭素原子をもつアルコキシ基を意味する。アルコキシは特にメトキシ、エトキシおよびプロポキシであることができる。
【0024】
アシル (CO-アルキル) をシクロアルキルおよびアリール上の置換基として述べる場合、それは1〜10の炭素原子をもつアシル基を意味し、そしてアシルをアラルキル上の置換基として述べる場合、それは1〜20の炭素原子をもつアシル基を意味する。アシルは特にホルミル、アセチル、プロピオニルおよびブチリルであることができる。
【0025】
アシルオキシ (O-CO-アルキル) をシクロアルキルおよびアリール上の置換基として述べる場合、それは1〜10の炭素原子をもつアシルオキシ基を意味し、そしてアシルオキシをアラルキル上の置換基として述べる場合、それは1〜20の炭素原子をもつアシルオキシ基を意味する。アシルオキシは特にホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシおよびブチリルオキシであることができる。
【0026】
ハロゲンはフッ素、塩素または臭素を意味する。
本発明の好ましい態様によれば、Zは酸素、NOR’およびNNHSO2R’から成る群から選択される。
本発明の他の好ましい態様によれば、Zは酸素を意味する。
本発明の他の好ましい態様によれば、R4は水素または塩素である。
【0027】
本発明の他の好ましい態様によれば、R6aおよびR6bは一緒になって1,2-エタンジイルを形成するか、あるいは各々は水素である。
本発明の他の好ましい態様によれば、R7は水素、メチル、エチルおよびビニルから成る群から選択される。
本発明の他の好ましい態様によれば、R6aおよびR7は一緒になって1,2-エタンジイルを形成する。
【0028】
本発明の他の好ましい態様によれば、R6aおよびR7は省略されてC6-C7間に二重結合を形成する。
本発明の他の好ましい態様によれば、R15は水素である。
本発明の他の好ましい態様によれば、R15およびR16aは省略されてC15-C16間に二重結合を形成するか、あるいはR15およびR16aは一緒になって酸素原子を形成する。
本発明の他の好ましい態様によれば、R16aは水素であり、そしてR16bはメチルである。
【0029】
本発明の他の好ましい態様によれば、R16aおよびR16bは水素である。
本発明の他の好ましい態様によれば、R16aおよびR16bは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成する。
本発明の他の好ましい態様によれば、R16は水素またはメチルである。
【0030】
各記号が下記の意味を有する化学式Iの化合物は好ましい:
Zは酸素または基NOR’であり、式中R’は水素、C1-C6アルキル、アリールまたはC7-C12アラルキルであり、
R4は水素またはハロゲンであり、
そして、
R6aおよびR6bは互いに独立して水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルいであるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成し、そして
R7は水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるか、
【0031】
あるいは
R6aおよびR7は省略されてC6-C7間に二重結合を形成するか、あるいは一緒になってメチレンを形成し、そして
R6bは水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC2-C6アルキニルから成る群から選択され、
【0032】
さらに、
R15は水素であり、そして
R16aおよびR16bは互いに独立して水素またはC1-C6アルキルであるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成するか、
あるいは
R15およびR16aは省略されてC15-C16間に二重結合を形成し、
R16bは水素またはC1-C6アルキルであり、そして
R18は水素、メチルまたはエチルである。
【0033】
各記号が下記の意味を有する化学式Iの化合物は特に好ましい:
Zは酸素または基NOR’であり、式中R’は水素またはC1-C3アルキルであり、
R4は水素、塩素または臭素であり、
そして、
R6aおよびR6bは互いに独立して水素、C1-C3アルキルまたはC2-C4アルケニルであるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成し、そして
R7は水素、C1-C4アルキル、C3-C4シクロアルキルまたはC2-C4アルケニルであるか、
あるいは
【0034】
R6aおよびR7は省略されてC6-C7間に二重結合を形成するか、あるいは一緒になってメチレンを形成し、そして
R6bは水素、C1-C3アルキルまたはC2-C4アルケニルであり、
さらに、
R15は水素であり、そして
R16aおよびR16bは水素であるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成するか、
【0035】
あるいは
R15およびR16aは省略されてC15-C16間に二重結合を形成し、
R16bは水素であり、そして
R18は水素またはメチルである。
【0036】
一般化学式Iの化合物の、ラセミ体を包含する、すべての可能な立体異性体および異性体混合物はこれによって明白に包含され、そしてその上、本発明による誘導体中の不飽和γラクトン環の位置もまた2つの異性体型で存在することができる。ステロイド基本構造上の述べた置換基の各々は、α位置およびβ位置の両方で存在することができる。さらに、二重結合を含有し、そして各炭素原子に結合した二重結合が水素ではない少なくとも1つの置換基を含有する、ステロイド基本構造上の置換基は、E型およびZ型の両方であることができる。この構造の2つの隣接炭素原子に結合した基、例えば、酸素原子、メチレンまたは1,2-エタンジイルは、α,α-位置またはβ,β-位置のいずれかで結合されている。
【0037】
また、一般化学式Iの化合物のすべての結晶変更は明白に包含される。
溶媒和物、特に水和物の形態の本発明による誘導体はまた明白に包含され、したがって本発明による化合物は、その結晶格子の構造要素として、極性溶媒、特に水を含有することができる。極性溶媒、特に水は化学量論的比率またはさらに非化学量論的比率で存在することができる。また、化学量論的溶媒和物および水和物は半- (hemi-) 、半- (semi-) 、モノ-、セスキ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-およびその他の溶媒和物または水和物と呼ばれる。
【0038】
酸機能が存在する場合、有機塩基または無機塩基の薬学上適合性塩は、塩、例えば、下記の塩として適当である: 易溶性のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、およびN-メチル-グルカミン、D-メチル-グルカミン、エチル-グルカミン、リシン、1,6-ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス-ヒドロキシ-メチル-アミノエタン、アミノプロパンジオール、ソバク (Sovak) 塩基、1-アミノ-2,3,4-ブタントリオールの塩。塩基機能が存在する場合、有機酸または無機酸の薬学上適合性塩は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸および酒石酸およびその他の塩は適当である。
【0039】
本発明による化合物または誘導体はすぐれたプロゲステロン作用を有することが発見された。さらに、いくつかの興味ある本発明による化合物はミネラルコルチコイドレセプターと相互作用し、そして拮抗作用を付与することができる。その上、本発明による化合物はアンドロゲンレセプターに関して中性〜わずかのアンドロゲン作用を有する。化合物の大部分の他の特性は、プロゲステロンレセプターおよびミネラルコルチコイドレセプターに対するこれらの化合物の結合が互いに関して釣合っていることである、すなわち、プロゲステロンレセプターに対する結合能力/ミネラルコルチコイドレセプターに対する結合能力の比がドロソピレノンの場合より小さいことである。
【0040】
したがって、所定のプロゲステロン作用におけるこれらの化合物の抗ミネラルコルチコイド作用は、ドロソピレノンを使用するときより小さい。所定の本発明による化合物の投与量がそのプロゲステロン作用に基づく場合、したがってこの投与量におけるこの化合物の抗ミネラルコルチコイド作用はドロソピレノンを使用するときより少ない。
下に列挙する化合物は本発明に従い好ましい:
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【0047】
【表7】

【0048】
一般化学式Iを有する新規な化合物のプロゲステロン効能に基づいて、それらは単独でまたはエストロゲンと組合わせて避妊の医療製品において使用できる。
したがって、本発明による誘導体は、ホルモン置換療法 (HRT) の製剤における使用を包含する、経口避妊および経期前、閉経期中および閉経期後および月経前の病訴を治療するための医療製品の製造に特に適する。
【0049】
本発明による誘導体の好適な作用プロファイルのために、それらはその上月経前の病訴、例えば、頭痛、抑鬱気分、水分貯留および乳房痛にことによく適する。
本発明による誘導体の使用は、プロゲステロン作用、好ましくはまた抗ミネラルコルチコイド作用および中性〜わずかのアンドロゲン作用を有する医療製品の製造にことに好ましい。
【0050】
本発明による誘導体を使用する治療は好ましくはヒトに適用されるが、また、関係する哺乳動物種、例えばイヌおよびネコについて実施できる。
【0051】
本発明による誘導体を医療製品として使用するために、それらは少なくとも1種の適当な薬学的に無害の添加剤、例えば担体と組合わせる。添加剤は、例えば、非経口的適用、好ましくは経口的適用に適当である。関係する物質は薬学的に適当な有機または無機の不活性添加剤、例えば、水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコールおよびその他である。医療製品は固体の形態、例えば、錠剤、被覆錠剤、坐剤、カプセル剤、または液体形態、例えば、溶液、懸濁液または乳濁液であることができる。必要に応じて、医療製品はまた賦形剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、浸透圧変更用塩または緩衝剤を含有する。
【0052】
非経口的適用のために、油性溶液は特に適当であり、例えば、ゴマ油、ヒマシ油および綿実油中の溶液は適当である。溶解度を増加させるために、可溶化剤、例えば、安息香酸ベンジルまたはベンジルアルコールを添加することができる。また、本発明による誘導体を経皮系に添加し、これによりそれらを経皮的に適用できる。経口的適用のために、特に錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、丸剤、懸濁液または溶液を考えることができる。
投与経路のそれ以上の例は、膣内または子宮内投与である。これは生理学的に許容される溶液、例えば、適当な可溶化剤、分散剤または乳化剤を含むか、あるいは含まない水溶液または油性溶液を使用して可能である。適当な油の例は、落花生油、綿実油、ヒマシ油またはゴマ油である。それらに決して限定されない。
【0053】
膣内または子宮内投与のために、特別の系、例えば、延長期間 (例えば、1、2、3、4または5年) にわたって貯蔵器から本発明の活性物質を放出する膣内系 (例えば、膣輪、VRS) または子宮内系 (IUS) を使用することができる。
述べることができる子宮内系の代表例はMIRENA(商標)である。これはT字形レボノオルゲストレル (levonorgestrel) 放出性子宮内系 (Bayer Schering Pharma AG) である。
【0054】
さらに、投与は移植されたデポー剤系を経て可能であり、この系は不活性担体物質、例えば、生物分解性ポリマーまたは合成シリコーンポリマーから構成されている。これらのデポー剤系は活性成分をコントロールされた方法で長期間 (例えば、3ヶ月〜3年) にわたって放出し、皮下に移植される。
【0055】
避妊薬における本発明による誘導体の投与量は、0.01〜10 mg/日であるべきである。月経前の病訴の治療における1日量は約1〜20 mgであある。避妊薬および月経前病訴の治療における本発明によるプロゲステロン誘導体は、経口投与することが好ましい。1日量は好ましくは単一投与量で投与される。前述の投与量は経口投与形態に関する。
【0056】
デポー剤を使用するとき、前述の経口投与量に等しい投与量を前述のデポー剤系から毎日連続的に放出させ、そして長期間使用する。
デポー剤、例えば、IUSは0.005〜10 mg/日の一般式1の化合物を放出する。
プロゲステロンおよびエストロゲン活性化合物は、避妊薬において一緒に経口的に適用することが好ましい。1日量は単一投与で投与することが好ましい。
【0057】
エストロゲンとして、合成エストロゲン、好ましくはエチニルエストラジオールを考慮できるが、またメストラノールおよび天然のエストロゲン、例えば、フィトエストロゲンを考慮できる。
エストロゲンは、0.01〜0.04 mgのエチニルエストラジオールの薬理学的活性に相当する1日量で投与される。この量は経口投与形態に関する。異なる投与経路を選択する場合、前述の投与量に等しい適当な投与量を使用すべきである。
【0058】
閉経期前、閉経期中および閉経期後の病訴の治療およびホルモン置換療法のための医療製品中のエストロゲンは、天然のエストロゲン、特にエストラジオールを主として使用するが、またエストラジオールのエステル、例えば、バレリアン酸エストラジオールまたはまたコンジュゲイトエストロゲン (CEEs = コンジュゲイトウマエストロゲン) を使用する。
【0059】
本発明による化合物のプロゲステロン、抗ミネラルコルチコイドおよびアンドロゲンまたは抗アンドロゲン作用を下記の方法により研究した:
【0060】
1. プロゲステロンレセプター結合性試験:
プロゲステロンレセプターを発現する昆虫細胞 (Hi5) からの細胞質ゾルを使用して、このレセプターから参照物質として3H-プロゲステロンを置換する能力からプロゲステロンレセプターに対する競合結合性を決定した。ある化合物がプロゲステロンに相当するアフィニティーを有する場合、これは1の競合ファクター (CF) に相当する。1より大きいCF値はより低いプロゲステロンレセプターに対するアフィニティーにより特徴づけられ、そして1より小さいCF値はより高いアフィニティーにより特徴づけられる。
【0061】
2. ミネラルコルチコイドレセプター結合性試験:
この試験は1におけるように実施し、下記の変更を使用した: ミネラルコルチコイドレセプターを発現する昆虫細胞 (Hi5) からの細胞質ゾルを使用し、そして参照物質は3H-アンドロステンであった。
【0062】
3. アンドロゲンレセプター結合性試験:
この試験は1におけるように実施し、下記の変更を使用した: アンドロゲンレセプターを発現する昆虫細胞 (Hi5) からの細胞質ゾルを使用し、そして参照物質は3H-テストステロンであった。
結合性試験の結果および競合ファクターCF (PR) およびCR (MR) の比を表1に示し、この表はまた参照物質Aとしてドロソピレノンのレセプター結合性値を示す。
【0063】
4. トランス活性化試験によるプロゲステロン活性の決定:
このアッセイに使用した細胞を培養する培地は、10%のFCS (Biochrom、S0115、バッチ#615B) 、4 mMのL-グルタミン、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、1 mg/mlのG418および0.5 μg/mlのプロマイシンを含むDMEM (ダルベッコ変性イーグル培地: 4500 mg/mlのグルコース; PAA、#E15-00) であった。
【0064】
リポーター細胞系統 (PR-リガンド結合性ドメインおよびGal4-トランス活性化ドメインおよびリポーター構築物からの融合タンパク質で安定にトランスフェクトされたCHO K1、これはGal4-応答性プロモーターの制御下にルシフェラーゼを含有した) を白色不透明組織培養プレート中に4×104細胞/ウェルの密度で播種し、プレートの各々は98ウェルを有し (Perkin Elmer、#P12-106-017) そして3%のDCC-FCS (活性炭で処理して血清中に含有される妨害性成分を除去した血清) を含む培地中に保持した。
【0065】
試験化合物を8時間後に添加し、細胞を前記化合物とともに16時間インキュベートした。試験を三重反復実験において実施した。インキュベーションの終わりに、エフェクターを含有する培地を取出し、溶菌緩衝液と置換した。ルシフェラーゼアッセイ基質 (Promega、#E1501) を添加した後、96ウェルのプレートをマイクロプレートルミノメーター (Pherastar、BMG Labtech) 中に入れ、ルミネセンスを測定した。投与量-効果の関係を計算するソフトウェアを使用して、IC50値を評価した。試験結果および比較のため、参照物質Aとしてドロソピレノンについての対応する結果を表2に表す。
【0066】
5. トランス活性化試験による抗ミネラルコルチコイド作用の決定:
前述のトランス活性化試験におけるように、試験物質の抗ミネラルコルチコイド作用を決定した。
下記の変更を試みた: この場合において、ヒトミネラルコルチコイドレセプターを発現し、ステロイドホルモン応答性プロモーターの制御下にルシフェラーゼを含有するリポーター構築物を一時的に含有するリポーター細胞系統 (MDCK細胞) を使用した。
【0067】
アッセイに使用した細胞を培養するために使用した培地は、100Uのペニシリン/0.1 mg/mlのストレプトマイシン (PAA、カタログ: P11-010) 、4 mMのL-グルタミン (PAA、カタログ: M11-004) および胎仔ウシ血清 (BIO Witthaker、カタログ: DE14-801F) を含むDMEM EARLE’S MEM (PAA、カタログ: E15-025) であった。
【0068】
抗ミネラルコルチコイド効能を決定するために、1 nMのアルドステロン (SIGMA A-6628、ロット22H4033) を細胞に添加して、リポーター遺伝子のほとんど最大の刺激を達成した。効果の阻害は、物質のミネラルコルチコイド拮抗作用を示した (表2; 比較のため、ドロソピレノン (A) について対応する値) 。
【0069】
6. トランス活性化試験によるアンドロゲン/抗アンドロゲン作用の決定:
前述のトランス活性化試験におけるように、試験物質のアンドロゲン/抗アンドロゲン作用を決定した。
下記の変更を試みた: この場合において、ヒトミネラルコルチコイドレセプターを発現するリポーター細胞系統 (PC3細胞) 、およびステロイドホルモン応答性プロモーターの制御下にルシフェラーゼを含有するリポーター構築物を使用した。
【0070】
アッセイに使用した細胞を培養するために使用した培地は、100Uのペニシリン/0.1 mg/mlのストレプトマイシン (PAA、カタログ: P11-010) 、4 mMのL-グルタミン (PAA、カタログ: M11-004) および胎仔ウシ血清 (BIO Witthaker、カタログ: DE14-801F) を含む、フェノールレッドを含まないRPMI培地 (PAA、カタログ: E15-49) であった。
【0071】
抗アンドロゲン効能を決定するために、0.05 nMのR1881を細胞に添加して、リポーター遺伝子のほとんど最大の刺激を達成した。効果の阻害は、物質のアンドロゲン拮抗作用を示した (表2; 比較のため、ドロソピレノン (A) について対応する値) 。
【0072】
出発化合物の製造を本明細書に記載しない場合、これらは当業者に知られているか、あるいは既知の化合物または本明細書に記載する方法と同様にして製造できる。異性体混合物は通常の方法、例えば、結晶化、クロマトグラフィーまたは塩形成により個々の化合物に分割できる。塩は通常の方法において、一般化学式Iの化合物の溶液に等量または過剰量の塩基または酸を添加し、ここで塩基または酸は必要に応じて溶液であり、必要に応じて通常の方法において沈殿を分離するか、あるいは溶液を処理することによって製造される。
【0073】
一般化学式Iの化合物は、一般化学式1a (スキーム2) または1b (スキーム3) の化合物から出発し、スキーム1に表す方法により製造され、式中R4、R6a、R6b、R7、R15、R18およびZは前述の意味を有し、ただし一般化学式8bの化合物におけるR6およびR7は一緒になって酸素またはメチレンを形成し、そして式中
R6aおよびR6bは、一般化学式32aおよび40aの化合物において、一緒になってメチレンを形成し、一般化学式32bおよび40bの化合物において、一緒になって1,2-エタンジイルを形成し、そして一般化学式32cおよび40cの化合物において、互いに独立して水素またはC1-C4アルキルであり、
【0074】
Uは酸素原子、2つのアルコキシ基OR19または直鎖状または分枝鎖状であることができるC2-C10アルキレン-α,ω-ジオキシ基であり、そしてR19はC1-C20アルキル残基であり、
R20はC1-C20アルキル残基であり、
XはNR21aR21b基またはアルコキシ基OR22であり、
R21aおよびR21bは互いに独立して水素またはC1-C10アルキルであるか、あるいは一緒になって直鎖状または分枝鎖状であることができるC2-C10-α,ω-アルキレン基を形成し、そして
R22はC1-C20アルキル残基である。
【0075】
当業者にとって明らかなように、合成変換の説明において、必要に応じてステロイド構造上に存在する他の官能基は適当に保護されることが常に仮定される。
一般化学式5、8a、10または12の化合物を生成する6,7-二重結合の導入は、それぞれの3,5-ジエノールエーテル4、7、8または11の臭素化、引き続く臭化水素の排除により実施される (例えば、下記の文献を参照のこと: J. Fried、J. A. Edwards、Organic Reactions in Steroid Chemistry、Nostrand Reinhold Company 1972、p. 265-374) 。
【0076】
化合物4、7、9または11のジエノールエーテルの臭素化は、例えば、Steroids 1、233 (1963) の明細書におけるように実施することができる。一般化学式5、8a、10または12の化合物を生成する臭化水素の排除は、6-ブロモ化合物を塩基性試薬、例えばLiBrまたはLi2CO3とともに非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で50〜120℃の温度に加熱するか、あるいは6-ブロモ化合物を溶媒、例えば、コリジンまたはルチジン中で加熱することによって達成される。
【0077】
置換基R4の導入は、例えば、一般化学式3、5、6、8a、8bまたは10の1つを有する化合物から出発し、4,5-二重結合を過酸化水素でアルカリ性条件においてエポキシ化し、生ずるエポキシドを適当な溶媒中で一般化学式H-R4の酸と反応させることによって実施することができ、ここでR4はハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素である。R4が臭素である化合物を、例えば、2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)メチルアセテートとジメチルホルムアミド中でヨウ化銅 (I) の存在下に反応させて、R4がフッ素である化合物を生成することができる。選択的に、一般化学式3、5、6、8a、8bまたは10の1つを有する化合物から出発し、適当な塩基、例えばピリジンの存在下に塩化スルフリルまたは臭化スルフリルと反応させることによって、ハロゲンを直接導入することができ、ここでR4は塩素または臭素である。
【0078】
化合物5または12は、既知の方法により、例えば、ジメチルスルホキソニウムメチリドで6,7-二重結合をメテニル化して (例えば、下記の文献を参照のこと: DE-A 11 83 500、DE-A 29 22 500、EP-A 0 019 690、US-A 4,291,029、J. Am. Chem. Soc. 84、867 (1962)) 化合物8bまたは13 (R6およびR7は一緒になってメチレン基を形成する) を生成して、α-およびβ-異性体の混合物を生成することによって変換し、この混合物は例えばクロマトグラフィーにより個々の異性体に分割することができる。
【0079】
型8bまたは13の化合物は、実施例に記載するようにして、またはこれらの明細書と同様にして、本明細書に記載するものに類似する試薬を使用して得ることができる。
スピロ環式化合物10 (R6aおよびR6bは一緒になって1,2-エタンジイルを形成する) の合成は化合物3または6から出発し、化合物3および6をまず3-アミノ-3,5-ジエン誘導体7 (X = R21aR21b) に転化する。アルコール性溶液中でホルマリンと反応させることによって、6-ヒドロキシメチレン誘導体8a (R6 = ヒドロキシメチレン) を生成させる。ヒドロキシル基を離脱基、例えば、メシレート、トレシレートまたはさらにベンゾエートに転化させた後、適当な溶媒、例えばジメチルスルホキシド中で塩基、例えば、アルカリ水酸化物、アルカリアルコラートを使用して、トリメチルスルホキソニウムとの反応により、化合物10を製造することができる。
【0080】
6-メチレン基を導入するために、化合物8a (R6 = ヒドロキシメチレン) をジオキサン/水中で、例えば、塩酸で脱水することができる。もう一度、ヒドロキシル基を離脱基、例えば、メシレート、トレシレートまたはさらにベンゾエートに転化させた後、化合物10 (R6aおよびR6bは一緒になってメチレンを形成する) を製造することができる (下記の文献を参照のこと: DE-A 34 02 329、EP-A 0 150 57、US-A 4,584,288; J. Med. Chem. 34、2464 (1991)) 。
【0081】
6-メチレン化合物10を製造する他の可能性は、例えば、化合物8a (R6 = 水素) の4(5)不飽和3-ケトンを酢酸ナトリウムの存在下にホルムアルデヒドのアセタール、例えば、塩化ホスホリルまたは五硫化リンと適当な溶媒、例えば、クロロホルム中で直接反応させることである (例えば、下記の文献を参照のこと: K. Annen、H. Hofmeister、H. LaurentおよびR. Wiechert、Synthesis 34 (1982)) 。
【0082】
6-メチレン化合物は、一般化学式10の化合物 (式中R6aおよびR7は一緒になって追加の結合を形成する) の製造に使用できる。
【0083】
このために、例えば、Tetrahedron 21、1619 (1965) に記載されている方法を使用することができ、ここで6-メチレン化合物をエタノール中において水素で前処理した5%のパラジウム/木炭触媒とともに加熱するか、あるいは少量のシクロヘキサンとともに加熱することによって、二重結合の異性化を達成する。また、少量のシクロヘキセンを反応混合物に添加する場合、前処理しなかった触媒を使用して異性化を実施できる。過剰の酢酸ナトリウムの添加により、小比率の水素化生成物の生成を防止できる。
【0084】
選択的に、化合物9 (X = OR22) を前駆体として使用できる。6-メチル-4,6-ジエン-3-オン誘導体の直接製造は記載された (下記の文献を参照のこと: K. Annen、H. Hofmeister、H. LaurentおよびR. Wiechert、Lieb. Ann. 712 (1983)) 。
【0085】
R6bがα-メチル官能基を表す化合物10は、適当な条件において6-メチレン化合物 (10: R6aおよびR6bは一緒になってメチレンを形成する) から製造することができる。最良の結果 (エキソ-メチレン官能基の選択的水素化) はトランスファー-水素化により達成される (J. Chem. Soc. 3578 (1954)) 。6-メチレン誘導体10を適当な溶媒、例えば、エタノール中で水素化物ドナー、例えば、シクロヘキセンの存在下に加熱する場合、6α-メチル誘導体が非常にすぐれた収率で得られる。小比率の6β-メチル化合物は酸性条件下に異性化されることがある (Tetrahedron 1619 (1965)) 。
【0086】
また、6β-メチル化合物を選択的に製造することができる。このために、4-エン-3-オン、例えば、化合物8aを、例えば、エチレングリコール、トリメチルオルトホルメートとジクロロメタン中で触媒量の酸、例えば、p-トルエンスルホン酸の存在下に反応させて対応する3-ケタールを生成する。このケタール化の間に、二重結合の位置C5への異性化が存在する。この5-二重結合の選択的エポキシド化は、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中で有機過酸、例えば、m-クロロ過安息香酸を使用することによって達成される。代替法として、エポキシ化はまた過酸化水素を使用して、例えば、ヘキサクロロアセトンまたは3-ニトロトリフルオロアセトフェノンの存在下に実施できる。
【0087】
次いで、生成した5,6α-エポキシドは、適当なハロゲン化アルキルマグネシウムまたはアルキルリチウム化合物を使用して軸方向に開くことができる。この方法において、5α-ヒドロキシ-6β-アルキル化合物が得られる。3-ケト保護基を温和な酸性条件 (酢酸または4N塩酸、0℃) における処理により切り離して、5α-ヒドロキシル官能基を得ることができる。5α-ヒドロキシ官能基を、例えば、希薄水素化ナトリウム水溶液で塩基的に排除すると、6-アルキル基をβ位置にもつ3-ケト-4-エン化合物が生ずる。選択的に、より厳しい条件 (水性塩酸または他の強酸を使用する) においてケタールを切り離すと、対応する6α-アルキル化合物が生ずる。
【0088】
一般化学式6の化合物を生成する7-アルキル、7-アルケニルまたは7-アルキニル基の導入は、銅塩の作用下に一般化学式5の前駆体に対応する有機金属化合物を1,6-付加することによって達成される。2価の金属、例えば、マグネシウムおよび亜鉛は好ましい; 塩素、臭素およびヨウ素は対イオンとして好ましい。適当な銅塩は1価または2価の銅化合物、例えば、塩化銅、臭化銅または酢酸銅である。この反応は不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジクロロメタン中で起こる。
【0089】
式中Zが酸素原子である、化合物3、5、6、8a、8b、10、11または12が得られ、これらの化合物はヒドロキシルアミン塩酸塩、アルコキシアミン塩酸塩またはスルホニルヒドラジンと第三級アミンの存在下に-20℃〜+40℃の温度において反応させて、それらの対応するE/Z-型オキシムまたはスルホニルヒドラゾン転化することができる (一般化学式I、ZはNORまたはNNHSO2Rである) 。適当な第三塩基は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン (DBN) および1,5-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-5-エン (DBU) であり、ピリジンは好ましい。同様な方法は、例えば、WO-A 98/24801にドロソピレノンの対応する3-オキシイミノ誘導体について記載されている。
【0090】
Zが2つの水素原子を意味する一般化学式Iの最終生成物を製造するために、例えば、DE-A 28 05 490に記載されている手引きに従い、適当な前駆体、例えば、一般化学式3、5、6、8a、8b、10、11または12の1つを有する化合物の前駆体上の3-ケト化合物のチオケタールの還元的切り離しにより、3-オキソ基を除去することができる。
【0091】
一般化学式3または8bの1つを有する化合物に対するスピロラクトンの生成は、対応する17-ヒドロキシプロペニル化合物2または13から出発して酸化により実施される。述べることができる酸化プロセスは、例えば、ジョーンズ酸化、例えばt-ブタノールおよびリン酸二水素ナトリウムの水性系中で過マンガン酸カリウムを使用する酸化、水性t-ブタノール中で、必要に応じて塩素トラップの存在下、例えば2-メチル-2-ブテンの存在下に塩化ナトリウムを使用する酸化、または二酸化マンガンを使用する酸化である。
【0092】
【化2】

【0093】
【化3】

【0094】
一般化学式1aの化合物はスキーム2に表す方法により製造され、式中
R15およびR18は前述の意味を有し、そして
R16aおよびR16bは、32aにおいて一緒になってメチレンを形成し、32bにおいて一緒になって1,2-エタンジイルを形成し、そして32cにおいて互いに独立して水素またはC1-C10アルキルであり、そして
R20はC1-C10アルキルである。
【0095】
スキーム2における化合物30〜1aの各々はC5-C6間またはC5-C10間に二重結合を有し、そしてC2-C3間またはC3-C4間に他の二重結合を有する。
【0096】
【化4】

【0097】
一般化学式1bの化合物はスキーム3に表す方法により製造され、式中
R15およびR18は前述の意味を有し、そして
R16aおよびR16bは、40aにおいて一緒になってメチレンを形成し、40bにおいて一緒になって1,2-エタンジイルを形成し、そして40cにおいて互いに独立して水素またはC1-C10アルキルであり、そして
Uは酸素原子、2つのアルコキシ基OR19または直鎖状または分枝鎖状であることができるC2-C10アルキレン-α,ω-ジオキシ基であり、そしてR19はC1-C20アルキル残基である。
【0098】
スキーム3における化合物30〜1bの各々はC4-C5間またはC5-C6間またはC5-C10間に二重結合を有する。
【0099】
【化5】

【実施例】
【0100】
本発明をさらに説明するために下記の実施例を提供する。本発明は示した実施例により限定されない。
実施例1ジエノールエーテルからのジエノンの生成
17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
448 mgの酢酸ナトリウム、4.5 mlの水および、少しずつ、合計1.73 gのジブロモヒダントインを-10℃において、44.8 mlのN-メチルピロリドン中の4.12 gの実施例1aに従い製造した化合物の溶液に添加した。30分後、1.68 gの臭化リチウムおよび1.48 gの炭酸リチウムを添加し、この混合物を100℃の浴温度に1時間加熱した。この混合物を氷と塩化ナトリウム溶液との混合物中に注ぎ、沈殿した生成物を吸引濾過した。3.83 gの標題化合物が粗生成物として単離され、これをさらに直接反応させるか、あるいは再結晶化によりさらに精製した。
1H-NMR (CDCl3): δ= 1.01-1.17 (2H) 、1.12 (3H) 、1.33 (1H) 、1.46-1.62 (3H) 、1.70 (1H) 、1.81 (1H) 、1.91-2.07 (2H) 、2.22-2.41 (5H) 、2.55 (1H) 、5.80 (1H) 、5.97 (1H) 、6.17 (1H) 、6.24 (1H) 、7.42 (1H) ppm。
【0101】
実施例1aジエノールエーテルの生成
17β-ヒドロキシ-3-メトキシ-19-ノル-17α-プレグナ-3,5,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン
695 mgのピリジニウム-p-トルエンスルホネートを68.7 mlの2,2-ジメトキシプロパン中の6.02 gの実施例1bに従い製造した化合物の溶液に添加し、還流下に2時間加熱した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、生成物を硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物を再結晶化により精製した。4.12 gの標題化合物が単離された。
【0102】
実施例1b二酸化マンガンを使用する17-スピロラクトン化
17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
2.03 gの二酸化マンガンを21 mlのジクロロメタン中の269 mgの実施例1cに従い製造した化合物の溶液に添加し、この混合物を23℃においてほぼ5時間攪拌した。次いでそれをセライトで濾過し、蒸発およびクロマトグラフィーにより濃縮した後、211 mgの標題化合物が結晶質固体として単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.84 (1H) 、0.97-1.17 (2H) 、1.10 (3H) 、1.27 (1H) 、1.34-1.67 (5H) 、1.78-1.98 (4H) 、2.11 (1H) 、2.20-2.45 (5H) 、2.50 (1H) 、5.84 (1H) 、5.96 (1H) 、7.43 (1H) ppm。
【0103】
実施例1c3-ケタールの切り離し
17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロペン-1’-イル)-17β-ヒドロキシエストラ-4-エン-3-オン
1.51 mlの4N塩酸を30 mlのアセトン中の367 mgの実施例1dに従い製造した化合物の溶液に添加し、この混合物を23℃において30分間攪拌した。次いでそれを飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、生成物を硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物をクロマトグラフィーにより精製した。269 mgの標題化合物が単離された。
【0104】
実施例1dリンドラー水素化
17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロペン-1’-イル)-3,3-ジメトキシ-17β-ヒドロキシエストラ-5(10)-エン
5.35 mlのピリジンおよび560 mgの硫酸バリウム担持パラジウムを90 mlのテトラヒドロフラン中の3.94 gの実施例1eに従い製造した化合物の溶液に添加し、この混合物を水素雰囲気下に水素化した。この混合物をセライトで濾過し、蒸発およびクロマトグラフィーにより濃縮した後、3.04 gの標題化合物が単離された。
【0105】
実施例1eヒドロキシプロピン付加
17α-(3’-ヒドロキシプロピン-1’-イル)-3,3-ジメトキシ-17β-ヒドロキシエストラ-5(10)-エン
1.31リットルのヘキサン中のブチルリチウムの2.5モル溶液を、1.4リットルのテトラヒドロフラン中の92.7 mlの2-プロピン-1-オールの溶液に-60℃において添加した。30分後、0.8リットルのテトラヒドロフラン中の100 gの3,3-ジメトキシ-エストラ-5(10)-エン-17-オンの溶液を滴下し、この混合物を23℃に加熱し、さらに16時間攪拌した。次いでこの混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物を結晶化により精製した。72.9 gの標題化合物が単離された。
【0106】
実施例21,6-付加
17β-ヒドロキシ-7α-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
193 μlのテトラヒドロフラン中の塩化メチルマグネシウムの3モル溶液を-30℃に冷却した0.7 mlのテトラヒドロフラン中の4.6 mgの塩化銅 (I) の懸濁液に滴下し、それをさらに10分間攪拌した。この溶液を-25℃に冷却し、2 mlのテトラヒドロフラン中の75 mgの実施例1に従い製造した化合物に滴下した。1分後、それを1N塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物をクロマトグラフィーにより精製した。23.4 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.85 (3H) 、0.98-1.38 (4H) 、1.15 (3H) 、1.45-2.46 (14H) 、2.52 (1H) 、5.89 (1H) 、6.00 (1H) 、7.50 (1H) ppm。
【0107】
実施例3
17β-ヒドロキシ-7α-エチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-エチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、塩化エチルマグネシウムを使用して100 mgの実施例1に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、19 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.9 (3H) 、0.94-1.16 (3H) 、1.11 (3H) 、1.18-1.37 (2H) 、1.44-1.98 (9H) 、2.06 (1H) 、2.21-2.45 (5H) 、2.58 (1H) 、5.86 (1H) 、5.96 (1H) 、7.45 (1H) ppm。
【0108】
実施例4
17β-ヒドロキシ-7α-ビニル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-ビニル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、塩化ビニルマグネシウムを使用して700 mgの実施例1に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、46 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CD2Cl2): δ= 1.03 (1H) 、1.13 (3H) 、1.16-1.36 (2H) 、1.42-1.66 (4H) 、1.76 (1H) 、1.84-1.99 (3H) 、2.10-2.68 (8H) 、5.14 (1H) 、5.18 (1H) 、5.74-5.87 (2H) 、5.94 (1H) 、7.47 (1H) ppm。
【0109】
実施例5
16,16-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
400 mgの実施例5aに従い製造した化合物を実施例1bと同様に反応させ、処理および精製後、358 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.11 (1H) 、0.44 (1H) 、0.54 (1H) 、0.89 (1H) 、1.03 (1H) 、1.06-1.17 (2H) 、1.23 (3H) 、1.31 (1H) 、1.46-1.63 (4H) 、1.72-1.89 (4H) 、2.12 (1H) 、2.22-2.34 (3H) 、2.41 (1H) 、2.50 (1H) 、5.84 (1H) 、5.88 (1H) 、7.40 (1H) ppm。
【0110】
実施例5a
16,16-(1,2-エタンジイル)-17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロペン-1’-イル)-17β-ヒドロキシエストラ-4-エン-3-オン
2.83 gの実施例5bに従い製造した化合物を実施例1cと同様に反応させ、処理および精製後、1.64 gの標題化合物が単離された。
【0111】
実施例5b
3,3-ジメトキシ-16,16-(1,2-エタンジイル)-17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロペン-1’-イル)-17β-ヒドロキシエストラ-5(10)-エン
2.98 gの実施例5cに従い製造した化合物を実施例1dと同様に反応させ、処理後、2.84 gの標題化合物が単離され、それ以上精製しないで反応させた。
【0112】
実施例5c
3,3-ジメトキシ-16,16-(1,2-エタンジイル)-17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロピン-1’-イル)-17β-ヒドロキシエストラ-5(10)-エン
100 mgの実施例5dに従い製造した化合物を実施例1eと同様に反応させ、処理および精製後、116 mgの標題化合物が単離され、それ以上精製しないで反応させた。
【0113】
実施例5d16-メチレンからの16,16-シクロプロパン化
3,3-ジメトキシ-16,16-(1,2-エタンジイル)-エストラ-5(10)-エン-17-オン
1.05 gの白色油中の水素化ナトリウムの60%懸濁液を、100 mlのジメチルスルホキシド中の5.61 gのヨウ化スルホキソニウムの溶液に23℃において少しずつ添加した。それをさらに2時間攪拌し、次いで40 mlのジメチルスルホキシド中の2.1 gの実施例5eに従い製造した化合物の溶液を滴下し、この溶液をさらに16時間放置して反応させた。この混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。2.52 gの標題化合物が単離され、これは残留量の白色油を含有し、それ以上精製しないでさらに反応させた。
【0114】
実施例5eシリルエノールエーテルからの16,16-メチレン
3,3-ジメトキシ-16-メチレン-エストラ-5(10)-エン-17-オン
10 mlのN,N,N’,N’-テトラメチルジアミノメタンを30 mlのテトラヒドロフラン中の6.1 gの3,3-ジメトキシ-17-トリメチルシリルオキシ-エストラ-5(10)16-ジエンの溶液に添加し、3℃に冷却し、10 mlの無水酢酸を添加した。この混合物を23℃に加熱し、2日間放置して反応させた。次いでそれを飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した; 1.6 gの標題化合物が単離された。
【0115】
実施例6
17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
10 gの実施例6aに従い製造した化合物を実施例1bと同様に反応させ、処理および精製後、9.3 gの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.77-0.90 (2H) 、0.99 (3H) 、1.02-1.18 (2H) 、1.40-1.71 (6H) 、1.74-1.99 (5H) 、2.11 (1H) 、2.20-2.44 (5H) 、2.51 (1H) 、5.84 (1H) 、5.96 (1H) 、7.44 (1H) ppm。
【0116】
実施例6a
17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロペン-1’-イル)-18-メチル-17β-ヒドロキシエストラ-4-エン-3-オン
6.35 gの実施例6bに従い製造した化合物を実施例1cと同様に反応させ、処理および精製後、3.02 gの標題化合物が単離された。
【0117】
実施例6b
17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロペン-1’-イル)-3-メトキシ-18-メチル-17β-ヒドロキシエストラ-2,5(10)-ジエン
7.86 gの実施例6cに従い製造した化合物を実施例1dと同様に反応させ、処理後、6.35 gの標題化合物が単離され、それ以上精製しないで反応させた。
【0118】
実施例6c
17α(Z)-(3’-ヒドロキシプロピン-1’-イル)-3-メトキシ-18-メチル-17β-ヒドロキシエストラ-2,5(10)-ジエン
5.0 gの3-メトキシ-18-メチル-17β-ヒドロキシエストラ-2,5(10)-ジエン-17-オンを実施例1eと同様に反応させ、処理後、7.86 gの標題化合物が単離され、それ以上精製しないで反応させた。
【0119】
実施例7
17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
9.0 gの実施例7aに従い製造した化合物を実施例1と同様に反応させ、処理および精製後、5.04 gの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.93 (1H) 、1.06 (3H) 、1.16 (2H) 、1.50-1.92 (7H) 、1.96-2.10 (2H) 、2.25-2.49 (5H) 、2.59 (1H) 、5.84 (1H) 、6.03 (1H) 、6.23 (1H) 、6.29 (1H) 、7.47 (1H) ppm。
【0120】
実施例7a
17β-ヒドロキシ-3-メトキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-3,5,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン
10.0 gの実施例1bに従い製造した化合物を実施例1aと同様に反応させ、処理後、10.9 gの標題化合物が単離され、それ以上精製しないで反応させた。
【0121】
実施例8
17β-ヒドロキシ-7α,18-ジメチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β,18-ジメチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、塩化メチルマグネシウムを使用して200 mgの実施例7に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、115 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.82 (4H) 、1.00 (3H) 、1.02-1.13 (2H) 、1.49-1.61 (3H) 、1.67 (2H) 、1.71-1.81 (3H) 、1.86 (1H) 、1.95 (1H) 、1.99-2.09 (2H) 、2.22-2.45 (5H) 、2.51 (1H) 、5.85 (1H) 、5.96 (1H) 、7.45 (1H) ppm。
【0122】
実施例9
17β-ヒドロキシ-7α-エチル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-エチル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、塩化エチルマグネシウムを使用して200 mgの実施例7に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、91 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.81 (1H) 、0.90 (3H) 、1.00 (3H) 、1.02-1.11 (3H) 、1.33 (1H) 、1.47-1.89 (10H) 、1.94 (1H) 、2.06 (1H) 、2.22-2.44 (5H) 、2.59 (1H) 、5.85 (1H) 、5.96 (1H) 、7.45 (1H) ppm。
【0123】
実施例10
17β-ヒドロキシ-7α-ビニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-ビニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、塩化ビニルマグネシウムを使用して200 mgの実施例7に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、74 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.80 (1H) 、1.00 (3H) 、1.05 (1H) 、1.15 (1H) 、1.44-1.60 (4H) 、1.66 (2H) 、1.73-1.95 (5H) 、2.24-2.36 (3H) 、2.41-2.48 (2H) 、2.52-2.60 (2H) 、5.11 (1H) 、5.13 (1H) 、5.74 (1H) 、5.86 (1H) 、5.95 (1H) 、7.42 (1H) ppm。
【0124】
実施例11
17β-ヒドロキシ-7α-シクロプロピル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-シクロプロピル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、臭化シクロプロピルマグネシウムを使用して200 mgの実施例7に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、38 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= -0.03 (1H) 、0.31 (1H) 、0.42-0.59 (3H) 、0.85 (1H) 、0.99 (3H) 、1.04 (1H) 、1.13 (1H) 、1.33 (1H) 、1.49-1.68 (4H) 、1.74-2.00 (6H) 、2.11 (1H) 、2.22-2.46 (5H) 、2.51 (1H) 、5.89 (1H) 、5.97 (1H) 、7.47 (1H) ppm。
【0125】
実施例12
17β-ヒドロキシ-7α-シクロプロピル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-7β-シクロプロピル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例2と同様に、塩化シクロプロピルマグネシウムを使用して300 mgの実施例1に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、89 mgの標題化合物Aがなお汚染された混合物と一緒に単離され、これはある比率の標題化合物Bを含有した。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= -0.02 (1H) 、0.31 (1H) 、0.47 (1H) 、0.5-0.57 (2H) 、1.04 (1H) 、1.10 (3H) 、1.13 (1H) 、1.24-1.36 (2H) 、1.47-1.59 (3H) 、1.74 (1H) 、1.80-1.97 (4H) 、2.11 (1H) 、2.25-2.33 (3H) 、2.38-2.45 (2H) 、2.51 (1H) 、5.89 (1H) 、5.97 (1H) 、7.47 (1H) ppm。
【0126】
実施例134-塩素化
4-クロロ-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
20 μlの塩化スルフリルを0.5 mlのピリジン中の50 mgの実施例6に従い製造した化合物の溶液に3℃において添加し、3℃においてさらに1.5時間攪拌した。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物をクロマトグラフィーにより精製した。14 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.81-0.96 (2H) 、0.99 (3H) 、1.02-1.20 (2H) 、1.44 (1H) 、1.52-1.72 (5H) 、1.76-1.88 (3H) 、1.91-2.00 (2H) 、2.12 (1H) 、2.21-2.45 (4H) 、2.64 (1H) 、3.38 (1H) 、5.97 (1H) 、7.43 (1H) ppm。
【0127】
実施例14
4-クロロ-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
実施例13と同様に、100 mgの実施例1bに従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、77.8 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.84-1.67 (10H) 、1.10 (3H) 、1.78-2.01 (4H) 、2.11 (1H) 、2.20-2.47 (4H) 、2.63 (1H) 、5.96 (1H) 、7.43 (1H) ppm。
【0128】
実施例156-ヒドロキシメチルの導入
17β-ヒドロキシ-6β-ヒドロキシメチレン-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
427 μlのホルムアルデヒドの37%水溶液を4 mlのトルエンと9 mlのエタノールとの混合物中の427 mgの実施例15aに従い製造した化合物の溶液に添加し、23℃において6時間攪拌した。この溶液を蒸発により濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製した。23.4 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.78-0.91 (2H) 、0.99 (3H) 、1.05 (1H) 、1.30-1.85 (12H) 、1.90-1.99 (2H) 、2.17-2.48 (5H) 、2.67 (1H) 、3.71 (2H) 、5.93 (1H) 、5.96 (1H) 、7.44 (1H) ppm。
【0129】
実施例15aジエナミンの生成
17β-ヒドロキシ-3-ピロリジニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-3,5,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン
280 μlのピロリジンを5 mlのメタノール中の500 mgの実施例1bに従い製造した化合物の溶液に添加し、還流下に2時間加熱した。この混合物を冷却し、沈殿を吸引濾過し、再び少量の冷たいメタノールで洗浄し、434 mgの標題化合物が得られ、それ以上精製しないでさらに反応させた。
【0130】
実施例166-スピロシクロプロパン化
6,6-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
235 mgのヨウ化トリメチルスルホキソニウムを1.7 mlのジメチルスルホキシド中に溶解し、43 mgの60%水素化ナトリウム分散液を添加し、この混合物を23℃において2時間攪拌した。次いでmlのジメチルスルホキシド中の140 mgの実施例16aに従い製造した化合物の溶液を滴下し、この混合物を23℃においてさらに2時間攪拌した。この混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物をクロマトグラフィーにより精製した。38.2 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.41 (1H) 、0.56 (1H) 、0.70 (1H) 、0.82-1.18 (4H) 、1.01 (3H) 、1.26 (1H) 、1.38-1.99 (11H) 、2.13-2.47 (5H) 、5.69 (1H) 、5.96 (1H) 、7.43 (1H) ppm。
【0131】
実施例16a6-トシルオキシメチルの生成
17β-ヒドロキシ-6β-(p-トリルスルホニルオキシメチル)-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
1.5 mlのトリエチルアミンおよび514 mgの塩化p-トルエンスルホン酸を15 mlのジクロロメタン中の400 mgの実施例15に従い製造した化合物の溶液に添加し、23℃において15時間攪拌した。この混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、一緒にした有機抽出液を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および溶媒除去後に得られた残留物をクロマトグラフィーにより精製した。145 mgの標題化合物が単離された。
【0132】
実施例17
17β-ヒドロキシ-6β-ヒドロキシメチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
実施例15と同様に、517 mgの実施例17aに従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、156 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.84 (1H) 、0.97-1.12 (2H) 、1.09 (3H) 、1.20-2.36 (15H) 、2.44 (1H) 、2.66 (1H) 、3.70 (2H) 、5.93 (1H) 、5.96 (1H) 、7.43 (1H) ppm。
【0133】
実施例17a
17β-ヒドロキシ-3-ピロリジニル-19-ノル-17α-プレグナ-3,5,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン
実施例15aと同様に、840 mgの実施例1bに従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、524 mgの標題化合物が単離された。
【0134】
実施例18
6,6-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
実施例16と同様に、80 mgの実施例18aに従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、26 mgの標題化合物が単離された。
1H-NMR (CDCl3): δ= 0.42 (1H) 、0.55 (1H) 、0.70 (1H) 、0.86-1.10 (3H) 、1.12 (3H) 、1.21-1.97 (11H) 、2.15-2.46 (5H) 、5.69 (1H) 、5.96 (1H) 、7.43 (1H) ppm。
【0135】
実施例18a
17β-ヒドロキシ-6β-(p-トリルスルホニルオキシメチル)-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン
実施例16aと同様に、540 mgの実施例17に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、80 mgの標題化合物が単離された。
【0136】
実施例19コレイ (Corey) シクロプロパン化
17β-ヒドロキシ-18-メチル-6β,7β-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-18-メチル-6α,7α-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例16と同様に、1.5gの実施例7に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、188 mgの標題化合物Aおよび430 mgの標題化合物Bが単離された。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.58 (1H) 、0.82-1.07 (3H) 、1.02 (3H) 、1.24-1.38 (2H) 、1.43-2.09 (12H) 、2.16-2.52 (4H) 、6.02 (1H) 、6.16 (1H) 、7.50 (1H) ppm。
Bの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.71-1.09 (5H) 、1.03 (3H) 、1.37-1.53 (2H) 、1.56-2.46 (14H) 、2.55 (1H) 、6.01 (1H) 、6.08 (1H) 、7.52 (1H) ppm。
【0137】
実施例20
17β-ヒドロキシ-6β,7β-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (A) および
17β-ヒドロキシ-6α,7α-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン (B)
実施例16と同様に、1.28 gの実施例1に従い製造した化合物を反応させ、処理および精製後、66 mgの標題化合物Aおよび112 mgの標題化合物Bが単離された。
Aの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.58 (1H) 、0.89-1.58 (9H) 、1.12 (3H) 、1.68-2.11 (6H) 、2.22 (1H) 、2.29-2.52 (3H) 、6.02 (1H) 、6.15 (1H) 、7.50 (1H) ppm。
Bの1H-NMR (CDCl3): δ= 0.73 (1H) 、0.81 (1H) 、0.96 (1H) 、1.06 (1H) 、1.17 (3H) 、1.19 (1H) 、1.37-2.12 (11H) 、2.19 (1H) 、2.27-2.42 (2H) 、2.55 (1H) 、6.01 (1H) 、6.08 (1H) 、7.51 (1H) ppm。
【0138】
実施例21
適当なポリマー/活性成分混合の比で活性成分を含有するコアから成る生物分解性ポリマーまたは合成シリコーンポリマーから構成され、所望の毎日の放出速度を保証するポリマー膜に取り囲まれた、子宮内移植可能な不活性デポー剤系をラットの子宮管腔中に導入する。雌の動物を前もって去勢し、エストラジオールで3日間前処置する。異なる長さ (5〜20 mm) および制限された直径 (1.1〜2 mm) の移植片をラットの子宮内に4〜14日間留まらせて、異なる組織において種々のパラメーターに基づいて放出された活性成分の局所的および全身的プロゲステロンの作用を研究する。
【0139】
下記のパラメーターを測定する: 1) 子宮の重量に基づく子宮に対する局所的プロゲステロンの作用、組織学的に検出可能な上皮高さおよびプロゲストゲン調節マーカー遺伝子 (例えば、IGFBP-1) の発現; 2) プロゲストゲン調節マーカー遺伝子 (例えば、PankL) の発現に基づく乳腺に対する合成プロゲステロンの作用; 3) LHレベルに基づく下垂体に対する合成プロゲステロンの作用 (エストロゲン誘導LHレベル上昇の減少)。
【0140】
本発明の化合物は子宮における有意なプロゲステロン作用を示し、これはレボノルゲストレル含有デポー剤系、例えばMIRENA(商標)を使用する対応する治療に匹敵する。
【0141】
【表8】

【0142】
【表9】

【0143】
【表10】

【0144】
【表11】

【0145】
【表12】

【0146】
【表13】

【0147】
【表14】

【0148】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式Iを有する17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体およびそれらの溶媒和物、水和物、立体異性体および塩、ただし17α-(2-カルボキシビニル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-アンドロスト-4-エン-3-オンγ-ラクトンを除外する:
【化1】

式中、
Zは酸素、2つの水素原子、NOR’およびNNHSO2R’から成る群から選択され、式中R’は水素、C1-C10アルキル、アリールまたはC7-C20アラルキルであり、
R4は水素およびハロゲンから成る群から選択され、
さらに、
R6aおよびR6bは各場合において互いに独立して水素、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニルおよびC2-C10アルキニルから成る群から選択されるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成し、そして
R7は水素、C1-C10アルキル、C3-C6シクロアルキル、C2-C10アルケニルおよびC2-C10アルキニルから成る群から選択されるか、あるいは
R6aおよびR7は一緒になって酸素原子またはメチレンを形成するか、あるいは省略されてC6-C7間に二重結合を形成し、そして
R6bは水素、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニルおよびC2-C10アルキニルから成る群から選択され、
さらに、
R15は水素であり、そして
R16aおよびR16bは各場合において互いに独立して水素およびC1-C10アルキルから成る群から選択されるか、あるいは一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成するか、あるいは
R15およびR16aは一緒になって酸素原子を形成するか、あるいは省略されてC15-C16間に二重結合を形成し、
R16bは水素またはC1-C10アルキルであり、そして
R18は水素またはC1-C3アルキルである。
【請求項2】
Zが酸素、NOR’およびNNHSO2R’から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項3】
Zが酸素であることを特徴とする、請求項1に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項4】
R4が水素または塩素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項5】
R6aおよびR6bが一緒になって1,2-エタンジイルを形成するか、あるいは各々水素であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項6】
R7が水素、メチル、エチルおよびビニルから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項7】
R6aおよびR7が一緒になってメチレンを形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項8】
R6aおよびR7が省略されてC6-C7間に二重結合を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項9】
R15が水素であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項10】
R15およびR16aが省略されてC15-C16間に二重結合を形成するか、あるいは一緒になって酸素原子を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項11】
R16aが水素でありそしてR16bがメチルであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項12】
R16aおよびR16bが水素であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項13】
R16aおよびR16bが一緒になってメチレンまたは1,2-エタンジイルを形成することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項14】
R18が水素またはメチルであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項15】
下記から成る群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体:
17β-ヒドロキシ-7α-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α-エチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-エチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α-ビニル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-ビニル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α-シクロプロピル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-シクロプロピル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6α-ヒドロキシメチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6β-ヒドロキシメチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
6,6-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6α,7α-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6β,7β-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
16,16-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-エチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-エチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-ビニル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-ビニル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-シクロプロピル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-シクロプロピル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6α-ヒドロキシメチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6β-ヒドロキシメチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-6,6-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6α,7α-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6β,7β-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-16,16-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α,18-ジメチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β,18-ジメチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α-エチル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-エチル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α-ビニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-ビニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7α-シクロプロピル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-7β-シクロプロピル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-18-メチル-6-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6α-ヒドロキシメチレン-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-6β-ヒドロキシメチレン-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
6,6-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-18-メチル-6α,7α-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-18-メチル-6β,7β-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
16,16-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α,18-ジメチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β,18-ジメチル19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-エチル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-エチル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-ビニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-ビニル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7α-シクロプロピル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-7β-シクロプロピル-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-6-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6α-ヒドロキシメチレン-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-6β-ヒドロキシメチレン-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-6,6-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-6α,7α-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-6β,7β-メチレン-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,6,20(Z)-トリエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
(E/Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-16,16-(1,2-エタンジイル)-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-21-カルボン酸γ-ラクトン、
4-クロロ-17β-ヒドロキシ-18-メチル-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン、および
4-クロロ-17β-ヒドロキシ-19-ノル-17α-プレグナ-4,20(Z)-ジエン-3-オン-21-カルボン酸γ-ラクトン。
【請求項16】
経口避妊および閉経期前、閉経期中および閉経期後の病訴の治療のための請求項1〜15のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体。
【請求項17】
経口避妊および閉経期前、閉経期中および閉経期後の病訴の治療のための医療製品を製造するための請求項1〜16のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体の使用。
【請求項18】
医療製品がプロゲステロン作用、抗ミネラルコルチコイド作用および中性〜わずかのアンドロゲン作用を有することを特徴とする、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
少なくとも1種の請求項1〜16のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体と、少なくとも1種の適当な薬学的に無害の担体物質とを含有する医療製品。
【請求項20】
少なくとも1種のエストロゲンをさらに含有する、請求項19に記載の医療製品。
【請求項21】
エストロゲンがエチニルエストラジオールであることを特徴とする、請求項20に記載の医療製品。
【請求項22】
エストロゲンがバレリアン酸エストラジオールであることを特徴とする、請求項20に記載の医療製品。
【請求項23】
エストロゲンが天然のエストロゲンであることを特徴とする、請求項20に記載の医療製品。
【請求項24】
天然のエストロゲンがエストラジオールであることを特徴とする、請求項23に記載の医療製品。
【請求項25】
天然のエストロゲンがコンジュゲイトエストロゲンであることを特徴とする、請求項23に記載の医療製品。
【請求項26】
子宮内使用のための医療製品を製造するための請求項1〜15のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体の使用。
【請求項27】
子宮内系 (IUS) を製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項28】
子宮内使用のために設計されていることを特徴とする、少なくとも1種の請求項1〜15のいずれか1項に記載の17-ヒドロキシ-19-ノル-21-カルボン酸-ステロイドγ-ラクトン誘導体と、少なくとも1種の適当な薬学的に無害の添加剤とを含有する医療製品。
【請求項29】
子宮内系であることを特徴とする、請求項28に記載の医療製品。

【公表番号】特表2011−507924(P2011−507924A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540078(P2010−540078)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/011159
【国際公開番号】WO2009/083266
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】