説明

1:100〜1:350のモル比のアロブジンおよびジドブジンの組み合わせ

先行技術を有意に上回る比のアロブジンおよびジドブジンの併用投与が、ミトコンドリアDNA減少実験においてアロブジンのミトコンドリア毒性を完全にまたは実質的に根絶する。よって、本発明は、1:100〜1:350の範囲のモル比のアロブジンおよびジドブジンを含む医薬組成物、および特定のモル比でのアロブジンおよびジドブジンの同時または連続的投与を含む、多剤抵抗性HIVの治療または予防の方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
技術分野
本発明は、既知のHIV抗ウイルス剤アロブジンおよびジドブジンを特定の比率で、場合によってはさらなる抗ウイルス剤と組み合わせて投与するHIV処置方法および医薬組成物に関する。
【0002】
背景技術
ジドブジン(AZTまたは2’3’−ジデオキシ−3’−アジドチミジンとも呼ばれる)は、HIVの処置において使用するために登録された最初のヌクレオシド誘導体である。ジドブジンは、ウイルスにコードされている逆転写酵素を阻害し、それによりウイルス複製サイクルをブロックし、AIDSの進行を効果的に減速させる。当初の導入時に長期単剤療法として処方された際に、ジドブジンは、骨格筋ミオパシー、拡張型心筋症および肝毒性を含む、ミトコンドリア機能障害の症状を特徴とする種々の組織病変を伴っていた。依然として他のHIVウイルスと広く併用されているが、毒性、特に血液毒性、および抵抗性発現の問題により、ジドブジンの臨床使用は制限されている。現在の投与計画は、典型的には300mgBIDの、1日2回投与(即ち、300mg錠剤を朝および夜に分けての600mgの成人日薬量)である。
【0003】
コンビビルTM(ジドブジン+ラミブジン)またはトリジビルTM(ジドブジン+ラミブジン+アバカビル)などの組み合わせの単位剤形でさえ、1日に2度服用しなければならない。これは、問題のない場合においても患者のコンプライアンスの観点から都合のよい投薬計画とはいえない。しかし、ジドブジンを処方されている多くの患者は、プロテアーゼ阻害剤および/または非ヌクレオシド阻害剤などのさらなるHIV抗ウイルス剤、または対症療法的投薬(抗真菌剤、抗CMV抗ウイルス剤、抗精神病薬または免疫促進剤など)をさらに服用する必要があるため、HIV患者においてはさらに問題となる。これらの追加の医薬はしばしばジドブジンとは異なった周期(毎日(QD)、1日3回(TID)など)で服用され、服用遵守が低い非常に複雑な投薬計画の原因となっていた。例えば、進行したHIV患者が、1日のうち種々の時点で、あるものは空腹時であるものは食中で、各々の時点で異なる数の錠剤を、1日15〜20錠を上回る投薬負荷を負うことは珍しいことではない。
【0004】
HIV増殖機構のプルーフリーディング能力が低いことに起因して薬剤エスケープ変異体(drug escape mutants)が容易に発生するというHIVの場合には、投薬計画遵守の欠如は極めて重大である。HIV薬の血漿トラフ濃度およびヌクレオシドトリホスフェートの細胞内濃度が特定の閾値を下回れば、薬剤エスケープ変異体の選択および増殖は劇的に促進される。もし処方された投与計画に完全に従っていなければ、HIV患者においてこれはすぐに起こる。
【0005】
アロブジン(FLTまたは2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロチミジンとも呼ばれる)は、1990年代初頭に臨床開発されていた期待のHIV抗ウイルス剤であった。ウイルス感染患者において薬量依存性の血液毒性が確認された後に、開発は終了となった。Sundsethら、Antmicrob Ag Chemother、1996年、40(2):331〜335頁によれば、当該血液毒性は、細胞培養実験に基づいてDNAフラグメンテーションおよびアポトーシスが原因とされた。しかし、最近の研究において、アロブジンの毒性はミトコンドリアDNA合成に起因することが明らかにされている。
【0006】
アロブジンの当初の開発が中止になる前に出願された国際特許出願WO91/01137には、FLT(現在INNアロブジンとして知られている)などの3’−フッ素化抗ウイルス剤およびAZT(現在INNジドブジンとして知られている)を含む特定の2‘,3’−ジデオキシヌクレオチドの組合せの協力的抗ウイルス効果が記載されている。当該特許出願は、インビトロおよび動物実験においてAZT:FLTの比が1:1および1:8である組み合わせを例示している。当該特許出願は、FLTおよびAZTは実質的に等量で投与されることが望ましいことを明確に示している。例えば、当該特許出願5頁16行には、協力効果を与える好ましいFLTとAZTの比の範囲が10:1〜1:20であり、最適な範囲が1:1〜1:10 FLT:AZTであることが示されている。WO91/01137の表1には、1:1の比のFLTおよびAZTが、FLT:AZTの比が1:8と比べて、免疫蛍光アッセイによる測定では優れた治療指数(IC50/IC50)を、およびELISAによる測定で同程度の治療指数を有することが示されている。
【0007】
国際特許出願WO2004/002433は、別の組み合わせであるアロブジンおよび別のNRTI、即ちアバカビルを記載する。ウイルス抑制についての協力効果は、既存の抗レトロウイルス処置への追加処置としての7.5mgQDのアロブジンを患者に処方した、HIV感染患者での臨床試験により確認されている。試験設計および全体の結果は、Katlamaら、AIDS 2004年、18(9):1299〜1304に概説されている。アロブジンおよびジドブジンの構造類似性の高さが、さらなる血液毒性をもたらすことが懸念されたために、既にジドブジンによる処置を受けていた患者が除外されたことに特に注意すべきである。典型的にはアバカビルは300mgBIDまたは600mgQDで投与される。これは、アロブジン:アバカビルが1:70のモル比に対応する。抗ウイルスの協力効果が、特許出願では1:200のモル比で細胞培養物中で確認された。しかし、当該組み合わせの細胞毒性およびミトコンドリア毒性のいずれについても測定されていない。本明細書の比較例に示すとおり、これらの値の間のモル比でのアロブジンおよびアバカビルでは、アロブジンのミトコンドリア毒性を解消することはできない。
【0008】
ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤の相互作用、とりわけミトコンドリア毒性に関しての相互作用は複雑であり、ほとんど理解されていない現象である。Vidalら、Antimicrob Ag Chemother 2006年、50(11):3824〜3832頁に報告された非常に包括的な一連の研究において、NRTIテノホビルは、ジダノシン(ddl)のミトコンドリア毒性(mtDNA減少によって測定した)を劇的に高めることが確認された。3μMジダノシン:30μMテノホビル(即ち、モル基準で1:10)の薬量で、mtDNAの減少は、約80%であり、より高いモル比では>90%であった。対照的に、30μMテノホビルに対して3、40および200μMジドブジン(即ち、1:10、約1:1および約6.5:1)で試験した場合でも、テノホビルはジドブジンのミトコンドリア毒性に影響しなかった。
【0009】
本発明の簡単な説明
今回我々は、先行技術の比からは明らかにはずれる特定の範囲の比でのアロブジンおよびジドブジンの併用投与がミトコンドリア毒性の驚異的な減少を伴う相互作用を生み出し、その一方でアロブジンとジドブジンの協力的抗ウイルス効果は保持されることを発見した。
【0010】
本発明の第1の側面によれば、1:100〜1:350の範囲のモル比での、アロブジンおよびジドブジンの同時または連続的投与を含む、HIVの治療方法または予防方法が提供される。好適には、当該方法は、HIVを治療または予防するために、当該方法による処置を必要とする対象に、安全であって有効な量のアロブジンおよびジドブジンを投与することを含む。
【0011】
本発明の関連する側面により、同時または連続的投与のための医薬の製造におけるアロブジンおよびジドブジンの使用であって、前記医薬が、アロブジンがジドブジンに対して1:100〜1:350の比で投与されるように調整されている、前記使用が提供される。関連する側面によれば、HIVの治療または予防のための同時または連続的投与におけるアロブジンおよびジドブジンの使用が提供される。
【0012】
本発明の第2の側面により、前記方法に使用されるように調整され、1:100〜1:350の範囲のモル比でアロブジンおよびジドブジンを含む医薬組成物が提供される。
【0013】
したがって、アロブジンを含む医薬組成物およびジドブジンを含む医薬組成物を含む医薬キット(kit of parts)であって、1:100〜1:350の範囲のモル比でアロブジンおよびジドブジンが前記キットに存在することを特徴とする、前記医薬キットもまた提供される。好適には、前記医薬キットは、HIVの治療または予防のためにアロブジンを含む医薬組成物およびジドブジンを含む医薬組成物の同時または連続的投与を指示する使用説明書をさらに含んでいるであろう。
【0014】
本発明の組み合わせは、従来技術のジドブジンおよびアロブジン処置およびジドブジン/アロブジンの組み合わせにおいて経験された欠点を、ミトコンドリア毒性の減少、それによる安全性の改善、患者コンプライアンスの改善、1日のトラフレベルの安定性改善および薬剤エスケープ変異体発生の抑制の点において顕著に緩和する。
【0015】
理論により拘束されることは望まないが、アロブジンおよびジドブジンの間の特徴的比率の採用が、ジドブジンがミトコンドリア輸送システムの阻害を引き起こし、活性な代謝物であるアロブジントリホスフェートが、特に感受性のミトコンドリアDNAポリメラーゼとネガティブに相互作用することを妨げることを、我々の予備的なデータは示唆している。この有益な効果は、従来技術のAZT/FLTの組み合わせではこれまでに観察されていない。なぜなら、実質的に等モル量のこの2つのヌクレオシドにより引き起こされる細胞毒性およびミトコンドリアDNAの減少により覆い隠されていたからである。
【0016】
1〜10mg/kg/日のジドブジン薬量と併せての0.1〜1mg/kg/日のアロブジンの薬量を明言するWO91/01137の先行技術の組み合わせと対照的に、本発明は、対応する量の1〜10mg/kg/日のアロブジンの薬量と併せて、約0.005〜0.05mg/kg/日のアロブジン薬量を予定している。より最近の臨床試験により、WO91/01137で好ましいとされている、ジドブジンの有効薬量に基づいての1:10の比率は、アロブジンおよび/またはジドブジンの毒性レベルを引き上げることが示唆されている。
【0017】
本発明の組成物および方法では、適宜、1:150〜1:250の範囲、例えば、1:150〜1:200の範囲内の比率でアロブジンおよびジドブジンを使用する。
【0018】
典型的には、アロブジンの最大日薬量は、70kgの成人に対して約4mg/日であろう。本発明の方法にしたがった投薬計画は、一般的に1日2〜4mgの範囲のアロブジン薬量および1日300〜900mgの範囲のジドブジン薬量を含む。
【0019】
特に好ましくは、成人の投薬計画は、2〜3mg/日、例えば、2mgまたは2.5mgの1日のアロブジン投与を含む。一般に好ましくは、成人の投薬計画は、450〜600mg/日、とりわけ600mgの1日のジドブジン投与を含む。
【0020】
2.5mgアロブジンおよび600mgジドブジンの日薬量は、アロブジンの分子量として244を、およびジドブジンの分子量として269を使用すると、1:218のモル比に対応する。
【0021】
定義した範囲の比率でのアロブジンおよびジドブジンの併用投与は、例えば、アロブジンおよびジドブジンが別々の投薬単位(典型的には、カプセルまたは錠剤または各々一つづつ)で各々投与される場合、連続的であっても実質的に連続的であってもよい。
【0022】
典型的にはジドブジンはBID、例えば300mgBIDで投与される。しかし、アロブジンをQDで投与することが好ましいことがしばしばあり、そのため、本発明の便宜的な連続的投与の態様は、朝の300mg錠剤のジドブジンおよび2、3または4mgの錠剤のアロブジンならびに夜の300mg錠剤のジドブジン(またはその逆)を含みうる。錠剤投与計画を簡単にするために、一般に不利ではあるが代替の態様は、300mg錠剤またはカプセルのジドブジンおよび1、1.5または2mgのアロブジンを含む錠剤またはカプセルを、朝および夜に一緒にまたは間をおかずに連続で服用する投与を含みうる。
【0023】
直前のパラグラフで記載したものなどの連続的投与の剤形は、ジドブジン錠剤のブリスターパックまたはアロブジン錠剤のブリスターパックを各々含む個別のカートンなどの、別々のパッケージとして提供されうる。さらなる例は、ジドブジンおよびアロブジンのカプセルまたは錠剤の別々の瓶を含みうる。少なくとも1つの瓶またはカートンは典型的には、アロブジンは特徴的な1:100〜1:350の比でジドブジンと併用投与されるべきものであることを知らせる使用説明書またはその他の印刷された指示書を含むであろう。しかし、通常のカートンは適宜、アロブジンを含むブリスターシートおよびジドブジンを含むブリスターシートの両方を含む。
【0024】
好ましい連続的投与剤形において、アロブジンおよびジドブジンの錠剤またはカプセルの各々は、各々の成分が正しく服用されるような視覚からの働きかけが与えられる空間配置がされた、同じブリスターシートから提供される。例えば、アロブジンの意図した薬量が2、3または4mgQDでありジドブジンの薬量が300mgBIDである場合、ブリスターシートは、アロブジン錠剤の1列とそれに平行した各々同数のジドブジン錠剤を含む2列を配置していてもよい。それにより、特定の投与機会にアロブジンおよびジドブジンの両方を服用すべきか、ジドブジンのみを服用すべきかを確実にすることが患者にとって容易になるであろう。ブリスターシートの個々のブリスターは、コンプライアンスをさらに支援するために、一週間のうちの何曜日などの印を付してもよい。
【0025】
しかし、好ましくは、アロブジンおよびジドブジンは、カプセルまたは糖衣錠またはより好ましくは錠剤などの通常の単位剤形で提供される。単位剤形は、BID投与、すなわち、各投与単位(おそらくは、単一の錠剤またはカプセルが任意の一回の投与機会に服用されると考えられる)にアロブジンおよびジドブジン成分の意図した日薬量の半分を含むように調整されていてもよい。この態様に沿った典型的な単位剤形は、300mgジドブジンおよび1または1.25mgアロブジンを含むカプセルまたは錠剤を含む。
【0026】
投薬計画が、複数で同じ投薬単位を同時に摂取することを要する場合(典型的には、各々が133mgロピナビルおよび33mgリトナビルを含む2つのソフトタブレットとして1日に3回投与される、ロピナビル/リトナビルの組み合わせカレトラTMの場合のように)、各々の単位投与のアロブジンおよびジドブジンの量はそれにしたがって調節される。
【0027】
別の単位剤形は、QD投与のために調整される。QD投与はコンプライアンスを促進し、同時に毒性を軽減し、協力的抗ウイルス効果をもたらす。よって、成人用を意図した錠剤またはカプセルは、2〜4mgアロブジンおよび300〜600mgジドブジンを含みうる。好ましい単位剤形は:2mgアロブジンおよび300mg、400mg、500mgまたはとりわけ600mgジドブジン;2.5mgアロブジンおよび300mg、400mg、500mgまたはとりわけ600mgジドブジン;3mgアロブジンおよび300mg、400mg、500mgまたはとりわけ600mgジドブジン;または4mgアロブジンおよび300mg、400mg、500mgまたはとりわけ600mgジドブジンを含む。
【0028】
組み合わせ療法が例外と言うよりはむしろ標準であるHIV療法においては通常のことであるが、本発明の方法および医薬組成物は、1または2の追加の医薬、特に追加のHIV抗ウイルス剤をさらに含みうる。追加のHIV抗ウイルス剤(複数でもよい)は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)、インテグラーゼ阻害剤、融合阻害剤、成熟阻害剤(maturation inhibitor)などの作用分類の何れかから選択してもよい。追加のHIV抗ウイルス剤は、典型的には、それらの慣用の薬量で併用するかまたは同時に服用する。
【0029】
代表的なNRTIには、スタブジン(d4T、ゼリット)、ザルシタビン(ddC)、ジダノシン(ddl、ヴァイデックス)、アバカビル(ABC、ザイアジェン)、ラミブジン(3TC、エピビル)、エムトリシタビン(FTC、エムトリバ)、ラセビル(ラセミFTC)、アデホビル(ADV)、エンタカビル(BMS200475)、アロブジン(FLT)、テノホビルジソプロキシルフマレート(TNF、バイリード(Viread))、アムドキサビル(DAPD)、D−d4FC(DPC−817)、(−)dOTC(Shire SPD754)、エルブシタビン(Achillion ACH−126443)、BCH10681(Shire SPD756)、ラシビル、D−FDOC、GS7340、INK―20(チオエーテルホスホリピッドAZT、Kucera)、2’3’−ジデオキシ−3’−フルオログアノジン(FLG)およびそのプロドラッグ(MIV―210など)、リバーセット(RVT、D−D4FC、ファーマセット DPC−817)が含まれる。
【0030】
代表的なNRTIには、デラビルジン(レスクリプター)、エファビレンツ(DMP−266、サスティバ)、ネビラピン(BIRG−587、ビラミュン)、(+)カラノリドAおよびB(Advanced Life Sciences)、カプラビリン(AG1549f S−1153;Pfizer)、GW−695634(GW−8248;GSK)、MIV−150(Medivir)、MV026048(MIV−160 Medivir AB)、MIV−170(Medivir)、NV−0522(Idenix Pharm.)、R−278474(Johnson&Johnson)、RS−1588(Idenix Pharm.)、TMC−120/125(Johnson&Johnson)、リルピビリン(TMC−278,165335;Johnson&Johnson)、UC−781(Biosyn Inc.)およびYM215389(Yamanoushi)が含まれる。
【0031】
代表的なHIVプロテアーゼ阻害剤には、BEA−403(Medivir)、PA−457(Panacos)、KPC−2(Kucera Pharm.)、5HGTV−43(Enzo Biochem)、アムプレナビル(VX−478、アジェネレース)、アタザナビル(レイアタッツ)、インディナビルスルフェート(MK−639、クリキシバン)、レキシバ(フォサムプレナビルカルシウム、GW−433908または908、VX−175)、リトナビル(ノルビル)、ロピナビル+リトナビル(ABT−378、カレトラ)、チプラナビル、ネルフィナビルメシレート(ビラセプト)、サキナビル(インビレース、フォルトベース)、AG1776(JE−2147、KNI−764;Nippon Mining Holdings)、AG−1859(Pfizer)、DPC−681/684(BMS)、GS224338;Gilead Sciences)、KNI−272(Nippon Mining Holdings)、Nar−DG−35(Narhex)、P(PL)−100(P−1946;Procyon Biopharma)、P−1946(Procyon Biopharma)、R−944(Hoffmann−LaRoche)、RO−0334649(Hoffmann−LaRoche)、TMC−114(Johnson&Johnson)、VX−385(GW640385;GSK/Vertex)、VX−478(Vertex/GSK)が含まれる。
【0032】
その他のHIV抗ウイルス剤には、融合阻害剤、CD4レセプターの阻害剤、CCR5コレセプターの阻害剤およびCXCR4コレセプターの阻害剤、または医薬として許容なその塩またはそのプロドラッグを含む侵入阻害剤が含まれる。侵入阻害剤の例は、AMD−070(AMD11070;AnorMed)、BlockAide/CR(ADVENTRX Pharm.)、BMS806(BMS−378806;BMS)、エンフビルチド(T−20、R698、フューゼオン)、KRH1636(Kureha Pharmaceuticals)、ONO−4128(GW−873140、AK−602、E−913;ONO Pharmaceuticals)、Pro−140(Progenics Pharm)、PRO542(Progenics Pharm.)、SCH−D(SCH−417690;Schering−Plough)、T−1249(R724;Roche/Trimeris)、TAK−220(Takeda Chem. Ind.)、TNX−355(Tanox)およびUK−427,857(Pfizer)である。インテグラーゼ阻害剤の例は、L−870810(Merck&Co.)、c−2507(Merck&Co.)およびS(RSC)−1838(Shionogi/GSK)である。
【0033】
本発明の方法または医薬組成物において使用するために一般に好ましい追加の抗ウイルス剤は、cis−1−(5−シアノピリジン−2−イル)−3−(4,7−ジフルオロ−1,1a,2,7b−テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン−1−イル)ウレアとしても知られているMIV−160である。MIV−160の合成は、WO02/070516に記載されている。好適な成人薬量としては、250〜1500mg、例えば400mgまたは800mg、典型的にはQDまたはBIDが挙げられる。
【0034】
MIV−160を含む本発明の態様は、チトクロームアンタゴニスト、とりわけCyp450 3A4阻害剤、例えばクレープフルーツジュースまたはより好ましくはリトナビルと適宜併用投与される。リトナビルはHIVの処置について既に登録されたプロテアーゼ阻害剤であり、600mgBIDの成人薬量、しかし追加剤(booster)として使用する場合はかなり低薬量、典型的には100または200mgBIDが推奨される。追加薬を使用する場合は、典型的にはMIV−160の薬量は低くすることができる。
【0035】
本発明のこの側面について典型的な単位薬量の態様は、下表に示される錠剤が含まれる:
【0036】
【表1】

【0037】
本発明において使用するためにさらに好ましいNNRTIは、N−[(1S,1aR,7bR)−4,7−ジフロオロ−1,1a,2,7b−テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン−1−イル]−N’−[5−(4−(スルホンアミド)フェノキシ)−2−ピラジニル]ウレアとしても知られているMIV−170である。MIV−170の合成はWO05/066131に示されている。典型的成人薬量は、約100〜900mg/日、とりわけ300〜600mgQDである。特定の比でのアロブジンおよびジドブジンとのMIV−170の組み合わせは、一般的には経口のバイオアベイラビリティーが実質的に改善するため、リトナビルの追加を必要としないであろう。
【0038】
この態様の典型的投薬計画には以下のものが含まれる:
【0039】
【表2】

【0040】
ここで本発明の概要に戻ると、一般にアロブジンおよびジドブジンは製剤が困難とは認識されておらず、慣用の製剤方法、賦形剤および担体が広く使用可能である。上述の追加の抗ウイルス剤のいずれかとアロブジンおよびジドブジンの併用製剤は、当業者には明らかであろうが、当該追加抗ウイルス剤に対して適切に製剤を調製することが必要な場合もある。好ましい追加の抗ウイルス剤のMIV−160、MIV−170およびリトナビルは、製剤に克服できない困難があるとは考えられていない。
【0041】
上述のよく知られた製剤方法としては、慣用の医薬担体を伴うように、特定の範囲の比率のアロブジンおよびジドブジンならびに任意の追加の抗ウイルス剤を取る工程が挙げられる。一般に、製剤は、液体担体または微粉化された固体担体またはその両方を伴うように活性薬剤を均一かつ緊密にとって、その後必要であれば製剤を形作ることにより調製される。本発明は、特定の範囲の比率のアロブジンおよびジドブジン、ならびに場合によっては1または2の追加の抗ウイルス剤を、医薬として許容される担体またはビークル(vehicle)を伴ってまたは併用して取ることを含む、医薬組成物の調製方法に及ぶ。医薬組成物の製造が医薬賦形剤および塩の形態の活性成分の緊密な混合を含む場合、非塩基性である、即ち酸性または中性のどちらかの賦形剤を使用することが往々にして好ましい。
【0042】
本発明の経口投与用の製剤は、それぞれが所定の量の活性薬剤を含む、カプセル、カシェ剤または錠剤などの別々の単位として提供されてもよい。あるいは、それらは、粉体または顆粒として;水性液体または非水性液体中の活性薬剤の溶液または懸濁液として;または水中油液体エマルジョンもしくは油中水液体エマルジョンとして;またはボーラスなどとして提供されうる。
【0043】
経口投与(例えば、錠剤またはカプセル)のための組成物について、用語「好適な担体」には、慣用の賦形剤などのビークル、例えば、結合剤(シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、スクロースおよびデンプンなど);充填剤または担体、例えば、コーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、スクロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸ジカルシウム、塩化ナトリウムおよびアルギン酸;ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムおよび他の金属ステアリン酸塩、グリセロールステアレート、ステアリン酸、シリコーンオイル、タルクワックス、オイルおよびコロイド状シリカなど)が挙げられる。香味剤、例えばペパーミント、ウインターグリーン油、チェリーフレーバーなどもまた使用されうる。剤形を容易に認識可能にするために、着色剤を加えることが望ましい場合もある。錠剤はまた、当該技術分野においてよく知られた方法によりコーティングされていてもよい。
【0044】
錠剤は、場合によっては1以上の付帯適性分と共に、圧縮または成型により製造されうる。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、保存剤、界面活性剤または分散剤と混合した、自由流動性の形態、例えば粉体または粒状の活性薬剤を、好適な機械にて圧縮することにより調製されうる。成型錠剤は、不活性液体希釈剤でしめらせた粉末の化合物の混合物を好適な機械にて成型することにより調製されうる。錠剤は、コーティングされていても分割用割れ目が入れてあってもよく、活性薬剤の徐放または制御放出を行うための製剤がされていてもよい。
【0045】
経口投与に好適な別の製剤には、フレーバー基剤、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性薬剤を含むロゼンジ剤;不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリシン、またはスクロースおよびアカシア中に活性薬剤を含むトローチ;および好適な液体担体中に活性薬剤を含むマウスウォッシュが挙げられる。
【0046】
アロブジンおよび/またはジドブジンは、遊離のヌクレオシドまたは慣用の医薬として許容なその塩またはその水和物として投与されうる。慣用の塩としては、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トシル酸塩およびマレイン酸塩、およびリン酸または硫酸と形成した塩が挙げられる。別の側面では、好適な塩は塩基性塩、例えばアルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)、または有機アミン塩(例えば、トリエチルアミン)である。溶媒和物の例としては水和物が挙げられる。
【0047】
あるいは、アロブジンおよび/またはジドブジンは、生体内で、アロブジン/ジドブジンまたはアロブジン/ジドブジンモノホスフェートを放出するプロドラッグとして投与されうる。当該ヌクレオシドを生体内で放出する慣用のヌクレオシドプロドラッグとしては、5’−アルキルエステル、例えば、アセチル、ピバロイルまたはステアロイル、または5’アミノエステル、例えば、L−バリル、L−イソロイシルまたはL−ラクチル−L−バリルエステルが挙げられる。生体内でジドブジンモノホスフェートを放出するプロドラッグとしては、フォシブジンチドキシル(fosivudine tidoxil)などのフォシブジン(fosivudine)が挙げられる。生体内でアロブジンを放出するプロドラッグとしては、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)などの、EP350287、EP545966、EP741740およびEP763049に記載されたフォシブジン類縁体が挙げられる:
【0048】
【化1】

【0049】
[式中、nは11であり、mは9であり、RはFである(フォサルブジン)、またはRはNである(フォシブジン)]。
【0050】
本明細書およびクレームでのアロブジンおよびジドブジンへの言及は、当該塩、水和物およびプロドラッグもまた意味し、ここで、重量(日薬量など)は、遊離のヌクレオシドに対して分子量の増加に対応して典型的には上方修正される。
【0051】
ここで、ジドブジンは現在ジェネリックであり、世界中の多くの製造者から医薬グレードで広く入手可能である。アロブジンは、EP470355またはWO94/26762に記載されているかそれに類似する、アルミニウムまたは鉄で触媒される無水ヌクレオシド経路を使用して簡便に合成される。フォシブジンおよびフォサルブジンは既に引用した特許において調製されている。MIV−160およびMIV−170の合成は既に特定したとおりである。
【0052】
態様の詳細な説明
ここで、本発明の種々の側面を、例示に過ぎない以下の非限定的実施例により説明する。
【0053】
細胞系実験でのミトコンドリア毒性の決定
アロブジン、ジドブジンおよびその両方の投与後の、ミトコンドリアDNA合成の阻害を明らかにするよう設計された実験を以下に説明する。HIV増殖をサポートするいくつかの好適な細胞系は容易に入手可能であり、例えば、CEMx174細胞系(Swedish Institute for Infectious Disease Control(SMI)由来、Sweden)、MT−4(購入により入手可能)およびHep G2(購入により入手可能)などの、HIV増殖をサポートする細胞系が挙げられる。
【0054】
要するに、100μl細胞を96ウェルプレートに1×10細胞/mlの濃度で播種し、指数関数的増殖で、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(Gibco製)およびペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco製)を加えたRPMI1640培地(Gibco製)中で培養した。3または4日ごとに培地を交換し、細胞を1週間に1度1:10の希釈度で二次培養する。全ての培養物についてマイコプラズマ感染を定期的に確認し、37℃で加湿した5%CO雰囲気下で増殖させる。
【0055】
試験した全ての薬剤は、まずジメチルスルホキシド(DMSO)に10mMで溶解させ、その後、培養培地中で適当な濃度にさらに希釈した。ミトコンドリアDNAの分析は、修正を加えた、既に報告されている(Zhang、Hら、Mol.Pharmacol.1994年、46巻:1063〜1069頁)、タックマンの技術を使用することにより行った。
【0056】
一連の期間の間、細胞を、試験薬剤、例えば、アロブジン、フォサルブジン、ジドブジン、アバカビルなど、またはアロブジン/フォサルブジンおよびジドブジン/アバカビルの種々の組み合わせにより処理した。各々の表において種々の比率を示した。薬剤の加えて14日後、細胞を回収した。QiAamp DNA blood Mini kit(QIAGEN、Chatsworth、CA)を使用して、Qiagene Blood&Body Fluid Spin Protocolについての製造者説明書にしたがって、全細胞DNAを調製し、DNA増幅に付した。
【0057】
DNA増幅中にTaqDNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性による分光学的応答を発生させるために、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を利用する内部クエンチDNAプローブを使用する、ミトコンドリアDNAタックマンおよびヒト核DNAのプローブは、Applied Biosystemsにおいて調製された。この方法は、特別に設計されたタッマンプローブ:D−ループ、5’フルオロ標識、6−FAM−ACG CTG GAG CCG GAG−MGBNFQに対応するミトコンドリアDNAプローブ;一対のDNA増幅プライマー(正方向ミトコンドリアDNAプライマー:5’−CAC GCG ATA GCA TTG CGA−3’および逆方向ミトコンドリアDNAプライマー:5’−AGG AAT CAA AGA CAG ATA CTG CGA−3’、ならびに正方向核DNAプライマー:5’−GCG GCG ACG ACC CA−3’ および逆方向細胞核DNAプライマー:5’−GGC GAC TAC CAT CGA AAG TTG−3’)を伴う、18SリボソームRNA、5’フルオロ標識、6’FAM−TCG AAC GTC TGC CC−MGBNFQに対応する核DNAのプローブに存在する蛍光色素を励起させるためのレーザースキャンニング技術を用いるPCR型アッセイを使用する。これは、ABI PRISM 7700および蛍光性5’ヌクレアーゼアッセイのためのタックマン試薬を使用する、PCRのリアルタイム検出のための、完全に統合されたシステムである。
【0058】
細胞増殖は、細胞核DNA(16SリボソームDNA)により制御された。ミトコンドリアアッセイの結果は、対照(薬剤を添加しない)との比較でのミトコンドリアDNAおよび細胞核DNAの阻害のパーセンテージとして示す。
【0059】
実施例1
上記のアッセイを、Tリンパ球由来のMT4細胞系において行った。アロブジンまたはジドブジンの単独療法、またはアロブジンおよびジドブジンの組み合わせによる併用療法を、以下の表1に示したモル濃度で行った:
【0060】
【表3】

【0061】
アロブジンの単独療法では、0.1μMの濃度でも、この実験においてミトコンドリアDNA複製数の70%の減少が引き起こされたことが表1から明らかである。この阻害は、モルで1:100の比でのジドブジンの存在により取り除かれた。
【0062】
ここで、上述のWO91/01137の特に好ましい範囲内の比である、1μMアロブジン:10μMジドブジンの組み合わせに注目すると、ミトコンドリアDNAコピー数の顕著な減少を伴う著しい細胞毒性(核DNAコピー数における60%の低下に反映している)が存在することがわかる。臨床において、この細胞毒性は、アロブジン単独と比較してのミトコンドリア毒性の減少を覆い隠してしまう。しかし、問題なのは、この先行技術のアロブジン/ジドブジンの組み合わせにおいてもかなり相当のレベルのミトコンドリア毒性が残っていることである。
【0063】
対照的に、本発明の範囲内の1:100のモル日(重量:重量で1:110に対応する)のアロブジンおよびジドブジンは、完全にミトコンドリアDNAコピー数の減少を根絶した。
【0064】
実施例2
上述の実験を、追加の濃度のアロブジンおよび/またはジドブジンでMT−4細胞において繰り返した。生データおよび統計データを表2Aに示す。当該データは以下の表2Bに概要を示す。
【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
このように実験により、アロブジンのミトコンドリア毒性は、顕著に大きなモル濃度のジドブジンの併用投与により回復することができるという実施例1の結果を確認した。
【0068】
実施例3
EP741740の実施例4に記載したように製造した、アロブジンモノホスフェートプロドラッグのフォサルブジンチドキシル、および/またはジドブジンを使用して、MT−4細胞においてさらなるミトコンドリア減少アッセイを行った。結果を表3に示す。
【0069】
【表6】

【0070】
やはり、mtDNA減少で測定されるように、単独療法でのアロブジン(今回はモノホスフェートプロドラッグとして投与された)は、顕著なミトコンドリア毒性を伴った。この毒性は、100倍量のジドブジンの併用投与により回復した。
【0071】
比較例1
アロブジン、アロブジン+アバカビルのミトコンドリア毒性をMT−4細胞において決定した。
【0072】
70:1のモル比のアバカビルおよびアロブジンは、第2相臨床試験において協力活性を示した(WO2004/002433を参照)。この特許出願はまた、200:1のモル比での細胞培養アッセイでの抗ウイルス効果として協力活性を記載する。種々の濃度のアバカビル、アロブジン、またはアバカビルおよびアロブジンを実施例1に記載したように試験した。
【0073】
【表7】

【0074】
結果は、アロブジンのミトコンドリア毒性は、低モル比または高モル比(1:10アロブジン:アバカビルまたは1:100アロブジン:アバカビル)においてもNRTIアバカビルの添加によっては回復しなかったことを示す。これより、抗ウイルス効果について達成される協力は、ミトコンドリア毒性についてのアンタゴニズムとは作用的に関連しないことが示唆される。
【0075】
この出願で言及した特許および特許出願を含むすべての文献は、可能なかぎりの完全な範囲で参照により本明細書に援用される。
【0076】
本明細書および以下のクレームを通して、文脈が要求しない限り、用語「含む(comprise)」およびその変化形(例えば、comprises、comprising)は、特定した整数または工程または整数の群を含むことを意味するが、その他の整数または工程または整数の群および工程の群を除外することを意味するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1:100〜1:350の範囲のモル比でアロブジンおよびジドブジンを含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記比が1:150〜1:250,好ましくは1:150〜1:200の範囲にある、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
さらに1または2の追加の薬剤を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
追加の薬剤がHIV抗ウイルス剤MIV−170であるか;または追加の薬剤が、単独、もしくは追加剤薬量のリトナビルを伴うHIV抗ウイルス剤MIV−160である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
QDの単位剤形で提供される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
2〜4mgのアロブジン、および300〜900mgのジドブジンを含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
600mgのジドブジンを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
アロブジンが、アロブジンモノホスフェートプロドラッグのフォサルブジンチドキシルとして投与される、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
1;100〜1:350の範囲の比でのアロブジンおよびジドブジンの同時または連続的投与を含む、HIVの治療または予防の方法。
【請求項10】
前記比が1:150〜1:250,好ましくは1:150〜1:200の範囲にある、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに1または2の追加の薬剤の同時または連続的投与を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
追加の薬剤がHIV抗ウイルス剤MIV−170であるか;または単独、もしくは追加剤薬量のリトナビルを伴うHIV抗ウイルス剤MIV−160である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アロブジンおよびジドブジンがQDの単位剤形で提供される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
単位剤形が2〜4mgのアロブジン、および300〜900mgのジドブジンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
単位剤形が600mgのジドブジンを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アロブジンの薬量が2〜4mgQDであり、ジドブジンの薬量が300mgBIDである、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
アロブジンが、アロブジンモノホスフェートプロドラッグのフォシブジンチドキシルとして投与される、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
(i)アロブジンを含む医薬組成物;および
(ii)ジドブジンを含む医薬組成物;
を含む医薬キットであって、アロブジンおよびジドブジンが1;100〜1:350の範囲のモル比で前記キットに存在することを特徴とする、前記医薬キット。

【公表番号】特表2009−536192(P2009−536192A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508627(P2009−508627)
【出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051688
【国際公開番号】WO2007/129274
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(507261423)メディヴィル・アクチエボラーグ (6)
【Fターム(参考)】