説明

1H−ピリミド[4,5−b]インドール誘導体、これらの調製及び治療的使用

本発明は、塩基又は酸付加塩形及び水和物又は溶媒和物形での、一般式(I)[式中、nは、0又は1を表し、Xは、水素又はハロゲン原子を表し、Yは、OR基又はNR基を表し、Rは、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、Rは、(C−C)アルキル、フェニル又は単環式若しくは二環式複素環基を表し、該フェニル又は複素環基は、1個以上のハロゲン原子及び/又は1個以上の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル若しくは(C−C)ジアルキルアミノ(C−C)アルキル基を有することができ、Rは、水素原子、(C−C)アルキル又はベンジル基を表し、R及びRは、それぞれ、お互いに独立して、水素原子若しくは(C−C)アルキル基を表し又はR及びRは、これらを有する窒素原子と共に、(C−C)アルキル、フェニル若しくは複素環によって場合により置換された、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成する]の化合物に関する。本発明は、また、この化合物の調製方法及びこれらの治療的使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一つの主題は、1H−ピリミド[4,5−b]インドール誘導体である。
【0002】
本発明の第一主題は、下記の一般式(I)に相当する化合物に関する。
【0003】
本発明の他の主題は、一般式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0004】
本発明の他の主題は、特に、一般式(I)の化合物を合成するための中間体として使用することができる化合物に関する。
【0005】
本発明の他の主題は、特に、薬物療法に於ける又は医薬組成物に於ける、一般式(I)の化合物の使用に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の化合物は、一般式(I):
【0007】
【化8】

[式中、nは、数字0又は1を表し、
Xは、水素又はハロゲン原子を表し、
Yは、OR基又はNR基を表し、
は、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、
は、(C−C)アルキル基、フェニル又は単環式若しくは二環式複素環を表し、前記フェニル又は複素環基は、可能であれば、1個以上のハロゲン原子及び/又は1個以上の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル若しくは(C−C)ジアルキルアミノ(C−C)アルキル基を有し、
は、水素原子、(C−C)アルキル基又はベンジルを表し、並びに
及びRは、それぞれ、お互いに独立して、水素原子若しくは(C−C)アルキル基を表し又はR及びRは、これらが有する窒素原子と共に、(C−C)アルキル、フェニル若しくは複素環によって場合により置換された、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成する]
に相当する。
【0008】
式(I)の化合物には、1個以上の不斉炭素原子が含まれてもよい。従って、これらは、エナンチオマー又はジアステレオ異性体の形で存在する。これらのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びまたラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の一部を形成する。
【0009】
式(I)の化合物は、塩基又は酸付加塩形で存在してよい。このような付加塩は、本発明の一部を形成する。これらの塩は、有利には、医薬的に許容される酸によって調製されるが、例えば、式(I)の化合物を精製又は単離するために有用である他の酸の塩も、本発明の一部を形成する。
【0010】
式(I)の化合物は、また、水和物又は溶媒和物、即ち、1個以上の水分子又は溶媒との会合又は組合せの形で存在してもよい。このような水和物及び溶媒和物も、本発明の一部を形成する。
【0011】
本発明の範囲内で、下記の通りである。
−ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を表す。
−(C−C)(但し、t及びzは、1から6の値を取り得る)は、1から6個の炭素原子を有してよい炭素系鎖を表す。
−アルキル基は、1個以上のハロゲン原子によって場合により置換された、飽和、直鎖、分枝鎖若しくは環式又はこれらの組合せの脂肪族基を表す。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオロメチル又はトリフルオロメチル基を挙げることができる。
−アルコキシル基は、アルキル基(但し、アルキル基は前記定義された通りである)によって置換された酸素原子を表す。例えば、メトキシル基を挙げることができる。
−アルキルアミノ基は、アルキル基(但し、アルキル基は前記定義された通りである)によって置換されたアミンを表す。例えば、メチルアミノ基を挙げることができる。
−アルキルアミノアルキル基は、アルキルアミノ基によって置換されたアルキル基を表す。例えば、(メチルアミノ)メチル基を挙げることができる。
−ジアルキルアミノ基は、2個のアルキル基(但し、それぞれのアルキル基は前記定義された通りである)によって置換されたアミンを表す。例えば、ジメチルアミノ基を挙げることができる。
−ジアルキルアミノアルキル基は、ジアルキルアミノ基によって置換されたアルキル基を表す。例えば、(ジメチルアミノ)メチル基を挙げることができる。
−アルコキシアルキル基は、アルコキシル基によって置換されたアルキル基を表す。例えば、メトキシメチル、エトキシメチル又はメトキシエチル基を挙げることができる。
−複素環は、O、S又はNから選択される少なくとも1種の原子を有する、4から12個の鎖員を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族環を表す。単環式複素環の例として、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、フラニル、チオフェニル又はテトラヒドロピラニル基を挙げることができる。二環式複素環の例として、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キノアゾリニル、フタラジニル、シノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル又はベンゾチオフェニル基を挙げることができる。
【0012】
一般式(I)の化合物の第一サブグループは、式中、
nが、数字0又は1を表し、
Xが、水素又はハロゲン原子を表し、
Yが、OR基又はNR基を表し、
が、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、
が、フェニル又はピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル若しくはピリダジニル型の複素環を表し、フェニル又は複素環基が、可能であれば、1個以上のハロゲン原子及び/又は1個以上の(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシル基を有し、
が、水素、(C−C)アルキル基又はベンジルを表し、並びに
及びRが、それぞれ、お互いに独立して、水素原子若しくは(C−C)アルキル基を表し又はR及びRが、これらが有する窒素原子と共に、(C−C)アルキル、フェニル又はアゼチジニルによって場合により置換された、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニル基を形成する、
化合物から構成される。
【0013】
一般式(I)の化合物の第二サブグループは、式中、
nが、数字0又は1を表し、並びに/又は
Xが、水素又はハロゲン原子、更に特に、塩素若しくはフッ素を表し、並びに/又は
Yが、OR基又はNR基を表し、並びに/又は
が、水素原子又は(C−C)アルキル基、更に特に、メチルを表し、並びに/又は
が、フェニル又はピリジニル若しくはピラジニル型の複素環を表し、フェニル又は複素環基が、可能であれば、1個以上の(C−C)アルキル基、更に特に、メチル基若しくは(C−C)アルコキシル基、更に特に、メトキシを有し、並びに/又は
が、水素又は(C−C)アルキル、更に特に、メチル若しくはエチルを表し、並びに/又は
及びRが、それぞれ、お互いに独立して、(C−C)アルキル基、更に特に、メチル若しくはエチルを表し又はR及びRが、これらが有する窒素原子と共に、(C−C)アルキル、更に特に、メチル若しくはアゼチジニルによって場合により置換された、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル若しくはピペラジニル基を形成する、
化合物から構成される。
【0014】
一般式(I)の化合物の第三サブグループは、式中、
nが、数字0又は1を表し、
Xが、水素又はフッ素若しくは塩素原子を表し、
Yが、ヒドロキシ、OCH、O(CHCH)、N(CH、N(CHCH、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、(N−アゼチジニル)ピペリジニル又はN−メチルピペラジニル基を表し、
が、水素原子、メチル又はイソブチル基を表し、及び
が、フェニル、メチル、イソプロピル若しくはシクロプロピル基又はピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、テトラヒドロキノリニル若しくはテトラヒドロピラニル型の複素環を表し、フェニル及び複素環基は、可能であれば、1個以上のハロゲン基及び/又は1個以上の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ(C−C)アルキル基によって場合により置換されている、
化合物から構成される。
【0015】
本発明の主題である式(I)の化合物の中で、下記の化合物を特に挙げることができる。
1. N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
2. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
3. 7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
4. 6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
5. 7−クロロ−N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
6. 7−クロロ−N,N−ジエチル−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7. 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
8. 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
9. 7−クロロ−9−メチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
10. 4−[(4−アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イルカルボニル]−7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
11. 7−クロロ−9−メチル−4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
12. 6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
13. 7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
14. 7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
15. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
16. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
17. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−2−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
18. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピラジン−2−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
19. 2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
20. 2−(6−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
21. 2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
22. 2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
23. N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
24. エチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート;
25. メチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート;
26. 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボン酸;
27. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
28. 7−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
29. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(2−メチルピリジン−4−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
30. 7−クロロ−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
31. 7−クロロ−9−イソブチル−N,N−ジメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
32. 7−クロロ−2−シクロプロピル−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
33. 7−クロロ−N,N,2,9−テトラメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
34. 7−クロロ−2−イソプロピル−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
35. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
36. 7−クロロ−2−{4−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
37. 7−クロロ−2−(6−クロロピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
38. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−[6−トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
39. 7−クロロ−2−(6−エトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
40. 7−クロロ−2−(6−エチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
41. 7−クロロ−2−(5−エチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
42. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(5−メチルピリジン−3−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
43. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリミジン−5−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
44. 7−クロロ−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
45. 7−クロロ−2−[6−(メトキシメチル)ピリジン−3−イル]−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
46. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
47. 7−クロロ−2−{6−[(ジメチルアミノ)メチル]ピリジン−3−イル}−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
48. 7−クロロ−2−(5,6−ジメチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
49. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
50. 7−クロロ−2−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド。
【0016】
一般式(I)の化合物は、下記のスキームによって示される方法によって調製することができる。
【0017】
表現「離脱基」は、下記の点で、電子対の離脱による不均一結合の開裂によって、分子から容易に分離できる基を意味すると理解される。従って、この基は、例えば、置換反応の間に、他の基によって容易に置換させることができる。このような離脱基は、例えば、ハロゲン又は活性化ヒドロキシ基、例えば、メシル、トシル、トリフラート、アセチルなどである。離脱基の例及びまたこれらの調製のための文献は、「Advances in Organic Chemistry」,J.March、第3版、Wiley Interscience、p.310−316に記載されている。
【0018】
【化9】

【0019】
カルボキサミド(n=0、Y=NR)のための合成経路
スキーム1に示されるように、一般式(II)(式中、X及びRは、前記定義された通りである)の2−オキシインドールを、最初に、極性非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン中で塩化オキサリルの作用により、次いで、一般式HNR(式中、R及びRは、前記定義された通りである)のアミンの作用により、一般式(III)(式中、X、R、R及びRは、前記定義された通りである)の2−クロロインドールに転化させる。一般式(III)の2−クロロインドールを、一般式RC(NH)NH(式中、Rは、前記定義された通りである)の、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールアミジンの存在下で、非極性又は極性溶媒、例えば、キシレン又はN,N−ジメチルホルムアミド中で加熱することによって環化して、一般式(I)(式中、X、R、R、R及びRは、前記定義された通りである)の化合物にする。
【0020】
式中、R=(C−C)アルキルである化合物(Ib)は、式中、R=Hである化合物(Ia)から、例えば、1,1−ジ(C−C)アルコキシトリメチルアミンを使用して、熱トルエンのような溶媒中でのアルキル化反応を経て得ることができる。
【0021】
式中、R=(C−C)アルキルである化合物(IIb)は、式中、R=Hである化合物(IIa)から、例えば、硫酸ジアルキルを使用して、文献(G.W.Rewcastle et al.,J.Med.Chem.(1994),37,2033)に記載された手順と同様にしてアルキル化を経て得ることができる。
【0022】
一般式(IIa)の2−オキシインドールは、文献で公知であり、市販されている。
【0023】
カルボン酸エステル(n=0;Y=OR)のための合成経路
スキーム2に示されるように、一般式(IV)(式中、X及びRは、前記定義された通りである)の2−クロロインドールを、塩化チオニルで処理し、次いで一般式RC(NH)NH(式中、Rは、前記定義された通りである)の、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールアミジンを添加し、最後に、高沸点溶媒、例えば、ジフェニルエーテル中で加熱することによって、ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン(V)に転化させる。ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン(V)は、また、一般式(VI)(式中、X及びRは、前記定義された通りであり、Rは(C−C)アルキルである)の2−アミノインドールから、これを、一般式RCN(式中、Rは、前記定義された通りである)のシアノアリール又はシアノヘテロアリール誘導体と、塩基、例えば、水素化ナトリウムの存在下で、極性非プロトン性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中で、熱時に反応させることによって得ることができる。
【0024】
次いで、一般式(V)(式中、X、R及びRは、前記定義された通りである)のピリミド[4,5−b]インドール−4−オンを、例えば、ジクロロメタンのような溶媒中でトリフルオロメタンスルホン酸無水物の存在下で、一般式(VII)(式中、X、R及びRは、前記定義された通りであり、OTfは、トリフラート基である)のトリフラートに転化させる。最後に、一般式(I)(式中、X、R、R及びRは、前記定義された通りである)のエステルが、例えば、触媒、例えば、酢酸パラジウム、一酸化炭素、ホスフィン型のリガンド、例えば、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び一般式ROH(式中、Rは、前記定義された通りである)のアルコールの存在下で、一般式(VII)のトリフラートのカルボニル化反応によって得られる。
【0025】
【化10】

一般式(I)(式中、n=0;Y=OR、R=(C−C)アルキル、X、R及びRは、前記定義された通りである)のエステルは、また、一般式(I)(式中、n=0;Y=NR、R=(C−C)アルキル、X、R、R及びRは、前記定義された通りである)の対応するアミドから、例えば、R及びRが、お互いから独立してメチルを表すとき、一般式ROH(式中、Rは前記定義された通りである)のアルコール中で、高温度で、酸、例えば、硫酸の作用により得ることができる。
【0026】
一般式(I)(式中、n=0;Y=NR、X、R、R、R及びRは、前記定義された通りである)のアミドは、また、一般式(I)(式中、n=0;Y=OR、R=(C−C)アルキル、X、R及びRは、前記定義された通りである)のエステルから、例えば、トルエンのような溶媒中で、トリアルキルアルミニウム誘導体の存在下で、一般式HNR(式中、R及びRは、前記定義された通りである)のアミンの作用により得ることができる。
【0027】
一般式(I)(式中、n=0;Y=OR、R=H、X、R、Rは、前記定義された通りである)の酸は、また、溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール及び水の混合物中で、塩基、例えば、水酸化リチウム一水和物の存在下で、R=(C−C)アルキルである対応するエステルの鹸化により得ることができる。
【0028】
一般式(I)(式中、n=0;Y=NR、X、R、R、R及びRは、前記定義された通りである)のアミドは、また、当業者に公知の方法に従った、一般式(I)(式中、n=0;Y=OR及びR=H)の対応する酸と、前記定義された通りの一般式HNRのアミンとのカップリングにより得ることができる。
【0029】
アセトアミド(n=1、Y=NR)のための合成経路
スキーム3に従って、前記定義された通りの一般式(V)のピリミド[4,5−b]インドール−4−オン誘導体を、高温度で、極性非プロトン溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中でハロゲン化剤、例えば、塩化オキサリルを使用することにより、一般式(VIII)(式中、X、R及びRは、前記定義された通りであり、Halは、ハロゲン原子である)の4−ハロピリミド[4,5−b]インドールに転化させる。次いで、一般式(VIII)の化合物を、塩基及び金属塩、例えば、銅塩の存在下で、一般式R’O(CO)CH(CO)NR(式中、R及びRは、前記定義された通りであり、R’は(C−C)アルキルである)のマロナートと縮合させて、一般式(IX)(式中、X、R、R、R、R及びR’は、前記定義された通りである)の化合物にすることができる。
【0030】
最後に、一般構造式(IX)の誘導体を、メタノール、水及びエーテル性溶媒の混合物中で、例えば、水酸化リチウムを使用することによって鹸化及び脱カルボキシル化して、一般式(I)(式中、X、R、R、R及びRは、前記定義された通りである)のアミドにすることができる。
【0031】
【化11】

【0032】
酢酸エステル(n=1;Y=OR)のための合成経路
一般式(I)(式中、n=1;Y=OR、R=(C−C)アルキル、R及びRは、前記定義された通りである)のエステルは、一般式(I)(式中、n=1;Y=NR、R=(C−C)アルキル、R、R及びRは、前記定義された通りである)の対応するアミドから、例えば、R及びRが、お互いから独立してメチルであるとき、熱アルコール系溶媒中で、酸、例えば、硫酸の作用により得ることができる。
【0033】
一般式(I)(式中、n=1;Y=OR、R=H、R、Rは、前記定義された通りである)の酸は、溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール及び水の混合物中で、塩基、例えば、水酸化リチウム一水和物の存在下で、R=(C−C)アルキルである対応するエステルから得ることができる。
【0034】
一般式(IIa)、(IIb)、(IV)及び(VI)の出発物質は、これらの調製方法が記載されていないとき、市販されているか若しくは文献に記載されており又はこの中に記載されている方法若しくは当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0035】
一般式(IV)(式中、X=H)の2−クロロインドールは、文献(例えば、H.D.H.Showalter et al.,J.Med.Chem.(1997),40,413;P.Kutschy et al.,Tetrahedron (2002),58,9029を挙げることができる)に記載されている。式中、XがH以外である一般式(IV)の2−クロロインドールは、一般式(IIb)の2−オキシインドールから、フィルスマイヤー型反応条件下で文献(例えば、L.Sun et al.,J.Heterocyclic Chem.(1997),34,1399を挙げることができる)に記載されている方法と同様にし、次いで得られるアルデヒドの酸化によって得ることができる。
【0036】
一般式(VI)(式中、R=H)の2−アミノインドールは、文献(例えば、A.Suga et al.,JP 2002 155083、A.Suga et al.,WO0174817;K.L.Munshi et al.,J.Heterocyclic Chem.(1977),14,1145;C.A.Grob et al.,Helv.Chim.Acta,(1961),44,1748;I.T.Forbes et al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,(1992),275を挙げることができる)に記載されているか又は文献で公知の方法によって調製される。一般式(VI)(式中、RはH以外である)のアミノインドールは、式中、X=H及びR=Meの場合で記載されている(R.A.Glennon et al.,J.Heterocyclic Chem.(1975),12,135)。一般式(VI)(式中、RはH以外である)のアミノインドールは、一般式(VI)(式中、R=H)の2−アミノインドールから、文献(例えば、I.T.Forbes et al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,(1992),275;R.A.Glennon et al.,J.Heterocyclic Chem.(1975),12,135を挙げることができる)に記載された方法と同様にしてアルキル化反応によって得ることができる。
【0037】
カルボキサミジンは、文献中で公知であり又はこの中に記載されている方法若しくは当業者に公知の方法、例えば、ニトリルからのカルボキサミジンの製造に従って調製することができる。例えば、J.K.Chakrabarti et al.,EP455 356に記載されている、ピラジン−2−カルボキサミジンを挙げることができる。
【0038】
一般式R’O(CO)CH(CO)NRのマロナートは、文献中で公知であり、この中に記載されている方法に従って調製することができる。例えば、W.Sucrow et al.,Chem.Berichte(1968),101(12),4230を挙げることができる。
【0039】
一般式HNRのアミンは、市販されているか又は文献中に記載されている。例えば、式中、R及びRが、アゼチジニル基によって置換されたピペリジニル環を形成するアミンは、文献(P.C.Ting et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.(2001),11,491)中に記載された方法と同様にして調製することができる。
【0040】
これらの態様の他のものに従って、本発明の他の主題は、式(III)、(VII)及び(IX)の化合物である。これらの化合物は、式(I)の化合物を合成するための中間体として有用である。
【0041】
下記の実施例は、本発明の幾つかの化合物の調製を例示する。これらの実施例は、本発明を限定せず、例示するのみである。例示された化合物の番号は、本発明に従った幾つかの化合物の化学構造及び物理的特性を示す、下記の表に示したものを反映する。元素ミクロ分析並びにIR及びNMRスペクトルは、得られた化合物の構造を立証する。
【実施例1】
【0042】
(化合物番号16)
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0043】
1.1. 6−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン20g(0.119モル)を、水600mLの中に導入した。次に、硫酸ジメチル17mL(0.180モル)及び水酸化ナトリウムペレット7.2g(0.180モル)を添加した。この混合物を100℃で20分間加熱した。この熱混合物を濾過した。出発オキシインドールを含有する不溶性部分が残った。濾液を氷浴で冷却し、次いでこれを濾過した。白色固体を回収し、これを水で洗浄した。最初の濾過で得られた不溶性部分を、濾液に添加し、次いで硫酸ジメチル17mL(0.180モル)及び水酸化ナトリウムペレット7.2g(0.180モル)を添加した。この混合物を、20分間100℃にした。この熱混合物を濾過した。不溶性部分が残った。濾液を氷浴で冷却し、次いでこれを濾過した。白色固体を回収し、これを水で洗浄した。次いで、このサイクルを3回繰り返した。最後に、種々の濾過から得られた固体を一緒にし、これらを、五酸化リンの存在下で真空下で乾燥した。この固体を、溶媒の混合物(石油エーテル/ジクロロメタン:20/80)で、中性アルミナゲルのカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。
【0044】
6−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン9.8gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:116−117℃。
【0045】
1.2. 2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド
塩化オキサリル5.4mL(63ミリモル)を、窒素下で、ジクロロメタン100mLの中に導入した。ジクロロメタン30mL中の、工程1.1で得られた6−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン5.0g(27.5ミリモル)の溶液を、ゆっくり添加した。この混合物を、還流下で4時間加熱した。この混合物を冷却し、次いで減圧下で濃縮した。窒素下で、残渣をジクロロメタン200mL中に溶解し、次いで、この混合物を0℃に冷却した。反応媒体を、ガス状ジメチルアミンで、塩基性pHが得られるまで飽和させた。15分間撹拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/メタノール:100/0→99/1)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。化合物5.0gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:146−148℃。
【0046】
1.3. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
ナトリウム0.3g(13ミリモル)を、窒素下で、無水エタノール100mLの中に溶解した。次に、ピリジン−3−カルボキサミジン塩酸塩1.0g(6.34ミリモル)を添加した。2時間攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、これを濾過した。この濾液を減圧下で濃縮した。残渣に、キシレン100mL、次いで工程1.2で得られた2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド0.34g(1.13ミリモル)を添加した。この混合物を、還流下で18時間加熱した。次いで、これを冷却し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン、水及び水酸化ナトリウムの(1M)水溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、次いで水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:80/20→0/100)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、これを濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.18gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:283−284℃。
LC/MS:MH=366。
H NMR(CDC1,200MHz):9.8(s,1H);8.9(m,1H);8.7(m,1H);8.1(d,1H);7.3−7.5(m,3H);4.0(s,3H);3.5(s,3H);3.1(s,3H)。
【実施例2】
【0047】
(化合物番号15)
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0048】
2.1. ピリジン−4−カルボキサミジン
ナトリウム0.44g(19ミリモル)を、窒素下で、メタノール100mL中に溶解した。次に、メタノール50mL中に溶解した、ピリジン−4−カルボキサミジン塩酸塩3.0g(19ミリモル)を添加した。30分間撹拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。クロロホルム150mLを、この残渣に添加し、混合物を還流下で加熱した。次いで、これをCelite(商標)上で濾過した。濾液を冷却し、減圧下で濃縮した。
ピリジン−4−カルボキサミジン2.25gが、白色固体の形で得られた。
M.P.:136−140℃。
【0049】
2.2. 7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド40mL及び1,4−ジオキサン10mL中の、実施例1から、工程1.2.に従って得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド2.75g(9.4ミリモル)及び工程2.1.に従って得られたピリジン−4−カルボキサミジン4.2g(34.6ミリモル)の溶液を、130℃で6時間加熱した。環境温度に戻した後、化合物が沈殿した。これを濾過によって単離し、酢酸エチルで洗浄した。この固体を、酢酸エチル/メタノール混合物中で再結晶した。次いで、これを、溶媒の混合物(ジクロロメタン/メタノール:98/2)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。白色固体が回収され、これを酢酸エチル/メタノール混合物中で再結晶し、次いで濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド1.1gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:268−269℃。
LC/MS:MH=366。
H NMR(CDC1,200MHz):8.8(d,2H);8.5(d,2H);8.1(d,1H),7.5(d,1H),7.3(dd,1H),4.0(s,3H),3.5(s,3H);3.1(s,3H)。
【実施例3】
【0050】
(化合物番号18)
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピラジン−2−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0051】
ナトリウム0.6g(26ミリモル)を、窒素下で、無水エタノール150mL中に溶解した。次に、ピラジン−2−カルボキサミジン塩酸塩1.2g(7.6ミリモル)を添加した。1時間30分間攪拌した後、残留する不溶性部分を濾過によって単離し、濾液を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン150mLを添加し、この混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣に、キシレン100mL、次いで実施例1から、工程1.2.に従って得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド0.24g(0.80ミリモル)を添加した。この混合物を還流下で18時間加熱した。次いで、これを冷却し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン、水及び水酸化ナトリウムの(1M)水溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:80/20→0/100、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物を、酢酸エチル/メタノール混合物中で再結晶し、これを濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピラジン−2−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.070gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:272−273℃。
LC/MS:MH=367。
H NMR(CDC1,200MHz):9.9(s,lH);8.9(d,1H);8.7(d,1H);8.1(d,1H);7.6(d,1H);7.4(dd,1H);4.1(s,3H),3.4(s,3H);3.1(s,3H)。
【実施例4】
【0052】
(化合物番号14)
7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール
【0053】
4.1. 1−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエタノン
塩化オキサリル5.0mL(58.2ミリモル)を、窒素下で、ジクロロメタン120mLの中に導入した。次に、ジクロロメタン30mL中の、実施例1から、工程1.1.に従って得られた、6−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン3.0g(16.5ミリモル)の溶液をゆっくり添加した。この混合物を還流下で4時間加熱した。この混合物を冷却し、次いで、減圧下で濃縮した。窒素下で、残渣をジクロロメタン150mL中に溶解し、この混合物を0℃に冷却した。次に、ピロリジン2.8mL(33.8ミリモル)をゆっくり添加した。約15分間撹拌した後、塩酸の1M水溶液を、3−4のpHにまで添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:95/5→70/30)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた固体を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、これを濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
1−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエタノン3.3gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:174−175℃。
【0054】
4.2. 7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール
キシレン60mL中の、工程4.1.で得られた1−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエタノン1.0g(3.07ミリモル)及び実施例2から工程2.1.で得られたピリジン−4−カルボキサミジン1.3g(10.6ミリモル)の溶液を、還流下で5時間加熱した。環境温度に戻した後、この混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン200mLを添加し、有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:90/10→0/100)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。白色固体を回収し、これを、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、次いで濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール0.40gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:256−258℃。
LC/MS:MH=392。
H NMR(CDC1,300MHz):8.8(m,2H);8.5(m,2H);8.4(d,1H);7.5(d,1H);7.4(d,lH);4.0(s,3H);3.9(t,2H);3.8(t,2H);2.1−1.9(m,4H)。
【実施例5】
【0055】
(化合物番号5)
7−クロロ−N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0056】
5.1. 2−(2,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド
窒素下で、塩化オキサリル8mL(91.7ミリモル)を、ジクロロメタン150mLの中に導入した。次に、6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン5.0g(29.8ミリモル)を少しずつ添加した。この混合物を、環境温度で2時間、次いで還流下で4時間攪拌した。この混合物を冷却し、次いで減圧下で濃縮した。窒素下で、残渣をジクロロメタン150mL中に溶解し、この混合物を0℃に冷却した。この反応媒体を、ガス状ジメチルアミンで、塩基性pHが得られるまで飽和させた。15分間撹拌した後、塩酸の1M水溶液を、2−3のpHにまで添加した。次に、ジクロロメタン300mL及び水100mLを添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:90/10→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた固体を、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
2−(2,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド3.2gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:223−224℃。
【0057】
5.2. 7−クロロ−N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
窒素下で、ナトリウム0.2g(8.3ミリモル)を、無水エタノール100mL中に溶解した。次に、ベンズアミジン塩酸塩1.0g(6.38ミリモル)を添加した。30分間攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、この混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。この残渣に、トルエン120mL、次いで実施例5から工程5.1.で得られた2−(2,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド0.30g(1.2ミリモル)を添加した。この混合物を還流下で18時間加熱した。次いで、これを冷却し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び水を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:95/5→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.09gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:232−233℃。
LC/MS:MH=351。
H NMR(DMSO−d,200MHz):12.7(s,1H);8.5(m,2H);7.9(d,1H);7.5−7,6(m,4H);7.4(dd,1H);3.2(s,3H);3.0(s,3H)。
【実施例6】
【0058】
(化合物番号4)
6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0059】
6.1. 5−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
5−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン13.3g(0.795モル)を、水200mLの中に導入した。次に、水酸化ナトリウムの1M溶液120mL及び硫酸ジメチル11.3mL(0.120モル)を添加した。この混合物を、120℃に30分間加熱した。これを冷却するまで放置し、次いで、水酸化ナトリウム4.81g(120ミリモル)及び硫酸ジメチル11.3mL(0.120モル)を添加した。この混合物を、120℃に30分間加熱した。これを冷却するまで放置し、この操作をもう一度繰り返した。次に、この反応混合物を濾過し、沈殿を水で洗浄し、五酸化リンの存在下で真空下で乾燥した。ジクロロメタン250mLを、濾液に添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。沈殿を、得られた残渣に添加し、集合物を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:98/2→50/50)で、中性アルミナゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。
5−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン3.9gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:118−119℃。
【0060】
6.2. 2−(2,5−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド
窒素下で、塩化オキサリル8.1mL(92.8ミリモル)を、ジクロロメタン150mLの中に導入した。次に、実施例6から工程6.1.で得られた、5−クロロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン3.9g(30.7ミリモル)を少しずつ添加した。この混合物を、還流下で4時間加熱した。この混合物を冷却し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を、窒素下で、ジクロロメタン120mL中に溶解し、この混合物を0℃に冷却した。この反応媒体を、ガス状ジメチルアミンで、塩基性pHが得られるまで飽和させた。15分間撹拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。下記のもの、即ち、ジクロロメタン250mL、水100mL及び3−4のpHにまで塩酸の1M水溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:95/5→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。
2−(2,5−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド1.45gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:205−206℃。
【0061】
6.3. 6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
窒素下で、ナトリウム0.34(14.8ミリモル)を、無水エタノール120mL中に溶解した。次に、ベンズアミジン塩酸塩2.0g(12.8ミリモル)を添加した。30分間攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、この混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。この残渣に、キシレン60mL、次いで実施例6から工程6.2.で得られた2−(2,5−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド0.90g(3ミリモル)を添加した。この混合物を還流下で3時間加熱した。次いで、これを冷却し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び水を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:95/5→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.53gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:222−224℃。
LC/MS:MH=365。
H NMR(CDC1,200MHz):8.7(m,2H);8.1(d,1H);7.6−7.5(m,4H);7.4(d,1H);4.1(s,3H);3.4(s,3H);3.2(s,3H)。
【実施例7】
【0062】
(化合物番号23)
N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0063】
7.1 2−(2−クロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド
窒素下で、塩化オキサリル7.9mL(90.5ミリモル)を、ジクロロメタン150mLの中に導入した。次に、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン6.0g(45ミリモル)を少しずつ添加した。この混合物を、環境温度で4時間攪拌した。次に、固体を濾過し、ジクロロメタン150mL中に溶解した。この混合物を0℃に冷却した。この反応媒体を、ガス状ジメチルアミンで、塩基性pHが得られるまで飽和させた。5分間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:95/5→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。
2−(2−クロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド2.46gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:197−198℃。
【0064】
7.2. N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
窒素下で、ナトリウム0.40g(17.4ミリモル)を、メタノール100mL中に溶解した。次に、ベンズアミジン塩酸塩2.72g(17.4ミリモル)を添加した。30分間攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、この混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。この残渣に、キシレン100mL、次いで実施例7から工程7.1.で得られた2−(2−クロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド1.52g(6.1ミリモル)を添加した。この混合物を還流下で5時間加熱した。次いで、これを冷却し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び水を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:90/10→70/30)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、沈殿が出現するまで、減圧下で濃縮した。これを濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド1.36gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:218−219℃。
MS:MH=317。
H NMR(DMSO−d,200MHz):12.6(s,1H);8.5(m,2H);7.9(d,1H);7.6−7.5(m,5H);7.3(m,1H);3.2(s,3H);2.9(s,3H)。
【実施例8】
【0065】
(化合物番号1)
N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0066】
窒素下で、トルエン120mL中の、実施例7から工程7.2で得られたN,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.40g(1.3ミリモル)及び1,1−ジメトキシトリメチルアミン1mL(7.5ミリモル)を、還流下で6時間加熱した。次に、この混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:100/0→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この生成物を含有する画分を一緒にし、減圧下で濃縮した。この化合物を、酢酸エチル中で再結晶し、濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.33gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:193−195℃。
LC/MS:MH=331。
H NMR(CDC1,200MHz):8.7(m,2H);8.1(d,1H);7.6−7.5(m,5H);7.4(m,1H);4.1(s,3H);3.4(s,3H);3.1(s,3H)。
【実施例9】
【0067】
(化合物番号3)
7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0068】
9.1. 6−フルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
6−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン10.0g(66.5ミリモル)を、水200mLの中に導入した。次に、水酸化ナトリウムの1M溶液120mL及び硫酸ジメチル11.3mL(120ミリモル)を添加した。この混合物を120℃に40分間加熱した。環境温度に戻した後、ジクロロメタン150mL及び水を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:98/2→80/20)で、中性アルミナゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物を、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
6−フルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン5.1gが、黄色みを帯びた化合物の形で単離された。
M.P.:100−101℃。
【0069】
9.2. 2−(2−クロロ−6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド
窒素下で、塩化オキサリル5.0mL(58.2ミリモル)を、ジクロロメタン120mLの中に導入した。次に、実施例9から工程9.1で得られた、6−フルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン4.2g(25.4ミリモル)の溶液を少しずつゆっくり添加した。この混合物を、還流下で4時間加熱した。この混合物を冷却し、次いで減圧下で濃縮した。窒素下で、残渣をジクロロメタン120mL中に溶解し、この混合物を0℃に冷却した。この反応媒体を、ガス状ジメチルアミンで、塩基性pHが得られるまで飽和させた。15分間撹拌した後、塩酸の1M水溶液を、3−4のpHにまで添加した。次に、ジクロロメタン100mLを添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:95/5→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、沈殿が出現するまで、減圧下で濃縮した。これを濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
2−(2−クロロ−6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド3.5gが、白色化合物の形で単離された。
M.P.:175−177℃。
【0070】
9.3. 7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
窒素下で、ナトリウム0.28g(12.17ミリモル)を、メタノール120mL中に溶解した。次に、ベンズアミジン塩酸塩1.89g(12.07ミリモル)を添加した。30分間攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、この混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。この残渣に、キシレン50mL、次いで実施例9から工程9.2.で得られた2−(2−クロロ−6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド0.80g(2.8ミリモル)を添加した。この混合物を還流下で6時間加熱した。次いで、これを冷却し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び水を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:98/2→90/10)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、沈殿が出現するまで、減圧下で濃縮した。これを濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた化合物を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.40gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:229−231℃。
LC/MS:MH=349。
H NMR(DMSO−d,200MHz):8.6(m,2H);7.9(dd,1H);7.7(dd,1H);7.5(m,3H);7.2(m,1H);4.0(s,3H);3.2(s,3H);3.0(s,3H)。
【実施例10】
【0071】
(化合物番号24)
エチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート
【0072】
無水エタノール80mL中の、実施例16に従って得られた、7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド1.6g(4.4ミリモル)及び硫酸2.5mLの溶液を、還流下で48時間加熱した。この混合物を環境温度まで冷却し、減圧下で部分的に濃縮した。次に、砕いた氷及びジクロロメタンを添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:100/0→80/20)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。残渣をシクロヘキサンによって溶解し、濾過によって回収し、ペンタンで洗浄した。
エチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート0.46gが、白色化合物の形で単離された。
M.P.:139−140℃。
MS:MH=366。
H NMR(CDC1,200MHz):8.8(d,1H);8.6(m,2H);7.6−7,5(m,4H);7.3(dd,1H);4.7(q,2H);4.0(s,3H);1.6(t,3H)。
【実施例11】
【0073】
(化合物番号11)
7−クロロ−9−メチル−4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール
【0074】
トルエン30mLに、トリメチルアルミニウムの溶液(トルエン中2M)4mL(8ミリモル)を、アルゴン下で添加した。この溶液を0℃に冷却し、次いで、4−メチルピペラジン0.80g(8ミリモル)を、少しずつ添加した。撹拌を、環境温度で1時間続けた。次に、実施例10で得られたエチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート0.46g(1.20ミリモル)を添加した。反応媒体を還流下で3時間加熱した。この溶液を約0℃に冷却し、次いで、水を滴下により添加した。次に、ジクロロメタン、次いで水酸化ナトリウムの濃厚溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:50/50、次いで純粋な酢酸エチル、次いで酢酸エチル/メタノール:95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。白色化合物0.54gが単離された。この化合物に、ジクロロメタン及びプロパン−2−オール中の塩酸の0.1N溶液13mLを添加した。この溶液を減圧下で濃縮した。残渣をエタノール中で再結晶し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた化合物に、ジクロロメタン次いで水酸化ナトリウムの1M水溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/メタノール:98/2→90/10)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。得られた化合物を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、これを濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−9−メチル−4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール0.43gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:236−238℃。
LC/MS:MH=420。
H NMR(CDC1,200MHz):8.8(m,2H);8.1(d,1H);7.6−7.5(m,4H);7.3(dd,1H);4.1(m,2H);4.0(s,3H);3.6(m,2H);2.7(m,2H);2.5(m,2H);2.4(s,3H)。
【実施例12】
【0075】
(化合物番号21)
2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド
【0076】
12.1. エチル 2−アミノ−6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボキシラート
窒素下で、水素化ナトリウム(鉱油中60%で)2.5g(62.5ミリモル)を、テトラヒドロフラン200mLの中に導入した。この混合物を0℃に冷却し、エチル 2−アミノ−6−クロロ−1H−インドール−3−カルボキシラート14.89g(62.38ミリモル)を、少しずつ添加した。0℃で1時間撹拌した後、ヨードメタン3.9mL(62.6ミリモル)を添加し、この混合物を環境温度で12時間撹拌した。無水エタノール3mLを添加し、この混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:98/2→80/20)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。
エチル 2−アミノ−6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボキシラート5.9gが、固体の形で単離された。
M.P.:155−157℃。
【0077】
12.2. 7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン
窒素下で、水素化ナトリウム(鉱油中60%で)0.32g(8ミリモル)を、テトラヒドロフラン100mLの中に導入した。この混合物を0℃に冷却し、実施例12から工程12.1.で得られた、エチル 2−アミノ−6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボキシラート2.0g(7.91ミリモル)を添加した。0℃で40分間撹拌した後、冷却浴を取り除き、4−シアノピリジン2g(19.2ミリモル)を添加した。次に、この混合物を80℃で18時間撹拌した。この混合物を環境温度に冷却し、次いでこれを減圧下で濃縮した。残渣に、ジクロロメタン、水及び水酸化ナトリウムの1M水溶液を添加した。この混合物を2時間攪拌した。不溶性画分を濾過によって回収し、水で洗浄し、減圧下で及び五酸化リンの存在下でオーブン内で乾燥した。
7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン1.55gが、固体の形で単離された。
M.P.:>300℃。
【0078】
12.3. 4,7−ジクロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール
窒素下で0℃で、塩化オキサリル14mL(160ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムアミド120mLにゆっくり添加した。30分間撹拌した後、実施例12の工程12.2.で得られた、7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン1.55g(5ミリモル)を、0℃で添加した。冷却浴を取り除き、この混合物を80℃に18時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、砕いた氷の上に注いだ。次に、ジクロロメタン及び水酸化ナトリウムの30%水溶液を添加した。撹拌した後、有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン中に部分的に溶解した。不溶性画分を濾過によって分離し、濾液を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:80/20→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、不溶性画分と一緒にし、次いでこれらを減圧下で部分的に濃縮した。沈殿を濾過によって回収し、次いでこれをジエチルエーテルで洗浄した。
4,7−ジクロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール0.83gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:272−274℃。
【0079】
12.4. エチル 2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート
窒素下で、水素化ナトリウム(鉱油中60%で)0.55g(13.7ミリモル)を、1,4−ジオキサン150mLの中に導入した。この混合物を0℃に冷却し、エチル 3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート2.2g(13.8ミリモル)をゆっくり添加した。0℃で40分間撹拌した後、実施例12から工程12.3.で得られた、4,7−ジクロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール0.83g(2.52ミリモル)を添加し、次いで、冷却浴を取り除いた。次に、ヨウ化銅2.5g(13.1ミリモル)を添加し、この混合物を還流下で6時間加熱した。この混合物を環境温度に冷却し、減圧下で濃縮した。次に、ジクロロメタン、水及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を添加した。撹拌した後、有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(酢酸エチル/メタノール:100/0→90/10、次いで2%アンモニアの添加)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で部分的に濃縮した。沈殿を濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
エチル 2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート0.79gが、黄色みを帯びた固体の形で単離された。
M.P.:224−226℃。
【0080】
12.5. 2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド
50℃で4時間かけて、工程12.4で得られた、エチル 2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート0.79g(1.85ミリモル)の溶液を、水10mL、テトラヒドロフラン50mL及びメタノール50mLの混合物中で、水酸化リチウム一水和物1.4g(33.3ミリモル)と共に撹拌した。この混合物を環境温度に冷却し、減圧下で濃縮した。水中の35%塩酸の溶液をゆっくり添加し、5分間撹拌した。次に、30%水酸化ナトリウム水溶液を、塩基性pHにまでゆっくり添加した。ジクロロメタンを添加した。有機相をデカンテーションした。水性相をジクロロメタンで抽出した。有機相を一緒にし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(酢酸エチル/メタノール:100/0→90/10)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。この固体を、酢酸エチル/メタノール混合物中で再結晶し、ジエチルエーテルで洗浄した。
2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド0.19gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:231−232℃。
LC/MS:MH=380。
H NMR(DMSOd,200MHz):8.8(m,2H);8.4(m,2H);8.2(d,1H);8.0(d,1H);7,4(dd,1H);4.5(s,2H);4.0(s,3H);3.2(s,3H);2.9(s,3H)。
【実施例13】
【0081】
(化合物番号19)
2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド
【0082】
13.1. 2,6−ジクロロ−1H−インドール−3−カルボアルデヒド
窒素下で、オキシ塩化リン27mL(292ミリモル)を、0℃で、ジクロロメタン190mL中の、N,N−ジメチルホルムアミド28mL(366ミリモル)に、滴下により添加した。この混合物を環境温度で2時間撹拌した。これを0℃に冷却し、6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン24.5g(146ミリモル)を、少しずつ添加した。この混合物を、環境温度で4時間攪拌した。これを0℃に冷却し、塩化オキサリル12.7mL(146ミリモル)を添加した。次に、これを環境温度で12時間攪拌した。この混合物を冷却し、水250mLを添加した。有機相をデカンテーションし、水で(3回)洗浄した。固体が、有機相から沈殿した。これを濾過によって回収し、減圧下で五酸化リンの存在下で乾燥した。水性相を一緒にし、約7時間攪拌した。固体が、水性相から沈殿した。これを濾過によって回収し、これをまた、減圧下で五酸化リンの存在下で乾燥した。2個の沈殿を一緒にし、2,6−ジクロロ−1H−インドール−3−カルボアルデヒド16gが、白色/ベージュ色固体の形で得られた。
H NMR(DMSOd,200MHz):9.9(s,1H);7.9(d,1H);7.4(s,1H);7.2(d,1H)。
13.2. 2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボアルデヒド
工程13.1で得られた2,6−ジクロロ−1H−インドール−3−カルボアルデヒド11g(52ミリモル)、硫酸ジメチル14.7mL(155ミリモル)、硫酸水素テトラメチルアンモニウム0.62g(1.8ミリモル)、ジクロロメタン770mL及び水120mL中の炭酸カリウム27.4g(258ミリモル)の溶液を、還流下で2時間攪拌した。この混合物を環境温度に冷却した。有機相をデカンテーションした。水性相をジクロロメタンで抽出した。有機相を一緒にし、水で、次いで塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した。これを硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル中で滴定した。これを濾過によって回収し、少量のメタノールを含有するジクロロメタン中に溶解した。不溶性画分を濾過によって分離した。濾液を部分的に濃縮した。固体が沈殿し、濾過によって回収した。不溶性画分及び固体を一緒にした。
2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボアルデヒド8.5gが、薄ベージュ色固体の形で得られた。
M.P.:166−168℃。
【0083】
13.3. 2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸
実施例13から工程13.2.に従って得られた、2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボアルデヒド10.5g(46ミリモル)を、ジオキサン180mL及び2−メチル−2−ブテン45mLの中に導入した。水120mL中の、塩化ナトリウム20g(221ミリモル)及びリン酸一ナトリウム20g(145ミリモル)の溶液を、ゆっくり添加した。この混合物を2時間攪拌し、次いで、水30mL中の、塩化ナトリウム5g(55ミリモル)及びリン酸一ナトリウム5g(36ミリモル)の溶液を添加した。この混合物を2時間攪拌し、次いで、水20mL中の、塩化ナトリウム3g(33ミリモル)及びリン酸一ナトリウム3g(22ミリモル)の溶液を添加した。この混合物を3時間攪拌した。酢酸エチル200mLを添加し、これを一晩撹拌した。不溶性画分を濾過によって回収し、水で洗浄した。水性相を酢酸エチルで抽出した。有機相を一緒にし、1M水酸化ナトリウムで抽出した。水性相を冷却し、次いで6N塩酸によって、2−3のpHにまで酸性にした。固体が沈殿した。これを濾過によって回収し、水で洗浄した。これを不溶性画分と一緒にし、これらを減圧下で五酸化リンの存在下で乾燥した。
2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸8.7gが、黄色みを帯びた白色固体の形で得られた。
M.P.:243−245℃。
【0084】
13.4. 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン
実施例13から工程13.3.に従って得られた、2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸12g(49ミリモル)を、ジオキサン170mLの中に導入した。塩化チオニル58mL(790ミリモル)をゆっくり添加し、この混合物を70℃に5時間加熱した。これを環境温度に冷却し、この混合物を減圧下で濃縮した。トルエンを添加し、次いでこの混合物を減圧下で濃縮した(2回)。次に、ジオキサン300mLを添加し、この混合物を0℃に冷却し、ジオキサン200mL中のベンズアミジン25g(208ミリモル)の溶液を、急速に添加した。この混合物を環境温度で12時間攪拌した。水50mL及びジクロロメタン300mLを添加した。有機相をデカンテーションし、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。橙色油30gが得られた。この油15gを取り、ジフェニルエーテル300mLに添加した。この混合物を200℃で4時間加熱した。これを冷却し、不溶性画分を濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄した。これをジオキサン400mLの中に注ぎ、還流下で加熱した。固体を、熱時濾過によって回収し、ジオキサンで洗浄した。これを、減圧下で五酸化リンの存在下で乾燥した。
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン6.5gが得られた。
M.P.:>300℃。
【0085】
13.5. 4−ブロモ−7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール
アセトニトリル150mL中の、工程13.4.で得られた、7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン1.5g(4.8ミリモル)の溶液を、オキシ臭化リン4.0g(13.9ミリモル)及び炭酸カリウム2.0g(14.5ミリモル)の存在下で、還流下に18時間加熱した。この混合物を環境温度に冷却し、溶液を砕いた氷の上に注いだ。ジクロロメタン及び炭酸カリウムの飽和水溶液を添加した。有機相を、Celite(商標)上で濾過し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(シクロヘキサン/ジクロロメタン:100/0→50/50)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。
4−ブロモ−7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール1.1gが、ピンク色を帯びた白色固体の形で単離された。
H NMR(CDC1,200MHz):8.5−8.4(m,2H);8.3(d,1H);7.5−7.2(m,5H);3.9(s,3H)。
【0086】
13.6. エチル 2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート
水素化ナトリウム(鉱油中60%で)0.4g(10ミリモル)を、ペンタンで洗浄し、次いで、1,4−ジオキサン50mLを窒素下で添加した。この混合物を0℃に冷却し、エチル 3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート1.5g(9.4ミリモル)を滴下により添加した。この混合物を環境温度で30分間撹拌した後、工程13.5.で得られた、4−ブロモ−7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール0.80g(2.15ミリモル)及びヨウ化銅0.80g(4.2ミリモル)を逐次的に添加した。この溶液を20時間還流させた。これを環境温度に冷却し、ジクロロメタン及び水を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチルを含有するジクロロメタン中に溶解した。この混合物を、沈殿が出現するまで部分的に濃縮した。これを濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄した。
少量の2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミドを含有する、エチル 2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート1.03gが、固体の形で単離された。
【0087】
13.7. 2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド
テトラヒドロフラン30mL、メタノール30mL及び水5mLの混合物中の、工程13.6で得られたエチル 2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロパノアート1.03g(2.3ミリモル)、水酸化リチウム0.80g(19ミリモル)の溶液を、50℃で2時間加熱した。この混合物を環境温度に冷却し、次いでこれを減圧下で濃縮した。ジクロロメタン、水及び塩酸の1M水溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。この残渣を、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、これを濾過によって回収し、エチルエーテルで洗浄し、減圧下で五酸化リンの存在下で乾燥した。
2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド0.48gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:185−187℃。
LC/MS:MH=379。
H NMR(CDC1,200MHz):8.6(m,2H);8.3(d,1H);7.5(m,4H);7.4(m,1H);4.4(s,2H);4.0(s,3H);3.3(s,3H);3.0(s,3H)。
【実施例14】
【0088】
(化合物番号25)
メチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート
【0089】
14.1. 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イルトリフルオロメタンスルホナート
窒素下で及び0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物2.5mL(14.56ミリモル)を、ジクロロメタン100mL中の、実施例13から工程13.4.で得られた、7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−3,9−ジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−オン3.0g(9.7ミリモル)及びピリジン4.3mL(38.8ミリモル)の溶液に、滴下により添加した。この混合物を、0℃で15分間、次いで環境温度で4時間撹拌した。ジクロロメタン、水及び0.1N塩酸溶液を添加した。有機相をデカンテーションし、水性相をジクロロメタンで抽出した。有機相を一緒にした。これを硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イルトリフルオロメタンスルホナート3.9gが、黄色みを帯びた白色固体の形で得られ、これをこのまま次の工程で使用した。
【0090】
14.2. メチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド45mL及びメタノール19mL中の、実施例14から工程14.1.で得られた、7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イルトリフルオロメタンスルホナート2.5g(5.7ミリモル)、トリエチルアミン2.2mL(14.8ミリモル)、酢酸パラジウム30mg(0.13ミリモル)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン90mg(0.22ミリモル)の溶液を、一酸化炭素雰囲気下で70℃で加熱した。この溶液を冷却し、不溶性画分を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、次いで、これを減圧下でトルエンと共に共蒸発させた。この残渣に、ジクロロメタン及び水を添加した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(シクロヘキサン/ジクロロメタン:50/50→0/100)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート0.58gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:192−193℃。
H NMR(CDC1,200MHz):8.7(d,1H);8.6(m,2H);7.5−7.4(m,4H);7.3(dd,lH);4.1(s,3H);3.9(s,3H)。
【実施例15】
【0091】
(化合物番号26)
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボン酸
【0092】
テトラヒドロフラン50mL、メタノール20mL及び水10mLの混合物中の、実施例14から工程14.2で得られた7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート0.57g(1.62ミリモル)及び水酸化リチウム一水和物300mg(7.1ミリモル)の溶液を、環境温度で12時間撹拌した。1N塩酸の溶液を、約1のpHにまで添加した。有機溶媒を減圧下で除去し、得られた沈殿を濾過によって回収した。これを水次いでジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で五酸化リンの存在下で乾燥した。
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボン酸0.5gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:208−209℃。
H NMR(DMSOd,200MHz):8.6−8.4(m,3H);7.8(d,1H);7.5−7.4(m,3H);7.3(dd,1H);3.9(s,3H)。
【実施例16】
【0093】
(化合物番号2)
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0094】
テトラヒドロフラン100mL中の、実施例15に従って得られた、7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボン酸0.60g(1.8ミリモル)及びカルボニルジイミダゾール0.45g(2.7ミリモル)の溶液を、窒素雰囲気下で70℃で3時間加熱した。この混合物を環境温度に冷却し、反応媒体を、ガス状ジメチルアミンで、塩基性pHが得られるまで飽和させ、次いでこれを環境温度で12時間攪拌した。この溶液を減圧下で濃縮した。次に、ジクロロメタン及び0.5N塩酸溶液を添加した。有機相を、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/メタノール:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。この化合物を含有する画分を、減圧下で濃縮した。この固体を酢酸エチル中で再結晶し、ジエチルエーテルで洗浄した。
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.33gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:211−213℃。
LC/MS:MH=365。
H NMR(CDC1,200MHz):8.7(m,2H);8.1(d,1H);8.6−8.5(m,4H);7.3(dd,1H);4.0(s,3H);3.4(s,3H);3.1(s,3H)。
【実施例17】
【0095】
(化合物番号28)
7−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0096】
N,N−ジメチルホルムアミド7mL中の、6−メトキシピリジン−3−カルボキサミジン490mg(3.24ミリモル)及び実施例1から、工程1.2.で得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド300mg(1.0ミリモル)の溶液を、130℃で2時間加熱した。この溶液を冷却した。沈殿を濾過によって回収し、これを1,4−ジオキサンで洗浄し、減圧下で乾燥した。これを、溶媒の混合物(ジクロロメタン/メタノール:97/3)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物を酢酸エチル/メタノール混合物中で再結晶し、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.22gが、白色固体の形で単離された。
M.P.:267−268℃。
LC/MS:MH=396。
H NMR(CDC1,200MHz):9.45(d,1H);8,75(dd,1H);8.05(d,1H);7.5(d,1H);7.25(dd,1H);6.85(d,1H);4.05(s,3H);4.0(s,3H);3.35(s,3H);3.1(s,3H)。
【実施例18】
【0097】
(化合物番号41)
7−クロロ−2−(5−エチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
【0098】
N,N−ジメチルホルムアミド30mL中の、5−エチルピリジン−3−カルボキサミジン820mg(5.50ミリモル)及び実施例1から、工程1.2.で得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド400mg(1.34ミリモル)の溶液を、130℃で3時間加熱した。この溶液を冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタンを添加し、これを水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。この混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:90/10→80/20、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物をジクロロメタン/酢酸エチル混合物中で再結晶し、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
7−クロロ−2−(5−エチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド0.18gが、薄黄色固体の形で単離された。
M.P.:218−219℃。
LC/MS:MH=394。
H NMR(CDC1,200MHz):9.45(d,1H);8.60(m,2H);7.95(d,1H);7.90(d,1H):7.4(dd,1H);4.0(s,3H);3.30(s,3H);3.20(s,3H);2.95(s,3H);2.80(q,2H);1.25(t,3H)。
【実施例19】
【0099】
(化合物番号48)
5−(7−クロロ−4−ジメチルカルバモイル−9−メチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−イル)−2,3−ジメチル−ピリジニウムクロリド
【0100】
o−キシレン50mL中の、5,6−ジメチルピリジン−3−カルボキサミジン930mg(6.23ミリモル)及び実施例1から、工程1.2.で得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド600mg(2.01ミリモル)の溶液を、還流下で5時間加熱した。この溶液を冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:80/20→0/100、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を蒸発させた後、白色固体340mg(0.86ミリモル)を回収した。これをジクロロメタン中に溶解し、イソプロパノール中の5−6N塩酸溶液0.35mL(1.73ミリモル)を添加した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を無水エタノール中で再結晶した。これを濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
5−(7−クロロ−4−ジメチルカルバモイル−9−メチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−イル)−2,3−ジメチル−ピリジニウムクロリド0.30gが単離された。
M.P.:285−289℃。
LC/MS:MH=394。
H NMR(CDC1,200MHz):9.4(s,1H);9.05(s,1H);8.0(d,1H);7.90(d,1H);7.45(dd,1H);4.05(s,3H);3.20(s,3H);2.95(s,3H);2.70(s,3H);2.50(s,3H)。
【実施例20】
【0101】
(化合物番号49)
3−(7−クロロ−4−ジメチルカルバモイル−9−メチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリニウムクロリド
【0102】
o−キシレン70mL中の、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボキサミジン2.40g(13.7ミリモル)及び実施例1から、工程1.2.で得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド800mg(2.67ミリモル)の溶液を、還流下で5時間加熱した。この溶液を冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:90/100→0/100)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を蒸発させた後、白色固体870mg(2.07ミリモル)を回収した。これをジクロロメタン中に溶解し、イソプロパノール中の5−6N塩酸溶液0.83mL(4.14ミリモル)を添加した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を無水エタノール中で再結晶した。これを濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
3−(7−クロロ−4−ジメチルカルバモイル−9−メチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリニウムクロリド0.75gが単離された。
M.P.:289−291℃。
LC/MS:MH=420。
H NMR(CDC1,200MHz):9.35(s,1H);8.60(s,1H);7.90(d,1H);7.85(d,1H);7.35(dd,1H);4.00(s,3H);3.20(s,3H);2.95−2.80(m,7H);1.95−1.65(m,4H)。
【実施例21】
【0103】
(化合物番号50)
4−(7−クロロ−4−ジメチルカルバモイル−9−メチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−イル)−2,6−ジメチルピリジニウムクロリド
【0104】
o−キシレン30mL中の、2,6−ジメチルピリジン−4−カルボキサミジン0.78g(5.23ミリモル)及び実施例1から、工程1.2.で得られた、2−(2,6−ジクロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド700mg(2.34ミリモル)の溶液を、還流下で5時間加熱した。この溶液を冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン及び水酸化ナトリウムの1M水溶液を添加した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、溶媒の混合物(ジクロロメタン/酢酸エチル:80/20→0/100、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0→95/5)で、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を蒸発させた後、白色固体540mg(1.37ミリモル)を回収した。これをジクロロメタン中に溶解し、イソプロパノール中の5,6N塩酸溶液0.55mL(2.74ミリモル)を添加した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を無水エタノール中で再結晶した。これを濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。
4−(7−クロロ−4−ジメチルカルバモイル−9−メチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−イル)−2,6−ジメチル−ピリジニウムクロリド0.69gが単離された。
M.P.:288−292℃。
LC/MS:MH=394。
H NMR(CDC1,200MHz):8.50(s,2H);8.00(d,1H);7.95(d,1H);7.45(dd,1H);4.05(s,3H);3.20(s,3H);2.95(s,3H);2.75(s,6H)。
【0105】
下記の表1に、本発明の幾つかの化合物の化学構造及び物理的特性を示す。
【0106】
この表の「塩」欄に於いて、「−」は、遊離塩基形での化合物を表し、一方、「HCl」は、塩酸塩形での化合物を表し、括弧内の比は酸/塩基比である。
【0107】
【表1】



【0108】
本発明の化合物を、薬理学的試験に付した。これにより、治療的活性を有する物質としてのこれらの利点が示された。
【0109】
末梢ベンゾジアゼピン受容体(p又はPBRサイト)への[H]Ro5−4864の結合の研究
p又はPBRサイト(ベンゾジアゼピンへの末梢型結合のサイト)のための本発明の化合物の親和性を決定した。
【0110】
pサイト受容体は、[H]Ro5−4864の存在下でインキュベーションしたラット腎臓膜中で選択的に標識することができる。本発明の化合物は、これらの受容体のためのこれらの親和性に関するインビトロ研究の主題であった。
【0111】
使用した動物は、体重180から300mgの雄スプレーグ−ドーリーラット(Iffa Credo)であった。断頭した後、腎臓を取り出し、この組織を、Polytron(商標)ホモジナイザーを使用して2分間、最大速度の6/10で、50mM Na2HPO4リン酸緩衝液35体積中で、NaHPOによって7.5に調節したpHで、4℃で均質化した。この膜ホモジネートを、ガーゼの上で濾過し、緩衝液で10倍に希釈した。
【0112】
H]Ro5−4864(比活性:70−90Ci/ミリモル;New England Nuclear)を、0.5nMの濃度で、この膜ホモジネート100μLの存在下で、試験すべき化合物を含有する緩衝液1mLの最終体積中でインキュベーションした。
【0113】
0℃で3時間のインキュベーションの後、膜を、冷(0℃)インキュベーション緩衝液4.5mLで2回洗浄したWhatman GF/B(商標)フィルター上で濾過することによって回収した。フィルターによって保持された放射能の量を、液体シンチグラフィーによって測定した。
【0114】
研究したそれぞれの化合物濃度について、[H]Ro5−4864の結合の阻害パーセンテージ、次いでIC50濃度、即ち、特異結合の50%を阻害する濃度を決定した。
【0115】
本発明の最も活性の化合物のIC50は、1nMから200nMの範囲内の値を有していた。
【0116】
下記の表2に、本発明に従った幾つかの化合物のIC50値を示す。
【0117】
【表2】

【0118】
従って、本発明の化合物は、末梢型ベンゾジアゼピン受容体のための親和性を有するリガンドであった。
【0119】
4日齢ラットに於ける顔面神経を切開した後の運動ニューロンの生存の神経栄養性活性試験の研究
未熟ラットに於ける顔面神経の損傷の後、顔面核の運動ニューロンは、断片化によるニューロン死を受けた。神経生存率を、組織学的方法及びニューロンカウントを使用して評価した。
【0120】
4日齢未熟ラットに、ペンタバルビタールによって(i.p.経路により3mg/kg)麻酔をかけた。右顔面神経を露出し、茎乳突孔からこの出口で切断した。目覚めた後、若いラットをこれらの母親に戻し、口又は腹腔内経路を経て、1から10mg/kgの範囲内の用量で、1日1から2回投薬で7日間治療した。
【0121】
損傷から7日後に、動物を断頭し、脳をイソペンタン中で−40℃で凍結させた。全部の顔面神経をクリオスタット(cryostat)で10μm区画に切断した。運動ニューロンをクレシルバイオレットで着色し、Histo(商標)ソフトウエア(Biocom(商標))を使用してカウントした。
【0122】
このモデルに於いて、本発明の最も活性の化合物は、ニューロン生存率を約10から40%ほど増加させた。
【0123】
下記の表3に、このモデルに於ける、本発明に従った幾つかの化合物についての結果を示す。
【0124】
【表3】

【0125】
この試験の結果は、本発明の最も活性の化合物が、神経再生を促進することを示している。
【0126】
従って、本発明の化合物は、末梢型ベンゾジアゼピン受容体が含まれる病状を予防又は治療することを意図した医薬を製造するために使用することができる。
【0127】
これらの医薬は、治療に於いて、特に、種々の型の末梢性ニューロパシー、例えば、外傷性又は虚血性ニューロパシー、糖尿病性、感染性、アルコール性、医薬性又は遺伝性ニューロパシー並びにまた運動ニューロン疾患、例えば、脊椎筋萎縮症及び筋萎縮性側索硬化症の治療及び/又は予防に於いて、これらの適用を見出す。これらの医薬は、また、急性型、例えば、脳血管発作並びに頭蓋及び骨髄外傷の又は慢性型、例えば、自己免疫疾患(多発硬化症)、アルツハイマー病、パーキンソン病及び神経栄養性因子の投与が治療的効果を有する全ての他の疾患の、中枢神経系の神経変性疾患の治療に於いて適用を見出す。
【0128】
本発明の化合物は、また、不安、てんかん又は睡眠障害の予防及び/又は治療用を意図している医薬を製造するために使用することができる。これは、p又はPBRサイトのリガンドが、ミトコンドリア膜の外側から内側へのコレステロールの移動を促進することによって、ニューロステロイド(neurosteroid)、例えば、プレグネノロン、デヒドロエピアンドロステロン及び3−α−ヒドロキシ−5−α−プレグナン−20−オンの産生を刺激するためである。これらのニューロステロイドは、GABA−クロリドチャンネルマクロ分子錯体の活性を変調し、そうして不安解消性、抗痙攣性及び鎮静性活性をもたらし得る。
【0129】
本発明の化合物は、また、急性又は慢性腎不全、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、心臓虚血及び心不全、心筋梗塞、下肢の虚血、冠状血管痙攣、アンギナポイトリニアス(angina poitrineous)、心臓弁に付随する病状、炎症性心臓疾患、心臓毒性投薬に起因する又は心臓手術の結果としての二次的影響、アテローム硬化症及びこの血栓塞栓合併症、再狭窄、移植拒絶、平滑筋細胞の不正増殖又は移動に関する状態のための治療に於いて使用することができる。
【0130】
更に、文献からの最近のデータは、末梢型ベンゾジアゼピン受容体が、細胞増殖及び癌化プロセスの調節に於いて基本的役割を演じることができたことを示している。一般的に、正常組織との比較に於いて、末梢型ベンゾジアゼピン受容体の増加した密度が、種々の型の腫瘍及び癌に於いて観察されている。
【0131】
ヒト星状細胞腫に於いて、末梢型ベンゾジアゼピン受容体の発現レベルは、腫瘍の悪性度、増殖指数及び患者の生存率と相関している。ヒト脳腫瘍に於いて、末梢型ベンゾジアゼピン受容体の数の増加は、医学画像形成に於ける診断指標として並びに末梢型ベンゾジアゼピン受容体のリガンドから及び細胞増殖抑制性医薬から形成される結合体のための治療標的として使用される。末梢型ベンゾジアゼピン受容体の高い密度は、また、卵巣癌及び乳癌に於いて観察される。後者に関して、末梢型ベンゾジアゼピン受容体の発現レベルが、腫瘍の攻撃潜在力に結びついていること、更に、末梢型ベンゾジアゼピン受容体作用薬の存在が、乳癌腺(mammary cancer line)の成長を刺激することが示された。
【0132】
癌化プロセスに於ける末梢型ベンゾジアゼピン受容体の有害な機能を示唆する、これらの結果の組合せは、これらの影響を阻止することができる、末梢型ベンゾジアゼピン受容体について特異的な合成リガンドについての研究のための関連原理を構成する。
【0133】
従って、この化合物は腫瘍及び癌を治療するために使用することができる。
【0134】
末梢型ベンゾジアゼピン受容体は、また、皮膚内に存在し、これに関して、本発明に従って使用することができる化合物は、皮膚ストレスの予防又は治療のために使用することができる。
【0135】
用語「皮膚ストレス」は、このストレスを起こす試薬に無関係に、特に、表皮に対して損傷を起こし得る種々の状態を意味すると理解される。この試薬は、身体に対して内部的及び/又は外部的であってよく、例えば、化学的若しくはラジカル的試薬又は紫外線のように外部的であってよい。
【0136】
従って、本発明に従って使用することができる化合物は、皮膚刺激、乾燥斑、紅斑、知覚不全感覚、熱感覚、皮膚及び/若しくは粘液膜の痒み又は加齢を予防し、これらと闘うことを意図しており、また、皮膚障害、例えば、乾癬、痒疹疾患、ヘルペス、光線皮膚症、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、苔癬、痒疹、痒疹症、昆虫刺傷に於いて、コラーゲン成熟の線維症及びその他の障害に於いて又は湿疹のような皮膚科学的状態に於いて使用することができる。
【0137】
本発明の化合物は、また、慢性炎症性疾患、特に、関節リウマチ及び肺炎症性疾患、特に、喘息、急性呼吸窮迫症(ARDS)並びに慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、気管支肺疾患、肺疾患及び肺線維症を予防及び治療するために使用することができる。
【0138】
この態様の一つに従って、本発明の主題は、式(I)の化合物又はこの医薬的に許容される酸付加塩、その他水和物若しくは溶媒和物を含有する医薬である。
【0139】
この態様の他のものに従って、本発明は、有効成分として、本発明に従った化合物を含有する医薬組成物に関する。これらの医薬組成物には、有効用量の少なくとも1種の本発明に従った化合物又は該化合物の1種の医薬的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物及び少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤が含有されている。
【0140】
該賦形剤は、医薬剤形及び所望される投薬方法に従って、当業者に公知である一般的な賦形剤の中から選択される。
【0141】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管支内、鼻腔内、経皮又は直腸投薬のための、本発明の医薬組成物に於いて、前記の式(I)の活性成分又はこの可能性のある塩、溶媒和物若しくは水和物は、一般的な医薬賦形剤と混合することによって、単位投薬剤形で、前記の障害又は疾患の予防又は治療のために、動物及びヒトに投薬することができる。
【0142】
適切な単位投薬剤形には、口経路による剤形、例えば、錠剤、軟質又は硬質ゼラチンカプセル剤、散剤、顆粒剤及び経口水剤又は懸濁剤、吸入による、舌下、頬側、気管支内、眼球内又は鼻腔内投薬剤形、局所、経皮、皮下、筋肉内又は静脈内投薬剤形、直腸投薬剤形並びに移植が含まれる。局所適用のために、本発明に従った化合物を、クリーム、ジェル、ポマード又はローション中に使用することが可能である。
【0143】
例えば、錠剤の剤形での、本発明に従った化合物の単位投薬剤形には、下記の成分が含有されていてよい。
【0144】
本発明に従った化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
ナトリウムクロスカルメロス 6.0mg
(sodium croscarmellose)
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
該単位剤形は、医薬剤形に依存して、体重1kg当たり活性成分0.001から20mgの一日投薬が可能になるように投与される。
【0145】
より高い又はより低い用量が適切である特別の場合があり、このような用量は、本発明の範囲外ではない。一般的な実施に従って、それぞれの患者についての適切な用量は、投薬の様式、該患者の体重及び応答に依存して、医師によって決定される。
【0146】
本発明は、この態様の他のものに従って、また、前記の病状の治療方法であって、患者への、有効用量の本発明に従った化合物又はこの医薬的に許容される塩若しくは水和物若しくは溶媒和物の投薬を含む方法に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基又は酸付加塩形及びまた水和物又は溶媒和物形での、式(I):
【化1】

[式中、nは、数字0又は1を表し、
Xは、水素又はハロゲン原子を表し、
Yは、OR基又はNR基を表し、
は、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、
は、(C−C)アルキル基、フェニル又は単環式若しくは二環式複素環を表し、前記フェニル又は複素環基は、可能であれば、1個以上のハロゲン原子及び/又は1個以上の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル若しくは(C−C)ジアルキルアミノ(C−C)アルキル基を有し、
は、水素原子、(C−C)アルキル基又はベンジルを表し、並びに
及びRは、それぞれ、お互いに独立して、水素原子若しくは(C−C)アルキル基を表し又はR及びRは、これらが有する窒素原子と共に、(C−C)アルキル、フェニル若しくは複素環によって場合により置換された、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成する]
に相当する化合物。
【請求項2】
塩基又は酸付加塩形及びまた水和物又は溶媒和物形での、
nが、数字0又は1を表し、
Xが、水素又はハロゲン原子を表し、
Yが、OR基又はNR基を表し、
が、水素原子又は(C−C)アルキル基を表し、
が、フェニル又はピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル若しくはピリダジニル型の複素環を表し、フェニル又は複素環基が、可能であれば、1個以上のハロゲン原子及び/又は1個以上の(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシル基を有し、
が、水素原子、(C−C)アルキル基又はベンジルを表し、並びに
及びRが、それぞれ、お互いに独立して、水素原子若しくは(C−C)アルキル基を表し又はR及びRが、これらが有する窒素原子と共に、(C−C)アルキル、フェニル又はアゼチジニルによって場合により置換された、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニル基を形成する
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
塩基又は酸付加塩形及びまた水和物又は溶媒和物形での、
nが、数字0又は1を表し、
Xが、水素又はフッ素若しくは塩素原子を表し、
Yが、ヒドロキシ、OCH、O(CHCH)、N(CH、N(CHCH、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、(N−アゼチジニル)ピペリジニル又はN−メチルピペラジニル基を表し、
が、水素原子、メチル又はイソブチル基を表し、
が、フェニル、メチル、イソプロピル若しくはシクロプロピル基又はピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、テトラヒドロキノリニル若しくはテトラヒドロピラニル型の複素環を表し、フェニル及び複素環基は、可能であれば、1個以上のハロゲン基及び/又は1個以上の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)ジアルキルアミノ若しくは(C−C)ジアルキルアミノ(C−C)アルキル基によって場合により置換されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
塩基又は酸付加塩形及びまた水和物又は溶媒和物形での、
N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N−ジエチル−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−4−(ピペリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
7−クロロ−9−メチル−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
4−[(4−アゼチジン−1−イル)ピペリジン−1−イルカルボニル]−7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
7−クロロ−9−メチル−4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
6−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−フルオロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリジン−2−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピラジン−2−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
2−(7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
2−(6−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
2−(7−クロロ−9−メチル−2−ピリジン−3−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド;
N,N−ジメチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
エチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート;
メチル 7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキシラート;
7−クロロ−9−メチル−2−フェニル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボン酸;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(2−メチルピリジン−4−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(2−メトキシピリジン−4−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−9−イソブチル−N,N−ジメチル−2−ピリジン−4−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−シクロプロピル−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,2,9−テトラメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−イソプロピル−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−{4−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(6−クロロピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(6−エトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(6−エチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(5−エチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(5−メチルピリジン−3−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−ピリミジン−5−イル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(5−メトキシピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−[6−(メトキシメチル)ピリジン−3−イル]−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−{6−[(ジメチルアミノ)メチル]ピリジン−3−イル}−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(5,6−ジメチルピリジン−3−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−N,N,9−トリメチル−2−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド;
7−クロロ−2−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−N,N,9−トリメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−カルボキサミド
から選択される、請求項1又は3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
一般式(III):
【化2】

(式中、X、R、R及びRは、請求項1に記載の式(I)に於いて定義された通りである)
化合物を、一般式RC(NH)NH(式中、Rは、請求項1に記載の式(I)に於いて定義された通りである)の、アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールアミジンの存在下で、非極性又は極性溶媒、例えば、キシレン又はN,N−ジメチルホルムアミド中で加熱することによって環化して、一般式(I)(式中、nは0に等しく、YはNR基を表す)の化合物にすることからなる工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法。
【請求項6】
一般式(VII):
【化3】

(式中、X、R及びRは、請求項1に記載の式(I)に於いて定義された通りであり、OTfは、トリフラート基を表す)の化合物上で、例えば、触媒、例えば、酢酸パラジウム、一酸化炭素、ホスフィン型のリガンド、例えば、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び一般式ROH(式中、Rは、前記定義された通りである)のアルコールの存在下で、カルボニル化反応を実施して、一般式(I)(式中、nは0に等しく、YはOR基を表す)の化合物を得ることからなる工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法。
【請求項7】
一般式(IX):
【化4】

(式中、X、R、R、R及びRは、請求項1に記載の式(I)に於いて定義された通りであり、R’は(C−C)アルキルを表す)
の化合物を、メタノール、水及びエーテル性溶媒の混合物中で、例えば、水酸化リチウムを使用することによって鹸化次いで脱カルボキシル化して、一般式(I)(式中、nは1に等しく、YはNR基を表す)の化合物を得ることからなる工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法。
【請求項8】
一般式(III):
【化5】

(式中、X、R、R及びRは、請求項1に於いて定義された通りである)
の化合物。
【請求項9】
一般式(VII):
【化6】

(式中、OTfは、トリフラート基を表し、及びX、R及びRは、請求項1に於いて定義された通りである)
の化合物。
【請求項10】
一般式(IX):
【化7】

(式中、X、R、R、R及びRは、請求項1に於いて定義された通りであり、及びR’は(C−C)アルキルを表す)
の化合物。
【請求項11】
これが、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はこの化合物の医薬的に許容される酸付加塩、この他式(I)の化合物の水和物若しくは溶媒和物を含むことを特徴とする医薬。
【請求項12】
これが、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はこの化合物の医薬的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物及びまた少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項13】
末梢性ニューロパシー、運動ニューロン疾患、中枢神経系の神経変性疾患、不安、てんかん、睡眠障害、急性又は慢性腎不全、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、心臓虚血及び心不全、心筋梗塞、下肢の虚血、冠状血管痙攣、アンギナポイトリニアス、心臓弁に付随する病状、炎症性心臓疾患、心臓毒性投薬に起因する又は心臓手術の結果としての二次的影響、アテローム硬化症及びこの血栓塞栓合併症、再狭窄、移植拒絶、平滑筋細胞の不正増殖又は移動に関する状態、腫瘍及び癌、皮膚ストレス、慢性炎症性疾患、特に、関節リウマチ及び肺炎症性疾患を予防又は治療することを意図する医薬を調製するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−536901(P2008−536901A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507123(P2008−507123)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000843
【国際公開番号】WO2006/111648
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】