説明

2−および3−位において置換されている5,6−ジアリールピリジン、これらの調製およびこれらの治療上の使用

本発明は式(I)に相当する化合物に関する:


式中、−Qは、酸素原子、イオウ原子または−NR−基であり;−Zは、−N(R)XR、−N(R)COORまたは−OCON(R)R基でありXは−CO−、−SO−、−CON(R6)−または−CSN(R)基であり;−Yは、−R1’、−OR5’、−N(R3’)X’R4’、−N(R3’)COOR5’、−NR7’8’、−CON(R3’)R5’、−CSN(R3’)R5’、C(O)R2’、C(O)−O−R2’、−SO2’、−SON(R3’)R5’または−OCON(R3’)R5’基であり、X’は、−CO−、−SO−、−CON(R6’)−または−CSN(R6’)−基であり;−ArおよびArは、それぞれ、互いに独立に、無置換または置換フェニルであり、−kは、0または1であり;−mは、0または1であり;−Alk’は、(C−C)アルキル基であり;塩基の形態または酸との付加塩の形態である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピリジン誘導体に関し、これらの調製におよびこれらの治療上の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願国際公開第03/082191号は、式
【0003】
【化1】

[式中、置換基rからrは異なる値を有する。]
のピリジン誘導体を記載している。
【0004】
米国特許第5916905号は、式
【0005】
【化2】

[式中、RおよびRはアリール基を表すことができ、Rはアルキルカルボニルアミノアルキル基を表すことができる。]
のピリジン誘導体を記載している。
【0006】
特許出願国際公開第2002/055502号は、式
【0007】
【化3】

の化合物を記載している。
【0008】
特許出願国際公開第2006/113704号は、式
【0009】
【化4】

[式中、Bは窒素原子を表すことができ、AおよびCは炭素原子を表す。]
の化合物を記載している。
【0010】
特許出願国際公開第2004/111034号は、式
【0011】
【化5】

のピラジン誘導体を記載している。
【0012】
これらの化合物はCB受容体調節剤であると記載されている。
【0013】
特許出願国際公開第2006/042955号は、カンナビノイドCB受容体拮抗薬である、式
【0014】
【化6】

のピリジン誘導体を記載している。
【0015】
今では、中枢レベルおよび末梢レベルにおいてカンナビノイドCB受容体に対して拮抗性を有する2および3位に特定の置換基を保持している新規な5,6−ジアリールピリジン誘導体が見出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第03/082191号
【特許文献2】米国特許第5916905号
【特許文献3】国際公開第2002/055502号
【特許文献4】国際公開第2006/113704号
【特許文献5】国際公開第2004/111034号
【特許文献6】国際公開第2006/042955号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の1つの主題は、次式
【0018】
【化7】

[式中、
−Qは、酸素原子、イオウ原子または−NR−基を表し、Rは水素原子もしくは(C−C)アルキル基を表し;
−Zは、−N(R)XR、−N(R)COORまたは−OCON(R)R基を表し;
−Xは、−CO−、−SO−、−CON(R)−または−CSN(R)−基を表し;
−Rは、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−Rは、
・無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・基無置換であるまたは(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオまたはシアノ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)カルボン酸;
・飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、ニトロおよびオキソ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・無置換であるまたはハロゲン原子または(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基で置換されているインドリル;
・テトラヒドロナフチル;ナフチル;
・ベンゾチオフェニルまたはベンゾフリル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・ベンゾジオキシル;
・フェノキシメチレンまたは1−フェノキシエチレン(このフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;このメチレンまたはエチレン基は無置換であるまたは(C−C)アルキルまたは(C−C)シクロアルキル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・フェニルシクロプロピル(このフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・以下の群(i)、(ii)、(iii)から選択された1つまたは2つの同一のまたは異なる置換基で置換されている(C−C)アルキレン:
(i)無置換であるまたは同一でも異なっていてもよい(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されているC−C12非芳香族炭素環基;
(ii)無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルカノイル、シアノ、ニトロ、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された1つまたは複数の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されているフェニル;
(iii)飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しもしくは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基から選択された1つまたは複数の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されている。)
を表し、
・さらに、Xが−CON(R)−または−CSN(R)−基を表す場合、Rは(C−C)アルカノイル基またはベンゾイルもしくはベンジルカルボニル基を表すことができ、前記基のフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された1つまたは複数の同一であるまたは異なる置換基で置換されており;
−Rは、無置換であるまたはハロゲン原子もしくは(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ基、S(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニルを表し;
−Rは、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−またはRおよびRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含んでいる可能性がある3から8個の原子から成るヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたは(C−C)アルキル基;(C−C)アルカノイル基;NR基またはCONR、フェニル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ基またはOS(O)Alk、S(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−RおよびRは、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはRおよびRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含んでいる可能性がある4から8個の原子から成る飽和ヘテロ環基を構成しており;
−ArおよびArは、互いに独立に、無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ基、S(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニルを表し;
−Yは、−R1’、−OR5’、−N(R3’)X’R4’、−N(R3’)COOR5’、−NR7’8’、−CON(R3’)R5’、−CSN(R3’)R5’、−C(O)R2’、−C(O)−O−R2’、−SO2’、−SON(R3’)Rまたは−OCON(R3’)R5’基を表し;
−R1’は、−CN基または飽和のまたは不飽和の酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、窒素、酸素、およびイオウ原子から選択された第2のヘテロ原子を含んでいる可能性がある3から8個の原子から成るヘテロ環基を表し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、ニトロ基またはオキソ基から選択された1つまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されており;
−X’は、−CO−、−SO−、−CON(R6’)−または−CSN(R6’)−基を表し;
−R2’は:
・無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基、
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)AlkまたはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)AlkまたはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているベンジル
を表し;
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R4’は、
・無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたは(C−C)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオまたはシアノ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
・飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオまたはシアノ基、ニトロ基およびオキソ基から選択された1つのまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されている。);
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基で置換されているインドリル;
・テトラヒドロナフチル;ナフチル;
・ベンゾチオフェニルまたはベンゾフリル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・ベンゾジオキシル;
・フェノキシメチレンまたは1−フェノキシエチレン(このフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;このメチレンまたはエチレン基は無置換であるまたは(C−C)アルキルまたは(C−C)シクロアルキル基で1回または複数回置換されている。);
・フェニルシクロプロピル(このフェニル基は、無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・以下の群(i)、(ii)、(iii)から選択された1つまたは2つの同一のまたは異なる置換基で置換されている(C−C)アルキレン:
(i)無置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されているC−C12非芳香族炭素環基;
(ii)無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルカノイル、シアノ、ニトロ、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された1つまたは複数の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されているフェニル;
(iii)飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基から選択された同一でも異なっていてもよい1つまたは複数の置換基で置換されている。)
を表し;
・さらに、X’が−CON(R6’)または−CSN(R6’)−基を表す場合、R4’は(C−C)アルカノイルまたはベンゾイルまたはベンジルカルボニル基を表すことができ、前記基のフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で置換されており;
−R5’は:
・水素原子;
・無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルもしくは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
・ハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−またはR3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有する可能性がある3から8個の原子から成るヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチル、(C−C)アルキル基、フェニル基またはNR7’8’基、CONR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記(C−C)アルキル基は無置換であるまたはトリフルオロメチル基で置換されており;前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、OS(O)AlkまたはS(O)Alk基で1回または複数回置換されており;
−R6’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−またはR4’およびR6’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成る酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたは(C−C)アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、オキソ基、(C−C)アルカノイル、NR7’8’またはCONR7’8’ から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記(C−C)アルキル基は無置換であるまたはトリフルオロメチル基で置換されており、前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、OS(O)AlkまたはS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR8’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成る窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和ヘテロ環基を構成し;
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表し;
−Alk’は、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表し;
−nは、0、1または2を表し;
−kは、0または1を表し;
−mは、0または1を表す。]
に相当する塩基または酸付加塩の形態の化合物である。
【0019】
本発明の主題である式(I)の化合物の内で、以下のものが優れている:
−Yが、−C(O)R2’基を表す式(IA)の化合物、
−Yが、−SO2’2’基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−CSNR3’5’基を表す式(ID)の化合物、
−Yが、−C(O)−O−R2’基を表す式(IE)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−N(R3’)X’R4’基を表す式(IH)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−SON(R3’)R5’基を表す式(IK)の化合物、
−Yが、−OCON(R3’)R5’基を表す式(IL)の化合物、
−Yが、−R1’基を表す式(IM)の化合物、
−Yが、−N(R3’)COO’R5’基を表す式(IN)の化合物。
【0020】
本発明の第1の変形形態によれば、式(I)の化合物は以下の化合物に相当する:
−Yが、−C(O)R2’基を表す式(IA)の化合物、
−Yが、−SO2’基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−CSNR3’5’基を表す式(ID)の化合物、
−Yが、−C(O)−O−R2’基を表す式(IE)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−R1’基を表す式(IM)の化合物、
式中、kは1を表し、QはNR基を表し、Rは好ましくは水素原子またはメチル基であり、Alk’は直鎖の(C−C)アルキル基を表し、他の置換基は式(I)の化合物に関して定義された通りである。
【0021】
この第1の変形形態によれば、R2’、R3’、R5’、R7’およびR8’は、好ましくは本明細書の以下の定義を有する:
−R2’は、
−無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された1つの置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているベンジル
を表し;
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R5’は、
−水素原子;
−無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオまたはトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチルまたは無置換であるもしくはトリフルオロメチルで置換されている(C−C)アルキル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のヘテロ環基を構成している。
【0022】
この第1の変形形態によれば、式(IA)、(IB)、(IC)および(IJ)の化合物が特に好ましい。
【0023】
本発明の第2の変形形態によれば、式(I)の化合物は次の化合物に相当する:
−Yが、−SO2’−基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−SON(R3’)R5’基を表す式(IK)の化合物、
式中、kは1を表し、Qは酸素原子を表し、Alk’は直鎖の(C−C)アルキル基を表し、他の置換基は式(I)の化合物に関して定義された通りである。
【0024】
この第2の変形形態によれば、R2’、R3’、R5’、R7’およびR8’は、好ましくは本明細書の以下の定義を有する:
−R2’は、
−無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された1つの置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている(C−C12)非芳香族炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し、
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R5’は、
−水素原子;
−無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチルまたは無置換であるもしくはトリフルオロメチルで置換されている(C−C)アルキル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のヘテロ環基を構成している。
【0025】
本発明の第3の変形形態によれば、式(I)の化合物は次の化合物に相当する:
−Yが、−C(O)R2’基を表す式(IA)の化合物、
−Yが、−SO2’基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−N(R3’)X’R4’基を表す式(IH)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−R1’基を表す式(IM)の化合物、
−Yが、−OCON(R3’)R5’基を表す式(IL)の化合物、
式中、kは0を表し、mは0または1を表し、Qは酸素原子を表し、Alk’は直鎖の(C−C)アルキル基を表し、他の置換基は式(I)の化合物に関して定義された通りである。
【0026】
この第3の変形形態によれば、R1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’、R8’およびX’は、好ましくは本明細書の以下の定義を有する。
−R1’は、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成る、窒素、酸素またはイオウから選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のまたは不飽和のヘテロ環基を表し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ基またはオキソ基から選択された1つまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されており;
−X’は、−CO−、−SO−、−CON(R6’)−または−CSN(R6’)−基を表し;
−R2’は、
−無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された1つの置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し、
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R4’は、
−無置換であるまたは1つのCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたは(C−C)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ基またはオキソ基から選択された1つまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されている。);
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、またはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R5’は、
−水素原子;
−無置換であるまたは1つのCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、または(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)AlkまたはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、NR7’8’またはCONR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R6’は、水素原子を表しまたは(C−C)アルキル基を表し;
−またはR4’およびR6’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、オキソ基から選択された同一のまたは異なる置換基でまたは無置換であるもしくはトリフルオロメチル基で置換されている(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のヘテロ環基を構成しており;
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表す。
【0027】
式(I)の化合物内の、特に上記の3つの変形形態に相当する式の化合物内のZに関しては、次の3つの好ましい基Zが優れている。
−(Z):−N(R)COR
−(Z):−N(R)SO
−(Z):−N(R)CON(R)R
式中、R、RおよびRは、式(I)の化合物に関して定義された通りである。
【0028】
これらの3つの好ましいZ、ZおよびZ基に関してより詳しくは:
−Rは、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−Rは、
・(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたは同一のまたは異なる(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
・飽和のまたは不飽和の、酸素を有する、イオウを有するまたは窒素を有する4から8個の原子から成るヘテロ環基、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている;
・無置換であるまたは窒素原子においてハロゲン原子、(C−C)アルキル基、または(C−C)アルコキシ基で置換されているインドリル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)AlkもしくはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルコキシ、シアノ、フェニル基またはS(O)AlkもしくはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているベンジル
を表し;
−Rは、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−またはRおよびR6’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成しており、この基は無置換であるまたは(C−C)アルキル基、(C−C)アルカノイル基、NR基またはCONR基、フェニル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたはトリフルオロメチル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−RおよびRは、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し;またはRおよびRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、N−メチルピペラジニル、アゼピニルおよびモルホリニルから選択されたヘテロ環基を構成し;
−nは、0、1または2を表し;
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表す。
【0029】
詳しくは、ZおよびZに関する置換基の定義は次の通りである:
−Rは、水素原子またはメチル、好ましくは水素原子を表し;
−Rは、
・(C−C10)アルキル;
・無置換であるまたはメチルで1回または複数回置換されている(C−C)シクロアルキル;
・無置換であるまたはメチルで1回または複数回置換されている、酸素を有する、イオウを有するまたは窒素を有する4から8個の原子から成る飽和のヘテロ環基;
・ハロゲン原子またはトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、SOAlkもしくはOSOAlk基から独立に選択された基で1回または複数回置換されているフェニル、
を表し、
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C1−C7)アルキル基を表す。
【0030】
およびZに関してさらに詳しくは、Rは2−プロピルペンチル、1−プロピルブチル、5−メチルノニル、4−メチルヘプチルまたは4−メチル−2,6−ジメチルヘプチル基、シクロペンチル、テトラメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、1,1,4,4−テトラメチルシクロペンチル、2,2,5,5−テトラメチルフラニルまたは2,2,5,5−テトラメチルピロリジニル基、無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオで、またはSO2AlkまたはOSO2Alk基で置換されているフェニル基を表す。Alkは直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表す。
【0031】
詳しくは、Zに関する置換基の定義は次の通りである:
−Rは、水素原子またはメチルを表し;
−Rは、
・(C−C10)アルキル;
・無置換であるまたはメチルで1回または複数回置換されている(C−C)シクロアルキル;
・無置換であるまたはメチルで1回または複数回置換されている、酸素を有する、イオウを有するまたは窒素を有する4から8個の原子から成る飽和のヘテロ環基;
・ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、SOAlkまたはOSOAlkから独立に選択された基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表し;
−およびRは、水素原子またはメチルを表す。
【0032】
に関してさらに詳しくは、Rは無置換であるまたはハロゲン原子で、またはメトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはトリフルオロメチルチオ基で置換されているシクロヘキシル基、フェニル基を表す。
【0033】
ArおよびAr基に関しては、後者は好ましくは、互いに独立に、無置換であるまたは塩素もしくは臭素原子およびメトキシもしくはメチルチオ基からそれぞれ独立に選択された置換基で1回または複数回置換されているフェニルを表す。より優先的に、Arは、塩素または臭素原子で置換されているフェニルを表し、Arは、少なくとも2つのハロゲン原子で置換されているフェニルを表し;2つの同一のまたは異なるハロゲン原子は塩素または臭素から選択される。
【0034】
式(I)の化合物は1つまたは複数の非対称炭素原子を含み得る。これらはエナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在し得る。これらのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体、およびこれらのラセミ混合物を含めた混合物も本発明の部分を形成する。
【0035】
式(I)の化合物は塩基の形態または酸付加塩の形態で存在し得る。このような付加塩は本発明の部分を形成する。
【0036】
これらの塩は薬剤として許容される酸を用いて調製され得るが、他の酸、例えば式(I)の化合物を精製するまたは単離するために有用な酸の塩も本発明の部分を形成する。
【0037】
本発明の場合、以下の定義が当てはまる:
−ハロゲン原子:フッ素、塩素、臭素またはヨウ素;
−(C−C)アルキルまたは、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C10)アルキル、(C−C10)アルキル基:(C−C)または、それぞれ、(C−C)、(C−C)、(C−C)、(C−C)、(C−C)、(C−C10)または(C−C10)の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族基。挙げられ得る例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、1−エチルプロピル、1−プロピルブチル、2−プロピルペンチル、5−メイルノニル、4−メチルヘプチル、4−メチル−2,6−ジメチルヘプチルなどの基を含む;
−(C−C)アルコキシまたは、(C−C)アルコキシ:それぞれアルキル基が先に定義された通りであるO−アルキル基;
−(C−C)アルキルチオ基;アルキル基が先に定義された通りであるS−アルキル基;
−(C−C)アルカノイル基;アルキル基が先に定義された通りであるアルキルカルボニル基。
【0038】
非芳香族のC−C12炭素環基は、縮合したまたは架橋された単環式または多環式の基を含む。単環基は、例えば、シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを含み;シクロヘキシルおよびシクロペンチルが好ましい。縮合、架橋またはスピランの二環式もしくは三環式基は、例えば、ノルボルニル、ボルニル、イソボルニル、ノルアダマンチル、アダマンチル、スピロ[5.5]ウンデカニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチルを含む。
【0039】
2つの置換基によってこれらが結合されている窒素原子と一緒になって構成される3から8員の窒素を有するヘテロ環基は、飽和の基アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、パーヒドロアゼピニル、パーヒドロアゾシニルなど;飽和のまたは不飽和の同様に酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している基イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリルまたはチアゾリルなどを含む。不飽和で3から8員の窒素を有し同様に1つまたは複数のヘテロ原子を含むヘテロ環基は、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イソチアゾリルおよびイソオキサゾリルを含む。
【0040】
飽和のまたは不飽和で、酸素を有する、イオウを有するまたは窒素を有する3から8個の原子から成るヘテロ環基は、特にフリル、テトラヒドロフリル、チエニルおよびピロリルを含む。
【0041】
本発明による化合物の内では、以下の化合物が特に挙げられ得る:
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−2−[(ブチリルアミノ)メチル]−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(メトキシアセチル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[(ヒドロキシアセチルアミノ)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(プロピルスルホニル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[({[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]スルホニル}アミノ)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[({[4−(トリフルオロメチル)−ベンジル]スルホニル}アミノ)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(メチルスルホニル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(プロピルカルバモイル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[2−{[(アニリノカルボニル)アミノ]メチル}−6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロ−フェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({[(プロピルアミノ)−カルボノチオイル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−プロピル({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−[({4−[(トリフルオロメチル)−チオ]ベンゾイル}アミノ)メチル]ピリド−2−イル}メチル)カルバメート;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({[2−(ジメチルアミノ)−エチル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)−アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[2−{[(3−アミノ−3−オキソエチル)(メチル)アミノ]メチル}−6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({メチル[2−(メチルスルホニル)−エチル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(3−ヒドロキシプロパノイル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({[2−(ジメチルアミノ)−エチル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[2−(ジメチルアミノ)−エトキシ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[4−(トリフルオロメチル)−ベンゾイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチルプロピルカルバメート;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]−エトキシ}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]−プロポキシ}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{2−[(イソプロピルスルホニル)−アミノ]エトキシ}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]−エトキシ}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[2−(2−アミノエトキシ)−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−2−{2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]エトキシ}−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
の塩基または酸付加塩の形態。
【0042】
これらの化合物の内では、以下の化合物が特に好ましい:
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)−アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[2−{[(3−アミノ−3−オキソプロピル)(メチル)アミノ]メチル}−6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({メチル[2−(メチルスルホニル)−エチル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)−アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(3−ヒドロキシプロパノイル)−アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
の塩基または酸付加塩の形態。
【0043】
詳しくは、以下の化合物が好ましい:
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
の塩基または酸付加塩の形態。
【0044】
本発明によれば、Z、ArおよびArが(I)に関して定義された通りである一般式(I)の化合物が:
【0045】
【化8】

【0046】
−R2’が(I)において定義された通りである一般式R2’COHの酸(III)と、または前記酸の活性化された誘導体とのいずれかで処理されて、一般式(IA)の化合物を得る:
【0047】
【化9】

【0048】
−またはR2’が(I)において定義された通りであり、Halがハロゲン、優先的には塩素、を表す一般式R2’SOHalのハロゲン化スルホニル(IV)で処理されて、一般式(IB)の化合物を得る:
【0049】
【化10】

【0050】
−またはR5’が(I)において定義された通りである一般式R5’−N=C=Oのイソシアネート(V)で処理されて、R3’が水素原子に相当する一般式(IC)の化合物を得る:
【0051】
【化11】

【0052】
−またはR5’が(I)において定義された通りである一般式R5’−N=C=Sのイソチオシアネート(Vbis)で処理されて、一般式(ID)の化合物を得る:
【0053】
【化12】

【0054】
−またはR2’が(I)において定義された通りであり、Halがハロゲンを表す一般式HalCOOR2’のアリールオキシカルボニルハライド(VI)で処理されて、一般式(IE)の化合物を得る:
【0055】
【化13】

【0056】
あるいは、本発明によれば、上記で定義された化合物(IE)は本発明による他の化合物(I)を得るための中間体と考えることもできる。特に、一般式(IC)の化合物が調製されることになっている場合、(IE)が、R3’およびR5’が(I)において定義された通りである一般式R3’5’NHのアミン(VII)で処理される:
【0057】
【化14】

【0058】
本発明によれば、一般式(IF)、(IJ)または(IM)の化合物は、次の反応スキームによって調製される:
【0059】
【化15】

【0060】
ステップaにおいては、一般式(VIII)のアルコールが一般式Alk−SO−Halのハロゲン化スルホニル(IX)[式中のAlkはアルキル基、好ましくはメチルを表し、Halはハロゲン、好ましくは塩素を表す。]、例えばメタンスルホニルクロリドで、塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下において処理されて、一般式(X)の化合物を与える。
【0061】
この脱離基を含む化合物(X)は、一般式Y−(Alk’)m−NHの第一級アミン(XI)[式中のY、Alk’およびmは式(IF)、(IJ)および(IM)に関して与えられた定義に相当する。]で、塩基、例えば炭酸カリウムの存在下において処理される。
【0062】
本発明によれば、一般式(X)の化合物は、一般式R7’8’N−(Alk’)m−OHのアルコール(XII)[式中のR7’およびR8’、Alk’およびmは(I)において定義された通りである。]で、塩基、例えばカリウムtert−ブトキシドの存在下においてジオキサンなどの非プロトン性溶媒中において高温で処理される場合、一般式(IF)の化合物の入手も可能にする:
【0063】
【化16】

【0064】
本発明によれば、一般式(VIII)の化合物が、R5’が(I)に関して定義されている一般式R5’−N=C=Oのイソシアネート(V)で処理される場合、一般式(IC)のカーバメートが得られる:
【0065】
【化17】

【0066】
Z=−N(R)XRまたは−N(R)COORであり、X=−CO、−SO、−CONRまたは−CSNRであり、R、R、RおよびRは(I)において定義された通りである場合、一般式(VIII)の化合物は下の反応スキームによって得られる;
【0067】
【化18】

【0068】
ステップaにおいて、ヒドロキシル基を有する一般式(XIII)の化合物がフタルイミド、DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)およびトリフェニルホスフィンの存在下における光延反応において使用されて一般式(XIV)の化合物を与え、この化合物は、ステップbにおいて還流下のメタノール中でヒドラジン水和物を用いて処理される場合に、一般式(XV)のアミンを与える。
【0069】
この式(XV)のアミンは重要な中間体であり、ステップcにおいて、特許出願国際公開第2006/042955A1号に記載されている方法によって、Zの種々の変形形態の入手方法を提供する。特に、式(XV)のアミンは次の試薬の1つと反応させられる:R−COH、RSOCl、RN=C=O、R−N=C=S、Hal−COOR
【0070】
こうして得られた一般式(XVI)の化合物は、ステップdにおいて脱アルキル化剤、例えば三臭化ホウ素または臭化水素酸で処理されて、一般式(VIII)の化合物を与える。
【0071】
一般式(II)の化合物は、一般式(VIII)の化合物から次の反応スキームによって得られる:
【0072】
【化19】

【0073】
ステップaにおいて、一般式(VIII)の化合物はフタルイミド、DEADおよびPPhの存在下における光延反応において使用されて中間体(XVII)を与え、この中間体は、ステップbにおけるヒドラジン水和物での処理後に、一般式(II)の化合物を与える。
【0074】
あるいは、式(II)の化合物は、一般式(VIII)の化合物から次の反応スキームによって得ることもできる。
【0075】
【化20】

【0076】
ステップa3’において、アルコール官能基上に脱離基、例えばメタンスルホネートなどのアルキルスルホネートが導入される。こうして得られた一般式(XVIII)の化合物は、一般式(XIX)のアジドを与えるアジ化ナトリウムの存在下における置換反応において使用され得る。これらのアジドは、例えばトリフェニルホスフィンの存在下において還元されることができて一般式(II)のアミンを与える。
【0077】
一般式(XIII)の化合物の調製は、特許出願国際公開第2006/042955A1号に記載されている。
【0078】
本発明によって、Ar、ArおよびZが(I)に関して定義された通りである一般式(XX)の化合物が、一般式N−フタルイミド−(Alk’)m−Hal[式中のAlk’およびmは(I)に関して定義された通りであり、Halは脱離基、例えばハロゲン原子、好ましくは臭素を表す。]のアルキル化剤(XXI)で塩基、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウムまたは炭酸銀の存在下の溶媒、例えばトルエンまたはクロロホルム中において、これらの溶媒の還流温度で処理される場合には、一般式(XXII)の化合物が得られる。この反応においては、アルキル化剤(XXI)は、フタルイミド基以外のアミン官能基の保護基、例えばBOC基を有すればよい。
【0079】
反応スキーム4のステップbによれば、化合物(XXII)がヒドラジン水和物で環流下のメタノール中において処理される場合、R7’およびR8’基が両方とも水素原子である一般式(IF)の化合物が得られる。
【0080】
【化21】

【0081】
かかる化合物IFは、本発明による化合物(I)であることに加えて、例えば一般式(IH)の種々の化合物の入手を可能にする中間体でもある。
【0082】
【化22】

【0083】
下のスキーム6は、一般式(XX)の化合物を調製する方法を例示している。
【0084】
【化23】

【0085】
ステップaにおいて、ピリドン(XXIII)がヨウ化メチルを使用して炭酸銀などの塩基の存在下においてO−アルキル化されて、一般式(XXIV)のピリジンを与える。
【0086】
この反応は、一般式(XXIVbis)のN−メチルピリドンも与え、これは所望の一般式(XXIV)の化合物からクロマトグラフィー的方法によってまたは再結晶化によって分離される。
【0087】
ステップbにおいて、一般式(XXIV)の化合物上に存在するニトリル官能基が第一級アミン官能基に還元されて、一般式(XXV)の化合物を与える。この還元は、例えばラネーニッケルおよびアンモニア水の存在下における接触水素化によって、またはボラン−ジメチルスルフィド錯体を使用してのいずれかで行われる。
【0088】
重要な中間体である一般式(XXV)のアミンは、ステップc6において特許出願国際公開第2006/042955A1号に記載されている方法によって(I)に関して定義されているZの種々の変形形態の入手を可能にする。スキーム6によって、Zが−NH−SO−R、−NH−COR:、−NH−CO−NHRまたは−NH−CS−NHRに相当する式(XXVI)の化合物が特に得られる。
【0089】
最後に、ステップdにおいて、先のステップにおいて得られた一般式(XXVI)の化合物は、脱アルキル化剤で処理されて一般式(XX)の化合物を与える。様々な種類の脱アルキル化剤、例えば臭化水素酸または三臭化ホウ素が使用され得る。
【0090】
特許出願国際公開第2003/082191号は、一般式(XXIII)の化合物および一般式(XXVII)の塩素化された化合物をも調製する方法を記載している:
【0091】
【化24】

【0092】
この一般式(XXVII)の化合物は、下のスキーム7によって一般式(IF)の化合物を調製するために極めて有用である。
【0093】
化合物(IF)に関して、Yは−NR7’8’−に相当し、QはNHに相当し、Alk’は直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基に相当し、kは0に等しく、mは1に等しい。
【0094】
【化25】

【0095】
ステップaにおいて、一般式(XXVII)の塩素化された誘導体が、Alk’、Yおよびmが(IF)に関する定義に相当する一般式(XI)の第一級アミンY−(Alk’)m−NHの過剰で、高温においてトルエンなどの適当な溶媒中で処理される場合、一般式(XXVIII)の化合物が得られる。
【0096】
ステップbにおいて、一般式(XXVIII)の化合物によって保持されているニトリル官能基は、ラネーニッケルおよびアンモニア水の存在下における接触水素化によって第一級アミン官能基に還元されて、一般式(XXIX)の化合物を与える。後者の化合物は一般式(IF)の化合物の直接の前駆体であり、その中のZの種々の変形形態は、特許出願国際公開第2006/042955A1号に記載されている方法によるステップcにおいて得られる。
【0097】
同様に、一般式(XXVII)の塩素化された化合物は、スキーム8による一般式(IF)の化合物の調製を可能にする。
【0098】
化合物(IF)に関して、Yは−NR7’8’−に相当し、QはSに相当し、Alk’は直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基に相当し、kは0に等しく、mは1に等しい。
【0099】
【化26】

【0100】
ステップaにおいて、一般式(XXVII)の化合物は、Alk’、Yおよびmが(IF)に関して与えられている定義に相当する一般式Y−(Alk’)m−SHのチオール(XXXI)と、適当な塩基、例えば炭酸カリウムまたは炭酸セシウムの存在下において、トルエンなどの溶媒中の高温で反応して、一般式(XXXII)の化合物を与える。
【0101】
ステップbは、スキーム7のステップbの条件と同様の条件下で実施される。式(XX)および(XXV)の中間体化合物は新規であり、式(I)の化合物の調製に関して使用される。
【0102】
本発明の1つの主題は、式(XX)の化合物でもある:
【0103】
【化27】

【0104】
式中、Z、ArおよびArは、式(I)の化合物に関して定義された通りである。
【0105】
好ましくは、式(XX)の化合物に関しては、Zは−NH−SO−R、−NH−COR、−NH−CO−NHRまたは−NH−CS−NHRに相当する。
【0106】
本発明の1つの主題は、式(XXV)の化合物でもある:
【0107】
【化28】

【0108】
式中、ArおよびArは式(I)の化合物に関して定義された通りである。
【0109】
好ましくは、式(XX)および(XXV)の化合物に関しては、ArおよびArは、互いに独立に、無置換または塩素または臭素原子およびメトキシまたはメチルチオ基からそれぞれ独立に選択された置換基で1回または複数回置換されているフェニルを表す。より優先的には、Arは塩素または臭素原子で置換されているフェニルを表し、Arは少なくとも2つのハロゲン原子で置換されているフェニルを表し;2つの同一のまたは異なるハロゲン原子は塩素および臭素から選択される。
【0110】
以下の実施例は、本発明による特定の化合物の調製を記載する。これらの実施例は限定的ではなく、本発明を例示するためだけに役立つ。
【0111】
次の略語が調製においておよび実施例において使用される。
【0112】
EtOAc:酢酸エチル
BH/DMS:ボラン−ジメチルスルフィド錯体
BOC:t−ブチルオキシカルボニル
DCM:ジクロロメタン
TLC:薄層クロマトグラフィー
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル
2N塩化水素エーテル:2N塩化水素ジエチルエーテル中溶液
MeOH:メタノール
ラネーNi:ラネーニッケル(登録商標)
pyBOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
pH2緩衝溶液:水1リットル中にKHSO16.66gおよびKSO32.32gの溶液
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
【0113】
核磁気共鳴スペクトルは250MHzにおいてDMSO−d6中で記録された。スペクトルの解釈のために、次の略語が使用される:s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、quint.:クインテット、m:マルチプレット、bs:ブロードシングレット、dd:ダブルダブレット。
【0114】
本発明による化合物は、HPLC−UV−MS連結(高性能液体クロマトグラフィー−UV検出および質量検出)またはUPLC−UV−MS(超高性能液体クロマトグラフィー−UV検出および質量検出)によって分析される。分子ピーク(MH+)および分(min)で表した保持時間(rt)が測定される。HPLCに関しては、使用される機器はAgilentダイオードアレー検出器および質量分析計を備えているAgilent HP1100クロマトグラフィー一式から成り、質量分析計は、
−ZQ Watersシングル四重極質量分析計
−Quattro−Micro Watersトリプル四重極質量分析計
のいずれかである。
【0115】
UPLCに関しては、使用される機器はWatersダイオードアレー検出器およびWaters SQD質量分析計を備えたWaters Acquity UPLC一式から成る。
【0116】
分析条件は次の通りである:
条件A(HPLC):
Watersによって販売されているSymmetry Waters(登録商標)C18カラム、2.1×50mm、3.5μm、が室温において、流量0.4ml/分で使用される。
【0117】
溶離液は次の通りに構成される:
−溶媒A:水中に0.005%トリフルオロ酢酸(TFA)
−溶媒B:アセトニトリル中に0.005%TFA。
【0118】
グラジエント:溶媒Bのパーセンテージが10分間で0から90%に及び、90%Bにおいて5分間一定に保たれる。
【0119】
UV検出は220nmにおいて行われ、質量検出はポジティブエレクトロスプレー(ESI)として知られている化学イオン化モードで、大気圧においてZQ Waters シングル四重極質量分析計で行われる。
【0120】
条件B(HPLC):
Watersによって販売されているSymmetry Waters(登録商標)C18カラム、2.1×50mm、3.5μm、が室温において、流量0.4ml/分で使用される。
【0121】
溶離液は次の通りに構成される:
−溶媒A:水中に0.005%トリフルオロ酢酸(TFA)
−溶媒B:アセトニトリル中に0.005%TFA。
【0122】
グラジエント:溶媒Bのパーセンテージが20分間で0から90%に及び、90%Bにおいて10分間一定に保たれる。
−UV検出は220nmにおいて行われ、質量検出はポジティブエレクトロスプレー(ESI)として知られている化学イオン化モードで、大気圧においてZQ Waters シングル四重極質量分析計で行われる。
【0123】
条件C(HPLC):
Watersによって販売されているSymmetry Waters(登録商標)C18カラム、2.1×50mm、3.5μm、が室温において、流量0.4ml/分で使用される。
【0124】
溶離液は次の通りに構成される:
−溶媒A:10nM酢酸アンモニウム(pH約7)
−溶媒B:アセトニトリル。
【0125】
グラジエント:溶媒Bのパーセンテージが10分間で0から90%に及び、90%Bにおいて5分間一定に保たれる。
【0126】
UV検出は220nmにおいて行われ、質量検出はポジティブエレクトロスプレー(ESI)として知られている化学イオン化モードで、大気圧においてQuattro−Micro Watersトリプル四重極質量分析計で行われる。
【0127】
条件D(UPLC):
Acquity BEH C18カラム、2.1×50mm、1.7μm、が40℃において、流量1ml/分で使用される。
【0128】
溶離液は次の通りに構成される:
−溶媒A:約pH3.1の水中に0.005%TFA/アセトニトリル(97/3)
−溶媒B:アセトニトリル中に0.035%TFA。
【0129】
グラジエント:溶媒Bのパーセンテージが2.3分間で0から95%に及び、95%Bにおいて0.6分間一定に保たれる。
【0130】
UV検出は220nmにおいて行われ、質量検出はポジティブエレクトロスプレー(ESI)と呼ばれている化学イオン化モードで、大気圧においてWaters SQD質量分析計で行われる。
【0131】
質量分析条件
質量スペクトルは、分析される化合物のプロトン化から誘導されるイオン(MH)またはNa、Kなどの他のカチオンとの付加体の形成からのイオンを観測するために、ポジティブエレクトロスプレー(ESI)モードで記録される。
【0132】
特に言及されない限り、条件AはLC/MSに関して使用される条件である。
【実施例1】
【0133】
(表Iの化合物4)
N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(プロピルスルホニル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0134】
A)2−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
【0135】
出願国際公開第2006/042955A1号(調製4、ステップAからF)に記載されている手順と同様の手順によって得た[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メタノール10.0g、フタルイミド3.57gおよびトリフェニルホスフィン5.95gをTHF250ml中に溶解させる。DEAD4.23gを−10℃において滴加し、次いで混合物を室温において5時間撹拌する。
【0136】
反応媒体をエーテル250mlで希釈する。有機相をpH2の緩衝溶液200ml、10%のNaHCO水溶液200ml、飽和NaCl水溶液200ml、次いで蒸留水200mlで洗浄する。得られた相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮する。
【0137】
こうして得た粗製の生成物をシリカ上において、1時間掛けて0から1%のDCM/メタノール混合物で溶離して精製する。
【0138】
精製された生成物を含有している画分を合わせ、乾燥させTLCによって純粋な予想されている生成物12.0gを得る。
【0139】
B)1−[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]−メタンアミン
【0140】
先行するステップにおいて得た化合物12.0gおよびヒドラジン水和物1.0mlをメタノール100ml中に溶解させ、次いでこの混合物を3時間還流させる。室温まで冷却後、反応媒体を乾燥させ、次いでDCM500mlおよび蒸留水500ml中に取り出す。有機相を10%の塩酸水溶液100mlで抽出し、この酸性の相をDCM 250mlで洗浄する。
【0141】
水相を10%の水酸化ナトリウム水溶液250mlで塩基性化し、次いでDCM 250mlで抽出する。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物6.0gを得る。
LC/MS:MH=450.8;rt=7.24分;
【0142】
C)N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0143】
先行するステップにおいて得た化合物2.0g、4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド0.79gおよびトリエチルアミン2.12mlをDCM 50ml中に溶解させる。
【0144】
反応媒体を室温において1時間撹拌し、次いで蒸留水150mlで洗浄する。
【0145】
有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物2.0gを得る。
【0146】
D)LC/MS:MH=622.8;rt=12.12分 N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(ヒドロキシルメチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0147】
先行するステップにおいて得た化合物3.5gを−30℃においてDCM 100ml中に溶解させ、次いで三臭化ホウ素5.6mlをゆっくり加える。反応媒体を室温において12時間撹拌し、次いで蒸留水200mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮する。
【0148】
反応の間に形成され得る臭素化された生成物の痕跡を除去するために、粗製の残留物を以下のようにして処理する;残留物をジオキサン/水の50/50容積/容積混合物200ml中に再溶解させ、溶液に炭酸カリウム3.5gを加える。反応媒体を5時間還流させ、ろ過し、減圧下において濃縮する。蒸発残留物をDCM 200ml中に取り出す。この溶液を蒸留水200mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物2.3gを得る。
【0149】
E)LC/MS:MH=608.8;rt=18.34分 N−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0150】
先行するステップにおいて得た化合物2.3g、フタルイミド0.61gおよびトリフェニルホスフィン1.2gをTHF95ml中に溶解させる。
【0151】
−10℃において、DEAD0.72gを滴加し、次いで混合物を室温で5時間撹拌する。
【0152】
反応媒体をエーテル100mlで希釈する。有機相をpH2の緩衝溶液100mlで、10%のNaHCO水溶液100mlで、飽和NaCl水溶液100mlで、および次いで蒸留水100mlで洗浄する。得られた相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮する。
【0153】
こうして得た粗製の生成物をシリカ上において、1時間掛けて0から1%のDCM/メタノール混合物で溶離して精製する。
【0154】
精製された生成物を含有している画分を合わせ、乾燥させ予想されている生成物2.2gを得る。
【0155】
F)LC/MS:MH=737.8;rt=12.34分 N−{[2−(アミノメチル)6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0156】
先行するステップにおいて得た化合物2.0gおよびヒドラジン水和物0.3mlをメタノール50ml中に溶解させ、次いで混合物を3時間還流させる。室温まで冷却後、反応媒体を乾燥させ、次いでDCM 200mlおよび蒸留水200ml中に取り出す。有機相を10%塩酸水溶液50mlで抽出し、この酸性相をDCM 100mlで洗浄する。水相を10%水酸化ナトリウム水溶液100mlで塩基性化し、次いでDCM 100mlで抽出する。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物1.6gを得る。
LC/MS:MH=607.9;rt=8.26分
【0157】
G)N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(プロピルスルホニル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0158】
先行するステップにおいて得た化合物0.3gをDCM 11mlおよびトリエチルアミン0.24ml中に溶解させ、次いでn−プロパンスルホニルクロリド0.04mlをこの溶液に加える。混合物を室温において1時間撹拌し、次いでDCM 50mlで希釈する。有機相を蒸留水100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して粗製の生成物を得る。粗製の生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間30分掛けて0から2%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0159】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ予想されている生成物0.25gを塩基の形態で得る。
【0160】
精製された生成物を標準的な方法によって塩酸塩の形態で塩化される(塩基のジクロロメタンなどの溶媒中への溶解、2M塩酸エーテルの添加、蒸発乾固、蒸発残留物のジクロロメタンなどの溶媒中への溶出、溶液のエチルエーテルへの投入、沈殿した生成物のろ過、乾燥)。予想されている塩酸塩0.22gを得る。
LC/MS:MH=714.0;rt=12.02分
【実施例2】
【0161】
(表Iの化合物1)
N−{[6−(4−ブロモフェニル)−2−[(ブチルアミノ)メチル]−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0162】
A)N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0163】
実施例1のステップB)において得た1−[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メタンアミン18.0gをDCM200ml中に溶解させ、続いて4−(トリフルオロメチルチオ)安息香酸8.38g、トリエチルアミン19.1mlおよびPyBOP19.63gを加える。
【0164】
媒体を室温において3時間撹拌し、次いで10%HCl 200mlで、10%NaHCO水溶液200mlで、および次いで蒸留水200mlで続けて洗浄する。
【0165】
有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して粗製の生成物を得る。この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間掛けて0から1%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0166】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物18.0gを得る。
LC/MS(条件C):MH=654.8;rt=12.12分
【0167】
B)N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(ヒドロキシルメチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0168】
先行するステップにおいて得た化合物2.0gをDCM 100ml中に溶解させ、次いで−30℃において三臭化ホウ素3.05mlをゆっくり加える。反応媒体を室温において12時間撹拌し、次いで蒸留水150mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮する。
【0169】
反応の間に形成し得る臭素化生成物の痕跡を除去するために、粗製残留物を次の方法で処理する:
残留物を50/50(容積/容積)のジオキサン/水混合物150ml中に再溶解させ、炭酸カリウム2.0gをこの溶液に加える。反応媒体を5時間還流させ、ろ過し、減圧下において濃縮する。
【0170】
蒸発残留物をDCM 150ml中に溶出させる。この溶液を蒸留水150mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物1.7gを得る。
LC/MS(条件B):MH=640.8;rt=19.15分
【0171】
C)N−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0172】
先行するステップにおいて得たN−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(ヒドロキシルメチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド4.0gを、実施例1のステップE)において使用した手順に従って、次の量を使用して処理する:すべてTHF100ml中のフタルイミド1.08g、トリフェニルホスフィン1.68gおよびDEAD 1.20g。
予想されている粗製生成物3.0gを得る。
LC/MS:MH=769.9;rt=12.69分
【0173】
D)N−{[2−(アミノメチル)−6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0174】
先行するステップにおいて得たN−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド3.0gを、実施例1のステップF)において使用した手順に従って、次の量を使用して処理する:メタノール100ml中のヒドラジン一水和物0.2ml。
【0175】
予想されている生成物2.0gを最終的に得る。
LC/MS:MH=639.9;rt=8.56分
【0176】
E)N−{[6−(4−ブロモフェニル)−2−[(ブチルアミノ)メチル]−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0177】
先行するステップにおいて得た化合物0.25gをDCM 10ml中に溶解させる。この溶液に塩化ブチリル0.041gおよびトリエチルアミン0.12mlを加える。反応媒体を室温において1時間撹拌し、DCM 50mlで希釈し、次いで蒸留水50ml、続いて10%HCl 50ml、10%NaHCO水溶液50mlで洗浄し、次いで再度蒸留水50mlで洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して粗製の生成物を得る。
【0178】
この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間30分掛けて0から2%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物を塩基形態で得る。精製された生成物を標準的な方法によって塩酸塩の形態に塩化する。
予想されている塩酸塩0.14gを得る。
LC/MS:MH=709.9;rt=12.35分
【実施例3】
【0179】
(表Iの化合物8)
N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(プロピルカルバモイル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0180】
実施例2のステップD)において得た化合物0.25gをDCM 10ml中に溶解させる。この溶液にn−プロピルイソシアネート0.033gおよびトリエチルアミン0.11mlを加える。反応媒体を室温において1時間撹拌し、DCM 50mlで希釈し、次いで蒸留水50mlで洗浄し、NaSOを投入して乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して粗製の生成物を得る。この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHのグラジエント、1時間30分掛けて0から2%MeOHで溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物を塩基形態で得る。
【0181】
精製された生成物を標準的な方法によって塩酸塩の形態に塩化する。予想されている塩酸塩0.175gを得る。
LC/MS(条件B):MH=725.0;rt=19.73分
【実施例4】
【0182】
(表Iの化合物11)
プロピル({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−[({4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンゾイル}アミノ)メチル]ピリド−2−イル}メチル]カルバメート
【0183】
実施例2のステップDにおいて得た化合物0.25gをDCM 10ml中に溶解させる。この溶液にクロロギ酸n−プロピル0.047gおよびトリエチルアミン0.11mlを加える。反応媒体を室温において1時間撹拌し、DCM 50mlで希釈し、次いで蒸留水50mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して粗製の生成物を得る。この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間30分掛けて0から2%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0184】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物0.16gを得る。
LC/MS:MH=726.0;rt=12.78分
【実施例5】
【0185】
(表Iの化合物3)
N−({6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[(グリコロイルアミノ)メチル]ピリド−3−イル}メチル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0186】
実施例2のステップEの手順と類似の手順を使用して得たN−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(メトキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド0.250gをDCM 30ml中に溶解させる。次いで三臭化ホウ素1.33mlを窒素雰囲気下の−30℃においてゆっくり加え、次いで反応媒体を室温において12時間撹拌し、蒸留水100mlおよびDCM 100mlを加える。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮して粗製の生成物を得る。この生成物を50/50(容積/容積)のジオキサン/水混合物20ml中に再溶解させ、これに炭酸カリウム0.200gを加える。この懸濁液を撹拌しながら5時間還流させる。後者の操作は、BBrを用いる脱メチル化反応の間に形成し得る臭素化された生成物の痕跡を予想されているアルコールに転化させることを可能にする。
【0187】
室温まで冷却後、媒体をろ過し、次いでろ液を乾燥させ、DCM 150ml中に溶出させる。
【0188】
有機相を蒸留水100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮する。こうして得た粗製の残留物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間掛けて0から6%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ予想されている生成物0.200gを得る。
LC/MS:MH=698.0;rt=11.21分
【実施例6】
【0189】
(表Iの化合物13)
N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(2−ヒドロキシルエチル)(メチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0190】
A)[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチルメタンスルホネート
【0191】
実施例2のステップB)の手順と類似の手順を使用して得たN−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(ヒドロキシルメチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド1.0gをDCM 50ml中に溶解させる。この溶液にトリエチルアミン0.43mlを加え、続いてメタンスルホニルクロリド0.2gを0℃において添加する。反応媒体を室温において1時間撹拌し、DCM 50mlで希釈し、次いで蒸留水50mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物1.0gを得る。
【0192】
B)N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(2−ヒドロキシルエチル)(メチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0193】
先行するステップにおいて得た化合物0.40gをDCM 20ml中に溶解させる。この溶液に2−(メチルアミノ)エタノール0.048gおよびトリエチルアミン160μlを加える。混合物を室温において撹拌し、次いで蒸留水50mlおよびDCM 50mlを加える。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物を得る。
【0194】
この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの0から3%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ予想されている生成物を遊離塩基の形態で得る。この塩基を標準的な方法によって塩酸塩形態に塩化する。
【0195】
予想されている塩酸塩0.18gを得る。
LC/MS:MH+=665.9;rt=8.35分
【実施例7】
【0196】
(表Iの化合物17)
N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシルアセトアミド
【0197】
A)1−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メチル}−3−(2−フルオロベンジル)尿素
【0198】
実施例1のステップB)の手順と類似の手順によって得た1−[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)ピリド−3−イル]メタンアミン1.0gをDCM 20ml中に溶解させ、これに2フルオロベンジルイソシアネート0.41gを加える。混合物を室温において1時間撹拌し、次いで蒸留水100mlで洗浄する。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物を粗製の形態で得る。この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの0から2%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0199】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ予想されている生成物1.1gを得る。
LC/MS:MH=557.9;rt=10.78分
【0200】
B)1−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(ヒドロキシルメチル)ピリド−3−イル]メチル}−3−(2−フルオロベンジル)尿素
先行するステップにおいて得た化合物1.1gを、実施例1のステップD)において使用された手順によって、三臭化ホウ素3.94mlを使用して処理する。
【0201】
処理およびシリカ上のクロマトグラフィーによる精製(0から3%MeOHのDCM/MeOH混合物を用いて溶出して)、および蒸発乾固の後に、予想されているアルコール0.9gを得る。
LC/MS:MH=543.9;rt=10.17分
【0202】
C)[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチルメタンスルホネート
【0203】
先行するステップにおいて得た化合物0.5gを、実施例6のステップA)において使用された手順によって、メタンスルホニルクロリド0.105gおよびDCM 30ml中に溶解させたトリエチルアミン0.15mlを使用して処理する。処理および蒸発後、予想されている生成物0.57gを得る。
【0204】
D)1−{[2−(アジドメチル)−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−3−(2−フルオロベンジル)尿素
先行するステップにおいて得た化合物0.57gをDMF 2ml中に溶解させ、これにナトリウムアジド0.178gを加える。混合物を室温において12時間撹拌し、次いで蒸留水100mlおよびエチルエーテル100mlで希釈する。エーテル相を10%炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮して予想されている生成物0.45gを得る。
LC/MS:MH+=569.0;rt=11.35分
【0205】
E)1−{[2−(アミノメチル)−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−3−(2−フルオロベンジル)尿素
【0206】
先行するステップにおいて得た化合物0.45gを、乾燥窒素雰囲気下においてTHF10ml中に溶解する。トリフェニルホスフィン0.207gを加え、反応媒体を室温において12時間撹拌する。次いで水1mlを加え、さらに12時間撹拌を続ける。溶媒を蒸発除去した後、残留物を蒸留水75mlおよびDCM 75ml中に取り出す。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物を得る。
【0207】
この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの0から7%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ予想されている生成物0.15gを得る。
LC/MS(条件C):MH=543.0;rt=9.24分
【0208】
F)N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−メトキシアセトアミド
【0209】
先行するステップにおいて得たアミン0.15gを、メトキシ塩化アセチルを使用して、実施例2のステップE)において使用した手順によってアシル化する。
【0210】
これを行うために、DCM 20ml中に溶解させた酸塩化物0.033gおよびトリエチルアミン88μlを使用する。処理および溶媒の蒸発後、予想されている生成物0.1gを回収する。
【0211】
G)N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシルアセトアミド
【0212】
先行するステップにおいて得た化合物0.1gを、実施例5において使用した手順によって、三臭化ホウ素0.18mlを使用して処理する。処理後、生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの0から6%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0213】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥するまで濃縮する。遊離の塩基を標準的な方法によって塩酸塩形態に塩化し、予想されている生成物0.025gを得る。
LC/MS:MH=601.0;rt=9.70分
【実施例8】
【0214】
(表Iの化合物18)
N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0215】
A)N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(メトキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0216】
N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(メトキシアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド0.35gを、N−{[2−(アミノメチル)−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド0.40gおよびメトキシ塩化アセチル0.084gから、実施例2のステップE)の手順と類似の手順を使用して調製する。
【0217】
B)N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシルアセチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0218】
先行するステップにおいて得た化合物0.35gをDCM 50ml中に溶解させる。三臭化ホウ素0.6mlを、窒素雰囲気下の−30℃においてゆっくり加え、次いで反応媒体を室温において12時間撹拌する。蒸留水100mlおよびDCM 100mlを加える。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して予想されている生成物を得る。
【0219】
この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの0から5%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥するまで濃縮する。こうして精製された遊離の塩基を標準的な方法によって塩酸塩形態に塩化して予想されている生成物0.12gを得る。
LC/MS(条件D):MH=622.0;rt=1.94分
【実施例9】
【0220】
(表Iの化合物12)
N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0221】
N,N−ジメチルエチレンジアミン0.61gおよびKCO 0.288gをアセトニトリル20ml中に入れる。混合物を還流させ、次いでこれに実施例6のステップA)の手順と類似の手順によって得た{6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−[({4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンゾイル}アミノ)メチル]ピリド−2−イル}メチルメタンスルホネート0.5gを加える。反応媒体を還流下において4時間撹拌し、次いで減圧下において乾燥するまで濃縮する。蒸発残留物をDCM 150mlおよび蒸留水150ml中に取り出す。有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して生成物を粗製の形態で得る。この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの0から4%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0222】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物を塩基形態で得る。精製された生成物を標準的な方法によって塩酸塩形態に塩化する。予想されている塩酸塩0.030gを得る。
LC/MS:MH=711.0;rt=7.58分
【実施例10】
【0223】
(表IIの組成物20)
N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
【0224】
N,N−ジメチルエタノールアミン0.10gおよびカリウムtert−ブトキシド0.11gをジオキサン19ml中に入れ、混合物を室温において20分間撹拌する。
【0225】
実施例6のステップA)の手順と類似の手順によって得た{6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−[({4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンゾイル}アミノ)メチル]ピリド−2−イル}メチルメタンスルホネート0.6gをジオキサン4ml中に溶解させ、次いで反応媒体に加える。
【0226】
反応媒体の撹拌を室温において12時間続け、次いで媒体を乾燥するまで蒸発させ、蒸発残留物をDCM 150mlおよび蒸留水150ml中に取り出す。
【0227】
有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮して生成物を得る。
【0228】
この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間30分掛けて0から3%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0229】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物を塩基形態で得る。
【0230】
精製された生成物を標準的な方法によって塩酸塩形態に塩化する。予想されている塩酸塩0.170gを得る。
LC/MS:MH=711.9;rt=8.73分
【実施例11】
【0231】
(表IIの化合物21)
[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチルプロピルカルバメート
【0232】
実施例1のステップD)において得た化合物0.300gをDCM 10ml中に溶解させ、これにn−プロピルイソシアネート0.046gを加える。反応媒体を室温において2時間撹拌し、次いで蒸留水100mlおよびDCM 100mlを加える。有機相を蒸留水100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮して粗製の生成物0.400gを得る。この生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、DCM/MeOHの1時間30分掛けて0から2%MeOHのグラジエントで溶離して精製する。
【0233】
精製された生成物を含有している画分を合わせて乾燥させ、予想されている生成物0.15gを得る。
LC/MS:MH=693.8;rt=12.06分
【実施例12】
【0234】
(表IIIの化合物26)
N−{[2−(2−アミノエトキシ)−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0235】
A)6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシニコチノニトリル
出願国際公開第2003082191A1号の手順と類似の手順(実施例1のステップB)において得た6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル12.6gをクロロホルム48ml中に溶解させる。炭酸銀37.5g、次いでヨウ化メチル21mlを加え、混合物を光から保護しつつ12時間還流させる。室温まで冷却後、反応媒体をろ過する。ろ液を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、乾燥させ粗製の生成物を得る。
【0236】
予想されている生成物を6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルから、シリカ上のクロマトグラフィーによってDCM/MeOHの1時間で0から1%のグラジエントで溶離して、分離する。精製された生成物の画分を合わせて、乾燥するまで濃縮する。予想されている生成物4.33gを得る。
LC/MS:MH=388.8;rt=12.28分
【0237】
B)1−[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシピリド−3−イル]メタンアミン
先行するステップにおいて得た化合物8.7gを無水エタノール200ml中に溶解させる。この溶液に20%アンモニア水40ml、蒸留水49mlおよびスパチュラ4杯のラネーニッケルを加える。水素と接触させ始めてから、気体の理論容積が吸収されてしまうまで媒体を活発に撹拌する。
【0238】
次いでろ過によってニッケルを除去する。固体を無水エタノールですすぎ、ろ液を減圧下において濃縮して粗製の生成物8.54gを得る。
LC/MS:MH=392.9;rt=7.53分
【0239】
C)N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0240】
先行するステップにおいて得た生成物4.04gをDCM 68ml中に溶解させ、4−トリフルオロメチル安息香酸2.39g、トリエチルアミン5.06mlおよびpyBOP 12.32gをこれに加える。室温において3時間撹拌後、反応媒体を蒸留水100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで乾燥するまで蒸発させる。こうして得た粗製の残留物を1回目はシリカ上で、純粋なDCMで1時間掛けて溶離して精製する。精製画分を合わせて乾燥させ精製された生成物5.0gを得る。
【0241】
2回目は、この生成物の0.5gずつに分けた部分をC18逆相カートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーによって、1時間30分掛けて75/25から85/15のメタノール/水混合物で溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて減圧下において濃縮して予想されている生成物0.281gを得る。
LC/MS:MH=564.8;rt=12.62分
【0242】
D)N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシルピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0243】
先行するステップにおいて1回だけ精製された生成物4.5gを酢酸21ml中に溶解させる。臭化水素酸21mlを加え、反応媒体を15分間還流させる。室温まで冷却後、反応媒体を0℃の10%水酸化ナトリウム水溶液75ml上に注ぐ。
【0244】
水相をEtOAc15mlで抽出する。こうして得た有機相を蒸留水100mlで、飽和NaCl溶液100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下において濃縮する。
予想されている生成物3.81gを得る。
LC/MS:MH=550.8;rt=10.69分
【0245】
E)N−({6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エトキシ]ピリド−3−イル}メチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0246】
先行するステップにおいて得た化合物1gをトルエン36ml中に溶解させる。炭酸銀2.0gをこの溶液に加え、続いてN−(2−ブロモエチルフタルイミド)2.32gを加える。反応媒体を還流下において48時間撹拌し、室温まで冷却後、炭酸銀をろ過によって除去する。ろ液を蒸留水150mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮して予想されている生成物1.31gを得る。
LC/MS:MH=723.9;rt=12.81分
【0247】
F)N−{[2−(2−アミノエトキシ)−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0248】
先行するステップにおいて得た化合物0.74gをメタノール6.5ml中に溶解させ、ヒドラジン一水和物0.06mlを加え、次いで混合物を24時間還流させる。室温まで冷却後、反応媒体を乾燥させる。残留物を水250mlおよびDCM 250ml中に取り出す。有機相を10%HCl 250mlで抽出する。酸性の水相をDCM100mlで再洗浄し、次いで希薄な水酸化ナトリウムで塩基性化し、DCM 100mlで抽出する。有機相を飽和NaCl水溶液100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮して予想されている粗製の生成物0.527gを得る。
【0249】
この生成物を等分割した一部0.230gをC18逆相カートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーによって、1時間30分掛けて60/40から90/10のメタノール/水混合物で溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて減圧下において濃縮して予想されている精製した生成物0.069gを得る。
LC/MS:MH+=594.0;rt=8.55分
【実施例13】
【0250】
(表IIIの化合物22)
N−{[−6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エトキシ}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0251】
実施例12のステップF)において得た化合物0.4gをDCM 13ml中に溶解させる。この溶液にトリエチルアミン0.1mlおよびメタンスルホニルクロリド0.06mlを加え、混合物を室温において2時間撹拌する。
【0252】
反応媒体をDCM 100mlで希釈し、次いで蒸留水100mlで洗浄する。
【0253】
有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮して粗製の生成物0.411gを得る。この生成物をC18逆相カートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーによって、1時間掛けて75/25から85/15のメタノール/水混合物で溶離して精製する。
【0254】
精製された生成物を含有している画分を合わせて減圧下において濃縮して予想されている精製された生成物0.275gを得る。
LC/MS:MH=671.8;rt=11.83分
【実施例14】
【0255】
(表IIIの化合物27)
N−{[−6−(4−クロロフェニル)−2−{2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]エトキシ}−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0256】
実施例12のF)において得た化合物0.300gをDCM 13ml中に溶解させる。この溶液にシクロプロパンカルボン酸0.053g、トリエチルアミン0.25mlおよびPyBOP 0.318gを引き続いて加える。反応媒体を室温において3時間撹拌し、次いで蒸留水100mlおよびDCM 100mlを加える。有機相を蒸留水100mlで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、次いで減圧下において濃縮して粗製の生成物0.500gを得る。
【0257】
この生成物をC18逆相カートリッジ上のフラッシュクロマトグラフィーによって、1時間掛けて60/40から80/20のメタノール/水混合物で溶離し、次いで80/20一定でさらに1時間溶離して精製する。精製された生成物を含有している画分を合わせて減圧下において濃縮して予想されている精製された生成物0.231gを得る。
LC/MS:MH=661.9;rt=12.09分
【0258】
以下の表I、IIおよびIIIは、上記で調製された化合物の特徴を示しており、また類似の調製方法によって調製される化合物の特徴も示している。
【0259】
したがって、以下の表は本発明による化合物の化学構造および物理的性質を例示している。
【0260】
以下の表において、nCおよびiCは、それぞれプロピル基およびイソプロピル基を表す。
【0261】
【表1】



【0262】
【表2】

【0263】
【表3】


【0264】
化合物3、13から19に関するNMR解析は以下に示されている:
化合物3
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):3.91:s:2H;4.64:d:2H;4.70:d:2H;7.25:d:2H;7.34:d:1H;7.47:dd:1H;7.51:d:2H;7.66:d:1H;7.71:s:1H;7.84:d:2H;8.01:d:2H;8.41:t:1H;9.30:t:1H。
【0265】
化合物13
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):3.00−3.14:m:3H;3.29−3.54:m:2H;3.76−3.96:m:2H;4.62:d:2H;4.74−5.09:m:2H;5.37:sl:1H;7.28 7.41:m:3H;7.46−7.61:m:3H;7.71:d:1H;7.86:d:2H;7.90:s:1H;8.12:d:2H;9.53:t:1H;9.69:sl:1H。
【0266】
化合物14
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):3.05:s:3H;3.94−4.29:m:2H;4.62:d:2H;4.80−5.08:m:2H;7.29:d:2H;7.35:d:1H;7.46−7.58:m:3H;7.71:d:1H;7.77:s:1H;7.86:d:2H;7.90:s:1H;8.04:s:1H;8.11:d:2H;9.52:t:1H;9.74:sl:1H。
【0267】
化合物15
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):3.05:s:3H;3.11:s:3H;3.81−3.93:m:4H;4.63:d:2H;4.88−5.14:m:2H;7.30−7.40:m:3H;7.45−7.59:m:3H;7.70:d:1H;7.85:s:1H;7.89:d:2H;8.14:d:2H;9.57:t:1H;10.28:sl:1H。
【0268】
化合物16
RMNH:DMSO−d(:250MHz)δ(ppm):3.91:s:2H;4.65:d:2H;4.71:d:2H;7.26−7.42:m:5H;7.47:dd:1H;7.67:d:1H;7.71:s:1H;7.84:d:2H;8.01:d:2H;8.41:t:1H;9.30:t:1H。
【0269】
化合物17
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):3.90:s:2H;4.21−4.31:m:2H;4.35−4.43:m:2H;4.60:d:2H;6.58:sl:1H;6.68:sl:1H;6.98−7.18:m:2H;7.33:s:7H;7.50:dd:1H;7.58:s:1H;7.70:d:1H;8.38:t:1H。
【0270】
化合物18
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):3.91:d:2H;4.66:d:2H;4.71:d:2H;5.66:t:1H;7.26−7.43:m:5H;7.47:dd:1H;7.67:d:1H;7.70:s:1H;7.88:d:2H;8.09:d:2H;8.42:t:1H;9.34:t:1H。
【0271】
化合物19
RMNH:DMSO−d(250MHz)δ(ppm):2.36:t:2H;3.66:t:2H;3.72−3.85:m:2H;4.65:t:2H;7.27−7.42:m:5H;7.44:dd:1H;7.64−7.71:m:2H;7.88:d:2H;8.10:d:2H;8.42:t:1H;9.35:t:1H。
【0272】
式(I)の化合物は、M.Rinaldi−Carmonaら(FEBS Letters、1994年、350巻、240−244頁)によって記載されている実験条件下においてCBカンナビノイド受容体に対してインビトロの極めて良好な親和性を示す(IC50≦5.10−7M)。
【0273】
式(I)の化合物のアンタゴニスト性は、M.Bouaboulaら、J.Biol.Chem.、1995年、270巻、13973−13980頁、M.Rinaldi−Carmonaら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1996年、278巻、871−878頁およびM.Bouaboulaら、J.Biol.Chem.、1997年、272巻、22330−22339頁に記載されているように、アデニル酸シクラーゼの阻害のモデルにおいて得られた結果によって実証された。
【0274】
本発明による化合物の脳内に存在するCB受容体との相互作用は、M.Rinaldi−Carmonaら、FEBS Letters、1994年、350巻、240−244頁およびM.Rinaldi−Carmonaら、Life Sciences、1995年、56巻、1941−1947頁、M.Rinaldi−Carmonaら、J.Pharmacol.Ex.Ther.、2004年、310巻、905−914頁に記載されているように静脈内注入または経口投与後の[3H]−CP55940のエクスビボ結合の試験によってマウスにおいて判定される。
【0275】
本発明による化合物の末梢に存在するCB受容体との相互作用は、Rinaldi−Carmonaら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2004年、310巻、905−914頁に記載されているように、経口投与後の消化管通過に対するCP55940の阻害効果の復帰の試験によってマウスにおいて判定される。
【0276】
式(I)の化合物は、薬剤としてのこれらの使用に適合する。
【0277】
したがって、本発明のもう1つの態様において、本発明の1つの主題は、式(I)の化合物またはこれの薬剤として許容される酸との付加塩を含むヒトまたは動物の医療のための薬剤である。
【0278】
したがって、本発明による化合物は、ヒトまたは動物(特に非限定的にイヌ、ネコ、ウマ、ウシおよびヒツジを含む哺乳動物)においてCBカンナビノイド受容体が関与する疾患の治療または予防において使用され得る。
【0279】
例えば、非限定的に、式(I)の化合物は、特に、不安症、欝病、気分障害、不眠症、せん妄、強迫症、精神病一般、統合失調症、活動過多の子供における注意欠陥および多動性(ADH)障害、を含む精神疾患の治療のための、およびまた向精神性物質、特に物質乱用および/またはアルコール依存性およびニコチン依存性を含む物質依存性の場合におけるその使用を伴う障害を治療するための、向精神薬剤として有用である。
【0280】
本発明による式(I)の化合物は、偏頭痛、ストレス、心因性疾患、パニック発作、てんかん、運動障害、特にジスキネジアまたはパーキンソン病、震え、およびジストニアを治療するための薬剤として使用され得る。
【0281】
本発明による式(I)の化合物は、記憶障害、認知障害の治療において、特に老年性認知症およびアルツハイマー病の治療において、および注意障害または覚醒障害の治療においても使用され得る。
【0282】
さらに、式(I)の化合物は、虚血、頭蓋外傷の治療および舞踏病、ハンチントン舞踏病およびトゥレット症候群を含む急性または慢性の神経変性疾患の治療において、神経保護剤として有用であり得る。
【0283】
本発明による式(I)の化合物は、疼痛:神経障害性の疼痛、急性末梢疼痛、炎症に起因する慢性疼痛、抗癌治療によって誘導される疼痛の治療における薬剤として使用され得る。
【0284】
本発明による式(I)の化合物は、ヒトまたは動物の医療における薬剤として食欲障害、欲望障害(砂糖、炭水化物、麻薬、アルコールまたは食欲をそそるあらゆる物質に対する)および/または摂食行動の予防および治療において、特に肥満または過食症の治療のために、さらにII型糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病の治療のためにも、加えて脂質異常症およびメタボリックシンドロームの治療のために、使用され得る。したがって、本発明による式(I)の化合物は、肥満および肥満に付随するリスク、特に心臓血管のリスクの治療において有用である。
【0285】
さらに、本発明による式(I)の化合物は、アルコール性または非アルコール性の消化器障害、下痢障害、潰瘍、嘔吐、膀胱および尿路障害、アルコール性肝臓障害または非アルコール性の肝臓障害例えば慢性肝硬変、線維症、肝臓脂肪症および脂肪性肝炎など;および内分泌由来の障害、心臓血管障害、低血圧、アテローム性硬化症、出血性ショック、敗血性ショック、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、レイノー症候群、緑内障、受胎障害、早産、妊娠中絶、炎症性現象、免疫系疾患、特に自己免疫および神経炎症性疾患例えば関節リウマチ、反応性関節炎、脱髄に至る疾患、多発性硬化症、脳炎などの感染性およびウイルス性疾患、脳卒中の治療および予防における薬剤として、および抗癌化学療法のための、ギラン−バレー症候群の治療のためのおよび骨疾患および骨粗鬆症の治療のための薬剤としても使用され得る。さらに、本発明による式(I)の化合物は、麻薬に誘導される心臓毒性に対する保護効果を目的として使用され得る。
【0286】
本発明によれば、式(I)の化合物は、精神疾患、特に統合失調症、注意障害および覚醒障害、活動過多の子供における注意欠陥および多動性(ADH)障害の予防および治療のために;記憶欠陥および認知障害;物質への依存性および物質からの離脱、特にアルコール依存性、ニコチン依存性、アルコールからの離脱、タバコからの離脱;急性または慢性の神経変性疾患の予防および治療のために有用な薬剤の調製のために特に有用である。
【0287】
より特定的には、本発明による式(I)の化合物は、食欲障害、欲望障害、代謝障害、肥満、II型糖尿病、メタボリックシンドローム、脂質異常症、消化器障害、炎症性現象、免疫系疾患、精神疾患、アルコール依存症およびニコチン依存症の治療および予防のために有用な薬剤の調製において有用である。
【0288】
本発明の1つの態様によれば、本発明は式(I)の化合物またはその薬剤として許容される塩の、上記で示された障害および疾患を治療するための使用に関する。
【0289】
本発明のもう1つの態様によれば、本発明は、有効成分として本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも1つの本発明による化合物または前記化合物の薬剤として許容される塩の有効投与量を含有し、さらに少なくとも1つの薬剤として許容される賦形剤をも含む。
【0290】
前記賦形剤は、薬剤の形態および所望投与方式によって、当業者に既知の通常の賦形剤から選択される。
【0291】
本発明による医薬組成物は、式(I)の化合物と一緒に、上記において示された障害および疾患の治療において有用な1つ(または複数)の他の有効成分を含有し得る。
【0292】
したがって、本発明の1つの主題は、以下の薬効分類の1つから選択された1つ(または複数)の有効成分と組み合わせられた本発明による式(I)の化合物を含有する医薬組成物でもある。
−カンナビノイドCB受容体のもう1つのアンタゴニストまたはアロステリック調節因子;
−カンナビノイドCB受容体調節因子;
−アンジオテンシンII AT受容体アンタゴニスト;
−変換酵素阻害剤;
−カルシウムアンタゴニスト;
−利尿薬;
−β遮断薬;
−抗高脂血症薬または抗高コレステロール血症薬;
−抗糖尿病薬;
−代謝障害に作用するもう1つの肥満防止剤;
−ニコチンアゴニストまたは部分的ニコチンアゴニスト;
−抗欝薬、抗精神薬または精神安定剤;
−抗癌剤または抗増殖剤;
−オピオイドアンタゴニスト;
および次のものも
−記憶力向上剤
−アルコール依存症の治療または離脱の兆候において有用な剤;
−骨粗鬆症を治療するために有用な剤;
−非ステロイドのまたはステロイドの抗炎症薬;
−抗感染薬;
−鎮痛剤;
−抗ぜんそく薬。
【0293】
本発明のもう1つの態様によれば、式(I)の化合物または薬剤として許容されるこれの塩またはこれの溶媒和物、および他の組み合わせられた有効成分は、同時に、別々にまたは時間を掛けて順次投与され得る。
【0294】
「同時の使用」という用語は、同じ薬剤形態中に含まれている本発明による組成物の複数の化合物の投与を意味する。
【0295】
「別々の使用」という用語は、それぞれ別々の薬剤形態中に含まれている本発明による組成物の2つの化合物の同時の投与を意味する。
【0296】
「時間を掛けて順次の使用」という用語は、1つの薬剤形態中に含まれている本発明の組成物の第1の化合物および次いで別の薬剤形態中に含まれている本発明による組成物の第2の化合物の逐次の投与を意味する。この場合、本発明による組成物の第1の化合物の投与と本発明による同じ組成物の第2の化合物の投与との間に経過する時間が通常24時間を超えない。
【0297】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所的、部位的、気管内、鼻腔内、経皮または直腸内投与のための本発明の医薬組成物において、上記式(I)の有効成分またはこれの可能な塩は、投与の単位形態で標準的な薬剤賦形剤との混合物としてヒトおよび動物に上記の障害または疾患の予防または治療のために投与され得る。
【0298】
投与の適切な単位形態は、錠剤、ソフトゲルまたはハードゲルのカプセル、粉末、顆粒および経口溶液または懸濁液、舌下、口腔内、気管内、眼内および鼻腔内投与形態などの経口経路形態、吸入による投与のための形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸内投与形態およびインプラントを含む。局所的投与のためには、本発明による化合物はクリーム、ゲル、ポマードまたはローションにおいて使用され得る。
【0299】
例として錠剤形態の本発明による化合物の投与の単位形態は次の成分を含み得る:
本発明による化合物: 50.0mg
マンニトール: 223.75mg
ナトリウムクロスカルメロース: 6.0mg
コーンスターチ: 15.0mg
ヒドロキシルプロピルメチルセルロース: 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0300】
経口経路によって、一日当りに投与される有効成分の投与量は、1回または複数回の摂取において0.01から100mg/kg、好ましくは0.02から50mg/kgでよい。
【0301】
より多いまたはより少ない投与量が適切である特別な場合があり得るが、かかる投与量は本発明の趣旨を逸脱しない。通常の慣行によれば、それぞれの患者にとって適切な投与量は、医師によって投与の方式および前記患者の体重および応答に照らして決定される。
【0302】
本発明のもう1つの態様によれば、本発明は、本発明による化合物の有効な投与量の患者への投与を含む、上記で示された病変を治療するための方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
−Qは、酸素原子、イオウ原子または−NR−基を表し、Rは水素原子もしくは(C−C)アルキル基を表し;
−Zは、−N(R)XR、−N(R)COORまたは−OCON(R)R基を表し;
−Xは、−CO−、−SO−、−CON(R)−または−CSN(R)−基を表し;
−Rは、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−Rは、
・無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたは(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびシアノ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
・飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、ニトロおよびオキソ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基で置換されているインドリル;
・テトラヒドロナフチル;ナフチル;
・ベンゾチオフェニルまたはベンゾフリル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・ベンゾジオキシル;
・フェノキシメチレンまたは1−フェノキシエチレン(このフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;このメチレンまたはエチレン基は無置換であるまたは(C−C)アルキルまたは(C−C)シクロアルキル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・フェニルシクロプロピル(このフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・以下の群(i)、(ii)、(iii)から選択された1つまたは2つの同一のまたは異なる置換基で置換されている(C−C)アルキレン:
(i)無置換であるまたは同一でも異なっていてもよい(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されているC−C12非芳香族炭素環基;
(ii)無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルカノイル、シアノ、ニトロ、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された1つまたは複数の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されているフェニル;
(iii)飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しもしくは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基から選択された1つまたは複数の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されている。)
を表し、
・さらに、Xが−CON(R)−または−CSN(R)−基を表す場合、Rは(C−C)アルカノイル基またはベンゾイルもしくはベンジルカルボニル基を表すことができ、前記基のフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基、またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されており;
−Rは、無置換であるまたはハロゲン原子もしくは(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ基、S(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニルを表し;
−Rは、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−またはRおよびRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含んでいる可能性がある3から8個の原子から成るヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたは(C−C)アルキル基;(C−C)アルカノイル基;NR基またはCONR、フェニル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、またはトリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ基またはOS(O)Alk、S(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−RおよびRは、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはRおよびRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含んでいる可能性がある4から8個の原子から成る飽和ヘテロ環基を構成しており;
−ArおよびArは、互いに独立に、無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ基、S(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニルを表し;
−Yは、−R1’、−OR5’、−N(R3’)X’R4’、−N(R3’)COOR5’、−NR7’8’、−CON(R3’)R5’、−CSN(R3’)R5’、−C(O)R2’、−C(O)−O−R2’、−SO2’、−SON(R3’)Rまたは−OCON(R3’)R5’基を表し;
−R1’は、−CN基または飽和のまたは不飽和の酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、窒素、酸素およびイオウから選択された第2のヘテロ原子を含んでいる可能性がある3から8個の原子から成るヘテロ環基を表し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、ニトロ基またはオキソ基から選択された1つまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されており;
−X’は、−CO−、−SO−、−CON(R6’)−または−CSN(R6’)−基を表し;
−R2’は:
・無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基、
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)AlkまたはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)AlkまたはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているベンジル
を表し;
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R4’は、
・無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたは(C−C)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオまたはシアノ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
・飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、ニトロ基およびオキソ基から選択された1つのまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されている。);
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基で置換されているインドリル;
・テトラヒドロナフチル;ナフチル;
・ベンゾチオフェニルまたはベンゾフリル;
・無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
・ベンゾジオキシル;
・フェノキシメチレンまたは1−フェノキシエチレン(このフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;このメチレンまたはエチレン基は(C−C)アルキルまたは(C−C)シクロアルキルで1回または複数回置換されている。);
・フェニルシクロプロピル(このフェニル基は、無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている。);
・以下の群(i)、(ii)、(iii)から選択された1つまたは2つの同一のまたは異なる置換基で置換されている(C−C)アルキレン:
(i)無置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されているC−C12非芳香族炭素環基;
(ii)無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルカノイル、シアノ、ニトロ、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された1つまたは複数の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されているフェニル;
(iii)飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、シアノまたはニトロ基から選択された同一でも異なっていてもよい1つまたは複数の置換基で置換されている。)
を表し;
・さらに、X’が−CON(R6’)または−CSN(R6’)−基を表す場合、R4’は(C−C)アルカノイル基またはベンゾイルまたはベンジルカルボニル基を表すことができ、前記基のフェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルカノイル、フェニル基またはS(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で置換されており;
−R5’は:
・水素原子;
・無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
・無置換であるまたは(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルもしくは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
・ハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)Alk、OS(O)AlkまたはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−またはR3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有する可能性がある3から8個の原子から成るヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチル、(C−C)アルキル基、フェニル基またはNR7’8’基、CONR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記(C−C)アルキル基は無置換であるまたはトリフルオロメチル基で置換されており;前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、OS(O)AlkまたはS(O)Alk基で1回または複数回置換されており;
−R6’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−またはR4’およびR6’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成る酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたは(C−C)アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、オキソ基、(C−C)アルカノイル、NR7’8’またはCONR7’8’から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;前記(C−C)アルキル基は無置換であるまたはトリフルオロメチル基で置換されており;前記フェニル基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、OS(O)AlkまたはS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR8’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成る窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和ヘテロ環基を構成し;
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表し;
−Alk’は、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表し;
−nは、0、1または2を表し;
−kは、0または1を表し;
−mは、0または1を表す。]
の塩基または酸付加塩の形態の化合物。
【請求項2】
式(I)の化合物が、以下の化合物
−Yが、−C(O)R2’基を表す式(IA)の化合物、
−Yが、−SO2’基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−CSNR3’5’基を表す式(ID)の化合物、
−Yが、−C(O)−O−R2’基を表す式(IE)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−R1’基を表す式(IM)の化合物、
[式中、kは1を表し、QはNR基を表し、Rは好ましくは水素原子またはメチル基であり、Alk’は直鎖の(C−C)アルキル基を表し、他の置換基は請求項1において定義された通りである。]
に相当することを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2’、R3’、R5’、R7’およびR8’が、以下の定義を有する:
−R2’は、
−無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された1つの置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシルおよびトリフルオロメチル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているベンジル
を表し、
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R5’は、
−水素原子;
−無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオまたはトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチルまたは無置換であるもしくはトリフルオロメチルで置換されている(C−C)アルキル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のヘテロ環基を構成している
ことを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
化合物が、式(IA)、(IB)、(IC)および(IJ)の化合物に相当することを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項2および3のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
化合物(I)が、次の化合物
−Yが、−SO2’−基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−SON(R3’)R5’基を表す式(IK)の化合物、
[式中、kは1を表し、Qは酸素原子を表し、Alk’は直鎖の(C−C)アルキル基を表し、他の置換基は請求項1において定義された通りである。]
に相当することを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
2’、R3’、R5’、R7’およびR8’が、以下の定義を有する:
−R2’は、
−無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された1つの置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている(C−C12)非芳香族炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ基、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し、
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R5’は、
−水素原子;
−無置換であるまたはCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、トリフルオロメチルまたは無置換であるもしくはトリフルオロメチルで置換されている(C−C)アルキル基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR8’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のヘテロ環基を構成している
ことを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
化合物(I)が、次の化合物
−Yが、−C(O)R2’基を表す式(IA)の化合物、
−Yが、−SO2’2’基を表す式(IB)の化合物、
−Yが、−CON(R3’)R5’基を表す式(IC)の化合物、
−Yが、−NR7’8’基を表す式(IF)の化合物、
−Yが、−N(R3’)X’R4’基を表す式(IH)の化合物、
−Yが、−OR5’基を表す式(IJ)の化合物、
−Yが、−R1’基を表す式(IM)の化合物、
−Yが、−OCON(R3’)R5’基を表す式(IL)の化合物、
[式中、kは0を表し、mは0または1を表し、Qは酸素原子を表し、Alk’は直鎖の(C−C)アルキル基を表し、他の置換基は請求項1において定義された通りである。]
に相当することを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’、R8’およびX’が、以下の定義を有する:
−R1’は、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成る、窒素、酸素またはイオウから選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のまたは不飽和のヘテロ環基を表し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ基またはオキソ基から選択された1つまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されており;
−X’は、−CO−、−SO−、−CON(R6’)−または−CSN(R6’)−基を表し;
−R2’は、
−無置換であるまたはCF、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシルから選択された1つの置換基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオおよびトリフルオロメチルチオ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し、
−R3’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
−R4’は、
−無置換であるまたは1つのCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたは(C−C)アルキル基、ヒドロキシル、ハロゲン原子、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシから選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−飽和のまたは不飽和の、酸素を有し、イオウを有しまたは窒素を有し、3から8個の原子から成るヘテロ環基(無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ基またはオキソ基から選択された1つまたは複数の同一のまたは異なる置換基で置換されている。);
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、またはNR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R5’は、
−水素原子;
−無置換であるまたは1つのCF基で置換されている(C−C10)アルキル基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメチルまたは(C−C)アルコキシ基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されている非芳香族(C−C12)炭素環基;
−無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、トリフルオロメチルチオ、S(O)AlkまたはOS(O)Alk基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されているフェニル
を表し;
−R3’およびR5’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、NR7’8’またはCONR7’8’基から選択された同一のまたは異なる置換基で1回または複数回置換されており;
−R6’は、水素原子を表す、または(C−C)アルキル基を表し;
−またはR4’およびR6’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、3から8個の原子から成り、酸素、イオウまたは窒素原子から選択された第2のヘテロ原子を含有している可能性があるヘテロ環基を構成し、この基は無置換であるまたはハロゲン原子、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C−C)アルキルチオ、オキソ基から選択された同一のまたは異なる置換基でまたは無置換であるもしくはトリフルオロメチル基で置換されている(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されており;
−R7’およびR8’は、互いに独立に、水素原子、(C−C)アルキル基を表し、またはR7’およびR’は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、4から8個の原子から成り、窒素、酸素またはイオウ原子から選択されたもう1つのヘテロ原子を含有している可能性がある飽和のヘテロ環基を構成しており;
−Alkは、直鎖または分岐鎖の(C−C)アルキル基を表す
ことを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Zが、以下の基
−Z:−N(R)COR
−(Z):−N(R)SO
−(Z):−N(R)CON(R)R
の1つに相当することを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
化合物が、
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}−ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[2−{[(3−アミノ−3−オキソプロピル)(メチル)アミノ]メチル}−6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−({メチル[2−(メチルスルホニル)−エチル]アミノ}メチル)ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}−ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]−アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}−ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(3−ヒドロキシプロパノイル)アミノ]−メチル}ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
であることを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
化合物が、
−N−{[6−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}−ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}−ピリド−3−イル]メチル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−3−({[(2−フルオロベンジル)カルバモイル]−アミノ}メチル)ピリド−2−イル]メチル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
−N−{[6−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−{[(ヒドロキシアセチル)アミノ]メチル}−ピリド−3−イル]メチル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
であることを特徴とする塩基のまたは酸付加塩の形態の、請求項10に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
式(XXV)
【化2】

[式中、ArおよびArは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義された通りである。]
の化合物。
【請求項13】
式(XX)
【化3】

[式中、Z、ArおよびArは、請求項1の式(I)の化合物に関して定義された通りである。]
の化合物。
【請求項14】
Zが、−NH−SO−R、−NH−COR、−NH−CO−NHRまたは−NH−CS−NHRに相当することを特徴とする、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製のための、請求項12による式(XXV)の化合物の使用。
【請求項16】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製のための、請求項13および14のいずれかによる式(XX)の化合物の使用。
【請求項17】
請求項1から11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の薬剤として許容される酸との付加塩を含むことを特徴とする、薬剤。
【請求項18】
請求項1から11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の薬剤として許容される酸との付加塩および少なくとも1つの薬剤として許容される賦形剤も含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項19】
精神疾患、物質依存性および物質離脱、認知障害、注意障害および覚醒障害、急性および慢性の神経変性疾患の治療および/または予防を目的とする薬剤の調製のための、請求項1から11のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項20】
代謝障害、欲求障害、食欲障害、肥満、過食症、糖尿病、メタボリックシンドロームおよび脂質異常症を治療および/または予防するための薬剤の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
疼痛、神経障害性疼痛、急性末梢疼痛、炎症性慢性疼痛および抗癌治療による疼痛を治療および/または予防するための薬剤の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
消化器障害、嘔吐、下痢障害、潰瘍および肝臓疾患を治療および/または予防するための薬剤を調製するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
炎症性現象、免疫系疾患、関節リウマチ、脱髄に至る疾患、多発性硬化症、骨疾患および骨粗鬆症を治療および/または予防するための薬剤の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
運動疾患および運動障害、特にジスキネジアまたはパーキンソン病、老年性認知症およびアルツハイマー病を治療および/または予防するための薬剤の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2011−500543(P2011−500543A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528446(P2010−528446)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001421
【国際公開番号】WO2009/087285
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】