説明

2−アミド−4−フェニルチアゾール誘導体、その調製及び治療的使用

本発明は、塩基又は医薬として許容される酸への付加塩の形態、水和物又は溶媒和物の形態並びに鏡像異性体、ジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態で表現される以下の一般式(I)の2−アミド−4−フェニルチアゾール誘導体に関する。一般式(I)の化合物を含有する薬学的組成物及びこれらの治療的使用も開示されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−アミド−4−フェニルチアゾール誘導体、これらの調製及びこれらの治療的適用に関する。
【発明の開示】
【0002】
本発明の一主題は、下式(I)に対応する化合物である。
【0003】
【化5】

【0004】
(−Rは、水素又はハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロ(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキルオキシ、アリルオキシ又は(C−C)アルキルチオ基を表し;
−Rは、水素又はハロゲン原子、ヒドロキシル、(C−C)アルキル、トリフルオロ(C−C)アルキル、ペルフルオロ(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキルオキシ、アリルオキシ又は(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基を表し;
−Yは、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rは、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R及びRは、互いに独立に、水素原子若しくは(C−C)アルキルを表し、又は、R及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒に、5員もしくは6員のシクロアルキル基を形成し、及びqは0、1又は2を表す。)、の1つ以上で置換されたフェニル基;
・1つ以上のハロゲン及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換された複素環基;
前記複素環基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており、
前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換された複素二環式基;を表し、
−mは、2、3又は4を表し;
−nは、0、1又は2を表し;
−pは、0、1、2又は3を表す。)
【0005】
式(I)の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を含み得る。従って、式(I)の化合物は、鏡像異性体又はジアステレオ異性体の形態で存在し得る。これらの鏡像異性体及びジアステレオ異性体並びにこれらの混合物(ラセミ混合物を含む。)は、本発明の一部を構成する。
【0006】
式(I)の化合物は、塩基の、又は酸付加塩の形態で存在し得る。このような付加塩は、本発明の一部を構成する。
【0007】
これらの塩は、医薬として許容される酸を用いて有利に調製されるが、例えば、式(I)の化合物を精製又は単離するのに有用である他の酸の塩も、本発明の一部を構成する。
【0008】
式(I)の化合物は、水和物又は溶媒和物の形態で、すなわち、1つ以上の水分子と、又は溶媒と会合又は結合した形態でも存在し得る。このような水和物及び溶媒和物も、本発明の一部を構成する。
【0009】
本発明において、以下の定義が適用される。
【0010】
−(C−C)(t及びzは、1から10までの値をとり得る。)は、t〜z個の炭素原子を含有し得る炭素を基本とした鎖、例えば、(C−C)は1〜3個の炭素原子を含有し得る炭素を基本とした鎖;
−Hal:フッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲン原子;
−アルキル基:直鎖又は分岐の飽和脂肪族基。挙げられ得る例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルなどの基;
−シクロアルキル基:環状アルキル基。挙げられ得る例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの基が含まれる。
【0011】
−アルコキシ基:アルキル基が上記定義のとおりである−O−アルキル基;
−シクロアルキルオキシ基:シクロアルキル基が上記定義のとおりである−O−シクロアルキル基;
−アリルオキシ基:−O−アリル;
−ペルフルオロアルキル基:全ての炭素原子がフッ素原子で置換された、上記定義のアルキル基。
【0012】
−複素環基:窒素、酸素又は硫黄などの1つ以上の複素原子を含む、芳香族又は非芳香族環状基。挙げられ得る複素環基の例には、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル及びフリル基が含まれる。
【0013】
−複素二環式基:別の複素環基と、又はフェニル基と縮合した上記定義の複素環基。挙げられ得る複素環二環式基の例には、フェニル核、例えば、キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール及びベンゾオキサゾール基と縮合した上記複素環基が含まれる。
【0014】
−N−オキシド形態の複素環基:以下の式:
【0015】
【化6】

(Hetは、上記定義の複素環基を表す。)
を有する基。
【0016】
本発明の主題である化合物として、
−R及びRが、上で定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・1つ以上のハロゲン及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換された複素環基;
前記複素環基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換された複素二環式基;を表し、
−mが、3を表し;
−nが、1を表し;
−pが、0を表す;
式(I)の化合物の第一の群が挙げられる。
【0017】
本発明の主題である化合物として、
−R及びRが、上で定義されているとおりであり;
−Yが、上で定義されているとおりであり;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル又はフリル基(前記基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で場合によって置換されている。);
上述されている前記基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており、
上述されている前記基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール又はベンゾオキサゾール基(前記基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換されている。)、を表し、
−mが、3を表し;
−nが、1を表し;
−pが、0を表す;
式(I)の化合物の第二の群が挙げられる。
【0018】
本発明の主題である化合物として、
−R及びRが、上で定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換された複素環基、
前記複素環基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており、
前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ基で場合によって置換された複素二環式基;
を表し、
−mが、2若しくは4を表し;及び/又は
−nが、0、1若しくは2を表し;及び/又は
−pが、0、1又は2を表す、
式(I)の化合物の第三の群が挙げられる。
【0019】
本発明の主題である化合物として、
−R及びRが、上で定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル又はフリル基(前記基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換されている。);
上述されている前記基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
上述されている前記基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール又はベンゾオキサゾール基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換されている。)、
を表し、
−mが、2若しくは4を表し;及び/又は
−nが、0、1若しくは2を表し;及び/又は
−pが、0、1又は2を表す、
式(I)の化合物の第四の群が挙げられる。
【0020】
本発明の主題である化合物として、
−R及びRが、上で定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル又はフリル基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換されている。);
上述されている前記基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
上述されている前記基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール又はベンゾオキサゾール基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換されている。)、
を表し、
ヒドロキシル、
(C−C)アルキル、又は
(C−C)アルコキシ、
−mが、2若しくは4を表し;及び/又は
−nが、0、1若しくは2を表し;及び/又は
−pが、0を表す、
式(I)の化合物の第五の群が挙げられる。
【0021】
本発明の式(I)の化合物は、Rがフェニルの2位に存在し、Rがフェニルの5位に存在する化合物である。
【0022】
本発明の式(I)の化合物は、Rがフェニルの2位に存在し、Rが特に(C−C)アルコキシ基を表し、及びRがフェニルの5位に存在し、Rが特に(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル又は(C−C10)シクロアルキル基を表す化合物である。
【0023】
特に挙げられ得る本発明の式(I)の化合物には、以下の化合物がある。
【0024】
・1−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物114)、
・1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物112)、
・1−(ピリミジン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物107)、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−エトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物98)、
・1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)−ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロペンチル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物118)、
・1−(2−ヒドロキシ−ピリジン−3−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物101)、
・1−(1−オキシピリジン−3−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物115)、
・1−(5−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物27)、
・1−(フラン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物28)、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物120)、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−2−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物109)、
・1−(2−ピリジン−2−イルアセチル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物60)、
・1−(1−オキシ−ピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物102)、
・(S)−1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物124)、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物97)、
・(S)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物108)、
・1−(1−オキシ−ピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−ブチル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物117)、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロペンチル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物100)、
・(R)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物121)、
・1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物105)、
・(R)−1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物239)。
【0025】
本発明の主題は、式(I)の化合物を調製する方法でもある。
【0026】
以下の記載において、「保護基Pg」という用語は、第一に、合成中に、ヒドロキシル又はアミンなどの反応性官能基を保護し、第二に、合成の終了時に、そのままの状態の反応性官能基を再生可能とする基を意味する。保護基並びに保護及び脱保護の方法の例は、「“Protective Groups in Organic Synthesis”, Greene et al., 2nd Edition(John Wiley & Sons, Inc.,New York)」に記載されている。
【0027】
以下の記載において、「脱離基X」という用語は、電子対の喪失を伴いながら、不均一結合を切断することによって分子から容易に切断することが可能な基を意味する。従って、この基は、例えば、置換反応中に別の基で容易に置換され得る。このような脱離基は、例えば、ハロゲンであり、又はメシル、トルシル(tolsyl)、トリフラート、アセチルなどの活性化されたヒドロキシル基である。これらを調製するための脱離基及び参考文献の例は、「“Advances in Organic Chemistry”,J.March,3rd Edition, Wiley Interscience, pp.310−316」に記載されている。
【0028】
以下の記載において、「R及び/又はRの前駆体」という用語は、当業者に公知の1つ以上の化学反応を介して、R及び/又はRへと変換され得る置換基R’及び/又はR’を意味し、又はR及び/又はRは、R及び/又はRを表す。
【0029】
以下の記載において、「基Z」という用語は、酸塩化物などの酸官能基、混合された又は対称的な無水物、あるいは、例えば、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)又はO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)で適切に活性化された酸から誘導される脱離基又は官能性誘導体を意味する。
【0030】
1つ以上の置換基R’及び/又はR’がアミン又はヒドロキシル官能基を含有する基を表す場合には、これらの官能基は、中間的に保護され得る。アミン官能基は、例えば、アルカノイル、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル又は9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基で保護され得、ヒドロキシル官能基は、例えば、エーテル又はエステル形態で保護され得る。
【0031】
本発明の化合物は、以下に記載されている様々な方法に従って調製され得る。
【0032】
これらの方法を取り扱う前に、本発明の式(I)の化合物を調製するために使用される式(II)のアミノチアゾール誘導体を調製するための方法を以下に記載する。
【0033】
以下の記載において、
−THF=テトラヒドロフラン、
−BOP=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート、
−CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール、
−DMF=ジメチルホルムアミド、
−TMS=テトラメチルシラン、
−DMSO=ジメチルスルホキシド、
−DCM=ジクロロメタン、
−TBTU=2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート。
【0034】
式(II)のアミノチアゾール誘導体は、文書EP 518 731、EP 611 766及びWO 99/15525に記載されているものなど、公知の方法を介して調製され得る。
【0035】
一般的に、Y=Hの場合、チオ尿素を、以下の反応スキームに従って式1のハロケトンと反応させる。
【0036】
【化7】

【0037】
置換基R’及び/又はR’は上記値を有する、すなわち、R’及び/又はR’は、それぞれ、一般式(I)の化合物について定義されたR及びR又はR及びRの前駆体基を表し、Halは、ハロゲン原子、好ましくは、臭素、塩素又はヨウ素を表す。
【0038】
上記スキームに記されているように、Y=Hであり、R’及びR’が上記値を有するタイプ(II)の化合物は、0℃から50℃までの範囲の温度で、DMF又はDCMなどの溶媒中で、フッ素化剤(例えば、SelectfluorTM)との反応によって、Y=Fであり、並びにR’及びR’が上記値を有するタイプ(II)の化合物へと変換され得る。
【0039】
式1のハロケトンは、当業者に公知の方法を用いて調製され得る。例えば、ブロモケトンは、酢酸エチル、塩素化された溶媒又はこれらの混合物などの有機溶媒中で、あるいは、アルコール中で、
式2:
【0040】
【化8】

(R’及びR’は、上記値を有する。)
のアセトフェノン誘導体に対して、臭素、臭化第二銅又は三臭化フェニルトリメチルアンモニウム(PTT)を作用させることによって取得し得る。
【0041】
式2のアセトフェノン誘導体が市販されていない場合には、様々な方法を介して調製し得る。
【0042】
−例えば、AlCl又はTiClなどのLewis酸の存在下で、塩化アセチル又は無水酢酸と反応される、R’及びR’で置換されたベンゼンに対するFriedel−Crafts反応;
−例えば、ブチルリチウムの作用を介するベンゼンの脱プロトン化後に、R’及びR’で置換されたベンゼンに対して、パラジウムの存在下で塩化アセチルを作用させた後、塩化亜鉛又はヨウ化マンガンを添加する。この手順は、R’=R=(C−C)ペルフルオロアルキルである式2のアセトフェノン誘導体を調製するために使用し得る。
【0043】
−Lewis酸の作用を介して、式4:
【0044】
【化9】

のヒドロキシアセトフェノン誘導体を与えるために、式3のアセトキシベンゼン誘導体:
【0045】
【化10】

から開始されるFries転位。
【0046】
ヒドロキシル官能基は、その後の工程において、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、アリルオキシ、(C−C10)シクロアルキルメトキシ又は(C−C10)シクロアルキルオキシなどの基−O−Wへと変換されることが可能な基R’に対応する。
【0047】
R’のRへの変換は、式(II)のアミノチアゾールに対して、又は式(I)の化合物に対して行われ得る。
【0048】
R’及びR’で置換されたベンゼン誘導体は、市販されているか、又は当業者に公知の方法を介して調製される。
【0049】
例えば、Rが上記定義の基−O−Wである化合物を調製するために、前記方法は、以下の様式で行われる。
【0050】
【化11】

【0051】
ハロベンゼン誘導体は、以下のスキームに従って置換されることもできる。
【0052】
【化12】

【0053】
が(C−C)ペルフルオロアルキルを表す事例では、前記方法は、以下の反応スキームに従って実施することもできる。
【0054】
【化13】

【0055】
式(II)のアミノチアゾール誘導体の調製の例は、本明細書の以下で例示として記されている。
【0056】
本発明の式(I)の化合物は、以下の一般的なスキームIに従って調製され得る。
【0057】
【化14】

【0058】
スキーム1に従って、0℃と150℃の間の温度で、特にTHF、アセトニトリル及びDMFから選択される溶媒中、KCO、トリエチルアミン、炭酸セシウムなどの塩基又はカップリング試薬、例えば、BOP、TBTU若しくはCDIの存在下で、アシル化又はペプチド型のカップリングを介して、Y、R’及びR’が上で定義されているとおりである式(II)の化合物を、Z、Pg、m及びnが上で定義されているとおりである式(III)の化合物と結合させる。このようにして得られた式(IV)の化合物は脱保護されて、式(V)のアミン誘導体を与える。式(IV)の化合物において、Y、m、n、Pg、R’及びR’は、上で定義されているとおりである。次いで、0℃と150℃の間の温度で、特にTHF、アセトニトリル及びDMFから選択される溶媒中、KCO、トリエチルアミン若しくは炭酸セシウムなどの塩基又はカップリング試薬、例えば、BOP、TBTU若しくはCDIの存在下で、Y、m、n、R’及びR’が上で定義されているとおりである式(V)の化合物を、R、Z及びpが上で定義されているとおりである式(VI)の酸又は酸誘導体と反応させる。
【0059】
式(III)の化合物が市販されていない場合には、式(III)の化合物は、文献中、例えば、刊行物「H. Rapoport, J. Org. Chem. 1974, 39, 893」及び文書WO97/41102号中に記載されている方法を用いて調製され得る。
【0060】
タイプ(I)の化合物は、以下のスキーム2に従って調製することもできる。
【0061】
【化15】

【0062】
スキーム2に従って、Rが(C−C)アルキル基を表し、及びPgが上で定義された保護基を表す式(VII)の化合物を脱保護し、次いで、0℃と150℃の間の温度で、特にTHF、アセトニトリル及びDMFから選択される溶媒中、KCO、トリエチルアミン若しくは炭酸セシウムなどの塩基又はカップリング試薬、例えば、BOP、TBTU若しくはCDIの存在下で、R、Z及びpが上で定義されているとおりである式(VI)の化合物と縮合させる。鹸化又は酸加水分解後に、式(VIII)の酸誘導体が得られる。次いで、R、m、n及びpが上で定義されたとおりである式(VIII)の化合物を、0℃と150℃の間の温度で、特にTHF、アセトニトリル及びDMFから選択される溶媒中、KCO、トリエチルアミン若しくは炭酸セシウムなどの塩基又はカップリング試薬、例えば、BOP、TBTU若しくはCDIの存在下で、上記定義の式(II)の化合物と縮合させて、式(I)の化合物を得る。
【0063】
式(VII)の化合物及び脱保護されたその誘導体は、市販されているか、又は文書WO92/15585号に記載されている方法を用いて調製し得る。
【0064】
上記2つの一般的なスキーム1及び2において、化合物(VI)は市販されているか、又は、以下のスキームに従い、
【0065】
【化16】

【0066】
Arndt−Eistert型の反応(Tet. Lett., 1979,29,2667 “Advanced in Organic Chemistry”,J. March, 3rd Edition, Wiley Interscience,pp.1405−1407)などの標準的な方法に従って、市販のカルボン酸の認証(homologation)によって取得され得る。
【0067】
以下の実施例において、p=0及びZ=−OHである化合物(VI)が市販されていない場合には、「J. Med. Chem. 1977,20,1312」に記載されている方法に従って調製される。
【0068】
一般的な合成スキーム1及び2において、出発化合物及び試薬は、それらの調製様式が記載されていない場合、市販されているか、又は文献に記載されており、あるいは、その中に記載されている方法に従って調製されるか、又は当業者に公知である得る。
【0069】
その別の態様に従えば、本発明の主題は、下式(V’)
【0070】
【化17】

(R’及びR’は、上で定義されているとおりであるR及びRの前駆体を表し、Y、m及びnは、上で定義されているとおりであり、並びにAは、水素原子を表し、又は式(IV)及び(V)の化合物について定義されている基Pgを表す。)
の化合物でもある。
【0071】
これらの化合物は、式(I)の化合物の合成のための中間体として有用である。式(V’)の化合物の例は、下表IIに記されている。
【0072】
以下の実施例は、本発明に係る式(I)の化合物の調製を記載している。これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を例示するためのものに過ぎない。例示されている化合物の数字は、表IIIに記されている化合物の数字を表し、表IIIは、本発明に係る多数の化合物の化学的構造及び物理的特性を示している。
【0073】
式(II)の化合物の調製の数字は、表I中で記されている数字を表す。
【0074】
以下の調製及び実施例において:
−RT=室温
−DCM=ジクロロメタン、
−DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、
−THF=テトラヒドロフラン、
−BOP=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート、
−DMF=ジメチルホルムアミド、
−Boc=tert−ブチルオキシカルボニル、
−TFA=トリフルオロ酢酸、
−TBTU=2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、
−HOBT=ヒドロキシベンゾトリアゾール、
−BSA=ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、
−EtOAc=酢酸エチル、
−AcCl=塩化アセチル、
−m.p.=1℃/分の温度勾配を用いたBuechi B545装置上で測定される融点(摂氏度)、
−MH+=質量スペクトル。HPLC−UV−MSカップリング(液体クロマトグラフィー−UV検出−質量スペクトル分析)により、化合物を分析する。Aglientより販売されている、使用した装置は、Aglientダイオードアレー検出器及びMSD Quad四重極質量分析計を備えたHP1100クロマトグラフから成る。
【0075】
分析条件は次のとおりである:
カラム:シンメトリC18(50×2.1mm、3.5μm)
溶出剤A:pH3.15にて、HO+0.005%TFA
溶出剤B:CHCN+0.005%TFA
勾配:
時間(分) %B
0 0
10 90
15 90
16 0
20 0
カラム温度:30℃
流速:0.4mL/分
検出:λ=210nm
−rt=保持時間
−NMR=Bruker Avance 200スペクトロメータ(200MHz)を使用して行う核磁気共鳴。使用される溶媒は、重水素化されたDMSOで、化学シフトは、TMSとの比較で表されている。使用される略語は次のとおりである:
−s=一重線
−d=二重線
−dd=二重の二重線
−t=三重線
−m=多重線
−bs=ブロード一重線
−p=20MPaにて、3mL/分の流速で、30℃にて80/20のCO/MeOHの混合物で溶出し、Chiralpak ADカラム(250mm×4.6)上のHPLCにより、光学純度を測定する。化合物を220nmで検出する。
【0076】
−α=旋光度。ナトリウムD線(λ=589nm)に対し、Perkin−Elmer241−MC偏光計を用いて旋光度を測定し、濃度を10mg/mLで表して、室温で測定を行う。
【0077】
I.式(II)のアミノチアゾール誘導体の調製
調製I.1
4−(2−メトキシ−5−プロポキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
A)1−(2−ヒドロキシ−5−プロポキシフェニル)エタノン
アセトン100mL中に懸濁した2,5−ジヒドロキシアセトフェノン10gを、500mLの丸底フラスコ中に入れ、無水KCO9.14を添加し、続いてヨウ化プロピル12.4gを添加する。反応媒体を30時間還流する。室温に冷ました後、Celite(R)を通して媒体をろ過した後、濃縮する。得られた茶色の油状物をEtOAc中に採取し、ろ過して、水、2M HCl溶液、次いで飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相を蒸発し、黒色のペーストを得る。ペーストをクロロホルム中に採取し、ろ過する。媒体を濃縮し、黒色の固体11.4gを得る。この固体を無水エタノール中に採取する。溶液をフリーザー中に10分間入れ、ろ過により、固体の沈殿物を収集する。ろ液を濃縮し、エタノール中で取り出して、フリーザー中で冷却し、次いで再度ろ過する。この工程を4回繰り返し、目的の化合物8.35gを粉末形態で得る。
【0078】
B)1−(2−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エタノン
DMF350mL中の上記の固体35gの溶液へ、KCO49.8gを添加し、続いてヨウ化メチル22.4mLを添加する。反応媒体を、60℃で12時間加熱する。室温まで冷却した後、Celite(R)を通して媒体をろ過し、エーテル中で希釈し、2M HCl溶液で洗浄する。水相をエーテルで2回抽出する。混合有機相を希水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで水で2回洗浄し、飽和NaCl溶液でも洗浄する。有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、茶色の油状物35.55gを得る。油状物を115℃にて減圧下で蒸留し、目的の化合物32.8gを油状形態で得る。
【0079】
C)2−ブロモ−1−(2−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エタノン
メタノール100mL中の前記の段階で取得した油状物16.4gの溶液へ、臭素4.8mLを滴下する。媒体を室温で30分間攪拌し、次いで蒸発する。取得した油状物をジクロロメタン中で取り出し、水で3回洗浄して、次いでMgSO上で乾燥させ、蒸発し、茶色の油状物24.5gを得る。
【0080】
D)4−(2−メトキシ−5−プロポキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
エタノール200mL中の上記工程で調製したブロモケトン42gの溶液へ、チオ尿素24.5gを添加する。媒体を1時間30分還流する。次いで、媒体を冷蔵庫中に12時間入れ、次いでろ過する。このように収集した固体を少量の冷エタノールですすぎ、次いでエーテルですすぐ。臭化水素25gを回収する。
【0081】
水/ジクロロメタンの混合物中で固体を懸濁し、水酸化ナトリウムの添加により塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発する。取得した油状物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、目的化合物12gを粉末の形態で得る。
融点=76℃
【0082】
調製I.2
4−(5−ブチル−2−メトキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
A)4−ブチルフェニルアセタート
4−n−ブチルフェノール10g、AcO10mL及びピリジン8mLの溶液を、ジクロロメタン10mL中で、還流しながら攪拌する。2時間後、媒体を室温に冷まし、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄して、1M HCl溶液で洗浄し、飽和CuSO溶液でも洗浄して、水で洗浄し、MgSO上で乾燥させる。蒸発後、目的の化合物10.8gを油状物形態で回収する。
【0083】
B)1−(5−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エタノン
100mLの丸底フラスコ内の上記段階で取得した油状物5gへ、AlCl3.22gを数回に分けて添加する。媒体を130℃で1時間加熱する。室温まで冷却した後、35%HClで酸性化した氷冷水の溶液を、粗反応生成物に添加する。媒体を超音波浴中に入れる。15分後、EtOAcを添加し、溶解媒体を得る。水相をEtOAcで3回抽出し、有機相を水、次いで飽和NaCl溶液で洗浄する。MgSO上で乾燥させて蒸発した後、黄色の油状物4.5gを回収する。
【0084】
C)1−(5−ブチル−2−メトキシフェニル)エタノン
DMF10mL中の上記段階で取得した油状物1gの溶液へ、KCO1.44gを添加し、続いてヨウ化メチル0.648mLを添加する。媒体を60℃で一晩加熱する。室温に冷ました後、媒体をCelite(R)を通してろ過し、エーテルで希釈して、2M HCl溶液で洗浄する。水相をエーテルで2回抽出する。合わせた有機相を、希釈水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで水で2回洗浄し、飽和NaCl溶液でも洗浄する。有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、茶色の油状物1.27gを得る。油状物をクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物0.66gを得る。
【0085】
D)4−(5−ブチル−2−メトキシフェニル)−1,3−チゾール−2−アミン
メタノール10mL中の上記段階からの生成物0.66gの溶液へ、臭素0.19mLを添加する。媒体を10分間攪拌し、次いで蒸発して、ジクロロメタン中に採取する。有機相を水で3回洗浄し、次いでMgSO上で乾燥させる。蒸発後に、目的の生成物0.79gを回収する。チオ尿素0.46gの存在下で、この化合物をエタノール5mL中で溶解し、媒体を2時間30分還流する。室温に冷却中、固体を沈殿する。こうして、収集した固体を少量の冷エタノールですすぎ、次いでエーテルですすぐ。このように臭化水素0.6gを回収する。
【0086】
水/ジクロロメタンの混合物中に固体を懸濁し、水酸化ナトリウムを添加することにより塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、黄色の油状物0.34gを取得し、ゆっくりと結晶化する。母液を蒸発し、次いで水/ジクロロメタンの混合物中で攪拌して、水酸化ナトリウムを添加することにより塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発する。取得した油状物をシリカゲル上でクロマトグラフにかけ、目的化合物0.18gを得る。
融点:48℃
【0087】
調製I.22
4−(5−ペンタフルオロエチル−2−メトキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
A)1−メトキシ−4−ペンタフルオロエチルベンゼン
不活性雰囲気下にて、カリウムペンタフルオロプロピオナート8.3g及びCuI9.8gを、Dean−Stark装置及びコンデンサーを備えた500mLの3首フラスコ中に入れる。DMF90mL及びトルエン110mLを添加する。媒体を窒素下で140℃に加熱し、トルエン80mLを留去する。次いで、媒体を室温まで冷まし、続いて窒素を散布することにより脱酸素化する。ヨードアニソール6gを添加し、次いで混合物を155℃で2時間加熱する。室温まで冷却した後、水/エチルエーテルの混合物200mLで媒体を希釈する。続いてCelite(R)を通して、媒体をろ過する。有機相を水で3回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、次いで蒸発して、茶色の油状物4.3gを得る。
【0088】
B)1−(2−メトキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)エタノン
無水THF50mL中の1−メトキシ−4−ペンタフルオロエチルベンゼン3.5gの溶液へ、−70℃で、ヘキサン中の2.5M BuLi7.4mLを添加する。媒体を−70℃で30分間攪拌し、次いで0℃で45分間攪拌する。続いて、エーテル中の塩化亜鉛の1M溶液15.5mLを添加する。0℃で10分間攪拌した後、塩化アセチル1.33mLを添加する。次いで、媒体を窒素で脱酸素化し、無水THF5mL中のベンジル(クロロ)ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム332mgを入れる。媒体を0℃で2時間30分攪拌し、次いで室温で72時間攪拌する。媒体を2.5M HCl溶液上に注ぎ、続いてエーテルで抽出する。有機相を水中の5%NaHCOで洗浄し、水でも洗浄して、続いて飽和NaCl溶液で洗浄する。MgSO上で乾燥させ、蒸発した後、粗生成物をシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色の固体2.25gを得る。
融点=47℃
【0089】
C)4−(5−ペンタフルオロエチル−2−メトキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
メタノール10mL中の前記工程で取得した生成物2.25gの溶液へ、メタノール8mL中に溶解した臭素0.5mLを添加する。媒体を10分間攪拌し、次いで蒸発して、ジクロロメタン中に採取する。有機相を水で3回洗浄し、次いでMgSO上で乾燥させる。蒸発後、臭素生成物2.63gを回収する。チオ尿素1.25gの存在下で、この化合物をメタノール15mL中で溶解し、媒体を2時間還流する。室温に冷却中、固体を沈殿する。こうして収集した固体をエチルエーテルですすぐ。固体を水/ジクロロメタンの混合物中で懸濁し、水酸化ナトリウムを添加することにより塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、黄色の固体1.63gを得る。
融点:125℃
【0090】
調製I.3
4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
A)DMF60mL中の4−シクロヘキシルフェノール5gの溶液へ、KCO7.84gを添加し、続いてヨウ化メチル3.53mLを添加する。媒体を60℃で一晩加熱する。室温まで冷却した後、Celite(R)を通して媒体をろ過し、次いでエーテルで希釈し、水で加水分解する。水相を酸性化し、次いでエーテル50mLで3回抽出する。混合有機相を希釈水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで水で2回洗浄して、飽和NaCl溶液でも洗浄する。有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、目的化合物4.31gを固体形態で得る。
融点:67℃
【0091】
B)1−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)エタノン
ジクロロメタン40mL中のAlCl5.6gの懸濁液を、−10℃に冷却する。AcCl3mL及び前記工程で取得した化合物4gを添加する。媒体を−10℃で1時間攪拌し、次いで35%HClと混合した氷を含むビーカー中に注ぐ。沈殿により相を分離した後、混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、目的生成物4.54gを得る。
【0092】
C)4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
メタノール25mL中の前記工程から得た生成物4.5gの溶液へ、臭素1.16mLを滴下する。媒体を室温で30分間攪拌すると、非常に粘着性を帯びる。メタノール5mLを添加し、続いてチオ尿素3.23gを添加する。媒体を2時間還流する。室温に冷ました後、固体を沈殿する。固体を収集し、次いで少量の冷メタノールですすぐ。固体を水/ジクロロメタンの混合物中で懸濁し、水酸化ナトリウムの添加により塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、目的化合物3.33gを固体形態で得る。
融点=113℃
【0093】
調製I.4
4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
A)1−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)エタノン
ジクロロメタン150mL中のAlCl10.6gの懸濁液を、−10℃まで冷却する。AcCl5.7mL及び4−プロピルアニソール6gを添加する。媒体を−10℃で30分間攪拌し、次いで35%HClと混合した氷を含むビーカー中に注ぐ。沈殿により相を分離した後、水相をDCMで3回抽出し、混合有機相を水で洗浄して、飽和NaCl溶液でも洗浄し、MgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、茶色の油状物7.86gを得る。
【0094】
B)2−ブロモ−1−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)エタノン
メタノール80mL中の、前工程で取得した化合物7.86gの溶液へ、メタノール40mL中で希釈した臭素2.46gを滴下する。媒体を室温で30分間攪拌し、次いで蒸発する。取得した油状物をジクロロメタン中で取り出し、水で3回洗浄して、次いでMgSO上で乾燥させ、蒸発し、黄色の油状物11.25gを得る。
【0095】
C)4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン
エタノール60mL中の、前記工程で取得した化合物8gの溶液へ、チオ尿素4.94gを添加する。媒体を1時間30分還流する。次いで、媒体を冷蔵庫中に12時間いれ、続いてろ過する。こうして取得した個体を少量の冷エタノールですすぎ、次いでエーテルですすぐ。2回目のこの手順を繰り返す。固体を水/ジクロロメタンの混合物中に懸濁し、水酸化ナトリウムを添加することにより塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発し、茶色の油状物4.89gを取得し、ゆっくりと結晶化する(67%)。
【0096】
母液を蒸発させ、次いで水/ジクロロメタンの混合物中で攪拌して、水酸化ナトリウムを添加することにより塩基性化する。水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合有機相をMgSO上で乾燥させ、次いで蒸発する。取得した油状物をシリカゲル上でクロマトグラフにかけ、目的生成物580mgを得る。
収率(総合):75%
融点:84℃
【0097】
調製I.26
4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)−5−フルオロチアゾール−2−イルアミン
DMF30mL中の上記の調製I.3で取得した化合物2.5gの溶液へ、0℃にて、Selectfluor(R)3.4gを添加し、媒体を室温で2時間攪拌する。媒体をエタノール中の2Mアンモニアで加水分解し、濃縮して、次いで水で希釈する。粗生成物をろ別し、固体をDCM中で取り出して、水で洗浄し、続いて1M水酸化ナトリウムで洗浄し、飽和NaCl溶液でも洗浄する。有機相をMgSO上で乾燥させ、蒸発した後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。
【0098】
目的化合物600mgを白色の粉末形態で取得する。
融点:159℃
【0099】
調製I.27
4−(5−プロピル−2−メトキシフェニル)−5−フルオロチアゾール−2−イルアミン
調製I.4から得た化合物から開始し、調製I.26に従って、化合物を調製する。
融点=107℃
【0100】
上記の方法に従って処理することにより、下記の表I中に記載の式(II)の化合物を調製する。
【0101】
以下の表において:Me=メチル、Et=エチル、Pr=プロピル、But=ブチル、Hex=ヘキシル。
【0102】
【表1】



【0103】
化合物120の調製に対して以下に記載される実施例1の工程1.1及び1.2は、式(IV)及び(V)の化合物の調製を例示する。
【0104】
実施例1の工程1.1及び1.2中に記載される手順を繰り返すことにより、以下の表(II)の式(V’)の化合物を調製し得る。
【0105】
【表2】






【0106】
NMR1
δ(ppm)=1.21(s,9H),1.23−2.19(m,12H),2.73(m,1H),2.84−3.15(m,2H),3.77−4.12(m,2H),3.98(s,3H),7.05(d,1H),7.22(dd,1H),7.64(s,1H),8.01(d,1H),12.21(bs,1H)
NMR2
実施例2.1を参照
NMR3
δ(ppm)=0.81(t,3H),1.21−1.90(m,6H),2.38−3.02(m,7H),3.81(s,3H),6.99(d,1H),7.04(dd,1H),7.57(s,1H),7.84(d,1H),12.20(bs,1H)
NMR4
δ(ppm)=0.84(t,3H),1.22(s,9H),1.58−1.78(m,4H),1.81−1.90(m,2H),2.58(m,1H),2.80(m,1H),3.0−3.15(m,1H),3.59−3.97(m,4H),3.92(s,3H),6.79(dd,1H),6.98(d,1H),7.58(d,1H),7.60(s,1H),12.17(bs,1H)
NMR5
δ(ppm)=1.17(s,9H),1.20−2.21(m,13H),2.16(m,1H),2.39(m,1H),3.18−3.40(m,2H),3.89(s,3H),4.26(m,1H),6.92(d,1H),7.04(dd,1H),7.57(s,1H),7.84(d,1H),12.21(bs,1H)
NMR6
δ(ppm)=1.20−1.28(m,1H),1.30−1.49(m,4H),1.66−1.75(m,3H),1.76−1.85(m,5H),2.01−2.17(m,1H),2.47−2.51(m,1H),2.80−2.97(m,2H),3.84(m,1H),3.90(s,3H),6.99(d,1H),7.15(dd,1H),7.62(s,1H),7.94(d,1H)
以下の実施例は、本発明を限定することなく例示する。
【実施例1】
【0107】
(化合物120)
1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド
一般式(I)の化合物:R=2−OMe、R=5−CyHex、m=2、n=2、p=0、R
【0108】
【化18】

【0109】
1.1 4−[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イルカルバモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物II.27)の調製
0℃の温度にて、BOP1.68g、Boc−イソニペコチン酸0.75g、次いでDIPEA1.41mLを、アセトニトリル6mL中の調製I.3で取得した4−(2−メトキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン1gの溶液へ添加する。媒体を室温で24時間攪拌し、次いでろ過する。こうして取得した固体をアセトニトリルですすぎ、次いで乾燥させる。このように、白い固体1.13gを取得する。
融点=193℃
【0110】
1.2. ピペリジン−4−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミドの(化合物II.3)調製
ジオキサン中のHClの4M溶液10mL中の工程1.1で調製した化合物1.13gの溶液を、室温で30分間攪拌する。媒体をエチルエーテルで希釈し、次いでろ過する。このようにして取得した固体をエーテルですすぎ、次いで乾燥させ、白い固体1.01gを得る。
MH+=400(保持時間=7.25分)
【0111】
1.3. 1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミドの調製
0℃の温度にて、BOP0.32g、ピラジンカルボン酸0.08g、次いでDIPEA0.37mLを、アセトニトリル3mL中の段階1.2で調製した化合物0.25gの溶液へ添加する。媒体を室温で12時間攪拌し、次いで濃縮する。媒体をEtOAc中で取り出し、10%NaCO溶液で3回洗浄し、次いで飽和NaCl溶液で洗浄する。MgSO上で乾燥させた後、溶液を濃縮し、次いでフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、暗黄色の固体0.23gを得る。
融点=129℃
【実施例2】
【0112】
(化合物93)
(S)−1−(ピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)チアゾール−2−イル]アミドヒドロクロリド
一般式(I)の化合物:R=2−OMe、R=5−n−プロピル、m=3、n=1、p=0、R
【0113】
【化19】

【0114】
2.1. (S)−3−[4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)チアゾール−2−イルカルバモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物II.18の(S)鏡像異性体)の調製
0℃の温度にて、TBTU0.5g、HOBT0.1g、(S)−N−Boc−ニペコチン酸0.35g、次いでDIPEA0.3mLを、DMF4mL中の調製I.4で取得した4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン0.5gの溶液へ添加する。媒体を室温で3時間攪拌し、次いでEtOAcで希釈して、10%NaCO溶液で4回洗浄し、次いで飽和NaCl溶液で洗浄する。MgSO上で乾燥させた後、溶液を濃縮し、次いでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白い固体0.56gを得る。
【0115】
NMRδ(ppm)=0.77(t,3H);1.22(s,9H);1.24−1.88(m,7H);2.43(m,2H);2.55(m,2H),2.79(m,2H);3.6−3.75(m,2H);3.78(s,3H);6.92(d,1H);7.04(d.d,1H);7.54(s,1H);7.82(d,1H);12.19(bs,1H)。
【0116】
2.2. (S)−ピペリジン−3−カルボン酸[4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物II.20)の調製
0℃の温度にて、TFA1mLを、DCM3mL中の段階2.1で調製した化合物0.56gの溶液に添加する。媒体を室温で2時間攪拌する。媒体を濃縮し、次いでDCM20mL中に採取し、10%NaCOで3回洗浄し、次いで飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相を蒸発し、白い固体0.36gを得る。
α=+0.78(MeOH/CHClの混合物(1/1)中c=1.66)
【0117】
2.3. (S)−1−(ピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(2−メトキシ−5−プロピルフェニル)チアゾール−2−イル]アミドヒドロクロリドの調製
0℃の温度にて、塩化ピコリノイル0.071g、次いでDIPEA0.12mLを、アセトニトリル1mL中の工程2.2で調製した化合物0.12gの溶液へ添加する。室温に戻るまで、媒体を攪拌する。室温で1時間後、媒体を加水分解し、次いでEtOAcで希釈して、10%NaCO溶液で洗浄し、続いて飽和NaCl溶液で洗浄する。MgSO上で乾燥させた後、溶液を濃縮する。取得した粗生成物をDCM中で取り出す。2M塩化エチルエーテルを添加することにより、塩酸塩を形成する。取得した固体をろ別し、エチルエーテルですすぐ。1M水酸化ナトリウムで処理することにより、遊離塩基を取得し、次いでDCM中に抽出し、有機相をMgSO上で乾燥させ、続いて蒸発する。遊離塩基をDCM中で取り出す。2M塩化エチルエーテルを添加することにより、塩酸塩を得る。取得した固体をろ別し、エチルエーテルですすぎ、次いで乾燥させ、白い固体91mgを得る。
融点=162℃
【実施例3】
【0118】
(化合物105)
(R,S)−1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド
一般式(I)の化合物:R=2−OMe、R=5−CyHex、m=2、n=1、p=0、R
【0119】
【化20】

【0120】
3.1. (R,S)−3−[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物II.25)の調製
0℃の温度にて、BOP2.1g、3−Boc−ピロリジンカルボン酸0.9g、次いでDIPEA1.2mLを、アセトニトリル6mL中の段階I.3で取得した4−(2−メトキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン1gの溶液へ添加する。媒体を室温で12時間攪拌し、次いでろ過する。こうして得た固体をアセトニトリルですすぎ、次いで乾燥させ、白い固体1.37gを得る。
融点=188℃
【0121】
3.2. (R,S)−ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド(化合物II.26)の調製
ジオキサン内のHClの4M溶液40mL中の段階3.1で調製した化合物1.35gの溶液を、室温で2時間攪拌する。媒体をエチルエーテルで希釈し、次いでろ過する。こうして取得した固体をエーテルですすぎ、次いでDCM/飽和NaCO溶液の混合物(1/1)中に採取する。水相をDCMで抽出し、水で洗浄して、次いでMgSO上で乾燥させ、蒸発し、白い固体1.02gを得る。
融点=181℃
【0122】
3.3. (R,S)−1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミドの調製
0℃にて、ピコリン酸N−オキシド0.108g、BOP0.4g、次いでDIPEA0.23mLを、アセトニトリル3mL中の段階3.2で調製した化合物0.25gの溶液へ添加する。媒体を室温で12時間攪拌し、次いでろ過する。収集した個体をアセトニトリルですすぎ、次いでフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、目的化合物0.23gを得る。
融点=161℃
【0123】
(R)−3−Boc−ピロリジンカルボン酸で開始するこれらの方法に従うことにより、化合物239を得る:融点=155℃、α=−32(c=1.6、CHCl)、光学純度=96.4%(Chiralpak AD−H(250mm×4.6)上におけるHPLC、技術:SFC、移動相:CO/イソプロパノール+0.5%IPA 70/30 2ml/分、200バール、30℃、保持時間=12,56分で254nmにてのUV検出)。
【0124】
(S)−3−Boc−ピロリジンカルボン酸で開始するこれらの方法に従うことにより、化合物240を取得する:融点=157℃、α=+30(c=1.6、CHCl)、光学純度=97.6%(Chiralpak AD−H(250mm×4.6)上におけるHPLC、技術:SFC、移動相:CO/イソプロパノール+0.5%IPA 70/30 2ml/分、200バール、30℃、保持時間=13.99分で254nmにてのUV検出)。
【実施例4】
【0125】
(化合物99)
(R,S)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−ブチル−2−エトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド
一般式(I)の化合物:R=2−エトキシ、R=5−ブチル、m=3、n=1、p=0、R
【0126】
【化21】

【0127】
4.1. (R,S)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸の調製
BSA7.7mLを、DCM50mL中のニペコチン酸2.1gの溶液へ添加する。混合物を室温で1時間放置する。ピラジンカルボン酸をSOClと処理することにより取得したピラジンカルボン酸塩化物2.1gを(Advanced in Organic Chemistry、J.March、第3版、Wiley Intersciences、p.523及び引用文献)、0℃の温度にて添加する。媒体を室温で12時間攪拌し、次いで濃縮する。粗生成物を水/メタノールの混合物中で取り出し、エチルエーテルで希釈する。粉砕後、固体をろ過により収集する。その固体をDCM中で取り出す。ろ過後、ろ液を蒸発する。このようにして取得した固体をDCM中で取り出す。ろ過後、ろ液を蒸発し、白い固体2.1gを得る。
MH+=保持時間=3.91分にて234
【0128】
4.2. (R,S)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−ブチル−2−エトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミドの調製
0℃の温度にて、調製I.9で取得した4−(2−エトキシ−5−ブチルフェニル)−1,3−チアゾール−2−アミン0.3g、BOP0.67g、次いでDIPEA0.76mLを、アセトニトリル3mL中の工程4.1で調製した化合物0.40gの溶液へ添加する。媒体を室温で12時間攪拌し、次いでろ過する。このようにして取得した固体をアセトニトリルですすぎ、次いで乾燥させ、白い固体0.34gを得る。
融点=182℃
【0129】
下記の表IIIは、本発明による化合物の多数の実施例における化学構造及び物理的性質を例示する。この表では:
−m.p.=融点、摂氏度(℃)
−MH+=質量スペクトル
−rt=保持時間、分(min.)
−CyHexは、シクロヘキシル基を表し、cyPentは、シクロペンチル基を表す。
【0130】
−「塩」の列において、「−」は、遊離塩基形態の化合物を表すのに対し、「HCl」は、その塩酸塩形態の化合物を表す。
【0131】
−(+)は、右旋性鏡像異性体を示し、(−)は、左旋性鏡像異性体を示す。
【0132】
−(R)は、化合物がR鏡像異性体であることを示し、(S)は、S鏡像異性体を示す。
【0133】
【表3】





































【0134】
ケモカイン受容体の活性に対するそれらの調節効果を測定するために、本発明の化合物は薬理学的試験を受けた。
【0135】
ケモカインは、炎症促進性サイトカインのファミリーに属する低分子量のタンパク質であり、白血球及び内皮細胞の走化性に関与する。ケモカインは、多数の生物学的プロセスを調節し、ストレス状態中、又は傷害若しくは感染中に現れる炎症性疾患と関連する。ケモカインの効果の調節は、喘息、関節炎、アレルギー、自己免疫疾患、アテローム性動脈硬化症又は血管新生などの病理の予防又は治療を可能にする(C.D.Paavola et al.,J.Biol.Chem.,1998、273、(50)、33157−33165)。
【0136】
ケモカインのうち、hMCP−1(ヒト単球走化タンパク質)が区別され、これはCCケモカインの群に属し、CCR2b受容体の天然アゴニストである。
【0137】
ヒトCCR2b受容体を発現する細胞に対する、本発明の化合物の阻害活性を測定した。CCR2b受容体の活性の50%(IC50)を阻害する天然のhMCP−1アゴニストの濃度は、0.57nMである。本発明の化合物は、一般的に、1μM未満のIC50を有する。
【0138】
例えば、化合物20は、25nMのIC50を有し、化合物31は、44nMのIC50を有し、化合物1は、290nMのIC50を有し、化合物107は、5nMのIC50を有する。
【0139】
また、「A.Albini et al.,Cancer Res.,1987、47、3239−3245」に記載されている技術を適合した技術を用いて、走化性の阻害も、ヒトTHP−1単球(DSMZ−ドイツにより販売)に対して測定した。これらの条件下において、hMCP−1は、IC50が6nMである。本発明の化合物は、一般に1μM未満のIC50を有する。
【0140】
本発明の化合物による走化性の阻害は、ケモカイン受容体に対する、特にCCR2bに対するそれらのアンタゴニスト活性の兆候である。
【0141】
従って、本発明の化合物は、ケモカイン、特にhMCP−1の効果のアンタゴニストであることがわかる。
【0142】
従って、本発明の化合物は、医薬、特にケモカインの影響を拮抗する特定の医薬の調製のために使用し得る。
【0143】
従って、別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物、又は医薬として許容される酸とのその付加塩、或いは水和物若しくは溶媒和物を含む医薬である。
【0144】
これらの医薬は、治療に用途を見出し、特に、次のような様々な病状の予防及び治療に用途を見出す。
【0145】
−急性及び慢性自己免疫疾患及び症候群、例えば、アテローム性動脈硬化症、再発狭窄症、慢性肺疾患、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患);呼吸窮迫症候群;気管支反応性亢進;結腸炎;珪肺症;線維性の病理、肺線維症、嚢胞性線維症;ウイルス又は細菌性感染症、AIDS(後天性免疫不全症候群)、脳膜炎、マラリア、ハンセン病、結核、ヘルペス、サイトメガロウイルス感染症;敗血性ショック、敗血症、エンドトキシックショック;移植片拒絶;骨粗鬆症、変形性関節症などの骨の病理;結膜炎;非定型の皮膚炎又は接触性皮膚炎;アトピー性皮膚炎;糸球体腎炎;膵臓炎;潰瘍性大腸炎、自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、クローン病、紅斑性狼瘡、硬皮症、乾癬;パーキンソン病;アルツハイマー病;糖尿病;悪液質;肥満;
−癌の治療;
−疼痛の治療、特に神経因性疼痛及び炎症性疼痛;
−アレルギー性疾患、例えば、アレルギー性の呼吸器系疾患、喘息、鼻炎、肺過敏症及び遅延過敏症;
−血管新生過程が関与する疾病又は疾患(例えば、腫瘍内の血管新生)及び網膜疾患(加齢性黄斑変性症:ARMD);
−心臓の病理:血行動態のショック;心虚血;虚血後再注入による発作;心筋梗塞、冠状動脈血栓症、心不全、狭心症。
【0146】
別の態様によると、本発明は、活性成分として、本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、本発明の少なくとも1つの化合物、又は前記化合物の医薬として許容される塩、水和物若しくは溶媒和物の有効量、及び医薬として許容される少なくとも1つの賦形剤を含む。
【0147】
前記賦形剤は、医薬の形態及び所望の投与様式に従って、当業者には公知の通常の賦形剤から選択される。
【0148】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻内、経皮又は直腸投与に対する本発明の医薬組成物において、上述の疾患及び疾患の予防又は治療のために、上記の式(I)の活性成分、又はその可能な塩、その溶媒和物若しくは水和物を、標準的な医薬賦形剤との混合物として、人間及び動物へ単位投与形態で投与し得る。
【0149】
投与の適切な単位形態は、錠剤、軟質又は硬質のゲルカプセル、粉末、顆粒及び経口溶液又は懸濁液などの経口経路形態、舌下、口腔内、気管内、眼球内又は鼻内投与形態、吸入による投与形態、局所、経皮、皮下、筋肉内又は静脈内の投与形態、直腸投与形態及び移植を含む。局所使用に対しては、本発明の化合物は、クリーム、ゲル、ポマード又はローション中で使用し得る。
【0150】
例として、錠剤形態における本発明の化合物の投与の単位形態は、以下の成分を含む。
【0151】
本発明の化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
経口経路を通じ、1日あたりに投与される活性成分の投与量は、1回以上の投与量の摂取において、0.1〜1000mg/kgとなり得る。
【0152】
これより多い又はこれより少ない投与量が適切な特定の事例も存在し得る。このような投与量は、本発明の文脈から逸脱することはない。また、通常の慣行に従えば、各患者に適切な投与量は、投与形態及び体重並びに前記患者の反応により、医師が決定する。
【0153】
別の態様によると、本発明は、上記の病理の治療方法にも関連し、本発明の化合物、又は医薬として許容される塩又は水和物若しくは溶媒和物の有効投与量の、患者への投与を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の又は医薬として許容される酸との付加塩の形態の、水和物又は溶媒和物の形態の、並びに鏡像異性体又はジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態の下式(I)の化合物。
【化1】

(式中、−Rは、水素又はハロゲン原子、(C−C)アルキル、トリフルオロ(C−C)アルキル、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロ(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキルオキシ、アリルオキシ又は(C−C)アルキルチオ基を表し;
−Rは、水素又はハロゲン原子、ヒドロキシル、(C−C)アルキル、トリフルオロ(C−C)アルキル、ペルフルオロ(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキル(C−C)アルコキシ、(C−C10)シクロアルキルオキシ、アリルオキシ又は(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基を表し;
−Yは、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rは、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R及びRは、互いに独立に、水素原子若しくは(C−C)アルキルを表し、又は、R及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒に、5員もしくは6員のシクロアルキル基を形成し、及びqは0、1又は2を表す。)、の1つ以上で置換されたフェニル基;
・1つ以上のハロゲン及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、前述の定義のとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、前述の定義のとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換された複素環基;
前記複素環基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており、
前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換された複素二環式基;を表し、
−mは、2、3又は4を表し;
−nは、0、1又は2を表し;
−pは、0、1、2又は3を表す。)
【請求項2】
−R及びRが、請求項1に定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、請求項1に定義されているとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換された複素環基;
前記複素環基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換された複素二環式基;を表し、
−mが、3を表し;
−nが、1を表し;
−pが、0を表す;
塩基の又は医薬として許容される酸との付加塩の形態の、水和物又は溶媒和物の形態の、並びに鏡像異性体又はジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態の、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
−R及びRが、請求項1に定義されているとおりであり;
−Yが、請求項1に定義されているとおりであり;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。);
・ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル又はフリル基、前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、請求項1に定義されているとおりである。)
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換されており;
上述されている前記基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
上述されている前記基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール又はベンゾオキサゾール基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上のヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換されている。)、
を表し、
−mが、3を表し;
−nが、1を表し;
−pが、0を表す;
塩基の又は医薬として許容される酸との付加塩の形態の、水和物又は溶媒和物の形態の、並びに鏡像異性体又はジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態の、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
−R及びRが、請求項1に定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、請求項1に定義されているとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換された複素環基;
前記複素環基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上の、ヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換された複素二環式基;を表し、
−mが、2若しくは4を表し;及び/又は
−nが、0、1若しくは2を表し;及び/又は
−pが、0、1又は2を表す;
塩基の又は医薬として許容される酸との付加塩の形態の、水和物又は溶媒和物の形態の、並びに鏡像異性体又はジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態の、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
−R及びRが、請求項1に定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子で、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル又はフリル基、前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、請求項1に定義されているとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換されており;
上述されている前記基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
上述されている前記基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール又はベンゾオキサゾール基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上のヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換されている。);
を表し、
−mが、2若しくは4を表し;及び/又は
−nが、0、1若しくは2を表し;及び/又は
−pが、0、1又は2を表す、
塩基の又は医薬として許容される酸との付加塩の形態の、水和物又は溶媒和物の形態の、並びに鏡像異性体又はジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態の、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
−R及びRが、請求項1に定義されているとおりであり;
−Yが、水素原子又はハロゲンを表し;
−Rが、
・1つ以上のハロゲン原子及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
(C−C)アルコキシ、
−NO
シアノ、
−COR
−SO
−CO(Rは、(C−C)アルキル基を表す。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。);
の1つ以上で置換されたフェニル基;
・ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、ピロリル又はフリル基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は以下の基:
(C−C)アルキル、
ヒドロキシル、
(C−C)アルコキシ、
シアノ、
モルホリン、
トリフルオロ(C−C)アルキル、
−COR
−SO(Rは、請求項1に定義されているとおりである。)、
−(CHNR(R、R及びqは、請求項1に定義されているとおりである。)、
フェニル、
ピリジン、
−SCH
の1つ以上で、場合によって置換されている。);
上述されている前記基の窒素原子は、(C−C)アルキル基で場合によって置換されており;
上述されている前記複素環基の窒素原子は、場合によって、それらのN−オキシド形態であり;
・キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール又はベンゾオキサゾール基(前記上述の基は、1つ以上のハロゲンで、及び/又は1つ以上のヒドロキシル、(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシ基で場合によって置換されている。);
を表し、
−mが、2若しくは4を表し;及び/又は
−nが、0、1若しくは2を表し;及び/又は
−pが、0を表す;
塩基の又は医薬として許容される酸との付加塩の形態の、水和物又は溶媒和物の形態の、並びに鏡像異性体又はジアステレオ異性体及びこれらの混合物の形態の、式(I)の請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
・1−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(ピリミジン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−エトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロペンチル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(2−ヒドロキシピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(1−オキシピリジン−3−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(5−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(フラン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−2−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(2−ピリジン−2−イルアセチル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・(S)−1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・(S)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−ブチル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロペンチル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・(R)−1−(ピラジン−2−カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
・(R)−1−(1−オキシピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸[4−(5−シクロヘキシル−2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]アミド、
から選択される、請求項1ないし6の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であり、下式(V)の化合物
【化2】

(R’及びR’は、請求項1に定義されているR及びRの前駆体を表し、並びにY、m及びnは、請求項1に定義されているとおりである。)
を、
下式(VI)の化合物:
【化3】

(Zは脱離基であり、並びにR及びpは、請求項1に定義されているとおりである。)と、0℃と150℃の範囲の温度で、カップリング剤の存在下で反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
式(V’)の化合物。
【化4】

(R’及びR’は、請求項1に定義されているR及びRの前駆体を表し、Y、m及びnは、請求項1に定義されているとおりであり、並びにAは、水素原子又は保護基−Pgを表す。)
【請求項10】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物を含むことを特徴とする、医薬。
【請求項11】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物及びまた医薬として許容される少なくとも1つの賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項12】
アテローム性動脈硬化症、アレルギー性疾患、癌などの急性又は慢性免疫炎症疾患及び症候群並びに血管新生過程が関与する疾病を治療及び予防するための医薬を調製するための、請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
ウイルス又は細菌性疾患、心臓の病変、肥満及び癌を治療及び予防するための医薬を調製するための、請求項1ないし7の何れか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−517042(P2008−517042A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537324(P2007−537324)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002565
【国際公開番号】WO2006/042954
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】