説明

2−アルキリデンアミノオキシアセタミドを含むケア用またはメイクアップ用の組成物、毛髪またはまつ毛の成長を刺激し、および/またはそれらの喪失を遅らせるためのその使用

Hyは、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができるヘテロ環を表す。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、有効量のオキシアセタミド化合物、より具体的には2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物を含み、ケラチン繊維の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせるための、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維のケア用またはメイクアップ用の組成物である。さらに、ケラチン繊維の成長を刺激し、および/またはその喪失を遅らせるための化粧処置方法にも関する。
【0002】
本発明が適用されるヒトのケラチン繊維は、とりわけ毛髪、眉毛、まつ毛、あごひげ、口ひげおよび陰毛である。特に、本発明は、ヒトの毛髪および/またはまつ毛に適用される。
【0003】
特に、本発明は、有効量のオキシアセタミド化合物を含み、毛髪もしくはまつ毛をケアまたはメイクアップし、その密度を増大させ、および/またはその外観をよくするための組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
毛髪の成長および再生は、主に毛包およびその間充物質環境の活性によって決まる。その活性は周期的であり、基本的に3つの期間、すなわち成長期、退行期、および休止期を含む。
【0005】
数年間継続し、その間毛髪が伸びる成長期(活動期または成長期)の後には、非常に短期で一時的な退行期が続き、それは数週間継続する。この期間中、毛髪は変化、すなわち毛包萎縮をおこし、毛髪の皮膚中に埋まっている部分(implantation)はますます浅くなってくる。
【0006】
数か月継続する終末期または休止期は、毛包の休止期に対応し、毛髪は抜け落ちて終わりになる。この休止期の終わりに、新しい毛包がそこで再生し、次の周期が再び始まる。
【0007】
したがって、毛髪は絶えず再生され、毛髪を成す約150000本の個々の毛髪のうち、約10%が休止中であり、数か月で入れ代わることになる。
【0008】
毛髪の自然な喪失は、正常な生理状態の場合、平均で1日当たり数百本の毛髪と推定することができる。この不断の生理的再生プロセスは老化の過程で自然の変化を受ける。すなわち、毛髪がより細くなり、毛周期が短くなる。
【0009】
さらに、様々な原因が顕著な一時的または決定的な毛髪喪失を招くおそれがある。毛髪は、閉経期の過程中またはそれからの回復中にそうであるように、妊娠からの回復(産後)中、栄養不良または偏った食事の状態中、あるいは衰弱またはホルモン機能障害の状態中に毛髪は抜けたりひどい悪影響を受けたりすることがある。毛髪はまた、季節現象に関連して抜けたりひどい悪影響を受けたりすることもある。
【0010】
それは脱毛症の問題でもあり得る。脱毛症は基本的には、まず毛髪の質を、次いでその量を損なうほど毛周期の頻度を増大させる結果をもたらす毛髪再生の乱れによるものである。この連続する成長周期によって、毛髪はだんだん細くなり、だんだん短くなり、徐々に無着色の薄毛に変化する。領域、男性の場合には、特に頭のこめかみまたは前頭部が特に影響を受ける領域であり、女性の場合には、頭頂のびまん性脱毛症が観察される。
【0011】
「脱毛症」という用語は、最終結果として、部分的または全体の永久的な毛髪喪失に至る毛包の状態の全ての系統もカバーしている。より具体的には、アンドロゲン性脱毛症である。かなり多数の場合に、早期の毛髪喪失は遺伝的素因のある人に起こる。すなわち、その場合は、男性加齢脱毛症(androchronogenetic alopecia)である。この形態の脱毛症は特に男性に影響を与える。
【0012】
さらに、ホルモン失調、生理的ストレス、栄養失調などいくつかの要因がこの現象を一層悪化させるおそれがあることが知られている。
【0013】
例えば乾癬や脂漏性皮膚炎など炎症性の頭皮のいくつかの皮膚病状態では、毛髪喪失は非常に増大するおそれがあり、または毛包の非常に乱れた周期を招くおそれがある。
【0014】
化粧品業界または製薬業界では長年、脱毛症をなくすまたは低減することができる、特に毛髪の成長を誘導しまたは刺激し、あるいは毛髪喪失を低減することができる組成物の探索が行われてきた。
【0015】
この点から見て、米国特許第4139619号および米国特許第4596812号に開示された例えば2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン 3-オキシド、すなわち「ミノキシジル」などの非常に多様な活性成分、または、例えば欧州特許出願公開第0353123号、欧州特許出願公開第0356271号、欧州特許出願公開第0408442号、欧州特許出願公開第0522964号、欧州特許出願公開第0420707号、欧州特許出願公開第0459890号および欧州特許出願公開第0519819号に開示されたものなど多数のその誘導体を含む多数の組成物がすでに提供されている。
【0016】
臨床実験によって、PGF類似体は、男性および動物に関して、体毛およびまつ毛の成長をもたらす性質を有することが実証されている(Murray A.およびJohnstone M. D.、 Am. J. Opht.、1997年、124巻(4)号、544〜547頁)。男性に関しては、頭皮について実施された試験によって、プロスタグランジンE2類似体(ビプロストール)が毛髪密度を増大させる性質を有することが示されている(Roenigk H. H.、Clinic Dermatol.、1988年、6巻(4)号、119〜121頁)。
【0017】
さらに、国際公開第98/33497号の文献は、男性の毛髪喪失に対処するためのプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体を含む医薬組成物を開示している。A2、FおよびE2タイプのプロスタグランジンが好ましいものとして記載されている。
【0018】
しかし、プロスタグランジンは、生物学的半減期の非常に短い、オートクリン的にまたはパラクリン的に作用する分子であり、これはプロスタグランジンの代謝が局所的で不安定であるということを反映している(Narumiya S.ら、Physiol. Rev.、1999年、79巻(4)号、1193〜1226頁)。
【0019】
したがって、男性の毛髪密度を維持しおよび/または増大させるために、毛包またはその隣接した皮膚環境の様々な区画にPGFおよびPGE2の内因性プール(endogenous reserves)を保持することが重大であるように思われる。
【0020】
良好な結果をもたらす解決策は、毛髪の成長を促進する目的で、リポキシゲナーゼ阻害剤、および/またはシクロオキシゲナーゼ誘発剤である化合物を使用することである。1つの仮説は、このような化合物を使用すると、脂肪酸の代謝が他の経路よりプロスタグランジンの内因性合成の方に向けられるというものである。
【0021】
しかし、結果をさらに改善するためには、個々の生きた毛髪の成長および保存に関与するプロスタグランジンの活性を長期化できることが望ましいはずである。
【0022】
さらに、表皮と毛包はそのケラチン合成細胞分化プログラムがはっきり異なることがよく知られている。したがって、毛幹のケラチンは、表皮で発現されるものとは異なるファミリー(Langbeinら、J. Biol. Chem.、2001年、276巻、35123〜35132頁)であること、ケラチンK1およびK10などの分化マーカーは、毛包、特に外鞘では発現されないこと(Lenoirら、Dev. Biol.、1988年、130巻、610〜620頁)、トリコヒアリン(O’Guinら、J. Invest. Dermatol.、98巻、24〜32頁)およびケラチンK6irs(Porterら、Br. J. Dermatol.、2001年、145巻、558〜568頁)は、毛包、特に内鞘で発現されるが、表皮では発現されないこと、および表皮で発現されるシクロオキシゲナーゼ1型は、毛包のケラチン合成細胞内では発現されず真皮乳頭で発現されること(Micheletら、J. Invest. Dermatol.、1997年、108巻、205〜209頁)ことが知られている。
【0023】
本出願人は今回、こうしたプロスタグランジンの分解に特異的に関与する酵素が、個々の毛髪の寿命を決定する区画である個々の毛髪の真皮乳頭に存在することを実証した。これは、本出願人が今回、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素1型(15-PGDHと略す)がそこに存在することを明らかにしたからである。さらに、15-PGDH1型を阻害すると、毛髪の成長に対して有益な効果があることも示した。
【0024】
このような理由で、本発明は、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素1型に特異的な少なくとも1種の阻害剤、および生理的に許容される媒体を含む毛髪ケア用またはトリートメント用の組成物に関する。
【0025】
15-PGDH1型は、個々の毛髪の成長および存続にとって重要なメディエイターであるプロスタグランジン、特にPGFおよびPGE2の不活性化の際に重要な酵素である。これは、EC 1.1.1.141の分類に相当し、NAD+依存性である。これは、ブタの腎臓から単離された。これは生理学的投与量をかなり上回る投与量の甲状腺ホルモンであるトリヨードチロニンによって阻害されることが特に観察された。15-PGDH2型のほうは、NADP依存性である。
【0026】
しかし、ヒトのケラチン繊維、特にヒトの毛髪の密度を維持しおよび/または増大させるため、および/あるいはケラチン繊維、特に男性の頭髪の直径の不均一性を低減するために、15-PGDH1型阻害剤を使用することは行われていなかった。ケラチン繊維の密度、特に毛髪密度の増大は、ケラチン繊維、特に頭髪の、皮膚または頭皮cm2当たりの数または直径の増大を意味すると理解される。
【特許文献1】米国特許第4139619号明細書
【特許文献2】米国特許第4596812号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0353123号公報
【特許文献4】欧州特許出願公開第0356271号公報
【特許文献5】欧州特許出願公開第0408442号公報
【特許文献6】欧州特許出願公開第0522964号公報
【特許文献7】欧州特許出願公開第0420707号公報
【特許文献8】欧州特許出願公開第0459890号公報
【特許文献9】欧州特許出願公開第0519819号公報
【特許文献10】国際公開第98/33497号パンフレット
【非特許文献1】Murray A.およびJohnstone M. D.、 Am. J. Opht.、1997年、124巻(4)号、544〜547頁
【非特許文献2】Roenigk H. H.、Clinic Dermatol.、1988年、6巻(4)号、119〜121頁
【非特許文献3】Narumiya S.ら、Physiol. Rev.、1999年、79巻(4)号、1193〜1226頁
【非特許文献4】Langbeinら、J. Biol. Chem.、2001年、276巻、35123〜35132頁
【非特許文献5】Lenoirら、Dev. Biol.、1988年、130巻、610〜620頁
【非特許文献6】O’Guinら、J. Invest. Dermatol.、98巻、24〜32頁
【非特許文献7】Porterら、Br. J. Dermatol.、2001年、145巻、558〜568頁
【非特許文献8】Micheletら、J. Invest. Dermatol.、1997年、108巻、205〜209頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本出願人は、驚くべきことに、いくつかの2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物、特にいくつかのチオフェン-またはフランアミノオキシアセタミドは、塩にしてもしなくてもよいが、ケラチン繊維、特に毛髪繊維の密度を増大させる好ましい活性を有することを見出した。さらに、これらの化合物は、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素の阻害剤であることもわかった。
【課題を解決するための手段】
【0028】
したがって、本発明の主題は、生理的に許容される媒体中に、有効量の下記式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうち1つを含む、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維のケア用またはメイクアップ用の組成物である。
【0029】
【化1】

【0030】
式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。
【0031】
本発明は、ヒト以外の哺乳動物(例えばイヌ、ウマ、ヒツジまたはネコ)のケラチン繊維にも適用される。
【0032】
本発明はまた、少なくとも1種の式(I)のオキシアセタミドまたはその塩のうちの1種の、ヒトのケラチン繊維の成長を誘導しおよび/または刺激し、その喪失を遅らせ、および/またはその密度を増大させるために、ヒトのケラチン繊維をケアしおよび/またはメイクアップするための化粧品組成物中での化粧品としての使用、ならびに少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトのケラチン繊維の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせ、かつ/またその密度を増大させるためにヒトのケラチン繊維をケアするまたは処置するための組成物の調製における使用にも関する。
【0033】
本発明が適用されるヒトのケラチン繊維は、とりわけ毛髪、眉毛、まつ毛、あごひげ、口ひげおよび陰毛である。特に、本発明はヒトの毛髪および/またはまつ毛に適用される。
【0034】
したがって、本発明の別の主題は、上記に記載したように、生理的に許容される媒体および有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうちの1つを含む、局所適用向けの、ケラチン繊維のケア用またはメイクアップ用の組成物、特に毛髪ケアまたはマスカラ組成物である。
【0035】
本発明はまた、上記に定義したように、少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせ、および/またはその密度を増大させるための作用物質としての使用、特に化粧品としての使用にも関する。
【0036】
本発明はまた、少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、毛髪喪失を低減し、および/または毛髪密度を増大させるためにヒトの毛髪をケアするための化粧品組成物中での化粧品としての使用にも関する。本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、毛髪の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/または毛髪喪失を遅らせ、および/または毛髪密度を増大させるためのヒトの毛髪組成物の調製における使用である。
【0037】
特に、本発明は、少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、自然の脱毛症、特にアンドロゲン性または男性加齢脱毛症を治療するためまたは治療を意図するためにヒトの毛髪をケアするための化粧品組成物中での、あるいはヒトの毛髪組成物の調製における化粧品としての使用に関する。したがって、この組成物によって、毛髪を良好な状態に維持する、および/または自然の毛髪喪失、特に男性の自然の毛髪喪失に対処することが可能になる。
【0038】
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)のオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、まつ毛の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその密度を増大させるためのヒトのまつ毛をケアしおよび/またはメイクアップするための化粧品組成物中での化粧品としての使用、ならびに少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうちの1種の、まつ毛の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその密度を増大させるためのヒトのまつ毛をケアしおよび/または処置するための組成物の調製における使用である。したがって、この組成物を使用すると、まつ毛を良好な状態に維持する、および/またはその状態および/またはその外観を改善することが可能になる。
【0039】
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトの皮膚の15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素1型の阻害剤としての使用である。本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素1型に関連した疾患、特にヒトの場合の疾患を処置するための組成物の製造における使用である。
【0040】
本発明の別の主題は、ヒトのケラチン繊維の成長を刺激し、および/またはその喪失を遅らせるための、ケラチン繊維(特に、毛髪またはまつ毛)ならびに/または頭皮およびまぶたを含めて、前記繊維が生えてくる皮膚の化粧処置方法であって、ケラチン繊維および/または前記繊維が生えてくる皮膚に、有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうちの1つを含む化粧品組成物を塗布し、この組成物を前記繊維および/または前記皮膚と接触させておき、前記繊維および/または前記皮膚を任意選択ですすぐことを特徴とする。
【0041】
この処置方法は、ケラチン繊維(特に、毛髪およびまつ毛)により強力な活力および改善された外観を与えることによってその魅力を増大させることが可能になる限りにおいて、化粧方法の特徴を発揮する。さらに、処方箋なしに、数か月間毎日使用することができる。
【0042】
特に、本発明の主題は、ヒトの毛髪および/またはヒトの頭皮の状態および/またはその外観を改善するための、ヒトの毛髪および/またはヒトの頭皮の化粧ケア方法であり、この方法は、毛髪および/または頭皮に、有効量の少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうち1つを含む化粧品組成物を塗布し、この組成物を毛髪および/または頭皮と接触させておき、毛髪および/または頭皮を任意選択ですすぐことにあることを特徴とする。
【0043】
本発明の別の主題は、ヒトのまつ毛の状態および/またはその外観を改善するための、ヒトのまつ毛の化粧ケアおよび/またはメイクアップの方法であって、ヒトのまつ毛および/またはまぶたに、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうち1つを含むマスカラ組成物を塗布し、この組成物をまつ毛および/またはまぶたと接触させておくことにあることを特徴とする。このマスカラ組成物を単独でまたは通常の有色マスカラのアンダーコートとして塗布することができ、通常の有色マスカラと同様に除去することができる。
【0044】
本発明の別の主題は、生理的に許容される媒体中、特に化粧品用媒体中に、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうち1つ、およびアミネクシル、FP受容体アゴニストおよび血管拡張薬から選択された、特にアミネクシル、ミノキシジル、ラタノプロスト、ブタプロストおよびトラボプロストから選択された、ヒトのケラチン繊維の再成長を促進し、および/またはその喪失を制限する少なくとも1種の追加の活性成分を含む、ケラチン繊維のケア用またはメイクアップ用の組成物である。
【0045】
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうちの1つを毛包中のプロスタグランジンの量および/または活性を保存するための作用物質として、化粧品組成物中で、化粧品として使用することである。
【0046】
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうちの1つを、毛包中のプロスタグランジンの量および/または活性を保存するための組成物の製造に使用することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本明細書ではこれ以降、特に記載のない限り、「式(I)の化合物」という用語を使用する場合、式(I)の化合物の中性、酸性または塩基性の形態も、塩の形態も意味するものとして理解されたい。
【0048】
「15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素阻害剤」という用語は、男性などのヒトにおいて、酵素15-PGDH、特に1型の活性を阻害しまたは低減することができ、および/またはこの酵素を触媒とする反応を阻害、低減または遅らせることができる式(I)の化合物を意味することを理解されたい。
【0049】
本発明の有利な一実施形態によれば、式(I)の化合物は、15-PGDHに特異的な阻害剤である。すなわち、「特異的な阻害剤」という用語は、プロスタグランジンの合成、特にPGFまたはPGE2の合成の阻害剤には全くまたはわずかにしかならないはずの活性成分を意味することを理解されたい。本発明の特定の実施形態によれば、15-PGDHの阻害剤は、プロスタグランジンの合成、特にPGFまたはPGE2の合成の阻害剤には全くまたはわずかにしかならない。本発明の特定の実施形態によれば、15-PGDHの阻害剤は、プロスタグランジン合成酵素(PGF合成酵素)の阻害剤には全くまたはわずかにしかならない。
【0050】
これは、本出願人が今回、PGF合成酵素も真皮乳頭に発現されることを見出したことによっている。したがって、プロスタグランジン分子の合成と分解の複雑な生物学的平衡によって、有効量のプロスタグランジンが作用部位で維持される。したがって、異化を阻害する化合物の外因性寄与は、この活性がこのようなプロスタグランジンの合成の阻害と組み合わさった場合、より効果が低くなる。
【0051】
式(I)の化合物は、有利には、塩になった形態またはなっていない形態で、PGF合成酵素の阻害活性よりも大きい、15-PGDHに対する阻害活性を示す。特に、PGF合成酵素に対する阻害活性度と15-PGDHに対する阻害活性度の比が、所与の濃度で、少なくとも1を超え、とりわけ少なくとも3:1、有利には5:1以上である。それらの活性度は、特にPGF合成酵素(IC50fs)および15-PGDH(IC50dh)の酵素活性の50%をそれぞれ阻害する濃度によって決定する。本発明の好ましい化合物は、IC50fs/IC50dh比が10:1以上、特に15以上である。
【0052】
「少なくとも1種」は本発明では、1種または複数(2、3またはそれ以上)を意味する。特に、組成物は式(I)の1種または複数の化合物を含むことができる。このまたはこれらの化合物は、シス、トランス、あるいはZまたはEの異性体、あるいはシス/トランスまたはZ/Eの異性体の混合物とすることができる。これらは、互変異性体でもよい。このまたはこれらの化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体、あるいはこれらの異性体の混合物、特にラセミ混合物でもよい。
【0053】
本発明で使用する「アルキル基」という用語は、飽和または不飽和で直鎖状または分枝状とすることができる炭化水素基を意味すると理解される。アルキル基は、炭素原子1〜10個を含むことが好ましい。
【0054】
本発明によれば、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8、R、R’、R”、R’’’、T1、T2およびT3に用いられる環は、原子4〜7個、よりよくは原子5〜6個を含む。これらは、飽和でも不飽和でもよく、S、N、Oまたはその組合せなど1または複数のヘテロ原子を任意選択で含むことができる。さらに、この環は1または複数のカルボニルまたはチオカルボニル官能基あるいは両方を含むことができ、この官能基の炭素はヘテロ環の一部となることができる。使用できる飽和炭素環としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基を挙げることができる。ヘテロ環Hyとしては、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリミジン、ピペラジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ピロリジンまたはチアゾリジン環を挙げることができる。不飽和炭素環として、シクロヘキセニル環を挙げることができ、アリール基として、フェニルまたはナフチル基を挙げることができる。さらに、このような環は、特に置換基T2で置換されてもよい。
【0055】
さらに、このような環は、孤立していても、あるいは同じかまたは異なる化学構造の別の環に縮環していてもよく、したがって縮合環を形成することができる。
【0056】
R1〜R8、ならびにR、R’、R”およびR’’’の定義ではすべて、原子4、5、6または7個を有する飽和または不飽和の炭素環またはヘテロ環のいくつかの炭素は、例えば
【0057】
【化2】

【0058】
などのようにカルボニルまたはチオカルボニル官能基の一部となることもできる。
【0059】
R1とR2がヘテロ環を形成する場合、このヘテロ環は、例えばピロリジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはテトラゾール環であることができる。
【0060】
本発明に使用できるアルキル基の例として、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシルまたは2-エチルヘキシル基、あるいはエチレンまたはプロピレン基を挙げることができる。この基は、任意選択で例えばORまたはCOORから選択された1または複数の置換基T4で置換されてもよい
【0061】
ハロゲン原子として、塩素、フッ素または臭素原子、よりよくはフッ素および塩素原子を使用することができる。
【0062】
本発明によれば、式(I)の化合物は単独の形、すなわち非ポリマー性である。
【0063】
一実施形態によれば、R3基およびR4基の少なくとも一方は、例えばメチルやエチル基などの飽和C1〜C20、よりよくはCl〜Cl0、またはヘテロ環Hyを表す。例えば、R3基およびR4基の少なくとも一方は飽和C1〜C20アルキル基を表し、他方はヘテロ環Hyを表す。具体的には、R3はメチルまたはエチル基を表し、R4は原子5個を有するヘテロ環を表す。例えば、Hyは、例えばチオフェンやフランなど、ヘテロ原子として硫黄または酸素を含む原子5個を有するヘテロ環を表す。
【0064】
有利には、R1基およびR2基の少なくとも一方が、水素原子、飽和または不飽和の炭素環、特にアリール基である。特に、R2はHを表し、R1は、アルキルまたはアルコキシ、例えばメトキシ基、などで任意選択で置換されてもよいフェニル基を表す。
【0065】
「式(I)の化合物の塩」という用語は本発明では、式(I)の化合物の有機または無機の単塩または複塩を意味すると理解される。
【0066】
本発明に使用できる無機塩としては、ナトリウムまたはカリウム塩、亜鉛(Zn2+)塩、カルシウム(Ca2+)塩、銅(Cu2+)塩、鉄(Fe2+)塩、ストロンチウム(Sr2+)塩、マグネシウム(Mg2+)塩、アンモニウム塩およびマンガン(Mn2+)塩、ヒドロキシド、炭酸塩、ハライド、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩を挙げることができる。
【0067】
本発明に使用できる有機塩は、例えばトリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンまたはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩である。
【0068】
式(I)の化合物は、塩にしても塩にしなくてもよいが、それ自体知られており、公知の方法で製造することができる。例えば、3段階で合成を実施することができる。ケトンとヒドロキシルアミン塩酸塩を縮合させてオキシムを得る。後者を2-クロロ酢酸のナトリウム塩でアルキル化することができる。次いで、形成された酸を、酸塩化物の形成およびそれとアミンの反応を経由して、アミドに変換する。このような調製は、A. Buzasら、Chimie Therapeutique、1972年、2巻、140〜142頁に記載されている。
【0069】
本出願人の知る限りでは、従来技術の文献はどれも、式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩がヒトのケラチン繊維、特に毛髪およびまつ毛の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせる性質を有すること、ならびにこうした化合物を局所使用して、ケラチン繊維の密度、特に毛髪およびまつ毛の密度を増大させることができることを開示または示唆していない。
【0070】
式(I)の化合物またはその塩のうちの1種の有効量は、所望の結果を得るのに(すなわち、ケラチン繊維、特に毛髪およびまつ毛の密度を増大させ、またはその成長を促進するのに)必要な量に相当する。したがって、当業者は、使用する化合物の性質、適用される個人およびこの適用時間によって異なる上記有効量を決定することができる。
【0071】
本明細書ではこれ以降、特に指示のない限り、組成物の様々な材料の量は、組成物の総重量に対する重量パーセントで示す。
【0072】
大まかな値を挙げると、本発明によれば、式(I)の化合物またはその塩のうち1つ、あるいは式(I)の化合物および/またはその塩の混合物は、組成物の総重量の10-3%〜10%である量、好ましくは組成物の総重量の10-3%〜5%である量、よりよくは10-2%〜2%、例えば0.5〜2%で使用することができる。
【0073】
本発明の組成物は化粧品用途または医薬用途向けとすることができる。好ましくは、本発明の組成物は化粧品用途向けである。したがって、組成物は、毒性がなく、頭皮およびまぶたを含めて、ヒトの皮膚、ならびにヒトのケラチン繊維に適用することができる生理的に許容される媒体を含むべきである。本発明で使用する「化粧品」という用語は、快い外観、におい、感触の組成物を意味すると理解される。
【0074】
式(I)の化合物は塩にしても塩にしなくてもよいが、(任意の皮膚領域または処置される全繊維に及び)皮膚またはケラチン繊維に吸収、注入または適用されなければならない組成物中に使用することができる。
【0075】
本発明によれば、式(I)の化合物を1日当たり0.1〜300mg/日、5〜10mg/日の量で経口で使用することができる。
【0076】
本発明の好ましい組成物は、化粧品用途向け、とりわけ皮膚およびケラチン繊維、特に頭皮、毛髪およびまつ毛への局所適用向けの組成物である。
【0077】
この組成物を、使用方法に適した周知の剤形で提供することができる。
【0078】
皮膚への局所適用では、この組成物は、水性、アルコール性または水性/アルコール性の溶液または懸濁液、あるいは油状懸濁液;水相中への油相の分散 (O/W)またはその逆の分散(W/O)によって得られる、多少なりとも流体粘稠性、特に液状または半液状粘稠性を有するエマルション;(O/W)または(W/O)型固形エマルション;多少なりとも流体または固体である水性、水性/アルコール性または油状;そのままで使用されるかまたは生理的に許容される媒体に組み込まれたパウダーまたはその固形化成形物;さらに、マイクロカプセルまたは微粒子;イオン性および/または非イオン性タイプのベシクル分散液の形態にすることができる。
【0079】
フォームの形態の組成物、あるいはスプレーまたはエアロゾルの形態(この場合には加圧噴射剤を含む)組成物を想定することもできる。
【0080】
したがって、ローション、しょう液、乳液、O/W型またはW/O型のクリーム、ゲル、軟膏、ポマード、パウダー、香膏、絆創膏、含浸パッド、ケーキまたはフォームの形で提供することができる。
【0081】
特に、頭皮または毛髪への塗布用組成物を、例えば毎日または週2回適用する場合には毛髪ケアローション、特に週2回または週1回適用する場合はシャンプーまたは毛髪コンディショナー、毎日適用する場合は頭皮洗浄用の液体または固体石鹸、毛髪スタイル成形用製品(ラッカー、毛髪セッティング製品、スタイリングゲル)、トリートメント用マスク、クリームまたは毛髪洗浄用フォームゲルの形で提供することができる。ブラシまたは櫛で塗布される毛髪染料またはマスカラの形でも提供することができる。
【0082】
さらに、まつ毛または体毛へ適用するためには、本発明を適用する組成物を、まつ毛あるいはあごひげまたは口ひげにブラシで塗布される有色または非有色マスカラの形態で提供することもできる。
【0083】
注入による使用向けの組成物のためには、組成物を、水性ローションまたは油状懸濁液の形態で提供することができる。経口経路による使用の場合、組成物を、経口摂取されるカプセル、顆粒、シロップの形態であるいは錠剤の形態で提供することができる。
【0084】
特定の実施形態によれば、本発明による組成物を、毛髪用のクリームまたはローション、シャンプー、毛髪コンディショナー、毛髪用マスカラまたはまつ毛用マスカラの形態で提供する。
【0085】
本発明による組成物の生理的媒体の様々な構成成分の量は、考慮中の分野で通常使用されているものである。さらに、こうした組成物は通常の方法に従って調製される。
【0086】
組成物がエマルションの場合、脂肪相の割合は、組成物の総重量に対して2%〜80重量%、好ましくは5%〜50重量%の範囲である。水相は、脂肪相および化合物(I)の含有量に従って、さらにあり得る追加材料の含有量に従って、全体が100重量%となるように調整する。実際には、水相は5%〜99.9重量%である。
【0087】
脂肪相は、通常オイルとして知られている、周囲温度(25℃)、大気圧(760mmHg)で液状の脂肪族または油状化合物を含むことができる。こうしたオイルは互いに相溶性であってもなくてもよく、また巨視的に均一な液状脂肪相、あるいは2相または3相系を形成することもできる。
【0088】
脂肪相は、オイルに加えて、ワックス、ガム、親油性ポリマー、あるいは固形部分と液状部分を含む「ぺースト状」または粘性の製品を含むことができる。
【0089】
水相は、水と、例えばエタノールまたはイソプロパノールの低級C1〜C8アルコール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトールなどのポリオール、あるいはアセトンまたはエーテルなど、水と任意の割合で混和可能な任意の成分とを含む。
【0090】
エマルションの形態の組成物を製造するために用いる乳化剤および補助乳化剤は、化粧品および医薬分野で通常使用されるものである。さらに、その性質は、エマルションの性状(sense)によって異なる。実際には、乳化剤および任意選択による補助乳化剤は、組成物中に0.1%〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、よりよくは1〜8%の割合で存在する。さらに、エマルションは、脂質小胞、特にリポソームを含むことができる。
【0091】
組成物が油状溶液またはゲルの場合、脂肪相は、組成物の総重量の90%を超えるものとすることができる。
【0092】
有利には、組成物が水性、アルコール性または水性/アルコール性の溶液または懸濁液、よりよくは水/エタノール溶液または懸濁液である。アルコールの割合は、5%〜99.9%、よりよくは8%〜80%とすることができる。
【0093】
特にまつ毛用のマスカラ用途の場合、本発明の組成物は、水中ワックス型または油中ワックス型の分散液、ゲル化オイルまたは水性ゲルであり、さらにこのマスカラは顔料を含んでいるかまたは含んでいない。
【0094】
本発明の組成物は、さらに、溶媒、水相用または油相用の増粘剤またはゲル化剤、組成物の媒体に可溶な着色材料、充填剤型または顔料型の固形粒子、酸化防止剤、防腐剤、香料、電解質、中和剤、皮膜形成性ポリマー、日焼け止め剤などのUVブロッキング剤、化粧品用および医薬用の活性成分、あるいはその混合物から選択された、当該分野で通常使用されるその他の材料を含むことができる。これらの添加剤は、化粧品および皮膚科学の分野で通常使用される量に従って、特に組成物の総重量の0.01〜50%、よりよくは0.1〜20%、例えば0.1〜10%の割合で組成物中に存在することができる。これらの添加剤は、その性質に応じて、脂肪相、水相および/または脂質小胞、特にリポソーム中に導入することができる。
【0095】
言うまでもなく、本発明による組成物の有利な特性、すなわち特に15-PGDH1型の特異的阻害あるいはケラチン繊維(毛髪またはまつ毛)密度の増加が、想定した追加によって悪影響を受けない、または実質的に受けないように、あり得る追加の添加剤および/またはその量を当業者なら慎重に選択するであろう。
【0096】
本発明に使用できる溶媒として、エタノールやイソプロパノールなどの低級C2〜C8アルコール、プロピレングリコール、およびC6〜C16アルカンなどのある種の軽質化粧品用オイルを挙げることができる。
【0097】
本発明に使用できるオイルとして、鉱物起源のオイル(流動パラフィン、水添イソパラフィン)、植物起源のオイル(カリテバターの液状画分、ひまわり油、アプリコットオイル、脂肪族アルコールまたは脂肪酸)、動物起源のオイル(ペルヒドロスクアレン)、合成オイル(脂肪酸エステル、パーセリンオイル)、シリコーンオイル(フェニルトリメチコン、直鎖状または環状ポリジメチルシロキサン)およびフッ素化オイル(パーフルオロポリエーテル)を挙げることができる。ワックスとしては、シリコーンワックス、ミツロウ、コメヌカロウ、カンデリラワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックスまたはポリエチレンワックスを挙げることができる。
【0098】
本発明に使用できる乳化剤として、W/O型エマルションについては、例えば、ステアリン酸グリセリルまたはラウリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビトールまたはオレイン酸ソルビトール、アルキルジメチコンコポリオール(アルキル≧8)およびその混合物を挙げることができる。また、O/W型エマルションの場合は、ポリエチレングリコールモノステアラートまたはモノラウラート、ポリオキシエチレン化ステアリン酸またはオレイン酸ソルビトール、ジメチコンコポリオールおよびその混合物を挙げることもできる。
【0099】
本発明に使用できる親水性ゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマーなどのアクリルコポリマー、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類、天然ゴムおよび粘土を挙げることができ、さらに親油性ゲル化剤としては、ベントンなどの変性粘土、ステアリン酸アルミニウムなどの脂肪酸金属塩、疎水化処理したシリカ、エチルセルロースまたはその混合物を挙げることができる。
【0100】
本組成物は、式(I)の化合物以外の化粧用または医薬用活性成分をさらに含むことができる。この活性成分は、親水性であってよく、タンパク質またはタンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、水溶性ビタミン、植物抽出物(アヤメ科または大豆の抽出物)、ならびにフルーツ酸やサリチル酸などのヒドロキシ酸から選択され;あるいは親油性のものでもよく、レチノール(ビタミンA)およびその誘導体、特にエステル(パルミチン酸レチノール)、トコフェロール(ビタミンE)およびその誘導体、特にエステル(酢酸トコフェロール)、必須脂肪酸、セラミド、精油、5-(n-オクタノイル)サリチル酸などのサリチル酸誘導体、ヒドロキシ酸のエステル、レシチンなどのリン脂質、あるいはそれらの混合物から選択される。
【0101】
本発明の特定の一実施形態によれば、式(I)の化合物またはその塩のうち1つを、再成長を促進し、および/またはケラチン繊維(毛髪、まつ毛)の喪失を制限する追加の活性化合物と組み合わせることができる。こうした追加の化合物は、特に欧州特許第0648488号に開示されているようなリポキシゲナーゼ阻害剤、特に欧州特許第0845700号に開示されているようなブラジキニン阻害剤;プロスタグランジンおよびその誘導体、特に国際公開第98/33497号、国際公開第95/11003号、特願平9-100091または特願平8-134242に開示されるもの;プロスタグランジン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、欧州特許第1175891号および欧州特許第1175890号、国際公開第01/74307号、国際公開第01/74313号、国際公開第01/74314号、国際公開第01/74315号、または国際公開第01/72268号に開示されているような非プロスタン酸系プロスタグランジン類似体、あるいはその混合物、から選択される。
【0102】
本発明による組成物に存在することができ、(毛髪の)ケラチン繊維の成長を促進する他の追加の活性化合物としては、血管拡張剤、抗アンドロゲン物質、サイクロスポリンおよびその類似体、抗菌剤および抗カビ剤、抗炎症剤またはレチノイドを単独で、または混合物として挙げることができる。
【0103】
使用できる血管拡張剤には、特にカリウムチャンネルアゴニストであり、ミノキシジル、さらにまた米国特許第3382247号、同第5756092号、同第5772990号、同第5760043号、同第5466694号、同第5438058号または同第4973474号に開示される化合物、クロマカリム、ニコランジルおよびジアゾキシドが単独で、または組合せとして含まれる。
【0104】
使用できる抗アンドロゲン物質としては、特にステロイド性または非ステロイド性5α-還元酵素阻害剤があり、例えば、フィナステリドおよび米国特許第5516779号に開示されている化合物、酢酸シプロテロン、アゼライン酸、その塩およびその誘導体および米国特許第5480913号に開示されている化合物、フルタミド、オキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロールおよび米国特許第5411981号、同第5565467号および同第4910226号に開示されている化合物である。
【0105】
抗菌物質または抗カビ剤化合物は、セレン誘導体、オクトピロックス、トリクロカルバン、トリクロサン、ピリチオン亜鉛、イトラコナゾール、アシアチン酸、ヒノキチオール、ムピロシン、テトラサイクリン、特にエリスロマイシンおよび欧州特許第0680745号に開示されている化合物、クリンダマイシン塩酸塩、過酸化ベンゾイルまたはベンジルパーオキサイド、ミノサイクリン、およびエコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾールなどのイミダゾールのクラスに属する化合物またはその塩、あるいは特にニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、およびニコチン酸C1〜C6アルキル、例えばニコチン酸メチルやニコチン酸ヘキシル、を含めたニコチン酸エステル、から選択することができる。
【0106】
抗炎症剤は、ステロイド性抗炎症剤、例えば、グルココルチコイドやコルチコステロイド(例えば:ヒドロコルチゾン)、ならびに、非ステロイド系抗炎症剤、例えば、グリシルレチン酸、α-ビサボロール、ベンジダミン、サリチル酸、および欧州特許第0770399号、国際公開第94/06434号およびフランス特許第2268523号に開示されている化合物、から選択することができる。
【0107】
レチノイドは、イソトレチノイン、アシトレチン、およびタザロテンから選択することができる。
【0108】
式(I)の化合物と組み合わせて使用でき、ケラチン繊維(毛髪、まつ毛)の成長を促進し、および/またはその喪失を制限するための他の活性化合物として、アミネクシル、6-O-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ハッカ油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、タンパク質キナーゼC活性化剤、グリコシダーゼ阻害剤、グリコサミノグリカナーゼ阻害剤、ピログルタミン酸エステル、六糖酸(hexosaccharidic acid)またはアシル六糖酸(acylhexosaccharic acid)、アリール置換エチレン、N-アシル化アミノ酸、フラボノイド、アスコマイシン誘導体および類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニン、プロテオグリカナーゼ阻害剤、エストロゲンアゴニストおよびアンタゴニスト、シュードプテリン、サイトカインおよび成長因子促進剤、IL-1またはIL-6の阻害剤、IL-10促進剤、TNF阻害剤、ベンゾフェノン、ヒダントイン、レチノイン酸;ビタミンD、ビタミンB12類似体、パントテノールなどのビタミン;ウルソル酸および米国特許第5529769号、第5468888号または第5631282号に開示されている化合物などのトリテルペン;テナルジン、トリメプラジン、シプロヘプタジンなどの止痒剤;寄生虫駆除剤、特にメトロニダゾール、クロタミトンまたはピレスロイド;シンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン、ベラパミル、アルベリン、ニフェジピンなどのカルシウムアンタゴニスト剤;エストリオールまたはその類似体、サイロキシンおよびその塩、プロゲステロンなどのホルモン;ラタノプロスト、ビマトロプロスト、トラボプロスト、ウノプロストンなどのFP受容体(プロスタグランジンF型の受容体)アゴニスト;その混合物を挙げることができる。
【0109】
本発明による組成物は、上記に記載したような少なくとも1種の15-PGDH1型阻害剤と、少なくとも1種のプロスタグランジン若しくはプロスタグランジン誘導体、例えば、16,16-ジメチル-PGE2、17-フェニル-PGE2、16,16-ジメチル-PGF、17-フェニル-PGFなどのPGFおよびPGE2を含む2系列のプロスタグランジンの塩またはエステル体(例、イソプロピルエステル)、その誘導体;または、11-デオキシ-プロスタグランジンE1や1-デオキシプロスタグランジンElなど1系列のプロスタグランジンの塩またはエステル体、その類似体、特にラタノプロスト、トラボプロスト、ビマトロプロスト、フルプロステノール、クロプロステノール、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストールまたはウノプロストン、その塩またはそのエステル、など1種のプロスタグランジン誘導体とを含むことが有利である。
【0110】
この組成物は、特に欧州特許第1175892号に開示されているEP2および/またはEP4受容体の非プロスタン酸系アゴニストを少なくとも1種含むことが有利である。
【0111】
特に国際公開第94/22468号の文献に開示されるように、塩にしてもしなくてもよい式(I)の化合物を少なくとも含む本組成物をリポソームに内封した形にすることを想定することも可能である。したがって、リポソームに包み込まれた化合物を選択的に毛包またはまつ毛の基底部に供給することができる。
【0112】
本発明による組成物を、脱毛症を患っている個人の頭皮および毛髪の領域に適用することができ、任意選択で数時間接触させておくことができ、任意選択ですすぐこともできる。
【0113】
例えば、塩にしてもしなくてもよい有効量の式(I)の化合物を含む組成物を夜に適用して、この組成物を繊維と夜通し接触させておき、任意選択で朝にシャンプーすることが可能である。こうした適用を個人に応じて、1か月または複数月の間毎日繰り返すことができる。
【0114】
本発明による方法では、0.001%〜5%の15-PGDH阻害剤を含む上記に定義した溶液または組成物5〜500μlを、処置すべき頭皮領域に適用することが有利である。
【0115】
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を例として挙げるが、この例は決して本発明の範囲を制限するものではない。
【0116】
本発明に使用できる式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物の例として、下記の化合物を挙げることができる。
【0117】
【化3A】

【化3B】

【化3C】

【0118】
本発明が適用される化合物の合成の例を下記に挙げる。
【0119】
既知の合成方法
式(I)の化合物は、文献公知の合成方法によって製造することができる。例えば、合成を3段階で実施することができる。ケトンとヒドロキシルアミン塩酸塩とを縮合させてオキシムを得る。後者を2-クロロ酢酸のナトリウム塩でアルキル化することができる。次いで、生成した酸を、次に酸塩化物の形成およびそれとアミンの反応を経由して、アミドに変換する。このような調製は、A. Buzasら、Chimie Therapeutique、1972年、2巻、140〜142頁に記載されている。
【0120】
【化4】

【0121】
(実施例1)
〔2-{[(1-メチルエチリデン)アミノ]オキシ}-N-フェニルアセトアミド(化合物5)の3段階調製〕
[第1段階:アセトンオキシムの合成]
【0122】
【化5】

【0123】
アセトン5.8g、ヒドロキシルアミン塩酸塩10.4g、および炭酸ナトリウム19.1gを、150mlの 60% EtOHに入れる。反応媒体を12時間加熱還流する。冷却した後、エタノールを留去し、次いで生成物を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチルの相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、アセトンオキシムを得る。
【0124】
【化6】

【0125】
アセトンオキシム7.3g、クロロ酢酸14.2g、および臭化テトラブチルアンモニウム2%をトルエン80mlに入れる。(水酸化ナトリウム10gを水150mlに溶解させた)水酸化ナトリウム水溶液を滴下して加える。反応媒体を1時間撹拌し、次いでトルエンを真空下留去する。次いで残渣を濃塩酸でpH2.5まで酸性にし、次いで水で洗浄し、酢酸エチルで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を留去して、期待した生成物を得る。
【0126】
【化7】

【0127】
事前に調製したオキシム1.21g、およびアニリン0.85gをジクロロメタン10mlに入れる。次いで、4-ジメチルアミノピリジン1.12g、およびN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド2.05gを添加する。次いで、反応媒体を16時間撹拌する。水で洗浄した後、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させる。次いで、生成物を酢酸エチル/石油エーテル混合物で再結晶する。
【0128】
(実施例2)
式(I)の化合物の15-PGDHに特異的な阻害特性の実証
1)15-PGDH1型の試験
L’Oreal名義で出願されたフランス特許出願第02/05067号に開示されているように、15-PGDH1型酵素を濃度0.3mg/mlで適切な媒体中の懸濁液として得、次いで-80℃でブロックする。試験の必要に応じて、この懸濁液を解凍して氷中に保存する。
【0129】
さらに、0.1mMのジチオトレイトール(D5545、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)、1.5mMのβ-NAD(N6522、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)および50μMのプロスタグランジンE2(P4172、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)を含む、100mMトリス緩衝液、pH=7.4を調製する。
【0130】
(予め37℃にした)この緩衝液0.965mlを、37℃に恒温制御した分光光度計(パーキンエルマー、ラムダ2)のセルに入れ、測定波長を340nmに調整する。37℃の酵素懸濁液0.035mlを、(340nmでの光学濃度の増大に対応する)記録を行いながらセルに入れる。反応速度の最大値を記録する。
【0131】
(化合物(I)を含む)試験値と(化合物(I)を含まない)対照値を比較する。示した結果は、式(I)の化合物が15-PGDHの酵素活性を50%低下させる濃度、すなわちIC50dhを表している。
【0132】
2)PGF合成酵素の試験
フランス特許出願公開第02/05067号の文献に開示されているように、PGFS酵素を0.5mg/mlの濃度で適切な媒体中の懸濁液として得、次いで-80℃でブロックする。試験の必要に応じて、この懸濁液を解凍して氷中に保存する。
【0133】
さらに、20μMの9,10-フェナントレンキノン*(P2896、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavierの)および100μMのβ-NADPH(N1630、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)を含む100mMトリス緩衝液、pH=6.5を褐色ビン(遮光)に調製する。
*無水エタノールで分析値1mMの母液を調製し、40℃にする。そのビンを超音波浴に入れて、製品の溶解を促進する。
【0134】
(予め37℃にした)この緩衝液0.950mlを、37℃に恒温制御した分光光度計(パーキンエルマー、ラムダ2)のセルに入れ、測定波長を340nmに調整する。37℃の酵素懸濁液0.05mlを、(340nmでの光学濃度の低下に対応する)記録を行いながらセルに入れる。反応速度の最大値を記録する。
【0135】
(化合物(I)を含む)試験値と(化合物(I)を含まない)対照値を比較する。示された結果は、式(I)の化合物がPGFSの酵素活性を50%低下させる濃度、すなわちIC50fsを表している。
【0136】
【表1】

【0137】
この表から、化合物1は確かに15-PGDH1型阻害剤であることが明らかにされている。さらに、これは、PGFSよりも15-PGDHを効果的に抑制する。したがって、IC50fs/IC50dhの比は、8.3〜16.7である。
【0138】
化粧品または医薬分野でよく使用される通常の手法で、下記の組成物が得られる。
【0139】
(実施例3)
毛髪ローション
- 化合物1 1.00g
- プロピレングリコール 30.00g
- エチルアルコール 40.00g
- 水 100gにするだけの十分量
【0140】
このローションを頭皮に、1日に1または2回、1回当たりの塗布量1mlで塗布し、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。続いて、毛髪を開放空気で乾燥させる。このローションによって、毛髪喪失を低減し、毛髪の再成長を促進することが可能になる。
【0141】
(実施例4)
毛髪ローション
- 化合物1 0.10g
- ラタノプロスト 0.10g
- プロピレングリコール 30.00g
- エチルアルコール 40.00g
- 水 100gにするだけの十分量
【0142】
(実施例5)
ワックス/水型マスカラ
- ミツロウ 6.00%
- パラフィンワックス 13.00%
- 水添ホホバオイル 2.00%
- 水溶性皮膜形成性ポリマー 3.00%
- ステアリン酸トリエタノールアミン 8.00%
- 化合物1 1.00%
- 黒色顔料 5.00%
- 防腐剤 十分量
- 水 100%にするだけの十分量
【0143】
このマスカラを通常のマスカラと同様にマスカラブラシでまつ毛に塗布する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトのケラチン繊維の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせ、および/またはその密度を増大させるための作用物質としての使用。
【化1】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項2】
少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトのケラチン繊維を誘導しおよび/または刺激し、その喪失を遅らせ、および/またはその密度を増大させるためにヒトのケラチン繊維をケアしおよび/またはメイクアップするための化粧品組成物中での化粧品としての使用。
【化2】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基およびヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環していることができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項3】
式(I)の少なくとも1種の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトのケラチン繊維の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせ、かつ/またその密度を増大させるためにヒトのケラチン繊維をケアするまたは処置するための組成物の調製における使用。
【化3】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、カルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項4】
少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素、特にヒト15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素1型の阻害剤としての使用。
【化4】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項5】
少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトにおける15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素1型に関連した疾患を治療するためヒトのケラチン繊維をケアするまたは処置するための組成物の製造における使用。
【化5】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項6】
前記ケラチン繊維が毛髪、眉毛、まつ毛、あごひげ、口ひげおよび陰毛であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、毛髪喪失を低減し、および/または毛髪密度を増大させ、および/または自然の脱毛症および/または男性加齢脱毛症を治療するためにヒトの毛髪をケアするための化粧品組成物中での化粧品としての使用。
【化6】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項8】
少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、毛髪の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/または毛髪喪失を遅らせ、および/または毛髪密度を増大させ、および/またはアンドロゲン性脱毛症を治療し、および/または自然の脱毛症を治療するためのヒトの毛髪組成物の製造における使用。
【化7】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に、任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項9】
有効量の少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、ヒトのまつ毛の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその喪失を遅らせ、および/またはその密度を増大させるためのヒトのまつ毛をケアしおよび/またはメイクアップするための化粧品組成物の製造における使用。
【化8】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に、任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項10】
少なくとも1種の式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1種の、まつ毛の成長を誘導しおよび/または刺激し、および/またはその密度を増大させるためのヒトのまつ毛をケアしおよび/またはメイクアップするための化粧品組成物中での化粧品としての使用。
【化9】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に、任意選択で縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項11】
R3基およびR4基の少なくとも一方が飽和C1〜C20、よりよくはC1〜C10アルキル基またはヘテロ環Hyを表すことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
R3がメチルまたはエチル基を表し、R4がヘテロ環Hyを表すことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
R4がチオフェンまたはフランを表すことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
R1およびR2基の少なくとも一方が水素原子、あるいは飽和または不飽和の炭素環を表すことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
R2がHを表し、R1がフェニル基を表すことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
式(I)の化合物の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛(Zn2+)塩、カルシウム(Ca2+)塩、銅(Cu2+)塩、鉄(Fe2+)塩、ストロンチウム(Sr2+)塩、マグネシウム(Mg2+)塩、マンガン(Mn2+)塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、ヘキサデシルアミン塩、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、あるいはヒドロキシド、炭酸塩、ハライド、リン酸塩、硫酸塩または硝酸塩から選択された塩であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
前記化合物が下記の式のうちの1つに相当することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の使用。
【化10A】

【化10B】

【請求項18】
式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物を、組成物の総重量に対して10-3%〜10%、好ましくは10-2%〜2%の範囲の濃度で使用することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
組成物が局所適用向けの組成物であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
生理的に許容される媒体および有効量の少なくとも1種の下記式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセタミド化合物またはその塩のうちの1つを含むケラチン繊維のケア用またはメイクアップ用の組成物。
【化11】

[式中、
a) R1およびR2はそれぞれ独立に以下の1)〜5)から選択される:
1) 以下から選択された少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
2) ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または以下のものから選択された少なくとも1の置換基T3で置換されていてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ 少なくとも1の置換基T1で任意選択で置換された飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
(ただし、R1とR2が両方ともヘテロ環Hyである場合は、少なくとも1のヘテロ環が炭素を介して式(I)の窒素N1に結合している);
3) CN、C(=NR)R’、C(=NR)NR’R”、COR、CSR、COORまたはCONRR’基;
4) R1は、水素原子でも、SO2RまたはSO2NRR’基でもよい;
5) R1とR2は、少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換され、さらに、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、または別のヘテロ環Hyに、任意選択で縮環したヘテロ環Hyを形成することができる;
b) R3およびR4はそれぞれ独立に以下の1)〜4)から選択される:
1) 直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基または原子4〜7個を有する炭素環であって、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができ、前記アルキル基または前記環は飽和または不飽和であり、以下のものから選択された少なくとも1の置換基T4で任意選択で置換されていることができるアルキル基または炭素環:
・ ハロゲン、
・ CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、前記基およびヘテロ環は任意選択で少なくとも1の置換基T2で置換されていることができ、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に任意選択で縮環していることができ、または前記基またはヘテロ環は任意選択で別のヘテロ環Hyに縮環していることができる、アリール基またはヘテロ環Hy;
2) アリール基およびヘテロ環Hyであって、前記アリール基および前記へテロ環は、アリール基に、またはカルボニルもしくはチオカルボニル官能基を含むことができる原子4〜7個を有する飽和または不飽和の炭素環に、任意選択で縮環することができ、または前記アリール基および前記へテロ環はヘテロ環Hyに任意選択で縮環していることができ、前記アリール基、前記炭素環、または前記ヘテロ環Hyは、少なくとも1の置換基T3で任意選択で置換されていることができる、アリール基およびヘテロ環Hy;
3) CF3、CN、OR、SR、NRR’、NRC(=NR’)NR”R’’’、COR、CSR、COOR、CH2COOR、CONRR’、NRCOR’、NRCONR’R”、SO2NRR’、NRSO2R’、SO2RまたはSiRR’R”基;
4) R3およびR4は水素原子でもよい;
c) R、R’、R”およびR’’’は同じでも異なってもよく、以下の基の1を示す:
・ 水素、
・ 少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換された、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ヘテロ環Hyを形成する少なくとも1のヘテロ原子を任意選択で含み、任意選択で縮環し、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を任意選択で含み、および/または少なくとも1の置換基T2で任意選択で置換されてもよい、原子4〜7個を有する飽和または不飽和の環、
d) T2は以下を表す:
・ 飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基、
・ ハロゲン、
・ CN、CF3、OR5、SR5、NR5R6、NR5C(=NR6)NR7R8、COR5、CSR5、COOR5、CH2COOR5、CONR5R6、NR5COR6、NR5CONR6R7、SO2NR5R6、NRSO2R5、SO2R5またはSiR5R6R7から選択された基(式中、R5、R6、R7およびR8は同じでも異なってもよく、水素、あるいは飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC1〜C20アルキル基を表す)、
・ アリール基またはヘテロ環Hyであって、アリール基に、または原子4〜7個を有する飽和もしくは不飽和の炭素環に縮環しているか、あるいは別のヘテロ環Hyに任意選択で縮環しているアリール基またはヘテロ環Hy;
e) Hyは、4〜7個の原子の飽和または不飽和のヘテロ環であって、N,OおよびSから選択されたヘテロ原子を1〜4個含むことができ、および/またはカルボニルまたはチオカルボニル官能基を含むことができる飽和または不飽和のヘテロ環を表す。]
【請求項21】
R3基およびR4基の少なくとも一方が飽和C1〜C20、よりよくはC1〜C10アルキル基またはヘテロ環Hyを表すことを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
R3がメチルまたはエチル基を表し、R4がヘテロ環Hyを表すことを特徴とする請求項20または21に記載の組成物。
【請求項23】
R4がチオフェンまたはフランを表すことを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
R1およびR2基の少なくとも一方が水素原子、あるいは飽和または不飽和の炭素環を表すことを特徴とする請求項20〜23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
R2がHを表し、R1がフェニル基を表すことを特徴とする請求項20〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
式(I)の化合物の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛(Zn2+)塩、カルシウム(Ca2+)塩、銅(Cu2+)塩、鉄(Fe2+)塩、ストロンチウム(Sr2+)塩、マグネシウム(Mg2+)塩、マンガン(Mn2+)塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、モノジエタノールアミン塩、エタノールアミン塩、ヘキサデシルアミン塩、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、あるいはヒドロキシド、炭酸塩、ハライド、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩から選択された塩であることを特徴とする請求項20〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
式(I)の化合物が、下記の式に相当することを特徴とする請求項20〜26のいずれか一項に記載の組成物。
【化12】

【請求項28】
式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物を、組成物の総重量に対して10-3%〜10%、好ましくは10-2%〜2%の範囲の濃度で使用することを特徴とする請求項20〜27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
毛髪用のクリームまたはローション、シャンプーまたはコンディショナー、毛髪用マスカラ、または、まつ毛用マスカラの形で提供されることを特徴とする請求項20〜28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
水性、アルコール性または水性/アルコール性の溶液または懸濁液の形態であることを特徴とする請求項20〜29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
局所適用向けの組成物の形態であることを特徴とする請求項20〜30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
溶媒、水相用または油相用の増粘剤またはゲル化剤、組成物の媒体に可溶な着色材料、充填剤、顔料、酸化防止剤、防腐剤、香料、電解質、中和剤、皮膜形成性ポリマー、UVブロッキング剤、式(I)の化合物以外の化粧品用および医薬用活性成分、またはその混合物から選択された、他の材料を含むことを特徴とする請求項20〜31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、植物抽出物、ヒドロキシ酸;ならびに、レチノールまたはトコフェロール誘導体、必須脂肪酸、セラミド、精油、5-(n-オクタノイル)サリチル酸などのサリチル酸誘導体、ヒドロキシ酸のエステル、あるいはリン脂質から選択された別の活性成分をさらに含むことを特徴とする請求項20〜32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
ケラチン繊維の再成長を促進し、および/またはその喪失を制限する追加の活性化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項20〜33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
アミネクシル、6-O-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、リポキシゲナーゼ阻害剤、ブラジキニン阻害剤、プロスタグランジンおよびその誘導体、プロスタグランジン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、非プロスタン酸(nonprostanoic)系プロスタグランジン類似体、血管拡張剤、サイクロスポリンおよびその類似体、抗菌剤、抗炎症剤、レチノイド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ハッカ油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、タンパク質キナーゼC活性化剤、グリコシダーゼ阻害剤、グリコサミノグリカナーゼ阻害剤、ピログルタミン酸エステル、六糖酸(hexosaccharidic acid)もしくはアシル六糖酸(acylhexosaccharic acid)、アリール置換エチレン、N-アシル化アミノ酸、フラボノイド、アスコマイシン誘導体および類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニン、プロテオグリカナーゼ阻害剤、エストロゲンアゴニストおよびアンタゴニスト、シュードプテリン、サイトカインおよび成長因子促進剤、IL-1もしくはIL-6の阻害剤、IL-10促進剤、TNF阻害剤、ビタミン、ベンゾフェノン、ヒダントイン、オクトピロックス、レチノイン酸、止痒剤、寄生虫駆除剤、抗カビ剤、ニコチン酸エステル、カルシウムアンタゴニスト剤、ホルモン、トリテルペン、抗アンドロゲン剤、ステロイド性もしくは非ステロイド性5α-還元酵素阻害剤、カリウムチャンネルアゴニスト、FP受容体アゴニスト、またはその混合物から選択された、ケラチン繊維の再成長を促進し、および/またはその喪失を制限する少なくとも1種の追加の活性化合物をさらに含むことを特徴とする請求項20〜34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
生理的に許容される媒体、特に化粧品用媒体中に、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその塩のうち1つ、ならびにアミネクシル、FP受容体アゴニストおよび血管拡張剤から選択された、ケラチン繊維の再成長を促進し、および/またはその喪失を制限する少なくとも1種の追加の活性化合物を含むケラチン繊維のケア用またはメイクアップ用の組成物。
【請求項37】
ケラチン繊維の再成長を促進し、および/またはその喪失を制限する追加の活性化合物が、アミネクシル、ミノキシジル、ラタノプロスト、ブタプロストおよびトラボプロストから選択されることを特徴とする請求項34〜36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
毛髪および/または頭皮に、請求項20〜37のいずれか一項に記載した化粧品組成物を塗布し、この組成物を毛髪および/または頭皮と接触させておき、さらに任意選択ですすぐことを特徴とする、ヒトの毛髪および/またはヒトの頭皮の状態および/またはその外観を改善するためのヒトの毛髪および/またはヒトの頭皮の化粧処置方法。
【請求項39】
まつ毛および/またはまぶたに、請求項20〜37のいずれか一項に記載したマスカラ組成物を塗布し、この組成物をまつ毛および/またはまぶたと接触させておくことを特徴とする、ヒトのまつ毛の状態および/またはその外観を改善するためのヒトのまつ毛の化粧ケアまたはメイクアップ方法。

【公表番号】特表2006−515025(P2006−515025A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518728(P2005−518728)
【出願日】平成16年1月12日(2004.1.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000291
【国際公開番号】WO2004/069213
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】