説明

2つの側面をコートされた製品用の低い透過性の布地基材

本発明は、各層を共に結び付ける、縦糸ニット織り又はスティッチボンドされたヤーン(4)を有し、分離して形成された複数の層を有する積層基材又は基礎構造に関し、これら層の少なくとも1つは、強化層2であり、これら層の少なくとも1つは、積層基材を介して樹脂の流動を阻害するものである。また、本発明は、積層基材又は基礎構造から、コートされた抄紙機用のプロセスベルト製品を形成する方法を開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙技術に関する。特に、本発明は、共に縦糸ニット織り/スティッチボンドされた積層布に関する。
【背景技術】
【0002】
製紙工程中、セルロース繊維ウェブは、繊維スラリー、つまりセルロース繊維の水性懸濁液、を抄紙機の形成部にある移動する形成布上に堆積して形成される。このスラリーから、形成布を介して大量の水が排出され、形成布の表面上にセルロース製繊維が残存する。
【0003】
新規に形成されたこのセルロース繊維ウェブは、形成部から一連のプレスニップを有するプレス部へと進む。セルロース製繊維ウェブは、プレス布で支持されたプレスニップ又は場合によっては斯かる2つのプレス布間を通過する。プレスニップにおいて、セルロース繊維ウェブには、圧縮力がかけられ、水を絞り出し、且つセルロース繊維ウェブを紙シートとするようにウェブにおいてセルロース繊維が互いに接着する。この水は、プレス布に受容され、理想的には、紙シートに戻らない。
【0004】
紙シートは、最終的に、蒸気で内的に加熱された少なくとも一連の回転可能乾燥ドラム又はシリンダーを有する乾燥部に進む。この新規で形成された紙シートは、乾燥布により一連のドラムのそれぞれの周囲に並んで配置されるセルペンタイン路(serpentine path)に向けられ、紙シートをドラムの表面に近接して保持する。加熱されたドラムは、紙シートの水分含量を、蒸発により所望のレベルにまで低減する。
【0005】
形成布、プレス布及び乾燥布の全ては、抄紙機上でエンドレスロープの形態をとりコンベアの機能を有すると理解されるべきである。さらに、製紙工程は、かなりの速度で進行する連続工程であると理解されるべきである。つまり、繊維スラリーは、形成部において形成布上に連続して堆積される一方、新規に製造された紙シートは、乾燥部を出た後、連続してロール上に巻き取られる。
【0006】
現行の各布は、製造される紙のグレードに併せて導入される抄紙機の要件を満たすように設計された種々のスタイルに製造される。一般的に、これらの布は、織物又はその他の種類の基礎布を有する。加えて、プレス部に使用される布のように、プレス布は、微細で不織布材料のバットに針状化(needled)される1つ以上の基礎布を有する。この基礎布は、単繊維、諸より単繊維(plied monofilament)、多重繊維、諸より多重繊維ヤーンから織られてもよく、単一層、多層又は積層であってもよい。これらのヤーンは、抄紙機用の布技術において当業者が上述の目的で使用する、ポリアミドやポリエステル樹脂などの種々の合成ポリマー樹脂から典型的に成形される。
【0007】
織基礎布自体は、いくつか異なる形態をとる。例えば、エンドレスの形態、平織りした後に織継目を有するエンドレスの形態として織られてもよい。代替的に、織基礎布は、改変されたエンドレス織りなど一般的に公知の方法により織られてもよく、この基礎布の幅方向の端部には、機械方向(MD)のヤーンを用いて継目ループが設けられる。この工程において、MDヤーンは、各端部を折り返し継目ループを形成させて、布の幅方向の端部を前後して連続して織る。この様式で製造された基礎布は、抄紙機に導入される間、エンドレスの形態に載置され、この理由で、機械上で継ぎ合わせ可能な布と称される。斯かる布をエンドレスの形態に載置するため、上述の幅方向の2つの端部は、ともに取り、この2つの端部における継目ループは、他と噛み合わされ、噛み合わされた継目ループで形成された通路に、継目ピン又はピントルが挿入される。
【0008】
さらに、上述の織基礎布は、プレス布の場合のように、少なくとも1つの基礎布を他と形成されるエンドレスループの形態に載置し他と結び付けるようにこれらの基礎布を介して人造繊維を針状化して、積層されてもよい。これら1つ以上の織基礎布は、機械上で継ぎ合わせ可能であってもよい。これは、多層の基礎支持構造を有する周知の積層プレス布である。いずれにしても、上述の布は、長手方向に測定した特定の長さと、これを横切る方向に測定した特定の幅とを有する、エンドレスループの形態であり、或いは斯かる形態に継ぎ合わせ可能である。
【0009】
伝統的に、プレス部は、近接する円筒形のプレスロールのペアで形成された一連のニップを有していた。近年、長いニッププレスニップを使用すると、近接するプレスロールのペアで形成されたニップを使用する場合に比べて利点があることが見出されていた。その理由は、長い時間セルロール繊維ウェブがニップにおいて圧力を掛けられるようになると、より多くの水が除去され得ることとなり、従って、乾燥部において蒸発により除去する繊維ウェブにおいて残存する水の量が少なくなるためである。
【0010】
この種類の長いニッププレスにおいて、ニップは、ロールとアーク状の圧力シューとの間で形成される。アーク状の圧力シューは、円筒形のプレスロールに近接した曲率半径を有する円筒形の凹面を有する。このロール及びシューが互いに物理的に近接されると、2つのプレスロール間で機械方向において5〜10倍長いニップが形成される。このことにより、この長いニップにおいて繊維ウェブに掛けられる圧力のいわゆるデュエル時間(dwell time)が増加する。この新規の長いニップ技術の結果は、抄紙機において従来のニップで得ていたのと比べて、長いニップにおいて繊維ウェブの脱水性が大幅に増加するという点である。
【0011】
シュー型の長いニッププレスは、特許文献1に記載のような特別なベルトを必要とする。斯かるベルトには、油の潤滑膜上を静止したシューが摺動する平滑で不透過性の表面を設ける必要がある。このベルトは、プレス布とおよそ同程度の速度でニップを介して移動し、これにより、ベルトの表面に対してプレス布の摩擦量が最小限となる。
【0012】
特許文献1に開示の種々のベルトは、エンドレスループの形態をとる織基礎布を合成ポリマー樹脂で含浸して、作製される。好ましくは、この樹脂は、基礎布が編まれるヤーンが長いニッププレスのアーク状のプレスシュー成分と直接接触することから防御され得るように、少なくともベルトの内部表面上に所定の厚みのコーティングを形成する。特に、このコーティングは、潤滑されたシュー上を即座に摺動し潤滑油がベルトの構造を透過してプレス布又は種々の布及び繊維ウェブを汚染するのを阻止するように、平滑で不透過性の表面を有する必要がある。
【0013】
特許文献1に開示のベルトの基礎布は、単一又は多層の編みで、単繊維ヤーンから織られてもよい。また、この編みを含浸材料で全体的に含浸し得るのに十分開口するように、織られる。このことにより、最終的なベルトに種々のボイドを形成する可能性が少なくなる。斯かるボイドは、ベルトとシューとの間に使用される潤滑剤がベルトを通過しプレス布又は各種の布及び繊維ウェブを汚染するのを可能とする可能性がある。
【0014】
含浸材料が固形状態に硬化されると、機械的連結により、基礎布に結合され、硬化された含浸材料は、基礎布のヤーンを取り巻く。
【0015】
要件に応じて、基礎布内部で含浸材料が含浸する深さを調節する必要が、しばしばある。これは、基礎布の一つの側のみがコートされるべきか、各側面が異なる工程においてコートされるべきであるかのいずれかの場合、望ましい。
【0016】
従来、この目的で、基礎布には、フィラー又はスタッファーヤーン(stuffer yarn)が含まれていた。これらを使用することにより、部分的に成功した。フィラー又はスタッファーヤーンが含まれているにもかかわらず、不均一な様式で、基礎布を介した含浸材料の漏出が常に発生した。基礎布が一つの側面上にのみコートされるべきとき、基礎布のコートされない側面は、含浸材料による不均一な浸透により染みだらけ(blotchy)で不均一となるので、少なくとも美観の問題が発生する。
【0017】
硬化された含浸材料が機械的連結により基礎布に最初に結合するので、含浸材料は、基礎布といくらか連結することと、即座に剥離しないこととを確実とするのに十分な深さに浸透する必要がある。基礎布の両側面が異なる工程でコートされるべき場合、各側面上の含浸材料は、剥離しないように十分結合される必要がある。斯かる成果を確実にするため、コートされるべき第1側面上における含浸材料は、基礎布に機械的に十分結合され得る深さに均一に浸透する必要がある一方、他の側面に適用される含浸材料がこれに機械的に結合され得るように十分含浸されていない構造を残存する。含浸材料が第1側面から深く浸透し過ぎると、他の側面に適用されるものは、連結部位を少なくし過ぎ、剥離する場合もある。
【0018】
この問題を克服するのに提案されてきた一つの方法は、基礎布の一つの側面を最初に含浸材料でコートしこのコーティングを少なくとも部分的に硬化させることである。その後、基礎布をひっくり返し、反対の面をタイコートして含浸材料のコートを行う方法である。このタイコートは、基礎布のこれら2つの側面上のコーティング間に追加の化学結合を提供する。しかしながら、タイコートの適用は、追加の工程ステップであって、制御が困難となる。
【0019】
織布を含む多くの適用例の場合、織ストリップを螺旋に巻いて製造される布(Rexfeltによる特許文献2参照)、ニット織布又は積層布の全ては、一定の場所にヤーンを保持するか布を共に結び付けるかのいずれかの機構を必要とする。従来の典型的な多層布を介した人造繊維の針状化は、共にこれを保持するのに利用されていた。結合や成形など特許文献3に教示の他の方法が利用されていた。
【0020】
製紙用プロセスベルト用の基材を形成するように複数の成分を共に載置することは、基礎を浸透する樹脂コーティング用のより良好な支持を提供し従って樹脂コーティング層の剥離を阻止するなどのベルトの特性を促進する可能性がある。また、樹脂が浸透する深さを制御してもよい。特許文献3は、プレス布に使用されるような針状化バットとともに保持される2つの織基礎布を有する基材を製造することにより、この問題を解消するように試みている。しかしながら、この工程は、材料の点(織られる必要のある2つの異なる基礎)、工程の点(針状化により結合されるバットを有する必要のある上述の2つの基礎)、及び各工程ステップに必要な時間の点で、コストのかかる方法である。製紙用のプロセスベルト用の他の基礎支持基材は、織布とは別に提案されていた。ニット織構造は、種々の理由で考慮されていた。しかしながら、先行技術では、樹脂コーティングの浸透深さを制御する程度と同様に樹脂/基材の連結を補助する優れた構造を提供する、スティッチボンディング又はニット織により共に保持される多層又は多成分の「積層体」の製造を教示するものはない。
【特許文献1】米国特許第5,238,537号明細書
【特許文献2】米国特許第5,360,656号明細書
【特許文献3】欧州特許第0960975号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、この目的と達成する手法を提供する。
【0022】
本発明は、縦糸ニット又はスティッチボンディングして共に結合される異なって形成された複数の層で製造された布を提供する。この布は、少なくとも1つの強化層と、少なくとも1つのスクリム層(scrim layer)とを有する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の好適実施例について、抄紙機用のプロセスベルトについて、以下に説明する。しかしながら、本発明は、例えば、コートされたプロセスベルトを必要とする他の工業用の設定内容に適用可能である。その基礎支持構造は、単繊維、諸より単繊維、多重繊維又は諸より多重繊維製のニット織又はスティッチボンディングされた成分を有し、単一層又は多層であってもよい。これらのヤーンは、工業用布技術における当業者によりこの目的で使用されるポリアミドやポリエステル樹脂などの合成ポリマー樹脂から典型的に成形される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の支持構造1の一実施例に関する側面図である。以下、順に説明する。積層体を形成するニット編は、布地工業において公知であって、例えば、ニット織布は、ベルト基材と称される。さらに、抗再湿潤層を有する布も知られている。しかしながら、共に編むことに代えて、縦糸ニット織又はスティッチボンディングされた異なる成分を使用することにより、本発明は、従来の各種布の異なる代替物を提供する。先行技術における布とさらに異なる点として、本発明は、積層された基材又は基礎構造からできており、この構造体の強化又は荷重支持成分は、この構造体を介して全ての方向に樹脂が流動するのを阻止する層により、分離される。この積層されたプレアッセンブリは、縦糸ニット織又はスティッチボンディングにより、共に保持され、その後、ロール状の平坦な布として保存される。これは積層体である一方、「積層体」を製造するためにニット織又はスティッチボンディング機には、分離した層又はスクリムが実際に供給される。このサブアッセンブリは、下述する技術を用いて、共に螺旋形とされる。
【0025】
ここで、特に図1を参照すると、本発明の支持構造1は、強化層2と不織スクリム3とを有し、これらは、バインダーヤーン4を介して、共に縦糸ニット織又はスティッチボンディングされている。強化層2間に配置されるのは、成形された不織スクリム3である。強化成分2は、典型的に多重繊維又は単繊維ヤーンである。スクリム成分3は、典型的には、スパンボンディング、ウェットレイド又はエアレイド構造物であり、或いは成形メッシュ、成形若しくはキャスト多孔性若しくは無孔性フィルムであってもよい。
【0026】
本発明による支持構造1は、不織スクリム3が、支持構造1の一側面又は両側面に適用されるべきポリマー樹脂又はゴムコーティングなどの透過性が低いものから選択されてもよい。このことにより、所望であれば、異なる布の側面に適用されるべき樹脂コーティングの特性が異なることが可能となり、複数の従来の先行技術における支持構造で発生するブリードスルー(bleed−through)の問題を克服する。従って、支持構造1におけるコーティングの透過性の程度及びその位置は、予め決められてもよい;つまり、支持構造1の流動体に対する透過性は、スクリム成分3を用いて制御される。不織スクリム3、バインダーヤーン4及び強化層2を構成する材料は、支持構造1に適用されるコーティングに関するこれらの接着親和性に基づいて選択されてもよい点で、さらに利点を有する。典型的に、支持構造1は、さらに使用するために、ストリップの形態に続いて巻き取られてもよい。必要に応じて、このストリップ材料は、ロールされない。また、このストリップ材料は、特許文献2に開示の螺旋巻き取り技術を用いて、エンドレスに結び付けられてもよい。なお、この特許文献の開示内容を参照して、本願に取り込む。例えば、支持構造1及び/又はその成分層2、3は、全幅構造である必要はないが、特許文献2に開示のような材料のストリップ34であってもよく、図3に示す全幅構造16に続いて形成されてもよい。ストリップ34は、処理が全て終了した後に、巻き取られなくてもよく、ロールのセット上に巻き取られてもよい。これらのストリップ材料のロールは、保存されてもよく、且つ例えば、特許文献2に教示の技術を使用して、エンドレスな全幅構造16を形成するのに使用されてもよい。また、この材料ストリップは、コーティングの前に心棒上に螺旋に巻き取られてもよい。この心棒は、表面に既に適用されたポリマー樹脂又はゴムコーティングの層を有してもよい。
【0027】
図2は、本発明の代替的な実施例に係る側面図である。この実施例は、縦糸ニット織/スティッチボンディングされたヤーンがポリマー又は樹脂コーティングの接着性及び構造的な全体性を向上させるための追加のボンディング位置を提供する点で、さらに利点を提供する。さらに特に、支持構造1は、強化層2及び不織スクリム3を有し、これらは、バインダーヤーン4を介して、共に、縦糸ニット織り又はスティッチボンディングされている。縦糸ニット織/スティッチボンディングされたヤーン4は、支持構造1に対してポリマー又はゴムコーティングを固定(anchor)するように機械的ボンディング位置を提供する支持構造1の表面上にループ及びボイドのマトリックスを形成することに留意する。さらに別の利点として、支持構造1の寸法安定性は、ヤーン4の強化マトリックスを用いて、不織スクリム3と共に補完される。上述の実施例に関して、支持構造1の成分2、3、4のいくつか又は全ては、支持構造の前面及び/又は両側面に適用されるコーティングの接着親和性を有してもよい。
【0028】
平面性及び平滑性のため表面を磨く、又は研磨するなどのさらなる処理を行ってもよい。また、水の除去を補助するため、溝及び/又はブラインドドリルされたホールを、ベルトのシュー側でない表面に設ける。
【0029】
図4は、LIBA Maschinenfabrik GmbH製のRacop 2 K−Vモデルの高速ラッセル機(Raschel machine)の部分図であって、これは、本発明によるスティッチボンディングされた布の製造に使用可能な機械である。図4に示すのは、機械40のいくつかの部材であって、これには、ガイドバー42、稼働又は剛性的に配置されたシンカーバー44、短ストローク複合ニードル46を有するニードルバー、閉口バー48及び剛性配置トリックシンカーバー50を含む。また、図4に示すのは、ニットスレッド52、機械40に供給される布54及びスティッチボンディッド布56である。機械40は、特に、高速の製造速度を有することを特徴としており、短ストローク複合ニードル46及びクランクシャフト系(図示せず)で部分的に達成される。図4に示す全てのニット編み要素は、機械40の作動側から簡単にアクセス可能であることを記する。また、図4に示すスティッチボンディング法は、布54を処理する熱積層などのその他の方法と比較して、いくつかの利点を有する。例えば、弾性や容量的な質(ボイド容量)など布54の布地特性は、逆行的に影響されない。さらに、熱を用いる方法と比較して、エネルギー消費量が少ない。
【0030】
上述の事項に対する改変は、本技術分野の当業者に明らかであって、このように改変を行うことは、添付した特許請求の範囲を超えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】強化成分、不織スクリム及びニット又はスティッチボンディングされたバインダーヤーンを示す布の側面断面図である。
【図2】強化成分、不織スクリム及びニット又はスティッチボンディングされたバインダーヤーンループを示す布の側面断面図である。
【図3】本発明による螺旋織布である。
【図4】本発明による布をスティッチボンディングするのに有用な機械の側面断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 支持構造
2 強化層
3 不織スクリム
4 バインダーヤーン
16 全幅構造
34 ストリップ
40 機械
42 ガイドバー
44 シンカーバー
46 短ストローク複合ニードル
48 閉口バー
50 剛性配置トリックシンカーバー
52 ニットスレッド
54 布
56 スティッチボンディッド布


【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層基材又は基礎構造を形成する方法であって:
複数の層を別々に形成するステップと;
前記の各層を、縦糸ニット織又はスティッチボンディングされたバインダーヤーンでともに結びつけるステップと;
を有し、
前記の層の少なくとも1つは、強化層であり、
前記の層の少なくとも1つは、前記積層基材又は基礎構造の一側面又は両側面に適用されるコーティングが流動するのを阻止する層であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記の層の少なくとも2つは、前記積層基材又は基礎構造の一側面又は両側面に適用されるコーティングが流動するのを阻止する層で分離された強化層であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バインダーヤーンは、前記積層基材又は基礎構造の表面上にループのマトリックスを形成し、且つ適用されるコーティングを固定するボンディング位置として機能することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の層及びバインダーヤーンの少なくとも1つは、前記コーティングの少なくとも1つに対する接着親和性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記のループのマトリックスは、前記積層基材又は基礎構造の構造安定性を向上することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記積層基材又は基礎構造の一つの側面にのみをコーティングするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記積層基材又は基礎構造の両方の側面をコーティングするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記積層基材又は基礎構造の両方の側面を同様にコーティングするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記積層基材又は基礎構造の少なくとも1つの側面を、ゴムコーティングでコーティングするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記積層基材又は基礎構造の第1側面を第1のポリマーでコーティングし、第2側面を第1のポリマーとは異なる第2のポリマーでコーティングするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ストリップの幅よりも大きい幅を有する基礎支持構造を形成するように最終的に螺旋に巻かれる材料のストリップに前記積層基材又は基礎構造を形成するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コートされた積層基材又は基礎構造のシュー側でない表面上に複数の溝を形成するステップをさらに有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コートされた積層基材又は基礎構造の表面上に複数のブラインドドリルされたホールを形成するステップをさらに有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
長いニッププレス又は他の抄紙機用ベルトの基礎構造として、前記積層基材又は基礎構造を使用するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの強化層は、多重繊維又は単繊維ヤーンを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記のコーティングが流動するのを阻止する層は、スパンボンド、ウェットレイド又はエアレイド法で作製されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記のコーティングが流動するのを阻止する層は、不織スクリム、成形メッシュ又は成形、若しくはキャスト多孔性若しくは無孔性膜であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記積層基材又は基礎構造に適用されるコーティングは、ポリマー又はゴムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
別々に形成された複数の層を有する積層基材又は基礎構造であって、
前記の層は、縦糸ニット織又はスティッチボンディングされたヤーンで共に結び付けられ、
前記の層の少なくとも1つは、強化層であり、
前記の層の少なくとも1つは、前記積層基材又は基礎構造の一側面又は両側面に適用されるコーティングが流動するのを阻止する層であることを特徴とする積層基材又は基礎構造。
【請求項20】
前記の層の少なくとも2つは、前記積層基材又は基礎構造の一側面又は両側面に適用されるコーティングが流動するのを阻止する層で分離された強化層であることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項21】
前記バインダーヤーンは、前記積層基材又は基礎構造の表面上にループのマトリックスを形成し、且つ適用されるコーティングを固定するボンディング位置として機能することを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項22】
前記の層及びバインダーヤーンの少なくとも1つは、前記コーティングの少なくとも1つに対する接着親和性を有することを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項23】
前記のループのマトリックスは、前記積層基材又は基礎構造の構造安定性を向上することを特徴とする請求項21に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項24】
当該積層基材又は基礎構造の一つの側面のみがコーティングされていることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項25】
当該積層基材又は基礎構造の両方の側面がコーティングされていることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項26】
当該積層基材又は基礎構造の両方の側面が同様にコーティングされていることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項27】
当該積層基材又は基礎構造は、第1側面上に第1のポリマーでコートされ、第2の側面上に、前記の第1のポリマーとは異なる第2のポリマーでコートされていることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項28】
当該積層基材又は基礎構造は、ストリップの幅よりも大きい幅を有する基礎支持構造を形成するように最終的に螺旋に巻かれる材料のストリップで形成されることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項29】
当該積層基材又は基礎構造のシュー側でない表面は、複数の溝を有することを特徴とする請求項24乃至27のいずれか一項に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項30】
当該積層基材又は基礎構造の表面は、複数のブラインドホールを有することを特徴とする請求項24乃至27のいずれか一項に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項31】
当該積層基材又は基礎構造は、長いニッププレス又は他の抄紙機用ベルトの基礎構造として使用されることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項32】
少なくとも1つの強化層は、多重繊維又は単繊維ヤーンを有することを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項33】
前記のコーティングが流動するのを阻止する層は、スパンボンド、ウェットレイド又はエアレイド法で作製されることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項34】
前記のコーティングが流動するのを阻止する層は、不織スクリム、成形メッシュ又は成形、若しくはキャスト多孔性若しくは無孔性膜であることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。
【請求項35】
当該積層基材又は基礎構造に適用される樹脂は、ポリマー又はゴムに類似の化合物であることを特徴とする請求項19に記載の積層基材又は基礎構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−516105(P2007−516105A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518668(P2006−518668)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/020023
【国際公開番号】WO2005/005720
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(591097414)アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ALBANY INTERNATIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】