説明

3−アミノ−2−インドリルブチロラクタム誘導体、その製造法、及びこれを有効成分とする医薬

【課題】本発明の目的は、細胞死がその進行増悪に関わっている種々の疾患の症状の進行の予防及び治療薬として有効である、細胞死を抑制する薬剤を提供することである。
【解決手段】本発明は一般式(1)で表される化合物及びその医薬として許容される塩、並びに当該化合物の細胞死抑制活性に関する用途を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細胞死抑制作用を有する新規3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体、その製造法、及びこれを有効成分とする医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
多細胞生物において、細胞の死は生理的に必須な現象であり、厳密な制御のもと除去すべき細胞は自ら死へと向かう。この能動的な細胞死はアポトーシスと呼ばれ、その中心となる実行因子カスパーゼの同定及びその阻害剤の開発に伴い、その分子機構が詳細に解明されてきた。一方で、近年神経変性疾患や虚血性心疾患などの疾患でカスパーゼの関与しない細胞死が見られることがわかり、その細胞死機構及び制御因子の研究が盛んに行われるようになってきている。
【0003】
このような背景で、袖岡らは既に、初代培養細胞を用いるアッセイ系により、ビスインドリルマレイミド誘導体、ビスインドリルピロール誘導体、インドリルマレイミド誘導体、ならびにインドリルピロール誘導体が、カスパーゼには影響せず、酸化的ストレスにより誘導される細胞死を抑制することを見いだし、特許出願を行っている(特許文献1〜4)。
【0004】
酸化的ストレスが関与する疾患としては、脳虚血(非特許文献1)や虚血性心疾患(非特許文献2)をはじめとして各種臓器における虚血再還流障害(非特許文献3)、アルツハイマー病などの神経変性疾患(非特許文献4)が知られている。実際、in vitroで酸化的ストレス(過酸化水素や一酸化窒素など)により誘導される細胞死を抑制する化合物が、in vivoでも虚血再還流障害を抑制すること(非特許文献5〜7)や、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患のモデルで治療効果を示すこと(非特許文献8)が報告されていることから、酸化的ストレスにより誘導される細胞死を抑制する化合物は、これら疾患の治療薬として有効であると言える。
【0005】
そこでさらに、袖岡らは株化した培養細胞HL60を用いるアッセイ系を開発して、細胞死抑制剤の探索がより効率良く行えることを報告し(非特許文献9)、このアッセイ系を用いてインドリルマレイミド誘導体の構造活性相関を検討し、ビスインドリルマレイミド誘導体が10μMで毒性を示すのに対して、10μMでは毒性を示さないモノインドリルマレイミド誘導体IM-54を報告している(非特許文献10)。しかし、さらなる検討の結果、IM-54も30μMでは毒性を示すことが判明したことから、より高濃度での毒性が低く、かつ低濃度で優れた細胞死抑制活性を示す化合物が求められていた。
【0006】
一方、インドリルマレイミド誘導体から3-アミノ-4-ヒドロキシ-2-インドリルブチロラクタム誘導体、4-アルコキシ-3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体、4-アルキルチオ-3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体および4-アルキル-3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体を製造する方法はいずれも報告されていなかった。
【0007】
【特許文献1】WO 99/42100
【特許文献2】WO 00/47575
【特許文献3】WO 01/13916
【特許文献4】WO 01/74807
【非特許文献1】G. Fiskum, R. E. Rosenthal, V. Vereczki, E. Martin, G. E. Hoffman, C. Chinopoulos, and A. Kowaltowski, J. Bioenerg. Biomembr. 36, 347-352 (2004).
【非特許文献2】L. G. Kevin, E. Novalija, and D. F. Stowe, Anesth. Analg. 101, 1275-1287 (2005).
【非特許文献3】D. Galaris, A. Barbouti, and P. Korantzopoulos, Curr. Pharm. Des. 12, 2875-2890 (2006).
【非特許文献4】Y. Gilgun-Sherki, E. Melamed, and D. Offen, Neuropharmacology 40, 959-975 (2001).
【非特許文献5】H. Yoshida, H. Yanai, Y. Namiki, K. Fukatsu-Sasaki, N. Furutani, and N. Tada, CNS Drug Reviews 12, 9-20 (2006).
【非特許文献6】V. J. Adlam, J. C. Harrison, C. M. Porteous, A. M. James, R. A. J. Smith, M. P. Murphy, and I. A. Sammut, FASEB J. 19, 1088-1095 (2005).
【非特許文献7】O. R. Kunduzova, G. Escourrou, F. de la Farge, R. Salvayre, M. H. Seguelas, N. Leducq, F. Bono, J. M. Herbert, and A. Parini, J. Am. Soc. Nephrol. 15, 2152-2160 (2004).
【非特許文献8】H.H. Szeto, AAPS J. 8, E521-E531 (2006).
【非特許文献9】M. Katoh, K. Dodo, M. Fujita, and M. Sodeoka, Bioorg. Med. Chem. Lett., 15, 3109-3113 (2005).
【非特許文献10】K. Dodo, M. Katoh, T. Shimizu, M. Takahashi, and M. Sodeoka, Bioorg. Med. Chem. Lett., 15, 3114-3118 (2005).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、細胞死がその進行増悪に関わっている種々の疾患の症状の進行の予防及び治療薬として有効である、細胞死を抑制する薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討した結果、下記の一般式(1)で表される3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体が細胞死抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、一般式(1):
【化1】

(式中、
Xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、チオール基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基、シアノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はハロゲン原子を表し、
R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はヒドロキシル基を表し、
R2及びR3は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はヒドロキシル基を表し、
又はR2及びR3は、それらが結合する窒素原子と一体になって、更なるヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有していてもよい、飽和若しくは不飽和の環構造を形成していてもよく、
R4はインドール環の位置番号で2, 4, 5, 6又は7位あるいはその複数の位置についた基を表し、nは1〜5の数であり、nが2以上である場合はR4の種類は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキシスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、
R5は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はヒドロキシル基を表す)
で表される3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体又はその塩に関する。
【0011】
本発明はまた、当該化合物の製造方法に関する。
【0012】
本発明はまた、当該化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する細胞死抑制剤に関する。
【0013】
本発明はまた、当該化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する医薬に関する。当該医薬は、細胞死がその進行増悪に関わっている種々の疾患又は症状の予防薬又は治療薬として有用である。
【0014】
本発明はまた、当該化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する、臓器、組織及び細胞の保存剤に関する。
【0015】
本発明はまた、当該化合物又はその塩を含有する生物学的研究試薬に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の化合物又はその塩は細胞死を抑制することができる。本発明の化合物又はその塩を、細胞死がその進行増悪に関わっている種々の疾患又は症状の予防又は治療を必要とする、ヒト等の哺乳動物に投与することにより、前記疾患又は症状を予防又は治療することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキル基」におけるアルキル基とは、直鎖状、分岐状、環状いずれでもよく、例えば炭素数1〜30のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、14-メチルペンタデシル基、6-メチルペンタデシル基、オクタデシル基、イコシル基、テトラコシル基などがあげられる。
【0018】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルケニル基」におけるアルケニル基とは、直鎖状、分岐状、環状いずれでもよく、例えば炭素数2〜30のアルケニル基であり、具体的にはアリル基、ビニル基、クロチル基、1-ペンテン-1-イル基、2-ペンテン-1-イル基、3-ペンテン-1-イル基、1-ヘキセン-1-イル基、2-ヘキセン-1-イル基、3-ヘキセン-1-イル基、2-シクロヘキセニル基、2-シクロペンテニル基などがあげられる。
【0019】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキニル基」におけるアルキニル基とは、直鎖状、分岐状、環状いずれでもよく、例えば炭素数2〜30のアルキニル基、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、具体的にはエチニル基、プロパルギル基、1-ペンチン-1-イル基、2-ペンチン-1-イル基、3-ペンチン-1-イル基、1-オクチン-1-イル基、8-ヘプタデシン-1-イル基などがあげられる。
【0020】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアリール基」におけるアリール基はヘテロ原子を含んでいてもよく、炭素数(ヘテロ原子を含む場合はヘテロ原子と炭素原子との合計数)は例えば5〜30、より好ましくは5〜20であり、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、ピレニル基、ビフェニル基、4-ピリジル基、2-ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダニジル基、ピペラジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、キニリル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基などがあげられる。
【0021】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアラルキル基」におけるアラルキル基とは、ヘテロ原子を含んでいてもよく、炭素数(ヘテロ原子を含む場合はヘテロ原子と炭素原子との合計数)は例えば6〜30、より好ましくは7〜15であり、具体的にはベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどがあげられる。
【0022】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルコキシル基」におけるアルコキシル基、或いは「置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基」におけるアルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基若しくはアラルキルオキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、t-ブトキシ基、アリルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基などがあげられる。
【0023】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基」における、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アリールチオ基若しくはアラルキルチオ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、t-ブチルチオ基、アリルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ベンジルチオ基、フェニルチオ基などがあげられる。
【0024】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアシル基」又は「置換基を有していてもよいアシルオキシ基」におけるアシル基とは、直鎖状、分岐状、環状、飽和、不飽和の脂肪族、あるいは芳香族いずれでもよく、例えば炭素数2〜30のアシル基、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ピバロイル基、オレオイル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクロイル基、クロトノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基などがあげられる。
【0025】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基」又は「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニルオキシ基」におけるアルキルオキシカルボキル基、アルケニルオキシカルボキル基、アルキニルオキシカルボキル基、アリールオキシカルボキル基若しくはアラルキルオキシカルボキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも良く、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、s-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などの基があげられる。
【0026】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基」又は「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニルオキシ基」におけるアルキルチオカルボニル基、アルケニルチオカルボニル基、アルキニルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基若しくはアラルキルチオカルボニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも良く、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはメチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、イソプロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、t-ブチルチオカルボニル基、シクロペンチルオキシチオカルボニル基、シクロヘキシルオキシチオカルボニル基、ベンジルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基、ピリジルチオカルボニル基などの基があげられる。
【0027】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアミノカルボニル基」又は「置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基」中の「置換基を有していてもよいアミノカルボニル基」は、無置換カルバモイル基、あるいは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい芳香族基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアミノ基などで置換されたカルバモイル基を示し、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはカルバモイル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、t-ブチルアミノカルボニル基、シクロペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ピリジルアミノカルボニル基、ベンジルオキシアミノカルボニル基などの基があげられる。
【0028】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基」におけるアルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アルキニルスルホニル基、アリールスルホニル基若しくはアラルキルスルホニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも良く、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基などの基があげられる。
【0029】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基」におけるアルキルスルフィニル基、アルケニルスルフィニル基、アルキニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基若しくはアラルキルスルフィニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも良く、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基、シクロヘキサンスルフィニル基、ナフタレンスルフィニル基などの基があげられる。
【0030】
本明細書中、「置換基を有していてもよいアミノ基」は、無置換アミノ基、あるいはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、スルホニル基などで置換されたアミノ基を示し、炭素数は例えば30以下、より好ましくは10以下であり、具体的にはエチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピペラジニル基、インドリニル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ベンゼンスルホニル基、メタンスルホニルアミノ基などの基があげられる。
【0031】
本明細書中、「ハロゲン原子」はフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子があげられる。
【0032】
本明細書中、「置換基」とは、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニルオキシ基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アミノカルボニルオキシ基、アルコキシル基、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基をあげることができ、これらの具体例は前記と同様である。その他の置換基としては、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基(アシル基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニルオキシ基、カルバモイル基、置換スルホニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を置換基として有していてもよい)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキシスルホニル基、エポキシ基などの基の他、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基があげられる。
【0033】
Xとして好ましいものとしては、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、チオール基、及び、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基が挙げられ、特に好ましい基としては、水素原子、無置換のアルキル基、ヒドロキシル基、無置換のアルキルチオ基、及び無置換のアリールチオ基が挙げられる。無置換のアルキル基としては特に炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。無置換のアルキルチオ基としては特に炭素数1〜10のものが好ましい。無置換のアリールチオ基としては炭素数5〜10のものが特に好ましい。Xとして特に好ましい基は、水素原子、メチル基、ヒドロキシル基、フェニルチオ基、又はプロピルチオ基である。
【0034】
R1として好ましいものとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよいアラルキル基が挙げられ、特に好ましい基としては、無置換のアルキル基、及び無置換のアラルキル基が挙げられる。無置換のアルキル基としては特に炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。無置換のアラルキル基としては炭素数6〜10のものが好ましい。R1として特に好ましい基は、メチル基、i-プロピル基、又はベンジル基である。
【0035】
R2として好ましいものとしては、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよいアラルキル基が挙げられ、特に好ましい基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、及び無置換のアラルキル基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましい。無置換のアラルキル基としては炭素数6〜10のものが好ましい。R2として特に好ましい基は、ペンチル基、シクロペンチル基、又はベンジル基である。
【0036】
R3として好ましいものとしては、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよいアラルキル基が挙げられ、特に好ましい基は水素原子である。
【0037】
R2及びR3が、それらが結合する窒素原子と一体になって、更なるヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有していてもよい、飽和若しくは不飽和の環構造を形成する場合、当該環は芳香族環であっても脂肪族環であってもよく、環員数は例えば5〜7である。
【0038】
R4として好ましいものとしては、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、及び置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基が挙げられ、特に好ましい基としては水素原子及びハロゲン原子が挙げられる。nは1であることが好ましく、置換位置はインドール環の5位であることが好ましい。ハロゲン原子としてはBr又はClが好ましい。R4として特に好ましい基は、水素原子、或いはインドール環の5位に結合したBr又はClである。
【0039】
R5として好ましいものとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよいアラルキル基が挙げられ、特に好ましい基としては無置換のアルキル基が挙げられる。無置換のアルキル基は炭素数1〜10のものが好ましい。R5として特に好ましい基はメチル基である。
【0040】
本発明の化合物又はその塩は、水との水和物や、低級アルコール等との溶媒和物の形態であってよい。本発明に係る化合物又はその塩の範囲内には、それらの水和物又は溶媒和物の形態も包含される。
【0041】
本発明の化合物の医薬として許容されうる塩としては、酸部位を有する化合物については無機塩基又は有機塩基との塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、リジン塩、アルギニン塩、キノリン塩、ピリジン塩等の脂肪族又は複素環芳香族アミン塩、テトラメチルアンモニウム塩等の四級アンモニウム塩など、あるいは塩基部位を有する化合物については、無機酸又は有機酸との塩、例えば塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸、乳酸塩、サリチル酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸、アスコルビン酸塩等が挙げられる。
【0042】
本発明の化合物は実施例に記載の方法に基づいて製造することが可能である。
【0043】
一般式(1)においてXがヒドロキシル基である化合物は、
式:
【化2】

(式中、R1〜R5及びnは一般式(1)について定義したとおりである)
で表される3-アミノ-2-インドリルマレイミド誘導体を水素化試薬と反応させて、前記誘導体中の4位のカルボニル基を選択的に-OH基に還元する工程を含む方法により製造することができる。水素化試薬としては、LiAlH4等が使用できる。本工程はTHF中で行うことが好ましい。出発物質となる3-アミノ-2-インドリルマレイミド誘導体は、公知の化合物であり、例えば Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3114-3117記載の方法により調製することが可能である。
【0044】
一般式(1)においてXが置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基である化合物は、上記方法により得られた2-インドリル-3-アミノ-4-ヒドロキシブチロラクタム誘導体と R6-SH (式中R6は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す) で表されるチオール化合物とを10-カンファースルホン酸の存在下で反応させて、前記誘導体中の4位の-OH基を-SR6基に置換する工程を含む方法により製造することができる。本工程はジクロロメタン中で行うことが好ましい。
【0045】
一般式(1)においてXが置換基を有していてもよいアルコキシル基、又は置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基である化合物は、上記方法により得られた3-アミノ-4-ヒドロキシ-2-インドリルブチロラクタム誘導体と R7-OH (式中R7は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す) で表されるアルコール化合物とを10-カンファースルホン酸の存在下で反応させて、前記誘導体中の4位の-OH基を-OR7基に置換する工程を含む方法により製造することができる。本工程では適宜有機溶媒を選択して用いることができ、R7-OHが液体の場合にはR7-OHを溶媒として本工程を行うことが好ましい。
【0046】
一般式(1)においてXが水素原子である化合物は、上記方法で得られた、一般式(1)においてXが-SR6基(式中R6は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)である化合物と水素を反応させて前記化合物中の-SR6基を-Hに還元する工程を含む方法により製造することができる。本工程はラネーニッケル触媒の存在下で行うことが好ましい。本工程はエタノール中で行うことが好ましい。
【0047】
一般式(1)においてXが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である化合物は、上記方法で得られた、一般式(1)においてXが-OR7基(式中R7は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)である化合物と(R8)3Al (式中R8は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す) で表される有機アルミニウム化合物とを反応させて、前記誘導体中の-OR7基を-R8基に置換する方法により製造することができる。本工程に使用する有機アルミニウム化合物としては例えばトリメチルアルミニウムが挙げられる。本工程はジクロロメタン中で行うことが好ましい。
【0048】
一般式(I)においてXが置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、又は置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基である化合物は、上記方法で得られた、一般式(1)においてXが-SR6基である化合物を酸化することにより得ることができる。-SR6基を酸化して対応する-S(=O)2R6基(スルホニル基)に変換する方法としては当業者に公知の方法が採用できる。また、-SR6基を酸化して対応する-S(=O)R6基(スルフィニル基)に変換する方法についても同様に当業者に公知の方法が採用できる。
【0049】
一般式(I)においてXがシアノ基である化合物は、上記方法で得られた、一般式(1)においてXがヒドロキシル基である化合物において、当該ヒドロキシル基を当業者に公知の方法でシアノ基に置換することにより得ることができる。
【0050】
一般式(I)においてXが置換基を有していてもよいアミノ基である化合物は、上記方法で得られた、一般式(1)においてXがヒドロキシル基である化合物において、当該ヒドロキシル基を当業者に公知の方法で所望のアミノ基に置換することにより得ることができる。
【0051】
一般式(I)においてXがハロゲン原子である化合物は、上記方法で得られた、一般式(1)においてXがヒドロキシル基である化合物において、当該ヒドロキシル基を当業者に公知の方法で所望のハロゲン原子に置換することにより得ることができる。
【0052】
本発明の化合物は高い細胞死抑制活性を有する。本発明の化合物が抑制することができる細胞死としては、典型的には酸化ストレスにより誘導される細胞死が挙げられる。背景技術の欄で述べたとおり、酸化的ストレスによる細胞死が関与する疾患としては、脳虚血や虚血性心疾患をはじめとする虚血再還流障害、アルツハイマー病などの神経変性疾患が知られている。そして、in vitroで酸化的ストレス(過酸化水素や一酸化窒素など)により誘導される細胞死を抑制する化合物が、in vivoでも脳や心臓での虚血再還流障害を抑制することや、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患モデルで治療効果を示すことが報告されている。そのため、酸化的ストレスにより誘導される細胞死を抑制する本化合物は、これら疾患の予防又は治療薬として有効であると言える。また、本発明の化合物は、臓器、組織及び細胞の保存剤としても有効である。
【0053】
本発明は、有効量の本発明の化合物を、細胞死(特に、酸化的ストレスにより誘導される細胞死)がその進行増悪に関わっている種々の疾患又は症状の予防又は治療を必要とする、ヒト等の哺乳動物に投与することにより、前記疾患又は症状を予防又は治療する方法に関する。本発明によれば、アルツハイマー病、脊髄性筋萎縮症 (spinal muscular artophy, SMA)、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、網膜色素変性症、緑内障、小脳変性などの神経変性疾患を、神経細胞死を抑制することにより予防又は治療することが可能である。本発明によれば、脳虚血又はその後の遅発性神経細胞死 (DND)を、神経細胞死を抑制することにより予防又は治療することが可能である。本発明によれば、虚血性心疾患を、心筋細胞の死を抑制することにより予防又は治療することが可能である。本発明によれば、肝臓、腎臓などの各種臓器における虚血再還流障害を、酸化的ストレスによる細胞死を抑制することにより予防又は治療することが可能である。本発明によれば、臓器、組織又は細胞の保存時における機能不全を予防することが可能である。
【0054】
本発明に係る化合物を医薬として使用する際の投与形態としては各種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤若しくは液剤等の経口剤、注射剤、直腸投与剤、皮膚外用剤、吸入剤などの非経口投与剤等が挙げられる。
【0055】
固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできるが、適当な添加物を使用して製造することもできる。そのような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖等の糖類、澱粉類、例えばステアリン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウム等の無機塩、例えばポリビニルピロリドン若しくはポリアルキレングリコールなどの合成高分子、例えばステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、例えばステアリルアルコール若しくはベンジルアルコール等のアルコール類、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添加物が挙げられる。
【0056】
液状製剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナッツ油若しくはゴマ油等の植物由来の油等液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁液、シロップ剤若しくは注射剤等の形態として製造される。
【0057】
特に、注射剤として投与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム等の水溶液)、電解質溶液等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。これらの注射剤は予め溶解したものの他、粉末のまま或いは適当な添加物を加えたものを用時溶解する形態もとりうる。
【0058】
直腸投与剤を製造するには、活性成分及びカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコールなどの坐剤用基剤とを加温して溶融し型に流し込んで冷却するか、活性成分をポリエチレングリコール、大豆油などに溶解した後ゼラチン膜で被覆すればよい。
【0059】
皮膚外用剤を製造するには、活性成分をワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコールなどに加えて、必要ならば加温して練合し軟膏剤とするか、ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体などの粘着剤と練合した後、ポリエチレンなどの不織布に展延してテープ剤とする。
【0060】
吸入剤を製造するには、活性成分をフロンガスなどの噴射剤に溶解又は分散して耐圧容器に充填しエアロゾール剤とする。
【0061】
本発明の化合物の実際に好ましい投与量は、配合された組成物の種類、適用頻度及び治療すべき疾病、さらに患者の年齢、体重、病態によって異なるが、通常1日約1〜1000mg、好ましくは5〜500mgであり、1回ないし数回にわけて投与することが望ましい。
【0062】
本明細書における「臓器」としてはあらゆる臓器が包含され、例えば心臓、肺、肝臓、腎臓、すい臓、腸などがあげられる。
【0063】
本明細書における「組織」としてはあらゆる組織が包含され、例えば皮膚、角膜、骨髄、血管、骨などがあげられる。
【0064】
本明細書において、移植による細胞の機能維持若しくはその保存への効果が期待される細胞としてはすべての細胞(正常な各種細胞、不死化した株化細胞、癌化した細胞や、治療あるいは研究目的で遺伝子工学的に修飾した細胞など)が挙げられ、例えば血球系細胞、膵ランゲルハンス島細胞、上皮系細胞、神経系細胞、胎児幹細胞などがあげられる。
【0065】
また、本発明に係る化合物を臓器、組織、又は細胞の保存剤として使用する際の投与形態としては各種の形態を選択でき、例えば適当な塩類や栄養素などを含む培養液や保存液に本化合物若しくはその医薬として許容されうる塩を添加することができるほか、臓器移植の場合は臓器摘出前のドナーに体内灌流、静脈内投与などで投与することもできる。
【0066】
本発明の化合物又はその塩は、細胞死(特に酸化的ストレスにより誘導される細胞死)に関わる生物学的な試験研究のための試薬としても用いることができる。この用途では、本発明の化合物又はその塩は、他の試薬、緩衝液等の試験研究に必要な要素とともにキットとして提供されてもよい。
【0067】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。
【実施例】
【0068】
本実施例では式(1)で表される化合物群を合成した。
【0069】
1H NMR及び13C NMRスペクトルは日本分光社製のJEOL AL-400, AL-300及びAL-270を用いて測定した。化学シフト値はppmで表した。質量スペクトルは(FAB-MS (Pos.))はJEOL MStation JMS-700を用いて測定した。
【0070】
なお本実施例において、不斉炭素を有する化合物は特に言及しない限りラセミ混合物を意味する。
【0071】
製造反応1
5-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-5)の合成
【0072】
【化3】

【0073】
公知の方法(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3114-3117)に従って合成したIM-54 (51.0 mg, 0.191 mmol)をTHF (2 mL) に溶解し、氷冷下水素化リチウムアルミニウム (72 mg, 1.91 mmol)を加えた。5分攪拌後、飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた固体を酢酸エチルで洗浄することによりIHL-5 (55.4 mg, 88%) が白色固体として得られた。
分子量:327.42
分子式:C19H25N3O2
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) : δ0.75 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.89-1.20 (m, 4H), 1.21-1.50 (m, 2H), 2.93 (s, 3H), 3.10 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.50-4.74 (br, 1H), 5.24 (s, 1H), 5.87-5.95 (br, 1H), 7.03 (dd, J = 7.3 and 7.6 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.16 (dd, J = 7.3 and 7.8 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CD3OD) : δ 14.29, 23.22, 26.54, 29.85, 31.35, 32.86, 44.84, 82.98, 92.45, 106.5, 110.2, 120.0, 121.1, 122.5, 130.0, 130.2, 138.2, 160.1, 175.6.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 327 (M+)。
【0074】
IHL誘導体
IHL-5と同様の方法で、対応するインドリルマレイミド誘導体から合成した。
【0075】
【化4】

【0076】
4-(ベンジルアミノ)-5-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-1)
収率:99%
分子量:347.41
分子式:C21H21N3O2
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 2.88 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 4.20-4.70 (br, 1H), 4.34 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.91 (br s, 1H), 5.18 (s, 1H), 7.05 (dd, J = 7.6 and 7.6 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.12-7.18 (m, 2H), 7.21 (dd, J = 7.6 and 7.6 Hz, 1H), 7.24-7.35 (m, 4H), 7.49 (d, J = 7.6 Hz, 1H).
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 26.53, 32.81, 48.03, 81.76, 95.19, 104.5, 109.3, 119.1, 120.1, 121.3, 127.2, 127.2 (2C), 127.3 (2C), 128.4, 128.7, 136.4, 138.6, 155.7, 172.3.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 347 (M+)。
【0077】
4-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-5-ヒドロキシ-1-イソプロピル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-2)
収率:88%
分子量:370.49
分子式:C21H30N4O2
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 1.33 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.37 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.46-1.66 (m, 2H), 2.05-2.27 (m, 7H, involving singlet at 2.14), 3.20-3.53 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.32 (qq, J = 6.8 and 6.8 Hz, 1H), 4.72 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.51 (s, 1H), 7.09 (dd, J = 7.6 and 7.8 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 7.6 and 8.0 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 370 (M+)。
【0078】
4-(シクロペンチルアミノ)-5-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-3)
収率:92%
分子量:325.40
分子式:C19H23N3O2
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) : δ 1.31-1.95 (m, 8H), 2.97 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.98 (quintet, J = 6.0 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 7.06 (dd, J = 7.6 and 8.0 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.19 (dd, J = 7.6 and 8.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.0 Hz, 1H).
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 325 (M+)。
【0079】
4-(ベンジルアミノ)-3-(5-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-4)
収率:90%
分子量:426.31
分子式:C21H20BrN3O2
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) : δ 2.96 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 4.30 (dd, J = 6.2 and 15.4 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 6.2 and 15.4 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 6.63 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 7.06 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.13-7.36 (m, 5H), 7.57 (d, J = 1.5 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CD3OD) : δ 26.47, 32.99, 48.14, 83.10, 92.87, 105.92, 111.98, 113.40, 123.64, 125.10, 127.76 (2C), 127.88, 129.35 (2C), 131.79, 131.94, 136.73, 140.62, 160.08, 175.23.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 425 (M+)。
【0080】
4-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-5-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-6)
収率:89%
分子量:342.44
分子式:C19H26N4O2
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 1.40-1.68 (m, 2H), 2.11 (s, 6H), 2.18 (ddd, J = 5.6, 5.8 and 12.3 Hz, 1H), 2.40 (ddd, J = 6.0, 8.4 and 12.3 Hz, 1H), 2.97 (s, 3H), 3.17-3.33 (m, 1H), 3.34-3.51 (m, 1H), 3.78 (s, 3H), 4.80 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.25 (s, 1H), 7.07 (dd, J = 7.7 and 7.9 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 7.9 and 8.2 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.30 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 26.47, 27.30, 32.91, 42.27 44.64 (2C), 56.09, 81.34, 95.63, 104.96, 109.29, 118.99, 120.04, 121.25, 127.11, 128.43, 136.54, 156.26, 171.49.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 342 (M+)。
【0081】
4-(ベンジルアミノ)-3-(5-クロロ-1-メチル-1H-インドール-3-イル)5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-7)
収率:88%
分子量:381.86
分子式:C21H20ClN3O2
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 2.91 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 4.37 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.83 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.20 (s, 1H), 7.03-7.45 (m, 8H), 7.57 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 26.66, 33.06, 48.16, 81.94, 94.71, 104.26, 110.41, 119.43, 121.70, 124.94, 127.24 (4C), 127.44, 128.61, 130.02, 134.85, 138.27, 155.75, 171.99.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 381 (M+)。
【0082】
1-ベンジル-5-ヒドロキシ-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-8)
収率:100%
分子量:403.52
分子式:C25H29N3O2
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.80 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.05-1.48 (m, 6H), 3.13 (dddd, J = 6.0, 6.3, 6.3 and 12.3 Hz, 1H), 3.23 (dddd, J = 6.0, 6.3, 6.3 and 12.3 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 4.07 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.53 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.97 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 5.17 (s, 1H), 7.04 (dd, J = 7.5 and 7.8 Hz, 1H), 7.12-7.29 (m, 7H), 7.32 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.5 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.83, 22.21, 28.74, 30.40, 32.77, 42.60, 44.22, 79.04, 93.97, 104.77, 109.46, 119.10, 120.23, 121.37, 126.71, 127.00, 128.15 (2C), 128.43 (2C), 128.72, 136.64, 138.09, 156.56, 172.19.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 403 (M+)。
【0083】
5-ヒドロキシ-1-イソプロピル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IHL-9)
収率:68%
分子量:355.47
分子式:C21H29N3O2
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.84 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.08-1.25 (m, 4H), 1.26 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.31 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.35-1.48 (m, 2H), 3.15 (dddd, J = 6.0, 6.8, 6.8 and 12.9 Hz, 1H), 3.26 (dddd, J = 6.0, 6.8, 6.8 and 12.9 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 4.30 (qq, J = 6.9 and 6.9 Hz, 1H), 4.53 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 7.07 (dd, J = 7.8 and 8.1 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.20 (dd, J = 7.8 and 8.1 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.89, 20.04, 22.23 (2C), 28.75, 30.44, 32.73, 43.13, 44.14, 78.84, 94.42, 104.81, 109.36, 118.98, 120.12, 121.31, 127.14, 128.70, 136.60, 156.07, 171.99.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 355 (M+)。
【0084】
製造反応2
1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-5)の合成
【0085】
【化5】

【0086】
IHL-5(62.0 mg, 0.156 mmol)をジクロロメタン(0.75 mL)に溶解し、室温で1-プロパンチオール(21 μL, 0.235 mmol) 及び10-カンファースルホン酸 (4 mg, 0.016 mmol)を加えた。1時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル = 2 / 1)で精製することによりISL-5 (55.6 mg, 92%)が淡黄色油状化合物として得られた。
分子量:385.57
分子式:C22H31N3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.83 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.97 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.10-1.28 (m, 4H), 1.43 (tt, J = 7.0 and 7.0 Hz, 2H), 1.60 (tq, J = 7.3 and 7.3 Hz, 2H), 2.31 (td, J = 7.3 and 12.1 Hz, 1H), 2.40 (td, J = 7.3 and 12.1 Hz, 1H), 3.02 (s, 3H), 3.12 (dtd, J = 6.3, 7.0 and 13.0 Hz, 1H), 3.34 (dtd, J = 6.3, 7.0 and 13.0 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 4.50 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 7.10 (ddd, J = 1.1, 7.0 and 7.5 Hz, 1H), 7.21 (ddd, J = 1.1, 7.0 and 7.5 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.32 (dd, J = 1.1 and 7.5 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 1.1 and 7.5 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.71, 13.84, 22.19, 22.64, 26.60, 27.79, 28.71, 30.20, 32.82, 44.17, 64.06, 97.32, 105.07, 109.37, 119.12, 120.01, 121.26, 127.57, 128.71, 136.63, 154.49, 171.72.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 385 (M+)。
【0087】
ISL誘導体
ISL-5と同様の方法で対応するIHL誘導体から合成した。
【0088】
【化6】

【0089】
4-(ベンジルアミノ)-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-(フェニルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-1)
収率:86%
分子量:439.57
分子式:C27H25N3OS
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 3.16 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 4.48 (br s, 2H), 4.76 (br s, 1H), 5.07 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.91-7.05 (m, 2H), 7.06-7.35 (m, 10H), 7.40-7.50 (m, 2H).
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 27.04, 32.84, 48.20, 67.20, 99.31, 104.40, 109.09, 118.82, 120.17, 121.22, 127.21 (2C), 127.34, 127.42, 128.00, 128.46, 128.58 (2C), 128.80 (2C), 129.22, 135.26 (2C), 136.34, 138.43, 152.93, 171.26.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 439 (M+)。
【0090】
4-(ベンジルアミノ)-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-2)
収率:95%
分子量:405.56
分子式:C24H27N3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.96 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.59 (tq, J = 7.0 and 7.3 Hz, 2H), 2.30 (td, J = 7.0 and 12.1 Hz, 1H), 2.37 (td, J = 7.0 and 12.1 Hz, 1H), 3.00 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.37 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 4.86 (s, 1H), 7.00-7.35 (m, 9H), 7.49 (d, J = 7.5 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.75, 22.64, 26.65, 27.80, 32.85, 48.06, 64.24, 98.77, 104.79, 109.41, 119.30, 120.05, 121.46, 127.31 (2C), 127.46, 127.79, 128.59 (2C), 128.93, 136.62, 138.65, 153.81, 171.61
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 405 (M+)。
【0091】
4-(ベンジルアミノ)-3-(5-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-3)
収率:85%
分子量:484.45
分子式:C24H26BrN3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 1.00 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.61 (tq, J = 7.0 and 7.3 Hz, 2H), 2.30 (td, J = 7.0 and 12.5 Hz, 1H), 2.37 (td, J = 7.0 and 12.5 Hz, 1H), 3.02 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.33 (d, J = 14.7 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 14.7 Hz, 1H), 4.88 (br s, 1H), 7.10-7.20 (m, 4H), 7.21-7.36 (m, 4H), 7.64 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.80, 22.72, 26.73, 27.87, 33.06, 48.16, 64.51, 97.84, 104.62, 110.95, 112.79, 122.58, 124.40, 127.38 (2C), 127.59, 128.72 (2C), 129.69, 130.18, 135.29, 138.40, 154.24, 171.50.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 484 (M+)。
【0092】
4-(シクロペンチルアミノ)-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-4)
収率:99%
分子量:383.55
分子式:C22H29N3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.97 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.19-2.01 (m, 10H), 2.31 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 2.38 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 3.03 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 4.10-4.15 (br, 1H), 4.48 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 7.5 and 7.8 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 7.5 and 8.1 Hz, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.75, 22.62, 23.54, 23.78, 26.63, 27.77, 32.84, 34.18, 34.35, 55.18, 64.15, 97.41, 105.09, 109.40, 119.08, 120.05, 121.32, 127.48, 128.73, 136.65, 153.75, 171.70.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 383 (M+)。
【0093】
4-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-6)
収率:84%
分子量:400.58
分子式:C22H32N4OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.97 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.56 (tt, J = 6.6 and 6.6 Hz, 1H), 1.61 (tq, J = 7.0 and 7.3 Hz, 2H), 2.17 (td, J = 6.6 and 12.1 Hz, 1H), 2.27 (td, J = 6.6 and 12.1 Hz, 1H), 2.32 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 2.41 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 3.02 (s, 3H), 3.18 (dtd, J = 6.0, 6.6 and 12.5 Hz, 1H), 3.42 (dtd, J = 6.0, 6.6 and 12.5 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 4.91 (s, 1H), 5.64 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.11 (ddd, J = 1.1, 7.0 and 7.8 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.20 (ddd, J = 1.1, 7.0 and 8.1 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.80, 22.75, 26.65, 27.36, 27.86, 32.82, 32.87, 43.75, 45.14, 57.81, 64.03, 96.90, 105.36, 109.24, 119.09, 120.28, 121.32, 127.82, 128.63, 136.65, 155.08, 171.94
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 400 (M+)。
【0094】
4-(ベンジルアミノ)-3-(5-クロロ-1-メチル-1H-インドール-3-イル)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-7)
収率:98%
分子量:440.00
分子式:C24H26ClN3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.99 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.61 (tq, J = 7.0 and 7.3 Hz, 2H), 2.30 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 2.37 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.33 (dd, J = 5.9 and 14.7 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 6.3 and 14.7 Hz, 1H), 4.83 (dd, J = 5.9 and 6.3 Hz, 1H), 4.87 (s, 1H), 5.64 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.05-7.36 (m, 8H), 7.47 (d, J = 1.1 Hz, 1H)..
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.80, 22.68, 26.69, 27.83, 33.08, 48.12, 64.51, 97.85, 104.67, 110.48, 119.46, 121.83, 125.18, 127.33 (2C), 127.55, 128.67 (2C), 129.01, 130.31, 135.01, 138.43, 154.18, 171.51.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 439 (M+)。
【0095】
1-ベンジル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-8)
収率:94%
分子量:461.66
分子式:C28H35N3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.78 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.95 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.04-1.47 (m, 6H), 1.58 (tq, J = 7.0 and 7.3 Hz, 2H), 2.30 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 2.38 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 3.02 (dtd, J = 6.0, 6.6 and 12.3 Hz, 1H), 3.30 (dtd, J = 6.0, 6.6 and 12.3 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 4.21 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.47 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.77 (s, 1H), 5.23 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.11-7.39 (m, 8H), 7.44 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.76, 13.82, 22.18, 22.52, 27.76, 28.69, 30.14, 32.83, 42.58, 44.18, 61.28, 96.94, 104.97, 109.42, 119.16, 120.06, 121.41, 127.18, 127.49, 128.46 (2C), 128.55 (2C), 128.82, 136.67, 137.98, 154.88, 171.39.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 461 (M+)。
【0096】
1-イソプロピル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-5-(プロピルチオ)-1H-ピロール-2、5-ジオン(ISL-9)
収率:80%
分子量:413.62
分子式:C24H35N3OS
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.79 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.94 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.21-1.30 (m, 4H), 1.30-1.50 (m, 4H), 1.59 (tq, J = 7.0 and 7.3 Hz, 2H), 2.36 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 2.45 (td, J = 7.0 and 12.3 Hz, 1H), 3.06 (dtd, J = 6.0, 6.6 and 12.4 Hz, 1H), 3.28 (dtd, J = 6.0, 6.6 and 12.3 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 4.20 (qq, J = 7.0 and 7.0 Hz, 1H), 4.49 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.95 (s, 1H), 7.06 (ddd, J = 1.1, 7.0 and 7.8 Hz, 1H), 7.17 (ddd, J = 1.1, 7.0 and 8.1 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.27 (dd, J = 1.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 1.1 and 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.80, 13.84, 20.21, 21.23, 22.23, 22.50, 27.66, 28.76, 30.25, 32.79, 44.27, 44.61, 61.56, 97.98, 105.10, 109.32, 119.10, 120.13, 121.31, 127.76, 128.85, 136.61, 154.08, 171.85.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 413 (M+)。
【0097】
製造反応3
1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(ペンチルアミノ)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-3)の合成
【0098】
【化7】

【0099】
ISL-5(35.8 mg, 0.093 mmol)をエタノール (0.93 mL) に溶解し、室温で50%ラネーニッケル縣濁水溶液 (0.1 mL) を加えた後、水素気流下1時間攪拌した。不溶物をセライトろ過により除去し、ろ液を水で洗浄した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル = 2 / 1-1 / 1-1 / 2)で精製することによりIL-3 (25.0 mg, 87%)が淡黄色油状化合物として得られた。
分子量:311.42
分子式:C19H25N3O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.90 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.18-1.42 (m, 4H), 1.45-1.63 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 3.09 (dt, J = 6.0 and 7.3 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.98 (s, 2H), 4.51 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 7.0 and 7.8 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 7.0 and 8.1 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.89, 22.27, 28.90, 29.25, 30.20, 32.81, 44.16, 50.18, 96.28, 105.29, 109.47, 118.92, 119.97, 121.25, 126.39, 128.21, 136.74, 154.51, 173.27.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 311 (M+)。
【0100】
IL誘導体
IL-3と同様の方法で対応するISL誘導体から合成した。
【0101】
【化8】

【0102】
4-(ベンジルアミノ)-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-1)
収率:57%
分子量:331.41
分子式:C21H21N3O
1H-NMR (270 MHz, CDCl3) : δ 3.03 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.96 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 4.59-5.32 (br, 1H), 7.09 (ddd, J = 1.2, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.16-7.44 (m, 8H), 7.49 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (67.8 MHz, CDCl3) : δ 29.35, 32.94, 48.11, 50.29, 97.68, 105.02, 109.46, 119.02, 119.99, 121.29, 126.42, 126.82 (2C), 127.61, 128.30, 128.77 (2C), 136.69, 138.12, 153.99, 172.85.
FAB-MS (m-nitrobenzyl alcohol) m/z 331 (M+)。
【0103】
4-(シクロペンチルアミノ)-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-2)
収率:86%
分子量:309.41
分子式:C19H23N3O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 1.33-1.49 (m, 2H), 1.50-1.80 (m, 4H), 1.88-2.07 (m, 2H), 3.07 (s, 3H), 3.69 (ttd, J = 6.6, 6.6 and 8.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.03 (s, 2H), 4.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.22 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.33 (dd, J = 1.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 1.1 and 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 23.70 (2C), 29.29, 32.85, 34.23 (2C), 50.44, 55.60, 96.52, 105.31, 109.55, 118.94, 119.95, 121.26, 126.32, 128.27, 136.79, 153.88, 173.22.
FAB-MS m/z 309 (M+)。
【0104】
4-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-1-メチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-4)
収率:96%
分子量:326.44
分子式:C19H26N4O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 1.66 (tt, J = 6.3 and 6.6 Hz, 2H), 2.06 (s, 6H), 2.30 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.05 (s, 3H), 3.18 (dt, J = 6.0 and 6.3 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.98 (s, 2H), 5.32 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.08 (ddd, J = 1.2, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.20 (ddd, J = 1.2, 7.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.31 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 27.62, 29.26, 32.78, 43.15, 45.25, 45.28, 50.24, 50.45, 96.22, 105.57, 109.27, 118.88, 120.33, 121.19, 126.61, 127.99, 136.76, 154.87, 173.86.
FAB-MS m/z 326 (M+)。
【0105】
1-ベンジル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(3-(ペンチルアミノ)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-5)
収率:73%
分子量:387.52
分子式:C25H29N3O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 3H), 1.14-1.39 (m, 4H), 1.40-1.58 (m, 2H), 3.04 (dt, J = 6.3 and 6.9 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 4.56 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 4.70 (s, 1H), 7.12 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.24 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.25-7.40 (m, 1H), 7.52 (dd, J = 1.1 and 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.84, 22.26 (2C), 28.89, 30.11, 32.83, 44.17, 46.14, 47.64, 95.92, 105.23, 109.54, 118.98, 120.05, 121.32, 126.37, 127.19, 128.04 (2C), 128.31, 128.59 (2C), 136.81, 138.29, 173.03.
FAB-MS m/z 387 (M+)。
【0106】
1-イソプロピル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-(3-(ペンチルアミノ)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-6)
収率:94%
分子量:339.47
分子式:C21H29N3O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.24 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 1.29-1.40 (m, 4H), 1.41-1.60 (m, 2H), 3.14 (dt, J = 5.7 and 6.6 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.95 (s, 2H), 4.54 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.58 (qq, J = 5.7 and 6.6 Hz, 1H), 7.11 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.22 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.33 (dd, J = 1.1 and 8.1 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 1.1 and 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 13.91, 20.75, 22.31, 28.98, 30.21, 32.81, 32.87, 41.87, 43.22, 44.22, 96.79, 105.28, 109.49, 118.89, 120.08, 121.22, 126.39, 128.30, 136.78, 154.45, 172.34.
FAB-MS m/z 339 (M+)。
【0107】
4-(ベンジルアミノ)-3-(5-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-3-イル)1-メチル-1H-ピロール-2(5H)-オン(IL-7)
収率:37%
分子量:410.31
分子式:C21H20BrN3O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 3.02 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.97 (s, 2H), 4.32 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 4.87 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 7.22-7.44 (m, 7H), 7.70 (s, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 29.21, 33.16, 48.10, 50.24, 96.94, 104.85, 110.99, 112.48, 122.63, 124.21, 127.08 (2C), 127.80, 128.16, 128.97 (2C), 129.54, 135.44, 137.98, 154.31, 172.76.
FAB-MS m/z 410 (M+)。
【0108】
製造反応4
4-(ベンジルアミノ)-1、5-ジメチル-3-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2(5H)-オン(IML-1)の合成
【0109】
【化9】

【0110】
IHL-1(28.9 mg, 0.084 mmol)をエタノール (0.84 mL) に溶解し、室温で10-カンファースルホン酸(2 mg, 0.0084 mmol)を加えた。3時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄することにより化合物A (28.4 mg, 91%)が白色固体として得られた。
分子量:375.46
分子式:C23H25N3O2
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 2.96 (s, 3H), 3.49 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 4.41 (dd, J = 6.3 and 14.7 Hz, 1H), 4.51 (dd, J = 6.3 and 14.7 Hz, 1H), 4.85 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 5.36 (s, 1H), 7.09 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.15-7.39 (m, 8H), 7.47 (dd, J = 1.1 and 7.8 Hz, 1H)。
【0111】
化合物A(31.9 mg, 0.085 mmol)をジクロロメタン (0.85 mL) に溶解し、氷冷下1.02 Mトリメチルアルミニウム-ヘキサン溶液(0.17 mL, 0.17 mmol)を加えた。室温で2時間攪拌後、ジクロロエタン (1 mL) 及び1.02 Mトリメチルアルミニウム-ヘキサン溶液(1.7 mL, 1.7 mmol)を加え、60℃で12時間攪拌後、飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル = 1 / 4)及びゲル浸透クロマトグラフィーで精製することによりIML-1 (9.8 mg, 33%)が白色固体として得られた。
分子量:345.44
分子式:C22H23N3O
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 1.49 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 3.00 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 4.06 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.31 (s, 2H), 4.44-4.75 (m, 1H), 7.07 (ddd, J = 1.1, 7.1 and 7.8 Hz, 1H), 7.15-7.35 (m, 8H), 7.47 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
13C-NMR (75.5 MHz, CDCl3) : δ 17.74, 26.87, 32.87, 48.83, 55.84, 98.22, 105.00, 109.39, 119.12, 120.01, 121.36, 127.08 (2C), 127.25, 127.59, 128.72, 128.81 (2C), 136.72, 138.65, 159.33, 171.90.
FAB-MS m/z 345 (M+)
【0112】
試験例
ヒト白血病細胞HL60を用いて細胞死抑制活性及び細胞毒性を評価した(非特許文献3と同様にして行った)。
【0113】
試験例1(細胞死抑制活性試験)
5%の牛胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地で培養したHL60細胞を新しい培地で4x105cells/mlとなるように懸濁した後、96穴プレートに95.5μlずつ播種し、2時間培養した。ついでこれにDMSO(化合物無添加群)ないしは各化合物のDMSO溶液(終濃度0.5 μM)を0.5 μlずつ加え、さらに1時間培養した。その後、各ウェルに過酸化水素水を培地で希釈したものを4 μlずつ、終濃度100 μMとなるように加え、細胞死を誘導した。この際、化合物無添加群のうち細胞死を誘導しないもの(コントロール群)には水を培地で薄めたものを加えた。3時間培養した後に、生細胞数指示薬としてalamarBlue (商標)(Biosource社)を10 μlずつ添加し、添加直後と37℃の5%CO2インキュベーター内で3〜4時間静置した後の蛍光[励起波長(Ex.):560 nm, 放射波長(Em.):590 nm]をSpectra Max Gemini XS(Molecular Devices社)で測定し、その変動値を求めた。その上で、コントロール群の蛍光変動値を100%とした時の各群の蛍光変動値の相対値を算出し、これを細胞生存率とした。この際細胞死抑制活性は、過酸化水素処理した群の中で化合物無添加と化合物添加群の細胞生存率の差を指標とする。結果を表1に示す。
細胞生存率(%)=(各群の蛍光変動値/コントロール群の蛍光変動値)x 100
細胞死抑制活性(%)=(化合物添加・過酸化水素処理群の細胞生存率)-(化合物無添加・過酸化水素処理群の細胞生存率)
【0114】
試験例2(細胞毒性試験)
5%の牛胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地で培養したHL60細胞を新しい培地で3x105cells/mlとなるように懸濁した後、96穴プレートに99.5 μlずつ播種し、2時間培養した。ついでこれにDMSO(化合物無添加群)ないしは各化合物のDMSO溶液(終濃度30 μM)を0.5 μlずつ加え、さらに16時間培養した。その後、各ウェルに生細胞数指示薬としてalamarBlue (商標)(Biosource社)を10 μlずつ添加し、添加直後と37℃の5%CO2インキュベーター内で2〜3時間静置した後の蛍光[励起波長(Ex.):560 nm, 放射波長(Em.):590 nm]をSpectra Max Gemini XS(Molecular Devices社)で測定し、その変動値を求めた。その上で、化合物無添加群の蛍光変動値を100%とした時の化合物添加群の蛍光変動値の相対値を算出した。 これをもとに細胞毒性を求めた。結果を以下の表2に示す。
細胞毒性(%)= 100 - (化合物添加時の蛍光変動値/化合物無添加群の蛍光変動値) x 100
【0115】
【表1】

【0116】
【化10】

【0117】
試験例3(細胞死抑制活性の濃度依存性)
5%の牛胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地で培養したHL60細胞を新しい培地で4x105cells/mlとなるように懸濁した後、96穴プレートに99.5 μlずつ播種し、2時間培養した。ついでこれにDMSO(化合物無添加群)ないしは各化合物のDMSO溶液を0.5 μlずつ加え、さらに1時間培養した。その後、各ウェルに過酸化水素水を培地で希釈したものを4 μlずつ、終濃度100 μMとなるように培地で希釈したものを加え、細胞死を誘導した。この際、化合物無添加群のうち細胞死を誘導しないもの(コントロール群)には水を培地で薄めたものを加えた。3時間培養した後に、生細胞数指示薬としてalamarBlue (商標)(Biosource社)を10 μlずつ添加し、添加直後と37℃の5%CO2インキュベーター内で3〜4時間静置した後の蛍光[励起波長(Ex.):560 nm, 放射波長(Em.):590 nm]をSpectra Max Gemini XS(Molecular Devices社)で測定し、その変動値を求めた。その上で、コントロール群の蛍光変動値を100%とした時の各群の蛍光変動値の相対値を算出し、これを細胞生存率とした。この際細胞死抑制活性は、過酸化水素処理した群の中で化合物無添加と化合物添加群の細胞生存率の差を指標とする。結果を表2及び図1に示す。
細胞生存率(%)=(各群の蛍光変動値/コントロール群の蛍光変動値)x 100
細胞死抑制活性(%)=(化合物添加・過酸化水素処理群の細胞生存率)-(化合物無添加・過酸化水素処理群の細胞生存率)
【0118】
【表2】

【0119】
図1では公知の化合物IM-54に対して、同様の置換基(アミノペンチル基)を有し母核の異なる誘導体の活性を比較した。その結果、より低い濃度で高い活性を示すことがわかり、本発明で開発された新規骨格が活性向上に大きく貢献していることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は、本発明の化合物及び従来公知の化合物のHL60細胞への添加濃度と、細胞生存率との関係を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

(式中、
Xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、チオール基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基、シアノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はハロゲン原子を表し、
R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はヒドロキシル基を表し、
R2及びR3は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はヒドロキシル基を表し、
又はR2及びR3は、それらが結合する窒素原子と一体になって、更なるヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有していてもよい、飽和若しくは不飽和の環構造を形成していてもよく、
R4はインドール環の位置番号で2, 4, 5, 6又は7位あるいはその複数の位置についた基を表し、nは1〜5の数であり、nが2以上である場合はR4の種類は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキシスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、
R5は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はヒドロキシル基を表す)
で表される3-アミノ-2-インドリルブチロラクタム誘導体又はその塩。
【請求項2】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する細胞死抑制剤。
【請求項3】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する、アルツハイマー病、脊髄性筋萎縮症 (spinal muscular artophy, SMA)、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病、網膜色素変性症、緑内障、及び小脳変性からなる群から選択される神経変性疾患の予防又は治療薬。
【請求項4】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する、脳虚血又はその後の遅発性神経細胞死 (DND)の予防又は治療薬。
【請求項5】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する、虚血性心疾患の予防又は治療薬。
【請求項6】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する、臓器における虚血再還流障害の予防又は治療薬。
【請求項7】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する、臓器、組織及び細胞の保存剤。
【請求項8】
請求項1記載の化合物又は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項9】
請求項1記載の化合物又はその塩を含有する生物学的研究試薬。
【請求項10】
請求項1記載の一般式(1)においてXがヒドロキシル基である化合物の製造方法であって、
式:
【化2】

(式中、R1〜R5及びnは一般式(1)について定義したとおりである)
で表される3-アミノ-2-インドリルマレイミド誘導体を水素化試薬と反応させて、前記誘導体中の4位のカルボニル基を-OH基に還元する工程を含む前記方法。
【請求項11】
請求項1記載の一般式(1)においてXが置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルチオ基である化合物の製造方法であって、
請求項10記載の方法により得られた3-アミノ-4-ヒドロキシ-2-インドリルブチロラクタム誘導体と R6-SH (式中R6は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す) で表されるチオール化合物とを10-カンファースルホン酸の存在下で反応させて、前記誘導体中の4位の-OH基を-SR6基に置換する工程を含む前記方法。
【請求項12】
請求項1記載の一般式(1)においてXが置換基を有していてもよいアルコキシル基、又は置換基を有していてもよいアルケニル、アルキニル、アリール若しくはアラルキルオキシ基である化合物の製造方法であって、
請求項10記載の方法により得られた3-アミノ-4-ヒドロキシ-2-インドリルブチロラクタム誘導体と R7-OH (式中R7は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す) で表されるアルコール化合物とを10-カンファースルホン酸の存在下で反応させて、前記誘導体中の4位の-OH基を-OR7基に置換する工程を含む前記方法。
【請求項13】
請求項1記載の一般式(1)においてXが水素原子である化合物の製造方法であって、
請求項11記載の方法により得られた、請求項1記載の一般式(1)においてXが-SR6基(式中R6は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)である化合物と水素を反応させて前記化合物中の-SR6基を-Hに還元する工程を含む、前記方法。
【請求項14】
請求項1記載の一般式(1)においてXが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である化合物の製造方法であって、
請求項12記載の方法により得られた、請求項1記載の一般式(1)においてXが-OR7基(式中R7は置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)である化合物と(R8)3Al (式中R8は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す) で表される有機アルミニウム化合物とを反応させて、前記誘導体中の-OR7基を-R8基に置換する工程とを含む、前記方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−208086(P2008−208086A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47932(P2007−47932)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】