説明

3,3−二置換オキシインドールおよびチオ−オキシインドールを調製する方法

オキシインドールおよびチオ−オキシインドール化合物を調製する方法が提供され、こうした化合物は、有用な医薬品の前駆体として有用である。具体的には、5−ピロール−3,3−オキシインドール化合物および5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを調製する方法が提供される。また、イミノベンゾ[b]チオフェンおよびベンゾ[b]チオフェノン化合物を調製する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシインドールおよびチオ−オキシインドール化合物、特に、5−ピロール−3,3−オキシインドールを調製する方法に関するもので、こうした化合物は、多様な医薬品の前駆体として有用である。
【0002】
発明の背景
医薬品を含めた多くの有用な化合物の合成経路は、一般的に多くの工程を伴う。しかし、所望の生成物の合成経路における多くの工程の存在により、精製段階前であっても生成物の収率が低くなる結果となりやすい。
当技術分野における多くの有用な化合物が、オキシインドール骨格、特に3,3−二置換オキシインドール骨格を有する。特に興味深いのが、3,3−二置換オキシインドールの骨格を含有する5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルである。実際、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルに至る現在の経路は少なくとも6工程を含み、全収率は6%である。
【0003】
当技術分野において必要とされるのは、3,3−二置換オキシインドール化合物を調製する代替方法、および該化合物の調製において利用される中間体である。
【0004】
発明の概要
一つの局面において、オキシインドール化合物、および望ましくは、3,3−二置換オキシインドール化合物を調製する方法が提供される。
【0005】
別の局面において、5−ピロール−3,3−オキシインドール化合物を調製する方法が提供される。
【0006】
更なる局面において、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを調製する方法が提供される。
【0007】
更に別の局面において、チオ−オキシインドール化合物、および望ましくは、3,3−二置換チオ−オキシインドール化合物を調製する方法が提供される。
更なる局面において、イミノベンゾ[b]チオフェン化合物を調製する方法が提供される。
【0008】
更に別の局面において、ベンゾ[b]チオフェノン化合物を調製する方法が提供される。
【0009】
なお更なる局面において、以下の構造の化合物:
【化45】

を調製する方法が提供される。
【0010】
別の局面において、以下の構造の化合物:
【化46】

を選択的に調製する方法が提供される。
【0011】
なお更なる局面において、2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(3−クロロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(3−クロロピリジン−2−イル)イソブチルアミド;1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミド;またはそれらの薬学的に許容可能な塩が提供される。
【0012】
本発明のその他の局面および利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかとなろう。
【0013】
発明の詳細な説明
オキシインドール化合物、および特に3,3−オキシインドール化合物への新たな経路が提供される。利点として、3工程を用いるオキシインドール化合物へのより短い経路もまた提供される。本方法には、フルオロアレーンを二級ニトリルで置換されたアレーンに変換する工程と;ニトリル置換基をアミドに変換する工程と;アミドを環化してオキシインドール化合物とする工程と;が含まれる。
【0014】
好適には、本方法において調製されるオキシインドールは、以下の構造を有するもの:
【化47】

ここで、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COOR5、CON(R52、およびSO2N(R52の中から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11の中から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルの中から選択され;
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5の中らから選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11の中から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
8はH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールの中から選択されるか;あるいは、
8はR4と融合されて、
(v)5〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(vi)5〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11の中から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)〜(vi)のうちのいずれかが、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであり;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNの中から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しているもの;であるか、
またはその薬学的に許容可能な塩である。一つの例において、GはNである。別の例において、EおよびGはNである。更なる例において、DおよびGはNである。更に別の例において、AおよびGはNである。なお更なる例において、R8はHである。なお別の例において、R8はシクロヘキサンである。更なる例において、R6およびR7は融合されてアダマンタン環を形成する。
【0015】
一つの実施形態において、以下の構造のオキシインドール:
【化48】

が調製され、ここで、R1〜R4およびR6〜R8は上記に定義された通りである。
【0016】
別の実施形態において、以下のオキシインドールが調製される:
【化49】

【0017】
更なる実施形態において、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルが調製される。
【0018】
なお別の実施形態において、以下のオキシインドールが調製される:
【化50】

【0019】
なお更なる実施形態において、以下のオキシインドール化合物が調製されるが、これらは米国特許出願公開公報US2005−0222148−A1の化合物によってカバーされており、引用することによって本明細書の一部となす:
【化51】

【0020】
なお別の実施形態において、以下のオキシインドール化合物が調製されるが、これは米国特許出願公開公報US2006−0030717−A1に記載されており、引用することによって本明細書の一部となす:
【化52】

【0021】
このオキシインドール化合物は、以下の中間体を使用して調製される:
【化53】

【0022】
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、直鎖、および分鎖の飽和脂肪族炭化水素基であって、1〜約10個の炭素原子を有し、望ましくは1〜約8個の炭素原子を有し、より望ましくは1〜約6個の炭素原子を有するものを言う。本明細書で使用される用語「アルケニル」とは、直鎖、および分鎖のアルキル基であって、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、約2〜10個の炭素原子を含有するものを言う。望ましくは、用語「アルケニル」とは、1つまたは2つの炭素−炭素二重結合を有し、2〜約6個の炭素原子を有するアルキル基のことを言う。本明細書で使用される用語「アルキニル」基とは、直鎖、および分鎖のアルキル基であって、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有し、2〜約8個の炭素原子を有するものを言う。望ましくは、用語「アルキニル」とは、1つまたは2つの炭素−炭素三重結合を有し、2〜約6個の炭素原子を有するアルキル基のことを言う。
【0023】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」とは、先に述べた通りのアルキル基であって環式の構造を有し、3〜約10個の炭素原子を有するもの、望ましくは約5〜約8個の炭素原子を有するものを言う。
【0024】
用語「置換されたアルキル」、「置換されたアルケニル」、「置換されたアルキニル」および「置換されたシクロアルキル」とは、それぞれ、1つ以上の置換基を有するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびシクロアルキル基のことを言い、置換基には、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アリール、複素環、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、およびアリールチオが含まれるが、これらに限定されず、これらの基は任意に置換され得る。これらの置換基は、結合が安定した化学的な部分を構成するのであれば、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基の任意の炭素原子に結合され得る。
【0025】
本明細書で使用される用語「アリール」とは、芳香族系のことを言い、単一の環、または複数の環が融合または結合されたものであって、融合または結合された環の少なくとも一部分が共役芳香族系を形成するもの、が含まれ得る。望ましくは、芳香族系は6〜14個の炭素原子を含有する。アリール基には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドナフチル、フェナントリル、インデン、ベンゾナフチル、フルオレニルおよびカルバゾリルが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0026】
用語「置換されたアリール」とは、アリール基、望ましくはC6〜C14アリール基であって、1つ以上の置換基で置換されるものを言い、こうした置換基にはハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アミノアルキルおよびアリールチオが含まれ、これらの基は任意に置換され得る。望ましくは、置換されたアリール基は、1〜約4個の置換基で置換される。
【0027】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」とは、安定した、5〜14員環で単環式または多環式の芳香族複素環系を言う。ヘテロアリール環は、複数の炭素原子、ならびに窒素原子、酸素原子および硫黄原子を含む1つ以上のヘテロ原子を有する。望ましくは、ヘテロアリール環は、その環の骨格に1〜約4個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール環がその環の骨格に窒素原子または硫黄原子を含有する場合、その窒素原子または硫黄原子は酸化され得る。
【0028】
用語「複素環」とは、任意に飽和したまたは部分的に飽和した複素環であって、3〜15個の環の原子、望ましくは3〜8個の環の原子を有し、そして望ましくはO、SおよびNの中から選択される1〜3個のヘテロ原子含有するものを言う。複素環がその環の骨格に窒素原子または硫黄原子を含有する場合、その窒素原子または硫黄原子は酸化され得る。用語「複素環」はまた、複素環がアリール環に融合された多環式の環のことを言う。複素環は、得られる複素環の構造が化学的に安定であれば、ヘテロ原子または炭素原子を通じてアリール環に結合され得る。
多様な複素環基またはヘテロアリール基が当技術分野において知られており、それらには、酸素含有環、窒素含有環、硫黄含有環、混合されたヘテロ原子含有環、融合されたヘテロ原子含有環、およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。酸素含有環には、フリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニルおよびジオキシニル環が含まれるが、これらに限定されない。窒素含有環には、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、2−オキソピペリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼピニル、トリアジニル、ピロリジニルおよびアゼピニル環が含まれるが、これらに限定されない。硫黄含有環には、チエニルおよびジチオールイル環が含まれるが、これらに限定されない。混合されたヘテロ原子含有環には、オキサチオールイル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチオールイル、オキサジニル、オキサチアジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、オキセピニル、チエピニルおよびジアゼピニル環が含まれるが、これらに限定されない。融合されたヘテロ原子含有環には、ベンゾフラニル、チオナフテン、インドリル、ベナザゾリル、プリンジニル、ピラノピロリル、イソインダゾリル、インドキサジニル、ベンゾキサゾリル、アントラニリル、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアゾニル、ナフチルリジニル、ベンゾチエニル、ピリドピリジニル、ベンゾキサジニル、キサンテニル、アクリジニルおよびプリニル環が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される用語「置換された複素環」または「置換されたヘテロアリール」とは、1つ以上の置換基を有する複素環のことを言い、こうした置換基には、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アミノアルキルおよびアリールチオが含まれ、これらの基は任意に置換され得る。望ましくは、置換された複素環基は1〜約4個の置換基で置換される。
【0030】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」とは、O(アルキル)基であって、結合点が酸素原子を通じてであり、アルキル基が任意に置換されるものを言う。
【0031】
本明細書で使用される用語「アリールオキシ」とは、O(アリール)基であって、結合点が酸素原子を通じてであり、アリール基が任意に置換されるものを言う。
【0032】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシアルキル」とは、アルキルOH基であって、結合点がアルキル基を通じてであるものを言う。
【0033】
本明細書で使用される用語「アリールチオ」とは、S(アリール)基であって、結合点が硫黄原子を通じてであり、アリール基が任意に置換され得るものを言う。
【0034】
本明細書で使用される用語「アルキルカルボニル」とは、C(O)(アルキル)基であって、結合点がカルボニル部分の炭素原子を通じてであり、アルキル基が任意に置換されるものを言う。
【0035】
本明細書で使用される用語「アルキルカルボキシ」とは、C(O)O(アルキル)基であって、結合点がカルボキシ部分の炭素原子を通じてであり、アルキル基が任意に置換されるものを言う。
【0036】
本明細書で使用される用語「アミノアルキル」とは、第2級アミンおよび第3級アミンであって、結合点が窒素原子を通じてであり、アルキル基が任意に置換されるものを言う。複数のアルキル基は同一であっても異なっていてもよい。
【0037】
本明細書で使用される用語「チオアルコキシ」または「チオアルキル」とは、S(アルキル)基であって、結合点が硫黄原子を通じてであって、アルキル基が任意に置換されるものを言う。
【0038】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」とは、Cl、Br、FまたはI基を言う。
【0039】
本明細書に記載のオキシインドールはまた、薬学的または生理学的に許容可能な酸、塩基、アルカリ金属およびアルカリ土類金属由来の互変異性型および塩を包含する。また、オキシインドール誘導体も含まれ、これには、エスエル、カルバメート、スルフェート、エーテル、オキシム、炭酸塩などが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
生理学的に許容可能な酸には、無機酸および有機酸由来のものが含まれる。多数の無機酸が当技術分野において知られており、特に塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が含まれる。同様に、多様な有機酸が当技術分野において知られており、これには特に、乳酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パンテノール酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、およびガラクツロン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
生理学的に許容可能な塩基には、無機塩基および有機塩基由来のものが含まれる。多数の無機塩基が当技術分野において知られており、特に、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛の硫酸塩化合物またはリン酸塩化合物が含まれる。多数の有機塩基が当技術分野において知られており、特に、N,N,−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミンおよびプロカインが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
生理学的に許容可能なアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムの、エステルの形態の塩、およびカルバメートが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0043】
これらの塩は、エステル、カルバメートおよびその他の従来の「プロドラッグ」の形態であり得るが、このような形態で投与されると、その形態はインビボで活性部分に転換する。一つの実施形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B.TestaおよびJ.Caldwell,"Prodrugs Revisite
d: The "Ad Hoc" Approach as a Compleme
nt to Ligand Design",Medicinal Researc
h Reviews,16(3):233−241,John Wiley&Sons編(1996)参照。
本明細書において議論されるオキシインドールはまた、細胞または患者によるオキシインドールの処理によって形成される独自の生成物である、「代謝体」も包含する。望ましくは、代謝体はインビボで形成される。
【0044】
オキシインドール化合物、望ましくは3,3−二置換オキシインドールを調製する方法が、その結果提供される。フルオロアレーンIを二級ニトリルで置換してニトリルIIを形成し、ニトリルIIをアミドIIIに変換し、アミドIIIを環化することによって、オキシインドールIVを形成し、オキシインドールIVが調製される。若しくは、ニトリルIIを最初に酸Vに変換し、次にアミドIIIに変換してもよい。スキーム1を参照されたい。この中において、R1〜R4、R6、R7およびR8は、上記定義の通りであり、Xは以下に定義する。
【0045】
【化54】

【0046】
該方法は、フルオロアレーンIを出発原料として利用する。望ましくは、フルオロアレーンは以下の構造を有し、オルト位(X)にハロゲンを含有するものである:
【化55】

ここで、R1〜R4、A、D、EおよびGは上記定義の通りである。より望ましくは、Xはフッ素である。
【0047】
一つの実施形態において、フルオロアレーンは以下の構造を有し、ここで、R1〜R4およびXは上記定義の通りである:
【化56】

【0048】
別の実施形態において、フルオロアレーンは以下の構造を有する:
【化57】

ここで、XはF、ClまたはBrであり、R2はBr、Cl、IまたはHである。
【0049】
更なる実施形態において、フルオロアレーンは以下の中から選択される:
【化58】

【0050】
フルオロアレーンは次に、二級ニトリルと反応させて芳香族求核置換を生じさせる。例えば、米国特許番号6,303,782;JACS 2000,122,712;Org.Synth.2002,79,209;および欧州特許番号1,046,635に記載の置換反応において利用されている試薬を参照されたい。これらは、引用することによって本明細書の一部となす。典型的には、二級ニトリルはR67CHCNであって、ここで、R6およびR7は上記定義の通りである。この反応は、典型的には、特に以下を含む塩基の存在下で行われる:ナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、リチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)などのシリル試薬;リチウムジイソプロピルアミド(LDA);イソプロピルマグネシウムクロライド(iPrMgCl)を含むハロゲン化イソプロピルマグネシウム、メチルマグネシウムブロミド(MeMgBr)、ビニルマグネシウムブロミド(ビニルMgBr)、o−トリルマグネシウムブロミド、およびジブチルマグネシウムクロライドなどのグリニャール試薬;水素化ナトリウム(NaH);1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG);メチルリチウム(MeLi);ヘキシルリチウム(HexLi);カリウムt−ブドキシド(t−BuOK);カリウムt−ペントキシド(t−PentOK)。望ましくは、塩基はシリル試薬、グリニャール試薬、またはLDAである。より望ましくは、塩基はナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミド、イソプロピルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロミド、o−トリルマグネシウムブロミド、またはジブチルマグネシウムクロライドである。より望ましくは、塩基はイソプロピルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロミド、o−トリルマグネシウムブロミド、またはジブチルマグネシウムクロライドを含むグリニャール試薬である。
【0051】
本明細書に記載の方法はまた、望ましくない副産物の産生を減少させることよって、フルオロアレーンIからニトリルIIへの選択的な変換を可能にする。副産物には、フルオロアレーンIの1−位におけるフッ素原子以外の置換基との二級ニトリルの反応によって形成される、ニトリルIIの異性体が含まれる。一つの実施形態において、二級ニトリルは、フルオロアレーンIのXまたはR1〜R4の置換基のうちの1つ以上と反応して副産物を形成する。これによって、該方法は、所望のニトリルII生成物をより高い収率で提供する。
【0052】
グリニャール試薬が、フルオロアレーンIからニトリルIIへの変換のための塩基として利用される場合に、形成される副産物がより少ない、ということを本発明者らは見出した。適切なグリニャール試薬には、上述のものが含まれる。更に、より低い温度にすることが、フルオロアレーンIからニトリルIIへの変換を促進した。本明細書で、この変換に関して使用される用語「より低い温度」には、約−40〜0℃が含まれる。最も望ましくは、温度は約−25℃である。従って、グリニャール試薬とより低い温度とを組合せ、特にXがフッ素原子であった場合に、副産物の量が最小でありつつ、良い収率でニトリルIIを得られる、ということを、本発明者らは見出した。
【0053】
また、I.Flemingら,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I,1986,349に記載されるように、対応するベンジルニトリル化合物のα炭素のアルキル化によってニトリルIIの調製を行うよりも、フルオロアレーンIからニトリルIIを調製する方が望ましいということも、本発明者らは見出しており、この文献は引用することにより本明細書の一部となす。具体的には、Flemingに記載されるようなベンジルニトリルのアルキル化はコントロールが困難で、結果としてモノアルキル化およびジアルキル化されたニトリルを含む副産物や、未反応のベンジルニトリル出発原料の混合物となる。更に、任意の副産物および/または未反応のベンジルニトリルからニトリルIIを分離するためには、分離工程が必要なだけでなく、分離するための手順が難しく、結果としてニトリルIIの収率が低くなる。しかし、本出願に記載されているように、フルオロアレーンIを使用してニトリルIIを調製すると、Flemingに記載されるアルキル化された副産物の産生が解消される。
【0054】
以下の構造のニトリルがその結果調製される:
【化59】

ここで、R1〜R4、A、D、E、G、X、R6およびR7は上記定義の通りである。
【0055】
一つの実施形態において、以下の構造のニトリルが調製される:
【化60】

【0056】
別の実施形態において、以下の構造のニトリルが調製される:
【化61】

【0057】
更なる実施形態において、2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−メチルプリピオニトリル;2−(3−クロロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;および2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルが調製される。
【0058】
ニトリル化合物IIのニトリル基は次に、当業者に知られている技術を使用して、以下に示す構造のアミドIIIに変換される。該技術には、Larock,Comprehensive Organic Transformations,John Wiley&Sons,New York,NY,(1999);米国特許番号6,482,983;Fleming,1986(上記引用);およびLebedevら,Tet.Lett.43:1397−1399(2002)に記載される変換が含まれるが、これらに限定されない。これらの文献は、引用することにより本明細書の一部となす。
【0059】
【化62】

ここで、R1〜R4、R6、R7およびXは上記定義の通りであり、R8は、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールの中から選択される。
【0060】
一つの実施形態においては、塩基性加水分解または酸加水分解を使用して、ニトリルIIがアミドIIIに変換される。一つの例においては、米国特許番号6,482,983;および上記引用のLebedevに記載されるようなリッター反応またはリッター型の反応を使用して、ニトリルIIがアミドIIIに変換される。別の例においては、ニトリルIIをアルコール、スルホン酸塩、リン酸塩、エステルまたはボロン酸エステルと反応させることによって、アミドIIIが調製される。更なる例においては、ニトリルIIを(R8O)nZと反応させることによってアミドIIIが調製され、ここでR8は、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールの中から選択され、nは0〜3であり、そしてZは、酸性条件または塩基性条件下において、nが1である場合はHであり;nが2である場合はSO2;nが3である場合はP=O;nが2である場合はC=O;nが3である場合はB;nが1である場合はSO2アルキル;nが2である場合は(C=O)2、nが1である場合はアセチルである。当業者であれば、酸加水分解、塩基性加水分解どちらの場合についても適切な試薬を容易に選択することができるであろうし、それらには上記引用のLarockに記載されるものが含まれ、それらは引用することによって本明細書の一部となす。アミドIIIに対する塩基性加水分解は、過酸化水素と、当業者によって容易に選択される塩基と、を使用して行われ得る。アミドIIに対する酸加水分解は、硫酸、メタンスルホン酸、または塩酸などの強酸を使用して行われ得る。
【0061】
一つの実施形態においては、以下の構造のアミドが調製される:
【化63】

【0062】
別の実施形態においては、以下の構造のアミドが調製される:
【化64】

【0063】
更なる実施形態においては、2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミド;および2−(3−クロロピリジン−2−イル)イソブチルアミド;1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミドが調製される。
【0064】
あるいは、ニトリルIIを最初に以下の構造の酸Vに変換し:
【化65】

ここで、R1〜R4、R6、R7、X、A、D、EおよびGは、上記定義の通りであり、
続いて、酸Vを上述のアミドIIIに変換することにより、アミドIIIが調製される。
【0065】
ニトリルIIの酸Vへの、次にアミドIIIへの変換は、上記引用のLarock、または米国出願番号6,482,983に記載の変換を使用して行われ得、これらの文献は、引用することによって本明細書の一部となす。一つの例においては、ニトリルIIを加水分解して酸Vとし、それを、望ましくはp−トルエンスルホン酸の存在下、高温でアミンと反応させて、アミドIIIを調製する。別の例においては、ニトリルIIを加水分解して酸Vとし、酸Vを変換して酸塩化物VIとし、そして、上記引用のLarock;Fleming,1986;または米国特許番号6,482,983に記載の変換を使用して、酸VIをアミドIIIに変換する。
【0066】
アミドIIIは次に、アミド官能基の水素原子を脱プロトン化可能な強塩基で処理される。アミドの脱プロトン化の結果、アミド陰イオンが形成され、これがオルト位(X)におけるハロ基と反応して環化され、オキシインドールIVとなる。当業者であれば、アミドを環化するための適切な強塩基を容易に選択できるであろうし、それらには特に、Fleming,Tetrahedron Lett.,1982,23,2053およびJ.Chem.Soc,Perkin Trans.I,1986,349に記載の試薬が含まれ、これらは引用することによって本明細書の一部となす。望ましくは、強塩基は、特に、水素化リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、アルキルリチウム試薬、アリールリチウム試薬、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジドおよびカリウムヘキサメチルジシラジドである。
【0067】
また、以下の構造の5−ピロール−3,3−オキシインドール化合物を調製する方法が提供される:
【化66】

ここで、R1、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、塩素、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COOR5、CON(R52、およびSO2N(R52の中から選択されるか;あるいは、R1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、(i)3〜15員環の飽和もしくは不飽和の炭素含有環;または(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11の中から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;を形成し、R5は、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルの中から選択され;R6、R7、R8、A、D、EおよびGは上記定義の通りであり;R9は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリールまたはCORAであり;RAはH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキルまたは置換されたC1〜C6アミノアルキルであり;そしてR10はH、OH、NH2、CN、ハロゲン、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、またはCORAである。スキーム2を参照されたい。
【0068】
【化67】

【0069】
この方法には、フルオロアレーンを二級ニトリルと置換して以下の構造のニトリル化合物II:
【化68】

ここで、R2はハロゲン、OSO2CF3またはN2+などの離脱基であるもの、
を形成する工程と;
ニトリルIIを以下の構造のアミドIII:
【化69】

に変換する工程と;
アミドIIIを環化して以下の構造のオキシインドールIV:
【化70】

とする工程と;
オキシインドールIVと以下の構造のピロール:
【化71】

ここで、R1〜R4およびR6〜R10は上記定義の通りであり、Yは離脱基であるもの、
またはその塩とを結合させる工程と、を含む。一つの例において、ピロールは以下の構造を有する:
【化72】

【0070】
別の例において、ピロールはシアノピロールである。更なる例において、ピロールは以下の構造を有する:
【化73】

【0071】
2が臭素またはトリフラート以外のハロゲンである場合、最初にオキシインドールIVを5−位において臭化してブロモオキシインドール化合物VIIを形成し、それを上記のピロールと反応させてピロールオキシインドールVIIIを形成することができる。
【0072】
本明細書で使用される用語「離脱基」とは、別の試薬と反応したときに置き換えられる任意の置換基のことを言う。5−ピロール−3,3−オキシインドール化合物を形成するために利用し得る離脱基は多数あり、それらには、米国公開特許公報番号US−2005−0272702−A1に記載のものなどのホウ素含有離脱基が含まれ、引用することによって本明細書の一部となすが、これらに限定されない。望ましくは、離脱基は以下のものである:
【化74】

【0073】
一つの実施形態において、調製されたオキシインドール化合物は以下の構造を有する:
【化75】

【0074】
更なる実施形態において、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを調製する方法が提供され、該方法は、フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化76】

を形成する工程と;
ニトリルを以下の構造のアミド:
【化77】

に変換する工程と;
アミドを環化して、以下の構造のオキシインドール:
【化78】

とする工程と;
オキシインドールを1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる工程と;を含む。
【0075】
別の実施形態において、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを調製する方法が提供され、該方法は、フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化79】

を形成する工程と;
ニトリルを以下の構造のアミド:
【化80】

に変換する工程と;
アミドを環化して、以下の構造のオキシインドール:
【化81】

とする工程と;
オキシインドールを1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる工程と;を含む。
【0076】
1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物は、ボロン酸塩、ボリン酸塩、ボロン酸エステル、ボリン酸エステル、ボロン酸、またはボリン酸であり得る。望ましくは、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールはボロン酸である。より望ましくは、1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物は5−[1,3,6,2]ジオキサザボロカン−2−イル−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルであり、その調製については米国特許出願公開公報US−2005−0272702−A1に記載されており、引用することにより本明細書の一部となす。
【0077】
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルはまた、以下の工程によって調製し得る:
フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化82】

を形成し;
ニトリルを以下の構造のアミド:
【化83】

に変換し;
アミドを環化して以下の構造のオキシインドール:
【化84】

とし;
オキシインドールを臭化して以下の構造の化合物:
【化85】

を形成し;そして
臭化オキシインドールを、上述の1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる。
【0078】
一つの実施形態において、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルは、スキーム3に示される一連の工程に従って調製される。
【0079】
【化86】

【0080】
別の実施形態において、以下の構造の化合物:
【化87】

を調製する方法が提供され、ここで、該方法は、
フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化88】

を形成する工程と;
ニトリルを以下の構造のアミド:
【化89】

に変換する工程と;
アミドを環化して以下の構造のオキシインドール:
【化90】

とする工程と;
オキシインドールを臭化して以下の構造の化合物:
【化91】

を形成する工程と;
臭化オキシインドールを1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させて上述の生成物を形成する工程と;を含む。スキーム4参照。
【0081】
【化92】

【0082】
なお別の実施形態において、以下の構造の化合物:
【化93】

を調製する方法が提供され、ここで、該方法は、ベンジルニトリルをアルキル化して以下の構造の化合物:
【化94】

を形成する工程と;
ニトリルを以下の構造のアミド:
【化95】

に変換する工程と;
アミドを環化して以下の構造のオキシインドール:
【化96】

とする工程と;
オキシインドールを臭化して以下の構造の化合物:
【化97】

を形成する工程と;
臭化オキシインドールを1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させて上述の生成物を形成する工程と;を含む。スキーム5参照。
【0083】
【化98】

【0084】
更なる実施形態において、チオ−オキシインドール化合物を調製する方法が提供される。これらのチオ−オキシインドール化合物は、当技術分野において知られているチオン化剤を使用して、上述の通りに調製されたオキシインドールから直接調製され得る。適切なチオン化剤には、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)または五硫化リンが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
なお別の実施形態において、チオ−オキシインドール化合物を調製する方法が提供され、該方法には、上述の通りニトリルIIを調製する工程;ニトリルIIをアミドIIIに変換する工程;アミドIIIをチオアミドIXに変換する工程;およびチオアミドIXを環化してチオ−オキシインドールXとする工程;が含まれる。スキーム6参照。
【0086】
【化99】

【0087】
また更なる実施形態において、イミノベンゾ[b]チオフェン化合物を調製する方法が提供され、該方法には、上述の通りニトリルIIを調製する工程と;ニトリルIIをアミドIIIに変換する工程と;アミドIIIをチオアミドIXに変換する工程と;チオアミドIXを環化してイミノベンゾ[b]チオフェンXIとする工程と;が含まれる。スキーム6参照。
【0088】
チオアミドを環化してイミノベンゾ[b]チオフェンとするために、いくつかの試薬が利用され得、それらには、上述のものなどの塩基、またはそのより弱い塩基が含まれるが、これらに限定されず、これらは当業者によって容易に選択され得るであろう。
【0089】
なお別の実施形態において、ベンゾ[b]チオフェノン化合物を調製する方法が提供され、該方法には、上述の通りにニトリルIIを調製する工程と;ニトリルIIをアミドIIIに変換する工程と;アミドIIIをチオアミドIXに変換する工程と;チオアミドIXを環化してイミノベンゾ[b]チオフェンXIとする工程と;イミノベンゾ[b]チオフェンXIを変換してベンゾ[b]チオフェノンXIIとする工程と;が含まれる。スキーム6参照。
また、フルオロアレーンIをニトリルIIに変換する工程と;ニトリルIIをチオアミドIXに変換する工程と;チオアミドIXを環化してチオ−オキシインドールXとする工程と;を含む、チオ−オキシインドール化合物を調製する方法も提供される。スキーム7参照。
【0090】
【化100】

【0091】
更に、フルオロアレーンIをニトリルIIに変換する工程と;ニトリルIIをチオアミドIXに変換する工程と;チオアミドIXを環化してイミノベンゾ[b]チオフェンXIとする工程と;を含む、イミノベンゾ[b]チオフェン化合物を調製する方法も提供される。スキーム7参照。
【0092】
また、ベンゾ[b]チオフェノン化合物を調製する方法も提供され、該方法には、フルオロアレーンIをニトリルIIに変換する工程と;ニトリルIIをチオアミドIXに変換する工程と;チオアミドIXを環化してイミノベンゾ[b]チオフェンXIとする工程と;イミノベンゾ[b]チオフェンXIをベンゾ[b]チオフェノンXIIに変換する工程と;が含まれる。スキーム7参照。
【0093】
ニトリルIIのチオアミドへの変換は、当技術分野において知られている技術および米国特許出願公開公報US2005−0227971−A1に記載の技術を使用して行うことができ、これは引用することによって本明細書の一部となす。典型的には、ニトリルは、塩基および硫黄含有剤を使用してチオアミドに変換される(R.Shabana,H.J.Meyer,S.−O.Lawesson Phosphorus and Sulfur 1985,25,297参照)。硫黄含有剤には、ジアルキルジチオホスフェート、ジアリールジチオホスフェート、硫化水素(H2S)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)、または五硫化リンが含まれるが、これらに限定されない。望ましくは、硫黄含有剤は、ジアルキルジチオホスフェートまたはジアリールジチオホスフェートであり、より望ましくは、ジエチルジチオホスフェートである。塩基は、典型的にはアミンである。望ましくは、アミンは特にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)、トリエチルアミン、またはピリジンを含むアルキル化アミンである。
【0094】
次に、当業者に知られている試薬を使用して、イミノベンゾ[b]チオフェンVIが、対応するベンゾ[b]チオフェノンXIIに変換され得る。具体的には、ベンゾ[b]チオフェンのイミン部分がプロトン化され得、それによって加水分解されてカルボニルとなる。一つの例において、R8がHの場合、イミン部分は、特に塩酸、硫化水素酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸などの強酸を使用してプロトン化され得、それによって、加水分解されてカルボニル基となり、ベンゾ[b]チオフェノンXIIを提供する。
【0095】
以下の実施例は、本発明の例示のために提供され、その範囲を限定するものではない。具体的な試薬および条件の概要が以下の実施例で述べられるが、変更が可能であり、そうした変更が本発明の精神および範囲に包含されることが意図されていることを、当業者は理解するであろう。
実施例
【実施例1】
【0096】
様々な塩基の存在下での1,2,3−トリフルオロベンゼンおよび2−メチルプロピオニトリルの反応における生成物分布
メトラー・トレド社のMiniBlock(登録商標)の複数の反応管それぞれに、1,2,3−トリフルオロベンゼン(1.32g、0.01モル)を充填した。トルエン(160mL)に2−メチルプロピオニトリル(14g)が入った溶液を調製し、各管に8.5mLずつ(0.01モルの2−メチルプロピオニトリルを含有)分注した。次に、表1に記載した等モル量の塩基を、周囲温度で滴下した。混合物を、3時間かけて65℃まで加熱し、周囲温度まで冷却し、5%塩酸(各6mL)で反応を止めた。有機相を分離し、溶媒を蒸発した。残留物を、アセトニトリル中の溶液として、GC/MSによって分析した。
【0097】
【表1】

【0098】
これらのデータは、特にグリニャールの塩基を使用した場合に、異性体Aを主要生成物として分離し得ることを示している。
【実施例2】
【0099】
多様な溶媒内におけるイソプロピルマグネシウムクロライドの存在下での1,2,3−トリフルオロベンゼンおよび2−メチルプロピオニトリルの反応における生成物分布
この実施例は実施例1に記載したように行い、1,2,3−トリフルオロベンゼン(1.32g、0.01モル)および2−メチルプロピオニトリル(0.9mL、0.69g、0.01モル)を、表2に示した溶媒(各8mL)内に溶解することによって、7つの試料を調製した。これらの混合物それぞれに対し、イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M、各5mL)を滴下した。混合物を次に、3時間かけて35℃まで加熱し、周囲温度まで冷却し、5%HCl(各6mL)で反応を止めた。トリエチルアミンを含有する反応混合物を、更に、濃縮した塩酸で処理した。有機相を分離し、溶媒を蒸発した。残留物を、アセトニトリル中の溶液として、GC/MSによって分析した。
【0100】
【表2】

【0101】
これらのデータは、異性体A化合物を主要生成物として分離する際に、エーテル溶媒が最も有用であることを示している。
【実施例3】
【0102】
多様な温度でのイソプロピルマグネシウムクロライドの存在下での1,2,3−トリフルオロベンゼンおよび2−メチルプロピオニトリルの反応における生成物分布
3つのフラスコに、熱電対、窒素注入口を有するコンデンサ、および磁性攪拌子を備えた。1,2,3−トリフルオロベンゼン(1.32g、0.01モル)および2−メチルプロピオニトリル(0.9mL、0.69g、0.01モル)を各フラスコに加え、THF(8mL)に溶解した。1つ目のフラスコの内容物を−25℃まで冷却し;2つ目のフラスコの内容物を0℃まで冷却し;3つ目のフラスコの内容物を60℃まで加熱した。それぞれの反応温度を維持しつつ、各溶液に、イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M、各5mL)を滴下した。2時間後、反応を5%HCl(各6mL)で止めた。有機相を分離し、溶媒を蒸発した。残留物を、アセトニトリル中の溶液として、GC/MSによって分析した。表3参照。
【0103】
【表3】

【0104】
これらのデータは、異性体の分布に対して温度が最小限の効果しか発揮しないことを示している。しかし、温度をより低くすると、より多い量の異性体Aを提供できる。
【実施例4】
【0105】
THF中多様な塩基の存在下におけるハロアレーンおよび2−メチルプロピオニトリルの反応
メトラー・トレド社のMiniBlock(登録商標)の複数の反応管それぞれに、以下で識別されるハロアレーン(0.01モル)と、ニトリル(14g)およびTHF(160mL)から調製したTHF中の2−メチルプロピオニトリル溶液(8.5mL、0.01モル)を充填した。等モル量の塩基(0.01モル)を、各管に周囲温度で滴下した。反応混合物を、1時間かけて65℃まで加熱し、周囲温度まで冷却し、5%HCl(6mL)で反応を止めた。有機相を分離し、溶媒を蒸発した。ガス・クロマトグラフィー(GC)/質量分析(MS)およびプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)を使用して、粗生成物の混合を試験した。
【0106】
A.
【化101】

【0107】
ハロアレーン:1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼン;
塩基:イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M);
0.642gの生成物:
(i)2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル:
メジャー、GC/MSで73.1%;
1H−NMR(CDCl3):δ7.59(H6、dd、6.8、2.4Hz)、7.44(H4、ddd、8.6、4.4、2.4)、7.01(H3、dd、11.2、8.8)、1.785(s、6H、CH3);
(ii)2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル:
マイナー、GC/MSで9.1%;
(iii)1−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン:
マイナー、GC/MSで15%
【0108】
B.
【化102】

【0109】
ハロアレーン:2,3−ジクロロピリジン;
塩基:イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M);
1.237gの:
(i)2−(3−クロロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル
1H−NMRで示された収率50%;
構造帰属はGC/MSに基づき、
1H−NMRデータ(CDCl3):δ8.48(H6、dd、4.4、1.6Hz)、7.76(H4、dd、8.0、1.6)、7.29(H5、dd、8.0、4.8)、1.87(s、6H、CH3);13C−NMRデータ(CDCl3):δ154.20ppm C2、147.05 C6、139.45 C4、131.03 C3、124.37 C5、123.10 CN、38.59C、26.59 CH3;および
(ii)残余のハロアレーン:50%
【0110】
C.
【化103】

【0111】
ハロアレーン:2,3−ジクロロキノキサリン;
塩基:カリウムヘキサメチルジシラジド(トルエン中0.5M);
0.988gの:
(i)2−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル:GC/MSで示された収率95.9%;
1H−NMR(DMSO−d6):δ8.19−8.15(m、1H)、8.13−8.10(m、1H)、8.01−7.96(m、2H)および1.94(s、6H);
(ii)残余のハロアレーン:2.82%;および
(iii)2−[3−(シアノジメチルメチル)−キノキサリン−2−イル]−2−メチルプロピオニトリル:収率1.32%
【0112】
D.
【化104】

【0113】
ハロアレーン:2,3−ジクロロキノキサリン;
塩基:イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M);
生成物:2−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル(GC/MSで38.1%)および残余のハロアレーン(61.1%)。
【0114】
E.
【化105】

ハロアレーン:1−クロロ−2−フルオロベンゼン;
塩基:o−トリルマグネシウムクロライド(THF中1M);
生成物:2−(2−クロロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(GC/MSで29.6%);
残余のハロアレーン(47.9%);および
2’−メチルイソブチロフェノン(12.7%)
【0115】
F.
【化106】

【0116】
ハロアレーン:1−ブロモ−2−フルオロベンゼン;
塩基:ナトリウムヘキサメチルジシラジド(THF中1M);
生成物:2−(2−ブロモフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(GC/MSで5.2%);および
残余のハロアレーン(76.8%)
【0117】
G.
【化107】

【0118】
基質:1,2−ジフルオロベンゼン;
塩基:ジブチルマグネシウムクロライド(ヘプタン中1M);
生成物:2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(GC/MSで2.8%);
2−メチルヘプタン−3−オン(29.0%);および
そのイミン類似体(57.8%)
【実施例5】
【0119】
THF中イソプロピルマグネシウムクロライドの存在下における1,2−ジフルオロベンゼンの多様な二級ニトリルとの反応
メトラー・トレド社のMiniBlock(登録商標)の複数の反応容器それぞれに、1,2−ジフルオロベンゼン(0.01モル)、以下で識別されるニトリル(0.01モル)、およびTHF(8mL)を充填した。各容器に対し、イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M、各5mL)を周囲温度で滴下した。反応混合物を、4時間かけて65℃まで加熱し、周囲温度まで冷却し、5%HCl(6mL)で反応を止めた。有機相を分離し、溶媒を蒸発した。GC/MSおよび1H−NMRを使用して、粗生成物の混合を試験した。
【0120】
A.
【化108】

【0121】
ニトリル:2−メチルプロピオニトリル;
0.637gの2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(GC/MSで97.9%)
1H−NMR(DMSO−d6):δ7.52−7.42(m、2H)、7.34−7.25(m、2H)、1.74(s、6H)
【0122】
B.
【化109】

【0123】
ニトリル:2−ノルボルナンカルボニトリル;
1.570gの以下の生成物:
(i)エキソ−2−(2−フルオロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボニトリル(GC/MSで95.1%);
(ii)エンド−2−(2−フルオロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボニトリル(0.73%);および
(iii)1−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−2−メチル−プロパノン(1.65%)
【0124】
構造帰属は、1H−NMRおよび文献のデータ(I.Flemingら,J.Chem.Soc,Perkin Trans.I,1986,349;およびS.Caronら,J.Am.Chem.Soc.2000,122,712)に基づいた。
【0125】
C.
【化110】

【0126】
ニトリル:シクロヘキサンカルボニトリル;
生成物:1−(2−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルボニトリル(GC/MSで43.3%)および1−シクロヘキシル−2−メチルプロパノン(33.2%)
【実施例6】
【0127】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの調製
【0128】
【化111】

【0129】
テトラヒドロフラン(40mL)中の1Mナトリウムヘキサメチルジシラジドを、トルエン(30mL)中の1,2,3−トリフルオロベンゼン(5.03g)および2−メチルプロピオニトリル(2.81g)の攪拌した溶液に少しずつ添加した。反応混合物を3時間で68℃まで加熱し、周囲温度で一晩、更に攪拌し、5%HClで反応を止めた。有機相を分離し、水および塩水で洗浄した。溶媒を蒸発させることにより、76:24の割合で以下の異性体を含有するオイル(5.99g)を得た:2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(GC/MSで65.4%、RT 6.20min.);2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(20.3%、RT 6.78min.);および2−[3−(シアノジメチルメチル)−2−フルオロフェニル]−2−メチルプロピオニトリル(14.1%、RT 10.4min.)。1H−NMR(DMSO−d6):1.76ppmでメジャーなCH3の一重項、および1.83ppmでマイナーな一重項。
【実施例7】
【0130】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの粗混合物の加水分解
【0131】
【化112】

【0132】
粗2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの試料(4.12g)をメタノール(10mL)および水(3mL)内に溶解した。テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(25mg)および過炭酸ナトリウム(1.20g)を、周囲温度でメタノール溶液に添加し、次に、50%過酸化水素(3mL)を5時間以内に滴下した。40時間連続して攪拌し、その後、反応混合物を、酢酸エチルおよび水で抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥し、ろ過し、蒸発してオイルを産生し、これをヘキサンを使用した蒸発の際に固体化してろう質の固体を産生した(4.80g)。
【0133】
GC/MSはm/zが199の2つの異性体を示した:18.5%および63.6%(割合は23:77;それぞれのRTは9.05min.および9.27min.)。1H−NMR(DMSO−d6)は、1.60ppmでメジャーな一重項(CH3)、および、5.98ppmと5.45ppmで、2つのメジャーなCON2のシグナルを示した。これらの共鳴は、2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドに起因するものであった。6.43ppmおよび5.73ppmにおけるマイナーなCON2のシグナルは、2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドに起因するものであった。
【実施例8】
【0134】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドの粗混合物のチオン化
【0135】
【化113】

【0136】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドの粗試料(1.86g)を、1,2−ジメトキシエタン(30mL)中のローソン試薬(2.0g)と共に、16時間で84℃まで加熱した。明るいオレンジ色の澄んだ溶液を、周囲温度まで冷却し、水中に注いだ。沈殿したオレンジ色のオイルを一晩攪拌して、粘り気のある淡黄色のオイルを形成した。淡黄色のオイルをクロロホルムを使用して抽出し(3x)、その有機抽出物を水で洗浄し(2x)、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。ろ過後に蒸発して、薄茶色の固体(2.37g)を産生した。GC/MSが、m/zが215の生成物(RT 11.31min.)と、その他に3種の副産物を示した。
【実施例9】
【0137】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドの混合物を環化して、それぞれ7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンおよび4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンの混合物とする。
【0138】
【化114】

【0139】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドの粗試料(0.548g)を、ジメチルホルムアミド(DMF −3mL)内に溶解し、DMF(1mL)に懸濁した少量の水素化リチウムで処理し、7時間かけて、徐々に120℃まで加熱した。冷却次第、混合物は5%HClおよび酢酸エチルで反応を止めた。反応を止めた混合物を、酢酸エチルを用いて二度抽出し、結合した有機相を、塩水を用いて逆抽出した(3x)。無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過と蒸発を行った後、オイル(0.373g)を得ると、すぐに固体化した。
【0140】
GC/MSによる分析は、m/zが179の2つの異性体が81:19の割合であることを示した(それぞれ8.23min.および8.98min.)。1H−NMR(DMSO−d6):1.34ppmおよび1.27ppm(s、CH3;それぞれマイナーおよびメジャー)。メジャーな異性体は、独立の経路で調製された基準試料を用いた、GC/MS、LCおよび1H−NMRにおけるデータ比較に基づいて、7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンと識別された。
【実施例10】
【0141】
2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの塩基での加水分解
【0142】
【化115】

【0143】
2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(0.211g)を、5N水酸化ナトリウム(2mL)、55%テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.1mL)、および30%過酸化水素(3mL)の水溶液と共に、22時間、磁気的に攪拌した。反応混合物を、トルエンで希釈して抽出した。水相を5%塩酸で中和し、酢酸エチルを用いて2回抽出した。結合した有機抽出物を、水で、次に塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥した。ろ過および蒸発により、淡緑色のオイルである2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミドを産生すると、すぐに固体化した(0.173g)。GC/MS:m/zが181(RT 9.80min.)。1H−NMR(DMSO−d6):7.39−7.27(m、2H)、7.19−7.07 (m、2H)、6.83および6.78(2s、CONH2)、1.43(s、6H)。
【実施例11】
【0144】
付随物の精製を伴う2−(3−クロロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリルの酸加水分解
【0145】
【化116】

【0146】
2−(3−クロロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリルおよび2,3−ジクロロピリジンの粗混合物(0.171g)を、濃縮した塩酸(4mL)に溶解し、該溶液を、5.5時間かけて90〜95℃まで加熱した。冷却次第、水で希釈し、ジクロロメタンを使用して2回抽出した。水相を、水酸化ナトリウムによって塩基性化し(冷却を伴う)、pHを8にし、ジクロロメタンを使用して2回抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥した。ろ過および蒸発により、2−(3−クロロピリジン−2−イル)イソブチルアミド(64mg)を産生した。
【0147】
1H−NMR(DMSO−d6):δ8.48(dd、4.6、1.5Hz)、7.83(dd、7.95、1.5)、7.325(dd、7.95、4.6)、6.97および6.93(2s、CONH2)、1.50(s、6H)。
【0148】
プロトン化により水性媒体中にピリジンの混合物が可溶化するので、酸加水分解が、加水分解の方法として好ましいものである、ということをこの反応は示した。
【0149】
更に、1H−NMRのスペクトルが最少量の副産物を示したので、2,3−ジクロロピリジンの副産物(実施例4で生成されたもの)が加水分解されて2−ヒドロキシ−3−クロロピリジンとなり、これがNaOHによって処理されて水溶性の塩(フェノラート)を形成したものと仮定した。このように、所望のアミド生成物のみを有機相内に抽出した。
【実施例12】
【0150】
エキソ−2−(2−フルオロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボニトリルの加水分解
【0151】
【化117】

【0152】
上記の粗ニトリル(1.51g)を、濃縮した硫酸(2mL)および水(0.5mL)と共に17時間かけて75℃まで加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルを用いて2回抽出した。有機抽出物を塩水で2回洗浄し、溶媒を蒸発して薄茶色の固体(1.91g)、2−(2−フルオロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸アミドを産生した。1H−NMR(DMSO−d6)は、6.81ppmおよび6.42ppmにおいてアミドプロトンを示した。GC/MS: m/z 233(純度 4.9%、RT 12.54min.)。
【実施例13】
【0153】
1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミドの調製
【0154】
【化118】

【0155】
米国特許番号4,859,232に記載されるように、触媒量の臭化テトラブチルアンモニウムの存在下、50%水酸化ナトリウム内1,2−ジブロモエタンを用いて、2,6−ジフロロフェニルアセトニトリルをアルキル化することによって、1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボニトリルを調製した(定量的収率;GC/MS:m/z 179、RT 8.24min.;1H−NMR(DMSO−d6):δ7.58−7.48(m、1H)、7.24−7.16(m、2H)、1.84−1.79(m、2H)、1.46−1.41(m、2H))。
【0156】
また、1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボニトリルは、トルエン(40mL)中で1,2,3−トリフルオロベンゼン(2.64g)、シクロプロパンカルボニトリル(1.65g)および0.5Mカリウムヘキサメチルジシラジドを反応させることによっても調製した。分離した固体(2.99g)は以下の混合物を含有した:1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボニトリル(GC/MSで39.6%;RT 8.22min.;正に上記で調製したもの);1−(2,3−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボニトリル(12.4%;RT 8.65min.;m/z 179、100%);m/zが226である2種類の二置換生成物(それぞれ、37.0%および4.4%;RT 12.6min.および14.0min.、m/z 184(100%)および226(100%));およびm/zが273である三置換生成物(6.6%;RT 16.4min.、m/z 190(100%))。
【0157】
トルエン(5mL)中、5N水酸化ナトリウム(20mL)、55%テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.5mL)および30%過酸化水素(5mL)の水溶液を用いて、1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボニトリル(5.42g)を、周囲温度で39時間かけて加水分解した。調製した半固体の反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、相を分離した。水相を、5%塩酸で中性化し、酢酸エチルを用いて2度抽出した。結合した有機抽出物を、5%塩酸で、次に塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。ろ過および蒸発により、1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミドを淡褐色の固体として得た(4.98g、収率84%)。M.p. 136.7−137.6℃(酢酸エチル由来)。GC/MS:m/z 197(純度 97.5%、RT 9.85min.)。1H−NMR(DMSO−d6):δ7.43−7.34(m、1H)、7.10−7.01(m、2H)、6.96(br s、1H)、6.64(br s、1H)、1.50−1.46(m、2H)、1.00−0.97(m、 2H)。1H−NMR(CDCl3):δ7.61−7.26(m、1H)、6.98−6.90(m、2H)、5.44(br s、2H)、1.79−1.74(m、2H)、1.17−1.12(m、2H)。13C−NMR(DMSO−d6):173.4、164.2、160.9、130.3、116.5、112.1、19.05、15.8。
【実施例14】
【0158】
酸加水分解による2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミドの調製
【0159】
【化119】

【0160】
窒素注入口、添加用漏斗、磁性攪拌子、温度調節器、コンデンサおよび冷却槽を備えた500mLのフラスコに、1,2−ジフルオロベンゼン(22.8g、0.20モル)、2−メチルプロピオニトリル(13.8g、0.20モル)およびテトラヒドロフラン(160mL)を充填した。イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M、100mL 0.20モル)を、添加用漏斗から30分以内に添加した。溶液を、6時間かけて65℃まで加熱した。氷浴内で冷却次第、6N HCl(100mL)を滴下し、温度が30℃を超えないようにした。混合物を分液漏斗に移し、相を分離した。水相を酢酸エチルを用いて抽出した。結合した有機抽出物を20%塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。ろ過および蒸発により、明るいオレンジ色の液体を産出し(12.0g)、これを濃縮した硫酸(2mL)および水(1.25mL)と混合し、この混合物を65℃で8時間加熱した。水(25mL)を添加して、オフ・ホワイトの固体を沈殿させた。周囲温度まで冷却し、固体を水中でスラリー化した後、懸濁液をろ過し、固体を水で洗浄した。真空下で乾燥後、ドライボックス内で乾燥したところ、2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミドを産生した(8.6g)。
【実施例15】
【0161】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルのスケールアップした調製
【0162】
【化120】

【0163】
窒素注入口、添加用漏斗、オーバーヘッドタイプの機械的攪拌器、温度調節器、コンデンサおよび冷却槽を備えた1リットルの四つ首フラスコに、1,2,3−トリフルオロベンゼン(33.7g、0.255モル)、2−メチルプロピオニトリル(17.6g、0.255モル)およびテトラヒドロフラン(200mL)を充填した。溶液を氷/水で冷却した。添加用漏斗からイソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M、128mL、0.256モル)を添加し、温度を4.1℃から5.1℃の間に維持した。50分後、冷却槽を加熱マントルに取り替え、反応混合物を65℃まで徐々に加熱し、この温度で3時間攪拌した。溶液を氷浴内で冷却し、5%HCl(150mL)を添加用漏斗から滴下した。2種類の液相を分離し、水相をTHFで抽出した。結合した有機抽出物を、塩水(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。ろ液のろ過および蒸発によりオイルを産生し(28.3g)、これを減圧下で蒸留して(85〜97℃/3.3〜3.5torr)、2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルおよび2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの混合物で、その比率が79/21であるもの(GC/MSによる;それぞれのRT 7.23min.および7.80min.)、21.9gを産生した。1H−NMR(DMSO−d6):δ7.55−7.46(m)、7.33−7.28(m)、7.21−7.18(m)、1.83(m、マイナー CH3)、1.76(s、メジャー CH3)、(それぞれ16:84)。この異性体の混合物の試料を、ヘキサン中0〜4%のエーテルを使用して、シリカゲル上でクロマトグラフィーにかけたところ、2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル[1H−NMR(DMSO−d6):δ7.52−7.46(m、1H)、7.33−7.29(m、2H)、1.76(s、3H)]および2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル[1H−NMR(DMSO−d6):δ7.55−7.46(m、1H)、7.21−7.18(m、2H)、1.84−1.82(m、3H)]を示した。
【実施例16】
【0164】
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの加水分解
【0165】
【化121】

【0166】
過酸化水素の存在下で水酸化ナトリウムを使用して、実施例10の手順に従い、2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの加水分解を行い、2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド[1H−NMR(CDCl3):δ7.17−7.08(m、3H)、5.98(br s、1H)、5.45(br s、1H)、1.60(s、6H)]を産生した。
【実施例17】
【0167】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの加水分解
【0168】
【化122】

【0169】
過酸化水素の存在下で水酸化ナトリウムを使用して、実施例10の手順に従い、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリルの加水分解を行い、2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド[1H−NMR(CDCl3):δ7.34−7.29(m、1H)、6.91−6.85(m、2H)、6.43(br s、1H)、5.73(br s、1H)、1.68−1.66(m、6H)]を産生した。
【実施例18】
【0170】
4’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン調製のための1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミドの環化
【0171】
【化123】

【0172】
熱電対、窒素注入口を有するコンデンサ、隔壁および磁性攪拌子を備えた25mLのフラスコ内に、水素化リチウム粉末(0.054g、6.75ミリモル)を入れた。1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミド(0.443g、2.2ミリモル)を、N,N−ジメチルホルミアミド(DMF−4.5mL)内に溶解し、該溶液を、シリンジを経由してフラスコ内に添加した。懸濁液を120℃まで加熱し、4時間この温度で維持した。冷却次第、反応混合物を分液漏斗に移し、水(発泡性)および5%塩酸の溶液で希釈し、酢酸エチルを用いて抽出した(3×)。結合した有機抽出物を、20%塩水を用いて抽出し(3×)、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。ろ過および蒸発により、黄色がかった固体を産出した(0.327g、収率82%)。M.p. 171.1−172.2℃(酢酸エチル由来)。GC/MS:m/z 177(純度 98.6%、RT 10.30min.)。1H−NMR(DMSO−d6):δ10.8(br s、1H)、7.22−7.15(m、1H)、6.79−6.71(m、2H)、1.78−1.74(m、2H)、1.47−1.42(m、2H)。
【実施例19】
【0173】
7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン調製のための2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドの環化
【0174】
【化124】

【0175】
実施例18に記載したLiH/DMFの条件を使用して、2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドを環化して7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを調製した[1H−NMR(DMSO−d6):δ10.85(br s、1H)、7.16−6.94(m、3H)、1.26(s、6H);GC/MS:m/z 179(100%)、RT 8.24min.]。
【実施例20】
【0176】
4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン調製のための2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドの環化
【0177】
【化125】

【0178】
実施例18に記載したLiH/DMFの条件を使用して、2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミドを環化して4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを調製した[1H−NMR(DMSO−d6):δ10.60(br s、1H)、7.32−7.20(m、1H)、6.77−6.70(m、2H)、1.34(s、6H);GC/MS:m/z 179(164、100%)、RT 8.99min.]。
【実施例21】
【0179】
90℃および120℃で、多様な有機塩基を溶媒として使用した、1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミドの環化
【0180】
【化126】

【0181】
メトラー・トレド社のMiniBlock(登録商標)の複数の反応管それぞれに、1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミド(0.1g)を充填し、以下の有機塩基をそれぞれ添加した(各1mL):ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基);2,6−ルチジン;N−メチルモルホリン(NMM);2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(1g、低融点の固体、mp 33−36℃);1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU);および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)。容器を90℃で3時間加熱し、冷却次第、分析試料を回収してGC/MSにかけた。クロマトグラムは、基質のみを示し、形成した生成物は示さなかった。容器を120℃まで再加熱し、6時間維持した。再び、GC/MSは生成物を形成したことを示さなかった。
【0182】
これらのデータは、環化を起こすためには上記のものよりも強い塩基が必要であることを示している。
【実施例22】
【0183】
多様な条件下(塩基、溶媒、温度)での2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミドの環化
【0184】
【化127】

【0185】
メトラー・トレド社のMiniBlock(登録商標)の複数の反応管それぞれに、2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミド(0.1g)と、表4に示した溶媒(各4mL)と、ヘプタン/THF/エチルベンゼン中の固体の水素化リチウム(LiH)、固体のリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)および2Mリチウムジイソプロピルアミド(LDA)から選択される2倍当量の塩基と、を充填した。混合物を、110℃まで加熱し、磁気的に4時間攪拌した。周囲温度まで冷却次第、試料(0.2mL)を回収し、5%HCl(1mL)で反応を止め、酢酸エチルを用いて抽出した(1mL)。有機相をGC/MSによって分析した:m/z 161(146、100%)、RT 9.18min.。
【0186】
【表4】

【0187】
類似の実験において、表4に示した塩基をTHFに添加し、反応混合物を65℃で16時間加熱した。
【0188】
【表5】

【0189】
これらのデータは、環化のための最適条件を決定するに当たり、溶媒、塩基および温度が重要であることを示唆している。
【実施例23】
【0190】
多様なハロアミド類およびチオアミド類の環化
メトラー・トレド社のMiniBlock(登録商標)の複数の反応管それぞれを、2−(3−クロロピリジン−2−イル)イソブチルアミド;2−(2−フルオロ−フェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸アミド;および2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルチオアミドと2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルチオアミドの混合物から選択したアミドで充填した。各管にN,N−ジメチルホルムアミド(各2mL)を添加し、次に水素化リチウム(2倍当量)を添加した。容器を2.5時間かけて120℃まで加熱した。冷却次第、反応混合物を、5%HCl、塩水、および酢酸エチルで反応を止めた。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、GC/MSによって分析した。以下の生成物がそれぞれ識別された:
(i)3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピリジン−2−オン
(m/z 162、100%;RT 9.56min.);
(ii)スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3’−[3H]インドール]−2’(1’H)−オン
(m/z 213、146(100%);RT 12.52min.);
(iii)4−フルオロ−3,3−ジメチル−3H−ベンゾ[b]チオフェン−2−オンおよび7−フルオロ−3,3−ジメチル−3H−ベンゾ[b]チオフェン−2−オン
(m/z 196、153(100%);RT 7.68min.および8.19min.)。
【0191】
本明細書に引用された刊行物は全て、引用することによって本明細書の一部となす。本発明については、特に好ましい実施形態に関連して説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく変更することが可能であることが理解されるであろう。このような変更は、添付された請求項の範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシインドール化合物を調製する方法であって、以下の工程:
(a)式Iのフルオロアレーン:
【化1】

ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COOR5、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)または(ii)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであるもの;
またはその薬学的に許容可能な塩を二級ニトリルで置換する工程と;
(b)工程(a)の生成物におけるニトリル置換基をアミドに変換する工程と;
(c)工程(b)の生成物を環化してオキシインドールとする工程、を含む前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記オキシインドール化合物は、以下の構造を有し:
【化2】

ここで、
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和した、または不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
8はH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか;あるいは、
8はR4と融合されて、
(v)5〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(vi)5〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)〜(vi)のうちのいずれかが、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換されるもの;であるか、
またはその薬学的に許容可能な塩である、前記方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記二級ニトリルがR67CHCNであって、ここで:
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)または(iv)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換される、前記方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の方法であって、工程(a)の生成物が、
【化3】

ここで:
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)または(iv)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換されるもの、である前記方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の方法であって、工程(b)の生成物が、
【化4】

ここで:
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)または(iv)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され、
8はH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか;あるいは、
8はR4と融合されて、
(v)5〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(vi)5〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)〜(vi)のうちのいずれかが、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換されるものである、前記方法。
【請求項6】
以下の式IVの構造を有するオキシインドール化合物を調製する方法であって:
【化5】

以下の工程:
(a)
式Iで示されるフルオロアレーン:
【化6】

またはその薬学的に許容可能な塩、
を式R67CHCNを有する二級ニトリルで置換して式IIの化合物を形成する工程であって:
【化7】

ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COOR5、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
8はH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか;あるいは、
8はR4と融合されて、
(v)5〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(vi)5〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)〜(vi)のうちのいずれかが、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールである、工程と;
(b)化合物IIにおけるニトリル置換基を、以下の式IIIの構造を有するアミドに変換する工程と;
【化8】

(c)化合物IIIを環化して前記オキシインドールIVを形成する工程、を含む前記方法。
【請求項7】
工程(a)が塩基を更に含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記塩基が、ナトリウムヘキサメチルジシラジドまたはハロゲン化イソプロピルマグネシウムである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(b)が過酸化水素を使用して行われる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
工程(c)が強塩基の存在下で行われる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記フルオロアレーンは:
【化9】

ここで:
XはF、ClまたはBrであり;および
2はBr、Cl、IまたはHであるもの、である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記フルオロアレーンが:
【化10】

である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)の生成物が:
【化11】

である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
工程(b)の生成物が:
【化12】

である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記オキシインドールが以下の構造:
【化13】

を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
以下の構造:
【化14】

を有する5−ピロール−3,3−オキシインドール化合物を調製する方法であって、ここで:
1、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、塩素、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COOR5、CON(R52およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
3およびR4は融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
8はH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、C1〜C6チオアルキル、置換されたC1〜C6チオアルキル、CF3、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールおよび置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか;あるいは、
8はR4と融合されて、
(v)5〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(vi)5〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)〜(vi)のうちのいずれかが、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
9はC1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリールまたはCORAであり;
AはH、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキルまたは置換されたC1〜C6アミノアルキルであり;
10はH、OH、NH2、CN、ハロゲン、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アミノアルキル、置換されたC1〜C6アミノアルキル、またはCORAであり;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであり;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
前記方法は:
(a)フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化15】

ここで、R2はハロゲン、N2+およびOSO2CF3からなる群から選択されるもの、を形成する工程と;
(b)工程(a)の生成物を、以下の構造のアミド:
【化16】

に変換する工程と;
(c)工程(b)の生成物を環化して以下の構造の化合物:
【化17】

とする工程と;
(d)工程(c)の生成物を、以下の構造のピロール:
【化18】

ここで、Yは離脱基であるもの、またはその塩と結合させる工程と;
を含む、前記方法。
【請求項17】
Yはホウ素含有離脱基である、請求項16に記載に方法。
【請求項18】
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを調製する方法であって:
(a)フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化19】

を形成する工程と;
(b)工程(a)の生成物を、以下の構造のアミド:
【化20】

に変換する工程と;
(c)工程(b)の生成物を環化して以下の構造の化合物:
【化21】

とする工程と;
(d)工程(c)の生成物を、1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる工程と;を含む、前記方法。
【請求項19】
以下の構造の化合物:
【化22】

を調製する方法であって、前記方法が:
(a)フルオロアレーンを二級ニトリルで置換して以下の構造の化合物:
【化23】

を形成する工程と;
(b)工程(a)の生成物を、以下の構造のアミド:
【化24】

に変換する工程と;
(c)アミドを環化して以下の構造のオキシインドール:
【化25】

にする工程と;
(d)オキシインドールを臭素化して、以下の構造の化合物:
【化26】

を形成する工程と;
(e)臭素化したオキシインドールを1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる工程と;を含む、前記方法。
【請求項20】
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを調製する方法であって:
(a)1,2,3−トリフルオロベンゼンを、イソブチロニトリルまたはメチル化1−シアノメチル−2,3−ジフルオロベンゼンと反応させて、以下の構造の化合物:
【化27】

を形成する工程と;
(b)工程(a)の生成物を、以下の構造のアミド:
【化28】

に変換する工程と;
(c)工程(b)の生成物を環化して以下の構造の化合物:
【化29】

にする工程と;
(d)工程(c)の生成物を臭素化して、以下の構造の化合物:
【化30】

を形成する工程と;
(e)工程(d)の生成物を1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる工程と;を含む、前記方法。
【請求項21】
前記1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物は、ボロン酸塩、ボリン酸塩、ボロン酸エステル、ボリン酸エステル、ボロン酸、またはボリン酸である、請求項18〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
7−フルオロ−3,3−ジメチル−インドール−2−オンを調製する方法であって:
(a)1,2,3−トリフルオロベンゼンを、イソブチロニトリルまたはメチル化1−シアノメチル−2,3−ジフルオロベンゼンと反応させて、以下の構造の化合物:
【化31】

を形成する工程と;
(b)該工程(a)の生成物を、以下の構造のアミド:
【化32】

に変換する工程と;
(c) 工程(b)の生成物を環化して前記7−フルオロ−3,3−ジメチル−インドール−2−オンにする工程と;を含む、前記方法。
【請求項23】
(d)工程(c)の生成物を臭素化して、5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−インドール−2−オンを形成する工程、を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
以下の構造:
【化33】

の化合物を調製する方法であって、前記方法が:
(a)ベンジルニトリルをアルキル化して、以下の構造の化合物:
【化34】

を形成する工程と;
(b)工程(a)の生成物を、以下の構造のアミド:
【化35】

に変換する工程と;
(c)アミドを環化して、以下の構造のオキシインドール:
【化36】

とする工程と;
(d)オキシインドールを臭化して、以下の構造の化合物:
【化37】

を形成する工程と;
(e)臭化されたオキシインドールを、1−メチル−5−シアノ−2−ピロール化合物と結合させる工程と;を含む、前記方法。
【請求項25】
チオ−オキシインドール化合物を調製する方法であって、前記方法は:
(a)式Iのフルオロアレーン:
【化38】

ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COO(R52、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)または(ii)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであるもの
を二級ニトリルで置換する工程と;
(b)工程(a)のニトリル置換基をアミドに変換する工程と;
(c)工程(b)の生成物を環化してオキシインドールとする工程と;
(d)前記オキシインドールを前記チオ−オキシインドールに変換する工程と;
を含む、前記方法。
【請求項26】
以下の構造のニトリル化合物:
【化39】

を調製する方法であって、
ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COO(R52、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)または(ii)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであり;
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)または(iv)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
前記方法は、以下の構造のフルオロアレーン:
【化40】

を、グリニャール試薬の存在下で式R67CHCNの二級ニトリルで置換する工程を含む、前記方法。
【請求項27】
前記方法が、約−40〜0℃の温度で行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記温度が約−25℃である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
以下の構造のニトリル化合物:
【化41】

を選択的に調製する方法であって、
ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COO(R52、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)または(ii)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであり;
6およびR7はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C14シクロアルキル、置換されたC3〜C14シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、N(R52、SR5およびOR5からなる群から選択されるか;あるいは、
6およびR7は融合されて、
(iii)3〜8員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(iv)3〜8員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(iii)または(iv)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
前記方法は、以下の構造のフルオロアレーン:
【化42】

を、グリニャール試薬の存在下、約−25℃で、式R67CHCNの二級ニトリルで置換する工程を含む、前記方法。
【請求項30】
前記グリニャール試薬が、イソプロピルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロミド、ビニルマグネシウムブロミド、o−トリルマグネシウムブロミド、およびジブチルマグネシウムクロライドからなる群から選択される、請求項26〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
イミノベンゾ[b]チオフェン化合物を調製する方法であって、前記方法は:
(a)式Iのフルオロアレーン:
【化43】

ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COO(R52、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和、もしくは不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)または(ii)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであるもの、
を二級ニトリルで置換する工程と;
(b)工程(a)のニトリル置換基をアミドに変換する工程と;
(c)前記アミドをチオアミドに変換する工程と;
(d)前記チオアミドを環化して前記イミノベンゾ[b]チオフェンとする工程と;を含む、前記方法。
【請求項32】
イミノベンゾ[b]チオフェン化合物を調製する方法であって、前記方法は:
(a)式Iのフルオロアレーン:
【化44】

ここで:
Xはハロゲンであり;
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換されたC2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換されたC2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、置換されたC3〜C8シクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、N2+、OSO2CF3、CF3、NO2、SR5、OR5、N(R52、COO(R52、CON(R52、およびSO2N(R52からなる群から選択されるか;あるいは、
1およびR2;R2およびR3;R3およびR4;R1、R2およびR3;またはR2、R3およびR4は、融合されて、
(i)3〜15員環の飽和した、または不飽和の炭素含有環;または
(ii)3〜15員環の複素環であって、その骨格に、O、SおよびNR11からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有するもの;
を形成し、
ここで、(i)または(ii)は、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルコキシ、またはN(R52によって任意に置換され;
5はC1〜C6アルキルおよびC1〜C6置換アルキルからなる群から選択され;
A、D、EおよびGはそれぞれ独立して、CおよびNからなる群から選択され、ここで、A、D、EまたはGのうちのいずれかがNである場合、対応するR1〜R4は任意に欠如しており;
11は、欠如しているか、H、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリール、または置換されたアリールであるもの、
を二級ニトリルで置換する工程と;
(b)工程(a)のニトリル置換基をチオアミドに変換する工程と;
(c)前記チオアミドを環化して前記イミノベンゾ[b]チオフェンとする工程と;を含む、前記方法。
【請求項33】
(e)前記イミノベンゾ[b]チオフェンを加水分解してベンゾ[b]チオフェノンとする工程、を更に含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(3−クロロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2−フルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピオニトリル;2−(2,3−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(2,6−ジフルオロフェニル)イソブチルアミド;2−(2−フルオロフェニル)イソブチルアミド;および2−(3−クロロピリジン−2−イル)イソブチルアミド;1−(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸アミドからなる群から選択される化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩。

【公表番号】特表2008−540337(P2008−540337A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509126(P2008−509126)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/016051
【国際公開番号】WO2006/118955
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】