説明

4−(アセチルアミノ))−3−[(4−クロロ−フェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸の製造のための中間体および方法

本発明は、式(X)の化合物およびその塩および医薬化合物(I)の合成のための改良製造方法における中間体としてのその使用に関する:


〔式中、Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;Yは水素、PhS−またはp−クロロフェニルスルファニルであり;Zは水素または−CHCOORでありここで、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される。〕。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化合物の大規模製造に係る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願PCT/SE2004/000808(WO2004/106302)は、呼吸器障害の処置用医薬化合物として有用な置換インドール類、それらを含む医薬およびそれらの製造に関する。より具体的に、WO2004/106302の25頁に4−(アセチルアミノ)−3−[(4−クロロ−フェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸(以下、式(I)の化合物と称す)が実施例1として開示されている。
【化1】

【0003】
式(I)の化合物の製造について、WO2004/106302の25頁および26頁に開示される経路を、下のスキーム(I)に示す。
【化2】

【0004】
WO2004/106302に開示されている式(I)の化合物の合成は、多くの潜在的欠点を有する。
例えば、先行文献方法は、極めて低い温度(−78℃)の使用を含む。かかる低温は、特別な工場設備および多大なエネルギーを必要とし、大規模では達成することが困難であることがある。
【0005】
先行文献方法は、大規模製造方法では望ましくないと見られている次亜塩素酸tert−ブチルの使用を含む。
先行文献方法は、環境への影響のための大規模使用には望ましくない溶媒であるジクロロメタンの使用を含む。
【0006】
本発明者等は、先行文献反応の一つ以上が相対的に速く進行することを確認している。高速発熱反応は、発生する熱を制御し、適切に放熱する必要があるため、非連続的大規模生産では欠点となり得る。
【0007】
国際特許出願PCT/GB2006/000060(WO2006/075139)は、治療剤として有用な置換インドール類の新規製造法に関する。より具体的に、WO2006/075139は、数種の式(I)の化合物の製造を開示しており、各方法は2−メチル−4−ニトロインドールから出発する。
WO2006/075139に開示されている式(I)の化合物の合成には多くの欠点がある。
【0008】
2−メチル−4−ニトロインドールが大規模製造方法に使用するためには良い出発物質ではないことを示唆する証拠がある。2−メチル−4−ニトロインドールの既知合成法の一つは、所望の生成物を低収率で提供するように見える(Tetrahedron, 1990, 46(17), 6085; およびTetrahedron Letters, 1983, 24(34), 3665-8)。2−メチル−4−ニトロインドールのもう一つの既知合成法には、制御の困難および安全性の問題が存在し得る有機溶媒存在下の、空気雰囲気の使用を含むため、より大きな規模での合成には望ましくない条件を必要とする(Tetrahedron Letters, 1999, 40, 5395; およびTetrahedron, 2004, 60, 347)。実際、2−メチル−4−ニトロインドール自体高エネルギー分子であり(2mmでケーネン試験陽性)、大規模でのその使用の相当な障害となる。さらに、2−メチル−4−ニトロインドールは、出発物質としては相対的に高価であり、これは、必要とする大量の溶媒および副産物除去のための複数回結晶化の必要性が原因の一部を占める。それ故に、2−メチル−4−ニトロインドールからの式(I)の化合物の先行技術合成の“製造原価”は、不都合なほど高い可能性がある。
【0009】
式(I)の化合物は活性医薬化合物として開発されている。安全で、費用効率が高く、効率的でかつ環境に配慮した式(I)の化合物の適切な合成法がそれ故に望まれる。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、上に記載した欠点の一つ以上の解決法を提供する。本発明の異なる面のさらなる技術的利点を下に記載する。
【0011】
本発明の第一の面において、式(X):
【化3】

〔式中、
Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;
Yは水素または
【化4】

であり;
Qは水素またはクロロであり;
Zは水素または−CHCOORであり、ここで、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される。〕
の化合物またはその塩を提供する。
【0012】
さらなる面において、ここに定義する式(X)の化合物が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の面において、式(II):
【化5】

〔式中、
は水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択され;
Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;
Yは水素または
【化6】

であり;
Qは水素またはクロロである。〕
の化合物またはその塩が提供される。
【0014】
驚くべきことに本発明者らは、式(I)の医薬化合物を、式(X)の化合物から、式(X)の化合物に最終的に式(I)の化合物に存在するコアとなるベンゼン環が存在しなくても、大規模で効率的に製造し得ることを発見した。
【0015】
さらなる面において、ここに定義する式(II)の化合物またはその塩の医薬中間体としての使用を提供する。
一つの態様において、ここに定義する式(II)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての使用を提供する。
さらなる面において、ここで定義する式(II)の化合物を提供する。
【0016】
当業者は、R基が本発明の方法において重要な役割を期待されない一時的な特徴であるため、本発明の実施に際して広範囲のR基を使用できることを理解する。R基は、ROHおよび式(I)の化合物またはその塩を遊離させる塩基性条件で開裂され得ることが理解される。ある種の場合、R基は、酸性条件下でまたは水素ガスを水素化触媒と共に使用してまたは他のあるタイプのエステル基の開裂について確立された条件を使用して開裂し得る。当業者は、上に記載したどの条件がR基の性質によって好ましいか理解する。
【0017】
可変基の別の態様および意義を下に記載し、そして、如何なる場面または態様においてもこれらの可変基を、他の何れかのここに記載する可変基または場面または態様と組合せ得ると解釈すべきである。本発明の態様および側面は、可変基のかかる組合せの全てを包含する。
【0018】
一つの態様において、式(IIa):
【化7】

〔式中、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される。〕
である式(II)の化合物;またはその塩が提供される。
【0019】
一つの態様において、ここに定義する式(IIa)である式(II)の化合物またはその塩の医薬中間体としての使用を提供する。
一つの態様において、ここに定義する式(IIa)である式(II)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての使用を提供する。
【0020】
式(IIa)の化合物は、式(III):
【化8】

〔式中、Rの意義はここに定義する通りである。〕
の化合物と2−(2−オキソプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジオンの反応により製造し得る。
【0021】
2−(2−オキソプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジオンは既知化合物であり、下に記載する通り、シクロヘキサン−1,3−ジオンとクロロアセトンを塩基性条件下に使用して製造し得る。
【0022】
式(III)の化合物は、市販されているかまたは市販出発物質から既知の化学反応を使用して製造し得る。例えば、式(III)の化合物のNH基を、2−ハロアセテートエステル、例えば2−クロロ酢酸エチルからのハロ基の置換を介して導入し得る。当業者は、窒素保護基の使用がかかる変換に有益であり得ることを理解する。
【0023】
あるいはN−保護されたグリシンを、式ROHのアルコールと、EDCIのようなカップリング剤を使用してまたは当分野で既知の他のエステル化条件を使用してカップリングし得る。
【0024】
式(IIa)の化合物を、以下の変換を行うことにより式(I)の化合物に変換し得る:
が水素であるとき:
(i) エステル化 − R基の導入;
そして、全例について:
(ii) チオアリール化 − チオアリール基の導入;
(iii) アセチル化および芳香族化 − コアとなるベンゼン環の形成およびアセチル基の導入;
その後:
(iv) 脱保護(脱エステル化) − R基の除去;
ここで、(ii)および(iii)は、いずれの順番で行ってもよい。
【0025】
一つの態様において、式(IIb):
【化9】

〔式中、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される。〕
である式(II)の化合物;またはその塩が提供される。
【0026】
一つの態様において、ここに定義した式(IIb)である式(II)の化合物またはその塩の医薬中間体としての使用が提供される。
一つの態様において、ここに定義した式(IIb)である式(II)の化合物またはその塩の式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての使用が提供される。
【0027】
式(IIb)の化合物は、式(IVa)または(IVb):
【化10】

の化合物をハロゲン化剤と反応させて反応材を活性化するか、スルフェニルハライドに変換した後、式(IIa)の化合物と反応させることにより製造し得る。例えば塩素化剤を使用してよい。適当な塩素化剤の例は、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、塩化スルフリルおよび塩素を含む。
【0028】
式(IIb)の化合物を、以下の変換を行うことにより式(I)の化合物に変換し得る:
が水素であるとき:
(i) エステル化 − R基の導入;
そして、全例について:
(ii) アセチル化および芳香族化 − コアとなるベンゼン環の形成およびアセチル基の導入;
その後:
(iii) 脱保護(すなわち脱エステル化) − R基の除去。
【0029】
一つの態様において、式(IIc):
【化11】

〔式中、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される。〕
である式(II)の化合物;が提供されるまたはその塩。
【0030】
一つの態様において、ここに定義した式(IIc)である式(II)の化合物またはその塩の医薬中間体としての使用が提供される。
一つの態様において、ここに定義した式(IIc)である式(II)の化合物またはその塩の式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての使用が提供される。
【0031】
式(IIc)の化合物は、式(IIb)の化合物とヒドロキシルアミンまたはその塩、例えばヒドロキシルアミンヒドロクロライドの反応により製造し得る。
【0032】
式(IIc)の化合物を以下の変換を行うことにより式(I)の化合物に変換し得る:
が水素であるとき:
(i) エステル化 − R基の導入;
そして、全例について:
(ii) アセチル化および芳香族化 − コアとなるベンゼン環の形成およびアセチル基の導入;
その後:
(iv) 脱保護(脱エステル化) − R基の除去。
【0033】
一つの態様において、式(IId):
【化12】

〔式中、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される。〕
である式(II)の化合物;またはその塩が提供される。
【0034】
一つの態様において、ここで定義する式(IId)である式(II)の化合物またはその塩の医薬中間体としての使用が提供される。
一つの態様において、ここで定義する式(IId)である式(II)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての使用が提供される。
【0035】
式(IId)の化合物は、式(IIa)の化合物とヒドロキシルアミンまたはその塩、例えばヒドロキシルアミンヒドロクロライドの反応により製造し得る。
【0036】
式(IId)の化合物を以下の変換を行うことにより式(I)の化合物に変換し得る:
が水素であるとき:
(i) エステル化 − R基の導入;
そして、全例について:
(ii) チオアリール化 − チオアリール基の導入;
(iii) アセチル化および芳香族化 − コアとなるベンゼン環の形成およびアセチル基の取り込み;
その後:
(iv) 脱保護(脱エステル化) − R基の除去;
ここで、工程(ii)および(iii)は、いずれの順番で行ってもよい。
【0037】
他の面において、式(XI):
【化13】

〔式中、
Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;
Yは
【化14】

であり;
Qは水素またはクロロである。〕
の化合物またはその塩が提供される。
【0038】
式(XI)の化合物は、例えば、下のスキームVIを介する経路を使用した、式(I)の化合物の製造に使用し得る。
【0039】
一つの態様において、式(XIa):
【化15】

の化合物が提供される
【0040】
式(XIa)の化合物は、式(XII):
【化16】

の化合物から、式(IIa)の化合物と式(IVa)または(IVb)の化合物からの式(IIb)の化合物の製造において記載した方法に類似した方法を使用して製造できる。
【0041】
他の態様において、式(XIb):
【化17】

の化合物が提供される。
【0042】
式(XIb)の化合物は、式(XIa)の化合物から、式(IIb)の化合物からの式(IIc)の化合物の製造において記載した方法に類似した方法を使用して製造できる。
【0043】
一つの態様において、“ヒドロカルビル”は水素原子と、1〜15個の炭素原子からなる基であり、ここで、該ヒドロカルビルは飽和でも、部分的飽和でも、完全に不飽和でもよく、直鎖、分枝鎖または環状要素を含み得る。
【0044】
一つの態様において、“ヘテロシクリル”は4−12員単環式または二環式環系であり、ここで、該ヘテロシクリルは、各々N、SおよびOから選択される1−4個のヘテロ原子を含み、ここで、該ヘテロシクリルは完全に飽和でも、部分的飽和でも、完全に不飽和でもよい。
【0045】
当業者は、ある種の本発明の化合物、例えば式(II)の化合物が異性体として存在できることを認識する。本発明は、特にことわらない限り、ここに開示する化合物の全ての異性体形態およびそれらの混合物を包含する。
【0046】
本明細書において、用語“アルキル”は、直鎖および分枝鎖両方のアルキル基を含む。
“プロピル”のような個々のアルキル基の記載は直鎖体のみに特異的であり、“イソプロピル”のような個々の分枝鎖アルキル基の記載は分枝鎖体のみに特異的である。この考えは、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基およびアルカノイル基のような本明細書内に記載する他の基にも当てはまる。
【0047】
例えば、“C1−6アルキル”はC1−4アルキル、C1−3アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルを含む。
本明細書において“C2−6アルケニル”はC2−3アルケニル、ブテニル、イソブテニル、1,5−ヘキサジエン−3−イルを含む。
用語“C2−6アルキニル”の例はC2−3アルキニル、ブチニル、プロピニルおよびエチニルを含む。
用語“C1−6アルコキシ”の例はC1−3アルコキシ、t−ブチルオキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、エトキシおよびメトキシを含む。
【0048】
用語“(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0〜2である)”の例は、“(C1−6アルキル)−S−、(C1−3アルキル)−S(O)−(式中、aは0〜2である)、(C1−3アルキル)−S(O)−”、イソプロピルスルファニル、プロピルスルホニル、メシルおよびエチルスルファニル、ブタンスルフィニルおよびイソペンチルスルフィニルを含む。
用語“C1−6アルコキシカルボニル”の例はC1−3アルコキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびイソペントキシカルボニルを含む。
【0049】
用語“C1−6アルキルスルホニル”の例はC1−3アルキルスルホニル、メシル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニルおよびイソブチルスルホニルを含む。
用語“C1−6アルカノイル”の例はC1−3アルカノイル、ホルミル、アセチルおよびプロピオニルを含む。
用語“N−(C1−6アルキル)アミノ”の例はN−(C1−3アルキル)アミノ、メチルアミノ、イソプロピルアミノおよびイソヘキシルアミノを含む。
【0050】
用語“N,N−(C1−6アルキル)アミノ”の例はN,N−(C1−3アルキル)アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノおよびN−ペンチル−N−エチルアミノを含む。
用語“N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ”の例はN−(C1−3アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、N−プロピオノイル−N−(C1−6アルキル)アミノ、N−プロピオノイルアミノ、N−アセチル−N−メチルアミノおよびN−アセチル−N−シクロプロピルアミノを含む。
【0051】
“N−(C1−6アルキル)カルバモイル”の例はN−(C1−3アルキル)カルバモイル、N−イソペンチルアミノカルボニル、N−メチルアミノカルボニルおよびN−エチルアミノカルボニルを含む。
“N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル”の例はN,N−(C1−3アルキル)カルバモイル、N−イソペンチル−N−エチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニルおよびN−メチル−N−エチルアミノカルボニルを含む。
【0052】
“N−(C1−6アルキル)スルファモイル”の例はN−(C1−3アルキル)スルファモイル、N−イソペンチルスルファモイル、N−メチルスルファモイルおよびN−エチルスルファモイルを含む。
“N,N−(C1−6アルキル)スルファモイル”の例はN,N−(C1−3アルキル)スルファモイル、N−イソペンチル−N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイルおよびN−メチル−N−エチルスルファモイルを含む。
【0053】
が水素である本発明の化合物から形成される塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩または有機塩基との塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリエタノールアミンとの塩であり得る。
【0054】
が塩基性基を含む本発明の化合物の塩は、例えば、無機または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸との、例えば、酸付加塩である。
【0055】
が酸性基を含む本発明の化合物の塩は、例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩または有機塩基との塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリエタノールアミンとの塩である。
【0056】
一つの態様において、Rは水素または場合により置換されていてよいヒドロカルビルである。
一つの態様において、“ヒドロカルビル”および“ヘテロシクリル”に場合により存在してよい置換基はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、C1−6アルコキシカルボニル、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルおよび(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)から選択される。
【0057】
さらなる態様において、Rは水素または非置換ヒドロカルビルである。
さらなる態様において、Rは水素である。
さらなる態様において、Rは場合により置換されていてよいヒドロカルビルである。
さらなる態様において、Rは非置換ヒドロカルビルである。
【0058】
さらなる態様において、Rは水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、場合により置換されていてよいフェニルおよび場合により置換されていてよいベンジルから選択される。
【0059】
さらなる態様において、Rは水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよい。
【0060】
さらなる態様において、RはC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよい。
【0061】
さらなる態様において、Rは水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択される。
さらなる態様において、RはC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択される。
さらなる態様において、Rは水素およびC1−6アルキルから選択される。
【0062】
さらなる態様において、Rは水素およびエチルから選択される。
さらなる態様において、RはC1−6アルキルである。
さらなる態様において、Rはエチルである。
さらなる態様において、Qはクロロである。
【0063】
さらなる態様において、Xは=Oまたは=N−OHである。
さらなる態様において、Xは=N−OC(O)Meである。
さらなる態様において、Xは=Oである。
さらなる態様において、Xは=N−OHである。
【0064】
それ故、一つの態様において:
が水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよく;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または
【化18】

であり;
Qが水素またはクロロである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0065】
さらなる態様において:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6−アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよく;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または
【化19】

であり;
Qが水素またはクロロである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0066】
さらなる態様において、医薬中間体としての:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択されから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6−アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよく;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または
【化20】

であり;
Qが水素またはクロロである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0067】
さらなる態様において、式(I)の化合物またはその塩の中間体としての:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択されから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよく;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または
【化21】

であり;
Qが水素またはクロロである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0068】
さらなる態様において:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または4−クロロフェニルスルファニルである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0069】
さらなる態様において、医薬中間体としての:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または4−クロロフェニルスルファニルである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0070】
さらなる態様において、式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または4−クロロフェニルスルファニルである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0071】
さらなる態様において、:
がC1−6アルキルから選択され;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または4−クロロフェニルスルファニルである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0072】
さらなる態様において、医薬中間体としての:
がC1−6アルキルから選択され;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または4−クロロフェニルスルファニルである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0073】
さらなる態様において、式(I)の化合物またはその塩の製造中間体としての:
がC1−6アルキルから選択され;
Xが=Oまたは=N−OHであり;
Yが水素または4−クロロフェニルスルファニルである;
上に記載する式(II)の化合物またはその塩が提供される。
【0074】
本発明のさらなる面は、式(I)の医薬化合物またはその塩またはエステルの製造方法であって、上に記載する式(IIc)の化合物とアセチル化剤を反応させ;
ここで、Rの意義は上に定義した通りであり、そしてQはクロロであり;
その後、場合により酸または塩基と反応させることを含む、方法を提供する。
【0075】
酸または塩基との反応は、式(I)の化合物またはその塩を提供するためのエステル基(Rが水素以外であるとき)の加水分解を達成する。
【0076】
中間体生成物混合物は、主に所望の式(V)のアミドを含むか、式(V)のアミドと、スキーム(II)に示す式(VI)のイミドの混合物を含み得る:
【化22】

【0077】
アミド(V)とイミド(VI)の混合物を、有機共溶媒、例えばエタノール存在下、水性酸で処理することにより、主にアミド(V)に変換し得る。あるいは、該混合物を脱エステル化(加水分解)条件下に付すると、イミド基がアミドに変換され、単離される生成物は式(I)の化合物またはその塩である。アミド(V)を、場合によりエタノールのような溶媒から再結晶して、脱エステル化前に純度を上げてもよい。
【0078】
一つの態様において、上に記載する式(IIc)である式(II)の化合物とアセチル化剤を反応させることを含む方法であって;
ここで、Rの意義が上に定義した通りであり、Qがクロロである、方法が提供される。
【0079】
それ故、一つの態様において、式(I)の医薬化合物またはその塩の製造方法であって、上に記載する式(IIc)の化合物とアセチル化剤を反応させ;
ここで、Rの意義は上に定義した通りであり、そしてQはクロロであり;その後、脱エステル化して、式(I)の化合物またはその塩を得ることを含む、方法を提供する。
【0080】
脱エステル化工程は、塩基または酸とのまたは触媒存在下水素とのの反応を含む。
一つの態様において、脱エステル化工程は、塩基との反応を含み得る。
【0081】
驚くべきことにある種の反応条件が、有利にイミドの形成を抑制することを発見した。例えば、酢酸無水物の量を4モル当量に減らし、ヨウ化ナトリウムを85℃で使用して反応時間を約4.5時間に維持する場合である。
適当な塩基の例は無機塩基、例えば金属水酸化物、例えばLiOH、NaOHまたはKOHである。
【0082】
上に記載した通り、式(IId)の化合物は、医薬化合物(I)またはその塩の製造中間体として驚くべきことに有用であることが判明した。本発明のさらなる面において、上に記載した式(IId)の化合物とアセチル化剤の反応を含み、ここで、Rがここで定義した通りである、方法を提供する。
【0083】
この反応の生成物はアミド(VI)とイミド(VII):
【化23】

である。
【0084】
これらの生成物は、混合物として次工程に用いられ、合成の後の段階で使用される加水分解条件が、式(I)の化合物またはその塩をもたらすためのイミドから所望のアミドへの変換を起こす。
【0085】
式(IIc)および(IId)の化合物が関与するアセチル化工程は、芳香族性炭化水素溶媒、例えばトルエン、キシレンまたはメシチレンまたはケトン溶媒、例えばメチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、カルボン酸溶媒、例えば酢酸またはエーテル溶媒、例えば2−メチルテトラヒドロフランのような溶媒中で行い得る。
【0086】
式(IIc)および(IId)の化合物が関与するアセチル化工程は、例えば約140℃までの高温で最良に働き得る。
【0087】
本発明のさらなる面は、式(IIc)または(IId)の化合物とアセチル化剤の反応がアイオダイド塩の存在下で行われる、改良法を提供する。
【0088】
驚くべきことに、反応中のアイオダイド塩の存在が、反応を効率的に進行させるために要求される温度を低下させることが見出された。アイオダイド塩の例は、金属アイオダイド類、例えばKI、NaI、LiIおよびアンモニウムアイオダイド塩、例えば(C1−6アルキル)NI、例えばテトラ−N−ブチルアンモニウムアイオダイドである。これらの方法に必要な反応温度は、通常の遙かに高い温度から、反応混合物へのアイオダイド塩の添加により80〜100℃まで下げることができる。化学量論量以下のアイオダイド塩が、この優れた効果を提供するのに十分である。
【0089】
アイオダイド塩の非存在下で、有利に低い温度で効率的な反応を可能にする他の条件が発明された。驚くべきことに、反応における共溶媒としてのカルボン酸の使用が、有利に低い温度で効率的な反応を可能にする。
【0090】
それ故、本発明のさらなる面は、式(IIc)または(IId)の化合物とアセチル化剤との反応をカルボン酸共溶媒存在下で行う、改良法を提供する。
【0091】
適当なカルボン酸類共溶媒は、1〜7個の炭素原子を含むカルボン酸類、例えば酢酸である。
例えば、キシレンまたはメシチレンと酢酸の50:50混合物の使用が、アイオダイド触媒の非存在下で、105〜110℃の温度での反応の進行を可能にし、さらに、5mol%のヨウ化ナトリウムまたはテトラブチルアンモニウムアイオダイドのいずれかの存在下における同溶媒混合物中では、95〜100℃のより低い温度で反応が進行する。
【0092】
本発明のさらなる面は、化合物(IIc)または(IId)が関与するアセチル化工程が、ルイス酸の存在下で行われる、改良法を提供する。ルイス酸の一例はFeClである。驚くべきことに、ルイス酸の添加により、アセチル化反応を、他の方法で必要とされる温度よりはるかに低い温度で効率的に進行させることが可能である。FeClの添加は、70℃程度の低い温度で反応の進行を可能にする。
【0093】
アセチル化剤は当業者に周知である。式(IIc)および(IId)の化合物が関与するアセチル化工程に使用し得るアセチル化剤は、酢酸無水物、アセチルハライド類、例えばアセチルクロライドおよびチオエステル類、例えばチオ酢酸フェニルを含む。チオ酢酸フェニルは、同等な条件下で、酢酸無水物単独よりも良好は変換をもたらすことが判明した。あるいは本方法で、アシル化剤、例えば安息香酸無水物またはピバル酸無水物を使用し得る。かかる反応の生成物中のアミド基を、加水分解し、得られたアミンを、アセチル化剤を使用してアセチル化する必要がある。
【0094】
なおさらなる態様において、本発明は式(I):
【化24】

の化合物の製造方法であって、式(IIAA):
【化25】

〔式中、R1’は水素またはC1−6アルキルである。〕
の化合物とアシル化剤を反応させ、脱エステル化することを含む、方法を提供する。
【0095】
一つの態様において、R1’は水素またはエチルである。
一つの態様において、アシル化剤はAcOである。
一つの態様において、本方法をキシレンおよびヨウ化ナトリウム存在下で行う。
【0096】
なおさらなる態様において、本発明は、下に定義する方法により製造された、式(I)の化合物を提供する。
本発明の種々の面を以下の実施例により提供する。3経路を、下のスキーム(III)、(IV)、(V)および(VI)に説明する。
【0097】
略語および一般的方法
使用した分析法はガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)および超高速液体クロマトグラフィー−質量分析(UHPLC−MS)を含む。質量分析データ(m/z)を観察されたピークの割り当てと共に提供する。核磁気共鳴(NMR)データを、特にことわらない限り、d−ジメチルスルホキシド中、300MHz、400MHzまたは500MHzで得た。標準的な略語を使用する(s=一重項、d=二重項、m=多重項、dd=二重項の二重項、t=三重項、q=四重項、br=幅広)。使用した溶媒はエタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル(EtOAc)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)および酢酸(AcOH)を含む。一般に、反応は窒素雰囲気下に行った。特にことわらない限り、方法は、環境温度(室温、r.t.)で、数時間または数分間撹拌しながら行った。Mol当量は、特定の限定試薬に対するその試薬のモル当量を表す。Rel vol(相対体積)は、限定試薬の特定の単位質量に対する溶媒の量、例えばL/kgを表す。Rel wt(相対重量)は、特定の限定試薬の単位重量に対する物質の重量での量、例えばkg/kgを表す。HPLC、GCおよびNMRによるアッセイを、当分野で既知の標準法を使用して、十分に特徴付けされた参照標準に対して行った。TCCA=トリクロロイソシアヌル酸。GC分析を、DB−1カラム(30m×0.25mm id、0.25μm)で、窒素を担体ガスとして使用し、適当な温度勾配およびフレームイオン化検出を使用して行うことができる。HPLC分析は、TFAで緩衝化した適当な水性アセトニトリル勾配で溶出する、Waters Symmetry C18カラム(150mm×3.0mm、3.5μm)またはZorbax SB-C8カラム(150mm×3.0mm、3.5μm)またはHichrom Ace Phenylカラム(50mm×3.0mm、3μm)のいずれかで、UV検出(230または250nm)することにより行うことができる。UHPLCは、それぞれ、TFAまたは酢酸アンモニウムで緩衝化した適当な水性アセトニトリル勾配で溶出する、BEH C18カラム(100mm×2.1mm、1.7μm)またはBEH Phenyl(100mm×2.1mm、1.7μm)のいずれかで、UV検出(250nm)することにより行うことができる。UHPLC−MSは、毛管ボルト数3.5kVで、コーン電圧を10から60Vに上昇させながら、+veまたは−veエレクトロスプレーイオン化を使用して行うことができる。LC−MSは、TFAで緩衝化した適当な水性アセトニトリル勾配で溶出する、Hichrom Ace Phenylカラム(50mm×3.0mm、3μm)で、複合APCI/+veエレクトロスプレーイオン化を使用するUV検出(230nm)で検出して行うことができる。
【0098】
【化26】

【0099】
(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル
【化27】

KOH(2.54kg、アッセイ用に2.26kgに補正、40.2moles)の水(4.0L)溶液を、30分間かけて、シクロヘキサン−1,3−ジオン(4.53kg、アッセイ用に4.51kgに補正、40.2moles)のEtOH(16.2L)溶液に、温度を30℃以下に維持しながら添加した。15分間、r.t.で撹拌後、新たに蒸留したクロロアセトン(4.39kg、アッセイ用に3.83kgに補正、41.4mol)を、温度を25−28℃に維持しながら混合物にゆっくり添加した。得られたスラリーをr.t.で19時間撹拌した。無機副産物を濾過により除去し、フィルター上でEtOH(4.5L)で洗浄した。濾液を合わせて、2−(2−オキソプロピル)シクロ−ヘキサン−1,3−ジオンをEtOH溶液として得た。GCによるアッセイ26.5%w/w;GCによる純度:82.3面積%。この溶液を反応器に移し、グリシンエチルエステル塩酸塩(6.41kg、アッセイ用に6.17kgに補正、44.2moles)をr.t.で撹拌しながら添加し、酢酸ナトリウム三水和物(6.04kg、アッセイ用に6.02kgに補正、44.3moles)を添加した。混合物をエタノール(28.9L)で希釈し、還流下2時間加熱した。EtOHを真空(−0.850乃至−0.900bar)で30℃で、40Lの蒸留物が回収されるまで除去した。残留物を0℃に冷却後、水(15L)を、0〜5℃の温度を維持しながら添加した。さらに1時間その温度で撹拌後、分離された固体を濾過により回収し、真空で、35℃で窒素流を用いて乾燥させて、表題化合物を固体として得た;6.7kg;H NMRによるアッセイ:86.6%w/w;アッセイ用に補正した重量:5.80kg(2工程で61%);GCによる純度:96.0面積%;m/z: 235(MH+); 1H NMR: (CDCl3) 1.27-1.32 (3H, t), 2.10-2.17 (2H, m), 2.19 (3H, s), 2.42-2.46 (2H, t), 2.65-2.69 (2H, t), 4.21-4.28 (2H, m), 4.51 (2H, s)および6.27 (1H, s)。
【0100】
(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル合成の別法
別法1
水酸化カリウム(23.58g、アッセイ用に20.0gに補正、357mmol)の水(36mL)溶液を、r.t.で1,3−シクロヘキサンジオン(39.97g、356mmol)のエタノール(144mL)溶液に撹拌しながら添加した(発熱性添加)。15分間、20℃で撹拌後、再蒸留クロロアセトン(37.62g、アッセイ用に33.9gに補正、366mmol)を一度に添加し、反応混合物を20時間、20℃で撹拌した。無機副産物を濾過により除去し、フィルターケーキをエタノール(40mL)で洗浄し、濾液を合わせて、2−(2−オキソ−プロピル)シクロヘキサン−1,3−ジオンを水性エタノール溶液として得た。この溶液にグリシンエチルエステルヒドロクロライド(54.73g、392mmol)および無水酢酸ナトリウム(32.19g、392mmol)を添加した。反応混合物を還流(75℃内部温度)で1時間加熱し、20℃に冷却し、19時間撹拌した。混合物を還流(内部温度75℃)に加熱し、水(116mL)を添加し、30分間かけて20℃に冷却した。少量の2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)−酢酸、エチルエステル(10mg)を種晶として添加し、数分後、生成物の結晶化が観察された。スラリーを30分間撹拌し、5℃に冷却し、18時間撹拌した。固体を濾過により回収し、水(2×80mL)、tert−ブチルメチルエーテル(2×80mL)で洗浄し、真空で、40℃で20時間乾燥させて、(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルを薄黄色結晶性固体、41.77g(49.8%収率)として得た。MP 105.1〜105.4℃。H NMRによるアッセイ99.3%w/w。GCによる純度100面積%。
【0101】
別法2
反応容器1中、水酸化カリウム(11.78g、アッセイ用に10.0gに補正、178mmol))を、水(72mL)に撹拌しながら溶解し(極めて発熱性)、溶液を20℃に再冷した。1,3−シクロヘキサンジオン(20.0g、178mmol)を添加し(発熱性添加)、得られた暗赤色溶液を20℃で5分間撹拌した。再蒸留クロロアセトン(18.9g、アッセイ用に17.0gに補正、184mmol)を一度に添加し、エタノール(18mL)に注ぎ、反応混合物を、一夜、20℃で撹拌した。得られた2−(2−オキソプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジオン溶液(体積124mL)を4等分した。グリシンエチルエステルヒドロクロライド(6.85g、49.0mmol)、無水酢酸ナトリウム(4.02g、49.0mmol)、水(26.5mL)およびエタノール(5.0mL)を反応容器2に仕込み、撹拌を開始した。上で製造した2−(2−オキソプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジオンの一つ(31mL)を反応容器2に撹拌しながら添加し、得られた混合物を75℃に加熱し、この温度を2時間維持し、55分間かけて20℃に冷却した。一夜、20℃で撹拌後、固体を濾過により回収し、水(10mL)、tert−ブチルメチルエーテル(2×10mL)で洗浄し、真空で、40℃で20時間乾燥させて、(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルをベージュ色固体、5.88g(56.0%収率)として得た。MP 101.2〜103.5℃。H NMRによるアッセイ95.3%w/w。GCによる純度99.25面積%。
【0102】
別法3
水酸化カリウム(1.0モル当量)の水(0.9相対体積)溶液を、1,3−シクロヘキサンジオン(1.0モル当量、限定試薬)の水(1.1相対体積)懸濁液に、撹拌しながら、約1時間かけて、30℃以下の温度を維持しながら添加した。さらに15分間後、クロロアセトン(1.03モル当量)を約4時間かけて添加し、反応混合物を、一夜、20℃で撹拌した。グリシンエチルエステルヒドロクロライド(1.1モル当量)および酢酸エチル(2相対体積)、続いて酢酸ナトリウム(1.1モル当量)および水(2相対体積)を添加した。反応混合物を60℃で2時間加熱し、50℃に冷却し、そこで、水性相を分離し、廃棄した。MTBE(4相対体積)を有機相に添加し、溶液を50℃まで再び温め、20分間かけて35℃に冷却した。(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(0.0001モル当量)の種晶を添加し、混合物を60分間かけて5℃に冷却し、一夜熟成させた(aged)。固体生成物を濾過により回収し、水(2相対体積)、MTBE(2×2相対体積)で洗浄し、40℃で真空下乾燥させて、表題化合物を62%収率で得た;純度98%w/w。
【0103】
[3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル
【化28】

TCCA(1.16kg、5.01moles)をビス−(4−クロロ−フェニル)ジスルフィド(4.83kg、アッセイ用に4.80kgに補正、16.7moles)のEtOAc(56L)溶液に添加した。混合物を0℃に冷却し、この温度に45分間維持した。(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(6.48kg、アッセイ用に5.61kgに補正、23.9moles)を3回に分けて添加した(穏やかな発熱)。30分間撹拌後サンプルをHPLC分析用に取り、NaHCO(1.12kg、13.3moles)の水(22.5L)溶液を添加した。混合物を30分間かけてr.t.に温め、さらに15分間撹拌後、固体副産物を濾過により除去し、EtOAc(6.5L)で洗浄した。濾液を合わせ、相を分離させた。水性層を分離し、EtOAc(11.2L)で抽出した。有機層を合わせ、分析して、HPLCアッセイにより、9.2%w/wであることが示され、HPLCによる純度は77.7面積%であった。有機溶液を、真空で〜10−12Lの体積が残るまで濃縮した(蒸留体積〜60L)。EtOH(38.9L)を残留物に添加し、蒸留を〜35Lの蒸留物が回収されるまで続けて、中間体[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルをEtOH溶液として得た。さらにEtOH(6.5L)をこの溶液に添加し、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(2.15kg、30.9moles)および無水酢酸ナトリウム(2.60kg、アッセイ用に2.55kgに補正、31.1moles)を添加し、混合物を4時間加熱還流した。1時間かけてr.t.に冷却後、固体生成物を濾過により回収した。反応器を50%v/v エタノール:水(13L)で濯ぎ、フィルターに移した。フィルター上で短く乾燥させた後、湿った生成物を反応器に移し、水(42L)を添加した。混合物を50℃に温め、30分間撹拌し、r.t.に再冷した。固体生成物を濾過により回収し、反応器に戻し、湿らせ、エタノール(19.4L)中、r.tで30分間スラリー化した。固体を濾過により回収し、エタノール(9.7L)、続いて新鮮エタノール(6.5L)で洗浄し、真空で40℃で乾燥させて、表題化合物を固体として得た;7.00kg;H NMRによるアッセイ87.5%w/w;アッセイ用に6.1kgに補正(2工程で65%);HPLCによる純度:88.4面積%;m/z: 393 (MH+); 1H NMR: 1.20-1.25 (3H, t), 1.79-1.86 (2H, m), 2.14 (3H, s), 2.50-2.51 (2H, t), 2.54-2.59 (2H, t), 4.15-4.22 (2H, m), 4.83 (2H, s), 6.92-6.95 (2H, d), 7.21-7.24 (2H, d)および10.22 (1H, s)。中間体[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルについてのデータ: 1H NMR: (CDCl3) 1.33-1.37 (3H, t), 2.14-2.23 (2H, m), 2.27 (3H, s), 2.45-2.49 (2H, t), 2.74-2.78 (2H, t), 4.27-4.35 (2H, m), 4.64 (2H, s), 7.03-7.08 (2H, d)および7.13-717 (2H, d)。
【0104】
中間体[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルの別合成法
ビス−(4−クロロフェニル)ジスルフィド(7.39g、25.7mmol)を、反応容器1中で、EtOAc(86.5mL)に溶解し、その間混合物を撹拌しながら5℃に冷却し、薄黄色溶液を得た。塩化スルフリル(2.1mL、25.7mmol)を一度に添加し(わずかに発熱)、15分間後オレンジ色溶液を得た。第二反応容器中、2−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(8.65g、36.8mmol)を、EtOAc(34.6mL)に撹拌しながらスラリー化し、その間混合物を5℃に冷却した。上で製造した予め冷却した反応容器1中の溶液を、第二容器に、温度を5〜10℃の範囲に維持しながら10分間かけて4等分して添加し、少量の不溶性物質を含む暗褐色溶液が形成した。混合物を、撹拌しながら90分間かけてr.t.に温めた。炭酸水素ナトリウム(1.73g、20.6mmol)の水(34.6mL)溶液を添加し、得られた二相混合物を15分間撹拌した。層を分離させ、水性相を廃棄した。上部有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、それを濾過により除去して、2−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルの酢酸エチル溶液、重量132.6gを得た。HPLCによるアッセイ8.4%w/w、それ故、11.1g 2−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルが存在する(80%収率)。
【0105】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルの別合成法
別法1
容器1中、ビス−(4−クロロベンゼン)ジスルフィド(0.53モル当量)を、撹拌しながら酢酸エチル(3.5相対体積)に懸濁し、混合物を0℃に冷却した。塩化スルフリル(0.53モル当量)を一度に添加し、残留物を酢酸エチル(0.5相対体積)で洗浄し、混合物を0℃で約1時間撹拌した。(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(1.0モル当量、限定試薬)および酢酸エチル(5相対体積)を容器2に仕込み、混合物を20℃で撹拌した。容器1の中身を容器2の混合物に約30分間かけて添加し、残留物を酢酸エチル(0.5相対体積)で洗浄した。水性炭酸ナトリウム(1M、1.45モル当量)をゆっくり添加し(ガス発生)、混合物を撹拌し、層を分離させ、下部水性相を廃棄した。塩化ナトリウム(1.45モル当量)の水(5相対体積)溶液を有機相に添加し、混合物を撹拌し、層を分離させ、下部水性相を廃棄した。有機層を、大気圧で約4相対体積まで蒸留により濃縮した。ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1.0モル当量)を、濃縮物に20℃で添加し、トリブチルアミン(1.0モル当量)およびエタノール(2相対体積)を添加し、得られた混合物を60℃で4時間加熱した。混合物を20℃に冷却し、固体を濾過により回収し、酢酸エチル(2×2相対体積)で洗浄し、40℃で真空下乾燥させて、表題化合物を87.3%収率;純度99%w/wで得た。
【0106】
別法2
容器1中、ビス−(4−クロロベンゼン)ジスルフィド(0.53モル当量)を、撹拌しながら酢酸エチル(4相対体積)に懸濁し、混合物を5℃に冷却した。塩化スルフリル(0.53モル当量)を一度に添加し、混合物を5℃で約1時間撹拌した。(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(1.0当量、限定試薬)および酢酸エチル(5相対体積)を容器2に仕込み、混合物を20℃で撹拌した。容器1の中身を約30分間かけて容器2の混合物に添加し、残留物を酢酸エチル(0.5相対体積)で洗浄した。トリエチルアミン(1.0モル当量)を添加し、混合物を一夜撹拌した。固体副産物を濾過により除去し、フィルターケーキを酢酸エチル(1相対体積)で洗浄し、合わせた濾液を真空で蒸発させた。残留物を酢酸エチル(4相対体積)とエタノール(2相対体積)の混合物に溶解し、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1.0モル当量)およびトリブチルアミン(1.0モル当量)を添加した。混合物を60℃で4時間加熱し、20℃に冷却した。生成物を濾過により回収し、酢酸エチル(2×2相対体積)で洗浄し、40℃で真空下乾燥させて、表題化合物を83%収率;HPLCによる純度95.95面積%で得た。
【0107】
別法3
容器1中、ビス−(4−クロロベンゼン)ジスルフィド(0.53モル当量)を酢酸エチル(4相対体積)に懸濁し、5℃に冷却した。混合物を塩素で5℃で15分間処理し、窒素でパージし、真空下脱気した。(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(1.0当量、限定試薬)および酢酸エチル(4.5相対体積)を容器2に仕込み、混合物を20℃で撹拌した。容器1の中身を約30分間かけて容器2の混合物に添加し、残留物を酢酸エチル(0.5相対体積)で洗浄した。トリエチルアミン(1.5モル当量)を添加し、混合物を一夜撹拌した。固体副産物を濾過により除去し、酢酸エチル(1相対体積)で洗浄した。ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1.0モル当量)、続いて、合わせた濾液を他の容器に入れた。トリブチルアミン(1.0モル当量)およびエタノール(2L/kg)を添加し、得られた混合物を60℃で4時間加熱した。さらにヒドロキシルアミンヒドロクロライド(0.5モル当量)およびトリブチルアミン(0.5モル当量)を添加し、混合物を60℃で4時間加熱した。混合物を20℃に冷却し、固体生成物を濾過により回収し、酢酸エチル(2×2相対体積)で洗浄し、40℃で真空下乾燥させて、表題化合物を80.1%収率;HPLCによる純度96.5面積%で得た。
【0108】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル
【化29】

方法1
撹拌している[3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(1.15kg、アッセイ用に1.00kgに補正、2.56moles)および粉末NaI(191.5g、1.28moles)のキシレン(7.0L)中のスラリーを85℃に加熱した。酢酸無水物(1.06kg、アッセイ用に1.05kgに補正、10.2moles)を1時間かけて、83〜85℃で添加した。アセチル化オキシムが、この反応中に形成される中間体であると予測される。この温度で4.5時間維持後、混合物を45−50℃に冷却し、溶媒を真空で除去した(−830乃至−850mbar)。キシレン(7.0L)を残留物に添加し、水(2.0L)を添加し、混合物を60℃に加熱して、透明な2相を得た。水性層を分離し、有機相を真空で45〜50℃で〜10Lの蒸留物が回収されるまで濃縮し、残留物で結晶化が観察された。EtOH(2.0L)を残留物に添加し、それを真空で45〜50℃で濃縮した。さらにEtOH(2.0L)を残留物に添加し、それを30分間かけて10℃に冷却し、この温度に1時間維持した。固体生成物を濾過により回収し、EtOH(1.0L)で洗浄し、真空で、40℃で12時間乾燥させて、粗[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルを固体として得た;0.70kg;H NMRによるアッセイ:96.8%w/w;アッセイ用に0.68kgに補正(64%);HPLCによる純度:97.9面積%。粗[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(0.50kg)を、2.00kg(補正した投入量)規模で行った2つの類似の製造由来の湿った生成物(総重量4.88kg)とEtOH(42.8L)中で合わせ、混合物を75℃に加熱した。15分間、この温度に維持後、得られた溶液を2.5時間かけて15℃に冷却し、結晶化を誘発した。固体生成物を濾過により回収し、フィルター上でEtOH(4.76L)で洗浄し、真空で40℃で乾燥させて、表題化合物を固体として得た;3.25kg;H NMRによるアッセイ96.8%w/w;アッセイ用に補正した収量:3.15kg(63%);HPLCによる純度:98.6面積%;m/z: 417 (MH+); 1H NMR: 1.12-1.24 (3H, t), 1.87 (3H, s), 2.40 (3H, s), 4.15-4.22 (2H, q), 5.23 (2H, s), 6.97-7.00 (2H, d), 7.09-7.12 (1H, m), 7.28-7.38 (3H, m), 7.48-7.51 (1H, d), 9.50 (1H, br s)。
【0109】
方法2
撹拌している[3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(571mg、アッセイ用に500mgに補正、1.11mmol)のキシレン(2.5mL)および酢酸(2.5ml)中のスラリーを107℃に加熱した。酢酸無水物(481μl、4.45mmol)を添加した。95−100℃で2時間加熱後、HPLC分析は、反応混合物中79面積%の[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルの存在を示した(参照物質との保持時間の比較により同定)。
【0110】
方法3
フラスコ1中、ヨウ化ナトリウム(171.6mg、1.14mmol)のキシレン(12.5mL)溶液、酢酸(12.5ml)および酢酸無水物(4.2mL、44.54mmoles)の混合物を97℃に加熱した。フラスコ2中、酢酸無水物(4.2mL、44.5mmol)を、撹拌している[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(10g、アッセイ用に22.3mmolに補正)のキシレン(12.5mL)および酢酸(12.5ml)中のスラリーに環境温度で添加した。フラスコ2中の混合物をフラスコ1中の混合物に、温度を97℃に維持しながら2−3時間かけて添加した。添加後、反応物をこの温度にさらに2時間維持した。反応物を60℃に冷却し、2等分した。この一つをr.t.に冷却し、プロパン−1−オール(25mL)を添加し、水(25mL)を15分間かけて添加し、沈殿を起こした。1時間撹拌後、固体生成物を濾過により回収し、プロパン−1−オール(2×10mL)洗浄し、真空で40℃で乾燥させて、粗[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルを固体として得た;4.32g(反応混合物の半量の後処理に基づき91%)。HPLCでの純度97.15面積%。
【0111】
方法4
容器1中、ヨウ化ナトリウム(0.05mol当量)のキシレン(1.0相対体積)溶液、酢酸(1.0相対体積)および酢酸無水物(1.2モル当量)の混合物を、97−103℃で撹拌しながら加熱した。容器2中、酢酸無水物(1.3モル当量)を撹拌している[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(1モル当量、限定試薬)のキシレン(1.0相対体積)および酢酸(1.0相対体積)中のスラリーに、19−25℃で添加した。この温度で2時間撹拌後、この混合物を反応容器1の溶液に、2.5時間かけて、98〜102℃の温度に維持しながら添加した。容器2をキシレン(0.25相対体積)と酢酸(0.25相対体積)の混合物で濯ぎ、それを容器1に添加した。反応物を98〜102℃でさらに1.5時間維持し、60℃に冷却した。キシレン(0.9相対体積)を添加し、温めた(60℃)塩化ナトリウム(0.19相対重量)の水(1.5相対体積)溶液を添加し、温度を60℃に調節した。水性層を分離し、廃棄した。温めた(60℃で)チオ硫酸ナトリウム(0.1モル当量)の水(0.5相対体積)溶液を添加し、混合後、水性層を分離し、廃棄した。生成物がヘプタン(3相対体積)の有機層への添加により沈殿し、その間57〜63℃の温度を維持した。得られたスラリーを1時間かけて20℃に冷却し、固体生成物を遠心分離により回収し、エタノール(3.0相対体積)で洗浄し、乾燥させて、粗[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルを固体として77%収率で得た;UHPLCによる純度97.4面積%。
粗[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(限定試薬)をアセトニトリル(9.1相対体積)と水(4.5相対体積)の混合物に、撹拌しながら80℃に加熱することにより溶解した。溶液を15℃に冷却し、得られた固体生成物を遠心分離により回収し、エタノール(1.7相対体積)で洗浄し、乾燥させて、[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルを固体として92%収率で得た;UHPLCによる純度99.4面積%。
【0112】
方法5
容器1中、ヨウ化ナトリウム(0.0625mol当量)のキシレン(1.99相対体積)溶液、酢酸(0.27相対体積)および酢酸無水物(1.27モル当量)の混合物を、撹拌しながら102.5℃に加熱した。容器2中、酢酸無水物(1.27モル当量)を撹拌している[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(1モル当量、限定試薬)のキシレン(2.24相対体積)および酢酸(0.27相対体積)中のスラリーに22℃で添加した。この温度で30分間撹拌後、この混合物を反応容器1に50分間かけて、102.5℃の温度を維持しながら添加した。反応物をこの温度にさらに2.5時間維持した。反応物を60℃に冷却し、チオ硫酸ナトリウム(0.05モル当量)および水(0.5相対体積)を添加した。混合し、層を分離後、下部水性層を廃棄し、有機層を真空下で蒸留し、1.8相対体積の蒸留物を除去した。温度を95℃に調製し、生成物がヘプタン(3相対体積)添加により沈殿した。懸濁液を1時間かけて20℃に冷却し、固体生成物を濾過により回収し、エタノール(2相対体積)で洗浄し、真空で40℃で乾燥させて、粗[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルを固体として得た;81%収率;UHPLCによる純度98.3面積%。
【0113】
中間体[3−[(4−クロロフェニル)スルファニル]−1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イリデン]アミノアセテートサンプルの製造および単離
酢酸無水物(4.33mL、45.8mmol)を[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(15g、38.2mmol)のキシレン(33.75mL)および酢酸(3.75mL)中のスラリーに添加し、混合物をr.t.で約20分間撹拌した。表題化合物のサンプルを濾過により単離し、40℃で乾燥させた。m/z 435/437 (MH+); 1H NMR: 7.27 - 7.23 (2H, m), 7.00 - 6.96 (2H, m), 4.92 (2H, s), 4.19 (2H, q, J = 7.1Hz), 2.68 - 2.59 (4H, m), 2.19 (3H, s), 1.90 (3H, s), 1.89 - 1.81 (2H, m), 1.22 (3H, t, J = 7.1Hz)。
【0114】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化30】

撹拌している[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(3.16kg、アッセイ用に3.05kgに補正、7.3moles)の1−プロパノール(15.3L)スラリーに、水性NaOH(1M、15.3L)を添加した。混合物を70℃で2時間加熱し、40℃に冷却し、MIBK(30.5L)を添加し、混合物を80℃に再加熱した。得られた二相混合物の約20%を反応容器から除き、別に処理した。残りについて、水性塩酸(1M、13.4L)を45分間にわたり溶液に添加し、得られたスラリーを15℃に1時間かけて冷却し、この温度でさらに30分間撹拌を続けた。固体生成物を濾過により回収し、水(2×9.8L)、EtOAc(7.3L)で洗浄し、フィルター上、真空で45℃で10分間乾燥させて、表題化合物を固体として得た;2.15kg;H NMRによるアッセイ:99.4%w/w;アッセイ用に2.14kgに補正(94%);純度:HPLCで99.5面積%;m/z: 389 (MH+); 1H NMR: 1.86 (3H, s), 2.34 (3H, s), 5.11 (2H, s), 6.97-7.00 (2H, d), 7.08-7.11 (1H, m), 7.27-7.30 (3H, m), 7.47-7.50 (1H, d), 9.50 (1H, br s)。
【0115】
別法1
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(30.0kg、72.0moles)、1−プロパノール(120.6kg)および水性NaOH(1M、150.1kg)の混合物を68〜72℃に加熱し、この温度で16分間維持した。得られた溶液を18〜22℃に冷却し、濾過して粒子状物質を除き、フィルターを水(15.0kg)で濯いだ。MIBK(240.3kg)を合わせた濾液に添加し、二相混合物を83〜87℃に加熱した。水性塩酸(1M、60.0kg)を熱溶液に約15分間かけて、反応温度を83〜87℃に維持しながら添加し、さらに2回同物質を添加した(52.6kgを約20分間かけておよび52.6kgを約20分間かけて)。得られたスラリーを13〜17℃に2時間かけて冷却し、撹拌をその温度でさらに15分間続けた。固体生成物を濾過により回収し、水(2×60kg)、EtOAc(81.1kg)で洗浄し、フィルター上、窒素を用いて40℃で乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た;25.2kg(90%)
【0116】
別法2
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(99.9kg、240moles)、エタノール(393kg)、水(450kg)および水性NaOH(10M、72.3kg)の混合物を59〜65℃に加熱し、この温度に30分間維持した。得られた溶液を17〜23℃に冷却し、濾過して粒子状物質を除き、フィルターを水(50.9kg)で濯いだ。MIBK(403kg)を合わせた濾液に添加し、混合物を55〜65℃に加熱した。水性塩酸(10M、65.0kg)と水(496kg)の混合物を約45分間かけて熱溶液に、反応温度をこの特定範囲に維持しながら添加した。得られたスラリーを12〜18℃に約60分間かけて冷却し、この温度に一夜維持した。固体生成物を遠心分離により回収し、水(396kg)、エタノール(249kg)で洗浄し、真空下、最高ジャケット温度60℃で乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た;79.1kg(94%);純度:HPLCにより99.5面積%。
【0117】
【化31】

【0118】
[4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル
【化32】

撹拌している(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル(59.55g、純度に対して補正して54.06g、0.23moles)、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(24.44g、純度に対して補正して23.95g、0.345moles)および酢酸ナトリウム三水和物(47.14g、純度に対して補正して46.90g、0.345moles)の水(108mL)およびEtOH(540mL)中の混合物を、還流下、2.5時間加熱した。混合物を10℃に冷却し、固体生成物を濾過により回収し、真空で40℃で乾燥させて、表題化合物をE−およびZ−異性体の混合物として得た;55.4g;HPLCによるアッセイ:99.0%w/w;アッセイ用に補正した収量:54.8g(95.3%);HPLCによる純度:2生成物ピークの合計で98.9面積%;LC-MS m/z:生成物ピークの各々で250。
【0119】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
撹拌している[4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(2.068g、純度に対して補正して2.00g、8.0mmol)、酢酸無水物(12.37g、純度に対して補正して12.24g、0.120moles)およびテトラブチルアンモニウムアイオダイド(2.997g、純度に対して補正して2.953g、8.0mmol)のキシレン(16mL)中の混合物を、還流下、2時間加熱した。アセチル化オキシムが、この反応中、形成される中間体であると予測される。r.t.に冷却後、酢酸無水物およびキシレンを、真空で50℃で除去した。水(10mL)を粘性残留物に添加し、混合物を真空で50℃で蒸発乾固した。r.t.に冷却後、CHCl(20mL)を残留物に添加し、撹拌を10分間続けた。不溶性物質を濾過により除去し、濾液を真空で濃縮した。キシレン(20mL)を残留物に添加し、撹拌を10分間続け、さらに固体物質を濾過により除去した。濾液を50℃真空で濃縮し、EtOAc(20mL)を残留物に添加して、生成物混合物をEtOAc溶液として得た;HPLCによる純度:9.67面積%(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルおよび74.79面積%(4−ジアセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸エチル;LC−MSはm/z:275および317を示し、両方ともMHに一致。
【0120】
TCCA(0.326g、純度に対して補正して0.316g、1.36mmol)のEtOAc(10mL)溶液に、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド(1.18g、純度に対して補正して1.14g、4.0mmol)を添加した。上で製造した(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルおよび(4−ジアセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルを混合物に10分間かけて滴下した。1時間撹拌後、不溶性物質を濾過により除去した。濾液を真空で40℃で濃縮し、EtOH(10mL)を残留物に添加して、生成物混合物をEtOH溶液として得た;HPLCによる純度:[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルおよび[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−ジアセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルの混合物として87.47面積%;m/z:417および459、両方ともMHに一致。NaOH(0.326g、純度に対して補正して0.319g、8.0mmol)の水(10mL)溶液を上で製造した[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルおよび[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−ジアセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルのEtOH中の混合物に添加した。2時間後、EtOHを真空で35℃で除去した。残存水性層をEtOAc(10mL)で洗浄し、水(10mL)で希釈し、水性塩酸でpH4に酸性化した。得られた生成物を濾過により回収し、EtOH(10mL)中、50℃で15分間スラリー化した。R.t.に再冷後、固体を濾過により回収し、EtOH(4.0mL)で洗浄し、真空で40℃で乾燥させて、表題化合物を固体として得た;1.1g(3工程で35.4%);HPLCによる純度:98.24面積%。
【0121】
【化33】

【0122】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化34】

LiOH(1.79g、アッセイ用に1.77gに補正、42.2mmol)溶液を、撹拌している[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(7.5g、アッセイ用に5.33gに補正、14.1mmol)の、THF(27mL)とMeOH(27mL)の混合物中の溶液に添加した。混合物を1時間撹拌した。溶媒を真空(45mbar)で45℃で、混合物の体積が〜20mLになるまで除去した。水(27mL)およびCHCl(27mL)を添加し、混合物を5分間撹拌した。層を分離させ、濃水性塩酸(5mL)を水性層に添加し、得られた固体生成物を濾過により回収し、水(5mL)で洗浄した。この粗湿った生成物をEtOAc(20mL)、CHCl(20mL)およびヘプタン(20mL)の混合物中、r.t.でスラリー化した。生成物をフィルター上で短く乾燥させて、表題化合物を得た;4.64g;H NMRによるアッセイ:89.3%w/w;アッセイ用に補正した収量:4.14g(84%);LCによる純度99.1面積%;m/z: 350 (MH+); 1H NMR: 1.99-2.05 (2H, m), 2.16 (3H, s), 2.26-2.31 (2H, t), 2.73-2.77 (2H, t), 4.83 (2H, s), 6.95-6.99 (2H, d), 7.23-7.27(2H, d)。
【0123】
経路3A
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸の別合成法
【化35】

【0124】
2−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸
【化36】

撹拌している2−(2−オキソプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジオン(真空下エタノール性溶液の蒸発乾固により製造)(20.0g、119mmol)およびグリシン(17.9g、238mmol)の酢酸(100mL)中の混合物を、還流下1.5時間加熱し、r.t.に冷却した。水(100mL)を添加し、混合物を真空で濃油状物になるまで蒸発させた。アセトン(200mL)および水(40mL)を残留物に添加し、混合物30分間、r.t.で撹拌し、その後固体を濾過により回収し、濾液を保持した。固体をさらなるアセトン(100mL)および水(20mL)でr.t.でスラリー化し、濾過により除去した。合わせた濾液を真空で濃縮し、水性水酸化ナトリウム(1M、200mL)に溶解し、少量の10M 水酸化ナトリウムを添加して、pH14にした。酢酸エチル(2×100mL)で洗浄後、混合物を水性塩酸(5M、60mL)添加により酸性化し、塩化ナトリウム(50g)を添加した。4時間撹拌後、固体生成物を濾過により回収し、アセトン(2×25mL)で洗浄し、真空下、40℃で乾燥させて、表題化合物をオレンジ色−褐色固体として得た;7.45g(30%);HPLCによる純度99.1面積%;m/z: 208 (MH+); 1H-NMR: 13.2 (1H, br s), 6.02 (1H, s), 4.67 (2H, s), 2.65 (2H, t, J = 6.2Hz), 2.29 - 2.24 (2H, m), 2.10 (3H, s), 2.02 - 1.95 (2H, m)。
【0125】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化37】

塩化スルフリル(0.2mL、2.5mmol)を、反応フラスコ1中、撹拌しながら、ビス−(4−クロロベンゼン)ジスルフィド(0.72g、2.5mmol)の酢酸エチル(7.5mL)溶液に、r.t.で添加した。添加完了時、混合物をさらに60分間撹拌した。反応フラスコ1の中身を、5分間かけて、反応フラスコ2中の撹拌している2−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸(0.9g、4.3mmol)の酢酸エチル(7.5mL)懸濁液にr.t.で添加した。反応フラスコ1を酢酸エチル(2mL)で濯ぎ、それを反応フラスコ2に移した。撹拌を1時間続け、水(15mL)の添加により反応をクエンチした。一夜静置後、水性水酸化ナトリウム(1M、25mL)を二相混合物に撹拌しながら添加し、少量の10M 水酸化ナトリウムを添加してpH14にした。層を分離し、水性相を酢酸エチル(25mL)で洗浄し、水性塩酸(5M、7ml)を使用して酸性化した。r.t.で撹拌後、最初に分離した油状物が固化し、濾過により回収し、水(2×10mL)で洗浄し、真空下、40℃で乾燥させて、表題化合物を薄褐色固体として得た;1.0g(66%);純度:HPLCにより79.5面積%;m/z: 350/352 (MH+); 1H-NMR: 13.3 (1H, br s), 7.25 (2H, d, J = 8.3Hz), 6.96 (2H, d, J = 8.3Hz), 4.84 (2H, s), 2.75 (2H, t, J = 5.9Hz), 2.28 (2H, t, J = 6.1Hz), 2.16 (3H, s), 2.03 - 1.97 (2H, m)。
【0126】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化38】

[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸(4.0g、アッセイ用に3.57gに補正、10.2mmol)、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1.05g、アッセイ用に1.04gに補正、15.0mmol)および無水酢酸ナトリウム(1.24g、アッセイ用に1.23gに補正、15.0mmol)のEtOH(40mL)中の混合物を還流下6時間加熱した。0℃に冷却後、固体生成物を濾過により回収し、EtOH(14mL)と水(14mL)の混合物中、15分間、r.t.でスラリー化した。固体を濾過により回収し、アセトン(14mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥させて、表題化合物を得た;3.42g;NMRによるアッセイ:95.3%w/w;アッセイ用に補正した収量:3.26g(87%);m/z: 365 (MH+); 1.79-1.83 (2H, m), 2.13 (3H, s), 2.54-2.59 (4H, t), 4.73 (2H, s), 6.91-6.98 (2H, d), 7.20-7.25 (2H, d), 10.23 (1H, br s)。
【0127】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸の別合成法
【化39】

水性水酸化ナトリウム(1M、10mL、10mmol)および水(20mL)を、撹拌している[3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル(4.0g、10.2mmol)およびエタノール(40mL)の懸濁液に添加し、混合物を40℃に温めた。1.5時間、この温度の後、反応混合物をr.t.に冷却し、一夜維持した。懸濁液を33℃に再加熱し、酢酸(1.7mL、29.7mmol)を得られた溶液に添加した。混合物をr.t.に冷却し、固体生成物を濾過により回収し、水(2×20mL)で洗浄し、真空下、30℃で乾燥させて、表題化合物を固体として得た;2.94g(79%);HPLCによる純度98.9面積%
【0128】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化40】

[3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸(1.0g、アッセイ用に0.9gに補正、2.6mmol)、NaI(0.20g、1.3mmol)および酢酸無水物(1.0mL、10.6mmol)のキシレン(6.7mL)中の混合物を85℃で5時間加熱した。アセチル化オキシムが、この反応中、形成される中間体であると予測される。r.t.に冷却後、サンプルをUPLC−MSで分析し、信頼できるサンプルと一致する保持時間に、39面積%[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸を示した。
【0129】
2−(4−アセトアミド−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸の合成
【化41】

【0130】
2−[4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化42】

2−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル)酢酸(4.0g、19mmol)、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(2.0g、29mmol)および無水酢酸ナトリウム(2.4g、29mmol)のエタノール(40mL)中の混合物を、還流下、6時間、撹拌しながら加熱した。r.t.に冷却し、一夜維持した後、混合物をさらに4℃に冷却した。固体生成物を濾過により回収し、水(15mL)、エタノール(15mL)で洗浄し、真空下、40℃で乾燥させて、表題化合物を薄褐色固体として得た;3.68g(86%);純度:HPLCにより96.7面積%;m/z: 223 (MH+); 1H-NMR: 9.82 (1H, br s), 6.48 (1H, d, J = 0.90Hz), 4.58 (2H, s), 2.56 - 2.51 (2H, m), 2.29 - 2.24 (2H, m), 2.09 (3H, s), 1.86 - 1.79 (2H, m)。
【0131】
2−(4−アセトアミド−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸
【化43】

酢酸無水物(1.0mL、10.6mmol)を、反応フラスコ1中、撹拌している2−[4−(ヒドロキシイミノ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−1−イル]酢酸(2.0g、9.0mmol)の、酢酸(10mL)とキシレン(10mL)中のスラリーにr.t.で添加し(穏やかな発熱性添加)、混合物を75分間撹拌した。同時に、反応フラスコ2に酢酸(5mL)、キシレン(5mL)、酢酸無水物(2.6mL、27.5mmol)およびヨウ化ナトリウム(270mg、1.80mmol)を仕込み、混合物を90〜100℃で撹拌しながら加熱した。反応フラスコ1の中身を反応フラスコ2に、1.5時間かけて数回に分けて添加し、その間90〜100℃の反応温度を維持した。反応フラスコ1をキシレン(2mL)と酢酸(2mL)の混合物で濯ぎ、それを反応フラスコ2に移した。その後、反応混合物を100℃でさらに2.5時間維持し、r.t.に冷却した。液体相を反応フラスコ中の濃残留物から傾捨し、残留物を酢酸(5mL)、キシレン(5mL)で洗浄した。傾捨した液体および洗液を合わせ、真空で蒸発乾固して、暗褐色残留物を得た。HPLCおよびLC−MSによる分析はm/z 247 (MH)となる29.2面積%のピークを示した。
【0132】
【化44】

【0133】
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−オン
【化45】

塩化スルフリル(1.7mL、21mmol)を、氷水浴で冷却している反応フラスコ1中、撹拌しながら、ビス−(4−クロロベンゼン)ジスルフィド(6.0g、21mmol)の酢酸エチル(45mL)溶液にゆっくり添加した。添加完了時、混合物をr.t.で30分間撹拌した。反応フラスコ1の中身を、1時間かけて、氷水浴で冷却している反応フラスコ2中の2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−オン(5.0g、33.5mmol)の酢酸エチル(22.5mL)懸濁液に1時間かけて添加し、さらに酢酸エチルを、添加中不均一な反応混合物移動を維持するために添加した。反応フラスコ1を酢酸エチル(10mL)で濯ぎ、それを反応フラスコ2に移した。撹拌を一夜続け、その間、濃い、不均一混合物をr.t.に温めた。固体生成物を濾過により回収し、酢酸エチル(2×15mL)で洗浄し、真空下、40℃で乾燥させて、表題化合物を薄黄色固体として得た;8.62g(88%);純度:HPLCにより94.3面積%;m/z: 292/294 (MH+); 1H-NMR: 11.77 (1H, s), 7.24 (2H, d, J = 8.1Hz), 6.95 (2H, d, J = 8.1Hz), 2.80 - 2.74 (2H, m), 2.29 - 2.21 (2H, m), 2.16 (3H, s), 2.05 - 1.95 (2H, m)。
【0134】
N−[−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イリデン]ヒドロキシルアミン
【化46】

トリブチルアミン(6.6mL、28mmol)を撹拌している3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−オン(8.0g、27mmol)およびヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1.9g、27mmol)のエタノール(40mL)懸濁液に添加した。混合物を65℃に加熱し、この温度で4時間維持し、r.t.に冷却し、一夜静置した。さらにヒドロキシルアミンヒドロクロライド(0.15g、2.2mmol)およびトリブチルアミン(1.0mL、4.2mmol)を添加し、混合物を65℃でさらに2時間再加熱した。r.t.に冷却後、固体生成物を濾過により回収し、エタノール(2×10mL)で洗浄し、真空オーブンで40℃で乾燥させて、表題化合物を灰白色固体として得た;5.71g(68%);純度:HPLCにより96.3面積%;m/z: 307/309 (MH+); 1H-NMR: 11.26 (1H, s), 10.20 (1H, s), 7.23 (2H, m), 6.92 (2H, m), 2.62 - 2.58 (2H, m), 2.56 - 2.52 (2H, m), 2.12 (3H, s), 2.83 - 1.76 (2H, m)。
【0135】
N−[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−4−イル]アセトアミド
【化47】

酢酸無水物(1.1mL、11.6mmol)を、反応フラスコ1中、撹拌しているN−[−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イリデン]ヒドロキシルアミン(3.0g、9.8mmol)の酢酸(15mL)とキシレン(15mL)中のスラリーに、r.t.で添加し(穏やかに発熱性の添加)、混合物を撹拌しながら45分間維持した。同時に、反応フラスコ2に酢酸(7.5mL)、キシレン(7.5mL)、酢酸無水物(1.1mL、11.6mmol)およびヨウ化ナトリウム(70mg、0.47mmol)を仕込み、混合物を撹拌しながら110℃に加熱した。反応フラスコ1の中身を、2時間かけて、少しずつ反応フラスコ2に移し、その間反応温度を110℃に維持した。反応フラスコ1をキシレン(2mL)と酢酸(2mL)の混合物で濯ぎ、それを反応フラスコ2に移した。その後、反応混合物を110℃でさらに3時間維持し、r.t.に冷却し、一夜維持した。反応混合物を真空で蒸発乾固して、暗褐色固体残留物を得た。これをジクロロメタン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を灰白色固体として得た;2.74g(85%);HPLCによる純度95.6面積%;m/z: 331/333 (MH+); 1H-NMR: 11.84 (1H, s), 9.45 (1H, s), 7.45 (1H, d, J = 7.7Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.3Hz), 7.17 (1H, d, J = 8.0Hz), 7.04 (1H, t, J = 7.9Hz), 6.98 (2H, d, J = 8.2Hz), 2.40 (3H, s), 1.84 (3H, s)。
【0136】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチル
【化48】

N−[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−4−イル]アセトアミド(1.0g、3.0mmol)、無水炭酸カリウム(0.63g、4.6mmol)、アセトン(10mL)およびブロモ酢酸エチル(0.50mL、4.5mmol)の混合物を、還流下、1.5時間加熱し、r.t.に冷却し、この温度で一夜撹拌し続けた。還流下、さらに1時間加熱後、混合物をr.t.に冷却した。水(2×10mL)を添加し、固体生成物を濾過により回収し、水(10mL)で洗浄し、真空オーブン中、40℃で乾燥させて、表題化合物を灰白色固体として得た;1.16g(92%);HPLCによる純度95.4面積%;m/z: 417/419 (MH+); 1H-NMR: 9.52 (1H, s), 7.45 (1H, d, J = 7.9Hz), 7.33 (1H, d, J = 8.2Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.6Hz), 7.11 (1H, t, J = 8.0Hz), 6.97 (1H, d, J = 8.6Hz), 5.24 (2H, s), 4.18 (2H, q, J = 7.1Hz), 2.39 (3H, s), 1.86 (3H, s), 1.22 (3H, t, J = 7.1Hz)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(X):
【化1】

〔式中、
Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;
Yは水素または
【化2】

であり;
Qが水素またはクロロであり;
Zは水素または−CHCOORであり、ここで、Rは水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択される;
ただし、Yが水素であるとき、Zは水素ではない。〕
の化合物またはその塩。
【請求項2】
式(II):
【化3】

〔式中、
は水素、場合により置換されていてよいヒドロカルビルおよび場合により置換されていてよいヘテロシクリルから選択され;
Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;
Yは水素または
【化4】

であり;
Qが水素またはクロロである。〕
である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
が水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、場合により置換されていてよいフェニルおよび場合により置換されていてよいベンジルから選択される、
請求項2に記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項4】
が水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択され;ここで、フェニルおよびベンジルは場合により1個以上のハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)アミノ、N−(C1−6アルカノイル)−N−(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、スルファモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイルまたは(C1−6アルキル)−S(O)−(式中、aは0−2である)で置換されていてよい、
請求項2に記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項5】
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよびベンジルから選択される、
請求項2に記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項6】
Yが水素である、
請求項2〜5のいずれかに記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項7】
Yが4−クロロフェニルスルファニルである、
請求項2〜5のいずれかに記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項8】
Xが=Oである、
請求項2〜5のいずれかに記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項9】
Xが=N−OHである、
請求項2〜5のいずれかに記載の式(II)の化合物またはその塩。
【請求項10】
式(XI):
【化5】

〔式中、
Xは=O、=N−OHまたは=N−OC(O)Meであり;
Yは
【化6】

であり;
Qが水素またはクロロである。〕
である、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
Yが4−クロロフェニルスルファニルである、請求項10に記載の式(XI)の化合物またはその塩。
【請求項12】
Xが=Oまたは=N−OHである、請求項10に記載の式(XI)の化合物またはその塩。
【請求項13】
請求項2〜9のいずれかに記載の式(II)の化合物またはその塩の医薬中間体としての使用。
【請求項14】
請求項2〜9のいずれかに記載の式(II)の化合物またはその塩の式(I)の化合物の製造中間体としての使用。
【請求項15】
式(IIc):
【化7】

〔式中、Rの意義は請求項2〜9のいずれかに定義した通りであり、Qはクロロである。〕
である式(II)の化合物とアセチル化剤の反応を含む、方法。
【請求項16】
式(IId)
【化8】

〔式中、Rの意義は請求項2〜9のいずれかに定義した通りである。〕
である式(II)の化合物とアセチル化剤の反応を含む、方法。
【請求項17】
アセチル化剤が酢酸無水物である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
反応をアイオダイド塩の存在下で行う、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
反応をルイス酸の存在下で行う、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
反応をカルボン酸共溶媒の存在下で行う、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
式(I):
【化9】

の化合物の製造方法であって、式(IIAA):
【化10】

〔式中、R1’は水素またはC1−6アルキルである。〕
の化合物とアシル化剤を反応させ、脱エステル化することを含む、方法。
【請求項22】
1’が水素またはエチルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
アシル化剤が酢酸無水物である、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
キシレンおよびヨウ化ナトリウムの存在下で行う、請求項21〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
請求項15〜24のいずれかに記載する方法により製造された、式(I)の化合物。

【公表番号】特表2012−532186(P2012−532186A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519061(P2012−519061)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051100
【国際公開番号】WO2011/004182
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】