4探針抵抗率測定装置
【課題】保守作業の効率化を図ることができる4探針抵抗率測定装置を提供すること。
【解決手段】少なくともプローブユニット6及び測定ユニット7を含む複数のユニットにより構成される4探針抵抗率測定装置であって、ユニット毎に複数の不揮発性メモリを搭載し、パーソナルコンピュータ1により、この不揮発性メモリに当該ユニットに関する保守情報を定期的に書き込み、上記保守情報を不揮発性メモリから読み出すものである。
【解決手段】少なくともプローブユニット6及び測定ユニット7を含む複数のユニットにより構成される4探針抵抗率測定装置であって、ユニット毎に複数の不揮発性メモリを搭載し、パーソナルコンピュータ1により、この不揮発性メモリに当該ユニットに関する保守情報を定期的に書き込み、上記保守情報を不揮発性メモリから読み出すものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試料の抵抗率を測定する4探針抵抗率測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の4探針抵抗率測定器では、装置単位での平均故障間隔(MTBF:mean time between failures)、平均修復時間(MTTR:mean time to repair)の仕様を決め、評価を行っている。また、保守はユニット単位で行っている。保守情報(運用開始時間、保守時間、動作時間等)は、パーソナルコンピュータ上のソフトウェアで管理できる内容のみについて算出し、算出した情報を保存している。
【0003】
しかし、保守情報の基準となっているのは、作業者が行う申告によるものであるため、実際の内容と相違があり、差分の程度が申告状況によって機器毎に異なる。装置内の各ユニットは、MTBF、MTTRを把握できておらず、MTBF、MTTRは装置全体の電源投入時間、保守作業中の時間により算出しているが、ユニット毎での管理は作業者の申告によって行われている。
【0004】
また、ウェハに接触させるプローブ部品には使用回数に限度があるため、抵抗率測定の再現性の異常を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−147436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、装置構成内容、ユニット単位での保守情報の管理は行われておらず、ユニット交換作業後、作業者がシステムへ登録することにより構成内容を作成している。プローブ部品やリレー部品等の使用回数に制限がある部品を実装しているユニットについても使用回数が把握できていないという問題がある。
【0007】
また、ユニットを修理等で別装置へ転用した際についても、作業者の申告以外に管理する手段が無い。装置全体での稼動時間や、作業者から自己申告された回数による保守管理は行っていたが、部品単位、ユニット単位での正確な把握は行われていなかった。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、保守作業の効率化を図ることができる4探針抵抗率測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、少なくともプローブユニット及び測定ユニットを含む複数のユニットにより構成される4探針抵抗率測定装置であって、前記ユニット毎に搭載される複数の不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する保守情報を定期的に書き込む書込手段と、前記保守情報を前記不揮発性メモリから読み出す読出手段とを具備するものである。
【0010】
第1の態様では、4探針抵抗率測定器の装置構成は変更せず、各ユニット上に不揮発性メモリを実装し、この不揮発性メモリにパーソナルコンピュータ等からアクセス(書込み/読み出し)できるようにすることで、装置構成内容、ユニット単位での保守情報を正確に把握することが可能となる。また、各ユニットは、修理の際の保守単位でもあり、ユニットを修理のため交換した場合、ユニット内に搭載されている不揮発性メモリも交換されるため、ユニットを修理等で別装置へ転用した際についても、保守情報の管理が可能となる。
【0011】
この発明の第2の態様は、前記保守情報は、前記ユニットの累積稼動時間又は使用回数を含み、前記読出手段により読み出された前記累積稼動時間又は使用回数と、当該ユニットの累積稼動時間又は使用回数の制限値とをもとに、前記制限値に対する現時点での数値又は前記制限値を超えた旨を示す警告を画面に表示する表示手段をさらに具備するものである。
【0012】
第2の態様によれば、例えば、ユニットの累積稼動時間又は使用回数の制限値に到達するか、到達まであとわずかになったら、4探針抵抗率測定器のパーソナルコンピュータの画面等を介して、4探針プローブユニットの交換が必要であることを操作員に通知・警告することが可能となる。
【0013】
この発明の第3の態様は、前記書込手段は、さらに当該ユニットの出荷時に前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する出荷情報を書き込み、前記読出手段により定期的に読み出される前記出荷情報に変化があった場合は、当該ユニットが交換されたものと判定する判定手段をさらに具備するものである。
【0014】
第3の態様によれば、各ユニットに実装された不揮発性メモリに、バージョン番号、シリアル番号、製造年月日等の出荷情報を書き込み記録しておき、パーソナルコンピュータ等により各ユニットの不揮発性メモリに記録された出荷情報を定期的に読み込むことによって、4探針抵抗率測定器のユニット構成に交換等があったかを自動認識することができる。
【0015】
この発明の第4の態様は、無停電電源装置をさらに具備し、停電時には前記無停電電源装置からの給電により前記書込手段の処理を実行するものである。
第4の態様によれば、停電等により4探針抵抗率測定器とパーソナルコンピュータ等が同時に電源オフとなった場合に、パーソナルコンピュータ(のみ)が、無停電電源装置からの給電により、システムを継続し、書込処理を正しく実行し終了できるようになる。
【0016】
この発明の第5の態様は、前記書込手段は、定期的に更新する前記保守情報については、2箇所の書き込みエリアを設け、交互に更新するものである。
第5の態様によれば、不揮発性メモリは、書込み制限があるが、一定期間毎に更新するエリアについては、容量を2倍として2箇所のエリアを設け、交互に更新することで書き込み回数を1/2に抑えることができる。このため、不揮発性メモリの書込み回数オーバーになり保守作業を行う時間間隔がエリア1つの場合に比べ2倍長くなる。
【発明の効果】
【0017】
すなわちこの発明によれば、保守作業の効率化を図ることができる4探針抵抗率測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る4探針抵抗率測定器の構成を示す図。
【図2】制御ユニットの機能構成を示すブロック図。
【図3】測定ユニットの機能構成を示すブロック図。
【図4】管理用メモリテーブルの一例を示す図。
【図5】測定ユニットの管理領域用メモリへの登録内容の一例を示す図。
【図6】システム起動時の動作を示すフローチャート。
【図7】システム運用中の動作を示すフローチャート。
【図8】累計稼動時間の表示画面の一例を示す図。
【図9】回数カウントの表示画面の一例を示す図。
【図10】累計稼働時間の制限値の設定画面の一例を示す図。
【図11】回数カウントの制限値の設定画面の一例を示す図。
【図12】制限値(下限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図。
【図13】制限値(上限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る4探針抵抗率測定器の構成を示す図である。4探針抵抗率測定器100は、制御ユニット3、電源ユニット4、信号分配ユニット5、プローブユニット6、及び測定ユニット7を備える。各ユニット間は、コネクタを介して電気的に接続されている。制御ユニット3は、パーソナルコンピュータ(PC)1と通信を行う。
【0020】
制御ユニット3、電源ユニット4、信号分配ユニット5、プローブユニット6、及び測定ユニット7の各ユニットには、管理領域用メモリとして用いるための不揮発性メモリが実装される。この不揮発性メモリへのリード/ライトは、制御ユニット3を経由してPC1から行う。不揮発性メモリは高額部品ではなく、ユニット数分のみであるため、安価に実現可能である。PC1上のソフトウェアの変更についても、後述する保守管理機能のみの手順を追加するだけであるため、容易に実現が可能である。
【0021】
不揮発性メモリインタフェース(IF)は、従来のインタフェース部品の空き端子を使用して実現する。各ユニット間のメモリIFは、シリアルIF系のメモリを採用すれば、追加される信号本数は3本程度である。各ユニット間IFの予備端子を割り付けることで新規のコネクタ部品を搭載する必要はない。
【0022】
なお、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットは、修理の際の保守単位でもある。4探針抵抗率測定器のあるユニットを修理のため交換した場合、ユニット内に実装されている不揮発性メモリも交換される。したがって管理領域用メモリへの登録情報は、ユニットに付属していく。
【0023】
PC1は、システム全体の制御や4探針抵抗率測定器100の制御に加え、保守管理機能を有する。これらの機能は、PC1のCPUがメモリ上でソフトウェアを実行することにより実現する。PC1の電源は無停電電源装置(UPS:uninterruptible power-supply system)8を経由して供給される。
【0024】
主電源2は、UPS8と4探針抵抗率測定器100へ電源供給を行う。
制御ユニット3は、PC1からの制御にしたがって、電源ユニット4、信号分配ユニット5、プローブユニット6、及び測定ユニット7をそれぞれ制御する。また、制御ユニット3は、測定ユニット7からの測定結果をPC1へ通知する。制御ユニット3は、各ユニットの動作状況等についても、PC1へ通知する。
【0025】
電源ユニット4は、測定ユニット7で使用する動作電圧を生成する。測定ユニット7は、微小な電流を使用して測定するため、他機能からの影響を受けやすい。このため、独立した電源が必要となる。また、実装オプションにより生成する電源電圧が変わるため、実装内容を判別する手段が必要となる。実装内容の判別は、管理領域用メモリでの管理またはボードID用ビットをインタフェースへ追加することで対応する。
【0026】
信号分配ユニット5は、制御ユニット3からの制御信号を各ユニットやセンサの部品へ分配する。電源ユニット4や主電源2が機種により異なるため、実装内容を判別する手段が必要である。実装内容の判別は、管理領域用メモリでの管理またはボードID用ビットをインタフェースへ追加することで対応する。
【0027】
プローブユニット6は、4探針プローブで構成され、使用回数制限があるため、運用時に使用回数を管理する必要がある。プローブユニット6の動作は、制御ユニット3により制御される。システムで使用回数は把握できるため、管理領域用メモリに使用回数を保守情報として記録・更新することで正確な使用回数を保持する。保守情報として、出荷内容のほか、プローブ使用回数も保持する。
【0028】
測定ユニット7は、4探針プローブの探針へ印加する電流を制御し、探針の電圧を測定する。また、システムからの測定要求にてプローブユニット6からの測定結果をデジタル値へ変換して、信号分配ユニット5経由で制御ユニット3へ通知する。測定回路は測定用アンプの調整が必要であり、測定用ADC部品の誤差があるため、個別特性がある。
【0029】
UPS8は、主電源2から供給された電源をPC1へ供給する。停電等で電力供給が遮断された際、PC1へ一定時間電力供給を行う。PC1は、電源遮断後一定時間内にシステム終了を行う。
【0030】
図2は、制御ユニット3の機能構成を示すブロック図である。制御ユニット3は、通信部31、制御部32、モータ制御部33、信号モニタ部34、測定ユニット制御部35、プローブ上下移動制御部36、及び管理領域用メモリ制御部37を有する。制御ユニットの各部は、PC1と装置間の通信により、他ユニットの制御を行ったり、装置からの測定結果や、アラーム、動作状況をPC1へ通知する。
【0031】
管理領域用メモリ制御部37には、制御ユニット3内の保守情報、出荷情報を保持する管理領域用メモリも含まれる。他ユニットの管理用メモリインタフェースの制御も行う。電源ユニット4、プローブユニット6、測定ユニット7上に、管理領域用メモリを実装する。また、信号分配ユニット5上に管理領域用メモリ51を実装する。
【0032】
通信部31は、4探針抵抗率測定器100とPC1との間の通信を行う。PC1からの制御命令を解析し、制御部32へ通知する。また、制御部32からの情報(測定値や信号情報)を受け取り、PC1へ通知する。
制御部32は、PC1との通信部31から通知された命令を対象となる機能へ通知する。また、機能からの情報を受けとり、PCとの通信部31へ通知する。
【0033】
モータ制御部33は、制御部32から命令が通知されると、必要なモータの制御を行う。モータからのステータス信号変化や、エラー等が発生したら、その内容を制御部32へ通知する。
信号モニタ部34は、制御部32から命令が通知されると、蓋開閉センサや、モータ駆動状況モニタ用センサ等の状態を監視し、変化または異常がある場合はその内容を制御部32へ通知する。
【0034】
測定ユニット制御部35は、制御部32から命令が通知されると、測定ユニット7に対し制御を行う。測定ユニット7の測定値や異常がある場合はその内容を制御部32へ通知する。
プローブ上下移動制御部36は、制御部32から命令が通知されると、プローブユニット6を上下駆動させるモータ制御を行う。モータ制御信号内容や、プローブユニット6付近にあるプローブ位置センサの状態を制御部32へ通知する。
【0035】
管理領域用メモリ制御部37は、制御部32から命令が通知されると、該当するユニット上の管理領域用メモリ(保守情報用の不揮発メモリ)に対して読み出し、書込みを行う。ユニット種別及び書込むデータは、制御部32により通知される。各ユニット上の内容を読み出した際や、書込みエラー等が発生した場合、制御部32へその内容を通知する。
【0036】
図3は、測定ユニット7の機能構成を示すブロック図である。測定ユニット7は、測定用電源電圧72、電圧選択部73、電流選択部74、プローブ測定値計測部75、自己診断テスト部76、及び管理領域用メモリ77を備える。また、信号ユニット4上に管理領域用メモリ41を備え、プローブユニット6上に管理領域用メモリ61を備える。
測定ユニット制御信号分配部71は、測定ユニット制御部35からの制御信号により、該当する機能へ制御信号を分配する。プローブ測定値計測部75からの測定値や、自己診断テスト部76からの測定値が読み出された場合に、測定ユニット制御部35へ内容を通知する。エラーが発生した際にも、測定ユニット制御部35へ内容を通知する。
【0037】
測定用電源電圧72は、電源ユニット4から供給される電源を測定用電源と他機能用動作電源に分配して供給する。測定用の電源は、他機能と共通電源にすると、測定値が他機能の影響を受け、正しい結果が得られないため独立した電源にする必要がある。
【0038】
電圧選択部73は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、抵抗率測定を行う際の電圧選択を行う。
電流選択部74は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、抵抗率測定を行う際の電流選択を行う。制御ユニット3またはPC1は、電圧選択部73での選択内容と電流選択部74での選択内容の組み合わせ、及びプローブ測定値計測部75からの計測結果をもとに抵抗率を算出する。
【0039】
プローブ測定値計測部75は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、プローブユニット6で計測された電圧値(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、測定ユニット制御信号分配部71へ通知する。電圧選択部73、電流選択部74の選択内容と本機能からの計測結果にて抵抗率を算出する。抵抗率の算出は、制御ユニット3またはPC1で行う。
【0040】
自己診断テスト部76は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、自己診断テスト用に内蔵されている精密抵抗をプローブユニット6のIF間に接続する。自己診断用の抵抗は、数種類ある。自己診断テスト部76は、受け取った制御信号により使用する抵抗を選択する。本機能は、あらかじめ判っている精密抵抗の抵抗値を使用し、装置の測定結果が所定の精度の範囲に入っているかを判断する際に利用される。顧客のウェハ測定では、プローブユニット6を使用し測定するため、本機能は使用しない。
【0041】
図4は、各ユニットの管理領域用メモリに記憶される管理用メモリテーブルの一例を示したものである。管理用メモリテーブルは、例えば、「出荷情報エリア」、「保守情報エリア」、「制限がある項目の個別カウントエリア」、「過去履歴管理エリア」、「自己診断履歴エリア」、及び「修理情報エリア」を有する。
【0042】
「出荷情報エリア」は、各ユニット共通で出荷時に登録される内容であって、製造年月日、ユニット番号、バージョン及びシリアル番号等を有する。PC1上のソフトウェアシステムから、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットに実装された管理領域用メモリに出荷情報を書き込み記録する。この操作は当該ユニットを新規に作成した1回のみ行う。また、製造年月日はPC1のカレンダー機能のタイムスタンプを使用することができる。
【0043】
実装オプションがあるユニットについては、実装オプション用のビットを設け、ビット内容を「1」または「0」に固定し、PC1上のソフトウェアから実装オプション内容を読み出すことができる。例えば、電源ユニット4と信号分配ユニット5は、外観が同じだが、動作電圧の違う部品を搭載した数種類の実装オプションが存在する。これらのユニットの出荷情報の中に、実装オプション情報(例えば“+24V用”、“+12V用”など)を加えておく。このようにすることで、修理の際に、保守員が交換する前の電源ユニット等の実装オプション識別情報を参照・確認することによって、間違えて実装オプションが違うユニットに、交換してしまうことを防ぐことができる。
【0044】
「保守情報エリア」は、各ユニット共通の内容として、運用開始時刻、稼動時間累計、電源オフ時間、予防保守時間、及び修理時間等を有する。これらは、動作している際に更新される。「登録ST」は、各項目別に用意される、最新書き込みを区別するフラグで、情報書き込み時に一緒に書き込まれる。読み出しの際は、各項目毎に1、2エリアのビット内容で最新エリアを判断する。PC1上のソフトウェアシステムから、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットに実装された管理領域用メモリに、定期的に当該ユニットの保守情報を書き込み記録する。時刻は、PC1のカレンダー機能のタイムスタンプを使用することができる。ユニット毎の管理領域用メモリへの格納情報とPC1でのタイムスタンプにより保守情報を算出する。
【0045】
「制限がある項目の個別カウントエリア」は、ユニットにより項目が異なり、ユニット別カウント項目が登録される。最新エリアの判定は、「保守情報エリア」と同様である。
例えば、電源ユニット4には、通電時間の寿命があるコンデンサが使用されている。電源ユニット4の管理領域用メモリに、積算通電時間を書込み更新し、寿命時間に到達したまたは寿命時間付近になったら電源ユニットの交換が必要であることを、画面等で通知する。
【0046】
PC1は、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットの管理領域用メモリの出荷情報及び保守情報とPC1でのタイムスタンプから、各ユニットの平均故障間隔(MTBF)と平均復旧時間(MTTR)を自動計算する。但し、MTTRの時間については、保守員による編集も可能である。PC1上のカレンダー機能からタイムスタンプを取得するため、ユニット毎の時間管理が共通である。このため、MTBF、MTTRを正確に算出することができる。
【0047】
また、プローブユニット6は、探針磨耗や内蔵されている伸縮バネ等による使用回数制限があるため、運用時に使用回数を管理する必要がある。システムで使用回数は把握できるため、管理領域用メモリに使用回数を保守情報として記録・更新することで正確な使用回数を保持する。保守情報として、出荷内容のほか、プローブ使用回数も保持する。使用回数が寿命回数に到達するか、到達まであとわずかになったら、PC1上のソフトウェアシステムで、プローブユニット6の交換が必要であることをPC1の画面と4探針抵抗率測定器100の警告灯とブザー等で操作員に通知・警告する。プローブユニット6が交換されたことは、PC1上のソフトウェアが4探針抵抗率測定器100のユニット構成を自動認識する際に、前回自動認識したプローブユニット6のユニット構成情報のシリアル番号に変化があったことで検出する。
【0048】
「過去履歴管理エリア」は、本エリア内のリングバッファ方式で管理し、最新エリアを「履歴ST」で区別する。登録時、運用か修理かを判定する運用/修理フラグを設ける。読み出し時は本フラグによりどちらなのかを判断する。
【0049】
「自己診断履歴エリア」は、本エリアは、測定ユニット7のみに設ける。自己診断実施日と測定結果が登録される。登録は、「履歴ST」で管理し、登録順番を認識する「履歴ST」の使用は「過去履歴管理エリア」と同様である。
「修理情報エリア」は、修理が発生した際に順に登録する。修理回数は、修理内容を書き込むときに、回数をカウントし書き込む。保守作業時の内容を、「修理情報エリア」へ登録することで、ユニット毎の保守作業内容の管理ができる。
【0050】
なお、登録情報の更新作業中に不具合が発生した際にも、更新前の情報が参照できるよう、頻繁に更新される内容は、2箇所のエリアを設け、更新作業は交互に行う。不揮発性メモリには書込み制限(主に10万回程度)があるが、一定期間毎に更新するエリアについては、容量を2倍として2箇所のエリアを設け、交互に更新することで書き込み回数を1/2に抑えることができる。このため、不揮発性メモリの書込み回数オーバーになり保守作業を行う時間間隔がエリア1つの場合に比べ2倍に伸びる(MTBFの向上)。但し、出荷情報は、出荷時に書込みを行うのみであるため、書込み制限の問題は考慮する必要はない。
【0051】
最新の更新エリアは、更新が正常に行われた際に更新フラグを書き込む。読み出しの際は、更新フラグを参照し、どちらのエリアが最新であるかを判別する。エリア毎(仮にエリア1、エリア2とする。)に更新フラグを設け、両エリアの更新フラグ内容により最後に更新されたエリアを判断する。更新フラグの更新例としては、エリア1を正常更新した後、更新フラグを前回の内容の反転値(前回「0」の場合は「1」)を書き込む。エリア2を正常更新した後、更新フラグをエリア1と同じ内容に更新する。読み出し時に、エリア1とエリア2の更新フラグの値に相違があるときの最新更新エリアはエリア1の内容となり、更新フラグの値が同一の時の最新更新エリアはエリア2の内容となる。
【0052】
また、管理領域用メモリの保守情報(運用開始時刻、運用終了時刻、実稼動時間、不稼動時間(電源がオフされていた時間)、予防保守時間、修理(交換)時間等)の更新エリアを2箇所にすると、不揮発性メモリ部品の一部エリア故障や、PC1上のソフトウェア誤動作等により最新エリアの内容が更新されなかった場合でも、1つ前の更新内容が残っているため、各ユニットの更新内容を復旧することができる。定期的な更新を行っていること、1つ前までの更新内容で管理することにより、実際の保守内容と管理領域用メモリに記録されている保守情報の差分が少なくなる。1つのエリアのみを使用し、保守情報の更新を行っている場合は、更新中のデータと更新されていない内容が混在しているため、実際の保守内容と管理領域用メモリに記録されている保守情報の相関がとれなくなってしまう。
【0053】
図5に、測定ユニットの管理領域用メモリへの登録内容の一例を示す。出荷時に登録する内容としては、ハードウェアバージョン番号、シリアル番号、製造年月日等がある。製造年月日はパーソナルコンピュータのカレンダー機能のタイムスタンプを使用する。さらに、測定ユニット7は、使用部品の誤差に伴う個別特性があるため、出荷時に登録する情報として、出荷時の自己診断テスト結果も登録する。個別特性を読み出すことで、システムで測定値補正を個別で行えるため、測定精度が向上する。
【0054】
測定ユニット7は、4探針プローブで試料を測定する代わりに、内蔵抵抗を測定して、測定結果(単位:Ω)が、所定の精度の範囲内に入っているかを確認する自己診断テスト機能を有する。測定ユニット7の出荷情報の中に、製作時の内蔵抵抗自己診断テストの測定結果も書き込んで記録しておく。また、数ヶ月に1回の点検でも内蔵抵抗測定自己診断テストを行う手順があるので、このときの測定結果を保守情報(「自己診断履歴エリア」)に書込み記録しておく。その結果、測定ユニット7の出荷情報と保守情報を読み込むことによって内蔵抵抗測定値(単位:Ω)の経年変化を知ることができる。これは、4探針抵抗率測定器100の測定器全体の校正係数を決める際の有効な参考データとなる
【0055】
動作している際に更新する内容としては、「保守情報エリア」と「保守履歴」(図4の「制限がある項目の個別カウントエリア」)がある。「保守情報エリア」には、当該測定ユニット7の運用開始時刻、積算実稼動時間、積算電源オフ時間(電源がオフされていた時間)、修理時間等の保守情報を書き込み記録する。時刻は、パーソナルコンピュータのカレンダー機能のタイムスタンプを使用する。また、「保守履歴」には、過去に行った自己診断テスト結果を書き込み記録する。
【0056】
また、測定ユニット7は、測定用の回路選択に回数制限がある部品を使用しているため、保守情報として、さらに個別特性、回数制限部品の使用回数を保持する。例えば、リレー(電気的にオンオフ制御できるスイッチ)が数多く使用されており、駆動回数の寿命がある。測定ユニット7の管理領域用メモリ77に、リレー毎の駆動回数を記録し、寿命回数に到達したら、測定ユニット7の交換が必要であることを、画面等で通知する。
【0057】
図6に、システム起動時の保守情報管理フローを示す。
PC1は、各ユニット上の管理領域用メモリからユニット構成、使用回数に関係する保守登録情報を読み出す(ステップS1a)。出荷情報(バージョン番号、シリアル番号等)を読み出す。
各ユニットから読み出した保守登録情報がPC1上の前回の登録内容と同様であるかを判定し(ステップS2a)、異なる場合には、PC1内に登録している出荷情報(バージョン番号、シリアル番号等)を更新する(ステップS3a)。システム起動時にユニット構成内容を確認することで、ユニット構成の変更が判るため、システム上のウィンドウに変化の有無を表示することも可能となる。
【0058】
次に、PC1は、前回の終了が正常終了であるか異常終了であるかを判定し(ステップS4a)、異常終了の場合には、各ユニット上の管理領域用メモリへPC1の保守情報を書き込む(ステップS5a)。各ユニット上の管理領域用メモリの書込み内容・保守情報(運用開始時刻、実稼働時間、回数力ウント値等)を更新する。停電等で電力が遮断された際、ユニット上の管理領域用メモリを更新できないが、PC1はUPS8搭載であるため、更新情報を保持することができる。異常終了時は、再起動することで、ユニット毎の構成は最新情報を更新でき、ユニット毎の管理情報が正しい内容で保持することができる。
【0059】
PC1は、使用回数制限がある項目の使用回数を基準値と比較し(ステップS6a)、使用回数が使用基準値を超えている場合は、PC1の画面上にアラーム表示等を行う(ステップS7a)。
PC1は、PC1上のカレンダー機能でタイムスタンプを取得し、各ユニットの使用時間(累計)、保守時間(累計)を読み出し、システムの内容を更新する。さらに、システムで累計時間の力ウントを開始し、起動作業を終了する(ステップS8a)。
【0060】
図7に、システム運用中の保守情報管理フローを示す。
PC1は、システムで使用時間累計カウントと使用回数カウントを行う(ステップS1b)。各回数カウントは、PC1からの命令により、制御ユニット3から各ユニットの制御をおこなっている。制御ユニット3で制御信号変化を条件にしてカウントを行うことでも回数カウントを実現できる。時間計測についても時間計測カウンタを制御ユニット3に実装することで実稼働時間をカウントすることが可能である。制限値についてもカウント値と比較し、PC1へアラーム通知することで対応できる。このため、保守情報のカウント、アラームは、PC1上または制御ユニット3のどちらで実施しても実現できる。
【0061】
プローブ回数は、抵抗率測定毎にカウントする(自己診断テストでの抵抗率測定は除く。)。電源ユニット4のコンデンサ通電時間は、システム運用時間累計と保守時間累計の合計とする。プローブクリーニング回数は、プローブクリーニング毎にカウントする。リレー切替回数は、抵抗率測定時(自己診断テストでの抵抗率測定を含む。)に、制御ユニット3から制御する測定ユニット制御部35のリレー制御信号について、信号毎にオンした時にカウントする。
【0062】
保守作業モードに切り替わった場合には(ステップS2b)、PC1は、PC1上のカレンダー機能を利用しタイムスタンプを取得し、保守開始日時の設定が無い場合は、取得したタイムスタンプを管理領域用メモリ(「保守情報エリア」の運用開始時刻)へ書き込む(ステップS3b)。PC1は、システムで使用時間累計カウントを停止し、保守時間累計カウントを開始する(ステップS4b)。PC1は、保守モード終了の際に(ステップS5b)、システムで使用時間累計カウントを開始し、保守時間累計カウントを停止し(ステップS6b)、システム運用モードに切り替える。
【0063】
システム運用中は、定期的にログ出力(例えば1週間毎)を実施しており、その際に各ユニット上の保守情報の更新を行う。システム終了時にも更新を行う。上記ステップS2bで保守作業モードでないと判定した場合は、上記ステップS1bの処理を繰り返す。システム終了又はログ出力の場合に(ステップS7b)、PC1は、システムで使用時間累計カウントを停止し、タイムスタンプを取得し管理領域用メモリ(「過去履歴管理エリア」の運用終了時刻)に書き込む。使用回数カウントの内容も管理領域用メモリに書き込む(ステップS8b)。
【0064】
システム終了時には(ステップS9b)、システムが正常終了か否かを判定し(ステップS10b)、異常終了した場合、UPS8の有効期間中にPC1へ最新の更新情報を登録する(ステップS11b)。異常終了はシステム終了処理中にPC1で保持し、再起動時に前回の終了状態を読み出せるようにしておく。異常終了から再起動での正常起動を確認するまでは、ユニット交換を行わないように注意喚起することで保守情報を正確に保持することが可能である。
【0065】
また、システム運用中に、PC1上のソフトウェアシステムは、各ユニットの管理領域用メモリに記録された出荷情報を定期的に読み出すことによって、4探針抵抗率測定器100のユニット構成を自動認識することができる。具体的には約15秒周期で各ユニットの出荷情報を読み込み、前回の出荷情報に変化が無い場合は、該当ユニットの構成情報として認識する。変化があった場合は、新しいユニットに交換されたと認識し、新しく交換された該当ユニットの構成情報を認識する。また、出荷情報を読み込めない異常(通信エラー)の場合は、該当ユニットを交換するためにユニットが取り外された状態と認識する。
【0066】
PC1上のソフトウェアシステムは、4探針抵抗率測定器100の電源がオフされたことを全ユニットの出荷情報が読み込めない異常(通信エラー)を検出することで行う。この場合、このソフトウェアシステムは、最後に正しく読み込んだ各ユニットの管理領域用メモリの出荷情報、保守情報をログ情報としてPC1のファイルに書き込み保存する。ログ情報は、4探針抵抗率測定器100が再び電源オンとなり復旧した場合に、各ユニットの管理領域用メモリ上の出荷情報を読み込み、ユニット交換が実施されたかの認識を行った後に、保守情報を更新記録するために使用される。
【0067】
図8は、累計稼動時間の表示画面の一例を示す図である。PC1は、各ユニット別の使用時間の制限値に対する現時点での数値をグラフ化して画面に表示する。図9は、回数カウントの表示画面の一例を示す図である。例えば、測定ユニット3の場合は、抵抗率測定時のリレー切替回数について、制限値に対する現時点での数値がPC1の画面に表示される。
【0068】
図10は、累計稼働時間の制限値の設定画面の一例を示す図である。各ユニットの制限値は、初期値を持っているが、ユーザにより制限の上限、下限を設定することができる。図11は、回数カウントの制限値の設定画面の一例を示す図である。例えば、測定ユニット7の場合は、各レンジにおけるリレー切替回数の制限値(上限、下限)を設定することができる。図10,11において、各画面を開いた際には、初期値または設定値が表示されており、制限値は、プルダウンメニューや、直接入力で設定する。
【0069】
図12は、測定ユニット7の制限値(下限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図である。例えば、「1μA電流レンジリレー切替え回数の制限値(下限)を超えました(上限まで残り200count)」のようなアラーム表示がPC1の画面に表示される。図13は、制限値(上限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図である。例えば、「1μA電流レンジリレー切替え回数の制限値(上限)を超えました。該当部品交換またはユニット交換(ユニット名:測定ユニット)をしてください。」のようなアラーム表示がPC1の画面に表示される。図12,13の画面は、ユーザの操作により、または一定時間経過したら自動的にウィンドウを閉じられる。警告としてログへの出力を行う。
【0070】
以上述べたように、本実施形態によれば、4探針抵抗率測定器の保守情報をユニット毎に設けた不揮発性メモリに保持することで、ユニット単位での修理、交換、保守で他装置への転用が行われた場合でも、保守情報(運用開始時間、保守時間、動作時間等)を正確に把握し、管理することが可能となる。機器のバージョンアップ等によるユニット交換完了についても、機器構成が遠隔地からも把握できるため、現地へ検査責任者が同行することなく、作業完了が確認できる。
【0071】
また、使用回数制限があるユニットについても、保守情報として使用回数を記録することで交換時期をPC上のソフトウェアで認識でき、画面表示等で通知することができる。ユニット上の実装オプションについても、オプション内容を電気的に読み出すことができるため、間違った実装オプションのユニットを使用した際にもPC上のソフトウェアで判別可能である。
【0072】
さらに、定期的に保守情報が更新されることと、更新エリアを2箇所にすることで、正常に更新作業ができず、そのままユニット交換される等でソフトウェアの更新情報も読み出せない場合でも1つ前の保守情報はユニット上に記録されている。保守情報が定期的に更新されず、更新作業ができなかった場合と定期的な更新が行われている場合の実物との差分は、本実施形態の方が少なくなる。
【0073】
更新エリアが1箇所の場合では、管理領域用メモリの保守情報は更新後と更新前の内容が混在するため、保守情報の種類により実物との差分が変わってしまう。更新途中で管理領域用メモリの保守情報更新作業が終了した場合は、誤った内容になるため、差分が大きく異なってしまう。
【0074】
更新エリアを2箇所にした場合、管理領域用メモリの更新が正常に終了しないと、更新フラグ状態が1つ前の更新情報を最新情報として読み出す。この時、更新情報の差分は、一定で、内容は1つ前の内容になるため、更新エリアが1箇所の場合に比べて信頼性が高い。
【0075】
したがって、本実施形態によれば、故障までの最適なタイミングで保守作業を行うことができ、故障によるユーザの不稼動時間を低減することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100…4探針抵抗率測定器、1…パーソナルコンピュータ(PC)、2…主電源、3…制御ユニット、4…電源ユニット、5…信号分配ユニット、6…プローブユニット、7…測定ユニット、31…通信部、32…制御部、33…モータ制御部、34…信号モニタ部、35…測定ユニット制御部、36…プローブ上下移動制御部、37…管理領域用メモリ制御部(制御ユニットの管理領域用メモリ)、71…測定ユニット制御信号分配部、72…測定用電源電圧、73…電圧選択部、74…電流選択部、75…プローブ測定値計測部、76…自己診断テスト部、77…測定ユニットの管理領域用メモリ、41…電源ユニットの管理領域用メモリ、51…信号分配ユニットの管理領域用メモリ、61…プローブユニットの管理領域用メモリ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、試料の抵抗率を測定する4探針抵抗率測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の4探針抵抗率測定器では、装置単位での平均故障間隔(MTBF:mean time between failures)、平均修復時間(MTTR:mean time to repair)の仕様を決め、評価を行っている。また、保守はユニット単位で行っている。保守情報(運用開始時間、保守時間、動作時間等)は、パーソナルコンピュータ上のソフトウェアで管理できる内容のみについて算出し、算出した情報を保存している。
【0003】
しかし、保守情報の基準となっているのは、作業者が行う申告によるものであるため、実際の内容と相違があり、差分の程度が申告状況によって機器毎に異なる。装置内の各ユニットは、MTBF、MTTRを把握できておらず、MTBF、MTTRは装置全体の電源投入時間、保守作業中の時間により算出しているが、ユニット毎での管理は作業者の申告によって行われている。
【0004】
また、ウェハに接触させるプローブ部品には使用回数に限度があるため、抵抗率測定の再現性の異常を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−147436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、装置構成内容、ユニット単位での保守情報の管理は行われておらず、ユニット交換作業後、作業者がシステムへ登録することにより構成内容を作成している。プローブ部品やリレー部品等の使用回数に制限がある部品を実装しているユニットについても使用回数が把握できていないという問題がある。
【0007】
また、ユニットを修理等で別装置へ転用した際についても、作業者の申告以外に管理する手段が無い。装置全体での稼動時間や、作業者から自己申告された回数による保守管理は行っていたが、部品単位、ユニット単位での正確な把握は行われていなかった。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、保守作業の効率化を図ることができる4探針抵抗率測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、少なくともプローブユニット及び測定ユニットを含む複数のユニットにより構成される4探針抵抗率測定装置であって、前記ユニット毎に搭載される複数の不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する保守情報を定期的に書き込む書込手段と、前記保守情報を前記不揮発性メモリから読み出す読出手段とを具備するものである。
【0010】
第1の態様では、4探針抵抗率測定器の装置構成は変更せず、各ユニット上に不揮発性メモリを実装し、この不揮発性メモリにパーソナルコンピュータ等からアクセス(書込み/読み出し)できるようにすることで、装置構成内容、ユニット単位での保守情報を正確に把握することが可能となる。また、各ユニットは、修理の際の保守単位でもあり、ユニットを修理のため交換した場合、ユニット内に搭載されている不揮発性メモリも交換されるため、ユニットを修理等で別装置へ転用した際についても、保守情報の管理が可能となる。
【0011】
この発明の第2の態様は、前記保守情報は、前記ユニットの累積稼動時間又は使用回数を含み、前記読出手段により読み出された前記累積稼動時間又は使用回数と、当該ユニットの累積稼動時間又は使用回数の制限値とをもとに、前記制限値に対する現時点での数値又は前記制限値を超えた旨を示す警告を画面に表示する表示手段をさらに具備するものである。
【0012】
第2の態様によれば、例えば、ユニットの累積稼動時間又は使用回数の制限値に到達するか、到達まであとわずかになったら、4探針抵抗率測定器のパーソナルコンピュータの画面等を介して、4探針プローブユニットの交換が必要であることを操作員に通知・警告することが可能となる。
【0013】
この発明の第3の態様は、前記書込手段は、さらに当該ユニットの出荷時に前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する出荷情報を書き込み、前記読出手段により定期的に読み出される前記出荷情報に変化があった場合は、当該ユニットが交換されたものと判定する判定手段をさらに具備するものである。
【0014】
第3の態様によれば、各ユニットに実装された不揮発性メモリに、バージョン番号、シリアル番号、製造年月日等の出荷情報を書き込み記録しておき、パーソナルコンピュータ等により各ユニットの不揮発性メモリに記録された出荷情報を定期的に読み込むことによって、4探針抵抗率測定器のユニット構成に交換等があったかを自動認識することができる。
【0015】
この発明の第4の態様は、無停電電源装置をさらに具備し、停電時には前記無停電電源装置からの給電により前記書込手段の処理を実行するものである。
第4の態様によれば、停電等により4探針抵抗率測定器とパーソナルコンピュータ等が同時に電源オフとなった場合に、パーソナルコンピュータ(のみ)が、無停電電源装置からの給電により、システムを継続し、書込処理を正しく実行し終了できるようになる。
【0016】
この発明の第5の態様は、前記書込手段は、定期的に更新する前記保守情報については、2箇所の書き込みエリアを設け、交互に更新するものである。
第5の態様によれば、不揮発性メモリは、書込み制限があるが、一定期間毎に更新するエリアについては、容量を2倍として2箇所のエリアを設け、交互に更新することで書き込み回数を1/2に抑えることができる。このため、不揮発性メモリの書込み回数オーバーになり保守作業を行う時間間隔がエリア1つの場合に比べ2倍長くなる。
【発明の効果】
【0017】
すなわちこの発明によれば、保守作業の効率化を図ることができる4探針抵抗率測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る4探針抵抗率測定器の構成を示す図。
【図2】制御ユニットの機能構成を示すブロック図。
【図3】測定ユニットの機能構成を示すブロック図。
【図4】管理用メモリテーブルの一例を示す図。
【図5】測定ユニットの管理領域用メモリへの登録内容の一例を示す図。
【図6】システム起動時の動作を示すフローチャート。
【図7】システム運用中の動作を示すフローチャート。
【図8】累計稼動時間の表示画面の一例を示す図。
【図9】回数カウントの表示画面の一例を示す図。
【図10】累計稼働時間の制限値の設定画面の一例を示す図。
【図11】回数カウントの制限値の設定画面の一例を示す図。
【図12】制限値(下限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図。
【図13】制限値(上限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る4探針抵抗率測定器の構成を示す図である。4探針抵抗率測定器100は、制御ユニット3、電源ユニット4、信号分配ユニット5、プローブユニット6、及び測定ユニット7を備える。各ユニット間は、コネクタを介して電気的に接続されている。制御ユニット3は、パーソナルコンピュータ(PC)1と通信を行う。
【0020】
制御ユニット3、電源ユニット4、信号分配ユニット5、プローブユニット6、及び測定ユニット7の各ユニットには、管理領域用メモリとして用いるための不揮発性メモリが実装される。この不揮発性メモリへのリード/ライトは、制御ユニット3を経由してPC1から行う。不揮発性メモリは高額部品ではなく、ユニット数分のみであるため、安価に実現可能である。PC1上のソフトウェアの変更についても、後述する保守管理機能のみの手順を追加するだけであるため、容易に実現が可能である。
【0021】
不揮発性メモリインタフェース(IF)は、従来のインタフェース部品の空き端子を使用して実現する。各ユニット間のメモリIFは、シリアルIF系のメモリを採用すれば、追加される信号本数は3本程度である。各ユニット間IFの予備端子を割り付けることで新規のコネクタ部品を搭載する必要はない。
【0022】
なお、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットは、修理の際の保守単位でもある。4探針抵抗率測定器のあるユニットを修理のため交換した場合、ユニット内に実装されている不揮発性メモリも交換される。したがって管理領域用メモリへの登録情報は、ユニットに付属していく。
【0023】
PC1は、システム全体の制御や4探針抵抗率測定器100の制御に加え、保守管理機能を有する。これらの機能は、PC1のCPUがメモリ上でソフトウェアを実行することにより実現する。PC1の電源は無停電電源装置(UPS:uninterruptible power-supply system)8を経由して供給される。
【0024】
主電源2は、UPS8と4探針抵抗率測定器100へ電源供給を行う。
制御ユニット3は、PC1からの制御にしたがって、電源ユニット4、信号分配ユニット5、プローブユニット6、及び測定ユニット7をそれぞれ制御する。また、制御ユニット3は、測定ユニット7からの測定結果をPC1へ通知する。制御ユニット3は、各ユニットの動作状況等についても、PC1へ通知する。
【0025】
電源ユニット4は、測定ユニット7で使用する動作電圧を生成する。測定ユニット7は、微小な電流を使用して測定するため、他機能からの影響を受けやすい。このため、独立した電源が必要となる。また、実装オプションにより生成する電源電圧が変わるため、実装内容を判別する手段が必要となる。実装内容の判別は、管理領域用メモリでの管理またはボードID用ビットをインタフェースへ追加することで対応する。
【0026】
信号分配ユニット5は、制御ユニット3からの制御信号を各ユニットやセンサの部品へ分配する。電源ユニット4や主電源2が機種により異なるため、実装内容を判別する手段が必要である。実装内容の判別は、管理領域用メモリでの管理またはボードID用ビットをインタフェースへ追加することで対応する。
【0027】
プローブユニット6は、4探針プローブで構成され、使用回数制限があるため、運用時に使用回数を管理する必要がある。プローブユニット6の動作は、制御ユニット3により制御される。システムで使用回数は把握できるため、管理領域用メモリに使用回数を保守情報として記録・更新することで正確な使用回数を保持する。保守情報として、出荷内容のほか、プローブ使用回数も保持する。
【0028】
測定ユニット7は、4探針プローブの探針へ印加する電流を制御し、探針の電圧を測定する。また、システムからの測定要求にてプローブユニット6からの測定結果をデジタル値へ変換して、信号分配ユニット5経由で制御ユニット3へ通知する。測定回路は測定用アンプの調整が必要であり、測定用ADC部品の誤差があるため、個別特性がある。
【0029】
UPS8は、主電源2から供給された電源をPC1へ供給する。停電等で電力供給が遮断された際、PC1へ一定時間電力供給を行う。PC1は、電源遮断後一定時間内にシステム終了を行う。
【0030】
図2は、制御ユニット3の機能構成を示すブロック図である。制御ユニット3は、通信部31、制御部32、モータ制御部33、信号モニタ部34、測定ユニット制御部35、プローブ上下移動制御部36、及び管理領域用メモリ制御部37を有する。制御ユニットの各部は、PC1と装置間の通信により、他ユニットの制御を行ったり、装置からの測定結果や、アラーム、動作状況をPC1へ通知する。
【0031】
管理領域用メモリ制御部37には、制御ユニット3内の保守情報、出荷情報を保持する管理領域用メモリも含まれる。他ユニットの管理用メモリインタフェースの制御も行う。電源ユニット4、プローブユニット6、測定ユニット7上に、管理領域用メモリを実装する。また、信号分配ユニット5上に管理領域用メモリ51を実装する。
【0032】
通信部31は、4探針抵抗率測定器100とPC1との間の通信を行う。PC1からの制御命令を解析し、制御部32へ通知する。また、制御部32からの情報(測定値や信号情報)を受け取り、PC1へ通知する。
制御部32は、PC1との通信部31から通知された命令を対象となる機能へ通知する。また、機能からの情報を受けとり、PCとの通信部31へ通知する。
【0033】
モータ制御部33は、制御部32から命令が通知されると、必要なモータの制御を行う。モータからのステータス信号変化や、エラー等が発生したら、その内容を制御部32へ通知する。
信号モニタ部34は、制御部32から命令が通知されると、蓋開閉センサや、モータ駆動状況モニタ用センサ等の状態を監視し、変化または異常がある場合はその内容を制御部32へ通知する。
【0034】
測定ユニット制御部35は、制御部32から命令が通知されると、測定ユニット7に対し制御を行う。測定ユニット7の測定値や異常がある場合はその内容を制御部32へ通知する。
プローブ上下移動制御部36は、制御部32から命令が通知されると、プローブユニット6を上下駆動させるモータ制御を行う。モータ制御信号内容や、プローブユニット6付近にあるプローブ位置センサの状態を制御部32へ通知する。
【0035】
管理領域用メモリ制御部37は、制御部32から命令が通知されると、該当するユニット上の管理領域用メモリ(保守情報用の不揮発メモリ)に対して読み出し、書込みを行う。ユニット種別及び書込むデータは、制御部32により通知される。各ユニット上の内容を読み出した際や、書込みエラー等が発生した場合、制御部32へその内容を通知する。
【0036】
図3は、測定ユニット7の機能構成を示すブロック図である。測定ユニット7は、測定用電源電圧72、電圧選択部73、電流選択部74、プローブ測定値計測部75、自己診断テスト部76、及び管理領域用メモリ77を備える。また、信号ユニット4上に管理領域用メモリ41を備え、プローブユニット6上に管理領域用メモリ61を備える。
測定ユニット制御信号分配部71は、測定ユニット制御部35からの制御信号により、該当する機能へ制御信号を分配する。プローブ測定値計測部75からの測定値や、自己診断テスト部76からの測定値が読み出された場合に、測定ユニット制御部35へ内容を通知する。エラーが発生した際にも、測定ユニット制御部35へ内容を通知する。
【0037】
測定用電源電圧72は、電源ユニット4から供給される電源を測定用電源と他機能用動作電源に分配して供給する。測定用の電源は、他機能と共通電源にすると、測定値が他機能の影響を受け、正しい結果が得られないため独立した電源にする必要がある。
【0038】
電圧選択部73は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、抵抗率測定を行う際の電圧選択を行う。
電流選択部74は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、抵抗率測定を行う際の電流選択を行う。制御ユニット3またはPC1は、電圧選択部73での選択内容と電流選択部74での選択内容の組み合わせ、及びプローブ測定値計測部75からの計測結果をもとに抵抗率を算出する。
【0039】
プローブ測定値計測部75は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、プローブユニット6で計測された電圧値(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、測定ユニット制御信号分配部71へ通知する。電圧選択部73、電流選択部74の選択内容と本機能からの計測結果にて抵抗率を算出する。抵抗率の算出は、制御ユニット3またはPC1で行う。
【0040】
自己診断テスト部76は、測定ユニット制御信号分配部71から制御信号を受け取ると、自己診断テスト用に内蔵されている精密抵抗をプローブユニット6のIF間に接続する。自己診断用の抵抗は、数種類ある。自己診断テスト部76は、受け取った制御信号により使用する抵抗を選択する。本機能は、あらかじめ判っている精密抵抗の抵抗値を使用し、装置の測定結果が所定の精度の範囲に入っているかを判断する際に利用される。顧客のウェハ測定では、プローブユニット6を使用し測定するため、本機能は使用しない。
【0041】
図4は、各ユニットの管理領域用メモリに記憶される管理用メモリテーブルの一例を示したものである。管理用メモリテーブルは、例えば、「出荷情報エリア」、「保守情報エリア」、「制限がある項目の個別カウントエリア」、「過去履歴管理エリア」、「自己診断履歴エリア」、及び「修理情報エリア」を有する。
【0042】
「出荷情報エリア」は、各ユニット共通で出荷時に登録される内容であって、製造年月日、ユニット番号、バージョン及びシリアル番号等を有する。PC1上のソフトウェアシステムから、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットに実装された管理領域用メモリに出荷情報を書き込み記録する。この操作は当該ユニットを新規に作成した1回のみ行う。また、製造年月日はPC1のカレンダー機能のタイムスタンプを使用することができる。
【0043】
実装オプションがあるユニットについては、実装オプション用のビットを設け、ビット内容を「1」または「0」に固定し、PC1上のソフトウェアから実装オプション内容を読み出すことができる。例えば、電源ユニット4と信号分配ユニット5は、外観が同じだが、動作電圧の違う部品を搭載した数種類の実装オプションが存在する。これらのユニットの出荷情報の中に、実装オプション情報(例えば“+24V用”、“+12V用”など)を加えておく。このようにすることで、修理の際に、保守員が交換する前の電源ユニット等の実装オプション識別情報を参照・確認することによって、間違えて実装オプションが違うユニットに、交換してしまうことを防ぐことができる。
【0044】
「保守情報エリア」は、各ユニット共通の内容として、運用開始時刻、稼動時間累計、電源オフ時間、予防保守時間、及び修理時間等を有する。これらは、動作している際に更新される。「登録ST」は、各項目別に用意される、最新書き込みを区別するフラグで、情報書き込み時に一緒に書き込まれる。読み出しの際は、各項目毎に1、2エリアのビット内容で最新エリアを判断する。PC1上のソフトウェアシステムから、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットに実装された管理領域用メモリに、定期的に当該ユニットの保守情報を書き込み記録する。時刻は、PC1のカレンダー機能のタイムスタンプを使用することができる。ユニット毎の管理領域用メモリへの格納情報とPC1でのタイムスタンプにより保守情報を算出する。
【0045】
「制限がある項目の個別カウントエリア」は、ユニットにより項目が異なり、ユニット別カウント項目が登録される。最新エリアの判定は、「保守情報エリア」と同様である。
例えば、電源ユニット4には、通電時間の寿命があるコンデンサが使用されている。電源ユニット4の管理領域用メモリに、積算通電時間を書込み更新し、寿命時間に到達したまたは寿命時間付近になったら電源ユニットの交換が必要であることを、画面等で通知する。
【0046】
PC1は、4探針抵抗率測定器100を構成する各ユニットの管理領域用メモリの出荷情報及び保守情報とPC1でのタイムスタンプから、各ユニットの平均故障間隔(MTBF)と平均復旧時間(MTTR)を自動計算する。但し、MTTRの時間については、保守員による編集も可能である。PC1上のカレンダー機能からタイムスタンプを取得するため、ユニット毎の時間管理が共通である。このため、MTBF、MTTRを正確に算出することができる。
【0047】
また、プローブユニット6は、探針磨耗や内蔵されている伸縮バネ等による使用回数制限があるため、運用時に使用回数を管理する必要がある。システムで使用回数は把握できるため、管理領域用メモリに使用回数を保守情報として記録・更新することで正確な使用回数を保持する。保守情報として、出荷内容のほか、プローブ使用回数も保持する。使用回数が寿命回数に到達するか、到達まであとわずかになったら、PC1上のソフトウェアシステムで、プローブユニット6の交換が必要であることをPC1の画面と4探針抵抗率測定器100の警告灯とブザー等で操作員に通知・警告する。プローブユニット6が交換されたことは、PC1上のソフトウェアが4探針抵抗率測定器100のユニット構成を自動認識する際に、前回自動認識したプローブユニット6のユニット構成情報のシリアル番号に変化があったことで検出する。
【0048】
「過去履歴管理エリア」は、本エリア内のリングバッファ方式で管理し、最新エリアを「履歴ST」で区別する。登録時、運用か修理かを判定する運用/修理フラグを設ける。読み出し時は本フラグによりどちらなのかを判断する。
【0049】
「自己診断履歴エリア」は、本エリアは、測定ユニット7のみに設ける。自己診断実施日と測定結果が登録される。登録は、「履歴ST」で管理し、登録順番を認識する「履歴ST」の使用は「過去履歴管理エリア」と同様である。
「修理情報エリア」は、修理が発生した際に順に登録する。修理回数は、修理内容を書き込むときに、回数をカウントし書き込む。保守作業時の内容を、「修理情報エリア」へ登録することで、ユニット毎の保守作業内容の管理ができる。
【0050】
なお、登録情報の更新作業中に不具合が発生した際にも、更新前の情報が参照できるよう、頻繁に更新される内容は、2箇所のエリアを設け、更新作業は交互に行う。不揮発性メモリには書込み制限(主に10万回程度)があるが、一定期間毎に更新するエリアについては、容量を2倍として2箇所のエリアを設け、交互に更新することで書き込み回数を1/2に抑えることができる。このため、不揮発性メモリの書込み回数オーバーになり保守作業を行う時間間隔がエリア1つの場合に比べ2倍に伸びる(MTBFの向上)。但し、出荷情報は、出荷時に書込みを行うのみであるため、書込み制限の問題は考慮する必要はない。
【0051】
最新の更新エリアは、更新が正常に行われた際に更新フラグを書き込む。読み出しの際は、更新フラグを参照し、どちらのエリアが最新であるかを判別する。エリア毎(仮にエリア1、エリア2とする。)に更新フラグを設け、両エリアの更新フラグ内容により最後に更新されたエリアを判断する。更新フラグの更新例としては、エリア1を正常更新した後、更新フラグを前回の内容の反転値(前回「0」の場合は「1」)を書き込む。エリア2を正常更新した後、更新フラグをエリア1と同じ内容に更新する。読み出し時に、エリア1とエリア2の更新フラグの値に相違があるときの最新更新エリアはエリア1の内容となり、更新フラグの値が同一の時の最新更新エリアはエリア2の内容となる。
【0052】
また、管理領域用メモリの保守情報(運用開始時刻、運用終了時刻、実稼動時間、不稼動時間(電源がオフされていた時間)、予防保守時間、修理(交換)時間等)の更新エリアを2箇所にすると、不揮発性メモリ部品の一部エリア故障や、PC1上のソフトウェア誤動作等により最新エリアの内容が更新されなかった場合でも、1つ前の更新内容が残っているため、各ユニットの更新内容を復旧することができる。定期的な更新を行っていること、1つ前までの更新内容で管理することにより、実際の保守内容と管理領域用メモリに記録されている保守情報の差分が少なくなる。1つのエリアのみを使用し、保守情報の更新を行っている場合は、更新中のデータと更新されていない内容が混在しているため、実際の保守内容と管理領域用メモリに記録されている保守情報の相関がとれなくなってしまう。
【0053】
図5に、測定ユニットの管理領域用メモリへの登録内容の一例を示す。出荷時に登録する内容としては、ハードウェアバージョン番号、シリアル番号、製造年月日等がある。製造年月日はパーソナルコンピュータのカレンダー機能のタイムスタンプを使用する。さらに、測定ユニット7は、使用部品の誤差に伴う個別特性があるため、出荷時に登録する情報として、出荷時の自己診断テスト結果も登録する。個別特性を読み出すことで、システムで測定値補正を個別で行えるため、測定精度が向上する。
【0054】
測定ユニット7は、4探針プローブで試料を測定する代わりに、内蔵抵抗を測定して、測定結果(単位:Ω)が、所定の精度の範囲内に入っているかを確認する自己診断テスト機能を有する。測定ユニット7の出荷情報の中に、製作時の内蔵抵抗自己診断テストの測定結果も書き込んで記録しておく。また、数ヶ月に1回の点検でも内蔵抵抗測定自己診断テストを行う手順があるので、このときの測定結果を保守情報(「自己診断履歴エリア」)に書込み記録しておく。その結果、測定ユニット7の出荷情報と保守情報を読み込むことによって内蔵抵抗測定値(単位:Ω)の経年変化を知ることができる。これは、4探針抵抗率測定器100の測定器全体の校正係数を決める際の有効な参考データとなる
【0055】
動作している際に更新する内容としては、「保守情報エリア」と「保守履歴」(図4の「制限がある項目の個別カウントエリア」)がある。「保守情報エリア」には、当該測定ユニット7の運用開始時刻、積算実稼動時間、積算電源オフ時間(電源がオフされていた時間)、修理時間等の保守情報を書き込み記録する。時刻は、パーソナルコンピュータのカレンダー機能のタイムスタンプを使用する。また、「保守履歴」には、過去に行った自己診断テスト結果を書き込み記録する。
【0056】
また、測定ユニット7は、測定用の回路選択に回数制限がある部品を使用しているため、保守情報として、さらに個別特性、回数制限部品の使用回数を保持する。例えば、リレー(電気的にオンオフ制御できるスイッチ)が数多く使用されており、駆動回数の寿命がある。測定ユニット7の管理領域用メモリ77に、リレー毎の駆動回数を記録し、寿命回数に到達したら、測定ユニット7の交換が必要であることを、画面等で通知する。
【0057】
図6に、システム起動時の保守情報管理フローを示す。
PC1は、各ユニット上の管理領域用メモリからユニット構成、使用回数に関係する保守登録情報を読み出す(ステップS1a)。出荷情報(バージョン番号、シリアル番号等)を読み出す。
各ユニットから読み出した保守登録情報がPC1上の前回の登録内容と同様であるかを判定し(ステップS2a)、異なる場合には、PC1内に登録している出荷情報(バージョン番号、シリアル番号等)を更新する(ステップS3a)。システム起動時にユニット構成内容を確認することで、ユニット構成の変更が判るため、システム上のウィンドウに変化の有無を表示することも可能となる。
【0058】
次に、PC1は、前回の終了が正常終了であるか異常終了であるかを判定し(ステップS4a)、異常終了の場合には、各ユニット上の管理領域用メモリへPC1の保守情報を書き込む(ステップS5a)。各ユニット上の管理領域用メモリの書込み内容・保守情報(運用開始時刻、実稼働時間、回数力ウント値等)を更新する。停電等で電力が遮断された際、ユニット上の管理領域用メモリを更新できないが、PC1はUPS8搭載であるため、更新情報を保持することができる。異常終了時は、再起動することで、ユニット毎の構成は最新情報を更新でき、ユニット毎の管理情報が正しい内容で保持することができる。
【0059】
PC1は、使用回数制限がある項目の使用回数を基準値と比較し(ステップS6a)、使用回数が使用基準値を超えている場合は、PC1の画面上にアラーム表示等を行う(ステップS7a)。
PC1は、PC1上のカレンダー機能でタイムスタンプを取得し、各ユニットの使用時間(累計)、保守時間(累計)を読み出し、システムの内容を更新する。さらに、システムで累計時間の力ウントを開始し、起動作業を終了する(ステップS8a)。
【0060】
図7に、システム運用中の保守情報管理フローを示す。
PC1は、システムで使用時間累計カウントと使用回数カウントを行う(ステップS1b)。各回数カウントは、PC1からの命令により、制御ユニット3から各ユニットの制御をおこなっている。制御ユニット3で制御信号変化を条件にしてカウントを行うことでも回数カウントを実現できる。時間計測についても時間計測カウンタを制御ユニット3に実装することで実稼働時間をカウントすることが可能である。制限値についてもカウント値と比較し、PC1へアラーム通知することで対応できる。このため、保守情報のカウント、アラームは、PC1上または制御ユニット3のどちらで実施しても実現できる。
【0061】
プローブ回数は、抵抗率測定毎にカウントする(自己診断テストでの抵抗率測定は除く。)。電源ユニット4のコンデンサ通電時間は、システム運用時間累計と保守時間累計の合計とする。プローブクリーニング回数は、プローブクリーニング毎にカウントする。リレー切替回数は、抵抗率測定時(自己診断テストでの抵抗率測定を含む。)に、制御ユニット3から制御する測定ユニット制御部35のリレー制御信号について、信号毎にオンした時にカウントする。
【0062】
保守作業モードに切り替わった場合には(ステップS2b)、PC1は、PC1上のカレンダー機能を利用しタイムスタンプを取得し、保守開始日時の設定が無い場合は、取得したタイムスタンプを管理領域用メモリ(「保守情報エリア」の運用開始時刻)へ書き込む(ステップS3b)。PC1は、システムで使用時間累計カウントを停止し、保守時間累計カウントを開始する(ステップS4b)。PC1は、保守モード終了の際に(ステップS5b)、システムで使用時間累計カウントを開始し、保守時間累計カウントを停止し(ステップS6b)、システム運用モードに切り替える。
【0063】
システム運用中は、定期的にログ出力(例えば1週間毎)を実施しており、その際に各ユニット上の保守情報の更新を行う。システム終了時にも更新を行う。上記ステップS2bで保守作業モードでないと判定した場合は、上記ステップS1bの処理を繰り返す。システム終了又はログ出力の場合に(ステップS7b)、PC1は、システムで使用時間累計カウントを停止し、タイムスタンプを取得し管理領域用メモリ(「過去履歴管理エリア」の運用終了時刻)に書き込む。使用回数カウントの内容も管理領域用メモリに書き込む(ステップS8b)。
【0064】
システム終了時には(ステップS9b)、システムが正常終了か否かを判定し(ステップS10b)、異常終了した場合、UPS8の有効期間中にPC1へ最新の更新情報を登録する(ステップS11b)。異常終了はシステム終了処理中にPC1で保持し、再起動時に前回の終了状態を読み出せるようにしておく。異常終了から再起動での正常起動を確認するまでは、ユニット交換を行わないように注意喚起することで保守情報を正確に保持することが可能である。
【0065】
また、システム運用中に、PC1上のソフトウェアシステムは、各ユニットの管理領域用メモリに記録された出荷情報を定期的に読み出すことによって、4探針抵抗率測定器100のユニット構成を自動認識することができる。具体的には約15秒周期で各ユニットの出荷情報を読み込み、前回の出荷情報に変化が無い場合は、該当ユニットの構成情報として認識する。変化があった場合は、新しいユニットに交換されたと認識し、新しく交換された該当ユニットの構成情報を認識する。また、出荷情報を読み込めない異常(通信エラー)の場合は、該当ユニットを交換するためにユニットが取り外された状態と認識する。
【0066】
PC1上のソフトウェアシステムは、4探針抵抗率測定器100の電源がオフされたことを全ユニットの出荷情報が読み込めない異常(通信エラー)を検出することで行う。この場合、このソフトウェアシステムは、最後に正しく読み込んだ各ユニットの管理領域用メモリの出荷情報、保守情報をログ情報としてPC1のファイルに書き込み保存する。ログ情報は、4探針抵抗率測定器100が再び電源オンとなり復旧した場合に、各ユニットの管理領域用メモリ上の出荷情報を読み込み、ユニット交換が実施されたかの認識を行った後に、保守情報を更新記録するために使用される。
【0067】
図8は、累計稼動時間の表示画面の一例を示す図である。PC1は、各ユニット別の使用時間の制限値に対する現時点での数値をグラフ化して画面に表示する。図9は、回数カウントの表示画面の一例を示す図である。例えば、測定ユニット3の場合は、抵抗率測定時のリレー切替回数について、制限値に対する現時点での数値がPC1の画面に表示される。
【0068】
図10は、累計稼働時間の制限値の設定画面の一例を示す図である。各ユニットの制限値は、初期値を持っているが、ユーザにより制限の上限、下限を設定することができる。図11は、回数カウントの制限値の設定画面の一例を示す図である。例えば、測定ユニット7の場合は、各レンジにおけるリレー切替回数の制限値(上限、下限)を設定することができる。図10,11において、各画面を開いた際には、初期値または設定値が表示されており、制限値は、プルダウンメニューや、直接入力で設定する。
【0069】
図12は、測定ユニット7の制限値(下限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図である。例えば、「1μA電流レンジリレー切替え回数の制限値(下限)を超えました(上限まで残り200count)」のようなアラーム表示がPC1の画面に表示される。図13は、制限値(上限)を超えた場合の警告画面の一例を示す図である。例えば、「1μA電流レンジリレー切替え回数の制限値(上限)を超えました。該当部品交換またはユニット交換(ユニット名:測定ユニット)をしてください。」のようなアラーム表示がPC1の画面に表示される。図12,13の画面は、ユーザの操作により、または一定時間経過したら自動的にウィンドウを閉じられる。警告としてログへの出力を行う。
【0070】
以上述べたように、本実施形態によれば、4探針抵抗率測定器の保守情報をユニット毎に設けた不揮発性メモリに保持することで、ユニット単位での修理、交換、保守で他装置への転用が行われた場合でも、保守情報(運用開始時間、保守時間、動作時間等)を正確に把握し、管理することが可能となる。機器のバージョンアップ等によるユニット交換完了についても、機器構成が遠隔地からも把握できるため、現地へ検査責任者が同行することなく、作業完了が確認できる。
【0071】
また、使用回数制限があるユニットについても、保守情報として使用回数を記録することで交換時期をPC上のソフトウェアで認識でき、画面表示等で通知することができる。ユニット上の実装オプションについても、オプション内容を電気的に読み出すことができるため、間違った実装オプションのユニットを使用した際にもPC上のソフトウェアで判別可能である。
【0072】
さらに、定期的に保守情報が更新されることと、更新エリアを2箇所にすることで、正常に更新作業ができず、そのままユニット交換される等でソフトウェアの更新情報も読み出せない場合でも1つ前の保守情報はユニット上に記録されている。保守情報が定期的に更新されず、更新作業ができなかった場合と定期的な更新が行われている場合の実物との差分は、本実施形態の方が少なくなる。
【0073】
更新エリアが1箇所の場合では、管理領域用メモリの保守情報は更新後と更新前の内容が混在するため、保守情報の種類により実物との差分が変わってしまう。更新途中で管理領域用メモリの保守情報更新作業が終了した場合は、誤った内容になるため、差分が大きく異なってしまう。
【0074】
更新エリアを2箇所にした場合、管理領域用メモリの更新が正常に終了しないと、更新フラグ状態が1つ前の更新情報を最新情報として読み出す。この時、更新情報の差分は、一定で、内容は1つ前の内容になるため、更新エリアが1箇所の場合に比べて信頼性が高い。
【0075】
したがって、本実施形態によれば、故障までの最適なタイミングで保守作業を行うことができ、故障によるユーザの不稼動時間を低減することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100…4探針抵抗率測定器、1…パーソナルコンピュータ(PC)、2…主電源、3…制御ユニット、4…電源ユニット、5…信号分配ユニット、6…プローブユニット、7…測定ユニット、31…通信部、32…制御部、33…モータ制御部、34…信号モニタ部、35…測定ユニット制御部、36…プローブ上下移動制御部、37…管理領域用メモリ制御部(制御ユニットの管理領域用メモリ)、71…測定ユニット制御信号分配部、72…測定用電源電圧、73…電圧選択部、74…電流選択部、75…プローブ測定値計測部、76…自己診断テスト部、77…測定ユニットの管理領域用メモリ、41…電源ユニットの管理領域用メモリ、51…信号分配ユニットの管理領域用メモリ、61…プローブユニットの管理領域用メモリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともプローブユニット及び測定ユニットを含む複数のユニットにより構成される4探針抵抗率測定装置であって、
前記ユニット毎に搭載される複数の不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する保守情報を定期的に書き込む書込手段と、
前記保守情報を前記不揮発性メモリから読み出す読出手段と
を具備することを特徴とする4探針抵抗率測定装置。
【請求項2】
前記保守情報は、前記ユニットの累積稼動時間又は使用回数を含み、
前記読出手段により読み出された前記累積稼動時間又は使用回数と、当該ユニットの累積稼動時間又は使用回数の制限値とをもとに、前記制限値に対する現時点での数値又は前記制限値を超えた旨を示す警告を画面に表示する表示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項3】
前記書込手段は、さらに当該ユニットの出荷時に前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する出荷情報を書き込み、
前記読出手段により定期的に読み出される前記出荷情報に変化があった場合は、当該ユニットが交換されたものと判定する判定手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項4】
無停電電源装置をさらに具備し、
停電時には前記無停電電源装置からの給電により前記書込手段の処理を実行することをさらに特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項5】
前記書込手段は、定期的に更新する前記保守情報については、2箇所の書き込みエリアを設け、交互に更新することを特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項1】
少なくともプローブユニット及び測定ユニットを含む複数のユニットにより構成される4探針抵抗率測定装置であって、
前記ユニット毎に搭載される複数の不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する保守情報を定期的に書き込む書込手段と、
前記保守情報を前記不揮発性メモリから読み出す読出手段と
を具備することを特徴とする4探針抵抗率測定装置。
【請求項2】
前記保守情報は、前記ユニットの累積稼動時間又は使用回数を含み、
前記読出手段により読み出された前記累積稼動時間又は使用回数と、当該ユニットの累積稼動時間又は使用回数の制限値とをもとに、前記制限値に対する現時点での数値又は前記制限値を超えた旨を示す警告を画面に表示する表示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項3】
前記書込手段は、さらに当該ユニットの出荷時に前記不揮発性メモリに当該ユニットに関する出荷情報を書き込み、
前記読出手段により定期的に読み出される前記出荷情報に変化があった場合は、当該ユニットが交換されたものと判定する判定手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項4】
無停電電源装置をさらに具備し、
停電時には前記無停電電源装置からの給電により前記書込手段の処理を実行することをさらに特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【請求項5】
前記書込手段は、定期的に更新する前記保守情報については、2箇所の書き込みエリアを設け、交互に更新することを特徴とする請求項1記載の4探針抵抗率測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−83523(P2013−83523A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223038(P2011−223038)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】
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