説明

4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(ローズベンガル)及び関連するキサンテンを合成するプロセス

高純度のヨウ化キサンテンを製造する新規なプロセスは、環化の工程と、それに続くヨウ素化の工程とを含む。抽出工程、クロマトグラフ濃縮又は溶媒濃縮の工程は一切不要であり、中間及び最終化合物には、ろ過又は類似の手段を用いる。このプロセスでは、1種類の有機溶媒の使用を要し、100℃未満で工程を完了させる。
塩化物イオン、塩化物フリーラジカル、次亜塩素酸イオン、又は次亜塩素酸を、試薬から除外し、また、これらを酸化剤の存在下においてインサイチュで生成しうる試薬から除外することで、不純物の不都合な生成を回避できる。新規な化合物をいくつか想定し、上記方法を用いて単離した。これらの新規な化合物は、新規な薬剤中に処方することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、高純度のローズベンガル、ローズベンガルラクトン及び関連するキサンテンを調製又は合成及び単離する方法に関し、また、高純度のローズベンガル、ローズベンガルラクトン及び関連するキサンテンにも関する。
本願発明の1つの側面は、個々の有機不純物を最大で2重量%、好ましくは0.15重量%未満含む、ヨウ化フルオレセイン(iodinated fluorescein)誘導体を調製するための合成手順に関する。
【0002】
不純物を0.15%又は1500ppm以下に調整することは、医薬的な実用性に関わる。なぜならこの値は、医薬品規制調和会議(ICH)のガイドラインに適合するための、安全確認の必要な閾値を表しているためである。
そのため本願発明の別の側面は、本明細書に開示する新規化合物の、医薬的な実用性と同定とに関する。上記合成は、この新規化合物の医薬的な実用性と同定とのために、その生成を調整するよう特別に設計されている。
【背景技術】
【0003】
フルオレセインの構造モチーフ及び、無水フタル酸とレソルシノールからの一工程環化は、1871年にBaeyer(Berichte.1871:4,555)によって初めて記載されたと考えられている。
Graebe(Annalen.1887:18,318)は、その報告書の中で、レソルシノールに対する過剰量(1.3当量)の無水フタル酸の使用に言及しており、ハロゲン化無水フタル酸を、環化の基体として初めて用いた人物であると考えられている。
ジクロロフルオレセインのヨウ素化は、1887年のLe Royerの報告書(Annalen.1887:238,359)で、初めて文献に登場した。
【0004】
20世紀には、フルオレセイン類似体にいくつかの用途が生じた。
これらの化合物は繊維染料、生物学的染料、不揮発性メモリ装置のビルディングブロック、熱画像形成基体、食用及び化粧用着色剤として使用されてきた。
例えば、エリスロシン(FD&CNo.3)及び部分的にヨウ素化されたエリスロシン(D&C Nos.11及び12)は、食用、薬用及び化粧用染料として用いられる。
特定のテトラヨード(tetra−iodo)キサンテン、即ちローズベンガルは、眼疾患の可視化や、また放射標識された形で肝機能の医療診断にも使用されており、1965年に米国薬局方に記載されている。
【0005】
非ハロゲン化類似体の合成や、フルオレセインモチーフの生成についての関心が広まる一方で、ローズベンガルのキサンテン核を作り出す環化の技術は、1880年代の技術(ふたの開いたやかんで高温溶融する)から実質的には改良されてこなかった。
周知の合成方法では、残留溶媒と、副反応や分解プロセスに由来する無機及び有機化合物とを含む、予測不能で特性決定もできない雑多な不純物が生産されてしまう。
【0006】
食用又は診断用の染料など、産業応用における既存の用途においては、多くの場合、不純物は容認できるものであった。
例えば米国連邦規則集(CFR)では、FD&C No.3(エリスロシン)について、モノヨード(mono−iodinated)不純物1%以下、ヨウ化フルオレセイン9%以下、という不純物レベルを許容している。
CFRはまた、環化工程に由来する残留不純物、例えば、部分的にヨウ素化されたフタル酸やレソルシノール(例えば、Kamikura,Shokuhin Eiseigaku Zasshi1985:26,243及び、Wada et al.,Food.Add.Contam.2004:21,1137参照)なども許容している。
【0007】
こうした従来の着色剤の規格は、現代の医薬品規制調和国際会議(ICH)による新原薬についてのガイドラインと著しく性質が異なる。ICHによる新原薬についてのガイドラインでは、0.05%以上の不純物を報告すること、0.1%以上のレベルで存在する全ての有機不純物を網羅的に同定すること、及び、0.15%をこえる全ての不純物について徹底的な毒性試験(toxicologic qualification)を行うことを課しており、さらに無機不純物にも制限を設け、残留溶媒には特に厳しい制限を設けている。
そのため、このクラスの化合物を治療量、体内に導入するにあたっては、よく管理された(well controlled)予測可能かつ再現可能な合成の実施が、必須かつ最優先の事項となる。
このような規格では、合成工程又は精製の間に雑多な不純物が予測不能な発生をすることは、特に非経口薬となりうる製剤の生成においては認められない。
【0008】
米国薬局方XXIIでは、試薬級のローズベンガルを作製するのに、HClを用いて、酸塩基操作によりローズベンガルを精製するよう推奨している。
本願の発明者らは、過酸化水素又はオキソンといった酸化剤の存在下で、ヨウ化フルオレセインを、水溶性塩化物イオンを含む又は発生させる試薬で処理すると、1つ以上のヨウ素(I)が塩素(Cl)にトランスハロゲン化(transhalogenated)される副反応が起こるという、驚くべき事実を発見した。
【0009】
この副反応は、塩化物フリーラジカル(chloride free radical)、次亜塩素酸イオン、又は次亜塩素酸が存在するときにも起こる。
ローズベンガル調製中のこの副反応は、以前は報告されていなかった。この不都合な副反応を防ぐためには、環化工程、ヨウ素化工程、及びいかなる精製スキームも慎重に調整しなければならない。
【0010】
ヨウ化フルオレセイン類似体については以前から記載があり、中にはこれら類似体を“ハロゲン”の語で一般的に(generically)表しているものも多く見られる。しかしこれら先行文献の中で、ヨードレソルシノールから、ヨードキサンテン置換されたフルオレセインを、直接的に合成可能にすると考えられるものはない。
さらに、これら先行文献の中で、分子中に少なくとも1つのヨウ素を含むことを要件とするものはない。また、これらの化合物の医薬的実用性はヨウ素によって確実に左右されるのだが、この医薬的実用性について特許請求しているものもなかった。
【0011】
フルオレセインの主な用途が非治療目的であったため、この化合物クラスにおいて高純度の有効成分を調製するのに必要な方法や、ヒトの治療や着色剤として実用されうる微量な副生成物を同定、特性決定、及び合成するための方法の、記載や実施化に関する情報が不足してしまっている。
ヨウ化キサンテンは、様々な文献において、実施例として一般的に(generically)含まれており、ローズベンガルは1880年代に初めて記載された周知の化合物である。
【0012】
しかし先行文献では、キサンテン核上で少なくとも1つのヨウ素(I)と少なくとも1つの塩素(Cl)が置換されている、トランスハロゲン化(transhalogenated)された微量生成物を、単離又は同定することについては記載しておらず、その存在可能性すら開示も示唆もしていない。
【0013】
本願の発明者らは、ローズベンガルの商用見本において、これらの化合物が最大で2重量%まで存在しうるということを発見した。
さらに、先行文献は、低級ヨウ化(lower iodinated)キサンテン汚染物質(例えば、現行のCFR 74.303におけるエリスロシンの認定において、9%以上の含有が認められないような物質)について言及しているが、この物質において2’又は4’が水素で置換され、ヨウ素が3つとなった(トリヨードの)ものや、それに対応するアトロプ異性体(下記図1−q−R及び1−q−S参照。この骨格を有するアトロプ異性体に関する議論については、[特許文献1]参照)の、構造も名前も提示していない。
またこれらの先行文献は、キサンテン核上のI/Clが独立に置換されているものに関して、その単離や合成を可能とすることについて教示も示唆もしていない。
【0014】
本願発明は、医薬としての実用に必要な基準をみたすよう、これらの副生成物を同定、特性決定するとともに、その合成を調整する効果的な方法を確立する。
さらに本願発明のプロセスは、これら副生成物の不都合な生成をさけ、多種の溶媒を用いずに済むようにし、試薬に厳しい制限を設けることで、操作性、収率、純度を向上させ、このプロセスの医薬的使用への適用性をより高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許番号6649769号
【発明の概要】
【0016】
本願発明は、医薬的使用のために製造される、式3及び式4のヨウ化キサンテン中の不純物レベルを調整する物質と方法、これらのヨウ化キサンテン化合物を製造するプロセス、及び、関連性はあるが従来は想定されてこなかった、トランスハロゲン化された(transhalogenated)不純物の開示に関する。
【0017】
本願発明はまた、上記と同様のヨウ化キサンテンを調製するための物質と方法、特に、エリスロシン(FD&C3)、ローズベンガル、及びその他の関連するヨウ化キサンテンを、医薬的な使用に適した純度で調製するプロセスに関する。
1つの実施形態では、このプロセスにおいて有機溶媒を1種類だけ、低温(100℃未満)で用いる。またこの実施形態では、不純物の生成をさけるため、厳選した添加剤及び調整剤を用いることを課している。
【0018】
トランスハロゲン化された不純物の生成をさけるには、例えば反応混合物中の、特にヨウ素化工程における反応混合物中の塩化物イオンを、1500ppm未満に制限すればよい。
抽出の工程、クロマトグラフ濃縮又は溶媒濃縮の工程は一切不要であり、ろ過又は類似の手段を用いて、中間及び最終化合物を単離する。
【0019】
本願発明はまた、特定の類似体及び新規化合物、特に上記に開示した方法によって作製又は回避されるものも対象とする。そしてこれらの化合物を、単離又は同定し、創薬、製薬、化粧品、及び着色剤における使用に適用する。
さらなる実施形態では、式3の化合物:
【0020】
【化1】

【0021】
(式中、各Rは独立にC〜Cアルキル、ハロゲン又はH;R、R、R、Rは独立にI、F、Cl、C〜Cアルキル又はHで、R、R、R、Rのうち少なくとも1つはI;各Rは独立にH又はC〜Cアルキル)を調製するためのプロセスを提示する。
【0022】
このプロセスは、式3の化合物(式中、各Rは独立にC〜Cアルキル、ハロゲン又はH;R、R、R、Rは独立にF、Cl、C〜Cアルキル又はHで、R、R、R、Rのうち少なくとも1つはH)を、水溶性塩基の存在下でヨウ素(I)と反応させ、R、R、R、Rのうち少なくとも1つをIで置換することを含む。
【0023】
別の実施形態では、式3の化合物(式中、各Rは独立にC〜Cアルキル、ハロゲン又はH;R、R、R、Rは独立にハロゲン、C〜Cアルキル又はH;各Rは独立にH又はC〜Cアルキル)を作製する方法を対象とする。
この方法は、式1の化合物:
【0024】
【化2】

(式中、各Rは独立にハロゲン、C〜Cアルキル又はH)を、式2の化合物:
【0025】
【化3】

(式中、R、R、R10は独立にF、Cl、C〜Cアルキル又はH;RはH)と反応させることを含む。
【0026】
さらなる実施形態では、式3の誘導体(式中、各Rは独立にハロゲン又はH;R、R、R、Rは独立にI、Br、Cl、F又はHで、R、R、R、Rのうち少なくとも1つはCl;RはH)を作製する方法を対象とする。
この方法は、式3の化合物を、塩素ラジカル、塩化物イオン、又はインサイチュ(例、次亜鉛素酸ナトリウム溶液、又は次亜塩素酸など)で発生した塩化物イオンと反応させ、R、R、R、R、RのうちI又はBrであるものを、いずれも独立にClで置換できるようにすることを含む。
【0027】
別の実施形態は、式3の化合物(式中、R、R、R、Rから選択された1つ又は2つはCl;各Rは独立にBr、F、Cl、又はI;ただし前提として、Cl又はHでないR、R、R、RはいずれもIで、各Rは独立にH又はC〜Cアルキル)に関する。
【0028】
本明細書に記載される式3の化合物は、創薬、製薬、化粧品、着色剤に関する産業において有用な性質を有している。
したがって本願発明は、局所又は体内投与用の薬剤に含まれる、特許請求された化合物にも関する。これには、特許請求された化合物が、ヒト又は動物の疾患用の、化学療法的又は光力学的治療のための薬剤に有効成分と含まれる場合も該当する。
【0029】
本明細書の定義における、式3の化合物、その生産方法、薬剤、及び使用は、ラクトン型(式3)からキノイド型(式4)(式中、R11、R12は独立にH又は、Na、K、Li、又は、塩を生成できるその他の対イオン)に変換するためにけん化又は反応させられた、上記化合物の全ての形態を含む。
【0030】
【化4】

【0031】
さらなる実施形態では、本願発明は式4の化合物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH)を調製する方法に関する。
式3aの化合物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、R、RはH)を、実質的に塩化物イオンを含まない溶液中でヨウ素と化合させ、式4の化合物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH)を生成することで、式4の化合物を調製する従来の方法を本質的に改良することができる。
【0032】
この改良には、式4の化合物のトランスハロゲン化された誘導体(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、Rのうち少なくとも1つはClで、R、R、R、RのうちClでないものはいずれもI;RはH)が実質的に存在しない、ということも含まれる。
さらなる実施形態では、本願発明は式3の化合物:
【0033】
【化5】

【0034】
(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH)を調製する方法に関し、この方法は、以下の工程1及び2を含む。
【0035】
工程1:式1の化合物:
【0036】
【化6】

(式中、Rは独立にCl又はBr)を、約2当量の式2の化合物:
【0037】
【化7】

【0038】
(式中、R、R、R、R10はH)と、酸性溶液中で化合させ;
20℃から250℃の温度、好ましくは85℃から95℃の温度で撹拌し;
結果として得られる式3aの環化中間生産物:
【0039】
【化8】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、R、RはH)を単離する。
【0040】
工程2:式3aの中間体を、塩化物イオンを含まない水溶液と化合させ;
式3aの中間体の溶液をヨウ素(I)で処理し、20℃から100℃の温度で、式3aから式3への変換が実質的に完了するまでの間、撹拌し(なお、式3への変換が実質的に完了しているかは、例えばHPLC又は類似の手段で測定される);
式3を含む反応混合物を、塩化物イオンを含まないヨウ素捕捉剤でクエンチし;
クエンチした反応混合物を、塩化物イオンを含まない酸性溶液で、pH5未満に酸性化し;
式3の最終生産物を単離する。
【0041】
式3の化合物を調製する上記方法では、工程1において式1と式2の化合物とを化合させる酸性溶液が、塩化物イオンと、塩化物イオンを特に反応混合物中で生産しうる試薬とを、それぞれ実質的に又は完全に含まない、ことがさらに好まれる。
式3の化合物を調製する上記方法では、工程2における式3aの中間体が、塩化物イオンと、塩化物イオンを特に反応混合物中で生産しうる試薬又は不純物とを、それぞれ実質的に又は完全に含まない、こともさらに好まれる。
【0042】
式3の化合物を調製する上記方法では、式3aの中間体とヨウ素とを化合させる溶液が、塩基性pHを有する、こともさらに好まれる。
式3の化合物を調製する上記方法のバリエーションの1つでは、式3の化合物を調製する方法の工程1において、式1の化合物を、2当量未満の式2の化合物と化合させることもありうる。
【0043】
しかしこの実施形態は、好ましい実施形態の化学量論比を用いた場合より、式3の収率が低くなるため、あまり好ましくない。
さらに別の実施形態では、本願発明は式3の化合物:
【0044】
【化9】

【0045】
(式中、Rは独立にI、Br、Cl、F、C〜Cアルキル又はH;R、R、R、Rは独立にI、F、Cl、C〜Cアルキル又はHで、R、R、R、Rのうち1つから3つはI)を調製する方法に関し、この方法は以下の工程1及び2を含む。
【0046】
工程1:式1の化合物:
【0047】
【化10】

(式中、Rは独立にI、Br、Cl、F、C〜Cアルキル又はH)と、1当量の式2の化合物:
【0048】
【化11】

【0049】
(式中、R、R、R10は独立にF、Cl、H又はC〜Cアルキルで、R、R、R10のうち少なくとも2つはH;とRはH)とを、塩化物イオンと、塩化物イオンを反応混合物中で生産しうる試薬又は不純物とをそれぞれ実質的に又は完全に含まない酸性溶液中で化合させ;
これを20℃から250℃の温度で撹拌し;
結果として得られる式3aの環化中間生産物を、例えばろ過又は類似の手段で単離する。
【0050】
【化12】

【0051】
工程2:続いて、塩化物イオンと、塩化物イオンを生産しうる不純物又は不純物とを完全に又は実質的に含まない式3aの中間体を、塩化物イオンを完全に又は実質的に含まない水溶液と化合させ;
式3aの中間体の水溶液をヨウ素(I)で処理し;
20℃から100℃の温度で、式3aから式3への変換が実質的に完了するのに十分な時間、撹拌し(なお、式3への変換が実質的に完了しているかは、HPLC又は類似の手段で測定される);
式3の化合物を含む反応混合物を、塩化物イオンを含まないヨウ素捕捉剤でクエンチし;
このクエンチした反応混合物を、塩化物イオンを含まない酸性溶液で、pH5未満に酸性化し;
最終生産物をろ過又は類似の手段で単離する。
【0052】
式3の化合物を調製する上記方法では、工程2において、式3aの中間体とヨウ素とを化合させる水溶液が、塩基性pHを有することが好まれる。
工程2では、式3への変換が少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%、完了するのに十分な時間、撹拌を続けることがさらに好まれる。この時間は、通常約1から24時間の範囲で、より好ましくは約2から18時間の範囲である。
【0053】
別の実施形態において、本願発明は式4の化合物(式中、Rは独立にF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rのうち少なくとも1つの置換基はIで、他の置換基の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)及び、その全ての(a)互変異性体、(b)アトロプ異性体、(c)式3に表されるような閉環ラクトン型、(d)式3に表されるラクトン型のエナンチオマー、(e)医薬的に許容可能な塩に関する。
【0054】
【化13】

【0055】
【化14】

【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1−a】4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン又はローズベンガルラクトン、を示す。
【図1−b】4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラブロモ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−c】2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−4’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−d】4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−2’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−e】2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−4’,5’−ジヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−f】4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−2’,7’−ジヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−g】2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−4’,7’−ジヨードフルオレセイン)を示す。
【図1−h】4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−i】4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,7’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−j】4,5,6,7−テトラブロモ−2’−クロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’−クロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−k】4,5,6,7−テトラブロモ−4’−クロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4’−クロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−2’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−l】4,5,6,7−テトラブロモ−2’,7’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,7’−ジクロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’−ジヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−m】4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4’,5’−ジクロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−2’,7’−ジヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−n】4,5,6,7−テトラブロモ−2’,5’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,5’−ジクロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−4’,7’−ジヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−o】4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラブロモ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−p】4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラブロモ−2’,4’,7’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−q】1−q−Rは非対称に置換されたキサンテンのアトロプ異性体(aR体の表示)を示し、1−q−Sは非対称に置換されたキサンテンのアトロプ異性体(aS体の表示)を示す。
【図1−r】4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−7’−イソプロピル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:7’−イソプロピル−4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン、を示す。
【図1−s】2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸二ナトリウム塩、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン二ナトリウム又はローズベンガル、を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
<語句の定義>
“C〜Cアルキル”は、直鎖型及び分岐型の、飽和又は不飽和の炭化水素類を示し、これらは通常、特定の数の炭素原子を有している。“C〜Cアルキル”は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、及びt−ブチル、を例として含むが、これらに限定はされない。
【0058】
“ハロ”及び“ハロゲン”という語は、互換的に用いることができ、いずれもフロロ基、クロロ基、ブロモ基、及びヨード基を示しうる。
“塩化物を実質的に含まない”及びこれに類似の表現は、反応条件、試薬、又は中間化合物が、式3、式3a、又は式4のトランスハロゲン化された不純物の、0.15%(例、1500ppm)以上のレベルにおける不都合な生成を十分に回避できる純度において、塩化物イオン、塩化物イオンを含む不純物、又は塩化物イオンを含むこと、あるいは、上記のような反応条件、試薬、又は中間化合物が、塩化物イオン、塩化物イオンを含む不純物、又は塩化物イオンを発生させうる不純物を、1500ppm以下のレベルで含むこと、を示す。
【0059】
“トランスハロゲン化された不純物を実質的に含まない”及びこれに類似の表現は、式3及び式4の化合物(式中、R又は独立にCl又はBr;R、R、R、Rのうち少なくとも1つはClで、他はI;RはH)が、0.15%(例、1500ppm)以下のレベルで存在することを示す。
【0060】
<一般的(generic)構造の表示>
簡略化のため、式3、式3a、式3b、式4の各種の中間及び最終生産物を、その一般的な(generic)ラクトン又はキノイド異性型で図示する。
ただし、pHその他の条件によっては、その代わりとなる異性型(例、ラクトンの代わりにキノイド、キノイドの代わりにラクトン)で図示することもある。
なおこのような一般的(generic)表示は、図示した特定の異性型に開示を限定することを意図したものではない。
【0061】
<反応スキーム>
スキームIは、例えば式3のようなヨウ化キサンテンを作製する方法に関する、本願発明の1つの実施形態を示す。
この方法は、無水フタル酸(式1)を過剰量のレソルシノール(式2)と反応させて、式3aの化合物(式中、R、R、R、R、RはIではなく、R〜Rのうち少なくとも1つはH)を得ることを含む。
式3aの化合物を、最低限単離した後にヨウ素化して、式3の化合物(式中、R、R、R、Rのうち少なくとも1つはIで置換されている)を得る。
【0062】
【化15】

【0063】
環化反応(上記工程1)は、ニート(neat)から10%(水中)のメタンスルホン酸(MSA)を用いて、0℃から還流温度で実施することができる。
好ましい実施形態では、未希釈のメタンスルホン酸を、85℃〜95℃で、1〜16時間用いる。
【0064】
さらに好ましい実施形態では、2〜6倍量のMSA、より好ましくは4〜5倍量のMSA、さらに好ましくは約4.8倍量のMSAを用いる。
環化を起こすために、代替的にはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、硫酸又はトリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、カンファースルホン酸、又は、
【0065】
以下:融点約250℃未満のアルキルスルホン酸又はアリールスルホン酸、融点約250℃未満のアルキルカルボン酸又はアリールカルボン酸、塩化物でないブレンステッド酸、塩化物でないか塩素が固定されているルイス酸、のうち1つ以上を含む酸性溶液、又は、
上記物質それぞれの重合体又は塩の調製物、又はその水溶液を、単独で、又はメタンスルホン酸と共に用いることができる。
式3aへの環化は、実質的に化学量論量の反応物を(例、式1のレソルシノールと式2の無水フタル酸を、2:1の比率で)用いて実施できる。
【0066】
さらなる実施形態では、無水フタル酸を確実に全て消費するために、過剰量(例、約2.5当量から約3当量以上、より好ましくは約3.2当量以上)のレソルシノールを用いて反応を実施することが好まれる。
式3aを単離した後、結果として得られる固体は、純度向上のために再懸濁することができる。この際、撹拌はしてもしなくてもよい。
【0067】
再懸濁においては、好ましくは水及び、アセトンと水又はDMFと水の混合物を、50℃から70℃まで加熱して用い、より好ましくはアセトンと水を約60℃で用いる。
単離と再懸濁は、式3aの物質が所望の純度となるまで繰り返してよい。
ヨウ素化反応(上記工程2)は、モル過剰量のヨウ素(I)を、好ましくは塩基性条件下で用いて実施することができる。
【0068】
例えば、0.1〜5Mの水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、又は重炭酸カリウムを、0℃から還流温度で用いて、この反応を実施することができる。
好ましい実施形態では、0.4〜1.0M NaOHを70〜95℃で用いて、この反応を実施する。
ヨウ素を反応混合物に溶かすために、KI、NaI、又はKIとNaIの混合物、例えば1〜2.5当量のNaIを用いることができる。
反応時間は1〜24時間で、これはキサンテン環構造に加わったヨウ素原子の数に左右される。
【0069】
さらなる実施形態では、反応時間、温度、又は塩基濃度を変化させて、ヨウ素化の度合いを調整することができる。
この反応に用いるヨウ素は、例えばオキソンや過酸化水素などの酸化剤と、ヨウ化物塩とを用いて、インサイチュで発生させてもよい。ここで前記ヨウ化物塩は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、又はそれらの混合物から選択されたものである。
【0070】
この特定の例については、不都合なトランスハロゲン化を引き起こしうる成分、例えば塩化物水溶液、塩素、HCL、又はハロゲンイオンを生成しうるその他の成分が、反応混合物中に含まれないようにすることが好まれる。ただし、これらの成分が加わる前に、気体の酸素又はヨウ素を含む、あらゆる酸化剤を除去又はクエンチした場合はこの限りでない。
【0071】
反応混合物中の成分として、例えば次亜塩素酸ナトリウムは、不安定な塩化物イオンや強力な酸化剤の発生源となるため、特に不都合である。また、塩化物イオン、塩化物ラジカル、その他の次亜塩素酸誘導体、次亜塩素酸、及びそれらの混合物も、不都合な副反応を引き起こしうる。
反応が完了したら、反応混合物を約−20℃から10℃、好ましくは10℃未満に冷ます。そして、ヨウ素捕捉剤、例えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、又はその混合物、を加えてヨウ素をクエンチする。さらに好ましい実施形態では、クエンチするのに亜硫酸ナトリウムを用いる。
【0072】
反応混合物を、好ましくは10℃未満に保ったまま、ニート(neat)から1%の硫酸水溶液、好ましくは5%の硫酸水溶液でpH1.5から5の間に調節すると、式3が水溶液から沈澱し、これを簡単に単離することができる。好ましい実施例では、pHを1.5から3の間に調節する。
【0073】
式3aを単離した結果として得られる固体を、室温で再懸濁してさらに単離し、不純物を除去することができる。これには例えば、水及び、アセトンと水又はDMFと水の混合物、好ましくはアセトンと水の混合物を用いることができる。
また、pH5以上に調節して、式3を式4として溶かしてから、酸性条件下で単離するため式3に再変換しても良い。
【0074】
【化16】

【0075】
スキームIIは、本願発明の別の実施形態を示す。ここで式3の化合物は、pHが実質的に中性又は塩基性pHである場合、キノイド型(式4)としても存在しうる。これらのキノイドは塩として存在することもあり、このときヒドロキシ基の片方又は双方が、Na、K、又はLiイオンを含む塩基性対イオン(R11及び/又はR12)に置換されている。
【0076】
スキームIIIは、式3の化合物(式中、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つはI)を出発物質とし、IをClに置換して、式3bの化合物(式中、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つはCl)を発生させる方法を示す。
【0077】
【化17】

【0078】
スキームIVは、本願発明の別の実施形態を示す。ここで式4の化合物は、このプロセスの生産物として単離することもできる。
これらのキノイドは塩として存在することもあり、このときR11及び/又はR12のヒドロキシル基は、H、Na、K、又はLiイオンを含む、医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオンで置換されている。
【0079】
【化18】

【0080】
本願発明の好ましい実施形態は、式3及び式4の化合物(式中、Rは独立にCl又はBr;R〜Rは独立にCl、I又はHより選択される;R〜Rに少なくとも3つの水素原子が存在するか、R〜Rに少なくとも1つの塩素原子が存在する)に関し、場合によってはそのアトロプ異性体にも関する。
【0081】
本願発明の1組の具体的な実施形態は、以下の化合物、及びその医薬的に許容可能な塩を含む。これらに、ラクトン型(式3)及びキノイド型(式4)としての名称を付し、図1に示す:
【0082】
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン(図1−a参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸(図1−s参照)。
これらを共通してローズベンガルと呼び、これらの二ナトリウム塩型を、ローズベンガル二ナトリウムと呼ぶ;
【0083】
4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラブロモ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン(図1−b参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0084】
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−4’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン(図1−c参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(2−クロロ−6−ヒドロキシ−4,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び2,3,4,5−テトラクロロ−6−(7−クロロ−6−ヒドロキシ−2,4,5−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0085】
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−2’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン(図1−d参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(4−クロロ−6−ヒドロキシ−2,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラクロロ−6−(5−クロロ−6−ヒドロキシ−2,4,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0086】
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−4’,5’−ジヨードフルオレセイン(図1−e参照)、及びそのキノイド型:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(2,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−4,5−ジヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0087】
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−2’,7’−ジヨードフルオレセイン(図1−f参照)、及びそのキノイド型:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(4,5−ジクロロ−6−ヒドロキシ−2,7−ジヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0088】
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−4’,7’−ジヨードフルオレセイン(図1−g参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(2,5−ジクロロ−6−ヒドロキシ−4,7−ジヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラクロロ−6−(4,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−2,5−ジヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0089】
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン(図1−h参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,5−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−4,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0090】
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,7’−トリヨードフルオレセイン(図1−i参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−2,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0091】
4,5,6,7−テトラブロモ−2’−クロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’−クロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン(図1−j参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(2−クロロ−6−ヒドロキシ−4,5,7−トリヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラブロモ−6−(7−クロロ−6−ヒドロキシ−2,4,5−トリヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0092】
4,5,6,7−テトラブロモ−4’−クロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4’−クロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−2’,5’,7’−トリヨードフルオレセイン(図1−k参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(4−クロロ−6−ヒドロキシ−2,5,7−トリヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラブロモ−6−(5−クロロ−6−ヒドロキシ−2,4,7−トリヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0093】
4,5,6,7−テトラブロモ−2’,7’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,7’−ジクロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’−ジヨードフルオレセイン(図1−l参照)、及びそのキノイド型:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(2,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−4,5−ジヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0094】
4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4’,5’−ジクロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−2’,7’−ジヨードフルオレセイン(図1−m参照)、及びそのキノイド型:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(4,5−ジクロロ−6−ヒドロキシ−2,7−ジヨード−3−オキソ−9、9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0095】
4,5,6,7−テトラブロモ−2’,5’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:2’,5’−ジクロロ−4,5,6,7−テトラブロモ−4’,7’−ジヨードフルオレセイン(図1−n参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(2,5−ジクロロ−6−ヒドロキシ−4,7−ジヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラブロモ−6−(4,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−2,5−ジヨード−3−オキソ−9,9a−ジヒドロ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0096】
4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラブロモ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン(図1−o参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,5−トリヨード−3−オキソ−3H−キセンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラブロモ−6−(6−ヒドロキシ−4,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0097】
4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラブロモ−2’,4’,7’−トリヨードフルオレセイン(図1−p参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、又は、異性体:2,3,4,5−テトラブロモ−6−(6−ヒドロキシ−2,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸;
【0098】
上記化合物の1つにおいて、キサンテン核上で非対照な置換がなされると発生しうる、アトロプ異性体のaR型(図1−q−R参照)及びaS型(図1−q−S参照);及び
【0099】
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−7’−イソプロピル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、別名:4,5,6,7−テトラクロロ−7’−イソプロピル−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン(図1−r参照)、及びそのキノイド型異性体:2,3,4,5−テトラクロロ−6−(7−イソプロピル−6−ヒドロキシ−2,4,5−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸、及び、2,3,4,5−テトラクロロ−6−(2−イソプロピル−6−ヒドロキシ−4,5,7−トリヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸。
【0100】
本願発明の式3又は式4の化合物は、キラル中心を含むことがあり、そのため各種のエナンチオマー型又はジアステレオマー型で存在することがある。
本願発明は、式3又は式4の化合物の、全ての光学異性体、及び全ての立体異性体、即ち、ラセミ混合物と個別のエナンチオマーの双方、これらの化合物のジアステレオマー、及びこれらの混合物に関する。さらに、本明細書において、これらの化合物をそれぞれ含有又は使用すると定義される、全ての医薬組成物及び治療方法にも関する。
【0101】
個々の異性体は、最終又は中間生産物の調製において、光学分割、分別結晶、及び光学的選択性条件又はクロマトグラフィによる分離などの、周知の方法で得られる。
同様に、式3又は式4の化合物のキノイド型であって、対応しあうキサンテンアリール環上の置換基が一致しない(例えば、図1−c、1−d、1−g、1−h、1−i、1−j、1−k、1−o、1−pに表されるように、R=RのときR≠R、R=RのときR≠R)ため、キサンテン環が非対称となっているものも、図1−q−R及び図1−q−Sに示すように、安定なアトロプ異性体として存在しうる。
【0102】
本明細書に記載のこのプロセスは、これらのアトロプ異性体をラセミ混合物として調製すること、及び、ラセミアトロプ異性体対(racemic atropisomeric pair)が反応不純物として発生しうる場合には、その相対量を最小化することを含む。
【0103】
式3の化合物は、それ自体が酸性化合物である限り、様々な無機及び有機塩基を伴って、多種多様な異なる塩を生成することができる。
本願発明における酸性化合物の塩基添加塩は、水性溶媒中、あるいはエタノール又はメタノールなどの適切な有機溶媒中で、指定の無機又は有機塩基を少なくとも1又は2当量用いて式3のラクトンを処理することにより、簡単に調製できる。
溶媒を蒸発させ、その結果として得られる塩の水溶液をろ過するか、又はそのまま用いると、所望の塩が、式4に表わされるようなキノイド型において簡単に得られる。
【0104】
医薬的に許容可能な塩は、例えば、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、メグルミン、アンモニウム、アルミニウム、亜鉛、ピペラジン、トロメタミン、リチウム、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、及びベンザチンを伴って生成されるものを含む。
【0105】
本願発明はまた、同位体標識化合物も含む。この同位体標識化合物は、1つ以上の原子が、自然界に通常見られる原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子によって置換されている、という点を別にすれば、式3及び式4の化合物と同一である。
本願発明の化合物に組み込める同位体の例には、水素、炭素、酸素、フッ素、塩素、及びヨウ素などの同位体、例えばそれぞれ、H、H、14C、13C、10C、11C、13O、14O、15O、18O、17O、17F、18F,32Cl、33Cl、34Cl、36Cl、74Br、75Br、76Br、77Br、117I、118I、120I、121I、122I、124I、126I、128I、及び131Iなどが含まれる。
【0106】
上述の同位体及び/又はその他の同位体を含む、本願発明の化合物、プロドラッグ、及び前記化合物又はプロドラッグの医薬的に許容可能な塩は、本願発明の範囲内である。本願発明のある種の同位体標識化合物は、薬物及び/又は基質組織分布アッセイにおける診断薬として有用である。
式3及び式4の同位体標識化合物を調製するには、以下のスキーム及び/又は実施例に開示した手順をほぼ実施すればよいが、この際、非標識(non−isotopically labeled)試薬を、簡単に入手可能な同位体標識試薬に、例えば非標識のヨウ素を131Iに置換する必要がある。
【0107】
本願発明の1つの実施形態において、式4の化合物は、薬剤中に約0.001重量%から約20重量%未満含まれる。
本願発明の1つの実施形態は、ヒト又は動物の組織の治療のための、薬剤、及びこうした薬剤のある種の医薬的使用、及びこうした薬剤を用いた治療方法、を対象とする。ここで、こうした薬剤の主要な有効成分は、式3又は式4のハロゲン化キサンテンである。
【0108】
こうした薬剤は例えば、化学療法的に、化学的切除剤又は光力学的薬剤として作用しうる。そして、こうした薬剤は、皮膚及び関連器官、口と消化管及び関連器官、泌尿生殖路及び関連器官、呼吸器及び関連器官、循環器系及び関連器官、頭部及び頚部、内分泌系とリンパ網内系及び関連器官、結合組織などのその他様々な組織、手術中に露出される様々な組織表面、及び微生物性、ウイルス性、真菌性、又は寄生虫性感染を呈する様々な組織、を冒す様々な状態の治療に有用である。
【0109】
これらの薬剤は、液体、半固体、固体、又はエアロゾルの送達賦形剤を含みうる各種の剤形において利用でき、また静脈内注射(i.v.)、腹膜腔内注射(i.p.)、筋肉内注射(i.m.)、頭蓋内注射(i.c.)、腫瘍内注射(i.t.)、病変内注射(i.l.)、上皮内注射(i.e.)、経皮送達(t.c.)、及び経食道(p.o.)投与を含む、従来の各種の方式や経路により体内投与するのに適している。
【0110】
さらにこうした薬剤は、特定の組織への直接的な、又はその組織近辺への、局所的適用を含む慣習的な方式や経路による局所投与に適している。
こうした薬剤の有効成分は、例えば微生物性感染の駆除、組織刺激又は炎症の減少又は除去、過剰増殖性組織の減少又は除去、癌性又は前癌性組織の減少又は除去、表面又は表面下の脂肪細胞又は脂肪沈着物の減少又は除去、及びその他類似の徴候などの望ましい治療反応をもたらす。
【0111】
好ましい実施形態では、こうした薬剤は液体、半固体、固体、又はエアロゾルの送達賦形剤及び、タブレット、カプセル、座剤、及びその他類似の形態を含む、各種の剤形において生産される。
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの標的部分が、任意のRからRの位置において、あるいはヒドロキシル基又はカルボニル基での結合を介して、式3又は式4のハロゲン化キサンテンと共役する。
【0112】
こうした標的部分は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、アミノ酸、タンパク質、抗体、リガンド、ハプテン、炭水化物受容体、炭水化物錯化剤、脂質受容体、脂質錯化剤、タンパク質受容体、タンパク質錯化剤、キレート剤、封入賦形剤、短鎖脂肪族炭化水素、長鎖脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルデヒド類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類、アミン類、ニトリル類、アジド類、親水性成分、及び疎水性成分を含む群より選択できるが、これらに限定はされない。
別の好ましい実施形態では、式4の化合物を、薬剤の製造に用いる。
【実施例】
【0113】
以下の実施例は、本願発明の特定の実施形態を表す例示的なもので、限定的なものではない。
<一般的な方法>
全ての反応は開放容器内で実施した。環境光から保護するため、時折これらの容器を被覆した。別途記載のない限り、全ての反応は、窒素、アルゴン、又はその他の不活性雰囲気下で実施した。使用した全ての溶媒及び試薬は、商業的供給源から入手したもので、さらなる精製は施していない。
【0114】
反応の監視には高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)、質量分析、及び/又は薄層クロマトグラフィ(TLC)を用いた。
HPLCには、Agilent 1100 Series Quaternary ポンプ/可変波長検出器(検出波長225nm)と、Supelco Ascentis Express C18カラム(4.6×150mm、2.7μm;40℃で、MeCN/0.5%HPO水溶液を、65/35から90/10で30分超グラジエント溶出)、又はWaters Symmetry Shield RP−18カラム(4.6×150mm、5μm;40℃で、MeCN/pH3の10mM KPO水溶液+5%MeCNを、10/90から80/20で25分超グラジエント溶出、又は65/35でアイソクラテック溶出)のいずれかを用いた。
【0115】
質量分析では、HPLCの場合と類似の、ギ酸により調整したクロマトグラフ条件において、Agilent LC/MSD Trap又はWaters LCMSを用いた。
TLCでは、可視化のために、紫外光及びヨード染色を用いた。
超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)は、Thar SFC 80をRegisCellカラム(3×25cm)と用いて、エタノール中4.5mg/mLの試料を1注入につき20〜22mg充填して行った。
【0116】
プロトン核磁気共鳴(HNMR)スペクトルは、Varian INOVA 300又はVarian Gemini 2000で300MHzで、あるいはVarian Oxford 400で400MHzで記録した。いずれにおいても、それぞれTMSを内部標準として用いた。
化学シフトδ(百万分率、ppmを単位とする)は、テトラメチルシラン(TMS)を0ppmとして、2.50ppmのDMSO−d6のシングレットに関して記載する。
【0117】
結合定数(J)はヘルツ(Hz)を単位として記載する。
ノイズデカップリングされた(Noise−decoupled)炭素−13核磁気共鳴(13CNMR)スペクトルは、Varian INOVA 300分光計において75MHzで、又はVarian Oxford 400分光計において100MHzで、又はVarian Gemini 2000分光計において75MHzで記録した。
【0118】
化学シフトδはppmを単位とし、DMSO−dの39.5ppmのセプテットの中心線に関して記載する。UV−VIS分光データは、Hitachi U−2810 Double Beam Spectrometer、又はSpectronic Genesys 2 Spectrophotometerを用い、スリット幅1.5nm、光路長10.0mmで、200〜600nmの波長をスキャンすることにより得た。
【0119】
[実施例1]
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(ローズベンガルラクトン、図1−a)
【0120】
工程1:環化。500mLの丸底フラスコに、マントルヒータ、J−Kem熱電対、磁気撹拌子(大)、窒素導入管、及び磁気スターラを取り付けた。
この装置に、テトラクロロ無水フタル酸(1.00eq、50.00g、174.9mmol)、レソルシノール(2.10eq、40.44g、367.3mmol)及び未希釈のメタンスルホン酸(250mL)を入れた。この結果として得られた反応混合物は、室温で懸濁液のものであった。
【0121】
反応混合物を窒素で洗浄し、90℃まで加熱して、暗赤橙色の溶液を得た。
反応を90℃で5時間行い、次いで新たに5.78gのレソルシノール(0.3eq、52.47mmol)を加えた。反応を90℃で2.5時間、撹拌しながら続けた。
残留するテトラクロロ無水フタル酸の量が、HPLCで1.0%未満となったとき、反応が完了したと見なす。
【0122】
機械式撹拌機、氷浴、及びJ−Kem熱電対を取り付けた1Lの丸底フラスコ(3口)に、環境温度のUSP水(500mL)を入れた。
10℃未満のUSP水に、90℃の反応混合物を、窒素の正圧を利用し輸送管を介して徐々に加えた。反応混合物を水に移す間、水でクエンチされた混合物の温度が60℃を超えないように、輸送率を調整した。
新たな100mLのUSP水を用いて反応器をすすぎ、次いでこれを、水の入った反応器に移した。この結果として得られた緑褐色の懸濁液を、室温まで徐々に冷まし、室温でさらに30分間撹拌した。固体を吸引ろ過で単離した。
【0123】
反応器をUSP水(2×250mL アリコート)ですすぎ、このすすぎ液を用いてウェットケーキをすすいだ。
ウェットケーキを60分間吸引乾燥し、70℃で一晩真空乾燥して、緑褐色の固体を88.60g得た。
この物質を550mLのアセトンと共に、機械式撹拌機、J−Kem熱電対、マントルヒータ、窒素導入管、及び環流冷却器付きYアダプタを備えた2Lの丸底フラスコに入れた。
【0124】
この結果として得られる懸濁液を1.5時間加熱環流した。次いでこれを530mLのUSP水(滴下ろう斗で60分超かけて徐々に加えた)で、温度56℃以上を保って処理した。水を加えている間に、温度の上昇(最高温度は62℃に達した)が観察された。
水の添加が完了した後、黄褐色の懸濁液を3時間環流させ、約30〜40分超かけて徐々に室温まで冷ました。
【0125】
混合物を室温でさらに30分間撹拌し、それから黄褐色の懸濁液を吸引ろ過で収集した。
反応器を50%アセトン水溶液(v/v、4×100mL)ですすぎ、このすすぎ液を用いてウェットケーキをすすいだ。
ウェットケーキを48時間超吸引乾燥し、さらに70℃で一晩真空乾燥して、テトラクロロフルオレセインを黄褐色の固体として74.43g(AUC純度96.8%で収率90.5%)得た。
HNMR(300MHz;DMSOd)δ10.23(S,2H),6.95(d,J=8.7Hz,2H),6.69(d,J=2.1Hz,2H),6.57(d of d,J=8.7Hz,2H).
【0126】
工程2:ヨウ素化。500mLの丸底フラスコ(3口)に、環流冷却器、Yアダプタ、J−Kem熱電対、機械式撹拌機、マントルヒータ、及び窒素導入管を取り付けた。
反応器を窒素で洗浄し、アルミホイルで覆った。
これに10.00gのテトラクロロフルオレセイン(21.3mmol)、30mLの5M NaOH溶液、及び300mLのUSP水を入れ、暗赤色の溶液を得た。
【0127】
次いで、反応器に7.03gのヨウ化ナトリウム(46.9mmol)及び32.4gのヨウ素(127.7mmol)を入れた。
この反応混合物を環境温度で30分間撹拌し、それから90℃まで加熱した。
反応混合物のアリコートをHPLC分析すると、出発物質の消費が全て完了し、部分的にヨウ素化された中間体はなく、所望の化合物への変換が全て完了しているということが示された。
【0128】
反応混合物を90℃で1.5時間加熱した後、加熱を止め、反応混合物を1.5時間超かけて室温まで徐々に冷ました。
この紫がかったピンク色の反応混合物を、氷浴で10℃未満に冷ました。反応混合物のpHは7.13であった。
【0129】
反応混合物に亜硫酸ナトリウム(6.70g)を少量ずつ加えた。75mLのアセトンを10℃未満で反応器に入れ、混合物を10℃未満で10分間撹拌した。
温度が10℃未満である間に、5%HSO溶液(24mL)を滴下して加え、pHを2.03に到達させ、ピンク色の懸濁液を得た。この反応懸濁液を吸引ろ過で収集した。
【0130】
反応器を25%アセトン水溶液(v/v、4×100mL)ですすぎ、このすすぎ液を用いてウェットケーキをすすいだ。
ウェットケーキを3時間吸引乾燥し、60℃で一晩真空乾燥して、25.81gのピンク色の固体を得た。
これらの固体と、225mLのアセトンとを、機械式撹拌機、J−Kem熱電対、及び窒素導入管付きYアダプタを備えた1Lの丸底フラスコ(3口)に入れた。
【0131】
この混合物を室温で10分間撹拌し、それからこれに255mLのUSP水を10分超かけて加え、懸濁液を得た。
懸濁液を室温で2.25時間撹拌し、それから吸引ろ過して固体を単離した。
反応器を50%アセトン水溶液(1×75mL)ですすぎ、このすすぎ液を用いてウェットケーキをすすいだ。
【0132】
次いでウェットケーキを、50%アセトン水溶液(2×75mL)及びUSP水(1×75mL)ですすぎ、1時間吸引乾燥し、さらに80℃で乾燥させて、4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、生産物として18.68g(収率90.2%、サンゴ色の固体、HPLC AUC純度99.5%)得た。
【0133】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ10.27(s,2H),7.59(s,2H)。13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.2,158.6,151.9,146.7,138.8,136.5,135.3,131.2,126.8,124.6,110.8,81.8,79.3,77.0.
MS MSD Trap:m/z 974.8(M+1)(exact mass 973.67).
UV−VIS λmax=557nm(メタノール中);示差走査熱量測定(DSC)により測定された融点(mp)=215℃.
【0134】
[実施例2]
4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(図1−b)
【0135】
工程1:実施例1の工程1に記載の手順にしたがって、テトラブロモ無水フタル酸(28.63g、61.74mmol)及びレソルシノール(17g、154.4mmol)を、143mLのメタンスルホン酸中で処理し、テトラブロモフルオレセインを、明るいベージュ色の固体(収率84.1%、AUC純度97.4%)として33.64g得た。
HNMR(300MHz;DMSOd)δ10.17(s,2H),6.86(d,J=8.64Hz,2H),6.65(d,J=2.34Hz,2H),6.54(d of d,J=8.7Hz,2H).
【0136】
工程2:実施例1の工程2に記載の手順にしたがって、テトラブロモフルオレセイン(22g、33.96mmol)、ヨウ素(51.71g、203.7mmol)及びヨウ化ナトリウム(11.22g、74.85mmol)を処理し、4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、明るいピンク色の固体として単離し、36.02g得た。
【0137】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ10.22(s,2H),7.49(s,2H).13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.9,158.8,152.5,149.9,137.3,136.7,133.5,127.5,124.6,121.1,111.5,82.0,80.3,77.4.
MS MSD Trap:m/z 1152.6(M+1)(exact mass 1151.48).
UV−VIS λmax=558nm(メタノール中),mp(DSCにより測定)=227℃.
【0138】
[実施例3]
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(図1−c)
【0139】
工程1:実施例1の工程1に記載の手順にしたがって、テトラクロロ無水フタル酸(5g、17.48mmol)、4−クロロレソルシノール(2.78g、19.23mmol)、及びレソルシノール(2.12g、19.23mmol)を処理し、2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、18.6%の純度で7.24g得た。これを収集し、次の工程で混合物として用いた。
【0140】
工程2:実施例1の工程2に記載の手順にしたがって、2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(7.24g、15.4mmol)をヨウ素化した。
【0141】
次いで粗生成物(5.47g)を、SFC精製(全流量80g/min、CO中40%の補助溶媒(EtOH/0.5%TFA)、140bar、3×25cm 5m RegisPackカラムで254nm)により単離して、2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、AUC HPLC純度95.8%で、明るいピンク色の固体として427mg得た。
【0142】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ10.85(s,1H),10.2(s,1H),7.60(s,1H),7.38(s,1H).
13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.4,159.0,155.8,152.3,151.2,146.9,139.1,136.9,135.7,131.6,128.2,127.1,125.1,116.9,111.0,109.7,82.3,80.0,78.4,78.4,77.5.
MS MSD Trap:m/z882.7(M+1)(exact mass 882.2).
UV−VIS λmax=554nm(メタノール中).
【0143】
[実施例4]
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンから、
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン、及び、
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンへの分解(図1−a,1−d,及び1−f)
【0144】
100mg(0.10mmol)の4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンに、1.0mLのアセトニトリル、及び2.0mLの12.5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を室温で加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌した。
HPLC分析において、保持時間8.38分及び9.93分(それぞれ27.8%及び45.6%)に新たな不純物(計2つ)が示された。このとき、4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの26.6%は未反応であった。
【0145】
質量分析では、M−1イオン:ヘキサクロロ不純物に対応するM−1=791.7、ペンタクロロ不純物に対応するM−1=881.4、及びローズベンガルラクトンに対応するM−1=973.2、が見られた。
以下のように(実施例5及び7参照)トランスハロゲン化された化合物を個別に作製して構造帰属を確認し、HPLCを用いてこの実施例の生産物との関連付けを行った。
【0146】
[実施例5]
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(図1−d)
【0147】
工程1:テトラクロロ無水フタル酸(2.5g、8.74mmol)、2−クロロレソルシノール(1.33g、9.18mmol)、及びレソルシノール(1.01g、9.18mmol)を、12.5mLの未希釈のメタンスルホン酸と化合させた。これを、90℃まで19時間加熱し、それから97℃まで10時間加熱して、すぐに25mLの氷水へ慎重に加えた。
【0148】
この懸濁液をエチルアセテートで抽出し、水及びブラインで洗浄し、亜硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
この生産物を、66%:14%:18%:4%のトルエン:ジオキサン:ヘキサン:酢酸を溶離液に用い、シリカゲルプラグを介して単離した。
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを純度46.4%で1.95g得た。これを収集し、さらなる精製は施さずに、次の工程で用いた。
【0149】
工程2:実施例1の工程2に記載の手順にしたがって、4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(1.95g、4.15mmol)をヨウ素化した。粗生成物は混合物中2.70gであった。
【0150】
この生成物をSFC精製(全流量80g/min、CO中40%の補助溶媒IPA、140bar、3×25cm 5m RegisPackカラムで254nm)により単離して、4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、ピンク色の固体として630mg(0.7mmol、収率38.5%、AUC純度98.7%)得た。
【0151】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ11.05(s,1H),10.3(s,1H),8.3(s,1H),7.55(d,2H).
13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.2,158.6,154.7,150.7,148.0,146.7,138.7,136.5,135.3,134.5,131.3,126.8,124.6,110.5,110.4,82.4,82.1,79.3,77.6.
MS MSD Trap:m/z882.7(M+1)(exact mass 882.2).
UV−VIS λmax=555nm(メタノール中).
【0152】
[実施例6]
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(図1−e)
【0153】
工程1:実施例1の工程1に記載の手順にしたがって、テトラクロロ無水フタル酸(5g、17.49mmol)、及び4−クロロレソルシノール(6.32g、43.73mmol)を処理し、10.31gの粗生成物を得た。このうち9.25gをDMF:水(1:1)中で懸濁し、次いでろ過し、2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、橙色の固体として9.70g(2:1 DMF複合体17.16mmol、収率92.3%)得た。
HNMR(300MHz;DMSOd)δ11.13(S,2H),7.31(s,2H),6.89(s,2H).
【0154】
工程2:実施例1の工程2に記載の手順にしたがって、2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(2g、3.71mmol)を処理し、2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、ピンクがかった橙色の固体として、AUC HPLC純度97.9%で2.56g(3.22mmol、収率87.3%)得た。
【0155】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ10.90(s,2H),7.48(s,2H).
13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.2,154.7,147.1,146.8,138.7,135.3,134.5,131.3,126.7,124.5,110.3,107.7,82.6,79.0.
MS MSD Trap:m/z791.0(M+1)(exact mass 790.77).
UV−VIS λmax=551nm(メタノール中).
【0156】
[実施例7]
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(図1−f)
【0157】
工程1:実施例1の工程1に記載の手順に従って、テトラクロロ無水フタル酸(5g、17.49mmol)、及び2−クロロレソルシノール(7.58g、41.98mmol)、を処理し、9.3gの粗成生物を得た。
9.3gの粗成生物中8gをDMF:水(1:1)で懸濁し、次いでろ過して、4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、橙色の固体として単離し、8.65g(16.05mmol、AUC収率91.7%)得た。
HNMR(300MHz;DMSOd)δ11.09(S,2H),7.03(d,J=9Hz,2H),6.81(d,J=8.7Hz,2H).
【0158】
工程2:実施例1の工程2に記載の手順にしたがって、4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(2g、3.71mmol)を処理し、4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、ピンクがかった橙色の固体として2.20g(2.78mmol、収率75.1%)得た。
【0159】
[実施例8]
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの調製(図1−g)
【0160】
工程1:実施例1の工程1に記載の手順に従って、テトラクロロ無水フタル酸(5g、17.48mmol)、4−クロロレソルシノール(2.78g、19.23mmol)、及び2−クロロレソルシノール(2.78g、19.23mmol)を処理し、粗生成物(HPLCで純度約54%の、2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン)を6.2g得た。これを収集し、次の工程で混合物として用いた。
【0161】
工程2:実施例1の工程2に記載の手順にしたがって、2’,4,5,5’,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(6.2g、うち所望の化合物54.4%、6.25mmol)をヨウ素化し、7.16g(うち所望の化合物60.8%、5.50mmol、収率88%)を得た。
【0162】
粗生成物(3.37g、うち所望の化合物60.8%、2.59mmol)を、SFC精製(全流量80g/min、40%の補助溶媒(CO中、50/50のIPA/EtOH 0.5%TFA)、140bar、3×25cm 5m RegisPackカラムで254nm)により単離して、2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、明るいピンク色の固体として427mg(0.54mmol、SFCからの回収率20.8%)得た。
【0163】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ11.05(s,1H),10.85(s,1H),7.60(s,1H),7.40(s,1H).
13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.1,155.4,154.7,149.6,148.0,146.5,138.7,135.3,134.5,131.3,127.9,126.8,124.7,116.7,110.3,109.0,107.5,82.4,79.6,78.5.
MS MSD Trap:m/z790.7(M+1)(exact mass 790.7).
UV−VIS λmax=552nm(メタノール中).
【0164】
[実施例9]
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンから、
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンへの分解(図1−a及び1−i)
【0165】
6.5g(6.67mmol)の4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンに、130mLのアセトン、30mLの水、及び6.6g(44.0mmol)のヨウ化ナトリウムを加えた。
この混合物を82.5時間加熱環流したところ、HPLC分析において、標題の化合物が、出発物質との混合物中35.4%を占めることが示された。
【0166】
反応混合物を130mLの水及び150mLのエチルアセテートで希釈し、室温で一晩放置した。
有機層を除去し、水層を100mLのエチルアセテートで抽出した。結合した有機層をブラインで洗浄し、亜硫酸ナトリウム上で乾燥させて、HPLCで35.4%の標題の化合物を含む6.73gの粗成物を得た。
【0167】
この物質から、66%:14%:18%:4%のトルエン:ジオキサン:ヘキサン:酢酸を用い、シリカゲルクロマトグラフィで単離した。
一連のクロマトグラフィ工程の後、4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを赤色固体(90g)として単離した。
【0168】
HNMR(300MHz;DMSOd)δ11.26(s,1H),10.19(s,1H),7.56(s,1H),7.51(s,1H),6.84(s,1H).
13CNMR(300MHz;DMSOd)δ163.4,159.0,158.3,151.8,150.8,147.2,138.6,136.9,135.1,126.7,124.5,110.6,108.8,101.7,81.2,88.7,77.1.
MS MSD Trap:m/z848.8(M+1)(exact mass 847.7).
UV−VIS λmax=539nm(メタノール中).
【0169】
[実施例10]
不完全なヨウ素化による、4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセイン、及び関連する化合物の調製(図1−h)
【0170】
500mLの丸底フラスコに、10g(21.3mmol)のテトラクロロフルオレセイン、13mLの5M NaOH、300mLの水、7.08g(47.2mmol)のNaI、及び16.24g(64mmol)のヨウ素を入れた。
この溶液を50℃まで6.5時間加熱し、それから室温まで冷ました。亜硫酸水素ナトリウムと酢酸を、pHが3.7になるまで順次加えた。
【0171】
この混合物を、エチルアセテートで抽出し、水で、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空でろ過し、濃縮した。
18.2gの赤橙色の泡状体を、AUC HPLC純度46%の4,5,6,7−テトラクロロ−4’,5’−ジヨードフルオレセインと、43%の標題化合物、すなわち、4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’−トリヨードフルオレセインとの混合物として、単離した。
LCMS MS Scan 800−1000:m/z 846.52(M−1)(exact mass 847.7).
UV−VIS λmax=540nm(PBS中).
【0172】
実施例1では、6当量のヨウ素を90℃で用いることで、ほぼ定量的に、ヨウ素を4つ有する化合物への変換が起こるのに対し、3当量のヨウ素をより低温で加熱して用いる、この反応では、より低級のヨウ化不純物の混合物が生じる。
このことは、低級ヨウ化生産物の収率を調整するのに、反応条件を変化させることが有用であることを示している。
【0173】
[実施例11]
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンから、
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−7’−イソプロピル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンへの分解(図1−a及び1−r)
【0174】
室温のTHF中、ZnCl(0.5mL、0.50mmol)、イソプロピルマグネシウムクロリド(0.23mL、0.45mmol)、及びBis(PPhPdCl(触媒量)を入れた丸底フラスコに、THF2mL中、200mg(0.21mmol)の、4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを加えた。
【0175】
この溶液を、室温で38時間撹拌した。反応を、5mLのUSP水、0.5mLの酢酸、及び2滴の5Mスルホン酸でクエンチした。有機層をUSP水(3mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮させた。
195mgの橙赤色の固体を、HPLCで、2.3%の標題の化合物、及び42.9%の4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの混合物として単離した。
構造を確認するために、標題の化合物の単離を、以下の実施例のように行った。
【0176】
[実施例12]
2,3,4,5−テトラクロロ−6−(6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨード−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸二ナトリウム塩からの、
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−7’−イソプロピル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンの単離(図1−r及び1−s)
【0177】
118g(0.11mol)の商用グレードのローズベンガル二ナトリウム塩を、985mLのUSP水に溶かし、400mLの1M HClでpH1〜2に酸性化して、スラリーを得た。
スラリーを1800mLのエチルアセテートで抽出し、有機層を分離した。水層を新たな100mLのエチルアセテートで抽出し、有機層を分離した。有機層を合わせて、溶媒が約1800mL残るまで濃縮した。
【0178】
スラリーを500mLのヘプタンで処理し、ろ過して、ウェットケーキを250mLのヘプタンですすいだ。
固体を60℃で乾燥させ、次いでホイルで覆った窒素雰囲気下のフラスコ内で、760mLのジオキサンと化合させた。
この結果として得られたスラリーを95℃まで加熱し、70分間この温度を保った。それからスラリーを冷まし、ろ過した。
窒素存在下で、ウェットケーキを2当量のジオキサンですすぎ、乾燥させた。
【0179】
この試料を、阻害剤を含まない45mLのTHF中に溶かし、15〜20mLになるまで濃縮し、アルミナカラム(510gの中性アルミナ、及び、300mLのアセトニトリル:イソプロパノール:酢酸:水=90:10:1:1の溶液)に充填した。
同じ溶液を用いてカラムを溶出させ、生産物を含むフラクションを化合させて、減圧濃縮し、ヘプタンから共沸乾燥させた。
【0180】
この手順を再度行った後、乾燥させた固体を無水THFに溶かし、シリカゲル分取プレート上に載積した。分取プレートを、トルエン:ジオキサン:ヘプタン:酢酸=66%:14%:18%:4%の溶液を用いて一度溶出した。
上層バンドを分取プレートから削り取り、10mLの無水THFで消化して(digested)、20mLのTHFでろ過し、すすいだ。
ろ液を真空濃縮し、標題の化合物をAUC HPLC純度85%の橙赤色の固体として、59mg得た。
【0181】
HNMR(300MHz;アセトンd)δ7.67(s、1H)、6.99(s、1H)、3.27(m、1H)、1.12(d、J=5.4Hz、3H)、1.06(d、J=5.1Hz、3H).
MS MSD Trap:m/z 888.6(M−1)(exact mass 887.65).
UV−VIS λmax=552nm(メタノール中).
【0182】
この記載は例示を目的としたものにすぎず、本願発明の内容を限定することを意図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式4の化合物:
【化1】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH;R11及びR12は独立にH又は、医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)を調製するプロセスであって、
前記プロセスは、
a)式1の化合物:
【化2】

(式中、Rは独立にCl又はBr)と、約2当量の式2の化合物:
【化3】

(式中、R、R、R、R10はH)とを、実質的に塩化物イオンと、塩化物イオンを発生させる不純物とを含まない酸性溶液中で化合させて、式3aの中間化合物:
【化4】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、R、RはH)を生成する工程と、
b)式3aの中間化合物と、少なくとも約4当量のヨウ素とを、実質的に塩化物イオンと、塩化物を発生させる不純物とを含まない溶液中で化合させて、式4の化合物を生成する工程と、を含み、
ここで式4の化合物は、実質的に、式4の化合物のトランスハロゲン化された(transhalogenated)不純物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、Rのうち少なくとも1つはClで、その他はI;RはH;R11、R12は独立にH、Na、K、Li又は、医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)を含まない、ことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスであって、式4の化合物のトランスハロゲン化された不純物を、約0.15重量%未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスであって、トランスハロゲン化された不純物は、
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’‐トリヨード−3H‐スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3‐オン;
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’‐ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;そのキノイド型異性体(isomeric quinoid);及びそれらの混合物;からなる群より選択された少なくとも1つの化合物を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項4】
請求項1に記載のプロセスであって、酸性溶液は、塩化物を約1500ppm未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスであって、酸性溶液は、融点約250℃未満のアルキルスルホン酸又はアリールスルホン酸、融点約250℃未満のアルキルカルボン酸又はアリールカルボン酸、塩化物でないブレンステッド酸、塩化物でないルイス酸、その重結合調製物(polymer bound preparation)、その塩、その水溶液、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの酸を、単独で、又はメタンスルホン酸を伴って含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスであって、酸性溶液は、p‐トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、カンファースルホン酸、その重結合調製物、 その塩、その水溶液、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの酸を、単独で、又はメタンスルホン酸を伴って含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスであって、酸性溶液はメタンスルホン酸を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスであって、式2と式1の化合物を、約2.5:1から約3.2:1の比率で化合させる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項9】
請求項1に記載のプロセスであって、式1と式2の化合物を、酸性溶液中で、約85℃から約95℃までの温度で、約1時間から約16時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスであって、式3aの中間化合物を単離する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセスであって、単離する工程は、式3aの中間化合物を懸濁する工程、式3aの中間化合物を収集する工程、及び式3aの中間化合物を、実質的に塩化物イオンを含まない溶媒ですすぐ工程を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセスであって、前記溶媒は、約60℃まで加熱された、アセトンと水の混合物を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスであって、式3aの中間化合物とヨウ素とを含む溶液は、塩化物を約1500ppm未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項14】
請求項1に記載のプロセスであって、化合させた式3aの中間化合物とヨウ素とを、塩基性溶液中で、約20℃から約100℃までの温度で、約1時間から24時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項15】
請求項14に記載のプロセスであって、化合させた式3aの中間化合物とヨウ素とを、溶液中で、約70℃から約95℃までの温度で、約1時間から24時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項16】
請求項1に記載のプロセスであって、塩基性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの塩基を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項17】
請求項1に記載のプロセスであって、溶液は水酸化ナトリウムを0.4から1.0Mの濃度で含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項18】
請求項1に記載のプロセスであって、式3aの中間化合物とヨウ素とを含む溶液に、少なくとも1つのヨウ素可溶化剤を加える工程をさらに含み、ここで、
ヨウ素可溶化剤は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項19】
請求項18に記載のプロセスであって、ヨウ素可溶化剤は約1から約2.5当量のヨウ化ナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項20】
請求項1に記載のプロセスであって、実質的に塩化物イオン、塩化物イオンフリーラジカル、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、又はそれらの混合物、を含まない溶液に、酸化剤とヨウ化物塩とを加えて、ヨウ化物をインサイチュで発生させる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項21】
請求項1に記載のプロセスであって、式4の化合物の生成後に、ヨウ素捕捉剤を溶液に加える工程をさらに含み、ここで、
捕捉剤は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項22】
請求項21に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤は亜硫酸ナトリウムである、ことを特徴とするプロセス。
【請求項23】
請求項22に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤の添加は、約10℃以下の温度で行われる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項24】
請求項1に記載のプロセスであって、R11及びR12はナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項25】
式4の化合物:
【化5】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH;R11、R12は独立にH、Na、K、Li、又は医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)を調製するプロセスであって、このプロセスは、
実質的に塩化物イオン不純物と、塩化物を発生させる試薬とを含まない、式3aの化合物又はそのキノイド型異性体(quinoid isomer):
【化6】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、R、RはH)と、少なくとも約4当量のヨウ素とを、実質的に塩化物イオンと、塩化物を発生させる不純物とを含まない溶液中で化合させ、式4の化合物を生成する工程を含む、ことを特徴とし、ここで、
式4の化合物は、式4の化合物のトランスハロゲン化された不純物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、Rのうち少なくとも1つはClで、その他はI;RはH;R11、R12は独立にH、Na、K、Li、又は医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)を実質的に含まない、ことを特徴とするプロセス。
【請求項26】
請求項25に記載のプロセスであって、式4の化合物のトランスハロゲン化された不純物を、約0.15重量%未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項27】
請求項25に記載のプロセスであって、トランスハロゲン化された不純物は、
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;そのキノイド型異性体;及びそれらの混合物;からなる群より選択された少なくとも1つの化合物を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項28】
請求項25に記載のプロセスであって、酸性溶液は、塩化物を約1500ppm未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項29】
請求項25に記載のプロセスであって、化合させた式3aの化合物とヨウ素とを、塩基性溶液中で、約20℃から約100℃までの温度で、約1時間から24時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項30】
請求項29に記載のプロセスであって、化合させた式3aの化合物とヨウ素とを、溶液中で、約70℃から約95℃までの温度で、約2時間から約18時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項31】
請求項25に記載のプロセスであって、溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの塩基を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項32】
請求項25に記載のプロセスであって、溶液は水酸化ナトリウムを0.4から1.0Mの濃度で含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項33】
請求項25に記載のプロセスであって、式3aの化合物とヨウ素とを含む溶液に、少なくとも1つのヨウ素可溶化剤を加える工程をさらに含み、ここで、
ヨウ素可溶化剤は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項34】
請求項33に記載のプロセスであって、ヨウ素可溶化剤は約1から約2.5当量のヨウ化ナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項35】
請求項25に記載のプロセスであって、実質的に塩化物イオン、塩化物イオンフリーラジカル、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、及びそれらの混合物を含まない溶液に、酸化剤とヨウ化物塩とを加えることで、ヨウ化物をインサイチュで発生させる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項36】
請求項25に記載のプロセスであって、式4の化合物の生成後に、ヨウ素捕捉剤を溶液に加える工程をさらに含み、ここで、
捕捉剤は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項37】
請求項36に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤は亜硫酸ナトリウムである、ことを特徴とするプロセス。
【請求項38】
請求項37に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤を加える工程は、約10℃以下の温度で行われる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項39】
請求項25に記載のプロセスであって、R11及びR12はナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項40】
式3の化合物:
【化7】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH)を調製するプロセスであって、
a)式1の化合物:
【化8】

(式中、Rは独立にCl又はBr)と、約2当量の式2の化合物:
【化9】

(式中、R、R、R、R10はH)とを、酸性溶液中で、約20℃から約250℃までの温度で化合させ、式3aの化合物:
【化10】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、R、RはH)を生成する工程と;
式3aの中間化合物を単離する工程と;
b)式3aの中間化合物と、約4当量のヨウ素とを、実質的に塩化物イオンと、塩化物イオンを発生させる不純物とを含まない溶液中で、約20℃から約100℃までの温度で化合させ、式3の化合物を生成する工程と;
d)式3の化合物にヨウ素捕捉剤を加える工程と;
e)式3の化合物を、pH約5未満に酸性化し、約10℃未満の温度に冷ます工程と;
f)トランスハロゲン化された不純物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、Rのうち少なくとも1つはClで、その他はI;RはH)を実質的に含まない、式3の化合物を単離する工程と、を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項41】
請求項40に記載のプロセスであって、式3の化合物のトランスハロゲン化された不純物を、約0.15重量%未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項42】
請求項40に記載のプロセスであって、トランスハロゲン化された不純物は、
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;そのキノイド型異性体;及びそれらの混合物;からなる群より選択された少なくとも1つの化合物を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項43】
請求項40に記載のプロセスであって、酸性溶液は、塩化物を約1500ppm未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項44】
請求項40に記載のプロセスであって、酸性溶液は、融点約250℃未満のアルキルスルホン酸又はアリールスルホン酸、融点約250℃未満のアルキルカルボン酸又はアリールカルボン酸、塩化物でないブレンステッド酸、塩化物でないルイス酸、その重結合調製物、その塩、その水溶液、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの酸を、単独で、又はメタンスルホン酸を伴って含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項45】
請求項40に記載のプロセスであって、酸性溶液は、p‐トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、カンファースルホン酸、その重結合調製物、その塩、その水溶液、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの酸を、単独で、又はメタンスルホン酸を伴って含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項46】
請求項40に記載のプロセスであって、酸性溶液はメタンスルホン酸を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項47】
請求項40に記載のプロセスであって、式2と式1の化合物を約2.5:1から約3.2:1の比率で化合させる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項48】
請求項40に記載のプロセスであって、式1及び式2の化合物を、酸性溶液中で、約85℃から約95℃までの温度で、約1時間から約16時間加熱することをさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項49】
請求項40に記載のプロセスであって、式3aの中間化合物を単離する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項50】
請求項49に記載のプロセスであって、単離する工程は、式3aの中間化合物を懸濁する工程、式3aの中間化合物を収集する工程、及び式3aの中間化合物を、実質的に塩化物イオンを含まない溶媒ですすぐ工程を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項51】
請求項50に記載のプロセスであって、溶媒は、約60℃に加熱された、アセトンと水の混合物を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項52】
請求項40に記載のプロセスであって、式3aの中間化合物を含む溶液は、塩化物を約1500ppm未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項53】
請求項40に記載のプロセスであって、化合させた式3aの中間化合物とヨウ素とを、塩基性溶液中で、約20℃から約100℃までの温度で、約1時間から24時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項54】
請求項53に記載のプロセスであって、化合させた式3aの中間化合物とヨウ素とを、溶液中で、約70℃から約95℃までの温度で、約1時間から24時間加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項55】
請求項40に記載のプロセスであって、化合させた式3aの中間化合物とヨウ素の溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの塩基を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項56】
請求項40に記載のプロセスであって、溶液は水酸化ナトリウムを0.4から1.0Mの濃度で含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項57】
請求項40に記載のプロセスであって、化合させた式3aの中間化合物とヨウ素の溶液に、少なくとも1つのヨウ素可溶化剤を加える工程をさらに含み、ここで、
ヨウ素可溶化剤は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項58】
請求項57に記載のプロセスであって、ヨウ素可溶化剤は、約1から約2.5当量のヨウ化ナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項59】
請求項40に記載のプロセスであって、式3aの中間化合物を含み、実質的に塩化物イオン、塩化物イオンフリーラジカル、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、又はそれらの混合物を含まない溶液に、酸化剤とヨウ化物塩とを加えることで、ヨウ化物をインサイチュで発生させる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項60】
請求項40に記載のプロセスであって、式3の化合物の生成後に、ヨウ素捕捉剤を溶液に加える工程をさらに含み、ここで、
捕捉剤は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項61】
請求項60に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤は亜硫酸ナトリウムである、ことを特徴とするプロセス。
【請求項62】
請求項61に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤を加える工程は約10℃以下の温度で行われる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項63】
請求項40に記載のプロセスであって、酸性化する工程は、塩化物イオンを含まない酸を、式3を含む溶液に加えることを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項64】
請求項63に記載のプロセスであって、塩化物イオンを含まない酸は、硫酸を約1%から約5%までの濃度で含み、この硫酸は、溶液のpHを約2から約5までの範囲に調節するのに十分な量添加される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項65】
請求項64に記載のプロセスであって、pHは約3に調節される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項66】
請求項40に記載のプロセスであって、単離する工程は、水、ジメチルホルムアミド、アセトン、及びそれらの混合物、からなる群より選択された溶媒中で、式3の化合物を懸濁する工程と;吸引ろ過する工程と;ろ過の結果得られたろ液を、水、ジメチルホルムアミド、アセトン、及びそれらの混合物、からなる群より選択された溶媒を用いてすすぐ工程と;を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項67】
請求項40に記載のプロセスであって、式3の化合物(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;RはH)を、式4のキノイド型:
【化11】

(式中、R11、R12は独立にH、又は、医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)に変換する、ことを特徴とするプロセス。
【請求項68】
請求項67に記載のプロセスであって、R11及びR12はナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項69】
ヒト及び動物の組織の化学療法的治療に好適な、式4の化合物:
【化12】

(式中、Rは独立にF、Cl、Br、I、H、又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つの置喚基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル;
11、R12は独立にH又は、医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物。
【請求項70】
治療に有効な量の式4の化合物:
【化13】

(式中、Rは独立にF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル;
11、R12は独立にH又は、医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物、を含む体内投与用の薬剤であって、
この薬剤は、ヒト及び動物の組織の化学療法的治療に好適である、ことを特徴とする薬剤。
【請求項71】
請求項70に記載の薬剤であって、式4の化合物を、約0.001重量%から約20重量%未満含む、ことを特徴とする薬剤。
【請求項72】
請求項71に記載の薬剤であって、式4の化合物は、
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3‐オン;
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−2’−クロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−4’−クロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−2’,5’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3‐オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−4’,5’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3‐オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−2’,7’−ジクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3‐オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,5,6,7−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’ −キサンテン]−3−オン;
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’ −キサンテン]−3−オン;その異性体;その塩;及びそれらの混合物;からなる群より選択された化合物を含む、ことを特徴とする薬剤。
【請求項73】
請求項70に記載の薬剤であって、式4の化合物(式中、Rは独立にF、Cl、Br、I、H、又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H、又はIで、R、R、R、Rから選択される少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物に、R11及び/又はR12の位置で結合する少なくとも1つの標的部分をさらに含む、ことを特徴とする薬剤。
【請求項74】
請求項73に記載の薬剤であって、標的部分は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、アミノ酸、タンパク質、抗体、リガンド、ハプテン、炭水化物受容体、炭水化物錯化剤、脂質受容体、脂質錯化剤、タンパク質受容体、タンパク質錯化剤、キレート剤、封入賦形剤、短鎖脂肪族炭化水素、長鎖脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルデヒド類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類、アミン類、ニトリル類、アジド類、親水性成分、及び疎水性成分からなる群より選択される、ことを特徴とする薬剤。
【請求項75】
請求項70に記載の薬剤であって、液体、半固体、固体、エアロゾル、及びそれらの混合物、からなる群より選択された送達賦形剤中に処方される、ことを特徴とする薬剤。
【請求項76】
請求項75に記載の薬剤であって、送達賦形剤は、水性懸濁液、非水性懸濁液、溶液、クリーム、軟膏、ゲル、シロップ、座剤、錠剤、カプセル、及び微細液滴スプレー(micro−droplet sprays)、からなる群より選択される、ことを特徴とする薬剤。
【請求項77】
請求項70に記載の薬剤であって、送達賦形剤は、ビルダー(builder)、安定剤、乳化剤、分散剤、防腐剤、緩衝剤、電解質、組織浸透剤、組織軟化剤、及びそれらの混合物、からなる群より選択されたアジュバントを含む、ことを特徴とする薬剤。
【請求項78】
請求項70に記載の薬剤であって、皮膚及び関連器官を冒す疾患;口、消化管及び関連器官を冒す疾患;泌尿生殖路及び関連器官を冒す疾患;呼吸器及び関連器官を冒す疾患;循環器系及び関連器官を冒す疾患;頭部及び頚部を冒す疾患;内分泌系、リンパ網内系及び関連器官を冒す疾患;結合組織を冒す疾患;手術中に露出された組織表面を冒す疾患;及び、微生物性、ウイルス性、真菌性、寄生虫性の感染に関する疾患;の化学療法的治療に好適である、ことを特徴とする薬剤。
【請求項79】
請求項78に記載の薬剤であって、化学療法的治療は、静脈内注射、腹膜腔内(intraperitoneal)注射、筋肉内注射、頭蓋内注射、腫瘍内注射、上皮内注射、経皮送達、経食道(per oesophageal)投与、腹腔内投与、虫垂内投与、動脈内投与、関節内投与、気管支内投与、頬内(intrabuccal)投与、嚢内(intracapsular)投与、心臓内投与、軟骨内投与、腔内(intracavitary)投与、頭部内(intracephalic)投与、結腸内投与、皮内投与、嚢胞内投与、真皮内投与、管内投与(intraductal)投与、十二指腸内投与、線維束内(intrafasciculat)投与、脂肪内投与、網状体内(intrafilar)投与、脳溝内(intrafissural)投与、胃内投与、腺内投与、肝内投与、腸内投与、層内(intralamellar)投与、病変内投与、靭帯内投与、舌内投与、乳房内投与、髄内(intramedullary)投与、髄膜内投与、心筋内投与、鼻腔内投与、眼球内投与、手術中の(intraoperative)投与、口腔内投与、骨内投与、卵巣内投与、膵臓内投与、頭頂内投与、骨盤内投与、心膜内投与、会陰内投与、腹膜腔内(intraperitoneal)投与、胎盤内投与、胸膜腔内投与、脳橋内投与、前立腺内投与、肺内投与、脊柱内(intrarachidian)投与、直腸内投与、腎臓内投与、強膜内投与、陰嚢内投与、体節内(intrasegmental)投与、トルコ鞍内投与、髄腔内投与、脾臓内投与、胸骨内投与、間質内投与、滑液嚢内投与、足根内投与、精巣内投与、胸腔内(intrathoracic)投与、扁桃内投与、気管内投与、卵管内投与、鼓室内投与、尿管内投与、尿道内投与、子宮内投与、膣内投与、血管内投与、脳室内又は心室内(intraventricular)投与、椎骨内投与、膀胱内投与、硝子体内投与、からなる群より選択された処置様式を含む、ことを特徴とする薬剤。
【請求項80】
ヒト及び動物の組織の化学療法的治療に好適な薬剤の製造における、式4の化合物:
【化14】

(式中、R1は独立にF、Cl、Br、I、H、又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H、又はIで、R、R、R、Rから選択される少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物、の使用。
【請求項81】
ヒト及び動物の組織の疾患を化学的に治療するのに用いる、式4の化合物:
【化15】

(式中、R1は独立にF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H、又はIで、R、R、R、Rから選択される少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物。
【請求項82】
薬剤の製造における、式4の化合物:
【化16】

(式中、R1は独立にF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H、又はIで、R、R、R、Rから選択される少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物、の使用であって、ここで、
前記薬剤は、皮膚及び関連器官を冒す疾患;口、消化管及び関連器官を冒す疾患;泌尿生殖路及び関連器官を冒す疾患;呼吸器及び関連器官を冒す疾患;循環器系及び関連器官を冒す疾患;頭部及び頚部を冒す疾患;内分泌系システム、リンパ網内系システム及び関連器官を冒す疾患;結合組織を冒す疾患;手術中に露出された組織表面を冒す疾患;及び、微生物性、ウイルス性、真菌性、寄生虫性の感染に関する疾患;からなる群より選択された医学的疾患の、化学療法的治療に好適である、ことを特徴とする使用。
【請求項83】
式4の化合物:
【化17】

(式中、R1は独立にF、Cl、Br、I、H、又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H、又はIで、R、R、R、Rから選択される少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つの置換基はCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物、であって、
皮膚及び関連器官を冒す疾患;口、消化管及び関連器官を冒す疾患;泌尿生殖路及び関連器官を冒す疾患;呼吸器及び関連器官を冒す疾患;循環器系及び関連器官を冒す疾患;頭部及び頚部を冒す疾患;内分泌系システム、リンパ網内系システム及び関連器官を冒す疾患;結合組織を冒す疾患;手術中に露出された組織表面を冒す疾患;及び、微生物性、ウイルス性、真菌性、寄生虫性の感染に関する疾患;からなる群より選択された医学的疾患の治療に好適である、ことを特徴とする式4の化合物、その互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物。
【請求項84】
請求項81に記載の使用であって、式4の化合物(式中、R1は独立にF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H、又はIで、R、R、R、Rから選択される少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物が、約0.001重量%から約20重量%未満含まれる、ことを特徴とする使用。
【請求項85】
請求項81に記載の使用であって、治療に有効な量の式4の化合物(式中、Rは独立にF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、その全ての互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物を、ヒト又は動物の組織中に、又はその近辺に投与することをさらに含む、ことを特徴とする使用。
【請求項86】
請求項85に記載の使用であって、前記投与は、静脈内注射、腹膜腔内(intraperitoneal)注射、筋肉内注射、頭蓋内注射、腫瘍内注射、上皮内注射、経皮送達、経食道(per oesophageal)投与、腹腔内投与、虫垂内投与、動脈内投与、関節内投与、気管支内投与、頬内(intrabuccal)投与、嚢内(intracapsular)投与、心臓内投与、軟骨内投与、腔内(intracavitary)投与、頭部内(intracephalic)投与、結腸内投与、皮内投与、嚢胞内投与、真皮内投与、管内投与(intraductal)投与、十二指腸内投与、線維束内(intrafasciculat)投与、脂肪内投与、網状体内(intrafilar)投与、脳溝内(intrafissural)投与、胃内投与、腺内投与、肝内投与、腸内投与、層内(intralamellar)投与、病変内投与、靭帯内投与、舌内投与、乳房内投与、髄内(intramedullary)投与、髄膜内投与、心筋内投与、鼻腔内投与、眼球内投与、手術中の(intraoperative)投与、口腔内投与、骨内投与、卵巣内投与、膵臓内投与、頭頂内投与、骨盤内投与、心膜内投与、会陰内投与、腹膜腔内(intraperitoneal)投与、胎盤内投与、胸膜腔内投与、脳橋内投与、前立腺内投与、肺内投与、脊柱内(intrarachidian)投与、直腸内投与、腎臓内投与、強膜内投与、陰嚢内投与、体節内(intrasegmental)投与、トルコ鞍内投与、髄腔内投与、脾臓内投与、胸骨内投与、間質内投与、滑液嚢内投与、足根内投与、精巣内投与、胸腔内(intrathoracic)投与、扁桃内投与、気管内投与、卵管内投与、鼓室内投与、尿管内投与、尿道内投与、子宮内投与、膣内投与、血管内投与、脳室内又は心室内(intraventricular)投与、椎骨内投与、膀胱内投与、硝子体内投与、からなる群より選択された投与経路による投与を含む、ことを特徴とする使用。
【請求項87】
体内投与に好適な、化学療法的治療のための医薬組成物であって、式4の化合物:
【化18】

(式中、RはF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物を含む、ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項88】
請求項87に記載の医薬組成物であって、式4の化合物(式中、RはF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物が、約0.001重量%より高く約20質量%より低い濃度で存在する、ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項89】
請求項87に記載の医薬組成物であって、式4の化合物(式中、RはF、Cl、Br、I、H又はC〜Cアルキル;R、R、R、Rは独立にCl、H又はIで、R、R、R、Rから選択された少なくとも1つの置換基はIで、他の少なくとも1つはCl又はH;Rは独立にH又はC〜Cアルキル)、及びその全ての、互変異性体、アトロプ異性体、閉環ラクトン誘導体、エナンチオマー、医薬的に許容可能な塩、及びそれらの混合物に、R11及び/又はR12の位置で結合する標的部分をさらに含む、ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項90】
式4の化合物:
【化19】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、RはI;R11及びR12は独立にH、Na、K、Li、又は医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)を化学合成する方法において、
前記方法は、実質的に塩化物イオンと、塩化物イオンを発生させる不純物とを含まない溶液中において、実質的に塩化物イオン不純物及び、塩化物イオンを発生させる不純物とを含まない、式3aの化合物:
【化20】

(式中、Rは独立にCl又はBr;R、R、R、R、RはH)をヨウ素と化合させ、式4の化合物を生成する工程を含み、
その改良は、式4の化合物のトランスハロゲン化された誘導体である不純物(Rは独立にCl又はBr;R、R、R、Rのうち少なくとも1つはClで残りはI;RはH;R11及び12は独立にH、Na、K、Li、又は医薬的に許容可能な塩を生成できる対イオン)が実質的に存在しないということを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項91】
請求項90に記載のプロセスであって、式4の化合物のトランスハロゲン化された不純物を、それぞれ約0.15重量%未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項92】
請求項90に記載のプロセスであって、トランスハロゲン化された不純物は、
2’,4,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,6,7−ペンタクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,5’,7’−トリヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,6,7,7’−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
4,4’,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;
2’,4,5,5’,6,7−ヘキサクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−4’,7’−ジヨード−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン;そのキノイド型異性体;及びそれらの混合物;からなる群より選択された少なくとも1つの化合物を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項93】
請求項90に記載のプロセスであって、溶液は、塩化物を約1500ppm未満含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項94】
請求項90に記載のプロセスであって、化合させた式3aの化合物とヨウ素とを、塩基性溶液中において約20℃から約100℃までの温度で、1時間から24時間の範囲で加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項95】
請求項94に記載のプロセスであって、化合させた式3aの化合物とヨウ素とを、溶液中において約70℃から約95℃までの温度で、約2時間から約18時間の範囲で加熱する工程をさらに含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項96】
請求項90に記載のプロセスであって、溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択された少なくとも1つの塩基を含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項97】
請求項90に記載のプロセスであって、溶液は、水酸化ナトリウムを0.4から1.0Mの濃度で含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項98】
請求項90に記載のプロセスであって、少なくとも1つのヨウ素可溶化剤を、式3aの化合物とヨウ素とを含む溶液に加える工程をさらに含み、ここで、
ヨウ素可溶化剤は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項99】
請求項98に記載のプロセスであって、ヨウ素可溶化剤は約1から約2.5当量のヨウ化ナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。
【請求項100】
請求項90に記載のプロセスであって、溶液に酸化剤とヨウ化物塩とを加えることで、ヨウ化物がインサイチュで発生し、ここで、
溶液は実質的に、塩化物イオン、塩化物イオンフリーラジカル、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、又はそれらの混合物を含まない、ことを特徴とするプロセス。
【請求項101】
請求項90に記載のプロセスであって、式4の化合物の生成後に、ヨウ素捕捉剤を溶液に加える工程をさらに含み、ここで、
捕捉剤は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物、からなる群より選択される、ことを特徴とするプロセス。
【請求項102】
請求項101に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤は亜硫酸ナトリウムである、ことを特徴とするプロセス。
【請求項103】
請求項101に記載のプロセスであって、ヨウ素捕捉剤を加える工程は約10℃以下で行われる、ことを特徴とするプロセス。
【請求項104】
請求項90に記載のプロセスであって、R11及びR12はナトリウムを含む、ことを特徴とするプロセス。

【図1−a】
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【図1−b】
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【図1−c】
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【図1−d】
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【図1−e】
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【図1−f】
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【図1−g】
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【図1−h】
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【図1−i】
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【図1−j】
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【図1−k】
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【図1−l】
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【図1−m】
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【図1−n】
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【図1−o】
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【図1−p】
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【図1−q】
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【図1−r】
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【図1−s】
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【図1−t】
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【公表番号】特表2013−505261(P2013−505261A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529937(P2012−529937)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/049341
【国際公開番号】WO2011/035161
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512071248)プロヴェクタス ファーマスーティカルズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】