説明

450MHz折返しダイポールアンテナ

【課題】CDMA450システムからの信号を伝送・受信可能な折返しダイポールアンテナを提供する。
【解決手段】アンテナの励起アーム及び接地アームを形成する導通ストリップを有する折返しダイポールアンテナ100であって、励起アーム及び接地アームは導通ストリップ形状と対称に適合し、折返しダイポールPCB101の各面上のm形状の導通ストリップから成り、折返しダイポールPCB101が中へ設置されるプラスチックホルダー103と、折返しダイポールPCB101がプラスチックホルダー103中に設置されて直角に取り付けられる基底板104と、折返しダイポールPCB101中を通って延び、同軸ケーブルの一端において励起アームと接続する中心コアと、接地アームの中心導通脚に沿ってはんだ付けされる金属シールドを有し、かつ同軸ケーブルの他端がコネクタと共に基底板104を通って延びる同軸ケーブル、から構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折返しダイポールアンテナ(フォールデッドダイポールアンテナ)に関する。本発明は、より詳細には450〜470MHzの周波数の受信に適合した指向性折返しダイポールアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信産業は通信産業界において最も急速に成長している分野の一つである。移動通信は、ラジオ、通信機器、及びコンピュータ技術をグループ化することにより、人々に移動しながら広範囲に亘ってコミニュケーションを行うことを可能とする。
【0003】
移動通信には、第三世代(3G)としてより知られる一群の標準が含まれている。3Gシステムは、同時データサービスや音声通信を含む高速通信サービスを可能とする。3Gはまた、ユーザーに移動中どこでもインターネットにアクセスすることを可能とする。重要な3G標準として符号分割多元接続 (Code Division Multiple Access) 2000(CDMA2000)がある。
【0004】
CDMA2000は3G移動通信標準の一部であり、チャネルアクセス方法としてCDMAを用いている。450MHz周波数帯域を受信可能範囲とする有効性及び性能が証明されているCDMA2000としてCDMA450がある。CDMA450は、通信技術において急速に台頭している分野の一つである。CDMA450は低周波数と長距離受信可能範囲が要求される地域のユーザーへ受信可能範囲を提供することを可能とするものである。このようなユーザーとしては、例えば地方へ頻繁に旅行するユーザーや、地方に住んでいるユーザーが挙げられる。
【0005】
移動通信産業においては種々周波数域が利用可能であり、従来の設計アプローチでは多数のアンテナが取り上げられている。ダイポールアンテナは、典型例として、平衡並列ケーブル無線周波(RF)伝送回線を用いて送信可能なラジオアンテナとして用いられている。しかしながら、この種の回線は一般的ではないため、同軸ケーブル等の非平衡給電線を用いる。この給電線は、該給電線がアンテナと連結される部位においてアンテナ素子システム中へ挿入される。ダイポールアンテナはCDMAに従って作動する装置に用いられる単一周波数帯域における作動に最も適している。
【0006】
450〜470MHz等の低周波数域用の従来のアンテナ設計は概して大型で嵩張るものであった。このようなアンテナは小型のアンテナが必要とされる用途には適しない。
【0007】
各アンテナ素子における信号制御についても性能責任を考慮しなけれぱならないため、通信プロセスが複雑化し電力消費も増大する。典型的には、より良好な信号強度を得るためには、デシベル(dB)ゲインが高いことが好ましい。しかしながら、ゲインの高いアンテナは、アンテナの給電ネットワークが複雑化するため製造コストがより高額となる。
【0008】
従って、450〜470MHzの稼動周波数をサポートできる、相対的にサイズが小型かつコンパクトであるアンテナが必要とされていることが理解されよう。かかる設計によるアンテナは十分なインピーダンス帯域を示し、かつ組立が容易であり短時間で製造可能である。アンテナがよりコスト効率的となり、さらに従来技術の欠点を克服できるより優れた性能を与えられるならば更に有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、CDMA450システムをサポートできる、小型かつコンパクトな折返しダイポールアンテナを提供することを目的とする。本発明の一実施態様によれば、本折返しダイポールアンテナは、折返しダイポールPCB、同軸ケーブル及びSMAコネクタ、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)製ホルダー、及びアルミニウム製基底板から構成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの観点においては、CDMA450システムからの信号の送信・受信が可能な折返しダイポールアンテナが提供される。本折返しダイポールアンテナは、
折返しダイポールプリント回路板(PCB)であって、その各側面上には導通ストリップが画定・配置されてアンテナの励起アームと接地アームが形成され、該励起アーム及び接地アーム双方は対称状に導通ストリップ形状と適合し、該PCBの各側面上の導通ストリップは中心導通脚を有するm字状の導通ストリップと2つの対称形状の折返しアームから成り、及び該中心導通脚は該2つの折返しアームよりも幅が狭くなっている、折返しダイポールPCBと、
折返しダイポールPCBが中へ設置されるプラスチックホルダーと、
前記折返しダイポールPCBが前記プラスチックホルダーを介して基底板上へ直立に取り付けられる基底板と、
前記折返しダイポールPCBを通って延びて同軸ケーブルの一端において前記励起アームと接続する中心コアと前記接地アームの中心導通脚に沿ってはんだ付けされた金属シールドを有する同軸ケーブルであって、該同軸ケーブルの他端は基底板を通って延びてコネクタと接続される同軸ケーブル、から構成される。
【0011】
一実施態様においては、前記プラスチックホルダーはポリテトラフルオロエチレンから成るIビーム形状片として作製される。前記プラスチックホルダーにはさらに、ウェブによって連結される上側フランジと下側フランジが含まれ、プラスチックホルダーにはさらに、上側フランジからウェブ中へ切り込まれてその間に折返しダイポールPCBを受け取るスロットが画成される。前記プラスチックホルダーの片側に同軸ケーブルの通り抜けを可能にする切断部を設けることも可能である。このプラスチックホルダーは折返しダイポールPCBを基底板上に真っ直ぐに支えるようになっている。
【0012】
別の実施態様においては、指向性アンテナとして作製するために、前記基底板は反射板として折返しダイポールアンテナへ適合化される。
【0013】
さらに別の実施態様において、前記2つの対称に形状化された折返しアームをそれらの平均全長Lを約240mm、及び幅Wを約24mmに寸法化し、さらに中心導通ストリップを用いてその長さを約62mm、及び幅を5mmに構成することができる。
【0014】
さらに別の実施態様においては、前記折返しダイポールPCBはその高さを約200mmに構成される。
【0015】
さらに別の実施態様では、前記折返しダイポールアンテナの前後電界比は15dB以上とされる。このような折返しダイポールアンテナは、最大入力電力を500W、水平ビーム幅を90°±5°、及びゲインを6±0.5dBとすることも可能である。
【0016】
また、前記基底板の長さ及び幅は400mmとしてもよい。
【0017】
さらに別の実施態様においては、前記字形状導通ストリップによって間隙が画成され、この間隙によって前記m字状導通ストリップの対称に形状化された折返しアームが第一導通ストリップと第二導通ストリップに分離され、この第一導通ストリップには前記対称に形状化された折返しアームの一方と逆U字形状の導通ストリップ形成する前記中心導通脚が含まれ、他方第二導通ストリップには逆L字状導通ストリップを形成する他方の対称に形状化された折返しアームが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施態様に従った折返しダイポールアンテナの構造を示した図である。
【図2】図1に示した折返しダイポールアンテナの拡大分解図である。
【図3】図1に示した折返しダイポールアンテナの正面図である。
【図4】折返しダイポールアンテナの側面図である。
【図5】図4に示した折返しダイポールアンテナの断面図を近接して見た図である。
【図6】プラスチックホルダーの透視図である。
【発明を実施するための手段】
【0019】
本発明について、以下に記載した非限定的実施態様を用いて添付図面を参照しながら説明する。
以下に記載した多数の特定例及び代替例は本発明の特徴を理解するためのものである。しかしながら、本発明は、当業者にとっては、以下の具体的な説明がなくても実施可能なことが明らかである。詳細のいくつかは本発明をあいまいなものとしないために冗長には記載していない。 参照を容易にするため、図面を通して共通の符号を用いて図面に共通する同一あるいは類似の特徴について言及している。
【0020】
図1〜5は、本発明の一実施態様に従った折返しダイポールアンテナ(100)を示した図である。図1は、450〜470MHzの周波数域において作動するCDMA2000、すなわちCDMA450に利用可能な折返しダイポールアンテナ(100)の斜視図である。この折返しダイポールアンテナ(100)には折返しダイポールプリント回路板(PCB)(101)、同軸ケーブル(102)、プラスチックホルダー(103)及び基底板(104)が含まれている。前記折返しダイポールPCB(101)はほぼ逆T字形断面を形成するプラスチックホルダー(103)を介して基底板(104)上へ直立に取り付けられる。同軸ケーブル(102)はその一端が折返しダイポールPCB(101)へはんだ付け(soldered)され、かつ基底板(104)の中心へ向かって延びている。
【0021】
図2は図1に示した折返しダイポールアンテナ(100)の分解図である。折返しダイポールPCB(101)は、該折返しダイポールPCB(101)の両「ダイポールアーム」上に画成された導通ストリップ(105)を伴うほぼ矩形のマイクロストリップアンテナである。このマイクロストリップの詳細な構成については以下に於いて別途説明する。プラスチックホルダー(103)は、上側フランジ(107)と下側フランジ(108)がウェブ(109)へ連結されて成るI−ビーム形状のプラスチック片(106)を含んで構成される。上側フランジ(107)からウェブ(109)中へ切り込まれたスロット(110)はその間に折返しダイポールPCB(101)を受け取るように形成されている。プラスチックホルダー(103)の片面には、同軸ケーブル(102)が折返しダイポールPCB(101)の一つのダイポールアームへ取り付けられる際に通過できるように切断部分(111)が設けられる。プラスチックホルダー(103)は例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)から作製可能であり、基底板(104)上へ折返しダイポールPCB(101)を保持するためのサポートとして用いることができる。
【0022】
さらに図2において、基底板(104)は、軽量かつ成形容易な特長によりアルミニウムを用いて作製可能である。基底板(104)は折返しダイポールPCB(101)に対して反射板として機能し、これによって折返しダイポールアンテナ(100)を指向性にすることができる。指向性アンテナは同一または類似形状の非指向性アンテナよりも相対的に高いゲインを与える。基底板(104)の寸法によって、電圧定在波比(VSWR)に対して小さな作用の元に照射パターンのビーム幅を制御する。VSWRは負荷が該負荷を駆動する回路とどれくらい適合するかを判定する電圧比である。折返しダイポールアンテナ(100)のビーム幅はアンテナゲインに影響する。そのため、基底板のサイズを変更することにより折返しダイポールアンテナ(100)に別の性能を与えることが可能である。基底板(104)のサイズは、アンテナがエッチングされる材料の誘電率に応じ、好ましくはアンテナの作動周波数の1/2波長付近とすべきである。本実施態様において、折返しダイポールアンテナ(100)の水平ビーム幅は90°±5°であり、ゲインは6±0.5dBである。基底板(104)の全長及び全幅はそれぞれ約400mmである。基底板(104)の中心からやや離れた部位にはさらに通孔(112)が設けられる。
【0023】
図3は図1に示した折返しダイポールアンテナ(100)の正面図である。図中、導通ストリップを形成する素子はそれぞれの寸法で示している。図示しているように、折返しダイポールPCB(101)は基底板(104)上へ直角に取り付けられる。取り付けに際しては、プラスチックホルダー(103)の下側フランジ(108)が基底板(104)へ取り付けられる。折返しダイポールPCB(101)はスロット(110)中へ設置されてプラスチックホルダー(103)によって挟みこまれる(図2参照)。必要に応じて、折返しダイポールPCB(101)をスナップーイン型のピン等を通してプラスチックホルダー(103)へさらに固定することも可能である。折返しダイポールPCB(101)を基底板(104)へ取り付ける際に、切断部分(111)を用いて同軸ケーブル(102)をプラスチックホルダー(103)中を通し基底板(104)へ達するように配設することが可能である。
【0024】
さらに図3から理解されるように、折返しダイポールPCB(101)には、それぞれアンテナ素子を構成する2つの対称なm字状の導通ストリップが折返しダイポールPCB(101)の基板の各面上に形成されている。前記m字状(下側の場合)導通ストリップの片面は接地アームとして機能し、他面は無線信号を伝送する励起アームとしても知られるアンテナ素子となる。m字状導通ストリップのそれぞれは中心導通脚と2つの対称形状の折返しアームを有し、これら2つの対称形状の折返しアームは折返しダイポールPCB(101)の基板と並行して画定される幅厚なストリップであり、及び前記中心導通ストリップは前記幅厚ストリップの中心から下方へ延び、かつ前記基板の反対側へ向かって延びる幅薄ストリップ(120)である。この幅薄ストリップ(120)を用いて折返しダイポールアンテナ(100)のインピーダンスを必要とされる信号源へ適合させることが可能である。この実施態様において、前記幅薄ストリップ(120)の長さは約62mmであり、その幅は約5mmである。該幅薄ストリップ(120)の長さはプラスチックホルダー(103)へ達する前に終わっている。前記m字状導通ストリップにはさらに、第一導通ストリップ(118)及び第二導通ストリップ(119)が含まれる。第一導通ストリップ(118)と第二導通ストリップ(119)は、間隙(121)によって、第一導通ストリップ(118)によって逆L形状ストリップが画定され、及び第二導通ストリップ(119)によって逆U形状ストリップが画定されるように分離される。簡単に言えば、m字状導通ストリップ全体は、平均長さL(115)、幅W(116)、及び高さH(117)として表現される。本実施態様においてアンテナのインピーダンスを適合させるため、前記導通ストリップの寸法を、L(115)として約240mm、W(116)として幅厚ストリップの幅である約24mm、及びH(117)として約200mmに構成することが可能である。
【0025】
先述したように、長さL(115)は、折返しダイポールアンテナ(100)の所望される作動周波数の1/2波長に依存して決められる。好ましくは、長さL(115)は1/2波長の倍数にすべきである。同様に、幅W(116)も、所望の作動周波数を採用するための、適合インピーダインスに依存して変えられる。図3に示すように、図示された折返しダイポールPCB(101)の図示されている面は折返しダイポールPCB(101)の接地アームであり、励起アーム(図示せず)は折返しダイポールPCB(101)の他方の面上に画定され、これら両アームは対称に形状化される。
【0026】
さらに図3に示すように、同軸ケーブル(102)の一端に上側末端部(113)、及び他方の一端に下側末端部(114)が設けられる。上側末端部(113)は折返しダイポールPCB(101)の上端方向の近接末端部(122)へはんだ付けされる。同軸ケーブル(102)の金属シールドは幅薄ストリップ(120)に沿ってはんだ付けされ、通孔(112)を通して延長される。前記下側末端部(114)はサブミニチュア版(SMA)雌型コネクタ等のコネクタを用いて終点とされる。
【0027】
図4は折返しダイポールアンテナ100の側面図であり、逆T字形の断面が示されている。同軸ケーブル(102)は、第一導通ストリップ(118)と第二導通ストリップ(119)が画成されている「接地アーム」上において折返しダイポールPCB(101)へはんだ付けされる。同軸ケーブル(102)のコア導体は折返しダイポールPCB(101)を通って延び、該折返しダイポールPCB(101)の他面上の「励起アーム」と電気的に接続され、該同軸ケーブル(102)の金属シールドは「接地アーム」側において幅薄ストリップへ電気的に接続される。同軸ケーブル(102)は幅薄ストリップのラインに沿って下方へ延び、基底板(104)のスルーホール(112)を通って延びるコネクタによって終点とされ、最終的に折返しダイポールPCB(101)の「接地アーム」側へアースされている。
【0028】
図5は図4に示した折返しダイポールアンテナ(100)の近接図である。同軸ケーブル(102)の上側末端部(113)において内側(コア)導体(123)は折返しダイポールPCB(101)の基板中を通過して他方側において第一導通ストリップへ接続している。同軸ケーブル(102)の外側導体(124)は折返しダイポールPCB[(101)の「接地アーム」上において、第二導通ストリップ(119)の幅薄ストリップ(120)に沿ってはんだ付けされている。
【0029】
図6はプラスチックホルダー(103)の斜視図である。プラスチックホルダー(103)を側面から見れば、Iビーム片(108)として見ることができる。プラスチックホルダー(103)の上側フランジ(107)の長さは下側フランジ(108)に比べて短くなっている。これら上側フランジ(107)と下側フランジ(108)はウェブ(109)によって一体に連結されている。折返しダイポールPCB(101)のためのスロット(110)が上側フランジ(107)の頂部からウェブ(108)中へ切り込み形成されている。しかしながら、該スロット(110)は下側フランジ(108)中には切り込まれていない。プラスチックホルダー(103)上に切断部分(111)が形成されていることにより、同軸ケーブル(102)は折返しダイポールPCB(101)の「接地アーム」側を向いたまま通過することが可能とされている。
【0030】
図1に示した本発明の一実施態様においては、折返しダイポールアンテナ(100)を最大入力電力として500Wを許容でき、かつ50Ωの入力インピーダンスをもつように適合させることが可能である。折返しダイポールアンテナ(100)では避雷防護技術としてDCアースが用いられる。この技術は、最小無線周波電圧点にDCアースを適用して、無線エネルギーを減ずることなく、地面へ静電荷を導通させることによって有効化される。
【0031】
折返しダイポールアンテナ(100)のVSWRは2未満である。指向性アンテナの前部・後部間の電力ゲインを判定する前後電界比は15dB以上である。
【0032】
本実施態様における折返しダイポールアンテナ(100)の寸法は、同じく450〜470MHz域で作動する他の従来的設計によるアンテナよりも小型である。折返しダイポールアンテナ(100)の全重量は約1Kgであり、小型アンテナを必要とする用途及び商業目的に適する。本発明に係るアンテナは壁あるいは天井に固定可能であり、あるいは室内受信及び小空間に適する。本発明に係る折返しダイポールアンテナ(100)は組立容易なタイプであり、製造時間を大幅に短縮することが可能である。従来のアンテナは低周波数を受信するためにはサイズが大きく嵩張ったため製造が複雑化した。本発明に係るアンテナは、従来型アンテナに比べてよりコスト効率的である。
【0033】
上記において本発明の種々実施態様について示し、本発明の実施方法について実施例を示した。しかしながら、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明のこれら特定の実施態様に変化、変更、変形を加え、あるいは組み合わせを行うことが可能である。上記実施例、実施態様、教示、及び図面は単なる実施態様であり、特許請求の範囲に於いて限定される本発明の適用柔軟性及び利点を説明するために示されたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CDMA450システムからの信号の伝送及び受信が可能な折返しダイポールアンテナであって、
折返しダイポールプリント回路板(PCB)の各面上に画定され、アンテナの励起アーム及び接地アームを形成する導通ストリップを有する折返しダイポールプリント回路板(PCB)と、前記励起アーム及び接地アームは導通ストリップ形状と対称状に適合し、前記ダイポールプリント回路板(PCB)の各面上の導通ストリップが中心導通脚と2つの対称的に形状化された折返しアームを有するm字状の導通ストリップから成り、及び前記中心導通脚の幅が前記2つの折返しアームの幅よりも薄く構成されており、
前記折返しダイポールプリント回路板(PCB)が中へ設置されるプラスチックホルダーと、
前記折返しダイポールプリント回路板(PCB)がプラスチックホルダーを通って設置されて基底板上に直立に取り付けられる基底板と、
折返しダイポールプリント回路板(PCB)中を通って延び、同軸ケーブルの一端において励起アームと接続する中心コアと、接地アームの中心導通脚に沿ってはんだ付けされる金属シールドを有し、かつ同軸ケーブルの他端がコネクタと共に基底板を通って延びる前記同軸ケーブル、から構成されるダイポールアンテナ。
【請求項2】
プラスチックホルダーがポリテトラフルオロエチレンから作製され、かつIビーム形状のプラスチック片であることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項3】
プラスチックホルダーが、ウェブによって連結された上側フランジと下側フランジから成り、及び折返しダイポールプリント回路板(PCB)を前記上側フランジと前記ウェブの間に受け入れるように切り込まれたスロットが該プラスチックホルダーによって画成されることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項4】
プラスチックホルダーの片側に、同軸ケーブルがそこを通って延びることができる切断部分が設けられることを特徴とする請求項3項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項5】
プラスチックホルダーによって、基底板上へ直角に置かれて折返しダイポールプリント回路板(PCB)が支えられることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項6】
指向性アンテナとするために、基底板が折返しダイポールアンテナへの反射板として設けられることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項7】
2つの対称的に形状化された折返しアームの平均全長Lが約240mm、幅Wが約24mmであり、及び中心導通ストリップの長さが約62mm、幅が5mmであることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項8】
前記折返しダイポールプリント回路板(PCB)の高さが約200mmであることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項9】
前記折返しダイポールアンテナの前後電界比が15dB以上であることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項10】
前記折返しダイポールアンテナが500Wの最大入力電力を有することができることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項11】
90°±5°の水平ビーム幅、及び6±0.5dBのゲインに適合していることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項12】
前記基底板の長さ及び幅がそれぞれ400mmであることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項13】
前記m字状の導通ストリップは間隙を画成し、該間隙は、m字状の導通ストリップの対称に形状化された折返しアームを第一導通ストリップと第二導通ストリップとに分け、第一導通ストリップは、前記対称に形状化された折返しアームの一方と逆U字形状導通ストリップを形成する中心導通脚を含み、第二導通ストリップは逆L字形状導通ストリップを形成する他方の対称に形状化された折返しアームを含むことを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。
【請求項14】
前記折返しダイポールアンテナが450〜470MHzで作動可能であることを特徴とする請求項1項記載の折返しダイポールアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−156993(P2012−156993A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−288231(P2011−288231)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(512002448)
【氏名又は名称原語表記】TELEKOM MALAYSIA BERHAD
【Fターム(参考)】