説明

9A−置換アザリド

本発明は、抗マラリア活性を有する新規9a−置換されたアザリドに関する。さらに詳しくは、本発明は、抗マラリア活性を有する9aが置換された9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物、その製造方法、その使用方法、および抗マラリア活性を有するその医薬上許容される誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗マラリア活性を有する、新規な9a−置換アザリドに関する。さらに詳しくは、本発明は抗マラリア活性を有する、9aが置換された9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物、その製造方法、それらの治療薬としての使用、および抗マラリア活性を有するその医薬上許容される誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
マラリアは深刻な伝染病である。2億から3億人の人びとがマラリアに感染し、毎年2百万人から3百万人の人がマラリアにより死亡している。この疾病は、メスのハマダラカによって伝播され、寄生虫(プラスモジウム属の原虫)によって引き起こされる。ヒトに感染しうる寄生虫は4種類あり、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、卵型マラリア原虫(P.ovale)および四日熱マラリア原虫(P.malariae)がある。熱帯熱マラリア原虫起因のMalaria tropica、三日熱マラリア原虫または卵型マラリア原虫起因のMalaria tertianaおよび四日熱マラリア原虫起因のMalaria quartanaの間で、相違点が指摘される。Malaria tropicaは最も重篤な疾病であり、重度の全身症状により特徴付けられ、時には死に至る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マラリアは、体内での新世代の寄生虫の成長に要する時間に応じて、一定間隔で生じる、悪寒、発熱および発汗の発作により特徴付けられる。この疾病は、急性発作から回復した後も、時折再発して慢性化する傾向がある。この疾病は、ブラジルのアマゾン領域、東および南アフリカおよび南東アジアを含む世界の熱帯および亜熱帯地域で蔓延している。マラリア治療に広く使用される薬であるクロロキンに対して耐性であるマラリア寄生虫の出現は深刻な問題となっており、それゆえ、効果的な治療薬の開発は急務である。また、マラリアワクチンの開発の試みは間に合わなかった。このことはマラリアを治療する薬物を基礎とする別の解決方法を見つける緊急性を構成する。
【0004】
別個の化学的分類の薬、たとえばクロロキン、メフロキン、ハロファントリンおよびアルテミシニン、アトバクオン/プログアニル(Malarone登録商標)、ドキシサイクリン、およびプリマキンがマラリア治療に展開されてきた。しかしながら、いくつかのマラリア株に対するわずかな成功がある一方、たいていのマラリア株は個々の薬だけでなく複数の薬の組み合わせに対して耐性を生じるようである。初期に効く薬は、しばらくすると全体的に効果がなくなる。最初の回復期間の後に、該疾病に対して何ら効果的でないと思われる期間が続くことが多い。これは多剤耐性として知られており、抗マラリア薬の開発努力課題として残る。1またはそれ以上の薬によって治療効果を初期に示すマラリア寄生虫は、以前に使用した薬を用いるだけでなく、他の多くの抗マラリア薬を用いた治療に耐性となる。このことはさらに、マラリアに対して良好な効能を示し、毒性が最低限である新薬を見つけることの緊急性を強調する。
【0005】
最近、いくつかの論文に、マクロライドはマラリアに対して治療上の使用と同様に予防としての使用が見込まれることが明示されている。ミデカマイシン(Midecamycinin)は1989年にPlasmodium bergheiおよびPlasmodium yoelii nigeriensis(マウス)およびPlasmodium cynomolgi(アカゲザル)[S.K.PuriおよびG.P.Duti,Chemotherap.35(1989)187]を用いた二つの感染性モデルに関連して研究された。両者のマウスモデルにおいて、マクロライドミデカマイシンは有効であった。Plasmodium berghei感染に対する投与量はPlasmodium yoelii nigeriensis感染に対する投与量よりも著しく少なかった。他の研究において、アジスロマイシン(azithromycin[S.K.PuriおよびN.Singh,Exp.Parasitol.94(2000)8]に関して動物モデルで実験された。25−50mg/kgの投与量は抗菌治療に使われる同じ投与量に影響する。ミデカマイシン アジスロマイシンのどちらもサルモデルにおいて効果があったのに対し、アジスロマイシンは予防および治療に用いられた。
【0006】
マラリア感染の治療に対してアジスロマイシンの効果がガンビアで研究された[S.T.Sadiqら,Lancet 346(1995),881]。トラコーマ(trachoma)(アジスロマイシンはクラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)に対して高い効能がある)に対する治療を受けている子どもに対してもマラリア予防または治療効果を調べた。マラリア感染の多様な指標が明らかに向上したことによりアジスロマイシンの著しい治療効果が示された。アジスロマイシンの予防の有効性はKenyaによって確かめられた[S.L.Andersonら.,Ann.Intern.Med.123(1995)771]。大人のボランティアにおける有効な予防は、週に1000mgの投与量に対比して、1日250mgの投与量を投与することでより予防効果が得られた。また、二重盲検法において、アジスロマイシンのプラセボ対照試験をインドネシアでIrian Jayaによって行われ[W.R.Taylorら.,Clin.Infect.Dis.28(1999)74]、アジスロマイシンで治療した非−免疫患者における予防効果は、対象と比較して、Plasmodium falciparumが71.6%およびPlasmodium vivaxが98,9%であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要旨
マラリアの治療および/または予防のための医薬の製造における式(I):
【化1】

(I)
[式中、
は、Hまたは式(II)
【化2】

(II)
のアルファ−L−クラジノシル基であり、
は、Hまたは式(III)
【化3】

(III)
のベータ−D−デソサミニル基であり、
ただし、RがHであるときRもまたHである;
XはNRまたはNHC(=O)またはC(=O)NHであり;
はHまたは直鎖または分岐したC1−4アルキルであり;
はHまたは直鎖または分岐したC1−4アルキルであり;
Qは a)単結合、
b)非置換または置換された直鎖または分岐のC1−4アルキレン、
c)C2−4アルケニレンであり;
Aは a)置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノから選択される1−4個の基によって置換された少なくとも一つの芳香環を有する単環、二環または三環式の炭素環系である、アリール;
b)単環、二環または三環式環であり、そのいずれかが(置換されていないか、あるいはHまたはC1−4アルキルで置換されている)窒素、酸素および硫黄より選択される1から4個のヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または芳香環であり、1から3個の環炭素原子が置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノより独立して選択される基により置換されている、3−14員のヘテロ環;
mは2から4の整数である]
で示される、9a−置換9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
【0008】
式(I)の、新規の9a−置換9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物またはその医薬上許容される誘導体が、式(Ia):
【化4】

(Ia)
[式中、
がHまたは式(II)
【化5】

(II)
のアルファ−L−クラジノシル基であり、
がHまたは式(III)
【化6】

(III)
のベータ−D−デソサミニル基であり、
ただし、RがHのときRもまたHである;
XはNRまたはNHC(=O)またはC(=O)NHであり;
はHまたは直鎖または分岐のC1−4アルキルであり;
はHまたは直鎖または分岐のC1−4アルキルであり;
Qは a)単結合、
b)非置換または置換された直鎖または分岐のC1−4アルキレン、
c)C2−4アルケニレンであり;
Aは a)置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノから選択される1−4個の基によって置換された少なくとも一つの芳香環を有する単環、二環または三環式の炭素環系である、アリール;
b)単環、二環または三環式環であり、そのいずれかが(置換されていないか、あるいはHまたはC1−4アルキルで置換されている)窒素、酸素および硫黄より選択される1から4個のヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または芳香環であり、1から3個の環炭素原子が置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノより独立して選択される基により置換されている、3−14員のヘテロ環;
mが2から4の整数であり;
ただし、Rが式(III)のベータ−D−デソサミニル基であり、
XがNRであり、
がHまたはC1−3アルキルであり、
mが2または3であり、
Qが直鎖非置換C1−4アルキレンであり、Aが非置換または置換ふぃニルあるいは窒素、酸素および硫黄から選択される1−3個の原子を含む5または6員の非置換または置換ヘテロアリールである場合、そのときRは直鎖または分岐したCアルキルである;
ただし、Aが非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)由来の非ステロイドサブユニットであり得ない]
で示される。
【0009】
本発明は式Iの化合物およびその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物に関する。
【0010】
さらにまた、本発明は、患者に対して式Iの化合物を治療効果のある量投与することを含むマラリア疾病を治療する方法に関する。さらに、本発明の新規化合物は、プラスモジウムに対して、特に多耐性のプラスモジウム種に対して優れた有効性を示す可能性がある。
【0011】
本発明の他の態様によれば、ヒトまたは動物の医学的治療に用いるための少なくとも式Iの化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0012】
本発明の他の態様において、マラリア治療のための医薬の製造において式Iまたはその医薬上許容される誘導体の化合物のうち少なくとも1つの使用を提供する。
【0013】
本発明は、治療が必要な対象にマラリアに対して予防および/または治療に効果のある量の、1またはそれ以上の前述の化合物を含む組成物に関する。
【0014】
さらにまた、本発明は、マラリアの予防薬またはマラリア寄生虫にさらされた対象の治療に用いる式Iの化合物の使用方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
一つの具体的な実施態様において、本発明は式(I)
【化7】

(I)
[式中、
は、Hまたは式(II)
【化8】

(II)
のアルファ−L−クラジノシル基であり、
は、Hまたは式(III)
【化9】

(III)
のベータ−D−デソサミニル基であり、
ただし、RがHであるときRもまたHである;
XはNRまたはNHC(=O)またはC(=O)NHであり;
はHまたは直鎖または分岐したC1−4アルキルであり;
はHまたは直鎖または分岐したC1−4アルキルであり;
Qは a)単結合、
b)非置換または置換された直鎖または分岐のC1−4アルキレン、
c)C2−4アルケニレンであり;
Aは a)置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノから選択される1−4個の基によって置換された少なくとも一つの芳香環を有する単環、二環または三環式の炭素環系である、アリール;
b)単環、二環または三環式環であり、そのいずれかが(置換されていないか、あるいはHまたはC1−4アルキルで置換されている)窒素、酸素および硫黄より選択される1から4個のヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または芳香環であり、1から3個の環炭素原子が置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノより独立して選択される基により置換されている、3−14員のヘテロ環;
mは2から4の整数である]
で示される、9a−置換9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物またはその医薬上許容される誘導体をマラリアの予防および/または治療のための医薬の製造における使用を対象とする。
【0016】
さらなる実施態様において、本発明は、式(Ia):
【化10】

(Ia)
[式中、
がHまたは式(II)
【化11】

(II)
のアルファ−L−クラジノシル基であり、
がHまたは式(III)
【化12】

(III)
のベータ−D−デソサミニル基であり、
ただし、RがHのときRもまたHである;
XはNRまたはNHC(=O)またはC(=O)NHであり;
はHまたは直鎖または分岐のC1−4アルキルであり;
はHまたは直鎖または分岐のC1−4アルキルであり;
Qは a)単結合、
b)非置換または置換された直鎖または分岐のC1−4アルキレン、
c)C2−4アルケニレンであり;
Aは a)置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノから選択される1−4個の基によって置換された少なくとも一つの芳香環を有する単環、二環または三環式の炭素環系である、アリール;
b)単環、二環または三環式環であり、そのいずれかが(置換されていないか、あるいはHまたはC1−4アルキルで置換されている)窒素、酸素および硫黄より選択される1から4個のヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または芳香環であり、1から3個の環炭素原子が置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノより独立して選択される基により置換されている、3−14員のヘテロ環;
mが2から4の整数であり;
ただし、Rが式(III)のベータ−D−デソサミニル基であり、
XがNRであり、
がHまたはC1−3アルキルであり、
mが2または3であり、
Qが直鎖非置換C1−4アルキレンであり、Aが非置換または置換ふぃニルあるいは窒素、酸素および硫黄から選択される1−3個の原子を含む5または6員の非置換または置換ヘテロアリールである場合、そのときRは直鎖または分岐したCアルキルである;
ただし、Aが非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)由来の非ステロイドサブユニットであり得ない]
で示される式(I)の、新規の9a−置換9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物またはその医薬上許容される誘導体に関する。
【0017】
一つの態様において、本発明は実施例1〜79の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0018】
「医薬上許容される」という語は、本発明の化合物に関連して用いられるように、哺乳類(特に、ヒト)に投与した際に、生理的に耐容でき、特に有害反応を引き起こさないような化合物の分子的実体及び他の構成要素をいう。好ましくは、本明細書中に用いられるように、「医薬上許容される」とは、哺乳類、およびさらに具体的にヒトにおいて、使用される目的で、連邦または政府の管理機関によって承認され、または米国薬物類または他の一般的な認可薬物類として挙げられたものを意味する。
【0019】
本発明の医薬組成物に用いられる「キャリア」という語は、活性化合物とともに投与される希釈剤、賦形剤、または担体をいう。このような医薬キャリアは、たとえば水、食塩水、水性デキストロース溶液、水性グリセロール溶液、及びピーナッツ油、大豆油、ミネラル油、ゴマ油などの動物、植物または合成起源の油、石油を含む油など、滅菌され得る。適した医薬キャリアはE.W.Martinによる「レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」第18版に記載され、参照により組み込まれる。本発明に特に好まれるのは即効性に適したキャリアで、たとえば活性成分の多くまたは全部を短期間で、たとえば60分またはそれよりも早く放出し、薬剤を即時吸収することができるものである。
【0020】
本明細書中に用いられる「医薬上許容される誘導体」という語は、患者への投与により本発明の化合物を(直接または間接的に)提供することを可能にする本発明の化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ、たとえばエステルなどを意味する。このような誘導体は必要以上の実験なしに、当該技術分野における当業者に認められる。そうではあるが、参考文献は、誘導体などまで教示している参考文献にて本明細書に組み込まれる、原理と実務:Burgerの医薬品化学および創薬、第5版、Vol1について教示する。一つの態様において、医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、エステル、カルバミン酸塩およびリン酸エステルである。他の態様において、医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物およびエステルである。さらに他の態様において、医薬上許容される誘導体は塩およびエステルである。
【0021】
本発明の化合物は、発砲体であってもよくおよび/または医薬上許容される塩として投与されてもよい。適当な塩の再考のためにBergeら、J.Pharm.Sci.,66(1977)1−19を参照ください。
【0022】
典型的に、医薬上許容される塩は所望の酸を用いることによって容易に調製されてもよい。塩は、溶液から沈殿してもよく、および濾過により収集してもよく、または溶媒を蒸発させて回収してもよい。たとえば、塩酸などの酸の水溶液を式(I)の化合物の水性懸濁液に加えて、混合液を蒸発して乾燥させ(凍結乾燥させ)て、固体として酸付加塩を得てもよい。あるいは、式(I)の化合物を適当な溶媒、たとえばイソプロパノールなどのアルコールなどに溶解してもよく、また酸は同じ溶媒あるいは他の適当な溶媒に加えてもよい。その後、結果として生じる酸付加塩を直接、あるいはジイソプロピルエーテルまたはヘキサンなどの極性の小さい溶媒を添加することによって沈殿して、濾過によって単離されてもよい。
【0023】
適当な付加塩は非中毒塩を形成する無機酸または有機酸から形成され、たとえば塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、プルビン酸塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、サッカラート、安息香酸塩、アルキルまたはアリールスルホン酸塩(たとえば、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステルまたはp−トルエンスルホン酸エステル)およびイセチオンサン塩である。典型的な例は、トリフルオロ酢酸塩およびギ酸塩を含み、たとえば、ビスまたはトリストリフルオロ酢酸塩およびモノまたはジギ酸塩、特に、トリスまたはビストリフルオロ酢酸塩およびモノギ酸塩が好ましい。
【0024】
有機化学分野における当業者であれば、多くの有機化合物がその中で反応し、またはそこから沈殿あるいは結晶化する溶媒と複合体を形成することができることは認められるだろう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られている。たとえば、水との複合体は「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は本発明の範囲内である。式(I)の化合物の塩は溶媒和物(たとえば、水和物)を形成することができ、また本発明はそのようなすべての溶媒和物を含む。
【0025】
本発明に用いられる「プロドラッグ」という語は、医療効果を有する活性体に、たとえば血液中での加水分解によって、体内で変換される化合物を意味する。医薬上許容されるプロドラッグはT.HiguchiおよびV.Stella、「新規運搬システムとしてのプロドラッグ」、A.C.S.シンポジウムシリーズのVol.14、Edward B.Roche,ed.,「薬剤設計におけるバイオ可逆性キャリア」,アメリカ薬学会およびPergamon Press、1987、およびD.Fleisher、S.RamonおよびH.Barbra「改良された経口薬運搬:プロドラッグの使用により克服される溶解度制限」、Advanced Drug Delivery Reviews 19(2)(1996)115−130、それぞれ参考文献により本明細書に組み込まれる。
【0026】
プロドラッグは、患者に投与されたとき、インビボで化学構造(I)の化合物を解放する共有結合キャリアである。プロドラッグは一般的に、所定の操作あるいはインビボで修飾が開裂されるように、官能基を修飾し、親化合物を産生することによって調製される。プロドラッグは、たとえば患者に投与されたとき、開裂してヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基を形成する基と、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基とが結合されている本発明の化合物を含む。したがって、プロドラッグの代表的な例は、アルコールの酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体、化学構造(I)の化合物のスルフヒドリルおよびアミン官能基を含む(しかし、これらに限定されない)。さらに、カルボキシル酸(−COOH)の場合、メチルエステル、エチルエステル、およびこれらに類似のエステルが用いられる。エステルは、ヒトの体でインビボ条件下、それ自体で活性化および/または加水分解化され得る。適当な医薬上許容されるインビボで加水分解が可能なエステル基はヒトの体内で分解されて親酸またはその塩を解放するエステルを含む。
【0027】
本発明に従う化合物についての以下の参考文献は式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体を含む。
【0028】
立体異性体において、式(I)の化合物は一つ以上の不斉炭素原子を有する。記載されている一般的な式(I)において、固体楔形結合によって結合が紙面上であることが示される。破壊原子価により結合が紙面の下にあることが示される。
【0029】
マクロライド上の置換基は一つまたはそれ以上の不斉炭素原子を有していてもよいということは理解されるだろう。したがって、式(I)の化合物は個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在してもよい。このような異性体のすべては本発明の範囲内に含むまれ、それらの混合物を含む。
【0030】
本発明の化合物はアルケニル基を含んでおり、シス(Z)およびトランス(E)異性体が生じてもよい。本発明は本発明の化合物の個々の立体異性体を含んでおり、必要に応じてそれらの個々の立体異性体の混合物を含む。
【0031】
ジアステレオマーの分離は従来の方法、たとえば分別結晶、クロマトグラフィまたはH.P.L.C.によってなされてもよい。個々の異性体は対応する工学的に純粋な中間体から、またはH.P.L.C.などのように適当なキラル担体を用いて対応する混合物の溶解によって、または適当な光学的活性酸または塩基とともに対応する混合物の反応によって形成するジアステレオ異性体の塩のフラクションの結晶化によって調製されてもよい。
【0032】
式(I)の化合物は結晶形または非結晶形であってもよい。さらに、式(I)の化合物の結晶のいくつかは本発明に含まれる多形として存在してもよい。
【0033】
本発明の一つの態様において、Rは式(II)のアルファ−L−クラジノシル基を表し、R2は式(III)のベータ−D−デソサミニル基を表す。
【0034】
本発明の一つの態様において、RはHを表し、Rは式(III)のベータ−D−デソサミニル基を表す。
【0035】
本発明の一つの態様において、RはHを表し、RはHを表す。
【0036】
本発明の一つの態様において、XはNRを表し、RはHを表す。
【0037】
本発明の一つの態様において、XはNRを表し、そのうちRは直鎖C1−4アルキルを表す。さらなる態様において、Rはメチルを表す。
【0038】
本発明の一つの態様において、XはNHまたはNCHを表す。
【0039】
本発明の一つの態様において、XはNHC(=O)またはC(=O)NHを表す。
【0040】
本発明の一つの態様において、Rは直鎖C1−4アルキルを表す。さらなる態様においてR4はメチルを表す。
【0041】
本発明の一つの態様において、RはHを表す。
【0042】
本発明の一つの態様において、Qは単結合を表す。
【0043】
本発明の一つの態様において、Qはメチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレンなどのC1−4アルキレンを表す。
【0044】
本発明の一つの態様において、QはメチルなどのC1−4アルキルで置換された、メチレンなどのC1−4アルキレンを表す。
【0045】
本発明の一つの態様において、QはNHC(=O)CHなどのNC(=O)−C−C−アルキルで置換された、エチレンなどのC1−4アルキレンを表す。
【0046】
本発明の一つの態様において、Qはオキソで置換された、プロピレンなどのC1−4アルキレンを表す。
【0047】
本発明の一つの態様において、QはエチニレンなどのC2−4アルケニレンを表す。
【0048】
本発明の一つの態様において、Aはフェニルまたはナフチルなどの一または二環状非置換または置換されたアリールである。
【0049】
本発明の一つの態様において、Aは非置換または置換された3−14員へテロ環である。
【0050】
本発明の一つの態様において、Aはキノリン誘導体部である:
【化13】


[RはHまたはハロゲンである]
【0051】
本発明の一つの態様において、Aがキノリン誘導体部である場合、キノリン誘導体部は2、3または4位を通る分子のリマインダーに結合する。
【0052】
本発明の一つの態様において、Aがキノリン誘導体部である場合、キノリン誘導体部は塩素などのハロゲンで置換される。本発明のさらなる態様において、ハロゲンは7位でキノリン残基と結合する。
【0053】
本発明の一つの態様において、Aがキノリン誘導体部である場合、キノリン誘導体部の第1環は1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルなどで飽和される。
【0054】
本発明の一つの態様において、Aがナフタレン誘導体部である場合:
【化14】


RはHまたはC1−4アルキルオキシであり、いずれの環に結合してもよい。
【0055】
本発明の一つの態様において、Aがナフタレン誘導体部である場合、ナフタレン誘導体部は1または2位を通る分子のリマインダーと結合する。
【0056】
本発明の一つの態様において、Aがナフタレン誘導体部である場合、ナフタレン誘導体部はメチルオキシまたはエチルオキシなどのC1−4アルキルオキシで置換される。
【0057】
本発明の一つの態様において、Aはピリジン誘導体部である:
【化15】

【0058】
本発明の一つの態様において、Aがピリジン誘導体部である場合、ピリジン誘導体部は2,3,4位を通る分子のリマインダーに結合する。
【0059】
本発明の一つの態様において、Aがフェニル誘導体部である:
【化16】


RはH、C1−4アルキルオキシ、ハロゲンまたはNO2であり、
tは1から4である。
【0060】
本発明の一つの態様において、Aがフェニル誘導体部である場合、フェニル誘導体部はメチルオキシまたはエチルオキシ、フルオロ、クロロまたはブロモ、およびNOなどのハロゲンなどのC1−4アルキルオキシから選択される1から4つの基で置換される。
【0061】
本発明の一つの態様において、Aはプリン誘導体部である:
【化17】

さらなる態様において、Aは1H−プリン−6−イルである。
【0062】
本発明の一つの態様において、Aはオキサゾール誘導体部である:
【化18】


RはC1−4アルキルである。
本発明のさらなる態様において、Aは4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イルである。
【0063】
本発明の一つの態様において、「m」は2または3を表す。
【0064】
一つの態様において、本発明は式(Ib)
【化19】

(Ib)
[式中、
1bはHまたは式(IIb)
【化20】

(IIb)
で示されるクラジノシル基で表され、
2bはHまたは式(IIIb)
【化21】

(IIIb)
で示されるデゾザミニル基で表され、
はNR3bまたはNHC(=O)またはC(=O)NHで表され;
3bはHまたは直鎖または側鎖のC1−4アルキル(好ましくは、メチルまたはエチル)で表され;
4bはHまたは直鎖または側鎖のC1−4アルキル(好ましくは、メチルまたはエチル)で表され;

a)非置換または置換されたC1−4アルキル(好ましくは、メチルまたはエチル)、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル(好ましくはシクロプロピルまたはシクロヘキシル)、ハロゲン(好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ)、OH、C1−4アルキルオキシ(好ましくは、メチルオキシまたはエチルオキシ)、C3−6シクロアルキルオキシ(好ましくは、シクロプロピルオキシまたはシクロヘキシルオキシ)、C1−4アルキルアミノ(好ましくはメチルアミノまたはエチルアミノ)、C1−4ジアルキルアミノ(好ましくは、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ)、C3−6シクロアルキルアミノ(好ましくは、シクロプロピルアミノまたはシクロヘキシルアミノ)から選択される1−3群によって非置換または置換されるアリールで表され;
b)非置換または置換されたC1−4アルキル(好ましくは、メチルまたはエチル)、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル(好ましくは、シクロプロピルまたはシクロヘキシル)、ハロゲン(好ましくは、フルオロ、クロロまたはブロモ)、OH、C1−4アルキルオキシ(好ましくは、メチルオキシまたはエチルオキシ)、C3−6シクロアルキルオキシ(好ましくは、シクロプロピルオキシまたはシクロヘキシルオキシ)、C1−4アルキルアミノ(好ましくは、メチルアミノまたはエチルアミノ)、C1−4ジアルキルアミノ(好ましくは、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ)、C3−6シクロアルキルアミノ(好ましくは、シクロプロピルアミノまたはシクロヘキシルアミノ)から選択される1−3群により置換されていてもよい窒素、酸素及び硫黄から選択される1から4つのヘテロ原子を含む3−14員へテロ環で表され;
は2から4の整数であり;
は0から4の整数であり;
1bがHで表され、R2bが式(IIIb)のデソサミニル基で表され、R4bが直鎖または側鎖のC1−4アルキルで表され、そしてXbがNR3bで表される場合、Aは、窒素、酸素および硫黄から選択される1から3つの原子を含む5または6員の非置換型フェニルまたは非置換型ヘテロアリールを表すことができない;]
で示された式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体を対象とする。
【0065】
本発明は、本明細書に記載された適当な、便利なそして好ましい群、態様のすべての組み合わせを対象とすることは理解されるだろう。
【0066】
「NSAID」という語は、非ステロイド性抗炎症スブユニット、すなわち、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の成分を表すことができる。適当なNSAIDは、以下に限定されないが、シクロオキシゲナーゼ(以下に限定されないが、シクロオキシゲナーゼ−1および−2を含む)の多様なアイソザイムの抑制剤を含む、プロスタグランジンおよびオータコイド抑制剤の生合成に関連する酵素である、シクロオキシゲナーゼを抑制する薬、およびシクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼの両者を抑制する薬;たとえば、市販のNSAIDsアセクロフェナック、アセメタシン、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセチル−サリチル酸、アセチル−サリチル−2−アミノ−4ピコリン酸5−アミノアセチルサリチル酸、アルクロフェナック、アミノプロフェン、アンフェナック、アンピロン、アンピロキシカム、アニレリジン、ベンダザック、ベノキサプロフェン、バーモプロフェン(bermoprofen)、アルファ−ビスアボロール(アルファ−bisabolol)、ブロモフェナック、5−ブロモサリチル酸アセテート、ブロモサリゲニン(bromosaligenin)、ブクロキシック酸(bucloxic acid)、ブチブフェン(butibufen)、カルプロフェン、セレコキシブ、クロモグリク酸、シンメタシン(cinmetacin)、クリダナク、クロピラック、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ジタゾール、ドロキシカム、エンフェナム酸(enfenamic acid)、エトドラク、エトフェナメート、フェルビナック、フェンブフェン、フェンクロジック酸(fenclozic acid)、フェンドサル(fendosal)、フェノプロフェン、フェンチアザック、フェプラジノール、フルフェナック、フルフェナム酸、フルニキシン(flunixin)、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、グルタメタシン、サリチル酸グリコール、イブフェナック、イブプロフェン、イブプロキサム、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラック、イソキセパック(isoxepac)、イソキジカム(isoxicam)、ケトプロフェン、ケトロラック、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メサラミン、メチアジン酸、モフェゾラク、モンテルカスト、ミコフェノール酸、ナブメトン、ナプロキセン、二フルミン酸、ニメスリド、オルサラジン、オキサセプロール、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、パラセタモール、パルサルミド(parsalmide)、ペリソキサール、フェニル−アセチル−サリチル酸塩、フェニルブタゾン、フェニルサリチル酸塩、ピラゾラック(pirazolac)、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、リザバラトール(reserveratol)、サラセトアミド(salacetamide)、サリチルアミド、サリチルアミド−O−酢酸、サリチル硫酸、サリシン、サリシルアミド、サルサラート、スリンダク、スプロフェン、サクシブタゾン、タモキシフェン、テノキシカム、テオフィリン、値アプロフェン酸、チアラミド、チクロプリジン(ticlopridine)、チノリジン、トルフェナム酸、トルメチン、トロペシン、キセンブシン(xenbucin)、キシモプロフェン(ximoprofen)、ザルトプロフェン、ゾメピラック、トモキシプロール(tomoxiprole)、ザフィルルカストおよびシクロスポリンを含む。さらなるNSAID属および特定のNSAID化合物は、参考文献(特に、その請求項1の一般式およびそこに含まれるNSAIDの具体的なリストの詳細および請求項3)によって全体的に取り入れられた、米国特許6,297,260号に開示されており、チアズリデン(thiazulidene)NSAIDは、全体的に参考文献によって本明細書に組み込まれた、国際特許出願WO01/87890号に開示されている。好ましくはフルフェナム酸、フルニクシンおよびセレコキシブである。
【0067】
本明細書で使われる「C−Cアルキル」という語は、1および4つの炭素原子の間を含む、飽和、直鎖または側鎖炭化水素ラジカルをいう。「C−Cアルキル」ラジカルの例は;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルを含む。
【0068】
本明細書で使われる「飽和アルキル」という語は、前に定義しているように、以下に限定されないが、ハロゲン(フルオロ、クロロまたはブロモ);OH;オキソ;C−Cアルキルアミノ(N−メチルアミノまたはN−エチルアミノ);−NC(O)−C−C−アルキル(NC(O)−メチルなど);C−C−アルキルアミノ(ジメチルアミノ、ジエチルアミノまたはジ−イソプロピルアミノなど);C−Cアルキルオキシ(メトキシまたはエトキシなど);C−Cシクロアルキルオキシ(シクロプロポキシまたはシクロヘキシルオキシなど)を含む置換基とともに、水素原子の1、2、または3つの独立した置換によって飽和された「C−Cアルキル」基をいう。
【0069】
本発明で使われる「アルキルオキシ」または「アルコキシ」という語は、前に定義しているように、炭素原子の特定の数を含む酸素原子を通じて親分子部分に結合された、直鎖または側鎖C1−4アルキル基をいう。たとえば、C1−4アルコキシは、少なくとも1つ、および多くとも4つの炭素原子を含む直鎖または側鎖のアルコキシを意味する。本明細書に使われる「アルコキシ」の例は、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロポ−2−キシ、ブトキシ、ブト−2−キシ、2−メチルプロポ−1−キシおよび2−メチルプロポ−2−キシを含む。
【0070】
本明細書で使われる「C1−4アルキレン」という語は、C1−4アルキル(メチルなど)、−NHC(=O)CH、またはオキソによって非置換または置換されていてもよい直鎖または側鎖飽和炭化水素リンカー基をいう。このような基の例はメチレン、メチルメチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンなどを含む。
【0071】
本明細書で使われる「C2−4アルケニレン」という語は、一つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含む直鎖または側鎖炭化水素リンカー基をいう。アルケニレン基の例はエチレニレン(ethenylene)およびプロペニレンなどを含み、エチレニレン(ethenylene)が適当である。
【0072】
「ハロゲン」という語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子をいう。
【0073】
本明細書で使われる「アリール」という語は、以下に限定されないが、フェニル、アズレニル、ナフチル、フルオレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、アンスラセニルなどを含む、少なくとも1つの芳香環を有する一環、二環または三環の炭素環システムをいう。
【0074】
本明細書で使われる「置換されたアリール」という語は、前に定義したように、以下に限定されないが、非置換または置換されたC1−4アルキル(メチルまたはエチルなど)、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル(シクロプロピルまたはシクロヘキシルなど)、ハロゲン(フルオロ、クロロまたはブロモなど)、OH、NO、C−Cアルキルオキシ(メチルオキシまたはエチルオキシなど)、C3−6シクロアルキルオキシ(シクロプロピルオキシまたはシクロヘキシルオキシなど)、C1−4アルキルアミノ(メチルアミノまたはエチルアミノなど)、C1−4ジアルキルアミノ(ジメチルアミノまたはジエチルアミノなど)、C3−6シクロアルキルアミノ(シクロプロピルアミノまたはシクロヘキシルアミノなど)を含む置換基とともに、水素原子の1、2、3または4つの独立した置換基によって置換されたアリール基をいう。
【0075】
本明細書で使われる「3−14員のへテロ環」という語は、別段の言及がない限り、安定な3、4、5,6,7,8,9,10,11,12,13または14員の一環、二環または三環(員数を環とした場合、二環または三環をとることはできない、たとえば、3員環は唯一一環をとることができる)を意味し、それらのうちいずれかは飽和、不飽和、または芳香であってよく、炭素原子および、窒素、酸素または硫黄からなる群から独立に選択される、たとえば、1または1−2個または1−3個または1−4個のヘテロ原子を含む1つまたはそれ以上のヘテロ原子環から構成され、上記に定義されたヘテロ環が第2環に縮合される二環または三環の群を含む。窒素原子が環に含まれる場合、環内の二重結合に結合されるか、されないかによって、NまたはNHのいずれかである(たとえば、窒素原子の三価を維持する必要がある場合、窒素が存在する)。窒素原子は置換されてもよくまたはされなくともよい(たとえば、NまたはNR、式中、Rは、上記で定義されたように、HまたはC1−4アルキルである)。ヘテロ環は、ペンダント基と、結果として適当な構造となるヘテロ原子または炭素原子で結合されていてもよい。本明細書に記載されたヘテロ環は、結果として生じる化合物が安定であれば、炭素または窒素原子上で置換されてもよい。ヘテロ環における窒素は四級化されてもよい。縮合環もまた含まれる(たとえば、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、1H−プリン−6イル、フェノチアジニル、アクリジニルまたはフェノキサジニル)。
【0076】
本明細書に使われる「置換された3−14員のヘテロ環」という語は、以下に限定されないが、非置換または置換されたC1−4アルキル(メチルまたはエチルなど)、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル(シクロプロピルまたはシクロヘキシルなど)、ハロゲン(フロロ、クロロまたはブロモなど)、OH、NO、C1−4アルキルオキシ(メチルオキシまたはエチルオキシなど)、C3−6シクロアルキルオキシ(シクロプロピルオキシまたはシクロヘキシルオキシなど)、C1−4アルキルアミノ(メチルアミノまたはエチルアミノなど)、C1−4ジアルキルアミノ(ジメチルアミノまたはジエチルアミノなど)、C3−6シクロアルキルアミノ(シクロプロピルアミノまたはシクロヘキシルアミノなど)を含む置換基とともに、1、2または3個のハロゲン原子の独立した置換によって、1−3個の環の炭素原子上で置換された、3−14員ヘテロ環基をいう。
【0077】
本明細書に使われる「芳香族ヘテロ環」または「ヘテロアリール」は安定した5、6、7、8、9、10、11、12、13または14員の一環または二環の芳香環(員数を環とした場合、二環の芳香環をとることはできない、たとえば、5員環は唯一一環の芳香環をとることができる)を意味し、それらは炭素原子と窒素、酸素、および硫黄からなる群より独立して選択される、1つまたはそれ以上のヘテロ原子、たとえば1または1−2個または1−3個または1−4個のヘテロ原子から構成される。二環式の芳香族ヘテロ環の場合において、2つの環のうち少なくとも1つは芳香族化合物である必要がある(たとえば、2,3−ジヒドロインドール)、両者がそうであってもよい(たとえば、キノリン)。第2番目の環は、上記へテロ環について定義されているとおり、結合することができる。窒素原子は置換されてもよく、または非置換であってもよい(すなわち、上記に定義されているように、NまたはNR、式中RはHまたはC1−4アルキル)。
【0078】
ヘテロ環の例は、以下に限定されないが、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[1,3]ジオキサニル ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル、ベンズイミダゾリニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルフォリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾル、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアンスレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンセニルを含む。
【0079】
本明細書に使われる「低級アルコール」という語は、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなど、C1−4アルコールをいう。
【0080】
本明細書に使われる「不活性溶媒」という語は、ヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、THF、ジクロロメタンなどの非極性溶媒;アセトニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの極性非プロトン性溶媒、および低級アルコール、酢酸、ギ酸および水などの極性プロトン性溶媒を含む溶解化合物と反応することができない溶媒をいう。
【0081】
式(Ia)の化合物および/またはその医薬上許容される塩は:
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−({[2−(エチルオキシ)−ナフタレン−1−イル]メチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{2−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]エチル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[メチル−(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3’N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(1H−プリン−6−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(フェニルアセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(5−フェニルペンタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−[3−({(2S)−2−[6−(メチルオキシ)−ナフタレン−2−イル]プロパノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{1−[(フェニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{1−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{1−[(4−フェニルブチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−(2−ナフタレニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−(3−{[3−(キノリン−4−イル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]アセチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−[3−({[2,4,5−トリフルオロ−3−(メチルオキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−{3−[(N−アセチル−4−フロロフェニルアラニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA ギ酸塩;
9a−(3−{[(3−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(3−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(4−オキソ−4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(5−クロロ−2−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[3−(4−フロロフェニル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(2−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[4−(4−ニトロフェニル)ブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−ブロモフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2E)−3−(キノリン−3−イル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;を含む。
【0082】
式(I)の化合物および/またはその医薬上許容される塩は:
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;を含む。
【0083】
マラリアの「処置」または「治療」は、
i.寄生虫と接触した哺乳類で発育しているマラリアの臨床症状の現れを予防することまたは進行を妨げること
ii.マラリアを抑制すること、すなわち、マラリアの発育またはそれらの再発または少なくとも1つの臨床または亜臨床症状の進行を阻み、抑え、遅らせること、または
iii.マラリアの臨床または亜臨床症状の1つまたはそれ以上を緩和または弱めること、を含む。
【0084】
治療を受けることによる利益は、統計的に重要であるか、または患者または医師にとって少なくとも認知できる。
【0085】
マラリアの「予防処置」はマラリアの発育の危険性を有する対象を治療することを含む。これはマラリア蚊に曝された対象の治療、マラリアが風土病である国に旅行を計画している対象に対する処置およびマラリア蚊の危険に身をさらす対象に対する処置を含む。
【0086】
「維持療法」は、疾病の再発または悪化を予防するために患者に薬の常用量(普通より少ない)を処方している疾病の急性期に対する成功した最初の治療に続く予防的治療である。三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)および卵型マラリア原虫(Plasmodium ovale)の寄生虫は、数年間無症状を維持することができる潜伏肝臓段階を有する。これらの株に対する維持療法は特に重要である。急性期の特徴は悪寒および発熱のような症状を含む。
【0087】
「対象」は動物、詳しくは哺乳類、さらに詳しくはヒトまたは家畜または疾病のモデルとされる動物(たとえば、マウス、サルなど)をいう。一つの態様において、対象はヒトである。本明細書で使われる患者という語は対象と同意語として使われる。
【0088】
「治療上効果のある量」は、障害または疾患の状態を治療するために哺乳類に投与したとき、そのような処置の効果が十分である化合物の量を意味する。「治療上効果のある量」は化合物、疾患およびその重症度および年齢、体重、体調および治療される哺乳類の反応性に依存してさまざまであり、かかり付け医師の裁量で最終的に判断される。
【0089】
医薬組成物
本発明の方法における使用のために、式Iの化合物を原体物質として投与することは可能であり、医薬処方に活性成分が存在することが好ましい、たとえば、薬が、所望の投与法および標準的な医療に関して選択される医薬上許容される担体とともに混合剤の中にあることがあげられる。
【0090】
「担体」という語は、活性成分とともに投与される、希釈剤、賦形剤、および/または増量剤をいう。本発明の医薬組成物は1つ以上の担体の組み合わせを含んでもよい。そのような医薬担体は水、食塩水、含水デキストロース溶液、含水グリセロース溶液などの滅菌液、およびピーナッツ油、大豆油、ゴマ油などの石油、動物、野菜または合成起源の油を含む油をあげることができる。水または含水食塩溶液および含水デキストロースおよびグリセロール溶液は担体として好ましく用いられ、特に注射可能な溶液として用いられる。適当な医薬担体はE.W. Martinの「レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」18版に記載されている。医薬担体の選択は所望の処方法および標準的な医療に関して選択され得る。医薬組成物は、薬および/または可溶化剤を含む結合剤、潤滑剤、懸濁化剤に加えて含んでもよい。
【0091】
「医薬上許容される賦形剤」とは、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的でも望ましくないものでもなく、獣医学的使用ならびにヒトの医薬的使用のために許容される賦形剤を含む医薬組成物を調製するのに有用である賦形剤を意味する。本出願で使われる「医薬上許容される賦形剤」は1つおよびそのような賦形剤1つ以上の両者を含む。
【0092】
本発明にしたがった使用のために、医薬組成物は、経口の、非経口の、経皮の、吸入の、舌下の、局所的、移植、鼻、または経腸的に投与される(または他の粘膜投与される)懸濁液、カプセルまたはタブレットの形態をとることができ、それらは1つまたはそれ以上の医薬上許容される担体または賦形剤を用いた従来の方法で形成され得るということが評価されるだろう。
【0093】
異なる運搬システムに応じて異なる組成物/剤形の必要性があってもよい。化合物のすべてが同じ方法によって投与される必要はないことは理解される。同様に、化合物が1つ以上の活性成分を含む場合、そのときそれらの成分は同じまたは異なる方法で投与されてもよい。実施例として、本発明の医薬組成物は小形ポンプを用いてまたは粘膜経由によって、たとえば、鼻スプレーまたは吸入のためのエアロゾルまたは摂取可能な溶液、または組成物を送り込むために注射可能な形態によって形成される非経口によって、たとえば、静脈注射、筋肉内または皮下注射によって送り込まれるような形態であってもよい。あるいは、剤形は複合的な方法で送り込まれるように形成されてもよい。
【0094】
さらなに本発明は式Iの化合物の治療に効果のある量または医薬上許容される賦形剤とともに混合されたその塩の1つを含む医薬組成物に関する。本発明の医薬剤形は、経口、粘膜および/または非経口投与、たとえばドロップ、シロップ、溶液、使用のために用意された、または凍結乾燥した生成物の希釈物によって調製された注射可能な溶液に適した液体であることもできるが、タブレット、カプセル、顆粒、粉体、ペレット、ペッサリー、座薬、クリーム、軟膏(salves)、ゲル、オイントメント;または溶液、懸濁液、エマルジョン、あるいは経皮または吸入による投与のために適した他の形態としての固体または半固体であることが望ましい。
【0095】
本発明の化合物は速攻型、遅延放出、放出調節、持続放出、パルス条放出、放出制御の使用のために投与され得る。
【0096】
一つの態様において、経口組成物とは、ゆっくりした、遅延放出または適当な位置への放出(たとえば、腸、特に結腸放出)タブレットまたはカプセルである。これらの放出の態様により、胃中の状態に耐性を示すコーティングの使用により制限なしに、損傷または炎症部分が特定されるコロンまたは胃腸管の他の部分で中身を放出が達成され得る。または遅延放出は、分解を単純に遅延するコーティングによって達成される。あるいは2つの態様(遅延放出および適当な位置への放出)は、1つまたはそれ以上の適当なコーティングおよび他の賦形剤の選択によって、単一の剤形に組み合わせることができる。そのような剤形は本発明のさらなる特徴を構成する。
【0097】
遅延放出または適当な位置への放出および/または腸溶性にコーティングされた経口剤形に関する適当な組成物は、水耐性、pH感受性、湿ったとき腸液によって消化されるかまたは乳化される、またはゆっくりとだが通常の速さで剥がれ落ちる物質でコーティングされたタブレット剤形フィルムを含む。適当なコーティング分室は、以下に限定されないが、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、エチルセルロース、セルロース・アセテート・フタル酸エステル、ポリビニルアセテート・フタル酸エステル、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタル酸エステル、メタクリル酸のポリマーおよびそのエステル、およびそれらの組み合わせを含む。以下に限定されないが、ポリエチレン・グリコール、ジブチルフタル酸エステル、トリアセチンおよびトウゴマなどの可塑剤が使われてもよい。フィルムを着色するために色素が使われてもよい。座薬は、ココアバターなどの担体、Suppocire C、およびSuppocire NA50(Gattefosse Deutschlおよび GmbH, D−Weil am Rhein, Germanyにより提供された)などの座薬基剤および水素化パーム油およびパーム核油(C8−C18トリグリセリド)のエステル交換によって得られる他のSuppocire型賦形剤、グリセロールのエステル化および特定の脂肪酸、またはポリグリコシル化されたグリセリド、およびwhitepsol(添加物とともに水素化植物油誘導体)を用いることによって調製される。浣腸剤は、本発明にしたがって適当な活性化合物および溶媒または懸濁液のための賦形剤を用いることによって処方される。懸濁液は、微粉化された化合物、およびカルボキシメチルセルロースおよびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシビニルポリマーおよびその塩、アルギン酸およびその塩、プロピレングリコール・アルギン酸塩、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミドポリマー、ポリビニルメタクリル酸塩、ポリエチレングリコール、プルロニック、ゼラチン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、可溶性デンプン、プルランおよびメチルアクリル酸塩および2−エチルヘキシルアクリル酸塩レシチンのコポリマー、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン水素化caster油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの懸濁液安定剤、増粘剤および乳化剤を含む適当な賦形剤、およびpH範囲が6.5から8までの適当な緩衝系を用いることによって産生される。防腐剤、マスキング剤の使用は適している。微粉化された粒子の平均直径は1および20マイクロメーターの範囲であることが可能であり、または1マイクロメーター以下であることが可能である。化合物は水溶性塩の形態を用いて処方に組み込まれることができる。
【0098】
あるいは、物質は、タブレットのマトリックスに組み込まれてもよい、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースまたはアクリル酸およびメタクリル酸エステルのポリマーがあげられる。これらの後者の物質を圧縮コーティングによってタブレットに適用してもよい。
【0099】
医薬組成物は、投与方法に応じて、異なる剤形を有することが可能である治療上許容される担体とともに治療上効果のある量の活性物質を混合することによって調製することができる。医薬組成物は従来の医薬賦形剤および調製方法を用いることによって調製され得る。経口投与のための剤形は、カプセル、粉体またはタブレットであることができ、そのうちラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ジ−リン酸カルシウム、マンニトールを含む通常固体の賦形剤、ならびに、いかに限定されないが、エタノール、グリセロール、および水を含む通常液体の経口賦形剤が加えられてもよい。すべての賦形剤は崩壊剤、溶剤、増粒剤、保湿剤および結合剤と混合してもよい。個体担体が経口化合物(たとえば、デンプン、砂糖、カオリン、結合剤、崩壊剤)の調製のために使用されるとき、製剤は、粉体、顆粒または被覆粒子を含むカプセル、タブレット、ハードゼラチンカプセル、または制限のない顆粒の形態であることができ、固体担体の量はさまざまである(1mgから1gの間)。タブレットおよびカプセルは好ましい経口化合物の形態である。
【0100】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、たとえば、溶液、懸濁液、またはエマルジョンを含む投与の所望の方法に適するいずれかの形態であってもよい。本発明の実施に用いられるために考慮された液体担体は、特に、調製溶液、懸濁液、およびエマルジョンに用いられる。液体担体、たとえば、水、生理食塩水、医薬上許容される有機溶媒、医薬上許容される油または脂肪など、ならびに2つまたはそれ以上の混合物を含む。液体担体は可溶化剤、乳化剤、栄養素、バッファー、防腐剤、懸濁化剤、増粘剤、粘性調節剤、安定剤などの他の適当な医薬上許容される添加剤を含んでいてもよい。適当な有機溶媒は、たとえば、エタノールなどの一価アルコールおよびグリコールなどの多価アルコールを含む。適当な油は、たとえば大豆油、ココナッツ油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油などを含む。非経口的投与に関して、担体は、エチルオレイン酸塩、イソプロピルミリスチン酸塩、などの油エステルであることもできる。本発明の組成物は、微小粒子、微小カプセル、リポソームのカプセル化されたものなど、ならびに2つまたはそれ以上の組み合わせの形態であってもよい。
【0101】
本発明に用いられる経口組成物のための医薬上許容される錠剤分解物質の例は、いかに限定されないが、デンプン、プレ−ゼラチン化されたデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム塩、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、微晶質のセルロース、アルギン酸塩、樹脂、界面活性剤、発砲化合物、含水ケイ酸アルミニウムおよび架橋ポリビニルピロリドンを含む。
【0102】
本明細書に使われる経口組成物のための医薬上許容される結合剤の例は、以下に限定されないが、アカシア;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ゼラチン、グルコース、デキストロース、キシリトール、ポリメタクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デンプン、プレ−ゼラチン化されたデンプン、トラガカント、xanthane樹脂、アルギン酸塩、マグネシウム−ケイ酸アルミニウム、ポリエチレングリコールまたはベントナイトを含む。
【0103】
経口組成物のための医薬上許容される充填剤の例は、以下に限定されないが、ラクトース、無水ラクトース、ラクトース・一水和物、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース(特に、微晶質のセルロース)、ジヒドロ−または無水−リン酸カルシウム、炭酸カルシウム塩および硫酸カルシウム塩を含む。
【0104】
本発明の組成物に有用な医薬上許容される潤滑剤の例は、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、滑石、ポリエチレングリコール、エチレン酸化物のポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0105】
経口組成物のための適当な医薬上許容される着臭剤の例は、以下に限定されないが、花、果実(たとえば、バナナ、リンゴ、サワーチェリー、ピーチ)の抽出物などの合成および天然アロマオイルおよびそれらの組み合わせ、および類似の芳香剤を含む。それらの使用は多くの要因に依存する、最も重要なことは医薬組成物として受け入れられる人々にとって官能的に許容されることである。
【0106】
経口組成物のための適当な医薬上許容される染料の例は、以下に限定されないが、二酸化チタニウム、ベータ−カロテンおよびグレープフルーツの皮の抽出物などの合成および天然染料を含む。
【0107】
経口組成物のための医薬上許容される甘味料の適当な例は、以下に限定されないが、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、チクロナトリウム、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクトースおよびスクロースを含む。
【0108】
医薬上許容される緩衝剤の適当な例は、以下に限定されないが、クエン酸、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムおよび水酸化マグネシウムを含む。
【0109】
医薬上許容される界面活性剤の適当な例は、以下に限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートを含む。
【0110】
医薬上許容される防腐剤の適当な例は、以下に限定されないが、溶媒などのさまざまな抗菌および抗真菌剤溶媒、たとえば、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第4級アンモニウム塩、およびパラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)を含む。
【0111】
医薬上許容される安定剤および酸化防止剤の適当な例は、以下に限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオ尿素、トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールを含む。
【0112】
本発明の化合物は、たとえば座薬として、たとえば医学または獣医学の使用のための従来の座薬基剤を含むものまたはペッサリーとして、たとえば従来のペッサリー基材を含むものとして処方され得る。
【0113】
本発明による化合物は、医学および獣医学における使用のための局所性投与として、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、シャンプー、パウダー(スプレーまたは散布剤を含む)、ペッサリー、タンポン、スプレー、滴下、エアロゾル、点滴薬(たとえば、点眼薬、点耳薬、点鼻薬)または注ぐものの剤形で処方され得る。
【0114】
皮膚に局所的に塗布するために、本発明の試薬は、たとえば以下:ミネラルオイル、液化ワセリン、白ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、液化パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水:の1つまたはそれ以上とともに混合したものの中に懸濁または溶解された活性化合物を含む適当な軟膏として処方され得る。そのような組成物は、ポリマー、オイル、液化担体、界面活性剤、緩衝剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、保湿剤、皮膚軟化剤、着色剤、および着臭剤などの他の医薬上許容される賦形剤含むことができる。
【0115】
そのような局所的な組成物のための医薬上許容されるポリマーの例は、以下に限定されないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどのアクリルポリマー;セルロース誘導体;アルギン酸塩、トラガカント、ペクチン、キサンタンおよびシトサンなどの天然ポリマーを含む。
【0116】
示されているように、本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入剤によって投与され、乾燥粉末吸入器または加圧容器、ポンプ、スプレーまたは適当な推進剤、たとえば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134AT)または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227EA)、またはそれらの組み合わせなどのヒドロフルオロアルカン、の使用に伴う噴霧器から提供されるエアロゾールスプレーの形態で都合よく運搬される。圧搾エアロゾルの場合、投薬量は測定された量を運搬するために弁を用いることによって決定される。加圧容器、ポンプ、スプレーまたは噴霧器は、たとえば、エタノールおよび、たとえばトリオレイン酸ソルビタンなどの潤滑剤を追加的に含んでもよい、溶媒としての推進剤の混合物を用いて、活性化合物の溶液または懸濁液を含んでいてもよい。
【0117】
吸入器に用いるためのカプセルおよびカートリッジ(たとえば、ゼラチンにより作られる)は化合物の粉末混合物およびラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤を含むために処方されてもよい。
【0118】
吸入による局所投与のための本発明による化合物は医学または獣医学に使用のために噴霧器を用いて運搬されてもよい。
【0119】
本発明の医薬組成物は活性物質を単位体積あたりの重量0.01から99%まで含んでもよい。たとえば、局所性投与のための組成物は0.01−10%一般的に含み、さらに好ましくは活性物質の0.01−1%を含む。
【0120】
本発明の化合物の治療上効果のある量は、当該技術分野で知られる方法により決定することができる。治療的に効果のある量は、年齢および患者の生理的状態、投与経路および使用される医薬上の剤形に依存する。また、それは患者に感染したマラリア寄生虫株によって決定される。薬用量は、一般的に約10と2000mg/日との間であり、好ましくは、約30と1500mg/日との間である。他の範囲でも使用されてよく、たとえば、50−500mg/日、50−300mg/日、100−200mg/日を含む。予防的治療に必要な化合物の量は、予防的に効果のある投薬量と言われ、治療薬物療法の記載と一般的に同様である。
【0121】
投与は、1日に1回、1日に2回、またはそれ以上であってもよく、疾病または障害の維持期間は、たとえば毎日または1日に2回に代えて、2日または3日おきに1回に減らされてもよい。1回分量および投与は、当業者に知られる、少なくとも1回、または好ましくはそれ以上の急性期の臨床的兆候の減少または非存在とともに、寛解期の維持によって確認される臨床的兆候にしばしば依存する。
【0122】
調製方法:
式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、下記に概説する一般的な方法、本発明のさらなる態様を構成する方法によって調製されてもよい。下記の記載において、R、R、R、R、X、A、Qおよびmの群は、特に明記しない限り、式(I)の化合物のために定義された意味を有する。式(I)の化合物の調製に用いられる中間体の保護された誘導体を好ましく用いることは、当業者であれば理解されるだろう。官能基の保護および脱保護は、当該分野でよく知られる方法によって行われてもよい。ヒドロキシルまたはアミノ基は、ヒドロキシルまたはアミノ保護基を用いて保護されてもよい(たとえば、GreenおよびWuts、有機合成の保護基(Protective Groups in organic Synthesis)John WileyおよびSons、ニューヨーク、1999に記載されているように)。保護基は従来の方法によって取り除かれてもよい。たとえば、アシル基(アルカノイル、アルコキシカルボニルおよびアリロイル基など)は加溶媒分解(たとえば、酸性または塩基性下で、加水分解することによって)によって取り除かれてもよい。アリールメトキシカルボニル基(たとえば、ベンジルオキシカルボニル)は、炭素上パラジウムなどの触媒存在下において、水素化分解によって開裂されてもよい。
【0123】
目的化合物の合成は、当業者に広く知られた標準的な技術を用いた、最後から2番目の中間体に存在する保護基を取り除くことによってなされる。その後、シリカゲルクロマトグラフィ、シリカゲル上HPLCなどまたは再結晶など標準的技術を用いて、最終生成物を必要に応じて精製する。
【0124】
本明細書中に記載されるように、式中、XがNRおよびRが水素、およびQがC1−4アルキレンである式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は式(IV)
【化22】

(IV)
の化合物から式(V)
【化23】

(V)
のアルデヒドとともに還元的アルキル化によって、低級アルコール(メタノールなど)、ジクロロメタン、または他の不活性溶媒中、還元剤を用いて、0℃から溶媒の還流温度までの温度で、調製され得る。適当な還元剤は、たとえば、炭素上パラジウムまたは炭素上プラチナなどの触媒存在下でのホウ化水素金属(ホウ化水素ナトリウムなど)または水素である。
【0125】
本明細書に記載されるように、式中、XがNRおよびRがC1−4アルキルである式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、メタノール、ハロヒドロカーボン(たとえば、ジクロロメタンまたはクロロホルム)またはDMF中などの溶媒中で、適当な還元剤を用いて、式(VIa)または(VIb)
【化24】


で示されるアルデヒドとともに還元的アルキル化によって、式中、XがNRであり、Rが水素である式(I)の化合物から調製され得る。適当な還元剤は、たとえば、ホウ化水素(ホウ化水素ナトリウムなど)または炭素上パラジウムまたは炭素上プラチナなどの触媒存在下における水素である。
【0126】
本発明のさらなる実施例において、式中、Qが一重結合であり、XがNRである、式(I)の化合物は、式中、Lが適当な脱離基である式A−L(VII)の化合物とともに、式(IV)の化合物の反応によって調製されてもよい。この反応のための適当な脱離基はハロゲン(たとえば、塩素、臭素またはヨウ素)を含む。この反応は、ハロヒドロカーボン(たとえば、ジクロロメタン)、エーテル(たとえば、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン)、アセトニトリルまたは酢酸エチルなど、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−ピロリドンおよび塩基存在下で適切に行われる。使われてもよい塩基の例は、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザ二シクロ[5.4.0.]undec−7−ene(DBU)などの有機塩基、または、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水素化カリウムなどを含む。反応は0℃から120℃の温度で行われる。
【0127】
他の態様において、式中、XがNHC(O)である、式(I)の化合物は、式HOC(O)(CH2)1−4A(VIII)のカルボン酸の適当な活性化した誘導体とともに、式(IV)の化合物から始めて調製されてもよい。カルボキシル基の適当な活性化された誘導体は、対応するハロゲン化アシル、混合された無水物またはチオエステルなどの活性化されたエステルを含む。この反応は、ハロヒドロカーボン(たとえば、ジクロロメタン)またはN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中またはジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンなどの3級有機塩基の存在下または無機塩基(たとえば、水酸化ナトリウム)の存在下で、0℃から120℃の間の温度で、適切に行われる。
【0128】
さらなる態様において、式(IV)の化合物および式(VIII)の化合物との間の反応は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]undec−7−ene(DBU)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)などのカルボジイミドの存在下で行われてもよい。
【0129】
他の態様において、式中、XがC(O)NHである式(I)の化合物は、式A−(CH2)1−4−NH2(X)のアミンとともに、式(IX)の化合物を発端として調製されてもよい。この反応は、ハロ炭化水素(たとえば、ジクロロメタン)またはN,N−ジメチルホルムアミド、低級アルコール(たとえば、tert−ブタノール、イソ−プロパノール、エタノールまたはメタノール)など適当な不活性溶媒中で、EDCまたはジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基またはDBUの存在下、無機塩基(たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムおよび水酸化カリウム)の存在下で、0℃から120℃の範囲の温度で適切に行われる。
【化25】

(IX)
【0130】
式(IV)の化合物は、式中、Lが適当な脱離基であり、続いてニトリルの還元によってアミノ基となる式(XI)のニトリウ含有求電子剤とともに、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I(1986)1881−1890頁)の反応によって調製されてもよい。この反応のための適当な脱離基は、ハロゲン(たとえば、塩素、臭素またはヨウ素)、OTsまたはOMs基を含む。
【化26】

(XI)
【0131】
式(IX)の化合物は式中、Lが適当な脱離基であり、続いて塩基性条件下で、エステル加水分解する式(XII)の化合物とともに、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I(1986)1881−1890頁)の反応によって調製されてもよい。この反応のための適当な脱離基は、ハロゲン(たとえば、塩素、臭素またはヨウ素)を含む。
【化27】

【0132】
特定の態様において、式中、mが2である式(IX)の化合物は、続いて塩基性条件下で、エステル加水分解される酢酸メチルまたはエチルとともに、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAの反応によって調製されてもよい。式(V)、(VIa)、(VIb)、(VII)、(VIII)、(X)、(XI)、(XII)および9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAの化合物は、商業化が可能であるか、または当該技術分野に広く知られる方法によって、容易に調製され得る。
【0133】
本発明の対象を表す、医薬上許容される酸付加塩は、塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフロロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、シュウ酸、サリチル酸および同様の酸などの対応する無機酸または有機酸の少なくとも等モル量とともに、反応に対して不活性溶媒中で式(I)の化合物を反応させることにより得られる。
【0134】
無機または有機酸とともに、式(I)の化合物および医薬上許容される付加塩とは、インビトロにおいてこうマラリア活性を有する。
【0135】
生物学的アッセイ
マラリアの治療および/または予防に治療的有用性のある本発明の化合物のための可能性を、たとえば、1つまたはそれ以上の下記のアッセイを用いて証明することができる:
インビトロスクリーニングプロトコルI
内因性の抗マラリア活性のためのインビトロスクリーンは、Desjardins RE,Canfield CJ,Haynes JD,Chulay JD.(半自動微量希釈法によるインビトロでの抗マラリア活性の定量評価、Antimicrob Agent Chemother.16(6)(1979)710−718)、Chulay JD,Haynes JD,Diggs CL.(熱帯熱マラリア原虫:[3H]ヒポキサンチンによるインビトロ成長の評価 Exp.Parasitol.55(1983)138−146.)、およびMilhous WK,Weatherly NF,Bowdre JH,Desjardins RE.(antifol抗マラリア薬Antimicrob.Agents Chemotherに耐性のインビトロ活性およびメカニズム.27(4)(1985)525−530)によって記載された方法の修飾に基づいたものであった。その機構は、無性赤血球生活環(血液殺シゾント薬)に対する内因活性の評価に限定された。CDC/インドキナIII(W−2)およびCDC/シエラレオネ(Sierra Leone)I(D−6)(Oduola AM,Weatherly NF,Bowdre JH,Desjardins RE.熱帯熱マラリア原虫:単一赤血球顕微操作によるクローニングおよびインビトロの不均一性.Exp Parasitol.66(1)(1988)86−95)からクローン化された2つの熱帯熱マラリア原虫はすべてのアッセイのために用いられた。タイから単離された多剤耐性、TM91C235(Antimicrob.Agents Chemother.46(8)(2002)2627およびAntimicrob.Agents Chemother.43(3)(1999) 598−602)はプレスクリーニングアッセイのために用いられた。W−2は、クロロキン、キニーネ、およびピリメタミンに耐性であり、メフロキンの影響を受けやすい。D−6は、メフロキンに対してより耐性がある傾向にあり、クロロキン、キニーネ、およびピリメタミンの影響を受けやすい。この段落に引用されるすべての資料は全体として参考文献により組み込まれる。
【0136】
すべての寄生虫は、洗浄された6%ヒトA陽性(A+)(赤血球、25mMヘペス、32nM NaHCO、および熱不活性化した10%A+ヒトプラズマまたはALBUMAX(登録商標)(脂質の多いウシ血清アルブミン;Invitrogen,Carlsbad,CA)が補充されたRPMI−1640培地中で、連続した長い期間の培養において維持された。すべての培養およびアッセイは、窒素の均衡を保ちながら、5%COおよび5%Oの雰囲気下、37℃で実施された。
【0137】
プレスクリーニングアッセイ
プレスクリーニングアッセイは、無葉酸および無p−アミノ安息香酸培地RPMI−1640およびALBUMAX(登録商標)で、1%ヘマトクリットに0.4%寄生虫血で希釈されたTM91C235を用いる。化合物の1mgは、典型的に100μlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解される。化合物は、ALBUMAX(登録商標)とともに無葉酸培養培地で、最初の濃度に比してさらに希釈される。保存薬濃度の残りは、−70℃に維持された。単離株は、試験化合物の3つの濃度(25,000ng/ml,2,500ng/ml,および25ng/ml)で、自動化された研究室ワークステーションBIOMEK(登録商標)2000を用いて、96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)で48時間、重複して露出された。各MTPは、化合物の相対活性を評価するためおよびTM91C235の応答をモニターするため、対照としてクロロキンを含む。
【0138】
前培養後、[3H]−ヒポキサンチンをMTPの各ウェルに添加した。(アッセイは、複製を暗示する寄生虫によって、放射性同位体でラベルを付されたヒポキサンチンの取り込みに依存し、アイソトープ組み込みの抑制は、広くしられまたは候補の抗マラリア薬の活性に起因した。全培養時間の72時間後、MTPは赤血球および寄生虫を溶解させるため、凍結された。寄生虫DNAは、Packard FilterMate(トレードマーク) 細胞回収装置を用いてガラス繊維フィルタープレート上に、溶解物を集菌することによって回収された。放射能はPackard TopCount(トレードマーク) マイクロプレートシンチレーションカウンターで数えられた。その結果は、3つの未治療の感染寄生虫対象ウェルからカウント毎分(CPM)の算術平均によって分けられた核試薬濃度で、ウェルにつきCPMとして記録された。
【0139】
連続希釈アッセイ
化合物が25,000ng/mlで寄生虫の成長に影響しなければ、それを不活性として分類した。化合物が、25,000ng/ml、しかし2500ng/mlで50%以下で未治療感染対照の算術平均から2つの標準偏差以上に抑圧された場合、化合物は部分的活性として指定された。しかしながら、2500ng/mlの未治療感染対象寄生虫と比べて、化合物が[3H]−ヒポキサンチンの組み込みの50%以上を抑制した場合、その化合物を十分な活性として分類し、さらにIC50値(50%抑制濃度)を決定するために倍数連続希釈によって評価した。
【0140】
連続希釈アッセイは同じアッセイ条件および上述した予備スクリーンのために使われた化合物の保存溶液を用いて実施された。D−6およびW−2クローンの両者を使用した。化合物を予備スクリーンに基づいた初期濃度とともに11個の異なる濃度範囲に倍数希釈した。各試薬のために、濃度応答プロフィールを決定し、50%抑制濃度(IC50)を非線形、用量反応ロジスティック解析プログラムを用いることによって決定した。このアッセイから得られた結果が予備スクリーンの濃度範囲と一致しなかった場合、アッセイを繰り返した。各アッセイに関して、各クローンのIC50を、広く知られた抗マラリア薬のクロロキンおよびメフロキンに対して決定した。これらの対照値により、広く知られた抗マラリア薬と比較して化合物の相対的な寄生虫の罹患率のプロフィールが構築された。
【0141】
IC50は、本明細書に記載のアッセイにおいて異なる単離株/クローンを用いることによって、多様な地理的位置から薬剤抵抗単離株/クローンに関して、同様に決定され得る。上記したこのアッセイは、化合物の抗マラリア薬活性を決定するために式(I)によるサンプルと異なるマラリア株由来の単離株/クローンの両者を用いて反復され得る。たとえば、上記アッセイは、マラリア株の(メフロキン、クロロキン、およびキニーネに耐性があると報告された)TM91C235、(メフロキンに耐性があると報告された)D6、および(クロロキンに耐性があると報告された)W2のIC50値を決定するのに用いることができる。
【0142】
インビトロスクリーニングプロトコルII
本明細書に記載されたプロトコルはインビトロスクリーニングプロトコルIの修飾であり、方法論の詳細は以下のとおりである。
【0143】
I.材料
寄生虫
熱帯熱マラリア原虫株3D7AおよびW2
培養培地
培養培地は、10%プールヒト血清AB(Bioreclamation HMSRM−AB))およびHT補足(0.15mMヒポキサンチンおよび24マイクロMチミジン),(GIBCOTM cat.ref.:41065)で補充された25mMヘペス、重炭酸ナトリウムおよびグルタミン(GIBCOTM cat.ref.:52400)とともにRPMI1640を含む。ヒト血清は、56度で30分間補体除去され、分割されて培養培地の使用まで−20℃で凍結保存した。
この培養培地(「完全培地」)は、使用や37℃までの余熱前に、新しいものに通常用意された。
【0144】
赤血球
赤血球AB−保存懸濁液は、スペイン赤十字(サンプリング後25日)によって提供された、インコンプリートな献血由来の全血液バッグから調製された。この「全血」は分割され4℃で保存された。
【0145】
アッセイのために赤血球細胞を調製するために、全血を遠心分離し、血清のないRPMIとともに3回洗浄した。白血球細胞を含む上清を除去した。洗浄した赤血球を完全培地にて50%懸濁液として維持した。調製された細胞を4℃で保存し、調製後4日間までの間にアッセイに供した。
【0146】
II.組成物
化合物調製
アッセイ当日に、試験組成物を100%DMSOに2mg/mlで溶解した。もし必要であれば、微温(混合物を37℃以下の温度で温めた)および超音波処理(超音波バス)によって完全溶解を達成した。
【0147】
試験化合物が寄生虫に加えられる前に、完全培地に関する上記と同じ方法にて用意された培養培地(しかし、ハイポキンチンは含まない)で、化合物の溶液中におけるDMSOのパーセンテージを溶液のさらなる希釈によって減らした。寄生虫の発達に好ましくない影響を及ぼさないように、アッセイプレートでのDMSOの最終濃度が0.2%を超えることは許されなかった。
【0148】
IC50決定のために、一定量のDMSOが存在する完全培地で、10連続倍数希釈を調製した。100%DMSOまたは沈殿物中の保存溶液の不溶性の明らかな様子を記録した。
【0149】
III.熱帯熱マラリア原虫培養(寄生虫)
熱帯熱マラリア原虫株は、出典、Trager W.およびJensen J.B.(連続培養におけるヒトマラリア寄生虫 Science 193(4254)(1976)673−675)およびTrager W.(マラリア寄生虫の培養 Methods Cell Biol.45(1994)7−26)の方法を用いた連続培養での5%ヘマトクリットの完全培地中で維持された。
【0150】
寄生虫血は、光学顕微鏡で寄生した赤血球のパーセンテージを勘定することによって算出された。毎日、各培養フラスコから血液の薄膜を作り、メタノールで固定して、pH7.2の10%緩衝用水で10分間ギムザ(Merck,cat.ref.:1.09204)染色した。スライドガラスを100×油浸対物レンズを装備した光学顕微鏡(Nikon,Eclipse E200)で観察し、勘定した。
【0151】
培養は、培地の毎日の交換とともに5%へマトリックで維持され、寄生虫血が5%に達したとき希釈された寄生虫集団は非同期性であり、寄生虫の最初の数の3から3.5倍の通常の成長率を日々示した。
【0152】
成長は、低酸素雰囲気下(5%CO、5%O、95%N)、37℃で培養された培養フラスコ内で達成された。
【0153】
IV.IC50アッセイ
[3H]ヒポキサンチン取り込みアッセイは、出典、Desjardins R.E.ら(半自動微量希釈法技術によるインビトロにおける抗マラリア活性の定量評価、Antimicrob.Agents Chemother、16(6)(1979)710−718)の方法を用いて実施された。アッセイは96ウェルの平底マイクロプレートで行われた。
【0154】
1.各試験化合物(5倍溶液の25μl/ウェル)の連続希釈は、アッセイマイクロタイタープレートの1列に沈殿した。本発明の化合物をこのアッセイで試験した。各アッセイに対して、クロロキンおよびアジスロマイシンを対照化合物として使用した。
【0155】
2.接種材料を、完全培地に関して上記と同じ方法で調製された培養培地(しかし、ヒポキサンチンは含まなかった)において、1.5%ヘマトクリットおよび0.4%寄生虫血で、寄生した赤血球細胞(PRBCs)の懸濁液として調製した。結果として生じた懸濁液の100μlを、ウェルにつき、1.2%ヘマトクリットおよび0.4%寄生虫血ウェルこと125μlの最終量に先んずるアッセイマイクロタイタープレートのカラム1−11の各ウェルに分配した。
【0156】
3.各プレートにおいて、2つのカラムを対照ウェルに確保した:
カラム11(ウェルA11−H11を含む):陽性対照ウェル:試験化合物で処理された培養と比較した未処理のPRBCs。
カラム12(ウェルA12−H12を含む):
背景値ウェル:非感染のRBCs−寄生虫なしでRBCsから解釈する背景を得るための空対照(1.2%ヘマトクリット値)。
【0157】
4.プレートを低酸素雰囲気下、37℃で培養した。培養の48時間後、放射性同位体でラベルを付けられた[3H]ヒポキサンチン懸濁液(Amersham Biosciences,Ref.TRK74)(余熱された、ハイポキサンチンを含まない、0.008mCi/ml、最終濃度0.2μCi/ウェルの収率の完全培地で調製された)の25μlを、各ウェルに加え、さらに24時間培養した。プレートを−80℃で一晩凍結させることによって組み込みを停止した。
【0158】
5.成長を、[3H]−ヒポキサンチンの寄生虫核酸への取り込みの水準を測定することにより数量化した。プレートを解凍した後、ウェルの中身をガラス繊維ろ紙上で、半自動細胞採集装置(semi−automated cell−harvester)(Harvester 96,TOMTEC)を用いて採集した。フィルターを乾燥させ、メルトオンシンチレーター(Meltilex(登録商標)、PerkinElmer cat.ref.:1450−441)で処理した。放射能の取り込みをベータカウンター(Wallac Microbeta,PerkinElmer)で測定した。
アッセイを少なくとも独立して3回繰り返した。
【0159】
V.データ解析
各ウェルの数値を絶対値から背景値を差し引くことによって修正した。各プレートのための基礎環境を非感染対照ウェルのカウント毎分(cpm)における平均値として見積もった。
【0160】
各試験化合物の各濃度に関して、抑制のパーセンテージを、未処理のPRBCsを含む対照ウェル(カラム11に位置するウェルからのcpm平均値)から得られた数値と比較して見積もった。
【0161】
各化合物に関して、GaphPad Prism4.0 ソフトウェアを用いた非線形回帰を、寄生虫の発生を50%抑制する濃度に対応するIC50値を得るために調整した。
【0162】
その結果を、異なった日に実施された少なくとも独立して3回の実験の平均IC50値±標準偏差として表した。
【0163】
薬剤動態パラメーターの評価
試験化合物の薬剤動態パラメーターの評価をCD−1マウスにおいて連続尾静脈サンプリングに続いて静脈注射(intravenous,IV)および強制経口(oral gavage,OG)投与を実施してもよい。試験化合物の薬剤動態および生体への利用能を、オスのCD−1マウスへの1回の静脈注射または経口投与の後に評価した。連続血液サンプルを各動物の尾静脈を通して採取した。その後、試験化合物の血液水準をLC/MS/MSによって決定した。解析に続いて、DNAUC、Cmax、半減期、クリアランスおよび分配量などのパラメーターを見積もった。
【0164】
すべての投薬溶液を投薬当日に新しく調製した。予め加熱した化合物を直接再構成して最終濃度2.5mg/mLとすることによって、投薬溶液を調製した。同じ投薬溶液を静脈注射および強制経口投与に用いた。各投薬溶液に用いられてもよい賦形剤はサリン(最大10mg/mLまで)、またはサリン、エタノールおよび酢酸(完全溶解を達成するために酢酸の量を各化合物に対して調整する)の混合物を含む。
【0165】
試験化合物の薬剤動態をオスのCD−1マウスにおいて評価する。研究は隠されない。核投与経路はN=3として投薬される。外科的修飾を受けないマウスを1個のケージに3匹収容する一方、外科的修飾されたマウス(静脈注射するグループためだけに内頸状脈カテーテル)を1個のケージに1匹収容した。その後、研究前および研究中、投与から4時間後に餌が与えられるまで、最低12時間動物に餌を与えない。随意に水を与える。静脈注射の投薬に関して、投薬量は計5mg/Kg投与量の2mL/kgであり、経口投与に関して、投与量は計25mg/kg投与量の10mL/kgである。
【0166】
サンプリング時間は、IV投薬に関して:投薬後1、3、6、24および30時間後に5および20分間であり、OG投薬に関して:投薬後1、3、6、24および30時間後15および30分、に従う。
【0167】
24時間までの各時点で、血液25μLを尾静脈から採取した。30時間経過時点で、サンプルを心穿刺で採取した。その後、各血液サンプル25μLを標識されたポリプロピレンチューブに置き、HPLC水25μLを加えた。これらのサンプルを短時間にボルテックスし、その後−60℃から−80℃に維持設定された冷凍庫で保存した。サンプルを分析のために解凍するまで冷凍維持する。
【0168】
沈殿方法(内部標準−クラリスロマイシン100ng/mLを含むアセトニトリル)を用いて、サンプルを分析する。手短に、試験化合物をアセトニトリル沈殿を経て、血液サンプルから抽出し、LC/MS/MSにより分析した。精度と精密さを決定するために、各試験化合物のための分析方法は1日選考研究検証実施に供する。すべて濃度を遊離塩基濃度として表す。動物からサンプルを採取する間、HPLC水の添加を説明するために、2つの希釈因子をすべてのサンプルに当てはめる。
【0169】
3つの濃度で曲線につき最低8箇所、および最低6つの品質管理サンプル(QCs)を伴う1つの標準曲線は各分析実施をとおして分散される。少なくとも5/8標準は最低限の計量を除いてわずか±20%の範囲内である。精度基準に合わない標準物質は較正曲線から省く。すべてのQCsは受け入れられるわずか±20%の範囲内である。バッチQCsの少なくとも2/3および各水準の少なくとも1つは実施が受け入れられるために受入れ基準を通過しなければならない。
【0170】
各試験化合物のための、個々の血液濃度対時間データを、薬剤動態プログラムWinNonlin v.4.1ソフトウェア(Pharsight Co., Mountain View,CA94040)を用いる非コンパートメント解析に供する。名目上投薬溶液濃度をすべての計算に用いる。
【0171】
インビボにおけるマラリアマウススクリーン:トンプソンテスト
インビボマウススクリーンの修飾されたトンプソンテストにより血液殺シゾント活性を検証する。
【0172】
トンプソンテストは以下のように行われる:Charles Riverで購入した、体重16−17g、生後4−5週のオスのCD−1マウスを1個のケージに5匹入れ、感染させる前4−7日間慣らす。それらを12時間明−12時間暗のサイクルとともに、24℃で維持する。マウスに標準的なRalston Purina(トレードマーク) mouse chowを食べさせ、水をad−libidumに与えた。ケージ、トウモロコシの穂軸のベッド、および水は隔週で交換される。
【0173】
薬剤感受性、Plasmodium berghei、KBG173株は、実験0日目に、マウスに感染させるために用いられる(1グループにつき6匹のマウス)。無処置対照はそれぞれの実験で実施される。陽性対照群は必要に応じて含む。
【0174】
それぞれの化合物を乳鉢および乳棒で磨り潰す。化合物の剤形は化合物の溶解特性および化合物投与経路に依存する。インビボ薬剤スクリーンを実施するのに必要な方法は31日に及ぶ。下に挙げられたすべての日は0日に関連し、その日の試験マウスにマラリア寄生虫を感染させる。初日に、インビボマネージャーアプリケーションを用いて、動物の体重測定を行う。Windows(登録商標) 2000ノートブックコンピュータ上に実施されるアプリケーションは、コンピュータの直列ポートと接続されたバランスとともに直接連結する。Plasmodium berghei(KBG173株)の薬剤感受性株で感染させた赤血球5×104個をマウスの腹腔内に接種する。接種材料を5−10%の寄生虫血を有するドナーマウスから得る。3,4および5日に動物の体重を測定し、マウスの体重に応じて化合物をPOまたはSCのいずれかに投与する。試験化合物は、マウスの体重に対して10mL/Kgで与えられる。化合物は、感染後第3日目から3日間、6時間あけて、1日に2回投与される。6日目に、血液塗抹標本をつくり、ギムザ染色を用いて寄生虫血を決定し、そして動物の体重を測定する。7日目、動物の体重を測定する。10、13、17、20、24、27、および31日に血液塗抹標本をつくり、動物の体重を測定した。研究の間で、体重の20%以上を失ったマウスを安楽死する。
【0175】
定義およびトンプソンテストのテスト結果の解釈:
対照の平均生存時間(MSTC)は、感染した、未治療の、負のコントロール群のための感染後生存した平均日数である。
治療された平均生存時間(MSTT)は、感染し、投薬量水準のそれぞれの実験化合物で処置された群のための、感染後生存した平均日数である。
【0176】
最大耐量(MTD)とは毎日の最高投与量である。中毒死は:死んだまたはMSTC(対照の平均生存時間)前に犠牲になった動物であり、治験責任医師に中毒死であると判断される。もし、中毒死が記録されなければ、MTDは試験された最高投与量より多く報告される。もし、1匹またはそれ以上の動物が試験された最低量の投与量で中毒死した場合、MTDは最低の投与量より少なく報告される。
【0177】
最小限活性投与量(MAD)はMSTCに関連する2つの因子によって平均生存時間を延長する日々の最低投与量である。MADを見積もるために、対照試験動物のための平均生存時間(MSTC)および試験動物(MSTT)が各投与群のために見積もられる。各投与量のためのMSTT地はMSTCと比較される。MSTC×2と等しいまたは超えるMSTTに関する差最低投与量は最小活性投与量とみなされる。毒性により瀕死の動物はこの分析から除外される。
【0178】
最小限治療投与量(MCD)は、実験の最終日(すなわち、トンプソンテストの31日目)に実施される血液検査に基づいて、少なくとも1匹の動物を治す最低投与量である:治癒した道仏は実験の最終日に陰性血液塗抹標本を有し、弱った動物は実験の最終日に陽性血液塗抹標本を有する。動物が治癒されなければ、MCDは試験された最高投与量以上に報告される。すべての動物が治癒されれば、MCDは試験される最低投与量以下に報告される。
【0179】
治療薬50はマウスの50%を治癒する化合物の毎日の投与量である。実験の最終日に陰性血液塗抹標本を有する動物が治癒したとみなされる。毎日の特定の投与量が動物の50%を治癒する場合、投与量はCD50として報告される。そうでなければ、CD50は、実験における「投与量−生存パーセント」線形回帰から見積もられる。すべての群における生存率が50%未満であれば、CD50は試験された最高投与量より多く報告される。すべての群において、生存率が50%以上であれば、CD50は試験された最低投与量より低く報告される。マラリアにより死んだ動物のみがこの分析に含まれる。
【0180】
抑制投与量50および90は、感染した未治療の対照に対して、50%および90%の割合で寄生虫を抑圧する化合物の毎日の投与量である。SD50は、治療の3日後および陰性対照が死に始める前、感染後6日に集められたデータから決定される。SD50およびSD90を見積もるために、感染された、未治療の対照に対する平均パーセント寄生虫血が見積もられ、この値を定数を用いて100%に標準化する(平均%寄生虫血×C=100%)。その後、各動物に対する6日目の寄生虫血はCによってそれを増やすことで標準化される。これらの投与量−標準化ペアは、SD50およびSD90を決定するために、非線形回帰によって分析される。動物試験においてサンプルの大きさがしばしば小さいため、回帰分析は唯一実行される:(a)抑制値が50%より少ない動物が少なくとも4匹いれば、この条件が合わないなら、SD50およびSD90値が試験された化合物の最大投与量より多く報告され:(b)抑制値が50%以上の動物が少なくとも4匹いれば、この条件が合わないなら、SD50およびSD90値は試験された化合物の最大投与量より少なく報告される。
【0181】
推定原因予防試験
推定原因予防試験により試験化合物が、マウス内でPlasmodium yoeliiの種虫または赤血球外発育期(EE)のいずれかの段階に対して活性を有するかどうかを決定する。種虫またはEE段階のすべてを殺した場合、その後血流寄生虫は出現しない。もしこれらの無性組織段階のいくつかが殺された場合、その後寄生虫血で減少するだろう。マウスは最終的に自己治癒し、マウスの多くは生存する。該化合物は観察された寄生虫血に基づいて活性または不活性のいずれかで挙げられるだろう。
【0182】
推定原因予防試験は、寄生虫の相対的に短い前赤内期および試験化合物の未知の生物学的半減期のために、誤った陽性結果を生じることがある。したがって、推定活性および陽性反応に関して、アカゲザルにおけるPlasmodium cynomolgiなど他のシステムで確認されるべき試験であると考えられる。
【0183】
推定原因予防試験は下記のように実施される:Charles Riverから購入した体重16−17gの、生後4から5週の老いたオスCD−1マウスを1個のケージにつき5匹置き、処置および感染させる前に4−7日間慣れさせた。動物を12時間明および12時間暗のサイクルとともに、24℃で維持する。マウスに標準的なRalston Purina(トレードマーク) mouse chowを食べさせ、水をad−libidumに与えた。ケージ、トウモロコシの穂軸のベッド、および水は隔週で交換される。
【0184】
それぞれの試験化合物を乳鉢および乳棒で磨り潰す。経口的に投与される(PO)化合物を0.5%ヒドロキシエチルセルロース−0.1%Tween80に懸濁する。皮下に投入されるこれらをピーナッツ油に懸濁する。各化合物を3つの異なる投与量水準にて調製する。
【0185】
Plasmodium yoelii 17XNL株を、種虫が単離された蚊に感染させられるマウスに感染するのに使われる。試験化合物の投与の4時間後に、1mLに2.5×105個の種虫の接種材料が上記試験マウスに接種されるのに使われる。EE期は肝臓にわずか2日間存在し、ヒプノゾイト期は存在しない。マウスはしばしば血液期感染から自己治癒する。
【0186】
感染した薬剤による治療を受けない対照は、種虫の生存能力の検証のため各実験に用いられる。これらの種虫を特許感染に用いる間、マウスは血液陰性を維持してもよい。予防として化合物を判断するとき、陰性対照において開存率が100%以下のとき、注意をしなければならない。試験が成功であると認めるには開存率が80%より大きくなければならない。陽性対照群はしばしば含まれる。追加的対照マウスは、Plasmodium yoeliiの種虫および赤血球外発育期発育期(EE)に対して予防的効果のあるプリマキンまたはタフェノキンで処理される。
【0187】
インビボにおけるマラリアアカゲザルの推定原因予防試験
記:アカゲザル原因予防試験、CP、は2001年まで実施されなかった。Sweeney(1991)もDavidsonら(1981)もそれについて言及しない。
アカゲザル推定原因予防試験は、試験化合物がアカゲザルにおけるPlasmodium cynomolgiの種虫および/または赤血球外発育期(EE)に対して活性があるかを決定するために使われる。
簡単に、いずれかの性別の体重2−4kgの健康なインディアンアカゲザルのMacaca mulattaを使う。同等の性比率を得るため、および各試験において可能な限り一定となるために努力された。使用に先立ち、各動物はツベルクリン検査およびチアベンダゾールで処理されるために少なくとも5週間隔離される。唯一マラリアに感染していないサルを用いる。通常、それぞれの服用に2匹のサルを用いる。
【0188】
多数の実験にサルはしばしば使用される。サルが再発した場合、その感染は、次の実験に加わる前にプリマキンおよびクロロキンの根治治療に伴い完治される。
投与に先立ち、化合物を蒸留水に溶解する。化合物が蒸留水に溶けない場合、メチルセルロース、DMSOまたはHEC Tweenに溶かす。薬剤濃度は、最初の処置の前日に決定される各サルの体重に基づく。
【0189】
実験室内感染蚊から単離されたPlasmodium cynomolgi bastianelliの線虫は感染のために使用される(下記方法参照)。初日サルに0.5−1.5×106個の線虫を静脈注射にて感染させる。実験サルを、感染の日から−1、0、および1日に化合物を用いて処置する。陰性対照サルには、同日に賦形剤を与える。寄生虫血を決定するために、薄膜が抹消血からつくられ、ギムザで染色される。500RBCsあたり感染したRBCsの数が決定され、パーセンテージを変化させる。寄生虫が500RBCsで見つからなければ、その後1,000RBCsが数えられる。
【0190】
未処置サルにおいて、急激に増加する寄生虫血は7−9日の検出潜伏期間後発展する。対照が寄生虫血にかかると試験が有効であるとみなされる。寄生虫血になるすべてのサルはプリマキンとクロロキンを併用して根治治療が施される。寄生虫血を決定するための血液塗抹標本は感染後20日目を通して毎日、その後2−3日置きに行われる。
【0191】
化合物活性および毒性の基準は下記のようである。インタクトなサルにおいて脾臓摘出後30日間、または100日間、サルが陰性血液塗抹標本を示した場合、化合物を予防として標識化する。血液塗抹標本の結果、総量最小投与量、mg/Kg体重は、最小投与量MCDとして報告される。MCDと試験された総量最小投与量とが等しい場合、最小投与量の値「」として報告される。試験された最大投与量が予防効果がない場合、MCDは総量最大投与量の値「>」として報告される。
【0192】
脾臓摘出されたサルにおいて感染後30日間内に、またはインタクトなサルにおいて感染後100日間内に寄生虫血が生じた場合、化合物は予防効果がないと認められる。治験責任医師がマラリアまたはアクシデントからというより化合物の毒性による死、サインまたは兆候であると記録した場合、化合物は毒性である。毒性を引き起こす総量最小投与量は最小耐量MTDである。MTDが試験された総量最小投与量と等しい場合、最小投与量の値「」として報告される。試験された最高投与量が非毒性である場合、MTDは最高投与量の値「>」として報告される。
【0193】
蚊の飼育および感染
未感染のハマダラカ(Anopheles dirus)のケージを27℃に保たれた部屋の中に置いておく。蚊は卵をつくるのに必要な十分な血を得るために日感染マウスを餌とする。湿らせたウェットコットンおよび湿らせたペーパータオルとともに広口瓶を蚊のケージの中に置く。メス蚊は湿らせたペーパータオルに卵を産む。卵を回収し、水を含む空の皿に置く。卵は孵化し、幼虫に成長する。幼虫は肝臓粉懸濁液(2.5%肝臓粉水)を餌とする。蛹が完全に発達したとき、空の広口瓶に置かれ、その後蚊のケージに入れる。蛹から成虫の蚊が出現した後、広口瓶を取り除く。感染させる蚊を含む蚊のケージを21℃に維持した部屋に移す。メス蚊に麻酔された、P. cynomolgiの循環する生殖母細胞を伴うアカゲザルの餌を与える。
【0194】
涼しい部屋に蚊を17日間維持し、その後種虫単離のために捕まえる。最後の4日間、可能な限り蚊の内臓から多くのバクテリアを殺すためにPenStrep溶液を蚊に与える。これらの蚊を熱癒着されたプラスチックバッグに吸引する。蚊を固定するために、このバッグを冷凍されたテーブルの上に置く。バッグを開けて、オスを処分する一方、メス蚊を収集する。
【0195】
1:1サル血清−生理食塩水溶液中で感染したメスを乳鉢および乳棒を用いて磨り潰す。生理食塩水20mL以上を乳鉢に加え、蚊の大きな欠片を除去するために懸濁液をろ過する。その後、生理食塩水中の種虫を数え、0.1mLあたり2.5×105個の種虫の接種材料を得るために希釈する。その後、0日に、これを試験サルに静脈注射により接種する。
【0196】
インビトロ肝臓期発展抑制アッセイ
肝臓期発展抑制アッセイ(ILSDA)は、肝臓におけるPlasmodium sp.の赤血球外発育期に対する薬剤の有効性を評価するインビトロモデルである。Sacci JB、2002により記載された方法の修飾、分子医学(Molecular Medicine、Vol 72,マラリアの方法およびプロトコル、p.517−520の方法を用いてもよい。赤血球外発育肝臓期の寄生虫の視覚化を強化するために、自発的蛍光マーカー[Natarajanら、Cellular Microbiology、3(6)(2001)、371−379]である緑色蛍光タンパク質(GFP)とともに安定して形質転換されたP.berghei(PbFluspo)のクローン株が使われる。8−ウェルLabTek容器スライドに1:1の割合で、ヒト肝細胞カルシノーマ細胞株、HepG2に感染させるために、P.berghei−GFPに感染した蚊から得られた種虫を用いる。浸潤のために3時間培養した後、浸潤しない種虫を除去するためにHepG2細胞を洗浄する。その後培養は試験化合物で48時間、3用量(10倍連続希釈)で処理され、肝臓期の寄生虫が蛍光顕微鏡検査法によって数えられる。寄生虫抑制パーセントが下記のように決定される:(対照GFP数−実験GFP数/対照GFP数/対照GFP数)×100。原因予防薬剤として知られるプリマキンは陽性対照として同時に実施される。
【0197】
実施例
下記略称が本文中で用いられる:ジクロロメタンの代わりにDCM、ジメチルスルホキシドの代わりにDMSO、酢酸エチルの代わりにEtOAc、メタノールの代わりにMeOH、エタノールの代わりにEtOHおよびテトラヒドロフランの代わりにTHF、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレンの代わりにPS−CDI、リチウムトリエチルホウ化水素の代わりにLiB(CHCHH、トリエチルアミンの代わりにEtNorTEA、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物の代わりにHOBT、酢酸の代わりにHOAc、ジシクロヘキシルカルボジイミドの代わりにDCC、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]undec−7−eneの代わりにDBU、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドの代わりにEDC、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライドの代わりにEDC×HCl。
【0198】
化合物および本発明の過程は、説明としてのみ意図されており、発明の範囲を制限するものではない下記実施例に関連してよく理解されるだろう。開示された態様に対するさまざまな変化および修飾は当該分野における当業者には明らかであり、制限されることなく、本発明の化学構造、置換基、誘導体形成および/または方法を含む、そのような変化および修飾は、発明の精神および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく作られてもよい。
【0199】
以前と同様の方法で実施されるように記載される反応において、より完全に記載された反応、一般的な反応条件は本質的に同じであった。使用される精密検査条件は当該分野で標準的な種類であるが、1つの反応から他まで採用されてもよい。下記の手順において、明細書または実施例の生成物の参考文献は番号で典型的に提供される。出発物質を確認するために熟練化学者の支援のために、これは提供される。出発物質はバッチから必ず調整されなくてもよい。すべての反応は、特に明記しない限り、窒素下で行われるかまたは窒素下で行われてもよい。
【0200】
実施例
9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−3−O−デクラジノシル−9a−ホモエリスロマイシンAおよび9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−ホモエリスロマイシンAは、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I(1986)1881−1890頁に記載の方法により調製されてもよい。9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−3−O−デクラジノシル−9a−ホモエリスロマイシンAは、国際特許出願WO02/055531A1に記載の方法により調製されてもよい。9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−ホモエリスロマイシンAは、国際特許出願WO2004/094449A1に記載された方法により調製されてもよい。
【0201】
中間体S:
【化28】

【0202】
中間体1
9−デオキソ−9−ジヒドロ−3’−N−オキシド−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
MeOH(80ml)中、0℃、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(20g、27.21mmol)の溶液にHO2(30ml)の30%水溶液を30分かけて液滴天下した。反応混合物を室温でさらに1.5時間撹拌した。完全な形質転換の検出後、反応混合物を氷水(400ml)およびDCM(200ml)へ注いだ。過剰のHO2を除去するためにNa2S2O3飽和水溶液(150ml)を加えた。層が分離され、水層はDCM(2×200ml)で抽出した。結合した有機層を減圧下で蒸発し、残渣をDCM−ジイソプロピルエーテルから沈殿して、表題生成物を得た(21.5g、収率94.3%);MS(ES+)m/z751.6[M+H]
13C NMR(125MHz,ピリジン)/δ:177.3,101.9,96.2,82.8,77.6,77.4,76.9,75.8,73.2,73.0,72.8,72.2,71.9,65.5,65.0,56.2,55.8,50.8,48.6,44.7,42.3,41.9,34.2,33.8,29.1,27.2,21.3,20.8,20.5,20.4,18.3,16.6,14.1,13.5,10.4,8.8。
【0203】
中間体2
9a−シアノメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−3’−N−オキシド−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
中間体1(20g、26.63mmol)のDCM(200ml)溶液に、KCO(7.35g、53.26mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。その後、ブロモアセトニトリル(3.71ml、53.26mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を食塩水で洗浄して、蒸発させた後、粗成生物20gを得た。水からの沈殿物は表題生成物(7.1g,収率31.31%)を生成した;MS(ES+)m/z790.6[M+H]
13C NMR(125MHz,ピリジン)/δ:176.7,116.9,101.7,94.5,83.3,77.5,77.3,76.7,75.6,74.9,73.8,73.0,72.6,71.4,65.8,65.0,63.2,60.8,50.9,48.6,44.0,41.7,41.5,36.8,34.2,33.7,30.8,25.6,21.2,20.7,20.5,20.4,20.4,18.1,17.1,13.7,10.4,9.1。
【0204】
中間体3
9a−(ベータ−アミノエチル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
THF(25ml)中、中間体2(3g,3.80mmol)溶液に、−20℃で20分かけて、LiB(CHCHH(10ml,1M THF溶液)を液滴添加した。反応を−20℃で10分間撹拌して完全に変化させた。反応混合物に水(50ml)およびDCM(50ml)を加え、勾配抽出がpH4.5および10で行われた。pH10で結合された有機抽出物の蒸発により粗成生物1.6gを得た。溶出系DCM/MeOH/NHOH=90:9:0.5を用いたカラムクロマトグラフィにより表題生成物(0.87g,収率29.5%)を得た;MS(ES+)m/z778.5[M+H]
13C NMR(125MHz,ピリジン)/δ:177.8,103.8,96.9,84.6,80.2,79.2,78.4,75.5,75.4,75.1,74.1,72.3,70.4,68.7,66.6,66.2,62.9,55.0,50.1,46.1,41.9,41.8,41.0,30.9,30.4,36.1,27.6,23.2,22.3,22.1,20.1,20.0,17.7,16.5,11.8,10.9,9.0。
【0205】
中間体4
9a−(ベータ−アミノエチル)−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
0.25NHCl(50ml)中、中間体3(1.5g,1.93mmol)を室温で20分間撹拌した。反応混合物にDCM(50ml)を加え、pH1.1および9.5で勾配抽出を行った。pH9.5で混合された有機抽出物を蒸発して、粗成生物0.98gを得た。溶媒系DCM/MeOH/NHOH=90:9:1.5を用いたカラムクロマトグラフィにより表題生成物を得た(0.76g,収率62.71%);MS(ES+)m/z620.6[M+H]
13C NMR(75Mhz,DMSO)/δ:174.61,102.24,83.30,76.15,75.86,75.20,73.66,73.30,70.16,67.82,64.36,43.63,40.14,37.39,35.84,30.31,29.38,25.67,21.03,20.87,20.66,16.53,15.87,10.27,8.16。
【0206】
中間体5
9a−(ベータ−アミノエチル)−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
中間体4(620mg,1mmol)を6N HCl(20ml)およびCHCl3(10ml)に溶かし、反応混合物を40時間、還流温度で撹拌した。CHCl3とともにpH2,5,8および10.5で勾配抽出を行なった。pH10.5で有機抽出物の蒸発により表題生成物(300mg)を得た;MS(ES+)m/z462.9[M+H]
【0207】
中間体6
3−(9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA)プロピオン酸メチルエステル
【化29】


R1=アルファ−L−クラジノシル,
R2=ベータ−D−デソサミニル
CHCl3(80.0mL)中、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(4.0g,5.44mmol)溶液にアクリル酸メチル(24.5mL,272.1mmol)を加えた。反応混合物を還流(60℃)の下で2日間撹拌した。有機溶媒を蒸発した後粗表題生成物(4.58g)を得た。
粗成生物を、フラッシュマスターII(FlashMasterII)機器および溶出のための勾配システムとともに、LC−Si(2g)カートリッジ上、固相抽出(Solid Phase Extraction,SPE)技術を用いて精製した:MeOH:NHOH=9:1.5が0から12%まで上昇するCH2Cl2/(MeOH:NHOH=9:1.5)溶媒を蒸発させた後、黄色粉体の表題生成物を得た(2.4g,53.7%);MS(ES+)m/z821.5[M+H]
【0208】
中間体7
9a−(γ−プロピオン酸)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAとしても知られる3−(9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA)プロピオン酸
【化30】


R1=アルファ−L−クラジノシル,
R2=ベータ−D−デソサミニル
THF(25.0mL)中、中間体6(2.4g,2.92mmol)の溶液に、水(25.0mL)中、LiOH(282.1mg,6.72mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。その後、食塩水を反応混合物(30mL)に加え、CHCl(3×30mL)で抽出した。混合された有機抽出物を無水NaSOで乾燥させた。蒸発後、表題生成物を得た(2.30g,97.6%);MS(ES+)m/z807.5[M+H]
【0209】
中間体8
3−(4−キノリニル)プロパン酸
【化31】

a)メチル(2E)−3−(4−キノリニル)−2−プロペン酸
【化32】

キノリン4−カルバルデヒド(768mg,5mmol)およびメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.84g,5.5mmol)をトルエン(15mL)に溶かす。反応混合物を80℃で2.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を1N HCl(2×20mL)で抽出した。含水抽出物をEtOAc(15mL)で洗浄し、1N NaOHでアルキル化しEtOAc(3×15mL)で抽出する。混合された有機抽出物を食塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥して、減圧下で蒸発させて、白色固体として表題生成物(1.06g)を得た。
b)メチル3−(キノリン−4−イル)プロピオン酸
【化33】


メタノール(5mL)中、中間体8a(650mg,3mmol)溶液に、10%Pd/C(40mg)を加え、低圧(バルーン)で一晩、水素付加を行なった。触媒を濾過された後、濾液を減圧下で蒸発させて乾燥し、残渣を溶出のための溶媒系:ヘキサン:EtOAc=1:2を用いて、シリカゲル(20g)におけるカラムクロマトグラフィにて精製し、無色油として表題生成物(536mg,収率67%)を得た(必要に応じて真空蒸留によりさらに精製することができる)。
c)3−(4−キノリニル)プロパン酸
【化34】

THF(1mL)中、中間体8b(520mg,23.41mmol)溶液に、2:1THF:水(3mL)混合液中、水酸化リチウム一水和物溶液(111mg,2.65mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌して濃い懸濁液とした。得られた懸濁液に少量の水を加え、およそ10分間、沈殿物が溶解するまで撹拌し続けた。その後、食塩水(10mL)を加えpHを10.5から7.04までに調整した。含水溶液を蒸発して乾燥し、残渣を、溶媒としてEtOAcを用いてSoxlet装置で24時間抽出した。濾液を減圧下で蒸発して乾燥させ、残渣を温アセトンで処理した。不溶解物質を捨てて白色濾液を減圧下で濃縮し、ヘキサンで生成物を粉末化して白色固体の表題生成物(70mg,収率14%)を得た;MS(ES+)m/z202.0[M+H]
H−NMR(300MHz)(dmso−d)δ12.5(bs,1H);8.79(d,J=4,4Hz,1H);8.16(d,J=8.3,1H);8.02(dd,J=8.4Hz,J=0.7Hz,1H);7.76(m,1H);7.64(m,1H);7.38(d,J=4.4Hz,1H);3.35(m,2h);2.71(t,J=7.7Hz,1H)。
【0210】
中間体9
(2E)−3−キノリン−3−イル−アクリル酸として知られる(2E)−3−(3−キノリニル)−2−プロペン酸
a)メチル(2E)−3−(3−キノリニル)−2−プロペノエート
【化35】


トルエン(25ml)中、3−キノリンカルボキサルデヒド(1.0g,6.48mmol)溶液に、(メトキシカルボニルメチレン)−トリフェニルホスホラン(6.5g,19.5mmo)を加え、室温で3時間撹拌した。この反応液に、HO(15ml)およびEtOAc(15ml)を加え、層が分離して、HO層を2回のEtOAc(15ml)で抽出した。混合された有機層を乾燥し、減圧下で蒸発させて、得られた残渣を、溶媒系EtOAc/n−ヘキサン=1:3を用いたシリカゲルでカラムクロマトグラフィにより精製し、表題生成物(1g)を得た。
b)(2E)−3−キノリン−3−イル−アクリル酸として知られる(2E)−3−(3−キノリニル)−2−プロペン酸
【化36】

1M NaOH(2.0mL)およびEtOH(2.7mL)中、メチル(2E)−3−(3−キノリニル)−2−プロペノエート(100.0mg,0.47mmol)溶液を還流下2時間撹拌した。室温に冷却した後、EtOHを蒸発して、残渣に水(3.0mL)およびEtOAc(5.0mL)を加えた。層が分離した後、含水層のpHを黄色沈殿物が形成される2まで調製した。沈殿物を濾過し、水で洗浄して真空下、50℃で乾燥して、表題化合物(37.9mg,収率40.6%)を得た;MS(ES+)m/z200.2[M+H]
【0211】
中間体10
9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA
a)9a−シアノエチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
アクリロニトリル(166mL,2.52mol)中、9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(45g,61.23mmol)の懸濁液を85℃まで加温し、22時間撹拌した。冷却した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をトルエンで3回懸濁し、減圧下で蒸発させて、表題化合物(51.24g)を得た;MS(ES+)m/z788.03[M+H]
b)9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA
9a−シアノエチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA溶液に、氷酢酸(240mL)中、中間体10a(51.24g,65mmol)、PtO2(4.5g)を加え、反応混合物を2つの反応ワセリンに分けて、それぞれ5bar圧力下、26時間水素化した。触媒を濾過により除去して、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣に水(450mL)およびDCM(250mL)を加えてpHを7.3に調製し、層が分離して、水層を2回のDCM(200mL)で追加的に抽出した。その後、水層にDCM(200mL)を加え、pHを8.3に調製して、層が分離し、水層を2回のDCM(200mL)で抽出した。pH8.3の混合された有機層を食塩水で洗浄し、KCOで乾燥して減圧下で蒸発させて表題化合物(29.15g)を得た;MS(ES+)m/z792.3[M+H]
【0212】
実施例1から16
一般的な方法:
【化37】


MeOH(8から30mL)中、対応するアルデヒド(1等量)の脱気溶液にEtN(0.3等量)および9a−アルキルアミノアザリド(m=2から4)(1.2等量)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。後にNaBH4(2等量)を加え、さらに16−24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM(20ml)に溶解し、水(10ml)を加えて層を分離した。有機層を食塩水(3×20ml)で洗浄し、KCOで乾燥させて減圧下で蒸発させた。粗成生物をLC−Si(2g)カートリッジ上の固相抽出技術(SPE5g)および溶出のための勾配システム:MeOH:NHOH=9:1.5が1から10%に上昇するDCM/(MeOH:NHOH=9:1.5)を用いて精製し、溶媒を蒸発させた後、表1に特定された対応する化合物を得た。
【0213】
【表1−1】

【0214】
【表1−2】

【0215】
実施例1
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化38】

13C−NMR(125MHz,DMSO)δ:176.0,146.7,136.7,129.7,128.3,127.9,127.0,126.4,120.6,101.6,95.2,82.8,78.3,77.2,76.5,75.5,74.2,73.7,72.6,70.0,66.7,64.9,64.6,54.8,52.8,48.7,46.3,45.3,44.3,39.9,34.8,30.2,28.9,28.2,27.5,25.5,22.2,21.2,21.1,20.9,18.5,17.9,15.2,10.8,9.4,8.9。
【0216】
実施例2
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化39】

13C−NMR(75MHz,DMSO)δ:175.3,160.9,146.9,136.08,129.3,128.4,127.7,126.8,125.8,120.6,103.3,88.8,76.3,76.1,74.2,73.2,70.2,69.1,68.3,65.7,65.3,64.4,55.0,46.8,43.8,36.5,30.3,29.4,28.3,26.4,24.5,21.5,21.1,21.0,20.5,17.5,15.5,10.6,8.3。
【0217】
実施例3
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化40】

13C−NMR(125MHz,DMSO)δ:174.9,161.0,146.9,136.1,129.3,128.4,127.7,126.9,125.8,120.6,81.8,78.4,75.9,74.2,55.1,47.1,43.4,34.8,29.7,28.3,25.9,21.7,21.3,17.7,15.5,10.6,7.8,7.3。
【0218】
実施例4
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化41】

13C−NMR(125MHz,DMSO)δ:176.1,151.7,146.7,134.4,133.0,128.8,128.6,127.7,127.5,126.5,101.8,95.1,82.6,78.1,77.3,76.6,75.3,74.1,73.6,72.7,70.5,67.0,64.8,64.5,50.3,48.7,44.2,40.2,34.8,29.9,28.9,28.3,22.5,21.3,21.1,20.9,18.4,17.8,15.1,10.8,9.4,8.3。
【0219】
実施例5
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化42】

13C−NMR(75MHz,DMSO)δ:175.3,151.8,146.7,134.3,133.4,128.8,128.6,127.7,127.5,126.4,103.3,76.4,76.1,74.2,73.2,70.2,68.4,64.4,50.5,46.4,43.8,76.4,76.1,74.2,73.2,70.2,68.3,64.4,54.8,50.5,46.5,43.8,40.3,36.6,30.3,29.5,28.2,26.3,21.5,21.1,21.0,17.5,10.6,8.3,6.0。
【0220】
実施例6
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【0221】
実施例7
9a−[3−({[2−(エチルオキシ)−ナフタレン−1−イル]メチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化43】

13C−NMR(75MHz,DMSO)δ:176.1,154.2,133.0,128.7,128.6,128.1,126.2,123.5,123.1,120.8,114.7,101.9,95.1,82.6,78.2,77.3,76.7,75.1,74.2,73.5,72.6,70.6,67.0,64.8,64.5,64.4,54.8,48.7,46.3,44.2,42.0,40.3,34.8,29.9,28.9,28.5,27.2,26.8,22.4,21.4,21.1,20.9,18.4,17.8,15.2,14.9,10.8,9.4,8.5。
【0222】
実施例8
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化44】

13C−NMR(75MHz,DMSO)δ:176.2,135.5,133.3,131.4,128.3,127.2,125.9,125.8,125.5,125.3,123.9,101.8,98.3,95.0,82.6,78.0,77.3,76.6,75.2,74.2,73.5,72.6,70.5,67.0,64.8,64.5,63.4,59.3,54.6,50.1,48.7,48.6,47.0,44.2,40.2,34.7,29.9,28.9,28.3,27.1,26.7,22.5,21.4,21.1,20.9,15.0,10.9,9.4,8.6.
【0223】
実施例9
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【0224】
実施例10
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【0225】
実施例11
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【0226】
実施例12
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【0227】
実施例13
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例14
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例15
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例16
9a−{2−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]エチル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【0228】
実施例17
9a−{3−[メチル−(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化45】

CHCl3(3ml)中、実施例7(0.250g,0.268mmol)の溶液にホルムアルデヒド(0.041ml,0.531mmol)およびHCOOH(0.040ml,1.06mmol)の36%含水溶液を加え、反応混合物を還流で22時間撹拌した。この反応混合物に水を加え、pHを10まで調製した。層が分離され、DCMで水を抽出して有機層を食塩水で洗浄して、KCOで乾燥して真空にて蒸発させ、表題化合物(0.20g,Y=70.2%)を得た;MS(ES+)m/z946.66[M+H](calcd.946.29)。
HPLC−MS(エリア89.03%)。
【0229】
実施例18
9a−{3−[(ピリジン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化46】

MeOH(1.50mL)中、ピリジン−2−カルバルデヒド(11.3mg,0.105mmol)溶液に、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(100.0mg,0.126mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。2時間後、Pd/C(30mg)を加え、反応混合物を4.5barの圧力下で、一晩水素化した。触媒をセライトに通す濾過により除去し、濾液を真空内に濃縮して粗表題生成物(84.0mg)を得た。
粗成生物を、フラッシュマスターII(FlashMasterII)機器および溶出のための勾配システム:MeOH:NHOH=9:1.5が0から9%まで上昇するCH2Cl2/(MeOH:NHOH=9:1.5)とともに、LC−Si(2g)カートリッジ上で固相抽出(SPE)技術を用いて精製し、溶媒の蒸発の後、黄色粉体の表題化合物(64.1mg,57.6%)を得た。
さらなる精製が、溶出のための勾配システム:HCOOH:CHCNが95:5から60:40まで変化した(HO/CHCN中、0.1%HCOOH)を用いたLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)で行なわれ、ギ酸塩として表題化合物(11.1mg)を得た;MS(ES+)m/z883.5[M+H](見積もられた883.6)。
【0230】
実施例19
9a−{3−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化47】

MeOH(1.0mL)中、3−フェニルプロピオンアルデヒド(13.8μL,0.105mmol)溶液に、MeOH(4.0mL)中、EtN(4.4μL,0.032mmol)および9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(100.0mg,0.126mmol)を加えた。反応混合物を室温にて撹拌した。2時間後、Pd/C(30mg)およびMeOH(5.0mL)を加え、反応混合物を3.0barの圧力下で、一晩水素化した。
触媒を、セライトを通して濾過により除去し、濾液を真空内で濃縮して油状表題生成物(120.0mg)を得た。
粗成生物を、フラッシュマスターII(FlashMasterII)機器および溶出のための勾配システム:MeOH:NHOH=9:1.5が0から9%まで上昇するCH2Cl2/(MeOH:NHOH=9:1.5)とともに、LC−Si(2g)カートリッジ上で固相抽出(SPE)技術を用いて精製し、溶媒の蒸発の後、白色粉体(48.5mg)を得た。
さらなる精製が、溶出のための勾配システム:HCOOH:CHCNが95:5から70:30まで変化した(HO/CHCN中、0.1%HCOOH)を用いたLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)で行なわれ、ギ酸塩として表題化合物(8.47mg,7.4%)を得た;MS(ES+)m/z910.4[M+H](見積もられた910.6)。
【0231】
実施例20
9a−{3−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化48】

MeOH(1.0mL)中、フェニルアセトアルデヒド(13.0μL,0.126mmol)溶液に、EtN(4.4μL,0.032mmol)およびMeOH(4.0mL)中、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(100.0mg,0.126mmol)溶液を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。2時間後、Pd/C(30mg)およびMeOH(5.0mL)を加え、反応混合物を3.0barの圧力下で、一晩水素化した。
触媒を、セライトを通して濾過により除去し、濾液を真空内で濃縮して油状表題生成物(100.0mg)を得た。
精製を、溶出のための勾配システム:HCOOH:CHCNが95:5から70:30まで変えられた(HO/CHCN中、0.1%HCOOH)を用いる調製用のLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)で行ない、ギ酸 塩の表題化合物(12.4mg,10.98%)を得た;MS(ES+)m/z896.5[M+H](見積もられる896.6)。
【0232】
実施例21A
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
および
実施例21B
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3’N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化49】


方法A:
DMSO(12mL)中、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(4.09g,5.05mmol)に、4,7−ジクロロキノリン(3.0g,15.15mmol)を加えた。反応混合物を100℃で14時間撹拌し、その後、HO(100mL)およびEtOAc(100mL)を加えた。層が分離され、(少量の2−プロパノールの追加は分離を目的とする)EtOAc層をHO(100mL)で2回洗浄し、真空内で蒸発させた。残渣にN−ヘキサン(200mL)を加え、混合物を還流まで熱し、その後、冷却した。沈殿した固体を濾過により回収し、溶媒系:DCM:MeOH=7:3を用いてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィにより精製し、実施例21A(86.5mg)を得て、物質の55mgを溶媒系EtOAc:トリエチルアミン=10:0.7を用いてさらに精製し、さらに実施例21Aおよび実施例21B(30mg)44.4gを得た。
【0233】
その後、実施例21AはEtOAc:n−ヘキサンから沈殿して1.2gを得た。
MS(ES+)m/z953.71[M+H]
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)δ/ppm:176.3,152.0,150.2,149.3,133.4,127.7,124.3,124.1,117.4,102.0,98.8,95.4,77.5,76.6,75.1,74.4,72.6,70.6,67.1,64.9,64.8,48.9,48.7,41.0,40.5,34.9,30.0,25.7,21.4,21.4,21.0,18.6,18.3,11.0,9.3。
実施例21B
MS(ES+)m/z939.65[M+H]
13C−NMR(75MHz,CDCl)δ/ppm:177.6,151.8,150.1,134.9,128.5,125.3,121.5,124.1,117.3,103.4,99.0,96.8,85.5,80.1,78.4,77.8,75.3,75.3,75.0,74.7,72.8,68.9,65.9,64.7,60.4,60.0,49.6,49.4,45.7,41.5,40.8,40.5,37.2,35.1,33.2,29.2,27.9,22.6,21.5,21.4,21.1,18.3,18.3,16.6,15.8,11.3,10.2,8.3。
【0234】
方法B(実施例21Aの別の調整):
DMSO(50mL)中、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(7.5g,9.47mmol)の溶液に、4,7−ジクロロキノリン(5.8g,29.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.36mL,13.2mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間撹拌し、その後HO(500mL)およびEtOAc(300mL)を加えた。層が分離した後、EtOAc層をHO(200mL)で2回洗浄し、KCOで乾燥して真空ないに蒸発させた。残渣がEtOAc−n−ヘキサンから沈殿した。沈殿固体を濾過し(沈殿の4.6g生成)、溶媒系:DCM:MeOH:NH3=90:9:0.5を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィによって精製し、実施例21A(1.02g)を得た;
MS(ES+)m/z953.71[M+H]
【0235】
実施例22
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化50】

EtOH(15mL)中、実施例21A(50mg,0.05mmol)溶液に、10%Pd/C(30mg)を加え、反応混合物を水素圧の4barでParr器具を用いて24時間水素化した。触媒を、セライトを通して濾過し、減圧下で蒸発させた。生成物をカラムクロマトグラフィ(SPカラム5g,溶離剤:DCM:MeOH:NH=90:9:0.5)により精製して、表題化合物(44mg)を得た;MS(ES+)m/z919.6[M+H]
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)δ/ppm:176.4,150.8,150.0,148.3,129.1,128.9,123.7,122.0,102.2,98.4,95.1,82.8,78.1,77.5,76.5,75.1,74.4,73.6,72.8,70.7,67.1,64.9,64.7,62.7,59.8,48.9,48.8,44.3,41.1,40.5,40.4,40.3,34.7,30.0,27.9,27.2,25.8,22.4,21.4,21.3,20.9,18.4,18.1,14.9,11.0,9.4,9.4。
【0236】
実施例23
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化51】

DMSO(4.5mL)中、9a−(γ−アミノプロピル)−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(1.5g,1.89mmole)溶液に4,7−ジクロロキノリン(0.75g.3.39mmole)を加えた。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物にEtOAc(50mL)を加え、結果として沈殿が生じる。濾過により沈殿を除去し、濾液に水(50mL)を加え、pHを9に調製した。層が分離され、水層を1回以上EtOAcで抽出した。混合されたEtOAc層を真空内で蒸発させて残渣1.3gを得て、EtOAc−n−ヘキサンから沈殿して生成物(341g)を得て、さらに溶媒系EtOAc/TEA=10:1を用いてシリカゲルによるカラムクロマトグラフィによって精製して(320mg)を得て、その後、EtOAc:n−ヘキサンから沈殿させて表題化合物(217mg)を得た;MS(ES+)m/z795.60[M+H]
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)δ/ppm:175,2;151,9;150,0;148,9;133,1;127,4;124,4;123,8;117,3;103,7;98,9;90,4;76,6;76,3;76,1;74,4;73,3;70,3;68,4;64,5;61,9;58,1;50,8;43,9;41,1;40,5;39,1;36,6;30,2;29,2;27,1;26,6;21,5;21,3;21,0;17,8;16,1;10,6;8,3;8,0。
【0237】
実施例24
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化52】

実施例23(0.312g,0.39mmol)から始めて実施例22に記載の方法に従うと、粗表題生成物が得られる。カラムクロマトグラフィ(SPカラム10g,溶離剤:EtOAc−EtN=10:0.7)による精製の後、表題化合物が得られる(223mg);MS(ES+)m/z761.3[M+H]
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)d/ppm:176.4,150.8,150.0,148.3,129.1,128.9,123.7,122.0,102.2,98.4,95.1,82.8,78.1,77.5,76.5,75.1,74.4,73.6,72.8,70.7,67.1,64.9,64.7,62.7,59.8,48.9,48.8,44.3,41.1,40.5,40.4,40.3,34.7,30.0,27.9,27.2,25.8,22.4,21.4,21.3,20.9,18.4,18.1,14.9,11.0,9.4,9.4。
【0238】
実施例25
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化53】

MeOH(20mL)中、実施例22(0.5g,0.54mmol)溶液に、酢酸ナトリウム(0.2g,2.7mmol)およびヨウ素(0.15g,0.6mmol)を加えた。反応混合物を撹拌し、反応混合物が40−50℃まで温められている間、500Wハロゲンランプで4時間放射した。MeOHを減圧下で蒸発させ、残渣にサクサンエチル(50mL)および10%NaHCO3溶液(50mL)を加えた。酢酸エチル溶液を10%チオ硫酸ナトリウム(3×20mL)で抽出し、その後KCOで乾燥して、有機層を減圧下で蒸発させ、粗成生物を溶媒系DCM:MeOH:NH3=90:9:0,5を用いたシリカゲル上のカラムクロマトグラフィにより精製して、表題化合物(0.22g)を得た;MS(ES+)m/z905.4[M+H]
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)d/ppm:176.5,150.8,150.7,148.3,129.0,128.8,123.9,121.8,118.9,101.5,98.0,95.0,77.8,77.4,76.5,75.2,74.4,73.7,73.6,72.8,66.7,64.9,62.7,60.5,59.7,48.8,48.5,44.3,41.0,40.6,40.5,37.5,34.9,33.1,28.1,27.2,25.5,22.4,21.4,21.3,21.0,18.5,18.2,14.8,11.0,9.5,9.3,8.4。
【0239】
実施例26
9a−[3−(1H−プリン−6−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化54】

n−ブタノール(2mL)中、9a−(γ−アミノプロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(0.5g,0.63mmol)溶液に、6−クロロ−9H−プリン(0.56g,3.61mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1mL)を加えた。反応混合物を80℃で18時間撹拌し、その後HO(100mL)およびDCM(100mL)を加え、pH10に調製し、層を分離し、DCM層を食塩水(50mL)で洗浄し、KCOで乾燥して真空内で蒸発させた。残渣をEtOAc−ヘキサンから沈殿し、溶媒系DCM:MeOH:NH3=90:9:0.5を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィにより精製して表題化合物(304mg)を得た;MS(ES+)m/z910.3[M+H]
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)δ/ppm:δ(13C)/ppm:176.7,152.9,139.0,102.1,95.1,82.7,78.0,77.4,76.4,75.4,74.4,73.5,72.7,70.7,66.8,64.9,64.7,62.9,60.5,49.7,49.0,44.4,41.2,40.5,40.4,39.5,35.0,29.9,28.2,27.7,27.3,22.2,21.5,21.3,21.0,18.4,18.2,15.0,10.9,9.5,9.4.
【0240】
実施例27から33
一般的な方法:
【化55】


R1=アルファ−L−クラジノシル,H
R2=ベータ−D−デソサミニル,H
PS−カルボジイミド樹脂(PS−CDI,添加:1.2mmol/g)(2当量)を乾燥reaction vesselに加えた。DCM(1.0mL)中に溶解した対応する酸(1.5当量)を乾燥樹脂に加えた。混合物を室温で1時間撹拌しながら、乾燥DCM(0.5mL)中に溶解した9a−(γ−アミノプロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(1当量)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、濾過して、樹脂をDCM(4×1.5mL)で洗浄した。濾液を蒸発して塩基の形の表2に示される粗生成物を得た。
精製をHCOOH:CHCNを95:5から50:50に変化させた溶出系のための勾配システム(HO/CHCN中、0.1%HCOOH)を用いて調製用のLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)を行い、ギ酸塩として表2に示される化合物を得た。
【0241】
【表2−1】

【0242】
【表2−2】

【0243】
実施例27
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0244】
実施例28
9a−{3−[(4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0245】
実施例29
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0246】
実施例30
9a−{3−[(フェニルアセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0247】
実施例31
9a−{3−[(5−フェニルペンタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0248】
実施例32
9a−[3−({(2S)−2−[6−(メチルオキシ)−ナフタレン−2−イル]プロパノイル}アミノ)プロピル]−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0249】
実施例33
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0250】
実施例34
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0251】
実施例35
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0252】
実施例36から37
一般的な方法:
【0253】
【化56】


O(2.0mL)中、実施例29または実施例32(0.063mmol)の化合物の溶液およびHClの5wt.%含水溶液(3.0mL)を室温で一晩撹拌した。その後、CM(5.0mL)を加えNaOHの0.1N溶液でpH数値を9.0に調製し、層を分離させた。水層をDCM(3×5mL)で抽出し、混合された有機抽出物を食塩水(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過して、濃縮し、塩基の形の表3に示される粗生成物を得た。
精製をHCOOH:CHCNを95:5から60:40に変化させた溶出系のための勾配システム(HO/CHCN中、0.1%HCOOH)を用いて調製用の LC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)を行い、ギ酸塩として表3に示される化合物を得た。
【0254】
【表3】

【0255】
実施例36
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0256】
実施例37
9a−[3−({(2S)−2−[6−(メチルオキシ)−ナフタレン−2−イル]プロパノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩
【0257】
実施例38から43
一般的な方法:
【0258】
【化57】

R1=アルファ−L−クラジノシル,
R2=ベータ−D−デソサミニル
DCM(3.0mL)中、中間体7(36.3mg,0.045mmol)の溶液に、TEA(62.4μL,0.45mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(12.2mg,0.09mmol)、EDC(34.5mg,0.18mmol)および対応するアミンを加えた(0.0495mmol)。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて塩基の形の表4に示される粗生成物を得た。
精製をHCOOH:CHCNを95:5から60:40に変化させた溶出系のための勾配システム(HO/CHCN中、0.1%HCOOH)を用いて調製用の LC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)を行い、ギ酸塩として表4に示される化合物を得た。
【0259】
【表4−1】

【0260】
【表4−2】

【0261】
実施例38
9a−{1−[(フェニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0262】
実施例39
9a−{1−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0263】
実施例40
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0264】
実施例41
9a−{1−[(4−フェニルブチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0265】
実施例42
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0266】
実施例43
9a−{1−(2−ナフタレニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0267】
実施例44
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩:
A)9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化58】

乾燥DCM(120.0mL)中、9a−(γ−プロパン酸)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA溶液に、乾燥した中間体7(1.5g,1.86mmol)、TEA(2.58mL,18.6mmol)、HOBT(502.3 mg,3.72mmol)、(1S)−1−(1−ナフタレニル)エタンアミン(350.1mg,2.04mmol)およびEDCxHCl(1.43g,7.43 mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色い粗生成物2.6gを得て、カラムクロマトグラフィ(溶媒システム、DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)により精製し、表題化合物(0.953g,収率53.4%)を得た;MS(ES+)m/z960.58[M+H]
【0268】
B)9a−{1[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩
EtOAc(3mL)中、実施例44A(実施例42 塩基の形)、(918mg,0.956mmol)溶液に、氷HOAc(109.35μL,1.912mmol)を加えた。n−ヘキサン(50mL)を加えた後、表題化合物を沈殿して白色固体(969.3mg,収率93%)を得た;MS(ES+)m/z960.57[M+H]
【0269】
実施例45
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩
【化59】

EtOAc(3.0mL)中、実施例22の9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシン(1.088g,1.18mmol)の溶液に、氷酢酸(203.1μL,3.55mmol)を加えた。n−ヘキサン(50.0ml)を加えた後、トリアセテート塩を沈殿した。沈殿を濾過し、室温、真空下で乾燥し、白色粉体として表題化合物を得た(1.13g,収率86.8%);MS(ES+)m/z919.6[M+H]
【0270】
実施例46
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化60】

乾燥DCM(100.0mL)中、3−フェニルプロパン酸(284.4mg,1.89mmol)溶液に、TEA(2.63mL,18.9mmol)、HOBT(511.8mg,3.79mmol)、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(1.5g,1.89mmol)およびEDCxHCl(1.45g,7.58mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物に水を(50mL)を加え、DCM(3×50mL)で抽出した。混合した有機抽出物を食塩水(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して、減圧下で蒸発させて、黄色油状の残渣(2.23g)を得た。粗成生物をカラムクロマトグラフィ(溶媒システム:DCM:MeOH:NHOH=90:7:0.5)により洗浄し、次にEtOAc/n−ヘキサンから沈殿し、表題化合物(227.1mg,収率13.0%)を得た;MS(ES+)m/z924.5[M+H]
【0271】
実施例47
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩
EtOAc(5.0mL)中、実施例46(642.9mg,0.696mmol)から得られた化合物の溶液に、氷酢酸(79.6μL,1.39mmol)を加えた。n−ヘキサン(70.0ml)を加えた後、トリアセテート塩を沈殿させた。沈殿物を濾過し、室温、真空化で乾燥して、白色粉体の表題化合物(665.3mg,収率91.5%)を得た;MS(ES+)m/z924.5[M+H]
【0272】
実施例48
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化61】

乾燥DCM(16.0mL)中、3−フェニル−1−プロパンアミン(315.0mg,0.39mmol)溶液に、TEA(540.6μL,3.9mmol)、HOBT(105.4mg,0.78mmol)、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(53.0mg,0.39mmol)およびEDCxHCl(299.1mg,1.56mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発して、黄色油状残渣(0.85g)を得た。粗成生物をフレッシュマスターII(FleshMasterII)および溶出のための勾配システム:MeOH:NHOH=5:0.5を0から7%まで上昇させた(MeOH:NHOH=5:0.5)とともに、調製用のLC−SI(20g)カートリッジ上固相抽出(SPE)技術を用いて精製し、溶媒を蒸発させた後、表題化合物(244.6mg,収率67.9%)を得た;MS(ES+)m/z924.4[M+H]
【0273】
実施例49
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩
DCM(2.0mL)中、9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、実施例48(343.6mg,0.372mmol)溶液に、氷酢酸(42.5μL,0.744mmol)を加えた。n−ヘキサン(70.0ml)を加えた後、ジアセテート塩を沈殿させた。沈殿物を濾過し、室温、真空下において乾燥させ、白色粉体の表題化合物(309.3mg,収率79.6%)を得た;MS(ES+)m/z924.5[M+H]
【0274】
実施例50
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化62】

乾燥PS−カルボジイミド樹脂(PS−CDI,添加1.2mmol/g)(673.4mg,0.81mmol)に、乾燥DCM(10mL)中に溶かした2−ナフタレニル酢酸(122.3mg,0.66mmol)を加え、室温で1時間かけて撹拌し、乾燥DCM(5mL)に溶解したアミン9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAを加えた。反応混合物を室温で19時間撹拌した。その後、乾燥DCM(5mL)に溶解した2−ナフタレニル酢酸(28.2mg,0.15mmol)およびPS−CDI(155.3mg,0.19mmol)を加え、撹拌を室温で4時間続けた。乾燥DCM(5mL)に溶解した2−ナフタレニル酢酸(28.2mg,0.15mmol)およびPS−CDI(155.3mg,0.19mmol)を加え、撹拌を室温で43時間続けた。反応混合物を濾過し、樹脂をDCM(3×5mL)で洗浄し、混合された有機溶媒を減圧下で蒸発して、粗成生物(463.8mg)を得た。粗成生物をEtOAc/n−ヘキサンの混合溶媒から沈殿し、白色粉体の表題化合物(403.8mg,収率84.1%)を得た;MS(ES+)m/z960.5[M+H]
【0275】
実施例51
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩
EtOAc(5.0mL)中、実施例50(381.6mg,0.397mmol)から得られた化合物の溶液に、氷酢酸(45.5μL,0.795mmol)を加えた。n−ヘキサン(70.0ml)を追加した後、ジアセテート塩を沈殿させた。沈殿を濾過し、室温、真空下で乾燥して、白色粉体の表題化合物(373.6mg,収率87.1%)を得た;MS(ES+)m/z960.5[M+H]
【0276】
実施例52
9a−{3−[(フェニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化63】

MeOH(15.0mL)中、ベンジルアルデヒド(31.9μL,0.316mmol)の溶液に、EtN(13.1μL,0.095mmol)および9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(300.0mg,0.379mmol)を加えた。2時間後、NaBH4(24.9mg,0.63mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。その後、食塩水(2.5mL)およびトリエタノールアミン(5.0mL)を加え、その結果生じる混合物を30分間撹拌した。生成物をCH2Cl2(3×15mL)で抽出した。混合された有機抽出物を食塩水(15.0mL)で洗浄し、無水NaSOで濾過して油状粗成生物(451.3mg)を濃縮した。粗成生物をフレッシュマスターII(FleshMasterII)および溶出のための勾配システム:MeOH/NHOH=9/1.5を0から12%まで上昇させたDCM/(MeOH/NHOH=9/1.5)とともに、調製用のLC−Si(10g)カートリッジ上固相抽出(SPE)技術を用いて精製し、溶媒を蒸発させた後、表題化合物(49.0mg,収率14.7%)を得た;MS(ES+)m/z882.3[M+H];HPLC−MS(エリア89.35%)。
さらなる精製を調製用の、溶出のための勾配システム:HCOOH:CHCNを95:5から60:40に変化したHO/CHCN中、0.1%HCOOHを用いたLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)にて行ない、ギ酸塩の表題生成物(25.4mg,収率7.6%)を得た;MS(ES+)m/z882.5[M+H]HPLC−MS(エリア90.13%)。
【0277】
実施例53
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩
【化64】

EtOAc(2.0mL)中、実施例15(562.0mg,0.73mmol)の化合物である、9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA溶液に、氷酢酸(82.9μL,1.45mmol)を加えた。n−ヘキサン(50.0ml)を加えた後、ジアセテート塩を沈殿させた。沈殿物を濾過し、室温、真空下で乾燥して、白色粉体として表題化合物(0.49g,収率75.5%)を得た;MS(ES+)m/z775.4[M+H]
【0278】
実施例54
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化65】

MeOH(10ml)中、2−ナフトアルデヒド(82mg,0.53mmol)溶液に、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(0.5g,0.63mmol)を加え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。その後、NaBH4(40mg,1.06mmol)を加え、反応混合物をさらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM(20ml)中に溶解して、水(10ml)を加え、層を分離させた。有機層を食塩水(3×20ml)で洗浄し、KCOで乾燥して減圧下で蒸発させた。粗成生物を溶出のためのシステム:DCM:MeOH:NHOH=90:9:0.5を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、表題化合物(0.177g,収率28%)を得た;MS(ES+)m/z932.4[M+H]
【0279】
実施例55
9a−{3−[(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化66】

MeOH(50ml)中、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(2.0g,2.22mmol)の脱気された溶液に、4−キノリンカルバルデヒド(0.3g,1.85mmol)およびTEA(0.08ml,0.56mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。その後、10%Pd/C(0.5g)を加え、24時間、5barでParr装置にて水素化した。触媒を濾過した後、減圧下で蒸発させて、粗成生物をまず始めに溶出のためにDCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5およびEtOAc:TEA=10:0.7を用いてカラムクロマトグラフィにより精製し、表題化合物(0.167g,収率7%)を得た;MS(ES+)m/z937.6[M+H]
【0280】
実施例56
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化67】


DMSO(20mL)中、9a−(γ−アミノプロピル)−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(1.4g,2.94mmol)溶液に、4,7−ジクロロキノリン(1.8g,9.3mmol)およびジイソプロピエチルアミン(0.6ml,3.4mmol)を加えた。反応混合物を100℃で18時間撹拌した。その後、HO(100mL)およびEtOAc(100mL)を加えた。溶媒が分離され、EtOAc層をHO(100mL)で洗浄して、KCOで乾燥させ、真空下で蒸発させた。残渣をEtOAc−ジイソプロピルエーテルから沈殿した。沈殿された固体を濾過し(0.7g)、溶媒系:DCM:MeOH:NH=90:9:0.5を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィにより精製し、白色粉体の表題化合物を得た;MS(ES+)m/z638.3[M+H]
【0281】
実施例57
9a−(3−{[3−(キノリン−4−イル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩
【化68】

乾燥DCM(4.5mL)中、3−(4−キノリニル)プロパン酸(12.7mg,0.063mmol)の溶液に、TEA(87.3μL,0.63mmol)、HOBT(17.0mg,0.126mmol)、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(50.0mg,0.063mmol)およびEDCxHCl(48.3mg,0.252mmol)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、帯黄色の粗成生物(130.0mg)を、溶出のための勾配システム:HCOOH:CHCNを95:5から60:40に変化させたHO/CHCN中、0.1%HCOOHを用いた調製用LC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)にてさらに精製し、ギ酸塩として表題生成物(24.8mg,収率38.5%)を得た;MS(ES+)m/z975.6[M+H]
【0282】
実施例58から75
一般的な方法:
乾燥PS−カルボジイミド樹脂(PS−CDI,添加:1.2mmol/g)(1.29当量)に、乾燥DCM(1.0mL)およびDCM(0.1M溶液)中に溶解した対応する酸(1.29当量)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌しながら、乾燥DCM(0.1M溶液)中、9a−(γ−アミノプロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(1当量)を加えた。反応混合物を2日間、室温で撹拌し、濾過して、樹脂をDCM(3×1.0mL)で洗浄した。混合した有機溶媒を減圧下で蒸発させ、表5に示される、対応する粗成生物58−75を得た。
精製を、溶出のための抗ビアシステム、HCOOH:CHCNを95:5から50:40に変化させた、HO/CHCN中、1%HCOOHを用いて調製用のLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)にて行い、ギ酸として表5に示される化合物を得た。
【化69】

【0283】
【表5−1】

【0284】
【表5−2】

【0285】
実施例58
9a−[3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]アセチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0286】
実施例59
9a−[3−({[2,4,5−トリフルオロ−3−(メチルオキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0287】
実施例60
9a−{3−[(N−アセチル−4−フロロフェニルアラニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0288】
実施例61
9a−(3−{[(3−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0289】
実施例62
9a−(3−{[(3−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0290】
実施例63
9a−(3−{[(4−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0291】
実施例64
9a−(3−{[(4−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0292】
実施例65
9a−{3−[(4−オキソ−4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0293】
実施例66
9a−(3−{[(5−クロロ−2−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0294】
実施例67
9a−(3−{[(2−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0295】
実施例68
9a−(3−{[(4−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0296】
実施例69
9a−(3−{[(2−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0297】
実施例70
9a−(3−{[3−(4−フロロフェニル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0298】
実施例71
9a−{3−[(2−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0299】
実施例72
9a−(3−{[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0300】
実施例73
9a−(3−{[3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0301】
実施例74
9a−(3−{[4−(4−ニトロフェニル)ブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0302】
実施例75
9a−(3−{[(4−ブロモフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
【0303】
実施例76
9a−(3−{[(2E)−3−(キノリン−3−イル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化70】

乾燥DCM(3.2mL)中、中間体9(9.4mg,0.047mmol)である(2E)−3−(3−キノリニル)−2−プロペン酸溶液に、TEA(0.73mL,0.47mmol)、HOBT(12.7mg,0.094mmol)、9a−(γ−アミノプロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA(37.0mg,0.047mmol)およびEDCxHCl(36.0mg,0.188mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、その後、40℃で8時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、帯黄色の粗表題生成物を塩基の形で得た(96.0mg)。
精製を、HCOOH:CHCNを95:5から60:40まで変化させた溶出のための勾配システム(HO/CHCN中、1%HCOOH)を用いた調製用のLC−MS(XTerra Prep RP18カラム,5μm,19×100mm)にて行い、ギ酸塩として表題化合物(13.64mg,収率28.47%)を得た;MS(ES+)m/z973.8[M+H]
【0304】
実施例77
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩
酢酸プロピル(15mL)中、実施例21Aの9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(1.1g,1.15mmol)溶液に、氷酢酸(228μL,3.81mmol)を加え、5分間撹拌した。反応混合物にジイソプロピルエーテル(5mL)およびn−ヘキサン(50mL)を加えた後、トリアセテート塩を沈殿させた。沈殿を濾過し、室温、真空下で乾燥して、白色粉体の表題化合物(1.1g,)を得た。
【0305】
実施例78
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩
DCM(1.5mL)中、実施例14の9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(685mg,0.73mmol)溶液に、氷酢酸(84μL,1.47mmol)を加えた。n−ヘキサン(100mL)を加えた後、ジアセテート塩を沈殿した。沈殿物を濾過し、真空下、室温で1.5時間乾燥させて、表題化合物(528mg)を得た。
【0306】
実施例79
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩
酢酸エチル(2.2mL)中、実施例23の9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(435mg,0.55mmol)溶液に、氷酢酸(94μL,1.64mmol)を加えた。n−ヘキサン(150mL)を加えた後、トリアセテート塩を沈殿させた。沈殿物を濾過し、室温、真空下で、1.5時間乾燥させ、表題化合物(401mg,)を得た。
【0307】
実施例80
インビトロアッセイ
組成物のインビトロ有効性をアジスロマイシンと比較した。インビトロスクリーニングプロトコルIまたはインビトロスクリーニングプロトコルIIに記載された方法論を用いて、表6に挙げられる化合物を、異なる耐性の型とともに、4つの異なるP.falciparum寄生虫(D6,TM91C235,W2および3D7A)に対する抗マラリア活性に関して概略化した。試験化合物のIC50値を、範囲として提供する:
表の手がかり
X=IC50 ng/mL
A X100
B 100<X200
C 200<X1000
D 1000<X2500
E 2500<X2800
F 2800<X3500
G 3500<X5000
H 5000<X10000
【0308】
【表6−1】

【0309】
【表6−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マラリアの治療および/または予防のための医薬の製造における式(I):
【化1】

(I)
[式中、
は、Hまたは式(II)
【化2】

(II)
のα−L−クラジノシル基であり、
は、Hまたは式(III)
【化3】

(III)
のβ−D−デソサミニル基であり、
ただし、RがHであるときRもまたHである;
XはNRまたはNHC(=O)またはC(=O)NHであり;
はHまたは直鎖または分岐したC1−4アルキルであり;
はHまたは直鎖または分岐したC1−4アルキルであり;
Qは a)単結合、
b)非置換または置換された直鎖または分岐のC1−4アルキレン、
c)C2−4アルケニレンであり;
Aは a)置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノから選択される1−4個の基によって置換された少なくとも一つの芳香環を有する単環、二環または三環式の炭素環系である、アリール;
b)単環、二環または三環式環であり、そのいずれかが(置換されていないか、あるいはHまたはC1−4アルキルで置換されている)窒素、酸素および硫黄より選択される1から4個のヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または芳香環であり、1から3個の環炭素原子が置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノより独立して選択される基により置換されている、3−14員のヘテロ環;
mは2から4の整数である]
で示される、9a−置換9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
【請求項2】
式(Ia):
【化4】

(Ia)
[式中、
がHまたは式(II)
【化5】

(II)
のα−L−クラジノシル基であり、
がHまたは式(III)
【化6】

(III)
のβ−D−デソサミニル基であり、
ただし、RがHのときRもまたHである;
XはNRまたはNHC(=O)またはC(=O)NHであり;
はHまたは直鎖または分岐のC1−4アルキルであり;
はHまたは直鎖または分岐のC1−4アルキルであり;
Qは a)単結合、
b)非置換または置換された直鎖または分岐のC1−4アルキレン、
c)C2−4アルケニレンであり;
Aは a)置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノから選択される1−4個の基によって置換された少なくとも一つの芳香環を有する単環、二環または三環式の炭素環系である、アリール;
b)単環、二環または三環式環であり、そのいずれかが(置換されていないか、あるいはHまたはC1−4アルキルで置換されている)窒素、酸素および硫黄より選択される1から4個のヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または芳香環であり、1から3個の環炭素原子が置換されていないか、あるいは非置換または置換されたC1−4アルキル、非置換または置換されたC3−6シクロアルキル、ハロゲン、OH、NO、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキルオキシ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキルアミノより独立して選択される基により置換されている、3−14員のヘテロ環;
mが2から4の整数であり;
ただし、Rが式(III)のβ−D−デソサミニル基であり、
XがNRであり、
がHまたはC1−3アルキルであり、
mが2または3であり、
Qが直鎖非置換C1−4アルキレンであり、Aが非置換または置換ふぃニルあるいは窒素、酸素および硫黄から選択される1−3個の原子を含む5または6員の非置換または置換ヘテロアリールである場合、そのときRは直鎖または分岐したCアルキルである;
ただし、Aが非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)由来の非ステロイドサブユニットであり得ない]
で示される式(I)の、新規の9a−置換9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA、3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項3】
XがNRを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
XがNHC(=O)またはC(=O)NHを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Qが単結合を表す、請求項2から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
QがC1−4アルキレンを表す、請求項2から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
QがC2−4アルケニレンを表す、請求項2から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Aがキノリン誘導体部:
【化7】


RはHまたはハロゲン
である、請求項2から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Aがナフタレン誘導体部:
【化8】


RはHまたはアルキルオキシおよびいずれの環に結合してもよい
である、請求項2から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Aがピリジン誘導体部:
【化9】

である、請求項2から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
Aがフェニル誘導体部:
【化10】


RはH、C1−4アルキルオキシ、ハロゲンまたはNOであり、
tは1から4
である、請求項2から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
Aがプリン誘導体部:
【化11】

である、請求項2から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
Aがオキサゾール誘導体部:
【化12】


RはC1−4アルキル
である、請求項2から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
がHを表し、Rが式(III)のβ−D−デソサミニル基を表す、請求項2から14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
がHを表し、RがHを表す、請求項2から14のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
mが2または3である、請求項2から16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−({[2−(エチルオキシ)−ナフタレン−1−イル]メチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{2−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]エチル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[メチル−(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3’N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(1H−プリン−6−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(フェニルアセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(5−フェニルペンタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−[3−({(2S)−2−[6−(メチルオキシ)−ナフタレン−2−イル]プロパノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(フェニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(4−フェニルブチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−(2−ナフタレニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−(3−{[3−(キノリン−4−イル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]アセチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−[3−({[2,4,5−トリフルオロ−3−(メチルオキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(N−アセチル−4−フロロフェニルアラニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(3−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(3−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(4−オキソ−4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(5−クロロ−2−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[3−(4−フロロフェニル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(2−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[4−(4−ニトロフェニル)ブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−ブロモフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2E)−3−(キノリン−3−イル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
から選択される、請求項2に記載の式(Ia)の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項19】
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
から選択される、式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項20】
式(I)の化合物が、
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−({[2−(エチルオキシ)−ナフタレン−1−イル]メチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−3−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{2−[(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]エチル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[メチル−(ナフタレン−1−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ピリジン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3’N−deメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(1H−プリン−6−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(フェニルアセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(5−フェニルペンタノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−[3−({(2S)−2−[6−(メチルオキシ)−ナフタレン−2−イル]プロパノイル}アミノ)プロピル]−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(ナフタレン−1−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−[3−({(2S)−2−[6−(メチルオキシ)−ナフタレン−2−イル]プロパノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(フェニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(2−フェニルエチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(4−フェニルブチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−(2−ナフタレニルメチル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{1−[(1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル]アミノ)プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−(キノリン−4−イル−アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(3−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{1−[(3−フェニルプロピル)アミノ]プロパノイル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−アセチル)アミノ]プロピル}−9a−アザ−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(フェニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAジアセテート塩;
9a−{3−[(ナフタレン−2−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−5−O−デデソサミニル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−(3−{[3−(キノリン−4−イル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−[3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]アセチル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−[3−({[2,4,5−トリフルオロ−3−(メチルオキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(N−アセチル−4−フロロフェニルアラニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(3−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(3−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−クロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(4−オキソ−4−フェニルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(5−クロロ−2−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2−ニトロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2−フロロフェニル)アセチル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[3−(4−フロロフェニル)プロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−{3−[(2−フェニルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[4−(4−ニトロフェニル)ブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(4−ブロモフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAギ酸塩;
9a−(3−{[(2E)−3−(キノリン−3−イル)−2−プロペノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
9a−{3−[(キノリン−4−イル−メチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−
−ホモエリスロマイシンA ジアセテート塩;
9a−{3−[(7−クロロ−キノリン−4−イル)アミノ]プロピル]}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAトリアセテート塩;
またはその医薬上許容される誘導体である、請求項1に記載の使用。
【請求項21】
請求項2に記載の式(Ia)で示される式(I)の化合物の製法であって、
a)式(IV):
【化13】

(IV)
[式中、R、Rおよびmは、請求項2の記載と同意義である]
で示される化合物を、式(V):
【化14】

(V)
のアルデヒドと、適当な還元剤を用いて反応させ、式(Ia)[式中、XはNRであり、Rは水素であり、QはC1−4アルキレンであり、R、R、Rおよびmは請求項2の記載と同意義である]の化合物を生成するか;または
b)式(Ia)[式中、XはNRであり、Rは水素である]の化合物を、還元アルキル化により、式(VIa)または式(VIb)
【化15】


のアルデヒドと適当な還元剤を用いて反応させ、式(I)[式中、XはNRであり、RはC−Cアルキルであり、R、R、R、mおよびは請求項2の記載と同意義である]の化合物を生成するか;または
c)式(IV)の化合物を、式:A−L(VII)[式中、Lは適当な脱離基である]で示される化合物と反応させて式(Ia)[式中、Qは結合であり、XはNRであり、R、R、R、Rおよびmは請求項2の記載と同意義である]で示される化合物を生成するか;または
d)式(IV)の化合物を、ハロゲン化アシル、混合無水物および活性化エステルから選択される式:HOC(O)(CH2)1−4A(VIII)で示されるカルボン酸の適当な活性化誘導体と、または式(VIII)のカルボン酸と、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]undec−7−eneおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドから選択されるカルボジイミドの存在下で反応させるか;または
e)式(IX):
【化16】

(IX)
で示される化合物を、式:A−(CH2)n−NH2(X)で示されるアミンと、EDC、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンまたはDBU、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムおよび水酸化カリウムから選択される有機または無機塩基の存在下で反応させて、式(Ia)[式中、XはC(O)NHであり、R、R、R、mおよびQは請求項2の記載と同意義である]の化合物を生成する、一の工程を含む、方法。
【請求項22】
治療的に効果のある量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体を対象に投与することを含む治療が必要な対象におけるマラリアの治療的および/または予防的処置のための方法。
【請求項23】
対象が、熱帯熱マラリア原虫、Plasmodium vivax、Plasmodium ovaleまたはPlasmodium malariaeに感染している、請求項22の方法。
【請求項24】
医薬上許容される賦形剤、希釈剤および/または担体とともに、請求項2から19に記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物。
【請求項25】
医学的治療に用いるための、請求項2に記載の式(Ia)の化合物。

【公表番号】特表2009−535395(P2009−535395A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508539(P2009−508539)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/IB2007/001216
【国際公開番号】WO2007/125414
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506261316)グラクソスミスクライン・イストラジヴァッキ・センタル・ザグレブ・ドルズバ・ゼー・オメイェノ・オドゴヴォルノスティオ (25)
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE ISTRAZIVACKI CENTAR ZAGREB D.O.O.
【Fターム(参考)】