説明

ALK4またはALK5が介在する疾患を処置するための2、3、7位置換イミダゾ[1,2−b]ピリダジン類

遊離形または塩形または溶媒和形の式I:


[式中、R1、R2およびR5は、本明細書で示した意味を有する。]
の化合物は、ALK−5および/またはALK−4受容体が介在する疾患を処置するのに有用である。本化合物を含む医薬組成物および本化合物を製造する方法もまた記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物および、炎症性または閉塞性気道疾患、例えば肺高血圧、肺線維症、肝線維症;癌;筋肉疾患、例えば筋萎縮症および筋ジストロフィー;および全身性骨格障害、例えば骨粗鬆症を処置するための医薬としてのその使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
一つの局面において、本発明は、遊離形、塩形または溶媒和形の、式I:
【化1】

[式中、
R1は、アリールまたはヘテロシクリルであり、
R1は、所望によりヒドロキシル、カルボニル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルチオ、スルホニルアミノ、カルボニルアミノ、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ハロ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、ベンジルオキシ、C−Cアルキルオキシカルボニル、アミノスルホニル、C−Cアルキル、シアノ、スルホニル、スルファニル、スルホキシド、アリール、ヘテロシクリル、カルボニルオキシ、アミノ−C−Cアルキル、C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキル、および、さらにアリール−C−Cアルキル、ヘテロシクリル−C−C−アルキル、C−C15−シクロアルケニルおよびC−C−シクロアルキニルから独立して選択される1個以上の基R3によって置換されており;R3が2個の基を含むとき、これらの基R3は一体となってR1に縮合している環を形成してもよく;
ここで、R3は、所望によりヒドロキシル、C−Cアルキル、アリール、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ヘテロシクリル、シアノ、ハロ、スルホニル、スルファニル、スルホキシド、ジ(C−C)アルキルアミノ、ヒドロキシル−C−Cアルキル、アルコキシ、ジ−C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキルから選択される1個以上の基によって置換されており;
R2は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アリール、ヘテロアリール−ヘテロシクリル、アリール−ヘテロシクリル、ビアリール、ヘテロシクリル−ヘテロシクリルであり;
R2は、所望によりアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキル、C−C10−シクロアルキル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ヒドロキシル、C−Cアルキルカルボニル、カルボキシ、カルボニル、シアノ、スルホンアミド、および(さらに)C−C15−シクロアルケニルから独立して選択される1個以上の基R4によって置換されており;R4が2個の基を含むとき、これらの基R4は一体となってR2に縮合している環を形成してもよく;
ここで、R4は、所望によりヒドロキシル、C−Cアルキル、アリール、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ヘテロシクリル、シアノ、ハロ、スルホニル、スルファニル、スルホキシドから選択される1個以上の基によって置換されており;
R5は、HまたはNHである。]
の化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本明細書で用いられる用語は、以下の意味を有する。
“所望により置換されている”とは、本明細書で用いられるとき、言及している基が、非置換であっても、その後に挙げた基の何れか1つまたは何れかの基の組み合わせによって、1箇所または2箇所または3箇所で、置換されていてもよいことを意味する。
【0004】
“ハロ”または“ハロゲン”は、本明細書で用いられるとき、元素の周期表の17族(以前はVII族)に属する元素を表し、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であってもよい。
【0005】
“C−Cアルキル”は、本明細書で用いるとき、1個以上の基によって置換されていてもよい、1から7個の炭素原子を含む、直鎖、分枝鎖または環状アルキルを表す。
【0006】
“アリール”は、本明細書で用いるとき、炭素環状アリールまたはビアリールを表す。好ましくは、6から15個の環炭素原子を有する芳香族性の基を表す。それは、単環式、二環式、または三環式であってもよく、また、1個以上の基によって置換されていてもよい。C−C15−アリール基の例は、フェニル、フェニレン、ベンゼントリイル、インダニル、ナフチル、ナフチレン、ナフタレントリイル、および、アントリレンを含み、これらに限定されない。
【0007】
“ヘテロシクリル”は、飽和であっても、部分的に飽和であっても、不飽和であってもよい、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む4から14員のヘテロ環式環を言う。4員から14員のヘテロシクリル基の例は、フラニル、アゼチジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イソトリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピペリジニル、ピラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピペラジニル、ピロリジノニル、ピリジノニル(例えば1H−ピリジン−2−オンイル)、モルホリニル、トリアジニル、オキサジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、1,4−オキサチアニル、インダゾリル、キノリニル、インドリル、チアゾリル、チエニル、イソキノリニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、または、テトラヒドロナフチリジニルを含み、これらに限定されない。4員から14員のヘテロシクリル基は、非置換であっても置換されていてもよい。
“ヘテロシクリル”は、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル基を含む。
【0008】
ヘテロアリールは、1個以上の環原子がO、NまたはSから選択されるヘテロ原子である、5から18個の環原子を含む芳香族性の単環式または二環式の炭化水素である。好ましくは、1個または2個のヘテロ原子が存在する。ヘテロアリールは、例えば、ピリジル、インドリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルを表す。ヘテロアリールはまた、置換されたかかる基を含む。
【0009】
ヘテロシクロアルキルは、飽和であっても不飽和であってもよい、O、NまたはSから選択される、1個以上の、好ましくは1から3個のヘテロ原子を含む、単環式、二環式または三環式の炭化水素を表す。好ましくは、それは、3個と18個の間の環原子を含む。用語ヘテロシクロアルキルは、架橋されたヘテロシクロアルキル基、例えば3−ヒドロキシ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル、および、縮合環系を含むことを意図している。
【0010】
“C−C10−シクロアルキル”は、3から10個の環原子を有する完全に飽和の炭素環式環を表し、例えば単環式基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロデシル、あるいは、二環式基、例えばビシクロヘプチルまたはビシクロオクチルを表す。
【0011】
“C−C−ハロアルキル”は、本明細書で用いるとき、1個以上のハロゲン原子、好ましくは1個、2個または3個のハロゲン原子によって置換されている、前に定義されたC−C−アルキルを表す。
【0012】
“C−C−アルキルアミノ”は、本明細書で用いるとき、同一であっても異なっていてもよい、1個または2個の、前に定義されたC−C−アルキル基によって置換されているアミノを表す。
【0013】
“C−C−アルコキシ”は、本明細書で用いるとき、1から7個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルコキシを表す。
【0014】
R3が2個の基を含むならば、このようなR3基は、一体となって、R1に縮合している環を形成してもよい。この環は、好ましくは、炭素原子、ならびに、N、SおよびOから選択される3個までのヘテロ原子から選択される、3から10個の環原子を有する。
【0015】
“C−C−シクロアルケニル”は、本明細書で用いるとき、少なくとも1個の二重結合を有する、部分的に不飽和の単環式、二環式または三環式の炭素環式環を言い、例えばシクロブテニル、シクロペンテニル、例えばシクロペンテン−2−または−3−イル、シクロヘキセニル、例えばシクロヘキセン−2−または−3−イル、シクロヘプテニル、例えばシクロヘプテン−2−、−3−または−4−イル、シクロオクテニル、シクロノネニルまたはシクロデセニル、あるいは、二環式基、例えばビシクロヘプテニルまたはビシクロオクテニルを言い、これらは非置換であっても置換されていてもよい。
【0016】
−C−アルキニルは、本明細書で用いるとき、2個から8個の炭素原子を含み、かつ、1個以上の炭素−炭素三重結合を含む、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖を表す。
【0017】
異なる炭素原子の数が本明細書で特記されたとき、例えばCまたはCと特記されたとき、定義は、前記の定義に従って解釈されるべきである。
【0018】
本明細書および請求の範囲全体において、文脈から他の解釈を必要としない限り、単語“含む”(comprise)またはその変形(例えばcomprisesまたはcomprising)は、記載した整数または工程または整数もしくは工程のグループを含むが、それ以外の整数または工程または整数もしくは工程のグループを排除しないことを意味していると理解されるべきである。あるいは、本発明の別の態様において、整数および工程を具体的に記載された整数および工程に限定するとき、“からなる”(consisting of)と記載する。
【0019】
本発明によると、式(I)に関して、独立して、包括的に、または何れかの組み合わせもしくはサブコンビネーションで、次の意味が好ましい:
(i) R1が、所望により上で定義した通りに置換されている6員のアリールまたはヘテロアリール基である;
(ii) R1が、所望により上で定義した通りに置換されているフェニルまたはピリジニルである;
(iii) R1が、所望により置換されているフェニルである;
(iv) R1が、所望により置換されているピリジニルである;
(v) R2が、所望により上で定義した通りに置換されているヘテロアリールまたはアリールによって3位で置換されている6員のアリールまたはヘテロアリールである;
(vi) R2が、所望により置換されているフェニルまたはピリジニルである;
(vii) R2が、所望により置換されているヘテロアリール−フェニルである;
(viii) R2が、所望により置換されているヘテロアリール−ピリジニルである;
(ix) R2が、所望により置換されているフェニル−ピリジニルである;
(x) R5が、Hである。
【0020】
“6員の”は、環を形成する6個の原子を有することを意味する。
【0021】
塩基性中心を含む式Iの化合物は、酸付加塩、特に薬学的に許容される酸付加塩を形成し得る。式Iの化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸;ならびに、有機酸、例えば脂肪族モノカルボン酸類、例えば蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸および酪酸、カプリル酸、ジクロロ酢酸、馬尿酸、脂肪族ヒドロキシ酸類、例えば乳酸、クエン酸、酒石酸またはリンゴ酸、グルコン酸、マンデル酸、ジカルボン酸類、例えばマレイン酸またはコハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸、フマル酸、グルタミン酸、マロン酸、セバシン酸、芳香族性カルボン酸、例えば安息香酸、p−クロロ安息香酸、ニコチン酸、ジフェニル酢酸またはトリフェニル酢酸、芳香族性ヒドロキシ酸、例えばo−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸または3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、および、スルホン酸類、例えばメタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、(+)−カンファー−10−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の塩を含む。これらの塩は、既知の塩形成手順によって、式Iの化合物から製造され得る。
薬学的に許容される溶媒和物は、一般的に水和物である。
【0022】
酸性の基、例えばカルボキシル基を含む式Iの化合物はまた、塩基、特に薬学的に許容される塩基、例えば当業界で周知の薬学的に許容される塩基と、塩を形成し得る。適当な塩は、金属塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩、あるいは、アンモニアまたは薬学的に許容される有機アミン類またはヘテロ環塩基との塩、例えばエタノールアミン類、ベンジルアミン類またはピリジン、アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、ジエタノールアミン、4−(2−ヒドロキシ−エチル)モルホリン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、N−メチル グルタミン、ピペラジン、トリエタノール-アミンまたはトロメタミンとの塩を含む。これらの塩は、既知の塩形成手順によって、式Iの化合物から製造され得る。酸性の基、例えばカルボキシル基を含む式Iの化合物はまた、第4級アンモニウム中心と双性イオンとして存在してもよい。
【0023】
遊離形の式Iの化合物は、慣用の方法で、塩形に変換されてもよく、また、逆を行ってもよい。遊離形または塩形の本化合物は、水和物または結晶化に用いた溶媒を含む溶媒和物の形態で得られる。式Iの化合物は、慣用の方法で、反応混合物から回収され、精製され得る。異性体、例えばエナンチオマーは、例えば分別結晶によって、または対応する不斉に置換された、例えば光学的に活性な出発物質からの不斉合成によって、慣用の方法で得られる。
【0024】
本発明の幾つかの化合物は、少なくとも1個の不斉炭素原子を含み、その結果、当該化合物は、個々の光学活性な異性体の形態で、あるいは、その混合物、例えばラセミ混合物として存在する。さらなる不斉中心が存在する場合には、本発明はまた、個々の光学活性な異性体、および、例えばジアステレオマー混合物などの混合物を包含する。
【0025】
本発明は、全てのこのような形態、特に純粋な異性体の形態を含む。異なる複数の異性体の形態は、慣用の方法によって、他の異性体から1種の異性体を分離され得る。あるいは、何れの示された異性体も、慣用の合成方法によって、または、立体特異的合成または不斉合成によって得られる。本発明の化合物は、医薬組成物に使用することを意図しているため、それらが、それぞれ、好ましくは実質的に純粋な形態で、例えば少なくとも60%純粋な形態で、より適当には少なくとも75%純粋な形態で、好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも98%純粋な形態で提供されることが容易に理解される(なお、%は重量/重量に基づいている)。本化合物の純粋でない生成物は、医薬組成物で用いられる、より純粋な形態を製造するために用いられ得る;本化合物のこれらの、より純粋でない生成物は、少なくとも1%の、より適当には少なくとも5%、好ましくは10から59%の本発明の化合物を含むべきである。
【0026】
本発明は、1個以上の原子が、同一の原子番号を有するが天然で通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、全ての薬学的に許容される同位体標識された式Iの化合物を含む。本発明の化合物に含めるのに適当な同位体の例は、水素の同位体、例えばHおよびH、炭素の同位体、例えば11C、13Cおよび14C、塩素の同位体、例えば36Cl、フッ素の同位体、例えば18F、ヨウ素の同位体、例えば123Iおよび125I、窒素の同位体、例えば13Nおよび15N、酸素の同位体、例えば15O、17Oおよび18O、ならびに硫黄の同位体、例えば35Sを含む。
【0027】
特定の同位体標識された式Iの化合物、例えば放射活性な同位体を組み込んだ化合物は、薬物および/または組織分布試験に有用である。放射活性な同位体であるトリチウム(H)および炭素−14(14C)は、組み込みの容易さと検出手段の容易さの点で、この目的において特に有用である。より重い同位体、例えば重水素(H)への置換は、代謝安定性の増大に起因する特定の治療上の利点、例えば生体内での半減期の延長または必要な投与量の減少をもたらし得るため、幾つかの状況において好ましい。陽電子放出同位体、例えば11C、18F、15O、および13Nへの置換は、基質受容体占有率を試験するための、陽電子放出断層撮影(PET)試験に有用であり得る。
【0028】
同位体標識された式Iの化合物は、一般的に、当業者に既知の慣用の方法によって、あるいは、実施例に記載された方法と類似の方法によって、先に用いられていた標識されていない反応剤に代わって、対応する同位体標識された反応剤を用いて製造され得る。
【0029】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物は、結晶溶媒が同位体置換されている溶媒和物を含み、例えば結晶溶媒がDO、d−アセトンまたはd−DMSOである溶媒和物であってもよい。
【0030】
具体的に特に好ましい本発明の化合物は、下記の実施例に記載された化合物および/またはその薬学的に許容される塩である。
【0031】
本発明はまた、遊離形または塩形または溶媒和形の式Iの化合物の製造方法を提供する。
本発明のさらなる局面によると、式Iの化合物の製造方法であって、次に示す工程を含む方法が提供される:
(i) スズキ・カップリング条件および後処理条件下で、式Xの化合物を、式XIのスズキ・カップリング反応剤と反応させること:
【化2】

適当な条件は、例えば、適当な溶媒中、触媒PdCl(PPh)およびNaCOを含む;あるいは、
(ii) 好都合な反応条件下で、例えば適当な溶媒中、NaHCOを用いて、式XIIの化合物を、式XIIIの化合物と縮合させること:
【化3】

(ここで、R1、R2およびR5は、上で定義した通りである。それぞれの場合において、保護基は、反応に従って用いられ、その後除去され得る。);
そして、所望により、得られた遊離の式Iの化合物を塩に変換すること;得られた式Iの化合物の塩を遊離形または別の塩に変換すること;および/または式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換すること。
【0032】
該反応は、好ましくは、次の通り行われる:
反応において、好ましくは、スズキ−ミヤウラ・カップリング反応または類似のカップリング反応の条件が用いられる。
【0033】
工程の変形a)により行われる反応は、好ましくは、スズキ反応条件下で、好ましくは、極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、アルコール類、例えばエタノール、および/またはアセトニトリル、および所望により水の混合物中で、クロスカップリングのための触媒の存在下で、特に貴金属触媒、好ましくはパラジウム触媒、例えばパラジウム(II)錯体、例えば(好ましくはHalがクロロであれば)、二塩化 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の存在下で、塩基の存在下、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの存在下で、80℃から160℃の範囲の好ましい温度で行われるか;あるいは、別の好ましい方法に従って、環状エーテル溶媒中、例えばテトラヒドロフランおよび/または1種以上のすぐ上に記載した溶媒中、クロスカップリングのための触媒の存在下で、特に貴金属触媒、好ましくはパラジウム(0)錯体、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)、または(特にHalがヨードであれば)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下で、または適切なリガンド、例えば2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6'−ジメトキシビフェニル(SPhos)または2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2'−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル(P1)の存在下での前駆体としてのパラジウム ジベンジリデンアセトンの存在下で、ならびに、例えば上に記載した塩基またはリン酸カリウムの存在下で、80から150℃の範囲の好ましい温度で行われ;必要であれば密封容器(例えば密封反応器)中で反応を行い、反応混合物の沸点を超えるならば、特に(好ましい態様として)加熱をマイクロ波励起によって行う。必要であれば、別の触媒またはさらなる触媒、例えば(PdCl(PPh).Fe.CHCl)を加えてもよい。
【0034】
b)の反応は、好ましくは、慣用の溶媒中で、例えばジメチルホルムアミドまたはエタノール中で、塩基、例えば炭酸水素ナトリウムの非存在下または存在下で、高温で、例えば50℃から反応混合物の還流温度で行う。
【0035】
保護基
1個以上の他の官能基、例えばカルボキシ、ヒドロキシ、アミノが、それらが反応に関与するべきではないために、またはそれらが反応を妨げるために、出発物質において、例えば1個以上の何れかの出発物質、中間体および遊離体において保護されているか、あるいは保護される必要があるならば、ペプチド化合物や、セファロスポリンやペニシリン、ならびに核酸誘導体および糖の合成において通常用いられる基がある。保護基は、除去されるため最終化合物中には存在しない基であり、置換基として残っている基は、特定の中間体の段階で付加され、最終化合物を得るために除去される基である本明細書で用いられる意味での保護基ではない。例えば、tert−ブトキシは、もし式Iの化合物に残っているならば置換基であるが、式Iの最終化合物を得るために除去されるならば保護基である。
【0036】
保護基は、前駆体においてすでに存在していてもよく、また、望ましくない副反応、例えばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解、およびこれらに類似する反応から、関連する官能基を保護するべきである。保護基自身が容易に、すなわち望ましくない副反応を起こすことなく、典型的にはアセトリシス、プロトノリシス、加溶媒分解、還元、光分解によって、または、例えば生理学的条件に類似する条件下で酵素活性によって除去され得ること、ならびに、保護基は最終生成物中には存在しないことが、保護基の特徴である。専門家は、どんな保護基が上記および下記の反応に適切であるかを知っているか、あるいは、容易に確認し得る。
【0037】
当該保護基による当該官能基の保護、保護基自身および保護基の除去反応は、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999、“The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H. D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine”(Amino acids, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982、および、Jochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate”(Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974などの標準的な参考文献に記載されている。
【0038】
例えば、アミノ保護tert−ブトキシカルボニル基は、酸分解によって、例えば適切な溶媒、例えばジクロロメタンの存在下で、−10から50℃の範囲の好ましい温度で、トリフルオロ酢酸によって除去され得る。
【0039】
所望の反応および変換
式Iの化合物は、標準的な反応によって、異なる式Iの化合物に変換されてもよい。
例えば、R2がアリールまたはヘテロアリールであり、置換基R4=ハロ、例えばクロロまたはブロモである式Iの化合物において、反応(i)について上で記載した条件と類似の条件下で、Rがヒドロキシル(あるいはC−C−アルキルであるか、あるいは2個のR部分が一体となって(非置換または4個までのC−C−アルキル(例えばメチル)で置換されている)C−C−アルケニル架橋を形成する)である−B(OR)置換基を有する、対応するアリールまたはヘテロアリール化合物と反応させることによって、(非置換または置換)アリールまたはヘテロアリールR4に変換され得る。
【0040】
R1がR3=C−C−アルコキシカルボニルで置換されている式Iの化合物において、このエステル基は、例えば溶媒および非置換または置換C−C−アルキルアミノカルボニルR3を形成するアミン(窒素に結合した水素を置き換えた後)の存在下で、好ましくは塩基、例えば炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムの存在下で、好ましくは高温で、例えば30から80℃で、C−C−アルキルアミノカルボニルR3(非置換であるか、または式Iの化合物について記載された通りに置換されている)に変換され、ここで、溶媒は例えばアルコール、例えばメタノールである。
【0041】
R1がR3=C−C−アルコキシカルボニルで置換されている式Iの化合物において、このエステル基は、適切な溶媒中、例えばジクロロメタン中、適切なヒドリド錯体、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムの存在下で、低温で、例えば0から−80℃の範囲で、ヒドロキシメチルR3に変換され得る。
【0042】
R1がR3=C−C−アルコキシカルボニルで置換されている式Iの化合物において、このエステル基は、適切な溶媒中、例えばテトラヒドロフラン、水、および/またはアルコール、例えばメタノール中、特に0から50℃の範囲の温度で、適切な塩基、例えば水酸化アルカリ金属塩、例えば水酸化リチウムで加水分解することによって、遊離のカルボキシルR3に変換され得る。
【0043】
R1がカルボキシルで置換されている式Iの化合物において、この基は、適切な溶媒中、例えばアセトニトリルまたはジクロロメタン中、第2級窒素塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で、30℃と反応混合物の還流温度の間の、例えば約130から150℃の間の好ましい温度で反応させることによって、C−C−アルキルアミノカルボニル(ここで、該アルキルは、非置換であるか、または、式Iの化合物について記載された通りに置換されている。)(すなわち、対応するアミド)に変換され得る。アミド合成のためのカップリング剤として、カルボキシル基をそのままで活性化する全ての反応剤または反応剤混合物が考えられ、例えばベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを、対応する第1級(非置換または置換)C−C−アルキルアミン ジシクロヘキシルカルボジイミド/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(DCC/HOBt)と共に;ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOPCl);O−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TPTU);O−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU);(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、O−(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩/ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(EDC/HOBtまたはEDC/HOAt)、または、HOAt単独または(1−クロロ−2−メチル−プロペニル)−ジメチルアミンと共に、用いられる。幾つかの他の可能なカップリング剤についてのレビューは、例えばKlauser; Bodansky, Synthesis (1972), 453-463を参照のこと。
【0044】
また、“所望により”行われる所望の工程において、反応に関与するべきではない出発化合物の官能基は、保護されていない形態で存在しても、例えば上記の「保護基」で記載した1個以上の保護基によって保護された形態で存在してもよい。次いで、保護基は、記載された方法の一つによって、全てまたは部分的に除去される。
【0045】
塩形成基を有する式Iの化合物の塩は、それ自身既知の方法で製造され得る。式Iの化合物の酸付加塩は、従って、酸または適当な陰イオン交換剤で処理することによって得られる。塩基との塩は、塩基または適当な陽イオン交換剤によって得られる。
【0046】
塩は、通常、例えば適当な塩基性化合物、例えば炭酸アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ金属塩または水酸化アルカリ金属、典型的には、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することによって、あるいは、適当な酸性化合物、例えばハロゲン化水素酸、例えばHClまたはHBrで処理することによって、遊離化合物に変換され得る。
【0047】
生成物および副生成物の構造異性体の混合物は、標準的な手順によって、例えば分配、クロマトグラフィー、選択的結晶化などによって分離され得る。
【0048】
立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物は、それ自身既知の方法で、適当な分離方法の手段によって、その対応する異性体に分離され得る。ジアステレオマー混合物は、例えば、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配およびこれらに類似の手順によって、その個別のジアステレオマーに分離され得る。この分離は、出発化合物のレベルで行っても、式Iの化合物自身で行ってもよい。エナンチオマーは、ジアステレオマーの塩形成を経て、例えばエナンチオマーとして純粋なキラルな酸との塩形成によって、あるいは、クロマトグラフィー法によって、例えばキラルなリガンドを有するクロマトグラフィーの支持体を用いるHPLCによって、分離され得る。
【0049】
従って、本発明はまた、異性体として純粋な形態の式Iの化合物またはその塩および/または溶媒和物、ならびにその使用を含む。
【0050】
この章で記載された変換に類似する反応はまた、適切な中間体のレベルでも行い得る(そしてその結果、対応する出発物質の製造に有用である)ことが強調されるべきである。
【0051】
実施例に記載された反応条件および反応剤またはそれに類似する反応条件および反応剤が(下記の出発物質の製造の場合においても)、特に好ましい。
【0052】
出発物質XおよびXIIは、以下の合成経路に従って製造され得る。
【化4】

【0053】
本発明の薬物は、アクチビン様キナーゼ(ALK)−5阻害剤として作用する。少なくとも、これらの化合物の多くは、ALK−4阻害剤としても作用する。
【0054】
TGF−β1は、膜一回貫通型セリン/トレオニンキナーゼ受容体のファミリーを経てシグナル伝達する、TGF−β類、アクチビン類、インヒビン類、骨形成蛋白質およびミュラー管阻害物質を含むサイトカインのファミリーの原型のメンバーである。これらの受容体は、2つのクラス、すなわちI型またはアクチビン様キナーゼ(ALK)受容体と、II型受容体に分類され得る。(a)ALK受容体にはセリン/トレオニン−リッチ細胞内尾部がない点、および(b)ALK受容体がI型受容体と非常に相同性の高いセリン/トレオニンキナーゼドメインを有する点、および(c)ALK受容体が、グリシンとセリン残基が多い領域からなるGSドメインと呼ばれる共通の配列モチーフを有する点で、ALK受容体はII型受容体と区別される。GSドメインは、細胞内キナーゼドメインのアミノ末端であり、II型受容体による活性化が必須である。幾つかの研究によって、TGF−βシグナル伝達には、ALKとII型受容体の双方が必要であることが示されている。特に、II型受容体は、TGF−βの存在下で、TGF−βについてのI型受容体であるALK5のGSドメインをリン酸化する。次に、ALK5は、2個のカルボキシ末端のセリンで、細胞質蛋白質smad2およびsmad3をリン酸化する。リン酸化されたsmad蛋白質は、核に移動し、細胞外マトリックスの産生に寄与する遺伝子を活性化する。従って、好ましい本発明の化合物は、I型受容体を阻害する点で選択的である。
【0055】
アクチビン類は、TGF−βと類似の方法でシグナル伝達する。アクチビン類は、セリン/トレオニンキナーゼ、すなわちアクチビンII型受容体(ActRIIB)に結合し、活性化されたII型受容体は、ALK4のGS領域において、セリン/トレオニン残基を過剰にリン酸化する。活性化されたALK4は、次いで、Smad2およびSmad3をリン酸化する。その結果として形成されるSmad4とヘテロ−Smad複合体は、アクチビン誘導遺伝子転写制御をもたらす。
【0056】
TGF−β1軸の活性化および細胞外マトリックスの拡大は、慢性腎臓疾患および血管性疾患の発症および進行の初期のおよび持続的な原因である(Border W.A., et al, N. Engl. J. Med., 1994; 331(19), 1286-92)。さらに、TGF−β1は、TGF−β1受容体であるALK5によるsmad3のリン酸化作用を介して、硬化性沈着物の構成要素であるフィブロネクチンおよびプラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1の形成に、役割を果たしている(Zhang Y., et al, Nature, 1998; 394(6696), 909-13; Usui T., et al, Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 1998; 39(11), 1981-9)。
【0057】
腎臓および心血管系における進行性の線維症は、罹患および死亡の主原因であり、また医療費の重要な一因である。TGF−β1は、多くの腎線維性障害に関与している(Border W.A., et al, N. Engl. J. Med., 1994; 331(19),1286-92)。TGF−β1は、急性および慢性糸球体腎炎において(Yoshioka K., et al, Lab. Invest., 1993; 68(2),154-63)、糖尿病性腎症において(Yamamoto, T., et al, 1993, PNAS 90, 1814-1818)、同種移植片拒絶反応、HIV腎症およびアンジオテンシン誘発性腎症において(Border W.A., et al, N. Engl. 5 J. Med., 1994; 331(19), 1286-92)、上昇する。これらの疾患において、TGF−β1発現量は、細胞外マトリックスの産生と一致している。3つの証拠により、TGF−β1とマトリックスの産生の間の因果関係が示唆されている。第1に、正常な糸球体、糸球体間質細胞および非腎臓細胞は、in vitroで、外因性のTGF−β1によって、細胞外マトリックス蛋白質の産生を誘発し、プロテアーゼ活性を阻害できる。第2に、TGF−β1に対する中和抗体は、腎炎のラットにおいて、細胞外マトリックスの蓄積を阻止できる。第3に、TGF−β1トランスジェニック・マウスまたは正常なラットの腎臓へのTGF−β1遺伝子のin vivoでの形質移入の結果、糸球体腎炎の急速な発症が起こった(Kopp J.B., et al, Lab. Invest., 1996; 74(6),991 1003)。従って、TGF−β1活性の阻害は、慢性腎臓疾患における治療的介入として指示される。
【0058】
TGF−β1およびその受容体は、損傷した血管において増加し、バルーン血管形成後の新生内膜形成において存在が示される(Saltis J., et al, Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 1996; 23(3),193-200)。さらに、TGF−β1は、in vitroでの平滑筋細胞(SMC)移動の強力な刺激剤であり、動脈の壁におけるSMCの移動は、アテローム性動脈硬化症および再狭窄の病理における寄与因子である。さらに、総コレステロールに対する内皮細胞生成物の多変量解析において、TGF−β受容体ALK5は、総コレステロールに相関していた(P<0.001)(Blann A.D., et al, Atherosclerosis, 1996; 120(1-2), 221-6)。さらに、ヒトのアテローム性動脈硬化症病変から得たSMCでは、ALK5/TGF−βのII型受容体比が増大している。TGF−β1が線維増殖性血管病変において過剰発現されるために、I型受容体変異細胞は、ゆっくりと、しかし制御されないで増殖し、同時に細胞外マトリックス構成要素を過剰産生する(McCaffrey T.A., et al, Jr., J. Clin.; Invest., 1995; 96(6), 2667-75)。TGF−β1は、活性なマトリックス合成が起こっているアテローム性動脈硬化症病変において、非泡沫状マクロファージに免疫局在性であり、このことは、非泡沫状マクロファージが、TGF−β依存性メカニズムによるアテローム性動脈硬化リモデリングにおいてマトリックス遺伝子発現の調節に関係していることを示唆している。従って、TGF−β1のALK5に対する作用の阻害はまた、アテローム性動脈硬化症および再狭窄において適応される。
【0059】
肝線維症は、幾つかの動因、例えばB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス、アルコールまたは薬物、および自己免疫疾患によって誘発される慢性肝臓傷害に対する不均衡な創傷治癒応答の結果である。最終的に、肝線維症は、生命を脅かす肝硬変や肝臓癌を引き起こし得る(Gressner et al (2006) J. Cell. Mol. Med. 2006, 10(1): 76-99によるレビューを参照のこと)。
【0060】
幾つかの細胞シグナル伝達経路は、慢性肝臓傷害により変化することが知られている。
TGFβシグナル伝達、その受容体および関連のSmadシグナル伝達蛋白質は、線維形成に関連する細胞型に存在することがよく証明されている。TGFβの循環量は、肝線維症を含む幾つかの線維性疾患の動物モデルで上昇することが見出されている。TGFβ1を過剰発現するトランスジェニック・マウスは、肝臓、腎臓、肺および心臓を含む、多くの臓器において線維症を発症する。TGFβシグナル伝達の増加が、肝線維症を含む全てのタイプの線維性疾患に関連していることは明らかである。このことは、さらに、線維症モデルにおけるTGFβ阻害剤を用いた幾つかの試験で確認されている。TGFβは、2種のセリン/トレオニンキナーゼ受容体、すなわちTGFβRIIおよびALK5に結合することによって、そのシグナルを伝達する。機能阻害TGFβRIIの発現が、ジメチルニトロソアミン誘発性肝線維症のラットのモデルにおいて、有益な効果を示した(Qi et al (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. 96: 2345-9およびNakamura et al (2000) Hepatology 32: 247-55を参照のこと)。また、アンチセンス・アプローチを用いたTGFβ発現の阻害は、胆管結紮によって誘発される肝線維症を減少させる(Arias et al (2003) BMC Gastroenterol. 3: 29を参照のこと)。近年、ALK5の小分子阻害剤であるGW6604が、ラットに治療的に与えられた場合に、ジメチルニトロソアミン誘発性肝線維症の処置において著しい効果を有した。GW6604が、死亡率を40%予防し、かつ、線維症の鍵となる測定値である細胞外マトリックス沈着を60%まで阻害したことは、非常に注目すべきことである。重要なことは、GW6604で3週間処置する間で、明らかな副作用が記録されなかったことである(De Gouville et al (2005) Br. J. Pharmacol. 145: 166-77を参照のこと)。これらの研究をまとめると、TGFβシグナル伝達を阻害することが、肺線維性疾患のための有効な処置であることが示唆された。
【0061】
TGF−β1はまた、創傷回復においても存在が示される。TGF−β1に対する中和抗体は、幾つかのモデルにおいて、TGF−β1シグナル伝達の阻害が治癒プロセスにおいて過剰な瘢痕形成を制限することによって傷害後の機能回復に有益であることを説明するために用いられている。例えば、TGF−β1およびTGF−β2に対する中和抗体は、ラットにおいて、単球およびマクロファージの数を減少させ、かつ、皮膚のフィブロネクチンおよびコラーゲンの沈着を減少させることによって、瘢痕形成を減少させ、新真皮(neodermis)の細胞構築を改善した(Shah M., J. Cell. Sci., 1995, 108, 985-1002)。さらに、TGF−β抗体はまた、ウサギにおいて、角膜創の治癒を改善し(Moller-Pedersen T., Curr. Eye Res., 1998,17, 736-747)、ラットにおいて、胃潰瘍の傷治癒を促進する(Ernst H., Gut, 1996, 39, 172-175)。これらのデータは、TGF−βの活性を制限することが多くの組織において有益であることを強く示唆しており、また、TGF−βの慢性的な上昇を伴う何らかの疾患には、smad2およびsmad3シグナル伝達経路を阻害することが有益であることを示唆している。
【0062】
TGF−βはまた、腹膜癒着に関与している(Sand G.M., et al, Wound Repair Regeneration, 1999 Nov-Dec, 7(6), 504-510)。従って、ALK5阻害剤は、外科的手技後の腹腔癒着および皮下の線維性癒着に有益である。
【0063】
TGF−βはまた、皮膚の光老化に関与している(Fisher GJ. Kang SW. Varani J. Bata-Csorgo Z. Wan YS. Data S. Voorhees J J., Mechanisms of photoaging and chronological skin ageing, Archives of Dermatology, 138(11):1462- 1470, 2002 Nov. および Schwartz E. Sapadin AN. Kligman LH. “UItraviolet B radiation increases steady state mRNA levels for cytokines and integrins in hairless mouse skin- modulation by 25 topical tretinoin”, Archives of Dermatological Research, 290(3):137-144, 1998 Mar.を参照のこと。)。
【0064】
TGF−βシグナル伝達はまた、肺の障害、特に肺高血圧および肺線維症の発症に関与している(Morrell NW, Yang X, Upton PD, Jourdan KB, Morgan N, Sheares KK, Trembath RC., Altered growth responses of pulmonary artery smooth muscle cells from patients with primary pulmonary hypertension to transforming growth factor-beta(1) and bone morphogenetic proteins. Circulation. 2001 Aug 14;104(7):790-5; Bhatt N, Baran CP, Allen J, Magro C, Marsh CB., Promising pharmacologic innovations in treating pulmonary fibrosis. Curr Opin Pharmacol. 2006 Apr 28を参照のこと)。
【0065】
TGF−β1の濃度は、肺高血圧の動物モデルにおいて増大する(Mata-Greenwood E, Meyrick B, Steinhorn RH, Fineman JR, Black SM. Alterations in TGF-beta1 expression in lambs with increased pulmonary blood flow and pulmonary hypertension. Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol. 2003 Jul; 285(1):L209-21)。他の研究により、肺内皮細胞由来TGF−β1が、肺高血圧を有する個体の肺脈管構造において観察される筋肉増加を起こし得る肺血管平滑筋細胞の増殖を刺激し得ることが示唆されている(Sakao S, Taraseviciene-Stewart L, Wood K, Cool CD, Norbert VF. Apoptosis of pulmonary microvascular endothelial cells stimulates vascular smooth muscle cell growth. Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol. 2006 Apr 14)。従って、TGF−β1のALK5に対する作用を阻害することは、肺高血圧における治療的介入として指示される。
【0066】
さらに、TGF−βシグナル伝達の調節不全はまた、特発性肺線維症の発症に関与している。ALK5の活性化は、Smad3活性化およびプラスミノーゲン活性化因子阻害因子−1、プロコラーゲン 3A1および結合組織増殖因子のような線維症プロセスに関与している遺伝子の下流での発現の調節をもたらす。TGF−β1およびその下流の前線維性メディエーターの量は、特発性肺線維症を有する患者から採取された気管支肺胞洗浄液において(Hiwatari N, Shimura S, Yamauchi K, Nara M, Hida W, Shirato K. Significance of elevated procollagen-III-peptide and transforming growth factor-beta levels of bronchoalveolar lavage fluids from idiopathic pulmonary fibrosis patients. Tohoku J. Exp. Med. 1997 Feb; 181(2): 285-95)、および、特発性肺線維症の動物モデルにおいて(Westergren-Thorsson G, Hernnas J, Sarnstrand B, Oldberg A, Heinegard D, Malmstrom A. Altered expression of small proteoglycans, collagen, and transforming growth factor-beta 1 in developing bleomycin-induced pulmonary fibrosis in rats. J. Clin. Invest. 1993 Aug;92(2):632-7)、上方制御されることが証明されている。
【0067】
アデノウイルスベクター介在遺伝子導入を用いた、マウスの肺における活性なTGF−β1の一過性の過剰発現は、野生型のマウスにおいて進行性肺線維症を引き起こすのに対して、Smad3ノックアウトマウスの肺ではTGF−β1負荷後28日目まで線維症が見られなかった(Khalil N, Parekh TV, O'Connor RN, Gold LI. Differential expression of transforming growth factor-beta type I and II receptors by pulmonary cells in bleomycin-induced lung injury: correlation with repair and fibrosis. Exp. Lung. Res. 2002 Apr-May;28(3):233-50)。従って、ALK5のTGF−β1活性化の阻害はまた、肺線維症のために指示される。
【0068】
TGF−β1はまた腫瘍に関与しており、従って、本発明の薬物は、前立腺癌、乳癌、胃癌、血管新生、転移、腫瘍を含む癌の処置に、例えば腫瘍の進行の処置および/または予防に有用であり得る。
【0069】
アクチビンシグナル伝達およびアクチビンの過剰発現は、細胞外マトリックスの蓄積および線維症に関係する病理学的障害(例えばMatsuse, T. et al., Am. J. Respir Cell Mol. Biol. 13:17-24 (1995); Inoue, S. et al., Biochem. Biophys. Res. Comn. 205:441- 448 (1994); Matsuse, T. et al., Am. J. Pathol. 148:707-713 (1996); De Bleser et al., Hepatology 26:905-912 (1997); Pawlowski, J. E., et al., J. Clin. Invest. 100:639-648 (1997); Sugiyama, M. et al., Gastroenterology 114:550-558 (1998); Munz, B. et al., EMBO J. 18:5205-5215 (1999))、炎症性応答(例えばRosendahl, A. et al., Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 25:60-68 (2001))、悪液質または消耗(Matzuk7 M. M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:8817-8821 (1994); Coerver, K. A. et al., Mol. Endocrinol. 10:531 543 (1996); Cipriano, S. C. et al., Endocrinology 141:2319-2327 (2000))、中枢神経系における疾患または病理学的応答(例えばLogan, A. et al., Eur. J. Neurosci. 11:2367- 2374 (1999); Logan, A. et al., Exp. Neurol. 159:504-510 (1999); Masliah, E. et al., Neurochem. Int. 39:393-400 (2001); De Groot, C. J. A. et al., J. Neuropathol. Exp. Neural. 58:174-187 (1999); John, G. R. et al., Nat. Med. 8:1115-1121 (2002))、および高血圧(例えばDahly, A. J. et al., Am. J. Physiol. Regul. Integr Comp. Physiol. 283: R757-767 (2002))に関連している。研究により、TGF−βおよびアクチビンが、細胞外マトリックス産生を誘発するよう相乗的に作用し得ることが示された(例えばSugiyama, M. et al., Gastroerterology 114; 550-558 (1998))。
【0070】
従って、本発明の薬物による、Smad2およびSmad3のALK5および/またはALK4リン酸化の阻害は、これらのシグナル伝達経路に関係する障害の処置および予防に有用であり得る。
【0071】
アクチビンシグナル伝達はまた、肺の障害、特に肺高血圧および肺線維症の発症に関与している。例えば、間質性肺線維症を有する患者由来の肺サンプルにおけるアクチビン Aの発現は、異形成表皮、過形成平滑筋細胞、落屑した細胞および肺胞マクロファージでのアクチビン Aの発現増加を証明した。原発性または続発性肺高血圧を有する患者の肺動脈は、平滑筋細胞において多くの免疫反応性アクチビン Aを示した。これらの発見は、間質性肺線維症および肺高血圧に関連する肺組織リモデリングの病因における、この増殖因子アクチビン Aの可能性のある役割を示唆している(Matsuse T, Ikegami A, Ohga E, Hosoi T, Oka T, Kida K, Fukayama M, Inoue S, Nagase T, Ouchi Y, Fukuchi Y. Expression of immunoreactive activin A protein in remodelling lesions associated with interstitial pulmonary fibrosis. Am. J. Pathol. 1996 Mar;148(3):707-13)。線維芽細胞および関連の結合組織の増加は、肺線維症および肺高血圧の特徴である。アクチビン Aは、特に増殖および筋芽細胞への分化に関するヒトの肺線維芽細胞(HFL1)活性を調節することが証明されている。その結果、アクチビン Aは、肺線維芽細胞の増殖および筋芽細胞への分化に対して効果を有する可能性があり、そして肺線維症および肺高血圧で観察される構造的リモデリングの一因となり得る(Ohga E, Matsuse T, Teramoto S, Katayama H, Nagase T, Fukuchi Y, Ouchi Y. Effects of activin A on proliferation and differentiation of human lung fibroblasts. Biochem. Biophys. Res. Commun. 1996 Nov 12;228(2):391-6)。ラットにおけるブレオマイシン負荷が介在する肺線維症の誘発は、肺に浸潤されたマクロファージにおけるアクチビン A発現の上方制御をもたらし、線維症領域に蓄積された線維芽細胞で検出された。ブレオマイシン処置ラットへのフォリスタチン、すなわちアクチビンシグナル伝達のアンタゴニストの投与は、気管支肺胞洗浄液中のマクロファージおよび好中球の数を著しく減少させ、蛋白質含量を減少させる。フォリスタチンは、浸潤細胞の数を著しく減少させ、肺の構造の破壊を寛解させ、肺線維症を和らげる(Aoki F, Kurabayashi M, Hasegawa Y, Kojima I. Attenuation of bleomycin-induced pulmonary fibrosis by follistatin. Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2005 Sep 15;172(6):713-20)。
【0072】
従って、ALK4阻害を介したアクチビンシグナル伝達の阻害はまた、肺線維症および肺高血圧の処置に有益であり得る。
【0073】
近年、TGF−βのシグナル伝達の、そのエフェクターSmad3を介した減少が、骨マトリックスの機械的性質および鉱物濃度ならびに骨量を増加させ、骨の骨折に対する抵抗性を上昇させることが証明された。これらの結果は、TGF−βシグナル伝達の減少が、骨傷害を処置するための治療的標的と考えられ得ることを示唆している(Balooch G, et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 2005 Dec 27;102(52):18813-8)。従って、ALK5のTGF−β1活性化の阻害はまた、鉱物密度強度および骨含量を増加させるために適応され、かつ、例えば、骨減少症、骨粗鬆症、骨折、および、骨の鉱物密度の低下が疾患のホールマークである他の障害を含む、広範囲の状態を処置するために利用され得る。
【0074】
ALK−5および/またはALK−4受容体の阻害に関して、本発明の薬物は、ALK−5および/またはALK−4受容体が介在する状態の処置に有用である。本発明による処置は、症候性であっても予防的であってもよい。
【0075】
従って、さらなる局面によって、本発明は、ALK−5またはALK−4が介在する疾患または状態を処置するまたは予防する医薬の製造における、本発明の薬物の使用を提供する。
【0076】
ALK−5またはALK−4が介在する疾患または状態は、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、ループス腎炎、高血圧誘発性腎症、間質性腎線維症、薬物曝露の合併症に起因する腎線維症、HIV関連腎症、移植腎症、全ての病因による肝線維症、感染を原因とする肝機能障害、アルコール誘発性肝炎、胆管の障害、肺線維症、肺高血圧、急性肺傷害、成人呼吸窮迫症候群、特発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、感染または毒物による肺疾患、感染後の心臓線維症、鬱血性心不全、拡張型心筋症、心筋炎、血管狭窄、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、眼の瘢痕化、角膜の瘢痕化、増殖性硝子体網膜症、外傷または手術創に由来する創傷治癒の際に起こる皮膚における過剰なもしくは肥厚性瘢痕またはケロイド形成、腹膜癒着および皮下癒着、強皮症、線維性硬化症(fibrosclerosis)、進行性全身性硬化症、皮膚筋炎、多発性筋炎、関節炎、潰瘍、神経学的機能障害、男性勃起不全、アルツハイマー病、レイノー病、線維性癌、腫瘍転移増殖、放射線誘発性線維症、血栓症、およびカルシウム欠乏または再吸収の増大に関連する骨の状態または骨形成の刺激および骨におけるカルシウム固定が望ましい骨の状態、例えば骨減少症および骨粗鬆症を含む。
【0077】
ALK−5が介在する疾患または状態は、特に、慢性腎臓疾患、急性腎臓疾患、創傷治癒、関節炎、骨粗鬆症、腎臓疾患、鬱血性心不全、炎症性または閉塞性気道疾患、肺高血圧、潰瘍(糖尿病性潰瘍、慢性潰瘍、胃潰瘍および十二指腸潰瘍を含む)、眼の障害、角膜創、糖尿病性腎症、神経学的機能不全、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、腹膜癒着および皮下癒着、腎線維症、肺線維症および肝線維症を含み、これに限定されない線維症が主要な構成要素である何らかの疾患、例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アルコール誘発性肝炎、ヘモクロマトーシス、原発性胆汁性肝硬変、再狭窄、後腹膜線維症、腸間膜線維症、子宮内膜症、ケロイド、癌、骨機能異常、炎症性障害、皮膚の瘢痕化および光老化を含む。
【0078】
本発明が適用可能である炎症性または閉塞性気道疾患は、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息の双方を含む、どんなタイプであれ、原因であれ、喘息を含む。喘息の処置はまた、例えば、喘鳴症候を示し且つ“喘鳴幼児(wheezy infant)”(主要な医学的関心において確立された患者カテゴリーであって、現在ではしばしば初期または初期相の喘息と識別される)と診断されるかまたは診断され得る4才もしくは5才未満の対象の処置を含むと理解されるべきである(簡便には、この特定の喘息状態は“喘鳴幼児症候群”と記載される)。
【0079】
喘息の処置における予防的効果は、症候発作、例えば急性喘息発作または気管支収縮発作の頻度または重症度の減少、肺機能の改善、または気道過敏症の改善によって明らかとなる。さらに、それは、他の対症療法、すなわち症候発作が起こったときにそれを制限するまたは中止することを意図した治療、例えば抗炎症剤(例えばコルチコステロイド)または気管支拡張剤の必要性の減少によっても明らかとなる。喘息の予防の利益は、特に、“モーニング・ディップ”を起こす傾向のある対象で明らかであろう。“モーニング・ディップ”は、喘息患者の相当数に一般的な喘息の症候群であると認識されており、また、例えば約午前4時から6時の間に、すなわち通常先に投与された対症喘息療法から相当離れた時間に起こる喘息の発作によって特徴づけられる。
【0080】
本発明が適応可能である他の炎症性または閉塞性気道疾患および状態は、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性気管支炎またはそれに関連した呼吸困難を含む慢性閉塞性肺または気道疾患(COPDまたはCOAD)、肺気腫、ならびに他の薬物治療後の、特に他の吸入薬治療後の気道過敏症の増悪を含む。本発明はまた、例えば急性、アラキジン酸性、カタル性、クループ性、慢性または結核性(phthinoid)気管支炎を含む、どんなタイプであれ、原因であれ、気管支炎の処置に適応可能である。さらに、本発明が適応可能である炎症性または閉塞性気道疾患は、何れかのタイプまたは由来の塵肺(炎症性の、通常職業性の、しばしば気道閉塞を伴う肺疾患であり、慢性または急性の何れかであり、繰り返し塵埃を吸入することによって引き起こされる)を含み、例えばアルミニウム肺、炭粉症、石綿症、石肺症、羽毛症(ptilosis)、鉄沈着症、珪肺症、タバコ肺および綿肺症を含む。
【0081】
好ましくは、ALK−5またはALK−4が介在する疾患または状態は、肺高血圧、肺線維症、肝線維症、筋肉疾患、癌または骨粗鬆症である。
【0082】
本発明によって処置される肺高血圧は、原発性肺高血圧(PPH);続発性肺高血圧(SPH);家族性PPH;散発性PPH;前毛細血管性肺高血圧;肺動脈高血圧(PAH);肺動脈高血圧(pulmonary artery hypertension);特発性肺高血圧;血栓性肺動脈症(TPA);叢状肺動脈症;機能分類クラスIからIVの肺高血圧;および左心室機能不全、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋症、縦隔線維症、肺静脈還流異常、肺静脈閉塞性疾患、膠原病性脈管疾患、先天性心疾患、HIVウイルス感染、薬物および毒物、例えばフェンフルラミン類、先天性心疾患、肺静脈高血圧、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、睡眠時呼吸障害、肺胞低換気障害、慢性的高地曝露、新生児肺疾患、肺胞毛細血管異形成、鎌状赤血球症、他の血液凝固異常、慢性血栓塞栓、結合組織病、狼瘡、住血吸虫症、サルコイドーシスまたは肺毛細血管腫症に付随する、これらに関連する、またはこれらに対して続発性の肺高血圧を含む。
【0083】
本発明に従って処置される肺高血圧は、最も特定的には、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、睡眠時呼吸障害、肺胞低換気障害、慢性的高地曝露、新生児肺疾患および肺胞毛細血管異形成を含む、呼吸器系の障害および/または低酸素血に関連する肺高血圧であり、特に慢性閉塞性肺疾患に関連する肺高血圧である。
肺線維症は、特に、特発性肺線維症を含む。
【0084】
本発明の化合物はまた、筋萎縮症(例えば廃用性)、筋ジストロフィー(例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)、筋肉減少症および悪液質(cachexia)を含む筋肉疾患を処置するために用いられ得る。
【0085】
筋肉疾患、例えば筋萎縮症および筋ジストロフィーの処置は、未だ対処されていない大きな医学的要請である。種々の筋肉障害の使用において承認された化合物は、ほんの数種であり、主に癌誘発性およびHIV筋消耗または悪液質の分野においてであり、さらに数種の薬剤がこれらの適応について未承認で用いられている。さらに、これらの薬物のほとんどが、体重減少のみに取り組み、筋肉の増殖および機能に特に影響を与えない。従って、悪液質(例えば癌、HIVおよびCOPDにおいて)に関係する筋肉疾患、廃用性筋萎縮症、筋肉減少症およびジストロフィーに関連した機能障害を処置するための有効な治療に対する要請がある。
【0086】
ミオスタチンは、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)のファミリーのメンバーであり、重要な骨格筋量の負の制御因子である。ダブルマッスル(double-muscle)牛において、および骨格筋肥大を有するヒトにおいて、ミオスタチン遺伝子における異なる変異が検出された(McPherron et al (1997) Nature 387:83-90; Schuelke et al (2004) N. Engl. J. Med. 350:2682-2688)。骨格筋増殖および障害におけるミオスタチンの重要な役割は、広範囲のin vivoおよびin vitroの研究において確認されている。例えばマウスにおけるミオスタチンの筋肉特異的過剰発現は、筋肉量の減少を引き起こし(Reisz-Porszasz et al (2003) AJP- Endo. 285:876-888)、一方でミオスタチン欠損マウスは、骨格筋量が増加し、体脂肪が減少した(Lin et al (2002) Biochem. Biophys. Res. Comm. 291: 701-706)。これに一致して、ミオスタチンの全身投与は、悪液質を誘発し(Zimmers et al (2002) Science 296:1486-1488)、一方で例えばミオスタチン中和抗体JA16によるミオスタチンの阻害は、野生型およびジストロフィーmdxマウスにおいて、筋肉量および筋肉強度を増加させる(Bogdanovich et al (2002) Nature 420: 418-421, 2002; Wagner et al (2002) Ann. Neurol. 52: 832-836; Wolfman et al (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. 100(26): 15842-15846)。さらに、ミオスタチン量の増加は、実験的および臨床学的な筋萎縮症の双方で、例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)、癌または肝硬変を有する患者において、ならびに、高齢の、およびグルココルチコイド処置下での筋肉減少症を有する患者において観察された(Ma et al (2003) Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 285: E363-371; Gonzales-Cadavid et al (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. 95: 14938-14943; また Reisz-Porszasz et al (2003) AJP- Endo. 285:876-888 および Jespersen et al (2006) Scand. J. Med. Sci. Sports. 16: 74-82を参照のこと)。これらの発見により、ミオスタチン阻害剤の、筋萎縮症および筋ジストロフィーの処置剤としての高い可能性が示された。
【0087】
ミオスタチンの作用機序は、まだ研究途中である。ミオスタチンのSmad2/3を介したシグナル伝達は、比較的よく確立されている(Lee S. J. (2004) Ann. Rev. Dev. Biol. 20: 61-86)。さらに、成熟ミオスタチンは、アクチビンIIb型およびアクチビン受容体様キナーゼ(ALK)受容体を介して、脂肪細胞に作用することが示されている(Rebbarpragada et al (2003) Mol. Cell. Biol. 23: 7230-7242)。しかし、骨格筋細胞におけるそれぞれの発見は記載されていない。ミオスタチンは、分化を阻害し、ALKシグナル伝達を介して萎縮症を引き起こすと考えられている。さらに、ALKシグナル伝達の阻害は、skMC分化を促進し、skMC肥大を引き起こす。
【0088】
骨粗鬆症は、骨脆弱性および骨折発生率の増加を伴う骨量減少および骨組織の微小構造劣化によって特徴付けられる全身性骨格障害である。骨粗鬆症性症候群は、多面性の包括的な原発性障害、例えば閉経後または加齢関連骨粗鬆症、および、疾病状態または薬物に付随する続発性状態である。骨マトリックスの機械的特性および組成は、骨量および構造と同様に、骨折への骨の抵抗性の重要な決定因子である。
【0089】
従って、さらなる局面において、本発明は、医薬として使用するための本発明の薬物を含む。
【0090】
また、さらなる局面において、本発明は、カルシウム欠乏または再吸収の増加に関連する骨の状態、または、骨形成の刺激および骨におけるカルシウム固定が望ましい骨の状態を予防するまたは処置する方法であって、有効量の本発明の薬物またはその薬学的に許容され切断され得るエステルまたは酸付加塩が、該処置を必要とする患者に、特に該処置に有効な量で投与される方法を含む。
【0091】
また、さらなる局面において、本発明は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と混合した、本発明の薬物またはその薬学的に許容され切断可能なエステルまたは酸付加塩を含む、カルシウム欠乏または再吸収の増加に関連する骨の状態、または、骨形成の刺激および骨におけるカルシウム固定が望ましい骨の状態を予防するまたは処置するための医薬組成物を含む。
【0092】
また、さらなる局面において、本発明は、骨の状態を処置または予防する医薬の製造における本発明の薬物の使用、および、該処置に使用するための式Iの化合物を含む。
【0093】
下記の実施例の化合物は、一般的に、1μM未満のIC50値を有する。例えば、実施例1、6、8、10、14、18、20、24、34および59の化合物は、それぞれ、0.083、0.139、0.024、0.028、0.042、0.047、0.203、0.083、0.141、0.236μMのIC50値を有する。
【0094】
ALK5のキナーゼ活性は、一般的な基質であるカゼインへの、放射標識したリン酸[33P]の組み込みを測定することによって評価される。ヒトのALK5キナーゼドメイン(アミノ酸200−503)を、N末端ヒスチジン・タグと融合させる。ALK5のキナーゼ活性は、アミノ酸204での点変異(トレオニンをアスパラギン酸に修飾, ALK5 T204D)によって構成的となり、キナーゼ構成物は、昆虫細胞中のバキュロウイルス発現構成物から発現されるよう設計される。精製された組み換えヒスチジン・タグ付加ALK5 T204D蛋白質は、50mM Tris−HCl(pH 8.0)、150mM NaCl、5mM DTTに、5.4mg/mlで溶解される。ALK5 T204Dを、アッセイ緩衝液(アッセイ緩衝液=20mM Tris−HCl(pH 7.4)、10mM MgCl、2mM MnCl)に、使用する日に、2.5μg/mlで溶解する。
【0095】
試験化合物および参照化合物を、5%(v/v)のDMSOを含みDTTを含まないアッセイ緩衝液に溶解する。試験化合物および参照化合物のストック溶液を、4.5%(v/v)のDMSOを含みDTT(1.25mM)を含むアッセイ緩衝液で希釈する。10μlの試験化合物または参照化合物を、96ウェルU底プレートの対応するウェルに加える。ALK5キナーゼ阻害参照化合物の非存在下でALK5 T204D活性を測定することによって、酵素活性総量を決定する。ALK5キナーゼ阻害参照化合物の存在下でALK5 T204Dの活性を測定することによって、非特異的結合(NSB)を決定する。10μlの脱リン酸化カゼインストック溶液(脱リン酸化カゼインをddHOに20mg/mlで溶解する)を、各ウェルに加える(最終アッセイ濃度200μg/ウェル)。20μlのALK5 T204D(2.5μg/ml溶液)を、各ウェルに加える(最終アッセイ濃度50ng/ウェル)。プレートを室温で10分間インキュベートする。
【0096】
10μlのATPミックスをウェルに添加し、反応を開始させる(最終アッセイ濃度=0.66nM [33P]ATP/1μM 標識していないATP/ウェル)。ATPミックスを下記の通り調製する:標識していないATP(3mM)をddHOに溶解し、pHを7.4に調節する。[33P]ATPのストック濃度は、10μCi/μlである。対応する容積の[33P]ATPを標識していないATP溶液に加え、各ウェルの最終アッセイ濃度を0.1μCiとする。ATPミックスを添加した後、プレートを室温で50分間インキュベートする。50μLの停止緩衝液(20mM Tris−HCl(pH 7.4)、10mM EDTA)を添加することによって、キナーゼ反応を終了させる。
【0097】
反応プレートから75μl/ウェルをMultiscreen-IPプレートに移す(MultiScreen-IP プレートは、以下の通り調製する:ウェル当たり50μLの70%(v/v) エタノールを添加し、室温で5分間インキュベートする。MultiScreen HTS Vaccum Manifold unit (Millipore, カタログ番号:MSVMHT500)により吸引することによって、該エタノールを除去する。200μl/ウェルのddHOを添加することによってプレートを2回洗浄する)。該MultiScreen-IPプレートを室温で30分間インキュベートし、カゼインをプレートに結合させる。200μl/ウェルの100mM リン酸溶液を添加することによって、MultiScreen-IPプレートを3回洗浄し、MultiScreen-IPプレートの背面から注意深くガスケットを除き、プレートをオーブン中で30分間乾燥させる。MultiScreen-IPプレートをバックシールし、50μLのMicroscint(商標) 20を加え、次いでプレートをトップシールし、TopCount(商標) プレートリーダーで、33Pシンチレーション・プロトコルを用いて、放射標識されたカゼインを検出し、定量した。
【0098】
本発明の薬物はまた、特に閉塞性または炎症性気道疾患の処置のための他の薬物、例えば抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン性、鬱血除去性または鎮咳性薬物、例えば前記の薬物と組み合わせて使用するための併用治療薬として、例えば該薬物の強化剤として、または該薬物の必要投与量を減少させ副作用の可能性を減少させる手段として有用である。本発明の薬物は、固定化医薬組成物において1種以上の他の薬物と混合されても、あるいは、他の薬物と別個に、それの前に、それと同時に、またはそれの後に投与されてもよい。
【0099】
このような抗炎症性薬物は、ステロイド類、特にグルココルチコステロイド類、例えばブデソニド、ジプロピオン酸酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロ酸モメタゾン、または、WO 02/88167、WO 02/12266、WO 02/100879、WO 02/00679 [Novartis] (特に実施例3、11、14、17、19、26、34、37、39、51、60、67、72、73、90、99および101に記載されたステロイド)、WO 03/35668、WO 03/48181、WO 03/62259、WO 03/64445、WO 03/72592、WO 04/39827およびWO 04/66920に記載されたステロイド;非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えばDE 10261874、WO 00/00531、WO 02/10143、WO 03/82280、WO 03/82787、WO 03/86294、WO 03/104195、WO 03/101932、WO 04/05229、WO 04/18429、WO 04/19935、WO 04/26248およびWO 05/05452に記載されたもの;LTB4アンタゴニスト、例えばBIIL 284、CP-195543、DPC11870、LTB4エタノールアミド、LY 293111、LY 255283、CGS025019C、CP-195543、ONO-4057、SB 209247、SC-53228およびUS 5451700およびWO 04/108720に記載されたもの;LTD4アンタゴニスト、例えばモンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、アコレート、SR2640、Wy-48,252、ICI 198615、MK-571、LY-171883、Ro 24-5913およびL-648051;ドーパミン受容体アゴニスト、例えばカベルゴリン、ブロモクリプチン、ロピニロールおよび4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)−プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロンおよびその薬学的に許容される塩(塩酸塩であるViozan(登録商標)−AstraZeneca);PDE4阻害剤、例えばシロミラスト(Ariflo(登録商標) GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Byk Gulden)、V-11294A (Napp)、BAY19-8004 (Bayer)、SCH-351591 (Schering-Plough)、アロフィリン(Arofylline)(Almirall Prodesfarma)、PD189659 / PD168787 (Parke-Davis)、AWD-12-281 (Asta Medica)、CDC-801 (Celgene)、SelCID(TM) CC-10004 (Celgene)、VM554/UM565 (Vernalis)、T-440 (Tanabe)、KW-4490 (Kyowa Hakko Kogyo)、GRC 3886 (Oglemilast、Glenmark)、WO 92/19594、WO 93/19749、WO 93/19750、WO 93/19751、WO 99/16766、WO 01/13953、WO 03/104204、WO 03/104205、WO 04/000814、WO 04/000839およびWO 04/005258 (Merck)、WO 04/018450、WO 04/018451、WO 04/018457、WO 04/018465、WO 04/018431、WO 04/018449、WO 04/018450、WO 04/018451、WO 04/018457、WO 04/018465、WO 04/019944、WO 04/019945、WO 04/045607、WO 04/037805、WO 04/063197、WO 04/103998、WO 04/111044、WO 05/012252、WO 05/012253、WO 05/013995、WO 05/030212、WO 05/030725、WO 05/087744、WO 05/087745、WO 05/087749およびWO 05/090345に記載されたもの、ならびにWO 98/18796およびWO 03/39544に記載されたもの;A2aアゴニスト、例えばEP 409595A2、EP 1052264、EP 1241176、WO 94/17090、WO 96/02543、WO 96/02553、WO 98/28319、WO 99/24449、WO 99/24450、WO 99/24451、WO 99/38877、WO 99/41267、WO 99/67263、WO 99/67264、WO 99/67265、WO 99/67266、WO 00/23457、WO 00/77018、WO 00/78774、WO 01/23399、WO 01/27130、WO 01/27131、WO 01/60835、WO 01/94368、WO 02/00676、WO 02/22630、WO 02/96462、WO 03/086408、WO 04/039762、WO 04/039766、WO 04/045618およびWO 04/046083に記載されたもの;およびA2bアンタゴニスト、例えばWO 02/42298およびWO 03/042214に記載されたものを含む。
【0100】
該気管支拡張性薬物は、β2−アドレナリン受容体アゴニストを含む。適当なβ2−アドレナリン受容体アゴニストは、アルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロール、フェノテロール、プロカテロール、および、特にフォルモテロール、カルモテロール(carmoterol)、GSK159797およびそれらの薬学的に許容される塩、および、WO 0075114の式Iの化合物(遊離形または塩形)(この文献は言及することによって本明細書に組み込まれる)、好ましくはその実施例の化合物、特に、式:
【化5】

の化合物およびその薬学的に許容される塩、および、WO 04/16601の式Iの化合物(遊離形または塩形または溶媒和形)、または、WO 04/087142の式Iの化合物を含む。さらに、適当なβ2−アドレナリン受容体アゴニストは、例えばEP 147719、EP 1440966、EP 1460064、EP 1477167、 EP 1574501、JP 05025045、JP 2005187357、US 2002/0055651、US 2004/0242622、US 2004/0229904、US 2005/0133417、US 2005/5159448、US 2005/5159448、US 2005/171147、US 2005/182091、US 2005/182092、US 2005/209227、US 2005/256115、US 2005/277632、US 2005/272769、US 2005/239778、 US 2005/215542、US 2005/215590、US 2006/19991、US 2006/58530、WO 93/18007、WO 99/64035、WO 01/42193、WO 01/83462、WO 02/66422、WO 02/ 70490、WO 02/76933、WO 03/24439、WO 03/42160、WO 03/42164、WO 03/72539、WO 03/91204、WO 03/99764、WO 04/16578、WO 04/22547、WO 04/32921、WO 04/33412、WO 04/37768、WO 04/37773、WO 04/37807、WO 04/39762、WO 04/39766、WO 04/45618、WO 04/46083、WO 04/80964、WO 04/087142、WO 04/89892、WO 04/108675、WO 04/108676、WO 05/33121、WO 05/40103、WO 05/44787、WO 05/58867、WO 05/65650、WO 05/66140、WO 05/70908、WO 05/74924、WO 05/77361、WO 05/90288、WO 05/92860、WO 05/92887、WO 05/90287、WO 05/95328、WO 05/102350、WO 06/56471、WO 06/74897またはWO 06/8173に記載された化合物を含む。
【0101】
当該気管支拡張性薬物はまた、他の抗コリン作用性または抗ムスカリン作用性薬物を含み、特に、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩、グリコピロレート、CHF 4226 (Chiesi)、および、SVT-40776、ならびに、EP 424021、US 3714357、US 5171744、US 2005/171147、US 2005/182091、WO 01/04118、WO 02/00652、WO 02/51841、WO 02/53564、WO 03/00840、WO 03/33495、WO 03/53966、WO 03/87094、WO 04/18422、WO 04/05285、WO 04/96800、WO 05/77361およびWO 06/48225に記載された化合物を含む。
【0102】
適当なデュアル抗炎症性および気管支拡張性薬物は、デュアルβ2−アドレナリン受容体アゴニスト/ムスカリン作用性アンタゴニストを含み、例えばUS 2004/0167167、US 2004/0242622、US 2005/182092、US 2005/256114、US 2006/35933、WO 04/74246、WO 04/74812、WO 04/89892およびWO 06/23475に開示されたものを含む。
【0103】
適当な抗ヒスタミン性薬物は、塩酸セチリジン、レボセチリジン、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラタジン、デスロラタジン、ジフェンヒドラミンおよび塩酸フェキソフェナジン、アクリバスチン(activastine)、アステミゾール、アゼラスチン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、レボカバスチン、ミゾラスチンおよびテルフェナジン(tefenadine)、ならびに、WO 03/099807、WO 04/026841およびJP 2004107299に開示されたものを含む。
【0104】
本発明のさらなる態様によると、本発明の薬物は、他の治療、例えば骨粗鬆症の治療における骨再吸収阻害剤を用いる治療、特にカルシウム、カルシトニンまたはそのアナログまたは誘導体、例えばサケ、ウナギまたはヒトのカルシトニン、ステロイドホルモン、例えばエストロゲン、部分エストロゲンアゴニスト、または、エストロゲンとゲスターゲンの組み合わせ、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)、例えばラロキシフェン、ラソフォキシフェン、TSE-424、FC1271、チボロン(Livial A)、ビタミンDまたはそのアナログ、または、PTH、PTHフラグメント、またはPTH誘導体、例えばPTH(1-84)、PTH(1-34)、PTH(1-36)、PTH(1-38)、PTH(1-31)NH2、または、PTS 893を用いた治療に対する添加剤またはアジュバントとして用いられ得る。
【0105】
本発明の薬物は、さらに、Insmed Incによって開発されたまたはUS 2006/0166328に記載されたIPLEX(商標)のように、どのように製剤化または安定化されていても、ヒトインシュリン様成長因子1またはIGF1と組み合わせて用いられ得る。
【0106】
前述に従って、本発明はまた、閉塞性または炎症性気道疾患を処置する方法であって、それを必要とする患者、特にヒトの患者に、前記の本発明の薬物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、閉塞性または炎症性気道疾患を処置する医薬の製造に使用するための、前記の本発明の薬物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を提供する。
【0107】
本発明の薬物は、何らかの適切な経路によって、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で、経口で;非経腸で、例えば静脈内で;例えば乾癬の処置において、皮膚への局所で;例えば枯草熱の処置において、鼻腔内で;または、特に閉塞性または炎症性気道疾患の処置において、好ましくは吸入によって投与され得る。特に、本発明の薬物は、COPDおよび喘息の処置のために吸入可能な形態で送達され得る。
【0108】
さらなる局面において、本発明はまた、本発明の薬物の遊離形またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を、所望により薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む医薬組成物を提供する。該組成物は、慣用の希釈剤または賦形剤を用いて、生薬業界で既知の方法を用いて製造され得る。従って、経口投与形は、錠剤およびカプセル剤を含む。局所投与のための製剤は、クリーム、軟膏、ゲル、または経皮送達系、例えばパッチの形態をとり得る。吸入用組成物は、エアゾールまたは他の噴霧可能な製剤または乾燥粉末製剤を含み得る。
【0109】
吸入可能な形態の活性成分がエアゾール組成物であるとき、吸入装置は、定められた用量、例えば10から100μl、例えば25から50μlの組成物を送達するよう適合させたバルブを提供するエアゾールバイアル、すなわち、定用量吸入器として知られる装置であってもよい。適当なエアゾールバイアル、および加圧下でその中にエアゾール組成物を入れる方法は、吸入治療の分野の当業者に周知である。例えばエアゾール組成物は、例えばEP-A-0642992に記載された通り、コートされた缶から投与され得る。吸入可能な形態の活性成分が、霧状化可能な水性、有機性または水性/有機性分散液であるとき、吸入装置は、既知のネブライザー、例えば慣用の空気圧ネブライザー、例えばエアジェット・ネブライザーまたは超音波ネブライザー(例えば1から50ml、一般的には1から10mlの分散液を含み得る)、あるいは、ハンドヘルド・ネブライザー(ソフトミスト吸入器またはソフトスプレー吸入器とも呼ばれる)、例えば電子制御デバイス、例えば AERx (Aradigm, US)または Aerodose (Aerogen)、あるいは、慣用のネブライザーよりもさらに小さな吸入用量、例えば10から100μlを可能とする機械的装置、例えば RESPIMAT (Boehringer Ingelheim) ネブライザーであり得る。吸入可能な形態の活性成分が、微細化された粒子の形態であるとき、吸入装置は、例えば(A)および/または(B)の単位投与量を含む乾燥粉末を含むカプセルまたはブリスターから乾燥粉末を送達するよう適合させた乾燥粉末吸入装置、あるいは、1回作動当たり(A)および/または(B)の単位投与量を含む、例えば3〜25mgの乾燥粉末を送達するよう適合させた多回用量の乾燥粉末吸入(MDPI)装置であり得る。乾燥粉末組成物は、好ましくは、希釈剤または担体、例えば乳糖、および、湿気による製品の性能劣化から保護するのを助ける化合物、例えばステアリン酸マグネシウムを含む。適当な乾燥粉末吸入装置は、US 3991761 (AEROLIZER(商標) 装置を含む)、WO 05/113042、WO 97/20589 (CERTIHALER(商標) 装置を含む)、WO 97/30743 (TWISTHALER(商標) 装置を含む)、および、WO 05/37353 (GYROHALER(商標) 装置を含む)に開示された装置を含む。
【0110】
本発明はまた、(A)吸入可能な形態の、本発明の薬物の遊離形またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物;(B)吸入可能な形態の薬学的に許容される担体と共に、吸入可能な形態の該化合物を含む吸入可能な薬剤;(C)吸入装置と組み合わせた、吸入可能な形態の該化合物を含む医薬製品;および(D)吸入可能な形態の該化合物を含む吸入装置、を含む。
【0111】
本発明の実施に用いられる本発明の薬物の投与量は、例えば処置される特定の状態、望ましい効果および投与方法に依存して、当然に変化する。一般的に、吸入による投与に適当な1日投与量は、0.0001から30mg/kgの範囲であり、典型的には患者当たり0.01から10mgであり、一方、経口投与に適当な1日投与量は、0.01から100mg/kgの範囲である。
本発明は、下記の実施例によって説明される。
【実施例】
【0112】
実施例
本発明は、下記の実施例によって説明される。
特に好ましい本発明の化合物は、式I:
【化6】

[式中、R、RおよびRは、以下の表Iで示した通りである。]
の化合物を含む。製造方法は、以下に記載されている。
【0113】
表1
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
【表3】

【0116】
【表4】

【0117】
【表5】

【0118】
【表6】

【0119】
【表7】

【0120】
【表8】

【0121】
【表9】

【0122】
【表10】

【0123】
一般的な条件:
質量スペクトルは、open access Agilent 1100 HPLC/Mass Spectrometer systemで、大気圧化学イオン化を用いて行う。[M+H]+は、モノアイソトピック分子量を言う。
特記しない限り、全ての出発物質は、商業的供給業者から得られ、さらに精製することなく用いる。
【0124】
略号:
BOPは、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートであり、
DCMは、ジクロロメタンであり、
DIBAL−Hは、水素化ジイソブチルアルミニウムであり、
DMEは、ジメトキシエタンであり、
DMFは、ジメチルホルムアミドであり、
EtNは、トリエチルアミンであり、
EtOAcは、酢酸エチルであり、
EtOHは、エタノールであり、
Oは水であり、
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーであり、
minは、分であり、
mLは、ミリリットルであり、
MgSOは、硫酸マグネシウムであり、
MeOHは、メタノールであり、
NaOHは、水酸化ナトリウムであり、
NaCOは、炭酸ナトリウムであり、
NBSは、N−ブロモスクシンイミドであり、
NMPは、1−メチル−2−ピロリドンであり、
NMRは、核磁気共鳴であり、
Pdは、パラジウムであり、
PdCl(PPh)は二塩化 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)であり、
COは、炭酸カリウムであり、
RTは、室温であり、そして
SCXは、強カチオン交換である。
【0125】
最終化合物の製造
経路A
実施例1
N−メチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド
【化7】

【0126】
工程A: 3−[3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド
DME(3ml)中の、3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミド(中間体A)(1当量, 0.353mmol, 117mg)および2−クロロピリジン−4−ボロン酸(1.2当量, 0.424mmol, 66.7mg)の混合物に、水(1ml)およびNaCO(2当量, 0.707mmol, 87.6mg)を加える。次いで、PdCl(PPh)(0.1当量, 0.035mmol, 24.8mg)を加え、該反応混合物を、マイクロ波放射を用いて、120℃で10分間加熱する。この時間が完了した後、溶媒を真空で除去し、該反応混合物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、3−[3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミドを黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 364
【0127】
工程B: N−メチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド
3−[3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド(1当量, 0.110mmol, 40mg)およびフェニルボロン酸(1.2当量, 0.132mmol, 16.1mg)を、DME(1.5ml)および水(0.5ml)に溶解し、NaCO(2当量, 0.22mmol, 27.3mg)を加える。次いで、PdCl(PPh)(0.1当量, 0.011mmol, 7.7mg)を加え、該反応混合物を、マイクロ波照射を用いて、120℃で10分間加熱する。この時間が完了した後、溶媒を真空で除去し、該反応混合物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、N−メチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミドを黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 406
【0128】
実施例2から48
以下の実施例、すなわち、
3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド (実施例2)、
3−{3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド (実施例4)、
3−[3−(2−フラン−2−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド (実施例5)、
3−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル}−N−メチル−ベンズアミド (実施例6)、
3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例10)、
3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例11)、
N−{3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド (実施例14)、
3−{4−[7−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−ベンズアミド (実施例16)、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(2−チオフェン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例26)、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例27)、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例29)、
3−{4−[7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−ベンズアミド (実施例30)、
7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例32)、
7−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例35)、
3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例36)、
7−(3−メトキシ−フェニル)−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例38)、
4−[7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−[2,4']ビピリジニル (実施例39)、
3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル (実施例41)、
3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例42)、
ジメチル−{5−[3−(2−チオフェン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン (実施例43)、
ジメチル−(5−{3−[2−(5−メチル−フラン−2−イル)−ピリジン−4−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル}−ピリジン−2−イル)−アミン (実施例44)、
{5−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン (実施例46)、
ジメチル−{5−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン (実施例47)、
4−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル (実施例48)、
は、N−メチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例1)と類似の方法によって、適切な場合は、3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミド(中間体A)を置き換えることによって、対応するボロン酸またはボロン酸エステル、すなわち、
フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−フルオロフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
4−フルオロベンゼンボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体C) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体C) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド (中間体D) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド (中間体D) および 3−アミノカルボニルフェニルボロン酸 (Combi Block)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および チオフェン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および 3−アミノカルボニルフェニルボロン酸 (Combi Block)、
3−ブロモ−7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体M) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
7−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン(中間体I) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体J) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体J) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体J) および 4−ピリジンボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体K) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体K) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
[5−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン (中間体L) および チオフェン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
[5−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン (中間体L) および 5−メチルフラン−2−ボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
[5−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン (中間体L) および フラン−3−ボロン酸 (Sigma Aldrich)、
[5−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン (中間体L) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
4−(3−ブロモ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体H) および フェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)
を、それぞれ用いることによって製造される。
【0129】
以下の化合物において、工程Bは必要ではない。これらの実施例、すなわち、
N−メチル−3−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例3)、
4−[7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド (実施例7)、
3−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェノール (実施例8)、
4−[7−(3−ヒドロキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−2−メトキシ−フェノール (実施例9)、
3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例12)、
2−メトキシ−4−(7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェノール (実施例13)、
N−{3−[3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド (実施例15)、
4−[7−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ベンズアミド (実施例17)、
3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例18)、
3−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−ベンズアミド (実施例19)、
2−メトキシ−4−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェノール (実施例20)、
3−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−安息香酸 (実施例21)、
1−[3−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェニル]−エタノン (実施例22)、
N−{3−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−アセトアミド (実施例23)、
3−[7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ベンズアミド (実施例24)、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例25)、
4−[7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−2−メトキシ−フェノール (実施例28)、
7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−4−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例31)、
7−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (実施例33)、
4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル (実施例34)、
2−メトキシ−4−[7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−フェノール (実施例37)、
3−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例40)、
ジメチル−{5−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン (実施例45)、
は、N−メチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例1)と類似の方法によって、適切な場合は、3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミド (中間体A)を置き換えることによって、対応するボロン酸またはボロン酸エステル、すなわち
3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)
3−(N−メチルアミノカルボニル)ベンゼンボロン酸 (Combi Block)
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェノール (中間体B)および3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェノール (中間体B) および 4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体C)、
3−ブロモ−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体C) および 4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド (中間体D)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド (中間体D) および 4−アミノカルボニルフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体E) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
3−ブロモ−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体E) および 3−アミノカルボニルフェニルボロン酸 (Combi Block)、
3−ブロモ−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体E) および 4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体E) および 3−カルボキシフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体E) および 3−アセチルフェニルボロン酸 (Combi Block)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−アセトアミド (中間体F) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および 3−アミノカルボニルフェニルボロン酸 (Combi Block)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G) および 4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
3−ブロモ−7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体M) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
3−ブロモ−7−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体N) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
4−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体H) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
3−ブロモ−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体J) および 4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体K) および 4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
[5−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル-アミン (中間体L) および 3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニルボロン酸 (Chembridge)、
をそれぞれ用いることによって製造される。
【0130】
経路B
実施例49
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド
【化8】

4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例34)(1当量, 0.073mmol, 30mg)およびエタノールアミン(10当量, 0.73mmol, 0.04ml)を、EtOH(2ml)に溶解し、KCO(1.5当量, 0.11mmol, 15.1mg)を加える。該反応混合物を55℃で5時間撹拌する。次いで溶媒を真空で除去し、該反応物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−ベンズアミドを黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 425
【0131】
実施例50
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド
この実施例は、N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド(実施例49)と類似の方法によって、4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例34)を、4−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例48)と置き換えることによって製造される。
【0132】
経路C
実施例51
{3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタノール
【化9】

3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例41)(1当量, 0.122mmol, 50mg)をDCM(1ml)に溶解し、該反応混合物を−70℃に冷却する。次いで、DIBAL−H(THF中1.5M, 10当量, 1.22mmol, 1.74ml)を加え、該反応物をこの温度で3時間撹拌する。次いで該反応混合物をNaHCO/EtOAcに注ぐ。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去する。該反応混合物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、{3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタノールを明褐色の固体として得る。
[M+H]+ = 369
【0133】
経路D
実施例52
3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸
【化10】

3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(1当量, 0.119mmol, 50mg)(実施例42)を、THF/HO/MeOH(0.5/0.25/0.25ml)に溶解し、次いでLiOH(20当量, 2.38mmol, 57mg)を加え、該反応物を室温で1時間撹拌する。次いで、該反応混合物をMeOHで希釈し、HCl(1M)を加える。沈殿物を濾過し、乾燥し、3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸を黄色の固体として得る。これは、さらなる精製を要しない。
[M+H]+ = 393
【0134】
実施例53
3−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−安息香酸
この実施例は、3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸(実施例52)と類似の方法によって、3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例42)を、3−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル(実施例40)と置き換えることによって製造される。
【0135】
経路E
実施例54
3−(2−アミノ−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド
【化11】

【0136】
工程A: [7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−2−イル]−カルバミン酸メチルエステル
3−(6−アミノ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミド(中間体A, 工程E)(1当量, 2.74mmol, 735mg)を、DMF(30ml)中の(クロロアセチル)カルバミン酸メチル(1.2当量, 3.28mmol, 498mg)の溶液に加え、該反応混合物を110℃で7.5時間撹拌する。次いで溶媒を真空で除去し、該生成物を、DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、[7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−2−イル]−カルバミン酸メチルエステルを緑色の固体として得る。
[M+H]+ = 326
【0137】
工程B: [3−ブロモ−7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−2−イル]−カルバミン酸メチルエステル
[7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−2−イル]−カルバミン酸メチルエステル(1当量, 0.167mmol, 55mg)を、DMF(1ml)に0℃で溶解し、NBS(1.1当量, 0.184mmol, 33.8mg)を加える。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈する。該反応物を、NaHCOで、そして塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、[3−ブロモ−7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−2−イル]−カルバミン酸メチルエステルを褐色の固体として得る。これは、さらなる精製を必要としなかった。
[M+H]+ = 406
【0138】
工程C: 3−[2−アミノ−3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−N−メチルベンズアミド
[3−ブロモ−7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−2−イル]−カルバミン酸メチルエステル(1当量, 0.159mmol, 65mg)および2−クロロピリジン−4−ボロン酸(1.2当量, 0.191mmol, 30.1mg)を、DME(3ml)に溶解し、水(0.75ml)およびNaCO(3当量, 0.478mmol, 50.6mg)を加える。次いで、PdCl(PPh)(0.05当量, 0.008mmol, 5.59mg)を加え、該反応混合物を、マイクロ波照射を用いて、120℃で50分間加熱する。この時間が完了した後、溶媒を蒸発させ、該反応混合物をMeOHに溶解し、濾過し、溶媒を真空で除去し、3−[2−アミノ−3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−N−メチルベンズアミドを黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 379
【0139】
工程D: 3−(2−アミノ−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド
3−[2−アミノ−3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−N−メチルベンズアミド(1当量, 0.146mmol, 79mg)およびフェニルボロン酸(1.5当量, 0.219mmol, 27.5mg)を、DME(1.5ml)および水(0.4ml)に溶解し、NaCO(3当量, 0.438mmol, 46.4mg)を加える。次いでPdCl(PPh)(0.05当量, 0.008mmol, 5.12mg)を加え、該反応混合物を、マイクロ波照射を用いて、120℃で15分間加熱する。この時間が完了した後、溶媒を真空で除去し、該反応混合物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、3−(2−アミノ−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミドを黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 421
【0140】
経路F
実施例55
N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド
【化12】

3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸(実施例52)(1当量, 0.127mmol, 50mg)、3−ジメチルアミノ−1−プロピルアミン(3.0当量, 0.38mmol, 0.049ml)およびトリエチルアミン(1.30当量, 0.165, 0.023ml)をDCM(2ml)に溶解し、BOP(1.30当量, 0.165mmol, 73mg)を加え、該反応混合物を室温で20時間撹拌する。この時間が完了した後、水およびEtOAcを加える。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去する。該反応混合物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミドを明黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 477
【0141】
実施例56から59
これらの実施例、すなわち、
3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド (実施例56)、
N−メチル−N−(2−メチルアミノ−エチル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例57)、
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例58)、
N−ブチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例59)、
は、N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド (実施例55)と類似の方法によって、3−ジメチルアミノ−1−プロピルアミンを対応するアミン、すなわち、
1−(2−アミノエチル)ピペリジン (Sigma Aldrich)、
N,N'−ジメチルエチレンジアミン (Sigma Aldrich)、
2−アミノエタノール、
ブチルアミン (Sigma Aldrich)
とそれぞれ置き換えることによって、製造される。
【0142】
経路G
実施例60
1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−1H−ピリジン−2−オン
【化13】

【0143】
工程A: 4−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル−ピリジン−2−オール
7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(中間体A, 工程F)(1当量, 0,80mmol, 158mg)を、CHCl(7ml)に溶解し、0℃に冷却する。次いで、3−クロロ過安息香酸(1.2当量, 0.97mmol, 217mg)を加え、該反応混合物を室温で24時間撹拌する。次いで、黄色の懸濁液を濾過し、該混合物をCHCl/MeOH(80:20)で溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、7−(1−オキシ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、明黄色の固体として得る。得られた7−(1−オキシ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(1当量, 0.33mmol, 70mg)を、無水酢酸(40当量, 13.2mmol, 1.35g)に溶解し、これを140℃で12時間加熱し、黒色の溶液を得る。該溶液を乾固するまで濃縮し、MeOH(2ml)に溶解する。次いで、NHOH(水性, 25%, 0.2ml)を加え、該混合物をさらに2時間撹拌する。次いで、該溶液を乾固するまで濃縮し、該混合物をCHCl/MeOH(80:20)で溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、4−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル−ピリジン−2−オールを明黄色の油状物として得る。
[M+H]+ = 197
【0144】
工程B: 4−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オン
4−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル−ピリジン−2−オール(1当量, 0.17mmol, 36mg)、1−(3−クロロプロピル)ピペリジン 一塩酸塩(1.5当量, 0.255mmol, 52mg)およびヨウ化ナトリウム(1.5当量, 0.254mmol, 37.9mg)を、DMF(1ml)に溶解し、60℃で16時間加熱し、黒色の溶液を得る。次いで該反応混合物を水性飽和NaHCOに注ぎ、有機相をCHClで抽出する。有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、4−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オンを得る。
[M+H]+ = 338
【0145】
工程C: 4−(3−ブロモ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オン
4−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オン(1当量, 0.122mmol, 41.3mg)を、DMF(10ml)に溶解し、N−ブロモスクシンイミド(1.1当量, 0.135mmol, 24.2mg)を加える。次いで、該反応混合物を0℃で30分間撹拌する。該反応物をEtOAcで希釈し、NaHCOで、そして塩水で洗浄する。次いで有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、4−(3−ブロモ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オンを褐色の固体として得る。これは、さらなる精製を必要としなかった。
[M+H]+ = 417
【0146】
工程D: 1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−1H−ピリジン−2−オン
4−(3−ブロモ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オン(1.0当量, 0.096mmol, 40mg)、[3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]ボロン酸(1.50当量, 0.144mmol, 28.5mg)およびNaCO(2.0当量, 0.192mmol, 20.4mg)を、DME/HO(3/1ml)に溶解し、PdCl(PPh)(0.1当量, 0.0096mmol, 6.74mg)を加える。次いで、該反応混合物を、マイクロ波中で、120℃で10分間加熱する。この時間が完了した後、溶媒を真空で除去し、生成物をCHCl/MeOH(80:20)で溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−1H−ピリジン−2−オンを黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 480
【0147】
(1) 中間体化合物の製造
中間体A
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミド
【化14】

【0148】
工程A: 4−クロロ−5−ヒドロキシ−5H−フラン−2−オン
モルホリン(1.4当量, 500mmol, 44ml)を、HCl(6N, 120ml)に加え、該反応混合物を室温で一夜撹拌する。水を減圧下で蒸発させ、塩化モルホリニウムを白色の固体として得る。該塩をジオキサン(130ml)に溶解し、グリオキシル酸(1.5当量, 540mmol, 79g)を、該反応混合物に加える。次いで、これを室温で1時間撹拌する。この時間の後、クロロ酢酸アルデヒド(1.0当量, 360mmol, 42.5ml)を加え、該混合物を48時間還流する。次いで、ジオキサンを真空で除去し、残った黒色の水層をEtOAc(4×800ml)で抽出する。暗赤橙色の有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、4−クロロ−5−ヒドロキシ−5H−フラン−2−オンを暗赤色の油状物として得る。これは、さらなる精製を必要としなかった。
[M+H]+ = 135
【0149】
工程B: 5−クロロ−ピリダジン−3−オン
酢酸中の4−クロロ−5−ヒドロキシ−5H−フラン−2−オン(1当量, 296mmol, 39.8g)の冷却(0℃)した溶液を、ヒドラジン水和物(1.3当量, 385mmol, 19.1ml)でゆっくりと処理し、次いで該反応混合物を室温で一夜撹拌する。次いでAcOHを真空で除去し、黒色の油状物を得る。これを水(200ml)で希釈する。次いで、水溶液のpHを濃NaOH水溶液(32%)でpH 7に調節し、EtOAcで抽出する。合わせた有機性部分(赤色の溶液)を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固する。該生成物を、6:4 EtOAc/イソヘキサンで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、5−クロロ−ピリダジン−3−オンを薄黄色の固体として得る。
[M+H]+ = 131
【0150】
工程C: N−メチル−3−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ベンズアミド
5−クロロ−ピリダジン−3−オン(1当量, 5.06mmol, 660mg)および3−(N−メチルアミノカルボニル)フェニルボロン酸(1.1当量, 5.56mmol, 996mg)を、ジオキサン(4ml)、水(2ml)およびEtOH(2ml)に溶解し、KCO(2当量, 10.1mmol, 1.40g)を加える。次いで、Pd(PPh)(0.1当量, 0.5mmol, 584mg)を加え、該反応混合物を、マイクロ波照射を用いて、140℃で20分間加熱する。該反応混合物をEtOAc/HOで希釈し、濾過する。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×20ml)で抽出する。有機層をNaHCOで、そして塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、N−メチル−3−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ベンズアミドを白色の固体として得る。これは、さらなる精製を必要としなかった。
[M+H]+ = 230
【0151】
工程D: 3−(6−クロロ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミド
N−メチル−3−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−ベンズアミド(1当量, 3.14mmol, 720mg)を、POCl(10ml)に懸濁し、該反応混合物を110℃で2時間加熱する。室温まで冷却した後、溶媒を真空で除去し、次いで氷水を加える。飽和水性NaCOを少しずつ添加することによって、pHをpH 8に調節する。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、3−(6−クロロ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミドを黄色の固体として得る。これは、さらなる精製を必要としなかった。
[M+H]+ = 248
【0152】
工程E: 3−(6−アミノ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミド
3−(6−クロロ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミド(1当量, 2.46mmol, 610mg)を、EtOH中のNHの溶液(7N, 20ml)に溶解し、密封管中、160℃で48時間加熱する。次いで溶媒を真空で除去する。該反応混合物を、8:2:0.5 DCM/MeOH/NHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、3−(6−アミノ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミドを褐色の固体として得る。
[M+H]+ = 229
【0153】
工程F: 3−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル−N−メチル−ベンズアミド
3−(6−アミノ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−4−イル)−N−メチル−ベンズアミド(1当量, 1.07mmol, 245mg)を、EtOH(15ml)中のクロロ酢酸アルデヒド(5当量, 5.4mmol, 0.69ml)の溶液に加える。次いで、NaHCO(2当量, 2.15mmol, 180mg)を加え、該反応混合物を17時間還流する。次いで溶媒を真空で除去し、該生成物を、9:1 DCM/MeOHで溶出するフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、3−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル−N−メチル−ベンズアミドを橙色の固体として得る。
[M+H]+ = 253
【0154】
工程G: 3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミド
3−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル−N−メチル−ベンズアミド(1当量, 0.595mmol, 150mg)を、0℃で、DMF(5ml)に溶解し、NBS(1.1当量, 0.654mmol, 116mg)を加える。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈する。該反応混合物を、NaHCOで、そして塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミドを薄黄色の固体として得る。これは、さらなる精製を必要としなかった。
[M+H]+ = 333
【0155】
中間体BからL
これらの中間体、すなわち、
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェノール (中間体B)
3−ブロモ−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体C)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド (中間体D)、
3−ブロモ−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体E)、
N−[3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−フェニル]−アセトアミド (中間体F)、
3−ブロモ−7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体G)、
4−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体H)、
7−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体I)、
3−ブロモ−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン (中間体J)、
3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−安息香酸エチルエステル (中間体K)、
[5−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン (中間体L)、
3−ブロモ−7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体M)、
3−ブロモ−7−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン (中間体N)、
は、3−(3−ブロモ−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル)−N−メチル−ベンズアミド(中間体A)と類似の方法によって、3−(N−メチルアミノカルボニル)フェニルボロン酸(工程C)を、対応するボロン酸またはボロン酸エステル、すなわち、
3−ヒドロキシフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
4−ピリジンボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−メチルスルホニルアミノフェニルボロン酸 (Combi Block)、
3−ピリジンボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−アセトアミドフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−フルオロフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
4−エトキシカルボニルフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−ベンジルオキシフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−メトキシフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
3−エトキシカルボニルフェニルボロン酸 (Sigma Aldrich)、
(2−ジメチルアミノ)ピリジン−5−ボロン酸 水和物 (Frontier Scientific)、
1−メチル−4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン (ABCR GmbH & Co. KG)、
6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−ボロン酸ピナコールエステル (Sigma Aldrich)、
とそれぞれ置き換えることによって製造される。
【0156】
上記の実施例において、供給源として示される会社名は、以下の意味を有する:
Sigma Aldrich: Sigma Aldrich Corporation, St. Louis, USA;
Combi Block: Combi-Blocks Inc., San Diego, California, USA;
Chembridge: Chembridge Corp., San Diego, California, USA;
Frontier Scientific: Frontier Scientific, Inc., Logan, Utah, USA;
ABCR GmbH & Co. KG: ABCR GmbH & Co. KG, Karlsruhe, Germany.
【0157】
実施例61
医薬製剤:
活性成分として100mgの前述の実施例の活性化合物の一つを含む錠剤は、以下の組成で、標準的な手順に従って製造される。
【表11】

製造:活性な成分を担体物質と混合し、打錠機(Korsch EKO, Stempeldurchmesser 10 mm)によって打錠する。
Avicel(登録商標)は、微晶性セルロースである(FMC, Philadelphia, USA)。
PVPPXLは、架橋ポリビニルポリピロリドンである(BASF, Ludwigshafen, Germany)。
Aerosil(登録商標)は、二酸化ケイ素である(Degussa, Germany)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離形または塩形または溶媒和形の式I:
【化1】

[式中、
R1は、アリールまたはヘテロシクリルであり、
R1は、所望によりヒドロキシル、カルボニル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルチオ、スルホニルアミノ、カルボニルアミノ、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ハロ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、ベンジルオキシ、C−Cアルキルオキシカルボニル、アミノスルホニル、C−Cアルキル、シアノ、スルホニル、スルファニル、スルホキシド、アリール、ヘテロシクリル、カルボニルオキシ、アミノ−C−Cアルキル、C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキル、アリール−C−C−アルキルおよびヘテロシクリル−C−C−アルキル、C−C15−シクロアルケニルおよびC−C−シクロアルキニルから独立して選択される1個以上の基R3によって置換されており;R3が2個の基を含むとき、これらの基R3は一体となってR1に縮合している環を形成してもよく;
ここで、R3は、所望によりヒドロキシル、C−Cアルキル、アリール、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ヘテロシクリル、シアノ、ハロ、スルホニル、スルファニル、スルホキシド、ジ(C−C)アルキルアミノ、ヒドロキシル−C−Cアルキル、アルコキシ、ジ−C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキルから選択される1個以上の基によって置換されており;
R2は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アリール、ヘテロアリール−ヘテロシクリル、アリール−ヘテロシクリル、ビアリール、ヘテロシクリル−ヘテロシクリルであり;
R2は、所望によりアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキル、C−C10−シクロアルキル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ヒドロキシル、C−Cアルキルカルボニル、カルボキシ、カルボニル、シアノ、スルホンアミドおよびC−C15−シクロアルケニルから独立して選択される1個以上の基R4によって置換されており;R4が2個の基を含むとき、これらの基R4は一体となってR2に縮合している環を形成してもよく;
ここで、R4は、所望によりヒドロキシル、C−Cアルキル、アリール、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ヘテロシクリル、シアノ、ハロ、スルホニル、スルファニル、スルホキシドから選択される1個以上の基によって置換されており;
R5は、HまたはNHである。]
の化合物。
【請求項2】
R1が、アリールまたはヘテロシクリルであり、
R1が、所望によりヒドロキシル、カルボニル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルチオ、スルホニルアミノ、カルボニルアミノ、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ハロ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、ベンジルオキシ、C−Cアルキルオキシカルボニル、アミノスルホニル、C−Cアルキル、シアノ、スルホニル、スルファニル、スルホキシド、アリール、ヘテロシクリル、カルボニルオキシ、アミノ−C−CアルキルおよびC−Cアルキルアミノ−C−Cアルキルから独立して選択される1個以上の基R3によって置換されており;R3が2個の基を含むとき、これらの基R3は一体となってR1に縮合している環を形成してもよく;
ここで、R3が、所望によりヒドロキシル、C−Cアルキル、アリール、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ヘテロシクリル、シアノ、ハロ、スルホニル、スルファニル、スルホキシド、ジ(C−C)アルキルアミノ、ヒドロキシル−C−Cアルキル、アルコキシ、ジ−C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキルから選択される1個以上の基によって置換されており;
R2が、請求項1で定義された通りである、
遊離形または塩形または溶媒和形の請求項1に記載された化合物。
【請求項3】
R1が、所望により置換されているフェニルまたはピリジニルである、請求項1に記載された化合物。
【請求項4】
R2が、所望により置換されているフェニルまたはピリジニルである、請求項1から3の何れか1項に記載された化合物。
【請求項5】
N−メチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド、
3−{3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド、
3−[3−(2−フラン−2−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド、
3−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル}−N−メチル−ベンズアミド、
3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
N−{3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド、
3−{4−[7−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−ベンズアミド、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(2−チオフェン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
3−{4−[7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−イル}−ベンズアミド、
7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
7−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
7−(3−メトキシ−フェニル)−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
4−[7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−[2,4']ビピリジニル、
3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル、
3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル、
ジメチル−{5−[3−(2−チオフェン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン、
ジメチル−(5−{3−[2−(5−メチル−フラン−2−イル)−ピリジン−4−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル}−ピリジン−2−イル)−アミン、
{5−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン、
ジメチル−{5−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン、
4−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル、
N−メチル−3−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
4−[7−(3−メチルカルバモイル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
3−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェノール、
4−[7−(3−ヒドロキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−2−メトキシ−フェノール、
3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
2−メトキシ−4−(7−ピリジン−4−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェノール、
N−{3−[3−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド、
4−[7−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ベンズアミド、
3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
3−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−ベンズアミド、
2−メトキシ−4−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェノール、
3−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−安息香酸、
1−[3−(7−ピリジン−3−イル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェニル]−エタノン、
N−{3−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−アセトアミド、
3−[7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−ベンズアミド、
7−(3−フルオロ−フェニル)−3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
4−[7−(3−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−2−メトキシ−フェノール、
7−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−4−イル]−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
7−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン、
4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル、
2−メトキシ−4−[7−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−フェノール、
3−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸エチルエステル、
ジメチル−{5−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミン、
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
{3−[3−(2−フラン−3−イル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−フェニル}−メタノール、
3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−安息香酸、
3−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ−[1,2−b]−ピリダジン−7−イル]−安息香酸、
3−(2−アミノ−3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−メチル−ベンズアミド、
N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−N−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
N−メチル−N−(2−メチルアミノ−エチル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、
N−ブチル−3−[3−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−ベンズアミド、および
1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−4−[3−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル]−1H−ピリジン−2−オン
からなる群から選択される、遊離形または塩形または溶媒和形の化合物。
【請求項6】
医薬として使用するための、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物。
【請求項7】
薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と混合した、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項8】
カルシウム欠乏または再吸収の増加に関連する骨の状態、または、骨形成の刺激および骨におけるカルシウム固定が望ましい骨の状態を処置するまたは予防する医薬の製造における、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項9】
カルシウム欠乏または再吸収の増加に関連する骨の状態、または、骨形成の刺激および骨におけるカルシウム固定が望ましい骨の状態を予防するまたは処置する方法であって、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物を、有効量で、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項10】
請求項1から5の何れか1項に記載された化合物を製造する方法であって、
(i) スズキ・カップリング条件および後処理条件下で、式Xの化合物を式XIのスズキ・カップリング剤と反応させること:
【化2】

(ここで、適当な条件は、例えば、適当な溶媒中、触媒PdCl(PPh)およびNaCOを含む。);あるいは、
(ii) 好都合な反応条件下で、例えば適当な溶媒中、NaHCOを用いて、式XIIの化合物を式XIIIの化合物と縮合させること:
【化3】

(ここで、R1、R2およびR5は、請求項1から5の何れか1項で式Iに関して上で定義した通りである。)
の工程を含む方法。
【請求項11】
肺高血圧、慢性腎臓疾患、急性腎臓疾患、創傷治癒、関節炎、骨粗鬆症、腎臓疾患、鬱血性心不全、潰瘍、眼の障害、角膜創、糖尿病性腎症、神経学的機能不全、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、腹膜癒着および皮下癒着、腎線維症、肺線維症および肝線維症、B型肝炎、C型肝炎、アルコール誘発性肝炎、ヘモクロマトーシス、原発性胆汁性肝硬変、再狭窄、後腹膜線維症、腸間膜線維症、子宮内膜症、ケロイド、癌、骨機能異常、炎症性障害、皮膚の瘢痕化および光老化を処置する医薬の製造における、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項12】
肺高血圧を処置する医薬の製造における、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項13】
肺線維症または肝線維症を処置する医薬の製造における、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項14】
骨粗鬆症を処置する医薬の製造における、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項15】
筋肉疾患を処置する医薬の製造における、請求項1から5の何れか1項に記載された化合物の使用。

【公表番号】特表2010−534633(P2010−534633A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517403(P2010−517403)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059705
【国際公開番号】WO2009/013335
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】