説明

CGRPアンタゴニストとして使用される2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−1,3−ベンゾジアゼピン−3−イル−ピペリジン

【課題】新規なCGRPアンタゴニストを提供する。
【解決手段】本発明は、下記一般式Iの化合物、その互変異性体、異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、混合物及びその塩並びにその塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物に関する。本発明は、前記化合物の使用及び製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式I
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、B、R1及びR2は請求項1の定義どおり)の新規なCGRP-アンタゴニスト、その互変異性体、異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、混合物及びその塩並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物、これら化合物を含有する医薬組成物、その使用及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0004】
〔発明の背景〕
国際特許出願PCT/EP03/11762及びPCT/EP2005/003094並びにUS 2005/0215576には、偏頭痛の治療のためのCGRPアンタゴニストが既に記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔発明の詳細な説明〕
第1態様では、上記一般式I中、
Bは下記基
【0006】
【化2】

【0007】
から選択される基を表し、
1とR2は、囲い込まれた窒素原子と一緒に下記一般式II
【0008】
【化3】

【0009】
(式中、
1は炭素原子を表すか、又はR4が独立電子対を表す場合、Y1は窒素原子を意味することもあり、
3は、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基を表し、或いは
3は、モルフォリン-4-イル、1,1-ジオキソチオモルフォリン-4-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル又はピロリジン-1-イル基から選択されるヘテロ環を表し、
(ここで、前記環中の前記単環式ヘテロ環は、ヒドロキシ、メチル、エチル、トルフルオロメチル、ヒドロキシメチル若しくはヒドロキシエチル基で一置換又は二置換されていてもよく、或いは任意に、さらにヒドロキシシクロプロピル、トリフルオロメチルカルボニルメチル、アミノ、カルボキシ-カルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル-カルボニル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、カルボキシ-エチルカルボニル、エトキシカルボニル-エチルカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、(ヒドロキシアミノ)-カルボニルメチル、ヒドロキシ-(メチル)-アミノカルボニル-メチル若しくはメトキシアミノカルボニル-メチル基で一置換されていてもよく、このとき該置換基は同一若しくは異なってよく、かつ環炭素原子若しくは環窒素原子に結合していてもよく、或いは
前記環中の前記単環式ヘテロ環は、カルボキシ基で一置換されていてもよい(このカルボキシ基が窒素原子を介して結合されていない場合))、かつ
1が炭素原子を表す場合、R4は水素原子を意味し、又は
1が窒素原子を表す場合、R4は独立電子対を意味する)の基を表す、
CGRP-アンタゴニスト、その互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、混合物及びその塩並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物に関する。
【0010】
上記一般式Iの最も特に好ましい化合物の例として以下の化合物が挙げられる。
【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
【化6】

【0014】
【化7】

【0015】
【化8】

【0016】
【化9】

【0017】
【化10】

【0018】
【化11】

【0019】
【化12】

【0020】
【化13】

【0021】
【化14】

【0022】
【化15】

【0023】
【化16】

【0024】
【化17】

【0025】
【化18】

【0026】
【化19】

【0027】
【化20】

【0028】
【化21】

【0029】
【化22】

【0030】
【化23】

【0031】
【化24】

【0032】
【化25】

【0033】
【化26】

【0034】
【化27】

【0035】
【化28】

【0036】
【化29】

【0037】
【化30】

【0038】
【化31】

【0039】
【化32】

【0040】
【化33】

【0041】
【化34】

【0042】
【化35】

【0043】
【化36】

【0044】
【化37】

【0045】
【化38】

【0046】
【化39】

【0047】
【化40】

【0048】
【化41】

【0049】
【化42】

【0050】
【化43】

【0051】
【化44】

【0052】
【化45】

【0053】
【化46】

【0054】
【化47】

【0055】
そのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、混合物及びその塩並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物。
【0056】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(27)、(28)、(29)、(30)、(31)、(32)、(33)、(34)、(35)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)、(42)、(43)、(44)、(45)、(46)、(47)、(48)、(49)、(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(58)、(59)、(60)、(61)、(62)、(63)、(64)、(65)、(66)、(67)、(68)、(69)、(70)、(71)、(72)、(73)、(74)、(75)、(76)、(77)、(78)、(79)、(80)及び(81)、から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0057】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(82)、(83)、(84)、(85)、(86)、(87)、(88)、(89)、(90)、(91)、(92)、(93)、(94)、(95)、(96)、(97)、(98)、(99)、(100)、(101)、(102)、(103)、(104)、(105)、(106)、(107)、(108)、(109)、(110)、(111)、(112)、(113)、(114)、(115)、(116)、(117)、(118)、(119)、(120)、(121)、(122)、(123)、(124)、(125)、(126)、(127)、(128)、(129)、(130)、(131)、(132)、(133)、(134)、(135)、(136)、(137)、(138)、(139)、(140)、(141)、(142)、(143)、(144)、(145)、(146)、(147)、(148)、(149)、(150)、(151)、(152)、(153)、(154)、(155)、(156)、(157)、(158)、(159)、(160)、(161)、及び(162)、
から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0058】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(163)、(164)、(165)、(166)、(167)、(168)、(169)、(170)、(171)、(172)、(173)、(174)、(175)、(176)、(177)、(178)、(179)、(180)、(181)、(182)、(183)、(184)、(185)、(186)、(187)、(188)、(189)、(190)、(191)、(192)、(193)、(194)、(195)、(196)、(197)、(198)、(199)、(200)、(201)、(202)、(203)、(204)、(205)、(206)、(207)、(208)、(209)、(210)、(211)、(212)、(213)、(214)、(215)、(216)、(217)、(218)、(219)、(220)、(221)、(222)、(223)、(224)、(225)、(226)、(227)、(228)、(229)、(230)、(231)、(232)、(233)、(234)、(235)、(236)、(237)、(238)、(239)、(240)、(241)、(242) 及び(243)、
から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0059】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(244)、(245)、(246)、(247)、(248)、(249、(250)、(251)、(252)、(253)、(254)、(255)、(256)、(257)、(258)、(259)、(260)、(261)及び(262)、
から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0060】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(263)、(264)、(265)、(266)、(267)、(268)、(269)、(270)、(271)、(272)、(273)、(274)、(275)、(276)、(277)、(278)、(279)、(280)及び(281)、
から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0061】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(282)、(283)、(284)、(285)、(286)、(287)、(288)、(289)、(290)、(291)、(292)及び(293)、
から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0062】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(294)、(295)、(296)、(297)、(298)、(299)、(300)、(301)、(302)、(303)、(304)及び(305)、
から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0063】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(306)、(307)、(308)、(309)、(310)、(311)、(312)、(313)、(314)、(315)及び(316)、から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【0064】
上記一般式Iの他の好ましい化合物の例は、下記化合物:
(317)、(318)、(319)、(320)、(321)、(322)、(323)、(324)、(325)、(326)及び(327)、から成る群より選択される化合物、
そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、その水和物、その混合物及びその塩、並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
〔使用する用語と定義〕
この出願の範囲内では、可能な置換基の定義において、これらを構造式の形態で表すこともできる。置換基の構造式中のアスタリスク(*)は、その分子の残部への結合点であると理解すべきである。
本発明の化合物の1以上の水素原子、例えば1、2、3、4又は5個の水素原子が重水素で置き換わっている本発明の化合物も、その塩を含め、本発明の主題に包含される。
一般式Iの化合物は、酸性基、主にカルボキシル基、及び/又は塩基性基、例えばアミノ官能基を有しうる。従って、一般式Iの化合物は、内部塩として、医薬的に使用しうる無機酸、例えば臭化水素酸、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等又は有機酸、例えばリンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、マンデル酸、乳酸、酒石酸、クエン酸等との塩として、或いは医薬的に使用しうる塩基、例えばアルカリ若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又は炭酸塩、アンモニア、水酸化亜鉛若しくは水酸化アンモニウム等、又は有機アミン、例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等との塩として存在しうる。
【0066】
前述したように、式Iの化合物をその塩、特に医薬用途のため、生理学的及び薬理学的に許容しうるその塩に変換することができる。これら塩は、一方で式Iの化合物と無機若しくは有機酸との生理学的及び薬理学的に許容しうる酸付加塩の形態でよい。他方で、Bがフェノール性のOH基を含む場合、無機塩基との反応によって、式Iの化合物を、対イオンとしてアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属カチオンとの生理学的及び薬理学的に許容しうる塩に変換することもできる。酸付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸を用いて調製される。上記酸の混合物の使用も可能である。式Iの化合物のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩は、好ましくはそのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物及び水素化物であり、アルカリ土類金属、特にナトリウムとカリウムの水酸化物及び水素化物が好ましく、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムが特に好ましい。
【0067】
本発明の化合物が1つだけキラル要素を有する場合、本発明の化合物はラセミ体として存在しうるが、純粋なエナンチオマーとして、すなわち(R)又は(S)形態で得ることもできる。好ましい化合物は、ラセミ体として又は(R)形態として存在する当該化合物である。
しかし、本出願は、一般式Iの化合物に1つより多くのキラル要素がある場合に存在する、対掌体の個々のジアステレオマー対又はその混合物、並びに上記ラセミ体を構成する個々の光学的に活性なエナンチオマーをも包含する。
本発明は、問題の化合物、任意に、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態、互変異性体の形態、及び遊離塩基又は薬理学的に許容しうる酸との対応する酸付加塩、例えばハロゲン化水素酸との酸付加塩、例えば塩酸若しくは臭化水素酸又は有機酸、例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸若しくはメタンスルホン酸との酸付加塩の形態の化合物に関する。
【0068】
〔調製方法〕
一般式Iの化合物は、原則として既知の方法で調製される。以下の方法は、本発明の一般式Iの化合物の調製に特に適することが判った。
(a)一般式I(すべての基は前記定義どおり)の化合物を調製するため、
下記一般式IIIのピペリジンを、
【0069】
【化48】

【0070】
下記一般式IVの炭酸誘導体
【0071】
【化49】

【0072】
(式中、Y2及びY3は求核基を表し、同一若しくは異なってよく、好ましくは塩素原子、p-ニトロフェノキシ又はトリクロロメトキシ基を表す)、
及び下記一般式Vの化合物
【0073】
【化50】

【0074】
(式中、Bは前記定義どおりであり、かつZ1はカルボキシ基の保護基、例えばC1-6-アルキル又はベンジル基を表し、このとき該アルキル基は直鎖又は分岐していてよく、該ベンジル基は1若しくは2個のメトキシ基で置換されていてもよい)と反応させる。好ましくは、Z1はメチル、エチル、tert-ブチル又はベンジル基を表す。
第1工程では、溶媒中、例えばジクロロメタン、THF、ピリジン又はその混合物中、-20〜50℃の温度で、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン又はエチルジイソプロピルアミンの存在下で一般式IIIの化合物を一般式IVの炭酸誘導体と反応させる。結果として生じる中間体を精製してもよく、或いは精製せずにさらに反応させてよい。これら中間体と一般式Vの化合物の反応も上記溶媒の1種の溶媒中、かつ上記温度で、塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下、例えば4-ジメチルアミノピリジンのような活性化試薬を添加して、又は添加せずに行う。反応物を活性化するため、例えば、NaH又はKHのような金属ヒドリドを用いて一般式Vの化合物を脱プロトンしてもよく、この場合、前記塩基又は活性化試薬の存在は必要ない。
式III及びIVの出発化合物はどちらも商業的に入手可能であり、又は文献公知であり、又は文献公知の方法を用いて調製されうる。
一般式IIIの化合物の調製方法は、例えばEP 1 619 187 A1に記載されている。
【0075】
(b)一般式I(すべての基は前記定義どおり)の化合物を調製するため、
下記一般式VI
【0076】
【化51】

【0077】
(式中、Bは前記定義どおり)の化合物を下記一般式VII
H-NR12
(式中、R1及びR2は前記定義どおり)のアミンとカップリングさせる。反応を行う前、一般式VIIのアミンの基R1及びR2に存在するいずれのカルボン酸官能基、一級若しくは二級アミノ官能基又はヒドロキシ官能基も通常の保護基で保護し、かつ使用したいずれの保護基も反応後に当業者に周知の方法を用いて再び切断することができる。
好ましくはペプチド化学で知られている方法(例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Vol. 15/2参照)を用いて、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)若しくはエチル-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N-N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)若しくはテトラフルオロボレート(TBTU)又は1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)のようなカルボジイミドを用いてカップリングを行う。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)又は3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1,2,3-ベンゾトリアジン(HOObt)を添加することによって、反応速度を高めることができる。カップリングは、通常、溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルミアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)又はその混合物中、かつ-30〜+30℃、好ましくは-20〜+25℃の温度で等モル量のカップリング成分とカップリング試薬で行う。必要な場合、好ましくは追加の補助塩基としてN-エチル-ジイソプロピルアミン(ヒューニッヒ塩基)を使用する。
一般式Iの化合物を合成するためのさらなるカップリング方法としていわゆる“無水物プロセス”を使用する(以下の文献も参照されたい:M. Bodanszky, "Peptide Chemistry", Springer-Verlag 1988, p. 58-59; M. Bodanszky, "Principles of Peptide Synthesis", Springer-Verlag 1984, p. 21-27)。Vaughan変形の“混合無水物プロセス”が好ましい(J.R. Vaughan Jr., J. Amer. Chem.Soc. 73, 3547 (1951))。このプロセスでは、4-メチルモルフォリン又は4-エチルモルフォリンのような塩基の存在下でクロロ炭酸イソブチルを用いて、カップリングされる一般式VIのカルボン酸と炭酸モノイソブチルの混合無水物が得られる。この混合無水物の調製及び一般式VIIのアミンとのカップリングは、上記溶媒を用いて-20〜+25℃、好ましくは0℃〜+25℃の温度にてワンポット(one-pot)プロセスで行われる。
【0078】
(c)一般式I(すべての基は前記定義どおり)の化合物を調製するため、
下記一般式VIII
【0079】
【化52】

【0080】
(式中、Bは前記定義どおりであり、Nuは脱離基、例えばハロゲン原子(例えば塩素、臭素若しくはヨウ素原子)、アルキルスルホニルオキシ基(アルキル部分の炭素原子が1〜10)、フェニルスルホニルオキシ若しくはナフチルスルホニルオキシ基(任意に塩素若しくは臭素原子又はメチル若しくはニトロ基で一置換、二置換若しくは三置換されていてもよく、該置換基は同一若しくは異なってよい)、1H-イミダゾール-1-イル(任意に該炭素骨格内で1若しくは2個のメチル基にて置換されていてもよい)、1H-ピラゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3,4-テトラゾール-1-イル、ビニル、プロパルギル、p-ニトロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ピラニル若しくはピリジニル、ジメチルアミニルオキシ、2(1H)-オキソピリジン-1-イルオキシ、2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ、フタルイミジルオキシ、1H-ベンゾ-トリアゾール-1-イルオキシ若しくはアジド基を表す)の化合物を下記一般式VII
H-NR12
(式中、R1及びR2は前記定義どおり)のアミンとカップリングさせる。
反応を行う前、一般式VIIのアミンの基R1及びR2に存在するいずれのカルボン酸官能基、一級若しくは二級アミノ官能基又はヒドロキシ官能基も通常の保護基で保護し、かつ使用したいずれの保護基も反応後に当業者に周知の方法を用いて再び切断することができる。
【0081】
この反応はショッテン-バウマン(Schotten-Baumann)又はアインホルン(Einhorn)条件下で行われる。すなわち、少なくとも1当量の補助塩基の存在下、-50℃〜+120℃、好ましくは-10℃〜+30℃の温度で、かつ任意に溶媒の存在下で成分を反応させる。使用する補助塩基は、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム若しくは水酸化バリウム、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくは炭酸セシウム、アルカリ金属の酢酸塩、例えば酢酸ナトリウム若しくは酢酸カリウム、並びに三級アミン、例えばピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、キノリン、トリエチルアミン、N-エチル-ジイソプロピルアミン、N-エチル-ジシクロヘキシルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン若しくは1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エンであり、使用する溶媒は、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-ピロリドン又はその混合物でよく;補助塩基としてアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩若しくは酢酸塩を使用する場合、反応混合物に共溶媒として水を添加してもよい。
【0082】
本発明の一般式Iの新規化合物は、1個以上のキラル中心を含む。例えば、2個のキラル中心がある場合、その化合物は2対のジアステレオ異性対掌体の形態で存在しうる。
本発明は、個々の異性体のみならずその混合物をも包含する。
ジアステレオマーは、その異なる物理的-化学的性質に基づいて、例えば、適切な溶媒からの分別結晶により、高圧液体クロマトグラフィー又はカラムクロマトグラフィーによって、キラル又は好ましくは非キラル固定相を用いて分離されうる。
一般式Iに包含されるラセミ体は、例えば適切なキラル固定相上のHPLCによって分離される(例えば、Chiral AGP, Chiralpak AD)。塩基性若しくは酸性官能基を含むラセミ体は、光学的に活性な酸、例えば(+)若しくは(-)-酒石酸、(+)若しくは(-)-ジアセチル酒石酸、(+)若しくは(-)-酒石酸モノメチル又は(+)-樟脳スルホン酸、或いは光学的に活性な塩基、例えば(R)-(+)-1-フェニルエチルアミン、(S)-(-)-1-フェニルエチルアミン又は(S)-ブルシンと反応させると生成するジアステレオ異性の光学的に活性な塩によっても分離することができる。
異性体を分離する通常の方法により、一般式Iの化合物のラセミ体を溶媒中等モル量の上記光学的に活性な酸又は塩基の1つと反応させ、結果として生じる結晶性のジアステレオ異性の光学的に活性なその塩を、それらの異なる溶解度を用いて分離する。この反応は、塩の溶解度の点で十分に異なるという条件で、いずれのタイプの溶媒を用いても行うことができる。好ましくは、メタノール、エタノール又は例えば体積比が50:50のその混合物を使用する。次に、光学的に活性な塩をそれぞれ水に溶かし、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウムのような塩基、又は適切な酸、例えば希塩酸若しくはメタンスルホン酸水溶液で慎重に中和し、このようにして対応する遊離化合物が(+)又は(-)形態で得られる。
一般式Iに包含される(R)若しくは(S)エナンチオマーのみ、又は2種の光学的に活性なジアステレオマー化合物の混合物は、(R)若しくは(S)配置の適切な反応成分で上記合成を行うことによっても得られる。
【0083】
この合成に必要な下記一般式V
【0084】
【化53】

【0085】
(式中、Bは前記定義どおりであり、かつZ1はカルボキシ基の保護基、例えばC1-6-アルキル又はベンジル基を表し、このとき該アルキル基は直鎖又は分岐していてよく、該ベンジル基は1若しくは2個のメトキシ基で置換されていてもよく、好ましくは、Z1はメチル、エチル、tert-ブチル又はベンジル基を表す)のヒドロキシカルボン酸は、下記一般式IX
【0086】
【化54】

【0087】
(式中、Bは前記定義どおり)の化合物から得られる。
一般式IXの化合物を適切なジアゾ化試薬、好ましくは酸性溶媒中の亜硝酸ナトリウムでジアゾ化することによって、一般式Vの化合物を得ることができる。鏡像異性的に純粋な化合物を使用すると、対応する鏡像異性的に純粋なヒドロキシカルボン酸化合物が得られ、その配置を保持した状態反応が起こる。
一般式Vの化合物を得る代替法は、溶媒として無水酢酸中、アルカリ金属の酢酸塩、好ましくは酢酸ナトリウム又は酢酸カリウムの存在下、適切な温度、好ましくは80〜130℃の温度で下記一般式XのアルデヒドをN-アセチルグリシンと反応させる。
【0088】
【化55】

【0089】
(式中、Bは前記定義どおりである。)
一次生成物として得られるアズラクトンを単離せずに加水分解して下記一般式XIの化合物を形成する。
【0090】
【化56】

【0091】
(式中、Bは前記定義どおりである。)
水性無機酸、例えば硫酸、リン酸又は塩酸、好ましくは塩酸の存在下でのさらなる反応によって、下記一般式XII
【0092】
【化57】

【0093】
(式中、Bは前記定義どおり)の化合物が得られる。次いで、適切な還元剤でこれらを一般式Vの化合物に変換する。
適切な還元剤は、アルカリ金属のホウ水素化合物、例えば水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素カリウムでよい。他の適切な還元剤は、クロロジアルキルボラン、例えばクロロジシクロヘキシルボランである。キラルクロロジアルキルボラン、例えばB-クロロジイソピノカンフェイルボラン(chlorodiisopinocampheylborane)を使用すると、一般式Vの化合物を鏡像異性的に純粋な形態で単離することができる。
【0094】
1が水素原子を表す一般式Vの化合物の一般式V(式中、Z1は前記定義どおり)の化合物へのさらなる反応は、アルコール性溶媒中、好ましくはメタノール又はエタノール中、適切な酸、例えば塩酸の存在下で起こる。或いは、アルコール性溶媒、好ましくはメタノール中、塩化チオニルとの反応によってこの反応を行ってもよい。
【0095】
一般式Vの化合物を得る別の方法は、下記式XIII
【0096】
【化58】

【0097】
の化合物を下記一般式XIVのアリール-若しくはヘテロアリール-メチルハライドでアルキル化する工程を含む。
【0098】
【化59】

【0099】
式中、Halは、塩素、臭素又はヨウ素原子を表し、かつBは前記定義どおりであり、文献公知の方法と同様である(Michael T. Crimmins, Kyle A. Emmitte and Jason D. Katz, Org. Lett. 2, 2165-2167 [2000])。次に、生じたジアステレオマー生成物は、物理化学的方法を用いて、好ましくはクロマトグラフ法又は再結晶法で分離しうる。キラル助剤の加水分解切断及びベンジル保護基の切断は、一般式Vの鏡像異性的に純粋なヒドロキシカルボン酸化合物を得る方法をも提供する。
【0100】
一級若しくは二級アミノ、ヒドロキシ又はヒドロキシカルボニル官能基を含む一般式Iのすべての化合物は、好ましくは保護基を備えた前駆体から得られる。アミノ官能基の保護基の例として、例えばベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、4-ニトロ-ベンジルオキシカルボニル、4-メトキシ-ベンジルオキシカルボニル、2-クロロ-ベンジルオキシカルボニル、3-クロロ-ベンジルオキシカルボニル、4-クロロ-ベンジルオキシカルボニル、4-ビフェニリル-α,α-ジメチル-ベンジルオキシカルボニル若しくは3,5-ジメトキシ-α,α-ジメチル-ベンジルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基(該アルキル部分の総炭素原子数が1〜5)、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、1-メチルプロポキシカルボニル、2-メチルプロポキシ-カルボニル若しくはtert-ブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル、2,2,2-トリクロロ-(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル若しくは9-フルオレニルメトキシカルボニル基又はホルミル、アセチル若しくはトリフルオロアセチル基が挙げられる。
ヒドロキシ官能基の保護基の例として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピル、tert-ブチルジメチルシリル若しくはtert-ブチルジフェニルシリル基、tert-ブチル、ベンジル、4-メトキシベンジル若しくは3,4-ジメトキシベンジル基が挙げられ
る。
ヒドロキシカルボニル官能基の保護基は、例えば、総炭素原子数が1〜5のアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、アリル、2,2,2-トリクロロエチル、ベンジル若しくは4-メトキシベンジル基でよい。
【0101】
一般式Iの新規化合物及びその生理学的に許容しうる塩は、その選択的なCGRP-拮抗特性に基づいた有益な薬理学的特性を有する。本発明は、さらにこれら化合物を含有する医薬組成物、その使用及びその製法に関する。
上記新規化合物及びその生理学的に許容しうる塩は、CGRP-拮抗特性を有し、かつCGRP受容体結合研究で良い親和性を示す。本化合物は、後述する薬理学試験システムでCGRP-拮抗特性を示す。
以下の実験を行って上記化合物のヒトCGRP-受容体に対する親和性及び上記化合物の拮抗特性を実証した。
【0102】
A.SK-N-MC細胞(ヒトCGRP受容体を発現する)との結合研究
SK-N-MC細胞を“ダルベッコの変性イーグル培地”で培養する。コンフルエントな培養から培地を除去する。細胞をPBS緩衝液(Gibco 041-04190 M)で2回洗浄し、0.02% EDTAと混合したPBS緩衝液を添加して分離し、遠心分離により単離する。20mlの“平衡塩類溶液(Balanced Salts Solution)”[BSS(mMで):NaCl 120, KCl 5.4, NaHCO3 16.2, MgSO4 0.8, NaHPO4 1.0, CaCl2 1.8, D-グルコース 5.5, HEPES 30, pH 7.40]に再懸濁後、細胞を2回100×gで遠心分離してBSSに再懸濁させる。細胞数を決定した後、Ultra-Turraxで細胞を均質化し、10分間3000×gで遠心分離する。上清を捨て、1% ウシ血清アルブミンと0.1% バシトラシンに富んだトリス緩衝液(10mM トリス, 50mM NaCl, 5mM MgCl2, 1mM EDTA, pH 7.40)内でペレットを再び遠心分離し、再懸濁させる(1ml/1000000細胞)。均質化生成物を-80℃で凍結させる。この膜標本はこれら条件下で6週間より長く安定である。
解凍後、均質化生成物をアッセイ緩衝液(50mM トリス, 150mM NaCl, 5mM MgCl2, 1mM EDTA, pH 7.40)で1:10に希釈し、30秒間Ultra-Turraxで均質化する。230μlの均質化生成物を50pMの125I-ヨードチロシル-カルシトニン-遺伝子-関連ペプチド(Amersham)と周囲温度で180分間インキュベートして総体積250μl中の試験物質の濃度を高める。セル-ハーベスターを用いて、ポリエチレンイミン(0.1%)で処理したGF/B-ガラス線維フィルターを通じた急速ろ過によりインキュベーションを終了する。γ計数器を用いてタンパク質-結合放射能を測定する。インキュベーション中、1μMのヒトCGRP-αの存在下で結合した放射能として非特異的結合を定義する。
コンピュータ補助非線形曲線マッチングを用いて濃度結合曲線を解析する。
前記化合物は、上記試験でIC50値≦10000nMを示す。
【0103】
B.SK-N-MC細胞におけるCGRP拮抗作用
SK-N-MC細胞(100万個の細胞)を250μlのインキュベーション緩衝液(ハンクスのHEPES, 1mMの3-イソブチル-1-メチルキサンチン, 1% BSA, pH 7.4)で2回洗浄し、37℃で15分間予備インキュベートする。濃度上昇(10-11から10-6Mへ)のアゴニストとしてCGRP(10μl)、或いはさらに3〜4種の異なる濃度の物質を添加後、混合物をさらに15分間インキュベートする。
次に、20μlの1M HClの添加及び遠心分離(2000×g,4℃,15分間)により細胞内cAMPを抽出する。上清を液体窒素内で凍結させて-20℃で保存する。
ラジオイムノアッセイ(Messrs. Amersham)で試料のcAMP含量を決定し、グラフを利用して拮抗作用物質のpA2値を決定する。
本発明の化合物は、上記in vitro試験モデルにおいて10-12〜10-5Mの用量範囲内でCGRP-拮抗特性を示す。
【0104】
〔適応症のタイプ〕
その薬理学的特性に照らし、本発明の化合物及びその生理学的に許容しうる酸との塩は、頭痛、特に偏頭痛、群発性頭痛及び緊張性頭痛の急性及び予防措置に適する。さらに、本発明の化合物は、以下の疾患に対する正の効果をも有する:非インスリン依存性糖尿病("NIDDM")、心臓血管疾患、モルヒネ耐性、クロストリジウム毒による下痢、皮膚疾患、特に熱及び放射線誘発皮膚損傷(日焼けを含む)、苔癬、痒疹、痒性トキシデルミー(toxidermies)及び重症な痒み、炎症性疾患、例えば関節の炎症疾患(骨関節炎、リウマチ性関節炎、神経性関節炎)、全身性軟組織リウマチ(線維筋痛)、口腔粘膜の神経性炎症、炎症性肺疾患、アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、過剰な血管拡張に伴う疾患及び結果として起こる組織への血液供給の減少、例えばショック及び敗血症、慢性疼痛、例えば糖尿病性ニューロパシー、化学療法誘発ニューロパシー、HIV-誘導ニューロパシー、ヘルペス後ニューロパシー、組織外傷誘発ニューロパシー、三叉神経痛、顎関節症、CRPS(複合局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome))、背中痛及び内臓の疾患、例えば、過敏性大腸症候群(irritable bowel syndrome)(IBS)、炎症性腸症候群。さらに、本発明の化合物は、一般的な疼痛軽減効果を有する。予防的及び急性治療能力において、本出願のCGRPアンタゴニストは、エストロゲン欠損女性における血管拡張及び血流増加によって起こる閉経期のぼせ及び前立腺癌を患うホルモン治療患者や性腺摘除した男性の症候に有利に作用し、この治療アプローチは、副作用が無いことからホルモン補充療法とは区別される。
好ましくは、本発明の化合物は、偏頭痛及び群発性頭痛の急性及び予防措置、過敏性大腸症候群(IBS)の治療、及びエストロゲン欠損女性におけるのぼせの予防的及び急性治療措置に好適である。
【0105】
対応する効果を果たすために必要な用量は、便宜上、静脈内又は皮下投与の場合0.0001〜3mg/kg(体重)、好ましくは0.01〜1mg/kg(体重)であり、経口、経鼻又は吸入による投与の場合0.01〜10mg/kg(体重)、好ましくは0.1〜10mg/kg(体重)で、各場合1日1〜3回である。
CGRPアンタゴニスト及び/又はCGRP放出インヒビターによる治療を通常のホルモン補充療法に対するサプリメントとして与える場合、上述した用量を減らすことが賢明であり、この場合、用量は、上述した下限の1/5から指定した上限の1/1まででよい。
本発明は、さらに、本発明の化合物の、抗体の産生と精製(アフィニティークロマトグラフィーによる)のための有益なアジュバントとしての使用、並びに放射標識後、例えば適切な前駆物質のトリチウム化、例えばトリチウム又はトリチウムとハロゲン原子の置換による触媒的水素化後のRIA及びELISAアッセイにおける使用、及び神経伝達物質の研究における診断又は分析アジュバントとしての使用に関する。
【0106】
〔併用〕
併用しうる活性物質のカテゴリーとして、例えば制吐薬、運動促進薬、神経遮断薬、抗うつ病薬、ニューロキニン(neurokinine)アンタゴニスト、抗けいれん薬、ヒスタミン-H1受容体アンタゴニスト、β-ブロッカー、α-アゴニスト及びα-アンタゴニスト、麦角アルカロイド、穏やかな鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬、コルチコステロイド、カルシウムアンタゴニスト、5-HT1B/1Dアゴニスト又は他の抗偏頭痛薬が挙げられ、1種以上の不活性な通常の担体及び/又は希釈剤、例えばコーンスターチ、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/モリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース若しくは脂肪物質(例えば硬質脂肪)又はこれらの適宜の混合物と一緒に通常のガレヌス製剤、例えばプレーン若しくはコーティング錠剤、カプセル剤、散剤、懸濁剤、液剤、計量エアゾル剤又は座剤に製剤化しうる。
ここで、上述した併用療法に使用しうる他の活性物質として、例えば非ステロイド性抗炎症薬アセロフェナク(aceclofenac)、アセマタシン(acemetacin)、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン(パラセタモール)、アザチオプリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、レフルノミド、ロルノキシカム、メフェナム酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン(sulphasalazine)、ゾメピラック(zomepirac)又はこれらの医薬的に許容しうる塩並びにメロキシカム及び他の選択的COX2-インヒビター、例えばロフェコキシブ(rofecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、エトリコキシブ(etoricoxib)及びセレコキシブ(celecoxib)、並びにプロスタグランジン合成の初期又は後期段階を阻害する物質又はプロスタグランジン受容体アンタゴニスト、例えばEP2-受容体アンタゴニスト及びIP-受容体アンタゴニストが挙げられる。
エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、メトクロプラミド、ドンペリドン、ジフェンヒドラミン、シクリジン、プロメタジン、クロルプロマジン、ビバガトリン(vigabatrin)、チモロール、イソメテプテン(isometheptene)、ピゾチフェン(pizotifen)、ボトックス(botox)、ギャバペンチン(gabapentin)、プレギャバリン(pregabaline)、デュロキセチン、トピラメート、リボフラビン、モンテルカスト(montelukast)、リシノプリル、ミカルディス(micardis)、プロクロロペラジン、デキサメタゾン、フルナリジン、デキストロプロポキシフェン、メペリジン、メトプロロール、プロパノロール、ナドロール、アテノロール、クロニジン、インドラミン(indoramin)、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロ酸塩、アミトリプチリン(amitryptiline)、イミプラミン(imiprアミン)、ベンラファキシン(venlafaxine)、リドカイン又はジルチアゼム及び他の5-HT1B/1D-アゴニスト、例えばアルモトリプタン(almotriptan)、アビトリプタン(avitriptan)、エレトリプタン(eletriptan)、フロバトリプタン(frovatriptan)、ナラトリプタン(naratriptan)、リザトリプタン(rizatriptan)、スマトリウタン(sumatriptan)及びゾルミトリプタン(zolmitriptan)を使用することもできる。
さらに、CGRP-アンタゴニストをバニロイド受容体アンタゴニスト、例えばVR-1アンタゴニスト、グルタミン酸受容体アンタゴニスト、例えばmGlu5-受容体アンタゴニスト、mGlu1-受容体アンタゴニスト、iGlu5-受容体アンタゴニスト、AMPA-受容体アンタゴニスト、プリン受容体ブロッカー、例えばP2X3アンタゴニスト、NO-シンターゼインヒビター、例えばiNOSインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、例えばPQ-型ブロッカー、N-型ブロッカー、カリウムチャンネルオープナー、例えばKCNQチャンネルオープナー、ナ
トリウムチャンネルブロッカー、例えばPN3チャンネルブロッカー、NMDA-受容体アンタゴニスト、酸検出イオンチャンネルアンタゴニスト、例えばASIC3アンタゴニスト、ブラディキニン受容体アンタゴニスト、例えばB1-受容体アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニスト、例えばCB2アゴニスト、CB1アゴニスト、ソマトスタチン受容体アゴニスト、例えばsst2受容体アゴニストを併用しうる。
これら活性物質の用量は、便宜上、通常推奨用量の1/5から通常推奨用量の1/1まで、すなわち、例えば20〜100mgのスマトリプタンである。
【0107】
〔製剤化〕
本発明により調製した化合物は、それぞれ単独で、又は任意的に他の偏頭痛治療用活性物質と併用して、静脈内、皮下、筋肉内、関節内、直腸内、鼻腔内経路、吸入、経皮又は経口投与することができ、吸入にはエアゾル製剤が特に好適である。併用は、同時又は逐次的のどちらの投与でもよい。
好適な投与形態として、例えば錠剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、乳剤又は吸入用散剤若しくはエアロゾル剤が挙げられる。医薬的に活性な化合物の割合は、全組成物の質量の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%であろう。すなわち、前記用量範囲を達成するのに十分な量である。
製剤は、錠剤、散剤、カプセル剤(例えば、硬ゼラチンカプセル剤)中の散剤の形態、又は液剤又は懸濁剤として経口投与される。吸入によって摂取する場合、活性物質の組合せは、散剤、水性若しくは水-アルコール性溶液として、又は噴霧ガス製剤を用いて投与される。
従って、好ましくは、医薬製剤は、前述した好ましい実施態様の1種以上の式Iの化合物を含むことを特徴とする。
【0108】
式Iの化合物を経口投与すれば特に好ましく、1日1回又は2回投与すると最も好ましい。例えば、活性物質を既知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン又はアルギニン酸、結合剤、例えばデンプン又はゼラチン、潤沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は遅延放出剤、例えばカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、又はポリ酢酸ビニルと混合することによって適切な錠剤が得られる。錠剤が数層を構成してもよい。
従って、錠剤と同様に製造したコアを錠皮として常用されている物質、例えばコリドン又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖でコーティングすることによってコーティング錠剤を得ることができる。遅延放出を達成するため、又は不適合性を防止するため、コアがいくつかの層から成ってもよい。同様に、おそらく錠剤について上述した賦形剤を用いて錠皮がいくつかの層から成って、遅延放出を達成しうる。
本発明の活性物質又はその組合せを含むシロップ剤は、さらにサッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖などの甘味料及び風味向上剤、例えば、バニリン又はオレンジエキス等の香料を含有しうる。シロップ剤は、懸濁助剤若しくは増粘剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば脂肪アルコールとエチレンオキシドの濃縮生成物、又は保存剤、例えばp-ヒドロキシベンゾエート等を含んでもよい。
1種以上の活性物質又は活性物質の組合せを含むカプセル剤は、例えば、活性物質を不活性な担体、例えばラクトース又はソルビトールと混合し、それをゼラチンカプセルに詰めることによって調製される。好適な座剤は、例えばこの目的のために提供される担体、例えば中性脂肪又はポリエチレングリコール又はその誘導体と混合することによって製造される。
【0109】
使用しうる賦形剤として、例えば、水、医薬的に許容しうる有機溶媒、例えばパラフィン(例えば、石油フラクション)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、単官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば中性鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散ケイ酸及びシリケート)、糖(例えば、蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び潤沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
経口用途では、錠剤は、上記担体に加え、明らかに、種々の添加物質、例えばデンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチン等と共にクエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及びリン酸二カルシウム等の添加剤を含んでよい。ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルク等の潤沢剤を使用して錠剤を製造することもできる。水性懸濁液の場合、上記賦形剤に加え、種々の風味向上剤又は着色剤と活性物質を併用することができる。
また、式Iの化合物を吸入により投与することも好ましく、1日1回又は2回投与すると特に好ましい。この目的では、吸入に適した形態で利用できるように式Iの化合物を調製しなければならない。吸入用製剤として、任意的に通常の生理学的に許容しうる賦形剤との混合物の状態の吸入用散剤、噴霧剤含有計量エアロゾル又は噴霧剤のない吸入用液が挙げられる。
本発明の範囲内では、噴霧剤のない吸入用液は、すぐ使える濃縮物又は無菌の吸入液も包含する。本発明の範囲内で使用しうる製剤については、本明細書の次のパートで詳述する。
【0110】
〔実験セクション〕
原則として、調製した化合物について1H-NMR及び/又は質量スペクトルを得た。特に規定しない限り、既製シリカゲルTLCプレート60 F254 (E. Merck, Darmstadt, 品番1.05714)を用いてチャンバー飽和なしでRf値を得る。
溶出液について与えられる割合は、問題の溶媒の体積単位に関する。NH3について指定される体積単位は、NH3の水中濃縮溶液に関係する。
特に規定しない限り、反応溶液を仕上げるために使用する酸、塩基及び塩溶液は、指定した濃度の水系である。
クロマトグラフ精製では、Millipore製のシリカゲル(MATREXTM,35-70μm)を使用する。
以下に指定したパラメーターを用いて、提供するHPLCデータを測定する。
【0111】
方法A:



分析用カラム:Zorbaxカラム(Agilent Technologies),SB(Stable Bond) C18;3.5μm;4.6×75mm;カラム温度:30℃;流れ:1.6mL/分;注入体積:5μL;254nmで検出
【0112】
方法B:



分析用カラム:Zorbaxカラム(Agilent Technologies),SB(Stable Bond) C18;3.5μm;4.6×75mm;カラム温度:30℃;流れ:0.8mL/分;注入体積:5μL;254nmで検出
【0113】
方法C:



分析用カラム:Zorbaxカラム(Agilent Technologies),SB(Stable Bond) C18;3.5μm;4.6×75mm;カラム温度:30℃;流れ:1.8mL/分;注入体積:5μL;254nmで検出
【0114】
方法D:



分析用カラム:Waters Symmetry C8, 5μm,4.6×150mm;カラム温度:25℃;流れ:1.3ml/分;注入体積:5μL;254nmで検出
【0115】
方法E:



分析用カラム:Symmetry C8 Waters−4.6×150mm;5μm,流れ:1.3ml/分;カラム温度:25℃;254nmで検出
【0116】
分取HPLC精製では、原則として分析用HPLCデータを収集するために使用したのと同じ勾配を用いた。
質量コントロール下で生成物を収集し、生成物を含むフラクションを混ぜ合わせて凍結乾燥させる。
コンフィギュレーションについて詳細情報が与えられていない場合、それが純粋なエナンチオマーであるか、或いは部分的又は完全なラセミ化が起こっているか明白でない。
実験の説明では以下の略語を用いる。
Cyc シクロヘキサン
DCM ジクロロメタン
DIPE ジイソプロピルエーテル
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロ-ホスフェート
AcHO 酢酸
i. vac. 真空中(減圧下)
MeOH メタノール
MTBE tert-ブチルメチルエーテル
NaOAc 酢酸ナトリウム
NMP N-メチルピロリジノン
PE 石油エーテル
RT 周囲温度
TBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0117】
〔出発化合物の調製〕
〔アミンA1〕
エチル [4,4']ビピペリジニル-1-イル-オキソ-アセテート
【0118】
【化60】

【0119】
A1a) tert-ブチル 1'-エトキシオキサリル-[4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレート 80mLのDCM中の4.0g(14.9mmol)のtert-ブチル[4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレートと2.15mL(15.4mmol)のトリエチルアミンの溶液に氷冷しながら1.68mL(15.0mmol)のエチル クロロ-オキソ-アセテートをゆっくり滴加し、反応混合物を1時間RTで撹拌した。反応溶液に小量の水を加え、有機相を分別してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をEtOAcに取り、シリカゲルでろ過し、生成物をEtOAcで溶出した。真空中でエバポレーション後、生成物を得、精製せずにさらに反応させた。
収量:3.1g(理論の57%)
ESI-MS:(M+NH4)+ = 386
A1b) エチル [4,4']ビピペリジニル-1-イル-オキソ-アセテート
40mLのDCM中の3.08g(8.36mmol)のtert-ブチル 1'-エトキシオキサリル-[4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレートの溶液に5mLのTFAを滴加し、反応混合物を4時間RTで撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を50mLのDCMに取り、20mLの水中4gのNa2CO3の氷冷溶液中にこの溶液をゆっくりかき混ぜた。添加終了後、混合物をさらに15分撹拌し、有機相を分別し、水相を2回以上DCMで抽出し、混ぜ合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、炭酸水素塩として生成物を得た。
収量:2.33g(理論の84%)
ESI-MS:(M+H)+ = 269
【0120】
〔アミンA2〕
エチル 4-[4,4']ビピペリジニル-1-イル-4-オキソ-ブタノエート
【0121】
【化61】

【0122】
A2a) tert-ブチル 1'-(3-カルボキシ-プロピオニル)-[4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレート
50mLのTHF中の4.07g(41.0mmol)の無水コハク酸の溶液を100mLのTHF中の10.0g(37.0mmol)のtert-ブチル[4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレートの溶液にゆっくり滴加し、反応混合物を一晩RTで撹拌した。反応を完了させるため、さらに2.0g(20.0mmol)の無水コハク酸を加え、反応混合物を50℃で4時間及びRTで一晩撹拌した。混合物を慎重に200mLの7.5% K2CO3溶液及び200mLのEtOAcと混ぜ合わせ、有機相を分別し、再び100mLの7.5% K2CO3溶液で抽出し、混ぜ合わせた水相を10%のクエン酸溶液で酸性にした。水相を300mLのEtOAcで抽出し、有機相を分別し、真空中で溶媒を除去した。
収量:11.7g(理論の85%)
ESI-MS:(M-H)- = 367
A2b) エチル 4-[4,4']ビピペリジニル-1-イル-4-オキソ-ブタノエート
250mLのエタノール性HCl(1.25M)中の11.7g(31.7mmol)のtert-ブチル 1'-(3-カルボキシ-プロピオニル)-[4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレートの溶液を一晩RTで撹拌した。
混合物を真空中で蒸発乾固させ、残留物を100mLのEtOAcと100mLの15% K2CO3溶液に取り、有機相を分別してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、精製せずにさらに反応させた。
収量:4.3g(理論の46%)
ESI-MS:(M+H)+ = 297
【実施例】
【0123】
最終化合物の調製:
〔実施例1〕
(R)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-(3-トリフルオロメチル-ベンジル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0124】
【化62】

【0125】
1a) (Z,E)-2-アセチルアミノ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アクリル酸
60mLの無水酢酸中の15.8g(115mmol)の3-トリフルオロメチル-ベンズアルデヒドと21.3g(182mmol)のN-アセチルグリシンを4時間120℃(浴温度)に加熱した。冷却後、40mLの水をゆっくり加えて混合物を80℃で1時間撹拌した。冷却後、混合物を400mLの水及び150mLのトルエンと混ぜ合わせ、1時間撹拌し、生じた沈殿物をろ別し、トルエンで洗浄して50℃で乾燥させた。
収量:16.7g(理論の53%)
ESI-MS:(M+H)+ = 274
Rf = 0.4(シリカゲル, DCM/MeOH/AcOH 90:10:1)
1b) 2-オキソ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオン酸
80℃(浴温度)に加熱した200mLの1,4-ジオキサン中の16.6g(60.8mmol)の(Z,E)-2-アセチルアミノ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アクリル酸の懸濁液に200mLの4M HCLを滴加し、反応混合物を1.5時間還流させてからRTで一晩撹拌した。反応を完了させるため、混合物をさらに4時間還流させた。真空中で有機溶媒を除去し、水性残留物をアルカリ反応が起こるまでNaOHと混ぜ合わせ、TBEで洗浄し、HClで酸性にした。混合物をEtOAcで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、所望生成物を得、精製せずにさらに反応させた。
収量:5.7g(理論の40%)
ESI-MS:(M-H)- = 231
Rf = 0.19 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
1c) (R)-2-ヒドロキシ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオン酸
窒素雰囲気下、40mLのTHF中の11.8g(36.8mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランの溶液を60mLのTHF中の5.70g(24.6mmol)の2-オキソ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオン酸と4.4mL(31.4mmol)のトリエチルアミンの-35℃に冷却した溶液に15分以内で滴加し、反応溶液を一晩RTで撹拌した。次に、氷冷しながら、20mLの1M NaOHで慎重に反応溶液をアルカリ性にし、30分撹拌した。40mLのEtOAcを加え、水相を分別し、有機相を15mLの1M NaOH溶液で3回及び15mLの水で1回洗浄した。混ぜ合わせた水相を半濃HClで酸性にし、40mLのEtOAcで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、生成物を得、精製せずにさらに反応させた。
収量:4.25g(理論の74%)
ESI-MS:(M-H)- = 233
Rf = 0.35 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
1d) メチル (R)-2-ヒドロキシ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオネート
80mLのメタノール性HCl中の4.20g(17.9mmol)の(R)-2-ヒドロキシ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオン酸の溶液を70時間RTで撹拌した。反応溶液を真空中でエバポレートし、残留物を水に取り、EtOAcで徹底的に抽出した。混ぜ合わせた有機相を15%のK2CO3溶液で3回及び水で1回洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:2.47g(理論の55%)
ESI-MS:(M+H)+ = 249
Rf = 0.73 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
1e) (R)-1-メトキシカルボニル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素雰囲気下、40mLのピリジン中の1.64g(13.4mmol)の4-ジメチルアミノピリジンの溶液に2.10g(10.4mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを加え、RTで3時間撹拌した。
次に、2.47g(9.95mmol)の20mLのピリジン中のメチル (R)-2-ヒドロキシ-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオネートを加えて反応混合物を2.5時間撹拌した。反応溶液を4.1g(10.9mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オン(純度65%)と合わせてRTで20時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を60mLのEtOAcに取り、有機相を15%のK2CO3溶液で2回、飽和NaHCO3溶液で4回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、クロマトグラフィー(シリカゲル, Cyc/EtOAc 1:2)で精製した。
収量:3.16g(理論の61%)
ESI-MS:(M+H)+ = 520
Rf = 0.93 (シリカゲル, EtOAc/MeOH/NH3 80:20:2)
1f) (R)-1-カルボキシ-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
40mLの水中の0.22g(9.00mmol)のLiOHの溶液を80mLのTHF中の3.10g(5.97mmol)の(R)-1-メトキシカルボニル-2-(3-トリフルオロ-メチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に
加え、反応混合物をRTで1時間撹拌した。真空中で有機溶媒を除去し、水性残留物を80mLの水と合わせて1M HClで酸性にした。生じた沈殿を吸引ろ過し、35℃で一晩乾燥させた。
収量:2.80g(理論の93%)
ESI-MS:(M+H)+ = 506
Rf = 0.58 (シリカゲル, EtOAc/MeOH/NH3 70:30:3)
1g) (R)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-(3-トリフルオロメチル-ベンジル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
1mLのDMF中の80.0mg(0.16mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、61mg(0.19mmol)のTBTU及び27μL(0.20mmol)のトリエチルアミンの溶液に30mg(0.16mmol)の1-メチル-4-ピペリジン-4-イル-ピペラジンをRTで加え、反応溶液をRTで70時間撹拌した。これをさらに何ら仕上げずにHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせて凍結乾燥させた。
収量:67mg(理論の63%)
ESI-MS:(M+H)+ = 671
Rf = 0.4 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0126】
以下の化合物は、各場合80mg(実施例1.1〜1.4)又は140mg(実施例1.5及び1.6)の(R)-1-カルボキシ-2-(3-トリフルオロ-メチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと対応する量のアミンから同様に調製した。
【0127】
【化63】

【0128】
〔実施例1.7〕
(R)-1-(3-メチル-ベンジル)-2-オキソ-2-(4-ピペラジン-1-イル-ピペリジン-1-イル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0129】
【化64】

【0130】
1.5mLの4M HCl中の131mg(0.17mmol)のtert-ブチル 4-{1-[(R)-2-[4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボニルオキシ]-3-(3-
トリフルオロメチル-フェニル)-プロピオニル]-ピペリジン-4-イル}-ピペラジン-1-カルボキシレート(実施例1.5)の溶液をRTで一晩撹拌した。さらに何ら仕上げをせずに反応溶液をHPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:75mg(理論の67%)
ESI-MS:(M+H)+ = 657
Rf = 0.38 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0131】
〔実施例1.8〕
(R)-2-オキソ-2-(4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)-1-(3-トリフルオロメチル-ベンジル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0132】
【化65】

【0133】
実施例1.7と同様にして149mg(0.20mmol)の(R)-1-(3-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-tert-ブトキシ-カルボニル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例1.6)から生成物を得た。
収量:66mg(理論の51%)
ESI-MS:(M+H)+ = 657
Rf = 0.18 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0134】
〔実施例2〕
(R)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-(3-メチル-ベンジル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0135】
【化66】

【0136】
2a) (Z,E)-2-アセチルアミノ-3-m-トリル-アクリル酸
実施例1aと同様に、25.0g(212mmol)の3-メチル-ベンズアルデヒドと24.9g(212mmol)のN-アセチルグリシンから生成物を得られた。
収量:26.0g(理論の56%)
ESI-MS:(M+H)+ = 220
保持時間(HPLC):5.4分(方法B)
2b) 2-オキソ-3-m-トリル-プロピオン酸
200mLの1,4-ジオキサン中の13.0g(59.3mmol)の(Z,E)-2-アセチルアミノ-3-m-トリル-アクリル酸の溶液に400mLの4M HClを加え、反応混合物を2.5時間還流させた。真空中で有機溶媒を除去し、生じた沈殿物を吸引ろ過して乾燥させた。これを300mLのEtOAcに取り、有機相を200mLの水で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、精製せずにさらに反応させた。
収量:9.2g(理論の88%)
ESI-MS:(M-H)- = 177
保持時間(HPLC):7.3分(方法B)
2c) (R)-2-ヒドロキシ-3-m-トリル-プロピオン酸
実施例1cと同様に、9.24g(51.9mmol)の2-オキソ-3-m-トリル-プロピオン酸と24.0g(74.8mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランから生成物を得られた。
収量:8.4g(理論の90%)
ESI-MS:(M-H)- = 179
保持時間(HPLC):7.2分(方法B)
2d) メチル (R)-2-ヒドロキシ-3-m-トリル-プロピオネート
200mLのMeOH中の8.40g(46.6mmol)の(R)-2-ヒドロキシ-3-m-トリル-プロピオン酸の0℃に冷却した溶液に3.74mL(51.28mmol)のSOCl2をゆっくり滴加し、添加終了後、反応混合物をRTで1時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, Cyc/EtOAc 3:1)で精製した。
収量:6.28g(理論の69%)
ESI-MS:(M+H)+ = 195
保持時間(HPLC):6.9分(方法B)
2e) (R)-1-メトキシカルボニル-2-m-トリル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
実施例1eと同様に、1.12g(5.76mmol)のメチル (R)-2-ヒドロキシ-3-m-トリル-プロピオネートと1.41g(5.76mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンから生成物を得られた。
収量:2.07g(理論の77%)
ESI-MS:(M+H)+ = 466
保持時間(HPLC):9.0分(方法B)
2f) (R)-1-カルボキシ-2-m-トリル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
実施例1fと同様に、2.07g(4.45mmol)の(R)-1-メトキシカルボニル-2-m-トリル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと0.16g(6.72mmol)のLiOHから生成物を得られた。
収量:1.86g(理論の93%)
ESI-MS:(M+H)+ = 452
保持時間(HPLC):8.0分(方法B)
2g) (R)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-(3-メチル-ベンジル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
1mLのDMF中の80.0mg(0.18mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-m-トリル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、57mg(0.18mmol)のTBTU及び31μL(0.22mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に、33mg(0.18mmol)の1-メチル-4-ピペリジン-4-イル-ピペラジンを反応溶液に加えてからRTで一晩撹拌した。これをさらに何ら仕上げずにHPLCで精製した;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:46.7mg(理論の43%)
ESI-MS:(M+H)+ = 617
保持時間(HPLC):5.5分(方法B)
以下の化合物は、各場合80mgの(R)-1-カルボキシ-2-m-トリル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと対応する量のアミンから同様に調製した。
【0137】
【化67】

【0138】
〔実施例3〕
(R)-1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベ
ンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0139】
【化68】

【0140】
3a) メチル 2-アセチルアミノ-3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)アクリレート
窒素雰囲気下、475mLのトリエチルアミンと250mLのアセトニトリル中の50.0g(171mmol)の3,5-ビス-(トリフルオロメチル)-ブロモベンゼンと25.0g(171mmol)のメチル 2-アセチルアミノ-アクリレートを3.9g(12.4mmol)のトリ-o-トリル-ホスファンと2.8g(12.5mmol) Pd(OAc)2と混ぜ合わせて80℃で18時間撹拌した。反応が終了した後、反応混合物を真空中でエバポレートして約200mLとし、400mLのEtOAc及び400mLの水と混ぜ合わせ、沈殿物を吸引ろ過し、相を分別した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、活性炭と混ぜ合わせ、ろ過し、蒸発乾固させた。残留物をDIPEと撹拌し、吸引ろ過して真空中で乾燥させた。
収量:19.5g(理論の32%)
ESI-MS:(M+H)+ = 356
Rf = 0.76 (シリカゲル, PE/EtOAc 1:1)
3b) 3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸
100mLの1,4-ジオキサン中の19.5g(54.9mmol)のメチル 2-アセチルアミノ-3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-アクリレートを100℃の浴温度に加熱し、100mLの4M HClと混ぜ合わせて100℃の浴温度で8時間撹拌した。反応混合物を真空中でエバポレートし、結晶を吸引ろ過し、水洗して50℃の乾燥棚内で乾燥させた。
収量:16.1g(理論の98%)
ESI-MS:(M-H)- = 299
Rf = 0.18 (シリカゲル, EtOAc)
3c) (R)-3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸
9.5(70.0mmol)のトリエチルアミンと100mLのTHF中の16.1g(53.6mmol)の3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸を-35℃で、40mLのTHF中の26.0(81.1mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランの溶液と30分以内で混ぜ合わせてこの温度で1時間撹拌し、RTで一晩撹拌した。反応終了後、反応混合物を0℃で160mLの1M NaOHにてアルカリ性にし、15分撹拌し、100mLのMTBEと合わせて相を分けた。有機相を50mLの水と50mLの1M NaOHで洗浄した。混ぜ合わせた水相を4M HClで酸性にし、MTBEで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させ、活性炭に通して吸引ろ過し、真空中でエバポレートした。生成物を精製せずにさらに反応させた。
収量:12.5g(理論の77%)
ESI-MS:(M-H)- = 301
Rf = 0.45(シリカゲル, EtOAc)
3d) メチル (R)-3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネート
150mLのメタノール性HCl(1.25M)中の12.5g(41.4mmol)の(R)-3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸をRTで4時間撹拌してから真空中でエバポレートした。残留物をEtOAcに取り、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、活性炭を通して吸引ろ過して真空中でエバポレートした。残留物をPEと撹拌し、吸引ろ過し、真空中でエバポレートした。生成物を精製せずにさらに反応させた。
収量:11.4g(理論の87%)
ESI-MS:(M+H)+ = 316
Rf = 0.80 (シリカゲル, PE/EtOAc 1:1)
3e) (R)-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボ
キシレート
実施例1eと同様に、6.0g(8.2mmol)のメチル (R)-3-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネートと5.13g(20.9mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンから生成物を得た。クロマトグラフィー(シリカゲル, 勾配 PE/EtOAc 1:1→1:9)で精製を行った。
収量:5.1g(理論の46%)
ESI-MS:(M+H)+ = 588
Rf = 0.63 (シリカゲル, DCM/MeOH/cyc/NH3 70:15:15:2)
3f) (R)-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
50mLのTHF中の5.0g(8.5mmol)の(R)-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-1-メトキシ-カルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に5mLの水中の307mg(12.8mmol)のLiOHの溶
液を加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を水に取り、1M HClで酸性にし、沈殿物をろ別して真空乾燥カップボード内で40℃にて乾燥させた。
収量:4.5g(理論の92%)
ESI-MS:(M+H)+ = 574
Rf = 0.32 (シリカゲル,DCM/MeOH/cyc/NH3 70:15:15:2)
3g) (R)-1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
1mLのDMF中の100mg(0.17mmol)の(R)-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、61mg(0.20mmol)のTBTU及び33μL(0.16mmol)のエチルジイソプロピルアミンの溶液に50mg(0.20mmol)のエチル[4,4']ビピペリジニル-1-イル-アセテートをRTで加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応溶液をシリンジフィルターでろ過し、さらに何ら仕上げずに直接HPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:55mg(理論の39%)
ESI-MS:(M+H)+ = 810
保持時間(HPLC-MS):7.3分(方法B)
【0141】
〔実施例3.1〕
(R)-1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-カルボキシメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0142】
【化69】

【0143】
5mLのTHF中の35mg(0.04mmol)の(R)-1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキ
ソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例3g)の溶液に1mLの水中の1.5mg(0.06mmol)のLiOHを加え、反応溶液をRTで一晩撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を水に取り、1N HClで酸性にし、沈殿物をろ別して真空乾燥カップボード内で乾燥させた。
収量:15mg(理論の44%)
ESI-MS:(M+H)+ = 782
Rf = 0.41 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0144】
〔実施例3.2〕
(R)-2-(4-アミノ-4-メチル-1,4'-ビピペリジニル-1'-イル)-1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0145】
【化70】

【0146】
1.8mLのDMF中の80.0mg(0.14mmol)の(R)-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)
-ピペリジン-1-カルボキシレート、58mg(0.18mmol)のTBTU及び140μL(1.00mmol)のトリエチルアミンの溶液に52mg(0.14mmol)のtert-ブチル(4-メチル-[1,4']ビピペリジニル-4-イル)-カルバメート(ビス-塩酸塩として使用)をRTで加え、反応溶液をRTで一晩振とうさせた。これをさらに何ら仕上げずに直接HPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。このカップリング生成物を4mLのDCMに溶かし、この溶液を0.5mLのTFAと合わせてRTで5時間撹拌してからRTで一晩放置した。その間に溶媒が蒸発した。残留物を2mLの15% K2CO3溶液に取り、2mLのDCMで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を一晩振とうさせ、その間に溶媒が蒸発した。残留物をHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させ、生成物をギ酸塩として得た。
収量:47mg(理論の42%)
ESI-MS:(M+H)+ = 753
保持時間(HPLC):5.4分(方法B)
【0147】
〔実施例4〕
(R)-1-(4-アミノ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-モルフォリン-4-イル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0148】
【化71】

【0149】
4a) メチル (Z,E)-2-アセチルアミノ-3-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-アクリレート
窒素雰囲気下でまず、1.2Lのトリエチルアミンと600mLのアセトニトリル中の7.2g(32.1mmol)のPd(OAc)2と10.1g(32.1mmol)のトリ-o-トリル-ホスファンの混合物に200mLのアセトニトリル中の90.0g(441mmol)の4-ブロモ-2,6-ジメチル-フェニルアミンの溶液を加えてから200mLのアセトニトリル中の65.0g(445mmol)のメチル 2-アセチルアミノ-アクリレートの溶液を滴加した。添加終了後、混合物を80℃で18時間撹拌した。反応を完了させるため、反応混合物を再び4.0g(17.8mmol)のPd(OAc)2及び5.0g(16.4mmol)のトリ-o-トリル-ホスファンと混ぜ合わせてさらに5時間80℃に保った。混合物を真空中でエバポレートして約200mLとし、残留物を400mLのEtOAcと混ぜ合わせ、残留物(A)をろ過し、有機相をNa2SO4上で乾燥させた。活性炭上のろ過で乾燥剤を除去後、ろ液をエバポレートして約100mLとし、沈殿物質を吸引ろ過し、30mLのEtOAcで洗浄して乾燥させた。
上記残留物Aを1LのDCM、Na2SO4及び活性炭と混ぜ合わせてCeliteに通してろ過した。ろ液をエバポレートし、残留物を350mLのジエチルエーテルと混ぜ合わせ、生じた沈殿を吸引ろ過してから100mLのジエチルエーテルで洗浄して乾燥させた。この2つの生成物フラクションを合わせた。
収量:74.8g(理論の65%)
ESI-MS:(M+H)+ = 263
Rf = 0.51 (シリカゲル, EtOAc)
4b) 3-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸
500mLの1,4-ジオキサン中の74.0g(282mmol)のメチル (Z,E)-2-アセチルアミノ-3-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-アクリレートの懸濁液を100℃に加熱し、460mLの4M HClと混ぜ合わせると溶液が生成した。この混合物をさらに8時間100℃で加熱し、冷ました溶液を真空中でエバポレートして約200mLとした。その間に生成物が晶出した。これをろ過し、残留物を50mLの水で洗浄して生成物を50℃で乾燥させた。
収量:43.6g(理論の63%)
ESI-MS:(M+H)+ = 208
Rf = 0.68 (シリカゲル, PE/EtOAc 1:1)
4c) メチル (R)-3-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネート 窒素雰囲気下、400mLのTHF中の20.0g(82.1mmol)の3-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸と25.7mL(189mmol)のトリエチルアミンの混合物を-35℃に冷却した。次に、反応温度が-35℃〜-25℃を維持するように、100mLのTHF中の40.0g(125mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランを滴加した。反応混合物を1時間この温度で保ち、冷浴を除去し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。THFを真空中で蒸発させ、残留物をメタノール性HCl(1.25M)と合わせてRTで2時間撹拌した。これを真空中でエバポレートし、残留物を2M HClに取り、EtOAcで徹底的に抽出した。水相を半濃NaOHでアルカリ性にし、EtOAcで徹底的に抽出した。混ぜ合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させ、活性炭に通してろ過してエバポレートした。褐色油として生成物を得た。
収量:8.3g(理論の45%)
ESI-MS:(M+H)+ = 224
Rf = 0.46 (シリカゲル, PE/EtOAc 1:1)
4d) (R)-2-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
実施例1eと同様に、4.0g(17.9mmol)のメチル (R)-3-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネートと4.8g(19.6mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンから所望生成物を得た。
収量:3.2g(理論の36%)
ESI-MS:(M+H)+ = 495
Rf = 0.35 (シリカゲル, DCM/MeOH/NH3 90:10:1)
4e) (R)-2-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
50mLのTHF中の6.7g(13.6mmol)の(R)-2-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に10mLの水中の500mg(20.9mmol)のLiOHの溶液を加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応を完了させるため、さらに300mg(12.5mmol)のLiOHを加え、反応溶液を40℃で3時間撹拌した。これを真空中でエバポレートし、残留物を15% K2CO3溶液に取り、DCMで徹底的に抽出した。水相を4M HClで酸性にし、DCMで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:4.2g(理論の65%)
ESI-MS:(M+H)+ = 481
Rf = 0.21 (シリカゲル, DCM/MeOH/cyc/NH3 70:15:15:2)
4f) (R)-1-(4-アミノ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-モルフォリン-4-イル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3
-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
実施例3gと同様に、80mg(0.17mmol)の(R)-2-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと32mg(0.19mmol)の4-ピペリジン-4-イル-モルフォリンから生成物を得た。
収量:52mg(理論の49%)
ESI-MS:(M+H)+ = 633
保持時間(HPLC):4.9分(方法B)
【0150】
〔実施例4.1〕
(R)-1-(4-アミノ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0151】
【化72】

【0152】
実施例3gと同様に、100mg(0.21mmol)の(R)-2-(4-アミノ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと59mg(0.23mmol)のエチル [4,4']ビピペリジニル-1-イル-アセテートから生成物を得た。
収量:58mg(理論の39%)
ESI-MS:(M+H)+ = 717
保持時間(HPLC):4.7分(方法B)
【0153】
〔実施例4.2〕
(R)-1-(4-アミノ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(1'-カルボキシメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0154】
【化73】

【0155】
5mLのTHF中の55mg(0.08mmol)の(R)-1-(4-アミノ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例4.1)の溶液に1mLの水中の3.1mg(0.13mmol)のLiOHの溶液を加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を1mLのDMFに取り、粗生成物をHPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせて凍結乾燥させた。
収量:22mg(理論の42%)
ESI-MS:(M+H)+ = 689
保持時間(HPLC):4.8分(方法B)
【0156】
〔実施例5〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-モルフォリン-4-イル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-
イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0157】
【化74】

【0158】
5a) 2-ベンジルオキシ-5-ブロモ-1,3-ジメチルベンゼン
500mLのDMF中の50.0g(249mmol)の2,6-ジメチル-4-ブロモフェノールの溶液に39.9g(286mmol)のK2CO3を加えて20分撹拌した。次に、34.0mL(286mmol)の塩化ベンジルをゆっくり滴加し、反応混合物を100℃の浴温度で3時間撹拌した。反応終了後、混合物を500mLの水上に注ぎ、EtOAcで徹底的に抽出した。有機相を混ぜ合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、真空中でエバポレートした。
収量:定量的
GC-MS:(M+) = 290/292 (Br)
Rf = 0.87 (シリカゲル, cyc/EtOAc 3:1)
5b) メチル 2-アセチルアミノ-3-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-アクリレート
窒素雰囲気下、420mLのトリエチルアミンと200mLのアセトニトリル中の40.0g(137mmol)の2-ベンジルオキシ-5-ブロモ-1,3-ジメチルベンゼンと24.1g(165mmol)のメチル 2-アセチルアミノ-アクリレートの混合物を3.5g(11.2mmol)のトリ-o-トリル-ホスファン及び2.5g(11.1mmol)のPd(OAc)2と混ぜ合わせて混合物を80℃で18時間撹拌した。沈殿物を吸引ろ過し、ろ液を真空中でエバポレートし、800mLのDCM及び800mLの水と混ぜ合わせた。有機相を分別し、Na2SO4上で吸引ろ過し、真空中で溶媒を除去し、残留物をEtOAcと撹拌し、吸引ろ過し、真空中で乾燥させた。
収量:31.1g(理論の64%)
ESI-MS:(M+H)+ = 354
保持時間(HPLC-MS):8.6分(方法B)
5c) 3-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸
150mLの1,4-ジオキサン中の31.1g(88.1mmol)のメチル 2-アセチルアミノ-3-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-アクリレートを125mLの4M HClと混ぜ合わせ、還流温度で7時間撹拌し、RTで一晩撹拌した。沈殿物を吸引ろ過し、水洗し、真空乾燥カップボード内で45℃にて乾燥させた。
収量:14.3g(理論の54%)
EI-MS:(M)+ = 298
保持時間(HPLC-MS):9.0分(方法B)
5d) (R)-3-(4-ベンゾイル-3,5-ジメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸
窒素雰囲気下、170mLのTHF中の14.3g(47.8mmol)の3-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸と8.3mL(59.8mmol)のトリエチルアミンの溶液を-35℃にて70mLのTHF中の22.1(69.0mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランの溶液と30分以内で混ぜ合わせた。添加終了後、冷浴を除去し、反応溶液をRTで一晩撹拌した。
反応混合物を0℃にて70mLの1M NaOHでアルカリ性にし、100mLのMTBEと混ぜ合わせて15分撹拌し、相を分けた。有機相を50mLの水で洗浄し、50mLの1M NaOHで3回洗浄した。混ぜ合わせた水相を半濃HClで酸性にし、EtOAcで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:14.0g(理論の98%)
ESI-MS:(M-H)- = 299
保持時間(HPLC-MS):7.9分(方法B)
5e) メチル (R)-3-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネート
150mLのMeOH中の14.0g(23.3mmol)の(R)-3-(4-ベンゾイル-3,5-ジメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸の0℃に冷却した溶液に2.0mL(27.4mmol)のSOCl2を滴加し、反応混合物をRTで1時間撹拌した。反応溶液を真空中でエバポレートし、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, cyc/EtOAc 3:1)で精製した。
収量:5.7g(理論の78%)
ESI-MS:(M+NH4)+ = 332
保持時間(HPLC-MS):9.1分(方法B)
5f) (R)-2-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素雰囲気下、50mLのピリジン中の1.17g(9.58mmol)の4-ジメチルアミノピリジンの溶液に1.93g(9.58mmol)の4-ニトロフェニル クロロホルメートを加え、RTで1.5時間撹拌し、3.0g(9.58mmol)のメチル (R)-3-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネートと混ぜ合わせてRTで20分撹拌した。次に、2.35g(9.58mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンを加え、混合物をRTで20時間撹拌した。反応混合物を真空中でエバポレートし、残留物をEtOAcに取り、有機相を10% KHSO4と飽和NaHCO3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル,勾配 cyc/EtOAc 1:1→1:2)で精製した。
収量:3.21g(理論の57%)
ESI-MS:(M+H)+ = 586
保持時間(HPLC-MS):10.4分(方法A)
5g) (R)-2-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
80mLのTHF中の3.21g(5.48mmol)の(R)-2-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-メトキシ-カルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピ
ン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液を40mLの水中200mg(8.35mmol)のLiOHの溶液と混ぜ合わせてRTで1時間撹拌した。反応混合物を真空中でエバポレートし、残留物を100mLの水に取り、2M HClで酸性にし、沈殿物を吸引ろ過し、真空乾燥カップボード内で40℃にて乾燥させた。
収量:定量的
ESI-MS:(M+H)+ = 572
保持時間(HPLC-MS):9.2分(方法B)
5h) (R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
50mLのDCM中の3.72g(6.51mmol)の(R)-2-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)
-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液を300mgの10% Pd/Cと合わせ、RT及び3000hPaの水素圧で、反応が停止するまで振とうさせた。触媒を吸引ろ過し、真空中で溶媒を蒸発させた。残留物をDIPEと摩砕して吸引ろ過した。
収量:2.41g(理論の77%)
ESI-MS:(M+H)+ = 482
保持時間(HPLC-MS):7.0分(方法B)
5i) (R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2(4-モルフォリン-4-イル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
1mLのDMF中の70mg(0.15mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、51mg(0.16mmol)のTBTU及び26μL(0.18mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に、25mg(0.15mmol)の4-ピペリジン-4-イル-モルフォリンを反応溶液に加えてからRTで16時間撹拌した。反応溶液をさらに何ら仕上げをせずにHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせて凍結乾燥させた。
収量:35mg(理論の38%)
ESI-MS:(M+H)+ = 634
保持時間(HPLC-MS):5.6分(方法B)
【0159】
〔実施例5.1〕
(R)-2-(4-ヒドロキシ-1,4'-ビピペリジニル-1'-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0160】
【化75】

【0161】
実施例5iと同様に、70mg(0.15mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)
-ピペリジン-1-カルボキシレートと27mg(0.15mmol)の[1,4']ビピペリジニル-4-オールから生成物を得た。
収量:35mg(理論の37%)
ESI-MS:(M+H)+ = 648
保持時間(HPLC):5.5分(方法B)
【0162】
〔実施例5.2〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0163】
【化76】

【0164】
5.2a) (R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
10mLのDMF中の400mg(0.83mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、320mg(1.00mmol)のTBTU及び260μL(1.87mmol)のトリエチルアミンの溶液に130mg(0.83mmol)のピペリジン-4-オン(塩酸塩の水和物として使用)をRTで加え、反応混合物をRTで16時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物をEtOAcに取り、有機相を半濃NaHCO3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, EtOAc)で精製した。生成物を含むフラクションをエバポレートし、残留物をDIPEと撹拌し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:333mg(理論の71%)
ESI-MS:(M+H)+ = 563
保持時間(HPLC-MS):6.9分(方法B)
5.2b) (R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
1.5mLのDCM中の50mg(0.09mmol)の(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液を21mg(0.18mmol)の4-メチル-ピペリジン-4-オール及び10.3μL(0.19mmol)のAcOHと合わせて0℃に冷却し、2時間撹拌した。次に、28mg(0.19mmol)のナトリウム-トリアセトキシボロヒドリドを加え、混合物を0℃で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留物を2mLのDMFと混ぜ合わせてHPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:25mg(理論の42%)
ESI-MS:(M+H)+ = 662
保持時間(HPLC-MS):2.90分(方法A)
【0165】
〔実施例5.3〕
(R)-2-(4,4-ジメチル-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0166】
【化77】

【0167】
実施例5.2bと同様に、50.0mg(0.09mmol)の(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5.2a)と31.0mg(0.18mmol)の4,4-ジメチルピペリジンから生成物を得られた。
収量:18.3mg(理論の31%)
ESI-MS:(M+H)+ = 660
保持時間(HPLC-MS):3.2分(方法A)
【0168】
〔実施例5.4〕
(R)-2-(4-アミノ-4-メチル-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0169】
【化78】

【0170】
4mLのDCM中の150mg(0.27mmol)の(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5.2a)の溶液を120mg(0.53mmol)のtert-ブチル (4-メチル-ピペリジン-4-イル)-カルバメート及び31μL(0.56mmol)のAcOHと混ぜ合わせ、0℃に冷却して2時間撹拌した。次に、85mg(0.56mmol)のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを加え、混合物を0℃で一晩撹拌した。次いで、反応溶液を0.5mLのTFAと混ぜ合わせて再びRTで一晩撹拌した。溶媒の除去後、残留物を2mLのDMFに溶かしてHPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させ、TFA塩として生成物を得た。
収量:94mg(理論の46%)
ESI-MS:(M+H)+ = 661
保持時間(HPLC-MS):2.5分(方法A)
【0171】
〔実施例5.5〕
(R)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0172】
【化79】

【0173】
10mLのTHFと1mLのDMF中の200mg(0.42mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5h)、148mg(0.46mmol)のTBTU及び64μL(0.46mmol)のトリエチルアミンの溶液に117mg(0.46mmol)のエチル[4,4']ビピペリジニル-1-イル-アセテートをRTで加え、反応混合物をRTで一晩振とうさせた。反応溶液を真空中で
エバポレートし、残留物をMeOHに取り、HPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせ、真空中でエバポレートし、残留物をDIPEと摩砕し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:222mg(理論の74%)
ESI-MS:(M+H)+ = 718
保持時間(HPLC):3.1分(方法A)
【0174】
〔実施例5.6〕
(R)-2-(1'-カルボキシメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0175】
【化80】

【0176】
1mLの水中の3.8mg(0.16mmol)のLiOHの溶液を3mLのTHF中の100mg(0.14mmol)の(R)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチ
ル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に加え、反応溶液をRTで一晩撹拌した。有機溶媒を窒素気流下で除去し、残留物を1mLの水及びアセトニトリルと混ぜ合わせてギ酸で酸性にした。生成物をHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:56mg(理論の58%)
ESI-MS:(M-H)- = 688
保持時間(HPLC):3.0分(方法A)
【0177】
〔実施例5.7〕
(R)-2-(4-シクロヘキシル-ピペラジン-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0178】
【化81】

【0179】
実施例3gと同様に、69mg(0.14mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)
-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5h)と24mg(0.14mmol)の1-シクロヘキシル-ピペラジンから生成物を得られた。
収量:51mg(理論の91%)
ESI-MS:(M+H)+ = 632
保持時間(HPLC):3.1分(方法A)
【0180】
〔実施例5.8〕
(R)-2-[4-(4-エトキシカルボニルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0181】
【化82】

【0182】
実施例5iと同様に、150mg(0.31mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5h)と87mg(0.34mmol)のエチル(4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)-アセテートから生成物を得られた。
収量:64mg(理論の28%)
ESI-MS:(M+H)+ = 719
保持時間(HPLC):3.6分(方法A)
【0183】
〔実施例5.9〕
(R)-2-[4-(4-カルボキシメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0184】
【化83】

【0185】
5mLの水中の2.3mg(0.09mmol)のLiOHの溶液を5mLのTHF中の40.0mg(0.06mmol)の(R)-2-[4-(4-エトキシカルボニルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキ
シ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に加え、反応混合物をRTで2時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を1mLのDMFに取り、HPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:20mg(理論の38%)
ESI-MS:(M+H)+ = 691
保持時間(HPLC):2.6分(方法A)
【0186】
〔実施例5.10〕
(R)-2-[4-(1-エトキシカルボニルメチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0187】
【化84】

【0188】
5.10a) (R)-1-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-[4-(1-エトキシカルボニルメチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
100mLのDMF中の8.00g(14.0mmol)の(R)-2-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5g)、5.17g(16.1mmol)のTBTU及び8.84mL(63.0mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に、5.28g(16.1mmol)のエチル(4-ピペラジン-1-イル-ピペリジン-1-イル)-アセテート(ビス-塩酸塩として使用)を反応混
合物に加えてからRTで1時間撹拌した。150mLの15% K2CO3溶液を加え、混合物を200mLのEtOAcで抽出し、有機相を分別し、150mLの10%クエン酸溶液で抽出した。水相をK2CO3でアルカリ性にし、200mLのEtOAcで抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, EtOH)で精製した。生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせ、真空中でエバポレートし、残留物をDIPEと撹拌し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:8.58g(理論の76%)
ESI-MS:(M+H)+ = 809
保持時間(HPLC):3.7分(方法A)
5.10b) (R)-2-[4-(1-エトキシカルボニルメチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
50mLのEtOH中の4.00g(4.94mmol)の(R)-1-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-[4-(1-エトキシカルボニルメチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと400mgの10% Pd/Cの懸濁液をRT及び3000hPaの水素圧にて理論上の水素の取り込みが起こるまで水素化した。触媒をろ別し、ろ液を真空中でエバポレートし、残留物をDIPEと撹拌し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:3.40g(理論の96%)
ESI-MS:(M+H)+ = 719
保持時間(HPLC):2.5分(方法A)
【0189】
〔実施例5.11〕
(R)-2-[4-(1-カルボキシメチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0190】
【化85】

【0191】
30mLのTHF中の2.50g(3.48mmol)の(R)-2-[4-(1-エトキシカルボニルメチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート溶液に10mLの水中の126mg(5.25mmol)のLiOHの溶液をRTにて加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。混合物を真空中で蒸発乾固させ、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, 勾配 DCM→DCM/MeOH/NH3 70:30:3)で精製した。生成物を含有するフラクションを合わせ、真空中でエバポレートし、残留物をDIPEと摩砕し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:1.80g(理論の75%)
ESI-MS:(M+H)+ = 691
Rf = 0.10 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0192】
〔実施例5.12〕
(R)-2-{4-[1-(2-エトキシカルボニル-エチル)-ピペリジン-4-イル]-ピペラジン-1-イル}-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0193】
【化86】

【0194】
5mLのDMF中の400mg(0.83mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、299mg(0.93mmol)のTBTU及び477μL(3.40mmol)のトリエチルアミンの溶液に352mg(0.93mmol)のエチル 3-(4-ピペラジン-1-イル-ピペリジン-1-イル)-プロピオネート(ビス-塩酸塩として使用)を加え、反応混合物をRTで2時間撹拌した。反応溶液を15% K2CO3溶液と混ぜ合わせ、DCMで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:305mg(理論の50%)
ESI-MS:(M+H)+ = 733
保持時間(HPLC):2.6分(方法A)
【0195】
〔実施例5.13〕
(R)-2-{4-[1-(2-カルボキシ-エチル)-ピペリジン-4-イル]-ピペラジン-1-イル}-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0196】
【化87】

【0197】
実施例5.11と同様に、2.60g(3.55mmol)の(R)-2-{4-[1-(2-エトキシカルボニル-エチル)-ピペリジン-4-イル]-ピペラジン-1-イル}-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-
オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと128mg(5.33mmol)のLiOHから生成物を得られた。
収量:1.60g(理論の64%)
ESI-MS:(M+H)+ = 705
Rf = 0.07 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0198】
〔実施例5.14〕
(R)-2-[1'-(2-エトキシカルボニル-エチル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0199】
【化88】

【0200】
1mLのDMF中の80mg(0.17mmol)の(R)-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5h)、59mg(0.18mmol)のTBTU及び76μL(0.54mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に、49mg(0.18mmol)のエチル 3-[4,4']ビピペリジニル-1-イル-プロピオネートを反応混合物に加えてからRTで2時間撹拌した。これをさらに何ら仕上げずにHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:11mg(理論の9%)
ESI-MS:(M+H)+ = 732
保持時間(HPLC):3.4分(方法C)
【0201】
〔実施例5.15〕
(R)-2-[1'-(2-カルボキシ-エチル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0202】
【化89】

【0203】
実施例5.11と同様に、2.50g(3.42mmol)の(R)-2-[1'-(2-エトキシカルボニル-エチル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと128mg(5.33mmol)のLiOHから生成物を得られた。
収量:1.70g(理論の71%)
ESI-MS:(M+H)+ = 704
Rf = 0.20 (シリカゲル, DCM/MeOH/Cyc/NH3 70:15:15:2)
【0204】
〔実施例5.16〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-{1'-[(ヒドロキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-4,4'-ビピペリジニル-1-イル}-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0205】
【化90】

【0206】
1.2mLのDMF中の80.0mg(0.12mmol)の(R)-2-(1'-カルボキシメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,
4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5.6)、44.6mg(0.14mmol)のTBTU及び64.6μL(0.46mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に、29.1mg(0.35mmol)のN-メチルヒドロキシlアミン(塩酸塩として使用)を反応混合物に加えてからRTで20時間撹拌した。反応混合物に5滴のAcOHを添加し、混合物をシリンジフィルターに通してろ過し、HPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせ、30mLのEtOAc及び5% NaHCO3溶液を加え、有機相を分別し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, DCM/MeOH/NH3 90:10:1)で精製した。生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせ、真空中でエバポレートし、残留物をDIPEと摩砕し、吸引ろ過し、一定の質量が得られるまで空気中で乾燥させた。
収量:12.4mg(理論の15%)
ESI-MS:(M+H)+ = 719
Rf = 0.16 (シリカゲル, DCM/MeOH/NH3 90:10:1)
保持時間(HPLC):3.0分(方法A)
【0207】
〔実施例5.17〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-[1'-(メトキシカルバモイル-メチル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0208】
【化91】

【0209】
実施例5.16と同様に、80.0mg(0.12mmol)の(R)-2-(1'-カルボキシメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5.6)と29.1mg(0.35mmol)のO-メチルヒドロキシアミン(塩酸塩として使用)から生成物を得られた。
収量:13.0mg(理論の16%)
ESI-MS:(M+H)+ = 719
Rf = 0.27 (シリカゲル, DCM/MeOH/NH3 90:10:1)
保持時間(HPLC):3.0分(方法A)
【0210】
〔実施例5.18〕
(R)-2-(4-シクロペンチル-ピペラジン-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0211】
【化92】

【0212】
5.18a) (R)-1-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3
-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
20mLのTHFと2mlのDMF中の1.54g(2.69mmol)の(R)-2-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例5g)、0.95g(2.96mmol)のTBTU及び0.47mL(3.37mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に0.52mL(2.96mmol)のN-ベンジルピペラジンを反応混合物に加えてからRTで14時間撹拌した。30mLのEtOAcを反応混合物に加え、これを半飽和NaHCO3溶液で洗浄し、有機相をNa2SO4上で乾燥させた。
乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, EtOAc/Cyc 95:5)で精製した。生成物を含有するフラクションをエバポレートし、残留物をDIPEと摩砕し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:1.62g(理論の82%)
ESI-MS:(M+H)+ = 730
保持時間(HPLC):4.3分(方法A)
【0213】
5.18b) (R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-ピペラジン-1-イル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン
-1-カルボキシレート
40mLのMeOH中の1.62g(2.22mmol)の(R)-1-(4-ベンジルオキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと150mgの10% Pd/Cの溶液をRT及び3000hPaの水素圧にて、理論上の水素の取り込みが起こるまで水素化した。
触媒を吸引ろ過し、真空中で溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, EtOAc + 15% MeOH/NH3 9:1)で精製した。
収量:1.03g(理論の85%)
ESI-MS:(M+H)+ = 550
保持時間(HPLC):2.7分(方法A)
5.18c) (R)-2-(4-シクロペンチル-ピペラジン-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン
-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
2mLのTHF/MeOH(2:1)中の100mg(0.18mmol)の(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-ピペラジン-1-イル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、48μL(0.55mmol)のシクロペンタノン及び20μL(0.37mmol)のAcOHの溶液をRTで一晩撹拌した。次に、0℃に冷却した反応溶液に24mg(0.36mmol)のナトリウムシアノボロヒドリドを加えてから、これを0℃で4時間及びRTで一晩撹拌した。40℃で溶媒を除去し、残留物を1mLのDMFに溶かし、HPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:48mg(理論の43%)
ESI-MS:(M+H)+ = 618
保持時間(HPLC):3.2分(方法A)
【0214】
〔実施例5.19〕
(R)-2-(4-シクロヘプチル-ピペラジン-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0215】
【化93】

【0216】
実施例5.18cと同様に、100mg(0.18mmol)の(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-2-ピペラジン-1-イル-エチル -(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、40.8mg(0.36mmol)のシクロペンタノン及び12mg(0.18mmol)のナトリウムシアノボロヒドリドから生成物を得られた。
収量:21mg(理論の18%)
ESI-MS:(M+H)+ = 646
保持時間(HPLC):3.5分(方法A)
【0217】
〔実施例5.20〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(1'-メタンスルホニル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0218】
【化94】

【0219】
1mLのDMF中の100mg(0.21mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、73mg(0.23mmol)のTBTU及び36μL(0.26mmol)のトリエチルアミンの溶液をRTで1時間撹拌した。次に、56mg(0.23mmol)の1-メタンスルホニル-[4,4']ビピペリジニルを反応混合物に加えてからRTで5時間撹拌した。反応混合物をさらに何ら仕上げずにHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:63mg(理論の43%)
ESI-MS:(M-H)- = 708
保持時間(HPLC):4.0分(方法A)
【0220】
〔実施例5.21〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-
ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0221】
【化95】

【0222】
実施例5.20と同様に、100mg(0.21mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-エチルと57mg(0.23mmol)の1-メタンスルホニル-4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートから生成物を得られた。
収量:43mg(理論の29%)
ESI-MS:(M+H)+ = 711
保持時間(HPLC):3.1分(方法A)
【0223】
〔実施例5.22〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-{4-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-ピペリジン-1-イル}-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0224】
【化96】

【0225】
実施例5.20と同様に、80mg(0.17mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと52mg(0.18mmol)の2-(4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)-エタノールから生成物を得られた。
収量:63mg(理論の56%)
ESI-MS:(M+H)+ = 677
保持時間(HPLC):2.4分(方法A)
【0226】
〔実施例5.23〕
(R)-2-[1'-(3-エトキシカルボニル-プロピオニル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0227】
【化97】

【0228】
5mLのDMF中の300mg(0.62mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、225mg(0.70mmol)のTBTU及び97μL(0.70mmol)のトリエチルアミンの溶液に207mg(0.70mmol)のエチル 4-[4,4']ビピペリジニル-1-イル-4-オキソ-ブチラート(アミンA2)をRTにて加え、反応混合物をRTで一晩振とうさせた。これをさらに何ら仕上げずに直接HPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:170mg(理論の36%)
ESI-MS:(M+H)+ = 760
保持時間(HPLC):4.1分(方法A)
【0229】
〔実施例5.24〕
(R)-2-[1'-(3-カルボキシ-プロピオニル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0230】
【化98】

【0231】
1mLのTHF中の20.0mg(0.03mmol)の(R)-2-[1'-(3-エトキシカルボニル-プロピオニル)-4,4'-ビピペリジニル-1-イル]-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に1mLの水中0.96mg(0.04mmol)のLiOHの溶液を加え、反応混合物をRTで2時間撹拌した。窒素気流下で溶媒を除去し、残留物を水/アセトニトリルに取って凍結乾燥させた。生成物をLi塩として得た。
収量:17mg(理論の88%)
ESI-MS:(M+H)+ = 732
Rf = 0.13 (シリカゲル, DCM/MeOH/NH3 90:10:1)
【0232】
〔実施例5.25〕
(R)-2-(1'-エトキシオキサリル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0233】
【化99】

【0234】
5mLのDMF中の300mg(0.62mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、225mg(0.70mmol)のTBTU及び197μL(1.40mmol)のトリエチルアミンの溶液に231mg(0.70mmol)のエチル [4,4']ビピペリジニル-1-イル-オキソ-アセテート(アミンA1,炭酸水素塩として使用)をRTで加え、反応混合物をRTで3時間撹拌した。
混合物を真空中でエバポレートし、残留物をDCMに取り、有機相を15% K2CO3溶液で洗浄してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせ、真空中でエバポレートし、残留物をDIPEと摩砕し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:360mg(理論の79%)
ESI-MS:(M+H)+ = 732
保持時間(HPLC):4.0分(方法A)
【0235】
〔実施例5.26〕
(R)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-(1'-オキサリル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0236】
【化100】

【0237】
1mLの水中の0.96mg(0.04mmol)のLiOHの溶液を1mLのTHF中の20.0mg(0.03mmol)の(R)-2-(1'-エトキシオキサリル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート溶液に加え、反応混合物をRTで2時間撹拌した。
窒素気流下で溶媒を除去し、残留物を水/アセトニトリルに取って凍結乾燥させた。生成物をLi塩として得た。
収量:19mg(理論の99%)
ESI-MS:(M+H)+ = 704
Rf = 0.10 (シリカゲル, DCM/MeOH/NH3 90:10:1)
【0238】
〔実施例6〕
(R)-2-(4-シクロヘキシル-ピペラジン-1-イル)-1-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0239】
【化101】

【0240】
6a) (Z,E)-3-(4-アセトキシ-3,5-ジブロモ-フェニル)-2-アセチルアミノ-アクリル酸
窒素雰囲気下、120mLの無水酢酸中の30.0g(107mmol)の3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、18.8g(268mmol)のN-アセチルグリシン及び13.2g(161mmol)のNaOAcの混合物を130℃に1.5時間加熱した。混合物を90℃に冷まし、これに温度が100℃を超えないようにゆっくり15mLの水を滴加した。添加終了後、混合物をさらに2時間90℃に保ち、70℃に冷まして300mLの水と合わせて30分撹拌した。沈殿物をろ別し、水洗して50℃で乾燥させた。粗生成物を精製せずにさらに反応させた。
収量:35.7g(理論の79%)
ESI-MS:(M+H)+ = 420/422/424 (2 Br)
Rf = 0.20 (シリカゲル, DCM/MeOH/AcOH 90:10:1)
6b) 3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸
氷冷しながら、325mLの4M HClを290mLのNMP中の35.7g(84.8mmol)の(Z,E)-3-(4-アセトキシ-3,5-ジブロモ-フェニル)-2-アセチルアミノ-アクリル酸の溶液に加え、反応混合物を120℃(浴温度)に1.5時間加熱した。混合物を0℃に冷却し、1.4Lの水と混ぜ合わせてさらに30分撹拌した。生じた沈殿物をろ別して乾燥させた。
収量:20.5g(理論の72%)
ESI-MS:(M-H)- = 335/337/339 (2 Br)
Rf = 0.35 (シリカゲル, DCM/MeOH/AcOH 80:20:2)
6c) (R)-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸
窒素雰囲気下、250mLのTHF中の14.5g(42.9mmol)の3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸溶液に6mL(43.1mmol)のトリエチルアミンを加え、混合物を-32℃に冷却した。次に、温度が-20℃を超えないように、90mLのTHF中の22.6g(70.5mmol)
の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランの溶液を滴加した。反応混合物を-30℃で30分撹拌し、2.5時間以内で0℃に加温した。反応を完了させるため混合物を再び-32℃に冷却し、40mLのTHF中の5.8g(18.1mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランの溶液を温度が-20℃を超えないように滴加してから反応混合物を氷浴内で一晩撹拌した。
再び-32℃に冷却後、さらに20mLのTHF中の2.5g(7.8mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランを滴加し、反応混合物をこの温度で30分撹拌し、2.5時間以内で0℃に加温してからRTで66時間撹拌した。温度が25℃を超えないように100mLの10% NaOHを反応溶液に加え、さらに30分撹拌し、MTBEと混ぜ合わせ、有機相を分別し、再び20mLの10% NaOH溶液で抽出した。混ぜ合わせた水相を数回MTBEで洗浄し、20% HClで酸性にし、ジエチルエーテル/EtOAc(1:1)で徹底的に抽出した。混ぜ合わせた有機相を活性炭と合わせてろ過した。生成物を精製せずにさらに反応させた。
収量:12.7g(理論の87%)
ESI-MS:(M-H)- = 337/339/341 (2 Br)
Rf = 0.4 (シリカゲル, DCM/MeOH/AcOH 80:20:2)
保持時間(HPLC-MS):6.4分(方法D)
6d) メチル (R)-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネート
100mLのメタノール性HCl(6M)中の14.0g(34.8mmol)の(R)-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸の溶液をRTで3時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, n-ヘキサン/EtOAc 7:3)で精製した。
収量:7.0g(理論の57%)
ESI-MS:(M-H)- = 351/353/355 (2 Br)
保持時間(HPLC-MS):9.8分(方法D)
6e) メチル (R)-3-[3,5-ジブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-プロピオネート
窒素雰囲気下、100mLのアセトニトリル中の6.78g(19.2mmol)のメチル (R)-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネートの溶液に11.1g(76.6mmol)の40% KF/Al2O3を加え、結果として生じる懸濁液をRTで数分撹拌した。次に、20mLのアセトニトリル中の4.07mL(23.0mmol)の(2-クロロメトキシ-エチル)-トリメチルシランの溶液を加え、反応混合物をRTで20時間撹拌した。混合物をCeliteに通してろ過し、真空中で溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, n-ヘキサン/EtOAc 7:3)で精製した。
収量:5.49g(理論の59%)
Rf = 0.45 (シリカゲル, n-ヘキサン/EtOAc 1:1)
6f) (R)-2-[3,5-ジブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-1-メトキシ-カルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素雰囲気下、15℃に冷却した80mLのアセトニトリル中の1.99g(9.56mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートの溶液に1.23g(10.0mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。結果として生じる懸濁液を-7℃に冷却し、20mLのアセトニトリル中の4.63g(9.56mmol)のメチル (R)-3-[3,5-ジブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-プロピオネートの溶液と混ぜ合わせた。混合物をさらに15分この温度で撹拌し、2.35g(9.56mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンを加え、反応混合物をRTで2.5時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物をEtOAcに取り、有機相を10%クエン酸及び10% Na2CO3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, 勾配 n-ヘキサン/EtOAc 1:1→2:8)で精製した。
収量:4.35g(理論の69%)
ESI-MS:(M+H)+ = 754/756/758 (2 Br)
保持時間(HPLC):29.2分(方法D)
6g) (R)-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素雰囲気下、40mLのTHFと40mLのMeOH中の4.30g(5.69mmol)の(R)-2-[3,5-ジブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-1-メトキシ-カルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボ
キシレートの溶液に5.46mLのメタノール性H2SO4(0.5M)を加え、反応溶液をRTで6時間撹拌した。反応混合物を真空中でエバポレートし、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:定量的
ESI-MS:(M+H)+ = 624/626/628 (2 Br)
保持時間(HPLC):17.3分(方法D)
6h) (R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
80mLのTHF中の(R)-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例6gの粗生成物)の溶液に0.51g(21.3mmol)のLiOHを加え、反応混合物をRTで3時間撹拌した。THFを真空中で除去し、水相をEtOAcで洗浄し、10% HClで酸性にし、水相をEtOAcで徹底的に抽出した。混ぜ合わせた有機相を真空中でエバポレートし、ジエチルエーテルに懸濁させ、ろ過し、残留物を乾燥させてからクロマトグラフィー(シリカゲル, DCM/MeOH/AcOH 90:10:1)で精製した。
収量:3.5g(理論の100%)
ESI-MS:(M+H)+ = 610/612/614 (2 Br)
保持時間(HPLC):14.1分(方法D)
6i) (R)-2-(4-シクロヘキシル-ピペラジン-1-イル)-1-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
1mLのDMF中の100mg(0.16mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、58mg(0.18mmol)のTBTU及び25μL(0.18mmol)のトリエチルアミンの溶液に30mg(0.18mmol)の1-シクロヘキシル-ピペラジンをRTにて加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応溶液をシリンジフィルターに通してろ過し、さらに何ら仕上げずに直接HPLCで精製した。生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:64mg(理論の51%)
ESI-MS:(M+H)+ = 760/762/764 (2 Br)
保持時間(HPLC-MS):3.3分(方法A)
【0241】
〔実施例6.1〕
(R)-1-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-(4-モルフォリン-4-イル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-
イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0242】
【化102】

【0243】
実施例6iと同様に、100mg(0.16mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと31mg(0.18mmol)の4-ピペリジン-4-イル-モルフォリンから生成物を得られた。
収量:72mg(理論の58%)
ESI-MS:(M+H)+ = 762/764/766 (2 Br)
保持時間(HPLC-MS):3.1分(方法A)
【0244】
〔実施例6.2〕
(R)-1-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-[4-(4-エトキシカルボニルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0245】
【化103】

【0246】
実施例6iと同様に、100mg(0.16mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと46mg(0.18mmol)のエチル (4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)-アセテートから生成物を得られた。
収量:5mg(理論の4%)
ESI-MS:(M+H)+ = 847/849/851 (2 Br)
保持時間(HPLC-MS):2.9分(方法A)
【0247】
〔実施例7〕
(R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-(4-シクロヘキシル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0248】
【化104】

【0249】
7a) (Z,E)-3-(4-アセトキシ-3-ブロモ-フェニル)-2-アセチルアミノ-アクリル酸
75.0g(366mmol)の3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドと64.2g(548mmol)のN-アセチルグリシンから実施例6aと同様に調製した。反応混合物の冷却後、沈殿した生成物をろ過し、水洗して乾燥させた。
収量:69.8g(理論の56%)
保持時間(HPLC):7.6分(方法D)
7b) 3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸
氷冷しながら、750mLの4M HClを300mLのNMP中の69.7g(204mmol)の(Z,E)-3-(4-アセトキシ-3-ブロモ-フェニル)-2-アセチルアミノ-アクリル酸の溶液に加え、反応混合物を95℃(浴温度)に2.5時間加熱した。これを一晩でRTに冷まし、2Lの水と合わせて300mLのEtOAcで3回抽出し、混ぜ合わせた有機相を1Lの水で2回洗浄してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:45.8g(理論の87%)
保持時間(HPLC):7.8分(方法D)
7c) (R)-3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸
アルゴン雰囲気下、350mLのTHF中の45.0g(174mmol)の3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸の溶液に29mL(356mmol)のトリエチルアミンを加え、混合物を-27℃に冷却した。次に、200mLのTHF中の114g(356mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランの溶液を温度が-20℃を超えないように滴加した。反応混合物を-30℃で15分撹拌し、1時間以内でRTに戻した。反応溶液に200mLの10% NaOHを温度が25℃を超えないように加え、さらに15分撹拌し、400mLの水で希釈し、400mLのMTBEと混ぜ合わせて水相を分別した。これを400mLのMTBEで洗浄し、150mLの4M HClで酸性にし、400mLのEtOAcで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:53.7g(理論の89%)
保持時間(HPLC):4.0分(方法D)
7d) メチル (R)-3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネート 250mLのMeOH中の53.6g(154mmol)の(R)-3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸の溶液に2.5mLの濃硫酸を加え、反応混合物をRTで4時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を250mLのEtOAcに取り、有機相を100mLの飽和NaHCO3及び飽和NaCl溶液で2回洗浄してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:定量的
保持時間(HPLC):6.8分(方法D)
7e) メチル (R)-3-[3-ブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-プロピオネート
100mLのDCM中の10.2g(34.6mmol)のメチル (R)-3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネートの溶液に6.7mL(39.1mmol)のエチルジイソプロピルアミンを
加え、反応混合物を氷浴内で冷却した。次に、20mLのDCM中の7.9mL(44.6mmol)の(2-クロロメトキシ-エチル)-トリメチルシランの溶液を加えた。反応混合物をRTで3時間撹拌してから反応を完了させるため、さらに0.67mLのエチルジイソプロピルアミン及び0.8mL(4.5mmol)の(2-クロロメトキシ-エチル)-トリメチルシランと混ぜ合わせてRTで1.5時間撹拌した。反応混合物を5% Na2CO3及び飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, Cyc/EtOAc 75:25)で精製した。
収量:9.6g(理論の68%)
保持時間(HPLC):15.1分(方法E)
7f) (R)-2-[3-ブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
4.55g(11.2mmol)のメチル (R)-3-[3-ブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-プロピオネートと2.75g(11.2mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンから実施例6fと同様に調製した。
収量:5.46g(理論の72%)
保持時間(HPLC):16.5分(方法E)
7g) (R)-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
5.40g(7.98mmol)の(R)-2-[3-ブロモ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシ-メトキシ)-フェニル]-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと7.7mL(4.2mmol)のメタノール性硫酸(0.5M)から実施例6gと同様に調製した。粗生成物(5.44g)を精製せずにさらに反応させた。
保持時間(HPLC):9.9分(方法E)
7h) (R)-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
20mLの水中の0.84g(34.1mmol)のLiOHの溶液を80mLのTHF中の5.44gの粗生成物(実施例7gから)の溶液に加え、反応混合物をRTで1時間撹拌した。真空中で有機溶媒を除去し、水相をEtOAcで洗浄し、10% HClで酸性にし、EtOAcで徹底的に抽出した。混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄してNa2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を90mLのジエチルエーテルと摩砕し、ろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄して45℃で乾燥させた。
収量:4.10g(2工程全体で理論の89%)
保持時間(HPLC):8.2分(方法E)
7i) (R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-オキソ-2-[4-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
100mg(0.19mmolの(R)-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと35mg(0.21mmol)の1-シクロヘキシル-ピペラジンから実施例5.20と同様に調製した。
収量:62mg(理論の49%)
ESI-MS:(M+H)+ = 682/684 (Br)
保持時間(HPLC-MS):3.2分(方法A)
【0250】
〔実施例7.1〕
(R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-(4-モルフォリン-4-イル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0251】
【化105】

【0252】
100mg(0.19mmol)の(R)-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと36mg(0.21mmol)の4-ピペリジン-4-イル-モルフォリンから実施例5.20と同様に調製した。
収量:66mg(理論の51%)
ESI-MS:(M+H)+ = 684/686 (Br)
保持時間(HPLC-MS):2.9分(方法A)
【0253】
〔実施例7.2〕
(R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-(1'-エトキシカルボニルメチル-4,4'-ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0254】
【化106】

【0255】
150mg(0.28mmol)の(R)-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと79mg(0.31mmol)のエチル [4,4']ビピペリジニル-1-イル-アセテートから実施例5.20と同様に調製した。
収量:63mg(理論の29%)
ESI-MS:(M+H)+ = 768/770 (Br)
保持時間(HPLC-MS):3.2分(方法A)
【0256】
〔実施例7.3〕
(R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-[4-(4-エトキシカルボニルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0257】
【化107】

【0258】
150mg(0.28mmol)の(R)-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと79mg(0.31mmol)のエチル (4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)-アセテートから実施例5.20と同様に調製した。
収量:82mg(理論の38%)
ESI-MS:(M+H)+ = 769/771 (Br)
保持時間(HPLC-MS):3.1分(方法A)
【0259】
〔実施例7.4〕
(R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-[4-(4-カルボキシメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0260】
【化108】

【0261】
5mLのTHF中の50mg(0.07 mol)の(R)-1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-[4-(4-エトキシ-カルボニルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に5mLの水中の3.0mg(0.12mmol)のLiOHの溶液をRTにて加え、反応混合物を1時間撹拌した。真空中で有機溶媒を除去し、水性残留物を1M HClで酸性にし、再び真空中でエバポレートした。残留物をHPLCで精製し;生成物を含有するフラクションを合わせて凍結乾燥させた。
収量:28mg(理論の59%)
ESI-MS:(M+H)+ = 741/743 (Br)
保持時間(HPLC-MS):2.5分(方法A)
【0262】
〔実施例8〕
(R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0263】
【化109】

【0264】
8a) 2,6-ジクロロ-4-ヨード-フェノール
160mLの水中の40.7g(245mmol)のヨウ化ナトリウムの溶液と16mLの水中の9.6mL(143mmol)のエタン-1,2-ジアミンの溶液を180mLのEtOH中の40.0g(245mmol)の2,6-ジクロロ-フェノールの溶液に加え、混合物をRTで15分撹拌した。次に、反応混合物に62.3g(245mmol)のヨウ素を少しずつ添加した。反応を完了させるため、RTで3時間後、さらに31.1g(122mmol)のヨウ素と4.8mL(72mmol)のエタン-1,2-ジアミンを添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。飽和NaHSO3溶液を酸性反応が起こるまで添加し、混合物を400mLのEtOAcで3回抽出し、混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:69.0g(理論の97%)
Rf = 0.5 (シリカゲル, n-ヘキサン/EtOAc 4:1)
8b) [2-(2,6-ジクロロ-4-ヨード-フェノキシメトキシ)-エチル]-トリメチルシラン
窒素雰囲気下、800mLのアセトニトリル中の28.0g(96.9mmol)の2,6-ジクロロ-4-ヨード-フェノールの溶液に33.5g(242mmol)のK2CO3と20.7mL(117mmol)の(2-クロロメトキシ-エチル)-トリメチルシランを加え、反応混合物を1時間還流させた。反応混合物を真空中でエバポレートし、残留物を300mLの水に取り、300mLのEtOAcで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:38.4g(理論の95%)
Rf = 0.83 (シリカゲル, n-ヘキサン/EtOAc 4:1)
8c) 3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド
アルゴン雰囲気下、-20℃に冷却した200mLのTHF中の30.0g(71.6mmol)の[2-(2,6-ジクロロ-4-ヨード-フェノキシメトキシ)-エチル]-トリメチルシランの溶液に、50mLのTHFで希釈した39.4mL(78.8mmol)のイソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M)をゆっくり滴加した。添加終了後、11.0mL(143mmol)のDMFを-10℃にて加え、反応混合物をゆっくりRTに戻した。反応終了後(TLCでモニターした)、100mLの2M HCLを加え、反応溶液をRTで一晩撹拌した。これを300mLのEtOAcで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をCyc/EtOAc(1:1)から2回再結晶させて精製した。
収量:12.0g(理論の88%)
8d) (Z,E)-3-(4-アセトキシ-3,5-ジクロロ-フェニル)-2-アセチルアミノ-アクリル酸
50mLの無水酢酸中の12.2g(64mmol)の3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、11.2g(96mmol)のN-アセチルグリシン及び7.86g(96mmol)の酢酸ナトリウムの混合物を130℃(浴温度)に3時間加熱した。反応混合物を90℃に冷まし、内部温度が100℃を超えないように5mLの水を添加した。混合物を90℃で2時間撹拌し、200mLの水を添加すると沈殿が生じた。沈殿物をろ別し、水で完全に洗浄して乾燥させた。
収量:12.0g(理論の57%)
Rf = 0.84 (シリカゲル, Cyc/EtOAc 1:1)
8e) 3-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸
70mLのNMP中の12.0g(36.1mmol)の(Z,E)-3-(4-アセトキシ-3,5-ジクロロ-フェニル)-2-アセチルアミノ-アクリル酸の溶液に131mLの4M HClをRTにて加え、反応混合物を130℃(浴温度)に4時間加熱した。0℃に冷却後、200mLの水を加え、混合物を一晩撹拌すると、沈殿が生じた。沈殿物をろ別して乾燥させた(2.9g;純度95%)。ろ液を300mLのCyc/EtOAc(1:3)で3回抽出し、混ぜ合わせた有機相を乾燥させて真空中でエバポレートした。乾燥剤と溶媒を除去した後、4gの生成物(純度:80%)を得た。
収量:6.0g(理論の66%)
ESI-MS:(M+H)+ = 250/252/254 (2Cl)
Rf = 0.30 (シリカゲル, DCM/MeOH/AcOH 90:10:1)
8f) (R)-3-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオン酸
3.00g(10.0mmol)の3-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-オキソ-プロピオン酸(純度:80%)と6.34g(20.0mmol)の(1R)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランから実施例7cと同様に調製した。粗生成物(1.9g)を精製せずにさらに反応させた。
8g) メチル (R)-3-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネート
30mLのMeOH中の実施例8fの粗生成物の、0℃に冷却した溶液に2mLの濃硫酸を加え、反応混合物をこの温度で2時間撹拌した。混合物を固体KHCO3で中和し、水で希釈してEtOAcで徹底的に抽出した。混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、生成物を精製せずにさらに反応させた。
収量:1.8g(2工程全体で理論の75%)
8h) メチル (R)-3-[3,5-ジクロロ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-プロピオネート
窒素雰囲気下、20mLのアセトニトリル中の2.64g(9.96mmol)のメチル (R)-3-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオネートの溶液に5.79g(76.6mmol)の40% KF/Al2O3を加え、結果として生じる懸濁液をRTで数分撹拌した。次に、20mLのアセトニトリル中の2.12mL(12.0mmol)の(2-クロロメトキシ-エチル)-トリメチルシランの溶液を加えて反応混合物をRTで20時間撹拌した。混合物をCeliteに通してろ過し、溶媒を真空中でエバポレートした。残留物を精製せずにさらに反応させた。
収量:3.80g(理論の97%)
8i) (R)-2-[3,5-ジクロロ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
3.80g(8.65mmol)のメチル (R)-3-[3,5-ジクロロ-4-(2-トリメチルシラニル-エトキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-プロピオネートと2.12g(8.65mmol)の3-ピペリジン-4-イル-1,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-2-オンから実施例6fと同様に調製した。生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル, DCM/MeOH 98:2)で精製した。
収量:3.10g(理論の54%)
8k) (R)-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
3.10g(4.65mmol)の(R)-2-[3,5-ジクロロ-4-(2-トリメチル-シラニル-エトキシ-メトキシ)-フェニル]-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと4.48mLのメタノール性硫酸(0.5M)から実施例6gと同様に調製した。
収量:2.49g(理論の100%)
8l) (R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
50mLのTHF中の2.49g(4.64mmol)の(R)-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-1-メトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に20mLの水中の0.42g(17.3mmol)のLiOH溶液を加え、反応混合物をRTで1時間撹拌した。真空中で有機溶媒を除去し、水相をEtOAcで洗浄し、10% HClで酸性にし、EtOAcで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をジエチルエーテルと摩砕し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:1.60g(理論の66%)
Rf = 0.05 (シリカゲル, DCM/MeOH 9:1)
8m) (R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素雰囲気下、10mLのDMF中の150mg(0.29mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピ
ン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、63.8mg(0.34mmol)の1-メチル-4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン及び0.17mL(0.98mmol)のエチルジイソプロピルアミンの混合物をRTで5分撹拌した。次に、反応混合物に124mg(0.32mmol)のHATUを添加してから4時間撹拌した。これを真空中でエバポレートし、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル,勾配 DCM→DCM/MeOH 85:15)で精製した。生成物を含有するフラクションを混ぜ合わせ、真空中でエバポレートし、酸化アルミニウムに通してろ過し、DCM/MeOH 9:1で生成物を溶出した。
混合物を真空中でエバポレートし、残留物をジエチルエーテルと摩砕し、生成物をろ過して乾燥させた。
収量:43mg(理論の22%)
ESI-MS:(M+H)+ = 687/689 (2Cl)
保持時間(HPLC-MS):2.8分(方法A)
以下の化合物は、各場合、150mgの(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと対応する量のアミンから同様に調製した。
【0265】
【化110】

【0266】
〔実施例8.4〕
(R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-オキソ-2-(4-ピペリジン-4-イル-ピペラジン-1-イル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0267】
【化111】

【0268】
窒素雰囲気下、10mLのDMF中の150mg(0.29mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピ
ン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート、105mg(0.34mmol)のtert-ブチル 4-ピペラジン-1-イル-ピペリジン-1-カルボキシレート(塩酸塩として使用)及び0.17mL(0.98mmol)のエチルジイソプロピルアミンの混合物をRTで5分撹拌した。次に124mg(0.32mmol)のHATUを反応混合物に加えてから4時間撹拌した。これを真空中でエバポレートし、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル, 勾配 DCM→DCM/MeOH 85:15)で精製した。生成物を含有するフラクションを、混ぜ合わせて真空中でエバポレートした。残留物を10mLのギ酸に取り、RTで3時間撹拌した。混合物を真空中でエバポレートし、残留物を飽和NH3溶液に取り、EtOAcで徹底的に抽出し、混ぜ合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤と溶媒を除去した後、残留物をジエチルエーテルと摩砕し、吸引ろ過して乾燥させた。
収量:47mg(理論の24%)
ESI-MS:(M+H)+ = 673/675 (2Cl)
保持時間(HPLC-MS):2.6分(方法A)
【0269】
〔実施例8.5〕
(R)-2-4,4'-ビピペリジニル-1-イル-1-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン
-1-カルボキシレート
【0270】
【化112】

【0271】
150mg(0.29mmol)の(R)-1-カルボキシ-2-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ-フェニル)-エチル 4-(2-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-1,3-ベンゾジアゼピン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレートと92mg(0.34mmol)のtert-ブチル [4,4']ビピペリジニル-1-カルボキシレートから実施例8.4と同様に調製した。
収量:84mg(理論の44%)
ESI-MS:(M+H)+ = 672/674 (2Cl)
保持時間(HPLC-MS):3.1分(方法A)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式Iの化合物、その互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、混合物及びその塩並びに該塩、特に無機若しくは有機酸又は塩基とのその生理学的に許容しうる塩の水和物。
【化1】

(式中、
Bは下記基
【化2】

から選択される基を表し、
1とR2は、囲い込まれた窒素原子と一緒に下記一般式IIの基を表す。)
【化3】

(式中、
1は炭素原子を表すか、又はR4が独立電子対を表す場合、Y1は窒素原子を意味することもあり、
3は、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基を表し、或いは
3は、モルフォリン-4-イル、1,1-ジオキソチオモルフォリン-4-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル又はピロリジン-1-イル基から選択されるヘテロ環を表し、
(ここで、前記環中の前記単環式ヘテロ環は、ヒドロキシ、メチル、エチル、トルフルオロメチル、ヒドロキシメチル若しくはヒドロキシエチル基で一置換又は二置換されていてもよく、或いはさらにヒドロキシシクロプロピル、トリフルオロメチルカルボニルメチル、アミノ、カルボキシ-カルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル-カルボニル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、カルボキシ-エチルカルボニル、エトキシカルボニル-エチルカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、(ヒドロキシアミノ)-カルボニルメチル、ヒドロキシ-(メチル)-アミノカルボニル-メチル若しくはメトキシアミノカルボニル-メチル基で一置換されていてもよく、このとき該置換基は同一若しくは異なってよく、かつ環炭素原子若しくは環窒素原子に結合していてもよく、或いは
前記環中の前記単環式ヘテロ環は、カルボキシ基で一置換されていてもよい(このカルボキシ基が窒素原子を介して結合されていない場合))、かつ
1が炭素原子を表す場合、R4は水素原子を意味し、又は
1が窒素原子を表す場合、R4は独立電子対を意味する。)
【請求項2】
請求項1に記載の一般式Iの化合物の調製方法であって、
(a)下記一般式III
【化4】

のピペリジンを下記一般式IV
【化5】

(式中、Y2及びY3は求核基を表し、同一又は異なってよい)の炭酸誘導体、
及び下記一般式V
【化6】

(式中、Bは請求項1で定義したとおりであり、かつZ1は、カルボキシ基の保護基を表す)の化合物と反応させ、或いは
(b)下記一般式VI
【化7】

(式中、Bは請求項1で定義したとおり)のカルボン酸を下記一般式VII
H-NR12
(式中、R1及びR2は請求項1で定義したとおり)のアミンとカップリングさせ(このとき、反応を行う前に、一般式VIIのアミンの基R1及びR2に存在するいずれのカルボン酸官能基、一級若しくは二級アミノ官能基又はヒドロキシ官能基も通常の保護基で保護し、かつ使用したいずれの保護基も反応後に再び切断する)、或いは
(c)下記一般式VIII
【化8】

(式中、Bは請求項1で定義したとおりであり、かつNuは脱離基を表す)の化合物を下記一般式VII
H-NR12
(式中、R1及びR2は請求項1で定義したとおり)のアミンとカップリングさせ(このとき、反応を行う前に、一般式VIIのアミンの基R1及びR2に存在するいずれのカルボン酸官能基、一級若しくは二級アミノ官能基又はヒドロキシ官能基も通常の保護基で保護し、かつ使用したいずれの保護基も反応後に再び切断する)、及び
所望により、このようにして得た一般式Iの化合物をその立体異性体に分割し、及び/又は
このようにして得た一般式Iの化合物をその塩、特に医薬用途のため、その生理学的に許容しうる塩に変換することを特徴とする方法。

【公開番号】特開2008−189689(P2008−189689A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99425(P2008−99425)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【分割の表示】特願2008−501243(P2008−501243)の分割
【原出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】