説明

CO2を回収するためのシステム及び方法

【課題】燃焼プロセスから生じるガス混合気などのガス混合器からCO2及び/又は他のガス種を分離するためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、ガス混合気(16)からのCO2(12)の分離に関する。CO2(12)は、固体又は液体としてCO2(12)を除去することができるように、ガス混合気(16)を冷却することにより除去することができる。種々の実施形態において、CO2(12)が除去されるガス混合気(16)は、発電プロセスで利用できるような燃焼プロセスの一部として生成される排気ガスを含むことができるが、ガス混合気(16)は、CO2(12)を含むあらゆるガス混合気(16)であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、燃焼プロセスから生じるガス混合気などのガス混合器からCO2及び/又は他のガス種を分離するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素含有燃料の燃焼に基づく発電プロセスは、副生成物として二酸化炭素(CO2)を生成する。通常、CO2は、燃焼プロセスから生じる、又は変化せずに燃焼プロセスを通過するガスの混合気の1つの成分である。これらのガスの環境への放出を阻止するため、及び/又は発電プロセス又は他のプロセスでこれらのガスを利用するために、このガス混合気のCO2及び/又は他の成分を回収又は他の方法で除去することが望ましいことがある。
【0003】
残念ながら、CO2回収(並びに他のガス状燃焼副生成物の回収)は、エネルギー集約的で、同時に資本集約的とすることができる。例えば、CO2を回収するのに使用されるアミンプロセスは、アミンシステムに関連する資本設備の設置(システムコストの80%増加をもたらす可能性がある)を必要とする可能性があり、運転するのに高価且つエネルギー集約的な場合がある。更に、回収したCO2が加圧される限りでは、エネルギー及び資本要件が更に増大する可能性がある。加えて、こうしたCO2回収プロセスは、通常、相当な水の使用(すなわち、大きなウォータフットプリント)を伴う。結果として、これらの回収及び除去プロセスは、既存の技術を用いて実施するには高価で及び/又は実行可能ではない可能性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,833,409号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の背景技術を考慮して、本開示は、液体又は固体としてCO2を分離するためにガス混合気を冷却し、従って、他のガス混合気からの分離を容易にする原理に依存する極低温CO2分離法を記載している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の実施形態において、発電システムが提供される。発電システムは、燃焼プロセスによって生成されるガス混合気を受け取る入口を有するCO2分離システムを含む。発電システムはまた、ガス混合気を冷却し、ガス混合気から固相又は液相のCO2が分離されて実質的にCO2の無いガス混合気を生成するようにする1つ又はそれ以上の冷却段と、ガス混合気から分離されるときに固相又は液相のCO2を除去する1つ又はそれ以上の分離構成要素と、を含む。
【0007】
第2の実施形態において、発電システムが提供される。発電システムはまた、ボイラーから出る排気ガスを冷却し、該排気ガスの1つ又はそれ以上の成分が相変化を受けて排気ガスから流れ出るようにする1つ又はそれ以上の冷却団を含む。排気ガスから流れ出る1つ又はそれ以上の成分は、固体又は液体CO2である。発電システムはまた、排気ガスから固体又は液体CO2を分離して、実質的にCO2の無いガス混合気を残すよう構成された分離構成要素を含む。
【0008】
第3の実施形態において、複合サイクルシステムが提供される。複合サイクルシステムは、燃料及び空気を燃焼させ、1つ又はそれ以上のタービン構成要素を通過する排気ガスを生成するよう構成されたタービンサイクルを含む。複合サイクルシステムはまた、排気ガスの熱を利用して回路を通る水又は蒸気の流れを引き起こすよう構成された蒸気サイクルを含む。複合サイクルシステムはまた、排気ガスからCO2を極低温分離し、実質的にCO2の無いガス混合気を生成するよう構成されたCO2分離システムを含む。
【0009】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様並びに利点は、図面全体を通して同じ参照符号が同様の部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の態様によるガス混合気からCO2を除去するステップを示すフローチャート。
【図2】本発明の態様によるタービンシステムのブロック図。
【図3】本発明の態様によるCO2を除去するためガス混合気を処理するシステムのブロック図。
【図4】本発明の態様によるCO2分離を含む発電システムの1つの実施形態のブロック図。
【図5】本発明の別の態様によるCO2分離を含む発電システムの第2の実施形態のブロック図。
【図6】本発明の別の態様による、CO2を液体として分離することを含む、発電システムの別の実施形態のブロック図。
【図7】本発明の態様による、CO2分離を含むタービンベースシステムの1つの実施形態のブロック図。
【図8】本発明の別の態様による、CO2分離を含むタービンベースシステムの第2の実施形態のブロック図。
【図9】本発明の別の態様による、空気乾燥システムのブロック図。
【図10】本発明の別の態様による、CO2分離を含むタービンベースシステムの第3の実施形態のブロック図。
【図11】本発明の別の態様による、CO2分離を含むタービンベースシステムの第4の実施形態のブロック図。
【図12】本発明の別の態様による、CO2分離を含むタービンベースシステムの第5の実施形態のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つ又はそれ以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実装の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実装毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0012】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素の1つ又はそれ以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。
【0013】
本開示事項は、図1に示すように、ガス混合気16からのCO2 12及び/又は硫黄種の極低温分離(方法10)を提供する。本明細書で検討されるように、ガス混合気16は、燃焼プロセス(石炭又は天然ガス燃焼発電プラントに付随することができる)から生じる煙道ガス又は他の排気ガス混合気、ガス化又は改質プラントにより生成されるシンガス、ウェルから抽出される天然ガス、或いは、CO2又は分離が保証される場合の他のガス成分を含有する他の何れかのガス混合気とすることができる。
【0014】
幾つかの実施形態において、ガス混合気16は、標準的スタック温度を下回るような温度まで冷却され、冷却に応答して、水20、他の不純物又は汚染物質14、及びCO2 12が順次流れ出る。本明細書で検討される手法により除去又は低減できる種々の不純物質又は汚染物質14は、限定ではないが、SO2、NO、NO2、C2x、H2S、未燃炭化水素(UHC)、水銀粒子、及びヒ素、その他が含まれる。冷却は、外部蒸気圧縮サイクルなどの種々の好適な手法により、又はガス混合気の膨張によって達成することができる。CO2 12は、作動圧力及び/又は温度に応じて、液体又は固体として凝縮することができ、最初に、蒸気−固体分離器、又は蒸気−液体分離器(例えば、フィルタ、サイクロン、不活性物質でパックされたカラム、その他)などの好適な分離装置を用いてガス混合気から分離して取り出すことができる。CO2 12が固体形態で分離される実施形態において、CO2 12は、圧縮及び/又は加熱(ポジメトリックポンプ又はスクリューポンプなどで)して、液体CO2 12への相変化を達成することができる。次いで、液体CO2 12は、幾つかの実施形態において、炭素隔離に用いることができるような高圧(例えば、約150bar)でポンプ送給することができる。更に、幾つかの実施形態において、分離されたCO2 12を用いて、1つ又はそれ以上の復熱冷却プロセスを通じてプロセス全体の効率を改善することができる。
【0015】
ここで、上記のことを考慮しながら図面を参照すると、図2は、発電用に用いることができるようなタービンシステム30のブロック図である。理解されるように、タービンシステム30は、配電網を介して市又は町に分配される電気を生成する発電プラントなどの大規模設備での使用、又は車両エンジンの一部又は小規模発電システムなどの小規模環境で使用するのに好適とすることができる。すなわち、タービンシステム30は、様々な用途に好適とすることができ、及び/又はある範囲のサイズにわたりスケール調整することができる。
【0016】
図示の実施例において、タービンシステム10は、燃料噴射器32、供給燃料34、及び燃焼器36を含む。供給燃料34は、実施形態に応じて異なる場合があり、燃料又は燃料混合気0(例えば、天然ガス又はシンガスのような液体燃料及び/又はガス燃料)をタービンシステム10に送給し、燃料噴射器32を通って燃焼器36に流入させるのに好適な機構に対応することができる。以下で検討するように、燃料噴射器32は、燃料を噴射して加圧空気と混合するよう構成される。或いは、供給燃料34は、好適な燃料噴射器32を介して石炭又は他の固体及び/又は粒子状燃料材料を燃焼器36に送給するのに好適とすることができる。
【0017】
燃焼器36は、燃料空気混合気を点火及び燃焼させ、次いで、高温加圧排出ガスをタービン38に送る。理解されるように、タービン38は、固定ベーン又はブレードを有する1つ又はそれ以上のステータと、ステータに対して回転するブレードを有する1つ又はそれ以上のロータとを含む。排気ガスは、タービンロータブレードを通過し、これによりタービンロータを回転駆動させる。タービンロータとシャフト39との間の結合により、シャフト39が回転するようになり、該シャフト39はまた、図示のように、タービンシステム10全体を通じて複数の構成要素に結合される。最後に、燃焼プロセスの排出ガスは、排気出口40を介してタービンシステム10から流出することができる。
【0018】
圧縮機42は、シャフト39により回転駆動されるロータに堅固に装着されたブレードを含む。空気が回転ブレードを通過すると空気圧が増大し、これにより適正な燃焼に十分な空気を燃焼器36に提供する。圧縮機42は、吸気口44を介してタービンシステム10に空気を吸い込むことができる。更に、シャフト39は、負荷46に結合することができ、シャフト39の回転により該負荷に動力を供給することができる。理解されるように、負荷46は、発電プラント又は外部負荷などのタービンシステム10の回転出力の動力を使用できる何らかの好適な装置とすることができる。例えば、負荷46は、発電機、航空機のプロペラ、及びその他を含むことができる。吸気口44は、低温吸気口のような好適な機構を介してガスタービンシステム10に空気を吸い込む。次いで、空気50は、燃焼器36に加圧空気52を提供する圧縮機42のブレードを流れる。詳細には、燃料噴射機32は、加圧空気52及び燃料34を燃料空気混合気54として燃焼器36内に噴射することができる。或いは、加圧空気52及び燃料34は、混合及び燃焼用に燃焼器に直接噴射することができる。
【0019】
上述のことを考慮して、タービンシステム30から出るガス混合気16を処理するシステム80の実施例が図3に描かれている。この実施例によれば、ガス混合気16は、発電プラントからの煙道ガスとすることができる。このような実施形態において、煙道ガスは、システム80への流入時に10%から15%の含水量及び約200°F(すなわち、約93℃)の温度を有することができる。ガス混合気16は、最初に熱交換器などにより冷却することができ(ブロック84)、水20の一部又は全て(例えば、50%から100%)がガス混合気16から除去されるようになる。除去された水20は、後続の処理を受けることができ(ブロック86)、及び/又は発電プロセスに関連する蒸気サイクル又はクーラントループの一部として導入されるような、全体プロセスで利用することができる。
【0020】
1つの実施形態において、冷却ブロック84から出るガスストリームは、追加の水20及び/又は不純物14がガス混合気から除去されるように約−10℃から−30℃である。このガスストリームは、図示の実施例において、圧縮機88などにおいて圧縮を受け、その後、温度は、約200°Fから約500°F(すなわち、約93℃から約260℃)などのように増大することができる。このガスストリームは、続いて、熱交換器又は他の好適な冷却機構によって再度冷却することができる(ブロック90)。1つの実施形態において、冷却ガス混合気は約−30℃から−80℃である。ガス混合気は、仕事が抽出されるタービン94などにおいて膨張を受けることができ、より低温(例えば、約−80℃から−135℃)で膨張プロセスから出ることができる。これらの温度及び5.2barを下回る分圧ではCO2は固相とすることができ、5.2barを上回るCO2分圧ではCO2は液相とすることができる。液相又は固相CO2 12は、固体粒子をセトリングタンクにて掃引することによって、或いは、サイクロン又は蒸気液体分離器のような好適な分離装置を用いることなどによって分離することができる(ブロック96)。CO2 12が固体形態で分離される実施形態において、CO2 12は(ポジメトリックポンプ又はスクリュー圧縮機などで)圧縮(ブロック100)して、液体CO2 12への相変化を達成することができる。
【0021】
幾つかの実施形態において、CO2 12は、線108で図示されるようにリサイクル(すなわち、再循環)することができ、これを利用して凍結プロセス効率を向上させ、これによりCO2濃度を増大させることができる。他の実施形態において、本明細書で検討するプロセスによって回収される液体CO2は、ボトミングサイクルの作動流体として用いることができる。液体燃料を作動流体として使用する1つのこのような実施形態では、熱回収蒸気発生器(HRSG)からの排気ガスは、CO2に対する熱源として用いることができ、凝縮器からの冷却排出空気は、CO2に対するヒートシンクとして用いることができる。すなわち、こうした実施形態において、相補的に加熱及び冷却を受けるプロセスの異なるそれぞれの態様は熱的に統合することができる。例えば、図3及び他の実施形態において描かれるように、冷却及び/又はCO2分離段の1つ又はそれ以上の副生成物として生成される熱は、分離されるCO2により除去されて該分離CO2を加熱するのに用いられ、このCO2の一部を固体から液体に変え、これにより冷却段での冷却(不要な熱を除去することにより)及び固体CO2の液体化を可能にすることができる。このような実施形態において、プロセスのエネルギー消費を低減することができる。更に、分離CO2は、発電プロセスの態様の強化(冷却の提供など)、及び/又は炭酸化などの他のプロセスに使用することができ、或いは、既存のウェルからの石油回収を向上させるのに用いることができる。
【0022】
幾つかの実施形態において、残留ガス混合気106は、主としてN2からなることができる、CO2リーン乾燥排出ガス(すなわち、水及びCO2、並びに幾つかの実施形態においてSO2中に実質的に存在しないか又は低減される排気ガス)である。加えて、残留ガス混合気106はまた、典型的には、O2含有量が低減されることになる。本明細書で検討されるように、残留ガス混合気106は、発電システム内の様々な目的で利用することができる。例えば、残留ガス混合気106は、発電プロセスに伴ってガスタービンエンジン又は石炭火力バーナに進む空気を乾燥させるために乾燥剤として用いることができる。同様に、残留ガス混合気106は、燃焼プロセスへの入力として直接用いられ(すなわち、周囲空気と共にタービン又はバーナに送給される)、空気中のO2含有量を低減することができる。
【0023】
更に、残留ガス混合気106が好適な温度である限り、残留ガス混合気106は、発電システムの1つ又はそれ以上の部品を冷却するのに用いることができる。例えば、幾つかの実施形態において、CO2リーン低温ガスを用いて燃焼プロセスに提供される入口空気を冷却して、冷却水からの熱を放出すること、発電用に膨張器に蒸気を送出する前に高圧蒸気を処理すること、及びその他を行うことができる。
【0024】
更に、残留ガス混合気106は、加圧下である場合、追加の仕事を抽出するために膨張させることができる(ブロック104)。例えば、残留ガス混合気106が1.5から5barの圧力以上である実施において、追加の仕事を抽出するために膨張を実施することができる。このような1つの実施形態において、残留ガス混合気106は、約30〜80℃及び/周囲を上回る圧力で膨張器に提供することができる。膨張(及び仕事抽出)後、残留ガス混合気は約−70〜−130℃及び周囲空気圧とすることができる。逆に、残留ガス混合気106が1.5bar未満の圧力である実施形態において、膨張ステップは省略してもよい。
【0025】
上述のことを考慮して、更に検討するために具体的な実施例及び実施形態が提供される。提供される実施例は、可能な実施のうちの一部を例証することを目的としており、本開示事項の範囲を限定するものではない点は理解されたい。理解されるように、本手法は、本明細書で検討したもの以外の状況を含む、様々な異なる状況においてガス混合気からCO2(又は他のガス構成要素)を分離するのに適用することができる。
【0026】
ここで図4を参照すると、高圧ボイラーなど、発電プラントで使用できるボイラーと併せて使用されるCO2分離システムの1つの実施例が描かれている。例えば、ボイラーは、発電プラント又はシステムで使用される石炭燃料又は他の燃焼ボイラーとすることができる。1つのこのような実施形態では、システムに通常存在する煙道ガス脱硫(FGD)構成要素は、本発明の極低温手法で使用される熱交換器と置きかえることができる。このような手法において、SO2並びにCO2は、煙道ガス脱硫において通常使用されるプロセスとは対照的に、極低温プロセスにより除去されることになる。この実施例において、空気120及び燃料122(例えば、石炭)は、ボイラー124に導入され、ここで空気120と燃料122とが燃焼する。この燃焼プロセスの副生成物として、ガス混合気106(例えば、煙道ガス)がボイラー124から流出する。他の実施形態において、ボイラー124は、CO2含有高温ガス(排気ガスなど)を用いて蒸気を発生させ又はプロセス加熱を提供するプロセスで使用される熱回収蒸気発生器(HRSG)とすることができる。このような実施形態において、HRSGに熱を提供するCO2含有高温ガスは、本明細書で開示される手法に従って処理することができる。
【0027】
ガス混合気106は、熱交換器などを用いて冷却され(ブロック84)、水20の一部又は全てが外部に流れ出る。幾つかの実施形態において、SO2 14のような他の不純物はまた、この段にて完全に又は部分的に除去することができる。上記で検討したように、水20は、以下で検討する水回路などにおいて、処理し及び/又は発電プロセスにて用いることができる。ガス混合気106は、圧縮機88を通過した後、熱交換器などを介して冷却することができる(ブロック90)。この結合ステップにおいて、追加の水20及び/又は不純物(例えば、SO2 14)が存在する場合には除去することができる。しかしながら、理解されるように、ガス混合気の水20及びSO2 14成分は両方とも、ガス混合気106が圧縮機88にて圧縮を受ける前に除去することができる。
【0028】
図示の実施例において、ガス混合気は、仕事が抽出されるタービンなどにおいて膨張を受ける(ブロック94)前に、空気−空気熱交換器のような熱交換器128を通すことができる。1つの実施形態において、熱交換器128は、ブロック94にて膨張を受ける前にガス混合気16の温度を32°F未満(すなわち0℃未満)にまで下げることができる。膨張ステップから出た後、CO2 12は、液相又は固相状態とすることができ、従って、1つの実施において、機械的に分離することができる(ブロック96)。例えば、1つの実施形態において、固相CO2 12は、サイクロン型装置によりガス混合気16から分離することができる。次いで、固相CO2は、ポジメトリックポンプ又は固体圧縮機などにより圧縮することができ(ブロック100)、その結果、CO2は、ポンプ送給することができる液相に入るようになる。
【0029】
図示の実施形態において、残留ガス混合気106(N2ガス混合気など)は、約−100°F(すなわち、約−74℃)のように低温で乾燥している。この残留ガス混合気106を用いて冷却水回路(破線132で図示される)から熱を除去することができ、該冷却水回路は、ボイラー124から熱を除去して蒸気タービン134を駆動する。例えば、残留ガス混合気106は、冷却回路132において水又は他のクーラントを冷却するための凝縮器136又は他の熱除去機構において用いることができる。冷却回路から熱を除去すると、残留ガス混合気106の温度は、約100°F(すなわち約37℃)になることができる。
【0030】
1つの実施形態において、残留ガス混合気106は更に、ボイラー124を冷却するのに用いることができる。このような実施形態において、残留ガス混合気は、ボイラー124からの廃棄又は放射熱を吸収し、残留ガス混合気106を約300°Fから約500°F(すなわち、約148℃から約260℃)まで加熱する。次いで、加熱された残留ガス混合気106は、追加の仕事を抽出するためタービンなどを介して膨張(ブロック104)される。
【0031】
図5を参照すると、幾つかの実施形態において、固相とは対照的に、ガス混合気から直接CO2を液相として凝縮し、これにより固体CO2の機械的分離及び固体CO2の液体状態への加圧又は圧縮を回避することが有用とすることができる。このような実施形態は、ガスストリームを好適な高い圧力に維持することにより実施することができる。
【0032】
例えば、1つのこのような実施形態において、空気120は、圧縮機140の作動などにより高圧ボイラーなどのボイラー124に高圧で導入される。高圧で燃焼を実施することによって、煙道ガスの圧縮を回避又は低減することができる。例えば、煙道ガスは、CO2の三重点より高く又はその付近に維持され、CO2が引き続き液体ではなく固体として凝縮できるようにすることができる。1つのこのような実施形態において、空気120は、ボイラー124に高圧で導入することができ、その結果、第1及び第2の冷却ステップ間の圧縮ステップを省略することができ、同様に、図4の膨張ステップ94の前の熱交換器作動を省略することができるようになる。更に、図6に示すように、図5のシステムは更に、膨張ステップ94を省略するよう修正することができる。1つのこのような実施形態において、CO2 12は、CO2分離段97にて液相で収集することができる。
【0033】
図7では、天然ガス複合サイクルとの関連でのCO2回収のための空気サイクル機械の状況における代替の実施形態が図示されている。理解されるように、このような実施はまた、他の燃料タイプの関連においても使用することができる。図示の実施例において、CO2分離及び/又は回収に関連した態様に集中するために、特定の態様の検討は省略される場合がある。
【0034】
例えば、図7を参照すると、燃焼用に周囲温度及び圧力で空気120が提供されるガスタービンエンジン160が図示されている。図示の実施形態において、最初に、空気120は低圧圧縮機162に入って空気120を加圧し、これにより約300°F(すなわち約148℃)までのように空気温度が上昇する。図示の実施例において、次に、空気120は、インタークーラ164を通過することができ、該インタークーラが、約120°F(すなわち約48℃)のように空気120の温度を低下させる。次いで、冷却空気120は、高圧圧縮機166を通過することができ、その後、空気温度は約750°F(すなわち、約398℃)になることができる。次に、加圧空気120は、燃料ストリーム122と共に燃焼器168に流入し、ここで空気120と燃料122が燃焼する。燃焼プロセスにより生成される排気ガス混合気106は、発電機として機能する、高圧タービン170及び/又は低圧タービン172などの1つ又はそれ以上のタービンを通過することができる。ガスタービンエンジン160から出ると、ガス混合気16は、約800°Fから約1,100°F(すなわち、約426℃から約593℃)になることができる。ガス混合気16は、図示の熱回収蒸気発生器(HRSG)174のような熱交換器を通過することができ、該熱回収蒸気発生器(HRSG)174は、ガス混合気16を冷却し、追加の仕事を実施するのに用いることができる熱エネルギーを回収するよう機能する水/蒸気サイクル176を含む。例えば、HRSG174により相互作用される蒸気サイクルは、ガスタービンエンジン160が発生する熱により駆動される蒸気タービン発電プラントを含むことができる。
【0035】
HRSG174(又は他の熱交換器)から出ると、ガス混合気16の温度が低下し(約−10℃など)、水20の一部を液体として取り出すことができる。ガス混合気16は更に、熱交換器178を通過するときに冷却することができ、これによりガス混合気16の温度を約−30℃下げて、残留する水20の一部又は全てを強制的にガス混合気16の外部に出すことができる。図示の実施例において、ガス混合気16は、第2の低圧圧縮機180を通過することができ、ここでガス混合気16が加圧され、これにより温度が、約300°Fから約400°F(すなわち、約158℃から約204℃)のように上昇する。次に、加圧ガス混合気16は、第2のインタークーラ182を通過することができ、ここでガス混合気の温度が約−30℃から−80℃のように低下する。1つの実施形態において、外部冷却を利用してこの追加の冷却を達成することができる。次に、ガス混合気16は、膨張(ブロック184)を受けることができ、ここで仕事を抽出し、その後残留ガス混合気106の温度が−70℃から−130℃になることができ、CO2 12は、好適な分離機構(すなわち、掃引によるセトリングタンク、サイクロン、及びその他)によるなど、ガス混合気から分離(ブロック188)するのに好適な液相又は気相とすることができる。図示の実施において、分離されたCO2は固相であり、ポジメトリックポンプ及び/又は固体圧縮機などにより加圧(ブロック100)され、液体CO2生成物を生成する。
【0036】
主として乾燥N2とすることができる残留ガス混合気106は、ガスタービンエンジン160の空気入口を冷却するため、或いは、ガスタービンエンジン160に対する入力として用いて、システムの効率の改善及び燃焼プロセスにおけるNOx(例えば、NO、NO2、及びその他)形成の低減を行うことができる。加えて、残留ガス混合気106を用いて、HRSG174から出るときにガス混合気16を冷却するのに使用される熱交換器178など、システムの熱交換器構成要素の1つ又はそれ以上を冷却することができる。
【0037】
図8及び9を参照すると、空気乾燥システムを利用するCO2回収手法の別の実施形態が図8に図示されている。好適な空気乾燥システムの1つの実施例が、参照として図9に図示されている。図8の図示のシステムにおいて、最初に、周囲空気120が乾燥剤空気乾燥システム200などにより乾燥され、次いで、ガスタービンエンジン160に提供される前に熱交換器204などにより冷却される。このような1つの実施形態において、熱交換器204から出てガスタービンエンジン160に入る空気120は、約−10°Fから約−20°F(すなわち、約−23℃から約−29℃)である。このような冷却空気は、周囲温度にて空気に対して比較的高密度になり、ガスタービンエンジン160により生成される出力の増大をもたらすことができる。図7に関して検討したように、空気120は、ガスタービンエンジン160において燃料122と共に燃焼される。1つの実施形態において、ガスタービンエンジンから出る排気ガス混合気16は、HRSG174に入る前に約800°F(すなわち約426℃)であり、ここでガス混合気が更に冷却され、水20の一部又は全てが液体形態で取り出される。
【0038】
図示の実施形態において、ガス混合気16が低圧圧縮機180で加圧され、続いてインタークーラ182により冷却される。図示の実施において、ガス混合気16はまた、第2の乾燥システム210を通過した後、膨張(ブロック184)を受け、ここで仕事を抽出することができる。図7に関して検討したように、膨張時には、ガス混合気は、CO2が固体又は液体の形態で且つ機械的又は他の好適な手法によるなどガス混合気から分離(ブロック188)するのに好適な温度及び圧力とすることができる。図示の実施形態において、約−70℃から−130℃とすることができる残留ガス混合気106を用いて、熱交換器204(ガスタービンエンジン160の空気入口の一部を形成できる)を冷却することができ、ここを通って空気120がガスタービンエンジン160に流入し、及び/又は開示されたインタークーラの1つ又はそれ以上を冷却する。幾つかの実施形態において、上述のように、分離されたCO2 12が固相である範囲では、CO2は、ポジメトリックポンプ又は固体圧縮機などを用いて加圧(ブロック190)し、液相にすることができる。
【0039】
図9には、図8のブロック200及び210に描かれたような乾燥剤空気乾燥システムの1つの実施例がより詳細に図示されている。この実施例において、空気120は、空気接触器220を通過し、ここで空気120は、空気接触器220を循環する好適な乾燥剤材料222と接触する。1つの実施形態において、乾燥剤材料222は、食塩水(例えば、臭化リチウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、及びその他)のような液体乾燥剤、又は他の好適な乾燥剤である。このような1つの実施において、乾燥剤222は、約60°F(すなわち約15°F)で空気接触器220に入るが、空気120と接触している間は加熱される。空気接触器220では、空気120からの湿分が乾燥材料222により吸収され、これにより空気120が乾燥し、乾燥剤222の含水量が増大する。図示の実施形態において、乾燥空気120は、後続のプロセス段(図8の熱交換器204又は膨張器184)に進む。
【0040】
乾燥剤222は、空気120と接触後、温度(約75°F(すなわち23℃)など)及び水含有量が増大する。乾燥剤222が処理されて吸収された水含有量を除去し、空気乾燥プロセスにおいて乾燥剤222を再利用可能にすることができる。図示の実施例において、液体乾燥剤のような乾燥剤222は、第1の熱交換器178を通って(ポンプ226などにより)ポンプ送給される。熱交換器228は、該熱交換器228の一部を通って伝わる湿潤乾燥剤222を加熱すると同時に、交換器228の別の部分を通って伝わる乾燥した乾燥剤222を冷却する働きをする。結果として、熱交換器228から出る湿潤乾燥剤は、約150°F(すなわち約65℃)の温度にまで加熱される。
【0041】
図示の実施例において、部分的に加熱された乾燥剤222は、第2の熱交換器230において更に加熱することができ、該熱交換器230は、高温ガスタービン排気ガス(排気ガス232がHRSGを通る前など)を利用して、乾燥剤222を更に加熱する。例えば、1つの実施形態において、加熱された乾燥剤222は、約200°Fから約300°F(すなわち約93℃から約148℃)である。次いで、加熱された乾燥剤222は、接触器ボイラー236を通って配送することができ、該ボイラーに周囲空気240を通して、加熱された乾燥剤222と接触するようにする。周囲空気240は、加熱された乾燥剤222からの湿分を吸収し、接触器ボイラー236から出る乾燥剤222が乾燥され、すなわち水含有量がほとんどないか、又は全くないようになる。1つの実施例において、接触器ボイラー236から出る乾燥剤222は、約200°Fから約300°F(すなわち約93℃から約148℃)である。
【0042】
次いで、乾燥剤222は、1つの実施形態において、上述の熱交換器228を通って(ポンプ240などにより)ポンプ送給することができ、乾燥された乾燥剤の熱を利用して、空気接触器220から出る湿潤乾燥剤を加熱するようにする。熱交換器の結果として、乾燥された乾燥剤は冷却され、約100°F(すなわち約37℃)のような低い温度で熱交換器228から出る。1つの実施形態において、乾燥剤222は、冷却タワーからの冷却水などのクーラント244を用いる第3の熱交換器242などを介して更に冷却され、乾燥剤222から熱を抽出することができる。このような1つの実施形態において、乾燥剤222は、熱交換器242から出た後に約60°F(すなわち約15℃)の温度とすることができる。次いで、乾燥され冷却された乾燥剤222を再利用して、空気接触器220を通過する空気120を乾燥させることができる。
【0043】
別の実施形態において、図7に関して上記で検討した実施は、システムがガスタービンエンジン160の下流側の高圧で作動するように修正することができる。例えば、図10の図示の実施形態では、空気120は、燃焼用に周囲温度及び圧力でガスタービンエンジン160に提供される。この実施形態において、ガスタービンエンジン160から出る排気ガス混合気16は完全には膨張されず、結果として下流側で加圧される必要がない。例えば、このような1つの実施形態において、ガスタービンエンジン160から出るガス混合気16は、約1,100°F(すなわち約593℃)の温度、及び1.1barから10bar(例えば、2barから6bar、又は5bar)の間の圧力である。このような温度及び圧力では、蒸気サイクル176の蒸気タービン(HRSG174を介して相互作用される)は、より高い効率で作動することができる。更に、このような1つの実施において、煙道ガスは、後続の煙道ガス加圧ステップが存在しないようにCO2の三重点付近又はこれよりも高く維持される。このような1つの実施例において、煙道ガスが高圧で維持されているので、CO2を引き続き固体ではなく液体として凝縮することができる。
【0044】
HRSG174から出ると、ガス混合気16の温度が低下し、水20の一部が液体として取り出すことができる。ガス混合気16は、熱交換器178を通過するときに更に冷却することができ、該熱交換器178がガス混合気16の温度を低下させ、これにより残留する水20の一部又は全てを強制的にガス混合気16の外部に出すことができる。図示の実施例において、ガス混合気16は依然として圧力(例えば約5bar)があり、第2のインタークーラ182を通過することができ、ここでガス混合気の温度が低下する。次に、ガス混合気16が膨張(ブロック184)を受けることができ、ここで仕事を抽出することができる。膨張すると、ガス混合気16は、好適な分離機構(すなわち、掃引によるセトリングタンク、サイクロン、及びその他)によるなど、ガス混合気16から分離(ブロック188)するのに好適な液相又は固相(圧力に応じて)とすることができるほど十分に冷却される。1つの実施において、分離されたCO2は固相であり、ポジメトリックポンプ及び/又は固体圧縮機などにより加圧(ブロック190)され、液体CO2生成物を生成する。他の実施において、ガス混合気16は、CO2 12が液体として凝縮されるように十分な圧力がある。
【0045】
更に、上記で検討したように、主として乾燥N2とすることができる残留ガス混合気106は、ガスタービンエンジン160の空気入口を冷却するため、或いは、ガスタービンエンジン160に対する入力として用いて、システムの効率の改善及び燃焼プロセスにおけるNO形成の低減を行うことができる。加えて、残留ガス混合気106を用いて、HRSG174から出るときにガス混合気16を冷却するのに使用される熱交換器178など、システムの熱交換器構成要素の1つ又はそれ以上を冷却することができる。
【0046】
図11を参照すると、液化天然ガス(LNG)が利用可能な実施形態において、再ガス及び空気サイクル機械をCO2回収用システムにおいて利用することができる。図11の図示の実施形態において、図8に関して示された天然ガス複合サイクル実施が、HRSG174から下流側で且つ第2の低圧圧縮機180の上流側に排気ドライヤー260(図9に関して検討されたように)を含むよう修正される。このような1つの実施において、残留ガス混合気106(主として乾燥N2)は、約−100°F(すなわち約−74℃)の温度であり、第2のインタークーラ182及び/又は排気ドライヤー260を冷却するのに用いることができる。
【0047】
加えて、液化天然ガス(LNG)回路264が第2のインタークーラ182に関して描かれており、該第2のインタークーラ182は、回路264においてLNGを加熱又はガス化するプロセスにおいて、ガス混合気16が第2のインタークーラ182を通過したときに該ガス混合気16を冷却するのを支援する。例えば、1つの実施形態において、天然ガス(NG)は、約−160°F(すなわち約−106℃)などの温度の液体状態で第2のインタークーラ182に接近する。この実施例において、液化天然ガスは、第2のインタークーラ182との相互作用を介して排気ガス16から熱を吸収し、高温及びガス化状態で第2のインタークーラ182との相互作用部から離れる。
【0048】
更なる実施形態において、本発明のCO2回収手法は、図12に示すように、複合サイクル発電方式において統合することができる。図示の実施形態において、空気120は、最初に、特定の実施において入口空気クーラーとして備えることができる熱交換器204などを介して冷却された後、ガスタービンエンジン160に流入する。このような1つの実施例では、最大容積圧縮機段が、複合サイクルのガスタービンエンジン160部分に提示される。
【0049】
図示の実施形態において、ガスタービンエンジン160に流入する排気ガス混合気16は、完全には膨張されず、従って、HRSG174に入るときに約1.5barから約5barの圧力にすることができる。このような1つの実施形態では、ガスタービン排気圧力の増大により、ガスタービンエンジン160に存在する低旋回バーナの体積流量及び長さを低減することができる。ガス混合気16は、HRSG174から出た後、膨張器184のような膨張ステップを受ける前に、空気−空気熱交換器のような熱交換器178を通過することができる。1つの実施形態において、熱交換器178から出て膨張器184に流入するガス混合気16の温度は、約32°F(すなわち約0℃)よりも低い。他の実施形態において検討するように、膨張時には、ガス混合気16は、CO2が固体又は液体形態で且つ機械的又は他の好適な手法によるなどガス混合気から分離(ブロック188)するのに好適な温度及び圧力とすることができる。図示の実施形態において、約100°F(すなわち約−70℃)とすることができる残留ガス混合気106を用いて、熱交換器178及び/又は熱交換器204(ガスタービンエンジン160の空気入口の一部を形成できる)を冷却することができ、ここを通って空気120がガスタービンエンジン160に流入し、及び/又は開示されたインタークーラの1つ又はそれ以上を冷却する。
【0050】
理解されるように、本明細書で検討された手法は、CO2回収の様々な状況で用いることができ、本明細書で検討された実施例に限定されるものではない。例えば、本明細書で検討した極低温プロセスを利用して、石炭由来のシンガスから出力を生成するのに用いることができるガス化複合サイクルに基づくプラントのような、特定のタイプの発電プラントにおけるCO2(及び場合によってはH2S)除去に置き換わることができる。このような1つの実施例において、CO2はガス化に基づいて冷凍又は凝縮され、冷却シンガスが水、CO2、及びH2Sを取り出すようにする。同様に、本発明の手法は、ガス混合気が抽出又は生成される方法に関係なく、排気ガス又は他のガス混合気からCO2を除去する他の状況にも適用することができる。
【0051】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0052】
10 極低温分離方法
12 CO2
14 不純物/汚染物質
16 ガス混合気
18 ガス混合気を冷却
20 水
30 タービンシステム
32 燃料 噴射装置
34 供給燃料
36 燃焼器
38 タービン
39 シャフト
40 排気出口
42 圧縮機
44 吸気口
46 負荷
50 空気
52 加圧空気
54 燃料−空気混合気
80 システム
84 ガス混合気を冷却
86 処理水
88 圧縮機
90 ガス混合気を冷却
94 ガス 膨張器/タービン
96 CO2 分離
100 分離CO2を加圧
104 残留ガス混合気を膨張
106 残留ガス混合気/CO2除去ガス混合気/CO2リーンガス
108 再循環CO2
120 空気
122 燃料
124 ボイラー
128 熱交換器
132 冷却回路
134 蒸気タービン
136 凝縮器
140 圧縮機
160 ガスタービンエンジン
162 低圧圧縮機
164 インタークーラ
166 高圧圧縮機
168 燃焼器
170 高圧タービン
172 低圧タービン
174 熱回収蒸気発生器(HRSG)
176 水/蒸気サイクル
178 熱交換器
180 低圧圧縮機
182 インタークーラ
184 ガス混合気の膨張
188 CO2の分離
190 分離CO2の加圧
200 ブロック−乾燥剤空気乾燥システム
204 熱交換器
210 ブロック−乾燥剤空気乾燥システム
220 空気接触器
222 乾燥剤/乾燥剤材料
226 ポンプ
228 熱交換器
230 熱交換器
232 タービン排気ガス
236 接触器ボイラー
240 周囲空気
241 ポンプ
242 熱交換器
244 クーラント
260 排気ドライヤー
264 LNG回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼プロセスによって生成されるガス混合気(16)を受け取る入口を含むCO2分離システムと、
前記ガス混合気(16)を冷却し、前記ガス混合気(16)から固相又は液相のCO2(12)が分離されて実質的にCO2の無いガス混合気(106)を生成するようにする1つ又はそれ以上の冷却段(84、90)と、
前記ガス混合気(16)から分離されるときに前記固相又は液相のCO2(12)を除去する1つ又はそれ以上の分離構成要素と、
を備える発電システム。
【請求項2】
前記ガス混合気(16)から回収される固相CO2を液相CO2に変換する加圧及び加熱構成要素(100)を更に備える請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記実質的にCO2の無いガス混合気(106)が、前記燃焼プロセスへの入力として提供される請求項1に記載の発電システム。
【請求項4】
前記実質的にCO2の無いガス混合気(106)が、前記燃焼プロセスに関連する1つ又はそれ以上の空気入口、熱交換器(136、174、204)、又はインタークーラを冷却するのに使用される請求項1に記載の発電システム。
【請求項5】
前記実質的にCO2の無いガス混合気(106)が、前記CO2分離システムに関連する1つ又はそれ以上の入口、熱交換器(128、174、178)、又はインタークーラを冷却するのに使用される請求項1に記載の発電システム。
【請求項6】
前記ガス混合気(16)から除去されるCO2(12)の一部を前記CO2分離システム又は燃焼プロセスに戻してリサイクルし、前記ガス混合気(16)からのCO2分離の効率を向上させる再循環ループ(108)を更に備える請求項1に記載の発電システム。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上の冷却段は、前記ガス混合気(16)から1つ又はそれ以上の不純物又は汚染物質(14)が除去されるように前記ガス混合気(16)を冷却する請求項1に記載の発電システム。
【請求項8】
複合サイクルシステムにおいて、
燃料(34)及び空気(50)を燃焼させ、1つ又はそれ以上のタービン構成要素を通過する排気ガス(16)を生成するよう構成されたタービンサイクル(30)と、
前記排気ガス(16)の熱を利用して回路を通る水又は蒸気の流れを引き起こすよう構成された蒸気サイクル(176)と、
前記排気ガス(16)からCO2(12)を極低温分離し、実質的にCO2の無いガス混合気(106)を生成するよう構成されたCO2分離システムと、
を備える複合サイクルシステム。
【請求項9】
前記タービンサイクル(30)に提供される空気又は前記排気ガス(16)の一方又は両方から水分を除去するよう構成された1つ又はそれ以上の空気乾燥システム(200、210、260)を更に備える請求項8に記載の複合サイクルシステム。
【請求項10】
前記実質的にCO2の無いガス混合気(106)により冷却される、1つ又はそれ以上の空気入口、熱交換器(128、136、174、178、204)、又はインタークーラ(182)を更に備える請求項8に記載の複合サイクルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−32145(P2012−32145A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166340(P2011−166340)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】