説明

CRTH2レセプター活性を有するオキサジアゾール誘導体類

式(I)の化合物(ここで、R1は、水素またはメチルであり、 R2は、任意に置換されたシクロアルキルか、または4〜6の環原子を有する任意に置換された非芳香族複素環であるか;あるいはR1およびR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたシクロアルキルか、または4〜6の環原子を有する任意に置換された非芳香族複素環を形成し;Rは、水素または任意の置換基であり; 置換基Rを含むフェニル環は、1、2または3の任意の置換基により、任意に置換されていてもよく;Aは、水素またはC1〜C3アルキルであり;および環Arは、任意に置換されたフェニルであるか、または5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール環である)は、炎症性、自己免疫、呼吸性 またはアレルギー疾患の治療に有益なCRTH2リガンドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CRTH2レセプタ−(Tヘルパ−細胞2型上に発現される化学誘引物質レセプタ−相同分子(Chemoattractant Receptor−homologous molecule expressed on T Helper cells type 2)の活性のモジュレ−ションに応答する疾患、主に重要な炎症性の要素を有する疾患の治療におけるCRTH2レセプタ−のリガンドである化合物のクラスの使用に関する。本発明はまた、そのリガンドのクラスの新規なメンバ−及びそれらを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
NSAID類として知られる非ステロイド性抗炎症化合物およびシクロオキシゲナ−ゼ(COX−1およびCOX−2)の阻害剤を含む抗炎症剤の多くのクラスが知られている。ベンゾイルフェニル酢酸および環の1つにおいてカルボキシメトキシ置換基を有するいくつかのベンゾフェノン誘導体が、抗炎症剤として確認されている(例えば、Khanumら、Bioorganic Chemistry、Vol 32、No.4、2004、211〜222頁、およびそこで引用されている参考文献を参照)。いくつかのo−フェニルカルバモイル−フェノキシ酢酸類およびo−ベンズアミド−フェノキシメチルテトラゾール類が、可能性のある抗炎症剤として報告されている(例えば、Drainら、J. Pharm. Pharmac.、1971、23、857〜864、および同 1970、22、684〜693を参照)。WO99/15520は、ペルオキシソ−ム増殖因子−活性化レセプタ−(PPAR)の阻害剤としての活性を有し、糖尿病、心疾患、および循環器疾患を含む種々の疾患状態における有用性を有する一群の化合物類のメンバ−として合成された、環の1つがカルボキシメトキシ置換基またはテトラゾリルメトキシ置換基を有する2、3のベンゾフェノン誘導体類を開示している。
【0003】
CRTH2レセプタ−に結合したGタンパク質の天然リガンドはプロスタグランジンD2である。その名が示すように、CRTH2は、Tヘルパ−細胞2型(Th2細胞)上で発現するが、好酸球細胞および好塩基球細胞上で発現することも知られている。CRTH2レセプタ−に対するPGD2の結合の結果としての細胞活性化は、炎症メディエ−タの遊離を含む複雑な生物学的応答を生じる。したがって、PGD2の上昇したレベルは、強力な炎症性の要素を有する多くの疾患、例えば喘息、鼻炎、およびアレルギーに関係する。したがって、CRTH2レセプタ−に対するPGD2の結合を遮断することは、このような疾患の治療のための有用な治療戦略である。
【0004】
見かけ上、PGD2のアンタゴニストとして作用するCRTH2のいくつかの小分子リガンドは、例えば以下の公報:WO03/097042、WO03/097598、WO03/066046、WO03/066047、WO03/101961、WO03/101981、GB2388540、WO04/089885およびWO05/018529に提案されているように、知られている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記公報のいくつかで言及されるPGD2アンタゴニスト化合物類の構造は、公知の抗炎症剤であり、現在ではCRTH2に結合することが知られているインドメタシンのインド−ル核に関連する二環式または三環式の核環系を有する。
【0006】
本発明は、単環式核の置換基が、CRTH2と相互作用し、CRTH2に結合するように選択され、かつ単環式核により配向されている、単環式核を有する化合物類のクラスの確認から生まれた。よって、本発明に関係する化合物類のクラスは、CRTH2活性をモジュレ−トすることができ、そのようなモジュレ−ションが有益である疾患、例えば喘息、アレルギー、および鼻炎の治療において有用である。
【0007】
我々の同時継続国際出願PCT/EP2005/005884は、式(IA):
【化1】

【0008】
[式中、
Aは、カルボキシル基−COOHまたはカルボキシルの生物学的等価体を表し;
1は、水素またはメチルであり;
環Ar1は、任意に置換していてもよいフェニル環または五員もしくは六員の単環式へテロアリール環であり、ここでAA1CHO−およびL2は隣り合う環原子に連結し;
環Ar2およびAr3は、互いに独立して、フェニルまたは五員もしくは六員の単環式へテロアリール環、あるいはベンズに縮合したか、または五員もしくは六員の単環式へテロアリール環に縮合した五員または六員の炭素環式またはへテロ環式の環からなる二環系を表し、該環または環系は任意に置換していてもよく;
tは、0または1であり;
L2およびL3は、互いに独立して式−(Alk1)m−(Z)n−(Alk2)p−の二価基を表し
【0009】
(ここで、
m、nおよびpは、独立して0または1であり、
Alk1およびAlk2は、独立して任意に置換していてもよい直鎖または分枝鎖のC1〜C3アルキレン基またはC2〜C3アルケニレン基であり、これら基は共存可能な−O−連結、−S−連結、またはNR−連結(ここで、Rは水素またはC1〜C3アルキルである)を含有してもよく、
Zは−O−;−S−;−C(=O)−;−SO2−;−SO−;−NR−、−NRSO2−、−SO2NR−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)−、−NRCONH−、−NHCONR−、−NRC(=NR)NH−、−NHC(=NR)NR−、−C(R)=N−NR−、もしくは−NR−N=C(R)−(ここで、Rは水素またはC1〜C3アルキルである);または二価の五員もしくは六員の単環式の炭素環基もしくはへテロ環基である);
【0010】
ただし、
(A) L2およびL3の合計の長さは、炭素原子10の非分枝飽和鎖の長さを超えず;かつ
(B) Ar2が、任意に置換していてもよいフェニルである場合、L2は−C(=O)−でも−C(=O)NR−でも−NRC(=O)−でもなく;かつ
(C) (a) L2は結合手でなく、(b) L2中のpは、nが1でありかつZがアリールまたはへテロアリールである場合、0でなく;かつ
【0011】
(D) (a) L2は、−O−でも、−SO2−でも、−NR−でも、−CHRXY−でも、−CH(RX)(ORY)−(ここで、RXおよびRYは、独立して水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、もしくはC3〜C7シクロアルキルであるか、または結合して環を形成する) でもなく、(b) pが1であり、かつnが1であり、かつZがアリールまたはへテロアリールである場合、Alk2は、−CHRXY−でも−CH(RX)(ORY)−(ここで、RXおよびRYは、独立して水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、もしくはC3〜C7シクロアルキルであるか、または結合して環を形成する) でもない]
の化合物、またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物のCRTH2レセプタ−活性のモジュレ−ションに応答する疾患の治療用組成物の製造における使用に関する。
【0012】
前記のPCT/EP2005/005884号書類はまだ公開されていないので、該書類の明細書のコピ−を補遺として添付する。
【0013】
本発明は、PCT/EP2005/005884の化合物類の環Ar1に対応するフェニル環に結合しているアリールメチルオキサジアゾリル基(該基は、以下に記すように、アリール環およびオキサジアゾール環との間の炭素原子上に特定の置換基を有する)を有する、PCT/EP2005/005884のものに関する化合物類に関連している。
【0014】
本発明によれば、[4−ブロモ−2−[3−(1−フェニルシクロプロピル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]フェノキシ]酢酸、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を除く、式(I):
【化2】

【0015】
[式中、
1は、水素またはメチルであり、
2は、任意に置換されたシクロアルキルか、または4〜6の環原子を有する任意に置換された非芳香族複素環であり;
あるいはR1およびR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたシクロアルキルか、または4〜6の環原子を有する任意に置換された非芳香族複素環を形成し;
【0016】
Rは、水素または任意の置換基であり;
置換基Rを含むフェニル環は、1、2または3の任意の置換基により、任意に置換されていてもよく;
Aは、水素またはC1〜C3アルキルであり;
環Arは、任意に置換されたフェニルであるか、または5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール環である]
の化合物または塩、その水和物または溶媒和物が提供される。
【0017】
化合物[4−ブロモ−2−[3−(1−フェニルシクロプロピル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]フェノキシ]酢酸(ならびにその塩、水和物および溶媒和物)は、上記の式(I) (ここで、Aは水素であり、Arはフェニルであり、Rは臭素であり、そしてR1およびR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成する)を有する。この化合物は、PCT/EP2005/005884に詳細に記載されているので、本発明の全態様から除かれる。
【0018】
別の観点では、本発明は、CRTH2レセプタ−活性のモジュレ−ションに応答する疾患を罹患している患者の治療方法を提供し、それは、前記疾患を改善するのに有効な、上記で規定し、説明した化合物(I)の量を前記患者に投与することを含む。
【0019】
特に、本発明に関する化合物は、プロスタグランジンD2(PGD2)またはその1つ以上の活性な代謝物の上昇したレベルと関係する疾患の治療において有益である。
【0020】
そのような疾患の例は、喘息、鼻炎、アレルギー性気道症候群、アレルギー性鼻腔気管支炎、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、鼻茸、サルコイド−シス、農夫肺、肺線維症、嚢胞性線維症、慢性咳、結膜炎、アトピ−性皮膚炎、アルツハイマ−病、筋萎縮性側索硬化症、AIDS痴呆複合症、ハンチントン舞踏病、前頭側頭認知症、レヴィ−小体痴呆、血管性痴呆、ギラン−バレ−症候群、慢性脱髄多発性神経根障害、多発性運動神経障害、神経叢障害、多発性硬化症、脳脊髄炎、全脳炎、小脳変性症および脳脊髄炎、中枢神経系(CNS)損傷、片頭痛、脳卒中、関節リュウマチ、強直性脊椎炎、ベ−チェット病、滑液包炎、手根管症候群、炎症性大腸炎、クロ−ン病、潰瘍性大腸炎、皮膚筋炎、エ−ラ−ス−ダンロス症候群(EDS)、線維筋痛症、筋筋膜疼痛症、変形性関節症(OA)、骨壊死、乾癬性関節炎、ライタ−症候群 (反応性関節炎)、サルコイド−シス、強皮症、シェ−グレン症候群、軟組織疾患、スティル病、腱炎、結節性多発性動脈炎、ヴェ−ゲナ−肉芽腫症、筋炎(多発性皮膚筋炎)、痛風、アテロ−ム性動脈硬化症、紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、腎炎症候群、糸球体腎炎、急性および慢性腎不全、好酸球増加筋膜炎、高IgE症候群、敗血症、敗血症性ショック、心臓の虚血性再潅流損傷、移植術後の同種移植拒絶および移植片耐宿主拒絶反応を含む。
【0021】
しかしながら、本発明に関する化合物は、第一に、喘息、鼻炎、アレルギー性気道症候群およびアレルギー性鼻腔気管支炎の治療のために価値がある。
【0022】
本明細書で用いられている用語「(Ca〜Cb)アルキル」(ここで、aおよびbは整数である)は、a〜bの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基をいう。したがって、例えば、aが1であり、bが6であるとき、この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む。
【0023】
本明細書で用いられている用語「シクロアルキル」は、炭素原子3〜8を有する単環の飽和炭素環式基をいい、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。
本明細書で用いられている非限定的用語「アリール」は、単環、二環または三環の炭素環式芳香族基をいい、共有結合により直接結合した2つの単環の炭素環式芳香族環を有する基を含む。このような基の例示は、フェニル、ビフェニル、およびナフチルである。
【0024】
本明細書で用いられている非限定的用語「へテロアリール」は、S、NおよびOから選択される1以上のへテロ原子を含有する単環、二環または三環の芳香族基をいい、共有結合により直接結合されている2つのこのような単環式環または1つのこのような単環式環および1つの単環式アリール環を有する基を含む。このような基の例は、チエニル、ベンズチエニル、フリル、ベンズフリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンズチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、ベンズトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリルおよびインダゾリルである。
【0025】
本明細書で用いられている非限定的用語「へテロシクリル(heterocyclyl)」または「へテロ環式(heterocyclic)」は、上記で定義した「へテロアリール」を含み、加えてS、NおよびOから選択される1以上のへテロ原子を含有する単環、二環または三環の非芳香族基も意味し、別の同様な単環式非芳香族基に共有結合しているか、または単環の炭素環式基に共有結合している1以上のこのようなへテロ原子を含有する単環式非芳香族基からなる群をいう。このような基の例は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピペリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルホリニル、ピペラジニル、インドリル、モルホリニル、ベンズフラニル、ピラニル、イソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、マレイミドおよびスクシンイミド基である。
【0026】
存在する文脈において特に明記しない限り、本明細書中で任意の部分に対して適用される用語「置換(されている)」は、4つまでの共存可能な置換基で置換されていることを意味する。共存可能な置換基の各々は、独立して、例えば、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、メルカプト、メルカプト(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルチオ、(フルオロ、ブロモ、およびクロロを含む)ハロ、完全にもしくは部分的にフッ素化された(C1〜C3)アルキルもしくは(C1〜C3)アルコキシもしくは(C1〜C3)アルキルチオ(例えばトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、およびトリフルオロメチルチオ、ニトロ、ニトリル(−CN)、オキソ、フェニル、フェノキシ、−COORA、−CORA、−OCORA、−SO2A、−CONRAB、−SO2NRAB、−NRAB、OCONRAB、−NRBCORA、−NRBCOORA、−NRBSO2ORAまたは−NRACONRAB(ここで、RAおよびRBは独立して水素または(C1〜C6)アルキル基であり、RAおよびRBが同じN原子に連結している場合には、RAおよびRBはその窒素と一緒になって環式アミノ環を形成し得る)であり得る。置換基がフェニルまたはフェノキシである場合、そのフェニル環は、それ自体が上記置換基(フェニルまたはフェノキシを除く)のいずれかで置換されていてもよい。「任意置換基」は、前記の置換基群のうちの1つであり得る。
【0027】
本明細書で用いられている用語「塩」は、塩基付加、酸付加および第四級塩を含む。酸性である本発明の化合物は、塩基、例えばアンモニウムヒドロキシド;アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム;アルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウムおよび水酸化マグネシウム;有機塩基、例えば、N−メチル−D−グルカミン、コリントリス(ヒドロキシメチル)アミノ−メタン、L−アルギニン、L−リジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミンなどと、(医薬的に許容され得る塩を含む)塩を形成することができる。塩基性である化合物(I)は、無機酸(例えば、塩酸または臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、またはリン酸など)および有機酸(例えば、酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、グルタミン酸、酪酸、およびマンデル酸など)と、医薬的に許容され得る塩を含む塩を形成することができる。
【0028】
不斉原子の存在または回転制限のために1以上の立体異性体形態で存在し得る、本発明に関する化合物は、各キラル中心でRもしくはSの立体配置を有する多くの立体異性体、または各キラル軸でRもしくはSの立体配置を有するアトロプ異性体として存在することができる。本発明は、このようなエナンチオマ−およびジアステレオ異性体並びにそれらの混合物の全てを包含する。
【0029】
本発明に係る化合物(I)のプロドラッグ、例えばエステルの使用もまた、本発明の一部である。
本発明の上記の観点に従う使用のためには、化合物(I)において、以下の構造的特徴が任意の共存可能な組合せで存在し得る:
【0030】
1が水素またはメチルであり、R2が任意に置換されたシクロアルキルである場合には、R2は、例えば、任意に置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得;
【0031】
1が水素またはメチルであり、R2が任意に置換された環原子4〜6を有する非芳香族複素環である場合には、R2環基は、例えば、式:
【化3】

【0032】
[式中、環は4〜6の環原子を含みXは、−CH2−、−CH(C1〜C3アルキル)−、−C(C1〜C3アルキル)2−、−CH(シクロアルキル)、−CH(NH2)−、−C(CH3)(NH2)−、−CH(NH(C1〜C3アルキル))−、−CH(N(C1〜C3アルキル)2)−、−CH(NH(シクロアルキル))−、−CH(NHCO(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHCO(シクロアルキル))−、−CH(NHSO2(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHSO2(シクロアルキル))−、−CH(OH)−、−CH(C1〜C3アルコキシ)−、−CH(シクロアルコキシ)−、−CO−、−SO2−、−O−、−NH−、−N(C1〜C3アルキル)−、−N(シクロアルキル)−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−、−CON(シクロアルキル)−、−N(CO(OC1〜C3アルキル))−、−N(CO(O−シクロアルキル))−、−N(CO(CH2OH))−、−SO2NH−、−SO2N(C1〜C6アルキル)−、−SO2N(シクロアルキル)−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−または−N(CO(シクロアルキル))−から選択される]
であり得る。
【0033】
前記のXに対する選択肢のうち、以下の:−CH2−、−SO2−、−CO−、−O−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−、−N(CO(シクロアルキル))−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−および−CON(シクロアルキル)−が、現在好ましい。
【0034】
Xに対する前記の選択肢のうち、C1〜C3アルキル基が存在する場合には、メチルがよく好まれ、シクロアルキル基が存在する場合には、シクロプロピルがよく好まれる。
本発明の化合物において、R1が水素またはメチルである場合、基R2の具体例は、本明細書の実施例の化合物に存在するものを含む。
1およびR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって任意に置換されたシクロアルキル環を形成している場合、その環は、例えば、任意に置換されたクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る。
【0035】
1およびR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって任意に置換された、環原子4〜6を有する非芳香族複素環を形成している場合、その環は、例えば、式:
【化4】

【0036】
[式中、環は4〜6の環原子を含みX1は、−CH2−、−CH(C1〜C3アルキル)−、−C(C1〜C3アルキル)2−、−CH(シクロアルキル)、−CH(NH2)−、−CMe(NH2)−、−CH(NH(C1〜C3アルキル))−、−CH(N(C1〜C3アルキル)2)−、−CH(NH(シクロアルキル))−、−CH(NHCO(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHCO(シクロアルキル))−、−CH(NHSO2(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHSO2(シクロアルキル))−、−CH(OH)−、−CH(C1〜C3アルコキシ)−、−CH(シクロアルキルオキシ)−、−SO2−、−O−、−NH−、−N(C1〜C3アルキル)−、−N(シクロアルキル)−、−CONH−、−CON(C1−C3アルキル)−、−CON(シクロアルキル)−、−SO2NH−、−SO2N(C1〜C6アルキル)−、−SO2N(シクロアルキル)−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(OC1〜C3アルキル))−、−N(CO(O−シクロアルキル))−、−N(CO(CH2OH))−、 −N(CO(C1〜C3アルキル))−または−N(CO(シクロアルキル))−から選択される]
であり得る。
【0037】
前記のX1に対する選択肢のうち、以下の:−CH2−、−SO2−、−O−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−、−CON(シクロアルキル)−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−および−N(CO(シクロアルキル))−が、現在好ましい。
【0038】
1に対する前記の選択肢のうち、C1〜C3アルキル基が存在する場合には、メチルがよく好まれ、シクロアルキル基が存在する場合には、シクロプロピルがよく好まれる。
【0039】
本発明の化合物において、R1およびR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成している場合、そのような環の具体例は、本明細書の実施例の化合物に存在するものを含む。
【0040】
Aは、水素、メチル、エチル、n−またはイソプロピルであり得る。現在好ましいのは、Aが、水素またはメチルである化合物である。
【0041】
Rは、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、(C1〜C3)アルキル、シクロアルキル、トリフルオロメチル、(C1〜C3)アルコキシ、(C1〜C3)アルキルメルカプト、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、シアノ、(C1〜C3アルキル)SO2−、NH2SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−、(C1〜C3アルキル)2NSO2−、(シクロアルキル)NHSO2−、NH2CO−、(C1〜C3アルキル)NHCO−、(C1〜C3アルキル)2NHCO−および(シクロアルキル)NHCO−から選択される置換基である。
【0042】
付表1(APPENDIX 1)の化合物の環Ar2に対応する環Ar1は、例えば、そこに記載されているか、または付表1の例示された化合物に存在するAr2基のいずれかであり得る。したがって、本Ar基は、例えば、任意に置換されたフェニル、ピリジル、ピリミジル、ジアゾリル、オキサゾリル、トリアジニル、キノリニル、ピロリル、フラニルまたはチアゾリルであり得る。
【0043】
同様に、Arにおける任意の置換基は、例えば、付表1の例示されている化合物に記載されているか、または存在する任意のAr2のいずれかであり得る。したがって、本環Arにおける任意の置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、(C1〜C3)アルキル、トリフルオロメチル、(C1〜C3)アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、ジメチルアミノ、シアノ、(C1〜C3アルキル)SO2−、NH2SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−および (C1〜C3アルキル)2NSO2−から選択され得る。
【0044】
式(I)の本化合物におけるRを含むフェニル環は、付表1の化合物の環Ar1に対応し、付表1の例示されている化合物に記載されているか、または存在する任意のAr1置換基のいずれかは、また本発明の化合物のR含有フェニル環にも存在し得る。したがって、そのような任意の置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C1〜C3アルキル)SO2−、NH2SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−、(C1〜C3アルキル)2NSO2−、NH2CO−、(C1〜C3アルキル)NHCO−、(C1〜C3アルキル)2NHCO−、(シクロアルキル)NHCO−、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アリール(C1〜C6)−またはアリール(C1〜C6アルコキシ)−から選択され得る。
【0045】
本発明は、また上記の式(I)の化合物に属する化合物を、医薬的に許容されるキャリヤーと共に含有する医薬組成物も含む。
【0046】
組成物
上記のように、本発明に関する化合物は、CRTH2活性をモジュレートすることができ、そのようなモジュレーションが有用である疾患の治療において有益である。このような疾患の例は上記で言及され、喘息、アレルギー、および鼻炎を含む。
【0047】
任意の特定の患者に関する具体的用量レベルは、用いる具体的化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康、性別、食事、投与の時期、投与経路、排泄経路、薬物の組合せ、治療を受ける特定の疾患の重篤度を含む種々の因子に依存すると理解される。最適用量レベルおよび投薬頻度は、製薬分野において要求されるような臨床試験により決定される。
【0048】
本発明に関する化合物は、その薬物動態学的性質に矛盾しない任意の経路による投与のために製造されてもよい。経口投与可能な組成物は、錠剤、カプセル、粉体、顆粒、ロゼンジ、液体またはゲル調製物、例えば、経口用、局所用、または滅菌の非経口用の溶液または懸濁液の形態であり得る。経口投与用の錠剤およびカプセルは、単位用量提示形態であり得、従来の賦形剤、例えば結着剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、またはポリビニル−ピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、またはグリシン;打錠滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えば、バレイショデンプン;または許容され得る湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム;を含有してもよい。錠剤は、通常の製薬実務で周知の方法に従ってコーティングされてもよい。経口液体調製物は、水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ、またはエリキシルの形態であっても、使用前に水または他の適切な媒体で再構成する乾燥製品として提示されてもよい。このような液体調製物は、従来の添加物、例えば、懸濁剤
【0049】
(例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、食用硬化油脂)、乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート、またはアラビアゴム)、非水性媒体(食用油を含み得る)(例えば、アーモンド油、ヤシ油、グリセリンのような油状エステル、プロピレングリコール、またはエチルアルコール)、防腐剤(例えば、メチルもしくはプロピルp−ヒドロキシベンゾエート、またはソルビン酸)、および所望であれば従来の矯味矯臭剤または着色剤を含有してもよい。
【0050】
皮膚への局所適用のためには、薬物は、クリーム、ローション、または軟膏に作られてもよい。薬物のために使用し得るクリーム製剤または軟膏製剤は、当該分野において周知の従来の製剤であり、例えば英国薬局方のような薬学の標準的な教科書に記載されるものである。
【0051】
眼への局所適用のためには、薬物は、適切な水性または非水性の媒体の溶液または懸濁液に作られてもよい。添加剤、例えば緩衝液(例えば、ナトリウムメタビサルファイトまたはエデト酸二ナトリウム)、殺菌剤および殺真菌剤を含む防腐剤(例えば、酢酸または硝酸水銀フェニル、塩化ベンザルコニウム、またはクロルヘキシジン)、および増粘剤(例えば、ハイプロメロース(hypromellose))もまた含まれてもよい。
【0052】
薬物はまた、吸入用に、例えば、鼻スプレー、乾燥粉体、またはエアロゾル吸入剤として製剤化されてもよい。
【0053】
活性成分はまた、滅菌媒体中で非経口的に投与されてもよい。使用する媒体および濃度に依存して、薬物は媒体に懸濁または溶解できる。有利には、アジュバント、例えば局所麻酔剤、防腐剤、および緩衝化剤を媒体に溶解することができる。
【0054】
本発明に係る化合物は単独で、または主要な炎症性の要素を有する疾患の治療に使用される他の薬物との組合せ治療の一部として投与され得る。喘息、鼻炎、およびアレルギー性気道症候群の場合には、このような薬物として、コルチコステロイド、長期作用性の吸入βアゴニスト、クロモリン、ネドクロミル、テオフィリン、ロイコトリエンレセプターアンタゴニスト、抗ヒスタミン剤、および抗コリン作用剤(例えばイプラトロピウム)が挙げられ、この薬物はしばしば、鼻スプレー、乾燥粉体、またはエアロゾル吸入剤として投与される。
【0055】
関節炎および関連する炎症性疾患の場合、他の公知の薬物としては、グルココルチコイド、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬−従来のプロスタグランジン合成阻害剤、COX−2阻害剤、サリチラート)、およびDMARD(疾患修飾抗リウマチ薬、例えばメトトレキサート、スルファサラジン、金、シクロスポリン)が挙げられる。
【0056】
合成経路
本発明に係る化合物(I)の構成には複数の合成ストラテジーが存在するが、その全てが合成有機化学者に公知の既知の化学に基づく。よって、式(I)に従う化合物は、標準的な文献に記載され、当業者に周知である手順に従って合成することができる。代表的な文献は、「Advanced organic chemistry」第4版(Wiley)、J March、「Comprehensive Organic Transformation」第2版(Wiley)、R.C. Larock、「H および book of Heterocyclic Chemistry」第2版(Pergamon)、A.R. Katritzky、「Synthesis」、「Acc. Chem. Res.」、「Chem. Rev」に見出されるか、あるいは一次文献ソースから標準的なオンライン文献検索により特定されるかまたは「Chemical Abstracts」もしくは「Beilstein」のような二次文献ソースから見出される総説論文である
【0057】
とりわけ、本発明の化合物は、以下の3段落および以下の実施例に要約した一般的なルートにおいて記載した方法により、または付表1の化合物に関して一般的に記載した方法により合成され得る。
【0058】
通常、式(I)のオキサジアゾール核は、アミドオキシム類と、任意に置換されたメチル ベンゾエート類との縮合により形成される。酸性側鎖は、例えば、ブロモアセテートまたは2−ブロモプロピオネート エステル類を用い、フェノールの塩基性触媒作用を利用した置換により、それに続くエステルのアルカリ加水分解により導入される。R1およびR2基は、市販の出発物質で入手可能であるか、または塩基性触媒作用を利用する求核置換反応を活用するニトリルの段階において導入されるか、あるいはR1およびR2は、オキサジアゾールシステムの組立て後に導入される。
【0059】
【化5】

【0060】
環状窒素環を含むR2基は、標準の酸化条件により得られ、例えば、還元的アルキル化により得られる、対応するケトンから導入され得る。任意のケトンは、合成の初期段階において、ケタールのような保護された形態で導入され得る。代わりに、R2基は、説明されているように塩素、臭素、メシルまたはトシルのような脱離基Lgを含有する対応する化合物の求核置換により導入され得る。任意の脱離基は、合成の早期段階における保護された形態で、例えば、オキサジアゾールへのニトリルの変換に先立つアセタールとして保護されているシアノヒドリンから導入され得る。もう一つのアプローチは、Ar部分を含む好適な有機金属種により感応化されているオキサジアゾール上のアルデヒド基を利用し、生じるヒドロキシ基の窒素含有環への変換が続く。
【0061】
【化6】

【0062】
1およびR2は、通常の環に隣接するR1およびR2を有する化合物は、例えば、Lgが塩素、臭素、メシルまたはトシルのような脱離基を意味し、Pgが、必要とされるときに窒素に対するt−Bocのような保護基を意味する以下の戦略により導入され得る。脱保護の後、X1基は、標準の反応、例えば、二級アミンであるX1に対して、塩化スルホニルまたは塩化アシルを用いるアルキル化またはアシル化により、さらに処理され、アルキルアミン類、スルホンアミド類またはカルボキシアミド類を、それぞれ生じる。
【0063】
【化7】

【0064】
以下の実施例は、本発明が関する化合物の製造を説明する。
一般的説明:
マイクロ波化学はPersonal Chemistry Emrys Optimizerにおいて実施した。NMRスペクトルはBruker Avance AMX 300MHz装置で得た。LC/MSはAgilent 1100−シリーズの装置で実施した。LC/MS法は以下のとおりである:An10p8:カラム:XTerra MS C18;流量:1.0mL/分;グラジエント:0〜5分:水中15〜100%MeCN、5〜7.5分:100%MeCN;調整剤:5mMギ酸アンモニウム;MS−イオン化モード:API−ES(ネガティブ)。TFA20p5:カラム:Gemini 5μ C18 50x2.00mm;流量:1.2mL/分;グラジエント:0〜3.5分:水中10〜95% MeCN、3.5〜4.5分:95%MeCN;調整剤:0.1% TFA;MS−イオン化モード:API−ES(ポジティブ)。
【0065】
一般的な合成経路I
【化8】

【0066】
一般的な合成経路II
【化9】

【0067】
一般的な合成経路III
【化10】

【0068】
一般的手順1(GP1)
アミドオキシム類の合成
ナトリウム(1.25mmol)を乾燥メタノール (1ml)に加え、溶液Aを得た。ヒドロキシルアミン 塩酸塩(1.2mmol)を乾燥メタノール(1mL)に溶解し、溶液Bを得た。溶液AおよびBを混合し、氷浴中で冷却してろ過した。次いで、溶液にニトリル(1 mmol)を加え、室温で、一夜反応混合物を撹拌した。真空中で、溶媒を留去して対応するアミドオキシムを得た。この化合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン:1/2)で精製して、またはさらに精製せずに用いた。
【0069】
一般的手順2(GP2)
アミドオキシム類の合成
96 %エタノール50 mlに、ニトリル(10mmol)および水中の50%ヒドロキシルアミン(40mmol)を加えた。この混合物を、2時間加熱還流した。冷却後、真空中で溶媒を留去し、水を加え、その混合物を析出物が生じるまで撹拌した。この析出物をろ過し、真空中で乾燥した。
【0070】
一般的手順3(GP3)
オキサジアゾール類の合成
ナトリウム(3.3 mmol)の乾燥エタノール溶液(10 mL)に、引き続きアミドオキシム(1.15mmol)、モレキュラーシーブ(1g)およびメチル ベンゾエート(1 mmol)を加えた。還流下に12時間撹拌後、反応混合物を冷却し、セライトパッドを通してろ過した。そのセライトパッドをメタノールおよびCH2Cl2で洗浄した。真空中で溶媒を留去し、残渣を、水を用いて撹拌した。析出物をろ取し、乾燥して対応するオキサジアゾールを得た。この化合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン:1/2)で精製して、またはさらに精製せずに用いた。
【0071】
一般的手順4(GP4):
フェノールのアルキル化
アセトン (1 mL)中のフェノール(0.5 mmol)を、エチル ブロモアセテート(85 mg、0.5 mmol)またはエチル 2−ブロモプロピオネート(91 mg、0.5 mmol)またはエチル−2−(トリフルオロメチルスルホニル)プロピオネート(125 mg、0.5 mmol)およびK2CO3(75 mg、0.54 mmol)に加え、この反応混合物を、室温で12時間撹拌した。付いて、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相 を食塩水で洗浄し、乾燥 (MgSO4)し、濃縮した。生成物は、直接使うか、またはMeOHからの再結晶により、もしくはフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0072】
一般的手順5(GP5):
エステルの加水分解
THF(0.5mL)中のエステル(0.10mmol)に、水(0.5mL)中のLiOH.2O(6.3mg、0.15mmol)を加えた。反応物を室温で>2時間撹拌し、pH<1になるまで3% HClを加え、この混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮して生成物を得た。
【0073】
一般的手順6(GP6):
シクロプロピルの合成
50 %水酸化ナトリウム 水溶液(10 ml)中のフェニルアセトニトリル(20mmol)および塩化トリエチルベンジルアンモニウム(2 mmol)に、1−ブロモ−2−クロロエタン(30mmol)をゆっくり加えた。この混合物を12時間還流した。冷却後、この混合物を、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、真空中で減らし、フラッシュクロマトグラフィー (EtOAc:ヘプタン、1:4)により精製した。
【0074】
一般的手順7(GP7):
Boc保護基の除去
Boc保護化合物(2.6 mmol)を、ジクロロメタン(15ml)中の10% TFA中、室温で12時間撹拌した。炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加え、真空中でジクロロメタンを留去した。残渣を、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、真空中で減らし、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc、次いでEtOAc:MeOH、1:1)により精製した。
【0075】
一般的手順8(GP8):
RCOClまたはRSO2Clを用いるピペリジン窒素のアルキル化
ジクロロメタン (5 ml)中のピペリジン(0.3 mmol)およびトリエチルアミン(0.33mmol)の冷却(0℃)した混合物に、酸クロライドまたは塩化スルホニル(0.33mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した。残渣を、水とジクロロメタンとの間で分配した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、真空中で減らし、フラッシュクロマトグラフィー (EtOAc:ヘプタン、1:1)により精製するか、またはさらに精製せずに用いた。
【0076】
一般的手順9(GP9):
ピペリジン窒素の還元的アルキル化
ジクロロメタン (8 ml)中のピペリジン(0.2mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.9 mmol)の混合物に、37 %ホルムアルデヒド(0.9 mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で一夜撹拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加え、化合物をジクロロメタンで抽出した。
有機相を乾燥(Na2SO4)し、真空中で減らし、さらに精製せずに用いた。
【0077】
中間体の製造
IM1
【化11】

【0078】
4−[5−(5−ブロモ−2−エトキシカルボニルメトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル
GP2、GP3 およびGP4に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび4−シアノ−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステルから、標記の化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 3.22分、m/z 566 [M+H]-
【0079】
IM2
【化12】

[4−ブロモ−2−[3−(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸エチル エステル
GP7に従って、中間体IM1から、標記の化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.194分、m/z 502 [M+H]-
【0080】
IM3
【化13】

4−[5−(5−ブロモ−2−エトキシカルボニルメトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル
GP2、GP3およびGP4に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび4−シアノ−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステルから、標記の化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 3.75分、m/z 628[M+Na].
【0081】
IM4
【化14】

(4−ブロモ−2−[3−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸エチル エステル
GP7に従って、中間体 IM3から標記の化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.3分、m/z 506 [M+H]-
【0082】
IM5
【化15】

(1,1−ジオキソ−1ラムダ**−チオモルホリン−4−イル)−(4−フルオロ−フェニル)−アセトニトリル
以下のようにして、4−フルオロ−ベンズアルデヒドおよびチオモルホリン 1,1−ジオキシドから、標記の化合物を製造した。
1NのHCl水溶液(18.64 ml、18.64 mmol)中のチオモルホリン 1,1−ジオキシド (2.52g、18.64 mmol)に、シアン化ナトリウム(0.822g、16.78 mmol)を加えた。シアン化ナトリウムの溶解後、4−フルオロ−ベンズアルデヒド (1ml、9.32 mmol)のアセトニトリル溶液(38 ml)を滴下した。反応混合物を、室温で3日間撹拌した。真空中で溶媒を留去し、水を加えた。この混合物を〜10分間撹拌し、白色沈殿をろ取し、水洗し、真空中で乾燥して標記の化合物(1.74g、6.48mmol、70%)を得た。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.01分、m/z 269 [M+H]-1H NMR (CDCl3):δ 3.12 (m、8H)、4.94 (s、1H)、7.16 (t、2H)、7.53 (dd、2H)。
【実施例】
【0083】
D1
【化16】

[4−ブロモ−2−[3−(1−フェニルシクロプロピル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]フェノキシ]酢酸
GP1、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ−安息香酸 メチルエステルおよび1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニトリルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (an10n8) Rt.2.756 m/z 413.4 [M−H]- 1H NMR (DMSO−d6): δ 0.92 (m、2H)、1.11 (m、2H)、4.38 (s、2H)、6.63−6.66 (d、1H)、6.79−6.88 (m、3H)、6.93−6.95 (m、2H)、7.25−7.29 (dd、1H)、7.50−7.51 (d、1H)。
【0084】
D2
【化17】

[2−[3−(1−アセチル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−4−ブロモ−フェノキシ]−酢酸
以下のようにして、D5および無水酢酸から、標記化合物を製造した。
無水酢酸 (0.5ml)中の実施例D5 (0.04mmol)の懸濁液を、50℃で1時間加熱した。真空中で溶媒を留去し、無色のゴム質を得た。水を加え、この混合物を、微細な沈殿物を形成するまで激しく撹拌した。この沈殿物をろ取し、水洗し、真空中で乾燥して標記化合物を得た。
LC/MS (an10p8.n) Rt 2.507分、m/z 500 [M−H]- 1H NMR (DMSO): δ 2.0 (s、3H)、1.95−2.3 (m、2H)、2.6−2.7 (m、2H)、2.8−2.9 (m、1H)、3.2−3.3 (m、1H)、3.75−3.85 (m、1H)、4.15−4.3 (m、1H)、4.9 (s、3H)、7.15−7.19 (d、1H)、7.21−7.28 (1H)、7.31−7.43 (m、4H)、7.75−7.81(dd、1H)、8.05−8.07(d、1H)。
【0085】
D3
【化18】

[4−ブロモ−2−[3−(1−フェニル−シクロヘキシル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP1、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび1−フェニル−シクロヘキサンカルボニトリルから標記化合物を製造した。
LC/MS (an10p8.m) Rt 3.21分、m/z 457 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 1.3−1.7 (m、6H)、2.0−2.1 (m、2H)、2.5−2.6 (m、2H )、4.9 (m、2H)、7.13−7.25 (m、2H )、7.28−7.41(m、4H) 、7.74−7.80 (dd、1H )、8.00−8.03 (d、1H)。
【0086】
D4
【化19】

[4−ブロモ−2−[3−(モルホリン−4−イル−フェニル−メチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP1、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよびモルホリン−4−イル−フェニル−アセトニトリルから標記化合物を製造した。
LC/MS (an10n8.m) Rt 2.39分、m/z 474 [M−H]-1H NMR (DMSO): δ 1.9 (s、1H)、2.3−2.5 (m、3H)、3.6 (s、4H)、4.85 (s、1H)、4.9 (s、2H)、7.13−7.2 (d、1H)、7.27−7.45 (m、4H)、7.5−7.6 (m、2H)、7.75−7.83 (d、1H)、8.05−8.1 (s、1H)。
【0087】
D5
【化20】

[4−ブロモ−2−[3−(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
以下のようにして、中間体IM2および水素化リチウムから、標記化合物を製造した。
THF(0.5 mL)中のエステル(0.10 mmol)に、水 (0.5 mL)中のLiOH.2O (6.3 mg、0.15 mmol)を加えた。この反応物を室温で>2時間撹拌し、HCl水溶液を、析出物が生じるまで加えた。沈殿物をろ取し、真空中で乾燥して標記化合物を得た。
LC/MS (an10n8.m) Rt 2.33分、m/z 458 [M−H]-1H NMR (DMSO): δ 2.3 (m、2H)、2.8 (m、2H)、2.95 (m、2H)、3.2 (m、2H)、4.4 (s、2H)、6.9 (s、1H)、7.3 (m、1H)、7.4 (m、4H)、7.65 (d、1H)、8.0(s、1H)。
【0088】
D6
【化21】

(4−ブロモ−2−[3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−シクロプロピル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸
GP6、GP2、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび1−(4−フルオロ−フェニル)−シクロプロパンカルボニトリルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 3.09分、m/z 436 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 1.45 (m、2H)、1.65 (m、2H)、4.9 (s、2H)、7.1−7.2 (m、3H)、7.4−7.55 (m、2H)、7.8 (dd、1H)、8.0 (d、1H)。
【0089】
D7
【化22】

[4−ブロモ−2−[3−(4−フェニル−1−プロピオニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM2および塩化プロピオニルから標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.78分、m/z 514 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 0.95−1.0 (t、3H)、2.0−2.2 (m、2H)、2.3−2.4 (m、2H)、2.55−2.70 (m、2H)、2.8−2.95(m、1H)、3.15−3.3(m、1H)、3.75−3.9 (m、1H)、4.15−4.3 (m、1H)、4.85 (s、2H)、7.13−7.18 (d、1H)、7.2−7.28 (m、1H)、7.31−7.43 (m、4H)、7.74−7.80 (dd、1H)、8.03−8.06 (d、1H)。
【0090】
D8
【化23】

[4−ブロモ−2−[3−(1−イソブチリル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM2および塩化イソブチリルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.947分、m/z 528 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 0.95 1.05(m、6H)、1.95−2.02 (m、2H)、2.6−2.75 (m、2H)、2.8−2.95 (m、2H)、3.2−3.3 (m、1H)、3.85−3.95 (m、1H)、4.2−4.3 (m、1H)、4.85 (s、2H)、7.1−7.17 (d、1H)、7.2−7.28 (m、1H)、7.31−7.44 (m、4H)、7.73−7.78 (dd、1H)、8.5(d、1H)。
【0091】
D9
【化24】

(4−ブロモ−2−[3−[1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−シクロプロピル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸
GP6、GP2、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−シクロプロパンカルボニトリルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 3.483分、m/z 485 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 1.4−1.5 (m、2H)、1.7−1.8(m、2H)、4.6 (s、2H)、7.0−7.04 (d、1H)、7.44−7.49 (dd、1H)、7.58−7.62 (d、1H)、7.66−7.68 (d、1H)、7.69−7.75 (dd、1H)、7.96−7.99 (d、1H)。
【0092】
D10
【化25】

[4−ブロモ−2−[3−(1−メタンスルホニル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM2および塩化メタンスルホニルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.725分、m/z 538 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 2.2−2.3 (m、2H)、2.7−3.0(m、7H)、3.5−3.6 (m、2H)、4.9(s、2H)、7.14−7.19 (d、1H)、7.21−7.29 (m、1H)、7.32−7.44 (m、4H)、7.75−7.80 (dd、1H)、8.05−8.08 (d、1H)。
【0093】
D11
【化26】

[4−ブロモ−2−[3−(1−メチル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP9およびGP5に従って、中間体IM2およびホルムアルデヒドから、標記化合物を製造した。
LC/MS(tfa20p5.m) Rt 1.849分、m/z 474[M+H]-1H NMR (DMSO): δ 2.25−2.4 (m、5H)、2.5 (m、2H)、2.65−2.75 (m、2H)、2.95−3.05(m、2H)、4.7 (s、2H)、7.03−7.1 (d、1H)、7.2−7.29 (m、1H)、7.3−7.45(m、4H)、7.67−7.73 (dd、1H)、8.01−8.04(d、1H)。
【0094】
D12
【化27】

[4−ブロモ−2−[3−(1−シクロプロパンカルボニル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM2および塩化シクロプロパンカルボニルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.82分、m/z528 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 0.68−0.70 (m、4H)、2.00−2.27 (m、2H)、2.72 (m、2H)、3.1 (m、1H)、4.08 (m、1H)、4.18 (m、2H)、4.91 (s、2H)、7.15−7.18 (d、1H)、7.25−7.27(m、1H)、7.32−7.42 (m、4H)、X (7.76−7.80(dd、1H)、8.05−8.06 (d、1H)。
【0095】
D13
【化28】

(4−ブロモ−2−[3−[1−(2,6−ジクロロ−フェニル)−シクロプロピル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸
GP6、GP2、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび1−(2,6−ジクロロ−フェニル)−シクロプロパンカルボニトリルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 3.313分、m/z 485 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 1.54−1.58 (m、2H)、1.93−1.98 (m、2H)、4.89 (s、2H)、7.15−7.19 (d、1H)、7.39−7.55 (m、2H)、7.77−7.81 (dd、1H)、8.04−8.05 (d、1H)。
【0096】
D14
【化29】

[4−ブロモ−2−[3−(1−フェニル−シクロブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP6、GP2、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび1−フェニル−シクロブタンカルボニトリルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (an10p.8.m) Rt 2.90分、m/z 429 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 1.97 (m、1H)、2.08 (m、1H)、2.68−2.72 (m、2H)、2.87 (m、2H)、4.90 (s、2H)、7.14−7.17 (d、1H)、7.22−7.26 (m、1H)、7.35−7.36 (m、4H)、7.75−7.79 (dd、1H)、8.00−8.02 (d、1H)、13.17 (s、1H)。
【0097】
D15
【化30】

[4−ブロモ−2−[3−(1−シクロプロパンスルホニル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−[1,2,4] オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ]−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM2および塩化シクロプロパンスルホニルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.9分、m/z 564 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 0.98 (m、4H) 、2.2 (m、2H)、2.56 (m、1H)、2.75 (m、2H)、3.04 (m、2H)、3.58 (m、2H)、4.9 (s、2H)、7.15−7.18 (d、1H)、7.25−7.28 (m、1H)、7.33−7.42 (m、4H)、7.77−7.78 (dd、1H)、8.06−8.07 (d、1H)、13.2 (s、1H)。
【0098】
D16
【化31】

4−[5−(5−ブロモ−2−カルボキシメトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸 メチルエステル
GP8およびGP5に従って、中間体IM2およびメチルクロロホルメートから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.8分、m/z 516 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 2.1 (m、2H)、2.65 (m、2H)、3.08 (m、2H)、3.6 (s、3H)、3.9 (m、2H)、4.9 (s、2H)、7.15−7.19 (d、1H)、7.21−7.28 (m、1H)、7.3−7.42 (m、4H)、7.76−7.81 (dd、1H)、8.30−8.50 (d、1H)。
【0099】
D17
【化32】

(2−[3−[1−(2−アセトキシ−アセチル)−4−フェニル−ピペリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−4−ブロモ−フェノキシ)−酢酸
以下のようにして、D5および塩化アセトキシアセチルから、標記化合物を製造した。
テトラヒドロフラン(10ml)中のD5 (230mg、0.5 mmol)、アセトキシアセチルクロリド (120μl、1.1 mmol)およびトリエチルアミン (160μl、1.1 mmol)の混合物を、0℃で2時間、アルゴン雰囲気下で撹拌した。この反応混合物を、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンおよび水との間で分配した。相を分離し、有機層をMgSO4で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出剤:CH2Cl2/MeOH:10/1)で分離し、標記化合物(41mg、0.07 mmol、15%)を得た。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.5分、m/z 560[M+H]-1H NMR (DMSO): δ 2.0 (m、4H)、2.25 (m、1H)、2.65 (m2H)、2.9 (m、1H)、3.3 (m、1H)、3.7 (m、1H)、4.15 (m、1H)、4.42 (s、2H)、4.8 (d、2H)、6.95−6.99 (d、1H)、7.12−7.28 (m、1H)、7.31−7.41 (m、4H)、7.65−7.71 (dd、1H)、7.98−8.00 (d、1H)。
【0100】
D18
【化33】

(4−ブロモ−2−[3−[1−(2−ヒドロキシ−アセチル)−4−フェニル−ピペリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM2および塩化アセトキシアセチルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.4分、m/z 516 [M+H]-
【0101】
D19
【化34】

(4−ブロモ−2−[3−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸
GP8およびGP5に従って、中間体IM4および 塩化メタンスルホニルから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.8分、m/z 556 [M+H]-1H NMR (DMSO): δ 2.35 (m、2H)、2.7−3.0 (m7H)、3.55 (m、2H)、4.9 (s、2H)、7.14−7.22 (m、3H)、7.42−7.50 (m、2H)、7.77−7.82 (dd、1H)、8.08−8.09 (d、1H)。
【0102】
D20
【化35】

(4−ブロモ−2−[3−[(1,1−ジオキソ−1ラムダ**−チオモルホリン−4−イル)−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−酢酸
GP1、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステルおよび中間体IM5から、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 2.62分、m/z 540 [M+H]-1H NMR (CDCl3): δ 3.12 (m、8H)、4.78 (s、2H)、5.14 (s、1H)、6.97 (d、1H)、7.10 (t、2H)、7.48 (dd、2H)、7.74 (dd、1H)、8.23 (s、1H)。
【0103】
D21
【化36】

(S)−2−(4−ブロモ−2−[3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−シクロプロピル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−フェノキシ)−プロピオン酸
GP6、GP2、GP3、GP4およびGP5に従って、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステル、1−(4−フルオロ−フェニル)−シクロプロパンカルボニトリルおよびエチル (R)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)プロピオネートから、標記化合物を製造した。
LC/MS (tfa20p5.m) Rt 3.20分、m/z 447[M+H]-1H NMR (CDCl3): δ ,1.36−1.38 (m、2H)、1.61−1.65 (m、2H)、1.69−1.72 (d、3H)、3.65−3.67 (m、1H)、6.88−6.91 (d、1H)、6.96−7.01 (m、2H)、7.37−7.41 (m、2H)、7.60−7.63 (dd、1H)、8.06−8.07 (d、1H)。
【0104】
生物学的アッセイ
材料および方法
cDNA構築物の作製/起源。
ヒトCRTH2レセプターのコード配列(genbank accession no NM 004778)をヒト海馬cDNAライブラリからPCRにより増幅し、5'HindIIIおよび3'EcoRIを介してpcDNA3.1(+)発現ベクター(invitrogen)中に挿入した。CRTH2-Renillaルシフェラーゼ(CRTH2-Rluc)融合タンパク質を生じさせるために、停止コドンを有さないCRTH2コード配列およびRlucをPCRにより増幅し、インフレームで融合し、pcDNA3.1(+)Zeo発現ベクター(invitrogen)中にサブクローニングした。N末端にGFP2のタグを付加したヒトβ-アレスチン2(β-arr2)(βarr2-GFP2)およびRenillaルシフェラーゼは、BioSignal Packard Inc(Montreal,Canada)から購入した。この構築物の配列同一性は、制限エンドヌクレアーゼ消化物およびABI Prism (Applied Biosystems,Foster City,CA)での両方向での配列決定により検証した。
【0105】
細胞培養およびトランスフェクション。
COS−7細胞を、10%胎仔ウシ血清、100単位/mlのペニシリン、1000μg/mlストレプトマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)1885で増殖させ、10%CO2雰囲気下で37℃に維持した。HEK293細胞を、10%(v/v)熱不活化胎仔ウシ血清(HIFCS)、2mM Glutamax(商標)-I、1%非必須アミノ酸(NEAA)、1%ピルビン酸ナトリウムおよび10μg/mlゲンタマイシンを補充した最小必須培地(MEM)において維持した。結合実験には、クロロキン(Holstら、2001により記載されるように)を加えてリン酸カルシウム-DNA共沈法を用いてCRTH2レセプターでCOS7細胞を一過性にトランスフェクトした。機能的な生物発光共鳴エネルギー転移(Bioluminescence Resonance Energy Transfer)(BRET)アッセイを実施するため、βarr2−GFP2およびCRTH2-Rlucを安定に発現するHEK293細胞クローンを作製した(CRTH2-HEK293細胞)。
【0106】
結合アッセイ。
トランスフェクションの24時間後、COS−7細胞を30,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。次いで、約18〜24時間後に、HBSS(GIBCO)および10mM HEPESからなる結合緩衝液中で0.1nM [3H]PGD2(NEN、172Ci/mmol)を用いて、全細胞についての競合結合実験を実施した。競合リガンドを、1%(v/v)の最終インキュベーション容量に一定に維持したDMSOに希釈した。総結合および非特異結合を、10μMのPGD2の存在下および非存在下で決定した。結合反応を4℃にて3時間ルーチンで行い、氷冷結合緩衝液での2回の洗浄(各100μL)で終了した。放射活性を、Microscint 20内での一晩のインキュベーションの後に、TOPCOUNTER(Packard)での液体シンチレーションカウントにより決定した。安定なHEK293細胞を30,000細胞/ウェルの密度で播種し、18〜24時間後に結合アッセイを基本的にはCOS7細胞について上記したように実施した。決定は二重(in duplicates)に行った。
【0107】
BRETアッセイ。
機能的なBRETアッセイを、ヒトCRTH2−RlucおよびGFP2−β−arr2を安定に発現するHEK293細胞について実施した。BRETアッセイにおける使用の前に、細胞を脱着させ、1000mg/L L-グルコースを含むD−PBSに2×106細胞/mLの密度で再懸濁した。DeepBlueC(商標)を、1000mg/L L-グルコースを含むD−PBS中に50μMに希釈した(光感受性)。100μLの細胞懸濁液を96ウェルマイクロプレート(white OptiPlate)のウェルに移し、Mithras LB 940装置(BERTHOLD TECHNOLOGIES,Bad Wildbad,Germany)内に置いた。次いで、12μL/ウェルのアゴニストをインジェクター1により注入し、10μL/ウェルのDeepBlueC(商標)をインジェクター2により同時に注入した。注入の5秒後、ウェルからの光出力を400nmおよび515nmで順次測定し、レセプター−Rlucによる発光(400nm)に対するGFP2−β−arr2による蛍光発光(515nm)の比によりBRETシグナル(mBRET比)を算出した。アンタゴニストを加えた後、マイクロプレートをMithras LB 940内に置き、15分間インキュベートし、その後アゴニストおよびDeepBlueC(商標)を加えた。化合物をDMSOに溶解し、アッセイ中、最終DMSO濃度を1%で一定に維持した。
【0108】
ヒト好酸球形状変化アッセイ。
Graz大学の倫理委員会により許可され、以前に記載されたような(Bohmら、2004)プロトコルに従って、健康なボランティアから血液を採取した。多形核白血球の調製物(好酸球および好中球を含有)を、クエン酸付加した全血のデキストラン沈降およびHistopaqueグラジエントにより調製した。得られる細胞を洗浄し、アッセイ緩衝液(0.1%BSA、10mM HEPESおよび10mMグルコースを補充したCa2+/Mg2+を有するPBS(pH7.4)を含んでなる)に5×106細胞/mLで再懸濁した。細胞をアンタゴニストまたはビヒクル(PBS又はDMSO)と10分間37℃にてインキュベートし、次いで種々の濃度のアゴニスト(PGD2またはエオタキシン(eotaxin))で4分間37℃にて刺激した。反応を停止させるため、サンプルを氷に移し、250μLの固定液で固定した。サンプルを直ぐにFACSCaliburフローサイトメータ(Becton Dickinson)で分析し、好酸球をFL−1チャネルおよびFL−2チャネルにおいて自己蛍光に従い同定した。形状変化応答を、アンタゴニストの非存在下でのPGD2またはエオタキシンに対する最大応答の百分率として定量化した。
【0109】
材料
組織培養培地および試薬は、Gibco invitrogen corporation(Breda,オランダ)から購入した。PGD2はCaymanから入手し、[3H]PGD2はNENから入手した。
【0110】
データ分析
曲線分析は、GraphPadPrism software 3.0(Graphpad Prism Inc.,サンディエゴ、USA)で実施し、IC50値はアンタゴニストの効力の尺度として算出した。
【0111】
参考文献
Holst B,Hastrup H,Raffetseder U,Martini L,Schwartz TW,Two active molecular phenotypes of the tachykinin NK1 receptor revealed by G-protein fusions and mutagenesis,J Biol Chem.2001 Jun 8;276(23):19793−9.Epub 2001 Feb 22。
【0112】
生物学的データ:
化合物は、下記のレセプター結合アッセイおよび機能的アンタゴニストアッセイで試験し、それらのIC50値を評価した。化合物は3群に分けた:
A: IC50値が、0.5μM未満
B: IC50値が、0.5μM〜5μM
C: IC50値が、5μMより高い
【0113】
上記で合成した化合物に対する生物学的テスト結果を表1に示す。
【化37】

【0114】
【表1−1】

【表1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
[4−ブロモ−2−[3−(1−フェニルシクロプロピル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]フェノキシ]酢酸、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を除く、式(I):
【化1】

[式中、
1は、水素またはメチルであり、
2は、任意に置換されたシクロアルキルか、または4〜6の環原子を有する任意に置換された非芳香族複素環であり;
あるいはR1およびR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたシクロアルキルか、または4〜6の環原子を有する任意に置換された非芳香族複素環を形成し;
Rは、水素または任意の置換基であり;
置換基Rを含むフェニル環は、1、2または3の任意の置換基により、任意に置換されていてもよく;
Aは、水素またはC1〜C3アルキルであり;
環Arは、任意に置換されたフェニルであるか、または5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール環である]
の化合物またはその塩、その水和物または溶媒和物。
【請求項2】
1が、水素またはメチルであり、
2は、任意に置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、水素またはメチルであり、R2はシクロプロピルである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1が、水素またはメチルであり、R2が、式:
【化2】

[式中、環は4〜6の環原子を含み、Xは、−CH2−、−CH(C1〜C3アルキル)−、−C(C1〜C3アルキル)2−、−CH(シクロアルキル)、−CH(NH2)−、−C(CH3)(NH2)−、−CH(NH(C1〜C3アルキル))−、−CH(N(C1〜C3アルキル)2)−、−CH(NH(シクロアルキル))−、−CH(NHCO(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHCO(シクロアルキル))−、−CH(NHSO2(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHSO2(シクロアルキル))−、−CH(OH)−、−CH(C1〜C3アルコキシ)−、−CH(シクロアルコキシ)−、−CO−、−SO2−、−O−、−NH−、−N(C1〜C3アルキル)−、−N(シクロアルキル)−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−、−CON(シクロアルキル)−、−N(CO(OC1〜C3アルキル))−、−N(CO(O−シクロアルキル))−、−N(CO(CH2OH))−、−SO2NH−、−SO2N(C1〜C6アルキル)−、−SO2N(シクロアルキル)−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−または−N(CO(シクロアルキル))−から選択される]
の基である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、−CH2−、−SO2−、(Nに隣接するとき)−CO−、−O−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−、−N(CO(シクロアルキル))−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−または−CON(シクロアルキル)−である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
1およびR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成している請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1およびR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成している請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
1およびR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式:
【化3】

[式中、環は4〜6の環原子を含み、X1は、−CH2−、−CH(C1〜C3アルキル)−、−C(C1〜C3アルキル)2−、−CH(シクロアルキル)、−CH(NH2)−、−CMe(NH2)−、−CH(NH(C1〜C3アルキル))−、−CH(N(C1〜C3アルキル)2)−、−CH(NH(シクロアルキル))−、−CH(NHCO(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHCO(シクロアルキル))−、−CH(NHSO2(C1〜C3アルキル))−、−CH(NHSO2(シクロアルキル))−、−CH(OH)−、−CH(C1〜C3アルコキシ)−、−CH(シクロアルキルオキシ)−、−SO2−、−O−、−NH−、−N(C1〜C3アルキル)−、−N(シクロアルキル)−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−、−CON(シクロアルキル)−、−SO2NH−、−SO2N(C1〜C6アルキル)−、−SO2N(シクロアルキル)−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(OC1〜C3アルキル))−、−N(CO(O−シクロアルキル))−、−N(CO(CH2OH))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−または−N(CO(シクロアルキル))−から選択される]
の二価の環を形成している請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1が、−CH2−、−SO2−、−O−、−CONH−、−CON(C1〜C3アルキル)−、−CON(シクロアルキル)−、−N(SO2(C1〜C3アルキル))−、−N(SO2(シクロアルキル))−、−N(CO(C1〜C3アルキル))−または−N(CO(シクロアルキル))−である請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Aが、水素またはメチルである請求項1〜9のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項11】
Rが、フルオロ、クロロ、ブロモ、(C1〜C3)アルキル、シクロアルキル、トリフルオロメチル、(C1〜C3)アルコキシ、(C1〜C3)アルキルメルカプト、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、(C1〜C3アルキル)SO2−、NH2SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−、(C1〜C3アルキル)2NSO2−、(シクロアルキル)NHSO2−、NH2CO−、(C1〜C3アルキル)NHCO−、(C1〜C3アルキル)2NHCO−または(シクロアルキル)NHCO−である請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項12】
環Arが、任意に置換していてもよいフェニル、ピリジル、ピリミジル、ジアゾリル、オキサゾリル、トリアジニル、キノリニル、ピロリル、フラニルまたはチアゾリルである請求項1〜11のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項13】
Arにおける任意の置換基が、フルオロ、クロロ、ブロモ、(C1〜C3)アルキル、シクロアルキル、トリフルオロメチル、(C1〜C3)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、シアノ、NH2CO−、(C1〜C3アルキル)NHCO−、(C1〜C3アルキル)2NHCO−、(シクロアルキル)NHCO−、(C1〜C3アルキル)SO2−、NH2SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−、(シクロアルキル)NHSO2−および(C1〜C3アルキル)2NSO2−から選択される請求項1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項14】
Arが、ピリドン環またはピリジン N−オキシド環である請求項1〜11のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項15】
Rを含むフェニル環におけるいずれかの任意の置換基が、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、(C1〜C3アルキル)SO2−、NH2SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−、(C1〜C3アルキル)2NSO2−、C1〜C3アルキル、フルオロC1〜C2アルキル、ジフルオロC1〜C2アルキル、C1〜C3アルコキシ、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アリール(C1〜C3)−またはアリール(C1〜C3アルコキシ)−から選択される請求項1〜14のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一つに記載の化合物を、医薬的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項17】
CRTH2レセプタ−活性のモジュレ−ションに応答する疾患の治療のための組成物の製造における、請求項1〜16のいずれか一つに記載の化合物の使用。
【請求項18】
前記疾患を罹患している患者に対して、請求項1〜17のいずれか一つに記載の化合物の有効量を投与することを含む、CRTH2レセプタ−活性のモジュレ−ションに応答する疾患の治療方法。
【請求項19】
前記疾患が、プロスタグランジンD2(PGD2)または1つ以上のその活性な代謝物の上昇値に関連するものである請求項17に記載の使用または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患が、炎症性、自己免疫、呼吸性またはアレルギー疾患である請求項17に記載の使用または請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記疾患が、喘息、鼻炎、アレルギー性気道症候群、アレルギー性鼻腔気管支炎、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、鼻茸、サルコイド−シス、農夫肺、肺線維症、嚢胞性線維症、慢性咳、結膜炎、アトピ−性皮膚炎、アルツハイマ−病、筋萎縮性側索硬化症、AIDS痴呆複合症、ハンチントン舞踏病、前頭側頭認知症、レヴィ−小体痴呆、血管性痴呆、ギラン−バレ−症候群、慢性脱髄多発性神経根障害、多発性運動神経障害、神経叢障害、多発性硬化症、脳脊髄炎、全脳炎、小脳変性症および脳脊髄炎、中枢神経系(CNS)損傷、片頭痛、脳卒中、関節リュウマチ、強直性脊椎炎、ベ−チェット病、滑液包炎、手根管症候群、炎症性大腸炎、クロ−ン病、潰瘍性大腸炎、皮膚筋炎、エ−ラ−ス−ダンロス症候群(EDS)、線維筋痛症、筋筋膜疼痛症、変形性関節症(OA)、骨壊死、乾癬性関節炎、ライタ−症候群(反応性関節炎)、サルコイド−シス、強皮症、シェ−グレン症候群、軟組織疾患、スティル病、腱炎、結節性多発性動脈炎、ヴェ−ゲナ−肉芽腫症、筋炎(多発性皮膚筋炎)、痛風、アテロ−ム性動脈硬化症、紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、腎炎症候群、糸球体腎炎、急性および慢性腎不全、好酸球増加筋膜炎、高IgE症候群、敗血症、敗血症性ショック、心臓の虚血性再潅流損傷、移植術後の同種移植拒絶および移植片耐宿主拒絶反応から選択される請求項17に記載の使用または請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記疾患が、喘息、鼻炎、アレルギー性気道症候群およびアレルギー性鼻腔気管支炎から選択される請求項17に記載の使用または請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2009−517417(P2009−517417A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542640(P2008−542640)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011216
【国際公開番号】WO2007/062773
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(506312478)7ティーエム ファーマ エイ/エス (12)
【氏名又は名称原語表記】7TM PHARMA A/S
【住所又は居所原語表記】Fremtidsvej 3,DK−2970 Hoersholm,DENMARK
【Fターム(参考)】