説明

CTにおける金属アーチファクトの訂正

アーチファクト訂正する画像復元装置は、取得した投影データ(60)を訂正されていない復元画像(74)に復元する復元プロセッサ(70)を含む。分類プロセッサは、この訂正されていない復元画像(74)を少なくとも高密度、中間密度、低密度のピクセルクラスに分類する。ピクセル置換プロセッサ(88)は、合成画像(90)を生成するために、高密度及び低密度のクラスからなる訂正されていない復元画像(74)のピクセルを低密度のピクセルのクラスのピクセル値と置き換える。前投影プロセッサ(94)は、合成投影データ(96)を生成するために、合成された画像を前投影する。投影置換プロセッサ(100、110)は、訂正された投影データを生成するために、高密度クラスのピクセルに寄与している取得した投影データ(60)を対応する合成投影データ(96)と置き換える。復元プロセッサ(70)は、この訂正された投影データ(112)を訂正された復元画像(120)に復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
次に示すことは画像診断技術に関する。例えば金属インプラント、歯の詰め物等のような高密度領域を含む被験者のCT撮像における特定の用途に供される。しかしながら、SPECT(single photon emission computed tomography)、PET(positron emission tomography)、三次元X線撮像等のような他の形式のトモグラフィック撮像における用途にも供される。
【背景技術】
【0002】
CT撮像において、撮像される関心領域(region of interest)が金属インプラント、歯の詰め物又は他の高い放射線吸収の領域を含む場合、いわゆる“金属アーチファクト”が生じる。一般的には、金属アーチファクトは、高密度領域から発する縞(streak)として復元画像に現れる。前記高密度の領域を通過する投影線積分(projection line integral)は大きく減衰し、実質的な測定エラーとなり、フィルタ補正逆投影(FBP: Filtered backprojection)又は他の復元プロセスは、これら測定エラーを金属アーチファクトとして一般に知られる縞状の画像アーチファクトに変換する。
【0003】
金属アーチファクトを訂正する先行する方法は、訂正されていない復元画像を生成するためにフィルタ補正逆投影を実行し、この訂正されていない復元画像における高密度領域を特定し、高密度領域を通過する投影を減少した吸収減衰値を持つ合成投影データと置き換えることを含む。この訂正された投影データは再びフィルタ補正逆投影にかけられ、訂正された復元画像を生成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この既知の方法は、低密度組織により囲まれる単一のはっきりとした高密度領域が存在するある撮像用途に対してはうまく働く。しかしながら、複数の高密度領域を持つ又はこの高密度領域に加え中間密度領域が存在する場合、この方法はうまく働かない。このような合成撮像する被験者に対し、金属アーチファクトは減少するが、訂正された復元画像、特に高密度領域と中間密度領域との間によく見えるまま残っている。医療撮像の用途において、中間密度領域は通例、骨に対応する一方、高密度領域は、金属インプラント、歯の詰め物、(ある侵襲性CT用途に用いられる)手術用クリップ、補綴装置等に対応する。故に、医療用CT撮像において、関心領域は中間密度領域を一般的に含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した制約及びその他を克服する改良された装置及び方法を考察している。
【0006】
第1の態様によれば、取得したトモグラフィック投影データから訂正された復元画像を生成する方法が提供される。ある領域に対応する取得した投影データは、訂正されていない復元画像に復元される。この訂正されていない復元画像のピクセルは、少なくとも高密度、中間密度及び低密度のピクセルクラスに分類される。高密度及び低密度のクラスからなる訂正されていない復元画像のピクセルは、合成画像を生成するために、低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換えられる。高密度クラスのピクセルに寄与している取得した投影データは、訂正された投影データを生成するために、対応する合成投影データと置き換えられる。これら訂正された投影データは訂正された復元画像に復元される。
【0007】
他の態様によれば、取得したトモグラフィック投影データから訂正された復元画像を生成するための装置が開示されている。ある領域に対応する取得した投影データを訂正されていない復元画像に復元するための復元手段が設けられる。この訂正されていない復元画像のピクセルを少なくとも高密度、中間密度、低密度のピクセルクラスに分類する分類手段が設けられる。合成画像を生成するために、高密度及び低密度のクラスからなる訂正されていない復元画像のピクセルを低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換えるピクセル置換手段が設けられる。合成投影データを生成するために、合成画像を前投影(forward projection)する投影手段が設けられる。訂正された投影データを生成するために、高密度クラスのピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと置き換えるための投影置換手段が設けられる。前記復元手段は訂正された投影データを訂正された復元画像に復元する。
【0008】
さらに他の態様によれば、CTスキャナ及びプロセッサを含むX線撮影スキャナが開示されている。このスキャナは少なくともX線源、検出部アレイ、及びその上にX線源及び検出部アレイが搭載される回転ガントリを含む。前記スキャナは、この回転ガントリの回転中にトモグラフィック投影データを取得する。プロセッサは、この取得したトモグラフィック投影データをから訂正された復元画像を生成する。前記プロセッサは、
−ある領域に対応する取得した投影データを訂正されていない復元画像に復元し、
−この訂正されていない復元画像のピクセルを少なくとも高密度、中間密度、低密度のピクセルクラスに分類し、
−合成画像を生成するために、前記高密度及び低密度のクラスからなる訂正されていない復元画像のピクセルを低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換え、
−合成投影データを生成するために、この合成画像を前投影し、
−訂正された投影データを生成するために、高密度クラスのピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと置き換える、及び
−前記訂正された投影データを訂正された復元画像に復元する、
ことを含む方法を実行する。
【0009】
金属又は他の高密度材料からなる複数の不連続領域を持つ画像に対し改善したアーチファクト訂正に1つの利点がある。
【0010】
金属又は他の高密度領域、及び骨又は他の中間密度領域を含む画像に対し改善したアーチファクト訂正に他の利点がある。
【0011】
好ましい実施例の以下の詳細な説明を読むことで、当業者には多くの追加の利点及び恩恵が明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、様々な構成要素及びこれら構成要素の配列、並びに様々な処理工程及びこれら処理工程の配列において形成される。図面は好ましい実施例を説明することを目的とするだけであり、本発明を限定すると解釈されない。
【0013】
図1を参照すると、ヘリカルコーンビームCT撮像スキャナ10は、検査領域14に向けられる放射線ビームを生成する放射線源12を含んでいる。この放射線ビームは、検査領域14内に配置される撮像する被験者の関心領域と相互に作用し、このビームが検査領域を通過するので、空間において変化する放射線の吸収をもたらす。放射線検出部16は、このビームが検査領域14を通過した後の吸収減衰した放射線を検出する。
【0014】
好ましい実施例において、放射線源12はファンビーム又はコーンビームのX線を生成する。放射線源12及び検出部16は好ましくは、検出部が放射線源からのX線を常に受信するように、回転ガントリ20上に対向するように搭載されている。これら放射線源12及び検出部16は、この回転ガントリ20を介して検査領域の周りを回されるので、好ましくは約360°よりも大きい角度範囲にわたるビューが取得される。任意には、約180°から360°の減少したスキャンが用いられる。他の適切な実施例において、検出部16は、固定したガントリ22上に搭載される固定した検出部のリングと置き換えられる。通例、被験者支持部26は回転ガントリ20の回転面を一般的に交差する軸又はz軸方向に線形移動可能である。
【0015】
マルチスライスCT投影データは、各軸スキャン中は静止し、軸スキャンの間に線形にステップされる被験者支持部26を用いて連続する軸スキャンを実行することにより適切に取得され、これら。この配列において、検出部16は、検出部の要素の単一行(すなわち一次元の検出部)又は検出部の要素の二次元アレイの一方にすることができる。代わりに、ヘリカルCT投影データは、被験者支持部26の連続する線形移動中であり、ガントリ20の同時の回転中に、適切に取得される。これは被験者支持部26上に配置された撮像する被験者に対する放射線源12のヘリカル軌道を生じさせる。一般的なコニカル放射ビーム及び二次元放射線の検出部は、好ましくはヘリカル投影データを取得するのに用いられる。
【0016】
放射線検出部16の検出器の要素の出力は、取得した投影データのメモリ30に記憶される、取得される積分した減衰投影値μdに変換される。各投影データμdは、放射線源12から検出部16の検出要素の対応する要素へのラインに沿った減衰の線積分に対応する。この投影データは、撮像される関心領域の各二次元スライスが、視野角(φ)及び線積分の指数(index)(n)の座標を持つ投影データアレイにより表されるサイノグラム形式(sonogram format)で表されることができる。
【0017】
ファンビーム、コーンビーム又は非平行な光線を持つ他の本来の取得形態の場合、リビニング(ribinning)プロセッサ32は、投影データを平行なビューに任意にリビニングする。コーンビーム形態に対しては、上記平行なリビニングされたビューが一般的にこの円錐角(cone angle)方向における、ある訂正されていないビームのダイバージェンス(divergence)を含んでいる。平行なリビニングが計算効率を向上することができたとしても、ここに記載されるアーチファクト訂正技術は通例、本来の取得形態、すなわち平行なリビニングを持つことなく実行される場合に最も効果的となる。ゆえに、この平行なリビニングプロセッサ32は好ましくは省略される。
【0018】
一般的なファンビーム及びコーンビーム形状にとって、線積分の指数nは、この指数nの投影を測定するのに用いられる検出部の要素を示す検出部の指数に適切に対応している。しかしながら、線積分の指数nは、検出部の要素の番号に直接的な相関性は無いと考慮される。例えば、このような直接的な相関性が無いことは、リビニングされた投影間の補間からもたらされることができる。
【0019】
スライスサイクルプロセッサ34は、空間スライスに対応するサイノグラムを介して循環し、各サイノグラムをアーチファクト訂正する復元プロセッサ40に連続して入力する。このアーチファクト訂正する復元プロセッサ40は、不連続な高密度領域、又は1つ以上の高密度領域に加え1つ以上の中間密度領域を含む画像に対してさえも、例えば金属クリップ、高密度の歯の詰め物等のような高密度領域によりもたらされるアーチファクトが殆ど訂正された復元を実行する。このアーチファクト訂正する復元装置40は、復元された画像スライスのピクセルを少なくとも高密度のピクセルクラス、中間密度のピクセルクラス及び低密度のピクセルクラスに分類するために、1組のピクセル密度のしきい値[Hth]42を利用する。
【0020】
図2を参照すると、好ましい実施例において、前記密度しきい値[Hth]42の組は、5つのクラスを含み、それらは、例えば歯の詰め物、金属インプラント等のような高密度領域に対応する“A”と呼ばれる高密度クラス、骨又は他の中間密度の特徴に対応する“B”と呼ばれる中間密度クラス、軟組織に主に対応する“C”と呼ばれる低密度クラス、エアポケット、撮像する被験者の周りにある周囲空気等に対応する“E”と呼ばれる空気密度クラス、及び低密度クラス“C”と空気密度クラス“E”との間にある中間の密度に対応する“D”と呼ばれる遷移領域である。高密度/中間密度のしきい値Hmetalは、高密度のピクセルクラス“A”の最小密度と中間密度のクラス“B”の最大密度との境界を定める。中間密度/低密度のしきい値Hhcは、中間密度のクラス“B”の最小密度と低密度のクラス“C”最大密度との境界を定める。低密度/遷移密度のしきい値Hlcは、低密度のピクセルクラス“C”の最小密度と遷移密度のクラス“D”の最大密度との境界を定める。遷移密度/空気密度のしきい値Hair(max)は、遷移密度のピクセルクラス“D”の最小密度と空気密度のクラス“E”の最大密度との境界を定める。
【0021】
本実施例において、5つの密度クラス“A”、“B”、“C”、“D”、“E”が規定されたとしても、遷移密度のピクセルクラス“D”を省略することも考えられ、この場合、低密度/遷移密度のしきい値Hlcが省略され、しきい値Hair(max)は、低密度のピクセルクラス“C”の最小密度の境界を定める。この4つのクラスの実施例において、しきい値Hair(max)は、低密度のピクセルクラス“C”と空気密度のクラス“E”との間にある省略された遷移ピクセルクラス“D”を分割するように、高い密度へ任意にシフトされる。さらに他には、空気密度のピクセルクラス“E”も省略されることができ、密度ピクセルクラス“A”、“B”、“C”だけが残り、遷移密度のピクセルクラス“D”及び空気密度のピクセルクラス“E”は低密度のピクセルクラス“C”に包含される。その上、密度分類システムは、改善された密度分解能を提供するために、5つより多くの密度クラスを含むことができる。
【0022】
図1を参照してみると、各入力スライスに対し、アーチファクト訂正する復元プロセッサ40は、二次元のアーチファクト訂正する復元画像を出力する。マルチスライス又はヘリカルCT撮像では、空間において連続するアーチファクト訂正する復元画像のスライスは、三次元のアーチファクト訂正する復元ボリューム画像を規定するために、画像メモリ46に蓄積される。しかしながら、取得した投影データが関心領域の1つのスライスに制限される場合、この1つのスライスに対応する取得した投影データは、アーチファクト訂正する復元プロセッサ40により処理され、画像メモリ46は二次元のアーチファクト訂正する復元画像を記憶する。任意には、1つ以上の画像スライスに対応する投影データは、関心領域の時間的進展(temporal evolution)を表すアーチファクト訂正する復元画像スライス又は画像ボリュームの時系列を供給するために選択した時間間隔にわたり取得される。
【0023】
ビデオプロセッサ50は、画像メモリ46の内容の幾つか又は全てを処理し、例えば三次元レンダリング、選択した画像スライス、最大密度の投影、CINEアニメーション等のような人間が見ることができる画像表現を作り出す。この人間が見ることができる画像表現はユーザインタフェース52上に表示され、このユーザインタフェースは好ましくは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータ等である。画像表現を表示する他に又はそれに加えて、画像メモリ46の選択した内容は、紙に印刷されたり、不揮発性の電子又は磁気記憶媒体に記憶されたり、LAN又はインターネットを介して送信されたり、又は別の方法で処理されたりすることができる。好ましい実施例において、ユーザインタフェース52は、CT撮像スキャナ制御器54と通信して、放射線専門医又は他の操作員に撮像セッションの構築、撮像セッションの変更、撮像セッションの実施、撮像セッションのモニタリングするようにこのCT撮像スキャナ10を制御することを可能にしたり、又はそうでなければCT撮像スキャナ10の操作を可能にする。
【0024】
図3は、アーチファクト訂正する復元プロセッサ40の好ましい実施例のブロック図を示す。入力部は、撮像する被験者の関心領域の二次元スライスに対応する投影データセットP60である。好ましくは、この投影データセット60は、放射線源12が検査領域14の周りを360°回転することによる投影データを含む。しかしながら、約180°の角度範囲を提供する減少した投影データセットの復元も考慮される。
【0025】
図4を参照してみると、取得した投影データセットP60の図表によるサイノグラム表現62を示す。このサイノグラム表現62の縦又はy座標は視野角φに対応し、一方サイノグラム表現62の横又はx座標は線積分の指数nに対応する。このサイノグラム表現62は、高密度領域の例示的な軌道64と、中間密度領域の例示的な軌道66とを含む。一般的に、スライスは、図2に示される他のクラスの領域と同様に、任意の数の高密度領域と、任意の数の中間密度領域とを含むことができる。これら領域は、互いに交差することができる様々な対応するサイノグラムの軌道を生成する。
【0026】
図3に戻って参照してみると、フィルタ補正逆投影プロセッサ70は、訂正されていない復元画像I74を生成するために、投影データセットP60のフィルタ補正逆投影を行う。フィルタ補正逆投影が行われたとしても、前記プロセッサ70は、投影データセットP60の形態と互換性のある殆ど如何なる形式の画像復元アルゴリズムも代わりに実施することができる。
【0027】
図5を参照すると、従来知られるように、スライスに1つ以上の高密度領域が存在することは通例、前記訂正されていない復元画像I74に、この高密度領域から離れて延在する縞として一般的に画像に現れる金属アーチファクトを含ませる。図5はこのような縞を図で示す例示的な訂正されていない復元画像I74の図による表現を示す。この図による図5の復元画像は、如何なる特定の解剖構造の画像にも対応していることを意図するのでなく、むしろ画像空間において通常は観察可能であるアーチファクト訂正する復元プロセスの特徴を図で説明している。
【0028】
図3に戻って参照してみると、訂正されていない復元画像I74のピクセルは、ピクセル密度分類プロセッサ78により分類され、セグメント化又はピクセル密度分類された画像Iclass80を生成する。この画像において、ピクセル値は、図2の高密度、中間密度、低密度、遷移密度及び空気密度のピクセルクラスに対応する密度分類指数と置き換えられる。好ましい実施例において、ピクセル密度分類プロセッサ78は、しきい値[Hth]の組を使用するしきい処理(thresholding)を用いて、訂正されていない復元画像I74の各ピクセルを適切なピクセル密度のクラスに分類する。
【0029】
ピクセル密度で分類された画像Iclass80は、図5に図で示され、ここで、特定のクラスのピクセルから本質的に構成される画像の領域は、図2の密度クラスの指数“A”、“B”、“C”、“D”、“E”から選択される適切なクラス指標によりラベル付けされている。図5に示されるように、この例示的な画像は、金属インプラントである高密度領域“A”及び骨の領域である中間密度領域“B”を含み、これらは共に軟組織等である低密度領域“C”内に含まれる。環状の遷移密度領域“D”は、この低密度領域“C”を包囲し、空気密度領域“E”は例えば撮像する被験者を取り囲む周囲空気に対応している、ピクセル密度で分類された画像Iclass80の周辺部を満たす。
【0030】
図5における例示的な遷移領域が環状の境界領域であったとしても、この遷移密度クラス“D”が環状の境界領域に限定されない。遷移密度クラス“D”の境界を定めるしきい値Hlc及びHair(max)は、この遷移密度クラス“D”が人間の被験者の内部にある空洞(air cavity)及び空洞の周りの領域を含むように好ましくは選択される。例えば、遷移密度クラス“D”は好ましくは、例えば洞腔(sinus cavity)、のど、鼻腔等のような頭部における空洞を含む。
【0031】
図3に戻って参照すると、密度クラス平均化プロセッサ84は、低密度クラス“C”のピクセルに対する平均ピクセル値を計算する。空気密度クラスを含む好ましい実施例において、密度クラス平均化プロセッサ84は、空気密度クラス“E”のピクセルに対する平均密度値も任意に計算する。この空気密度クラスの平均化は、3つのクラスだけを用いた実施例では省略され、空気密度クラスを完全に省略する。
【0032】
訂正画像プロセッサ88は、合成画像Isynth90を生成するために、訂正されていない復元画像I74の選択した高密度ピクセルを低密度値に選択的に置き換える。特に、ピクセル密度で分類された画像Iclass80により示されるように、高密度クラス“A”の中に含まれる訂正されていない復元画像I74のピクセルは、低密度クラス“C”のピクセルに対する前記平均密度値に置き換えられる。同様に、低密度クラス“C”の中に含まれるピクセルは、この低密度クラス“C”のピクセルに対する平均密度値に置き換えられる。代わりに、“A”及び“C”クラスのピクセルは、事前に選択した値又は名目上の“C”密度領域の中心部の近くに含まれる値のスペクトルに置き換えられることができる。空気密度クラスのピクセルに対する平均密度値が計算された場合、空気密度クラス“E”の中に含まれるピクセルは、この空気密度クラス“E”のピクセルに対する平均密度値と適切に置き換えられる。中間密度クラス“B”のピクセルは置き換えられない。遷移密度クラス“D”が規定される場合、このとき、遷移密度クラス“D”のピクセルも好ましくは置き換えられない。
【0033】
図5を参照してみると、合成画像Isynth90が図で示されている。この合成画像Isynth90は、中間密度“B”及び遷移密度“D”の領域のために、大部分コントラストを含んでいることが観察される。高密度領域“A”は、これら領域のピクセルを低密度クラス“C”のピクセルに対する平均密度値と置換することにより、この合成画像Isynth90から効果的に取り除かれる。同様に、低密度領域“C”における密度のばらつきによる画像のコントラストは、これらのピクセルを低密度領域“C”のピクセルに対する平均密度値と置き換えることにより殆ど減少する。
【0034】
戻って図3を参照するのに加え、図4も参照すると、前投影プロセッサ94は合成画像Isynth90を前投影し、合成投影データPsynth96を生成する。投影データセットPsynth96の図によるサイノグラム表現98が図4に示される。このサイノグラム表現98は、中間密度クラス“B”のピクセルは置き換えられていないので、このサイノグラム表現の中間密度領域の例示的な軌道66を保持する。同様に、遷移クラス“D”の領域による軌道は、これらのピクセルが合成画像Isynth90に保持されるので、合成投影データPsynth96に保持される。しかしながら、このサイノグラム表現98は、高密度クラス“A”のピクセルが低密度クラス“C”のピクセルに対する平均密度値と置き換えられているので、このサイノグラム表現62の高密度領域の例示的な軌跡64を含まない。
【0035】
一般的に、合成投影データセットPsynth96のサイノグラム表現98は、これらの線積分が取得した投影データセットP60における高密度クラス“A”の領域からの寄与を付加的に受けたとしても、中間密度クラス“B”の領域による線積分への減衰した寄与を保つ。前投影プロセッサ94は好ましくは、CT撮像スキャナ10の形態に対応する投影形態を用いて合成画像Isynth90を投影する。
【0036】
図3を続けて参照すると、合成投影データセットPsynth96は、高密度領域からの減衰した寄与を受ける取得した投影データセットP60の投影データを選択的に置き換えるのに用いられる。高密度領域のエッジ探索プロセッサ100は、高密度のピクセルクラスのピクセルから本質的に構成される領域のエッジを特定する。高密度の領域は、例えば移動している分析ウィンドウを用いて、この分析ウィンドウ内にある高密度クラスの選択したピクセル数よりも多くのピクセルを持つ高密度領域を特定することにより、特定されることができる。高密度領域が一度特定されると、適切なエッジを見つけるアルゴリズムは、画像の微分又はたたみ込みを用いて、エッジを選択的に強調及び特定する。
【0037】
他のアプローチにおいて、エッジ探索プロセッサ100は、高密度のクラスのピクセルに対し“1”のバイナリ値、及び他のピクセルに対し“0”のバイナリ値を持つバイナリ画像を生成するために、高密度/中間密度のしきい値Hmetalを用いて訂正されていない復元画像I74にバイナリのしきい処理を行う。バイナリ値“1”は次にフィルタリングされ、この値“1”の隣接ピクセルを少しだけ持つ又は全く持たない値“1”の外部ピクセルを取り除き、値“1”を持つピクセルの残りのグループは高密度領域を規定する。エッジは次いで、フィルタリングされたバイナリ画像において、“0”から“1”へのバイナリ値の遷移を特定し、例えば隣接するピクセル対に働く“排他的論理和”のバイナリ演算子を用いて特定される。当業者は、エッジ探索プロセッサ100を構成する他のエッジ探索アルゴリズムを容易に用いることができる。
【0038】
このエッジ探索プロセッサ100は、高密度領域のエッジを特定するエッジ強調画像IHD_edge102を適切に出力する。このエッジ強調画像IHD_edge102は、図5において図示され、ここで高密度クラスのピクセルから本質的に構成される訂正されていない復元画像I74の領域のエッジ106が特定される。例示的な図5において、エッジ106は略円形のエッジを規定しているが、しかしながら高密度領域は、略任意のエッジを持つ略任意の形状を持つことができる。通例、高密度領域は、歯の詰め物、金属インプラント又は他のコンパクトな別個のオブジェクトに対応し、明確にエッジを規定する簡単な閉じられた形態を持つ。
【0039】
図3を参照すると、高密度ピクセル置換プロセッサ110は、訂正された投影データセットP112を生成するために、高密度領域からの寄与を受ける取得した投影データP60の投影を、合成された投影データセットPsynthからの合成投影データと選択的に置き換える。ある手法において、高密度ピクセル置換プロセッサ110は、エッジ強調された画像IHD_edge102により特定される1つ以上の高密度領域を交差する投影データを合成された投影データセットPsynth96からの対応する投影データと置換する。しかしながら、この手法は、本来の取得した投影データP60と置き換えられた合成投影データセットPsynth96との間の遷移において、殆ど減少した不連続性とすることができる。
【0040】
故に、好ましい実施例において、高密度ピクセル置換プロセッサ110は、高密度の画像領域の特定されたエッジ106において、取得した投影データと合成投影データとの間を補間する。適当な補間投影を置き換える公式は、投影データセットP60の取得した投影データを
【数2】

より与えられる値を持つ置換投影データμdreplと置き換える。
ここでa=[μd(n)−μdsynth(n)],b=[μd0(n2)−μdsynth(n2)]であり、指数nは線積分の指数であり、指数n及びnは図5に示されるような高密度の画像領域のエッジ106の線積分の指数であり、μdは、投影データセットP60の取得した投影データを示し、μdsynthは、合成投影データセットPsynth96の投影データを示す。n≦n≦nの範囲にある投影データは、数1に従って置き換えられる。この数1を再考すると、エッジ106において円滑な遷移を提供する、μdrepl(n)=μd(n)及びμdrepl(n)=μd(n)を示す。
【0041】
高密度ピクセル置換プロセッサ110により行われる補間的な置換は、高密度領域を1つ以上含むサイノグラムの各ビューにおいて作用する。所与の視野角φにより特定される各ビューに対し、これは、所与の高密度領域が同じ高密度領域の異なるビューとは一般的に異なる線積分の指数n及びnにおいてエッジを持つことである。この補間的な置換は、そのビューに対し計算されたn、nのエッジの値を用いて、各値に対し行われる。その上、所与のビュー内に不連続な高密度領域が1つ以上あってもよく、このような不連続な高密度領域の各々は、それら自身のn1、n2のエッジの指数の値を持つ。数1に述べた補間的な置換は、各不連続な高密度領域又は非重複の高密度領域に対し繰り返される。
【0042】
図4を参照すると、訂正された投影データセットP112の図によるサイノグラム表現114が示される。有利なことに、このサイノグラム表現114は、中間密度領域の軌道66が(これらビューにおいて置き換えられた高密度領域のエッジn、nを表す破線により、この図によるサイノグラム表現114に示される)取り除かれた高密度領域の軌道64の場所を交差する場合でさえも、この中間密度領域の軌道66をほぼそのまま保持する。合成投影データセットPsynth96が積分された減衰投影値μdに対する中間密度領域の寄与を保持するので、この中間密度領域の軌道66に沿う低密度の投影のギャップが存在しないのに対し、この積分された減衰投影値μdに対する高密度領域の寄与を選択的に取り除く。同様に、説明されていなくても、遷移密度領域“D”の軌道は、このような起動が高密度領域の軌道66により横断される場所でさえも、そのまま残っている。
【0043】
訂正された投影データセットP112は、アーチファクト訂正された復元画像70を生成するために、フィルタ補正逆投影を行うフィルタ補正逆投影プロセッサ70に入力される。好ましくは、ラベリングプロセッサ(labeling processor)122は、補間された合成データの置き換えにより殆ど修正された高密度領域に対応するアーチファクト訂正された復元データ120のピクセルを事前に選択したラベルを規定するピクセルで置換する。このラベリングは、最終的なアーチファクト訂正された復元画像124を眺めている放射線専門医又は他のユーザにラベリングされた画像領域がアーチファクト訂正処理により殆ど修正されたと知らせる。事前に選択したラベルを規定するピクセルは、例えば本来の高密度領域をシミュレートする高密度値を持つピクセルとすることができる。他の手法では、事前に選択したラベルを規定するピクセルは、例えばクロスハッチ(cross-hatch)パターンのような、明らかに人工的な選択したパターンを規定する。最終的なアーチファクト訂正された復元画像124は、図1の画像メモリ46に記憶される。
【0044】
本発明は好ましい実施例を参照して説明されている。明らかに、前述した説明を読み及び理解する際に、当業者に修正及び変更が思いつくであろう。本発明は、このような修正及び変更が付随する特許請求の範囲又はそれと同等なものにある限り、このような修正及び変更の全てを含んでいると考えられることを述べておく。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】アーチファクト訂正する復元プロセッサを含むCT撮像システムを図で示す。
【図2】ピクセル密度のクラスの好ましい組を規定するピクセル密度のしきい値の好ましい組を図で示す。
【図3】図1のCT撮像システムのアーチファクト訂正する復元プロセッサのブロック図を示す。
【図4】復元処理での幾つかの点における取得、修正及び合成投影データのサイノグラム表現を図で示す。
【図5】前記復元処理中の幾つかの点における復元及び部分的に処理される画像を図で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得したトモグラフィック投影データから訂正された復元画像を生成する方法において、
−ある領域に対応する取得した投影データを訂正されていない復元画像に復元し、
−前記訂正されていない復元画像のピクセルを少なくとも高密度、中間密度及び低密度のピクセルクラスに分類し、
−合成画像を生成するために、前記高密度及び低密度のクラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを前記低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換え、
−合成投影データを生成するために、前記合成画像を前投影し、
−訂正された投影データを生成するために、前記高密度クラスのピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと置き換え、及び
−前記訂正された投影データを訂正された復元画像に復元する
ことを含む方法。
【請求項2】
前記高密度及び低密度クラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを、前記低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換えることは、
−前記低密度のピクセルクラスのピクセルの平均値を計算し、及び
−前記高密度及び低密度クラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを、前記低密度のピクセルクラスのピクセルの平均値と置き換える
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域はスライスであり、前記訂正されていない復元画像は二次元画像である請求項1に記載の方法において、
−複数の二次元スライスの各々に対応する取得した投影データに対し、取得した投影データの前記復元、ピクセルの前記分類、ピクセルの前記置き換え、取得した投影データの前記前投影、取得した投影データの前記置き換え、及び前記訂正された投影データの前記復元、を繰り返し、並びに
−三次元の訂正された復元画像を生成するために、前記複数の二次元スライスに対応する二次元の復元画像を結合する
ことをさらに含む方法。
【請求項4】
前記高密度クラスの前記ピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと前記置き換えることは、
−前記置き換え中に、前記合成投影データと前記取得した投影データとの間の遷移を円滑にするため、前記合成投影データを補間的に調節する
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記高密度クラスの前記ピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと前記置き換えることは、
−前記高密度クラスのピクセルから実質的に構成される高密度の画像領域を特定し、及び
−前記高密度の画像領域に寄与している取得した投影データに対し前記置き換えを行う
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記領域はスライスであり、前記訂正されていない復元画像は二次元画像であり、前記取得した投影データはサイノグラム(sonogram)形式であり、前記高密度クラスの前記ピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと前記置き換えることは、前記取得した投影データを
【数1】

により与えられる値を持つ置換投影データμdreplと置き換えることをさらに含んでいる請求項5に記載の方法であり、ここでa=[μd(n)−μdsynth(n)]、b=[μd(n)−μdsynth(n)]であり、nは線積分の指数であり、指数n及びnは、n≦n≦nに対し置換が行われる前記高密度の画像領域のエッジに対応する線積分の指数であり、μdは取得した投影データを示し、μdsynthは、合成投影データを示している方法。
【請求項7】
前記領域はスライスであり、前記訂正されていない復元画像は二次元画像であり、前記取得した投影データはサイノグラム形式であり、前記高密度クラスの前記ピクセルに寄与している取得した投影データを対応する取得投影データと前記置き換えることはさらに、ある視野角に対応するサイノグラムの少なくとも1つのビューに対し、高密度の画像領域の前記特定、及び少なくとも2つの不連続な高密度の画像領域に対し前記高密度の画像領域に寄与している取得した投影データで前記置き換えることを行うことを繰り返すことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記高密度クラスのピクセルから実質的に構成される高密度の画像領域の前記特定は、
−前記高密度の画像領域のエッジを特定するために、エッジ検出アルゴリズムを利用する
ことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記高密度の画像領域に寄与している取得した投影データで前記置き換えることを行うことは、
−前記取得した投影データと、前記高密度の画像領域の前記特定されたエッジに隣接する前記合成投影データとの間を補間する
ことを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記高密度クラスのピクセルから実質的に構成される高密度の画像領域の前記特定は、
−第1のバイナリ値を前記高密度のピクセルクラスのピクセルに割り当て、第2のバイナリ値を前記高密度のピクセルクラスではないピクセルに割り当てるしきい値を用いて、前記訂正されていない復元画像のバイナリのしきい値分けを実行し、及び
−前記第1のバイナリ値のピクセルから前記第2のバイナリ値のピクセルへの遷移として、前記高密度の画像領域のエッジを特定する
ことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記高密度の画像領域にラベルを重畳することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記取得した投影データの前記復元及び前記訂正された投影データの前記復元はフィルタ補正逆投影を用いて前記投影データを復元することをそれぞれ含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記取得したトモグラフィック投影データはCRスキャナによると共に、コーンビーム形態であり、前記前投影は、合成投影データを前記コーンビーム形態で生成するために前記合成画像を前投影することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
−前記高密度のピクセルクラスは、少なくとも金属材料に対応し、
−前記中間密度のピクセルクラスは少なくとも骨に対応し、及び
−前記低密度のピクセルクラスは少なくとも軟組織に対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記訂正されていない復元画像のピクセルの前記分類はさらに、前記訂正されていない復元画像のピクセルを、前記低密度のピクセルクラスの最小密度よりも小さい最大密度を持つ空気密度のピクセルクラスに分類することを含み、
前記合成画像を生成するために、前記訂正されていない復元画像のピクセルの前記置き換えは、前記空気密度のクラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを、前記空気密度のピクセルクラスのピクセルの平均値と置き換えることを含む
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記訂正されていない復元画像のピクセルの前記分類はさらに、前記訂正されていない復元画像のピクセルを、前記空気密度のピクセルクラスの前記最大密度と、前記低密度のピクセルクラスの前記最小密度との間にある密度範囲にまたがる遷移密度のピクセルクラスに分類することを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記訂正されていない復元画像のピクセルの前記置き換えは、前記中間密度のピクセルクラスのピクセルの置き換えを含んでいない請求項1に記載の方法。
【請求項18】
取得したトモグラフィック投影データから訂正された復元画像を生成する装置において、前記装置は、
−ある領域に対応する取得した投影データを訂正されていない復元画像に復元する復元手段、
−前記訂正されていない復元画像のピクセルを少なくとも高密度、中間密度及び低密度のピクセルクラスに分類する分類手段、
−合成画像を生成するために、前記高密度及び低密度クラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを前記低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換えるピクセル置換手段、
−合成投影データを生成するために、前記合成画像を前投影する前投影手段、並びに
−訂正された投影データを生成するために、前記高密度クラスの前記ピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと置き換える投影置換手段
を含み、さらに前記復元手段は前記訂正された投影データを訂正された復元画像に復元する装置。
【請求項19】
前記投影置換手段は、前記高密度のピクセルクラスのピクセルから本質的に成る1つ以上の高密度領域のエッジを見つけるエッジ探索手段を含む請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記投影置換手段はさらに、取得した投影データを前記高密度領域の前記エッジにおいて合成投影データと補間的に置き換える、補間的置換手段を含む請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記1つ以上の高密度領域に対応する前記訂正された復元画像のピクセルの代わりに事前に選択したラベルを規定するピクセルを使用するラベリングプロセッサをさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記分類手段は、
−前記高密度のピクセルクラスの最小密度及び前記中間密度のピクセルクラスの最大密度の境界を定める中間密度/高密度のしきい値、及び
−前記中間密度のピクセルクラスの最小密度及び前記低密度のピクセルクラスの最大密度の境界を定める低密度/高密度のしきい値
を少なくとも含んでいるしきい値の組を利用すると共に、前記分類手段は、前記訂正されていない復元画像のピクセルを、ピクセル値を前記しきい値の組との比較に基づいて、少なくとも高密度、中間密度及び低密度のピクセルクラスに分類する請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記しきい値の組はさらに、
−前記低密度のピクセルクラスの最小密度及び遷移密度のピクセルクラスの最大密度の境界を定める低密度/遷移密度のしきい値、及び
−前記遷移密度のピクセルクラスの最小密度及び空気密度のピクセルクラスの最大密度の境界を定める遷移密度/空気密度のしきい値
を含み、前記分類手段はさらに、前記訂正されていない復元画像のピクセルを、ピクセル値を前記しきい値の組との比較に基づいて、遷移密度及び空気密度のピクセルクラスに分類する請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ピクセル置換手段はさらに、前記空気密度のピクセルクラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを前記空気密度のピクセルクラスのピクセルの平均値と置き換える請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記取得したトモグラフィック投影データを取得する手段をさらに含む請求項18に記載の装置において、前記取得する手段は、少なくともX線源、検出部アレイ並びに前記X線源及び前記検出部アレイが搭載された回転ガントリを含み、前記取得したトモグラフィック投影データは、前記回転ガントリの回転中に取得される装置。
【請求項26】
−少なくともX線源、検出部アレイ並びに前記X線源及び前記検出部アレイが搭載された回転ガントリを含み、前記回転ガントリの回転中にトモグラフィック投影データを取得するCTスキャナ、及び
−前記取得したトモグラフィック投影データから訂正された復元画像を生成するプロセッサ
を含むX線撮影スキャナであり、前記プロセッサは、
−ある領域に対応する取得した投影データを訂正されていない復元画像に復元し、
−前記訂正されていない復元画像のピクセルを少なくとも高密度、中間密度及び低密度のピクセルクラスに分類し、
−合成画像を生成するために、前記高密度及び低密度のクラスからなる前記訂正されていない復元画像のピクセルを前記低密度のピクセルクラスのピクセル値と置き換え、
−合成投影データを生成するために、前記合成画像を前投影し、
−訂正された投影データを生成するために、前記高密度クラスの前記ピクセルに寄与している取得した投影データを対応する合成投影データと置き換え、及び
−前記訂正された投影データを訂正された復元データに復元する
ことを含む方法を実行するX線撮影スキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−530086(P2007−530086A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520043(P2006−520043)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002325
【国際公開番号】WO2005/008586
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】