説明

D3/D2受容体アンタゴニストとしての(チオ)カルバモイル−シクロヘキサン誘導体

本発明は、式(I):(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;Xは酸素またはイオウ原子を表し;nは1〜2の整数である)の新規のD3およびD2ドーパミン受容体サブタイプ選択的リガンド、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物に、その製造方法に、それを含有する製剤組成物に、そしてドーパミン受容体の調節を要する症状の治療および/または予防におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
産業上の利用分野
本発明は、式(I)の新規のD3およびD2ドーパミン受容体サブタイプ選択的リガンド、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物に、その製造方法に、それを含有する製剤組成物に、そしてドーパミン受容体の調整を要する症状の治療および/または予防におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
疼痛の治療のための両方に有用なシクロヘキサン誘導体は、特許出願WO 99/67206に記載されている。
【0003】
上記の刊行物に記述された化合物は、ドーパミンD3および/またはD2受容体の活性を有すると明言されていないし、あるいは示唆さえされていない。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
意外にも、既知の上記の構造的類似化合物と対照して、本発明の式(I)の新規の誘導体は、D3親和性がD2親和性より5〜200倍高いような組合せで、ドーパミンD3受容体に対する高いまたは非常に高い親和性を、そしてドーパミンD2受容体に対する中等度〜高親和性を有する、ということが判明した。さらに化合物は、他の受容体、例えばα−1受容体を上回るより高い選択性を有する。上記の特定の割合で結合される二元性(D3およびD2)受容体機能的拮抗作用は、D3およびD2受容体の両方の調節の有益な作用の同時発現を可能にするが、しかし各々の個々の受容体作用の既知の欠点の出現を伴わない場合、特に重要である。
【0005】
式(I)の構造物に属するこの種類の新規の分子は、「D3選択性を有するD3/D2リガンド」として本出願中でさらに言及される。
【0006】
本発明は、式(I):
【化1】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の(チオ)カルバモイル側鎖を有する新規のシクロヘキサン誘導体、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物に、その製造方法に、それを含有する製剤組成物に、そしてドーパミン受容体の調整を要する症状、例えば精神病(例えば精神分裂症、分裂情動性障害等)、薬剤(例えばアルコール、コカインおよびニコチン、オピオイド等)乱用、精神分裂症に伴う認知障害、軽症〜中等度の認知欠損、痴呆、痴呆に関連した精神病状態、摂食障害(例えば神経性過食症等)、注意欠損障害、小児多動性障害、精神病性うつ病、躁病、偏執性および妄想性障害、運動障害(例えばパーキンソン病、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア)、不安、性機能不全、睡眠障害、嘔吐、攻撃性、自閉症の治療および/または予防におけるそれらの使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の詳細な説明
本発明は、式(I):
【化2】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の(チオ)カルバモイル側鎖を有する新規のシクロヘキサン誘導体、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物に関する。
【0008】
1および/またはR2が、アルキルを表す場合、アルキル部分は、1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリール、好ましくはフェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有する1〜6個の炭素原子を含有する。
【0009】
1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し得る。複素環式基は、好ましくはピロリジニルである。
【0010】
1および/またはR2がアルケニルを表す場合、アルケニル部分は2〜7個の炭素原子および1〜3つの二重結合を有する。
【0011】
1および/またはR2がアリールを表す場合、アリール部分は、任意置換一、二または三環式アリール、例えばフェニル、ナフチル、フルオレノイルまたはアントラキノニル基、好ましくはフェニルまたはナフチル基から選択され得る。アリール部分は、1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで置換され得る。アリールは、上記と同様である。
【0012】
1および/またはR2がシクロアルキルを表す場合、シクロアルキル部分は、任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、例えばシクロヘキシルまたはアダマンチルから選択され得る。
【0013】
1および/またはR2がアロイルを表す場合、その中のアロイル部分は上記と同様であり、好ましくはフェニルである。
【0014】
本発明は、酸を用い生成される式(I)の化合物の塩にも関する。
【0015】
有機および無機酸はともに、酸付加塩の生成のために用いられ得る。適切な無機酸は、例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸であり得る。一価有機酸の代表物は、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ならびに種々の酪酸、吉草酸およびカプリン酸であり得る。二価有機酸の代表物は、例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸およびコハク酸であり得る。その他の有機酸、例えばヒドロキシ酸、例えばクエン酸、酒石酸または芳香族カルボン酸、例えば安息香酸またはサリチル酸、ならびに脂肪族および芳香族スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸も用いられ得る。酸付加塩の特に有益な群は、酸構成成分それ自体が生理学的に許容可能であり、そして適用用量で治療的作用を有さないか、またはそれが有効成分の作用に好ましくない影響を及ぼさないものである。これらの酸付加塩は、製薬上許容可能な酸付加塩である。製薬上許容可能な酸付加に属さない塩酸付加塩が本発明に属する理由は、所定の場合に、それらが所望の化合物の精製および単離において有益であり得るためである。
【0016】
式(I)の化合物の溶媒和物および/または水和物も、本発明の範囲内に含まれる。
式(I)の化合物は、シクロヘキサン環の立体配置に関して、シスおよびトランス異性体の形態で存在する。これらおよびそれらの混合物は同様に、本発明の範囲内である。本発明の化合物は、好ましくはトランス立体配置である。
【0017】
式(I)のある種の化合物は、当該化合物がC2-7アルケニル基を含有する場合、シスおよび/またはトランス異性体の形態で存在し得る。これらは、このような異性体およびその混合物の全てを含めて、同様に本発明の範囲内である。
【0018】
式(I)のある種の化合物は、立体異性体およびジアステレオマーとしてもまた存在し得る。これらおよびその混合物は、同様に本発明の範囲内である。
【0019】
本発明は酸を用いて生成される式(I)のある種の化合物の塩、特に製薬上許容可能な酸を用いて生成される塩にも関するので、式(I)のある種の化合物の意味は、それらが別々に言及されない場合でさえ、遊離塩基または塩である。
【0020】
本発明の好ましい化合物は、式(I):
(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリールまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和の任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1〜3つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
一、二または三環式アリール、好ましくはフェニルまたはナフチル(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、あるいは
アロイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物である。
【0021】
本発明の特に好ましい化合物は、式(I):
(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
直鎖または分枝鎖を有し、そして1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、フェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換されるC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環、好ましくはピロリジニル環を形成し)、または
1つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
フェニルまたはナフチル基(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
シクロヘキシルまたはアダマンチル基、あるいは
ベンゾイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物である。
【0022】
本発明の最も顕著な化合物は、式(I):
(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1-6アルコキシカルボニルまたはフェニルで任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、ピロリジニル環を形成する);
アリル;
1つまたは複数のC1-6アルコキシ、シアノまたはC1-6アルカノイルで任意に置換されるフェニル;
シクロヘキシル
を表し;
Xは酸素またはイオウを表し;
nは1である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物である。
本発明は、有効成分として式(I)の化合物を含有する製剤組成物にも関する。
【0023】
本発明のさらなる目的は、式(I)の化合物を含有する医薬の薬学的製造、ならびにこれらの化合物を用いた治療および/または予防方法であって、これは、有効量(単数または複数)の本発明の式(I)の化合物をそのまま、またはこのような医薬として、治療されるべき哺乳類(例えばヒト)に投与することを意味する。
【0024】
本発明は、式(II):
【化3】

(式中、R1、R2およびXは式(I)に関して上記されたのと同様である)
の(チオ)カルバモイルクロリドと、式(III):
【化4】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、式(I)の化合物の製造方法(方法A)も提供する。
【0025】
アミド結合形成は、既知の方法により、好ましくは、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドあるいは塩素化炭化水素または炭化水素)中に適切なアミン(III)またはその塩を懸濁するかまたは溶解し、そしてそれを塩基(例えばトリエチルアミン)の存在下で適切な(チオ)カルバモイルクロリド(II)と反応させることにより実行され得る。反応は、-10℃〜60℃で有益に実行され得る。反応後に、薄層クロマトグラフィーを実施する。必要な反応時間は、約6〜60時間である。反応混合物の一連の検査は、異なる方法により実行され得る。生成物は、例えば結晶化により、またはカラムクロマトグラフィーにより精製され得る。
【0026】
式(IV):
【化5】

(式中、R1およびXの意味は、式(I)に関して上記されたものと同様である)
のイソ(チオ)シアネートと、式(III):
【化6】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、式(I)の化合物の別の製造方法(方法B)も提供される。
【0027】
アミド結合形成は、既知の方法により、好ましくは、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドあるいは塩素化炭化水素または炭化水素)中に適切なアミン(III)またはその塩を懸濁するかまたは溶解し、そしてそれを、必要な場合には塩基(例えばトリエチルアミン)の存在下で、適切なイソ(チオ)シアネート(IV)と反応させることにより実行され得る。反応は、5℃〜50℃で有益に実行され得る。反応後に、薄層クロマトグラフィーを実施する。必要な反応時間は、約6〜10時間である。反応混合物の一連の検査は、異なる方法により実行され得る。生成物は、例えば結晶化により、またはカラムクロマトグラフィーにより精製され得る。
【0028】
方法Bは、自動平行合成によっても実行され得る。
式(I)の化合物の別の製造方法(方法C)は、式(III)のアミンをイソ(チオ)シアネート誘導体にin situで変換し、後者を式(V):
【化7】

(式中、R1およびR2は式(I)に関して上記されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体と反応させることである。
【0029】
上記の反応は、既知の方法により実行され得る。イソ(チオ)シアネート誘導体へのアミン(III)の変換は、-5℃〜室温で有益に、塩基(例えばトリエチルアミン)の存在下で、適切な(チオ)カルボン酸誘導体(例えばホスゲン、トリホスゲン、チオホスゲン)の使用により、非プロトン性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、塩素化炭化水素)中でin situで実行され得る。このようにして得られた溶液または懸濁液に、式(V)(式中、R1およびR2は上記と同様である)の適切なアミンが、塩基、あるいは有機または無機酸を用いて生成された塩の形態で付加される。必要な反応時間は2〜24時間である。反応混合物の一連の検査は、異なる方法により実行され得る。生成物は、例えば結晶化により、またはカラムクロマトグラフィーにより精製され得る。
【0030】
得られた式(I)の(チオ)尿素は、酸を用いてその塩に変換され得るし、および/または塩基を用いた処理により得られる酸付加塩から式(I)の(チオ)尿素が遊離され得るし、および/またはシスおよび/またはトランス異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーが分離され得るし、および/またはその水和物および/または溶媒和物に変換され得る。
【0031】
式(II)の(チオ)カルバモイルクロリドおよび式(IV)のイソ(チオ)シアネートおよび式(V)のアミン(式中、R1、R2およびXは上記と同様である)は市販されているし、あるいは異なる既知の方法により合成され得る。
式(III)(式中、n=1)のアミンの合成は、例えばWO 03/029233またはBioorg. Med. Chem. Lett.; EN; 7; 18; 1997; 2403-2408に記載されている。
【0032】
式(III)(式中、n=2)のアミンは新規の化合物であり、これも本発明の範囲内に含まれる。
式(III)(式中、n=2)の新規のアミンは、上記の慣用方法により合成される。
【0033】
式(I)の化合物は、自動平行合成によっても調製され得る。
式(I)または式(III)の化合物あるいは後者の保護化誘導体のシスおよびトランス異性体の分離は、慣用的方法により、例えばクロマトグラフィーおよび/または結晶化により実行され、あるいは式(I)のシスおよびトランス異性体は純シスまたはトランス前駆体から調製され得る。
【0034】
本発明の式(I)の化合物は、既知の抗精神病薬と対照して、ドーパミンD3受容体に対する高親和性、D2受容体に対する低活性および後レナリン作動性α−1受容体に対する極低親和性を示すことが見出されており、ドーパミンD3および/またはD2受容体が疾患病理学に関与し、したがってそれらの調節が必要とされる疾患状態の治療および/またはその予防に有用であると予測される。
【0035】
ドーパミン作動性神経伝達物質系の機能不全は、いくつかの神経精神医学的および神経変性障害、例えばそれぞれ精神分裂症、薬剤乱用およびパーキンソン病の病理学に関与する。ドーパミンの作用は、D1−(D1、D5)またはD2−(D2、D3、D4)ファミリーに属する少なくとも5つの別個のドーパミン受容体により媒介される。D3受容体は、大脳ドーパミン作動系における特徴的分布を有することが示されている。即ちある種の辺縁系構造、例えば側座核およびカエハ島において、高密度が見出された。したがってD3受容体の選択的ターゲッティングは、ドーパミン作動性機能のより選択的な調整のための、そしてその結果としていくつかの異常、例えば精神分裂症、情動性および認知性機能不全、および中毒(Sokoloff, P. et al. : Nature, 1990, 347, 146; Schwartz, J.C. et al. : Clin. Neuropharmacol. 1993, 16, 295; Levant, B. : Pharmacol. Rev. 1997, 49, 231)、中毒(Pilla, C. et al. : Nature 1999, 400, 371)およびパーキンソン病(Levant, B. et al. : CNS Drugs 1999, 12, 391)または疼痛(Levant, B. et al. : Neurosci. Lett. 2001, 303, 9)における首尾よい治療的介入のための見込みのあるアプローチであり得る。
【0036】
ドーパミンD受容体は脳中に広範に分布され、そして多数の生理学的基のおよび病理学的状態に関与することが既知である。D2アンタゴニストは、例えば抗精神病薬として広範に用いられる薬剤である。しかしながら、D2受容体の甚だしい拮抗作用は望ましくない副作用、例えば錐体外路運動症候群、神経運動鎮静または認知障害をもたらす、ということも周知である。これらの副作用は、D2アンタゴニスト化合物の治療的利用をひどく制限する(Wong A.H.C. et al. : Neurosci. Biobehav. Rev. 2003, 27, 269)。
【0037】
本発明は、常にD3親和性がD2親和性の5〜200倍高いような組合せで、ドーパミンD3受容体に対する高い(10 nM未満)または非常に高い(1 nM未満)親和性を有し、そして同時に、D2受容体に対する中等度(50〜200 nM)〜高(1〜10 nM)親和性を有する式(I)の新規の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物を提供する。
【0038】
本発明のさらなる態様では、本発明は、ドーパミンD3および/またはD2受容体の選択的調整を要する症状、例えば精神病(例えば精神分裂症、分裂情動性障害)、精神分裂症に伴う認知障害、軽症〜中等度の認知欠損、痴呆、痴呆に関連した精神病状態、精神病性うつ病、躁病、偏執性および妄想性障害、運動障害、例えばパーキンソン病、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジア、摂食障害(例えば神経性過食症)、注意欠損障害、小児多動性障害、うつ病、不安、性機能不全、睡眠障害、嘔吐、攻撃性、自閉症および薬物中毒の治療および/または予防を提供し、これは、有効量の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物を、それを必要とする被験者に投与することを包含する。
【0039】
本発明は、ドーパミン受容体の、特にドーパミンD3および/またはD2受容体の調整を要する症状の治療のための薬剤の製造における、式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物の使用も提供する。
【0040】
本発明のD3選択性を有するD3/D2アンタゴニストに関する好ましい使用は、精神分裂症、分裂情動性障害、精神分裂症に伴う認知障害、軽症〜中等度の認知欠損、痴呆、痴呆に関連した精神病状態、精神病性うつ病、躁病、偏執性および妄想性障害、運動障害、例えばパーキンソン病、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、うつ病、不安、薬物中毒(例えばコカイン中毒)の治療においてである。
【0041】
上記の2つの受容体作用の特定の組合せは、D3拮抗作用(例えば向知性薬作用、錐体外路運動症候群の抑制、薬物中毒の抑制作用)およびD2拮抗作用(例えば抗精神病薬作用)の両方の有益な作用の同時発現を可能にする。さらに同一の組合せは意外にも、D2拮抗作用の有害な特徴(錐体外路症候群、精神運動鎮静、認知障害)の相殺を生じる。
【0042】
医療に用いるために、本発明の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物は、通常は標準医薬組成物として投与される。したがって本発明は、さらなる態様において、式(I)の新規の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物、ならびに生理学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0043】
本発明の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物は、任意の便利な方法により、例えば経口的、非経口的、頬、舌下、鼻、直腸または経皮投与により投与され得るし、したがって医薬組成物が適合される。
【0044】
経口投与された場合に活性である本発明の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物は、液体または固体として、例えばシロップ、懸濁液または乳濁液、錠剤、カプセルおよびロゼンジとして処方され得る。
【0045】
本発明の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物は一般に、適切な液体担体(単数または複数)、例えば水性溶媒、例えば水、エタノールまたはグリセリン、あるいは非水性溶媒、例えばポリエチレングリコールまたは油中の、式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物の懸濁液または溶液から成る。処方物は、沈殿防止剤、防腐剤、風味剤または着色剤も含有し得る。
【0046】
錠剤の固体形態での組成物は、固体処方物を調製するためにルーチンに用いられる任意の適切な薬学的担体(単数または複数)を用いて調製され得る。このような担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロース、セルロース等が挙げられる。
【0047】
カプセルの固体形態での組成物は、ルーチンのカプセル封入手法を用いて調製され得る。例えば有効成分を含有するペレットは、標準担体を用いて調製され、次に硬質ゼラチンカプセル中に充填される;あるいは任意の適切な薬学的担体(単数または複数)、例えば水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩または油を用いて分散体または懸濁体が調製され、次に分散体または懸濁体は軟質ゼラチンカプセル中に充填される。
【0048】
典型的非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容可能な油、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油中の本発明の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の溶液または懸濁液からなる。あるいは溶液は凍結乾燥され、次に投与前に適切な溶媒を用いて再構成され得る。
【0049】
式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する鼻投与のための本発明の組成物は、エーロゾル、滴薬、ゲルおよび粉末として処方されるのが便利である。本発明のエーロゾル処方物は典型的には、生理学的に許容可能な水性または非水性溶媒中の式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の溶液または微細懸濁液を含み、そして通常は、霧状化器具とともに用いるためのカートリッジまたは詰替え物の形態をとり得る密封容器中に滅菌形態で一回または多数回用量で存在する。あるいは密封容器は、一体成形分配装置、例えば一回用量鼻吸入器、あるいは一旦容器の内容物が使い果たされれば、処分を意図される計量弁を装備したエーロゾル・ディスペンサーであり得る。剤形がエーロゾル・ディスペンサーを含む場合、それは、圧縮ガス、例えば圧縮空気または有機噴射剤、例えばフルオロクロロ炭化水素であり得る噴射剤を含有する。エーロゾル剤形は、ポンプ・アトマイザーの形態もとり得る。頬または舌下投与に適した式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する本発明の組成物としては、錠剤、ロゼンジおよび香錠が挙げられるが、この場合、有効成分は、担体、例えば糖およびアラビアゴム、トラガカントまたはゼラチンおよびグリセリン等とともに処方される。
【0050】
直腸投与のための式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する本発明の組成物は、慣用の座薬基剤、例えばココアバターを含有する座薬の形態であるのが便利である。
【0051】
経皮投与のための式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する本発明の組成物としては、軟膏、ゲルおよびパッチが挙げられる。
【0052】
式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する本発明の組成物は、好ましくは単位用量形態、例えば錠剤、カプセルまたはアンプルである。
【0053】
経口投与のための本発明の各投与量単位は、好ましくは、遊離塩基として算定される1〜250 mgの式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する。
【0054】
経口投与のための本発明の各投与量単位は、好ましくは、遊離塩基として算定される0.1〜2 mgの式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を含有する。
【0055】
本発明の生理学的に許容可能な式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物は、普通は遊離塩基として算定される例えば1 mg〜500 mg、好ましくは10 mg〜400 mg、例えば10 mg〜250 mgの式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の経口用量、あるいは0.1 mg〜100 mg、好ましくは0.1 mg〜50 mg、例えば1〜25 mgの式(I)の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の静脈内、皮下又は筋肉内用量の1日投与量レジメン(成人患者用)で投与され得る。本発明の化合物は、本発明の化合物は、1日1〜4回投与され得る。本発明の化合物は、連続療法の期間、例えば1週間またはそれ以上の間、適切に投与され得る。
【0056】
生物学的試験方法
受容体結合検定
1.D3受容体結合
リガンドとしての[3H]−スピペロン(0.85 nM)および非特異的結合の確定のためのハロペリドール(10 μM)を用いて、供給元の使用説明書(Packard BioScience, BioSignal Packard Inc. Cat. No. 6110139, Technical Data Sheet)に従って、ラット組換えD3受容体(Sf9細胞中で発現される)に関して結合検定を実行した。
【0057】
2.D2受容体結合
リガンドとして[3H]−スピペロン(0.6 nM)を用いて、ラット脳線条体膜調製物に関して、Creese等(European Journal of Pharmacology 60: 55-66, 1979)により記載されたように、D受容体結合検定を実行した。1 μMの(+)−ブタクラモールの存在下で、非特異的結合を確定した。
【0058】
3.α−1受容体結合
リガンドとして[3H]−プラゾシン(0.5 nM)を用いて、ラット脳皮質膜調製物に関して、GreengrassとBremmer(European Journal of Pharmacology 55: 323-326, 1979)により記載された方法に従って、α−1受容体結合試験を実施した。10 μMのフェントールアミンの存在下で、非特異的結合を確定した。
【0059】
本発明の選定化合物のD3およびD2およびα−1受容体結合データを、以下の表に列挙する。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
第一世代抗精神病化合物(例えばクロルプロマジンおよびハロペリドール)のほとんどの顕著な副作用は、錐体外路症候群、例えば偽性パーキンソン症候群および遅発性ジスキネシアならびに起立性低血圧症である。前者2つは、脳底神経節におけるD2受容体の大量遮断の結果であり、一方、後者はα−1受容体の拮抗作用の結果である。
【0063】
上記の表中の化合物は、D3受容体で高度または極高度強力リガンド(IC-50値はそれぞれ1 nM未満または1〜10 nMである)、ならびにドーパミンD2受容体で中等度〜高度強力リガンドであり、D2受容体の5〜200倍の選択度(選択度:D2に関するIC-50をD3に関するIC-50で割った値)を示す。しかしながらこの特定の割合での高度または極高度D3親和性と中等度〜高度D2親和性の結合は、Dアンタゴニストの有益な(例えば抗精神病性)作用を保存し、一方、同時に、(D3拮抗作用により)錐体外路症候群または認知障害のような大量受容体遮断の不都合な結果の出現を妨げる。したがってD2受容体に関連する副作用は本発明の化合物の治療的適用の経過中には全く生じないかまたは非常に減少される、と予測される。さらに化合物は、アドレナリン作動性α−1受容体に対する非常に低い親和性を有するかまたは実際的には全く有さず(各化合物に関して200 nMより高いIC-50)、したがって非常に高いD3/α−1選択度(数百倍〜数千倍)を有する。アドレナリン作動性α−1受容体に対する化合物の非常に低いまたは全く無い親和性から、心臓血管性副作用(例えば起立性低血圧症)の欠如が予測される。
【0064】
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はそれらに限定されない。
IR、NMRおよびMS分光法により、全ての中間体および最終生成物の構造を解明した。
【実施例】
【0065】
実施例1
1−(2,3−ジクロロフェニル)−[1,4]ジアゼピン(出発物質)
1−ブロモ−2,3−ジクロロ−ベンゼン2.25 g(10 mmol)を乾性トルエン(50 ml)中に溶解し、2.3 g(11 mmol)の[1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、その後、0.2 gのBINAP(2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ))−1,1’−ビナフチル)、85 mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および1.2 g(12 mmol)のナトリウム−tert−ブトキシドを付加した。反応混合物を8時間還流し、濾過した。有機層を水で洗浄し、脱水し、真空蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーにより精製し、塩化水素ガスを飽和させた酢酸エチル20 mlを用いて10℃で脱保護化し、沈殿物を濾過して、表題化合物の塩酸塩2.1 g(収率:75%)を得た(融点182〜3℃)。
【0066】
実施例2
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体)
塩酸1−(2,3−ジクロロフェニル)−[1,4]ジアゼピン0.7 g(2.5 mmol)およびトランス−2−{1−[4−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)アミノ]シクロヘキシル}−アセトアルデヒド0.6 g(2.5 mmol)をジクロロエタン(35 ml)中に溶解し、トリエチルアミン0.35 ml(2.5 mmol)を付加し、次にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム0.79 g(3.7 mmol)を一部ずつ付加して、反応混合物を周囲温度で20時間撹拌し、次に水(20 ml)中の20%炭酸カリウム溶液を付加した。有機層を分離し、脱水して、蒸発させて、真空乾燥した。沈殿物をアセトニトリルから再結晶化して、表題化合物1.0g (収率:85.8%)を得た(融点:95〜8℃)。
【0067】
実施例3
トランス−4−[2−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシルアミン(中間体)
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.93 g(2.1 mmol)を、塩化水素ガスを飽和させた酢酸エチル15 mlを用いて10℃で脱保護化し、4時間後、沈殿物を濾過して、表題化合物の二塩酸塩0.91 g(収率:98%)を得た(融点260〜6℃)。
【0068】
方法A
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素(化合物1)
三塩酸トランス−4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル−アミン1.39 g(3 mmol)をジクロロメタン(100 ml)中に懸濁し、トリエチルアミン(2.1 ml, 15 mmol)を、その後、塩化N,N−ジメチルカルバモイル0.3 ml(3.3 mmol)を付加した。反応混合物を室温で48時間撹拌し、濾過した。濾液を水(2×20 ml)で洗浄し、脱水して、真空蒸発させた。メタノールから再結晶化して、表題化合物(0.83 g, 65%)を得た(融点212〜4℃)。
【0069】
方法B
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−エチル−尿素(化合物2)
トランス−4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル−アミン0.56 g(1.2 mmol)をジクロロメタン(20 ml)中に溶解し、エチルイソシアネート(0.1 ml, 1.3 mmol)を付加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空除去した。残渣を水とともに撹拌し、沈殿物を濾過して、表題化合物(0.33 g, 65%)を得た(融点235〜8℃)。
【0070】
方法C
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素(化合物1)
三塩酸トランス−4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル−アミン0.56 g(1.2 mmol)を乾性ジクロロメタン(50 ml)中に懸濁し、トリエチルアミン(0.77 ml, 6 mmol)を付加し、ジクロロメタン中に溶解させたトリホスゲン0.13 g(0.44 mmol)を滴下した。室温で1時間撹拌後、塩酸ジメチルアミン(0.49 g, 6 mmol)を、その後、トリエチルアミン(0.84 ml, 6 mmol)を付加し、撹拌を20時間継続した。混合物を濾過し、濾液を水で洗浄し、脱水して、真空蒸発させた。メタノールから生成物を再結晶化して、表題化合物(0.27 g, 52%)を得た(融点212〜4℃)。
【0071】
上記の手法のうちの1つを適用して、以下の化合物を調製した:
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−メチル−尿素(化合物3)、融点:210〜4℃;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−プロピル−尿素(化合物4)、融点:218〜20℃;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−イソプロピルピル−尿素(化合物5)、融点:227〜30℃;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ヘキサヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−エチル−尿素(化合物6)、融点:115〜8℃;
【0072】
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ヘキサヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素(化合物7)、融点:168〜72℃;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピロリジン−1−カルボキサミド(化合物8)、融点:201〜3℃;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ヘキサヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピロリジン−1−カルボキサミド(化合物9);
【0073】
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジエチル−尿素(化合物10)、融点:171〜3℃;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−エチル−3−メチル−尿素(化合物11)、融点:195〜8℃;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−メチル−3−プロピル−尿素(化合物12)、融点:137〜9℃;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−尿素(化合物13)、融点:215〜7℃;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物14)、融点:293〜6℃;
【0074】
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−4−メチル−ピペラジン−1−カルボキサミド(化合物15)、融点:166〜8℃;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−モルホリン−4−カルボキサミド(化合物16)、融点:201〜3℃;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物17)、融点:188〜90℃;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボキサミド(化合物18)、融点:178〜80℃。
【0075】
自動平行合成(一般手法)
0.1 mmolのトランス−4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシルアミンを1 mlのジクロロメタン中に溶解し、0.1 mmolの適切なイソシアネートまたはイソチオシアネート化合物を付加した。混合物を12時間激しく振盪した。溶媒を真空蒸発させた。1 mlのn−ヘキサンを残りの固体に付加し、混合物を20時間激しく振盪した。溶媒を固体残渣からデカントして、固体を真空乾燥した。
【0076】
上記の手法を適用して、以下の化合物を調製した:
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
【表6】

【0081】
ChemStationソフトウエアにより制御されるHP1100二元勾配系を用いて、LC/MS分析を実施した。HPダイオードアレイ検出器を用いて、λ=210 nmでUVスペクトルを得た。定性(純度、容量因子)に関して、0.8 ml/分の流量で、DiscoveryC16−アミド、5 cm×4.6 mm×5 μmカラム上で、分析的クロマトグラフィー実験を実行した実験は全て、エレクトロスプレー・イオン化源を装備したHP MSD単一四重質量分光計を用いて実施して、分子量を確定した。
k’=tR−tO/tO
R=保持時間
O=溶離液保持時間
k'=容量因子
【0082】
溶離液Aは、0.1%TFA(Sigma, Germany)を含有する水であり、溶離液Bは0.1%TFAおよび5%A溶離液を含有する95%アセトニトリル(Merck, Germany)であった。勾配溶離液を用い、100%A溶離液で出発して、15分間かけて100%B溶離液に処理した。
製剤処方物
a)静脈内注射
式(I)の化合物 1〜40 mg
緩衝剤 pHを約7にする量
溶媒/錯化剤 全量を100 mlにする量
【0083】
b)ボーラス注射
式(I)の化合物 1〜40 mg
緩衝剤 pHを約7にする量
補助溶媒 全量を5 mlにする量
【0084】
緩衝剤:適切な緩衝剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、水酸化ナトリウム/塩酸が挙げられる。
溶媒:典型的には水であるが、しかしシクロデキストリン(1〜100 mg)および補助溶媒、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびアルコールも含み得る。
【0085】
c)錠剤
式(I)の化合物 1〜40 mg
希釈剤/充填剤(シクロデキストリンも含み得る) 50〜250 mg
結合剤 5〜25 mg
崩壊剤(シクロデキストリンも含み得る) 5〜50 mg
滑剤 1〜5 mg
シクロデキストリン 1〜100 mg
【0086】
希釈剤:例えば微晶質セルロース、ラクトースデンプン。
結合剤:例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース。
崩壊剤:例えばデンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン。
滑剤:例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム。
【0087】
d)経口懸濁液
式(I)の化合物 1〜40 mg
沈殿防止剤 0.1〜10 mg
希釈剤 20〜60 mg
防腐剤 0.01〜1.0 mg
緩衝剤 pHを約5〜8にする量
補助溶媒 0〜40 mg
風味剤 0.01〜1.0 mg
着色剤 0.001〜0.1 mg
【0088】
沈殿防止剤:例えばキサンタンゴム、微晶質セルロース。
希釈剤:例えばソルビトール溶液、典型的には水。
防腐剤:例えば安息香酸ナトリウム。
緩衝剤:例えばクエン酸塩。
補助溶媒:例えばアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物。
【請求項2】
1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリールまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和の任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1〜3つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
一、二または三環式アリール、好ましくはフェニルまたはナフチル(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、あるいは
アロイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である
請求項1記載の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物。
【請求項3】
1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、フェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これはC1-6アルキルまたはヒドロキシ置換単環式環により任意に不飽和され、これはOまたはNから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
フェニルまたはナフチル基(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
シクロヘキシルまたはアダマンチル基、あるいは
ベンゾイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である
請求項1または2記載の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物。
【請求項4】
1およびR2は、独立して、
水素、または
1-6アルコキシカルボニルまたはフェニルで任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、C1-6アルキルまたはヒドロキシ置換ピロリジンにより任意に、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリン環状を形成する);
アリル;
1つまたは複数のC1-6アルコキシ、シアノまたはC1-6アルカノイルで任意に置換されるフェニル;
シクロヘキシル
を表し;
Xは酸素またはイオウを表し;
nは1である
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物。
【請求項5】
以下の:
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−メチル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−プロピル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−イソプロピルピル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ヘキサヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−エチル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ヘキサヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピロリジン−1−カルボキサミド;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ヘキサヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピロリジン−1−カルボキサミド;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジエチル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−エチル−3−メチル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−メチル−3−プロピル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−尿素;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピペラジン−1−カルボキサミド;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−4−メチル−ピペラジン−1−カルボキサミド;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−モルホリン−4−カルボキサミド;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−ピペリジン−1−カルボキサミド;
トランス−N−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボキサミド;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素;
トランス−1−{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3−エチル−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2−メトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(3−メトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−アリル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2−エトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−アダマンタン−1−イル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(4−メチルスルファニル−フェニル)−尿素;
トランス−1−ビフェニル−2−イル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−2−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−ウレイド]−3−メチル−酪酸メチルエステル;
トランス−2−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−ウレイド]−安息香酸メチルエステル;
トランス−1−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−シクロヘキシル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−プロピル−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−フェニル−チオ尿素;
トランス−1−アダマンタン−1−イル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−エトキシカルボニル−チオ尿素;
トランス−1−tert−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−ベンジル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2−メトキシ−フェニル)−チオ尿素;
トランス−1−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−プロピル−チオ尿素;
トランス−1−ベンゾイル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオウレイド]−酢酸エチルエステル;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−エチル−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−ナフタレン−1−イル−チオ尿素;
トランス−1−tert−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−フェニル−尿素;
トランス−1−ベンジル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−ウレイド]−酢酸エチルエステル;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2−メトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(3−メトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−アリル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2−エトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−アダマンタン−1−イル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(4−メチルチオ−フェニル)−尿素;
トランス−1−ビフェニル−2−イル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−2−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−ウレイド]−3−メチル−酪酸メチルエステル;
トランス−2−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−ウレイド]−安息香酸メチルエステル;
トランス−1−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−1−シクロヘキシル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−フェニル−チオ尿素;
トランス−1−アダマンタン−1−イル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−エトキシカルボニル−チオ尿素;
トランス−1−tert−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−ベンジル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(2−メトキシ−フェニル)−チオ尿素;
トランス−1−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−プロピル−チオ尿素;
トランス−1−ベンゾイル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオ尿素;
トランス−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−チオウレイド]−酢酸エチルエステル;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−エチル−チオ尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−ナフタレン−1−イル−チオ尿素;
トランス−1−tert−ブチル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−フェニル−尿素;
トランス−1−ベンジル−3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−尿素;
トランス−1−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−尿素;
トランス−[3−(4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−ウレイド]−酢酸エチルエステル;
から選択される化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物。
【請求項6】
以下の式(I):
【化2】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物の製造方法であって、
a)式(II):
【化3】

(式中、R1、R2およびXは式(I)に関して上記されたのと同様である)
の(チオ)カルバモイルクロリドと、式(III):
【化4】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
b)式(IV):
【化5】

(式中、R1およびXの意味は、式(I)に関して上記されたものと同様である)
のイソ(チオ)シアネートと、式(III):
【化6】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
c)式(III)のアミンをイソ(チオ)シアネート誘導体にin situで変換し、後者を式(V):
【化7】

(式中、R1およびR2は式(I)に関して上記されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体と反応させ、そして
方法a)〜c)のいずれかにより得られる一化合物(I)(ここで、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)を式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは化合物(I)に関して上記されたのと同様である)の異なる化合物に相互変換し;
適切な場合には、慣用方法により、式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)の化合物のエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー、および/またはシス−および/またはトランス−異性体、またはそれへの中間体を分離し;
そして任意にその後、塩および/または水和物および/または溶媒和物を生成する
ことを含む前記方法。
【請求項7】
以下の:一般式(I):
【化8】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
直鎖または分枝鎖を有し、そして1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリールまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換されるC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和の任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1〜3つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
一、二または三環式アリール、好ましくはフェニルまたはナフチル(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、あるいは
アロイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物を製造するための請求項6記載の方法であって、
a)式(II):
【化9】

(式中、R1、R2およびXは式(I)に関して上記されたのと同様である)
の(チオ)カルバモイルクロリドと、式(III):
【化10】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
b)式(IV):
【化11】

(式中、R1およびXの意味は、式(I)に関して上記されたものと同様である)
のイソ(チオ)シアネートと、式(III):
【化12】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
c)式(III)のアミンをイソ(チオ)シアネート誘導体にin situで変換し、そして後者を式(V):
【化13】

(式中、R1およびR2は式(I)に関して上記されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体と反応させ、そして
方法a)〜c)のいずれかにより得られる一化合物(I)(ここで、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)を式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは化合物(I)に関して上記されたのと同様である)の異なる化合物に相互変換し;
適切な場合には、慣用方法により、式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)の化合物のエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー、および/またはシス−および/またはトランス−異性体、またはそれへの中間体を分離し;
そして任意にその後、塩および/または水和物および/または溶媒和物を生成する
ことを含む前記方法。
【請求項8】
以下の一般式(I):
【化14】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
直鎖または分枝鎖を有し、そして1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、フェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換されるC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これはC1-6アルキルまたはヒドロキシ置換単環式環により任意に不飽和され、これはOまたはNから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
フェニルまたはナフチル基(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
シクロヘキシルまたはアダマンチル基、あるいは
ベンゾイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物を製造するための請求項6または7記載の方法であって、
a)式(II):
【化15】

(式中、R1、R2およびXは式(I)に関して上記されたのと同様である)
の(チオ)カルバモイルクロリドと、式(III):
【化16】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
b)式(IV):
【化17】

(式中、R1およびXの意味は、式(I)に関して上記されたものと同様である)
のイソ(チオ)シアネートと、式(III):
【化18】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
c)式(III)のアミンをイソ(チオ)シアネート誘導体にin situで変換し、そして後者を式(V):
【化19】

(式中、R1およびR2は式(I)に関して上記されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体と反応させ、そして
方法a)〜c)のいずれかにより得られる一化合物(I)(ここで、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)を式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは化合物(I)に関して上記されたのと同様である)の異なる化合物に相互変換し;
適切な場合には、慣用的方法により、式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)の化合物のエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー、および/またはシス−および/またはトランス−異性体、またはそれへの中間体を分離し;
そして任意にその後、塩および/または水和物および/または溶媒和物を生成する
ことを含む前記方法。
【請求項9】
以下の一般式(I):
【化20】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニルまたはフェニルで任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、C1-6アルキルまたはヒドロキシ置換ピロリジンにより任意に、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリン環状を形成する);
アリル;
1つまたは複数のC1-6アルコキシ、シアノまたはC1-6アルカノイルで任意に置換されるフェニル;
シクロヘキシル
を表し;
Xは酸素またはイオウを表し;
nは1である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物を製造するための請求項6または7記載の方法であって、
a)式(II):
【化21】

(式中、R1、R2およびXは式(I)に関して上記されたのと同様である)
の(チオ)カルバモイルクロリドと、式(III):
【化22】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
b)式(IV):
【化23】

(式中、R1およびXの意味は、式(I)に関して上記されたものと同様である)
のイソ(チオ)シアネートと、式(III):
【化24】

(式中、nの意味は式(I)に関して記載されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体との間にアミド結合を形成することによる、あるいは
c)式(III)のアミンをイソ(チオ)シアネート誘導体にin situで変換し、そして後者を式(V):
【化25】

(式中、R1およびR2は式(I)に関して上記されたのと同様である)
のアミンまたはその誘導体と反応させ、そして
方法a)〜c)のいずれかにより得られる一化合物(I)(ここで、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)を式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは化合物(I)に関して上記されたのと同様である)の異なる化合物に相互変換し;
適切な場合には、慣用的方法により、式(I)(式中、R1、R2、Xおよびnは式(I)に関して上記されたのと同様である)の化合物のエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー、および/またはシス−および/またはトランス−異性体、またはそれへの中間体を分離し;
そして任意にその後、塩および/または水和物および/または溶媒和物を生成する
ことを含む前記方法。
【請求項10】
以下の式(III):
【化26】

(式中、nは2である)
のアミン、および/またはその保護化形態、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物。
【請求項11】
以下の式(I):
【化27】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物、ならびにそのための生理学的に許容可能な担体(単数または複数)を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の以下の式(I):
【化28】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリールまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和の任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1〜3つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
一、二または三環式アリール(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、あるいは
アロイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物、ならびにそのための生理学的に許容可能な担体(単数または複数)を含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項11または12に記載の以下の式(I):
【化29】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、フェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これはC1-6アルキルまたはヒドロキシ置換単環式環により任意に不飽和され、これはOまたはNから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
フェニルまたはナフチル基(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
シクロヘキシルまたはアダマンチル基、あるいは
ベンゾイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物、ならびにそのための生理学的に許容可能な担体(単数または複数)を含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか1項に記載の以下の式(I):
【化30】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1-6アルコキシカルボニルまたはフェニルで任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、C1-6アルキルまたはヒドロキシ置換ピロリジンにより任意に、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリン環状を形成する);
アリル;
1つまたは複数のC1-6アルコキシ、シアノまたはC1-6アルカノイルで任意に置換されるフェニル;
シクロヘキシル
を表し;
Xは酸素またはイオウを表し;
nは1である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物、ならびにそのための生理学的に許容可能な担体(単数または複数)を含む医薬組成物。
【請求項15】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防のための医薬の製造における、以下の式(I):
【化31】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の使用。
【請求項16】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項15に記載の以下の式(I):
【化32】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリールまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和の任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1〜3つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
一、二または三環式アリール(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、あるいは
アロイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の使用。
【請求項17】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項15または16に記載される以下の式(I):
【化33】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、フェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これはC1-6アルキルまたはヒドロキシ置換単環式環により任意に不飽和され、これはOまたはNから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
フェニルまたはナフチル基(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
シクロヘキシルまたはアダマンチル基、あるいは
ベンゾイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の使用。
【請求項18】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項15〜17のいずれか1項に記載の式(I):
【化34】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1-6アルコキシカルボニルまたはフェニルで任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、C1-6アルキルまたはヒドロキシ置換ピロリジンにより任意に、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリン環状を形成する);
アリル;
1つまたは複数のC1-6アルコキシ、シアノまたはC1-6アルカノイルで任意に置換されるフェニル;
シクロヘキシル
を表し;
Xは酸素またはイオウを表し;
nは1である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物の使用。
【請求項19】
ドーパミン受容体がドーパミンD3および/またはD2受容体である、請求項15〜18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調整を要する症状の治療および/または予防の方法であって、有効量の以下の式(I):
【化35】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アロイルから選択される置換基を表し、あるいはR1およびR2は隣接窒素原子とともに複素環を形成し得るし;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を当該症状の治療および/または予防を必要とする被験者に投与することを含む前記方法。
【請求項21】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防の方法であって、請求項20に記載の有効量の以下の式(I):
【化36】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、アリールまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これは飽和または不飽和の任意置換単環式または二環式環であり、これはO、NまたはSから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1〜3つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
一、二または三環式アリール(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
任意置換一、二または三環式シクロアルキル基、あるいは
アロイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を当該症状の治療および/または予防を必要とする被験者に投与することを含む前記方法。
【請求項22】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防の方法であって、請求項20または21に記載の有効量の以下の式(I):
【化37】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1つまたは複数のC1-6アルコキシカルボニル、フェニルまたは(C1-6アルコキシカルボニル)−C1-6アルキル基で任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、隣接窒素原子とともに複素環を形成し、これはC1-6アルキルまたはヒドロキシ置換単環式環により任意に不飽和され、これはOまたはNから選択される異種原子をさらに含有し)、または
1つの二重結合を有するC2-7アルケニル、または
フェニルまたはナフチル基(1つまたは複数のC1-6アルコキシ、トリフルオロC1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルカノイル、アリール、C1-6アルキルチオ、ハロゲンまたはシアノで任意に置換される)、あるいは
シクロヘキシルまたはアダマンチル基、あるいは
ベンゾイル基
を表し;
Xは酸素またはイオウ原子を表し;
nは1〜2の整数である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を当該症状の治療および/または予防を必要とする被験者に投与することを含む前記方法。
【請求項23】
ドーパミン受容体(単数または複数)の調節を要する症状の治療および/または予防の方法であって、請求項20〜22のいずれか1項に記載の有効量の以下の式(I):
【化38】

(式中、R1およびR2は、独立して、
水素、または
1-6アルコキシカルボニルまたはフェニルで任意に置換される直鎖または分枝鎖を有するC1-6アルキルを表し、(あるいはR1およびR2は、C1-6アルキルまたはヒドロキシ置換ピロリジンにより任意に、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリン環状を形成する);
アリル;
1つまたは複数のC1-6アルコキシ、シアノまたはC1-6アルカノイルで任意に置換されるフェニル;
シクロヘキシル
を表し;
Xは酸素またはイオウを表し;
nは1である)
の化合物、および/またはその幾何異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または生理学的に許容可能な塩および/または水和物および/または溶媒和物を当該症状の治療および/または予防を必要とする被験者に投与することを含む前記方法。
【請求項24】
ドーパミン受容体がドーパミンD3および/またはD2受容体である、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−501215(P2007−501215A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522421(P2006−522421)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/HU2004/000056
【国際公開番号】WO2005/012266
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(591279401)
【氏名又は名称原語表記】RICHTER GEDEON VEGYESZETI GYAR RT
【Fターム(参考)】