説明

EDG−1拮抗剤として使用するためのイミダゾール誘導体

本発明は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩に関し、この化合物は、Edg−1抑制活性を有するため、抗がん活性に有用であり、人体または動物体の治療法において有用である。また、本発明は、上記化合物の製造方法、上記化合物を含む医薬組成物、ヒトなどの温血動物において抗がん作用を生じさせるための医薬品の製造における上記化合物の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
EDG(内皮分化遺伝子:endothelial differentiation gene)受容体は、脂質活性Gたんぱく質二量体受容体に密接に関連したファミリーに属する。EDG−1、EDG−3、EDG−5、EDG−6、およびEDG−8は、S1P1、S1P3、S1P2、S1P4、およびS1P5としても知られており、スフィンゴシン−1−ホスフェート(SIP)に特異的な受容体とされている。EDG−2、EDG−4、およびEDG−7は、それぞれLPA1、LPA2、およびLPA3としても知られており、リソホスファチジン酸(LPA)に特異的な受容体である。SIP受容体のイソタイプの中でも、EDG−1、EDG−3、EDG−5は多様な組織に広く発現しいるが、EDG−6の発現はリンパ系の組織や、血小板に、EDG−8の発現は中枢神経系におおむね限定されている。
【0002】
EDG受容体は、シグナル伝達に関与しており、細胞の成長、増殖、維持、移動、分化、可塑性およびアポトーシスを始めとする細胞作用において重要な役割を担っていると考えられている。あるEDG受容体は、デノボまたは無秩序な血管形成により介在される疾患と関連しており、かかる疾患は、例えば、眼の血管新生によって引き起こされる疾患(特に網膜症(糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症))、乾癬による疾患、「イチゴ状血管腫」などの血管芽腫による疾患、、様々な炎症性疾患(関節炎(特に関節リウマチ)、動脈アテローム性硬化症および移植後に起こるアテローム性硬化症、子宮内膜症または慢性ぜんそく)、および腫瘍性疾患である。また、EDG受容体は、様々な炎症性疾患(関節炎(特に関節リウマチ)、動脈のアテローム性硬化症および移植後に起こるアテローム性硬化症、子宮内膜症または慢性ぜんそくなど)、特に腫瘍性疾患、または、リンパ球相互作用による疾患(例えば移植時拒絶反応、自己免疫疾患、炎症性疾患、感染性疾患、癌など)にも関連している。EDG受容体活性における変化は、上記疾患における病状および/または症状の一因となる。したがって、EDG受容体活性を変化させる分子自体が、このような疾患の治療における治療薬として有用である。
【0003】
発明の要約
本発明に従って、出願人は、Edg−1拮抗剤である新規化合物を本明細書中に開示する。本発明の化合物により、多様な血管新生関連疾患を治療する方法が提供され、かかる血管新生関連疾患は、異常、有害または病的な血管新生(例えば、腫瘍関連血管新生)のいずれの特徴を有してもよい。本明細書中に記載の化合物は、Edg−1拮抗によって単独もしくは部分的に媒介された抗がん効果を生じさせるために使用されてもよい。このような本発明の化合物は、血管新生関連疾患における広い範囲の活性を有することが期待され、この血管新生関連疾患には、これに限定されないが、白血病、多発性骨髄腫、血液性悪性腫瘍、リンパ腫などの非固形癌だけでなく、メラノーマ、非小細胞肺癌、グリオーム、肝細胞性癌、神経膠芽細胞腫、甲状腺癌、胆管癌、骨癌、胃癌、脳/中枢神経系癌、頭部および頸部癌、肝臓癌、腹部癌、前立腺癌、乳癌、腎臓(renal)癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、子宮頸管癌、肺癌、筋組織癌、神経細胞癌、食道癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、外陰癌、子宮内膜癌、腎臓(kidney)癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胸/腹膜癌、唾液腺癌、および類表皮の腫瘍などの固形癌およびその転移が含まれる。したがって、本発明の化合物は、抗血管新生(抗がんなど)活性に有効であり、またその結果、人体または動物体の治療法においても有用である。
【0004】
また、本発明は、上記化合物の製造方法、上記化合物を含んでなる医薬組成物、および、ヒトなどの温血動物において、抗癌作用(例えば抗増殖効果など)を生じさせるために有用な医薬品の製造における上記化合物の使用に関連する。
【0005】
本発明は、上記化合物の医薬的に許容される塩を包含する。また、出願人は、本発明に従って、がんの治療における該化合物の使用法と医薬組成物を提供する。
発明の詳細な説明
したがって、本発明により、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩が提供される:
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、
AとBは、それぞれ独立して、窒素またはCRであるが、AとBが双方とも窒素ではなく、
は、それぞれの出現時に、水素、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”であり、ここでR’およびR”は、それぞれの出現時にそれぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、X−R、−COH、−SONHRであり、
は、アリール、ヘテロアリール、(C−C)アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアラルキルであり、
とR2’は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキルであるか、または、結合する炭素と一緒になってC=Oを形成し、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヘテロアラルキル、またはX−Rであり、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヘテロアラルキル、またはX−Rであり、
Xは、硫黄、酸素、またはNRであり、
は、水素、または(C−C)アルキルであり、
は、水素、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、アシル、アシロキシ、アシルアミノ、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル、またはシアノであり、そして
、R、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、または(C−C)アルコキシにより炭素上で置換されていてもよく、ここでR’とR”は、それぞれ独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、またはアリールである]。
【0008】
本発明は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩も対象であり、式中、
AとBは、それぞれ独立して、窒素またはCRであるが、AとBが双方とも窒素ではなく、
は、それぞれの出現時に独立して、水素、(C−C)アルキル、C(O)−(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”、CO(C−C)アルキルであり、
は、それぞれの出現時に、水素、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”であり、ここでR’およびR”は、それぞれの出現時にそれぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、X−R、−COH、−SONHRであり、
は、置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、(C−C)アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアラルキルであり、
とR2’は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキルであるか、または、結合する炭素と一緒になってC=Oを形成し、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヘテロアラルキル、またはX−Rであり、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヘテロアラルキル、またはX−Rであり、
Xは、硫黄、酸素、またはNRであり、
は、水素、または(C−C)アルキルであり、
は、水素、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、アシル、アシロキシ、アシルアミノ、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル、またはシアノであり、そして
、R、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、または(C−C)アルコキシにより炭素上で置換されていてもよく、ここでR’とR”は、それぞれ独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、またはアリールである。
【0009】
本発明は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩にも関する:
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、
Rは、水素、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)−(C−C)アルキル、CO(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”であり、ここでR’およびR”は、それぞれの出現時にそれぞれ独立して、水素または(C−C)アルキルまたはX−R:−COH、−SONHRであり、
、R、R、およびRは、式Iの化合物に関して定義されたとおりである]。
【0012】
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲において、以下の用語は以下の意味を有する。
定義
「アルキル」は、1から6個の炭素原子からなる一価の直鎖飽和炭化水素基、または、1から6個の炭素原子からなる一価の分岐飽和炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ペンチルなどである。
【0013】
「アルキレン」は、1から6個の炭素原子からなる二価の直鎖飽和炭化水素基、または1から6個の炭素原子からなる二価の分岐飽和炭化水素基を意味し、例えばメチレン、エチレン、プロプレン、2−メチルプロピレン、ペンチレンなどである。
【0014】
「アルケニル」は、少なくとも1の2重結合を有する、1から6個の炭素原子からなる一価の直鎖炭化水素基、または1から6個の炭素原子からなる一価の分岐炭化水素基を意味し、例えばエチニル、プロペニルなどである。
【0015】
「アルキニル」は、1以上の炭素−炭素3重結合を有するアルキル基を意味し、例えばエチニルである。
「シクロアルキル」は、3から6環炭素からなるの一価の飽和環状炭化水素基を意味し、例えばシクロプロピル、シクロヘキシルなどである。
【0016】
「アリール」は、6から10環原子の芳香族炭化水素基であって、一価の単環式または二員環式基を意味し、独立して1以上の置換基によって置換されていてもよく、好ましくは、以下から選択される、1、2または3の置換基で置換される:アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アシロキシ、アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、アシルアミノ、ヒドロキシアミノ、アミジノ、グアニジノ、シアノグアニジニル、ヒドラジノ、ヒドラジド、−OR(ここで、Rは水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル)、−S(O)R(ここでnは0から2の整数であり、Rは水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アミノ、1置換または2置換のアミノ)、―NRSOR’(ここでRは水素またはアルキル、R’はアルキル、アミノ、1置換または2置換のアミノ)、−C(O)R(ここでRは水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、または置換されていてもよいフェニル)、−COOR(ここでRは水素、アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル)、−(アルキレン)−COOR(ここでRは水素、アルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル)、メチレンジオキシ、1、2−エチレンジオキシ、−CONR’R”または−(アルキレン)CONR’R”(ここで、R’とR”は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルから独立して選択される)である。さらに具体的には、「アリール」という用語は、これ限定されないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、およびその誘導体を含む。
【0017】
「アラルキル」は、−R−Rであり、ここでRはRに結合し、かつRはアルキレン基であり、Rは上記したようなアリール基であって、例えばベンジル等である。
「複素環」または「複素環式」は、3から8の環原子からなる飽和または部分的に不飽和の環状基を意味し、1または2の環原子が、NH、上記したようなNR、O、SO、OR SOから選択されるヘテロ原子である。
【0018】
「ヘテロアリール」は、5または6の環原子の置換されていてもよい一価の単環式基を意味し、N、O、またはSから選択される1、2、または3の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである。へテロアリールという用語には、これに限定されないが、ピリジル、ピロリル、チオフェン、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、カルバゾリル、およびその誘導体が含まれる。
【0019】
「ヘテロアラルキル」は、−R−Rであり、ここでRはRに結合し、かつRはアルキレン基であり、かつRは上記したようなヘテロアリール基であって、例えばピリジン−3−イルメチル、3−(ベンゾフラン−2−イル)プロピルなどである。
【0020】
「置換されていてもよい」は、対象の官能基が、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、−OR(ここでRは水素またはアルキルである)、−NRR’(ここでRおよびR’は、それぞれが独立して水素またはアルキルである)、−COOR(ここでRは水素またはアルキルである)または−CONR’R”(ここでR’およびR”は、独立して水素またはアルキルから選択される)から選択されるか、または別段の定めにより選択される1、2または3の置換基により、独立して置換されてもよいことを意味する。
【0021】
本発明の化合物の好適な医薬的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性である本発明の化合物の酸付加塩、例えば無機酸または有機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、またはマレイン酸)との例えば酸付加塩である。さらに、十分に酸性である本発明の化合物の好適な医薬的に許容される塩は、アルカリ金属塩(例えばナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムまたはマグネシウム塩)、アンモニウム塩、または生理学的に許容されるカチオンをもたらす有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、またはtris−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩)である。
【0022】
式Iのいくつかの化合物は、不斉中心および/または幾何異性中心(E−およびZ−異性体)を有してもよく、Edg−1拮抗活性を有するこのような全ての光学ジアステレオマーや幾何異性体が本発明に包含されると理解すべきである。さらに本発明は、Edg−1拮抗活性を有する式Iの化合物の互変異性型すべてに関する。
【0023】
同様に、式Iのある化合物は、例えば水和物のような、溶媒和物としても非溶媒和物としても存在し得ることが理解される。本発明は、Edg−1拮抗活性を有するこのような溶媒和物全てを包含すると理解される。
【0024】
可変基の特定の意義は、以下の通りである。他に具体的に示さない限り、そのような意義は、本明細書の上記または下記に定める定義、特許請求の範囲、または態様で適切であるように用いられる。
【0025】
Aが窒素である。
Bが窒素である。
AがCRである。
【0026】
BがCRである。
AがCRであり、Rは水素である。
BがCRであり、Rは水素である。
【0027】
AがCRであり、Bが窒素である。
BがCRであり、Aが窒素である。
AがCHであり、Bが窒素である。
【0028】
BがCHであり、Aが窒素である。
がアリールであり、このアリールは、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、または(C−C)アルコキシにより炭素上で置換されていてもよく、ここでR’とR”は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、またはアリールである。
【0029】
がアリールであり、このアリールはハロにより置換されていてもよい。
がクロロフェニルである。
がp−クロロフェニルである。
【0030】
が水素である。
2’が水素である。
がアラルキルである。
【0031】
2’がアラルキルである。
がフェニルメチルである。
2’がフェニルメチルである。
【0032】
が(C−C)アルキルである。
がメチルである。
が(C−C)アルキルである。
【0033】
がメチルである。
別の態様においては、本発明は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩に関し、ここで、
Aは窒素であり、
BはCRであり、
は、水素、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”から選択され、ここでR’とR”は、それぞれの出現時にそれぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、X−R:−COH、−SONHRであり、
はアリールであり、ここでこのアリールは、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、または(C−C)アルコキシにより炭素上で置換されていてもよく、ここでR’とR”は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、またはアリールであり、
は、水素およびアラルキルから選択され、
2’は、水素およびアラルキルから選択され、
は(C−C)アルキルであり、そして
は(C−C)アルキルである。
【0034】
更なる態様においては、本発明は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩に関し、ここで、
Aは窒素であり、
BはCHであり、
はフェニルであり、ここでこのフェニルは、ハロにより炭素上で置換されていてもよく、
はアラルキルであり、
2’は水素であり、
は(C−C)アルキルであり、そして、
は(C−C)アルキルである。
【0035】
より更なる態様においては、本発明は、実施例1の化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
また、以下にスキーム1として要約した式Iの化合物の合成方法が提供される。
【0036】
本発明の別の側面によれば、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩(可変基は、特記しない限り、式Iで定義したとおりである)の合成方法が提供され、その方法は、以下を含んでなる:
a)式(1e)
【0037】
【化3】

【0038】
の化合物を、式(2)
【0039】
【化4】

【0040】
の化合物と反応させること、
そして、その後必要であれば、
i)式Iの化合物を別の式Iの化合物へ変換すること、
ii)いずれの保護基をはずすこと、
iii)医薬的に許容される塩を形成すること。
【0041】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、スキーム1に示すように合成できる。当業者なら認識できるように、本発明の化合物は、キラルな出発物質から合成でき、また、ラセミ合成の後にキラル分離して、エナンチオマーを単離することを経て合成することができる。
【0042】
【化5】

【0043】
製剤処方
本発明の化合物は、経口投与、非経口投与、口腔投与、膣内投与、直腸投与、吸入投与、注入投与、舌下投与、筋肉内投与、皮下投与、局所的投与、鼻腔内投与、腹腔内投与、胸郭内投与、静脈内投与、硬膜外投与、くも膜下投与、脳室内投与、および関節への注射により投与してよい。
【0044】
投与量は、投与の経路、疾患の重症度、患者の年齢および体重、具体的な患者に最適な個別の用法および投与量を決定する際に担当医が通常考慮する他の要因に依存するものである。
【0045】
本発明の化合物を感染症治療に使用する際の有効量は、特にヒトである温血動物の感染症の症状を症状に応じて取り除くため、感染症の進行を遅くするため、または、感染症の症状を有する患者における悪化のリスクを軽減するために十分な量である。
【0046】
本発明の化合物から医薬組成物を製造する場合、医薬的に許容される不活性な担体は、固体でも液体でもよい。固形製剤としては、散剤、錠剤、分散顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤、および坐剤が挙げられる。
【0047】
固形担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、または錠剤崩壊剤として作用してもよい1以上の物質でもよく、封入材料でもよい。
散剤の場合、担体は、微細化した固形物であり、微細化した有効成分と混合される。錠剤において、有効成分は、必要な結合特性を有する担体と好適な比率で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。
【0048】
坐剤組成物を製造する場合、脂肪酸グリセリドおよびとココア脂との混合物などの低温融解性ワックスをはじめに融かし、例えば撹拌することによって有効成分をそこに分散させる。次いで、融けた均質混合物を適当な大きさの型へ注ぎ込んで、そのまま冷やして固化させる。
【0049】
好適な担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、乳糖、糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低温融解性ワックス、ココア脂などが挙げられる。
【0050】
本発明の化合物は、様々な無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基との塩を形成してもよく、このような塩も、本発明の範囲内である。酸付加塩の例として、酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重炭酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、塩素塩、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、ジエチレンジアミン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、メグルミン塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ピクリン酸、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩(p−トルエンスルホン酸塩)、トリフルオロ酢酸塩、ウンデカン酸塩を含む。塩基塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム、リチウム、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(アルミニウム、カルシウム、マグネシウムなど)、有機塩基塩(ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン塩など)、アミノ酸塩(アルギニン、リジン、オルニチン、その他など)が挙げられる。また、塩基性の含窒素基は、以下のような薬剤で4級化してもよい:低級アルキルハライド(メチルハライド、エチルハライド、プロピルハライド、ブチルハライドなど)、ジアルキル硫酸(ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジブチル硫酸、ジアミル硫酸など)、長鎖ハライド(デシルハライド、ラウリルハライド、ミリスチルハライド、ステアリルハライドなど)、アラルキルハライド(ベンジルブロマイドなど)その他。非毒性の生理学的に許容される塩が好ましいが、生成物の単離時、精製時などに、他の塩も有用である。
【0051】
これらの塩は、通常の方法により形成させることができ、例えば、塩が不溶の溶媒もしくは媒体中、または水などの溶媒中で、生成物の遊離塩基型と1等量以上の適当な酸とを反応させ、溶媒などを減圧下または凍結乾燥で除去したり、存在する塩のアニオンと他のアニオンとを適当なイオン交換樹脂上で交換することにより除去する。
【0052】
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を、ヒトを含む哺乳類の治療(予防処置を含む)に使用するために、通常は、標準的な医薬的方法によって医薬組成物が処方される。
【0053】
また、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、本明細書で言及する1以上の疾患症状の治療に有用な1以上の薬剤を含有してもよく、また、本明細書で言及する1以上の疾患症状の治療に有用な1以上の薬剤と(同時にもしくは連続的に)併用してもよい。
【0054】
「組成物」という用語は、医薬的に許容される担体と、有効成分または医薬的に許容される塩との製剤を含むことができる。例えば、本発明は、当業者に知られている方法により、例えば、錠剤、カプセル剤、溶液剤(水性・油性)、懸濁液剤、乳剤、クリーム、軟膏、ジェル、鼻腔用スプレー、坐薬、微細化した粉末の形態、吸入剤用のエアロゾルまたは噴霧器、非経口使用(静脈内、筋肉内、点滴)、滅菌溶液剤(水性・油性)または滅菌懸濁液剤、滅菌乳剤として処方してもよい。
【0055】
液体型の組成物には、溶液剤、懸濁液剤、および乳剤が含まれる。非経口投与に適した液体調製物の例として、活性化合物の滅菌水または水−プロピレングリコール溶液剤が挙げられる。液体組成物は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液に製剤化してもよい。経口投与用の水溶液剤は、有効成分を水に溶かして、好適な着色剤、芳香剤、安定化剤、および濃化剤を所望により加えることによって製造することができる。経口使用のための水懸濁液剤は、微細化した有効成分を、天然合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどの粘着性物質、および医薬製剤分野に知られた他の懸濁剤と一緒に水に分散させることによって作製することができる。
【0056】
医薬組成物は、単位剤形でもよい。そのような形態では、有効成分の適正量を含有する単位用量へ組成物を分割する。単位剤形は、パッケージされた調製物でもよく、このパッケージは、個別量の調製物(例えば、パケット錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤)が収納され。単位剤形は、カプセル剤、カシェ剤、または錠剤そのものであってもよく、また、こういった任意の包装形態の適正数であってもよい。
【0057】
本明細書で式Iを使用する場合、式Ia、式Ib、式Icを使用してもよい。
また、本発明のさらなる側面において、式Iに記載の化合物、その医薬的に許容される塩、そのプロドラッグ、その溶媒和物が、医薬的に許容される担体または希釈剤、賦形剤と共に提供される。
【0058】
本発明に規定する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Edg−1拮抗作用に起因すると考えられる効果的な抗癌剤であることを、我々は見出した。本発明の化合物は、Edg−1により単独でまたは部分的に仲介される疾患または状態の治療に有用だと考えられる。つまり、これらの化合物を、このような治療を必要とするヒトなどの温血動物において、Edge−1拮抗作用を生じさせるために使用してもよい。
【0059】
また、このような治療を必要とする患者に、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩、そのプロドラッグ、またはその溶媒和物の投与することを含んでなる、Edg−1により仲介される疾患または状態の治療法が提供される。
【0060】
すなわち、本発明の化合物により、Edg−1拮抗作用を特徴とする癌の治療法が提供される。つまり、本化合物を、Edg−1拮抗作用により単独でまたは部分的に仲介された抗癌作用を発揮させるために使用してもよい。
【0061】
すなわち、本発明の化合物により、様々な血管新生関連疾患の治療方法が提供されるが、かかる疾患は、異常、有害または病的な血管新生(例えば、腫瘍関連血管新生)のいずれの特徴を有してもよい。本明細書中に記載の化合物は、Edg−1拮抗によって単独もしくは部分的に媒介される抗がん効果を発揮させるために使用してもよい。このような本発明の化合物は、血管新生関連疾患において広範な活性を有することが期待され、この疾患には、これに限定されないが、白血病、多発性骨髄腫、血液性悪性腫瘍、リンパ腫などの非固形癌だけでなく、メラノーマ、非小細胞肺癌、グリオーム、肝細胞性癌、神経膠芽細胞腫、甲状腺癌、胆管癌、骨癌、胃癌、脳/中枢神経系癌、頭部および頸部癌、肝臓癌、腹部癌、前立腺癌、乳癌、腎臓(renal)癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、子宮頸管癌、肺癌、筋組織癌、神経細胞癌、食道癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、外陰癌、子宮内膜癌、腎臓(kidney)癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胸/腹膜癌、唾液腺癌、および類表皮の腫瘍などの固形癌およびその転移が含まれる。すなわち、本発明のこの側面において、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩は、血管新生関連疾患における薬剤の製造に使用するために提供され、この疾患には、これに限定されないが、白血病、多発性骨髄腫、血液性悪性腫瘍、リンパ腫などの非固形癌だけでなく、メラノーマ、非小細胞肺癌、グリオーム、肝細胞性癌、神経膠芽細胞腫、甲状腺癌、胆管癌、骨癌、胃癌、脳/中枢神経系癌、頭部および頸部癌、肝臓癌、腹部癌、前立腺癌、乳癌、腎臓(renal)癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、子宮頸管癌、肺癌、筋組織癌、神経細胞癌、食道癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、外陰癌、子宮内膜癌、腎臓(kidney)癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胸/腹膜癌、唾液腺癌、および類表皮の腫瘍などの固形癌およびその転移が含まれる。
【0062】
本発明の他の態様は、血管新生関連疾患(白血病、多発性骨髄腫、血液性悪性腫瘍、リンパ腫などの非固形癌だけでなく、メラノーマ、非小細胞肺癌、グリオーム、肝細胞性癌、神経膠芽細胞腫、甲状腺癌、胆管癌、骨癌、胃癌、脳/中枢神経系癌、頭部および頸部癌、肝臓癌、腹部癌、前立腺癌、乳癌、腎臓(renal)癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、子宮頸管癌、肺癌、筋組織癌、神経細胞癌、食道癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、外陰癌、子宮内膜癌、腎臓(kidney)癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胸/腹膜癌、唾液腺癌、および類表皮の腫瘍などの固形癌およびその転移)の治療方法に関連し、この治療方法には、治療を必要とする温血動物に、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することが含まれる。
【0063】
また、過度の血管増殖は、非腫瘍性の多数の異常を引き起こすため、本発明の化合物が治療に有用であろう。これらの非腫瘍性の血管新生関連疾患としては、アテローム性硬化症、血管腫、血管内皮腫、血管繊維腫、血管奇形(例えば、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)、オスラー・ウェーバー症候群)、いぼ、化膿性肉芽腫、過剰発毛、カポジ肉腫、ケロイド瘢痕、アレルギー性浮腫、乾癬、機能不全性子宮出血、卵胞嚢胞、卵巣過刺激、子宮内膜症、呼吸窮迫症、腹水、透析患者の腹膜硬化、腹部手術による癒着形成、肥満、関節リウマチ、滑膜炎、骨髄炎、パンヌス増殖、骨棘、血友病性関節、炎症性・感染性疾患(例えば肝炎、肺炎、糸球体腎炎)、ぜんそく、鼻ポリープ、肝再生、肺高血圧症、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症、白質軟化症、血管新生緑内障、角膜移植血管新生、トラコーマ、甲状腺炎、甲状腺腫脹、リンパ増殖症候群が挙げられる。
【0064】
本発明のこの側面における更なる特徴は、ヒトなどの温血動物において、Edg−1拮抗作用を生じさせるための方法であって、このような治療を必要とする温血動物に対し、上記に定義された式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を有効量投与することを含む方法に関する。
【0065】
本発明のこの側面における更なる特徴は、ヒトなどの温血動物において、抗癌作用を生じさせるための方法に関するものであって、この方法は、治療を必要とする温血動物に、上記に定義された式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を有効量投与することを含む。
【0066】
本発明のこの側面における追加の特徴は、病的血管新生疾患、血栓症、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病、動脈硬化、腫瘍、骨粗しょう症、炎症、感染症を治療する方法を提供し、この方法は、このような治療を必要とする温血動物に、上記に定義した式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を有効量投与することを含む。
【0067】
本発明の更なる側面は、ヒトなどの温血動物においてEdg−1拮抗作用を生じさせるよう使用するための、上記に定義した医薬的に許容される希釈剤または担体と共に式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0068】
本発明の更なる側面は、ヒトなどの温血動物において抗癌作用を生じさせるよう使用するための、上記に定義した医薬的に許容される希釈剤または担体と共に式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0069】
本発明の更なる側面は、病的血管新生疾患、血栓症、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病、動脈硬化、腫瘍、骨粗しょう症、炎症、感染症の治療における使用のために、ヒトなどの温血動物において、上記に定義した医薬的に許容される希釈剤または担体と共に式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩を含んでなる、医薬組成物を提供する。
【0070】
また、病的血管新生疾患、血栓症、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病、動脈硬化、腫瘍、骨粗しょう症、炎症、感染症を制御するために有用である、式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩、そのプロドラッグ、その溶媒和物が提供される。
【0071】
組合せ
本明細書に定義する抗癌治療は、単独療法として用いることも、本発明の化合物に加えて、慣用的な外科手術、放射線療法、化学療法を含んでもよい。そのような化学療法は、以下の抗腫瘍剤カテゴリーの1以上を含んでよい。
【0072】
1.医科腫瘍学において使用される抗増殖/抗腫瘍薬とその組合せ。例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロソウレア類)、代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシルおよびテガフールのようなフルオロピリミジン類、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレアのような抗葉酸剤)、抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシンのようなアントラサイクリン類)、有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイド、タキソールおよびタキソテレのようなタキソイド類)、およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン)等。
【0073】
2.細胞増殖抑制剤。例えば、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーション(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRLアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、およびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン)、および5α−レダクターゼ阻害剤(フィナステリドなど)等。
【0074】
3.抗浸潤剤。例えば、メタロプロテイナーゼ阻害剤(マリマスタットなど)、ウロキナーゼプラスミノゲンアクチベータ受容体機能阻害剤。
4.増殖因子機能阻害剤。例えば、増殖因子抗体と増殖因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体のトラスツズマブ[Herceptin、商標]、抗erbB1抗体のセツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、表皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)、および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)のようなEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤)、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤など。
【0075】
5.抗血管新生剤。血管内皮増殖因子の効果を阻害するもの(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体のベバシズマブ[Avastin、商標]、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856、およびWO98/13354に開示されるような化合物)、また、他のメカニズムにより作用する化合物(例えば、リノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、およびアンジオスタチン)。
【0076】
6.血管傷害剤。例えば、コンブレタスタチンA4、および国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、およびWO02/08213に開示される化合物など。
【0077】
7.アンチセンス療法。例えば、上記に列挙した標的に関するもの(ISIS2503、抗rasアンチセンスなど)。
8.遺伝子治療アプローチ。例えば、異常p53または異常BRCA1若しくはBRCA2のような異常遺伝子を置換するアプローチ、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ(シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するもの)、および、化学療法または放射線療法への患者の耐容性を高めるアプローチ(多剤耐性遺伝子治療など)。
【0078】
9.免疫療法アプローチ。例えば、患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのex vivoおよびin vivoアプローチ(サイトカイン(インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子など)によるトランスフェクションなど)、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、トランスフェクトされた免疫細胞(サイトカインにトランスフェクトされた樹状細胞など)を使用するアプローチ、サイトカインにトランスフェクトされた腫瘍細胞系を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチが挙げられる。
【0079】
このような併用治療は、各成分を同時、連続、または分割して投与する方法により行われる。このような組合せ製品は、上記に記載された投与量の範囲で本発明の化合物を使用し、また、他の医薬的に有効な成分については、その承認された範囲の投与量で使用する。
【0080】
生物活性
下記のアッセイを使用し、本発明の化合物のEdg−1拮抗剤としての効果を測定する。
【0081】
(A)In Vitro セルベース受容体活性化アッセイ(蛍光アッセイ)
このセルベースアッセイは、S1P特異的リガンド存在下、低分子拮抗剤がGPCR S1P1活性の阻害力を評価するためにデザインされた。このアッセイは、Nrak Biosciences(Xsira Pharmaceutical)が当初開発し、Molecular Devicesが現在所有する技術を用いる。ヒト骨肉腫(U2OS)細胞株(EDG−1/S1P1受容体を過剰発現)および、β−アレスチン/緑色蛍光タンパク質(GFP)コンストラクト(以下、EDG−1蛍光 U2OS WT Clone #37と呼ぶ)を用いた。
【0082】
ハイコンテントスクリーニング(Cellomics Arrayscan)を用いて、S1PによるEDG−1の刺激に応じてβ−アレスチン GFP再局在化(relocalization)の評価により、受容体活性を測定した。具体的には、EDG−1蛍光 U2OS WT Clone#37細胞を、384ウェル・プラスチックボトム・マイクロタイター・プレート(BD Falcon)において、ウェルあたり6250セル/培地40μLの濃度で培養し、37℃/5% COでインキュベートした。スクリーニングの前に、化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、最終ストック濃度を10mMとした。Tecan Genesis装置を使用し、30%DMSO含有EDG−1 Transfluor細胞増殖培地中で、化合物を30Xの最終濃度に連続的に希釈した。その後、これら30Xのプレートを、EDG−1 Transfluor増殖培地により6X濃度まで、投与直前に希釈した。ウェルあたり10μLの6X希釈化合物または6%DMSOをセルへ投与し、室温下で15分間プレインキュベートした。セルプレートに、ウェルあたり10μLの6X S1P EDG−1 Transfluor増殖培養液を投与し、37℃/5% COで45分間インキュベートした。DMSOウェル中の最終濃度は1%、化合物は1X(3−fold,9point IC50希釈は、最終濃度100μMでスタート)、375nMまたは750nM S1Pリガンドのいずれかであった。その後、1X Dulbeccoリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)中、ウェルあたり50μLの5%ホルムアルデヒドを直接加え、暗条件で室温下30分間インキュベートし、セルプレートを調製した。固定剤を除去し、ウェルあたり50μLの1X DPBSで置換した後、最終濃度10μg/mLのHoechst33342(Molecular Probes)により、暗条件で室温下15分間染色した。次いで、BioTek ExL405プレートウォッシャーを使用して、プレートから染色剤を除去し、ウェルあたり50μLの1X DPBSで置換した。プレートをシールし、GPCRシグナルアルゴリズムを使用してCellomics Arrayscan上で分析した。その後、IDBS ActivityBaseソフトを使用して、EC50値を測定した。
【0083】
このアッセイにおいて、本発明の化合物は、100μM未満のEC50値を示す。(例えば、実施例1の化合物は2.12μMのEC50であった。
実施例
本発明を、下記の実施例により説明する。ここでは一般に、
(i)操作は、特記しない限り周囲温度、すなわち17〜25℃の温度で、窒素やアルゴンガスなどの不活性気体の下で実施した。
【0084】
(ii)通常、反応経過をTLCおよび/または分析用高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により追跡した。反応時間は必ずしも達成可能な最小値ではない。
(iii)必要に応じて、有機溶液を無水NaSO上で乾燥し、後処理操作を従来の層分離技術または自動リキッドハンドラー:ALLEXIS(MTM)で行い、蒸発操作を、減圧下のロータリーエバポレーションまたはGenevac HT4/EZ−2で行った。
【0085】
(iv)収量は必ずしも達成可能な最大値ではない。より多量の反応生成物が必要な場合、必要に応じて、反応を繰り返した。
(v)通常、式Iの最終生成物の構造は、NMRおよび/または質量スペクトル法により確認した。エレクトロスプレー質量スペクトルデータは、Waters ZMDまたはWaters ZQ LC/massスペクトロメータを使用し、陽および陰の両イオンのデータを得たが、通常、親構造に関連するイオンのみ報告した。プロトンNMRのケミカルシフト値は、300MHzの磁場強度で作動するBruker Spectrospin DRX−300分光計、400MHzで作動するBruker Dpx400または500MHzで作動するBruker Advanceを使用して測定した。次の略語を使用した:s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br、ブロード。
【0086】
(vi)別途記載しない限り、不斉置換した炭素および/または硫黄原子を含む化合物を解明しなかった。
(vii)各中間体は必ずしも完全に精製した訳ではないが、これらの構造と純度はTLC、分析HPLC、赤外分光法(IR)および/またはNMR分析により評価した。
【0087】
(viii)カラムクロマトグラフィー(フラッシュ法による)および中圧液体クロマトフィー(MPLC)は、他に述べなければ、Merck Kieselgelシリカ(Art.9385)で実施した。
【0088】
(ix)分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、C18逆相シリカ(例えば、Waters社分取用逆相カラムXterra(シリカ:5ミクロン、内径:19mm、長さ:100mm))上で、徐々に極性が減少する混合液(例えば、1%酢酸または1%水酸化アンモニウム(d=0.88)含有する水とアセトニトリルとの徐々に極性が減少する混合液)を溶離液として使用して実施した。
【0089】
(x)下記の分析用HPLCでは、通常、逆相シリカを使用し、流速は1ml/分、検出はMSおよび波長254nmにおけるUV吸収によった。それぞれの条件として、溶媒Aは水、溶媒Bにはアセトニトリル、また下記のカラムおよび混合溶媒を使用した。
【0090】
分取用HPLCは、C18逆相シリカ(Phenominex社分取用逆相カラムGemini(シリカ:5ミクロン、110A、内径:21.1mm、長さ:100mm))上で、徐々に極性が減少する混合液(例えば、0.1%ギ酸または0.1%アンモニア(d=0.88)を含有する水とアセトニトリルとの徐々に極性が減少する混合液)を溶離液として使用し実施した。それぞれの条件として、溶媒Aは水、溶媒Bにはアセトニトリル、また下記の分取HPLC条件のいずれかを使用した。
・条件A:9.5分以上の溶媒勾配、25mls/min、各混合溶媒AおよびBの比が85:15から5:95へ
・条件B: 9.5分以上の溶媒勾配、25mls/min、各混合溶媒AおよびBの比が60:40から5:95へ
(xi)例えば1塩酸塩または2塩酸塩などの酸付加塩が得られ、塩の化学量論量は、該化合物の塩基性基の数と性質に基づいて定めた。通常、塩の正確な化学量論量は、例えば元素分析などを用いて測定しなかった。
【0091】
(xii)以下の略語を使用した。
・DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
・THF:テトラヒドロフラン
・DCM:ジクロロメタン
実験
実施例1:4−クロロ−N−[1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]ベンゼンスルホンアミド
1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−カルボアルデヒド:
【0092】
【化6】

【0093】
2−ブロモ−1,5−ジメチル−1H−イミダゾール(500mg,2.8ミリモル)のTHF(14ml)溶液へ、−78℃でt−ブチルリチウム(3.36ml,1.7Mヘキサン溶液)を加えた。この反応物をこの温度で45分撹拌し、DMF(1.10ml,14.3ミリモル)を加えた。得られた溶液に水を加え反応を終結させ、クロロホルム(2x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させて濃縮し、粗生成物を黄色の固形物として得て、これを次のステップで直接使用した。M/Z=124。
【0094】
N−[(1E)−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド:
【0095】
【化7】

【0096】
1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−カルボアルデヒド(上記合成分)のTHF溶液を、2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(518mg、4.28ミリモル)およびチタニウムエトキシドで処理した。得られた溶液を48時間室温で攪拌した。この反応混合物を、食塩水(20ml)にゆっくり注ぎ、クロロホルム(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させて、濃縮し、粗生成物を黄色の固形物として得て、これを次のステップで直接使用した。M/Z=227。
【0097】
N−[1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド:
【0098】
【化8】

【0099】
N−[(1E)−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(上記合成分)のDCM溶液を、−78℃でベンジルマグネシウムクロライド(5.2ml、10.4ミリモル)で処理した。得られた溶液を一晩攪拌し、ゆっくり室温まで加温した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(20ml)にゆっくり注ぎ、DCM(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させて濃縮し、粗生成物を黄色の固形物として得て、次のステップで直接使用した。M/Z=319。
【0100】
1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエタンアミン:
【0101】
【化9】

【0102】
N−[1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(上記合成分)のメタノール(6ml)溶液を、塩酸(6ml、4M)で処理した。得られた溶液を一晩攪拌した。この反応混合物を濃縮し、粘性の高いのり状の粗生成物を生成した。この物質にメタノール/ジエチルエーテル溶媒(V/V=1:3、約10ml)を加えた。目的化合物は溶液中で白色固体として沈殿した。M/Z=215。
【0103】
4−クロロ−N−[1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]ベンゼンスルホンアミド:
【0104】
【化10】

【0105】
1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエタンアミン(70mg、0.28mmol)のTHF(2ml)溶液を、4−クロロベンゼンスルホニルクロライド(51.2mg、0.28ミリモル)で処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、高粘土ののり状粗生成物を生成させ、逆相HPLCで精製することによって標記の目的化合物である4−クロロ−N−[1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]ベンゼンスルホンアミド(45mg)を生成した。M/Z=389。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.56 (2H, δ), 7.40 (2H, d), 7.10 (4H, m), 6.93 (2H, m), 4.8 (1H, m), 3.42 (3H, s), 3.15 (2H, m), 2.11 (3H, s)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩:
【化1】

[式中:
AとBは、それぞれ独立して、窒素またはCRであるが、AとBが双方とも窒素ではなく、
は、それぞれの出現時に独立して、水素、(C−C)アルキル、C(O)−(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”、CO(C−C)アルキルであり、
は、それぞれの出現時に、水素、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”であり、ここでR’およびR”は、それぞれの出現時にそれぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、X−R、−COH、−SONHRであり、
は、アリール、ヘテロアリール、(C−C)アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアラルキルであり、
とR2’は、それぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキルであるか、または、結合する炭素と一緒になってC=Oを形成し、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヘテロアラルキル、またはX−Rであり、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヘテロアラルキル、またはX−Rであり、
Xは、硫黄、酸素、またはNRであり、
は、水素、または(C−C)アルキルであり、
は、水素、(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、アシル、アシロキシ、アシルアミノ、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル、アルキニルよりそれぞれ存在し、ここでR’およびR”は、水素、(C−C)アルキル、またはシアノであり、そして
、R、R、R、R、R、およびRそれぞれは、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、または(C−C)アルコキシにより炭素上で置換されていてもよく、ここでR’とR”は、それぞれ独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、またはアリールである]。
【請求項2】
Aが窒素である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
がハロにより置換されてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Aが窒素であり、
BがCRであり、
が、水素、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、C(O)−NR’R”から選択され、ここでR’とR”は、それぞれの出現時にそれぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、X−R:−COH、−SONHRであり、
がアリールであり、ここでこのアリールは、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、または(C−C)アルコキシにより炭素上で置換されていてもよく、ここでR’とR”は、それぞれ独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、またはアリールであり、
が、水素、およびアラルキルから選択され、
2’が、水素、およびアラルキルから選択され、
が(C−C)アルキルであり、そして
が(C−C)アルキルである、
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
4−クロロ−N−[1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フェニルエチル]ベンゼンスルホンアミドである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体、希釈剤、または添加剤と共に含んでなる、医薬組成物。
【請求項7】
医薬品としての使用のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
ヒトなどの温血動物においてEdg−1拮抗作用を生じさせるための医薬品の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項9】
ヒトなどの温血動物において抗癌作用を生じさせるための医薬品の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項10】
血管新生に関する疾患の治療に使用するための医薬品の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用であって、
前記血管新生に関する疾患には、これに限定されないが、白血病、多発性骨髄腫、血液性悪性腫瘍、リンパ腫などの非固形癌だけでなく、メラノーマ、非小細胞肺癌、グリオーム、肝細胞性癌、神経膠芽細胞腫、甲状腺癌、胆管癌、骨癌、胃癌、脳/中枢神経系癌、頭部および頸部癌、肝臓癌、腹部癌、前立腺癌、乳癌、腎臓(renal)癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、子宮頸管癌、肺癌、筋組織癌、神経細胞癌、食道癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、外陰癌、子宮内膜癌、腎臓(kidney)癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胸/腹膜癌、唾液腺癌、および類表皮の腫瘍などの固形癌およびその転移が含まれる、上記使用。
【請求項11】
ヒトなどの温血動物においてEdg−1拮抗作用を生じさせる方法であって、該動物に有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項12】
ヒトなどの温血動物において抗癌作用を生じさせる方法であって、該動物に有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項13】
非固形癌、固形癌およびその転移、非小細胞肺癌、グリオーム、肝細胞(肝臓)癌、神経膠芽細胞腫、甲状腺癌、胆管癌、骨癌、胃癌、脳/中枢神経系癌、頭部および頸部癌、肝臓癌、腹部癌、前立腺癌、胸部癌、腎臓(renal)癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、子宮頸管癌、肺癌、筋組織癌、神経細胞癌、食道癌、膀胱癌、肺癌、子宮癌、外陰癌、子宮内膜癌、腎臓(kidney)癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胸/腹膜癌、唾液腺癌、および類表皮の腫瘍を含む、血管新生関連疾患を処置する方法であって、
その処置を必要とする温血動物において、該動物に有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項14】
ヒトなどの温血動物においてEdg−1拮抗作用を生じさせるための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体、希釈剤、または添加剤と共に含んでなる、医薬組成物。
【請求項15】
ヒトなどの温血動物において抗癌作用を生じさせるための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体、希釈剤、または添加剤と共に含んでなる、医薬組成物。

【公表番号】特表2009−534366(P2009−534366A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505961(P2009−505961)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001447
【国際公開番号】WO2007/122401
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】