説明

EHDエアゾール分配装置および噴霧方法

特に芳香エアゾールであるエアゾールを送達するための方法において、EHD微粉砕部位を備える毛管ウィック(34)を、液体供給源(29)と接触させるステップであって、液体の少なくとも一部が、EHD微粉砕部位へと移動するステップと、液体供給源(29)から離隔されたEHD微粉砕部位付近の位置にて、毛管ウィック(34)内の液体に電圧を印加するステップと、EHD微粉砕部位の外部の位置にて接地基準(26)を印加するステップであって、液体の少なくとも一部が、EHD微粉砕されてほぼばらつきのない流量を有する噴霧を形成するステップとを含む方法、およびそのための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、以下の「High Voltage Apparatus for Aerosol Delivery」という名称の米国特許仮出願第652,059号明細書、「Apparatus for Aerosol Delivery Using Capillary Pumping from a Reservoir」という名称の米国特許仮出願第652,060号明細書、「Apparatus for Aerosol Delivery Using Capillary Pumping」という名称の米国特許仮出願第652,064号明細書、「Capillary Tip Geometries」という名称の米国特許仮出願第652,057号明細書、および「Capillary Wick Aerosol Candle」という名称の米国特許仮出願第652,067号明細書の優先権を主張する。これらの内容はそれぞれ、本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本発明は、迅速かつばらつきのない気化を促進するやり方でエアゾール噴霧を分配するための、装置および方法に関する。特に本発明は、芳香の分配に関する。
【背景技術】
【0003】
芳香または嗅覚刺激物を、分配しまたは分散させるための、様々な技術が知られている。たとえば、芳香油は、蒸発面に熱を加えることによって分散されることが多い。しかしながら、熱は、分配される芳香に不利な影響を与えることがある。また、芳香分配装置が、芳香燭を含む場合、芳香を運ぶ蒸気が、燭の炎の中で変性または酸化され、香気の本来のまたは「自然な」品質を低減することが多い。別の芳香分配装置は、噴射剤またはエアゾールの使用に依拠して、分散を可能にする。しかしながら、そのような噴射剤およびエアゾールもまた、分配される芳香に不利な影響を及ぼすことがある。
【0004】
上記説明した従来の芳香送達装置では、噴霧される材料の送達をばらつきなくかつ正確に制御することが、困難である。たとえば、蒸発を生じる熱の使用によって動作する、芳香燭または別の芳香送達装置の場合、燭が吹き消され、または装置のスイッチが切られた後に、ある程度の蒸発が続く。さらに、そのような装置は、装置が作動されている限り、単一の芳香を継続的に発生する。これによって、嗅覚の飽和が生じ、知覚される香気が減少する。また、エアゾール缶およびポンプ噴霧器は、大きな液滴を生み出すことがあり、大きな液滴は、十分に気化されず、重力下で急速に落下し沈降する傾向にあり、また、時間と共に劣化することがある継続的なまたは長く残る芳香をもたらす。固形蒸発装置など別の装置は、時間が経過すると芳香送達速度が低下する。
【0005】
Peltierの特許文献1には、ウィック様の多孔質エミッタに直流電圧を印加することによる、蒸気および/またはエアゾールの発生が記載されている。この場合、ウィックは、多孔質の「キャピラメント(capillament)アセンブリ」を備え、その中に導電性中央電極が配置される。動作に際しては、液体が、ウィックの中央から外面へと電荷を伝導する手段を提供し、コロナ放電による気化が生じる。最も大きい蒸気の凝集は、コロナ放電が形成される隅部および縁部(点または鋭い径方向縁部)にて生み出される。
【0006】
エアゾールはまた、電気流体力学的な(「EHD」)力を液体に加えることによって生み出すこともできる。その際に、液体は、EHD微粉砕部位にていわゆるテイラーコーン(Taylor cone)を形成し、荷電され、噴流またはリガメントを形成し、噴流またはリガメントは、分離されまたは微粉砕されてエアゾールとなる。EHDの利用に際しては、エアゾールの形成にとって不利なコロナ放電を回避するために、電圧を低く保つことが望ましい。Noakesの特許文献2には、一端部が香気生成油に浸され垂直に配置された毛管を備える、噴霧装置が記載されている。一般に毛管の浸された端部付近で、バルク液体に電位が印加されると、液体は、離散して液滴となる複数のリガメントとして、頂端部から噴霧される。印加される電位は、10〜25kVの範囲内であると報告されており、毛管の頂部にてEHD微粉砕を生じるために十分高くなければならない。液体は、エアゾール化のために、毛管作用によってリザーバから毛管の頂端部へと給送される。Noakesの特許文献3には、同様であるが上記毛管の代わりにウィックを備える、噴霧装置が記載されている。ウィックは、連続気泡構造を有する材料から製作される。この場合も同様に、一般にウィックの浸された端部付近で、バルク液体に高電圧が印加される。Corneliusらの特許文献4に、さらに別の同様な噴霧装置が記載されているが、その毛細構造は、毛管作用を向上させるために、回旋状の内面を有する中空の毛管を備える。同様に、一般的に毛管の浸された端部付近で、バルク液体に高電圧が印加される。最後に、Coffeeの特許文献5には、端面または縁部から突出する束として形成される繊維によって設けられた微粉砕部位を備える、微粉砕された液体を分配するための装置が記載されている。
【0007】
上記の送達装置では、噴霧の送達をばらつきなくかつ正確に制御することが困難である。EHD噴霧は、狭く調整されたサイズ分布を有する、エアゾール粒子のばらつきのない噴霧を生み出す能力を含めて多くの利益をもたらすが、周囲の空気への液体の送達速度における、大幅なばらつきが観察された。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,196,171号明細書
【特許文献2】米国特許第5,337,963号明細書
【特許文献3】米国特許第5,503,335号明細書
【特許文献4】米国特許第5,810,265号明細書
【特許文献5】米国特許第5,655,517号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の一目的は、芳香を送達するやり方によって生じる芳香への悪影響を防止または少なくとも低減する、エアゾール送達装置を提供することである。本発明の別の目的は、エアゾール送達速度の制御改善を可能にする、エアゾール送達装置を提供することである。本発明のさらに別の目的は、リザーバ体積全体にわたりばらつきのないエアゾール送達をもたらす、エアゾール送達装置を提供することである。本発明のさらに別の目的は、芳香への悪影響の減少、ばらつきのない芳香のエアゾール送達、および迅速な気化のための能力改善という利点をもたらす方法を、提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、エアゾールとして分散することによる利益を受ける、別の配合物を送達するための装置および方法を提供することである。それらは、抗菌物質、昆虫駆除剤、誘引剤、滅菌剤、コンフューザント(confusant)、フェロモン、燻蒸剤、臭気中和剤、たとえばメントールおよびユーカリなど治療物質、動物の気分制御物質、たとえば表面洗浄剤、美的利益のための表面改質剤、表面保護剤、および衛生化/殺菌剤など家庭用洗浄製品、たとえば染み抜き剤、布用消臭剤、および美的利益のためのその他の布用処理剤など家庭用洗濯用製品、身体洗浄用の個人用化粧製品、ボディーローション、および人間用の日焼け止め製品、ならびに、消費者用接着剤などを含む。特に芳香用の配合物は、油がベースであるが、水、ポリマー、または有機溶剤など、別の担体を使用することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様では、本発明は、好ましくは迅速に気化するエアゾール噴霧であるほぼばらつきのない流量を有する噴霧を生み出すために、EHDを使用する方法を提供し、毛管作用により、液体が液体供給源からEHD微粉砕部位へと吐き出され、好ましくは高電圧電位である第1の電位が、液体供給源から離隔されたEHD微粉砕部位付近の位置にて、好ましくは毛管要素の先細部分内またはその付近において印加され、好ましくは接地である第2の電位が、好ましくは噴霧を方向付けずに噴霧が改善されるように、EHD微粉砕部位外部の位置へと印加される。
【0012】
別の態様では、本発明は、好ましくはエアゾール噴霧である噴霧を生み出すために、EHDを使用する方法を提供し、噴霧は、ほぼばらつきのない流量で断続的に制御可能に放出される。
【0013】
別の態様では、本発明は、所望の/知覚されるレベルの香気を、長時間(たとえば数週間または数ヶ月)にわたり維持するために、EHDを使用する方法を提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、第1の位置にて接触する第1および第2の区間を有する、ある長さの毛管ウィックを提供するステップであって、第2の区間が、少なくとも1つのEHD微粉砕部位を含むステップと、毛管ウィックの第1の区間を、第1の位置から離隔された第2の位置にて液体供給源と接触させるステップと、第1の位置にて毛管ウィックに第1の電位を印加するステップと、好ましくは接地である基準電極を、毛管ウィックの外部に位置決めするステップと、好ましくはエアゾール噴霧である噴霧を、少なくとも1つのEHD微粉砕部位からほぼばらつきのない流量で、電気流体力学的に生み出すステップとによって、好ましくはエアゾール噴霧である噴霧を生み出すためにEHDを使用する方法を提供する。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、好ましくはエアゾール噴霧である、ほぼばらつきのない流量の噴霧を生み出すための、EHD装置を提供し、当該装置は、EHD微粉砕可能な液体の供給源を収容するためのリザーバと、EHD微粉砕部位を有し液体供給源に接触するように位置決めされた、好ましくは毛管ウィックである毛管要素と、液体供給源から離隔された関係でEHD微粉砕部位の付近に動作可能に位置決めされた、好ましくは高電圧電極である第1の電荷供給源と、EHD微粉砕部位の外部に位置決めされた、好ましくは接地である第2の電荷供給源とを備える。
【0016】
さらに別の態様では、本発明は、好ましくはエアゾール噴霧であるほぼばらつきのない流量の噴霧を生み出すためのEHD装置を提供し、当該装置は、毛管要素と接触するように位置決めされた、好ましくは高電圧電極である第1の電荷供給源を備える。
【0017】
さらに別の態様では、本発明は、好ましくはエアゾール噴霧である2つ以上のほぼばらつきのない流量の噴霧を生み出すための、EHD装置を提供し、当該装置は、2つ以上のEHD微粉砕可能な液体供給源と液体接触する、2つ以上の任意の曲線状毛管ウィックを備える。
【0018】
さらに別の態様では、本発明は、好ましくはエアゾール噴霧であるほぼばらつきのない流量の噴霧を生み出すためのEHD装置を提供し、当該装置は、開口を含むように形成されたハウジングであって、開口が電荷供給源を含むように形成された当該ハウジングと、EHD微粉砕可能な液体の供給源と、EHD微粉砕部位を有し、少なくとも部分的に開口内に位置する毛管ウィックであって、EHD部位がハウジングの外部に位置し、液体供給源と液体連通する毛管ウィックと、EHD微粉砕部位に動作可能に近接する接地とを備える。
【0019】
本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読めば、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
EHD微粉砕は、液体上の電荷が液体の表面張力を超え、液体が崩壊しまたは微粉砕されて微細なエアゾール液滴の噴霧となるように、高電圧を使用して液体に荷電することを伴う。そうすることで、液滴のサイズおよび液滴サイズの分布を、厳密に制御することができる。液滴サイズは、サブミクロン範囲内とすることができ、すなわち、知覚される香気を変性させず、その迅速な発生に影響を与えずに、芳香を迅速に気化することが可能になる。図1および図2を見ると、この作用を誘導するために、液体は、好ましくは、噴霧部位として知られる微粉砕地点またはEHD微粉砕部位35でのみ、高い電界を受けなければならない。これを実現するために、リザーバ32内のバルク液体29に荷電することができ、電荷が、送達コラム34の先端にあるEHD微粉砕部位35へと、液体を通して伝導される。必要とされる電界を生み出すために、基準または誘導電極および接地26と呼ばれることが多い、対向電極が、良好に画成された電界の発生を助けるために、噴霧部位35から離隔されている。多数の芳香油を有するものなど、液体が比較的高い抵抗率を示す応用例、あるいは液体が半導体である応用例では、リザーバ32と基準電極26との間に十分高い電圧が印加され、高い抵抗を有する液体に電流が流れる場合、液体自体にわたり電位差を生じることが可能である。しかしながら、これが生じるとき、望ましくない高レベルの電界ポンピングが発生することがある。
【0021】
実際、2つの液体運動機構が作用している。第1の機構は、毛管手段の表面エネルギー(ダイン/cm)との液体の相互作用(液体の表面張力、ダイン/cm)に関連する、毛管作用である。第2の機構は、エアゾール化を誘導するために液体に付与される高電圧による、電界ポンピングである。EHD噴霧を誘導するために十分に高電圧の電荷が、バルク液体に印加されるとき、芳香およびエアゾールを発生するための毛管入口付近で印加されたとしても、毛管の反対側端部にあるEHD噴霧部位にて、高程度の液体送達のばらつきが生じることが見出されている。高圧ポンピングは、EHD噴霧に必要な電圧にて、毛管内の液体運動の機構に寄与することがあり、また、毛管に沿った電圧勾配は、特に供給リザーバ内の流体水位が時間と共に変化すると、毛管の空隙を通る運動にばらつきを生じると考えられている。
【0022】
再び図1および図2に戻ると、本発明の一実施形態が示されている。分配装置10は、一般に、ハウジング12、好ましくはリザーバ32内に収容される液体供給源29、一般に電極31である電圧源、EHD微粉砕部位35にて終端し、一般に関連付けられた電極31を有する毛管要素34、および、基準電極または接地26、27を備える。さらに、分配装置10は、装置10の内部構成要素へのアクセスを可能にする、取外し可能なキャップ14と、内部構成要素をさらに収容し、水平面上に配置されたときに装置10のための安定したプラットフォームを提供する基部16と、電池18と、電池18からの電圧(たとえば9V)を、装置10の動作に必要とされるより高いkVレベルの電圧に変換するための高圧電源22と、時間調整器、電圧制御器、動作指示器(たとえば照明、および強度および送達速度の制御装置)など電子部品の機能を操作するための回路板20と、高圧電源22の出力と電極31との間に延びる高圧リード線30と、装置10の動作を制御するためのスイッチ24とを備えることができる。任意の照明(図示せず)は、任意で、燃えている燭のような外観を装置10にもたらすことができ、または、噴霧を照明して噴水のような効果を現すために使用することができる。任意で、装置はまた、噴霧および装置のタイミングを使用者が調整することを可能にするための、様々な制御特徴を備えることができる。
【0023】
動作に際しては、液体が、液体供給源29から送達コラム34、64(たとえば図3c)へと供給される。送達コラム34、64は、一般に、毛管46(図3a)またはウィック66(図3c)から形成することができる毛管要素46、66(図3)を備え、それらは、電圧荷電によって液体がEHD微粉砕されてエアゾールとなるEHD微粉砕部位先端35へと、液体を引き込むことを可能にする。上記で説明したように、電極31、68の配置は、ばらつきのない液体およびエアゾール送達速度を提供するために重要である。毛管作用は、リザーバ32からEHD微粉砕部位35へと液体を移動させるための、有効な方法であると示されてきた。しかしながら、部位35への液体送達速度、および周囲の空気へのエアゾール送達速度にばらつきがみられることがあり、これはおそらく、エアゾール化を誘導するために高電圧を液体に付与し、液体を通して電流を流すことの結果としての、電界ポンピングによって生じる。しかしながら、送達コラム34、64の長さ全体にわたるこの高電圧は、電界ポンピングを生じて、液体流量のばらつきの一因となり、それをもたらすと考えられている。液体通路上のこの電位差を最小化することによって、ばらつきのない液体送達速度を実現することができる。有利には、液体を液体供給源29からEHD微粉砕部位35へと動かすために、毛管要素46、66を使用することによって、容積式を含めたいかなる種類の作動ポンピングも回避される。リザーバ32内の液体の送達にわたり、噴霧の流量がほぼ一定に維持されることができることも、重要である。
【0024】
多くの毛管要素が可能である。重要な特質は、液体を、液体供給源29からEHD微粉砕部位35へと送達する能力である。毛管送達速度は、EHD微粉砕の速度と少なくとも一致するのに十分なものでなくてはならず、さもなければ、EHD微粉砕部位35に液体がなくなり、エアゾール化が停止され、あるいは最小でも、液体がEHD微粉砕部位35へと部分的に補充され噴霧されるとき、エアゾール化に変動が生じる。毛管46(図3a)、多孔質材料56で充填された毛管46(図3b)、および繊維様のウィック66(図3c〜図3h)が、うまく使用されてきた。毛管要素内に形成された、一般的な既成のペーパータオル材料のサンプルが、うまく使用されている。
【0025】
管機構材料は、ABS、剛性PVC、ポリエステル、ポリアミド、ガラス、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK、およびポリイミドを含む。ポリマーの表面エネルギーが、液体の表面張力よりも大きく、好ましくは、液体の表面張力よりも8〜10ダイン/cm以上大きい場合、ポリマー管を用いて毛管作用を最大化するために、管への許容可能な粘着が生じる。たとえば、27〜30ダイン/cmの範囲内の表面張力を有する芳香油を噴霧する際に好ましい材料は、ABS(35〜42ダイン/cm)(括弧内は表面エネルギー値を表す)、剛性PVC(39ダイン/cm)、ポリエステル(41〜44ダイン/cm)、ポリアミド(約36ダイン/cm)、およびポリカーボネート(46ダイン/cm)を含む。毛管46は、単一要素であることが好ましいが、そうである必要はない。多数の管および互いに束ねられた多数の管を、使用することができる。毛管46は、単一開口部を有する円筒に必ずしも限定されない。たとえば、2つ以上の管を同軸で組み合わせて、1つまたは複数の環状開口と共に中央開口を作り出すことができる。
【0026】
本発明によれば、連続気泡、多孔質、または繊維様のウィックが、芳香エアゾールの噴霧に最も好ましい。限定ではなく例示として、ウィックは、プロッタペンの芯、フェルト先端、刷毛(china bristle)、ねじられたナイロンのより糸、編込み靴紐、発泡材料、および燭芯を含む。材料は、ポリエステルなどポリマー、または綿など天然のものとすることができる。たとえば、多孔質ウィック材料は、約40パーセントの多孔率を有する連続気泡構造を有する。好ましくは、空隙は、ばらつきのないサイズおよび形状を有し、ウィックは、互いに均一性を示す。好ましくは、各ウィックが、ウィック間でばらつきのない、良好に画成された先細の円錐形先端を有する。好ましくは、各円錐形先端の高さ対直径アスペクト比は低いが、有効なEHD微粉砕部位35を提供するには十分高い。
【0027】
さらに、本発明によって、設計の柔軟性が可能になる。多数の毛管要素またはウィック(図4)を、同一の分配装置内に、多数のリザーバ(図示せず)と共に構成することができる。図4に示すように、毛管要素166は、噴霧部位の配置、ならびに、(1つまたは複数の)リザーバ132、および特定の応用例に必要とされるその他の内部動作要素の位置決めを可能にするために、曲線形状を有することができる。その他の要素のサイズおよび形状、または交換可能なリザーバの所望の配置によって、非線対称の装置設計、不規則な形状のリザーバ132、および曲線状の毛管要素166を規定することができる。単一のリザーバから、多数の噴霧部位を引き出すことができる。多数のリザーバ(図示せず)が存在する場合、多数の液体を、同時にまたは時間的に順番に噴霧することができる。この後者の能力によって、第1の芳香を分配し、次いで別々の芳香を循環させることが可能になり、それによって、連続的なレベルの知覚される香気が提供され、嗅覚の飽和減少が回避される。
【0028】
本発明の主要な要素は、毛管要素46、66、特にEHD微粉砕部位35に対する、電極48、68の配置である。上記で議論したように、電極48、68が、リザーバ32内のバルク液体内に配置される場合、液体内の毛管要素46、66のバルク液体付近の端部に配置されるとしても、特に高い抵抗率を有する液体で、EHD微粉砕部位35にてエアゾール化を実行するために高い電圧が必要とされ、送達速度のばらつきを生み出す高レベルの電界ポンピングがもたらされる。
【0029】
毛管要素46、66を液体のコラムとして見ると、これは、電極68’(図3c)と、毛管要素46、66の端部にあるEHD微粉砕部位35との間の電位に対する、抵抗要素として作用する。より長い通路は、より高い抵抗および電圧低下を生じ、より高い電位の必要性と、よりばらつきのあるエアゾール流量をもたらす。EHD微粉砕部位35と電極68との間の距離を短縮することによって、抵抗および電圧降下が低減され、必要電圧が減少し、よりばらつきのないエアゾール流量がもたらされる。このため、本発明は、電界ポンピングを毛管要素46、66のより短い長さに限定する。しかしながら、図3に示すように、電極48、68、78、88、88’、98、98’、108は、EHD微粉砕部位35を超えて延びず、いくつかの材料の毛管要素は、電極を覆い、またはそれを超えて延びる。ここに、液体が毛管作用によって集まり、それをエアゾール化するために高電圧で荷電することが可能となる。結果的に、本発明によって、送達速度が改善され、時間が経過してもばらつきがない反復可能な送達速度が可能になる。たとえば、芳香送達の分野では、これが非常に望ましいことがある。
【0030】
電界ポンピングを低減しまたはなくすための、電極68の配置における主な因子は、噴霧先端35への近接率、および先端35の尖鋭度である。より小さい因子は、液体の抵抗率、毛管の吸収量、エアゾール化速度、および接地26の位置を含む。実際には、電極68を、動作可能または有効に、EHD微粉砕部位35の付近に配置しなければならない。すなわち、EHD微粉砕部位35に対する電極68の位置は、上記の特性を考慮して、ばらつきのないエアゾール送達速度を生み出すように調整しなければならない。各「オン」サイクル(以下で議論する)中に、ばらつきのない送達速度を実現することができるだけでなく、ばらつきのない送達速度を、「オン」および「オフ」サイクルの延長された期間にわたり実現することができる。
【0031】
一連の試験にわたるばらつきのなさの測度として、標準偏差を平均値で除算することによって、パーセントCVを計算した。この測定によって、様々なウィックおよび構成を、等しく比較することが可能になる。CVが低いほど、流量はよりばらつきがないものとなる。荷電位置を、たとえば68’から68へと変えることによって、パーセントCVは、3パーセントから15パーセント程度の範囲内で改善された(低減された)。たとえば、1つのウィックは、28.7パーセントCVから、19.3パーセントCVに改善された。芳香では、好ましいパーセントCVは、20未満であり、より好ましくは、10未満である。10パーセントを大幅に下回ると、平均的な人間の嗅覚によってはほとんど識別されない。一般に、荷電電極68の位置は、噴霧先端の円錐形部分内に見出されてきた。例として、試験された非導電性のウィックでは、電荷供給源68の位置は、微粉砕部位35から荷電点68までが、0.508mm(0.020インチ)から0.635mm(0.250インチ)となる範囲内にあった。導電性ウィックの測定値は、ほぼ0となる。
【0032】
多数の電極実施形態が実現可能であり、それらはすべて、電界ポンピングの低減に伴う、エアゾール送達速度のばらつきのなさの向上という、同じ望ましい結果を生み出す。上記で議論したように、電極68とEHD微粉砕部位35との間の大きい電圧差を低減するために、電極68を、バルク液体および液体吸上げ部から離して、EHD微粉砕部位35のより近くに配置することが重要である。図3に、毛管要素64およびEHD微粉砕部位35に対する、様々な可能な電極構成を示す。図3aは、毛管46を備える基本的な毛管要素44を示し、電圧源電極48が、管46内に配置されている。液体が管46内に引き込まれるとき、電極48は、EHD微粉砕部位35にて、液体をエアゾール化するのに十分な電荷を提供する。電界ポンピングの作用は、管46の、その電圧源電極48とEHD微粉砕部位35との間の位置に限定される。図3bは、同様であるが毛管46内に多孔質材料56が配置されている構成を示す。図3bに示す毛管要素54の動作は、図3aに示す毛管要素44の動作と同様である。図3cに示すように、毛管要素64は、多孔質ウィック66を備えることができ、その中に電圧源電極68が挿入される。図3cに示す実施形態は、EHD微粉砕部位35付近でウィック66内に挿入される、電圧源68を備える。上記実施形態と同様に、電界ポンピングが制御され、ばらつきのないエアゾール送達がもたらされる。いくつかの実施形態では、電圧源電極68のみが動作する状態で、上向きの毛管作用の流れと反対の、下向きの少量の望ましくない電界ポンピングを有する可能性がある。これには、追加の電圧源電極68’を図示のように配置することによって対抗することができる。すなわち、ウィック66の両端間の電位を、等しく、またはほぼ等しくすることができ、対抗する電界ポンピングが、ほとんどまたは全く存在しない。図3dに移ると、毛管要素74のさらに別の実施形態が示される。ここで、電圧源電極78は、多孔性ウィック66と同軸に位置決めされた螺旋コイルを備える。電圧源電極78が、多孔性ウィック66に近接して動作可能に位置決めされる限り、十分な電荷が液体に付与され、電界ポンピングが制御され、ばらつきのないエアゾール送達がもたらされる。対抗する電界ポンピングもまた、最小限になり、またはなくなる。図3e〜図3hは、さらに本発明の実施形態である、本発明による毛管要素84、94、104、114を示す。電圧源電極88、98、108、118は、図示のように多孔性ウィック66を取り囲むシースを備えることができ、あるいは、電圧源電極は、多孔性ウィック付近に動作可能に位置決めすることができる、湾曲タブなど(図示せず)を備えることができる。最後に、図3gおよび図3hは、ハウジング12またはリザーバカバー33の一部が電圧源電極108、118を備えるように形成される、一実施形態を示す。そのような電圧源電極108、118のための、(それらそれぞれの公称Ω/□抵抗値を有する)構造のプラスチック材料は、非帯電性プラスチック(E9〜E12)、静電散逸性プラスチック(E6〜E9)、および導電性プラスチック(E3〜E6)を含む。
【0033】
エアゾール送達を改善し、芳香の分散を最大化し、プルーム強度および形状を改善するために、接地または別の基準電極26を、EHD微粉砕部位35に動作可能に近接して配置することが好ましい。図1および図2は、接地26の配置の一例を示す。接地26がEHD微粉砕部位35から遠すぎるところに配置されると、部位35での荷電が、接地25に「分からない」ので、その作用は顕著ではない。接地26がEHD微粉砕部位35に近すぎるところに配置されると、エアゾール噴霧が、誤って接地26へと向けられることがある。好ましくは、接地26は、噴霧を接地26に引きつけずに、エアゾールを生み出すために必要な電界を発生させるように配置される。接地26の最適な位置は、装置10の特定の構成に依存する。液体の特性、粒子サイズ、噴霧部位のジオメトリ、および対応する必要電界電位は、接地26の配置に影響を与えることがある。図1を参照すると、接地26は、送達モジュール28の側部へと外れた頂部付近に、または毛管要素34の真下に、位置決めされる。接地26は、中性、またはEHD微粉砕部位から噴霧されるエアゾール粒子と反対の電荷とすることができる。あるいは、応用例に応じて、エアゾール噴霧を意図的に送るために、電極26を部位35付近に配置することができる。必要に応じて、接地26は、接地26の位置を変えることを可能にするための調整部(図示せず)を備えることができる。接地26に使用される材料は、これらに限定されないが、金属およびプラスチックを含めて、いかなる導体とすることもできる。作り出されたエアゾールは、好ましくは荷電されるが、選択された応用例では、中性粒子として放出し、分散させることができる。あるいは、外部の接地基準電極26を使用することもできる。たとえば、ある対象物または動物、人間などが、接地基準を提供することができる。
【0034】
好ましくは、様々な時間調整および制御機構が、回路板20またはどこか別の場所に、要素として含まれる。装置10が、(1つまたは複数の)芳香を放出するために室内で最初に作動されるとき、たとえば、部屋全体に香りを提供するのに十分な量の芳香を導入し、その後装置10を停止することが望ましいことがある。後に、室内のレベルを一定に保つために、かつ、時間がたって嗅覚がなくなりまたは鈍感になる傾向に逆らうために、「維持」用の量の香りを定期的に導入することが望ましいことがある。これは、おそらく数秒間持続する短い噴射をより長い期間の静止と時間調整することによって行うことができる。そのような時間調整はまた、同じまたは異なる配合物を有する、多数の噴射と共に使用することができる。芳香の強さに応じて、1分以上のより長い「オン」時間により、香気が過剰になることがある「ホットスポット」が生み出されることがある。こうした状況では、「オフ」時間を、1分以上とすることができる。
【0035】
単一分配器10内に多数の香気を有することによって、いくつかの別のタイプの動作が可能になる。たとえば、互いに関連し合う香気は、共に「ブーケ」効果を生み出すことができる。分配をその日の特定の時間に制御することによって、1つの香気が、爽快にする効果(朝)、落ち着いた、またはストレスを解放する効果(昼間)、またさらに別の、リラックス効果(夕方)を誘導することができる。
【0036】
時間調整機構を使用すると、装置10は、時間がたって流体流量が減少した場合も一定の送達速度を維持することができる。たとえば、送達速度を、噴霧サイクル時間内の噴射間隔をより短くすることによって、維持することができる。すなわち、時間が経過して、毛管ウィック66を通る液体の流れがより少なくなる場合、噴霧「オン」間隔を、たとえば5秒から、5秒より長く延長することができる。あるいは、またはそれと組み合わせて、「オフ」時間間隔を、たとえば45秒から45秒未満へと短縮することができる。これらの時間調整スキームによって、空気への、有効なまたは知覚可能なレベルの一定の芳香送達を生み出すことができる。
【0037】
多くの芳香配合物は、5×103Ω・cmより大きい抵抗率、および10から約50ダイン/cmの間の表面張力を有する。これらの調整物からエアゾールを作り出すための電圧レベルは、通常、3kVから10kV以上である。コストおよび電池寿命を考慮すると、必要電圧を最低限に維持することが好ましい。流量は、0.005〜0.100μL/秒、送達速度は、5〜50mg/時とすることができる。
【0038】
本発明を、図示および説明のために特定の実施形態に関連付けて説明してきたが、これは網羅的なものではなく、本発明を開示された詳細な形態に限定するものでもない。上記教示に照らせば、多数の修正および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明に限定されるものではなく、本明細書に添付する特許請求の範囲に限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態の概略的な破断図であり、その構成要素を示す図である。
【図2】図1に示す本発明の実施形態を示す部分的に詳細な概略破断図である。
【図3a】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する1つの毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3b】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3c】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3d】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3e】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3f】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3g】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図3h】本発明のさらなる実施形態による、関連する電極を有する別の毛管手段を示す概略的な破断図である。
【図4】任意の湾曲した毛管要素および任意のずれたリザーバを示す、本発明の一実施形態を示す概略的な破断図である。
【図5】先細状の燭構成を有する噴霧装置を示し、狭く深い液体リザーバを示す、本発明の一実施形態の概略破断図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EHD微粉砕部位を備える毛管ウィックを、液体供給源と接触させるステップであって、前記液体の少なくとも一部が、前記EHD微粉砕部位へと移動するステップと、
前記液体供給源から離隔された前記EHD微粉砕部位付近の位置にて、前記毛管ウィック内の前記液体に第1の電位を印加するステップと、
前記EHD微粉砕部位の外部の位置にて第2の電位を印加するステップと、
前記液体の少なくとも一部をEHD微粉砕するステップと、
ほぼばらつきのない流量を有する噴霧を形成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記噴霧がエアゾール粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エアゾール粒子が、芳香香気を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の電位を選択するステップと、
前記第1の電位の前記印加の位置を決めるステップとをさらに含み、ほぼばらつきのない電界ポンピングが、前記第1の電位の前記位置とおよび前記EHD微粉砕部位との間で作用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の電位を選択するステップと、
前記第2の電位の前記印加の位置を決めるステップとをさらに含み、前記噴霧が逆方向噴霧を伴わずに改善されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の電位が接地であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接地が動物であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
体積Vの液体供給源を提供するステップと、
前記体積Vをほぼばらつきのない流量の噴霧として分配するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の電位が、前記EHD微粉砕部位の0.635mm(0.250インチ)以内の位置にて印加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の電位が、3から10kVの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記液体が、香気、抗菌物質、昆虫駆除剤、誘引剤、滅菌剤、コンフューザント、フェロモン、燻蒸剤、臭気中和剤、たとえばメントールおよびユーカリなど治療物質、動物の気分制御物質、たとえば表面洗浄剤、美的利益のための表面改質剤、表面保護剤、および衛生化/殺菌剤など家庭用洗浄製品、たとえば染み抜き剤、布用消臭剤、および美的利益のためのその他の布用処理剤など家庭用洗濯用製品、身体洗浄用の個人用化粧製品、ボディーローション、および人間用の日焼け止め製品、ならびに、消費者用接着剤などからなる群から選択される、材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記液体が、5×103Ω・cmより大きい抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ほぼばらつきのない流量が、20パーセント未満のCVを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
体積Vの液体供給源を提供するステップと、
前記第1の電位を断続的に印加するステップと、
時間が経過すると、前記体積Vを、断続的な噴霧としてほぼばらつきのない流量で断続的に分配するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
断続的に噴霧する前記ステップが、前記体積Vを、ほぼ等しい体積の断続的な噴霧として分配するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
断続的な噴霧間の総流量の差が、20パーセント未満のCVを有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
時間が経過した後の総流量が、20パーセント未満のCVを有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の電位の前記電圧を変えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電位の前記印加の位置を、前記EHD微粉砕部位に対して調整するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
知覚されるレベルの香気を少なくとも30日間維持するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項21】
毛管ウィックからばらつきのないエアゾール流を送達する方法であって、
第1の位置にて接触する第1および第2の区間を有する、ある長さの毛管ウィックを提供するステップであって、前記第2の区間が、少なくとも1つのEHD微粉砕部位を備えるステップと、
前記毛管ウィックの第1の区間を、前記第1の位置から離隔された第2の位置にて液体供給源と接触させるステップと、
前記第1の位置にて、前記毛管ウィックに第1の電位を印加するステップと、
第2の電位を有する基準電極を、前記毛管ウィックの外部に位置決めするステップと、
前記少なくとも1つのEHD微粉砕部位から、ほぼばらつきのない流量の噴霧を電気流体力学的に生み出すステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記噴霧が、エアゾール粒子を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのEHD微粉砕部位をそれぞれ含む少なくとも2つの毛管ウィックを、それぞれの液体供給源にそれぞれ接触させるステップであって、各供給源からの前記液体の少なくとも一部が、前記それぞれのEHD微粉砕部位へと移動するステップと、
各液体供給源それぞれから離隔された各EHD微粉砕部位それぞれの付近の位置にて、前記少なくとも2つの毛管ウィックそれぞれの内部の前記液体に、第1の電位を印加するステップと、
各EHD微粉砕部位の外部の位置にて、第2の電位を印加するステップであって、前記液体の少なくとも一部が、EHD微粉砕されて、ほぼばらつきのない流量を有する噴霧を形成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
第1の電位を印加する前記ステップが、前記第1の電位と異なる電位を、1つまたは複数の前記毛管ウィックに印加することを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
リザーバと、
前記リザーバ内に収容された液体供給源と接触するように位置決めされ、EHD微粉砕部位を有する毛管要素と、
前記液体供給源と離隔された関係で前記EHD微粉砕部位に近接して位置決めされた、第1の電荷供給源と、
前記EHD微粉砕部位の外部に位置決めされた第2の電荷供給源とを備え、前記第1の電荷供給源の作動時に、前記液体の少なくとも一部がEHD微粉砕されて、ほぼばらつきのない流量を有する噴霧を形成することを特徴とする装置。
【請求項26】
前記毛管要素がさらに、毛管ウィックを備えることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記毛管要素が、前記液体の前記表面張力よりも、少なくとも8ダイン/cm大きい表面エネルギーを有する材料から形成されることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記毛管要素が、第2の毛管と同軸に位置決めされた第1の毛管を備え、それによって、環状部分および第2のEHD微粉砕部位を形成することを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記液体供給源と離隔された関係で、前記第2のEHD微粉砕部位に近接して位置決めされた第3の電荷供給源を、さらに備えることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記毛管要素がさらに、ほぼ非導電性の部分を備えることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記非導電性部分が、前記第2の電荷供給源と前記EHD微粉砕部位との間にあることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記毛管要素が、ほぼ非導電性であることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項33】
前記毛管要素のEHD微粉砕部位が、ほぼ非導電性であることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項34】
前記第1の電荷供給源が、前記EHD微粉砕部位の0.635mm(0.250インチ)以内にあることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項35】
前記第1の電荷供給源が、前記毛管要素内にあることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の電荷供給源が、曲線状のタブを備え、前記タブが、前記毛管ウィックと荷電接触することを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項37】
前記第1の電荷供給源が実質的に、前記毛管ウィックを取り囲むそれと同軸の螺旋を形成することを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項38】
前記第1の電荷供給源が、前記毛管ウィックの回りに少なくとも部分的なシースを備えることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項39】
前記毛管要素が、1つまたは複数の中空の管内に配置された多孔性材料、多孔性ウィック、圧縮された繊維、連続気泡材料、紙、布、多孔性プラスチック材料、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項40】
1つまたは複数の追加毛管ウィックを、さらに含むことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項41】
前記毛管ウィックが、曲線状であることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項42】
1つまたは複数の追加リザーバと、1つまたは複数の追加毛管ウィックとを備えることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項43】
前記第2の電荷供給源の前記位置を前記EHD微粉砕部位に対して、使用者が調整することを可能にする手段を、さらに含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項44】
前記第1の電荷供給源の前記位置を、使用者が調整することを可能にする手段を、さらに含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項45】
開口を含むように形成されたハウジングと、
電荷供給源と、
EHD微粉砕可能な液体供給源と、
EHD微粉砕部位を備える毛管ウィックであって、前記毛管ウィックが、前記開口内に少なくとも部分的に配置され、前記EHD微粉砕部位が、前記ハウジングの外部に位置決めされ、前記毛管ウィックが、前記液体供給源と液体連通する、当該毛管ウィックと、
前記EHD微粉砕部位に近接する接地と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項46】
前記ハウジングが、少なくとも半透明であり、さらに燭の形状に形成され、前記装置が、前記ハウジング内に配置される発光要素をさらに備え、前記発光要素から光が放出されると、前記ハウジングの外側から見ることができることを特徴とする請求項45に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図3h】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−544834(P2008−544834A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555255(P2007−555255)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/004771
【国際公開番号】WO2006/086655
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(591072086)バテル メモリアル インスティチュート (8)
【Fターム(参考)】